JP2004030846A - ヘッド支持装置およびこれを用いたディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヘッドに対して充分な付勢力の印加と、ヘッドを支持する領域部では高い柔軟性を保持させることが可能で、しかも薄型で耐衝撃性の大きなヘッド支持装置およびこれを用いたディスク装置を提供する。
【解決手段】ディスク12に記録と再生の少なくとも一方を行うヘッドと、このヘッドを搭載したスライダ1と、一方の端部のディスク12に対向する面側にスライダ1が取り付けられ、ディスク12の半径方向と垂直方向に回動自在に軸受部10で軸支された支持アーム2と、ディスク12方向へ支持アーム2を付勢するための付勢力を付与する弾性手段と、支持アーム2がディスク12表面に垂直な方向に回動することを規制する規制手段70とを具備する構成を有する。
【選択図】 図3
【解決手段】ディスク12に記録と再生の少なくとも一方を行うヘッドと、このヘッドを搭載したスライダ1と、一方の端部のディスク12に対向する面側にスライダ1が取り付けられ、ディスク12の半径方向と垂直方向に回動自在に軸受部10で軸支された支持アーム2と、ディスク12方向へ支持アーム2を付勢するための付勢力を付与する弾性手段と、支持アーム2がディスク12表面に垂直な方向に回動することを規制する規制手段70とを具備する構成を有する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ヘッド、光ヘッド、または光磁気ヘッド等の浮上型ヘッドを用いてディスク状記録媒体(以下、ディスクとよぶ)に記録再生を行うためのヘッド支持装置およびこれを用いたディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
浮上型のヘッドを用いた従来のヘッド支持装置の例として、ハードディスク装置等の磁気記録再生装置の場合について、図面を用いて説明する。
【0003】
図10は、従来の磁気記録再生装置において、ヘッド支持装置とディスクとの関係を示す平面図である。図11は、ヘッド支持装置の磁気ヘッドの設けられた部分を説明するための斜視図である。ヘッド支持装置108は、比較的剛性の低いサスペンション102、スライダ101に付勢力を付与するための板バネ部103、比較的剛性の高い支持アーム104、サスペンション102の一方の端部であってディスク107に対向する面に設けられたスライダ101、このスライダ101に搭載されたヘッド(図示せず)、および支持アーム104をディスク107の半径方向に回動させるための軸受部105から構成されている。サスペンション102は比較的剛性が低く設計されており、その他方の端部にはスライダ101をディスク107方向に付勢力を与える板バネ部103があり、この板バネ部103は支持アーム104に接続されている。
【0004】
ディスク107は回転駆動手段109によって所定の回転速度で回転する。磁気記録再生装置の記録再生時には、ディスク107の回転に伴い生じる空気流による浮揚力と、スライダ101をディスク107表面側へ付勢する付勢力との力の釣り合いにより、スライダ101は一定の浮上量で浮上し、ヘッドはこの一定の浮上状態で記録再生を行う。なお、ディスク107面側へスライダ101を付勢する力は、ヘッド支持装置108の板バネ部103により主として加えられる。
【0005】
すなわち、記録再生時には、ヘッド支持装置108は、回動駆動手段106により軸受部105を中心として回動し、スライダ101に搭載されたヘッドがディスク107表面から所定の浮上量で浮上した状態で所定のトラックに位置決めされて、記録再生が行われる。
【0006】
なお、図10に示した磁気記録再生装置は一般にコンタクト・スタート・ストップ方式(以下、CSS方式とよぶ)とよばれる磁気記録再生装置である。ディスク107の回転が停止しているときには、スライダ101がディスク107表面に接触しており、記録再生時にはスライダ101がディスク107表面から浮上する方式である。このようなCSS方式においては、ディスク107の記録可能な領域は図10に示す円環状のA領域であり、中心側の円環状のB領域はディスク107の回転停止時にスライダ101を退避させておく領域である。ディスク107の回転が停止する際には、まずスライダ101を浮上させたままB領域に移動させる。そして、ディスク107の回転を低下させていくと、それによってディスク107とスライダ101との間の空気流が減少して浮揚力が低下し、最終的にはスライダ101がディスク107表面に接触した状態で停止する。
【0007】
このため、CSS方式においては、ディスク107のA領域の表面に比べてB領域の表面の粗さを大きくして、ディスク107の回転停止時にスライダ101がディスク107表面に吸着することを防止している。吸着が生じると、起動時にディスク107を機械的、磁気的に損傷してしまう場合があり、これを防ぐためである。
【0008】
このような吸着を防ぐ方法として、ディスクの回転停止時にスライダをディスク面上から退避させて、別の場所で保持する方式としてロード・アンロード方式(以下、L/UL方式とよぶ)がある。図12は、このL/UL方式の磁気記録再生装置の概略斜視図である。なお、図10と同じ要素については同一符号を付している。ディスク112の回転停止時には、ヘッド支持装置108が軸受部105を中心にして回動し、ディスク112の外側に設けられているランプ部材180のテーパ部180a上にサスペンション102が乗り上げて、スライダ101をディスク112表面から退避させる。これにより、ディスク112全面が平滑面であっても、スライダ101がディスク112に吸着することがなくなる。
【0009】
これらのヘッド支持装置においては、スライダに対して所定の荷重をディスク方向へ付勢する付勢力を主として板バネ部で印加し、サスペンションは柔軟性を有する構成としてある。これは、ディスクへの記録再生時にディスクの上下動が生じても、スライダを安定に浮上させてヘッドがディスクの所定のトラック位置からずれる、いわゆるオフトラックを防止するとともに、ディスクの上下動に対しても充分に追従できるようにするためである。したがって、スライダをディスク表面方向に付勢するために必要な付勢力を板バネ部により確実に確保することが要求される。また、スライダの浮上量には製造バラツキが生じるので、これによりスライダのディスク表面方向への付勢力が変動することを防ぐことも必要とされる。このために、サスペンションに切り欠き部を設ける構成や薄板構造とすることで剛性を下げるとともにバネ定数も小さくして、ヘッド支持装置にある程度の柔軟性を与えて付勢力の変動を吸収することがなされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、サスペンションを薄板構造にすると、主共振点の周波数、いわゆる共振周波数が低くなる。この結果、所定のトラックへ位置決めするためにヘッド支持機構が回動動作をする場合に、ねじれ等の振動モードが発生する。この振動モードをセトリング(整定)するためにはある程度の時間を要するため、結果としてアクセス時間を短くできなくなる。
【0011】
さらに、従来のヘッド支持機構においては、その重心は板バネ部よりもヘッドが取り付けられている部位に近いところに位置している。このため、磁気記録再生装置に外部からの強い衝撃等が加わった場合、スライダ部分ではディスクの回転によって発生する空気流による浮揚力と、スライダをディスク側へ付勢する付勢力とのバランスが崩れ、スライダがディスク表面から跳躍するような現象が発生しやすい。このような跳躍が生じると、スライダがディスクに衝突して、ディスクが磁気的または機械的損傷を生じる場合がある。このような課題は、上述した磁気記録再生装置だけでなく、浮上型のヘッドを有するディスク装置、例えば光ディスク装置や光磁気ディスク装置等においても同様である。
【0012】
さらにまた、ディスク装置の小型化、特に薄型化を達成するためには、ヘッド支持装置の薄型化も要求される。
【0013】
本発明は、これらの課題を解決するためになされたもので、ヘッドに対して充分な付勢力の印加と、ヘッドを支持する領域部では高い柔軟性を保持させることが可能で、しかも薄型で耐衝撃性の大きなヘッド支持装置およびこれを用いたディスク装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のヘッド支持装置は、ディスクに記録と再生の少なくとも一方を行うヘッドと、このヘッドを搭載したスライダと、一方の端部のディスクに対向する面側にスライダが取り付けられて、ディスクの半径方向と垂直方向に回動自在に軸受部で軸支された支持アームと、ディスク方向へ支持アームを付勢するための付勢力を付与する弾性手段と、支持アームがディスク表面に垂直な方向に回動することを規制する規制手段とを具備する構成を有する。
【0015】
この構成により、剛性を必要とする部分と弾性を必要とする部分とをそれぞれ別の部材で作製することができる。すなわち、支持アーム部分を高剛性部材で形成し、弾性手段はまったく別の部材で作製することが可能となるので、スライダへの付勢力を任意に調節することができる。したがって、外部から衝撃力が作用してもヘッドやディスクに損傷が生じにくくでき、大きな耐衝撃性を有するようにできる。また、支持アーム部分を高剛性部材とすることで、その共振周波数を高くすることができ、高応答特性と高速アクセスが可能なヘッド支持装置が実現できる。さらに、支持アームがディスクの表面に対して垂直な方向に回動することを規制する規制手段を設けているので、ディスクの表面から離間する方向にスライダに対して回転衝撃が作用しても、支持アームが規制部材によって回動範囲を規制されるためスライダの跳躍が生じることを防止できる。この結果、耐衝撃性の非常に大きなヘッド支持装置が得られる。
【0016】
また、本発明のヘッド支持装置は、ヘッド支持装置が筐体部に固定され、規制手段が支持アームの他方の端部側に取り付けられた第1の規制部材と筐体部に固定された第2の規制部材とから構成され、第1の規制部材が第2の規制部材に当接することにより支持アームの垂直方向の回動が規制される構成を有する。この構成により、ディスク表面上で支持アームが回動する範囲では確実に規制手段を作動させることができ、しかも簡単な構成で規制手段を実現できる。
【0017】
また、本発明のヘッド支持装置は、支持アームがディスクの半径方向に回動してスライダがディスク表面から離間する位置において、規制手段が支持アームの垂直方向の回動規制を解除する構成を有する。この構成により、スライダがディスク表面から離間する位置において、支持アームが所定の量だけ記録面に対して垂直方向に回動可能となる。したがって、ディスクの回転が停止するときにヘッドをディスク表面から離間した状態で保持することができる。この結果、スライダがディスク表面に吸着することを防止できる。なお、スライダがディスク表面から離間する位置としては、ある程度の幅を持たせることができる。
【0018】
また、本発明のヘッド支持装置は、支持アームがディスクの半径方向に回動してディスク表面からスライダを離間させる位置において、スライダを間接的に係合してディスクからスライダを離間させる係合手段を支持アームがさらに有し、支持アームがスライダに間接的に係合する距離よりも、規制手段の第1の規制部材が第2の規制部材に当接するまでの距離を小さくした構成を有する。
【0019】
この構成により、外部から回転衝撃が作用した場合には、先に第1の規制部材が第2の規制部材に当接するため、支持アームが、例えばフレクシャーを介してスライダに係合することを防ぐことができるので、スライダが跳躍することがなくなり、耐衝撃性に優れたヘッド支持装置が得られる。なお、スライダがディスク表面から離間する位置としては、ある程度の幅を持たせることができる。
【0020】
また、本発明のヘッド支持装置は、規制手段が軸受部に設けた規制部に支持アームが当接することにより支持アームの回動を規制する構成を有する。この構成により、別に規制部材を設けることなく支持アームの回動を規制する規制手段を構成することができる。さらに、このような構成とすれば、ディスクの外周側でスライダを退避させるべきランプ部材を設けなくてもスライダをディスクから離間させておくことができる。したがって、簡易な構成で、小型、薄形で、高い耐衝撃性を有し、可搬性に優れ、高速アクセスが可能なヘッド支持装置が実現できる。
【0021】
また、本発明のヘッド支持装置は、弾性手段が軸受部と支持アームとの間に設けられた板バネ部である構成を有する。この構成により、支持アームを高剛性部材で形成し、板バネ部によりスライダをディスク表面方向に付勢する付勢力を与える構成が可能である。したがって、支持アームの主共振周波数を高くすることが簡単に実現できる。
