JP2004030673A - 表示システム及びこの表示システムにおいて使用する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】投影光源を使用して投影画像表示(コンピュータ制御画像表示システム)と対話するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】画像を表示するための画像データを制御し生成するコンピュータシステム20を含む表示システムにおいて、表示画像に、関連する符号化情報を有する光信号を投影するデバイス24と、表示画像及び投影された光信号をそれぞれ含む画像データを取込む画像取込装置23と、取込まれた画像データ内の符号化情報を抽出してその抽出情報を表示システムに提供する画像解析器25とを具備する。
【選択図】 図2A
【解決手段】画像を表示するための画像データを制御し生成するコンピュータシステム20を含む表示システムにおいて、表示画像に、関連する符号化情報を有する光信号を投影するデバイス24と、表示画像及び投影された光信号をそれぞれ含む画像データを取込む画像取込装置23と、取込まれた画像データ内の符号化情報を抽出してその抽出情報を表示システムに提供する画像解析器25とを具備する。
【選択図】 図2A
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投影画像表示と対話するシステム及び方法に関し、特に、この開示は、投影光源を使用して投影画像表示(コンピュータ制御画像表示システム)と対話するシステム及び方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
口頭プレゼンテーション中には、しばしば、表示画面又は表示領域(表示エリア)に投影される表示画像(例えば、スライド)が使用される。表示画像は、プレゼンテーションの口頭部分を強調又は補足する役割を果たす。しばしば、コンピュータシステムにより、画像を表示する表示装置を駆動するための画像データが提供される。一般に、コンピュータシステムが実行する特定のソフトウェアアプリケーション(例えば、スライド生成ソフトウェアアプリケーション)は、表示装置によって表示される画像データを生成する。
【0003】
図1は、表示領域(表示エリア)12に画像(破線11A,11Bによって参照される)を投影するように表示装置11を駆動するための画像データ10Aを提供するコンピュータシステム10を含む、従来技術によるコンピュータ制御表示システムの実施形態を示している。
【0004】
この種のシステムにおいて、プレゼンタは、通常、表示画像内のある位置に聴衆の注意を引くために、光又はレーザポインタ15等のポインティングデバイスを使用して表示画像を指し示す。プレゼンタは、しばしば、レーザポインタ15に加えて、入力装置14(例えば、マウス、キーボード等)を使用して、画像データ10Aを生成するコンピュータシステム及びアプリケーションソフトウェアを制御する。一般に、入力装置14は、制御信号を、赤外線光信号を介して伝送するリモートマウスである。この表示システムと対話する技術の問題は、2つのハンドヘルド装置(すなわち、ポインティングデバイス及び入力装置)を使用することが、プレゼンテーションを行っている間に紛らわしく厄介なものとなる可能性がある、ということである。さらに、プレゼンタがリモート入力装置によってコンピュータシステムと対話することができるように、光路に妨げがあってはならず、それによって、プレゼンテーションを行っている間にプレゼンタは動きまわりを制限されるか、又はプレゼンタはコンピュータシステムとの光路を回復することが必要となる。
【0005】
望ましいものは、複数の入力装置を必要としない、コンピュータ制御表示システムと対話する簡易化した技術である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、画像を表示するための画像データを制御して生成するコンピュータシステムを含む表示システム及びこの表示システムにおいて使用する方法を提供することである。さらに詳しくは、本発明の目的は、投影光源を使用して投影画像表示(コンピュータ制御画像表示システム)と対話するシステム及び方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本表示システムは、表示画像に光信号を投影する装置をさらに有し、光信号は、符号化情報を有することを特徴とする。画像取込装置は、表示画像と投影光信号とを含む画像データを取込む。画像解析器は、取込まれた画像データ内の符号化情報を検出及び抽出し、抽出情報を表示システムに提供することができるようにし、それによって、ユーザがポインティングデバイスを使用して表示システムと対話することができるようにする。
【0008】
