JP2004033907A - マイクロリアクタ - Google Patents

マイクロリアクタ Download PDF

Info

Publication number
JP2004033907A
JP2004033907A JP2002194400A JP2002194400A JP2004033907A JP 2004033907 A JP2004033907 A JP 2004033907A JP 2002194400 A JP2002194400 A JP 2002194400A JP 2002194400 A JP2002194400 A JP 2002194400A JP 2004033907 A JP2004033907 A JP 2004033907A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow path
hole
reaction chamber
supply
plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002194400A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirozo Matsumoto
松本 浩造
Haruki Hagiwara
萩原 春嬉
Akihiko Kadowaki
門脇 昭彦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Holdings Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Holdings Ltd filed Critical Fuji Electric Holdings Ltd
Priority to JP2002194400A priority Critical patent/JP2004033907A/ja
Publication of JP2004033907A publication Critical patent/JP2004033907A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】機械的強度が大きく、化学的耐性も有し、製作が容易で、反応室内で急峻な温度サイクルを実現できるマイクロリアクタを提供する。
【解決手段】拡散接合可能な金属製または合金製の板で作成され拡散接合された、蓋板1a、底板2d及び両者間に挟まれる複数の流路板2a〜2cで、供給用孔12から供給用流路21a 、反応室23a 、送出用流路22a 及び送出用孔13からなる液体の通過経路を構成し、供給用孔12及び送出用孔13に配管用チューブ接続用のジョイント6aを取り付ける。底板2dの外面には、温度センサ5と、硼化物、窒化物またはそれらの複合物からなるヒータ4aとをポリイミド膜3に内蔵させて底板2aから電気的に絶縁して付備する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、化学合成や遺伝子解析等の、微小反応装置を必要とする分野で使用されるマイクロリアクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の化学合成や化合物の生産・製造においては、一般的に大きな反応槽が用いられる。一方、最近においては、マイクロメートルオーダの直径の流路(マイクロチャンネル)の中で反応を起こさせて反応の効率化や新規物質の創製等を目的とする研究が注目されてきている。このような微小の流路もしくはごく狭い反応室で化学反応を起こさせる装置は“マイクロリアクタ”と呼ばれている。
【0003】
このマイクロリアクタは、高効率で低環境負荷型の反応や従来の反応装置では制御不可能な激しい反応等を可能とする点で、化学合成や各種の分析・解析等に変革をもたらすのではないか、と期待されている。以下に、マイクロリアクタによる反応の特徴を列記する。
1) ディメンジョン(直線距離)が小さい。
【0004】
2) 単位体積当たりの表面積が大きい。
3) 前項の効果により、反応物質間の相互移動がよい(界面での反応・混合が効率的になる)。
4) 更に、熱移動が効率的になる(効率的な温度制御が可能となる)。
また、遺伝子解析技術で必要となる核酸抽出やポリラーゼ連鎖反応等においても、マイクロリアクタを適用することで反応時間の短縮や使用物質の消費量削減等の効果が期待される。
【0005】
従来のマイクロリアクタとしては、図3及び図4に示すような構造のものが提案されている(近藤、森本、堀、篠原、狩野:電気学会論文集E、Vol119−E, No10,  ’99  を参照)。図3はその構造を示す断面図であり、図4はその構成を示す斜視分解図である。
このマイクロリアクタは、例えば厚さ200 μm 前後のシリコンウェハを素材とする蓋板1及び流路板2が接合されて構成されている。蓋板1には、流路板2と接合される面にパイレックスガラス膜11が成膜されている。流路板2には、各種溶液や薬品類等の流体を供給する供給用流路21、流体を送り出す送出用流路22及び反応室23となる溝と、下面から供給用流路21へ流体を供給するための不図示の供給用孔及び送出用流路22から下面へ流体を送り出すための不図示の送出用孔と、が形成され、その上面及び流体に触れる部分には酸化シリコン膜24が成膜され、下面にはポリイミド膜3がコーティングされており、この膜3内に電気的に絶縁されてヒータ4及び温度センサ5が内包されている。流路板2の供給用孔及び送出用孔の開口部には、流体を注入または回収するためのチューブを接続するためのジョイント6が取り付けられている。