【0022】
また、本発明のヘッド支持装置は、軸受部が支持アームをディスクの半径方向に回動自在に軸支する回動軸受と、ディスク表面と平行な支持アームの表面に接するように一対の頂部を有するピボット軸受とから構成され、ピボット軸受の頂部と支持アームとが当接する点を支点として、支持アームがディスク表面に対して垂直方向に回動可能で、かつ支持アームをディスクの半径方向に回動可能な構成を有する。
【0023】
この構成により、支持アームをディスクの半径方向に回動させる回動軸受と、ディスク表面に垂直方向に回動させるピボット軸受とが一体となった軸受部を構成するので、小型で薄型の軸受部が実現できる。
【0024】
また、本発明のヘッド支持装置は、回動軸受の軸方向と支持アームの長手方向に対して垂直で、かつ、回動軸受の回動中心を通る線上で、ピボット軸受の一対の頂部が支持アームと当接する構成を有する。この構成により、支持アームのディスク表面に垂直方向に回動するピボット軸受の軸の中心が回動軸受の回動中心線上に位置するので、支持アームを含む弾性部材で保持される部材の長さ方向の重量バランスをよくすることができ、衝撃力が作用しても回転モーメントが作用しないようにできる。
【0025】
また、本発明のヘッド支持装置は、ピボット軸受の一対の頂部が支持アームの長手方向の中心線に関して対称な位置に設けられた構成からなる。この構成により、支持アームは回動軸受の回動中心線に対して対称となるので、支持アームを含む弾性部材で保持される部材の幅方向の重量バランスをよくすることができ、衝撃力が作用しても回転モーメントが作用しないようにできる。
【0026】
また、本発明のヘッド支持装置は、スライダをロール方向およびピッチ方向の動作を許容するジンバル機構を介して、スライダが支持アームの一方の端部のディスクに対向する面側に取り付けられている構成を有する。この構成により、支持アームを高剛性部材で作製しながら、スライダはジンバル機構によりディスク表面に対して確実に追従することができる。
【0027】
また、本発明のヘッド支持装置は、支持アームを含む弾性手段に保持された部材の重心位置が支持アームをディスクの半径方向に回動させる軸の中心線とディスク表面に対して垂直方向に回動させる軸の中心線との交点に一致する構成を有する。この構成により、支持アームを含む弾性部材で保持された部材の重心が回動軸受とピボット軸受のそれぞれの中心に一致するので、衝撃力が作用しても弾性部材で保持された部材には回転モーメントが作用しない。この結果、耐衝撃性をさらに向上できる。
【0028】
また、本発明のヘッド支持装置は、支持アームをディスクの半径方向に回動させる回動手段としてボイスコイルモータを用いる構成を有する。この構成により、より高速の回動動作が可能となる。
【0029】
また、本発明のヘッド支持装置は、第1の規制部材が支持アームの他方の端部側に取り付けられたコイルからなる構成を有する。この構成により、支持アームを回動させる回動駆動手段の一部であるコイルを第1の規制部材とすることができるので、装置設計の自由度が増し、比較的簡単な構成で支持アームの垂直方向の回動を規制することができる。
【0030】
また、本発明のディスク装置は、回転自在に軸支されたディスクと、ディスクを回転させる回転駆動手段と、ディスクに記録と再生の少なくとも一方を行うヘッドと、ヘッドを搭載したスライダと、ディスクの半径方向と垂直方向に回動自在に軸受部で軸支され、一方の端部のディスクに対向する面側にスライダが取り付けられた支持アームと、ディスク方向へ支持アームを付勢するための付勢力を付与する弾性手段と、ディスク表面に垂直な方向の回動を支持アームに対して規制する規制手段とを具備するヘッド支持装置と、支持アームをディスクの半径方向に回動させる回動駆動手段と、これらを所定の位置関係に保持する筐体部とからなる構成を有する。
【0031】
この構成により、支持アーム部分を高剛性部材で作製し、弾性部材の材料と厚さの最適な選択により弾性手段のスライダへの付勢力を任意に調節することができる。また、支持アーム部分の共振周波数を高くすることができる。さらに、支持アームがディスク表面に垂直方向の回動することを規制する規制手段を設けることで、スライダがディスクから離間する方向に回転衝撃が作用してもスライダの跳躍が回避できる。したがって、耐衝撃性に優れ、高応答特性と高速アクセスが可能なディスク装置を実現できる。
【0032】
また、本発明のディスク装置は、規制手段が支持アームの他方の端部側に取り付けられた第1の規制部材と筐体部に固定された第2の規制部材とから構成され、第1の規制部材が第2の規制部材に当接することにより支持アームの垂直方向の回動が規制される構成を有する。この構成により、ディスク表面上で支持アームが回動する範囲では確実に規制手段を作動させることができ、しかも簡単な規制手段構成からなるディスク装置を実現できる。
【0033】
また、本発明のディスク装置は、回動駆動手段がボイスコイルモータである構成を有する。この構成により、より高速の回動動作が可能となる。
【0034】
また、本発明のディスク装置は、規制手段の第1の規制部材をコイルとした構成を有する。この構成により、新たに第1の規制手段を設ける必要がなくなり、装置構成を簡略化できる。
【0035】
また、本発明のディスク装置は、支持アームがディスクの半径方向に回動してスライダがディスク表面から離間する位置において、規制手段が支持アームの垂直方向の回動規制を解除する構成を有する。この構成により、ディスクからスライダが離間する位置で支持アームのディスク表面に対する垂直方向の回動規制が解除されるので、支持アームが所定の量だけ記録面に対して垂直方向に回動可能となる。したがって、ディスクの回転が停止しているときにスライダをディスク表面から離間した状態で保持することができる。この結果、スライダがディスク表面に吸着することを防止でき、簡易な構造で、小型、薄型で、しかも耐衝撃性に優れたディスク装置が得られる。なお、スライダがディスク表面から離間する位置としては、ある程度の幅を持たせることができる。
【0036】
また、本発明のディスク装置は、支持アームがディスクの半径方向に回動してディスク表面からスライダを離間させる位置において、スライダを間接的に係合してディスクからスライダを離間させる係合手段を支持アームがさらに有し、支持アームがスライダに間接的に係合する距離よりも規制手段の第1の規制部材が第2の規制部材に当接するまでの距離を小さくした構成を有する。
【0037】
この構成により、外部から回転衝撃が作用した場合に、第1の規制部材が第2の規制部材に先に当接するため、支持アームが、例えばフレクシャーを介してスライダを係合するような場合でもスライダを跳躍させてしまうことを回避でき、耐衝撃性に優れたディスク装置が得られる。なお、スライダがディスク表面から離間する位置としては、ある程度の幅を持たせることができる。
【0038】
また、本発明のディスク装置は、規制手段が軸受部に設けた規制部に支持アームが当接することにより支持アームの回動を規制する構成を有する。この構成により、新たに規制部材を設けることなく支持アームの回動を規制する規制手段を構成することができる。さらに、ディスクからスライダを退避させるランプ部材を特に設ける必要がないので、簡易な構成で、小型、薄形で、高い耐衝撃性を有し、可搬性に優れ、高速アクセスが可能なディスク装置が可能となる。
【0039】
また、本発明のディスク装置は、弾性手段が軸受部と支持アームとの間に設けられた板バネ部である構成を有する。この構成により、全体として非常に薄型のディスク装置が可能となる。
【0040】
また、本発明のディスク装置は、軸受部が支持アームをディスクの半径方向に回動自在に軸支する回動軸受と、ディスク表面と平行な支持アームの表面に接するように一対の頂部を有するピボット軸受とから構成され、ピボット軸受の頂部と支持アームとが当接する点を支点として支持アームがディスク表面に対して垂直方向に回動可能な構成を有する。この構成により、簡易な構成で回転中心を正確に定めることができるので、ヘッドの位置決め制御をより正確に行うことが可能となる。
【0041】
また、本発明のディスク装置は、回動軸受の軸方向と支持アームの長手方向に対して垂直方向で、かつ、回動軸受の回動中心を通る線上で、ピボット軸受の一対の頂部が支持アームと当接する構成を有する。この構成により、支持アームの長手方向の重量バランスをよくすることができ、耐衝撃性をさらに向上可能なディスク装置が実現できる。
【0042】
また、本発明のディスク装置は、ピボット軸受の一対の頂部が支持アームの長手方向の中心線に関して対称な位置に設けられた構成を有する。この構成により、支持アームの幅方向の重量バランスをよくすることができ、耐衝撃性をさらに向上可能なディスク装置が実現できる。
【0043】
また、本発明のディスク装置は、スライダをロール方向およびピッチ方向の動作を許容するジンバル機構を介して、スライダが支持アームの一方の端部のディスクに対向する面側に取り付けられている構成を有する。この構成により、ディスク装置の記録再生時に、スライダがディスク表面に対してロール方向やピッチ方向に傾いてもジンバル機構によって傾きを吸収して、ディスク表面上を安定して浮上させることができる。
【0044】
また、本発明のディスク装置は、弾性手段に保持された部分の重心位置が支持アームをディスクの半径方向に回動させる軸の中心線とディスク表面に対して垂直方向に回動させる軸の中心線との交点に一致する構成を有する。この構成により、外部からの衝撃が作用しても、支持アームの不要な振動を最小限に押さえることができる。したがって、モバイル用途等で衝撃を受けやすい装置にもディスク装置を組み込むことが可能となる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0046】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態のヘッド支持装置9を用いたディスク装置23の構成を示す平面図である。また、図2は、図1に示すディスク装置23の主要部の斜視図である。ディスク装置23は、ヘッド支持装置9、ディスク12、回転駆動手段25、回動駆動手段24、ランプ部材18、およびこれらを所定の位置関係に保持して格納する筐体部15を含んで構成されている。
【0047】
ヘッド支持装置9は、ヘッド(図示せず)が搭載されたスライダ1、スライダ1が取り付けられた支持アーム2、コイル3が取り付けられたコイルホルダー8、支持アーム2とコイルホルダー8とを軸支する軸受部10、および規制手段70により構成される。スライダ1が取り付けられている支持アーム2の一方の端部の先端部には、ガイド部2aが設けられている。ディスク12の回転を停止する場合には、回動駆動手段24を駆動させて支持アーム2がランプ部材18方向に回動し、ガイド部2aがこのランプ部材18に乗り上げて、スライダ1がディスク12から離間した状態で保持される。すなわち、このディスク装置23は、ディスク12の回転停止時にスライダ1をディスク12表面上から退避させて保持するL/UL方式の構成である。
【0048】
次に、図3から図5を用いて、第1の実施の形態のヘッド支持装置9の構成について詳細に説明する。図3は、図1における線分AAに沿った断面図であり、図4は軸受部10近傍の要部側面図であり、図5は、ヘッド支持装置9の分解斜視図である。なお、図1および図2と同一要素については、同一符号を付している。
【0049】
図5に示すように、支持アーム2は一体成形されており、その一方の先端部にはガイド部2aが設けられている。また、支持アーム2には、フレクシャー6を介してディスク12に対向する面にヘッド(図示せず)を搭載したスライダ1が取り付けられている。このフレクシャー6には、ヘッドとヘッドアンプ(図示せず)間の電気信号を伝送するための電気配線基板が一体的に形成されている。また、フレクシャー6には、ジンバル機構6aが形成されている。このジンバル機構6a上にスライダ1が固着されており、ディンプル2cを介してスライダ1をロール、ピッチ方向に傾動可能に支持している。これにより、ディスク装置23で記録再生を行うときに、スライダ1がディスク12表面に対してローリングやピッチング等を生じても安定に浮上させることができる。なお、フレクシャー6は支持アーム2に複数の個所で、例えばレーザ溶接して固着されている。
【0050】
