JP2004031110A - 放電灯点灯装置及び照明器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】安定点灯中のフィラメントでの消費電力を低減し、また片方又は両方のフィラメント断線時に不要な電力を消費しない放電灯点灯装置を得る。
【解決手段】高周波電力を出力するインバータ回路と、放電灯と、該放電灯に直列接続された減流用のチョークコイルを含む負荷回路と、放電灯に並列接続された第1及び第2のコンデンサと、インバータ回路の出力周波数を決定するドライバ回路と、を有し、負荷回路又は放電灯がインバータ回路の出力点に接続され、第1のコンデンサは放電灯の一方のフィラメントを介して負荷回路に接続され、第2のコンデンサは放電灯の他方のフィラメントを介して負荷回路に接続されるものであって、インバータ回路の電源投入直後における出力周波数をチョークコイルと第1又は第2のコンデンサのどちらか一方のコンデンサとの共振周波数よりも高く設定したものである。
【選択図】 図1
【解決手段】高周波電力を出力するインバータ回路と、放電灯と、該放電灯に直列接続された減流用のチョークコイルを含む負荷回路と、放電灯に並列接続された第1及び第2のコンデンサと、インバータ回路の出力周波数を決定するドライバ回路と、を有し、負荷回路又は放電灯がインバータ回路の出力点に接続され、第1のコンデンサは放電灯の一方のフィラメントを介して負荷回路に接続され、第2のコンデンサは放電灯の他方のフィラメントを介して負荷回路に接続されるものであって、インバータ回路の電源投入直後における出力周波数をチョークコイルと第1又は第2のコンデンサのどちらか一方のコンデンサとの共振周波数よりも高く設定したものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、放電灯を高周波点灯する放電灯点灯装置及び該放電灯点灯装置の照明器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図11は、従来の一般的な放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。
図11において、1はインバータ回路、2はチョークコイル3と直流カットコンデンサ4の直列回路からなる負荷回路、5は放電灯(以下、ランプという)、6a及び6bは前記ランプ5のフィラメントである。7は始動用コンデンサであり、前記ランプ5に対し並列接続され、フィラメント6a及び6bを介して前記負荷回路2に接続される。8はインバータ回路1の出力周波数を決定するドライバ回路であり、本例においては出力周波数可変としている。
【0003】
次に上記のように構成された放電灯点灯装置の動作について説明する。
一般に蛍光灯を点灯する際、フィラメントに電流を流す予熱期間と、ランプに通常点灯時の3〜4倍程度の高圧を印加して放電を開始させる始動期間とを経て安定点灯に達する。図11においては、ドライバ回路8の出力周波数を初期周波数から点灯周波数まで段階的又は連続的に降下させることにより予熱期間と始動期間とを設けることができる。
予熱期間中は、前記インバータ回路1によって高周波化された電流が前記チョークコイル3→直流カットコンデンサ4→フィラメント6a→始動用コンデンサ7→フィラメント6b→インバータ回路1のループで流れる。これにより、フィラメント6a及び6bが予熱される。
また、始動期間中は、前記チョークコイル3と始動用コンデンサ7の電圧共振作用によりランプ5に高圧が印加され放電が開始し安定点灯に達する。
【0004】
そして、前記ランプ5が放電を開始した後は、ランプ5内のインピーダンスは数百Ω程度の抵抗とみなすことができ、インバータ回路1からの高周波電流のほとんどは、チョークコイル3→直流カットコンデンサ4→ランプ5内→インバータ回路1のループに流れる。しかしながら、ランプ電圧をVL、始動コンデンサ7の容量をC7、流れる電流をi7、点灯周波数に対する角速度をωとすると、i7=ω・C7・VLとなり、この電流が、チョークコイル3→直流カットコンデンサ4→フィラメント6a→始動用コンデンサ7→フィラメント6b→インバータ回路1に流れることになる。
フィラメント6a、6bの各々の抵抗値をRf、フィラメント全体の消費電力をP7とすると、P7=2・i72・Rf=2・(ω・C7・VL)2・Rfとなり、この分は明るさに寄与しない無駄な電力となる。
【0005】
上記のようなフィラメントによる電力消費を軽減するために、図12に示すようなランプ5と並列に容量値C7cの始動用コンデンサ7cと、容量値C7dの始動用コンデンサ7dを接続する構成のものが採用される場合がある。コンデンサ7cはフィラメント6a及び6bを介して負荷回路2に接続され、始動用コンデンサ7dはフィラメント6a、6bを介さずに負荷回路2に接続される。このとき、上記図11の場合と始動電圧を同じにするため、容量をC7c+C7d=C7となるように設定する。
【0006】
安定点灯中に始動用コンデンサ7cに流れる電流をi7c、ランプ電圧をVL、フィラメント6a、6bの各々の抵抗値をRf、フィラメント全体の消費電力をP7cとすると、
i7c=ω・C7c・VL
P7c=2・i7c2・Rf
となるから、角速度ω、ランプ電圧VLが上記図11の場合と等しいとすると、上記容量はC7c+C7d=C7であるので、容量C7cはC7より小さく、従って、
P7c=i7c2・Rf
=(ω・C7c・VL)2・Rf
<(ω・C7・VL)2・Rf=P7
となり、図11の場合に比べてフィラメント6a及び6bでの消費電力が軽減されることになる。これにより、損失は改善でき、回路効率を上げることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図12の構成回路においては、フィラメント断線時の動作に問題がある。特に、ここではフィラメント断線検出等による保護手段がない電球形蛍光灯に適用した場合について考える。
フィラメント6a又は6bの少なくとも1つが断線した場合、インバータ回路1が出力を開始すると、インバータ回路1→チョークコイル3→直流カットコンデンサ4→始動用コンデンサ7d→インバータ回路1に電流が流れる。チョークコイル3と始動用コンデンサ7dの共振電圧がランプ5の放電開始に十分でない場合に、ランプ5は放電できない状態のままインバータ回路1は、その共振電圧を維持する電力を出力し続け、やがて、熱的な限界から破壊する。電球形蛍光灯はランプと点灯回路が一体であるので、ランプが寿命となったら点灯回路を破壊して点灯装置の寿命とすること自体に問題はないが、上記共振電圧を維持し続けている期間は通常点灯時の数倍の電力を消費していることになり、不要な電力を消費し続けていることになる。
【0008】
また、チョークコイル3と始動用コンデンサ7dの共振電圧によってランプ5が放電開始した場合であっても、例えば、すでに両フィラメントが断線していた場合を考えた場合、両フィラメントが断線するほど寿命の進んだものを点灯維持するのは好ましい状態とは言えない。それは、寿命の進んだランプにおいてはランプ内の放電物質が枯渇に近づいているためランプ内のインピーダンスが高く、電流の多くは始動用コンデンサ7c又は7d側に流れ、チョークコイル3と始動コンデンサ7c又は7dとの共振電圧分だけインバータ回路1に負担がかかり、電力を通常以上に消費することになるからである。この場合も、最終的にはインバータ回路1の負担が限界となり回路を破壊して装置の寿命とすることになるが、破壊するまでの間、定格電力以上の電力消費を続けることになってしまう。
【0009】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、安定点灯中のフィラメントに流れる電流を低減し消費電力を低減するとともに、片方又は両方のフィラメント断線時であっても過大な電力を消費しない放電灯点灯装置及び該放電灯点灯装置の照明器具を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1記載の放電灯点灯装置は、高周波電力を出力するインバータ回路と、放電灯と、該放電灯に直列接続された減流用のチョークコイルを含む負荷回路と、前記放電灯に並列接続された第1及び第2のコンデンサと、前記インバータ回路の出力周波数を決定するドライバ回路と、を有し、前記負荷回路又は前記放電灯が前記インバータ回路の出力点に接続され、前記第1のコンデンサは前記放電灯の一方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続され、前記第2のコンデンサは前記放電灯の他方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続されるものであって、前記インバータ回路の電源投入直後における出力周波数を前記チョークコイルと前記第1又は第2のコンデンサのどちらか一方のコンデンサとの共振周波数よりも高く設定するようにしたものである。
【0011】