【0006】
蓋板1と流路板2は、パイレックスガラス膜11及び酸化シリコン膜24を介して300℃前後の加熱状態で静電接合されて一体化する。パイレックスガラス膜11の厚さは0.2 〜0.5 μm 、酸化シリコン膜24の厚さは0.05μm 程度であり、それぞれの膜11及び24はスパッタで成膜される。流路21及び22や反応室23のための溝、供給用孔及び送出用孔は、窒化シリコン膜等をマスクとして、水酸化カリウム水溶液を用いる異方性エッチングによって形成される。反応室23の部分は深彫りされ、流路21と22の部分はそれほど深くない。ポリイミド膜3はスピンコーティング等の方法で塗布された後、必要に応じてパターニングされ、 200℃前後で熱処理されて作成される。ヒータ4は、電気コンタクト部用金属膜(例えば白金膜)及び発熱体としての白金膜がそれぞれにスパッタ成膜されフォトリソグラフィによってパターニングされて作成される。温度センサ5も同様に作成されるが、チタン膜を測温抵抗体として使用している。ポリイミド膜3は、反応室23の底の部分の補強材の役割も兼ねている。
【0007】
蓋板1及び流路板2が静電接合で一体化された後、ジョイント6が取り付けられ、電気コンタクト部に不図示の電気的配線が接続されて、マイクロリアクタが完成する。
このようなマイクロリアクタを用いると、その微小な反応室内に、所定の溶液や薬品、例えば各種の核酸(DNA)及びポリメラーゼ等、を注入した後、種々の温度上昇・保持・下降条件の加熱処理を実行することができて、反応過程の追試が可能となり、更には新規物質を創製することも可能となる。したがって、マイクロリアクタは、従来の化学合成とか化合物の生産・製造においては困難であった反応の効率化や新規物質の創製等を可能とする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
マイクロリアクタに対する要請点としては、
1)  形状の面からは、微小の流路(マイクロチャンネル)と反応室とを精度良く加工できること、
2)  熱特性の面からは、熱伝達(もしくは温度上昇)が迅速且つ効率的で反応を促進でき、反応室内の温度分布の均一性も優れていること、
3)  反応室内での圧力上昇に対する機械的強度が十分に確保できること、
4)  溶液や薬品類に対する化学的な安定性を有すること、
5)  製作方法が簡素で安価に製造できること、
等が上げられる。
【0009】
従来例として前述した、シリコンウェハを用いたマイクロリアクタは、従来のエッチング加工技術を適用して微小な流路や反応室を高精度で加工でき、シリコンの高い熱伝導性のためにガラス容器等よりも反応室内の温度分布の均一性をより高めることができる等の利点を有している。
しかし、シリコンが脆性材料であることによって、破損に対する配慮が必要であり、更に、反応室や貫通孔を形成するために、数回のマスク形成及び長時間のエッチング工程を必要とすることが難点である。機械的強度の点から、反応室の底の部分の厚さの下限を約50μm としており、ヒータ及び温度センサを電気的に絶縁しているポリイミド膜がこの部分の補強材を兼ねている。
【0010】
また、流路板の裏面に形成されているヒータには、白金やチタン等の金属の薄膜が使用されているが、これらの材料は比抵抗が低いためヒータの抵抗値の上限が低く、投入できる電力の上限が比較的低位に制限されており、より急峻な温度上昇を実現できるヒータが望まれている。
この発明の課題は、従来のシリコンウェハを用いたマイクロリアクタより機械的強度が大きく、化学的な耐性も有し、製作も容易で、且つ反応室内で急峻な温度サイクルを実現できるマイクロリアクタを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、溶液や薬品等の液体を供給する供給路と、液体内での反応を進行させる反応室と、反応した液体を取り出す送出路と、反応室内の液体の温度を制御するヒータと、その温度を測定する温度センサと、を備えたマイクロリアクタであって、供給路、反応室及び送出路を、金属製または合金製であり且つ互いに拡散接合された、蓋板と、底板と、蓋板及び底板の間に挟まれた複数の流路板と、で形成する。
【0012】
蓋板、底板及び流路板を拡散接合可能な金属または合金とするので、シリコンやガラスに比べて機械的な延性と靭性に富み、蓋板や底板をより薄くすることができる。また、流路基板を複数にするので、蓋板と底板と個々の流路板の厚さをほぼ同等に揃えることができて、それぞれの板を同等の高い加工精度で加工でき、且つ反応室の深さを流路板の枚数で調節することができる。また、蓋板と底板と複数の流路板との接合に拡散接合を採用するので、接着層が不要であり、且つ蓋板、複数の流路板及び底板を同時に一体化することができる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記蓋板に、液体の供給口となる供給用貫通孔と、液体の送出口となる送出用貫通孔と、を備え、蓋板に直接に接合される流路板に、供給用貫通孔に連通する供給用流路となる供給用流路孔と、送出用貫通孔に連通する送出用流路となる送出用流路孔と、供給用流路孔及び送出用流路孔につながる反応室用孔と、を備え、他の流路板に、反応室用孔と連通するそれぞれの反応室用孔を備え、前記底板の外面に、ヒータ及び温度センサを底板から電気的に絶縁して備える。