画像を表示するための画像データを生成するコンピュータシステムを含む表示システムで使用する方法であって、表示画像に光信号を投影することを含む方法をここに記載する。光信号は、符号化情報を有することを特徴とする。画像データが取込まれ、この画像データは、表示画像と投影光信号とを含む。画像データが解析されることにより、符号化情報が抽出される。そして、抽出情報が、表示システムに提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のシステム及び方法は、口頭プレゼンテーションを行うプレゼンタが、光投影装置を使用してコンピュータ制御表示システムに情報又は制御を提供することができる簡易技術を提供する。さらに、本システム及び方法は、コンピュータ制御表示システムと対話する場合に、複数の従来からの入力装置を使用する従来の慣習に対して優れた代替物を提供する。なお、本開示の目的のために、コンピュータ制御表示システムは、少なくとも、画像データの表示を生成しかつ制御するコンピュータ,処理システム又は装置,或いはコンピューティングシステム又は装置と、画像を表示する表示領域と、コンピュータ,処理システム又は装置,或いはコンピューティングシステム又は装置によって制御される、表示領域に画像データを表示するための手段とを含む、ということに留意しなければならない。
【0010】
図2Aは、表示領域22に表示する画像データ20Aを提供するコンピュータシステム20を含む、本発明のシステムの第1実施形態を示している。一実施形態では、コンピュータシステムは、少なくとも、画像データを格納する記憶領域(図示せず)を含んでいる。他の実施形態(図示せず)では、コンピュータシステムは、画像データ20Aを生成する、スライドプレゼンテーション生成ソフトウェア等のアプリケーションソフトウェアを含んでいる。画像データ20Aは、表示領域22上に画像(破線21A,21Bで示される)を表示するために表示装置21を駆動する。表示領域22は、表示画面(ディスプレイ・スクリーン)であっても単に壁面であってもよい。
【0011】
デバイス24は、表示領域22上の表示画像に光信号24Aを投影する。一実施形態では、デバイス24は、プレゼンタによってスライドプレゼンテーション中に表示領域上の重要な位置を識別するために使用されるポインティングデバイスである。他の実施形態では、ポインティングデバイスは、レーザポインタである。光信号24Aは、関連する符号化情報を有することを特徴とする。情報は、画像取込装置23によって検出可能である信号への変更をもたらすいかなる方法によっても、光信号に符号化され得る。一実施形態では、情報は、色,光パルス周波数,又は光パルス長のうちの1つ又は任意の組合せを変更することにより、光信号内で符号化される。一実施形態では、信号への変更を、デバイス24上の1つ又は複数の制御オプション(例えば、ボタン,ダイアル,ローラ等)によって達成することができる。起動は、例えば、ボタンを押圧するか、ダイアルを回すか、又はローラを回転させることによって行われ得る。例えば、第1の制御オプションを起動する(例えば、第1のボタンを押圧する)ことにより、デバイス24から第1の符号化信号が発せられ、第2の制御オプションを起動する(例えば、第2のボタンを押圧する)ことにより、第2の符号化信号が発せられる。制御オプションの組合せの起動(例えば、第1のボタン及び第2のボタンをともに押圧すること)により、デバイス24が第3の符号化信号を発してよい。さらに別の制御オプションにより、単にデバイス24が、単なるポインティング信号を発する目的のために使用される、符号化情報を有していない信号を発してよい。
【0012】
画像取込装置23は、表示画像(21A−21B)と表示画像上に投影された光信号24Aとを含む画像(破線23A,23Bによって示される)を取込む。なお、画像取込装置23は、アナログ画像取込装置であってもデジタル画像取込装置であってもよく、静止画像取込装置であってもビデオ装置であってもよい、ということに留意しなければならない。画像取込装置23は、光信号24Aにおける符号化情報に関連する変化を検出して取込むために十分な解像度を有するという特徴を有する。取込画像データ23Cは、取込画像データ23Cから光信号24Aの画像データを検出して抽出する画像解析器25に連結されている。この画像解析器25は、ハードウェア,ソフトウェア,又はファームウェアのうちの1つによって実現することができる、ということに留意しなければならない。
【0013】
一旦、取込画像データ23Cから光信号の画像データが抽出されると、光信号の画像データを解析することにより、光信号24A内に符号化された情報を識別する。そして、抽出情報に対応する信号25Aは、少なくともコンピュータシステム20,表示装置21,及び/又は画像取込装置23を含む表示システムの残り部分に提供され得る。一実施形態では、信号25Aは、コンピュータシステムに、例えばコンピュータシステムで実行しているオペレーティングシステム又はアプリケーションを制御するために供給される。例えば、情報を使用して、スライド画像を生成するアプリケーションソフトウェアが新たなスライドに切替えるようにすることができる。概して、情報は、コンピュータシステムがキーボード又はマウス等の従来の入力装置から受取るのを予期することができるいかなる入力信号にも対応することができる。他の実施形態では、信号25Aを表示装置に供給することにより、表示装置の設定を調整させることができる。さらに他の実施形態では、信号25Aを、取込んでいる画像データのパラメータ(例えば、解像度)を制御するために画像取込装置23に供給することができる。なお、一実施形態では、抽出画像データから取得された符号化情報を、画像解析器25内で復号化する、ということに留意すべきである。他の実施形態では、符号化情報を表示システムの要素に提供し、これらの要素の各々において復号化する。
