JP2004032505A - 通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】移動局を使用して、構内電話システムから安価または無料で構外との通信できるようにすること。
【解決手段】この通信システムは、移動局21を収容する1または複数の構内電話システム11と、IPパケットを伝送するIP網2に接続され、構内電話システム11内の移動局21からの電話信号をIPパケットに変換しIP網2に出力するとともに、IP網2からのIPパケットを電話信号に変換し構内電話システム11に出力する変換手段12とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】この通信システムは、移動局21を収容する1または複数の構内電話システム11と、IPパケットを伝送するIP網2に接続され、構内電話システム11内の移動局21からの電話信号をIPパケットに変換しIP網2に出力するとともに、IP網2からのIPパケットを電話信号に変換し構内電話システム11に出力する変換手段12とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、IP網を介して音声通信および/またはデータ通信を行う通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばARIB−STD28に準拠した通信システムには、公衆に使用されるパーソナルハンディホンシステム(以下、PHSという)や、ある構内のみで移動局間の通信を行ったり構内から構内交換機PBXを介して公衆電話網に接続する自営のみの構内コードレス電話システムや、いわゆる「準公衆システム」と呼ばれる構内電話システムがある。準公衆システムとは、PHS事業者との契約に基づき、自営および公衆の両モードでの通信が可能なPHS端末を使用して構内コードレス電話システムで自営用チャネル介して通信をする際に、公衆のPHSにより認証および課金を行うシステムである。
【0003】
図3は、準公衆システムを含むPHSの構成例を示すブロック図である。図3に示すように、準公衆システム101は、自営用の基地局121、構内交換機(PBX)122および構内交換機インタフェース123を有する。
【0004】
図3に示すシステムにおいて、準公衆システム用のPHS端末である移動局111は、構内では自営モードとなり、構内の基地局121に接続し、公衆域201では公衆モードとなり、公衆基地局221に接続する。公衆モードにある移動局111は、認証サーバ223のデータベース231に記録された加入者データに基づいて認証された場合には、公衆基地局221およびPHS交換機222を介して、他の移動局111や、ISDN(Integrated Services Digital Network )回線や公衆電話回線網(PSTN: Public Switched Telephone Network)301との通信を行うことができる。
【0005】
また、準公衆システム101内にいる移動局111がPHS交換機網222に接続する場合には、公衆PHSの認証サーバ223による認証を受ける。すなわち、加入者データが認証サーバ223からPHS交換機網222および構内交換機インタフェース123を介して構内交換機122へ供給され、その加入者データに基づいて構内交換機122により認証された場合に、その移動局111は、基地局121、構内交換機122および構内交換機インタフェース123を介してPHS交換機網222に接続することができるようになる。
【0006】
一方、準公衆システム101内にいる移動局111が公衆PHS以外の公衆電話回線301などに接続する場合には、その移動局111は、構内交換機122に登録された移動局111の登録情報に基づいて構内交換機122により認証された後に、基地局121および構内交換機122を介して加入者回線網301に接続することができるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の通信システムでは、移動局111で構内から構外へ電話を架ける場合、構内部分の通信料はかからないものの、構外部分においてPHS交換機網222または加入者回線網301を介するため、通信料は、従来のPHS事業者または加入者電話網通信事業者が規定する料金体系に基づき課金されることとなる。
【0008】
また、移動局111は、自営モードでは特定の構内でしか認証されないため、別の構内で通信をしたり、別の構内から公衆PHS以外の電話網へ接続することが困難である。複数の構内コードレス電話システムのそれぞれに移動局111を登録しておけば、複数の構内コードレス電話システムで移動局111を使用することができるが、構内コードレス電話システムの数、および移動局111の数が多い場合には、コストが増大し、現実的ではない。また、新規の移動局111を登録する場合、すべての構内コードレス電話システムのそれぞれに、その移動局111を登録する必要がある。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、移動局を使用して、構内電話システムから安価または無料で構外との通信を行うことができる通信システムを得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の通信システムは、移動局を収容する1または複数の構内電話システムと、IPパケットを伝送するIP網に接続され、構内電話システム内の移動局からの電話信号をIPパケットに変換しIP網に出力するとともに、IP網からのIPパケットを電話信号に変換し構内電話システムに出力する変換手段とを備える。
【0011】
この通信システムを利用すると、伝送路として安価なIP網を利用するため、移動局で、構内電話システムから安価または無料で構外との通信を行うことができる。
【0012】
さらに、本発明の通信システムは、上記発明の通信システムに加え、変換手段に、電話信号のうちの通信の制御に使用される制御信号とIPパケットとの変換を相互に行う第1のゲートウェイと、電話信号のうちの、ユーザにより送受される情報を有するユーザ信号とIPパケットとの変換を相互に行う第2のゲートウェイとを有するものである。
【0013】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、次のように構成される。変換手段が、構内電話システムの構内交換機に接続される。第1のゲートウェイが、制御用信号線を介してその構内交換機に接続され、第2のゲートウェイが、ユーザ信号用信号線を介してその構内交換機に接続される。
【0014】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、公衆電話回線網およびIP網に接続され、IP網からのIPパケットを電話信号に変換しその電話信号を公衆電話回線網に出力するとともに、公衆電話回線網からの電話信号をIPパケットに変換しそのIPパケットをIP網に出力する中継局を備える。
【0015】
この通信システムを利用すると、移動局が、構内電話システムからIP網および中継局を介して公衆電話回線網に接続することができる。
【0016】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、中継局に、電話信号のうちの通信の制御に使用される制御信号とIPパケットとの変換を相互に行う第1のゲートウェイと、電話信号のうちの、ユーザにより送受される情報を有するユーザ信号とIPパケットとの変換を相互に行う第2のゲートウェイとを有する。
【0017】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、次のように構成される。変換手段が、構内電話システムの構内交換機に接続され、中継局が、移動局の登録された移動体電話システムに接続される。そして、その構内交換機は、変換手段、IP網および中継局を介して移動体電話システムから移動局の登録情報を取得し、その登録情報に基づいて、IP網を介した通信を行う際の移動局の認証を行う。
【0018】
この通信システムを利用すると、各構内電話システムがすべての移動局の登録情報を保存したり、移動局の情報を格納するためのデータベースを別途設けたりしなくても、移動体電話システムが移動局の登録情報を一元管理しているため、IP網を利用する際の移動局の認証を行うことができ、安価で通信システムを構築することができる。ひいては、複数の構内電話システムのいずれからも加入者の移動局の認証を行うことができるので、複数の構内電話システムおよびIP網を利用した公衆通信システムを安価で構築することができる。
【0019】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、中継局に、電話信号のうちの通信の制御に使用される制御信号とIPパケットとの変換を相互に行う第1のゲートウェイと、電話信号のうちの、ユーザにより送受される情報を有するユーザ信号とIPパケットとの変換を相互に行う第2のゲートウェイとを有する。そして、その第1のゲートウェイは、移動体電話システムに接続される。