【0014】
蓋板に液体の供給口と送出口を形成し、その供給口と送出口に対応させて最近接の流路板で供給用流路と送出用流路と反応室の一部とを形成し、他の流路板と底板とで反応室を完成させるので、この発明によるマイクロリアクタは、上部から液体を供給及び送出するマイクロリアクタとしては最も単純な構造となる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記底板に、液体の供給口となる供給用貫通孔と、液体の送出口となる送出用貫通孔と、を備え、且つその底板の外面に、ヒータ及び温度センサを底板から電気的に絶縁して備え、底板に直接に接合される流路板に、供給用貫通孔に連通する供給用流路となる供給用流路孔と、送出用貫通孔に連通する送出用流路となる送出用流路孔と、供給用流路孔及び送出用流路孔につながる反応室用孔と、を備え、他の流路板に、反応室用孔と連通するそれぞれの反応室用孔を備える。
【0015】
底板に液体の供給口と送出口を形成し、その供給口と送出口に対応させて最近接流路板で供給用流路と送出用流路と反応室の一部とを形成し、他の流路板と底板とで反応室を完成させるので、この発明によるマイクロリアクタは、下部から液体を供給及び送出するマイクロリアクタとしては最も単純な構造となる。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記ヒータを、硼化物、窒化物またはそれらの複合物で作製する。
【0016】
硼化物、窒化物またはそれらの複合物は、白金やチタン等の金属に比べて比抵抗が高いので、急峻な温度サイクルを制御することが可能な従来より高い抵抗値のヒータを作成することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明によるマイクロリアクタは、拡散接合の可能な材料からなる板を材料とした、蓋板、複数の流路板及び底板を、拡散接合によって一体化して作成される。拡散接合の可能な材料としては、各種の金属またはその合金、例えば銅、鉄、アルミニウム、ニッケル、チタン、ニオブ、ジルコニウム、モリブデン、タングステン等とその合金、が使用可能であるが、マイクロリアクタの使用目的、使用条件によって、使用する溶液や薬品類との反応性や反応温度における耐熱性等を勘案して選定される。
【0018】
以下において、この発明によるマイクロリアクタの実施の形態について実施例を用いて説明する。なお、従来技術と同じ機能の部分には同じ符号を付ける。
実施例においては、溶液や薬品類に対する化学的安定性、耐熱性、材料の経済性等の観点から、蓋板、複数の流路板及び底板としてステンレス鋼の板または箔を使用している。
【0019】
なお、より高い化学的安定性を必要とする場合には、チタン、ニオブ、ニッケル等の金属かその合金が使用され、より高温の使用を目的とする場合には、モリブデン、タングステンやその合金が使用される。
図1は実施例の構造を示す断面図であり、図2は実施例の構成を示す斜視分解図である。
【0020】
蓋板1aには、溶液や薬品等の液体を注入するための供給用孔12と、反応室から反応後の液体を取り出すための送出用孔13と、がエッチングまたは機械加工で形成されている。蓋板1aの下には3枚の流路板2a、2b及び2cが積層されている。蓋板1aに直接に接合されている第1の流路板2aには、供給用流路21a 、反応室23a の一部及び送出用流路22a となる流路及び反応室用孔25が、王水系のエッチング液によるエッチングによって形成され、第2の流路板2b及び第3の流路板2cには、それぞれに反応室23a の一部となる反応室用孔26または反応室用孔27が同様のエッチングによって形成されている。第3の流路板2cの下には反応室23a の底となる底板2dが配置され、蓋板1aから底板2dまでの5枚の板が拡散接合されて一体化し、供給用孔12から供給用流路21a 、反応室23a 、送出用流路22a 、送出用孔13までの液体の移動経路が形成される。
【0021】
この状態で、底板2dの外面に、ポリイミド膜3で電気的に絶縁されたヒータ4a及び温度センサ5が付備される。ポリイミド膜3は、図1には区別して示していないが、3回に分けて成膜され、それらの間にヒータ4aと温度センサ5とが別々に作り込まれる。最初のポリイミド膜は、スピンコーティングされた後、 200℃前後の熱処理でキュアされ、底板2dの外面全面を覆う。その上に、ヒータ4aのコンタクト部となる白金膜がスパッタ成膜されフォトリソグラフィによってパターニングされ、続いて、ヒータ4aの発熱体部となる硼化物のHfB2 がスパッタ成膜されフォトリソグラフィによってパターニングされて、白金膜のコンタクト部とHfB2 膜の発熱体部とからなるヒータ4aが完成する。その表面に2番目のポリイミド膜がスピンコーティングされ、フォトリソグラフィによってヒータ4aのコンタクト部を露出させるようにパターニングされ、キュアされてヒータ4aの大部分の表面を覆う。次に、ヒータ4aと同様に、温度センサ5のコンタクト部となる白金膜がスパッタ成膜されフォトリソグラフィによってパターニングされ、温度センサの感温部となるチタン膜がスパッタ成膜されフォトリソグラフィによってパターニングされ、白金膜のコンタクト部とチタン膜の感温部とからなる温度センサ5が完成する。この表面に3番目のポリイミド膜がスピンコーティングされ、フォトリソグラフィによってヒータ4a及び温度センサ5のコンタクト部を露出させるようにパターニングされ、キュアされて、温度センサ5の大部分の表面を覆う。