また、請求項2記載の放電灯点灯装置は、高周波電力を出力するインバータ回路と、放電灯と、該放電灯に直列接続された減流用のチョークコイルを含む負荷回路と、前記放電灯に並列接続された第1及び第2のコンデンサと、前記インバータ回路の出力周波数を決定するドライバ回路と、を有し、前記負荷回路又は前記放電灯が前記インバータ回路の出力点に接続され、前記第1のコンデンサは前記放電灯の一方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続され、前記第2のコンデンサは前記放電灯の他方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続されるものであって、前記チョークコイルと前記第1又は第2のコンデンサとの共振回路によって発生する電力が、前記放電灯の定格電力以下となるように前記第1又は第2のコンデンサの容量を設定するようにしたものである。
【0012】
また、請求項3記載の放電灯点灯装置は、上記請求項2の装置において、正特性サーミスタが、前記放電灯に並列接続され、該放電灯の双方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続されるようにしたものである。
【0013】
また、請求項4記載の放電灯点灯装置は、上記請求項1〜3のいずれかの装置において、負特性サーミスタが、前記第1のコンデンサ又は第2のコンデンサと前記負荷回路間にあるフィラメントに並列に接続されるようにしたものである。
【0014】
また、請求項5記載の照明器具は、屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装したものである。
【0015】
また、請求項6記載の照明器具は、屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装するとともにこの放電灯点灯装置の回路基板を前記屈曲形蛍光ランプと口金との間に配設し、この回路基板の屈曲形蛍光ランプと対向する面に前記放電灯点灯装置の正特性サーミスタまたは負特性サーミスタを配置したものである。
【0016】
また、請求項7記載の照明器具は、屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装するとともにこの放電灯点灯装置の回路基板を前記屈曲形蛍光ランプと口金との間に配設し、前記回路基板の屈曲形蛍光ランプと対向する面に前記放電灯点灯装置のチョークコイルを配置したものである。
【0017】
また、請求項8記載の照明器具は、屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装するとともに、該放電灯点灯装置が少なくとも1つ以上の円筒形のコンデンサを有し、この放電灯点灯装置の回路基板を前記屈曲形蛍光ランプと口金との間に配設し、前記回路基板の口金と対向する面に前記放電灯点灯装置の少なくとも1つの円筒形コンデンサを水平に配置したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。尚、図1において、上記従来例図11と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
図1において、7a、7bは始動用コンデンサであり、前記始動用コンデンサ7aはフィラメント6aのみを介して前記負荷回路2に接続され、前記始動用コンデンサ7bはフィラメント6bのみを介して負荷回路2に接続される。尚、前記ドライバ回路8は従来例と同様に出力周波数可変とする。
【0019】
次に上記のように構成された放電灯点灯装置の動作について説明する。
まず予熱中は、前記インバータ回路1によって高周波化された電流が、前記チョークコイル3→直流カットコンデンサ4→フィラメント6a→始動用コンデンサ7a→インバータ回路1のループで流れることにより、フィラメント6aが予熱され、また、前記チョークコイル3→直流カットコンデンサ4→始動用コンデンサ7b→フィラメント6b→インバータ回路1のループでフィラメント6bが予熱される。そして、前記始動コンデンサ7aと7bの並列回路と前記チョークコイル3との共振電圧によって、前記ランプ5は放電を開始する。
【0020】
ここで、前記始動コンデンサ7a、7bの容量をC7a、C7bとすると、従来例図11と始動電圧の条件を等しくし、両フィラメント6a、6bに流れる電流を均等にするために、例えばC7a=C7b=1/2×C7(図11の始動コンデンサ7の容量)となるようにする。
始動コンデンサ7a、7bに流れる電流をi7a、i7bとし、ランプ電圧をVLとすると、
i7a=ω・C7a・VL
i7b=ω・C7b・VL
i7a=i7b=1/2・ω・C7・VL
となり、フィラメント6a、6bの各々の抵抗値をRfとすると、両フィラメント6a、6bで消費する電力P1は、
P1=2・(1/2・ω・C7・VL)2・Rf=1/4・P7
となり、従来例図11の場合に比べてフィラメント6a及び6bでの消費電力が1/4に軽減されることになる。これにより、損失は大幅に改善でき、回路効率を上げることができる。
【0021】
図2にドライバ回路8の出力周波数と共振電圧との関係を示す。
図中、L1及びL2はランプ5放電前の特性であり、L1は両フィラメントが断線していない場合、L2は片方のフィラメントが断線した場合を示す。また、L3はランプ5放電後の特性を示すものであり、Vigはランプ5を始動するのに必要な電圧を示すものである。
尚、ランプ5放電開始後はランプ管内を一種の導体とみなすことができ、フィラメントが断線していてもコンデンサ7a又は7bはランプ5に接続された状態と等価になり、非断線時と同様にコンデンサ7a又は7bにω・C7a・VL又はω・C7b・VLの電流が流れる。
ここで、初期周波数をf0、点灯周波数をf1、ランプ5を始動するのに必要な電圧をVigとした場合、ランプ5放電前にVigが確保され放電可能となる周波数を、両フィラメントが断線していないL1の場合はfab、片方のフィラメントが断線したL2の場合はfaとなる。
したがって、初期周波数f0>faとなるようにf0を設定すれば、片方のフィラメントが断線した場合であっても問題なく放電開始できる。
【0022】
尚、両フィラメント6a、6bが断線した状態でインバータ回路1が出力を開始した場合は、前記負荷回路2の出力端側ランプ5の負荷側回路は開放状態となり、該ランプ5の負荷側回路での電力は消費されない。
【0023】
また、前記始動コンデンサ7a、7bの容量値C7a、C7bについて、C7a≠C7bであっても上記動作によるフィラメントでの消費電力の低減効果を期待できるが、容量値C7a+C7bが決まっている場合に、フィラメント6a及び6bでの消費電力の合計値を最小にするのは、C7a=C7bのときであり、また両フィラメントを均等に予熱することなどを考慮した場合、C7a=C7bとすることが望ましい。
【0024】
また、図3にフィラメント6a、6bでの消費電力をさらに低減した場合の回路構成例を示す。尚、図3において上記図1と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。図において、9nは温度上昇に対して抵抗値が単調減少する負特性(NTC)サーミスタである。
この例においては、前記始動コンデンサ7a、7bの容量値を例えばC7a≦C7bとした場合に、前記NTCサーミスタ9nを前記フィラメント6bに並列接続するものである。前記NTCサーミスタ9nは、上述のように温度上昇に対して抵抗値が単調減少するので、始動コンデンサ7bから負荷回路2に流れる電流は、放電前等の低温時はNTCサーミスタ9nの抵抗値が大きいためフィラメント6bを経由し、安定点灯中等の高温時はNTCサーミスタ9nの抵抗値が小さくなるためNTCサーミスタ9nを経由する。これにより、安定点灯中に実質的にフィラメントで消費される電力は、フィラメント6aで消費される電力だけになり、フィラメントでの消費電力をさらに低減することができる。
尚、前記NTCサーミスタ9nの有無に関係なく、両フィラメント6a、6bが断線した状態でインバータ回路1が出力を開始した場合は、前述同様に前記負荷回路2の出力端側ランプ5の負荷側回路は開放状態となり、該ランプ5の負荷側回路での電力は消費されない。
【0025】
以上のように、本実施の形態においては始動コンデンサ7aをフィラメント6aのみを介して負荷回路2に接続し、また始動コンデンサ7bをフィラメント6bのみを介して負荷回路2に接続するようにして、前記フィラメント6a、6bに流れる電流を前記2つの始動コンデンサに分流する構成したので、安定点灯中のフィラメントでの消費する電力を低減することができる。
【0026】
また、片方のフィラメント断線時であっても確実に放電開始できるようにしたので、従来のようにフィラメント断線時のランプ不点灯状態で過大な電力を消費し続けるようなことはなく、不要な電力を消費しないようにすることができる。
さらに、両フィラメント断線時に完全に負荷回路2の出力端側ランプ5の負荷側回路が開放状態となる回路構成としたので、該ランプ5の負荷側回路での電力は消費されず、放電灯点灯装置全体での電力消費もほとんどない状態で不点灯状態を保つことができる。
【0027】
実施の形態2.