【0014】
画像解析器25の例示的な実施態様は、2001年1月31日に出願され、「A System and Method for Robust Foreground and Background Image Data Separation for Location of Objects in Front of a Controllable Display withina Camera View」と題され、本出願の譲受人に譲渡された、米国特許出願第09/775032号に述べられている。この場合、検出及び抽出は、表示画像に対応する画像データから、表示領域22の上又はその前に位置する物体(例えば、プレゼンタ及び/又はポインタ)に対応する画像データを分離することによって行う。図2Bは、画像解析器25が光信号に対応する画像データを検出して抽出することができる方法の例示的な機能フローチャートを示している。この実施形態によれば、コンピュータ制御表示システムにより、画像データが表示される(ブロック200参照)。この画像データは、コンピュータシステム20(図2A参照)によって供給される画像データ20Aに対応(相当)する。そして、画像データ20Aは、表示領域22と画像取込装置23の取込領域との間で定義された事前に確定された変換規則を使用して、予測取込表示領域データに変換される(ブロック201参照)。表示画像が取込まれ(ブロック202参照)、その後、予測取込表示領域データは、実際の取込データと比較される(ブロック203参照)。一致しないデータは、オブジェクト(物体、すなわち、レーザポイント)として識別される(ブロック204参照)。
【0015】
画像解析器25の第2の例示的な実施態様は、2002年6月26日に出願され、「System and Method of Locating a Projected Laser Point on a Computer Controlled Display」と題された米国特許出願第10/180743号に述べられている。この場合、検出/抽出を、取込画像データ内のレーザポイントの輝度を既知の最大表示画像輝度閾値を超過させるように、表示画像データの全てのピクセルの総体的な輝度を低減するようにコンピュータシステムを制御すると同時に、レーザポインタを検出することによって行う。既知の最大表示画像輝度閾値を超過するものとして識別された取込データ内の任意のピクセルは、レーザポイントの位置に対応する。
【0016】
図3は、コンピュータシステム30に対しコンピュータシステムの既存の入力ポートを通して情報を提供するようにトランスコーダを使用する、本発明のシステムの第2実施形態を示している。この実施形態によれば、コンピュータシステム30内で実行するアプリケーションソフトウェア30Aは、表示領域32に画像(31A−31B)を表示するように表示装置31を駆動するための画像データ30Bを生成する。デバイス34は、光信号34Aを表示画像(31A−31B)上に投影する。表示画像及び光信号は、画像取込装置33によって取込まれ、取込画像データ33Cは、画像解析器30Cに供給される。画像解析器30Cをコンピュータシステム30内にあるように示しているが、別個に具体化することができる、ということに留意しなければならない。画像解析器30Cは、取込画像データ33Cから光信号34Aに対応する画像データを検出して抽出する。さらに、画像解析器30Cは、抽出画像データを解析することにより、光信号34A内に符号化された情報を識別する。抽出情報に対応する情報信号35は、コンピュータシステム30の既存の出力ポート30Dに供給される。また、出力ポート30Dは、トランスコーダ30Eに結合されている。このトランスコーダ30Eは、情報信号35を、コンピュータシステム30の既存の入力ポート30Fに適合する信号36に変換する。一実施形態では、入力ポート30Fは、従来のUSBシリアルポートである。特に、信号35は、入力ポート30Fによって既知のフォーマットに変換される。そして、入力ポート30Fは、信号37をアプリケーションソフトウェア30Aに送信する。このシステムの利点は、情報信号35がトランスコーダ30Eによって既知の入力フォーマットに変換されると共に、従来のかつ既存の入力経路に沿って(すなわち、入力ポート30Fを介して)受取られるため、コンピュータシステムにおいて光信号34Aからアプリケーションソフトウェア30Aに情報を提供することによる影響が最小化される、という点にある。
【0017】