【0022】
最後に、蓋板1aの供給用孔12及び送出用孔13の位置に、配管用のチューブを接続するジョイント6aが取り付けられて、マイクロリアクタが完成する。
上記の蓋板1a等の厚さは、必要な加工寸法や加工精度によって適切なものが選択されるが、少なくとも10μm まで薄くすることは可能である。参考までに、実施例の場合の数値を示すと、蓋板1a及び各流路板2a〜2cは50μm 、底板2dは10μm である。
【0023】
なお、供給用流路21a 及び送出用流路22a の幅は50μm である。反応室23a の容積と形状は、マイクロリアクタの使用目的に合わせて決定されるが、その深さに合わせて積層する流路板の厚さと枚数とが決定され、形状に合わせて個々の流路板に形成される反応室用孔25等の形状が決定される。複数の流路板を使用することによって、反応室23a の大きさ及び形状を任意に設計することができる。
【0024】
蓋板1a等の拡散接合は、真空中または0℃以下の露点をもつ窒素、アルゴン、水素等の不活性または還元性雰囲気内で加熱、加圧することで実行される。ステンレス鋼の場合には、 900℃前後の温度で 0.2kg/mm2 程度の圧力を約2時間印加することによって、蓋板1a等を一体化でき、その接合部の強度は、各部材の強度そのものと同様となった。また、底板2dに厚さ10μm の板を使用しても、数気圧の圧力で破損することはなかった。
【0025】
以上においては、液体の供給側である供給用流路21a 及び取り出し側である送出用流路22a がそれぞれ1つである場合を説明したが、それらを必要に応じて複数にすることは可能である。
また、ヒータ4aの発熱体部にHfB2 を使用しているが、HfB2 以外の硼化物やTaN等の窒化物やそれらの複合物を使用することも有効である。参考までに、HfB2 の比抵抗を示すと2.40μΩmであり、白金やチタンの比抵抗より大きく、HfB2 等の硼化物や窒化物を0.1 〜0.5 μm の厚さに成膜してヒータ4aの発熱体とすると、発熱体の抵抗値が大きくなる。したがって、このHfB2 等を発熱体とするヒータ4aは、従来のヒータに比べてより急峻に反応室23a の温度を上昇させることが可能となり、反応促進に寄与する。
【0026】
【発明の効果】
請求項1の発明においては、供給路、反応室及び送出路を、金属製または合金製であり且つ互いに拡散接合された、蓋板と、底板と、蓋板及び底板の間に挟まれた複数の流路板と、で形成する。蓋板、底板及び流路板を拡散接合可能な金属または合金とするので、シリコンやガラスに比べて機械的な延性と靭性に富み、蓋板や底板をより薄くすることができる。また、流路基板を複数にするので、蓋板と底板と個々の流路板の厚さをほぼ同等に揃えることができて、それぞれの板を同等の高い加工精度で加工でき、且つ反応室の深さを流路板の枚数で調節することができる。また、蓋板と底板と複数の流路板との接合に拡散接合を採用するので、接着層が不要であり、且つ蓋板、複数の流路板及び底板を同時に一体化することができる。
【0027】
したがって、この発明によれば、従来のシリコンウェハを用いたマイクロリアクタより機械的強度が大きく、化学的な耐性も有し、製作も容易な、マイクロリアクタを提供することができる。
請求項2の発明においては、蓋板に液体の供給口と送出口を形成し、その供給口と送出口に対応させて最近接流路板で供給用流路と送出用流路と反応室の一部とを形成し、他の流路板と底板とで反応室を完成させるので、この発明によれば、上部から液体を供給及び送出するマイクロリアクタとして、最も構造の単純なマイクロリアクタを提供することができる。
【0028】
請求項3の発明においては、底板に液体の供給口と送出口を形成し、その供給口と送出口に対応させて最近接流路板で供給用流路と送出用流路と反応室の一部とを形成し、他の流路板と底板とで反応室を完成させるので、この発明によれば、下部から液体を供給及び送出するマイクロリアクタとして、最も構造の単純なマイクロリアクタを提供することができる。
【0029】
請求項4の発明においては、ヒータが硼化物、窒化物またはそれらの複合物からなる。硼化物、窒化物またはそれらの複合物は、白金やチタン等の金属に比べて比抵抗が格段に高いので、急峻な温度サイクルを制御することが可能な従来より高い抵抗値のヒータを作成することができる。したがって、この発明によれば、反応室内で急峻な温度サイクルを実現できるマイクロリアクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるマイクロリアクタの実施例の構造を示す断面図
【図2】実施例の構成を示す斜視分解図
【図3】従来技術によるマイクロリアクタの一例の構造を示す断面図
【図4】従来例の構成を示す斜視分解図
【符号の説明】
1, 1a 蓋板
11 パイレックスガラス膜 12 供給用孔
13  送出用孔
2, 2a, 2b, 2c  流路板   2d  底板
21, 21a 供給用流路        22, 22a 送出用流路
23, 23a 反応室           24  酸化シリコン膜
25 流路及び反応室用孔  26, 27 反応室用孔
3 ポリイミド膜
4, 4a ヒータ
5 温度センサ
6, 6a  ジョイント

