【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電防止性が持続し、包装用材料として用いる際にも、小麦粉、砂糖等の粉末あるいは削り節、ふりかけ等の小片等の被包装物を充填包装する際にも粉末等が包装用材料に付着することなく充填できる積層フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレンフィルムに代表されるポリオレフィンフィルムは、ポリエステルフィルムやポリアミドフィルム等の有極性ポリマーからなるフィルムに比べ帯電し易く、そのままで包装用フィルムに用いると空気中の埃を吸着したり、フィルム同志がブロッキングし易いことから、包装用フィルムにはほとんど例外なく、帯電防止剤が添加されている。そして、かかる帯電防止剤は、通常素材となるポリオレフィンに添加されているので、帯電防止効果の持続性あるいは発現性等の問題を抱えている。かかる問題点を解決する方法として、側鎖にカルボキシル基及び4級アンモニウム塩基を有する架橋性共重合高分子である接着プライマーをプラスチックフィルム基材に塗布してなる積層フィルムおよびかかる積層フィルムに接着剤層を介して他のプラスチックフィルム層を積層した積層フィルムが提案されている(特許第2608383号公報)。
【0003】
しかしながら、かかる架橋性共重合高分子からなる接着プライマーをプラスチックフィルム基材に塗布した積層フィルムに漫然とドライラミネート接着剤等を塗布して熱融着性フィルム等の他のフィルムと積層した場合、得られる多層フィルムを用いて被包装物を包装すると、何故か静電防止性が低下し、包装フィルムに被包装物が付着し、充填包装に支障を来す場合があることが分かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは充填包装等を行う際にも、安定した静電防止性を有する積層フィルムを得る方法を鋭意検討した結果、架橋性共重合高分子からなる接着性プライマーを塗布した熱可塑性樹脂フィルムに接着剤を塗布して他の熱可塑性樹脂フィルムとを貼り合せる際に、特定の条件下に接着性プライマーに水分を含ませ、かつ得られた積層フィルムを特定の条件下でエージングすることにより積層フィルムの静電防止性の低下が防げることを見出した。
【0005】
【課題を解決するための手段】
【発明の概要】
本発明は、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、側鎖に少なくともカルボキシル基及び4級アンモニウム塩基を有する架橋性共重合高分子からなる接着性プライマー(A)を塗布した熱可塑性樹脂フィルム(B)の接着性プライマー(A)の表面に接着剤(C)を塗布・乾燥した後、前記接着性プライマー(A)に水分を含ませた状態で、他の熱可塑性樹脂フィルム(D)と貼り合せて積層し、得られる積層フィルムを高湿度の雰囲気下でエージングすることを特徴とする静電防止性を有する積層フィルムの製造方法に関する。
【0006】
【発明の具体的説明】
接着性プライマー(A)
本発明に係わる接着性プライマー(A)は、得られる積層フィルムに静電防止性を付与する化合物であり、側鎖に少なくともカルボキシル基及び4級アンモニウム塩基を有する架橋性共重合高分子からなる接着性プライマーである。本発明に係わる架橋性共重合高分子は、更に側鎖に上記官能基に加え、ヒドロキシル基を有していてもよい。かかる架橋性共重合体は、上記の各官能基を有する単量体を共重合することによって得ることができる。各単量体の具体例は、末端にカルボキシル基(−COOH基)を有する単量体としては(メタ)アクリル酸、アクロイルオキシエチルコハク酸、フタル酸、(メタ)ヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。4級アンモニウム塩基を有する単量体としてはジメチルアミノエチルアクリレート4級化物(対イオンとしてのクロライド、サルフェート、スルホネート、アルキルスルホネートなどアニオンを含む)が挙げられる。ヒドロキシル基を有する単量体としては、2官能単量体のグリセリンジグリシジルエーテルなどが挙げられる。3官能単量体のトリメチロールプロパントリグリシジルエーテルなどのエポキシ誘導体、トリメチロールプロパントリアジリジニルエーテルなどのエチレンイミン誘導体が挙げられる。この他に、その他の単量体を共重合させることもでき、その他の重合性単量体としてはアルキルアクリレート(メタを含む)、スチレン、酢酸ビニル、ハロゲン化ビニル、オレフィンなどのビニル誘導体などが挙げられる。
【0007】
上記2官能、3官能単量体のエポキシ誘導体の開環反応触媒として2−メチルイミダゾール、2−エチル、4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール誘導体やその他アミン類のエポキシ開環反応触媒を添加剤として用いることができる。本発明の接着性プライマーにおいて、各単量体の組成比は広い範囲で変え得る。この中で、4級アンモニウム塩基をもつ単量体は該共重合体の全単量体に対して15〜40モル%の範囲での構成が好ましく、末端に−COOH基をもつ単量体は全単量体に対して3〜13モル%が好ましい。その他の構成単量体は63.5〜79.5モル%の範囲で共重合体が構成される。4級アンモニウム塩基をもつ単量体は15モル%以下では静電防止効果が小さく、逆に40モル%を越えると単量体の親水性が高くなり過ぎる場合がある。又、ヒドロキシル基をもつ単量体は全単量体に対して0.5〜1.5モル%が好ましい。
【0008】
本発明に係わる接着性プライマー(A)は、通常架橋性共重合高分子を水/イソプロピルアルコールの混合溶液に固形分濃度2.0〜10.0%にて溶解、希釈することで得られる。なお、水/イソプロピルアルコールの混合比率は80/20〜20/80の範囲で適宜変えることができる。
【0009】
熱可塑性樹脂フィルム
