JP2004030375A - 運動及び栄養の指示を出力し、その指示に対する結果をフィードバックすることで指示精度を上げていく装置及びその指示の実行を容易にする為の装置とシステム。 - Google Patents
運動及び栄養の指示を出力し、その指示に対する結果をフィードバックすることで指示精度を上げていく装置及びその指示の実行を容易にする為の装置とシステム。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】個人に必要な運動(トレーニング)と望ましい栄養素は、性別や体格によって一定しているものではなく、体調や運動履歴によって毎日変化するが、その都度最適な運動と栄養指示とを作成する装置とそこで得られた指示を円滑に実践する為の運用システムを提供する。
【解決手段】心拍数や体調、筋肉痛の部位とその痛みの程度等の日毎変動するデータを断続的に集積し、その変化量や変化の方向を分析することによって、その時点での最適な運動と栄養の指示を出力し、更に、その指示に従った結果生ずる上記データを分析処理に戻すことを繰り返す事で指示作成精度を高めていくコンピュータプログラムを利用する。また、前記指示を円滑に実践するために、スポーツクラブ等の施設が前記装置を運用するシステムを記述し、更に、所望の栄養素量が容易に摂取できる飲食店システムを記述する。
【選択図】 図1
【解決手段】心拍数や体調、筋肉痛の部位とその痛みの程度等の日毎変動するデータを断続的に集積し、その変化量や変化の方向を分析することによって、その時点での最適な運動と栄養の指示を出力し、更に、その指示に従った結果生ずる上記データを分析処理に戻すことを繰り返す事で指示作成精度を高めていくコンピュータプログラムを利用する。また、前記指示を円滑に実践するために、スポーツクラブ等の施設が前記装置を運用するシステムを記述し、更に、所望の栄養素量が容易に摂取できる飲食店システムを記述する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は運動と栄養の指示を作成するコンピュータプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スポーツクラブ等で会員に渡されるトレーニング指示はトレーナー等が会員のトレーニングの目的をインタビューして、それを参考に予めパターン化されたトレーニングメニューを会員に提供していた。
【0003】
運動の強度の調整にコンピュータプログラムを利用したものには、負荷を自動制御するエルゴメーターや筋力トレーニング用運動器具など、利用者の心拍数をフィードバック制御して運動強度を調整したり、可動部の移動速度の変化によって強度を調整したりするものは存在するが、それはその運動中のみの連続変化量を利用したものであり、その運動から離れた状態での心拍数の変化や体躯の変化、体調や栄養摂取状況までもフィードバック制御に使うものではない。
【0004】
また、個人に必要な栄養素量を出力するコンピュータプログラムは、省庁が国民の性別・年代・身長等のカテゴリー別にまとめた推薦必要栄養摂取量の統計データを参照して、それをその個人の適正摂取栄養素量として出力するだけのものであった。
【0005】
また、指示された栄養素量を実際に食事を通して摂取するには病院等に入院、或いは栄養計算を行いながら自炊をするしかなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
運動や栄養指示作成に関する従来の技術では、統計上のデータを最初の一度だけ参照しているだけであって、その個人にとって随時変化する最適な運動や栄養指示を作成しているとは言えない。
【0007】
栄養の指示に関して言えば、それら統計データが語る性別・年齢別・生活強度別の推薦必要栄養摂取量を満たすように食事を取っても例えば肥満が解決しないばかりか、糖尿病の症状が悪化したり、体脂肪が増えたりすることすら実際に見られる。また、最適な栄養素量を統計的に算出出来たとしても、個人個人に適した栄養は、食事の時間やその時の体調によっても随時変化する。
【0008】
これは運動に関しも同様であり、筋肉痛の現れた方や運動からの疲労の回復度等は個人差に大きく依存し、固定概念だけで個人の状況を断定して指示を作成すると、運動効果が得られないばかりか逆に過労や体調不良に陥ることもある。
【0009】
運動指示、栄養指示共に、個人の初期の情報のみで、こういった一方的な指示を出すことは、医療にたとえて言うならば、統計的なデータだけに頼った初診のみで、その後全ての診療方法を固定するのが愚かなのと同じである。
【0010】
また、適正な栄養摂取を食事を通して実践しようにも、病院に入院するか、或いは各個人が食品の栄養素を調べ、自ら調理を行う必要があり、これは調理が出来ない人々や食事の多くを外食に依存している現代人にとって現実的ではない。
【0011】
ところで、栄養表示をしている飲食店は既にあるが、多くはカロリー表示だけである。仮にそれ以上のレベルでの栄養表示があったとしても、それはその食事全体を摂取した場合の熱量・栄養素量であり、それらのどれを食べなければ、或いは増やせば必要栄養摂取量を満たせるかという配慮はなされていない。例えば豆腐をあと半丁追加すると蛋白質が10g増えるなどの表記である。
【0012】
【問題を解決するための手段】
より的確な運動及び栄養指示を算出するためには、個人のそれぞれ異なる運動暦や体躯の変化、筋肉痛の部位、運動間の休息期間、心拍数の変化や体温の変化、疾病暦や現在の体調、栄養摂取暦など、それらの変化を分析したうえで、その都度個人に最適な運動指示と栄養指示とを出力し、さらにその指示を実行した結果を前記の処理に戻すことで、実際の行動が結果に肯定的に出たのか否定的に出たのかで分岐処理を施し、次回の指示出力精度を段階的に上げていく請求項1記載のコンピュータプログラムを組み込んだ装置を利用する。
【0013】
また、上記の装置は単独でもその目的を達成できるが、上記の装置が常に手元に無くても、上記の装置の指示出力の為に必要なデータを集めることが出来るように、請求項2記載の、運動実行履歴、体躯測定履歴、生理値測定履歴、栄養摂取履歴を記録するコンピュータプログラムを組み込んだ装置を利用する。同じく請求項1の装置が常に手元に無くても、前記の装置にユーザーは端末を通してデータを保存し、必要時に請求項1のプログラムが出力する指示を端末から得ることが出来る請求項3のシステムを利用する。
【0014】
更に、個人毎に異なる必要な栄養素量を容易に摂取できるように、請求項4記載の飲食店運営システムを採用する。
【0015】
【発明の実施の形態】
初めに請求項1の装置の処理を行うコンピュータプログラムの内部の指示作成処理について解説する。ここでは処理の内容を簡潔に記述するために、前記の装置は利用者の自宅にあると仮定し、この利用者は自宅でトレーニングを行い、自宅で全ての食事をとることが出来ると仮定する。先ず初期設定として、利用者が、性別、生年月日、身長、体重、体脂肪率、1日の食事回数、現在の1日の摂取エネルギー、食事の時間とトレーニングの時間、生活強度やトレーニングの目的、鍛えたい筋肉の優先順位を入力する。これらは全てパラメータ化され、それぞれが異なる目的の為に使用される。この段階で100種目超からなるトレーニング種目のデータベースレコードが利用者の初期設定に沿って選別されると共に優先順に並び替えられる。
【0016】
