JP2004031970A - 半導体素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エッチング処理室5、該エッチング処理室内に配置した半導体基板を載置する基板ステージ10、前記エッチング処理室内にプラズマ4を生成するプラズマ生成手段、および前記エッチング処理室内に処理ガスを導入する処理ガス導入手段8を備えたプラズマ処理装置を用いて前記半導体基板を処理する半導体素子の製造方法において、前記処理工程は、処理室内に第1の処理ガスを導入して前記半導体基板をエッチング処理するエッチング工程と、処理室内に第2の処理ガスを導入してエッチング処理により生じたエッチング生成物を分解除去する分解除去工程を備えた。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体素子の製造方法に係り、特に処理室内に残留する反応生成物を効率的に除去することのできる半導体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の半導体素子の高集積化にともない回路パターンは微細化の一途をたどっており、要求される加工寸法精度はますます厳しくなってきている。このような状況では、処理の再現性が重要になってくる。
【0003】
例えば、高い加工精度が要求されるエッチングプロセスにおいては、異方性エッチングを実現するために側壁をエッチングにより生成されるポリマで保護しながらエッチングを行うプロセスが用いられる。このプロセスでは、処理室内に残留するエッチング生成物の量やウエハの温度により、前記保護膜となるポリマの生成状態が変化する。したがって、もし、処理室内の前記反応生成物の残量が処理毎に変化すると、ウエハ間でポリマからなる前記側壁保護膜の堆積状況がばらつき、エッチング形状の再現性が悪化する。近年の半導体製造プロセスでは、10nm以下程度の加工寸法のばらつきであってもデバイスの不良を引き起こす場合があり、前記再現性の悪化は大きな問題である。
【0004】
また、処理室内に残留している前記エッチング生成物は装置内壁に堆積膜を形成し、この膜厚がある程度に達すると剥離して、ウエハ上に付着することがある。異物と呼ばれるこれらの剥離物は、ウエハ上に付着するとエッチング加工時のマスクとなってエッチ残りを生じさせるなど、製品不良の大きな原因となる。
【0005】
このようなエッチング生成物に対処する方法として、例えば、特開平5−144779号公報には、処理室内壁に堆積する堆積膜の膜質を剥離しにくい膜質に改質してエッチングを継続することが示されている。また、特開平7−508913号公報には、エッチング処理の間に別工程として酸素ガスと塩素ガスの混合ガスのプラズマによるドライクリーニング工程を挿入することが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記、特開平5−144779号公報に示す方法によれば、処理室内壁の堆積膜を剥離しにくくするため、異物発生の防止という点では効果が大きい。しかし、堆積物が残留することを前提とする技術であるため、堆積物によりエッチング性能が変動し、再現性は低下する。
【0007】
また、特開平7−153751号公報に示す方法は、ある処理間隔毎にエッチング生成物を除去し、処理室内の残量反応生成物がある一定量以上なることを防止する技術であり、これにより、処理室内壁に堆積膜が形成されることを防止し、エッチング形状の再現性をある規定値内に収めている。しかし、エッチング工程間にウエハの生産に関与しない工程であるプラズマクリーニング工程を挿入するため生産性が悪化する。
【0008】
本発明は、これらの問題点に鑑みてなされたもので、処理室内に残留する反応生成物を効率的に除去することのできる製造方法および製造装置を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために次のような手段を採用した。
【0010】
エッチング処理室、該エッチング処理室内に配置した半導体基板を載置する基板ステージ、前記エッチング処理室内にプラズマを生成するプラズマ生成手段、および前記エッチング処理室内に処理ガスを導入する処理ガス導入手段を備えたプラズマ処理装置を用いて前記半導体基板を処理する半導体素子の製造方法において、前記処理工程は、処理室内に第1の処理ガスを導入して前記半導体基板をエッチング処理するエッチング工程と、処理室内に第2の処理ガスを導入してエッチング処理により生じたエッチング生成物を分解除去する分解除去工程を備えた。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る半導体素子の製造方法を説明する図である。図2は本発明の製造方法を実施するに用いるドライエッチング装置を示す図である。