上記実施の形態1においては、ドライバ回路8の出力周波数可変とし、出力周波数の移動により予熱→始動→点灯とモードを移動させることを前提としたが、本実施の形態においてはドライバ回路8の出力周波数が固定の場合で、所定の予熱時間を設け、かつ上記実施の形態1と同様の効果を奏するようにしたものである。
【0028】
図4はこの発明の実施の形態2における放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。尚、図4において、上記実施の形態1の図1と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
9pは温度上昇に対して抵抗値が単調増加する正特性(PTC)サーミスタである。前記始動用コンデンサ7aがフィラメント6aのみを介し、また前記始動用コンデンサ7bがフィラメント6bのみを介して前記負荷回路2に接続される一方、前記PTCサーミスタ9pが両フィラメント6a、6bを介して負荷回路2に接続される。そして、前記PTCサーミスタ9pは放電開始前にフィラメント6a及び6bを十分予熱してランプ5の点滅寿命を延ばすために用いる。
【0029】
次に上記のように構成された放電灯点灯装置の動作について説明する。
電源(図示せず)投入後、前記インバータ回路1によって高周波化された電流は、負荷回路2→フィラメント6a→始動用コンデンサ7a→負荷回路2の経路(1)と、負荷回路2→始動用コンデンサ7b→フィラメント6b→負荷回路2の経路(2)と、負荷回路2→フィラメント6a→PTCサーミスタ9p→フィラメント6b→負荷回路2の経路(3)の三経路に分流される。その後PTCサーミスタ9pは温度上昇に対して抵抗値が単調増加するのでインピーダンスが高くなり、上記経路(3)に電流が流れなくなる。そして、前記始動用コンデンサ7aと7bの並列回路と前記チョークコイル3との共振電圧によって、前記ランプ5は放電を開始する。
【0030】
図5に上記経路(3)に電流が流れなくなった後のドライバ回路8の出力周波数と共振電圧との関係を示す。
図中、L1及びL2はランプ5放電前の特性であり、L1は両フィラメントが断線していない場合、L2は片方のフィラメントが断線した場合を示す。また、L3はランプ5放電後の特性を示すものである。また、Vigの定義は上記実施の形態1同様にランプ5を始動するのに必要な電圧であり、ドライバ回路8の出力周波数はf1で固定とする。また、点灯周波数f1におけるチョークコイル3と始動コンデンサ7a及び7bとの共振電圧によってランプ5が放電開始できるように容量値(C7a+C7b)を設定する。
【0031】
両フィラメントが断線していない場合、上記L1における周波数f1に対するランプ5の両端電圧はVigより高い設定としたので、ランプ5は放電開始することができる。また、片方のフィラメントが断線した場合、L2における周波数f1に対するランプ5の両端電圧はVig以下となるので、ランプ5は放電開始することはできない。ここで、片方のフィラメントが断線しランプの不点灯状態を継続する場合、チョークコイル3と始動コンデンサ7a又は7bとの共振電圧によって発生する電力が、ランプ5の定格電力以下になるように容量値C7a又はC7bを設定するものとする。
【0032】
両フィラメントが断線した状態でインバータ回路1が出力を開始した場合は、前述同様に前記負荷回路2の出力端側ランプ5の負荷側回路は開放状態となり、該ランプ5の負荷側回路での電力は消費されない。また、PTCサーミスタ9pは放電開始前にフィラメント6a及び6bを十分予熱してランプ5の点滅寿命を延ばすために用いているが、PTCサーミスタ9pがなくても上記と同様の動作を期待できる。
【0033】
尚、前記始動コンデンサ7a、7bの容量値C7a、C7bについて、C7a≠C7bであっても上記動作によるフィラメントでの消費電力の低減効果を期待できるが、容量値C7a+C7bが決まっている場合に、フィラメント6a及び6bでの消費電力の合計値を最小にするのはC7a=C7bのときであり、そして両フィラメントを均等に予熱することなどを考慮した場合、上記実施の形態1同様C7a=C7bとすることが望ましい。
【0034】
また、図6にフィラメントでの消費電力をさらに低減した場合の回路構成例を示す。尚、図6において、上記図4と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。図において、9nは温度上昇に対して抵抗値が単調減少するNTCサーミスタである。
この例においては、前記始動コンデンサ7a、7bの容量値を例えばC7a≦C7bとした場合に、前記NTCサーミスタ9nを前記フィラメント6bに並列接続するものである。NTCサーミスタ9nは、上述のように温度上昇に対して抵抗値が単調減少するので、始動コンデンサ7bから負荷回路2に流れる電流は、放電前等の低温時はNTCサーミスタ9nの抵抗値が大きいためフィラメント6bを経由し、安定点灯中等の高温時はNTCサーミスタ9nの抵抗値が小さくなるためNTCサーミスタ9nを経由する。これにより、安定点灯中に実質的にフィラメントで消費される電力は、フィラメント6aで消費される電力だけになり、フィラメントでの消費電力をさらに低減することができる。
【0035】
尚、NTCサーミスタ9nの有無に関係なく、両フィラメント6a、6bが断線した状態でインバータ回路1が出力を開始した場合は、前述同様に前記負荷回路2の出力端側ランプ5の負荷側回路は開放状態となり、該ランプ5の負荷側回路での電力は消費されない。
【0036】
以上のように、前記フィラメント6a、6bに流れる電流を2つの始動コンデンサに分流することにより、上記実施の形態1同様に安定点灯中のフィラメント6a及び6bでの消費する電力を低減することができる。また、片方のフィラメント断線時に不点灯状態になっても、装置全体での消費電力を定格電力以下となるようにしたので、過大な電力を消費し続けるようなことはない。さらに、両フィラメント断線時に完全に負荷回路2の出力端側ランプ5の負荷側回路が開放状態となる回路構成としたので、上記実施の形態1同様に該ランプ5の負荷側回路での電力は消費されず、放電灯点灯装置全体での電力消費もほとんどない状態で不点灯状態を保つことができる。
【0037】
実施の形態3.
本実施の形態においては、上記実施の形態2の放電灯点灯装置をランプ、口金、カバー及び回路基板が一体となった電球形蛍光灯に適用した場合について示す。
【0038】
図7は本実施の形態3における電球形蛍光灯の構成図を示す。
尚、図7において、上記実施の形態2の図4と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
10aは平滑コンデンサ、11は口金、12a及び12bは前記口金11の一部に取付けられ、例えば屈曲形のランプ5に電力を供給して点灯させる回路基板14に電源を供給するAC電源用リード線、13は前記口金11が設けられた筒状部を有し、該口金11に取付けられ、前記回路基板14、ランプ5及びグローブ15を固定しているカバーである。
【0039】
図8は前記回路基板14に実装される回路構成を示す。
尚、図8において、上記図7及び上記実施の形態2の図4と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
10は平滑コンデンサ10a並びにダイオードブリッジ10bからなる直流電源回路、16はノイズフィルタである。
【0040】
前記AC電源用リード線12a及び12bを通してAC電源がノイズフィルター16を介して前記直流電源回路10に供給される。直流電源回路10ではAC電源を前記ダイオードブリッジ10bで整流し、整流された直流電圧を平滑コンデンサ10aで平滑して前記インバータ回路1に供給される。そして、駆動回路8からの出力信号によって前記インバータ回路1から高周波電力が出力される。尚、インバータ回路1の出力端側の動作については、上記実施の形態2と同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0041】
そして、上記回路を構成する部品は、上記図7の回路基板14の口金11側(以下、基板上面という)と、回路基板14のランプ5側(以下、基板下面という)とに分けて配置される。本実施の形態においては、前記PTCサーミスタ9pを基板下面に配置する。
【0042】
前記PTCサーミスタ9pは温度上昇に対して抵抗値が単調増加するので、PTCサーミスタ9pをより高温となる基板下面に配置することにより、前記インバータ回路1によって高周波化され、負荷回路2→フィラメント6a→PTCサーミスタ9p→フィラメント6b→負荷回路2に流れる電流を極力低減して、余分な電力消費を最小限にとどめるようにするとともに、使用部品を効率よく収納することができる。
【0043】
尚、上記図3または図6に示した前記フィラメント6bに並列接続したNTCサーミスタ9nを用いた回路構成を、本実施の形態の図7に示す電球形蛍光灯に用いる場合に、前記NTCサーミスタ9nを基板下面に配置し、温度上昇に対して抵抗値が単調減少する特性を利用して、その抵抗値をより低くすることにより、始動コンデンサ7bから負荷回路2に流れる電流を安定点灯中等の高温時は前記NTCサーミスタ9nを経由させることによって、安定点灯中のフィラメントでの消費電力を減らすようにしても良い。
【0044】
実施の形態4.