尚、このデータベースはそれぞれのトレーニング種目がレコード化され、それらの一つ一つが、全身の各筋肉部位(上腕三頭筋であれば、外側頭、内側頭、中側頭まで分類)のフィールドを持ち、それらフィールドにはその種目によってその部位が刺激される程度が数値で記録されている。そのため、単に上腕三頭筋のトレーニング種目を選別するだけでも、外側頭を刺激する種目が選択されたり、内側頭を刺激する種目が選択されたりする。この選択は、その時のトレーニング履歴や筋肉痛の有無、また先に指示に上がった別の部位のための種目の現れ方で決定される。例えば、同一日に大胸筋と上腕三頭筋のトレーニング指示を作成する際、先に大胸筋のトレーニング種目であるベンチプレスが先に指示に上がっている場合、この種目は上腕三頭筋の外側頭も強く刺激するので、次に上腕三頭筋の種目選択の為にプログラムが上記のレコードを検索に入った場合、外側頭の刺激が弱く例えば内側頭を強く刺激する種目が選択される。これは同一部位への過剰な運動負荷を避けるためである(同一部位の過剰なトレーニングは逆効果である)。この種目選別の処理を通すおかげで利用者は体の一部だけを酷使する過剰なトレーニングを避けることが出来る。
【0017】
利用者は現在の筋肉痛の有無と場所、その痛みの程度を入力すると、プログラムは痛みがある部位のトレーニングを避けるよう前記のデータベースから適切なトレーニング種目だけを更に選別し、これを本日の筋力トレーニング指示として媒体に出力する(腕立て伏せ10回を30秒休憩で2セットという具合に指示表記)。
【0018】
また有酸素運動については、現在の年齢における推定最大心拍数の6割から8割という強度での運動をN分間行うように指示が出る。
【0019】
また栄養の指示についても出力されるが、この時の総エネルギーの指示は従来と同様、身長や性別や生活強度に分けられた統計データを基に出力し、このエネルギーを起点とする。尚、利用者が既にダイエットを行っていて現在の総摂取エネルギーが分かっている場合は、そちらを起点とする。また初期の三大栄養素の配分は蛋白質25%、糖質が60%、脂質が15%というように運動を行うものにとって一般的な栄養素配分を用いる。尚、この点も既知であれば利用者が予め入力した配分を利用する。
【0020】
以上、この段階、即ち本発明の装置の最初の使用時には、従来技術に比べかなり多くの指示決定用のパラメータを利用者に入力させ、それを指示作成処理に利用しているとはいえ、指示作成処理に利用者の唯一最初の体躯や生理値を統計に基づいた一般論を用いているだけで、この段階においては、これら指示、即ちトレーニングの種類や強度、また指示された栄養摂取量が利用者にとって最適かどうかは分かっていない。
【0021】
上記指示を得た後、利用者は上記指示を可能な限り忠実に行い、実際に行った運動量や摂取した栄養素を請求項1記載の装置に入力する。
【0022】
また一日に一度決まった時間に、利用者は、体重、腹囲、体温、心拍数、体脂肪率等を測定し、その数値を上記の装置に入力する。更にその時点での筋肉痛の発生箇所及びその痛みの程度を入力する。
【0023】
ここまでの段階で集めたデータを利用して次の指示作成の為の分析処理に入る。この分析処理を簡単に表現すれば、前回の行動が現在の肯定的な結果に結びついていれば前回の行動内容が適切であったと捉えそれを続行し、その逆であれば指示に変化を与えて出力し、その因果関係が肯定的になるまで試行錯誤を繰り返しながら指示の最適化を行うものである。以下、この分析処理の一例を、筋力トレーニング、有酸素運動、柔軟運動(ストレッチ運動)、栄養指示に分けて解説する。
【0024】
まず筋力トレーニングに関しては、例えば「腕立て伏せ10回」という指示を利用者に対して出力する。利用者は腕立て伏せ10回を目標に行ったが、実際には7回しか行うことが出来なかったので、本装置には7回出来た事を入力する。
ここで本装置のプログラムは、現時点では利用者には腕立て伏せ7回が現在実行可能な指示であるとトレーニング種目データベースに記録する。そして次回の指示出力時には「腕立て伏せ7回」という指示を出力する。そしてこの利用者は今度も腕立て伏せ7回を実際に行うことが出来たとする。今度はプログラムは7回という回数はこの利用者にとっては既に筋肉の成長を促進する負荷量には足りないと判断し、次の指示出力時には回数を微増して8回という指示をだす。これは筋力トレーニングによる筋肉の成長に欠かせない漸増負荷を与える処理である。
また、この様な漸増負荷を与える処理にもかかわらず利用者が実際に行える運動負荷が伸びなくなる傾向が見え始めたら、プログラムはその部位に対しての休息期間を増減してしばらく様子を見る。しかし、そういった処理にもかかわらず、設定値を超えて前記のような停滞が続いた場合は、プログラムは、同一筋肉を鍛えることが出来る別種目の指示に切り替える。それによって刺激に変化を与え、筋肉の成長を断続的に促す(筋肉の継続的な成長には筋肉に与える刺激に変化を与えることが良いとされている)。尚、連日同一部位の運動は逆効果なので、前日(或いは前々日)に使用した筋肉のトレーニングは避けて選択される(強制休息期間は設定値による)。
【0025】
毎日の筋肉痛を利用者が入力し、それをプログラムが監視することにより、筋肉痛の抜けにくい傾向が見られる部位は余分に休息期間を取るよう自動調整される。前回のトレーニングから数日間以上経過し(この期間もパラメータである)、さらに痛みが完全に無くなった状態になって初めてプログラムはその部位が超回復したと判断し、その部位のトレーニング種目をトレーニング種目データベースから引き出し、それを指示として出力する。
【0026】
トレーニング種目が指示にのぼる組み合わせや順番は利用者の筋肉優先順位やトレーニングの目的、筋肉の回復力の個人差によって異なり、例え同一日に同一の設定でトレーニングを始めた人間が複数いても、数日後にはそれぞれが異なるトレーニング、即ち、よりその個人の状況に適したトレーニングを行うことになる。
【0027】
有酸素運動に関しては、初めは最大心拍数の60から80%程度の強度(運動量に比較して最も脂肪の燃焼効率が高いといわれている強度)で20分程度の指示を出す。本来、体脂肪燃焼及び心肺機能向上が目的の有酸素運動であるにも関わらず、上記の強度では運動中に脚の筋肉に主観的な痛みを感じるという入力がされた時は、その運動強度を下げた指示を出す。また、この指示に従った結果、例えば安静時の心拍数が少なくなったり、腹囲や体脂肪率が下がったりすれば、この指示は有効として同じ指示を出し続ける。また、前記項目に何も変化が生じない、或いは前記と逆の結果が出るようであれば、継続時間を増加させる指示を出す。ただし後者の処理については栄養面と連動させた上での判断を行い、例えば、その日の指示された量の有酸素運動を行っても、大幅に過剰カロリー摂取していたようであれば、前記項目に基づく判断は行わないなど微調整を施す(腹囲のサイズが変わらないのは有酸素運動が足りないせいか、単なる食べ過ぎのせいなのか上記の情報だけでは分からないからである)。
【0028】
柔軟運動、通称ストレッチについても同様に、だた「この筋肉を伸ばしてください」ではなく、前回に対してより伸びるようになったかどうかをデータベースに記録しながら次の指示を作成し、伸びの進歩がないようであれば、他のストレッチ種目に指示を切り替えて様子を見るようにする(Aというストレッチ種目でBという筋肉が伸びないのは、その利用者にとってAという種目がBのストレッチに適していない可能性があるからである)。
【0029】
栄養に関しては、指示された栄養指示を可能な限り忠実に守って、その結果を上記装置に入力する。そして前日に実際に摂取した栄養素量に対して現在(起床直後、朝食前)の体重や腹囲、体脂肪率等の体躯の変化をプログラムが見て、例えば体重は減っていないが腹囲は減った、或いは体重は増えたが腹囲は変わっていない、つまり前日の実際の栄養摂取量で体脂肪が減ったと判断し、その実際の栄養の摂取量を的確な栄養摂取量として修正し、それを次の指示量として出力する。逆に実際に摂取した栄養素量に対して、体重は変わらないが腹囲も変わらない(或いは増えた)、或いは体重は増えたし腹囲も増えたという否定的な結果が出た場合は、前回実際に摂取した栄養配分と量を修正して次の指示を作成する。