【0020】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、次のように構成される。構内電話システムが構内交換機を有し、変換手段が、その構内交換機に接続される。そして、その構内交換機は、移動局の登録された移動体電話システムにおけるその移動局の登録情報を利用して、IP網を介した通信を行う際の移動局の認証を行う。
【0021】
この通信システムを利用すると、各構内電話システムがすべての移動局の登録情報を保存したり、移動局の情報を格納するためのデータベースを別途設けたりしなくても、移動体電話システムが移動局の登録情報を一元管理しているため、IP網を利用する際の移動局の認証を行うことができ、安価で通信システムを構築することができる。ひいては、複数の構内電話システムのいずれからも加入者の移動局の認証を行うことができるので、複数の構内電話システムおよびIP網を利用した公衆通信システムを安価で構築することができる。
【0022】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、構内電話システムの構内交換機および移動体電話システムに接続された交換機インタフェース装置を備える。そして、その構内交換機は、IP網および中継局を介して移動体電話システムから移動局の登録情報を取得し、その登録情報に基づいて、IP網を介した通信を行う際の移動局の認証を行う。
【0023】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、移動体電話システムとして、パーソナルハンディホンシステムを利用し、移動局として、自営モードと公衆モードの両方により通信可能なPHS端末を利用する。
【0024】
この通信システムを利用すると、移動局の登録情報を保存するデータベースなどといった既存の装置をそのまま利用できるため、通信システムを安価で実現することができる。
【0025】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、移動局がユーザ信号としてIPパケットを送受する場合には、第2のゲートウェイが、ユーザ信号に対する変換処理を停止し、ユーザ信号であるIPパケットをそのまま中継するようにしたものである。
【0026】
この通信システムを利用すると、移動局は、音声通信だけではなくIPデータ通信もIP網を介して行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0028】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る通信システムの構成を示すブロック図である。図1において、構内電話システム11は、構内などのエリア1に設営され、移動局21を収容可能な通信システムである。この構内電話システム11は、顧客施設のいずれかの構内に設けられたものであってもよいし、公共の場に新たに設けるようにしてもよい。
【0029】
構内電話システム11において、基地局22は、例えばARIB−STD28に準拠した自営波により、移動局21との無線通信が可能な無線通信装置である。また、構内交換機(PBX)23は、基地局22に接続され、構内電話システム11内の2つの移動局21を接続する装置であるとともに、この構内電話システム11内の移動局21による外部のIP網2を介した通信を中継する装置である。
【0030】
移動局21は、いずれかの構内電話システム11に収容され、構内コードレス電話機として使用可能なPHS端末装置である。すなわち、移動局21としては、自営モードと公衆モードの両方で使用可能なPHS端末を使用することができる。
【0031】
変換装置12は、IP網2に接続され、構内電話システム11内の移動局21からの電話信号をIP(Internet Protocol )パケットに変換しそのIPパケットをIP網2に出力するとともに、IP網2からのIPパケットを電話信号に変換しその電話信号を構内電話システム11に出力する変換手段として機能する装置である。
【0032】
変換装置12において、シグナリングゲートウェイ24は、電話システムの電話機と交換機との間、交換機間などで伝送される電話信号のうち、通信相手との通信路の確立、切断などといった呼制御などの通信の制御に係る制御信号をIPパケットに変換するとともに、IPパケットを制御信号に変換する第1のゲートウェイとしての装置である。このシグナリングゲートウェイ24は、制御信号用の信号線を介して構内交換機23に接続される。また、メディアゲートウェイ25は、電話信号のうち、音声信号などのユーザ信号をIPパケットに変換するとともに、IPパケットを音声信号などのユーザ信号に変換する第2のゲートウェイとしての装置である。このメディアゲートウェイ25は、音声伝送用、すなわちユーザ信号伝送用の信号線を介して構内交換機23に接続される。なお、メディアゲートウェイ25は、VoIP(Voice Over IP )技術を使用して、音声信号のパケット化およびデパケット化を行う。また、ルータ26は、シグナリングゲートウェイ24およびメディアゲートウェイ25をIP網2に接続するネットワーク通信機器である。
【0033】
IP網2は、IPパケットを伝送する、インターネットなどのパケット通信網である。なお、IP網2の規模は、大きくても小さくてもよい。すなわち、IP網2は、LAN(Local Area Network)であってもWAN(Wide Area Network)であってもよい。また、このIP網2は、IPパケットを伝送する単一の通信路でもよい。
【0034】
中継局3は、公衆電話回線網5およびIP網2に接続され、IP網2からのIPパケットを電話信号に変換し公衆電話回線網5に出力するとともに、公衆電話回線網5からの電話信号をIPパケットに変換しIP網2に出力する設備である。
【0035】
中継局3において、シグナリングゲートウェイ32は、電話信号のうち、通信の制御に係る制御信号をIPパケットに変換するとともに、IPパケットを制御信号に変換する第1のゲートウェイとしての装置である。なお、実施の形態1では、シグナリングゲートウェイ32は、共通線信号方式(例えばNo.7共通線信号方式)などで移動体通信システムの認証サーバ4へ接続されている。
【0036】
また、中継局3のメディアゲートウェイ33は、電話信号のうちの音声信号などのユーザ信号をIPパケットに変換するとともに、IPパケットを音声信号などのユーザ信号に変換する第2のゲートウェイとしての装置である。なお、メディアゲートウェイ33は、VoIP技術を使用して、音声信号のパケット化およびデパケット化を行う。
【0037】
また、ルータ31は、シグナリングゲートウェイ32およびメディアゲートウェイ33をIP網2に接続するネットワーク通信機器である。
【0038】
なお、ここでは、中継局3は1つだけであるが、IP網2と公衆電話回線網5との間に複数の中継局3を設けるようにしてもよい。その場合、移動局21が公衆電話回線網5へ接続する際に、公衆電話回線網5での通信相手までの距離が最も短くなるあるいは通信料が最も低くなる中継局3を選択するようにしてもよい。
【0039】
認証サーバ4は、移動体電話システムである公衆PHSの認証サーバであり、公衆PHSに登録されている移動局の登録情報(機器認証などに利用される各移動局固有の情報)を保存するデータベース41を有する装置である。
【0040】
次に、上記システムの各装置の動作について説明する。
【0041】
移動局21が構内電話システム11のカバーエリアに入ると、移動局21と構内電話システム11の構内交換機23との間で物理層における通信路が確立される。これにより、移動局21が構内電話システム11に収容され、その際、構内交換機23は、その移動局21固有の識別子である移動局IDを移動局21から取得する。
【0042】
そして、構内交換機23は、PHSにおけるその移動局21の登録情報を取得し、その移動局21を認証するか否かを判断する。移動局21は、PHSの登録情報に基づいて構内交換機23により認証されると、IP網2を介して構内電話システム11の外部、すなわち構外とのIP電話サービスなどのIP通信サービスを利用することができるようになる。
【0043】
移動局21が認証サーバ4における登録情報に基づいて認証され、構外のIP網2を介したIP通信が許可されると、電話信号のうちの、通信の制御に係る制御信号が、シグナリングゲートウェイ24による変換処理を経てIP網2および構内電話システム11を介して送受され、電話信号のうちの、音声信号などのユーザ信号が、メディアゲートウェイ25による変換処理を経てIP網2および構内電話システム11を介して送受される。
【0044】