コイルホルダー8にはコイル3が装着されており、支持アーム2とコイルホルダー8とは軸受部10に軸支されて、軸受部10を中心としてディスク12の半径方向に回動自在である。また、図3に示すように、コイルホルダー8に装着されたコイル3、ディスク装置23の筐体部15に固定されたマグネット20、上ヨーク19および下ヨーク21で回動駆動手段24であるボイスコイルモータ(以下、VCMとよぶ)を構成している。このVCM24を駆動することにより、支持アーム2は軸受部10を中心としてディスク12の半径方向の所定の角度範囲において回動自在に作動することができる。また、コイルホルダー8には、VCM24よりもさらに外周側に第1の規制部材である突起部8a、8bが、第2の規制部材7に対向する位置に形成されており、これらで規制手段70を構成している。なお、第1の規制部材である突起部8a、8bと第2の規制部材7との間隔は、図3に示すように所定の間隙Y、Y’を有して形成されている。
【0051】
図5を用いて、これらの構成に突いて説明する。比較的剛性の大きな支持アーム2、フレクシャー6、フレクシャー6に固着されたスライダ1、支持アーム2のディスク12面に対向する側に固着された略環状の板バネ部4、この板バネ部4が固着された半円環形状のバネ固定部材5、および支持アーム2に固着されたコイルホルダー8が、一対の頂部11a、11bを有するピボット軸受11とカラー26とともに、回動軸受10aとナット27とによって挟持されて、ヘッド支持装置9が構成される。
【0052】
なお、一対の頂部11a、11bは、回動軸受10aの軸中心線E−Eに対して垂直方向で、かつ、支持アーム2の長手方向の中心線F−Fに対しても垂直で、しかもこの中心線F−Fに対して対称となる位置に形成されている。また、この頂部11a、11bは支持アーム2の面に当接するように形成されている。図3および図4からわかるように、一対の頂部11a、11bを有するピボット軸受11に、支持アーム2は板バネ部4を介して弾性的に保持された構成となる。したがって、支持アーム2はピボット軸受11の頂部11a、11bを支点として、ディスク12に対して垂直方向に回動可能である。
【0053】
ディスク12は回転駆動手段25であるスピンドルモータによって回転駆動される。ディスク装置23の記録または再生を行うときには、ディスク12の回転により発生する空気流による浮揚力と、スライダ1をディスク12側へ付勢するヘッド支持装置9の付勢力との釣り合いにより、スライダ1に搭載されたヘッドはディスク12に対して所定の浮上量を得て記録または再生を行う。この場合、スライダ1にはディスク12方向に所定の付勢力が印加される。この付勢力はヘッド支持装置9に設けられた弾性手段である板バネ部4によって付与される。
【0054】
また、規制手段70である第2の規制部材7は、第1の規制部材である突起部8a、8bに対向するように筐体部15に固定されている。この第2の規制部材7によって、支持アーム2はディスク12表面に垂直方向の回動する距離が規制される。この第2の規制部材7は、スライダ1がディスク12面上を所定の浮上量で浮上してヘッドにより記録再生動作を行っているときのみ、第1の規制部材である突起部8a、8bに対してY、Y’の距離を有して対向している。一方、支持アーム2のガイド部2aがランプ部材18上に乗り上げる位置では、第1の規制部材である突起部8a、8bとは対向しない位置関係となるように配設されている。ガイド部2aがランプ部材18上に乗り上げて、第1の規制部材である突起部8bが第2の規制部材7と対向しない状態を図6に示す。
【0055】
さらに、支持アーム2は、アンロード動作のときにランプ部材18上に乗り上げるガイド部2aと、フレクシャー6に係合することによってスライダ1をディスク12から離間させるための係合部2bとを有している。これを図7に示す。アンロード動作時にガイド部2aがランプ部材18に乗り上げるときに、係合部2bはフレクシャー6のジンバル機構6aに固着されたスライダ1をフレクシャー6を介して持ち上げる作用をする。本実施の形態のヘッド支持装置9においては図3に示すように、係合部2bがフレクシャー6に当接するまでの距離をXとし、第1の規制部材である突起部8aが第2の規制部材7に当接するまでの距離をYとしたとき、XよりもYが小さくなるように設計されている。このようにすることにより、ディスク12からスライダ1が離間する方向に外力が加わる際、フレクシャー6に係合部2bが係合するより先に突起部8aが第2の規制部材7に当接する。したがって、係合部2bがスライダ1をディスク12から離間させてしまうことを回避できる。また、第1の規制部材である突起部8bが第2の規制部材7に当接するまでの距離であるY’は、上記の外力による反動を抑制するために設けており、距離Yと略等しく設定している。
【0056】
なお、ディスク12の回転、停止、および支持アーム2の回動は全て、図示していない制御手段によって制御されている。
【0057】
ここで各部材について説明する。まず本実施の形態において、支持アーム2は金属、例えばステンレス鋼(SUS304)にて一体に形成されている。支持アーム2の形成にはエッチング法またはプレス加工法を用いることもできる。
【0058】
次に、板バネ部4は金属、例えばステンレス鋼(SUS304)にて形成されている。この形成はエッチング法、もしくはプレス加工法を用いて加工、成形を行うことができる。
【0059】
また、コイルホルダー8は金属、例えばAl、または樹脂材料、例えばPPS(ポリフェニルサルファイド)もしくはLCP(液晶ポリマー)を用いることができる。形成方法としては、Alの場合はダイカスト法またはプレス加工法を用い、PPSやLCPの場合には公知の樹脂成形方法にて行うことができる。
【0060】
また、上ヨーク19、下ヨーク21は、SECC等の軟磁性材料が使用でき、プレス加工法を用いて加工、成形を行うことができる。
【0061】
また、ランプ部材18は摺動性のよい樹脂、例えば、LCPや、PPS等を用いることができる。
【0062】
また、マグネット20は、ネオジウム・鉄・ボロン系の希土類磁石を用いることができるが、特にこの材料に限定されることはない。
【0063】
また、各部材間の接続については、スポット溶接法、超音波溶接法、レーザ溶接法等の公知の方法で行うことができる。なお、本発明においては、各部材の製造方法、または各部材間の接続方法について、何ら限定するものではない。
【0064】
次に、本発明のディスク装置におけるその動作について、図1、図2を用いて説明する。
【0065】
ロード動作時には、図示していない制御手段からの指令により回転駆動手段25が駆動してディスク12が回転する。同時に、ランプ部材18に保持されていた支持アーム2が回動駆動手段24の駆動により反時計方向に回動する。ヘッドがロードされた状態においては、ディスク12の回転により発生する空気流による浮揚力と、スライダ1をディスク12側へ付勢するヘッド支持装置9の付勢力との釣り合いにより、スライダ1に搭載されたヘッドは、ディスク12に対して一定の浮上量を得て記録または再生を行う。この場合、スライダ1にはディスク12方向に所定の付勢力が印加される。この付勢力はヘッド支持装置9に設けられた弾性手段である板バネ部4によって付与される。また、スライダ1がディスク12上を浮上する領域においては、コイルホルダー8に設けた第1の規制部材である突起部8a、8bが第2の規制部材7と間隙Y、Y’を介して対向するため、ディスク12の記録面に垂直な方向に回動する距離が規制される。このように回動する距離を規制することで、外部から衝撃が作用してもスライダ1の跳躍をほぼ抑制可能である。
【0066】
一方、アンロード動作時には、支持アーム2がディスク12の外側に向かって回動して、支持アーム2の先端に設けられたガイド部2aがランプ部材18上に乗り上げて保持され、ディスク12の回転も停止する。このとき図6に示すように、ディスク12からスライダ1が離間する位置で、コイルホルダー8に設けた第1の規制部材である突起部8aが第2の規制部材7に対向しなくなる。これにより、支持アーム2は、ディスク12の記録面に垂直方向に回動する規制が解除されて、所定の量だけ回動可能となる。したがって、ディスク12の停止時にヘッドをディスク12から離間した状態で保持することができる。
【0067】
以上のように、本発明のヘッド支持装置9およびこれを用いたディスク装置23は、支持アーム2がディスク12面に垂直方向に回動することを規制する規制手段70を設けている。これにより、ディスク12面に対してスライダ1が離間する方向に衝撃が作用した場合でも、支持アーム2は規制手段70により回動する距離を規制されるため、スライダ1が跳躍することを回避可能である。
【0068】
さらに、ディスク12からスライダ1が離間する位置において、支持アーム2のディスク12面に対する垂直方向の回動規制が解除されることにより、支持アーム2が所定の量だけディスク12面に対して垂直方向に回動可能となる。したがって、ディスク12の停止時にヘッドをディスク12から離間して保持し、スライダ1がディスク12に吸着することを防止できる。
【0069】
また、係合手段である係合部2bを支持アーム2に設けて、支持アーム2がフレクシャー6に係合するまでの距離よりも第1の規制部材である突起部8a、8bが第2の規制部材7に当接するまでの距離を小さくしている。これにより、外部から回転衝撃が作用した場合でも、先に第1の規制部材である突起部8a、8bが第2の規制部材7に当接する。したがって、支持アーム2がフレクシャー6に係合することでスライダ1を跳躍させてしまうことを防止できる。
【0070】
また、本発明のディスク装置23では、ヘッド支持装置9が上述した構成であるので、支持アーム2を剛性の高い材料で形成することができる。さらに、スライダ1が固着されたフレクシャー6と弾性部材である板バネ部4とを除く部材も剛性の高い材料を用いることもできる。高剛性な材料で支持アーム2を作製すれば耐衝撃性が向上するだけでなく、支持アーム2の共振周波数を高くすることができるので、従来問題となっていた振動モードが発生せず、セトリング動作が不要となる。したがって、高速で支持アーム2の回動や位置決めが可能となり、ディスク装置23のアクセス速度を向上することが可能となる。
【0071】
また弾性手段である板バネ部4が、支持アーム2の構造の中には組み込まれず、支持アーム2とは別に設けられている。これにより、スライダ1への付勢力を調整するときに、支持アーム2はそのままで、板バネ部4の厚み、材質等を変更するだけでよい。具体的には、板バネ部4の強度およびバネ定数を適当に選定することにより必要とする付勢力を自由に設定することが可能となる。
【0072】
また、弾性部材である板バネ部4によって保持された支持アーム2を含む部材の重心位置、例えばVCM24によって回動を行う場合には、コイル3とコイルホルダー8とを装着した状態での支持アーム2の重心位置を、支持アーム2のディスク12の半径方向の回動軸とディスク12面に垂直方向の回動軸との交点に一致させる。すなわち、支持アーム2とピボット軸受11の一対の頂部8a、8bとが当接する点を結ぶ線上の中点に、重心位置が一致するようにヘッド支持装置9を設計する。このような設計により、外部からの衝撃等に対しても、振動が少なく安定で、さらに耐衝撃性の大きなヘッド支持装置9を実現できる。なお、このような設計において、重心位置が上記の中点から多少ずれても実用上大きな問題にはならない。
【0073】
なお、第1の実施の形態では、第1の規制部材としてコイルホルダーに突起部を設けたが、支持アームの他端側に設けるコイルを第1の規制部材としてもよい。さらに、回動部材と、この回動部材に対向する固定部材との間で第1の規制部材と第2の規制部材とを構成して規制手段としてもよい。例えば、固定部材である上下のヨークやマグネットと、回動部材であるコイルホルダーとで規制手段を構成してもよい。この場合には、装置設計の自由度が増し、比較的簡単な構成で支持アームの回動を規制することができる。
【0074】
さらに、第1の実施の形態では、L/UL方式のディスク装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、CSS方式のディスク装置においても耐衝撃性を大きく改善できる。
【0075】
なお、第1の実施の形態においては、磁気ヘッドを用いた磁気記録再生装置のヘッド支持装置について説明したが、本発明のヘッド支持装置は、非接触型のディスク記録再生装置、例えば光ディスク装置や光磁気ディスク装置等のヘッド支持装置として用いた場合も同様の効果を有する。
【0076】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態のヘッド支持装置およびこれを用いたディスク装置について、図面を参照して説明する。図8は第2の実施の形態のディスク装置230の構成を示す平面図であり、図9はこのディスク装置230に用いるヘッド支持装置90の軸受部周辺の構成を説明するための側面図である。図1から図7までと同じ要素については同じ符号を付している。