図4は、本発明による表示システムと対話する方法の一実施形態を示している。本方法は、コンピュータ制御表示画像に、関連する符号化情報を有する光信号を投影するステップ(ブロック40参照)を含んでいる。次に、本方法は、表示画像及び投影光信号を含む画像データを取込むステップ(ブロック41参照)を含んでいる。この場合、取込画像データが、表示画像及び投影光信号以外のオブジェクト(物体)を含む可能性がある、ということに留意しなければならない。本方法は、さらに、画像データを解析することにより取込画像データから符号化情報を抽出するステップ(ブロック42参照)を含んでいる。最後に、本方法は、抽出情報を表示システムに提供するステップ(ブロック43参照)を含んでいる。一実施形態(図示せず)では、本方法は、さらに、取込画像データから光信号に対応する画像データを抽出し、その後に抽出画像データを解析して符号化情報を確定するステップを含むことができる。他の実施形態(図示せず)では、本方法は、さらに、光信号における抽出情報を提供することによりコンピュータシステムを制御するステップを含む。
【0018】
このように、コンピュータ制御表示に向けられた光信号内で符号化された情報を使用して表示システムと対話する表示システム及び方法を説明した。本システム及び方法は、キーボード及びマウス等の従来の入力装置に代わる対話方法を提供することにより、表示画像を含むプレゼンテーション中にユーザに対して表示システムとの対話を容易にする。
【0019】
以上を要約すると、次の通りである。すなわち、ここには、コンピュータ制御表示(表示領域)(22,32)に向けられた光信号(24A,34A)内に符号化された情報を表示システムと対話するために使用するようにした表示システム及び方法が記載されている。情報が符号化されている光信号(24A,34A)及び表示画像(21A−21B,31A−31B)は、画像取込装置(23,33)によって取込まれ、この取込まれた画像データから符号化情報が抽出される。抽出された情報(25A,35)は、表示システムに提供され、これによりユーザが光投影装置を用いてコンピュータ制御表示システムと対話することが可能ならしめられる。
【0020】
前述した説明では、本発明の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細を示している。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細を採用することは本発明を実施するために必ずしも必要ではない、ということが明らかとなろう。さらに、例示として示して説明した特定の実施形態が、限定するものとみなされるようには意図されていない、ということを理解すべきである。これらの実施形態の詳細への参照は、特許請求の範囲を限定するように意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術による投影光源及び入力装置を使用してコンピュータ制御画像表示システムと対話する従来技術によるシステムを示す図である。
【図2A】本発明による投影光源を使用してコンピュータ制御画像表示システムと対話するシステムの第1実施形態を示す図である。
【図2B】本発明による画像解析器の1つの例示的な実施形態の機能を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明による投影光源を使用してコンピュータ制御画像表示システムと対話するシステムの第2実施形態を示す図である。
【図4】本発明による投影光源を使用してコンピュータ制御画像表示システムと対話する方法の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
20,30 コンピュータシステム
20A,30B 画像データ
21,31 表示装置
21A,21B 表示画像
22,32 表示領域
23,33 画像取込装置
24,34 デバイス
24A,34A 光信号
25,30C 画像解析装置
25A 信号
30A アプリケーションソフトウェア
31A,31B 表示画像
35 情報信号
36,37 信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、投影画像表示と対話するシステム及び方法に関し、特に、この開示は、投影光源を使用して投影画像表示(コンピュータ制御画像表示システム)と対話するシステム及び方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
口頭プレゼンテーション中には、しばしば、表示画面又は表示領域(表示エリア)に投影される表示画像(例えば、スライド)が使用される。表示画像は、プレゼンテーションの口頭部分を強調又は補足する役割を果たす。しばしば、コンピュータシステムにより、画像を表示する表示装置を駆動するための画像データが提供される。一般に、コンピュータシステムが実行する特定のソフトウェアアプリケーション(例えば、スライド生成ソフトウェアアプリケーション)は、表示装置によって表示される画像データを生成する。
【0003】
