JP2004032989A - 太陽電池に蓄電池を組合せたシステムの蓄電池容量・メリット算出方法と蓄電池充放電運用方法 - Google Patents

太陽電池に蓄電池を組合せたシステムの蓄電池容量・メリット算出方法と蓄電池充放電運用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽光と蓄電池の組合せシステム、特に需要家の経済性(メリット)に重点を置いたシステムにおいて、太陽電池と組合せる最適な蓄電池容量とその運用方法が曖昧であった。またそれらの基本技術である住宅の需要電力量曲線の一般的な想定方法不十分であった。
【解決手段】(1)負荷平準化を目指したシステムの最適蓄電池容量の決定に1日平均日射量にその標準偏差(σ)を加えた値をベースにした。またその需要家メリットを増すために、翌日の太陽光発電量を予測し、前日の深夜充電電力量を決めた。(2)2種類の需要家メリットの大きい運用方法とそのメリットの計算手法を確立し、最適蓄電池容量の決定方法を示した(選択図)。(3)一般化需要電力量曲線の作成は、時間別需要電力比率を算出し、1日の使用電力量をこの比で按分する方法とした。
【選択図】 図28

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
太陽電池は太陽の光エネルギーを電気エネルギーに直接変換するものである。すなわち光電効果の一種である光起電力効果を応用しており、太陽電池中に適当なエネルギー(光子)が入射すると自由な電子と正孔が発生し、それぞれ半導体のn型p型半導体側に拡散し、両電極部に集まるので電力が取り出せ、電圧および電流が発生するというわけである。本発明はこの太陽電池を使った太陽光発電システムに、蓄電池を組合せたシステムに関する。
一方電力供給者である電力会社においては、近年夏場の冷房需要の増加などによって電力需要の負荷率が低下している(全国平均で、昭和6年59.1%、平成10年58.3%)。負荷率の低下は電力コストを押し上げる要因になっており、電力コストを低減し、低価格の電気料金を達成するため、負荷率改善のため、電力各社では種々の負荷平準化方策に取り組んでいる。たとえば、ほとんどの電力会社では深夜電力料金と昼間電力料金に格差を設けた「時間帯別料金」を設けて電力料金面からの負荷平準化をはかっている。また、近年一般住宅への太陽光発電の普及は顕著であり、電力負荷のピーク時間帯と太陽光発電電力発生の時間帯の間にはかなり共通な部分がみられるため、太陽光発電システムの普及は負荷平準化に寄与しているとされている。そこで、蓄電池性能向上・価格低下の状況のもと、太陽光発電システムと蓄電池を組合せたシステムを使って、ピーク時間帯の電力を押さえようとしている。すなわち太陽光発電電力や深夜の充電電力を使いピーク時間帯の電力を賄おうとしている。
一方、これら組合せシステムにおいては需要家(電気の使用者)側の経済性(メリット)向上が必須条件である。
これらの事項を考慮して、太陽光発電と蓄電池を組合せたシステムにおける最適な蓄電池容量の決定方法やその運用方法に関することが中心となる。
また、これらの検討においては月ごと時間帯別の太陽光発電量とともに、季節別需要電力量曲線を正確かつ一般的に想定できるかが重要な条件である。
本発明はこれら技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
最近では、蓄電池を使い、深夜などのオフピーク時間帯の電力のみで蓄電池を充電し、ピーク時間帯に放電することにより負荷平準化を達成しようという方法が検討されている。この方法は直接的で効果も大きいため電力会社などが中心になって実用化に向けた検討を実施している。また、需要家の立場に立って、設置した蓄電池を割安の深夜電力で充電した電力により、昼間の高い電力料金の時間帯の需要電力を賄ったり、場合によっては電力会社に売り(逆潮流)、需要家メリットを得ようとする考え方も検討されている(ただ現状では、各電力会社の料金制度の中では電力会社にこのような深夜電力で充電した電力を電力会社に売るタイプは認められていない)。一方、太陽光発電システムのある需要家では太陽光発電電力で需要電力を賄い、余剰電力を電力会社に売電する方法が一般化している。
一般住宅で太陽光発電と蓄電池を組合せるシステムは、その目的と重点の置き方により次の2つに大別される。すなわち電力会社の立場に立ち、(1)電力負荷平準化を目指すシステム、および需要家の立場に立ち、(2)需要家の経済性向上(メリット)に重点を置くシステムである。
(1)電力負荷平準化に重点を置くシステム
電力負荷平準化を目指す場合は、例えば(a)午前中などのオフピーク時間帯の太陽光発電電力を蓄電池に充電し、電力負荷のピーク時間帯に放電し電力負荷平準化をはかる方法や、(b)太陽光発電電力のピーク時間帯を電力負荷ピーク時間帯と一致させるよう、太陽光発電発生電力を後へ2時間程度シフトするなど、蓄電池を充放電して負荷平準化をはかる方法が提案されている。これらの方法では、その負荷平準化効果を増すため、オフピーク時間帯の太陽光発電電力を蓄電池に充電し、ピーク時間帯(14時〜17時頃)に放電することを基本にしており、その具体的な方法は前述のように午前中の発電量を蓄電池に充電し、ピーク時間帯に放電する方法や、太陽光発電電力のピークを電力需要のピーク時間帯にシフトするよう蓄電池の充放電を実施する方法である。しかし太陽電池と組合せる、蓄電池容量をどのくらいにし、どのように充放電運用を実施すれば負荷平準化効果が大きく、また需要家にとってもメリットが得られるかが具体的に明らかでなかった。
また蓄電池容量の有効利用や需要家メリットの向上を目指して、翌日の太陽光発電量との兼ね合いで、前日深夜に蓄電池にどの程度充電しておくのが適切かも明らかでなかった。
(2)需要家の経済性向上(メリット)に重点を置くシステム
現状の電力会社の料金制度を踏まえた要家のメリットに重点を置くシステムを考えると、需要電力を深夜電力と太陽光発電電力でできるだけ賄い、太陽光発電電力の蓄電池への充放電を実施しないことがベースとなる。さらにこの方法は需要電力を太陽光発電電力と蓄電池放電電力のどちらで優先的に賄うかにより、2つの運用方法に分類できる。それぞれの方法において、太陽電池と組合せる蓄電池容量はどの程度が最適であるか、そしてその具体的な運用方法はどうか、またそのメリットの大きさはどのくらいかなどが従来は明確でなかった。
このように太陽光発電と組合せる蓄電池の最適容量の決定方法や、その運用方法が具体的に明らかでなかった原因は、季節ごと(又は月ごと)時刻別の需要電力量と太陽光発電電力量が正確かつ汎用的に予測できなかったことが一因である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題について具体的に述べる。
まず、太陽電池と蓄電池の組合せシステムの最適な蓄電池容量の決定方法とその運用方法、およびその経済性を検討する上でのベースは、「月ごと時刻別の太陽光発電量」のシミュレーション計算による正確な算出ができてなかった。そのためには次のような具体的な技術が必要である。
(1)月ごと1日合計日射量から時刻別の水平面日射量を正確に求める技術
(2)上記水平面日射量から太陽電池の受光面日射量を正確に求める技術
(3)太陽電池の温度を外気温、太陽電池受光面日射量、風速から的確に想定する技術
(4)太陽電池受光面日射量(日射強度)、太陽電池温度および太陽電池特性値からそのときの発電電力を正確かつ汎用的に求める技術
また発電量とともに、個々の住宅の月ごと時刻別需要電力曲線を想定する技術すなわち、その住宅の月ごと1日平均需要(使用)電力量などから時刻別の需要電力量をできるだけ正確に想定することが必要であるが、その方法がいまだ確立できていないという課題がある。
【0004】
そして、上記の発電量や需要電力曲線が正確に想定されても、太陽電池と蓄電池を組合せたシステムにおいて、太陽電池に組合せる蓄電池の容量はどのくらいでどのような運用方法にすれば負荷平準化効果が大きく、経済的で効果的なのか。また、その経済性の計算はどのようにすればよいのかなど、前述のように種々の課題がある。ここではこれらの課題に対して、電力会社と需要家の立場からその課題を分類・整理する。まず電力会社の立場からは組合せシステムにより電力負荷の平準化が効果的に実施できる蓄電池容量と、その運用方法に関する課題、そして需要家の立場からは組合せシステムにより需要家メリットを大きくする蓄電池容量と運用方法およびそのメリットの大きさに関する課題である。ここで需要家メリットといってもその具体的な算出方法も明らかでなかった。そこで(1)電力負荷平準化システムと、(2)需要家メリットシステムに分類してそれぞれについて述べる。なお、蓄電池容量の算出にあたっては蓄電池容量が年間を通じて不足しないようにすることに留意する必要がある。また、負荷平準化効果の向上に加えて同時に需要家メリットの向上をはかる方法も必要な条件である。
【0005】
(1)電力負荷平準化システム