Claims (4)

  1. 溶液や薬品等の液体を供給する供給路と、液体内での反応を進行させる反応室と、反応した液体を取り出す送出路と、反応室内の液体の温度を制御するヒータと、その温度を測定する温度センサと、を備えたマイクロリアクタであって、
    供給路、反応室及び送出路を、金属製または合金製であり且つ互いに拡散接合された、蓋板と、底板と、蓋板及び底板の間に挟まれた複数の流路板と、で形成する、
    ことを特徴とするマイクロリアクタ。
  2. 前記蓋板に、液体の供給口となる供給用貫通孔と、液体の送出口となる送出用貫通孔と、を備え、
    蓋板に直接に接合される流路板に、供給用貫通孔に連通する供給用流路となる供給用流路孔と、送出用貫通孔に連通する送出用流路となる送出用流路孔と、供給用流路孔及び送出用流路孔につながる反応室用孔と、を備え、
    他の流路板に、反応室用孔と連通するそれぞれの反応室用孔を備え、
    前記底板の外面に、ヒータ及び温度センサを底板から電気的に絶縁して備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロリアクタ。
  3. 前記底板に、液体の供給口となる供給用貫通孔と、液体の送出口となる送出用貫通孔と、を備え、且つその底板の外面に、ヒータ及び温度センサを底板から電気的に絶縁して備え、
    底板に直接に接合される流路板に、供給用貫通孔に連通する供給用流路となる供給用流路孔と、送出用貫通孔に連通する送出用流路となる送出用流路孔と、供給用流路孔及び送出用流路孔につながる反応室用孔と、を備え、
    他の流路板に、反応室用孔と連通するそれぞれの反応室用孔を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロリアクタ。
  4. 前記ヒータを、硼化物、窒化物またはそれらの複合物で作製する、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロリアクタ。
JP2002194400A 2002-07-03 2002-07-03 マイクロリアクタ Withdrawn JP2004033907A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002194400A JP2004033907A (ja) 2002-07-03 2002-07-03 マイクロリアクタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002194400A JP2004033907A (ja) 2002-07-03 2002-07-03 マイクロリアクタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004033907A true JP2004033907A (ja) 2004-02-05