本発明に係わる接着性プライマー(A)を塗布する熱可塑性樹脂フィルムは、種々公知の熱可塑性樹脂からなるフィルムであり、かかる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル・1−ペンテン、ポリブテン等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマー、あるいはこれらの混合物等を例示することができる。これらのうちでは、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等、延伸性、透明性が良好な熱可塑性樹脂が好ましい。又、かかる熱可塑性樹脂フィルムは、無延伸フィルムであっても、延伸フィルムであっても良い。中でも、二軸延伸フィルムが剛性、透明性等に優れているので好ましい。さらに、かかる熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の蒸着や、塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール系重合体等のコーティングが施してあっても良い。
【0010】
又、熱可塑性樹脂フィルムの片面あるいは両面に、接着性プライマーとの接着性を改良するために例えば、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、アンダーコート処理、プライマーコート処理、フレーム処理等の表面活性化処理を行っておいてもよい。熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、通常5〜50μm、好ましくは9〜30μmの範囲にある。
【0011】
熱可塑性樹脂フィルム(B)
本発明に係わる熱可塑性樹脂フィルム(B)は、前記熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、接着性プライマー(A)を塗布してなるフィルムである。かかる熱可塑性樹脂フィルム(B)は、予め得られた熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に、接着性プライマー(A)を、例えば、エアーナイフコーター、ダイレクトグラビアコーター、グラビアオフセット、アークグラビアコーター、グラビアリバースおよびジェットノズル方式等のグラビアコーター、トップフィードリバースコーター、ボトムフィードリバースコーターおよびノズルフィードリバースコーター等のリバースロールコーター、5本ロールコーター、リップコーター、バーコーター、バーリバースコーター、ダイコーター等種々公知の塗工機を用いて、接着性プライマー(A)中の固形分の量で0.05〜1.0g/m2、好ましくは0.1〜0.5g/m2となるよう塗布した後、50〜140℃の温度で乾燥することにより得られる。 熱可塑性樹脂フィルムの接着性プライマー(A)を塗布する面には、前述のように予めコロナ処理等を行っておいてもよいし、プライマーコート処理等を行っておいてもよい。かかるプライマーコート剤としては、種々公知のラミネート接着剤、例えば一液型、二液型のポリオールと多価イソシアネート、水系ウレタンアイオノマーと硬化剤等の組合せからなるポリウレタン系接着剤に代表されるドライラミネート接着剤、アクリル系、酢酸ビニル系、ウレタン系、ポリエステル樹脂等を主原料とした水性ドライラミネート接着剤、ポリウレタン系接着剤に代表される無溶剤ラミネート接着剤等を例示できる。
【0012】
接着剤(C)
本発明に係わる熱可塑性樹脂フィルム(B)の接着性プライマー(A)を塗布してなる面に塗布する接着剤は、種々公知のラミネート接着剤、例えば一液型、二液型のポリオールと多価イソシアネート、水系ウレタンアイオノマーと硬化剤等の組合せからなるポリウレタン系接着剤に代表されるドライラミネート接着剤、アクリル系、酢酸ビニル系、ウレタン系、ポリエステル樹脂等を主原料とした水性ドライラミネート接着剤、ポリウレタン系接着剤に代表される無溶剤ラミネート接着剤、電子線硬化型ラミネート接着剤等を例示できる。
【0013】
熱可塑性樹脂フィルム(D)
本発明に係わる前記熱可塑性樹脂フィルムに接着性プライマー(A)を塗布してなる熱可塑性樹脂フィルム(B)と貼り合せる熱可塑性樹脂フィルム(D)は、前記熱可塑性樹脂フィルムと同じ範疇のフィルムである。又、前記熱可塑性樹脂フィルムと熱可塑性樹脂フィルム(D)とは、同一種類の熱可塑性樹脂から得られるフィルムであっても、異なる種類の熱可塑性樹脂から得られるフィルムであってもよく、種々用途により適宜選択し得る。熱可塑性樹脂フィルム(D)として、熱融着性に優れる樹脂を選択する場合は、熱融着フィルムとして公知のエチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メチル・ペンテン−1、オクテン−1等のα−オレフィンの単独若しくは共重合体、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレンランダム共重合体、ポリブテン、ポリ4−メチル・ペンテン−1、低結晶性あるいは非晶性のエチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・ブテン−1ランダム共重合体、プロピレン・ブテン−1ランダム共重合体等のポリオレフィンを単独若しくは2種以上の組成物、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)あるいはEVAとポリオレフィンとの組成物、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタアクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタアクリル酸エステル共重合体等の単独若しくは2種以上の組成物、アイオノマー等の熱可塑性樹脂から得られるフィルムを用い得る。
【0014】
静電防止性を有する積層フィルムの製造方法