このようにして、移動局21は、構内電話システム11からIP網2を介してIP通信サービスを利用し、その移動局21と、別の構内などのエリア1に存在する移動局21、IP網2に接続された各種端末装置、公衆電話網5に接続された電話機などとの通信が実現される。
【0045】
例えば、企業の複数の拠点に既に存在する構内電話システム11の間でのIP電話サービスが実現される。また、企業の拠点から、移動局21は、IP網2を介して公衆電話回線網5に接続可能となる。なお、企業内でのIP電話サービスの場合、移動局21の認証処理を省略するようにしてもよい。
【0046】
その他、例えば、公衆の場に新設された複数の構内電話システム11の間での公衆IP電話サービスが実現される。また、公衆の場から、移動局21は、IP網2を介して公衆電話回線網5に接続可能となる。
【0047】
なお、音声通信ではなく、例えばRCR−STD28規格に規定されたPIAFS(PHS Internet Access Forum Standard)方式に従って、移動局21がIP網2を介してデータ通信を行う場合、移動局21が、ユーザデータ(ユーザ信号)としてIPパケットを送受したり、構内交換機23が、移動局21からのデータをIPパケット化したり、IP網2からのIPパケットを移動局21へのデータにデパケット化したりする。この場合、IPパケットは、メディアゲートウェイ25では特に加工、編集されることなく構内交換機23とIP網2との間で送受される。これにより、移動局21は、IP網2を介して、FTP(File Transfer Protocol)、HTTP(HyperText Transfer Protocol)などのIPより上位層のプロトコルによるデータ通信を実行することができる。
【0048】
ここで、移動局21を認証するか否かを判定する際の各装置の動作について説明する。
【0049】
構内電話システム11に収容されている移動局21が構外への通信を要求した場合、構内交換機23は、PHSの認証サーバ4からその移動局21の登録情報を取得し、その移動局21を認証するか否かを判断する。
【0050】
その際、構内交換機23は、その移動局21の移動局IDとその移動局21の登録情報の送信要求とを含む制御信号を、シグナリングゲートウェイ24へ送信する。シグナリングゲートウェイ24は、構内交換機23からのその制御信号をIPパケットに変換し、その制御信号を含むIPパケットを、IP網2を介して中継局3のシグナリングゲートウェイ32へ送信する。中継局3のシグナリングゲートウェイ32は、その制御信号を含むIPパケットを受信すると、そのIPパケットを元の制御信号に変換し、その制御信号を認証サーバ4へ送信する。
【0051】
認証サーバ4は、移動局ID、および登録情報の送信要求を受信すると、その移動局IDに対応する登録情報をデータベース41から読み出し、その登録情報を含む制御信号をシグナリングゲートウェイ32に送信する。
【0052】
中継局3のシグナリングゲートウェイ32は、その制御信号をIPパケット化し、そのIPパケットを、ルータ31、IP網2およびルータ26を介して、シグナリングゲートウェイ24へ送信する。シグナリングゲートウェイ24は、そのIPパケットを受信すると、デパケット化し、移動局21の登録情報を含む元の制御信号を構内交換機23に供給する。
【0053】
なお、移動局21の登録情報の秘匿性を確保するために、その登録情報を、認証サーバ4またはシグナリングゲートウェイ32により暗号化した後にIP網2を介して構内電話システム11の構内交換機23へ送信し、構内交換機23またはシグナリングゲートウェイ24によりその登録情報を復号化するようにしてもよい。
【0054】
そして、構内交換機23は、その登録情報に基づいて、移動局21を認証するか否かを判断し、移動局21を認証する場合には、その旨を移動局21に通知し、その移動局21に関する、以後のIP網2を介する通信に係る電話信号を中継する。
【0055】
なお、構内交換機23は、チャレンジ・レスポンス方式で移動局21を認証する場合には、チャレンジ・レスポンス方式に係るその移動局21固有の暗号鍵を登録情報としてPHSの認証サーバ4から取得する。また、構内交換機23は、チャレンジ・レスポンス方式に係るキーである乱数を発生し、基地局22を介して、その乱数を含む認証要求メッセージをその移動局21に送信する。
【0056】
移動局21は、その認証要求メッセージを受信すると、その乱数をその移動局21固有の暗号鍵で暗号化し、その暗号化の演算結果を認証応答として構内交換機23へ返信する。一方、構内交換機23は、登録情報として取得した暗号鍵でキーを暗号化し、暗号化後のキーと、移動局21から受信した演算結果とを比較し、両者が一致した場合には、その移動局21を認証する。一方、暗号化後のキーと、受信した演算結果とが一致しない場合には、構内交換機23は、その移動局21を認証しない。
【0057】
なお、認証サーバ4は、登録情報の送信要求の対象である移動局21の移動局IDおよび/または登録情報が登録されていない場合には、その旨を構内交換機23へ制御信号で通知し、構内交換機23は、その通知を受け取ると、その移動局21を認証しない。
【0058】
このようにして、構内交換機23は、移動局21による構外への通信の前に、移動局21を認証するか否かを判断する。
【0059】
上述した場合では、構内交換機23が、認証サーバ4に登録された移動局21の登録情報(ここでは暗号鍵)を取得し、チャレンジ・レスポンス方式で移動局21を認証するか否かを判定しているが、認証サーバ4が、構内交換機23から移動局21の移動局IDを取得し、チャレンジ・レスポンス方式で移動局21を認証するか否かを直接判定するようにしてもよい。その場合には、認証サーバ4による認証の結果を示す情報が、認証サーバ4から構内交換機23へ通知され、構内交換機23は、その認証の結果に従って、IP網2への接続を許可するか否かを判断する。
【0060】
以上のように、上記実施の形態1に係る通信システムでは、移動局21を収容する1または複数の構内電話システム11が、変換装置12を介してIP網2に接続される。そして、変換装置12は、構内電話システム11内の移動局21からの電話信号をIPパケットに変換しIP網2に出力するとともに、IP網2からのIPパケットを電話信号に変換し構内電話システム11に出力する。
【0061】
これにより、移動局21で、構内電話システム11から安価または無料で構外との通信を行うことができる。すなわち、移動局21はIP網2を介して構外への通信を行うので、通信相手との距離が長くても通信コストを低くすることができ、ひいてはユーザが負担する通信料も低くなる。
【0062】
さらに、上記実施の形態1によれば、変換装置12は、電話信号のうちの通信の制御に使用される制御信号とIPパケットとの変換を相互に行うシグナリングゲートウェイ24と、電話信号のうちの、ユーザにより送受される情報を有するユーザ信号とIPパケットとの変換を相互に行うメディアゲートウェイ25とを有する。
【0063】
これにより、電話信号のうちの制御信号とユーザ信号とを別々に取り扱え、それぞれの信号に適した変換処理を行うことができる。例えば、各信号に対して、IPより上位層のプロトコルとして、互いに異なる適切なプロトコルを選択することができたり、各信号に対して、トラフィック量に応じた処理能力のゲートウェイを適切に使用することができる。
【0064】
さらに、上記実施の形態1によれば、変換装置12が、構内電話システム11の構内交換機23に接続される。また、シグナリングゲートウェイ24が、制御用信号線を介してその構内交換機23に接続され、メディアゲートウェイ25が、ユーザ信号用信号線を介してその構内交換機23に接続される。
【0065】
これにより、構内1の移動局21と構外との間の回線を構内交換機23により変換装置12へ接続すればよく、簡単な構成で構内電話システム11に変換装置12を接続することができる。
【0066】
さらに、上記実施の形態1によれば、中継局3は、公衆電話回線網5およびIP網2に接続され、IP網2からのIPパケットを電話信号に変換しその電話信号を公衆電話回線網5に出力するとともに、公衆電話回線網5からの電話信号をIPパケットに変換しそのIPパケットをIP網2に出力する。
【0067】
これにより、移動局21が、構内電話システム11からIP網2および中継局3を介して公衆電話回線網5に接続することができる。
【0068】
さらに、上記実施の形態1によれば、中継局3は、電話信号のうちの通信の制御に使用される制御信号とIPパケットとの変換を相互に行うシグナリングゲートウェイ32と、電話信号のうちの、ユーザにより送受される情報を有するユーザ信号とIPパケットとの変換を相互に行うメディアゲートウェイ33とを有する。
【0069】
これにより、電話信号のうちの制御信号とユーザ信号とを別々に取り扱え、それぞれの信号に適した変換処理を行うことができる。例えば、各信号に対して、IPより上位層のプロトコルとして、互いに異なる適切なプロトコルを選択することができたり、各信号に対して、トラフィック量に応じた処理能力のゲートウェイを適切に使用することができる。