修正の方法は総カロリーの増減だけでなく、三大栄養素の配分にも及ぶ。尚、この栄養指示は運動日と非運動日で調整される。また、運動日でも運動直後の食事は多めにしたり、夜に向かって糖質の量を少なくしたりタンパク質量を増やしたりする調整も行う。尚、前記の判断、即ち何が肯定的結果で何が否定的結果なのかは利用者の設定によって異なり、例えば筋肥大優先モード(体脂肪量は減らなくても構わない)や体脂肪燃焼優先モード(筋肉量は増えなくても構わない)によって異なる。しかしながら運動と栄養に気を配って身体を造ろうという人々は、一般的に体重の減量を指向せずに筋肉量を維持或いは増加させながら余分な体脂肪を燃焼させることを肯定的結果ととらえており、本プログラムもそれに基づいて判断を行う。間違ってもただ体重が減るのが肯定的結果とは判断しない。例えば急激な体重の減少は体脂肪の燃焼によるものではなく、糖質の不足からなる体水分流出と判断し、糖質の割合を増やして調整する。
【0030】
さて、上記の指示を適切に実行する上で問題なのが、それら指示を如何に容易に実行するかである。例えばいくら適切な指示が出ていても、利用者は指示をどのように実行してよいか分からない場合がある。更に、平均的な人々が請求項1記載のような装置(主に汎用コンピュータ)の操作に慣れているとは言い難く、またコンピュータ等を個人で所有しているとは限らない。そこで、請求項1記載の装置を例えばスポーツクラブの施設側に設置することでこの問題を解決する方法を請求項1の装置の実施例として記述する。
【0031】
まず請求項1記載の装置或いはそれに接続された端末をスポーツクラブのフロントに設置する。そして会員が施設を訪れたときに前記の装置の画面を見ながら、現在の会員の体調や筋肉痛などを入力し、また後述する過去数日間の体躯測定履歴と栄養摂取履歴を本装置に入力する(この日が初めてであれば後者履歴の入力は不要)。本装置は、その会員個人にその時点で最も適切に算出されたトレーニング指示を作成し、本日行うべきトレーニングのリストを紙に出力する。尚、このリストにはトレーニング名と使用するトレーニング機器が優先順に記されているだけであり、具体的な指示は記されていない。会員はそのリスト順に従って(順番は大切)トレーニング機器のところへ行き、そのトレーニング機器の傍らに設置してある端末に自分の会員番号を入力して今自分が目の前にしているトレーニング機器を利用して行うべき実際の具体的な指示を画面で確認する(磁気カードなどで自動的に会員の確認がされるようにするのも良い)。会員は指示された重量で指定の回数を行う最大限の努力をし、実際に出来た運動量(重量または回数)を前記端末に入力して次のトレーニング機器のところへ進む。尚、実際に行った運動量をトレーニング機器に接続した端末が自動認識するようにしてもよいが、これには膨大な費用を必要とするのでここでは触れない。会員は一通りのトレーニングを終え、帰宅時にフロントにて上記装置で別に出力された栄養指示が書かれた用紙(及び実際の栄養摂取量を記入するための栄養摂取記入用紙)を受け取る。また同時に会員に毎日朝食前に体重と腹囲を自己測定してもらい、それを毎日記入してもらう為の用紙(体躯測定記入用紙)も手渡す。これはスポーツクラブを頻繁に訪れることが出来ない会員、即ち前記装置が指示作成するのに必要なデータが足りない会員にも上記装置が出来るだけ最適な指示を与えることが出来るようにするためである。
【0032】
会員は指示された栄養摂取を可能な限り忠実に実行し、実際に摂取した量を、後日施設に提出するための前記の用紙に書き込んでおく。また、毎日朝食前に体重と腹囲等を測り前記の用紙に記入しておく。尚、自宅にインターネットに接続可能な汎用コンピュータ等の端末を持っている会員は前記の用紙に書き込む必要はなく、端末を通して、サーバーとして設置されたスポーツクラブの請求項1の装置に直接書き込むことが出来る(会員認証手続きが必要)。
【0033】
次にこの会員がスポーツクラブを訪れたときに、先に記述したようにフロントに設置された請求項1の装置あるいはそれに接続された端末を通して、現在の会員の体調や筋肉痛などを入力し、上記で記入した過去数日間の体躯測定履歴と栄養摂取履歴を本装置に入力するのである。この繰り返しによって会員が施設を訪れるごとに、より最適化された指示を受け取ることが出来るようになっていくのである。
【0034】
また会員は前記の端末を通して自分の向上・成長の具合を統計データとして閲覧することが出来るので、運動や栄養に対する熱意やスポーツクラブに通う熱意を保つことが出来る。これはスポーツクラブ側にとってのメリットでもあろう。
【0035】
上記の実施例は最低1台の汎用コンピュータとプリンターのみで即実行可能である。インターネット等の接続に抵抗があるスポーツクラブであれば、会員に請求項2記載の運動履歴・体躯測定履歴・生理値測定履歴・栄養摂取履歴記録専用のコンピュータプログラムを配布(自宅に汎用コンピュータがある会員)してそれらの記録データを施設側で読み取れる媒体に記録させたものを持参させるか、或いは請求項2記載の装置、即ち請求項2のコンピュータプログラムを組み込んだPDA等の電子デバイスを会員に貸与(販売するのが望ましい)しておいても良い。会員はそれを利用して記録した栄養履歴等をスポーツクラブのフロントで渡すことによって、スポーツクラブの職員はそれを請求項1の装置にUSB接続等で読み込ませる。
【0036】
尚、この会員の体躯等のデータをインターネットを利用してスポーツクラブのサーバーに書き込むという手段は特許公開2001−32486(スポーツクラブの運営方法および運営システム並びにそのサーバー)で公開されているが、ここで示したのは、スポーツクラブのトレーナーがそれら情報を利用して指示を作成するのではなく、あくまで請求項1の装置が指示を出力する為に必要なデータを得ることを目的とするものである。
【0037】
以上、スポーツクラブ等での請求項1記載の装置の実施例について述べたが、請求項1記載の装置で出力されるトレーニング種目のデータベースには、スポーツクラブなどにある専用のトレーニング機器を利用しなければならない種目だけでなく、それら機器がない施設や一般の家庭内でも行える種目も含まれる。これによって、スポーツクラブに通うことが出来ない人でも自宅で最適なトレーニングが行え、またそういった人々が請求項1記載の装置を使う技量が無い場合、或いは汎用コンピュータ等を所有していない場合は、パーソナルトレーナー(米国民間資格、有料でトレーニングや栄養面での指導をする人々)が請求項1記載の装置を利用して、これらの人々のデータを代行管理して指示を与え、実際のトレーニングについては公共の体育館や自宅などで指導して行うということも出来る。
【0038】
次に指示された栄養素を摂ろうにも、一般に多くの人々は仮に何に糖質が何グラム含まれるということを栄養ガイド本等で調べることは出来ても、自分で分量どおりの食事を作ることは難しい。また現代人は外食に依存していることが多いため、指示に忠実であり続けることは困難を極める。そこで、以下の方法を用意する。
【0039】