上記実施の形態3においては、回路構成の直流電源回路10にダイオードブリッジ10bによる全波整流を用いる場合を示したが、本実施の形態においては、直流電源回路10に倍電圧整流を用いるようにしたものである。
【0045】
図9は本実施の形態4における電球形蛍光灯の構成図を示す。
尚、図9において、上記実施の形態3の図7と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
9nはNTCサーミスタ、10c、10dは例えば円筒形の平滑コンデンサである。
【0046】
図10は前記回路基板14に実装される回路構成を示す。
尚、図10において、上記図9及び上記実施の形態1で示した図3と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
直流電源回路10は、前記平滑コンデンサ10c、10d並びにダイオード10e、10fからなる倍電圧整流回路を用いたものとなっている。
【0047】
前記AC電源用リード線12a及び12bからノイズフィルター16を介して供給されたAC電源が、前記直流電源回路10の前記ダイオード10eと平滑コンデンサ10c及び前記ダイオード10fと平滑コンデンサ10dで倍電圧整流され、前記インバータ回路1に供給される。そして、駆動回路8からの出力信号によって前記インバータ回路1から高周波電力が出力される。尚、インバータ回路1の出力端側の動作については、上記実施の形態1と同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0048】
そして、上記回路を構成する部品は、上記図9の基板上面と基板下面とに分けて配置される。本実施の形態においては、チョークコイル3及びNTCサーミスタ9nを基板下面に配置し、また、前記平滑コンデンサ10c又は10dのどちらか一方のコンデンサ(図9では平滑コンデンサ10c)を前記回路基板14に対して水平に配置する。
【0049】
前記NTCサーミスタ9nは温度上昇に対して抵抗値が単調減少するので、NTCサーミスタ9nをより高温となる基板下面に配置し、その抵抗値をより低くすることにより、始動コンデンサ7bから負荷回路2に流れる電流を安定点灯中等の高温時は前記NTCサーミスタ9nを経由させることによって、負荷回路2→始動コンデンサ7b→フィラメント6b→負荷回路2に流れる電流を極力低減して、安定点灯中のフィラメントでの消費電力を低減させるとともに、使用部品を効率よく収納することができる。
【0050】
尚、前記NTCサーミスタ9nを基板下面に配置する際には、例えばフェライトコア及び銅線等からなる熱伝導のよい前記チョークコイル3には接触しないように配置することが望ましい。
【0051】
また、上記図4または図6に示した前記両フィラメント6a、6bを介して負荷回路2に接続したPTCサーミスタ9pを用いた回路構成を、本実施の形態の図9に示す電球形蛍光灯に用いる場合に、前記PTCサーミスタ9pを基板下面に配置して、温度上昇に対して抵抗値が単調増加する特性を利用して、その抵抗値をより高くし、負荷回路2→フィラメント6a→PTCサーミスタ9p→フィラメント6b→負荷回路2に流れる電流を極力低減して、余分な電力消費を最小限にとどめるようにしてもよい。
【0052】
また、直流電源回路に倍電圧整流回路を用いたことにより、ランプの両端電圧の高いランプに対しても十分な電力を投入することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る請求項1の放電灯点灯装置は、高周波電力を出力するインバータ回路と、放電灯と、該放電灯に直列接続された減流用のチョークコイルを含む負荷回路と、前記放電灯に並列接続された第1及び第2のコンデンサと、前記インバータ回路の出力周波数を決定するドライバ回路と、を有し、前記負荷回路又は放電灯が前記インバータ回路の出力点に接続され、前記第1のコンデンサは放電灯の一方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続され、前記第2のコンデンサは放電灯の他方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続され、前記各々のフィラメントに流れる電流を前記2つのコンデンサに分流するようにしたので、安定点灯中のフィラメントでの消費する電力を低減することができる。また、前記インバータ回路の電源投入直後における出力周波数を前記チョークコイルと第1又は第2のコンデンサのどちらか一方のコンデンサとの共振周波数よりも高く設定したので、片方のフィラメント断線時であっても確実に放電開始でき、従来のようにフィラメント断線時のランプ不点灯状態で過大な電力を消費し続けることがなく、不要な電力を消費しないようにすることができる。さらに、両フィラメント断線時に完全にランプの負荷側回路が開放状態となる回路構成としたので、ランプの負荷側回路での電力は消費されず、放電灯点灯装置全体での電力消費もほとんどない状態で不点灯状態を保つことができる。
【0054】
また、請求項2記載の放電灯点灯装置は、高周波電力を出力するインバータ回路と、放電灯と、該放電灯に直列接続された減流用のチョークコイルを含む負荷回路と、前記放電灯に並列接続された第1及び第2のコンデンサと、前記インバータ回路の出力周波数を決定するドライバ回路と、を有し、前記負荷回路又は放電灯がインバータ回路の出力点に接続され、前記第1のコンデンサは放電灯の一方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続され、前記第2のコンデンサは放電灯の他方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続され、前記各々のフィラメントに流れる電流を前記2つの始動コンデンサに分流するようにしたので、上記請求項1同様に安定点灯中のフィラメントでの消費する電力を低減することができる。また、片方のフィラメント断線時に不点灯状態になっても、前記チョークコイルと前記第1又は第2のコンデンサとの共振回路によって発生する電力が、放電灯の定格電力以下になるように前記第1又は第2のコンデンサの容量を設定するようにしたので、過大な電力を消費し続けるようなことはない。さらに、両フィラメント断線時に完全にランプの負荷側回路が開放状態となる回路構成としたので、上記請求項1同様にランプの負荷側回路での電力は消費されず、放電灯点灯装置全体での電力消費もほとんどない状態で不点灯状態を保つことができる。
【0055】
また、請求項3記載の放電灯点灯装置は、上記請求項2の放電灯点灯装置において、正特性(PTC)サーミスタが前記放電灯に並列接続され、該放電灯の双方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続されるようにしたので、ドライバ回路が固定周波数しか出力できない場合でも、安定点灯中のフィラメントでの消費電力を低減することができる。
【0056】
また、請求項4記載の放電灯点灯装置は、上記請求項1〜3のいずれかの放電灯点灯装置において、負特性(NTC)サーミスタが、前記第1のコンデンサ又は第2のコンデンサと前記負荷回路間にあるフィラメントに並列に接続されるようにしたので、安定点灯中のフィラメントでの消費電力をさらに低減することができる。
【0057】
また、請求項5記載の照明器具は、屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装したので、安定点灯中等のフィラメントでの消費電力の低減や両フィラメント断線時等で不要な電力を消費しない照明器具が得られる。
【0058】
また、請求項6記載の照明器具は、屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装するとともにこの放電灯点灯装置の回路基板を前記屈曲形蛍光ランプと口金との間に配設し、この回路基板の屈曲形蛍光ランプと対向する面に前記放電灯点灯装置の正特性サーミスタまたは負特性サーミスタを配置するようにしたので、温度上昇に対して抵抗値が高くなる正特性(PTC)サーミスタ、又は抵抗値が低くなる負特性(NTC)サーミスタの特性を利用して、PTCサーミスタの抵抗値をより高く、又はNTCサーミスタの抵抗値をより低くできるので、上記安定点灯中等のフィラメントでの消費電力の低減効果をより発揮することのできる照明器具が得られる。
【0059】
また、請求項7記載の照明器具は、屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装するとともにこの放電灯点灯装置の回路基板を前記屈曲形蛍光ランプと口金との間に配設し、前記回路基板の屈曲形蛍光ランプと対向する面に前記放電灯点灯装置のチョークコイルを配置するようにしたので、効率良く構成部品を収納することができ、よりコンパクト化の図れる照明器具が得られる。
【0060】
また、請求項8記載の照明器具は、屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装するとともに、該放電灯点灯装置が少なくとも1つ以上の円筒形のコンデンサを有し、この放電灯点灯装置の回路基板を前記屈曲形蛍光ランプと口金との間に配設し、前記回路基板の口金と対向する面に前記放電灯点灯装置の少なくとも1つの円筒形コンデンサを水平に配置するようにしたので、例えば電界コンデンサを2つ有するような場合に、効率良く部品を配置でき器具全体を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るドライバ回路の出力周波数と共振電圧との関係を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る放電灯点灯装置の他の回路構成を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態2における放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係るドライバ回路の出力周波数と共振電圧との関係を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係る放電灯点灯装置の他の回路構成を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態3における電球形蛍光灯の構成図である。
【図8】この発明の実施の形態3に係る回路構成を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態4における電球形蛍光灯の構成図である。
【図10】この発明の実施の形態4に係る回路構成を示す図である。
【図11】従来の放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。
【図12】従来の他の放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。
【符号の説明】