【0077】
第2の実施の形態のヘッド支持装置90が第1の実施の形態のヘッド支持装置9と異なる点は、支持アーム2がディスク120面に垂直方向に回動することを規制するためにピボット軸受110とカラー260とに規制部110c、260aを設けたことである。この規制部110c、260aは、回動軸受10aの軸中心線から同一位置に形成されている。これ以外については、第1の実施の形態のヘッド支持装置9と同じである。
【0078】
また、図8に示すように、ディスク120の内周の所定領域には、支持アーム2の一方の端部に取り付けられたスライダ(図示せず)を退避させるためのCSS領域16が設けられている。CSS領域16は、CSS領域16以外の磁気記録可能な領域と比較して表面が粗く形成されており、スライダがディスク120に吸着しにくい形状とされている。
【0079】
図9において、ピボット軸受110には、支持アーム2に対して所定の距離Zを介して対向する突起状の規制部110cが形成されている。この規制部110cによって、支持アーム2のピボット軸受110を回動中心とした時計方向の回動が規制される。また、カラー260には、コイルホルダー80に対して所定の距離Z’を介して対向する突起状の規制部260aが形成されている。この規制部260aによって、支持アーム2のピボット軸受110を回動中心とした反時計方向の回動が規制される。
【0080】
なお、第2の実施の形態のヘッド支持装置90においても、第1の実施の形態のヘッド支持装置9と同様に図3に示すように、係合部2bがフレクシャー6に当接するまでの距離Xが設けられている。さらに、図9に示すように、支持アーム2が規制部110cに当接するまでの距離Zが設けられており、XよりもZが小さくなるように設計されている。これにより、ディスク120からスライダ1が離間する方向に外力が加わった場合、フレクシャー6に係合部2bが係合するより先に、支持アーム2が規制部110cに当接する。したがって、係合部2bがスライダ1をディスク120から離間させてしまうことを回避できる。また、コイルホルダー80が規制部260aに当接するまでの距離Z’は、外力が作用したときの反動を抑制するために設けており、距離Zと略等しく設定している。
【0081】
次に、本発明のディスク装置230の動作について説明する。
【0082】
ディスク装置230の動作時には、図示しない制御手段により回転駆動手段25が駆動してディスク120が回転する。また、CSS領域16に退避していたスライダ1は、ディスク120の回転により発生する空気流により、浮上を開始する。さらに、支持アーム2は、回動駆動手段24の駆動によりディスク120の記録再生領域まで回動して、ヘッド(図示せず)により記録または再生を行う。このとき、支持アーム2が回動するディスク120の半径方向の全領域において、ピボット軸受110に設けた規制部110cが支持アーム2に常に対向しているため、ディスク120面に垂直な方向に回動する距離が規制される。
【0083】
ディスク120が回転を停止する際には、支持アーム2は回動駆動手段24によりディスク120の内側に向かって回動する。また、支持アーム2の一方の端部に取り付けられたスライダ1は、ディスク120の回転が低下すると空気流が衰勢して浮揚力が減少するため、CSS領域16においてディスク120と接触して、その状態で停止して保持される。
【0084】
以上のように、第2の実施の形態のヘッド支持装置90およびこれを用いたディスク装置230は、ピボット軸受110に設けた規制部110cに当接させて支持アーム2の回動を規制することにより、新たに規制部材を設けることなく支持アーム2の回動を規制することができる。また、支持アーム2はディスク装置230の動作、非動作にかかわらず、常に規制部110c、260aによって回動を規制される。
【0085】
また、係合部2bを支持アーム2に設けて、支持アーム2がフレクシャー6に係合するまでの距離Xよりも支持アーム2が規制部110cに当接するまでの距離Zを小さくしている。したがって、外部から回転衝撃が作用しても、先に支持アーム2が規制部110cに当接する。この結果、支持アーム2がフレクシャー6に係合することでスライダ1が跳躍することを防止できる。
【0086】
以上のような構成により、簡易な構成で、小型、薄形で、高い耐衝撃性を有し、可搬性に優れ、高速アクセスが可能なヘッド支持装置およびこれを用いたディスク装置が実現できる。
【0087】
なお、本実施の形態では、ピボット軸受とカラーに規制部を設けたが、本発明はこれに限定されない。例えば、コイルホルダーを挟む上下のヨークに規制部を設けてもよい。
【0088】
さらに、本実施の形態においては、CSS領域がディスクの内周部に設けられた場合を示したが、CSS領域がディスクの外周部に設けられた場合においても同様の効果を奏する。
【0089】
また、本実施の形態においては、磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置について説明したが、本発明のディスク装置は、非接触型のディスク記録再生装置、例えば光ディスク装置や光磁気ディスク装置等として用いた場合も同様の効果を奏する。
【0090】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のヘッド支持装置は、ディスクに記録と再生の少なくとも一方を行うヘッドと、このヘッドを搭載したスライダと、一方の端部のディスクに対向する面側にスライダが取り付けられて、ディスクの半径方向と垂直方向に回動自在に軸受部で軸支された支持アームと、ディスク方向へ支持アームを付勢するための付勢力を付与する弾性手段と、支持アームがディスク表面に垂直な方向に回動することを規制する規制手段とを具備する構成を有する。さらに、本発明のディスク装置はこのヘッド支持装置を用いるものである。
【0091】
これにより、ヘッドに充分な付勢力を印加しながら、高い柔軟性を有し、耐衝撃性の高い、高速アクセスが可能なヘッド支持装置およびディスク装置を提供することができる。また、支持アームのディスク面に垂直方向の回動を規制する規制手段を設けたことにより、ディスク面に対してスライダが離間する方向に回転衝撃が作用した場合でも、支持アームが回動範囲を規制されるためディスクに対するスライダの跳躍を回避できる。したがって、耐衝撃性の非常に高いヘッド支持装置およびディスク装置を提供することができる。
【0092】
さらに、ディスクからスライダが離間する位置において、支持アームのディスク面に垂直方向の回動規制が解除されることにより、ディスクの回転停止時にヘッドをディスクから離間した状態で保持することができる。この結果、L/UL方式にも有効に対応することができる。また、本発明のヘッド支持装置およびディスク装置は、CSS方式にも対応可能である。
【0093】
以上のように、本発明は、簡易な構成で、小型、薄形で、高い耐衝撃性を有するヘッド支持装置およびディスク装置を実現することができるという大きな効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるディスク装置の構成を示す平面図
【図2】同実施の形態におけるディスク装置の主要部の斜視図
【図3】同実施の形態におけるヘッド支持装置の断面図
【図4】同実施の形態におけるヘッド支持装置の軸受部近傍の要部側面図
【図5】同実施の形態におけるヘッド支持装置の構成を示す分解斜視図
【図6】同実施の形態のディスク装置で、支持アームをランプ部材上に保持した状態を示す平面図
【図7】同実施の形態におけるスライダの取り付け部近傍の斜視図
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるディスク装置の構成を示す平面図
【図9】同実施の形態におけるヘッド支持装置の構成を示す軸受部付近の要部側面図
【図10】従来の磁気記録再生装置のヘッド支持装置の構成と、ヘッド支持装置とディスクとの関係を示す平面図
【図11】従来のヘッド支持装置における磁気ヘッドの設けられた部分の要部斜視図
【図12】従来のL/UL方式の磁気記録再生装置の構成を示す概略斜視図
【符号の説明】
1,101 スライダ
2,104 支持アーム
2a ガイド部
2b 係合部
2c ディンプル
3 コイル
4 弾性手段(板バネ部)
5 バネ固定部材
6 フレクシャー
6a ジンバル機構
7 第2の規制部材
8,80 コイルホルダー
8a,8b 第1の規制部材(突起部)
9,90,108 ヘッド支持装置
10,105 軸受部
10a 回動軸受
11,110 ピボット軸受
11a,11b 頂部
12,107,112,120 ディスク
15 筐体部
16 CSS領域
18,180 ランプ部材
19 上ヨーク
20 マグネット
21 下ヨーク
23,230 ディスク装置
24,106 回動駆動手段(ボイスコイルモータ、VCM)
25,109 回転駆動手段
26,260 カラー
27 ナット
70 規制手段
102 サスペンション
103 板バネ部
107 ディスク
110a テーパ部
110c,260a 規制部
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気ヘッド、光ヘッド、または光磁気ヘッド等の浮上型ヘッドを用いてディスク状記録媒体(以下、ディスクとよぶ)に記録再生を行うためのヘッド支持装置およびこれを用いたディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
浮上型のヘッドを用いた従来のヘッド支持装置の例として、ハードディスク装置等の磁気記録再生装置の場合について、図面を用いて説明する。
【0003】
図10は、従来の磁気記録再生装置において、ヘッド支持装置とディスクとの関係を示す平面図である。図11は、ヘッド支持装置の磁気ヘッドの設けられた部分を説明するための斜視図である。ヘッド支持装置108は、比較的剛性の低いサスペンション102、スライダ101に付勢力を付与するための板バネ部103、比較的剛性の高い支持アーム104、サスペンション102の一方の端部であってディスク107に対向する面に設けられたスライダ101、このスライダ101に搭載されたヘッド(図示せず)、および支持アーム104をディスク107の半径方向に回動させるための軸受部105から構成されている。サスペンション102は比較的剛性が低く設計されており、その他方の端部にはスライダ101をディスク107方向に付勢力を与える板バネ部103があり、この板バネ部103は支持アーム104に接続されている。
【0004】
ディスク107は回転駆動手段109によって所定の回転速度で回転する。磁気記録再生装置の記録再生時には、ディスク107の回転に伴い生じる空気流による浮揚力と、スライダ101をディスク107表面側へ付勢する付勢力との力の釣り合いにより、スライダ101は一定の浮上量で浮上し、ヘッドはこの一定の浮上状態で記録再生を行う。なお、ディスク107面側へスライダ101を付勢する力は、ヘッド支持装置108の板バネ部103により主として加えられる。
【0005】
すなわち、記録再生時には、ヘッド支持装置108は、回動駆動手段106により軸受部105を中心として回動し、スライダ101に搭載されたヘッドがディスク107表面から所定の浮上量で浮上した状態で所定のトラックに位置決めされて、記録再生が行われる。
【0006】
なお、図10に示した磁気記録再生装置は一般にコンタクト・スタート・ストップ方式(以下、CSS方式とよぶ)とよばれる磁気記録再生装置である。ディスク107の回転が停止しているときには、スライダ101がディスク107表面に接触しており、記録再生時にはスライダ101がディスク107表面から浮上する方式である。このようなCSS方式においては、ディスク107の記録可能な領域は図10に示す円環状のA領域であり、中心側の円環状のB領域はディスク107の回転停止時にスライダ101を退避させておく領域である。ディスク107の回転が停止する際には、まずスライダ101を浮上させたままB領域に移動させる。そして、ディスク107の回転を低下させていくと、それによってディスク107とスライダ101との間の空気流が減少して浮揚力が低下し、最終的にはスライダ101がディスク107表面に接触した状態で停止する。
【0007】
このため、CSS方式においては、ディスク107のA領域の表面に比べてB領域の表面の粗さを大きくして、ディスク107の回転停止時にスライダ101がディスク107表面に吸着することを防止している。吸着が生じると、起動時にディスク107を機械的、磁気的に損傷してしまう場合があり、これを防ぐためである。