図1は、表示領域(表示エリア)12に画像(破線11A,11Bによって参照される)を投影するように表示装置11を駆動するための画像データ10Aを提供するコンピュータシステム10を含む、従来技術によるコンピュータ制御表示システムの実施形態を示している。
【0004】
この種のシステムにおいて、プレゼンタは、通常、表示画像内のある位置に聴衆の注意を引くために、光又はレーザポインタ15等のポインティングデバイスを使用して表示画像を指し示す。プレゼンタは、しばしば、レーザポインタ15に加えて、入力装置14(例えば、マウス、キーボード等)を使用して、画像データ10Aを生成するコンピュータシステム及びアプリケーションソフトウェアを制御する。一般に、入力装置14は、制御信号を、赤外線光信号を介して伝送するリモートマウスである。この表示システムと対話する技術の問題は、2つのハンドヘルド装置(すなわち、ポインティングデバイス及び入力装置)を使用することが、プレゼンテーションを行っている間に紛らわしく厄介なものとなる可能性がある、ということである。さらに、プレゼンタがリモート入力装置によってコンピュータシステムと対話することができるように、光路に妨げがあってはならず、それによって、プレゼンテーションを行っている間にプレゼンタは動きまわりを制限されるか、又はプレゼンタはコンピュータシステムとの光路を回復することが必要となる。
【0005】
望ましいものは、複数の入力装置を必要としない、コンピュータ制御表示システムと対話する簡易化した技術である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、画像を表示するための画像データを制御して生成するコンピュータシステムを含む表示システム及びこの表示システムにおいて使用する方法を提供することである。さらに詳しくは、本発明の目的は、投影光源を使用して投影画像表示(コンピュータ制御画像表示システム)と対話するシステム及び方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本表示システムは、表示画像に光信号を投影する装置をさらに有し、光信号は、符号化情報を有することを特徴とする。画像取込装置は、表示画像と投影光信号とを含む画像データを取込む。画像解析器は、取込まれた画像データ内の符号化情報を検出及び抽出し、抽出情報を表示システムに提供することができるようにし、それによって、ユーザがポインティングデバイスを使用して表示システムと対話することができるようにする。
【0008】
画像を表示するための画像データを生成するコンピュータシステムを含む表示システムで使用する方法であって、表示画像に光信号を投影することを含む方法をここに記載する。光信号は、符号化情報を有することを特徴とする。画像データが取込まれ、この画像データは、表示画像と投影光信号とを含む。画像データが解析されることにより、符号化情報が抽出される。そして、抽出情報が、表示システムに提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のシステム及び方法は、口頭プレゼンテーションを行うプレゼンタが、光投影装置を使用してコンピュータ制御表示システムに情報又は制御を提供することができる簡易技術を提供する。さらに、本システム及び方法は、コンピュータ制御表示システムと対話する場合に、複数の従来からの入力装置を使用する従来の慣習に対して優れた代替物を提供する。なお、本開示の目的のために、コンピュータ制御表示システムは、少なくとも、画像データの表示を生成しかつ制御するコンピュータ,処理システム又は装置,或いはコンピューティングシステム又は装置と、画像を表示する表示領域と、コンピュータ,処理システム又は装置,或いはコンピューティングシステム又は装置によって制御される、表示領域に画像データを表示するための手段とを含む、ということに留意しなければならない。
【0010】
図2Aは、表示領域22に表示する画像データ20Aを提供するコンピュータシステム20を含む、本発明のシステムの第1実施形態を示している。一実施形態では、コンピュータシステムは、少なくとも、画像データを格納する記憶領域(図示せず)を含んでいる。他の実施形態(図示せず)では、コンピュータシステムは、画像データ20Aを生成する、スライドプレゼンテーション生成ソフトウェア等のアプリケーションソフトウェアを含んでいる。画像データ20Aは、表示領域22上に画像(破線21A,21Bで示される)を表示するために表示装置21を駆動する。表示領域22は、表示画面(ディスプレイ・スクリーン)であっても単に壁面であってもよい。
【0011】