まず前記電力負荷平準化を目指して、蓄電池の充放電を実施する方法に関する課題について述べる。電力負荷平準化を目指すシステムとしては、概ね以下のようなシステムが考えられるが、それぞれには太陽電池と組み合わせる蓄電池の最適蓄電池容量とその運用方法に関して不明確であった。本発明ではa、b、cの課題解決に関して述べる。
a.「午前中充電・ピーク時放電」システム
午前中の太陽光発電電力を蓄電し、午後のピーク時間帯に放電して負荷平準化をはかるシステム。
b.「太陽光発電余剰電力による負荷平準化」システム
それぞれの時間の太陽光発電電力からその住宅で使用する電力を除いた電力について、「午前中充電・ピーク時放電」を実施して負荷平準化をはかる。太陽光発電電力を直接需要電力として利用することにより、太陽光発電電力の蓄電池への充放電損失をなくすることができるシステム。
c.「太陽光発電電力を(2時間)後へシフト」システム
太陽光発電電力の蓄電池への充放電により、1日の太陽光発電電力の発電曲線を後へシフトし、負荷曲線(カーブ)に近づけて負荷平準化をはかるシステム。
d.「朝方充電・ピーク時放電」システム
朝方のオフピーク時間帯の太陽光発電電力を蓄電池に充電し、午後のピーク時間帯に放電し負荷平準化をはかる。aの場合よりピーク・オフピーク時間帯を絞り込んでいるため、さらに効果的な負荷平準化がはかられるシステム。
e.「深夜電力・朝ピーク時放電+午前中充電・ピーク時放電」システム
深夜に蓄電池に充電した電力を朝方ピークに放電し、その後午前中充電した電力を午後のピーク時間帯に放電し、負荷平準化とともに蓄電池の有効利用などにより需要家の経済性向上をはかるシステム。
【0006】
(2)需要家メリットシステム
次に需要家のメリットに重点を置いた組合せシステムの最適蓄電池容量の決定方法と運用方法、需要家メリット計算方法が明らかでなかった。ここでは、経済性を考慮して太陽光発電電力の蓄電池への充放電は実施しないこととしている。「需要家メリットシステム」は昼間の需要電力を深夜充電電力と太陽光発電電力のどちらの電力で優先的に賄うかの運用方法の違いにより最適な蓄電池容量とメリット(経済性)は大きく変わってくる。そこで、それぞれの場合(「蓄電池優先」、「太陽光優先」)について蓄電池容量の決定方法とシステムのメリット計算方法について述べる。
【0007】
最後に、一般化した需要家電力曲線の作成方法に関する課題について述べる。前述のように、従来欠けていた根本的な技術は、「月ごと時刻別の太陽光発電量」とともに、「季節別の需要電力曲線」の想定である。個々の住宅は需要電力曲線がそれぞれ異なっており、それぞれの住宅の需要電力曲線を得ることは難しい。そのため需要電力曲線を想定することが大きい課題であった。すなわち、住宅の平均的な需要電力曲線ですらほとんど示されていないのが普通で、まして、個々の住宅の需要電力曲線をその住宅の諸データから想定する技術は確立していなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の蓄電池容量算出方法は、太陽電池モジュールの特性値・設置条件、設置場所の経緯度・日射・気象条件から、[月平均1日日射量+月間標準偏差日射量(σ)]に対応する月ごと時刻別の太陽電池1モジュール当りの太陽電池発電量を「理論的I−Vカーブ作成法(改)」を使ったシミュレーション計算で算出し、午前中など電力オフピーク時間帯の発電量を積算し、設置太陽電池設備容量における発電量に換算し、そして最大月の該発電量から該太陽電池設備に必要な蓄電池の容量を算出することを特徴とする。
ここで発電量のシミュレーション計算に使用する方法は「理論的I−Vカーブ作成法(改)」に限らず、「理論的I−Vカーブ作成法」(論文2(伊賀;「太陽電池の光照射状態での電圧−電流特性を用いたI−Vカーブ作成方法とその活用」、電学論116巻10号、1996))又は、「実用的I−Vカーブ作成法」(論文1(伊賀他;「I−Vカーブ作成法を用いた太陽光発電量シミュレーション計算プログラムの開発」、電学論D、115巻6号、1995))でもよいが、精度・汎用性の面で課題が残る。なお、このことは請求項2,3,4,5,6,7,8についても同様である。
【0009】
請求項2の蓄電池容量算出方法は、太陽電池モジュールの特性値・設置条件、設置場所の経緯度・日射・気象条件から、[月平均1日日射量+月間標準偏差日射量(σ)]に対応する月ごと時刻別の太陽電池1モジュール当りの太陽電池発電量を「理論的I−Vカーブ作成法(改)」を使ったシミュレーション計算で算出し、設置太陽電池設備容量に換算し、月ごと時刻別にその住宅の需要(消費)電力量を減じた後、この太陽光余剰電力を午前中など電力オフピーク時間帯について積算し、そして最大月の該発電量から該太陽電池設備に必要な蓄電池容量を算出することを特徴とする。
【0010】
請求項3の蓄電池容量算出方法は、太陽電池モジュールの特性値・設置条件、設置場所の経緯度・日射・気象条件から、[月平均1日日射量+月間標準偏差日射量(σ)]に対応する月ごと時刻別の太陽電池1モジュール当りの太陽電池発電量を「理論的I−Vカーブ作成法(改)」を使ったシミュレーション計算で算出し、各時刻の太陽光発電量を一定時間後へシフトするために必要な蓄電池充電量を算出し、設置太陽電池設備に必要な充電量に換算し、そして最大月の該発電量を使い該太陽電池設備当りに必要な蓄電池容量とすることを特徴とする。
【0011】
請求項4の蓄電池容量算出方法は、あらかじめ選択された太陽電池の特性値(Isc, Iop, Vop, Voc, α, β, Rs, K)、太陽電池設置方位・傾斜角、選択された地点の経緯度、太陽赤緯・均時差、および選択された地点の気象データ(月平均1日合計水平面日射量、各月の平均直達比率、各月の最高・最低気温の平均値、各月の平均風速)を保持する第1処理過程と、
第1処理過程で保持した各値を使い、[月平均1日日射量+月間標準偏差日射量(σ)]に対応する月ごと時間別(1時間又は30分間隔)の太陽電池1モジュール当りの発電量を「理論的I−Vカーブ作成法(改)」を使ったシミュレーション計算で算出する第2処理過程と、
第2処理過程で算出した月ごと時刻別の発電量を一定時間(午前中、日出〜13時など)積算する第3処理過程と、
第3処理過程で算出した1モジュール当り、月ごとの発電量を当該太陽電池設備容量の発電量に換算する第4処理過程と、
第4処理過程で算出した月ごと発電量から、最大月の発電量を選択し、蓄電池の充放電効率・放電深度を考慮して、設置太陽電池設備容量に必要な蓄電池容量を算出することを特徴とする
【0012】
請求項5の蓄電池容量算出用法は、あらかじめ選択された太陽電池の特性値(Isc, Iop, Vop, Voc, α, β, Rs, K)、太陽電池設置方位・傾斜角、選択された地点の経緯度、太陽赤緯・均時差および選択された地点の気象データ(月平均1日合計水平面日射量、各月の平均直達比率、各月の最高・最低気温の平均値、各月の平均風速)を保持する第1処理過程と、
第1処理過程で保持した各値を使い、[月平均1日日射量+月間標準偏差日射量(σ)]に対応する各月ごと時間別(1時間又は30分間隔)の、設置太陽電池設備容量当りの発電量を「理論的I−Vカーブ作成法(改)」を使ったシミュレーション計算で算出する第2処理過程と、
第2処理過程で算出した時刻別の発電量から各時刻別の需要(消費)電力量を減じた電力量を一定時間帯(午前中、日出〜13時など)について積算する第3処理過程と、
第3処理過程で算出した月ごとの発電量のうち、最大月の発電量に蓄電池の充放電効率・放電深度などを考慮して、設置太陽電池設備に必要な蓄電池容量を算出することを特徴とする。
【0013】
請求項6の蓄電池容量算出方法は、あらかじめ選択された太陽電池の特性値(Isc, Iop, Vop, Voc, α, β, Rs, K)、太陽電池設置方位・傾斜角、選択された地点の経緯度、太陽赤緯・均時差および選択された地点の気象データ(月平均1日合計水平面日射量、各月の平均直達比率、各月の最高・最低気温の平均値、各月の平均風速)を保持する第1処理過程と、
第1処理過程で保持した各値を使い、[月平均1日日射量+月間標準偏差日射量(σ)]に対応する月ごと時刻別(1時間又は30分間隔)の太陽電池1モジュール当りの発電量を「理論的I−Vカーブ作成法(改)」を使ったシミュレーション計算で算出する第2処理過程と、
第2処理過程で算出した時間別の発電量を使い、1日の太陽光発電曲線を一定時間後へシフトするのに必要な電力量を算出する第3処理過程と、
第3処理過程で算出した1モジュール当りに必要な電力量を設置太陽電池設備容量に必要な電力量に換算する第4処理過程と、
第4処理過程で算出した月ごとの電力量のうち、最大月の発電量に蓄電池の充放電効率・放電深度を考慮して、当該太陽光発電設備に必要な蓄電池容量とすることを特徴とする。
【0014】