【0012】
図1において、1はシリコン基板、2はシリコン基板1上にCVD(Chemical Vapor Deposition)等によって形成したポリシリコン膜、3はエッチング処理によって加工する領域を開口したフォトレジストである。
【0013】
図2は、本発明の製造方法を実施するに用いるドライエッチング装置を示す図である。図2において、5はエッチング処理室、6はマイクロ波を処理室内に導入する導波管、8はエッチングガスを導入するためのガス導入管、10は基板を載置する基板ステージ、14は真空排気するための排気口である。
【0014】
エッチング処理に際しては、まず、真空排気した後、ガス導入管8からエッチングガスを導入し、所定の圧力に調整する。次に、図示しないマグネトロンが発振したマイクロ波を導波管6を通して処理室内5に導入する。導入したマイクロ波はソレノイドコイル7により形成される磁場との共鳴により、処理室のガスをプラズマ化し、このプラズマ4を利用してエッチングを行う。
【0015】
高周波電源12は、基板ステージ10にRFバイアスを印加し、プラズマ中のイオンを引き込むことにより異方性エッチングを行う。これにより加工形状を制御することができる。
【0016】
基板1は静電吸着によって基板ステージ10に吸着される、また、該基板ステージ10は基板の温度を制御する温度調節機構11を備える。基板1を基板ステージ10上に静電吸着し、さらに温度調節機構11が基板ステージ10に供給する冷媒温度を調整することにより、処理中の基板面内の温度を均一にして、基板面内のエッチングレートやエッチング形状を均一にすることができる。すなわち、基板1を基板ステージ10上に吸着させることにより、基板ステージ10と基板1との間の熱伝導性を高め、基板の温度制御を確実に行うことができる。また、シャワー穴9は、エッチングガスを処理室5内に均一に導入するための穴である。
【0017】
前述のように、高い加工精度が要求されるエッチングプロセスにおいては、側壁をエッチングにより生成されるポリマで保護しながらエッチングを行うことにより、異方性エッチングを実現している。ところで、前記エッチングの保護膜となるポリマの生成は処理室内5に残留しているエッチング生成物の量により影響を受け、その影響度合いは加工パターンが微細になればなるほど敏感になる。例えば、残留しているエッチング生成物が多いと保護膜が付着しすぎて加工形状、例えば図1に示す寸法dが大きくなる傾向がある。処理室5内に残留するエッチング生成物の総量はウエハの処理枚数の増加にともなって増加するために、同じ条件で処理を続けても、処理の進行に伴って加工形状が変化することになる。
【0018】
例えば、図1に示すポリシリコン膜2をフォトレジスト3をマスクにしてエッチング処理を行う場合、エッチングガスとして、塩素Cl2と酸素O2の混合ガスあるいは臭化水素HBrと酸素O2の混合ガス等を用いるのが一般的である。この場合、SiCl、SiH、SiO、SiBrなどのエッチングによる生成物が発生し、処理室内壁面5’に付着し、エッチング特性に影響を与える。
【0019】
最近の最先端デバイスでは、加工寸法が0.1μmに到達しようとしており、このため寸法dの変化量がたとえ数nm程度であっても満足な特性は得られないことになる。
【0020】
本実施形態では、エッチングガスとして、フッ素Fを含むガス(CF4およびArの混合ガス)並びに臭化水素HBrおよび酸素O2の混合ガスをそれぞれ用いて2ステップによりエッチング処理を行う。
【0021】
まず、ステップ(1)において、CF4とArの混合ガスのプラズマによって、ポリシリコン2をエッチングする。すなわち、Siはフッ化すると蒸気圧が非常に高い物質となるために、SiおよびSiを含む化合物はガス化して除去することが可能となる。次いでステップ(2)において、臭化水素HBrおよび酸素O2の混合ガスを用いて異方向エッチングを行う。すなわち、CF4とArの混合ガス中でのプラズマエッチングでは異方性が十分に得られないので、HBrとO2の混合ガスに切り替えて異方性エッチングを行う。
【0022】
この方法によれば、ステップ(1)の処理を行う際に、同時に、前のウエハに対するステップ(2)のエッチング処理で発生したSiCl、SiH、SiO、SiBrなどのエッチング生成物を除去することができる。
【0023】