本発明の静電防止性を有する積層フィルムの製造方法は、熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面に接着性プライマー(A)を塗布した熱可塑性樹脂フィルム(B)の接着性プライマー(A)の表面に接着剤(C)を塗布・乾燥した後、前記接着性プライマー(A)に水分を含ませた状態で、、他の熱可塑性樹脂フィルム(D)と貼り合せて積層し、得られる積層フィルムを高湿度の雰囲気下でエージングする方法である。
【0015】
前記接着性プライマー(A)に水分を含ませる方法としては、例えば、接着性プライマー(A)を塗布した熱可塑性樹脂フィルム(B)の接着性プライマー(A)の表面に接着剤(C)を塗布・乾燥した後に、高湿度下に保たれたチャンバー内を通過させる方法、あるいは、接着剤(C)を塗布・乾燥した後に他の熱可塑性樹脂フィルム(D)と貼り合せる前に、フィルム表面近傍に水を噴霧する方法等種々の方法を採り得る。チャンバー内を高湿度下に保つ方法としては、例えば、予め高湿度に調整された空気をチャンバー内に送風することにより行い得る。又、フィルム表面近傍に水を噴霧する場合は、あまりに噴霧量が過剰になると、まれに接着剤(C)の白化が生じ、また所定のラミネート強度が得られない場合があるため、これらを避けるように噴霧する水の量、噴霧位置とフィルムとの距離等を適宜調整する必要がある。前記接着性プライマー(A)に水分を含ませる高湿度の条件は、好ましくは10〜40℃、湿度70〜100%RH、さらに好ましくは15〜40℃、湿度80〜100%RHの範囲である。
前記接着性プライマー(A)に水分を含ませた状態で、他の熱可塑性樹脂フィルム(D)と貼り合せて積層した後は、通常の方法で当該積層フィルムを巻取り、巻き取った積層フィルムは、高湿度の雰囲気下でエージング、好ましくは30〜50℃、湿度40〜100%RHで少なくとも24時間、更に好ましくは30〜50℃、湿度45〜100%RHで少なくとも24時間の高湿度の雰囲気下でエージングする。当該エージングは、巻き取ったフィルムを上記条件に保たれた部屋に保管しておくことにより行えばよい。
【0016】
本発明の静電防止性を有する積層フィルムの製造方法は、接着性プライマー(A)の表面に接着剤(C)を塗布・乾燥した後、他の熱可塑性樹脂フィルム(D)とを貼り合せる工程では、前記接着性プライマー(A)に水分を含ませた状態で行う必要があり、貼り合せた積層フィルムをエージングする工程においては高湿度下の雰囲気で行うことが必要である。例えば、貼り合せ工程を前記接着性プライマー(A)に水分を含ませない状態で行った後巻き取った積層フィルムは、その後たとえ長時間、高湿度下でエージングしても得られる積層フィルムは十分な静電防止効果を発現し得ない場合があり、又、貼り合せ工程を前記接着性プライマー(A)に水分を含ませた状態で行っても、巻き取った積層フィルムを乾燥した雰囲気下でエージングを行うと静電防止効果を発現し得ない場合がある。
【0017】
本発明に用いる熱可塑性樹脂フィルム(B)には、その表面に印刷を施しておいてもよい。印刷は熱可塑性樹脂フィルム(B)の接着性プライマー(A)を塗布した面でもよいし、他の面でもよい。熱可塑性樹脂フィルム(B)の接着性プライマー(A)を塗布した後に、印刷面を乾燥したフィルムを高湿度の雰囲気下で巻き取ってもよい。
【0018】
本発明の製造方法で得られた積層フィルムは、上記高湿度下でのエージングを行った後は、当該フィルムを極端な乾燥状態に置かない限り、常温での静電防止効果が持続するので、エージングを行った後の積層フィルムの取扱いは容易であり、当該積層フィルムを用いて小麦粉、砂糖等の粉末あるいは削り節、ふりかけ等の小片等の被包装物を充填包装する際にも粉末等が包装用材料に付着することなく充填できるので、包装用材料としても好適である。
【0019】
【発明の効果】
従来の積層フィルムにおいては、積層フィルムを製造する過程で静電防止効果が低下し、得られた熱可塑性樹脂積層フィルムを包装用材料として用いる場合には、被包装物を充填包装する際に、被包装物が当該積層フィルムに付着して充填包装等がスムーズにいかない虞があったのに対し、本発明の製造方法により得られる積層フィルムは、積層フィルムを製造する過程での静電防止効果の低下がなく、また輸送時、充填包装までの保管時等において長時間放置しても静電防止効果が持続するので、包装用材料に用いた際にも、被包装物が積層フィルムに付着する虞がない。したがって、本発明の製造方法で得られる積層フィルムは、かかる静電防止効果の持続性を活かして、小麦粉、砂糖等の粉末あるいは削り節、ふりかけ等小片等の被包装物の充填包装用包装材料として好適に用いられるのを始め、植物の種子、医薬品、電子部品材料等幅広い分野の包装用材料としても使用できる。
【0020】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に制約されるものではない。
【0021】
なお、実施例及び比較例で得られた積層フィルムの性能は以下の方法で評価した。
〈摩擦帯電圧〉
摩擦帯電圧測定器(大栄科学精器製作所 RS−101D)を用い、積層フィルムを綿布と60秒間摩擦した直後の積層フィルムの帯電圧を測定した。なお、測定環境は20℃、35%RHであった。
〈灰付着試験〉
積層フィルムを綿布で30往復摩擦した直後に、タバコの灰までの距離を5mmまで接近させた際に積層フィルム表面へ付着する灰の有無を評価した。なお、測定環境は20℃、35%RHであった。
○:灰の付着がないか、若干灰の付着が認められる程度。
×:灰が著しく付着する。
〈ラミネート強度〉
テンシロン引張試験機を用い、剥離速度300mm/分にて積層フィルムのラミネート強度を測定した。
〈ヒートシール強度〉
積層フィルムの線状低密度ポリエチレン面同士を、温度120℃、圧力0.2MPa、時間1秒の条件にてヒートシールした後、テンシロン引張試験機を用い、引張速度300mm/分にてヒートシール強度を測定した。
【0022】
実施例1
厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)の片面に、4級アンモニウム塩アクリルモノマーとアクリル酸(メタを含む)、アクリル酸エステルの共重合高分子からなる接着性プライマー(アルテック社製:商品名 BONDEIP PA100)を塗布量0.2g/m2となるよう塗布した。この接着性プライマーの表面に印刷を施して巻き取った後、ポリウレタン系ドライラミネート接着剤(東洋モートン社製:商品名 TM−317およびCAT―11B―80)を塗布、乾燥し、ついでフィルムの両側面から水を噴霧して、17℃、湿度85%RHの雰囲気下で接着性プライマーに水分を含ませ、その状態で厚さ40μmの線状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)と貼り合せた後、巻き取った。なお、ドライラミネート接着剤の塗布量は2.0g/m2とした。巻き取った積層フィルムは35℃、湿度80%RHの雰囲気下で24時間エージングを行った。得られた積層フィルムの性能評価の結果を表1に示す。
【0023】
実施例2
実施例1において、37℃、湿度50%RHの雰囲気下で24時間エージングを行う以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの性能評価の結果を表1に示す。
【0024】
実施例3
実施例1において、印刷を施した後、17℃、湿度85%RHの雰囲気下で巻き取る以外は実施例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの性能評価の結果を表1に示す。
【0025】
比較例1
厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面に、4級アンモニウム塩アクリルモノマーとアクリル酸(メタを含む)、アクリル酸エステルの共重合高分子からなる接着性プライマー(アルテック社製:商品名 BONDEIP PA100)を塗布量0.2g/m2となるよう塗布した。この接着性プライマーの表面に印刷を施して巻き取った後、ポリウレタン系ドライラミネート接着剤(東洋モートン社製:商品名 TM−317およびCAT―11B―80)を塗布、乾燥し、22℃、湿度50%RHの雰囲気下で厚さ40μmの線状低密度ポリエチレンフィルムと貼り合せた後、同雰囲気下で巻き取った。なお、ドライラミネート接着剤の塗布量は2.0g/m2とした。巻き取った積層フィルムは38℃、湿度20%RHの雰囲気下で24時間エージングを行った。得られた積層フィルムの性能評価の結果を表1に示す。
【0026】
比較例2
比較例1において、ポリウレタン系ドライラミネート接着剤を塗布、乾燥し、ついでフィルムの両側面から水を噴霧して、17℃、湿度85%RHの雰囲気下で接着性プライマーに水分を含ませ、その状態で線状低密度ポリエチレンフィルムと貼り合せる以外は比較例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの性能評価の結果を表1に示す。
【0027】
比較例3
比較例1において、35℃、湿度80%RHの雰囲気下で96時間エージングを行う以外は比較例1と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの性能評価の結果を表1に示す。
【0028】
比較例4
厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムの片面に、4級アンモニウム塩アクリルモノマーとアクリル酸(メタを含む)、アクリル酸エステルの共重合高分子からなる接着性プライマー(アルテック社製:商品名 BONDEIP PA100)を塗布量0.2g/m2となるよう塗布した。この接着性プライマーの表面に印刷を施して巻き取った後、ポリウレタン系ドライラミネート接着剤(東洋モートン社製:商品名 TM−317およびCAT―11B―80)を塗布、乾燥し、22℃、湿度55%RHの雰囲気下で厚さ40μmの線状低密度ポリエチレンフィルムと貼り合せた後、17℃、湿度85%RHの雰囲気下で巻き取った。なお、ドライラミネート接着剤の塗布量は2.0g/m2とした。巻き取った積層フィルムは35℃、湿度80%RHの雰囲気下で24時間エージングを行った。得られた積層フィルムの性能評価の結果を表1に示す。
【0029】
比較例5
比較例4において、印刷を施して、17℃、湿度85%RHの雰囲気下で巻き取る以外は比較例4と同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムの性能評価の結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
表1から明らかなように、片面に架橋性共重合高分子からなる接着性プライマーを塗布した二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPP)と線状低密度ポリエチレンフィルム(LLDPE)とのドライラミ(貼り合せ)を行う前に、接着性プライマー(A)に水分を含ませた状態にし、かつ巻き取った積層フィルムを高湿度下でエージングしたフィルム(実施例1〜3)はOPP面及びLLDPE面の何れも摩擦帯電圧が低く、灰の付着もなく静電防止効果に優れた積層フィルムであるのに対し、貼り合せ時及びエージングの何れかを低湿度下で行った積層フィルムは、何れも静電防止効果に劣る。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention maintains the antistatic property, so that when used as a packaging material, the powder or the like is also used for filling and packaging a powder such as flour, sugar or the like, or a small piece such as a shavings or sprinkle. The present invention relates to a method for producing a laminated film that can be filled without adhering to a material for use.