以下、請求項4記載の飲食店の実施例として、従来の、単品料理をセルフサービス形式で客に提供する運営システムを応用した飲食店のシステムを記述する。このシステムを採用する店では、客が栄養計算をしやすいように簡単な計算機或いはメモ用具をテーブルについた時に貸与し(或いは盗難を防ぐために各テーブルに固着しても良い)、更に店に出している単品料理の入った器などに少なくとも単位あたりの三大栄養素(糖質、蛋白質、脂質)の含有量を明記した栄養素表示プラカード等を貼り付けておく(糖尿病患者や減量中の人の為にグリセミック指数を表記しても良い)。ここで言う単位とは、栄養ガイド本にあるような学術的な100gあたりという類のものではなく、実際に客が計量などせずとも容易に取り出せる量を表す単位のことである。例えば、「大杓子一杯あたり」とか「中杓子一杯あたり」とか、実際にその料理を取るためにその器の傍らにおいてある器具あたりの単位であり、又は卵1個や豆腐1個(予め1丁を6分割した)などそれ自体を取ることが出来る単位のことである。
【0040】
この店では、例えば「うな丼」をそのまま提供するのではなく、客は先ず御飯が入った器から前記単位あたりを取り出せる器具(この場合は杓子が一般的であろう)を用いて御飯を好きなだけとり、その後で別の器から好きなだけうなぎの蒲焼(この場合はうなぎを分割してそれを1単位とする)を載せることが出来るように具材をそれぞれ分割して、それら具材それぞれに前記単位あたりの栄養表示をしておくのである。それがパスタ料理であれば、客はパスタ(主として糖質)を先に取り、その後で別器に盛られたトマトソース(脂質が少ない)やクリームソース(脂質が多い)等から好みで選択してパスタにかけるのである。客はそれらの栄養表示を見ながら個々の料理の分量を計算しながら自分の取り皿に入れることで、自由に栄養素を調整出来る。
【0041】
但し、それらの調整の為に料理を自分の取り皿に取るのは問題が無いが、先に自分の取り皿に取った量が多すぎたからといって元の器にそれを戻す行為は他の客から見て好ましいものではない。また、客が神経質に計算機をたたいている姿や計量器のデジタル数値とにらめっこをしている姿は飲食店らしからぬ光景であり耐え難い。この飲食店なのか化学実験室なのか分からなくするような醜い行為の頻発を防ぐためには、コンピュータシミュレーションプログラムで食品の組み合わせを試行してから実際に取りに行くという手段もあるが、これは経費がかかる上、大袈裟過ぎて滑稽である。現実的な手段は、とにかく一度に取れる量を細かく設定することである。例えば、豆腐半丁を並べて半丁あたりの栄養表示などはせず、6分の1丁程度を並べて6分の1丁当あたりの栄養表示をしておくのである。また上記で記述したように、大杓子、中杓子、小杓子など、単位あたりの量を取り出せる器具を出来るだけ多くすることである。当然それらには、それぞれの単位毎の栄養素含有量の表示をしておく。そして客には数グラム程度は誤差であるという認識を持ってもらうことも大切である(事実である)。
【0042】
また実際には、糖尿病の人、ボディビル愛好者やアスリートを除けば、例えば蛋白質20g、糖質80g、脂質10gにどうしても合わせなければいけないというような脅迫的な人々の数は少数であろう。これでは商売として成立しがたいので、店頭にモデル料理を表示しておいて、
「Aの組み合わせは蛋白質40g、糖質70g、脂質15gで瞬発力が必要なアスリート・ボディビル愛好者、ムキムキになりたい人にお奨め」
「Bの組み合わせは蛋白質20g、糖質140g、脂質10gで持久力が必要な長距離ランナー・ウォーキング愛好者にお奨め」
「Cの組み合わせはBと同じ栄養配分ですが、グリセミック指数が非常に低く、脂肪の合成を促進するインシュリン分泌の刺激が弱いためダイエット愛好者や糖尿病の方にお奨め」
「Dの組み合わせはBと同じ栄養配分であり頭の働きに重要な糖質主体の組み合わせですが、眠気の原因となるトリプトファンの含有量が少ない具材での組み合わせであり、長距離ドライブ中の方やこれから試験がある方にお薦め」
「その他、ご希望の目的を仰っていただければ専門スタッフが食品をお客様専用にアレンジいたします」
などという工夫を凝らした表示或いはサービスをすると、スポーツクラブに通うような人々でなくても一度は入りたくなる店に出来るであろう(健康補助食品即ちサプリメント等の効果を真に受けるような人々がこれほど多い世の中である)。しかしこれは商売上の提案であり、本当の意味でその個人に必要な栄養素量などというものは先に記述したように、上記のようなその時のコンディションを考慮していない固定メニューではないことも追記しておく。
【0043】
尚、希望する蛋白質の量が料理だけでは摂取できないボディビル愛好者やスポーツ選手等の客には別途プロテインバーなどを設けても良い(但しプロテインパウダー及び高プロテイン製品は高価であるので別料金に設定したほうが良い)。こういった客層は、この飲食店がスポーツクラブ等の近くにある場合は確実に存在し、彼らは必ずそのプロテインバーを利用するといっても過言ではない。
【0044】
尚、一日の食事を全てこの飲食店でとることは非常に健康的であり、請求項1記載の装置で出力された指示等を守るのも容易であるが、距離的に毎食通い続けるのは難しい。そこでこれらの飲食店に夕食に訪れた際に、翌朝の朝食用に持ち帰り可能なサービスを行うのも良い。更に経費上の問題さえなければ、店のスタッフが客から伝えられた栄養量に合わせてアレンジし、宅配を行っても良い。
【0045】
【発明の効果】
その都度精度の高いトレーニングメニューを作成する作業を人が手動で行うには毎回相当な時間が必要になり、たとえ会員が10人程度しかいないスポーツクラブにおいてもスタッフの経費面だけでなく時間的に不可能である。請求項1記載の装置ではこれが可能であり、またそれを人が手動で行うのに比べて遥かに精度の高い指示を作成できる。
【0046】
請求項1記載の装置をスポーツクラブ等が導入することにより、トレーニングに精通していないスタッフを雇い入れてもスタッフの技量によるバラツキのない適切な指示を会員に与え続けることが出来る。また、スタッフの入れ替わりが激しくても(つまり主なスタッフをパートタイムで雇う方法を採用している施設等)、請求項1記載の装置が会員の情報を絶え間なく管理し続けるため、会員には「しっかり一人一人が管理されている」という安心感をもたらすことが出来、それが顧客満足度向上に結びつき会員の退会を防ぐことが出来る。
【0047】
請求項1記載の装置は安価な汎用コンピュータを利用する場合が殆どなので、新たにコンピュータを購入しなくても、現在事務用に使っている汎用コンピュータをそのまま利用できる。また、仮に全てのトレーニング機器の傍らに会員が自己のトレーニング記録が出来るように端末を購入するとしても、それは専用コンピュータが組み込まれたトレーニング機器を新たに購入するよりも遥かに安価である。尚、ここで利用する端末は前記と同様、安価な汎用コンピュータでよい。
【0048】
請求項4記載の飲食店運営システムを既存の飲食店が採用するぶんには、従業員の再教育の必要もなく、人件費、設備共に殆ど負担はない。また、近くにあるスポーツクラブやエステティックサロン、健康増進施設等と提携を結び、それらの会員に対して「希望する栄養素量が摂取できる店」として紹介してもらうことにより、健康・栄養重視傾向が明らかに一般の人々より高い一定の固定客(即ちそれら施設の会員)を掴むことが出来、会員に栄養摂取の管理をおこなって顧客満足度の向上を図りたい要望を持つ前記施設との共存共栄が図れる。
【0049】
1日中コンピュータの前で仕事をする人々が増えているが、こういった人々は極度の運動不足であり、おおよそ健康的なイメージからは程遠い。しかしながら、こういった人々こそ請求項1記載の装置を個人で所有し自分の為だけに使用できる人々であり、その恩恵を最大限に享受できる人々である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の装置の筋力トレーニングの指示作成処理のフローチャート図である。