請求項7の蓄電池運用方法は、地方気象台の発表する時間帯別天気予報(「地域時系列予報」)に対応した各日・各予報時間帯別の全天日射量(水平面日射量)の測定データを収集し、地点別に月・天気(晴、曇、雨)・時間帯別に水平面の平均日射量を算出・整理し、次にこれらの日射量を平年値・地域による補正を実施する第1処理過程と、
第1処理過程で算出した水平面の日射量に、その地点において月日・時間帯別に、「理論的I−Vカーブ作成法(改)」を使ったシミュレーション計算であらかじめ算出している日射量比率(傾斜面日射量/水平面日射量)を乗じてそれぞれの傾斜面(太陽電池受光面)日射量を算出して、地点別に月・天気(晴、曇、雨)・時間帯別に傾斜面日射量の一覧表を作成する第2処理過程と、
地点・月・時間帯別にシミュレーション計算で算出した外気温、風速と、上記一覧表の傾斜面日射量とから、重回帰式により該太陽電池温度の一覧表を作成する第3処理過程と、
第2処理過程と第3処理過程で作成した月・天気・時間帯別の受光面日射量と太陽電池温度を使い、太陽電池の特性値(Isc, Iop, Vop, Voc, α, β, Rs, K)から、月・天気・時間帯別の太陽光発電量を「理論的I−Vカーブ作成法(改)」によるシミュレーション計算で算出し、太陽電池1KW当りの発電量の一覧表を作成する第4処理過程と、
翌日の時間帯別の天気予報(「地域時系列予報」)による区分(晴、曇、雨)と、第4処理過程で作成した一覧表から時間帯別に該太陽電池による発電量を求め、翌日午前中などの発電量を積算して求める第5処理過程と、
請求項1又は請求項2又は請求項4又は請求項5で決定した容量の蓄電池に蓄えられる電力量から第5処理過程で算出した午前中などの予想発電量を減じて残った電力量を、前日の深夜充電量として前夜に蓄電池に充電する、天気予報を使った蓄電池運用をすることを特徴とする。
【0015】
請求項8の蓄電池容量算出方法は、太陽光発電に蓄電池を組合せたシステムにおいて、需要家メリットの増加を目指した運用方法の1つである「太陽光優先」運用に関して、太陽電池の特性値・設置条件、[月平均1日日射量−月間標準偏差日射量(σ)]に対応する月ごと時刻別太陽電池発電量を「理論的I−Vカーブ作成法(改)」を使ったシミュレーション計算で算出する第1処理過程と、
月ごと時刻別需要電力量を調査・確定する第2処理過程と、
第2処理過程で確定した月ごと時刻別の需要電力量から第1処理過程で算出した月ごと時刻別の太陽電池発電量を減じ、深夜時間帯(23時〜7時)以外の時間帯について、時刻ごとの電力量を積算することにより太陽光発電で賄い切れない需要電力を算出する第3処理過程と、
第3処理過程で算出した最大月の電力量を必要な蓄電池への蓄電電力量とする第4処理過程と、
第4処理過程の蓄電電力量に蓄電池充放電効率・放電深度を考慮して蓄電池容量を算出して「太陽光優先」の場合の最適蓄電池容量として決めることを特徴とする蓄電池容量算出方法
【0016】
請求項9の需要家メリット算出による最適蓄電池容量決定方法は、太陽光発電に蓄電池を組合せたシステムにおいて、需要家メリットの増加を目指した運用方法の1つである「蓄電池優先」運用は、需要電力を深夜充電した蓄電電力の放電で優先的に賄うとともに太陽光発電電力でそれを補うことを基本的な運用方法としており、太陽光発電と蓄電設備を組合せる最もメリットの大きい運用方式であり、太陽光・蓄電池設備共に所有しない「一般住宅」および太陽光発電と蓄電池の組合せシステムについて、年間支払う電気料金(太陽光売電による売電料金、基本料金を含む)を算出する第1処理過程と、
第1処理過程で算出した電気料金を使い、太陽光・蓄電池の組合せシステムの「一般住宅」に対する電気料金の減少額(メリット)を算出する第2処理過程と、第2処理過程で算出した組合せシステムのメリットから太陽電池、インバータ、蓄電池などの設備償却費を減じて得られる総合メリットを算出する第3処理過程と、
太陽電池設備容量・価格をパラメータとして、組合せる蓄電池容量に対する第3処理過程で算出した総合メリットをあらわした経済性評価図を作成する第4処理過程と、
第4処理過程で作成した経済性評価図によって、最も経済的な組合せ蓄電池容量と最大メリットを決定することを特徴とする。
【0017】
請求項10の需要家メリット算出による最適容量蓄電池容量決定方法は、太陽光発電に蓄電池を組合せたシステムにおいて、需要家メリットの増加を目指した運用方法の1つである「太陽光優先」運用は、需要電力を太陽光発電の電力で優先的に賄うとともに蓄電池放電電力でそれを補うことを基本的な運用方法としており、太陽光発電と蓄電池を組合せる実現性の高い運用方法であり、太陽光・蓄電池共にない「一般住宅」および太陽光発電と蓄電池の組合せシステムについて年間支払う電気料金(太陽光売電による減額分、基本料金を含む)を算出する第1処理過程と、
第1処理過程で算出した各システムの支払う電気料金を使い、太陽光・蓄電池の組合せシステムが、「一般住宅」に対する電気料金の減少額(メリット)を算出する第2処理過程と、
第2処理過程で算出した組合せシステムのメリットから太陽電池、インバータ、蓄電池などの設備償却費を減じて得られる総合メリットを算出する第3処理過程と、
太陽電池設備容量・価格をパラメータとして、組合せる蓄電池容量に対する第3処理過程で算出した総合メリットをあらわした経済性評価図を作成する第4処理過程と、
第4処理過程で作成した経済性評価図によって、最も経済的な組合せ蓄電池容量と最大メリットを決定することを特徴とする。
【0018】
請求項11の需要曲線作成方法は、住宅の季節別平均需要電力曲線を調査・確定し、該需要電力曲線の1日合計需要電力量を100%として各時間帯(1時間ごと)の需要電力量の比率を季節ごとに算出し(「時間帯別需要電力比率」)、この季節別の比率により個々の住宅の月ごと1日合計需要(使用)電力量を按分して、時間帯別の需要電力量を算出して季節別の需要電力曲線(「一般化需要電力曲線」)を作成することを特徴とする。
【0019】
請求項12の需要電力曲線確定方法は、請求項11における住宅の平均需要電力曲線の確定にあたって、特性の大きく異なった需要電力曲線か否かの判断に請求項11の「時間帯別需要電力比率」を使用すると共に、地域・生活形態などごとに平均需要電力曲線を定めることを特長とする。
【0020】
請求項13の需要電力曲線確定方法は、請求項11における住宅の平均需要電力曲線の確定にあたって、季節ごとに各需要家共通の1つの平均需要電力曲線を確定するものでなく、季節ごとに時間域(深夜、日中、夜間など)別の需要電力量の比率により数種類のタイプの需要電力曲線を設定しておき、個々の住宅の季節・時間域(深夜、日中、夜間など)別の需要電力量の比率を使い需要電力曲線のタイプを選択し、この選択した時間帯別需要電力比率により個々の住宅の月ごと1日合計需要電力量を按分して時間帯別のより適合した需要電力曲線を得ることを特長とする。
【0021】
請求項14の同一需要曲線の判断方法は、請求項11、請求項12,請求項13の「一般化需要電力曲線」が実際に測定した需要電力曲線(「測定需要電力曲線」)の代わりに適用しても実用上支障が生じないことを、請求項9、請求項10により算出したメリットの値およびそのメリットの比率により判断することに特徴がある。
【0022】
ここで月ごと時間別太陽光発電電力量を算出するベースとなっている、発明者が開発した「太陽光発電量シミュレーション計算プログラム」について説明をする。
図4は既に開発し、各地の月・年間発電量などの計算に使っている「太陽光発電量シミュレーション計算プログラム」のブロック図である(論文1)。プログラムは3つのサブプログラム(「受光面日射エネルギー算出サブプログラム」「太陽電池モジュール温度算出サブプログラム」「太陽電池出力算出サブプログラム」)より構成されている。本発明においては、「太陽電池出力算出サブプログラム」における月ごと時刻別(実際には30分ごと…以下同様)の太陽電池発電量(途中計算データ)を出力して活用した。
「受光面日射エネルギー算出サブプログラム」の月ごと時刻別の日射強度算出は、各地の月平均1日当り日射量(ここでは[平均+標準偏差(σ)]の日射量(図2)など)を使い、時刻別の日射強度を、複合サインカーブ(周期の異なるサインカーブを組合せ、実際の1日の日射強度の動きに近づけたカーブ(図5))を使い求めている。そして算出したそれぞれの時刻の水平面日射強度から太陽電池受光面の日射強度を求める(図6)。
「太陽電池モジュール温度算出サブプログラム」では、その時刻の太陽電池温度の算出に日射強度、外気温(月平均最高・最低気温から算出)、風速を使って次の重回帰式で求める。
Y = AX1 + BX2 + CX3 + D……………(1)
ここに、Y:太陽電池温度(℃)、X1:日射強度(kW/m)、X2:風速(m/s)、
X3:外気温度(℃)、A,B,C,D:重回帰係数
このようにして求めた時刻ごとの受光面日射強度、太陽電池温度と太陽電池特性値(Isc,Iop,Vop,α,β,Rs,K)、から、「実用的I−Vカーブ作成法」(図7)(論文1参照)又は「理論的I−Vカーブ作成法」(図8)(論文2参照)、「理論的I−Vカーブ作成法(改)」によりそれぞれの時刻の太陽電池出力を計算する。