本願の発明者らの実験によれば、ポリシリコン2の膜厚やエッチング面積によっても異なるが、CF4とArの混合ガス中でのプラズマ放電は、10秒から長くても20秒程度で効果が得られる。このように、エッチング処理を行うことによって、前のウエハ処理によって発生したエッチング生成物の影響を排除することができるために、再現性のよいエッチング加工が可能となる。また、エッチング生成物を装置内壁5’に蓄積させることがないので、低異物を実現できる。さらに、エッチング処理中に、前のエッチング処理で発生したエッチング生成物の除去行うために、エッチング処理と別にクリーニング処理を設けていた前記従来の方法のように生産性が低下することはない。
【0024】
このように、本発明の特徴は、エッチング処理をガス組成が異なる二つ以上の工程から構成し、かつ少なくとも一つの工程には、エッチング生成物を分解、気化することが可能なガスを用いることにある。さらに、前記のようなガスを選択してエッチングを行うべき積層膜で半導体素子を構成することにあるということもできる。
【0025】
図3は、本発明の第2の実施形態を説明する図である。なお、図において図1に示される部分と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。本実施形態は、静電吸着により基板を基板ステージに吸着した後に必要とされる基板の除電放電をエッチング生成物を分解、気化することが可能なガス中で行う点に特徴がある。
【0026】
前述のように、最近のエッチング処理では精度の良い加工を行うために、基板ステージ10には、RFバイアスを印加し、さらに静電吸着によって基板1を吸着することが必須となっている。静電吸着は、基板1と基板ステージ10の間に直流電圧を印加して、そのとき基板1と基板ステージ10との間に電荷を蓄えることによって、基板1を吸着する。
【0027】
エッチング処理が終了し吸着を解除する場合、電源を遮断するが、蓄積された電荷はすぐには放電しないため、基板1や基板ステージ10を図2に示すようにプラズマおよび装置壁面を介してアース15に接続して放電させる必要がある。すなわち、蓄積電荷が放電するまで除電放電を行う必要がある。
【0028】
本実施形態では、まず、ステップ(1)において、臭化水素HBrと酸素O2の混合ガスを用いてポリシリコン膜2のエッチングを行う。次いで、ステップ(2)において、エッチングが終了した後の除電放電にCF4とArの混合ガスのプラズマを用いる。CF4とArの混合ガスのプラズマによって、ポリシリコン2をエッチング処理で発生したSiCl、SiH、SiO、SiBrなどのエッチング生成物の除去を行う効果が得られる。この除電放電は、エッチングが終わったあとに放電を行うため、加工形状に異常が生じないよう基板ステージ10にはRFバイアスを印加しない方がよい。このように除電放電を行うことによって、次の基板処理へのエッチング生成物の影響を排除することができるため、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0029】
図4は、本発明の第3の実施形態を説明する図である。本実施形態は本発明をアルミのエッチング処理に適用したものである。図4において、1はシリコン基板、17、18、19は、それぞれ基板1上にスパッタによって形成した窒化チタン膜、アルミ合金膜、窒化チタン膜、3はエッチング処理によって加工する領域を開口したフォトレジストである。
【0030】
前記アルミ合金の単膜、あるいは窒化チタン/アルミ合金/窒化チタンからなる積層膜をエッチングする場合、塩素Cl2と三塩化ホウ素BCl3の混合ガスでエッチングするのが一般的である。本願の発明者の分析によれば、この場合、装置内に残留するエッチング生成物はフォトレジスト起因の有機化合物およびアルミと塩化ホウ素BClxの混合物となっており、特に塩化ホウ素の割合が多いことが明らかになった。
【0031】
後述するステップ(2)の処理により生成した、アルミを含んだ残留堆積物に対しては、エッチングの場合と同様にCl2を含んだガスのプラズマにより蒸気圧の高い三塩化アルミAlCl3を生成して除去することができる。しかし、前述のような残留生成物は有機物やエッチングガスの重合物からなる複雑な混合物であり、塩素がアルミを包み込むような形となるために塩素ガスによるプラズマでは気化させることができない。そこで、まずステップ(1)において、酸素O2ガスプラズマ放電を実施すると、フォトレジスト起因の有機化合物およびアルミと塩化ホウ素BClxの混合物からなるエッチング生成物の、前記有機物が酸素と結合して気化し、アルミと塩化ホウ素BClxの混合物が塩素と酸素の置換反応により塩素が気化される。さらに、BClxの形の堆積物はCl分子が取れることによりBCl3となり除去され、残留堆積膜中に含まれるAlもその一部がAlCl3となり除去される。