【0070】
さらに、上記実施の形態1によれば、構内電話システム11の構内交換機23は、移動局21が登録されている移動体電話システムであるPHSにおけるその移動局21の登録情報を利用して、IP網を介した通信を行う際の移動局21の認証を行う。
【0071】
これにより、各構内電話システム11がすべての移動局21の登録情報を保存したり、移動局21の情報を格納するためのデータベースを別途設けたりしなくても、移動体電話システムであるPHSが移動局21の登録情報を一元管理しているため、IP網2を利用する際の移動局21の認証を行うことができ、安価で通信システムを構築することができる。さらに、いずれの構内電話システム11でも移動局21の認証を行うことができる。ひいては、複数の構内電話システム11のいずれからも加入者の移動局21の認証を行うことができるので、複数の構内電話システム11およびIP網2を利用した公衆通信システムを安価で構築することができる。
【0072】
さらに、上記実施の形態1によれば、移動体電話システムとして、PHSを利用し、移動局21として、自営モードと公衆モードの両方により通信可能なPHS端末を利用している。
【0073】
これにより、移動局21の登録情報を保存するデータベース41などといった既存の装置をそのまま利用できるため、通信システムを安価で実現することができる。
【0074】
さらに、上記実施の形態1によれば、移動局21がユーザ信号としてIPパケットを送受する場合には、メディアゲートウェイ25が、ユーザ信号に対する変換処理を停止し、ユーザ信号であるIPパケットをそのまま中継する。
【0075】
これにより、移動局21は、音声通信だけではなくIPデータ通信もIP網2を介して行うことができる。
【0076】
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2に係る通信システムの構成を示すブロック図である。図2において、構内電話システム11Aは、構内電話システム11とほぼ同様であるが、構内交換機23の代わりに後述の構内交換機23Aを有し、また、PHS交換機網6に接続された構内交換機インタフェース27を有する。
【0077】
構内交換機インタフェース27は、PHS交換機網6に接続され、構内交換機23AとPHS交換機網6との間で、電話信号のうち、移動局21の認証に係る制御信号を送受する通信装置である。なお、構内交換機インタフェース27とPHS交換機網6との接続には、準公衆システムにおける信号方式と同様の方式を使用することができる。
【0078】
構内交換機23Aは、構内交換機23とほぼ同様の装置であり、電話信号のうち移動局21の認証に係る制御信号を、構内交換機インタフェース27およびPHS交換機網6を介して、PHSの認証サーバ4との間で送受する装置である。なお、電話信号におけるその他の制御信号については、シグナリングゲートウェイ24との間で送受される。
【0079】
なお、図2におけるその他の構成要素については実施の形態1の場合と同様であるので、その説明を省略する。ただし、図2におけるシグナリングゲートウェイ32は、認証サーバ4に接続されている必要は特にない。
【0080】
次に、上記システムにおける各装置の動作について説明する。なお、移動局21の認証以外の動作については実施の形態1と同様であるので、その説明を省略し、ここでは、移動局21の認証の際の動作についてのみ説明する。
【0081】
実施の形態1と同様に、移動局21は、PHSの認証サーバ4により認証された後に、IP網2を介して、構内電話システム11Aの外部とのIP通信サービスの利用が可能となる。
【0082】
構内交換機23Aは、移動局21の移動局ID、およびその移動局21の登録情報の送信要求を、構内交換機インタフェース27およびPHS交換機6を介して認証サーバ4に送信し、認証サーバ4に対してその移動局21の登録情報を要求する。
【0083】
認証サーバ4は、移動局ID、およびその登録情報の送信要求を受信すると、その移動局IDに対応する登録情報をデータベース41から読み出し、その登録情報を含む制御信号を、PHS交換機網6および構内交換機インタフェース27を介して構内交換機23Aに送信する。
【0084】
そして、構内交換機23Aは、その登録情報に基づいて、移動局21を認証するか否か判断する。
【0085】
なお、認証サーバ4は、登録情報の送信要求を受けた移動局21の移動局IDおよび/または登録情報が登録されていない場合には、その旨を構内交換機23Aへ通知し、構内交換機23Aは、その通知を受け取ると、その移動局21を認証しない。
【0086】
また、実施の形態1の場合と同様に、登録情報としては、例えばチャレンジ・レスポンス方式の認証処理で使用される暗号鍵が構内交換機23Aにより取得される。
【0087】
以上のように、上記実施の形態2によれば、移動局21で、構内電話システム11Aから安価または無料で構外との通信を行うことができる。すなわち、移動局21はIP網2を介して構外への通信を行うので、通信相手との距離が長くても通信コストを低くすることができ、ひいてはユーザが負担する通信料も低くなる。
【0088】
また、上記実施の形態2によれば、各構内電話システム11Aが、すべての移動局21の登録情報を保存したり、移動局21の情報を格納するためのデータベースを別途設けたりしなくても、移動体電話システムであるPHSが移動局21の登録情報を一元管理しているため、IP網2を利用する際の移動局21の認証を行うことができ、安価で通信システムを構築することができる。さらに、いずれの構内電話システム11Aでも移動局21の認証を行うことができる。
【0089】
なお、上記各実施の形態において、IPパケットの通信とあるが、これは、IPパケットそのものを伝送していなくても、IPより下位層のプロトコルでIPパケットを実質的に転送している場合を含む。例えば、イーサネット(登録商標)上でIPパケットのデータを伝送する場合などもこれに該当する。
【0090】
また、上述の各実施の形態では、認証サーバ4として、PHS事業者が従来から運用している認証サーバを利用することができ、そのPHS事業者と契約した利用者のPHS端末からのIP網2を経由した通信を提供することができる。
【0091】
さらに、上述の各実施の形態では、各エリア1とIP網2との間の通信路、および中継局3とIP網2との間の通信路には、専用回線、光ケーブルを使用した通信路、電話加入者回線を使用するADSL(Asymmetrical Digital Subscriber Line)回線などといった各種通信路を使用することができる。
【0092】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0093】
例えば、上述の各実施の形態では、移動体電話システムとして公衆PHSを使用しているが、PDC(Personal Digital Cellular )方式、CDMA(Code Division Multiple Access )方式などといった別の移動体電話システムを使用するようにしてもよい。また、構内電話システム11,11Aも、ARIB−STD28に準拠した構内コードレス電話システムに限定されるものではない。
【0094】
また、上述の各実施の形態では、変換装置12や中継局3にルータ26,31を使用しているが、これらのルータ26,31を省き、シグナリングゲートウェイ24,32およびメディアゲートウェイ25,33をIP網2に直接接続するようにしてもよい。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、移動局を使用して、構内電話システムから安価または無料で構外との通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】準公衆システムを含むPHSの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 構内
2 IP網
3 中継局
5 公衆電話回線網(PSTN)
11,11A 構内電話システム
12 変換装置(変換手段)
21 移動局
23,23A 構内交換機(PBX)
24,32 シグナリングゲートウェイ(第1のゲートウェイ)
25,33 メディアゲートウェイ(第2のゲートウェイ)
27 構内交換機インタフェース
【発明の属する技術分野】
本発明は、IP網を介して音声通信および/またはデータ通信を行う通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばARIB−STD28に準拠した通信システムには、公衆に使用されるパーソナルハンディホンシステム(以下、PHSという)や、ある構内のみで移動局間の通信を行ったり構内から構内交換機PBXを介して公衆電話網に接続する自営のみの構内コードレス電話システムや、いわゆる「準公衆システム」と呼ばれる構内電話システムがある。準公衆システムとは、PHS事業者との契約に基づき、自営および公衆の両モードでの通信が可能なPHS端末を使用して構内コードレス電話システムで自営用チャネル介して通信をする際に、公衆のPHSにより認証および課金を行うシステムである。