【0023】
次に、「理論的I−Vカーブ作成法(改)」について説明する。本発明の請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7、請求項8においては、任意の日射強度・太陽電池温度での太陽電池出力を算出するのに「理論的I−Vカーブ作成法(改)」を適用するようになっているが、従来から使用している「理論的I−Vカーブ作成法」(図8)(論文2参照)とは次の点で異なる新しい機能を持った方法である。ただ、上記それぞれの請求項において「実用的I−Vカーブ作成法」(図7)(論文1参照)又は、「理論的I−Vカーブ作成法」(図8)(論文2参照)を使用しても目的は達せられるが、精度・汎用性などの点で課題が残る。
・ 任意温度の太陽電池基本特性値を計算するのに従来は、25℃と55℃の基本特性値から直線補間により求めていたが、ここでは、25℃、40℃、55℃の基本特性値から曲線補間によりさらに精度の高い基本特性値を求め、そしてより精度の高い発電量を算出している。
・ 基本式(図8の(3)、(4)式)を適用するにあたっては、本発明では太陽電池モジュールについて適用することを基本とする。そして太陽電池アレイなどおいては、太陽電池モジュールの直並列接続として計算をする。そのため、この(4)式においては、()内の式すなわち(−q*Eg/(n*k0*T))にはm(太陽電池モジュールを構成する太陽電池セル数)が掛かる。
・ 太陽電池特性値として基準状態の特性値(Isc,Iop,Vop,Voc、α,β,Rs,K)の代わりに、日射強度1kw/mで25℃、40℃、55℃のそれぞれの特性値(Isc,Iop,Vop,Voc)を使い算出する。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を主要項目ごとに図面を使い説明する。
(1)電力負荷平準化システム
図1は本発明のうち、「電力負荷平準化に重点を置くシステム」の代表的なシステムである「午前中充電・ピーク時放電」システム(“発明が解決しようとする課題”のaのシステム…請求項1、4に相当)の場合における蓄電池容量算出方法(図1の左部分)および、翌日午前中の太陽電池発電量の予測による深夜蓄電池充電量の算出方法(請求項7)を示すフローチャートである。この「午前中充電・ピーク時放電」のシステムの概要は、太陽電池出力を午前中(例えば日出〜13時)積算して午前中の発電量を月ごとに求め(図3参照)、最大月の発電量から蓄電池容量を算出するものである。なお負荷平準化を目指した他のシステム(同b〜eのシステム)についてもaと同様に、月ごと時刻別発電量を使用している。ここで図1において午前中充電の時間帯として日出〜13時をとっており、また「太陽光発電電力を(2時間)後へシフト」システム(請求項3,6)では、図10に示す斜線部分の電力量が蓄電池の充電に必要な電力量で、例えば13時までの発電量から11時までの発電量をひくことにより求めているが、これらa〜dその値(時間)は限定された値ではなく、現実の諸状況により時間帯と時刻は適宜変えてもよい。
次に、負荷平準化に重点を置くシステムをその形態により分類してそれぞれについ
て述べる([発明が解決しようとする課題]参照)。
a.「午前中充電・ピーク時放電」システム
午前中の太陽光発電電力量を蓄電池に充電し、ピーク時間帯に放電する本システムでは、各月における快晴日など午前中に日射量の多い日の午前中発電量でも、また日射量の多い月でも対応できる大きさの蓄電池容量を決定する必要がある。そのために請求項1,4に述べた[平均+σ]の日射量を適用することによりその月のほとんどの日をカバーしている。そして実際の算出例である図9に示すように、電力ピーク時間帯(13〜17時など)に、太陽光発電による充電電力量を放電するため、大きい負荷平準化効果があらわれる。
b.「太陽光発電余剰電力による充電」システム
図12のように、各時間帯の需要電力のうち太陽光発電で得られる電力を充放電することなく需要電力にそのまま使うことにより、充放電ロスによるデメリットを少なくしている。しかも電力側にとっても上記aシステムに比較して小さい容量の蓄電池で効果的な負荷平準化がはかれる。ここでも日射量の多い日や月にも対応できる蓄電池容量を決定している。なお図12は実際の算出例を示している。
c.「太陽光発電電力を(2時間)後へシフト」システム
太陽光発電の発電電力のカーブを電力負荷のカーブに近づけることにより負荷平準化をはかるもので上記aのシステムに比べて必要な蓄電池容量は1/2〜1/3程度でよいが、電力負荷のピーク時間帯(14時頃)での効果が比較的少ないものの、17時頃までに除々に大きくなっている(図22)。ここでも日射量の多い日や月でも対応できる蓄電池容量を決定している。図10は必要な蓄電池容量(斜線部)を示したもので、斜線部の面積は前記のように差を求めることにより簡単に算出できる。そして、図22は高松における実際の算出例(7月)である。
d.「朝方充電・ピーク時放電」システム
朝方のオフピーク時間帯の電力で蓄電池を充電し、ピーク時間帯で放電することにより、負荷平準化効果をさらに高めようとするものである。上記aシステムに比べて、必要な蓄電池容量の減少およびピーク負荷時の負荷平準化効果が特に向上する(図11)。
e.「深夜充電・朝ピーク時放電+午前中充電・ピーク時放電」システム
上記aシステムに、蓄電池の深夜充電による電力を、朝ピーク時間帯に放電した後午前中のオフピーク時間帯に再び充電することにより需要家の経済性向上(メリット)をはかろうとするもので蓄電池の活用という面でも効果がある。すなわちこのシステムでは1日2回の蓄電池充放電を実施することによる蓄電池の有効活用、および深夜充電昼間放電による需要家メリットが生じさせようとするものである。ここでも日射量の多い日や月でも対応できる蓄電池容量を決定している。図23は実際のシステムにおける各月の計算例である。午前中充電電力は午前中の太陽光発電電力の60〜80%程度となっており、このシステムが効果的に実施できることを示している。
【0025】
(2)「月平均1日日射量+月間標準偏差日射量(σ)」
蓄電池容量の算出では月ごとの午前中の太陽光発電量についてその月のほとんどの日に対応できるよう、月平均1日当りの水平面日射量にその月間標準偏差(σ)を加えた日射量([平均+標準偏差(σ)])をベースに午前中の太陽光発電量を求めており、そして最大月の発電量を使い蓄電池容量決定をしている。ここで、標準偏差(σ)の代わりに2σなどを使えばさらに適応できる日数を増すことはできるが、蓄電池容量が過大となる。
図2は各日の水平面日射量の月間平均値と標準偏差を説明したものである。各月ごとの毎日の水平面日射量はほぼ正規分布していることを確かめているため、蓄電池設備容量を決定するときは[平均]の日射量でなく、[平均±標準偏差(σ)]などの日射量で決めるべきである。
図3は水平面日射量が[平均]と[平均+標準偏差(σ)]の場合の7月の時刻別太陽光発電量を計算して示したものである。
図13は高松で測定した月ごとの1日平均日射量とその標準偏差の測定例を示しており、月平均日射量の測定値が理科年表の平年値に近こともわかる。
図14は前記aのシステムの場合に、日射量が平均値および[平均+σ]の場合の、太陽電池1モジュール当りの午前中発電量と太陽電池設備1kW,3kW当りの必要な蓄電池容量の計算結果例を示す。
図15は同様に前記cのシステムの場合に、日射量が平均値および[平均+σ]の場合の、太陽電池1モジュールあたりの発電量、および太陽電池設備1kW設備、3kW設備当りに必要な蓄電池容量の計算結果例を示す。
【0026】
(3)天気予報によるシステムの運用方法
電力負荷平準化システムはもともと電力会社の立場に立ったシステムであるが、このシステムの運用方法を工夫して需要家メリットも向上しようとするものである。図1にその概要のフローも示している。前述のように蓄電池容量の決定に当っては天気の良い日(日射量の多い日)の日射量に基づいて決めているため日射量の少ない日については、蓄電池容量が過大となり容量があまることとなる。その空き部分に深夜充電電力を使って運用面でメリットの向上をはかろうとするものである。すなわち、上記「発明が解決しようとする課題」のa〜eのシステムでは午前中など日射量が比較的少ない日には蓄電池が容量いっぱいまで十分活用されていることにならず、設備利用・メリットの観点からは不充分といえる。この天気予報を使ったシステム運用方法はa〜dのすべてに適用できると考える。aのシステムでは翌日午前中の太陽光発電による充電量を予測し、蓄電池容量と午前中発電量の差すなわち蓄電池の空き部分を予め深夜充電しておこうとするものである。このため蓄電池設備の利用率の向上のみならず、深夜電力の活用による需要家メリットの向上がはかられることとなる。
【0027】