[0002]
[Prior art]
Polyolefin films, such as polypropylene films, are more easily charged than films made of polar polymers such as polyester films or polyamide films. Because of its ease of use, an antistatic agent is almost always added to the packaging film. Since such an antistatic agent is usually added to polyolefin as a raw material, there are problems such as persistence or expression of an antistatic effect. As a method for solving such a problem, a laminated film obtained by applying an adhesive primer, which is a crosslinkable copolymer having a carboxyl group and a quaternary ammonium group in a side chain, to a plastic film substrate and an adhesive applied to the laminated film A laminated film in which another plastic film layer is laminated via a layer has been proposed (Japanese Patent No. 2608383).
[0003]
However, when an adhesive primer composed of such a crosslinkable copolymer is applied to a laminated film applied to a plastic film substrate, a dry laminating adhesive or the like is inadvertently applied and laminated with another film such as a heat-fusible film. It has been found that, when packaging an object to be packaged by using the obtained multilayer film, the antistatic property is reduced for some reason, the object to be packaged adheres to the packaging film, and the filling and packaging may be hindered.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, the present inventors have conducted intensive studies on a method for obtaining a laminated film having stable antistatic properties even when performing filling and packaging and the like. When applying an adhesive to a plastic resin film and bonding it to another thermoplastic resin film, add moisture to the adhesive primer under specific conditions, and age the obtained laminated film under specific conditions By doing so, it was found that a decrease in the antistatic property of the laminated film could be prevented.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
Summary of the Invention
The present invention provides a thermoplastic resin film (B) in which at least one surface of a thermoplastic resin film is coated with an adhesive primer (A) comprising a crosslinkable copolymer having at least a carboxyl group and a quaternary ammonium group in a side chain. After applying and drying the adhesive (C) on the surface of the adhesive primer (A), the adhesive primer (A) is moistened with another thermoplastic resin film (D). The present invention relates to a method for producing a laminated film having antistatic properties, characterized in that a laminated film obtained is aged under an atmosphere of high humidity.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Adhesive primer (A)
The adhesive primer (A) according to the present invention is a compound that imparts an antistatic property to the obtained laminated film, and is an adhesive comprising a crosslinkable copolymer having at least a carboxyl group and a quaternary ammonium group in a side chain. Sex primer. The crosslinkable copolymer according to the present invention may further have a hydroxyl group in the side chain in addition to the above functional group. Such a crosslinkable copolymer can be obtained by copolymerizing the above-mentioned monomers having each functional group. Specific examples of each monomer include (meth) acrylic acid, acroyloxyethyl succinic acid, phthalic acid, and (meth) hexahydrophthalic acid as monomers having a carboxyl group (—COOH group) at a terminal. No. Examples of the monomer having a quaternary ammonium base include dimethylaminoethyl acrylate quaternary compounds (including anions such as chloride, sulfate, sulfonate, and alkyl sulfonate as counter ions). Examples of the monomer having a hydroxyl group include glycerin diglycidyl ether of a bifunctional monomer. Epoxy derivatives such as trimethylolpropane triglycidyl ether of trifunctional monomers and ethyleneimine derivatives such as trimethylolpropane triaziridinyl ether are exemplified. In addition, other monomers can be copolymerized, and examples of other polymerizable monomers include alkyl acrylates (including meth), styrene, vinyl acetate, vinyl halides, and vinyl derivatives such as olefins. No.
[0007]
As the ring-opening reaction catalyst for the bifunctional or trifunctional monomer epoxy derivative, an imidazole derivative such as 2-methylimidazole, 2-ethyl or 4-methylimidazole, or an epoxy ring-opening reaction catalyst for other amines is used as an additive. be able to. In the adhesive primer of the present invention, the composition ratio of each monomer can be changed in a wide range. Among them, the monomer having a quaternary ammonium group is preferably in a range of 15 to 40 mol% based on all monomers of the copolymer, and the monomer having a terminal -COOH group is preferably used. It is preferably from 3 to 13 mol% based on all monomers. Other constituent monomers constitute a copolymer in the range of 63.5 to 79.5 mol%. When the monomer having a quaternary ammonium base is less than 15 mol%, the antistatic effect is small, and when it exceeds 40 mol%, the hydrophilicity of the monomer may be too high. Further, the amount of the monomer having a hydroxyl group is preferably 0.5 to 1.5 mol% based on all monomers.
[0008]
The adhesive primer (A) according to the present invention is usually obtained by dissolving and diluting a crosslinkable copolymer in a mixed solution of water / isopropyl alcohol at a solid content concentration of 2.0 to 10.0%. In addition, the mixing ratio of water / isopropyl alcohol can be appropriately changed in the range of 80/20 to 20/80.