【0003】
図3は、準公衆システムを含むPHSの構成例を示すブロック図である。図3に示すように、準公衆システム101は、自営用の基地局121、構内交換機(PBX)122および構内交換機インタフェース123を有する。
【0004】
図3に示すシステムにおいて、準公衆システム用のPHS端末である移動局111は、構内では自営モードとなり、構内の基地局121に接続し、公衆域201では公衆モードとなり、公衆基地局221に接続する。公衆モードにある移動局111は、認証サーバ223のデータベース231に記録された加入者データに基づいて認証された場合には、公衆基地局221およびPHS交換機222を介して、他の移動局111や、ISDN(Integrated Services Digital Network )回線や公衆電話回線網(PSTN: Public Switched Telephone Network)301との通信を行うことができる。
【0005】
また、準公衆システム101内にいる移動局111がPHS交換機網222に接続する場合には、公衆PHSの認証サーバ223による認証を受ける。すなわち、加入者データが認証サーバ223からPHS交換機網222および構内交換機インタフェース123を介して構内交換機122へ供給され、その加入者データに基づいて構内交換機122により認証された場合に、その移動局111は、基地局121、構内交換機122および構内交換機インタフェース123を介してPHS交換機網222に接続することができるようになる。
【0006】
一方、準公衆システム101内にいる移動局111が公衆PHS以外の公衆電話回線301などに接続する場合には、その移動局111は、構内交換機122に登録された移動局111の登録情報に基づいて構内交換機122により認証された後に、基地局121および構内交換機122を介して加入者回線網301に接続することができるようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の通信システムでは、移動局111で構内から構外へ電話を架ける場合、構内部分の通信料はかからないものの、構外部分においてPHS交換機網222または加入者回線網301を介するため、通信料は、従来のPHS事業者または加入者電話網通信事業者が規定する料金体系に基づき課金されることとなる。
【0008】
また、移動局111は、自営モードでは特定の構内でしか認証されないため、別の構内で通信をしたり、別の構内から公衆PHS以外の電話網へ接続することが困難である。複数の構内コードレス電話システムのそれぞれに移動局111を登録しておけば、複数の構内コードレス電話システムで移動局111を使用することができるが、構内コードレス電話システムの数、および移動局111の数が多い場合には、コストが増大し、現実的ではない。また、新規の移動局111を登録する場合、すべての構内コードレス電話システムのそれぞれに、その移動局111を登録する必要がある。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、移動局を使用して、構内電話システムから安価または無料で構外との通信を行うことができる通信システムを得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の通信システムは、移動局を収容する1または複数の構内電話システムと、IPパケットを伝送するIP網に接続され、構内電話システム内の移動局からの電話信号をIPパケットに変換しIP網に出力するとともに、IP網からのIPパケットを電話信号に変換し構内電話システムに出力する変換手段とを備える。
【0011】
この通信システムを利用すると、伝送路として安価なIP網を利用するため、移動局で、構内電話システムから安価または無料で構外との通信を行うことができる。
【0012】
さらに、本発明の通信システムは、上記発明の通信システムに加え、変換手段に、電話信号のうちの通信の制御に使用される制御信号とIPパケットとの変換を相互に行う第1のゲートウェイと、電話信号のうちの、ユーザにより送受される情報を有するユーザ信号とIPパケットとの変換を相互に行う第2のゲートウェイとを有するものである。
【0013】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、次のように構成される。変換手段が、構内電話システムの構内交換機に接続される。第1のゲートウェイが、制御用信号線を介してその構内交換機に接続され、第2のゲートウェイが、ユーザ信号用信号線を介してその構内交換機に接続される。
【0014】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、公衆電話回線網およびIP網に接続され、IP網からのIPパケットを電話信号に変換しその電話信号を公衆電話回線網に出力するとともに、公衆電話回線網からの電話信号をIPパケットに変換しそのIPパケットをIP網に出力する中継局を備える。
【0015】
この通信システムを利用すると、移動局が、構内電話システムからIP網および中継局を介して公衆電話回線網に接続することができる。
【0016】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、中継局に、電話信号のうちの通信の制御に使用される制御信号とIPパケットとの変換を相互に行う第1のゲートウェイと、電話信号のうちの、ユーザにより送受される情報を有するユーザ信号とIPパケットとの変換を相互に行う第2のゲートウェイとを有する。
【0017】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、次のように構成される。変換手段が、構内電話システムの構内交換機に接続され、中継局が、移動局の登録された移動体電話システムに接続される。そして、その構内交換機は、変換手段、IP網および中継局を介して移動体電話システムから移動局の登録情報を取得し、その登録情報に基づいて、IP網を介した通信を行う際の移動局の認証を行う。
【0018】
この通信システムを利用すると、各構内電話システムがすべての移動局の登録情報を保存したり、移動局の情報を格納するためのデータベースを別途設けたりしなくても、移動体電話システムが移動局の登録情報を一元管理しているため、IP網を利用する際の移動局の認証を行うことができ、安価で通信システムを構築することができる。ひいては、複数の構内電話システムのいずれからも加入者の移動局の認証を行うことができるので、複数の構内電話システムおよびIP網を利用した公衆通信システムを安価で構築することができる。
【0019】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、中継局に、電話信号のうちの通信の制御に使用される制御信号とIPパケットとの変換を相互に行う第1のゲートウェイと、電話信号のうちの、ユーザにより送受される情報を有するユーザ信号とIPパケットとの変換を相互に行う第2のゲートウェイとを有する。そして、その第1のゲートウェイは、移動体電話システムに接続される。
【0020】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、次のように構成される。構内電話システムが構内交換機を有し、変換手段が、その構内交換機に接続される。そして、その構内交換機は、移動局の登録された移動体電話システムにおけるその移動局の登録情報を利用して、IP網を介した通信を行う際の移動局の認証を行う。
【0021】
この通信システムを利用すると、各構内電話システムがすべての移動局の登録情報を保存したり、移動局の情報を格納するためのデータベースを別途設けたりしなくても、移動体電話システムが移動局の登録情報を一元管理しているため、IP網を利用する際の移動局の認証を行うことができ、安価で通信システムを構築することができる。ひいては、複数の構内電話システムのいずれからも加入者の移動局の認証を行うことができるので、複数の構内電話システムおよびIP網を利用した公衆通信システムを安価で構築することができる。
【0022】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、構内電話システムの構内交換機および移動体電話システムに接続された交換機インタフェース装置を備える。そして、その構内交換機は、IP網および中継局を介して移動体電話システムから移動局の登録情報を取得し、その登録情報に基づいて、IP網を介した通信を行う際の移動局の認証を行う。
【0023】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、移動体電話システムとして、パーソナルハンディホンシステムを利用し、移動局として、自営モードと公衆モードの両方により通信可能なPHS端末を利用する。