図1の右半分には、蓄電池容量から、翌日の日出から13時までの太陽電池発電量を減じることにより、前日の深夜充電量算出するフロー図を示している。その方法は、翌日午前中の太陽光発電量は、全国各地の代表的な気象台で1日3回(6時、12時、18時)作成されている「地域時系列予報」(図1のS11)(図16)のうち、18時に作成した3時間ごとの天気予報のデータと同一時間帯の全天日射量(水平面日射量)(図1のS14)の実測データをもとに、月・時間帯・天気(晴、曇、雨)別に水平面日射量の平均値を求め(図1のS15)、次にその値の平年値換算および地点換算をする。ここでは高松地点での各天気(晴、曇、雨)ごとの水平面日射量の平年値を求めているが、他の地点でも同様の手順により作成できる。このようにして求めた各天気の水平面日射量を地点・月・時刻によって決まった係数(「太陽光発電量シミュレーション計算プログラム」(図4))を使い求めた傾斜面日射量/水平面日射量の比率)を掛けて3時間の各天気の平均傾斜面日射強度を求める(図1のS18)(水平面日射量から傾斜面日射量の算出の基本は図6参照)。この傾斜面日射強度(1時間平均の日射量)と太陽電池温度(同様に「太陽光発電量シミュレーション計算プログラム」により、地点・月・時刻ごとに求めた値)および太陽電池特性値(Isc, Iop, Vop, Voc, α, β, Rs, K)から、「実用的I−Vカーブ作成法」(論文1又は理論的方法(論文2(伊賀;「太陽電池の光照射状態での電圧―電流特性を用いたI−Vカーブ作成法とその活用」、電学論116巻10号、1996))を使い、地点・月・天気・時間ごとの太陽電池出力を求める(図1のS20)。地点・月・天気・時間帯別に求めた太陽電池1kW当りの太陽光発電量が図17(図1のS21)である。図17を使い、午前中(日出〜13時)の天気予報がすべて晴、曇、雨の場合の発電量および深夜充電量(蓄電池容量−午前中発電量)を月ごとに示したのが図18である。図18は月ごとの天気別太陽光発電量予測と蓄電池深夜充電量の図(太陽電池設備1kW当り)である。ここでこの図を使いこの方法の効果について説明する。図18では日出〜13時までの天気予報がすべて晴のみまたは、曇のみまたは、雨のみの場合の発電量の予想と蓄電池の深夜充電電力量を月ごとに示している。例えば午前中の3時間ごとの天気予報が晴―曇―晴など、晴と曇により構成されている場合は図18の棒グラフの白色部分に深夜充電量が存在する。図18から日出〜13時における発電量(予想値)は天気、月により明確な差が出ており、天気による発電量の差は大きいことがわかる。すなわち月ごとい、天気予報により蓄電池深夜充電量をかえることにより、大きい需要家メリット増加が期待できることをあらわしている。
このように天気予報を使うことにより、負荷平準化に寄与する電力が、天気予報を使わない場合に比べ約60%程度増加すると共に、需要家にとっても2万円〜4万円/年の経済的メリットを生じている(図19)。さらに、深夜電力で蓄電池を充電することにより、深夜電力負荷造成に寄与することによる負荷平準化にもなる。
実際の運用時にあたっては地域時系列予報(図16)を使い、既に作成した地点・月・天気別の3時間ごとの太陽光発電出力(発電量)(図17)を使い蓄電池深夜充電量を算出することになる。この場合同一個所で、個々の太陽光発電システムごとに翌日発電量を計算し、そして深夜充電量を算出して、通信回線を使い各システムの充電量を制御することもできる。
図16は高松地点における18時の「地域時系列予報」の例である。3時間ごとの天気予報の他に外気温、風速・風向の予報も含まれているが、翌日の日射量には直接結びつきにくいため、天気予報のデータのみを使用することとした。また、日射量の予報にはこの「地域時系列予報」の他に、気圧変動、湿度などの情報も活用することが考えられるが、実際に信頼性の面からは、あくまでも各地気象台で作成するこの予報が中心となるべきであると考える。将来は信頼性の高い他の情報活用も考えておく必要がある。特に特殊な地形の地点地域などについてはきめの細かい天気予報を使うよう配慮すべきであると考える。
図17は前記のように高松における、月・天気別3時間ごと(12時〜13時は1時間ごと)の太陽電池発電量である。この図の数値は代表的単結晶太陽電池モジュール(昭和シェル石油GL136…標準時最大出力52.36W)の場合の太陽電池設備1kW当りの値である。このような図は、それぞれの地点について一度作成すればそのシステムについては汎用的に適用できる。
図19も前記のように、天気予報を使った運用方法による効果の試算例を示している。ここでは年間2〜4万円程度(3〜5kW設備)が期待できることがわかる。図20、図21は、上記天気予報により発電量に妥当な値が得られることを検証するため、天気の予報値・実績値と発電量の関係を検討した。図20はその検証方法(フロー図)を、図21はその結果例を示しており、天気予報により妥当な結果が得られることの検証が実施できた。すなわち、図20、図21は天気予報が、天気の実績と同様に扱えることを示す方法と結果を示している。
【0028】
(4)需要家メリットシステム
次に需要家のメリットに重点を置いた組合せシステムの最適蓄電池容量の決定方法と運用方法、需要家メリット計算方法について述べる。本システムでは経済性を考慮して太陽光発電電力の蓄電池の充放電は実施しないこととしている。本システムでは昼間の需要電力を深夜充電電力(「蓄電池優先」)と太陽光発電電力(「太陽光優先」)のどちらの電力で優先的に賄うかという運用方法の違いにより、最適な蓄電池容量とメリット(経済性)は変わってくる。
【0029】
まず、「太陽光優先」の場合の蓄電池容量を概算求める方法について述べる。図24は高松における1月の平均需電力要曲線、および太陽光発電量を、日射の[平均]と[平均−σ]について描いたものである。本システムでは需要電力をまず太陽光発電で賄い、賄いきれなかった需要電力には、深夜の安い電力で蓄電池に充電した電力を使うことになり、図24では斜線を施した部分の電力量が必要になる。そして、太陽光発電量の曲線は、太陽光発電量が少ない(天気が悪く、日射が少ない)日にも賄える蓄電池容量が必要となる。そのために太陽光発電の曲線は日射量が[平均]でなく[平均−σ]の場合の曲線を使うことになる。なおこの斜線部分がこの月に必要な需要電力量であるためこの値が、蓄電池の深夜充電電力の放電量になるように蓄電池充放電効率・放電深度を考慮して蓄電池容量を決める必要がある。同様にして4月と8月についても算出したのが、図25である。このようにして各月の平均カーブから蓄電池の必要容量を算出し整理したのが図26である。各月の蓄電池に必要な容量は太陽電池設備容量と月により異なるが、それぞれの太陽電池容量について最大の月の容量(太枠)が必要な蓄電池容量(放電深度70%の場合)となる。この蓄電池容量算出方法を請求項8で述べている。
【0030】
次に、上記「蓄電池優先」と「太陽光優先」について、請求項9および請求項10の方法で蓄電池容量別のメリットを計算する。すなわち
図27、図28は太陽電池が3kW,5kWの場合に蓄電池を組合せたシステムについて、一般住宅(太陽光と蓄電池が共にない場合)に対するメリット(設備費を含)を示したものである。図29、図30は「蓄電池優先」、「太陽光優先」のそれぞれの場合について電気料金面のみでのメリットの内訳を示したものである。また図31、図32は「蓄電池優先」、「太陽光優先」のそれぞれの場合について、太陽電池価格をパラメータとして評価した図である。
【0031】
次にこれらの図を使い、需要家メリットシステムの最適蓄電池容量、需要家メリットなどについて説明する。
図27、図28は太陽電池設備が3kWと5kWの場合で、太陽電池価格が30万円/kW、50万円/kW、80万円/kWの場合において、運用方法(「蓄電池優先」、「太陽光優先」)別に蓄電池容量によるメリットを算出した例の図である。
この図から次のことがわかる。
・組合せる蓄電池容量が大きくなるにつれ、「蓄電池優先」の方が「太陽光優先」よりメリットが次第に大きくなる。また、太陽電池価格が低下すれば、太陽電池容量が大きくなるほどメリットは増し、価格が上昇すれば逆となる。
・「蓄電池優先」の場合、蓄電池容量が11kWh付近から太陽光発電がない場合に必要な蓄電池容量(18.8kWh)までは、蓄電池容量にかかわらずメリットはあまりかわらない。すなわち、蓄電池容量を半分程度に小さくしてもメリットはあまりかわらない。これは、月ごと時刻別需要電力量が異なることによる蓄電池の利用率に起因する。すなわち、蓄電池容量が大きくなるにつれて太陽光充電電力(太陽光発電電力から、需要電力のうち夜間電力で賄えない部分を除いた電力)の増加割合が制限を受けてくる(図29参照)。そのため、蓄電池容量が大きくなってもメリットはあまり向上しなくなるためである。このため、蓄電池容量が18.8kWhの半分程度でも同様のメリットが得られる。
・また、「太陽光優先」では、上記蓄電池容量(9〜11kWh)より少し低いところにメリットのピークがあり、それ以上の蓄電池容量ではメリットは低下する。これは蓄電池容量が小さくなると安価な夜間電力料金の利用が次第に少なくなること、および蓄電池容量が大きくなると蓄電池の利用率が低下し、設備償却費が多くなることに起因する(図30)。このため蓄電池容量を18.8kWの半分より少し小さくすれば、最大のメリットが得られる。