【図2】請求項1の装置の有酸素運動の指示作成処理のフローチャート図である。
【図3】請求項1の装置の栄養指示の作成処理のフローチャート図である。
【発明の属する技術分野】
この発明は運動と栄養の指示を作成するコンピュータプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、スポーツクラブ等で会員に渡されるトレーニング指示はトレーナー等が会員のトレーニングの目的をインタビューして、それを参考に予めパターン化されたトレーニングメニューを会員に提供していた。
【0003】
運動の強度の調整にコンピュータプログラムを利用したものには、負荷を自動制御するエルゴメーターや筋力トレーニング用運動器具など、利用者の心拍数をフィードバック制御して運動強度を調整したり、可動部の移動速度の変化によって強度を調整したりするものは存在するが、それはその運動中のみの連続変化量を利用したものであり、その運動から離れた状態での心拍数の変化や体躯の変化、体調や栄養摂取状況までもフィードバック制御に使うものではない。
【0004】
また、個人に必要な栄養素量を出力するコンピュータプログラムは、省庁が国民の性別・年代・身長等のカテゴリー別にまとめた推薦必要栄養摂取量の統計データを参照して、それをその個人の適正摂取栄養素量として出力するだけのものであった。
【0005】
また、指示された栄養素量を実際に食事を通して摂取するには病院等に入院、或いは栄養計算を行いながら自炊をするしかなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
運動や栄養指示作成に関する従来の技術では、統計上のデータを最初の一度だけ参照しているだけであって、その個人にとって随時変化する最適な運動や栄養指示を作成しているとは言えない。
【0007】
栄養の指示に関して言えば、それら統計データが語る性別・年齢別・生活強度別の推薦必要栄養摂取量を満たすように食事を取っても例えば肥満が解決しないばかりか、糖尿病の症状が悪化したり、体脂肪が増えたりすることすら実際に見られる。また、最適な栄養素量を統計的に算出出来たとしても、個人個人に適した栄養は、食事の時間やその時の体調によっても随時変化する。
【0008】
これは運動に関しも同様であり、筋肉痛の現れた方や運動からの疲労の回復度等は個人差に大きく依存し、固定概念だけで個人の状況を断定して指示を作成すると、運動効果が得られないばかりか逆に過労や体調不良に陥ることもある。
【0009】
運動指示、栄養指示共に、個人の初期の情報のみで、こういった一方的な指示を出すことは、医療にたとえて言うならば、統計的なデータだけに頼った初診のみで、その後全ての診療方法を固定するのが愚かなのと同じである。
【0010】
また、適正な栄養摂取を食事を通して実践しようにも、病院に入院するか、或いは各個人が食品の栄養素を調べ、自ら調理を行う必要があり、これは調理が出来ない人々や食事の多くを外食に依存している現代人にとって現実的ではない。
【0011】
ところで、栄養表示をしている飲食店は既にあるが、多くはカロリー表示だけである。仮にそれ以上のレベルでの栄養表示があったとしても、それはその食事全体を摂取した場合の熱量・栄養素量であり、それらのどれを食べなければ、或いは増やせば必要栄養摂取量を満たせるかという配慮はなされていない。例えば豆腐をあと半丁追加すると蛋白質が10g増えるなどの表記である。
【0012】
【問題を解決するための手段】
より的確な運動及び栄養指示を算出するためには、個人のそれぞれ異なる運動暦や体躯の変化、筋肉痛の部位、運動間の休息期間、心拍数の変化や体温の変化、疾病暦や現在の体調、栄養摂取暦など、それらの変化を分析したうえで、その都度個人に最適な運動指示と栄養指示とを出力し、さらにその指示を実行した結果を前記の処理に戻すことで、実際の行動が結果に肯定的に出たのか否定的に出たのかで分岐処理を施し、次回の指示出力精度を段階的に上げていく請求項1記載のコンピュータプログラムを組み込んだ装置を利用する。
【0013】
また、上記の装置は単独でもその目的を達成できるが、上記の装置が常に手元に無くても、上記の装置の指示出力の為に必要なデータを集めることが出来るように、請求項2記載の、運動実行履歴、体躯測定履歴、生理値測定履歴、栄養摂取履歴を記録するコンピュータプログラムを組み込んだ装置を利用する。同じく請求項1の装置が常に手元に無くても、前記の装置にユーザーは端末を通してデータを保存し、必要時に請求項1のプログラムが出力する指示を端末から得ることが出来る請求項3のシステムを利用する。
【0014】
更に、個人毎に異なる必要な栄養素量を容易に摂取できるように、請求項4記載の飲食店運営システムを採用する。
【0015】
【発明の実施の形態】
初めに請求項1の装置の処理を行うコンピュータプログラムの内部の指示作成処理について解説する。ここでは処理の内容を簡潔に記述するために、前記の装置は利用者の自宅にあると仮定し、この利用者は自宅でトレーニングを行い、自宅で全ての食事をとることが出来ると仮定する。先ず初期設定として、利用者が、性別、生年月日、身長、体重、体脂肪率、1日の食事回数、現在の1日の摂取エネルギー、食事の時間とトレーニングの時間、生活強度やトレーニングの目的、鍛えたい筋肉の優先順位を入力する。これらは全てパラメータ化され、それぞれが異なる目的の為に使用される。この段階で100種目超からなるトレーニング種目のデータベースレコードが利用者の初期設定に沿って選別されると共に優先順に並び替えられる。
【0016】
尚、このデータベースはそれぞれのトレーニング種目がレコード化され、それらの一つ一つが、全身の各筋肉部位(上腕三頭筋であれば、外側頭、内側頭、中側頭まで分類)のフィールドを持ち、それらフィールドにはその種目によってその部位が刺激される程度が数値で記録されている。そのため、単に上腕三頭筋のトレーニング種目を選別するだけでも、外側頭を刺激する種目が選択されたり、内側頭を刺激する種目が選択されたりする。この選択は、その時のトレーニング履歴や筋肉痛の有無、また先に指示に上がった別の部位のための種目の現れ方で決定される。例えば、同一日に大胸筋と上腕三頭筋のトレーニング指示を作成する際、先に大胸筋のトレーニング種目であるベンチプレスが先に指示に上がっている場合、この種目は上腕三頭筋の外側頭も強く刺激するので、次に上腕三頭筋の種目選択の為にプログラムが上記のレコードを検索に入った場合、外側頭の刺激が弱く例えば内側頭を強く刺激する種目が選択される。これは同一部位への過剰な運動負荷を避けるためである(同一部位の過剰なトレーニングは逆効果である)。この種目選別の処理を通すおかげで利用者は体の一部だけを酷使する過剰なトレーニングを避けることが出来る。
【0017】
利用者は現在の筋肉痛の有無と場所、その痛みの程度を入力すると、プログラムは痛みがある部位のトレーニングを避けるよう前記のデータベースから適切なトレーニング種目だけを更に選別し、これを本日の筋力トレーニング指示として媒体に出力する(腕立て伏せ10回を30秒休憩で2セットという具合に指示表記)。
【0018】
また有酸素運動については、現在の年齢における推定最大心拍数の6割から8割という強度での運動をN分間行うように指示が出る。
【0019】
また栄養の指示についても出力されるが、この時の総エネルギーの指示は従来と同様、身長や性別や生活強度に分けられた統計データを基に出力し、このエネルギーを起点とする。尚、利用者が既にダイエットを行っていて現在の総摂取エネルギーが分かっている場合は、そちらを起点とする。また初期の三大栄養素の配分は蛋白質25%、糖質が60%、脂質が15%というように運動を行うものにとって一般的な栄養素配分を用いる。尚、この点も既知であれば利用者が予め入力した配分を利用する。