【0024】
この通信システムを利用すると、移動局の登録情報を保存するデータベースなどといった既存の装置をそのまま利用できるため、通信システムを安価で実現することができる。
【0025】
さらに、本発明の通信システムは、上記各発明の通信システムに加え、移動局がユーザ信号としてIPパケットを送受する場合には、第2のゲートウェイが、ユーザ信号に対する変換処理を停止し、ユーザ信号であるIPパケットをそのまま中継するようにしたものである。
【0026】
この通信システムを利用すると、移動局は、音声通信だけではなくIPデータ通信もIP網を介して行うことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0028】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る通信システムの構成を示すブロック図である。図1において、構内電話システム11は、構内などのエリア1に設営され、移動局21を収容可能な通信システムである。この構内電話システム11は、顧客施設のいずれかの構内に設けられたものであってもよいし、公共の場に新たに設けるようにしてもよい。
【0029】
構内電話システム11において、基地局22は、例えばARIB−STD28に準拠した自営波により、移動局21との無線通信が可能な無線通信装置である。また、構内交換機(PBX)23は、基地局22に接続され、構内電話システム11内の2つの移動局21を接続する装置であるとともに、この構内電話システム11内の移動局21による外部のIP網2を介した通信を中継する装置である。
【0030】
移動局21は、いずれかの構内電話システム11に収容され、構内コードレス電話機として使用可能なPHS端末装置である。すなわち、移動局21としては、自営モードと公衆モードの両方で使用可能なPHS端末を使用することができる。
【0031】
変換装置12は、IP網2に接続され、構内電話システム11内の移動局21からの電話信号をIP(Internet Protocol )パケットに変換しそのIPパケットをIP網2に出力するとともに、IP網2からのIPパケットを電話信号に変換しその電話信号を構内電話システム11に出力する変換手段として機能する装置である。
【0032】
変換装置12において、シグナリングゲートウェイ24は、電話システムの電話機と交換機との間、交換機間などで伝送される電話信号のうち、通信相手との通信路の確立、切断などといった呼制御などの通信の制御に係る制御信号をIPパケットに変換するとともに、IPパケットを制御信号に変換する第1のゲートウェイとしての装置である。このシグナリングゲートウェイ24は、制御信号用の信号線を介して構内交換機23に接続される。また、メディアゲートウェイ25は、電話信号のうち、音声信号などのユーザ信号をIPパケットに変換するとともに、IPパケットを音声信号などのユーザ信号に変換する第2のゲートウェイとしての装置である。このメディアゲートウェイ25は、音声伝送用、すなわちユーザ信号伝送用の信号線を介して構内交換機23に接続される。なお、メディアゲートウェイ25は、VoIP(Voice Over IP )技術を使用して、音声信号のパケット化およびデパケット化を行う。また、ルータ26は、シグナリングゲートウェイ24およびメディアゲートウェイ25をIP網2に接続するネットワーク通信機器である。
【0033】
IP網2は、IPパケットを伝送する、インターネットなどのパケット通信網である。なお、IP網2の規模は、大きくても小さくてもよい。すなわち、IP網2は、LAN(Local Area Network)であってもWAN(Wide Area Network)であってもよい。また、このIP網2は、IPパケットを伝送する単一の通信路でもよい。
【0034】
中継局3は、公衆電話回線網5およびIP網2に接続され、IP網2からのIPパケットを電話信号に変換し公衆電話回線網5に出力するとともに、公衆電話回線網5からの電話信号をIPパケットに変換しIP網2に出力する設備である。
【0035】
中継局3において、シグナリングゲートウェイ32は、電話信号のうち、通信の制御に係る制御信号をIPパケットに変換するとともに、IPパケットを制御信号に変換する第1のゲートウェイとしての装置である。なお、実施の形態1では、シグナリングゲートウェイ32は、共通線信号方式(例えばNo.7共通線信号方式)などで移動体通信システムの認証サーバ4へ接続されている。
【0036】
また、中継局3のメディアゲートウェイ33は、電話信号のうちの音声信号などのユーザ信号をIPパケットに変換するとともに、IPパケットを音声信号などのユーザ信号に変換する第2のゲートウェイとしての装置である。なお、メディアゲートウェイ33は、VoIP技術を使用して、音声信号のパケット化およびデパケット化を行う。
【0037】
また、ルータ31は、シグナリングゲートウェイ32およびメディアゲートウェイ33をIP網2に接続するネットワーク通信機器である。
【0038】
なお、ここでは、中継局3は1つだけであるが、IP網2と公衆電話回線網5との間に複数の中継局3を設けるようにしてもよい。その場合、移動局21が公衆電話回線網5へ接続する際に、公衆電話回線網5での通信相手までの距離が最も短くなるあるいは通信料が最も低くなる中継局3を選択するようにしてもよい。
【0039】
認証サーバ4は、移動体電話システムである公衆PHSの認証サーバであり、公衆PHSに登録されている移動局の登録情報(機器認証などに利用される各移動局固有の情報)を保存するデータベース41を有する装置である。
【0040】
次に、上記システムの各装置の動作について説明する。
【0041】
移動局21が構内電話システム11のカバーエリアに入ると、移動局21と構内電話システム11の構内交換機23との間で物理層における通信路が確立される。これにより、移動局21が構内電話システム11に収容され、その際、構内交換機23は、その移動局21固有の識別子である移動局IDを移動局21から取得する。
【0042】
そして、構内交換機23は、PHSにおけるその移動局21の登録情報を取得し、その移動局21を認証するか否かを判断する。移動局21は、PHSの登録情報に基づいて構内交換機23により認証されると、IP網2を介して構内電話システム11の外部、すなわち構外とのIP電話サービスなどのIP通信サービスを利用することができるようになる。
【0043】
移動局21が認証サーバ4における登録情報に基づいて認証され、構外のIP網2を介したIP通信が許可されると、電話信号のうちの、通信の制御に係る制御信号が、シグナリングゲートウェイ24による変換処理を経てIP網2および構内電話システム11を介して送受され、電話信号のうちの、音声信号などのユーザ信号が、メディアゲートウェイ25による変換処理を経てIP網2および構内電話システム11を介して送受される。
【0044】
このようにして、移動局21は、構内電話システム11からIP網2を介してIP通信サービスを利用し、その移動局21と、別の構内などのエリア1に存在する移動局21、IP網2に接続された各種端末装置、公衆電話網5に接続された電話機などとの通信が実現される。
【0045】
例えば、企業の複数の拠点に既に存在する構内電話システム11の間でのIP電話サービスが実現される。また、企業の拠点から、移動局21は、IP網2を介して公衆電話回線網5に接続可能となる。なお、企業内でのIP電話サービスの場合、移動局21の認証処理を省略するようにしてもよい。
【0046】
その他、例えば、公衆の場に新設された複数の構内電話システム11の間での公衆IP電話サービスが実現される。また、公衆の場から、移動局21は、IP網2を介して公衆電話回線網5に接続可能となる。
【0047】
なお、音声通信ではなく、例えばRCR−STD28規格に規定されたPIAFS(PHS Internet Access Forum Standard)方式に従って、移動局21がIP網2を介してデータ通信を行う場合、移動局21が、ユーザデータ(ユーザ信号)としてIPパケットを送受したり、構内交換機23が、移動局21からのデータをIPパケット化したり、IP網2からのIPパケットを移動局21へのデータにデパケット化したりする。この場合、IPパケットは、メディアゲートウェイ25では特に加工、編集されることなく構内交換機23とIP網2との間で送受される。これにより、移動局21は、IP網2を介して、FTP(File Transfer Protocol)、HTTP(HyperText Transfer Protocol)などのIPより上位層のプロトコルによるデータ通信を実行することができる。
【0048】
ここで、移動局21を認証するか否かを判定する際の各装置の動作について説明する。
【0049】