Family

ID=31703109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002194400A Withdrawn JP2004033907A (ja) 2002-07-03 2002-07-03 マイクロリアクタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004033907A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006068699A (ja) * 2004-09-06 2006-03-16 New Industry Research Organization フィルタ、マイクロリアクターとその製造方法、マイクロリアクター並設構造体及び分析装置
WO2006038643A1 (ja) * 2004-10-06 2006-04-13 Universal Bio Research Co., Ltd. 反応容器、および反応制御装置
JP2007003276A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Hitachi Plant Technologies Ltd 計測プレート
JP2007268320A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Casio Comput Co Ltd 反応装置及び反応装置の製造方法
JPWO2010032712A1 (ja) * 2008-09-20 2012-02-09 国立大学法人長岡技術科学大学 マイクロリアクター
US8133454B2 (en) 2004-12-10 2012-03-13 Universal Bio Research Co., Ltd. Biological material fixed region enclosing tip, biological material fixed region treatment apparatus, and treatment method thereof
US8263390B2 (en) 2004-12-10 2012-09-11 Universal Bio Research Co., Ltd. Biological material fixed carrier enclosing tip, biological material fixed carrier treatment apparatus, and treatment method thereof
WO2012157689A1 (en) 2011-05-13 2012-11-22 Canon Kabushiki Kaisha Microfluidic device and microfluidic apparatus using the same
US8518347B2 (en) 2005-01-07 2013-08-27 Universal Bio Research Co., Ltd. Carrier enclosing tip, carrier treating apparatus and method of carrier treatment
US8828331B2 (en) 2005-09-05 2014-09-09 Universal Bio Research Co., Ltd. Various-substance holder, various-substance holder treating apparatus, and various-substance holder treating method