なお、図29、図30は「蓄電池優先」「太陽光優先」のそれぞれの運用方法について、上記メリットの原因を分析した図である。
【0032】
図31は、「蓄電池優先」における太陽電池価格をパラメータとした請求項9の方法で算出したメリットを示したものである。また図32は「太陽光優先」における太陽電池価格をパラメータとしたメリットを請求項10の方法で算出して示したものである。図31、図32の経済性評価図から次のことがわかる。
まず図31の「蓄電池優先」運用により次のことが明らかとなった。
・太陽電池価格が65〜70万円/kW程度であれば、太陽電池がない場合の蓄電池容量(18.8kWh)の半分程度の容量の蓄電池との組合せシステムで、同様のメリットが得られる。そして、太陽電池価格がそれより安くなると、価格の低下に比例して組合せシステムのメリットが向上する。また、太陽光発電のみの場合には、太陽電池設備容量には関係なく65万円/kWが採算の分岐点となっている。蓄電池との組合せシステムでも、太陽電池価格65万円/kW程度を境にそれより安ければ太陽電池設備容量が大きいほど有利となり、それより高ければ逆になる。これらのシステムの設計・運用上の有効な知見が得られた。
・蓄電池との組合せシステムでは、太陽光発電のみのシステムの場合より、全般に年間2万円程度以上のメリットがある。また、採算の分岐点も太陽電池価格75〜80万円/kW程度と太陽光発電のみの場合の65万円/kWに対して高い。すなわち、組合せシステムにすることにより、太陽電池価格が高くても採算があうことを示している。
また図32の「太陽光優先」は図31の「蓄電池優先」とよく似た傾向があることがわかった。
【0033】
図33は「太陽光優先」で、全国各地の代表的需要家のメリット計算を実施した結果を蓄電池容量別に示したものである。なお太陽電池設備容量は3KWであり、年間需要電力量については秋田・大阪は平均より特に大きく、東京は少し小さく、高松はかなり小さい。この図から、年間需要電力量が大きいほど蓄電池容量の大きい方向にメリットのピークが移ることが分かる。すなわち図27、図28とあわせて考察すると、需要電力量が大きくなると「太陽光優先」と「蓄電池優先」には最大メリットに差が少なくなり、「太陽光優先」の有利な面が強くあらわれて来る。
【0034】
図34の(a)は西日本のある地域の住宅数百件の需要電力量を測定し、季節別に平均需要電力曲線を作成したものである。また、図34の(b)は同様に全国の18件の需要電力曲線の平均である。これらのグラフによると、夏季の夜間において(b)の曲線が(a)の曲線より低く抑えられている意外は、ほぼ同じ傾向の需要電力曲線といえる。
【0035】
図35は図34(a)の1日の需要電力量を100% とした場合の比率(%)(「時間帯別需要電力量比率」)を示したもので、夏の曲線が他の季節と異なった傾向があることが分かる。
【0036】
図36、図37は実際に測定した需要曲線(「測定需要電力曲線」という)および請求項11の方法で作成した需要電力曲線(「一般化需要電力曲線」)の両曲線を使い算出したメリット計算結果を図および一覧表で示したものである。これらの図・表から両曲線によるメリット差は最大でも9000円/年程度であり、またそのメリットに対する比率も最大で10数%程度であり全般的にも小さいといえる。したがって、「一般需要電力曲線」は「測定需要電力曲線」により代替できる。すなわち、季節ごとの需要電力曲線として「一般化需要電力曲線」を使ったメリット等計算を実施しても実際上問題ないことが分かった。
【0037】
図38は実際の需要家について測定需要電力曲線から一般需要電力曲線を作成した例(東京)である。一見、測定・一般需要電力曲線には大きい差があるように見えるが、両需要電力曲線により算出したメリット差は図39、図36、図37で示すように3千円/年程度であり、この場合でも一般化需要電力曲線が差し支えなく使えることが分かる。
【0038】
【発明の効果】
最近、太陽光発電システムの性能向上と価格低下、国・県・市町などの助成措置により普及が著しい。一方、蓄電池関係の技術の進展が顕著であり、その性能向上と価格の低下が進んでいる。このような状況のもとで、一般住宅に太陽光発電設備とともにと蓄電池を設置したシステムが注目されている。組合せシステムとすることにより、太陽光発電のみのシステムに比較して、電力会社にとってのピーク電力カット・負荷平準化、需要家にとってのメリット(経済性)向上がはかれることがわかった。ここでは、本発明の主要な効果について請求項にそって述べる(1部他個所での記述とオーバーラップする部分あり)。
【0039】
「月ごと時刻別の太陽光発電量」の正確なシミュレーション計算のため、図4で示したシミュレーションプログラムを活用したため、正確かつ汎用的に太陽光発電電力量が算出でき、本発明の効果の評価などが的確にでき、本発明の内容の充実に結びついている。特に本プログラムにより、図5の時刻別日射量の正確な算出([発明が解決しようとする課題](1))、図6の受光面日射量の正確な算出([発明が解決しようとする課題](2))、図7および図8の発電電力の正確な算出([発明が解決しようとする課題](4))が効果的に働いている。
【0040】
請求項1、2,3、4、5,6の発明では、[月平均1日日射量]の代わりに[月平均1日日射量+月間標準偏差日射量(σ)]を使用することにより平均的な天気・日射量の日だけでなく快晴日など午前中に日射量の多い日の午前中発電量でも、また最大月の発電量を使用することにより日射量の多い月の発電量でも蓄電池容量に不足を生じる事がない蓄電池容量に決定できる。なお、これらの月間標準偏差日射量(σ)や月ごとの発電量は図13の事例のように意外に大きいため、蓄電池容量の大きさにも大きく影響している。このことは請求項1,4における蓄電池容量の差(図14)、および請求項3,6における蓄電池容量の差(図15)でもあらわれている。
【0041】
請求項1、4の発明では、図9に示した事例のように大きい負荷平準の効果があらわれている。また、朝方のオフピーク時間帯の電力で蓄電池を充電し、特に大きいピーク時間帯に放電すると必要な蓄電池容量を小さくして負荷平準化効果をさらに増すことができる(図11)。そして請求項2,5の発明では、太陽光発電余剰電力を充電して負荷平準に使うことにより、太陽光発電電力の1部が需要電力に直接使えるので、蓄電池の充放電ロスが少ない需要家のメリットに結びつけることができる(図12)。
請求項3,6の発明では、電力負荷のピーク時間帯(14時頃)での負荷平準化効果は比較的少ないものの17時ごろまで除々に大きくなっている(図22)。そして必要な蓄電池容量は請求項1,4の1/2〜1/3程度と小さくなっている。
【0042】
請求項1、2,3,4,5,6のシステムでは、午前中など一般に日射量が比較的少ない日には蓄電池容量いっぱいまで十分活用されていることにならず、設備利用率の観点からは不充分な面があるといえる。そこで改善を加えたのが請求項7の発明で、天気予報を使ったシステム運用方法により、翌日午前中の太陽光発電による充電量を予測し、蓄電池容量と午前中発電量の差すなわち蓄電池の空き部分を予め深夜充電しておこうとするものである。このようにすることにより、蓄電池設備の利用率の向上のみならず、深夜電力の活用による需要家メリットの向上がはかられている。図18は月ごとの天気別太陽光発電量予測と蓄電池深夜充電量の図(太陽電池設備1kW当り)である。この図を使いこの方法の効果を説明する。図18では日出〜13時までの天気予報がすべて晴、曇、雨の場合の発電量予想と蓄電池の深夜充電電力量を月ごとに示している。前述のとおり、例えば午前中の3時間ごとの天気予報が晴―曇―晴など、晴と曇により構成されている場合は図18の棒グラフの白色部分に深夜充電量が存在する。図18から日出〜13時における発電量(予想値)は天気、月により明確な差が出ており、天気による発電量の差は大きいことがわかる。すなわち月ごと、天気予報ごとに蓄電池深夜充電量をかえることによる大きい需要家メリットへの効果が大きく期待できることをあらわしている。
このように天気予報を使うことにより、図19によると負荷平準化に寄与する電力量が、天気予報を使わない場合に比べ約60%程度増加すると共に、需要家にとっても2万円/〜4万円/年の経済的メリットを生じる。また深夜電力で蓄電池を充電することにより、深夜電力負荷造成に寄与することによる負荷平準化にもなる。
なお図20、図21は天気予報が、天気の実績と同様に扱えることを示す方法とその結果例を示している。天気予報が天気の実績と同じように扱えることを示している。
【0043】