デバイス24は、表示領域22上の表示画像に光信号24Aを投影する。一実施形態では、デバイス24は、プレゼンタによってスライドプレゼンテーション中に表示領域上の重要な位置を識別するために使用されるポインティングデバイスである。他の実施形態では、ポインティングデバイスは、レーザポインタである。光信号24Aは、関連する符号化情報を有することを特徴とする。情報は、画像取込装置23によって検出可能である信号への変更をもたらすいかなる方法によっても、光信号に符号化され得る。一実施形態では、情報は、色,光パルス周波数,又は光パルス長のうちの1つ又は任意の組合せを変更することにより、光信号内で符号化される。一実施形態では、信号への変更を、デバイス24上の1つ又は複数の制御オプション(例えば、ボタン,ダイアル,ローラ等)によって達成することができる。起動は、例えば、ボタンを押圧するか、ダイアルを回すか、又はローラを回転させることによって行われ得る。例えば、第1の制御オプションを起動する(例えば、第1のボタンを押圧する)ことにより、デバイス24から第1の符号化信号が発せられ、第2の制御オプションを起動する(例えば、第2のボタンを押圧する)ことにより、第2の符号化信号が発せられる。制御オプションの組合せの起動(例えば、第1のボタン及び第2のボタンをともに押圧すること)により、デバイス24が第3の符号化信号を発してよい。さらに別の制御オプションにより、単にデバイス24が、単なるポインティング信号を発する目的のために使用される、符号化情報を有していない信号を発してよい。
【0012】
画像取込装置23は、表示画像(21A−21B)と表示画像上に投影された光信号24Aとを含む画像(破線23A,23Bによって示される)を取込む。なお、画像取込装置23は、アナログ画像取込装置であってもデジタル画像取込装置であってもよく、静止画像取込装置であってもビデオ装置であってもよい、ということに留意しなければならない。画像取込装置23は、光信号24Aにおける符号化情報に関連する変化を検出して取込むために十分な解像度を有するという特徴を有する。取込画像データ23Cは、取込画像データ23Cから光信号24Aの画像データを検出して抽出する画像解析器25に連結されている。この画像解析器25は、ハードウェア,ソフトウェア,又はファームウェアのうちの1つによって実現することができる、ということに留意しなければならない。
【0013】
一旦、取込画像データ23Cから光信号の画像データが抽出されると、光信号の画像データを解析することにより、光信号24A内に符号化された情報を識別する。そして、抽出情報に対応する信号25Aは、少なくともコンピュータシステム20,表示装置21,及び/又は画像取込装置23を含む表示システムの残り部分に提供され得る。一実施形態では、信号25Aは、コンピュータシステムに、例えばコンピュータシステムで実行しているオペレーティングシステム又はアプリケーションを制御するために供給される。例えば、情報を使用して、スライド画像を生成するアプリケーションソフトウェアが新たなスライドに切替えるようにすることができる。概して、情報は、コンピュータシステムがキーボード又はマウス等の従来の入力装置から受取るのを予期することができるいかなる入力信号にも対応することができる。他の実施形態では、信号25Aを表示装置に供給することにより、表示装置の設定を調整させることができる。さらに他の実施形態では、信号25Aを、取込んでいる画像データのパラメータ(例えば、解像度)を制御するために画像取込装置23に供給することができる。なお、一実施形態では、抽出画像データから取得された符号化情報を、画像解析器25内で復号化する、ということに留意すべきである。他の実施形態では、符号化情報を表示システムの要素に提供し、これらの要素の各々において復号化する。
【0014】
画像解析器25の例示的な実施態様は、2001年1月31日に出願され、「A System and Method for Robust Foreground and Background Image Data Separation for Location of Objects in Front of a Controllable Display withina Camera View」と題され、本出願の譲受人に譲渡された、米国特許出願第09/775032号に述べられている。この場合、検出及び抽出は、表示画像に対応する画像データから、表示領域22の上又はその前に位置する物体(例えば、プレゼンタ及び/又はポインタ)に対応する画像データを分離することによって行う。図2Bは、画像解析器25が光信号に対応する画像データを検出して抽出することができる方法の例示的な機能フローチャートを示している。この実施形態によれば、コンピュータ制御表示システムにより、画像データが表示される(ブロック200参照)。この画像データは、コンピュータシステム20(図2A参照)によって供給される画像データ20Aに対応(相当)する。そして、画像データ20Aは、表示領域22と画像取込装置23の取込領域との間で定義された事前に確定された変換規則を使用して、予測取込表示領域データに変換される(ブロック201参照)。表示画像が取込まれ(ブロック202参照)、その後、予測取込表示領域データは、実際の取込データと比較される(ブロック203参照)。一致しないデータは、オブジェクト(物体、すなわち、レーザポイント)として識別される(ブロック204参照)。
【0015】