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006068699A (ja) * 2004-09-06 2006-03-16 New Industry Research Organization フィルタ、マイクロリアクターとその製造方法、マイクロリアクター並設構造体及び分析装置
WO2006038643A1 (ja) * 2004-10-06 2006-04-13 Universal Bio Research Co., Ltd. 反応容器、および反応制御装置
JPWO2006038643A1 (ja) * 2004-10-06 2008-08-07 ユニバーサル・バイオ・リサーチ株式会社 反応容器、および反応制御装置
JP2011250803A (ja) * 2004-10-06 2011-12-15 Universal Bio Research Co Ltd 反応容器、および反応制御装置
US8445265B2 (en) 2004-10-06 2013-05-21 Universal Bio Research Co., Ltd. Reaction vessel and reaction controller
US8425860B2 (en) 2004-12-10 2013-04-23 Universal Bio Research Co., Ltd. Biological material fixed region enclosing tip, biological material fixed region treatment apparatus, and treatment method thereof
US8921095B2 (en) 2004-12-10 2014-12-30 Universal Bio Research Co., Ltd. Biological material fixed carrier enclosing tip, biological material fixed carrier treatment apparatus, and treatment method thereof
US8133454B2 (en) 2004-12-10 2012-03-13 Universal Bio Research Co., Ltd. Biological material fixed region enclosing tip, biological material fixed region treatment apparatus, and treatment method thereof
US8263390B2 (en) 2004-12-10 2012-09-11 Universal Bio Research Co., Ltd. Biological material fixed carrier enclosing tip, biological material fixed carrier treatment apparatus, and treatment method thereof
US9101921B2 (en) 2005-01-07 2015-08-11 Universal Bio Research Co., Ltd. Carrier enclosing tip, carrier treating apparatus and method of carrier treatment
US8518347B2 (en) 2005-01-07 2013-08-27 Universal Bio Research Co., Ltd. Carrier enclosing tip, carrier treating apparatus and method of carrier treatment
JP4706353B2 (ja) * 2005-06-22 2011-06-22 株式会社日立プラントテクノロジー マイクロリアクタ
JP2007003276A (ja) * 2005-06-22 2007-01-11 Hitachi Plant Technologies Ltd 計測プレート
US8828331B2 (en) 2005-09-05 2014-09-09 Universal Bio Research Co., Ltd. Various-substance holder, various-substance holder treating apparatus, and various-substance holder treating method
US8852525B2 (en) 2005-09-05 2014-10-07 Universal Bio Research Co., Ltd. Various-substance holder, various-substance holder treating apparatus, and various-substance holder treating method
US9260744B2 (en) 2005-09-05 2016-02-16 Universal Bio Research Co., Ltd. Various-substance holder, various-substance holder treating apparatus, and various-substance holder treating method
JP4715586B2 (ja) * 2006-03-30 2011-07-06 カシオ計算機株式会社 反応装置
JP2007268320A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Casio Comput Co Ltd 反応装置及び反応装置の製造方法
JPWO2010032712A1 (ja) * 2008-09-20 2012-02-09 国立大学法人長岡技術科学大学 マイクロリアクター
WO2012157689A1 (en) 2011-05-13 2012-11-22 Canon Kabushiki Kaisha Microfluidic device and microfluidic apparatus using the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5965908B2 (ja) マイクロ流体デバイス
Ahn et al. Disposable smart lab on a chip for point-of-care clinical diagnostics
KR100758273B1 (ko) 플라스틱 기반 미소 가열기 및 그 제조방법, 이를 이용한dna 증폭칩 및 그 제조방법
US6494614B1 (en) Laminated microchannel devices, mixing units and method of making same
Lei Materials and fabrication techniques for nano-and microfluidic devices
JP4013671B2 (ja) ポリメラーゼ連鎖反応容器及びその製造方法
US20060159601A1 (en) Microfluidic device
Vulto et al. A full-wafer fabrication process for glass microfluidic chips with integrated electroplated electrodes by direct bonding of dry film resist
JP2004033907A (ja) マイクロリアクタ
JP2008017843A (ja) 加熱及び冷却のための機器
TWI276601B (en) Microfluidic chip
Mohammadzadeh et al. Rapid and inexpensive method for fabrication and integration of electrodes in microfluidic devices
JP2006187685A (ja) 微小構造体、マイクロリアクタ、熱交換器、および微小構造体の製造方法
US20040089357A1 (en) Integrated electrofluidic system and method
JP2004351309A (ja) マイクロ化学チップおよびその製造方法
KR100452946B1 (ko) 저전력형 미세 열순환 소자 및 그 제조 방법
JP2004113968A (ja) マイクロミキサー
Zou et al. Miniaturized independently controllable multichamber thermal cycler
JP2006300145A (ja) マイクロバルブ及び該マイクロバルブを有するマイクロチップ
JP2004113967A (ja) マイクロミキサー
Lian et al. Integrated microfluidic components on a printed wiring board platform
KR100644807B1 (ko) 플라스틱 기판을 이용한 미소 가열기 및 그의 제조 방법
JP2008062486A (ja) 成形用スタンパおよび成形装置
Xue et al. Glass-based continuous-flow pcr chip with a portable control system for DNA amplification
JP4726419B2 (ja) 流路部材及び流路装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041115

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060703

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060704

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070925

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20071002

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20071203