需要家の経済性向上(メリット)を目指した組合せシステムの基本は太陽光発電電力の蓄電池への充放電を実施しないことである。そのため太陽光発電電力の充放電ロスによる損失は発生しない。そしてこのシステムは前述のように「蓄電池優先」と「太陽光優先」に大別できる。「蓄電池優先」は需要電力を蓄電池の深夜充電電力の放電で優先的に賄うためメリットが大きく現れる傾向にある。一方、「太陽光優先」は「蓄電池優先」に比べて一般にはメリットが少ない面もあるが、需要電力が大きくなるとほとんど同じ大きさになると共に、現実的なシステムとして成り立ち得る。
請求項7,8,9発明では、需要家メリット計算のシミュレーション計算により太陽電池と蓄電池の組合せシステムの最適な蓄電池容量が決定できる。また、一般住宅と比較した場合のメリットが算出できる。
【0044】
請求項11によると、各需要家の実際に測定した需要電力曲線(「測定需要電力曲線」)が得られなくても月ごとの需要電力量(すなわち月間使用電力量)がわかれば「一般需要電力曲線」が得られ、実用上あまり影響のない誤差範囲内で最適蓄電池容量・メリット計算が実施できる。なお、本発明で使用している「時間帯別需要電力比率」は数100件のデータと全国的な負荷曲線を考慮したもので信頼性が高い。
請求項12によると、請求項11の効果に加え、地域による気象条件の差による需要電力曲線への影響などを含んでいるため、より精度の高いメリット計算などに結びつく。
請求項13によると、各需要家曲線をさらに深夜・日中・夜間需要タイプまで含んで分類することにより、さらに実態に合った「一般需要電力曲線」を設定できるので、より精度の高い的確なメリット計算などに結びつく。
請求項14の「一般化需要電力曲線」の検証方法であり、この曲線の適用性などがわかる。
請求項11,12,13、14の発明により、需要電力曲線が正確かつ汎用的に想定でき、本発明の効果の評価などが的確にでき、本発明の内容の充実に結びついている。
【0045】
【図面の簡単な説明】
【図1】「午前中充電・ピーク時放電」システム(a)における蓄電池容量算出フロー、および翌日午前中太陽光発電量予測・前日深夜充電電力量算出フロー図である。
【図2】月間の1日平均日射量と標準偏差(σ)を示している。
【図3】時刻別太陽光発電量(7月)である。
【図4】太陽光発電量シミュレーション計算プログラムのブロック図(文献1参照)である。
【図5】1日の時刻別日射量カーブの作成方法を示している。
【図6】水平面日射より受光面(傾斜面)日射の算出の概要である
【図7】「実用的I−Vカーブ作成法」(任意の日射強度・太陽電池温度条件のI−Vカーブ作成方法)である。
【図8】「理論的I−Vカーブ作成法」(太陽電池の電圧−電流基本特性式を使った、任意の日射強度・太陽電池温度条件のI−Vカーブ作成方法)である。
【図9】「午前中充電・ピーク時放電」システム(a)の負荷平準化効果(7月)を示している。
【図10】「太陽光発電電力量を(2時間)後へシフト」システム(c)の必要蓄電池容量をあらわしている。
【図11】「朝方充電・ピーク時放電」システム(d)の負荷平準化効果を示す(8月)。
【図12】「太陽光発電余剰電力による負荷平準化」システム(b)の負荷平準化効果である(7月)。
【図13】高松地区の月ごと水平面日射量の平均値とその標準偏差(σ)である。
【図14】「午前中充電・ピーク時放電」システムの月ごとの発電量と蓄電池必要容量の算出結果である。
【図15】「太陽光発電電力を(2時間)後へシフト」システム(c)の月ごとの発電量と蓄電池必要容量の算出結果である。
【図16】地方気象台が発表する「地域時系列予報」である。
【図17】月・天気・時間帯別太陽光発電量一覧(太陽光発電設備1kW当り、高松地区)である。
【図18】月ごと天気による発電量予測・蓄電池深夜充電量の算出結果例を示している。
【図19】「午前中充電・ピーク時放電」システム(a)に天気予報を適用した場合の経済効果(メリット)である。
【図20】「地域時系列予報」を使い翌日の太陽光発電量を予測し深夜充電量を算出する方法の妥当性を検証方法のフロー図である。
【図21】同上の妥当性の確認結果の図(1月)である。
【図22】「太陽光発電電力を(2時間)後へシフト」システム(b)の負荷平準化効果(7月)を示す図である。
【図23】「深夜充電・朝ピーク時放電+午前中充電・ピーク時放電」システム(e)の月ごとの蓄電池必要容量等の算出結果例である。
【図24】太陽光発電電力と需要電力量(1月)の関係図である。
【図25】太陽光発電量と需要電力量(4月、8月)の関係図である。
【図26】需要家メリットシステムの蓄電池容量の算出結果の例である。
【図27】太陽光・蓄電池組合せシステムの経済性評価図(太陽電池設備3kW)(「太陽電池優先」・「蓄電池優先」の各運用方法の場合)である。
【図28】太陽光・蓄電池組合せシステムの経済性評価図(太陽電池設備5kW)(「太陽電池優先」・「蓄電池優先」の各運用方法の場合)である。
【図29】蓄電池容量と年間電気料金の関係(太陽電池3kW)(「蓄電池優先」の運用方法の場合)である。
【図30】蓄電池容量と年間電気料金の関係(太陽電池3kW)(「太陽光優先」の運用方法の場合)である。
【図31】太陽電池価格による経済性評価図(「蓄電池優先」運用の場合)である。
【図32】太陽電池価格による経済性評価図(「太陽光優先」運用の場合)である。
【図33】各地における、「太陽光優先」運用の場合の蓄電池容量とメリットの関係である。
【図34】住宅の季節別平均需要曲線である。
【図35】時間帯別需要電力比率である。
【図36】測定・一般需要電力曲線によるメリット差の図である。
【図37】測定・一般需要電力曲線によるメリットの値を示した表である。
【図38】測定・一般需要電力曲線の例(東京)である。
【図39】蓄電池容量別の測定・一般需要電力曲線によるメリット例(東京)である。

Claims (14)

  1. 太陽電池モジュールの特性値・設置条件、設置場所の経緯度・日射・気象条件から、[月平均1日日射量+月間標準偏差日射量(σ)]に対応する月ごと時刻別の太陽電池1モジュール当りの太陽電池発電量を「理論的I−Vカーブ作成法(改)」を使ったシミュレーション計算で算出し、午前中など電力オフピーク時間帯の発電量を積算し、設置太陽電池設備容量における発電量に換算し、そして最大月の該発電量から該太陽電池設備に必要な蓄電池の容量を算出することを特徴とする蓄電池容量算出方法
  2. 太陽電池モジュールの特性値・設置条件、設置場所の経緯度・日射・気象条件から、[月平均1日日射量+月間標準偏差日射量(σ)]に対応する月ごと時刻別の太陽電池1モジュール当りの太陽電池発電量を「理論的I−Vカーブ作成法(改)」を使ったシミュレーション計算で算出し、設置太陽電池設備容量に換算し、月ごと時刻別にその住宅の需要(消費)電力量を減じた後、この太陽光余剰電力を午前中など電力オフピーク時間帯について積算し、そして最大月の該発電量から該太陽電池設備に必要な蓄電池容量を算出することを特徴とする蓄電池容量算出方法
  3. 太陽電池モジュールの特性値・設置条件、設置場所の経緯度・日射・気象条件から、[月平均1日日射量+月間標準偏差日射量(σ)]に対応する月ごと時刻別の太陽電池1モジュール当りの太陽電池発電量を「理論的I−Vカーブ作成法(改)」を使ったシミュレーション計算で算出し、各時刻の太陽光発電量を一定時間後へシフトするために必要な蓄電池充電量を算出し、設置太陽電池設備に必要な充電量に換算し、そして最大月の該発電量を使い該太陽電池設備当りに必要な蓄電池容量とすることを特徴とする蓄電池容量算出方法
  4. あらかじめ選択された太陽電池の特性値(Isc, Iop, Vop, Voc, α, β, Rs, K)、太陽電池設置方位・傾斜角、選択された地点の経緯度、太陽赤緯・均時差、および選択された地点の気象データ(月平均1日合計水平面日射量、各月の平均直達比率、各月の最高・最低気温の平均値、各月の平均風速)を保持する第1処理過程と、
    第1処理過程で保持した各値を使い、[月平均1日日射量+月間標準偏差日射量(σ)]に対応する月ごと時間別(1時間又は30分間隔)の太陽電池1モジュール当りの発電量を「理論的I−Vカーブ作成法(改)」を使ったシミュレーション計算で算出する第2処理過程と、
    第2処理過程で算出した月ごと時刻別の発電量を一定時間(午前中、日出〜13時など)積算する第3処理過程と、
    第3処理過程で算出した1モジュール当り、月ごとの発電量を当該太陽電池設備容量の発電量に換算する第4処理過程と、
    第4処理過程で算出した月ごと発電量から、最大月の発電量を選択し、蓄電池の充放電効率・放電深度を考慮して、設置太陽電池設備容量に必要な蓄電池容量を算出することを特徴とする蓄電池容量算出方法
  5. あらかじめ選択された太陽電池の特性値(Isc, Iop, Vop, Voc, α, β, Rs, K)、太陽電池設置方位・傾斜角、選択された地点の経緯度、太陽赤緯・均時差および選択された地点の気象データ(月平均1日合計水平面日射量、各月の平均直達比率、各月の最高・最低気温の平均値、各月の平均風速)を保持する第1処理過程と、