構内電話システム11に収容されている移動局21が構外への通信を要求した場合、構内交換機23は、PHSの認証サーバ4からその移動局21の登録情報を取得し、その移動局21を認証するか否かを判断する。
【0050】
その際、構内交換機23は、その移動局21の移動局IDとその移動局21の登録情報の送信要求とを含む制御信号を、シグナリングゲートウェイ24へ送信する。シグナリングゲートウェイ24は、構内交換機23からのその制御信号をIPパケットに変換し、その制御信号を含むIPパケットを、IP網2を介して中継局3のシグナリングゲートウェイ32へ送信する。中継局3のシグナリングゲートウェイ32は、その制御信号を含むIPパケットを受信すると、そのIPパケットを元の制御信号に変換し、その制御信号を認証サーバ4へ送信する。
【0051】
認証サーバ4は、移動局ID、および登録情報の送信要求を受信すると、その移動局IDに対応する登録情報をデータベース41から読み出し、その登録情報を含む制御信号をシグナリングゲートウェイ32に送信する。
【0052】
中継局3のシグナリングゲートウェイ32は、その制御信号をIPパケット化し、そのIPパケットを、ルータ31、IP網2およびルータ26を介して、シグナリングゲートウェイ24へ送信する。シグナリングゲートウェイ24は、そのIPパケットを受信すると、デパケット化し、移動局21の登録情報を含む元の制御信号を構内交換機23に供給する。
【0053】
なお、移動局21の登録情報の秘匿性を確保するために、その登録情報を、認証サーバ4またはシグナリングゲートウェイ32により暗号化した後にIP網2を介して構内電話システム11の構内交換機23へ送信し、構内交換機23またはシグナリングゲートウェイ24によりその登録情報を復号化するようにしてもよい。
【0054】
そして、構内交換機23は、その登録情報に基づいて、移動局21を認証するか否かを判断し、移動局21を認証する場合には、その旨を移動局21に通知し、その移動局21に関する、以後のIP網2を介する通信に係る電話信号を中継する。
【0055】
なお、構内交換機23は、チャレンジ・レスポンス方式で移動局21を認証する場合には、チャレンジ・レスポンス方式に係るその移動局21固有の暗号鍵を登録情報としてPHSの認証サーバ4から取得する。また、構内交換機23は、チャレンジ・レスポンス方式に係るキーである乱数を発生し、基地局22を介して、その乱数を含む認証要求メッセージをその移動局21に送信する。
【0056】
移動局21は、その認証要求メッセージを受信すると、その乱数をその移動局21固有の暗号鍵で暗号化し、その暗号化の演算結果を認証応答として構内交換機23へ返信する。一方、構内交換機23は、登録情報として取得した暗号鍵でキーを暗号化し、暗号化後のキーと、移動局21から受信した演算結果とを比較し、両者が一致した場合には、その移動局21を認証する。一方、暗号化後のキーと、受信した演算結果とが一致しない場合には、構内交換機23は、その移動局21を認証しない。
【0057】
なお、認証サーバ4は、登録情報の送信要求の対象である移動局21の移動局IDおよび/または登録情報が登録されていない場合には、その旨を構内交換機23へ制御信号で通知し、構内交換機23は、その通知を受け取ると、その移動局21を認証しない。
【0058】
このようにして、構内交換機23は、移動局21による構外への通信の前に、移動局21を認証するか否かを判断する。
【0059】
上述した場合では、構内交換機23が、認証サーバ4に登録された移動局21の登録情報(ここでは暗号鍵)を取得し、チャレンジ・レスポンス方式で移動局21を認証するか否かを判定しているが、認証サーバ4が、構内交換機23から移動局21の移動局IDを取得し、チャレンジ・レスポンス方式で移動局21を認証するか否かを直接判定するようにしてもよい。その場合には、認証サーバ4による認証の結果を示す情報が、認証サーバ4から構内交換機23へ通知され、構内交換機23は、その認証の結果に従って、IP網2への接続を許可するか否かを判断する。
【0060】
以上のように、上記実施の形態1に係る通信システムでは、移動局21を収容する1または複数の構内電話システム11が、変換装置12を介してIP網2に接続される。そして、変換装置12は、構内電話システム11内の移動局21からの電話信号をIPパケットに変換しIP網2に出力するとともに、IP網2からのIPパケットを電話信号に変換し構内電話システム11に出力する。
【0061】
これにより、移動局21で、構内電話システム11から安価または無料で構外との通信を行うことができる。すなわち、移動局21はIP網2を介して構外への通信を行うので、通信相手との距離が長くても通信コストを低くすることができ、ひいてはユーザが負担する通信料も低くなる。
【0062】
さらに、上記実施の形態1によれば、変換装置12は、電話信号のうちの通信の制御に使用される制御信号とIPパケットとの変換を相互に行うシグナリングゲートウェイ24と、電話信号のうちの、ユーザにより送受される情報を有するユーザ信号とIPパケットとの変換を相互に行うメディアゲートウェイ25とを有する。
【0063】
これにより、電話信号のうちの制御信号とユーザ信号とを別々に取り扱え、それぞれの信号に適した変換処理を行うことができる。例えば、各信号に対して、IPより上位層のプロトコルとして、互いに異なる適切なプロトコルを選択することができたり、各信号に対して、トラフィック量に応じた処理能力のゲートウェイを適切に使用することができる。
【0064】
さらに、上記実施の形態1によれば、変換装置12が、構内電話システム11の構内交換機23に接続される。また、シグナリングゲートウェイ24が、制御用信号線を介してその構内交換機23に接続され、メディアゲートウェイ25が、ユーザ信号用信号線を介してその構内交換機23に接続される。
【0065】
これにより、構内1の移動局21と構外との間の回線を構内交換機23により変換装置12へ接続すればよく、簡単な構成で構内電話システム11に変換装置12を接続することができる。
【0066】
さらに、上記実施の形態1によれば、中継局3は、公衆電話回線網5およびIP網2に接続され、IP網2からのIPパケットを電話信号に変換しその電話信号を公衆電話回線網5に出力するとともに、公衆電話回線網5からの電話信号をIPパケットに変換しそのIPパケットをIP網2に出力する。
【0067】
これにより、移動局21が、構内電話システム11からIP網2および中継局3を介して公衆電話回線網5に接続することができる。
【0068】
さらに、上記実施の形態1によれば、中継局3は、電話信号のうちの通信の制御に使用される制御信号とIPパケットとの変換を相互に行うシグナリングゲートウェイ32と、電話信号のうちの、ユーザにより送受される情報を有するユーザ信号とIPパケットとの変換を相互に行うメディアゲートウェイ33とを有する。
【0069】
これにより、電話信号のうちの制御信号とユーザ信号とを別々に取り扱え、それぞれの信号に適した変換処理を行うことができる。例えば、各信号に対して、IPより上位層のプロトコルとして、互いに異なる適切なプロトコルを選択することができたり、各信号に対して、トラフィック量に応じた処理能力のゲートウェイを適切に使用することができる。
【0070】
さらに、上記実施の形態1によれば、構内電話システム11の構内交換機23は、移動局21が登録されている移動体電話システムであるPHSにおけるその移動局21の登録情報を利用して、IP網を介した通信を行う際の移動局21の認証を行う。
【0071】
これにより、各構内電話システム11がすべての移動局21の登録情報を保存したり、移動局21の情報を格納するためのデータベースを別途設けたりしなくても、移動体電話システムであるPHSが移動局21の登録情報を一元管理しているため、IP網2を利用する際の移動局21の認証を行うことができ、安価で通信システムを構築することができる。さらに、いずれの構内電話システム11でも移動局21の認証を行うことができる。ひいては、複数の構内電話システム11のいずれからも加入者の移動局21の認証を行うことができるので、複数の構内電話システム11およびIP網2を利用した公衆通信システムを安価で構築することができる。
【0072】
さらに、上記実施の形態1によれば、移動体電話システムとして、PHSを利用し、移動局21として、自営モードと公衆モードの両方により通信可能なPHS端末を利用している。
【0073】
これにより、移動局21の登録情報を保存するデータベース41などといった既存の装置をそのまま利用できるため、通信システムを安価で実現することができる。
【0074】
さらに、上記実施の形態1によれば、移動局21がユーザ信号としてIPパケットを送受する場合には、メディアゲートウェイ25が、ユーザ信号に対する変換処理を停止し、ユーザ信号であるIPパケットをそのまま中継する。
【0075】
これにより、移動局21は、音声通信だけではなくIPデータ通信もIP網2を介して行うことができる。
【0076】
実施の形態2.