画像解析器25の第2の例示的な実施態様は、2002年6月26日に出願され、「System and Method of Locating a Projected Laser Point on a Computer Controlled Display」と題された米国特許出願第10/180743号に述べられている。この場合、検出/抽出を、取込画像データ内のレーザポイントの輝度を既知の最大表示画像輝度閾値を超過させるように、表示画像データの全てのピクセルの総体的な輝度を低減するようにコンピュータシステムを制御すると同時に、レーザポインタを検出することによって行う。既知の最大表示画像輝度閾値を超過するものとして識別された取込データ内の任意のピクセルは、レーザポイントの位置に対応する。
【0016】
図3は、コンピュータシステム30に対しコンピュータシステムの既存の入力ポートを通して情報を提供するようにトランスコーダを使用する、本発明のシステムの第2実施形態を示している。この実施形態によれば、コンピュータシステム30内で実行するアプリケーションソフトウェア30Aは、表示領域32に画像(31A−31B)を表示するように表示装置31を駆動するための画像データ30Bを生成する。デバイス34は、光信号34Aを表示画像(31A−31B)上に投影する。表示画像及び光信号は、画像取込装置33によって取込まれ、取込画像データ33Cは、画像解析器30Cに供給される。画像解析器30Cをコンピュータシステム30内にあるように示しているが、別個に具体化することができる、ということに留意しなければならない。画像解析器30Cは、取込画像データ33Cから光信号34Aに対応する画像データを検出して抽出する。さらに、画像解析器30Cは、抽出画像データを解析することにより、光信号34A内に符号化された情報を識別する。抽出情報に対応する情報信号35は、コンピュータシステム30の既存の出力ポート30Dに供給される。また、出力ポート30Dは、トランスコーダ30Eに結合されている。このトランスコーダ30Eは、情報信号35を、コンピュータシステム30の既存の入力ポート30Fに適合する信号36に変換する。一実施形態では、入力ポート30Fは、従来のUSBシリアルポートである。特に、信号35は、入力ポート30Fによって既知のフォーマットに変換される。そして、入力ポート30Fは、信号37をアプリケーションソフトウェア30Aに送信する。このシステムの利点は、情報信号35がトランスコーダ30Eによって既知の入力フォーマットに変換されると共に、従来のかつ既存の入力経路に沿って(すなわち、入力ポート30Fを介して)受取られるため、コンピュータシステムにおいて光信号34Aからアプリケーションソフトウェア30Aに情報を提供することによる影響が最小化される、という点にある。
【0017】
図4は、本発明による表示システムと対話する方法の一実施形態を示している。本方法は、コンピュータ制御表示画像に、関連する符号化情報を有する光信号を投影するステップ(ブロック40参照)を含んでいる。次に、本方法は、表示画像及び投影光信号を含む画像データを取込むステップ(ブロック41参照)を含んでいる。この場合、取込画像データが、表示画像及び投影光信号以外のオブジェクト(物体)を含む可能性がある、ということに留意しなければならない。本方法は、さらに、画像データを解析することにより取込画像データから符号化情報を抽出するステップ(ブロック42参照)を含んでいる。最後に、本方法は、抽出情報を表示システムに提供するステップ(ブロック43参照)を含んでいる。一実施形態(図示せず)では、本方法は、さらに、取込画像データから光信号に対応する画像データを抽出し、その後に抽出画像データを解析して符号化情報を確定するステップを含むことができる。他の実施形態(図示せず)では、本方法は、さらに、光信号における抽出情報を提供することによりコンピュータシステムを制御するステップを含む。
【0018】
このように、コンピュータ制御表示に向けられた光信号内で符号化された情報を使用して表示システムと対話する表示システム及び方法を説明した。本システム及び方法は、キーボード及びマウス等の従来の入力装置に代わる対話方法を提供することにより、表示画像を含むプレゼンテーション中にユーザに対して表示システムとの対話を容易にする。
【0019】
以上を要約すると、次の通りである。すなわち、ここには、コンピュータ制御表示(表示領域)(22,32)に向けられた光信号(24A,34A)内に符号化された情報を表示システムと対話するために使用するようにした表示システム及び方法が記載されている。情報が符号化されている光信号(24A,34A)及び表示画像(21A−21B,31A−31B)は、画像取込装置(23,33)によって取込まれ、この取込まれた画像データから符号化情報が抽出される。抽出された情報(25A,35)は、表示システムに提供され、これによりユーザが光投影装置を用いてコンピュータ制御表示システムと対話することが可能ならしめられる。
【0020】