【0020】
以上、この段階、即ち本発明の装置の最初の使用時には、従来技術に比べかなり多くの指示決定用のパラメータを利用者に入力させ、それを指示作成処理に利用しているとはいえ、指示作成処理に利用者の唯一最初の体躯や生理値を統計に基づいた一般論を用いているだけで、この段階においては、これら指示、即ちトレーニングの種類や強度、また指示された栄養摂取量が利用者にとって最適かどうかは分かっていない。
【0021】
上記指示を得た後、利用者は上記指示を可能な限り忠実に行い、実際に行った運動量や摂取した栄養素を請求項1記載の装置に入力する。
【0022】
また一日に一度決まった時間に、利用者は、体重、腹囲、体温、心拍数、体脂肪率等を測定し、その数値を上記の装置に入力する。更にその時点での筋肉痛の発生箇所及びその痛みの程度を入力する。
【0023】
ここまでの段階で集めたデータを利用して次の指示作成の為の分析処理に入る。この分析処理を簡単に表現すれば、前回の行動が現在の肯定的な結果に結びついていれば前回の行動内容が適切であったと捉えそれを続行し、その逆であれば指示に変化を与えて出力し、その因果関係が肯定的になるまで試行錯誤を繰り返しながら指示の最適化を行うものである。以下、この分析処理の一例を、筋力トレーニング、有酸素運動、柔軟運動(ストレッチ運動)、栄養指示に分けて解説する。
【0024】
まず筋力トレーニングに関しては、例えば「腕立て伏せ10回」という指示を利用者に対して出力する。利用者は腕立て伏せ10回を目標に行ったが、実際には7回しか行うことが出来なかったので、本装置には7回出来た事を入力する。
ここで本装置のプログラムは、現時点では利用者には腕立て伏せ7回が現在実行可能な指示であるとトレーニング種目データベースに記録する。そして次回の指示出力時には「腕立て伏せ7回」という指示を出力する。そしてこの利用者は今度も腕立て伏せ7回を実際に行うことが出来たとする。今度はプログラムは7回という回数はこの利用者にとっては既に筋肉の成長を促進する負荷量には足りないと判断し、次の指示出力時には回数を微増して8回という指示をだす。これは筋力トレーニングによる筋肉の成長に欠かせない漸増負荷を与える処理である。
また、この様な漸増負荷を与える処理にもかかわらず利用者が実際に行える運動負荷が伸びなくなる傾向が見え始めたら、プログラムはその部位に対しての休息期間を増減してしばらく様子を見る。しかし、そういった処理にもかかわらず、設定値を超えて前記のような停滞が続いた場合は、プログラムは、同一筋肉を鍛えることが出来る別種目の指示に切り替える。それによって刺激に変化を与え、筋肉の成長を断続的に促す(筋肉の継続的な成長には筋肉に与える刺激に変化を与えることが良いとされている)。尚、連日同一部位の運動は逆効果なので、前日(或いは前々日)に使用した筋肉のトレーニングは避けて選択される(強制休息期間は設定値による)。
【0025】
毎日の筋肉痛を利用者が入力し、それをプログラムが監視することにより、筋肉痛の抜けにくい傾向が見られる部位は余分に休息期間を取るよう自動調整される。前回のトレーニングから数日間以上経過し(この期間もパラメータである)、さらに痛みが完全に無くなった状態になって初めてプログラムはその部位が超回復したと判断し、その部位のトレーニング種目をトレーニング種目データベースから引き出し、それを指示として出力する。
【0026】
トレーニング種目が指示にのぼる組み合わせや順番は利用者の筋肉優先順位やトレーニングの目的、筋肉の回復力の個人差によって異なり、例え同一日に同一の設定でトレーニングを始めた人間が複数いても、数日後にはそれぞれが異なるトレーニング、即ち、よりその個人の状況に適したトレーニングを行うことになる。
【0027】
有酸素運動に関しては、初めは最大心拍数の60から80%程度の強度(運動量に比較して最も脂肪の燃焼効率が高いといわれている強度)で20分程度の指示を出す。本来、体脂肪燃焼及び心肺機能向上が目的の有酸素運動であるにも関わらず、上記の強度では運動中に脚の筋肉に主観的な痛みを感じるという入力がされた時は、その運動強度を下げた指示を出す。また、この指示に従った結果、例えば安静時の心拍数が少なくなったり、腹囲や体脂肪率が下がったりすれば、この指示は有効として同じ指示を出し続ける。また、前記項目に何も変化が生じない、或いは前記と逆の結果が出るようであれば、継続時間を増加させる指示を出す。ただし後者の処理については栄養面と連動させた上での判断を行い、例えば、その日の指示された量の有酸素運動を行っても、大幅に過剰カロリー摂取していたようであれば、前記項目に基づく判断は行わないなど微調整を施す(腹囲のサイズが変わらないのは有酸素運動が足りないせいか、単なる食べ過ぎのせいなのか上記の情報だけでは分からないからである)。
【0028】
柔軟運動、通称ストレッチについても同様に、だた「この筋肉を伸ばしてください」ではなく、前回に対してより伸びるようになったかどうかをデータベースに記録しながら次の指示を作成し、伸びの進歩がないようであれば、他のストレッチ種目に指示を切り替えて様子を見るようにする(Aというストレッチ種目でBという筋肉が伸びないのは、その利用者にとってAという種目がBのストレッチに適していない可能性があるからである)。
【0029】
栄養に関しては、指示された栄養指示を可能な限り忠実に守って、その結果を上記装置に入力する。そして前日に実際に摂取した栄養素量に対して現在(起床直後、朝食前)の体重や腹囲、体脂肪率等の体躯の変化をプログラムが見て、例えば体重は減っていないが腹囲は減った、或いは体重は増えたが腹囲は変わっていない、つまり前日の実際の栄養摂取量で体脂肪が減ったと判断し、その実際の栄養の摂取量を的確な栄養摂取量として修正し、それを次の指示量として出力する。逆に実際に摂取した栄養素量に対して、体重は変わらないが腹囲も変わらない(或いは増えた)、或いは体重は増えたし腹囲も増えたという否定的な結果が出た場合は、前回実際に摂取した栄養配分と量を修正して次の指示を作成する。
修正の方法は総カロリーの増減だけでなく、三大栄養素の配分にも及ぶ。尚、この栄養指示は運動日と非運動日で調整される。また、運動日でも運動直後の食事は多めにしたり、夜に向かって糖質の量を少なくしたりタンパク質量を増やしたりする調整も行う。尚、前記の判断、即ち何が肯定的結果で何が否定的結果なのかは利用者の設定によって異なり、例えば筋肥大優先モード(体脂肪量は減らなくても構わない)や体脂肪燃焼優先モード(筋肉量は増えなくても構わない)によって異なる。しかしながら運動と栄養に気を配って身体を造ろうという人々は、一般的に体重の減量を指向せずに筋肉量を維持或いは増加させながら余分な体脂肪を燃焼させることを肯定的結果ととらえており、本プログラムもそれに基づいて判断を行う。間違ってもただ体重が減るのが肯定的結果とは判断しない。例えば急激な体重の減少は体脂肪の燃焼によるものではなく、糖質の不足からなる体水分流出と判断し、糖質の割合を増やして調整する。
【0030】
さて、上記の指示を適切に実行する上で問題なのが、それら指示を如何に容易に実行するかである。例えばいくら適切な指示が出ていても、利用者は指示をどのように実行してよいか分からない場合がある。更に、平均的な人々が請求項1記載のような装置(主に汎用コンピュータ)の操作に慣れているとは言い難く、またコンピュータ等を個人で所有しているとは限らない。そこで、請求項1記載の装置を例えばスポーツクラブの施設側に設置することでこの問題を解決する方法を請求項1の装置の実施例として記述する。