図2は、本発明の実施の形態2に係る通信システムの構成を示すブロック図である。図2において、構内電話システム11Aは、構内電話システム11とほぼ同様であるが、構内交換機23の代わりに後述の構内交換機23Aを有し、また、PHS交換機網6に接続された構内交換機インタフェース27を有する。
【0077】
構内交換機インタフェース27は、PHS交換機網6に接続され、構内交換機23AとPHS交換機網6との間で、電話信号のうち、移動局21の認証に係る制御信号を送受する通信装置である。なお、構内交換機インタフェース27とPHS交換機網6との接続には、準公衆システムにおける信号方式と同様の方式を使用することができる。
【0078】
構内交換機23Aは、構内交換機23とほぼ同様の装置であり、電話信号のうち移動局21の認証に係る制御信号を、構内交換機インタフェース27およびPHS交換機網6を介して、PHSの認証サーバ4との間で送受する装置である。なお、電話信号におけるその他の制御信号については、シグナリングゲートウェイ24との間で送受される。
【0079】
なお、図2におけるその他の構成要素については実施の形態1の場合と同様であるので、その説明を省略する。ただし、図2におけるシグナリングゲートウェイ32は、認証サーバ4に接続されている必要は特にない。
【0080】
次に、上記システムにおける各装置の動作について説明する。なお、移動局21の認証以外の動作については実施の形態1と同様であるので、その説明を省略し、ここでは、移動局21の認証の際の動作についてのみ説明する。
【0081】
実施の形態1と同様に、移動局21は、PHSの認証サーバ4により認証された後に、IP網2を介して、構内電話システム11Aの外部とのIP通信サービスの利用が可能となる。
【0082】
構内交換機23Aは、移動局21の移動局ID、およびその移動局21の登録情報の送信要求を、構内交換機インタフェース27およびPHS交換機6を介して認証サーバ4に送信し、認証サーバ4に対してその移動局21の登録情報を要求する。
【0083】
認証サーバ4は、移動局ID、およびその登録情報の送信要求を受信すると、その移動局IDに対応する登録情報をデータベース41から読み出し、その登録情報を含む制御信号を、PHS交換機網6および構内交換機インタフェース27を介して構内交換機23Aに送信する。
【0084】
そして、構内交換機23Aは、その登録情報に基づいて、移動局21を認証するか否か判断する。
【0085】
なお、認証サーバ4は、登録情報の送信要求を受けた移動局21の移動局IDおよび/または登録情報が登録されていない場合には、その旨を構内交換機23Aへ通知し、構内交換機23Aは、その通知を受け取ると、その移動局21を認証しない。
【0086】
また、実施の形態1の場合と同様に、登録情報としては、例えばチャレンジ・レスポンス方式の認証処理で使用される暗号鍵が構内交換機23Aにより取得される。
【0087】
以上のように、上記実施の形態2によれば、移動局21で、構内電話システム11Aから安価または無料で構外との通信を行うことができる。すなわち、移動局21はIP網2を介して構外への通信を行うので、通信相手との距離が長くても通信コストを低くすることができ、ひいてはユーザが負担する通信料も低くなる。
【0088】
また、上記実施の形態2によれば、各構内電話システム11Aが、すべての移動局21の登録情報を保存したり、移動局21の情報を格納するためのデータベースを別途設けたりしなくても、移動体電話システムであるPHSが移動局21の登録情報を一元管理しているため、IP網2を利用する際の移動局21の認証を行うことができ、安価で通信システムを構築することができる。さらに、いずれの構内電話システム11Aでも移動局21の認証を行うことができる。
【0089】
なお、上記各実施の形態において、IPパケットの通信とあるが、これは、IPパケットそのものを伝送していなくても、IPより下位層のプロトコルでIPパケットを実質的に転送している場合を含む。例えば、イーサネット(登録商標)上でIPパケットのデータを伝送する場合などもこれに該当する。
【0090】
また、上述の各実施の形態では、認証サーバ4として、PHS事業者が従来から運用している認証サーバを利用することができ、そのPHS事業者と契約した利用者のPHS端末からのIP網2を経由した通信を提供することができる。
【0091】
さらに、上述の各実施の形態では、各エリア1とIP網2との間の通信路、および中継局3とIP網2との間の通信路には、専用回線、光ケーブルを使用した通信路、電話加入者回線を使用するADSL(Asymmetrical Digital Subscriber Line)回線などといった各種通信路を使用することができる。
【0092】
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【0093】
例えば、上述の各実施の形態では、移動体電話システムとして公衆PHSを使用しているが、PDC(Personal Digital Cellular )方式、CDMA(Code Division Multiple Access )方式などといった別の移動体電話システムを使用するようにしてもよい。また、構内電話システム11,11Aも、ARIB−STD28に準拠した構内コードレス電話システムに限定されるものではない。
【0094】
また、上述の各実施の形態では、変換装置12や中継局3にルータ26,31を使用しているが、これらのルータ26,31を省き、シグナリングゲートウェイ24,32およびメディアゲートウェイ25,33をIP網2に直接接続するようにしてもよい。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、移動局を使用して、構内電話システムから安価または無料で構外との通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
【図3】準公衆システムを含むPHSの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 構内
2 IP網
3 中継局
5 公衆電話回線網(PSTN)
11,11A 構内電話システム
12 変換装置(変換手段)
21 移動局
23,23A 構内交換機(PBX)
24,32 シグナリングゲートウェイ(第1のゲートウェイ)
25,33 メディアゲートウェイ(第2のゲートウェイ)
27 構内交換機インタフェース
Claims (11)
- 移動局を収容する1または複数の構内電話システムと、
IPパケットを伝送するIP網に接続され、上記構内電話システム内の上記移動局からの電話信号をIPパケットに変換し上記IP網に出力するとともに、上記IP網からのIPパケットを電話信号に変換し上記構内電話システムに出力する変換手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。 - 前記変換手段は、前記電話信号のうちの通信の制御に使用される制御信号とIPパケットとの変換を相互に行う第1のゲートウェイと、前記電話信号のうちの、ユーザにより送受される情報を有するユーザ信号とIPパケットとの変換を相互に行う第2のゲートウェイとを有することを特徴とする請求項1記載の通信システム。
- 前記変換手段は、前記構内電話システムの構内交換機に接続され、
前記第1のゲートウェイは、制御用信号線を介してその構内交換機に接続され、
前記第2のゲートウェイは、ユーザ信号用信号線を介してその構内交換機に接続されること、
を特徴とする請求項2記載の通信システム。 - 公衆電話回線網および前記IP網に接続され、前記IP網からのIPパケットを電話信号に変換しその電話信号を上記公衆電話回線網に出力するとともに、上記公衆電話回線網からの電話信号をIPパケットに変換しそのIPパケットを前記IP網に出力する中継局を備えることを特徴とする請求項1記載の通信システム。
- 前記中継局は、前記電話信号のうちの通信の制御に使用される制御信号とIPパケットとの変換を相互に行う第1のゲートウェイと、前記電話信号のうちの、ユーザにより送受される情報を有するユーザ信号とIPパケットとの変換を相互に行う第2のゲートウェイとを有することを特徴とする請求項4記載の通信システム。
- 前記変換手段は、前記構内電話システムの構内交換機に接続され、
前記中継局は、前記移動局の登録された移動体電話システムに接続され、
上記構内交換機は、前記変換手段、前記IP網および前記中継局を介して上記移動体電話システムから前記移動局の登録情報を取得し、その登録情報に基づいて、前記IP網を介した通信を行う際の前記移動局の認証を行うこと、
を特徴とする請求項4記載の通信システム。 - 前記中継局は、前記電話信号のうちの通信の制御に使用される制御信号とIPパケットとの変換を相互に行う第1のゲートウェイと、前記電話信号のうちの、ユーザにより送受される情報を有するユーザ信号とIPパケットとの変換を相互に行う第2のゲートウェイとを有し、
前記第1のゲートウェイは、前記移動体電話システムに接続されること、
を特徴とする請求項6記載の通信システム。 - 前記構内電話システムは、構内交換機を有し、
前記変換手段は、その構内交換機に接続され、
上記構内交換機は、前記移動局に登録された移動体電話システムにおけるその移動局の登録情報を利用して、前記IP網を介した通信を行う際の前記移動局の認証を行うこと、
を特徴とする請求項1記載の通信システム。 - 前記構内電話システムの構内交換機および前記移動体電話システムに接続された交換機インタフェース装置を備え、
前記構内交換機は、前記IP網および前記中継局を介して上記移動体電話システムから前記移動局の登録情報を取得し、その登録情報に基づいて、前記IP網を介した通信を行う際の前記移動局の認証を行うこと、
を特徴とする請求項8記載の通信システム。 - 前記移動体電話システムは、パーソナルハンディホンシステムであり、
前記移動局は、自営モードと公衆モードの両方により通信可能なPHS端末であること、
を特徴とする請求項6または請求項8記載の通信システム。 - 前記第2のゲートウェイは、前記移動局がユーザ信号としてIPパケットを送受する場合には、ユーザ信号に対する変換処理を停止し、ユーザ信号であるIPパケットをそのまま中継することを特徴とする請求項2または請求項5記載の通信システム。
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