【0032】
ステップ(1)の処理によりO2ガスプラズマによる酸素と塩素の置換によって、アルミを囲んでいた塩素がなくなった後、ステップ(2)において、Cl2とBCl3の混合ガスのプラズマを発生させると、残っているアルミ化合物を除去することができる。すなわち、O2ガスによるプラズマ放電とCl2とBCl3の混合ガスによるプラズマ放電を連続して行うことにより、エッチング生成物を効率よく除去することができる。
【0033】
本実施形態では、窒化チタン膜17、アルミ合金膜18、窒化チタン膜19の積層膜をエッチングする際に、酸素O2ガスによるプラズマを用いるステップとCl2とBCl3の混合ガスによるプラズマを用いるステップの2ステップにより処理を行った。前述のように、まず酸素O2ガスのプラズマによって有機化合物の分解とアルミと塩化ホウ素BClxの混合物に対する塩素と酸素の置換反応が起こる。次に、Cl2とBCl3の混合ガスのプラズマによって、窒化チタン膜17、アルミ合金膜18、窒化チタン膜19の積層膜をエッチングすると同時にアルミ化合物の除去を行うことができる。すなわち、前のウエハ処理によって発生したエッチング生成物の影響を排除することが可能となる。特に、最上層の窒化チタン膜17をエッチングしている時に、アルミ化合物の除去が行われる。なお、エッチングのマスクにフォトレジストマスクを使った場合、フォトレジストマスク3は、O2ガスのプラズマによって等方的にエッチングされて、図4の3’に示すように縮小するために、あらかじめ大き目にマスクを作っておく必要がある。 一方、フォトレジストマスクが縮小するということを利用して、露光可能な最小寸法以下の加工を行うこともできる。この方法を利用すると、加工精度の再現性が良好で、低異物、高生産性、且つ微細加工に適したエッチングを行うことができる。なお、マスク縮小のレートを最小限にするためには、O2ガスによるプラズマ処理のステップで基板ステージ10にRFバイアスを印加しないのが望ましい。
【0034】
図5は、本発明の第4の実施形態を説明する図であり、本発明をアルミのエッチング処理に適用した他の例を示す図である。なお、図において図4に示される部分と同一部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0035】
本実施形態においては、ステップ(1)におけるエッチングが終了した後のステップ(2)における除電放電にO2ガスのプラズマを用いる。エッチングが終了した後の除電放電にO2ガスのプラズマを用いることにより、エッチング処理で発生したエッチング生成物、フォトレジスト起因の有機物およびアルミと塩化ホウ素BClxの混合物に対し、前記有機化合物の分解反応およびアルミと塩化ホウ素BClxの混合物に対する塩素と酸素の置換反応がそれぞれ起きる。この状態で前記ステップ(1)に相当する次の基板処理(エッチング)を行うと、該エッチング処理にはCl2とBCl3の混合ガスのプラズマが用いられるので、窒化チタン膜17、アルミ合金膜18、窒化チタン膜19の積層膜をエッチングすると同時にアルミ化合物の除去を行うことができる。
【0036】
前記第3の実施形態と同様に、O2ガスによるプラズマ放電とCl2とBCl3の混合ガスによるプラズマ放電を連続して行うことになるために、エッチング生成物を効率よく除去できる。なお、この除電放電は、エッチングが終わったあとに放電を続けるために、加工形状に異常が生じないよう基板ステージ10にはRFバイアスを印加しないのが好ましい。この実施形態の場合も前記第3の実施形態と同様にフォトレジストはO2ガスのプラズマによって等方的にエッチングされて、図5の3’に示すように縮小するが、窒化チタン膜17、アルミ合金膜18、窒化チタン膜19からなる積層膜の配線加工形状にはほとんど影響しない。
【0037】
次に、前記各実施形態におけるエッチング生成物を分解除去する工程、すなわち分解除去工程の継続時間の決定方法を説明する。
【0038】
本決定方法は、分解、気化した装置内壁の付着物をプラズマ発光、あるいは質量ガス分析を用いてモニタし、モニタ値、あるいはその微分値がある下限値に達するまでの時間を前記継続時間として設定することが特徴である。この決定方法を前記第3の実施形態(図4におけるアルミのエッチング処理)を例に説明する。
【0039】