前述した説明では、本発明の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細を示している。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細を採用することは本発明を実施するために必ずしも必要ではない、ということが明らかとなろう。さらに、例示として示して説明した特定の実施形態が、限定するものとみなされるようには意図されていない、ということを理解すべきである。これらの実施形態の詳細への参照は、特許請求の範囲を限定するように意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術による投影光源及び入力装置を使用してコンピュータ制御画像表示システムと対話する従来技術によるシステムを示す図である。
【図2A】本発明による投影光源を使用してコンピュータ制御画像表示システムと対話するシステムの第1実施形態を示す図である。
【図2B】本発明による画像解析器の1つの例示的な実施形態の機能を説明するためのフローチャートである。
【図3】本発明による投影光源を使用してコンピュータ制御画像表示システムと対話するシステムの第2実施形態を示す図である。
【図4】本発明による投影光源を使用してコンピュータ制御画像表示システムと対話する方法の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
20,30 コンピュータシステム
20A,30B 画像データ
21,31 表示装置
21A,21B 表示画像
22,32 表示領域
23,33 画像取込装置
24,34 デバイス
24A,34A 光信号
25,30C 画像解析装置
25A 信号
30A アプリケーションソフトウェア
31A,31B 表示画像
35 情報信号
36,37 信号
Claims (11)
- 画像を表示するための画像データを制御し生成するコンピュータシステムを含む表示システムであって、
表示画像に、関連する符号化情報を有する光信号を投影するデバイスと、
前記表示画像及び投影された光信号をそれぞれ含む画像データを取込む画像取込装置と、
取込まれた画像データ内の符号化情報を抽出してその抽出情報を前記表示システムに提供する画像解析器と、
を具備することを特徴とする表示システム。 - 前記コンピュータシステムは、表示するための前記画像データを生成するアプリケーションソフトウェアをさらに備え、前記抽出情報は、前記アプリケーションソフトウェアを制御するためのものであることを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
- 前記符号化情報は、前記コンピュータシステムによって実行される任意のアプリケーションソフトウェアを制御するための制御情報であることを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
- 光信号を投影する前記デバイスは、レーザポインタであることを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
- 前記画像解析器は、ハードウェア,ソフトウェア,及びファームウェアのうちの1つによって実施されることを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
- 前記抽出情報を既存の入力信号フォーマットに変換し、前記変換信号を既存のコンピュータシステム入力ポートに供給するためのトランスコーダをさらに具備し、これにより前記抽出情報が既存のコンピュータシステム信号経路を通して前記コンピュータシステムに提供されることを特徴とする請求項1に記載の表示システム。
- 画像を表示するための画像データを生成するコンピュータシステムを含む表示システムにおいて使用する方法であって、
表示画像に、関連する符号化情報を有する光信号を投影するステップと、
前記表示画像及び投影された光信号をそれぞれ含む画像データを取込むステップと、
取込まれた画像データを解析して前記符号化情報を抽出するステップと、
抽出された情報を前記表示システムに提供するステップと、
を含むことを特徴とする方法。 - 画像取込装置によって検出可能な前記光信号の少なくとも1つの光学特性を変更することにより、前記光信号内の情報を符号化するステップをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 前記抽出情報により前記コンピュータシステムを制御するステップをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 前記抽出情報によって前記コンピュータシステム内のアプリケーションソフトウェアを制御して、表示画像データを制御するステップをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
- 取込まれた画像データを解析して符号化情報を抽出する前記ステップは、
取込まれた画像データから前記光信号に対応する画像データを抽出するステップと、
抽出された画像データを解析して、前記光信号に符号化された情報を取得するステップと、
を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
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