    第1処理過程で保持した各値を使い、[月平均1日日射量+月間標準偏差日射量(σ)]に対応する各月ごと時間別(1時間又は30分間隔)の、設置太陽電池設備容量当りの発電量を「理論的I−Vカーブ作成法(改)」を使ったシミュレーション計算で算出する第2処理過程と、
    第2処理過程で算出した時刻別の発電量から各時刻別の需要(消費)電力量を減じた電力量を一定時間帯(午前中、日出〜13時など)について積算する第3処理過程と、
    第3処理過程で算出した月ごとの発電量のうち、最大月の発電量に蓄電池の充放電効率・放電深度などを考慮して、設置太陽電池設備に必要な蓄電池容量を算出することを特徴とする蓄電池容量算出方法
  6. あらかじめ選択された太陽電池の特性値(Isc, Iop, Vop、Voc, α, β, Rs, K)、太陽電池設置方位・傾斜角、選択された地点の経緯度、太陽赤緯・均時差および選択された地点の気象データ(月平均1日合計水平面日射量、各月の平均直達比率、各月の最高・最低気温の平均値、各月の平均風速)を保持する第1処理過程と、
    第1処理過程で保持した各値を使い、[月平均1日日射量+月間標準偏差日射量(σ)]に対応する月ごと時刻別(1時間又は30分間隔)の太陽電池1モジュール当りの発電量を「理論的I−Vカーブ作成法(改)」を使ったシミュレーション計算で算出する第2処理過程と、
    第2処理過程で算出した時間別の発電量を使い、1日の太陽光発電曲線を一定時間後へシフトするのに必要な電力量を算出する第3処理過程と、
    第3処理過程で算出した1モジュール当りに必要な電力量を設置太陽電池設備容量に必要な電力量に換算する第4処理過程と、
    第4処理過程で算出した月ごとの電力量のうち、最大月の発電量に蓄電池の充放電効率・放電深度を考慮して、当該太陽光発電設備に必要な蓄電池容量とすることを特徴とする蓄電池容量算出方法
  7. 地方気象台の発表する時間帯別天気予報(「地域時系列予報」)に対応した各日・各予報時間帯別の全天日射量(水平面日射量)の測定データを収集し、地点別に月・天気(晴、曇、雨)・時間帯別に水平面の平均日射量を算出・整理し、次にこれらの日射量を平年値・地域による補正を実施する第1処理過程と、
    第1処理過程で算出した水平面の日射量に、その地点において月日・時間帯別に、「理論的I−Vカーブ作成法(改)」を使ったシミュレーション計算であらかじめ算出している日射量比率(傾斜面日射量/水平面日射量)を乗じてそれぞれの傾斜面(太陽電池受光面)日射量を算出して、地点別に月・天気(晴、曇、雨)・時間帯別に傾斜面日射量の一覧表を作成する第2処理過程と、
    地点・月・時間帯別にシミュレーション計算で算出した外気温、風速と、上記一覧表の傾斜面日射量とから、重回帰式により該太陽電池温度の一覧表を作成する第3処理過程と、
    第2処理過程と第3処理過程で作成した月・天気・時間帯別の受光面日射量と太陽電池温度を使い、太陽電池の特性値(Isc, Iop, Vop, Voc, α, β, Rs, K)から、月・天気・時間帯別の太陽光発電量を「理論的I−Vカーブ作成法(改)」によるシミュレーション計算で算出し、太陽電池1KW当りの発電量の一覧表を作成する第4処理過程と、
    翌日の時間帯別の天気予報(「地域時系列予報」)による区分(晴、曇、雨)と、第4処理過程で作成した一覧表から時間帯別に該太陽電池による発電量を求め、翌日午前中などの発電量を積算して求める第5処理過程と、
    請求項1又は請求項2又は請求項4又は請求項5で決定した容量の蓄電池に蓄えられる電力量から第5処理過程で算出した午前中などの予想発電量を減じて残った電力量を、前日の深夜充電量として前夜に蓄電池に充電することを特徴とする、天気予報を使った蓄電池運用方法
  8. 太陽光発電に蓄電池を組合せたシステムにおいて、需要家メリットの増加を目指した運用方法の1つである「太陽光優先」運用に関して、太陽電池の特性値・設置条件、[月平均1日日射量−月間標準偏差日射量(σ)]に対応する月ごと時刻別太陽電池発電量を「理論的I−Vカーブ作成法(改)」を使ったシミュレーション計算で算出する第1処理過程と、
    月ごと時刻別需要電力量を調査・確定する第2処理過程と、
    第2処理過程で確定した月ごと時刻別の需要電力量から第1処理過程で算出した月ごと時刻別の太陽電池発電量を減じ、深夜時間帯(23時〜7時)以外の時間帯について、時刻ごとの電力量を積算することにより太陽光発電で賄い切れない需要電力を算出する第3処理過程と、
    第3処理過程で算出した最大月の電力量を必要な蓄電池への蓄電電力量とする第4処理過程と、
    第4処理過程の蓄電電力量に蓄電池充放電効率・放電深度を考慮して蓄電池容量を算出して「太陽光優先」の場合の最適蓄電池容量として決めることを特徴とする蓄電池容量算出方法
  9. 太陽光発電に蓄電池を組合せたシステムにおいて、需要家メリットの増加を目指した運用方法の1つである「蓄電池優先」運用は、需要電力を深夜充電した蓄電電力の放電で優先的に賄うとともに太陽光発電電力でそれを補うことを基本的な運用方法としており、太陽光発電と蓄電設備を組合せる最もメリットの大きい運用方式であり、太陽光・蓄電池設備共に所有しない「一般住宅」および太陽光発電と蓄電池の組合せシステムについて、年間支払う電気料金(太陽光売電による売電料金、基本料金を含む)を算出する第1処理過程と、
    第1処理過程で算出した電気料金を使い、太陽光・蓄電池の組合せシステムの「一般住宅」に対する電気料金の減少額(メリット)を算出する第2処理過程と、第2処理過程で算出した組合せシステムのメリットから太陽電池、インバータ、蓄電池などの設備償却費を減じて得られる総合メリットを算出する第3処理過程と、
    太陽電池設備容量・価格をパラメータとして、組合せる蓄電池容量に対する第3処理過程で算出した総合メリットをあらわした経済性評価図を作成する第4処理過程と、
    第4処理過程で作成した経済性評価図によって、最も経済的な組合せ蓄電池容量と最大メリットを決定する方法
  10. 太陽光発電に蓄電池を組合せたシステムにおいて、需要家メリットの増加を目指した運用方法の1つである「太陽光優先」運用は、需要電力を太陽光発電の電力で優先的に賄うとともに蓄電池放電電力でそれを補うことを基本的な運用方法としており、太陽光発電と蓄電池を組合せる実現性の高い運用方法であり、太陽光・蓄電池共にない「一般住宅」および太陽光発電と蓄電池の組合せシステムについて年間支払う電気料金(太陽光売電による減額分、基本料金を含む)を算出する第1処理過程と、
    第1処理過程で算出した各システムの支払う電気料金を使い、太陽光・蓄電池の組合せシステムが、「一般住宅」に対する電気料金の減少額(メリット)を算出する第2処理過程と、
    第2処理過程で算出した組合せシステムのメリットから太陽電池、インバータ、蓄電池などの設備償却費を減じて得られる総合メリットを算出する第3処理過程と、
    太陽電池設備容量・価格をパラメータとして、組合せる蓄電池容量に対する第3処理過程で算出した総合メリットをあらわした経済性評価図を作成する第4処理過程と、
    第4処理過程で作成した経済性評価図によって、最も経済的な組合せ蓄電池容量と最大メリットを決定する方法
  11. 住宅の季節別平均需要電力曲線を調査・確定し、該需要電力曲線の1日合計需要電力量を100%として各時間帯(1時間ごと)の需要電力量の比率を季節ごとに算出し(「時間帯別需要電力比率」)、この季節別の比率により個々の住宅の月ごと1日合計需要(使用)電力量を按分して、時間帯別の需要電力量を算出して季節別の需要電力曲線(「一般化需要電力曲線」)を作成することを特徴とする方法
  12. 請求項11における住宅の平均需要電力曲線の確定にあたって、特性の大きく異なった需要電力曲線か否かの判断に請求項11の「時間帯別需要電力比率」を使用すると共に、地域・生活形態などごとに平均需要電力曲線を定めることを特徴とする方法
  13. 請求項11における住宅の平均需要電力曲線の確定にあたって、季節ごとに各需要家共通の1つの平均需要電力曲線を確定するものでなく、季節ごとに時間域(深夜、日中、夜間など)別の需要電力量の比率により数種類のタイプの需要電力曲線を設定しておき、個々の住宅の季節・時間域(深夜、日中、夜間など)別の需要電力量の比率を使い需要電力曲線のタイプを選択し、この選択した時間帯別需要電力比率により個々の住宅の月ごと1日合計需要電力量を按分して時間帯別のより適合した需要電力曲線を得ることを特徴とする方法
  14. 請求項11、請求項12、請求項13の「一般化需要電力曲線」が実際に測定した需要電力曲線(「測定需要電力曲線」)の代わりに適用しても実用上支障が生じないことを、請求項9、請求項10により算出したメリットの値およびそのメリットの比率により判断することを特徴とする方法
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