1 インバータ回路、 2 負荷回路、 3 チョークコイル、 4 直流カットコンデンサ、 5 ランプ、 6a、6b フィラメント、 7a、7b 始動コンデンサ、 8 ドライバ回路、 9n NTCサーミスタ、 9p PTCサーミスタ、 10 直流電源回路、 10a、10c、10d 平滑コンデンサ、 10b ダイオードブリッジ、 10e、10f ダイオード、 11 口金、 12a、12b AC電源用リード線、 13 カバー、 14 回路基板、 15 グローブ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、放電灯を高周波点灯する放電灯点灯装置及び該放電灯点灯装置の照明器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図11は、従来の一般的な放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。
図11において、1はインバータ回路、2はチョークコイル3と直流カットコンデンサ4の直列回路からなる負荷回路、5は放電灯(以下、ランプという)、6a及び6bは前記ランプ5のフィラメントである。7は始動用コンデンサであり、前記ランプ5に対し並列接続され、フィラメント6a及び6bを介して前記負荷回路2に接続される。8はインバータ回路1の出力周波数を決定するドライバ回路であり、本例においては出力周波数可変としている。
【0003】
次に上記のように構成された放電灯点灯装置の動作について説明する。
一般に蛍光灯を点灯する際、フィラメントに電流を流す予熱期間と、ランプに通常点灯時の3〜4倍程度の高圧を印加して放電を開始させる始動期間とを経て安定点灯に達する。図11においては、ドライバ回路8の出力周波数を初期周波数から点灯周波数まで段階的又は連続的に降下させることにより予熱期間と始動期間とを設けることができる。
予熱期間中は、前記インバータ回路1によって高周波化された電流が前記チョークコイル3→直流カットコンデンサ4→フィラメント6a→始動用コンデンサ7→フィラメント6b→インバータ回路1のループで流れる。これにより、フィラメント6a及び6bが予熱される。
また、始動期間中は、前記チョークコイル3と始動用コンデンサ7の電圧共振作用によりランプ5に高圧が印加され放電が開始し安定点灯に達する。
【0004】
そして、前記ランプ5が放電を開始した後は、ランプ5内のインピーダンスは数百Ω程度の抵抗とみなすことができ、インバータ回路1からの高周波電流のほとんどは、チョークコイル3→直流カットコンデンサ4→ランプ5内→インバータ回路1のループに流れる。しかしながら、ランプ電圧をVL、始動コンデンサ7の容量をC7、流れる電流をi7、点灯周波数に対する角速度をωとすると、i7=ω・C7・VLとなり、この電流が、チョークコイル3→直流カットコンデンサ4→フィラメント6a→始動用コンデンサ7→フィラメント6b→インバータ回路1に流れることになる。
フィラメント6a、6bの各々の抵抗値をRf、フィラメント全体の消費電力をP7とすると、P7=2・i72・Rf=2・(ω・C7・VL)2・Rfとなり、この分は明るさに寄与しない無駄な電力となる。
【0005】
上記のようなフィラメントによる電力消費を軽減するために、図12に示すようなランプ5と並列に容量値C7cの始動用コンデンサ7cと、容量値C7dの始動用コンデンサ7dを接続する構成のものが採用される場合がある。コンデンサ7cはフィラメント6a及び6bを介して負荷回路2に接続され、始動用コンデンサ7dはフィラメント6a、6bを介さずに負荷回路2に接続される。このとき、上記図11の場合と始動電圧を同じにするため、容量をC7c+C7d=C7となるように設定する。
【0006】
安定点灯中に始動用コンデンサ7cに流れる電流をi7c、ランプ電圧をVL、フィラメント6a、6bの各々の抵抗値をRf、フィラメント全体の消費電力をP7cとすると、
i7c=ω・C7c・VL
P7c=2・i7c2・Rf
となるから、角速度ω、ランプ電圧VLが上記図11の場合と等しいとすると、上記容量はC7c+C7d=C7であるので、容量C7cはC7より小さく、従って、
P7c=i7c2・Rf
=(ω・C7c・VL)2・Rf
<(ω・C7・VL)2・Rf=P7
となり、図11の場合に比べてフィラメント6a及び6bでの消費電力が軽減されることになる。これにより、損失は改善でき、回路効率を上げることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図12の構成回路においては、フィラメント断線時の動作に問題がある。特に、ここではフィラメント断線検出等による保護手段がない電球形蛍光灯に適用した場合について考える。
フィラメント6a又は6bの少なくとも1つが断線した場合、インバータ回路1が出力を開始すると、インバータ回路1→チョークコイル3→直流カットコンデンサ4→始動用コンデンサ7d→インバータ回路1に電流が流れる。チョークコイル3と始動用コンデンサ7dの共振電圧がランプ5の放電開始に十分でない場合に、ランプ5は放電できない状態のままインバータ回路1は、その共振電圧を維持する電力を出力し続け、やがて、熱的な限界から破壊する。電球形蛍光灯はランプと点灯回路が一体であるので、ランプが寿命となったら点灯回路を破壊して点灯装置の寿命とすること自体に問題はないが、上記共振電圧を維持し続けている期間は通常点灯時の数倍の電力を消費していることになり、不要な電力を消費し続けていることになる。
【0008】
また、チョークコイル3と始動用コンデンサ7dの共振電圧によってランプ5が放電開始した場合であっても、例えば、すでに両フィラメントが断線していた場合を考えた場合、両フィラメントが断線するほど寿命の進んだものを点灯維持するのは好ましい状態とは言えない。それは、寿命の進んだランプにおいてはランプ内の放電物質が枯渇に近づいているためランプ内のインピーダンスが高く、電流の多くは始動用コンデンサ7c又は7d側に流れ、チョークコイル3と始動コンデンサ7c又は7dとの共振電圧分だけインバータ回路1に負担がかかり、電力を通常以上に消費することになるからである。この場合も、最終的にはインバータ回路1の負担が限界となり回路を破壊して装置の寿命とすることになるが、破壊するまでの間、定格電力以上の電力消費を続けることになってしまう。
【0009】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、安定点灯中のフィラメントに流れる電流を低減し消費電力を低減するとともに、片方又は両方のフィラメント断線時であっても過大な電力を消費しない放電灯点灯装置及び該放電灯点灯装置の照明器具を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1記載の放電灯点灯装置は、高周波電力を出力するインバータ回路と、放電灯と、該放電灯に直列接続された減流用のチョークコイルを含む負荷回路と、前記放電灯に並列接続された第1及び第2のコンデンサと、前記インバータ回路の出力周波数を決定するドライバ回路と、を有し、前記負荷回路又は前記放電灯が前記インバータ回路の出力点に接続され、前記第1のコンデンサは前記放電灯の一方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続され、前記第2のコンデンサは前記放電灯の他方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続されるものであって、前記インバータ回路の電源投入直後における出力周波数を前記チョークコイルと前記第1又は第2のコンデンサのどちらか一方のコンデンサとの共振周波数よりも高く設定するようにしたものである。
【0011】
また、請求項2記載の放電灯点灯装置は、高周波電力を出力するインバータ回路と、放電灯と、該放電灯に直列接続された減流用のチョークコイルを含む負荷回路と、前記放電灯に並列接続された第1及び第2のコンデンサと、前記インバータ回路の出力周波数を決定するドライバ回路と、を有し、前記負荷回路又は前記放電灯が前記インバータ回路の出力点に接続され、前記第1のコンデンサは前記放電灯の一方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続され、前記第2のコンデンサは前記放電灯の他方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続されるものであって、前記チョークコイルと前記第1又は第2のコンデンサとの共振回路によって発生する電力が、前記放電灯の定格電力以下となるように前記第1又は第2のコンデンサの容量を設定するようにしたものである。
【0012】
また、請求項3記載の放電灯点灯装置は、上記請求項2の装置において、正特性サーミスタが、前記放電灯に並列接続され、該放電灯の双方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続されるようにしたものである。
【0013】
また、請求項4記載の放電灯点灯装置は、上記請求項1〜3のいずれかの装置において、負特性サーミスタが、前記第1のコンデンサ又は第2のコンデンサと前記負荷回路間にあるフィラメントに並列に接続されるようにしたものである。
【0014】
また、請求項5記載の照明器具は、屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装したものである。
【0015】
また、請求項6記載の照明器具は、屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装するとともにこの放電灯点灯装置の回路基板を前記屈曲形蛍光ランプと口金との間に配設し、この回路基板の屈曲形蛍光ランプと対向する面に前記放電灯点灯装置の正特性サーミスタまたは負特性サーミスタを配置したものである。
【0016】
また、請求項7記載の照明器具は、屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装するとともにこの放電灯点灯装置の回路基板を前記屈曲形蛍光ランプと口金との間に配設し、前記回路基板の屈曲形蛍光ランプと対向する面に前記放電灯点灯装置のチョークコイルを配置したものである。
【0017】
また、請求項8記載の照明器具は、屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装するとともに、該放電灯点灯装置が少なくとも1つ以上の円筒形のコンデンサを有し、この放電灯点灯装置の回路基板を前記屈曲形蛍光ランプと口金との間に配設し、前記回路基板の口金と対向する面に前記放電灯点灯装置の少なくとも1つの円筒形コンデンサを水平に配置したものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。尚、図1において、上記従来例図11と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
図1において、7a、7bは始動用コンデンサであり、前記始動用コンデンサ7aはフィラメント6aのみを介して前記負荷回路2に接続され、前記始動用コンデンサ7bはフィラメント6bのみを介して負荷回路2に接続される。尚、前記ドライバ回路8は従来例と同様に出力周波数可変とする。
【0019】
次に上記のように構成された放電灯点灯装置の動作について説明する。
まず予熱中は、前記インバータ回路1によって高周波化された電流が、前記チョークコイル3→直流カットコンデンサ4→フィラメント6a→始動用コンデンサ7a→インバータ回路1のループで流れることにより、フィラメント6aが予熱され、また、前記チョークコイル3→直流カットコンデンサ4→始動用コンデンサ7b→フィラメント6b→インバータ回路1のループでフィラメント6bが予熱される。そして、前記始動コンデンサ7aと7bの並列回路と前記チョークコイル3との共振電圧によって、前記ランプ5は放電を開始する。