図6は、O2ガスによるプラズマ工程中の、放電開始4秒後のプラズマ発光スペクトルを示したものであり、図7はCl原子(発光波長754.7nm)の発光強度の放電開始からの時間変化を示したものである。前述のように、O2ガスのプラズマを用いることで、エッチング生成物である有機物およびアルミと塩化ホウ素BClxの混合物に対して、有機化合物の分解反応およびアルミと塩化ホウ素BClxの混合物に対する塩素と酸素の置換反応がそれぞれ起こる。本来、酸素ガスのプラズマであるから、酸素Oの発光しか観測されないはずであるが、ここでは、図6に見られるようにClもプラズマ中で発光しており、アルミと塩化ホウ素BClxの混合物が残留していることがわかる。さらに、図7からわかるようにClの発光が減衰していることが観測されており、塩素と酸素の置換反応が起き、酸素Oの放電によってClが減少していることがわかる。
【0040】
したがって、Clの発光の減衰が収束した時点で塩素と酸素の置換反応が終了したものと判断できる。Clの発光が減衰する値の下限を設定しておき、下限値に達するまでの時間を酸素Oプラズマによる放電時間の終了とし、連続してCl2とBCl3の混合ガスによるプラズマ放電を行ったところ、非常に再現性の良いエッチング形状を得ることができ、かつ異物の発生も少なかった。なお、必要以上に酸素Oプラズマの放電を行うと、レジストマスク3が縮小することになるので、放電する時間は必要最小限にすることが重要となる。
【0041】
このように、プラズマ発光をモニタすることで、エッチング生成物の分解、気化に必要な最小限の時間を設定することができる。モニタ値が設定値に達したところで自動的に放電を停止し、次の工程に移るような制御を行えば、さらに効率の良いエッチング処理を行うことができる。
【0042】
なお、プラズマの生成位置は、図2に示すソレノイドコイル7の位置およびソレノイドコイルに流す電流値によって制御することが可能であり、プラズマ生成位置を基板から遠ざけることにより、前記分解除去工程における基板への悪影響を抑制することができる。
【0043】
また、この例では、プラズマ発光強度をモニタしたが、エッチング生成物を検知できる測定手段、たとえば質量分析計によって残留ガス中の組成、例えばClの残留ガス濃度の時間変化をモニタする等の方法でも同様の効果が得られる。また、発光強度の時間変化をそのままモニタしたが、モニタ値の微分値を用いるなどして変化の度合いを感度良く捕らえる操作を行っても良い。また、アルミのエッチングを例に説明したが、ポリシリコンのエッチングの場合には、Fの発光信号やSiFの発光信号をモニタするとよい。
【0044】
図8は、本発明に用いることのできる半導体素子の膜構造を示す図である。図8において、1はシリコン基板、20は基板1上にCVDによって形成されたポリシリコン膜、21はやはりCVDによって形成されたシリコン酸化膜SiO2、3はエッチング処理によって加工する領域を開口したフォトレジストである。このような膜構造の半導体素子おいては、シリコン酸化膜21とポリシリコン膜20をそれぞれ別のエッチング装置もしくは別の処理室でエッチング処理することが多い。しかし、SiO2膜21をエッチングする場合には、フッ素を含むガスが用いられるために、シリコン酸化膜21とポリシリコン膜20のエッチングを同一の処理室で連続処理を行うことによって、ポリシリコン膜20のエッチングを行った際のエッチング生成物を、SiO2膜21のエッチング処理の際に除去することができる。
【0045】
ポリシリコンと積層される膜としては、フッ素を含むガスでエッチングするものであれば良いので、他にも例えば窒化ケイ素膜や有機化合物からなる露光時の反射防止膜などがある。このように、基板上に二種類以上の材質の膜を積層し、ドライエッチングによってパターンを形成して半導体素子を作る場合に、少なくとも一つの膜の材料は、他の膜をエッチングした際に発生する化合物を分解、気化することができるガスのプラズマによってエッチング処理を行う材料を選択すれば、一つの材料をエッチングしている時に、もう一つの材料をエッチングした際に発生したエッチング生成物を分解除去することができる。すなわち、このような素子構造を選択することで、製造しやすく不良が少ない半導体素子を得ることができる。
【0046】
以上は、加工のためのマスクとしてフォトレジストを使用した例を挙げて説明したが、シリコン酸化膜や窒化ケイ素をマスクとした、いわゆるハードマスクであっても同様の効果を得ることができる。
【0047】