【0031】
まず請求項1記載の装置或いはそれに接続された端末をスポーツクラブのフロントに設置する。そして会員が施設を訪れたときに前記の装置の画面を見ながら、現在の会員の体調や筋肉痛などを入力し、また後述する過去数日間の体躯測定履歴と栄養摂取履歴を本装置に入力する(この日が初めてであれば後者履歴の入力は不要)。本装置は、その会員個人にその時点で最も適切に算出されたトレーニング指示を作成し、本日行うべきトレーニングのリストを紙に出力する。尚、このリストにはトレーニング名と使用するトレーニング機器が優先順に記されているだけであり、具体的な指示は記されていない。会員はそのリスト順に従って(順番は大切)トレーニング機器のところへ行き、そのトレーニング機器の傍らに設置してある端末に自分の会員番号を入力して今自分が目の前にしているトレーニング機器を利用して行うべき実際の具体的な指示を画面で確認する(磁気カードなどで自動的に会員の確認がされるようにするのも良い)。会員は指示された重量で指定の回数を行う最大限の努力をし、実際に出来た運動量(重量または回数)を前記端末に入力して次のトレーニング機器のところへ進む。尚、実際に行った運動量をトレーニング機器に接続した端末が自動認識するようにしてもよいが、これには膨大な費用を必要とするのでここでは触れない。会員は一通りのトレーニングを終え、帰宅時にフロントにて上記装置で別に出力された栄養指示が書かれた用紙(及び実際の栄養摂取量を記入するための栄養摂取記入用紙)を受け取る。また同時に会員に毎日朝食前に体重と腹囲を自己測定してもらい、それを毎日記入してもらう為の用紙(体躯測定記入用紙)も手渡す。これはスポーツクラブを頻繁に訪れることが出来ない会員、即ち前記装置が指示作成するのに必要なデータが足りない会員にも上記装置が出来るだけ最適な指示を与えることが出来るようにするためである。
【0032】
会員は指示された栄養摂取を可能な限り忠実に実行し、実際に摂取した量を、後日施設に提出するための前記の用紙に書き込んでおく。また、毎日朝食前に体重と腹囲等を測り前記の用紙に記入しておく。尚、自宅にインターネットに接続可能な汎用コンピュータ等の端末を持っている会員は前記の用紙に書き込む必要はなく、端末を通して、サーバーとして設置されたスポーツクラブの請求項1の装置に直接書き込むことが出来る(会員認証手続きが必要)。
【0033】
次にこの会員がスポーツクラブを訪れたときに、先に記述したようにフロントに設置された請求項1の装置あるいはそれに接続された端末を通して、現在の会員の体調や筋肉痛などを入力し、上記で記入した過去数日間の体躯測定履歴と栄養摂取履歴を本装置に入力するのである。この繰り返しによって会員が施設を訪れるごとに、より最適化された指示を受け取ることが出来るようになっていくのである。
【0034】
また会員は前記の端末を通して自分の向上・成長の具合を統計データとして閲覧することが出来るので、運動や栄養に対する熱意やスポーツクラブに通う熱意を保つことが出来る。これはスポーツクラブ側にとってのメリットでもあろう。
【0035】
上記の実施例は最低1台の汎用コンピュータとプリンターのみで即実行可能である。インターネット等の接続に抵抗があるスポーツクラブであれば、会員に請求項2記載の運動履歴・体躯測定履歴・生理値測定履歴・栄養摂取履歴記録専用のコンピュータプログラムを配布(自宅に汎用コンピュータがある会員)してそれらの記録データを施設側で読み取れる媒体に記録させたものを持参させるか、或いは請求項2記載の装置、即ち請求項2のコンピュータプログラムを組み込んだPDA等の電子デバイスを会員に貸与(販売するのが望ましい)しておいても良い。会員はそれを利用して記録した栄養履歴等をスポーツクラブのフロントで渡すことによって、スポーツクラブの職員はそれを請求項1の装置にUSB接続等で読み込ませる。
【0036】
尚、この会員の体躯等のデータをインターネットを利用してスポーツクラブのサーバーに書き込むという手段は特許公開2001−32486(スポーツクラブの運営方法および運営システム並びにそのサーバー)で公開されているが、ここで示したのは、スポーツクラブのトレーナーがそれら情報を利用して指示を作成するのではなく、あくまで請求項1の装置が指示を出力する為に必要なデータを得ることを目的とするものである。
【0037】
以上、スポーツクラブ等での請求項1記載の装置の実施例について述べたが、請求項1記載の装置で出力されるトレーニング種目のデータベースには、スポーツクラブなどにある専用のトレーニング機器を利用しなければならない種目だけでなく、それら機器がない施設や一般の家庭内でも行える種目も含まれる。これによって、スポーツクラブに通うことが出来ない人でも自宅で最適なトレーニングが行え、またそういった人々が請求項1記載の装置を使う技量が無い場合、或いは汎用コンピュータ等を所有していない場合は、パーソナルトレーナー(米国民間資格、有料でトレーニングや栄養面での指導をする人々)が請求項1記載の装置を利用して、これらの人々のデータを代行管理して指示を与え、実際のトレーニングについては公共の体育館や自宅などで指導して行うということも出来る。
【0038】
次に指示された栄養素を摂ろうにも、一般に多くの人々は仮に何に糖質が何グラム含まれるということを栄養ガイド本等で調べることは出来ても、自分で分量どおりの食事を作ることは難しい。また現代人は外食に依存していることが多いため、指示に忠実であり続けることは困難を極める。そこで、以下の方法を用意する。
【0039】
以下、請求項4記載の飲食店の実施例として、従来の、単品料理をセルフサービス形式で客に提供する運営システムを応用した飲食店のシステムを記述する。このシステムを採用する店では、客が栄養計算をしやすいように簡単な計算機或いはメモ用具をテーブルについた時に貸与し(或いは盗難を防ぐために各テーブルに固着しても良い)、更に店に出している単品料理の入った器などに少なくとも単位あたりの三大栄養素(糖質、蛋白質、脂質)の含有量を明記した栄養素表示プラカード等を貼り付けておく(糖尿病患者や減量中の人の為にグリセミック指数を表記しても良い)。ここで言う単位とは、栄養ガイド本にあるような学術的な100gあたりという類のものではなく、実際に客が計量などせずとも容易に取り出せる量を表す単位のことである。例えば、「大杓子一杯あたり」とか「中杓子一杯あたり」とか、実際にその料理を取るためにその器の傍らにおいてある器具あたりの単位であり、又は卵1個や豆腐1個(予め1丁を6分割した)などそれ自体を取ることが出来る単位のことである。
【0040】
この店では、例えば「うな丼」をそのまま提供するのではなく、客は先ず御飯が入った器から前記単位あたりを取り出せる器具(この場合は杓子が一般的であろう)を用いて御飯を好きなだけとり、その後で別の器から好きなだけうなぎの蒲焼(この場合はうなぎを分割してそれを1単位とする)を載せることが出来るように具材をそれぞれ分割して、それら具材それぞれに前記単位あたりの栄養表示をしておくのである。それがパスタ料理であれば、客はパスタ(主として糖質)を先に取り、その後で別器に盛られたトマトソース(脂質が少ない)やクリームソース(脂質が多い)等から好みで選択してパスタにかけるのである。客はそれらの栄養表示を見ながら個々の料理の分量を計算しながら自分の取り皿に入れることで、自由に栄養素を調整出来る。
【0041】