[0009]
Thermoplastic resin film The thermoplastic resin film to which the adhesive primer (A) according to the present invention is applied is a film made of various known thermoplastic resins. Examples of the thermoplastic resin include polyolefin ( Polyethylene, polypropylene, poly 4-methyl / 1-pentene, polybutene, etc.), polyester (polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polyethylene naphthalate, etc.), polyamide (nylon-6, nylon-66, polymethaxylene adipamide, etc.) , Polyvinyl chloride, polyimide, ethylene-vinyl acetate copolymer, polyacrylonitrile, polycarbonate, polystyrene, ionomer, and mixtures thereof. Among these, thermoplastic resins having good stretchability and transparency, such as polypropylene, polyethylene terephthalate, and polyamide, are preferable. Further, such a thermoplastic resin film may be a non-stretched film or a stretched film. Among them, a biaxially stretched film is preferable because it has excellent rigidity and transparency. Furthermore, at least one surface of the thermoplastic resin film may be coated with aluminum, aluminum oxide, silicon oxide or the like, or with a coating such as vinylidene chloride or a polyvinyl alcohol-based polymer.
[0010]
In order to improve the adhesiveness with the adhesive primer on one or both sides of the thermoplastic resin film, for example, surface activation such as corona treatment, flame treatment, plasma treatment, undercoat treatment, primer coat treatment, frame treatment, etc. Processing may be performed in advance. The thickness of the thermoplastic resin film is usually in the range of 5 to 50 μm, preferably 9 to 30 μm.
[0011]
Thermoplastic resin film (B)
The thermoplastic resin film (B) according to the present invention is a film obtained by applying an adhesive primer (A) to at least one surface of the thermoplastic resin film. Such a thermoplastic resin film (B) is prepared by applying an adhesive primer (A) to at least one surface of a previously obtained thermoplastic resin film, for example, using an air knife coater, a direct gravure coater, a gravure offset, an arc gravure coater, or a gravure reverse. Gravure coater such as a jet nozzle method, a reverse roll coater such as a top feed reverse coater, a bottom feed reverse coater and a nozzle feed reverse coater, a five roll coater, a lip coater, a bar coater, a bar reverse coater, a die coater, etc. Using a coating machine, after applying so that the amount of solids in the adhesive primer (A) is 0.05 to 1.0 g / m 2 , preferably 0.1 to 0.5 g / m 2 , Dry at a temperature of 50-140 ° C Obtained by the. The surface of the thermoplastic resin film to which the adhesive primer (A) is applied may be subjected to corona treatment or the like in advance as described above, or may be subjected to primer coating treatment or the like. As such a primer coating agent, various known laminating adhesives, for example, dry laminates represented by polyurethane-based adhesives composed of a combination of a one-part type, two-part type polyol and polyvalent isocyanate, an aqueous urethane ionomer and a curing agent, etc. Examples of the adhesive include an aqueous dry laminating adhesive mainly composed of an adhesive, an acrylic, a vinyl acetate, a urethane, and a polyester resin, and a non-solvent laminating adhesive represented by a polyurethane adhesive.
[0012]
Adhesive (C)
The adhesive applied to the surface of the thermoplastic resin film (B) according to the present invention on which the adhesive primer (A) is applied may be any of various known laminating adhesives, for example, one-pack type or two-pack type polyols. Laminate adhesives represented by polyurethane-based adhesives composed of a combination of polyisocyanate, aqueous urethane ionomer and curing agent, etc., and aqueous dry laminate adhesives mainly made of acrylic, vinyl acetate, urethane, polyester resin, etc. And a non-solvent laminating adhesive represented by a polyurethane-based adhesive, an electron beam curable laminating adhesive, and the like.
[0013]
Thermoplastic resin film (D)
The thermoplastic resin film (D) to be bonded to the thermoplastic resin film (B) obtained by applying the adhesive primer (A) to the thermoplastic resin film according to the present invention is a film in the same category as the thermoplastic resin film. It is. The thermoplastic resin film and the thermoplastic resin film (D) may be films obtained from the same type of thermoplastic resin or films obtained from different types of thermoplastic resins. It can be appropriately selected depending on the application. When a resin having excellent heat-fusibility is selected as the thermoplastic resin film (D), ethylene, propylene, butene-1, hexene-1, 4-methylpentene-1, and octene which are known as heat-sealing films are used. -1 or other α-olefin homo- or copolymer, high-pressure low-density polyethylene, linear low-density polyethylene (so-called LLDPE), high-density polyethylene, polypropylene, polypropylene random copolymer, polybutene, poly 4-methylpentene -1, a polyolefin such as a low crystalline or amorphous ethylene / propylene random copolymer, an ethylene / butene-1 random copolymer, a propylene / butene-1 random copolymer, or a composition of two or more kinds , Ethylene-vinyl acetate copolymer (EVA) or a combination of EVA and polyolefin Products, ethylene / acrylic acid copolymer, ethylene / methacrylic acid copolymer, ethylene / acrylic acid ester copolymer, ethylene / methacrylic acid ester copolymer, etc., alone or in combination of two or more, ionomer, etc. Can be used.
[0014]
Method for producing a laminated film having an antistatic property The method for producing a laminated film having an antistatic property according to the present invention is a method for producing a laminated film having an adhesive primer (A) applied to at least one surface of a thermoplastic resin film. After the adhesive (C) is applied to the surface of the adhesive primer (A) of the resin film (B) and dried, the other adhesive resin (A) is moistened with another thermoplastic resin film. This is a method of laminating by laminating with (D), and aging the obtained laminated film in a high humidity atmosphere.