【0008】
このような吸着を防ぐ方法として、ディスクの回転停止時にスライダをディスク面上から退避させて、別の場所で保持する方式としてロード・アンロード方式(以下、L/UL方式とよぶ)がある。図12は、このL/UL方式の磁気記録再生装置の概略斜視図である。なお、図10と同じ要素については同一符号を付している。ディスク112の回転停止時には、ヘッド支持装置108が軸受部105を中心にして回動し、ディスク112の外側に設けられているランプ部材180のテーパ部180a上にサスペンション102が乗り上げて、スライダ101をディスク112表面から退避させる。これにより、ディスク112全面が平滑面であっても、スライダ101がディスク112に吸着することがなくなる。
【0009】
これらのヘッド支持装置においては、スライダに対して所定の荷重をディスク方向へ付勢する付勢力を主として板バネ部で印加し、サスペンションは柔軟性を有する構成としてある。これは、ディスクへの記録再生時にディスクの上下動が生じても、スライダを安定に浮上させてヘッドがディスクの所定のトラック位置からずれる、いわゆるオフトラックを防止するとともに、ディスクの上下動に対しても充分に追従できるようにするためである。したがって、スライダをディスク表面方向に付勢するために必要な付勢力を板バネ部により確実に確保することが要求される。また、スライダの浮上量には製造バラツキが生じるので、これによりスライダのディスク表面方向への付勢力が変動することを防ぐことも必要とされる。このために、サスペンションに切り欠き部を設ける構成や薄板構造とすることで剛性を下げるとともにバネ定数も小さくして、ヘッド支持装置にある程度の柔軟性を与えて付勢力の変動を吸収することがなされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、サスペンションを薄板構造にすると、主共振点の周波数、いわゆる共振周波数が低くなる。この結果、所定のトラックへ位置決めするためにヘッド支持機構が回動動作をする場合に、ねじれ等の振動モードが発生する。この振動モードをセトリング(整定)するためにはある程度の時間を要するため、結果としてアクセス時間を短くできなくなる。
【0011】
さらに、従来のヘッド支持機構においては、その重心は板バネ部よりもヘッドが取り付けられている部位に近いところに位置している。このため、磁気記録再生装置に外部からの強い衝撃等が加わった場合、スライダ部分ではディスクの回転によって発生する空気流による浮揚力と、スライダをディスク側へ付勢する付勢力とのバランスが崩れ、スライダがディスク表面から跳躍するような現象が発生しやすい。このような跳躍が生じると、スライダがディスクに衝突して、ディスクが磁気的または機械的損傷を生じる場合がある。このような課題は、上述した磁気記録再生装置だけでなく、浮上型のヘッドを有するディスク装置、例えば光ディスク装置や光磁気ディスク装置等においても同様である。
【0012】
さらにまた、ディスク装置の小型化、特に薄型化を達成するためには、ヘッド支持装置の薄型化も要求される。
【0013】
本発明は、これらの課題を解決するためになされたもので、ヘッドに対して充分な付勢力の印加と、ヘッドを支持する領域部では高い柔軟性を保持させることが可能で、しかも薄型で耐衝撃性の大きなヘッド支持装置およびこれを用いたディスク装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のヘッド支持装置は、ディスクに記録と再生の少なくとも一方を行うヘッドと、このヘッドを搭載したスライダと、一方の端部のディスクに対向する面側にスライダが取り付けられて、ディスクの半径方向と垂直方向に回動自在に軸受部で軸支された支持アームと、ディスク方向へ支持アームを付勢するための付勢力を付与する弾性手段と、支持アームがディスク表面に垂直な方向に回動することを規制する規制手段とを具備する構成を有する。
【0015】
この構成により、剛性を必要とする部分と弾性を必要とする部分とをそれぞれ別の部材で作製することができる。すなわち、支持アーム部分を高剛性部材で形成し、弾性手段はまったく別の部材で作製することが可能となるので、スライダへの付勢力を任意に調節することができる。したがって、外部から衝撃力が作用してもヘッドやディスクに損傷が生じにくくでき、大きな耐衝撃性を有するようにできる。また、支持アーム部分を高剛性部材とすることで、その共振周波数を高くすることができ、高応答特性と高速アクセスが可能なヘッド支持装置が実現できる。さらに、支持アームがディスクの表面に対して垂直な方向に回動することを規制する規制手段を設けているので、ディスクの表面から離間する方向にスライダに対して回転衝撃が作用しても、支持アームが規制部材によって回動範囲を規制されるためスライダの跳躍が生じることを防止できる。この結果、耐衝撃性の非常に大きなヘッド支持装置が得られる。
【0016】
また、本発明のヘッド支持装置は、ヘッド支持装置が筐体部に固定され、規制手段が支持アームの他方の端部側に取り付けられた第1の規制部材と筐体部に固定された第2の規制部材とから構成され、第1の規制部材が第2の規制部材に当接することにより支持アームの垂直方向の回動が規制される構成を有する。この構成により、ディスク表面上で支持アームが回動する範囲では確実に規制手段を作動させることができ、しかも簡単な構成で規制手段を実現できる。
【0017】
また、本発明のヘッド支持装置は、支持アームがディスクの半径方向に回動してスライダがディスク表面から離間する位置において、規制手段が支持アームの垂直方向の回動規制を解除する構成を有する。この構成により、スライダがディスク表面から離間する位置において、支持アームが所定の量だけ記録面に対して垂直方向に回動可能となる。したがって、ディスクの回転が停止するときにヘッドをディスク表面から離間した状態で保持することができる。この結果、スライダがディスク表面に吸着することを防止できる。なお、スライダがディスク表面から離間する位置としては、ある程度の幅を持たせることができる。
【0018】
また、本発明のヘッド支持装置は、支持アームがディスクの半径方向に回動してディスク表面からスライダを離間させる位置において、スライダを間接的に係合してディスクからスライダを離間させる係合手段を支持アームがさらに有し、支持アームがスライダに間接的に係合する距離よりも、規制手段の第1の規制部材が第2の規制部材に当接するまでの距離を小さくした構成を有する。
【0019】
この構成により、外部から回転衝撃が作用した場合には、先に第1の規制部材が第2の規制部材に当接するため、支持アームが、例えばフレクシャーを介してスライダに係合することを防ぐことができるので、スライダが跳躍することがなくなり、耐衝撃性に優れたヘッド支持装置が得られる。なお、スライダがディスク表面から離間する位置としては、ある程度の幅を持たせることができる。
【0020】
また、本発明のヘッド支持装置は、規制手段が軸受部に設けた規制部に支持アームが当接することにより支持アームの回動を規制する構成を有する。この構成により、別に規制部材を設けることなく支持アームの回動を規制する規制手段を構成することができる。さらに、このような構成とすれば、ディスクの外周側でスライダを退避させるべきランプ部材を設けなくてもスライダをディスクから離間させておくことができる。したがって、簡易な構成で、小型、薄形で、高い耐衝撃性を有し、可搬性に優れ、高速アクセスが可能なヘッド支持装置が実現できる。
【0021】
また、本発明のヘッド支持装置は、弾性手段が軸受部と支持アームとの間に設けられた板バネ部である構成を有する。この構成により、支持アームを高剛性部材で形成し、板バネ部によりスライダをディスク表面方向に付勢する付勢力を与える構成が可能である。したがって、支持アームの主共振周波数を高くすることが簡単に実現できる。
【0022】
また、本発明のヘッド支持装置は、軸受部が支持アームをディスクの半径方向に回動自在に軸支する回動軸受と、ディスク表面と平行な支持アームの表面に接するように一対の頂部を有するピボット軸受とから構成され、ピボット軸受の頂部と支持アームとが当接する点を支点として、支持アームがディスク表面に対して垂直方向に回動可能で、かつ支持アームをディスクの半径方向に回動可能な構成を有する。
【0023】
この構成により、支持アームをディスクの半径方向に回動させる回動軸受と、ディスク表面に垂直方向に回動させるピボット軸受とが一体となった軸受部を構成するので、小型で薄型の軸受部が実現できる。
【0024】
また、本発明のヘッド支持装置は、回動軸受の軸方向と支持アームの長手方向に対して垂直で、かつ、回動軸受の回動中心を通る線上で、ピボット軸受の一対の頂部が支持アームと当接する構成を有する。この構成により、支持アームのディスク表面に垂直方向に回動するピボット軸受の軸の中心が回動軸受の回動中心線上に位置するので、支持アームを含む弾性部材で保持される部材の長さ方向の重量バランスをよくすることができ、衝撃力が作用しても回転モーメントが作用しないようにできる。
【0025】
また、本発明のヘッド支持装置は、ピボット軸受の一対の頂部が支持アームの長手方向の中心線に関して対称な位置に設けられた構成からなる。この構成により、支持アームは回動軸受の回動中心線に対して対称となるので、支持アームを含む弾性部材で保持される部材の幅方向の重量バランスをよくすることができ、衝撃力が作用しても回転モーメントが作用しないようにできる。
【0026】
また、本発明のヘッド支持装置は、スライダをロール方向およびピッチ方向の動作を許容するジンバル機構を介して、スライダが支持アームの一方の端部のディスクに対向する面側に取り付けられている構成を有する。この構成により、支持アームを高剛性部材で作製しながら、スライダはジンバル機構によりディスク表面に対して確実に追従することができる。
【0027】
また、本発明のヘッド支持装置は、支持アームを含む弾性手段に保持された部材の重心位置が支持アームをディスクの半径方向に回動させる軸の中心線とディスク表面に対して垂直方向に回動させる軸の中心線との交点に一致する構成を有する。この構成により、支持アームを含む弾性部材で保持された部材の重心が回動軸受とピボット軸受のそれぞれの中心に一致するので、衝撃力が作用しても弾性部材で保持された部材には回転モーメントが作用しない。この結果、耐衝撃性をさらに向上できる。
【0028】
また、本発明のヘッド支持装置は、支持アームをディスクの半径方向に回動させる回動手段としてボイスコイルモータを用いる構成を有する。この構成により、より高速の回動動作が可能となる。
【0029】
また、本発明のヘッド支持装置は、第1の規制部材が支持アームの他方の端部側に取り付けられたコイルからなる構成を有する。この構成により、支持アームを回動させる回動駆動手段の一部であるコイルを第1の規制部材とすることができるので、装置設計の自由度が増し、比較的簡単な構成で支持アームの垂直方向の回動を規制することができる。
【0030】
また、本発明のディスク装置は、回転自在に軸支されたディスクと、ディスクを回転させる回転駆動手段と、ディスクに記録と再生の少なくとも一方を行うヘッドと、ヘッドを搭載したスライダと、ディスクの半径方向と垂直方向に回動自在に軸受部で軸支され、一方の端部のディスクに対向する面側にスライダが取り付けられた支持アームと、ディスク方向へ支持アームを付勢するための付勢力を付与する弾性手段と、ディスク表面に垂直な方向の回動を支持アームに対して規制する規制手段とを具備するヘッド支持装置と、支持アームをディスクの半径方向に回動させる回動駆動手段と、これらを所定の位置関係に保持する筐体部とからなる構成を有する。
【0031】
この構成により、支持アーム部分を高剛性部材で作製し、弾性部材の材料と厚さの最適な選択により弾性手段のスライダへの付勢力を任意に調節することができる。また、支持アーム部分の共振周波数を高くすることができる。さらに、支持アームがディスク表面に垂直方向の回動することを規制する規制手段を設けることで、スライダがディスクから離間する方向に回転衝撃が作用してもスライダの跳躍が回避できる。したがって、耐衝撃性に優れ、高応答特性と高速アクセスが可能なディスク装置を実現できる。
【0032】
また、本発明のディスク装置は、規制手段が支持アームの他方の端部側に取り付けられた第1の規制部材と筐体部に固定された第2の規制部材とから構成され、第1の規制部材が第2の規制部材に当接することにより支持アームの垂直方向の回動が規制される構成を有する。この構成により、ディスク表面上で支持アームが回動する範囲では確実に規制手段を作動させることができ、しかも簡単な規制手段構成からなるディスク装置を実現できる。