但し、それらの調整の為に料理を自分の取り皿に取るのは問題が無いが、先に自分の取り皿に取った量が多すぎたからといって元の器にそれを戻す行為は他の客から見て好ましいものではない。また、客が神経質に計算機をたたいている姿や計量器のデジタル数値とにらめっこをしている姿は飲食店らしからぬ光景であり耐え難い。この飲食店なのか化学実験室なのか分からなくするような醜い行為の頻発を防ぐためには、コンピュータシミュレーションプログラムで食品の組み合わせを試行してから実際に取りに行くという手段もあるが、これは経費がかかる上、大袈裟過ぎて滑稽である。現実的な手段は、とにかく一度に取れる量を細かく設定することである。例えば、豆腐半丁を並べて半丁あたりの栄養表示などはせず、6分の1丁程度を並べて6分の1丁当あたりの栄養表示をしておくのである。また上記で記述したように、大杓子、中杓子、小杓子など、単位あたりの量を取り出せる器具を出来るだけ多くすることである。当然それらには、それぞれの単位毎の栄養素含有量の表示をしておく。そして客には数グラム程度は誤差であるという認識を持ってもらうことも大切である(事実である)。
【0042】
また実際には、糖尿病の人、ボディビル愛好者やアスリートを除けば、例えば蛋白質20g、糖質80g、脂質10gにどうしても合わせなければいけないというような脅迫的な人々の数は少数であろう。これでは商売として成立しがたいので、店頭にモデル料理を表示しておいて、
「Aの組み合わせは蛋白質40g、糖質70g、脂質15gで瞬発力が必要なアスリート・ボディビル愛好者、ムキムキになりたい人にお奨め」
「Bの組み合わせは蛋白質20g、糖質140g、脂質10gで持久力が必要な長距離ランナー・ウォーキング愛好者にお奨め」
「Cの組み合わせはBと同じ栄養配分ですが、グリセミック指数が非常に低く、脂肪の合成を促進するインシュリン分泌の刺激が弱いためダイエット愛好者や糖尿病の方にお奨め」
「Dの組み合わせはBと同じ栄養配分であり頭の働きに重要な糖質主体の組み合わせですが、眠気の原因となるトリプトファンの含有量が少ない具材での組み合わせであり、長距離ドライブ中の方やこれから試験がある方にお薦め」
「その他、ご希望の目的を仰っていただければ専門スタッフが食品をお客様専用にアレンジいたします」
などという工夫を凝らした表示或いはサービスをすると、スポーツクラブに通うような人々でなくても一度は入りたくなる店に出来るであろう(健康補助食品即ちサプリメント等の効果を真に受けるような人々がこれほど多い世の中である)。しかしこれは商売上の提案であり、本当の意味でその個人に必要な栄養素量などというものは先に記述したように、上記のようなその時のコンディションを考慮していない固定メニューではないことも追記しておく。
【0043】
尚、希望する蛋白質の量が料理だけでは摂取できないボディビル愛好者やスポーツ選手等の客には別途プロテインバーなどを設けても良い(但しプロテインパウダー及び高プロテイン製品は高価であるので別料金に設定したほうが良い)。こういった客層は、この飲食店がスポーツクラブ等の近くにある場合は確実に存在し、彼らは必ずそのプロテインバーを利用するといっても過言ではない。
【0044】
尚、一日の食事を全てこの飲食店でとることは非常に健康的であり、請求項1記載の装置で出力された指示等を守るのも容易であるが、距離的に毎食通い続けるのは難しい。そこでこれらの飲食店に夕食に訪れた際に、翌朝の朝食用に持ち帰り可能なサービスを行うのも良い。更に経費上の問題さえなければ、店のスタッフが客から伝えられた栄養量に合わせてアレンジし、宅配を行っても良い。
【0045】
【発明の効果】
その都度精度の高いトレーニングメニューを作成する作業を人が手動で行うには毎回相当な時間が必要になり、たとえ会員が10人程度しかいないスポーツクラブにおいてもスタッフの経費面だけでなく時間的に不可能である。請求項1記載の装置ではこれが可能であり、またそれを人が手動で行うのに比べて遥かに精度の高い指示を作成できる。
【0046】
請求項1記載の装置をスポーツクラブ等が導入することにより、トレーニングに精通していないスタッフを雇い入れてもスタッフの技量によるバラツキのない適切な指示を会員に与え続けることが出来る。また、スタッフの入れ替わりが激しくても(つまり主なスタッフをパートタイムで雇う方法を採用している施設等)、請求項1記載の装置が会員の情報を絶え間なく管理し続けるため、会員には「しっかり一人一人が管理されている」という安心感をもたらすことが出来、それが顧客満足度向上に結びつき会員の退会を防ぐことが出来る。
【0047】
請求項1記載の装置は安価な汎用コンピュータを利用する場合が殆どなので、新たにコンピュータを購入しなくても、現在事務用に使っている汎用コンピュータをそのまま利用できる。また、仮に全てのトレーニング機器の傍らに会員が自己のトレーニング記録が出来るように端末を購入するとしても、それは専用コンピュータが組み込まれたトレーニング機器を新たに購入するよりも遥かに安価である。尚、ここで利用する端末は前記と同様、安価な汎用コンピュータでよい。
【0048】
請求項4記載の飲食店運営システムを既存の飲食店が採用するぶんには、従業員の再教育の必要もなく、人件費、設備共に殆ど負担はない。また、近くにあるスポーツクラブやエステティックサロン、健康増進施設等と提携を結び、それらの会員に対して「希望する栄養素量が摂取できる店」として紹介してもらうことにより、健康・栄養重視傾向が明らかに一般の人々より高い一定の固定客(即ちそれら施設の会員)を掴むことが出来、会員に栄養摂取の管理をおこなって顧客満足度の向上を図りたい要望を持つ前記施設との共存共栄が図れる。
【0049】
1日中コンピュータの前で仕事をする人々が増えているが、こういった人々は極度の運動不足であり、おおよそ健康的なイメージからは程遠い。しかしながら、こういった人々こそ請求項1記載の装置を個人で所有し自分の為だけに使用できる人々であり、その恩恵を最大限に享受できる人々である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の装置の筋力トレーニングの指示作成処理のフローチャート図である。
【図2】請求項1の装置の有酸素運動の指示作成処理のフローチャート図である。
【図3】請求項1の装置の栄養指示の作成処理のフローチャート図である。
Claims (4)
- 運動履歴や体躯の変化、筋肉痛の有無やその部位、運動間の休息期間、心拍数や血圧や血糖値や体温や尿酸値等の客観的生理値の変化や現在の主観的な体調、栄養摂取履歴など、前記のような個人の履歴又は現在の状態に合わせて、その都度最適な運動指示と栄養指示とを出力し、更にその指示を実行した結果を入力し、実際に行った行動が結果に肯定的に現れた場合は実際に行った行動を適切な指示として判断し、逆に否定的な結果が出た場合は前回の指示に変化を加えたものを次の指示として出力し、その結果の入力を待つという一連の処理を繰り返すことで指示出力精度を上げていくコンピュータプログラム及びそのプログラムを組み込んだ装置。
- 請求項1記載の装置の指示出力の為に必要な、運動実行履歴、体躯測定履歴、生理値測定履歴、栄養摂取履歴を記録するコンピュータプログラム及びそのプログラムを組み込んだ装置。
- 請求項1の装置に、ユーザーは端末を通してデータを保存し、必要時に請求項1のプログラムが出力する指示を端末から得ることが出来るシステム。
- 提供する単品料理又は各種具材の単位あたりの栄養素の含有量を表示器材で表現し、その表示器材が前記の単品料理又は具材について記したものであると分かるところに設置し、所望の栄養素量に調整する為に、前記栄養素含有量表示情報分の量、即ち前記単位当たりの量を一度に取れる器具或いは手段を用いて、それら単品料理又は具材を適量入手及び組み合わせる栄養素量調整システムを利用した飲食店又は食品販売業。
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