[0015]
Examples of a method for causing the adhesive primer (A) to contain moisture include, for example, an adhesive (C) on the surface of the adhesive primer (A) of the thermoplastic resin film (B) coated with the adhesive primer (A). After applying and drying, a method of passing through a chamber kept under high humidity, or applying and drying an adhesive (C), and then bonding the film surface to another thermoplastic resin film (D) before bonding. Various methods such as a method of spraying water in the vicinity can be adopted. As a method of maintaining the inside of the chamber under high humidity, for example, it can be performed by blowing air adjusted to high humidity in advance into the chamber. In the case where water is sprayed near the film surface, if the spray amount is excessive, whitening of the adhesive (C) rarely occurs and a predetermined laminate strength may not be obtained. Thus, it is necessary to appropriately adjust the amount of water to be sprayed, the distance between the spray position and the film, and the like. The high-humidity condition for allowing the adhesive primer (A) to contain moisture is preferably in the range of 10 to 40 ° C. and 70 to 100% RH, more preferably 15 to 40 ° C. and 80 to 100% RH. .
After laminating and laminating with another thermoplastic resin film (D) in a state in which the adhesive primer (A) is moistened, the laminated film is wound up by a usual method and wound up. Aging in a high humidity atmosphere, preferably at a temperature of 30 to 50 ° C. and a humidity of 40 to 100% RH for at least 24 hours, more preferably at a temperature of 30 to 50 ° C. and a humidity of 45 to 100% RH for at least 24 hours. Aging under atmosphere. The aging may be performed by storing the wound film in a room maintained under the above conditions.
[0016]
In the method for producing a laminated film having antistatic properties of the present invention, an adhesive (C) is applied to the surface of an adhesive primer (A), dried, and then bonded to another thermoplastic resin film (D). The step needs to be performed in a state where moisture is contained in the adhesive primer (A), and the step of aging the laminated film to be bonded needs to be performed in an atmosphere of high humidity. For example, a laminated film wound after performing the laminating step in a state where the adhesive primer (A) is not made to contain water is then sufficiently laminated even if it is aged for a long time under high humidity. In some cases, the antistatic effect may not be able to be exhibited, and even if the laminating step is performed in a state where the adhesive primer (A) is moistened, the wound laminated film may be dried under a dry atmosphere. When aging is performed, an antistatic effect may not be exhibited.
[0017]
The surface of the thermoplastic resin film (B) used in the present invention may be printed. Printing may be performed on the surface of the thermoplastic resin film (B) to which the adhesive primer (A) is applied, or on another surface. After applying the adhesive primer (A) of the thermoplastic resin film (B), the film whose printed surface has been dried may be wound up in an atmosphere of high humidity.
[0018]
The laminated film obtained by the production method of the present invention, after aging under the high humidity, unless the film is placed in an extremely dry state, the antistatic effect at room temperature is maintained, The handling of the laminated film after aging is easy, and the powder or the like is also used when packing the packaged material such as flour, sugar or the like or shavings, sprinkle or the like using the laminated film. Since it can be filled without adhering to the packaging material, it is also suitable as a packaging material.
[0019]
【The invention's effect】
In the conventional laminated film, the antistatic effect is reduced in the process of manufacturing the laminated film, and when using the obtained thermoplastic resin laminated film as a packaging material, when filling and packaging the article to be packaged, While there is a risk that the packaged object adheres to the laminated film and the filling and packaging etc. may not be smooth, the laminated film obtained by the production method of the present invention can prevent static electricity in the process of producing the laminated film. There is no decrease in the effect, and the antistatic effect is maintained even if left for a long time during transportation or storage until filling and packaging. There is no danger of adhesion. Therefore, the laminated film obtained by the production method of the present invention is a packaging material for filling and packaging of a packaged object such as flour, sugar or the like or shavings, sprinkling small pieces, etc., by utilizing the durability of the antistatic effect. In addition to being suitably used, it can be used as a packaging material in a wide range of fields such as plant seeds, pharmaceuticals, and electronic component materials.
[0020]
【Example】
Next, the present invention will be described more specifically with reference to examples. However, the present invention is not limited to these examples unless it exceeds the gist.
[0021]
The performance of the laminated films obtained in the examples and comparative examples was evaluated by the following methods.
<Friction band voltage>
Using a frictional potential meter (RS-101D, Daiei Kagaku Seiki Seisakusho), the charged potential of the laminated film was measured immediately after the laminated film was rubbed with a cotton cloth for 60 seconds. The measurement environment was 20 ° C. and 35% RH.
<Ash adhesion test>
Immediately after the laminated film was rubbed 30 times with a cotton cloth, the presence or absence of ash adhering to the surface of the laminated film was evaluated when the distance to the ash of the tobacco was reduced to 5 mm. The measurement environment was 20 ° C. and 35% RH.
:: No ash adhesion or slight ash adhesion.
X: Ash is remarkably adhered.
<Lamination strength>
The lamination strength of the laminated film was measured at a peeling speed of 300 mm / min using a Tensilon tensile tester.
<Heat seal strength>
After heat-sealing the linear low-density polyethylene surfaces of the laminated film under the conditions of a temperature of 120 ° C., a pressure of 0.2 MPa, and a time of 1 second, a heat sealing strength is used at a tensile speed of 300 mm / min using a Tensilon tensile tester. Was measured.