【0033】
また、本発明のディスク装置は、回動駆動手段がボイスコイルモータである構成を有する。この構成により、より高速の回動動作が可能となる。
【0034】
また、本発明のディスク装置は、規制手段の第1の規制部材をコイルとした構成を有する。この構成により、新たに第1の規制手段を設ける必要がなくなり、装置構成を簡略化できる。
【0035】
また、本発明のディスク装置は、支持アームがディスクの半径方向に回動してスライダがディスク表面から離間する位置において、規制手段が支持アームの垂直方向の回動規制を解除する構成を有する。この構成により、ディスクからスライダが離間する位置で支持アームのディスク表面に対する垂直方向の回動規制が解除されるので、支持アームが所定の量だけ記録面に対して垂直方向に回動可能となる。したがって、ディスクの回転が停止しているときにスライダをディスク表面から離間した状態で保持することができる。この結果、スライダがディスク表面に吸着することを防止でき、簡易な構造で、小型、薄型で、しかも耐衝撃性に優れたディスク装置が得られる。なお、スライダがディスク表面から離間する位置としては、ある程度の幅を持たせることができる。
【0036】
また、本発明のディスク装置は、支持アームがディスクの半径方向に回動してディスク表面からスライダを離間させる位置において、スライダを間接的に係合してディスクからスライダを離間させる係合手段を支持アームがさらに有し、支持アームがスライダに間接的に係合する距離よりも規制手段の第1の規制部材が第2の規制部材に当接するまでの距離を小さくした構成を有する。
【0037】
この構成により、外部から回転衝撃が作用した場合に、第1の規制部材が第2の規制部材に先に当接するため、支持アームが、例えばフレクシャーを介してスライダを係合するような場合でもスライダを跳躍させてしまうことを回避でき、耐衝撃性に優れたディスク装置が得られる。なお、スライダがディスク表面から離間する位置としては、ある程度の幅を持たせることができる。
【0038】
また、本発明のディスク装置は、規制手段が軸受部に設けた規制部に支持アームが当接することにより支持アームの回動を規制する構成を有する。この構成により、新たに規制部材を設けることなく支持アームの回動を規制する規制手段を構成することができる。さらに、ディスクからスライダを退避させるランプ部材を特に設ける必要がないので、簡易な構成で、小型、薄形で、高い耐衝撃性を有し、可搬性に優れ、高速アクセスが可能なディスク装置が可能となる。
【0039】
また、本発明のディスク装置は、弾性手段が軸受部と支持アームとの間に設けられた板バネ部である構成を有する。この構成により、全体として非常に薄型のディスク装置が可能となる。
【0040】
また、本発明のディスク装置は、軸受部が支持アームをディスクの半径方向に回動自在に軸支する回動軸受と、ディスク表面と平行な支持アームの表面に接するように一対の頂部を有するピボット軸受とから構成され、ピボット軸受の頂部と支持アームとが当接する点を支点として支持アームがディスク表面に対して垂直方向に回動可能な構成を有する。この構成により、簡易な構成で回転中心を正確に定めることができるので、ヘッドの位置決め制御をより正確に行うことが可能となる。
【0041】
また、本発明のディスク装置は、回動軸受の軸方向と支持アームの長手方向に対して垂直方向で、かつ、回動軸受の回動中心を通る線上で、ピボット軸受の一対の頂部が支持アームと当接する構成を有する。この構成により、支持アームの長手方向の重量バランスをよくすることができ、耐衝撃性をさらに向上可能なディスク装置が実現できる。
【0042】
また、本発明のディスク装置は、ピボット軸受の一対の頂部が支持アームの長手方向の中心線に関して対称な位置に設けられた構成を有する。この構成により、支持アームの幅方向の重量バランスをよくすることができ、耐衝撃性をさらに向上可能なディスク装置が実現できる。
【0043】
また、本発明のディスク装置は、スライダをロール方向およびピッチ方向の動作を許容するジンバル機構を介して、スライダが支持アームの一方の端部のディスクに対向する面側に取り付けられている構成を有する。この構成により、ディスク装置の記録再生時に、スライダがディスク表面に対してロール方向やピッチ方向に傾いてもジンバル機構によって傾きを吸収して、ディスク表面上を安定して浮上させることができる。
【0044】
また、本発明のディスク装置は、弾性手段に保持された部分の重心位置が支持アームをディスクの半径方向に回動させる軸の中心線とディスク表面に対して垂直方向に回動させる軸の中心線との交点に一致する構成を有する。この構成により、外部からの衝撃が作用しても、支持アームの不要な振動を最小限に押さえることができる。したがって、モバイル用途等で衝撃を受けやすい装置にもディスク装置を組み込むことが可能となる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0046】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態のヘッド支持装置9を用いたディスク装置23の構成を示す平面図である。また、図2は、図1に示すディスク装置23の主要部の斜視図である。ディスク装置23は、ヘッド支持装置9、ディスク12、回転駆動手段25、回動駆動手段24、ランプ部材18、およびこれらを所定の位置関係に保持して格納する筐体部15を含んで構成されている。
【0047】
ヘッド支持装置9は、ヘッド(図示せず)が搭載されたスライダ1、スライダ1が取り付けられた支持アーム2、コイル3が取り付けられたコイルホルダー8、支持アーム2とコイルホルダー8とを軸支する軸受部10、および規制手段70により構成される。スライダ1が取り付けられている支持アーム2の一方の端部の先端部には、ガイド部2aが設けられている。ディスク12の回転を停止する場合には、回動駆動手段24を駆動させて支持アーム2がランプ部材18方向に回動し、ガイド部2aがこのランプ部材18に乗り上げて、スライダ1がディスク12から離間した状態で保持される。すなわち、このディスク装置23は、ディスク12の回転停止時にスライダ1をディスク12表面上から退避させて保持するL/UL方式の構成である。
【0048】
次に、図3から図5を用いて、第1の実施の形態のヘッド支持装置9の構成について詳細に説明する。図3は、図1における線分AAに沿った断面図であり、図4は軸受部10近傍の要部側面図であり、図5は、ヘッド支持装置9の分解斜視図である。なお、図1および図2と同一要素については、同一符号を付している。
【0049】
図5に示すように、支持アーム2は一体成形されており、その一方の先端部にはガイド部2aが設けられている。また、支持アーム2には、フレクシャー6を介してディスク12に対向する面にヘッド(図示せず)を搭載したスライダ1が取り付けられている。このフレクシャー6には、ヘッドとヘッドアンプ(図示せず)間の電気信号を伝送するための電気配線基板が一体的に形成されている。また、フレクシャー6には、ジンバル機構6aが形成されている。このジンバル機構6a上にスライダ1が固着されており、ディンプル2cを介してスライダ1をロール、ピッチ方向に傾動可能に支持している。これにより、ディスク装置23で記録再生を行うときに、スライダ1がディスク12表面に対してローリングやピッチング等を生じても安定に浮上させることができる。なお、フレクシャー6は支持アーム2に複数の個所で、例えばレーザ溶接して固着されている。
【0050】
コイルホルダー8にはコイル3が装着されており、支持アーム2とコイルホルダー8とは軸受部10に軸支されて、軸受部10を中心としてディスク12の半径方向に回動自在である。また、図3に示すように、コイルホルダー8に装着されたコイル3、ディスク装置23の筐体部15に固定されたマグネット20、上ヨーク19および下ヨーク21で回動駆動手段24であるボイスコイルモータ(以下、VCMとよぶ)を構成している。このVCM24を駆動することにより、支持アーム2は軸受部10を中心としてディスク12の半径方向の所定の角度範囲において回動自在に作動することができる。また、コイルホルダー8には、VCM24よりもさらに外周側に第1の規制部材である突起部8a、8bが、第2の規制部材7に対向する位置に形成されており、これらで規制手段70を構成している。なお、第1の規制部材である突起部8a、8bと第2の規制部材7との間隔は、図3に示すように所定の間隙Y、Y’を有して形成されている。
【0051】
図5を用いて、これらの構成に突いて説明する。比較的剛性の大きな支持アーム2、フレクシャー6、フレクシャー6に固着されたスライダ1、支持アーム2のディスク12面に対向する側に固着された略環状の板バネ部4、この板バネ部4が固着された半円環形状のバネ固定部材5、および支持アーム2に固着されたコイルホルダー8が、一対の頂部11a、11bを有するピボット軸受11とカラー26とともに、回動軸受10aとナット27とによって挟持されて、ヘッド支持装置9が構成される。
【0052】
なお、一対の頂部11a、11bは、回動軸受10aの軸中心線E−Eに対して垂直方向で、かつ、支持アーム2の長手方向の中心線F−Fに対しても垂直で、しかもこの中心線F−Fに対して対称となる位置に形成されている。また、この頂部11a、11bは支持アーム2の面に当接するように形成されている。図3および図4からわかるように、一対の頂部11a、11bを有するピボット軸受11に、支持アーム2は板バネ部4を介して弾性的に保持された構成となる。したがって、支持アーム2はピボット軸受11の頂部11a、11bを支点として、ディスク12に対して垂直方向に回動可能である。
【0053】
ディスク12は回転駆動手段25であるスピンドルモータによって回転駆動される。ディスク装置23の記録または再生を行うときには、ディスク12の回転により発生する空気流による浮揚力と、スライダ1をディスク12側へ付勢するヘッド支持装置9の付勢力との釣り合いにより、スライダ1に搭載されたヘッドはディスク12に対して所定の浮上量を得て記録または再生を行う。この場合、スライダ1にはディスク12方向に所定の付勢力が印加される。この付勢力はヘッド支持装置9に設けられた弾性手段である板バネ部4によって付与される。
【0054】
また、規制手段70である第2の規制部材7は、第1の規制部材である突起部8a、8bに対向するように筐体部15に固定されている。この第2の規制部材7によって、支持アーム2はディスク12表面に垂直方向の回動する距離が規制される。この第2の規制部材7は、スライダ1がディスク12面上を所定の浮上量で浮上してヘッドにより記録再生動作を行っているときのみ、第1の規制部材である突起部8a、8bに対してY、Y’の距離を有して対向している。一方、支持アーム2のガイド部2aがランプ部材18上に乗り上げる位置では、第1の規制部材である突起部8a、8bとは対向しない位置関係となるように配設されている。ガイド部2aがランプ部材18上に乗り上げて、第1の規制部材である突起部8bが第2の規制部材7と対向しない状態を図6に示す。
【0055】
さらに、支持アーム2は、アンロード動作のときにランプ部材18上に乗り上げるガイド部2aと、フレクシャー6に係合することによってスライダ1をディスク12から離間させるための係合部2bとを有している。これを図7に示す。アンロード動作時にガイド部2aがランプ部材18に乗り上げるときに、係合部2bはフレクシャー6のジンバル機構6aに固着されたスライダ1をフレクシャー6を介して持ち上げる作用をする。本実施の形態のヘッド支持装置9においては図3に示すように、係合部2bがフレクシャー6に当接するまでの距離をXとし、第1の規制部材である突起部8aが第2の規制部材7に当接するまでの距離をYとしたとき、XよりもYが小さくなるように設計されている。このようにすることにより、ディスク12からスライダ1が離間する方向に外力が加わる際、フレクシャー6に係合部2bが係合するより先に突起部8aが第2の規制部材7に当接する。したがって、係合部2bがスライダ1をディスク12から離間させてしまうことを回避できる。また、第1の規制部材である突起部8bが第2の規制部材7に当接するまでの距離であるY’は、上記の外力による反動を抑制するために設けており、距離Yと略等しく設定している。
【0056】
なお、ディスク12の回転、停止、および支持アーム2の回動は全て、図示していない制御手段によって制御されている。
【0057】
ここで各部材について説明する。まず本実施の形態において、支持アーム2は金属、例えばステンレス鋼(SUS304)にて一体に形成されている。支持アーム2の形成にはエッチング法またはプレス加工法を用いることもできる。