【0020】
ここで、前記始動コンデンサ7a、7bの容量をC7a、C7bとすると、従来例図11と始動電圧の条件を等しくし、両フィラメント6a、6bに流れる電流を均等にするために、例えばC7a=C7b=1/2×C7(図11の始動コンデンサ7の容量)となるようにする。
始動コンデンサ7a、7bに流れる電流をi7a、i7bとし、ランプ電圧をVLとすると、
i7a=ω・C7a・VL
i7b=ω・C7b・VL
i7a=i7b=1/2・ω・C7・VL
となり、フィラメント6a、6bの各々の抵抗値をRfとすると、両フィラメント6a、6bで消費する電力P1は、
P1=2・(1/2・ω・C7・VL)2・Rf=1/4・P7
となり、従来例図11の場合に比べてフィラメント6a及び6bでの消費電力が1/4に軽減されることになる。これにより、損失は大幅に改善でき、回路効率を上げることができる。
【0021】
図2にドライバ回路8の出力周波数と共振電圧との関係を示す。
図中、L1及びL2はランプ5放電前の特性であり、L1は両フィラメントが断線していない場合、L2は片方のフィラメントが断線した場合を示す。また、L3はランプ5放電後の特性を示すものであり、Vigはランプ5を始動するのに必要な電圧を示すものである。
尚、ランプ5放電開始後はランプ管内を一種の導体とみなすことができ、フィラメントが断線していてもコンデンサ7a又は7bはランプ5に接続された状態と等価になり、非断線時と同様にコンデンサ7a又は7bにω・C7a・VL又はω・C7b・VLの電流が流れる。
ここで、初期周波数をf0、点灯周波数をf1、ランプ5を始動するのに必要な電圧をVigとした場合、ランプ5放電前にVigが確保され放電可能となる周波数を、両フィラメントが断線していないL1の場合はfab、片方のフィラメントが断線したL2の場合はfaとなる。
したがって、初期周波数f0>faとなるようにf0を設定すれば、片方のフィラメントが断線した場合であっても問題なく放電開始できる。
【0022】
尚、両フィラメント6a、6bが断線した状態でインバータ回路1が出力を開始した場合は、前記負荷回路2の出力端側ランプ5の負荷側回路は開放状態となり、該ランプ5の負荷側回路での電力は消費されない。
【0023】
また、前記始動コンデンサ7a、7bの容量値C7a、C7bについて、C7a≠C7bであっても上記動作によるフィラメントでの消費電力の低減効果を期待できるが、容量値C7a+C7bが決まっている場合に、フィラメント6a及び6bでの消費電力の合計値を最小にするのは、C7a=C7bのときであり、また両フィラメントを均等に予熱することなどを考慮した場合、C7a=C7bとすることが望ましい。
【0024】
また、図3にフィラメント6a、6bでの消費電力をさらに低減した場合の回路構成例を示す。尚、図3において上記図1と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。図において、9nは温度上昇に対して抵抗値が単調減少する負特性(NTC)サーミスタである。
この例においては、前記始動コンデンサ7a、7bの容量値を例えばC7a≦C7bとした場合に、前記NTCサーミスタ9nを前記フィラメント6bに並列接続するものである。前記NTCサーミスタ9nは、上述のように温度上昇に対して抵抗値が単調減少するので、始動コンデンサ7bから負荷回路2に流れる電流は、放電前等の低温時はNTCサーミスタ9nの抵抗値が大きいためフィラメント6bを経由し、安定点灯中等の高温時はNTCサーミスタ9nの抵抗値が小さくなるためNTCサーミスタ9nを経由する。これにより、安定点灯中に実質的にフィラメントで消費される電力は、フィラメント6aで消費される電力だけになり、フィラメントでの消費電力をさらに低減することができる。
尚、前記NTCサーミスタ9nの有無に関係なく、両フィラメント6a、6bが断線した状態でインバータ回路1が出力を開始した場合は、前述同様に前記負荷回路2の出力端側ランプ5の負荷側回路は開放状態となり、該ランプ5の負荷側回路での電力は消費されない。
【0025】
以上のように、本実施の形態においては始動コンデンサ7aをフィラメント6aのみを介して負荷回路2に接続し、また始動コンデンサ7bをフィラメント6bのみを介して負荷回路2に接続するようにして、前記フィラメント6a、6bに流れる電流を前記2つの始動コンデンサに分流する構成したので、安定点灯中のフィラメントでの消費する電力を低減することができる。
【0026】
また、片方のフィラメント断線時であっても確実に放電開始できるようにしたので、従来のようにフィラメント断線時のランプ不点灯状態で過大な電力を消費し続けるようなことはなく、不要な電力を消費しないようにすることができる。
さらに、両フィラメント断線時に完全に負荷回路2の出力端側ランプ5の負荷側回路が開放状態となる回路構成としたので、該ランプ5の負荷側回路での電力は消費されず、放電灯点灯装置全体での電力消費もほとんどない状態で不点灯状態を保つことができる。
【0027】
実施の形態2.
上記実施の形態1においては、ドライバ回路8の出力周波数可変とし、出力周波数の移動により予熱→始動→点灯とモードを移動させることを前提としたが、本実施の形態においてはドライバ回路8の出力周波数が固定の場合で、所定の予熱時間を設け、かつ上記実施の形態1と同様の効果を奏するようにしたものである。
【0028】
図4はこの発明の実施の形態2における放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。尚、図4において、上記実施の形態1の図1と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
9pは温度上昇に対して抵抗値が単調増加する正特性(PTC)サーミスタである。前記始動用コンデンサ7aがフィラメント6aのみを介し、また前記始動用コンデンサ7bがフィラメント6bのみを介して前記負荷回路2に接続される一方、前記PTCサーミスタ9pが両フィラメント6a、6bを介して負荷回路2に接続される。そして、前記PTCサーミスタ9pは放電開始前にフィラメント6a及び6bを十分予熱してランプ5の点滅寿命を延ばすために用いる。
【0029】
次に上記のように構成された放電灯点灯装置の動作について説明する。
電源(図示せず)投入後、前記インバータ回路1によって高周波化された電流は、負荷回路2→フィラメント6a→始動用コンデンサ7a→負荷回路2の経路(1)と、負荷回路2→始動用コンデンサ7b→フィラメント6b→負荷回路2の経路(2)と、負荷回路2→フィラメント6a→PTCサーミスタ9p→フィラメント6b→負荷回路2の経路(3)の三経路に分流される。その後PTCサーミスタ9pは温度上昇に対して抵抗値が単調増加するのでインピーダンスが高くなり、上記経路(3)に電流が流れなくなる。そして、前記始動用コンデンサ7aと7bの並列回路と前記チョークコイル3との共振電圧によって、前記ランプ5は放電を開始する。
【0030】
図5に上記経路(3)に電流が流れなくなった後のドライバ回路8の出力周波数と共振電圧との関係を示す。
図中、L1及びL2はランプ5放電前の特性であり、L1は両フィラメントが断線していない場合、L2は片方のフィラメントが断線した場合を示す。また、L3はランプ5放電後の特性を示すものである。また、Vigの定義は上記実施の形態1同様にランプ5を始動するのに必要な電圧であり、ドライバ回路8の出力周波数はf1で固定とする。また、点灯周波数f1におけるチョークコイル3と始動コンデンサ7a及び7bとの共振電圧によってランプ5が放電開始できるように容量値(C7a+C7b)を設定する。
【0031】
両フィラメントが断線していない場合、上記L1における周波数f1に対するランプ5の両端電圧はVigより高い設定としたので、ランプ5は放電開始することができる。また、片方のフィラメントが断線した場合、L2における周波数f1に対するランプ5の両端電圧はVig以下となるので、ランプ5は放電開始することはできない。ここで、片方のフィラメントが断線しランプの不点灯状態を継続する場合、チョークコイル3と始動コンデンサ7a又は7bとの共振電圧によって発生する電力が、ランプ5の定格電力以下になるように容量値C7a又はC7bを設定するものとする。
【0032】
両フィラメントが断線した状態でインバータ回路1が出力を開始した場合は、前述同様に前記負荷回路2の出力端側ランプ5の負荷側回路は開放状態となり、該ランプ5の負荷側回路での電力は消費されない。また、PTCサーミスタ9pは放電開始前にフィラメント6a及び6bを十分予熱してランプ5の点滅寿命を延ばすために用いているが、PTCサーミスタ9pがなくても上記と同様の動作を期待できる。
【0033】
尚、前記始動コンデンサ7a、7bの容量値C7a、C7bについて、C7a≠C7bであっても上記動作によるフィラメントでの消費電力の低減効果を期待できるが、容量値C7a+C7bが決まっている場合に、フィラメント6a及び6bでの消費電力の合計値を最小にするのはC7a=C7bのときであり、そして両フィラメントを均等に予熱することなどを考慮した場合、上記実施の形態1同様C7a=C7bとすることが望ましい。
【0034】
また、図6にフィラメントでの消費電力をさらに低減した場合の回路構成例を示す。尚、図6において、上記図4と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。図において、9nは温度上昇に対して抵抗値が単調減少するNTCサーミスタである。
この例においては、前記始動コンデンサ7a、7bの容量値を例えばC7a≦C7bとした場合に、前記NTCサーミスタ9nを前記フィラメント6bに並列接続するものである。NTCサーミスタ9nは、上述のように温度上昇に対して抵抗値が単調減少するので、始動コンデンサ7bから負荷回路2に流れる電流は、放電前等の低温時はNTCサーミスタ9nの抵抗値が大きいためフィラメント6bを経由し、安定点灯中等の高温時はNTCサーミスタ9nの抵抗値が小さくなるためNTCサーミスタ9nを経由する。これにより、安定点灯中に実質的にフィラメントで消費される電力は、フィラメント6aで消費される電力だけになり、フィラメントでの消費電力をさらに低減することができる。
【0035】
尚、NTCサーミスタ9nの有無に関係なく、両フィラメント6a、6bが断線した状態でインバータ回路1が出力を開始した場合は、前述同様に前記負荷回路2の出力端側ランプ5の負荷側回路は開放状態となり、該ランプ5の負荷側回路での電力は消費されない。
【0036】
以上のように、前記フィラメント6a、6bに流れる電流を2つの始動コンデンサに分流することにより、上記実施の形態1同様に安定点灯中のフィラメント6a及び6bでの消費する電力を低減することができる。また、片方のフィラメント断線時に不点灯状態になっても、装置全体での消費電力を定格電力以下となるようにしたので、過大な電力を消費し続けるようなことはない。さらに、両フィラメント断線時に完全に負荷回路2の出力端側ランプ5の負荷側回路が開放状態となる回路構成としたので、上記実施の形態1同様に該ランプ5の負荷側回路での電力は消費されず、放電灯点灯装置全体での電力消費もほとんどない状態で不点灯状態を保つことができる。
【0037】
実施の形態3.