以上説明したようにエッチング処理中に、効率良く前のウエハ処理によって発生したエッチング生成物の影響を除去することができるために、再現性のよいエッチング加工が可能となる。また、エッチング生成物が装置内壁に蓄積することがないので、低異物の装置を実現できる。さらに、エッチング処理と別にクリーニング処理を設けていた従来の方法に比べて、高い生産性を達成することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、エッチング処理中に、前のウエハ処理によって発生したエッチング生成物の影響を除去することができるため、再現性のよい高効率のエッチング加工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体素子の製造方法を説明する図である。
【図2】本発明の製造方法を実施するに用いるドライエッチング装置を示す図である。
【図3】第2の実施形態を説明する図である。
【図4】第3の実施形態を説明する図である。
【図5】第4の実施形態を説明する図である。
【図6】O2ガスによるプラズマ工程中の発光スペクトルを示す図である。
【図7】Cl原子の発光強度の放電開始からの時間変化を示す図である。
【図8】本発明に適用することのできる半導体素子の膜構造を示す図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板
2 ポリシリコン
3 フォトレジスト
4 プラズマ
5 エッチング処理室
5’ 処理室内壁面
6 導波管
7 ソレノイドコイル
8 エッチングガス導入管
9 シャワー穴
10 基板ステージ
11 温度調節機構
12 高周波電源
13 直流電源
14 真空排気口
15 アース
16 アースライン
17,19 窒化チタン膜
18 アルミ合金膜
20 ポリシリコン膜
21 酸化シリコン膜
Claims (8)
- エッチング処理室、該エッチング処理室内に配置した半導体基板を載置する基板ステージ、前記エッチング処理室内にプラズマを生成するプラズマ生成手段、および前記エッチング処理室内に処理ガスを導入する処理ガス導入手段を備えたプラズマ処理装置を用いて前記半導体基板を処理する半導体素子の製造方法において、
前記処理工程は、処理室内に第1の処理ガスを導入して前記半導体基板をエッチング処理するエッチング工程と、処理室内に第2の処理ガスを導入してエッチング処理により生じたエッチング生成物を分解除去する分解除去工程を備えたことを特徴とする半導体素子の製造方法。 - 請求項1の記載において、前記基板ステージは静電吸着用電極を備え、前記分解除去工程において前記電極電位を除去して前記半導体基板に蓄えられた電荷を除去することを特徴とする半導体素子の製造方法。
- 請求項1ないし請求項2の何れか1の記載において、前記半導体基板はシリコンあるいはシリコンを含む化合物からなる膜を含み、前記第2の処理ガスはフッ素を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
- 請求項1ないし請求項2の何れか1の記載において、前記半導体基板はアルミニウムあるいはアルミニウムを含む化合物からなる膜を含み、前記第2の処理ガスは酸素を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
- 請求項1ないし請求項4の何れか1の記載において、前記エッチング生成物の残存量をモニタするモニタ手段を備え、前記残存量が予め設定した下限値に達したとき前記分解除去工程を停止することを特徴とする半導体素子の製造方法。
- エッチング処理室、該エッチング処理室内に配置した半導体基板を載置する基板ステージ、前記エッチング処理室内にプラズマを生成するプラズマ生成手段、並びに前記エッチング処理室内にエッチング用の処理ガスおよびエッチング生成物を分解する分解除去用の処理ガスを導入する処理ガス導入手段を備えたプラズマエッチング処理装置であって、該エッチング処理装置はエッチング生成物の残存量をモニタするモニタ手段を備えたことを特徴とするプラズマエッチング処理装置。
- 基板上に少なくとも2種以上の材質の膜を積層し、これらの膜にプラズマを用いたエッチングを施すことによりパターンを形成する半導体素子であって、
前記膜の一方は、他方の膜をエッチング処理する際に発生する生成物を分解気化することが可能なガスのプラズマによってエッチング処理可能な膜であることを特徴とする半導体素子。 - 請求項1ないし請求項5の何れか1の記載において、前記分解除去工程におけるプラズマ生成位置は半導体基板から離間して設定したことを特徴とする半導体素子の製造方法。
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