【0058】
次に、板バネ部4は金属、例えばステンレス鋼(SUS304)にて形成されている。この形成はエッチング法、もしくはプレス加工法を用いて加工、成形を行うことができる。
【0059】
また、コイルホルダー8は金属、例えばAl、または樹脂材料、例えばPPS(ポリフェニルサルファイド)もしくはLCP(液晶ポリマー)を用いることができる。形成方法としては、Alの場合はダイカスト法またはプレス加工法を用い、PPSやLCPの場合には公知の樹脂成形方法にて行うことができる。
【0060】
また、上ヨーク19、下ヨーク21は、SECC等の軟磁性材料が使用でき、プレス加工法を用いて加工、成形を行うことができる。
【0061】
また、ランプ部材18は摺動性のよい樹脂、例えば、LCPや、PPS等を用いることができる。
【0062】
また、マグネット20は、ネオジウム・鉄・ボロン系の希土類磁石を用いることができるが、特にこの材料に限定されることはない。
【0063】
また、各部材間の接続については、スポット溶接法、超音波溶接法、レーザ溶接法等の公知の方法で行うことができる。なお、本発明においては、各部材の製造方法、または各部材間の接続方法について、何ら限定するものではない。
【0064】
次に、本発明のディスク装置におけるその動作について、図1、図2を用いて説明する。
【0065】
ロード動作時には、図示していない制御手段からの指令により回転駆動手段25が駆動してディスク12が回転する。同時に、ランプ部材18に保持されていた支持アーム2が回動駆動手段24の駆動により反時計方向に回動する。ヘッドがロードされた状態においては、ディスク12の回転により発生する空気流による浮揚力と、スライダ1をディスク12側へ付勢するヘッド支持装置9の付勢力との釣り合いにより、スライダ1に搭載されたヘッドは、ディスク12に対して一定の浮上量を得て記録または再生を行う。この場合、スライダ1にはディスク12方向に所定の付勢力が印加される。この付勢力はヘッド支持装置9に設けられた弾性手段である板バネ部4によって付与される。また、スライダ1がディスク12上を浮上する領域においては、コイルホルダー8に設けた第1の規制部材である突起部8a、8bが第2の規制部材7と間隙Y、Y’を介して対向するため、ディスク12の記録面に垂直な方向に回動する距離が規制される。このように回動する距離を規制することで、外部から衝撃が作用してもスライダ1の跳躍をほぼ抑制可能である。
【0066】
一方、アンロード動作時には、支持アーム2がディスク12の外側に向かって回動して、支持アーム2の先端に設けられたガイド部2aがランプ部材18上に乗り上げて保持され、ディスク12の回転も停止する。このとき図6に示すように、ディスク12からスライダ1が離間する位置で、コイルホルダー8に設けた第1の規制部材である突起部8aが第2の規制部材7に対向しなくなる。これにより、支持アーム2は、ディスク12の記録面に垂直方向に回動する規制が解除されて、所定の量だけ回動可能となる。したがって、ディスク12の停止時にヘッドをディスク12から離間した状態で保持することができる。
【0067】
以上のように、本発明のヘッド支持装置9およびこれを用いたディスク装置23は、支持アーム2がディスク12面に垂直方向に回動することを規制する規制手段70を設けている。これにより、ディスク12面に対してスライダ1が離間する方向に衝撃が作用した場合でも、支持アーム2は規制手段70により回動する距離を規制されるため、スライダ1が跳躍することを回避可能である。
【0068】
さらに、ディスク12からスライダ1が離間する位置において、支持アーム2のディスク12面に対する垂直方向の回動規制が解除されることにより、支持アーム2が所定の量だけディスク12面に対して垂直方向に回動可能となる。したがって、ディスク12の停止時にヘッドをディスク12から離間して保持し、スライダ1がディスク12に吸着することを防止できる。
【0069】
また、係合手段である係合部2bを支持アーム2に設けて、支持アーム2がフレクシャー6に係合するまでの距離よりも第1の規制部材である突起部8a、8bが第2の規制部材7に当接するまでの距離を小さくしている。これにより、外部から回転衝撃が作用した場合でも、先に第1の規制部材である突起部8a、8bが第2の規制部材7に当接する。したがって、支持アーム2がフレクシャー6に係合することでスライダ1を跳躍させてしまうことを防止できる。
【0070】
また、本発明のディスク装置23では、ヘッド支持装置9が上述した構成であるので、支持アーム2を剛性の高い材料で形成することができる。さらに、スライダ1が固着されたフレクシャー6と弾性部材である板バネ部4とを除く部材も剛性の高い材料を用いることもできる。高剛性な材料で支持アーム2を作製すれば耐衝撃性が向上するだけでなく、支持アーム2の共振周波数を高くすることができるので、従来問題となっていた振動モードが発生せず、セトリング動作が不要となる。したがって、高速で支持アーム2の回動や位置決めが可能となり、ディスク装置23のアクセス速度を向上することが可能となる。
【0071】
また弾性手段である板バネ部4が、支持アーム2の構造の中には組み込まれず、支持アーム2とは別に設けられている。これにより、スライダ1への付勢力を調整するときに、支持アーム2はそのままで、板バネ部4の厚み、材質等を変更するだけでよい。具体的には、板バネ部4の強度およびバネ定数を適当に選定することにより必要とする付勢力を自由に設定することが可能となる。
【0072】
また、弾性部材である板バネ部4によって保持された支持アーム2を含む部材の重心位置、例えばVCM24によって回動を行う場合には、コイル3とコイルホルダー8とを装着した状態での支持アーム2の重心位置を、支持アーム2のディスク12の半径方向の回動軸とディスク12面に垂直方向の回動軸との交点に一致させる。すなわち、支持アーム2とピボット軸受11の一対の頂部8a、8bとが当接する点を結ぶ線上の中点に、重心位置が一致するようにヘッド支持装置9を設計する。このような設計により、外部からの衝撃等に対しても、振動が少なく安定で、さらに耐衝撃性の大きなヘッド支持装置9を実現できる。なお、このような設計において、重心位置が上記の中点から多少ずれても実用上大きな問題にはならない。
【0073】
なお、第1の実施の形態では、第1の規制部材としてコイルホルダーに突起部を設けたが、支持アームの他端側に設けるコイルを第1の規制部材としてもよい。さらに、回動部材と、この回動部材に対向する固定部材との間で第1の規制部材と第2の規制部材とを構成して規制手段としてもよい。例えば、固定部材である上下のヨークやマグネットと、回動部材であるコイルホルダーとで規制手段を構成してもよい。この場合には、装置設計の自由度が増し、比較的簡単な構成で支持アームの回動を規制することができる。
【0074】
さらに、第1の実施の形態では、L/UL方式のディスク装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、CSS方式のディスク装置においても耐衝撃性を大きく改善できる。
【0075】
なお、第1の実施の形態においては、磁気ヘッドを用いた磁気記録再生装置のヘッド支持装置について説明したが、本発明のヘッド支持装置は、非接触型のディスク記録再生装置、例えば光ディスク装置や光磁気ディスク装置等のヘッド支持装置として用いた場合も同様の効果を有する。
【0076】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態のヘッド支持装置およびこれを用いたディスク装置について、図面を参照して説明する。図8は第2の実施の形態のディスク装置230の構成を示す平面図であり、図9はこのディスク装置230に用いるヘッド支持装置90の軸受部周辺の構成を説明するための側面図である。図1から図7までと同じ要素については同じ符号を付している。
【0077】
第2の実施の形態のヘッド支持装置90が第1の実施の形態のヘッド支持装置9と異なる点は、支持アーム2がディスク120面に垂直方向に回動することを規制するためにピボット軸受110とカラー260とに規制部110c、260aを設けたことである。この規制部110c、260aは、回動軸受10aの軸中心線から同一位置に形成されている。これ以外については、第1の実施の形態のヘッド支持装置9と同じである。
【0078】
また、図8に示すように、ディスク120の内周の所定領域には、支持アーム2の一方の端部に取り付けられたスライダ(図示せず)を退避させるためのCSS領域16が設けられている。CSS領域16は、CSS領域16以外の磁気記録可能な領域と比較して表面が粗く形成されており、スライダがディスク120に吸着しにくい形状とされている。
【0079】
図9において、ピボット軸受110には、支持アーム2に対して所定の距離Zを介して対向する突起状の規制部110cが形成されている。この規制部110cによって、支持アーム2のピボット軸受110を回動中心とした時計方向の回動が規制される。また、カラー260には、コイルホルダー80に対して所定の距離Z’を介して対向する突起状の規制部260aが形成されている。この規制部260aによって、支持アーム2のピボット軸受110を回動中心とした反時計方向の回動が規制される。
【0080】
なお、第2の実施の形態のヘッド支持装置90においても、第1の実施の形態のヘッド支持装置9と同様に図3に示すように、係合部2bがフレクシャー6に当接するまでの距離Xが設けられている。さらに、図9に示すように、支持アーム2が規制部110cに当接するまでの距離Zが設けられており、XよりもZが小さくなるように設計されている。これにより、ディスク120からスライダ1が離間する方向に外力が加わった場合、フレクシャー6に係合部2bが係合するより先に、支持アーム2が規制部110cに当接する。したがって、係合部2bがスライダ1をディスク120から離間させてしまうことを回避できる。また、コイルホルダー80が規制部260aに当接するまでの距離Z’は、外力が作用したときの反動を抑制するために設けており、距離Zと略等しく設定している。
【0081】
次に、本発明のディスク装置230の動作について説明する。
【0082】
ディスク装置230の動作時には、図示しない制御手段により回転駆動手段25が駆動してディスク120が回転する。また、CSS領域16に退避していたスライダ1は、ディスク120の回転により発生する空気流により、浮上を開始する。さらに、支持アーム2は、回動駆動手段24の駆動によりディスク120の記録再生領域まで回動して、ヘッド(図示せず)により記録または再生を行う。このとき、支持アーム2が回動するディスク120の半径方向の全領域において、ピボット軸受110に設けた規制部110cが支持アーム2に常に対向しているため、ディスク120面に垂直な方向に回動する距離が規制される。
【0083】
ディスク120が回転を停止する際には、支持アーム2は回動駆動手段24によりディスク120の内側に向かって回動する。また、支持アーム2の一方の端部に取り付けられたスライダ1は、ディスク120の回転が低下すると空気流が衰勢して浮揚力が減少するため、CSS領域16においてディスク120と接触して、その状態で停止して保持される。
【0084】
以上のように、第2の実施の形態のヘッド支持装置90およびこれを用いたディスク装置230は、ピボット軸受110に設けた規制部110cに当接させて支持アーム2の回動を規制することにより、新たに規制部材を設けることなく支持アーム2の回動を規制することができる。また、支持アーム2はディスク装置230の動作、非動作にかかわらず、常に規制部110c、260aによって回動を規制される。
【0085】
また、係合部2bを支持アーム2に設けて、支持アーム2がフレクシャー6に係合するまでの距離Xよりも支持アーム2が規制部110cに当接するまでの距離Zを小さくしている。したがって、外部から回転衝撃が作用しても、先に支持アーム2が規制部110cに当接する。この結果、支持アーム2がフレクシャー6に係合することでスライダ1が跳躍することを防止できる。
【0086】
以上のような構成により、簡易な構成で、小型、薄形で、高い耐衝撃性を有し、可搬性に優れ、高速アクセスが可能なヘッド支持装置およびこれを用いたディスク装置が実現できる。
【0087】
なお、本実施の形態では、ピボット軸受とカラーに規制部を設けたが、本発明はこれに限定されない。例えば、コイルホルダーを挟む上下のヨークに規制部を設けてもよい。
【0088】
さらに、本実施の形態においては、CSS領域がディスクの内周部に設けられた場合を示したが、CSS領域がディスクの外周部に設けられた場合においても同様の効果を奏する。
【0089】