本実施の形態においては、上記実施の形態2の放電灯点灯装置をランプ、口金、カバー及び回路基板が一体となった電球形蛍光灯に適用した場合について示す。
【0038】
図7は本実施の形態3における電球形蛍光灯の構成図を示す。
尚、図7において、上記実施の形態2の図4と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
10aは平滑コンデンサ、11は口金、12a及び12bは前記口金11の一部に取付けられ、例えば屈曲形のランプ5に電力を供給して点灯させる回路基板14に電源を供給するAC電源用リード線、13は前記口金11が設けられた筒状部を有し、該口金11に取付けられ、前記回路基板14、ランプ5及びグローブ15を固定しているカバーである。
【0039】
図8は前記回路基板14に実装される回路構成を示す。
尚、図8において、上記図7及び上記実施の形態2の図4と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
10は平滑コンデンサ10a並びにダイオードブリッジ10bからなる直流電源回路、16はノイズフィルタである。
【0040】
前記AC電源用リード線12a及び12bを通してAC電源がノイズフィルター16を介して前記直流電源回路10に供給される。直流電源回路10ではAC電源を前記ダイオードブリッジ10bで整流し、整流された直流電圧を平滑コンデンサ10aで平滑して前記インバータ回路1に供給される。そして、駆動回路8からの出力信号によって前記インバータ回路1から高周波電力が出力される。尚、インバータ回路1の出力端側の動作については、上記実施の形態2と同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0041】
そして、上記回路を構成する部品は、上記図7の回路基板14の口金11側(以下、基板上面という)と、回路基板14のランプ5側(以下、基板下面という)とに分けて配置される。本実施の形態においては、前記PTCサーミスタ9pを基板下面に配置する。
【0042】
前記PTCサーミスタ9pは温度上昇に対して抵抗値が単調増加するので、PTCサーミスタ9pをより高温となる基板下面に配置することにより、前記インバータ回路1によって高周波化され、負荷回路2→フィラメント6a→PTCサーミスタ9p→フィラメント6b→負荷回路2に流れる電流を極力低減して、余分な電力消費を最小限にとどめるようにするとともに、使用部品を効率よく収納することができる。
【0043】
尚、上記図3または図6に示した前記フィラメント6bに並列接続したNTCサーミスタ9nを用いた回路構成を、本実施の形態の図7に示す電球形蛍光灯に用いる場合に、前記NTCサーミスタ9nを基板下面に配置し、温度上昇に対して抵抗値が単調減少する特性を利用して、その抵抗値をより低くすることにより、始動コンデンサ7bから負荷回路2に流れる電流を安定点灯中等の高温時は前記NTCサーミスタ9nを経由させることによって、安定点灯中のフィラメントでの消費電力を減らすようにしても良い。
【0044】
実施の形態4.
上記実施の形態3においては、回路構成の直流電源回路10にダイオードブリッジ10bによる全波整流を用いる場合を示したが、本実施の形態においては、直流電源回路10に倍電圧整流を用いるようにしたものである。
【0045】
図9は本実施の形態4における電球形蛍光灯の構成図を示す。
尚、図9において、上記実施の形態3の図7と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
9nはNTCサーミスタ、10c、10dは例えば円筒形の平滑コンデンサである。
【0046】
図10は前記回路基板14に実装される回路構成を示す。
尚、図10において、上記図9及び上記実施の形態1で示した図3と同一または相当部分には同一符号を付し説明を省略する。
直流電源回路10は、前記平滑コンデンサ10c、10d並びにダイオード10e、10fからなる倍電圧整流回路を用いたものとなっている。
【0047】
前記AC電源用リード線12a及び12bからノイズフィルター16を介して供給されたAC電源が、前記直流電源回路10の前記ダイオード10eと平滑コンデンサ10c及び前記ダイオード10fと平滑コンデンサ10dで倍電圧整流され、前記インバータ回路1に供給される。そして、駆動回路8からの出力信号によって前記インバータ回路1から高周波電力が出力される。尚、インバータ回路1の出力端側の動作については、上記実施の形態1と同様であるので、ここでの説明を省略する。
【0048】
そして、上記回路を構成する部品は、上記図9の基板上面と基板下面とに分けて配置される。本実施の形態においては、チョークコイル3及びNTCサーミスタ9nを基板下面に配置し、また、前記平滑コンデンサ10c又は10dのどちらか一方のコンデンサ(図9では平滑コンデンサ10c)を前記回路基板14に対して水平に配置する。
【0049】
前記NTCサーミスタ9nは温度上昇に対して抵抗値が単調減少するので、NTCサーミスタ9nをより高温となる基板下面に配置し、その抵抗値をより低くすることにより、始動コンデンサ7bから負荷回路2に流れる電流を安定点灯中等の高温時は前記NTCサーミスタ9nを経由させることによって、負荷回路2→始動コンデンサ7b→フィラメント6b→負荷回路2に流れる電流を極力低減して、安定点灯中のフィラメントでの消費電力を低減させるとともに、使用部品を効率よく収納することができる。
【0050】
尚、前記NTCサーミスタ9nを基板下面に配置する際には、例えばフェライトコア及び銅線等からなる熱伝導のよい前記チョークコイル3には接触しないように配置することが望ましい。
【0051】
また、上記図4または図6に示した前記両フィラメント6a、6bを介して負荷回路2に接続したPTCサーミスタ9pを用いた回路構成を、本実施の形態の図9に示す電球形蛍光灯に用いる場合に、前記PTCサーミスタ9pを基板下面に配置して、温度上昇に対して抵抗値が単調増加する特性を利用して、その抵抗値をより高くし、負荷回路2→フィラメント6a→PTCサーミスタ9p→フィラメント6b→負荷回路2に流れる電流を極力低減して、余分な電力消費を最小限にとどめるようにしてもよい。
【0052】
また、直流電源回路に倍電圧整流回路を用いたことにより、ランプの両端電圧の高いランプに対しても十分な電力を投入することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る請求項1の放電灯点灯装置は、高周波電力を出力するインバータ回路と、放電灯と、該放電灯に直列接続された減流用のチョークコイルを含む負荷回路と、前記放電灯に並列接続された第1及び第2のコンデンサと、前記インバータ回路の出力周波数を決定するドライバ回路と、を有し、前記負荷回路又は放電灯が前記インバータ回路の出力点に接続され、前記第1のコンデンサは放電灯の一方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続され、前記第2のコンデンサは放電灯の他方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続され、前記各々のフィラメントに流れる電流を前記2つのコンデンサに分流するようにしたので、安定点灯中のフィラメントでの消費する電力を低減することができる。また、前記インバータ回路の電源投入直後における出力周波数を前記チョークコイルと第1又は第2のコンデンサのどちらか一方のコンデンサとの共振周波数よりも高く設定したので、片方のフィラメント断線時であっても確実に放電開始でき、従来のようにフィラメント断線時のランプ不点灯状態で過大な電力を消費し続けることがなく、不要な電力を消費しないようにすることができる。さらに、両フィラメント断線時に完全にランプの負荷側回路が開放状態となる回路構成としたので、ランプの負荷側回路での電力は消費されず、放電灯点灯装置全体での電力消費もほとんどない状態で不点灯状態を保つことができる。
【0054】
また、請求項2記載の放電灯点灯装置は、高周波電力を出力するインバータ回路と、放電灯と、該放電灯に直列接続された減流用のチョークコイルを含む負荷回路と、前記放電灯に並列接続された第1及び第2のコンデンサと、前記インバータ回路の出力周波数を決定するドライバ回路と、を有し、前記負荷回路又は放電灯がインバータ回路の出力点に接続され、前記第1のコンデンサは放電灯の一方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続され、前記第2のコンデンサは放電灯の他方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続され、前記各々のフィラメントに流れる電流を前記2つの始動コンデンサに分流するようにしたので、上記請求項1同様に安定点灯中のフィラメントでの消費する電力を低減することができる。また、片方のフィラメント断線時に不点灯状態になっても、前記チョークコイルと前記第1又は第2のコンデンサとの共振回路によって発生する電力が、放電灯の定格電力以下になるように前記第1又は第2のコンデンサの容量を設定するようにしたので、過大な電力を消費し続けるようなことはない。さらに、両フィラメント断線時に完全にランプの負荷側回路が開放状態となる回路構成としたので、上記請求項1同様にランプの負荷側回路での電力は消費されず、放電灯点灯装置全体での電力消費もほとんどない状態で不点灯状態を保つことができる。