[0022]
Example 1
Adhesive primer made of a copolymer of a quaternary ammonium salt acrylic monomer, acrylic acid (including meta), and acrylic acid ester (manufactured by Artech Co., Ltd.) on one surface of a biaxially oriented polypropylene film (OPP) having a thickness of 20 μm. (BONDEIP PA100) was applied at a coating amount of 0.2 g / m 2 . After printing and winding on the surface of the adhesive primer, a polyurethane-based dry laminating adhesive (trade name: TM-317 and CAT-11B-80, manufactured by Toyo Morton Co., Ltd.) is applied and dried, and then both sides of the film are dried. Water is sprayed from the surface, and the adhesive primer is moistened in an atmosphere of 17 ° C. and a humidity of 85% RH, and then bonded to a linear low-density polyethylene film (LLDPE) having a thickness of 40 μm in that state. Wound up. The application amount of the dry laminating adhesive was 2.0 g / m 2 . The wound laminated film was aged for 24 hours in an atmosphere of 35 ° C. and a humidity of 80% RH. Table 1 shows the results of the performance evaluation of the obtained laminated film.
[0023]
Example 2
A laminated film was obtained in the same manner as in Example 1 except that aging was performed for 24 hours in an atmosphere of 37 ° C. and a humidity of 50% RH. Table 1 shows the results of the performance evaluation of the obtained laminated film.
[0024]
Example 3
A laminated film was obtained in the same manner as in Example 1 except that after printing, the film was wound in an atmosphere of 17 ° C. and a humidity of 85% RH. Table 1 shows the results of the performance evaluation of the obtained laminated film.
[0025]
Comparative Example 1
On one surface of a biaxially stretched polypropylene film having a thickness of 20 μm, an adhesive primer composed of a copolymer of a quaternary ammonium salt acrylic monomer, acrylic acid (including meta) and an acrylic acid ester (manufactured by Altech Co., Ltd., trade name: BONDEIP PA100 ) Was applied to a coating amount of 0.2 g / m 2 . After printing and winding on the surface of the adhesive primer, a polyurethane-based dry laminating adhesive (trade name: TM-317 and CAT-11B-80, manufactured by Toyo Morton Co., Ltd.) is applied, dried, and dried at 22 ° C. and humidity. After bonding with a linear low-density polyethylene film having a thickness of 40 μm in an atmosphere of 50% RH, the film was wound in the same atmosphere. The application amount of the dry laminating adhesive was 2.0 g / m 2 . The wound laminated film was aged for 24 hours in an atmosphere of 38 ° C. and a humidity of 20% RH. Table 1 shows the results of the performance evaluation of the obtained laminated film.
[0026]
Comparative Example 2
In Comparative Example 1, a polyurethane-based dry laminating adhesive was applied and dried, and then water was sprayed from both sides of the film to make the adhesive primer contain moisture at 17 ° C. and a humidity of 85% RH. A laminated film was obtained in the same manner as in Comparative Example 1 except that the film was bonded to a linear low-density polyethylene film in this state. Table 1 shows the results of the performance evaluation of the obtained laminated film.
[0027]
Comparative Example 3
A laminated film was obtained in the same manner as in Comparative Example 1, except that aging was performed in an atmosphere of 35 ° C. and a humidity of 80% RH for 96 hours. Table 1 shows the results of the performance evaluation of the obtained laminated film.
[0028]
Comparative Example 4
On one surface of a biaxially stretched polypropylene film having a thickness of 20 μm, an adhesive primer composed of a copolymer of a quaternary ammonium salt acrylic monomer, acrylic acid (including meta) and an acrylic acid ester (manufactured by Altech Co., Ltd., trade name: BONDEIP PA100) ) Was applied to a coating amount of 0.2 g / m 2 . After printing and winding on the surface of the adhesive primer, a polyurethane-based dry laminating adhesive (trade name: TM-317 and CAT-11B-80, manufactured by Toyo Morton Co., Ltd.) is applied, dried, and dried at 22 ° C. and humidity. After bonding with a linear low-density polyethylene film having a thickness of 40 μm in an atmosphere of 55% RH, the film was wound in an atmosphere of 17 ° C. and a humidity of 85% RH. The application amount of the dry laminating adhesive was 2.0 g / m 2 . The wound laminated film was aged for 24 hours in an atmosphere of 35 ° C. and a humidity of 80% RH. Table 1 shows the results of the performance evaluation of the obtained laminated film.
[0029]
Comparative Example 5
A laminated film was obtained in the same manner as in Comparative Example 4 except that printing was performed and the film was wound in an atmosphere of 17 ° C. and a humidity of 85% RH. Table 1 shows the results of the performance evaluation of the obtained laminated film.
[0030]
[Table 1]
[0031]
As apparent from Table 1, the dry lamination (bonding) of a biaxially stretched polypropylene film (OPP) coated with an adhesive primer composed of a crosslinkable copolymer on one side and a linear low-density polyethylene film (LLDPE) was performed. Before performing the process, the adhesive primer (A) was moistened, and the wound laminated film was aged under high humidity (Examples 1 to 3). Both the OPP surface and the LLDPE surface had friction. Laminated films with low charged voltage, no ash adhesion, and excellent antistatic effect, whereas laminated films that are either laminated or subjected to aging under low humidity, all have an antistatic effect. Inferior.