また、本実施の形態においては、磁気ヘッドを用いた磁気ディスク装置について説明したが、本発明のディスク装置は、非接触型のディスク記録再生装置、例えば光ディスク装置や光磁気ディスク装置等として用いた場合も同様の効果を奏する。
【0090】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のヘッド支持装置は、ディスクに記録と再生の少なくとも一方を行うヘッドと、このヘッドを搭載したスライダと、一方の端部のディスクに対向する面側にスライダが取り付けられて、ディスクの半径方向と垂直方向に回動自在に軸受部で軸支された支持アームと、ディスク方向へ支持アームを付勢するための付勢力を付与する弾性手段と、支持アームがディスク表面に垂直な方向に回動することを規制する規制手段とを具備する構成を有する。さらに、本発明のディスク装置はこのヘッド支持装置を用いるものである。
【0091】
これにより、ヘッドに充分な付勢力を印加しながら、高い柔軟性を有し、耐衝撃性の高い、高速アクセスが可能なヘッド支持装置およびディスク装置を提供することができる。また、支持アームのディスク面に垂直方向の回動を規制する規制手段を設けたことにより、ディスク面に対してスライダが離間する方向に回転衝撃が作用した場合でも、支持アームが回動範囲を規制されるためディスクに対するスライダの跳躍を回避できる。したがって、耐衝撃性の非常に高いヘッド支持装置およびディスク装置を提供することができる。
【0092】
さらに、ディスクからスライダが離間する位置において、支持アームのディスク面に垂直方向の回動規制が解除されることにより、ディスクの回転停止時にヘッドをディスクから離間した状態で保持することができる。この結果、L/UL方式にも有効に対応することができる。また、本発明のヘッド支持装置およびディスク装置は、CSS方式にも対応可能である。
【0093】
以上のように、本発明は、簡易な構成で、小型、薄形で、高い耐衝撃性を有するヘッド支持装置およびディスク装置を実現することができるという大きな効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるディスク装置の構成を示す平面図
【図2】同実施の形態におけるディスク装置の主要部の斜視図
【図3】同実施の形態におけるヘッド支持装置の断面図
【図4】同実施の形態におけるヘッド支持装置の軸受部近傍の要部側面図
【図5】同実施の形態におけるヘッド支持装置の構成を示す分解斜視図
【図6】同実施の形態のディスク装置で、支持アームをランプ部材上に保持した状態を示す平面図
【図7】同実施の形態におけるスライダの取り付け部近傍の斜視図
【図8】本発明の第2の実施の形態におけるディスク装置の構成を示す平面図
【図9】同実施の形態におけるヘッド支持装置の構成を示す軸受部付近の要部側面図
【図10】従来の磁気記録再生装置のヘッド支持装置の構成と、ヘッド支持装置とディスクとの関係を示す平面図
【図11】従来のヘッド支持装置における磁気ヘッドの設けられた部分の要部斜視図
【図12】従来のL/UL方式の磁気記録再生装置の構成を示す概略斜視図
【符号の説明】
1,101 スライダ
2,104 支持アーム
2a ガイド部
2b 係合部
2c ディンプル
3 コイル
4 弾性手段(板バネ部)
5 バネ固定部材
6 フレクシャー
6a ジンバル機構
7 第2の規制部材
8,80 コイルホルダー
8a,8b 第1の規制部材(突起部)
9,90,108 ヘッド支持装置
10,105 軸受部
10a 回動軸受
11,110 ピボット軸受
11a,11b 頂部
12,107,112,120 ディスク
15 筐体部
16 CSS領域
18,180 ランプ部材
19 上ヨーク
20 マグネット
21 下ヨーク
23,230 ディスク装置
24,106 回動駆動手段(ボイスコイルモータ、VCM)
25,109 回転駆動手段
26,260 カラー
27 ナット
70 規制手段
102 サスペンション
103 板バネ部
107 ディスク
110a テーパ部
110c,260a 規制部
Claims (26)
- ディスク状記録媒体に記録と再生の少なくとも一方を行うヘッドと、
前記ヘッドを搭載したスライダと、
一方の端部の前記ディスク状記録媒体に対向する面側に前記スライダが取り付けられて、前記ディスク状記録媒体の半径方向と垂直方向に回動自在に軸受部で軸支された支持アームと、
前記ディスク状記録媒体方向へ前記支持アームを付勢するための付勢力を付与する弾性手段と、
前記支持アームが前記ディスク状記録媒体表面に垂直な方向に回動することを規制する規制手段とを具備することを特徴とするヘッド支持装置。 - 前記ヘッド支持装置は筐体部に固定され、規制手段は支持アームの他方の端部側に取り付けられた第1の規制部材と前記筐体部に固定された第2の規制部材とから構成され、
前記第1の規制部材が前記第2の規制部材に当接することにより、前記支持アームの垂直方向の回動が規制されることを特徴とする請求項1に記載のヘッド支持装置。 - 前記規制手段は、支持アームがディスク状記録媒体の半径方向に回動してスライダが前記ディスク状記録媒体表面から離間する位置において、前記支持アームの垂直方向の回動規制を解除する構成からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヘッド支持装置。
- 前記支持アームは、前記支持アームがディスク状記録媒体の半径方向に回動して前記ディスク状記録媒体表面からスライダを離間させる位置において、スライダを間接的に係合して前記ディスク状記録媒体から前記スライダを離間させる係合手段をさらに有し、
前記支持アームが前記スライダを間接的に係合する距離よりも、規制手段の第1の規制部材が第2の規制部材に当接するまでの距離を小さくしたことを特徴とする請求項3に記載のヘッド支持装置。 - 前記規制手段は、軸受部に設けた規制部に支持アームが当接することにより、前記支持アームの回動が規制される構成からなることを特徴とする請求項1に記載のヘッド支持装置。
- 前記弾性手段は、軸受部と支持アームとの間に設けられた板バネ部であることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載のヘッド支持装置。
- 前記軸受部は、
支持アームをディスク状記録媒体の半径方向に回動自在に軸支する回動軸受と、
前記ディスク状記録媒体表面と平行な前記支持アームの表面に接するように一対の頂部を有するピボット軸受とから構成され、
前記ピボット軸受の頂部と前記支持アームとが当接する点を支点として、前記支持アームが前記ディスク状記録媒体表面に対して垂直方向に回動可能で、かつ前記支持アームを前記ディスク状記録媒体の半径方向に回動可能な構成としたことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載のヘッド支持装置。 - 前記回動軸受の軸方向と支持アームの長手方向に対して垂直で、かつ、前記回動軸受の回動中心を通る線上で、ピボット軸受の一対の頂部が前記支持アームと当接する構成としたことを特徴とする請求項7に記載のヘッド支持装置。
- 前記ピボット軸受の一対の頂部が、支持アームの長手方向の中心線に関して対称な位置に設けられた構成からなることを特徴とする請求項8に記載のヘッド支持装置。
- 前記スライダは、前記スライダをロール方向およびピッチ方向の動作を許容するジンバル機構を介して、支持アームの一方の端部のディスク状記録媒体に対向する面側に取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載のヘッド支持装置。
- 前記支持アームを含む弾性手段に保持された部材の重心位置が、前記支持アームをディスク状記録媒体の半径方向に回動させる軸の中心線と前記ディスク状記録媒体表面に対して垂直方向に回動させる軸の中心線との交点に一致することを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかに記載のヘッド支持装置。
- 前記支持アームをディスク状記録媒体の半径方向に回動させる回動駆動手段として、ボイスコイルモータを用いることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれかに記載のヘッド支持装置。
- 前記第1の規制部材は、支持アームの他方の端部側に取り付けられたコイルからなることを特徴とする請求項2から請求項12までのいずれかに記載のヘッド支持装置。
- 回転自在に軸支されたディスク状記録媒体と、
前記ディスク状記録媒体を回転させる回転駆動手段と、
前記ディスク状記録媒体に記録と再生の少なくとも一方を行うヘッドと、前記ヘッドを搭載したスライダと、前記ディスク状記録媒体の半径方向と垂直方向に回動自在に軸受部で軸支され、一方の端部の前記ディスク状記録媒体に対向する面側に前記スライダが取り付けられた支持アームと、前記ディスク状記録媒体方向へ前記支持アームを付勢するための付勢力を付与する弾性手段と、前記支持アームに対して前記ディスク状記録媒体表面に垂直な方向の回動を規制する規制手段とを具備するヘッド支持装置と、
前記支持アームを前記ディスク状記録媒体の半径方向に回動させる回動駆動手段と、
これらを所定の位置関係に保持する筐体部とから構成されることを特徴とするディスク装置。 - 前記規制手段は、支持アームの他方の端部側に取り付けられた第1の規制部材と筐体部に固定された第2の規制部材とから構成され、
前記第1の規制部材が前記第2の規制部材に当接することにより、前記支持アームの垂直方向の回動が規制されることを特徴とする請求項14に記載のディスク装置。 - 前記回動駆動手段がボイスコイルモータであることを特徴とする請求項14または請求項15に記載のディスク装置。
- 前記規制手段の第1の規制部材をコイルとしたことを特徴とする請求項16に記載のディスク装置。
- 前記規制手段は、支持アームがディスク状記録媒体の半径方向に回動してスライダが前記ディスク状記録媒体表面から離間する位置において、前記支持アームの垂直方向の回動規制を解除する構成であることを特徴とする請求項14から請求項17までのいずれかに記載のディスク装置。
- 前記支持アームは、前記支持アームがディスク状記録媒体の半径方向に回動して前記ディスク状記録媒体表面からスライダを離間させる位置において、スライダを間接的に係合して前記ディスク状記録媒体から前記スライダを離間させる係合手段をさらに有し、
前記支持アームが前記スライダを間接的に係合する距離よりも、規制手段の第1の規制部材が第2の規制部材に当接するまでの距離を小さくしたことを特徴とする請求項15から請求項18までのいずれかに記載のディスク装置。 - 前記規制手段は、軸受部に設けた規制部に支持アームが当接することにより、前記支持アームの回動が規制される構成からなることを特徴とする請求項14に記載のディスク装置。
- 前記弾性手段は、軸受部と支持アームとの間に設けられた板バネ部であることを特徴とする請求項14から請求項20までのいずれかに記載のディスク装置。
- 前記軸受部は、
支持アームをディスク状記録媒体の半径方向に回動自在に軸支する回動軸受と、
前記支持アームの前記ディスク状記録媒体表面と平行な表面に接するように一対の頂部を有するピボット軸受とから構成され、
前記ピボット軸受の頂部と前記支持アームとが当接する点を支点として、前記支持アームが前記ディスク状記録媒体表面に対して垂直方向に回動可能な構成としたことを特徴とする請求項14から請求項21までのいずれかに記載のディスク装置。 - 前記回動軸受の軸方向と支持アームの長手方向に対して垂直方向で、かつ、前記回動軸受の回動中心を通る線上で、ピボット軸受の一対の頂部が前記支持アームと当接する構成としたことを特徴とする請求項22に記載のディスク装置。
- 前記ピボット軸受の一対の頂部が、支持アームの長手方向の中心線に関して対称な位置に設けられた構成からなることを特徴とする請求項23に記載のディスク装置。
- 前記スライダは、前記スライダをロール方向およびピッチ方向の動作を許容するジンバル機構を介して、支持アームの一方の端部のディスク状記録媒体に対向する面側に取り付けられていることを特徴とする請求項14から請求項24までのいずれかに記載のディスク装置。
- 前記弾性手段に保持された部分の重心位置が、支持アームをディスク状記録媒体の半径方向に回動させる軸の中心線と前記ディスク状記録媒体表面に対して垂直方向に回動させる軸の中心線との交点に一致することを特徴とする請求項14から請求項25までのいずれかに記載のディスク装置。
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