【0055】
また、請求項3記載の放電灯点灯装置は、上記請求項2の放電灯点灯装置において、正特性(PTC)サーミスタが前記放電灯に並列接続され、該放電灯の双方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続されるようにしたので、ドライバ回路が固定周波数しか出力できない場合でも、安定点灯中のフィラメントでの消費電力を低減することができる。
【0056】
また、請求項4記載の放電灯点灯装置は、上記請求項1〜3のいずれかの放電灯点灯装置において、負特性(NTC)サーミスタが、前記第1のコンデンサ又は第2のコンデンサと前記負荷回路間にあるフィラメントに並列に接続されるようにしたので、安定点灯中のフィラメントでの消費電力をさらに低減することができる。
【0057】
また、請求項5記載の照明器具は、屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装したので、安定点灯中等のフィラメントでの消費電力の低減や両フィラメント断線時等で不要な電力を消費しない照明器具が得られる。
【0058】
また、請求項6記載の照明器具は、屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装するとともにこの放電灯点灯装置の回路基板を前記屈曲形蛍光ランプと口金との間に配設し、この回路基板の屈曲形蛍光ランプと対向する面に前記放電灯点灯装置の正特性サーミスタまたは負特性サーミスタを配置するようにしたので、温度上昇に対して抵抗値が高くなる正特性(PTC)サーミスタ、又は抵抗値が低くなる負特性(NTC)サーミスタの特性を利用して、PTCサーミスタの抵抗値をより高く、又はNTCサーミスタの抵抗値をより低くできるので、上記安定点灯中等のフィラメントでの消費電力の低減効果をより発揮することのできる照明器具が得られる。
【0059】
また、請求項7記載の照明器具は、屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装するとともにこの放電灯点灯装置の回路基板を前記屈曲形蛍光ランプと口金との間に配設し、前記回路基板の屈曲形蛍光ランプと対向する面に前記放電灯点灯装置のチョークコイルを配置するようにしたので、効率良く構成部品を収納することができ、よりコンパクト化の図れる照明器具が得られる。
【0060】
また、請求項8記載の照明器具は、屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装するとともに、該放電灯点灯装置が少なくとも1つ以上の円筒形のコンデンサを有し、この放電灯点灯装置の回路基板を前記屈曲形蛍光ランプと口金との間に配設し、前記回路基板の口金と対向する面に前記放電灯点灯装置の少なくとも1つの円筒形コンデンサを水平に配置するようにしたので、例えば電界コンデンサを2つ有するような場合に、効率良く部品を配置でき器具全体を小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るドライバ回路の出力周波数と共振電圧との関係を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る放電灯点灯装置の他の回路構成を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態2における放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2に係るドライバ回路の出力周波数と共振電圧との関係を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態2に係る放電灯点灯装置の他の回路構成を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態3における電球形蛍光灯の構成図である。
【図8】この発明の実施の形態3に係る回路構成を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態4における電球形蛍光灯の構成図である。
【図10】この発明の実施の形態4に係る回路構成を示す図である。
【図11】従来の放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。
【図12】従来の他の放電灯点灯装置の回路構成を示す図である。
【符号の説明】
1 インバータ回路、 2 負荷回路、 3 チョークコイル、 4 直流カットコンデンサ、 5 ランプ、 6a、6b フィラメント、 7a、7b 始動コンデンサ、 8 ドライバ回路、 9n NTCサーミスタ、 9p PTCサーミスタ、 10 直流電源回路、 10a、10c、10d 平滑コンデンサ、 10b ダイオードブリッジ、 10e、10f ダイオード、 11 口金、 12a、12b AC電源用リード線、 13 カバー、 14 回路基板、 15 グローブ。
Claims (8)
- 高周波電力を出力するインバータ回路と、放電灯と、該放電灯に直列接続された減流用のチョークコイルを含む負荷回路と、前記放電灯に並列接続された第1及び第2のコンデンサと、前記インバータ回路の出力周波数を決定するドライバ回路と、を有し、前記負荷回路又は前記放電灯が前記インバータ回路の出力点に接続され、前記第1のコンデンサは前記放電灯の一方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続され、前記第2のコンデンサは前記放電灯の他方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続されるものであって、前記インバータ回路の電源投入直後における出力周波数を前記チョークコイルと前記第1又は第2のコンデンサのどちらか一方のコンデンサとの共振周波数よりも高く設定したことを特徴とする放電灯点灯装置。
- 高周波電力を出力するインバータ回路と、放電灯と、該放電灯に直列接続された減流用のチョークコイルを含む負荷回路と、前記放電灯に並列接続された第1及び第2のコンデンサと、前記インバータ回路の出力周波数を決定するドライバ回路と、を有し、前記負荷回路又は前記放電灯が前記インバータ回路の出力点に接続され、前記第1のコンデンサは前記放電灯の一方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続され、前記第2のコンデンサは前記放電灯の他方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続されるものであって、前記チョークコイルと前記第1又は第2のコンデンサとの共振回路によって発生する電力が、前記放電灯の定格電力以下となるように前記第1又は第2のコンデンサの容量を設定したことを特徴とする放電灯点灯装置。
- 正特性サーミスタが、前記放電灯に並列接続され、該放電灯の双方のフィラメントを介して前記負荷回路に接続されたことを特徴とする請求項2記載の放電灯点灯装置。
- 負特性サーミスタが、前記第1のコンデンサ又は第2のコンデンサと前記負荷回路間にあるフィラメントに並列に接続されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
- 屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装したことを特徴とする照明器具。
- 屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装するとともにこの放電灯点灯装置の回路基板を前記屈曲形蛍光ランプと口金との間に配設し、この回路基板の屈曲形蛍光ランプと対向する面に前記放電灯点灯装置の正特性サーミスタまたは負特性サーミスタを配置したことを特徴とする照明器具。
- 屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装するとともにこの放電灯点灯装置の回路基板を前記屈曲形蛍光ランプと口金との間に配設し、前記回路基板の屈曲形蛍光ランプと対向する面に前記放電灯点灯装置のチョークコイルを配置したことを特徴とする照明器具。
- 屈曲形蛍光ランプを内蔵したグローブと口金とを有する電球形蛍光ランプを具備し、この電球形蛍光ランプに請求項1〜4のいずれかに記載の放電灯点灯装置を内装するとともに、該放電灯点灯装置が少なくとも1つ以上の円筒形のコンデンサを有し、この放電灯点灯装置の回路基板を前記屈曲形蛍光ランプと口金との間に配設し、前記回路基板の口金と対向する面に前記放電灯点灯装置の少なくとも1つの円筒形コンデンサを水平に配置したことを特徴とする照明器具。
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