【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソフトコンタクトレンズに関し、特に、高含水率で装用感に優れたソフトコンタクトレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ソフトコンタクトレンズはハードコンタクトレンズと比較して、装用感の良さ、生体適合性の良さなどの面で優れており、装用者比率が増大しつつある。しかしながら、ソフトコンタクトレンズは、酸素透過量(DK/L)が低くなるという弱点もある。ソフトコンタクトレンズの酸素透過量はレンズ素材自体の酸素透過係数(DK)とレンズの中心厚み(L)との関係により決められ、レンズの中心厚みに反比例し、中心厚みが厚いと酸素透過量が下がる。また、現行、上市されているソフトコンタクトレンズは、レンズ中の含水量に密接な関係があり、レンズ内の水分が酸素を供給する役目を果たしている。
【0003】
ソフトコンタクトレンズの素材は、FDA(Food and Drug Administration)の分類によると、含水率50%未満のソフトコンタクトレンズは、グループI(非イオン性)、グループIII(イオン性)に、含水率50%以上のソフトコンタクトレンズはグループII(非イオン性)、グループIV(イオン性)に分けられる。 グループI、グループIIIのいわゆる低含水ソフトコンタクトレンズは、酸素透過係数が低いため、たとえレンズを薄くしても大幅な酸素透過量の向上は見込めず、一般的な酸素透過量は20×10−9〜30×10−9(cm・mlO2)/(s・ml・mmHg)の範囲である。グループII、グループIVのいわゆる高含水ソフトコンタクトレンズは酸素透過係数自体は高いが、破損防止のため中心厚みが0.10mm程度と厚いため、酸素透過量は30×10−9〜50×10−9(cm・mlO2)/(s・ml・mmHg)の範囲内のものが一般的である。また、高含水ソフトコンタクトレンズは、水分の蒸発によりソフトコンタクトレンズのベースカーブがタイトに(曲率半径が小さく)なりやすく、そのため、長時間の装用をするとソフトコンタクトレンズのエッジ周辺部が眼に当たるようになり、乾燥感、異物感が生じることで、装用感の悪化につながっていた。さらに、ベースカーブがタイトになるとともに、眼球上でのレンズの動きが鈍くなり、場合によっては、眼球に貼り付き、ステイニング等の眼障害が発生しやすいという問題があり、コンタクトレンズ業界では、これらの問題解決が急務となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、高含水ソフトコンタクトレンズにおける水分蒸発による変形、並びに、長時間装用時のフィッティング性能の低下を抑制し、装用感の良いソフトコンタクトレンズを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は「含水率が50%以上で、中心厚みが0.05mm以下で、少なくとも1種の疎水性アクリル酸系エステルを重合成分として含有することを特徴とするソフトコンタクトレンズ」である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられるソフトコンタクトレンズのモノマーとしては、単独でも2種以上でも混合して用いることはできるが、少なくとも1種の疎水性アクリル酸系エステルを含有する。疎水性アクリル酸系エステルは、CH2=C(R1)CO2(R2)等で表される。R1は水素または炭素数が1以上のアルキル基、R2は炭素数が1以上のアルキル基、あるいは、炭素数が6以上のアリル基を示す。例として、n−ブチルアクリレート、メチルメタアクリレート等が挙げられる。疎水性アクリル酸系エステルを含有することで、ソフトコンタクトレンズに強度を持たせることができ、レンズの形状保持が良くなり、含水率の高いソフトコンタクトレンズの中心厚みを薄くしても、破損、タイトネスによるフィッティング状態の低下、装用感の低下、眼障害等の問題を解決することが可能となる。
【0007】
その他の成分としては、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ジメチルメタアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド類、n−ビニルピロリドン、n−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニルラクタム類、アクリル酸、メタクリル酸等のアクリル酸系、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、エチルメタアクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピルメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート等のアクリル酸系エステル類、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート等のシリコーン化合物などを用いることができる。
【0008】
本発明のソフトコンタクトレンズは、前述の疎水性アクリル酸系エステルとn−ビニルピロリドン、n−ビニルピペリドン、グリセリンモノメタアクリレート等の親水性モノマーを重合成分として含むことが好ましく、これら成分の共重合体からなることが好ましい。
【0009】
疎水性アクリル酸系エステルの含有量は、ソフトコンタクトレンズの重合成分の10〜60wt%であることが好ましい。10wt%未満ならレンズ強度が弱く、0.05mm厚み以下のソフトコンタクトレンズの製造時の歩留まりが悪くなる可能性がある。また、60wt%を越えると、ソフトコンタクトレンズの柔軟性が失われ、装用感の良さが無くなってしまう場合がある。レンズの強度と装用感の良さを兼ね備えたソフトコンタクトレンズを得るためには、疎水性アクリル酸系エステルの含有量が10〜20wt%の範囲内にあることがより好ましい。
【0010】
カルボニル基を含むメタクリル酸等のイオン性モノマーの使用量は1%未満に控え、FDA分類でII類となるn−ビニルピロリドン、メチルメタクリレートから成る非イオン性素材にする方が好ましい。イオン性ソフトコンタクトレンズは脂質が付着し汚れやすく、アレルギー障害等の眼障害の原因となりやすい。その上、脂質が付着すると酸素透過性が落ち、眼にとっては、良くない。その点、非イオン性ソフトコンタクトレンズは、脂質が付着しにくいため、眼障害の発生率も下がり、レンズの使用開始時と比較しても酸素透過性の低下が小さい。
【0011】
架橋剤としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアネート等を用いることが可能であるが、限定しない。
【0012】
重合開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスメトキシジメチルバレロニトリル等、特に限定せずに用いることが可能である。
【0013】
本発明のソフトコンタクトレンズの含水率は50%以上である。ここで、含水率とは、水または生理食塩液等で飽和膨潤したレンズを真空乾燥させ、絶乾状態にして、(飽和膨潤レンズ重量−絶乾レンズ重量)/(飽和膨潤レンズ重量)×100で算出された値である。上限は、特に限定しないが、あまりにも含水率が高いと強度が落ち、ソフトコンタクトレンズとしての機能を果たさなくなるため、80%以下が好ましい。
【0014】
破断強度は、JIS K7113で定義されており、飽和膨潤させたレンズ又はレンズと同一の原材料の平板に引っ張り荷重をかけ測定を行う。使用する試料の厚みは一定である方が好ましく、レンズを使用する場合は、レンズ前面カーブと後面カーブの中心座標が同一となるコンタクトレンズの中央部を幅5mm×長さ10mmに切断したものを試料として用いるとよい。本発明のソフトコンタクトレンズの破断強度は1×106Pa以上であることが好ましい。これは、強度が低いと破れやすく、ソフトコンタクトレンズ使用者にとって、使用勝手が悪いという問題がある。また、本発明のソフトコンタクトレンズについては、中心厚みを0.05mm以下に薄くすることを特徴としており、0.10mm等の厚みを持つソフトコンタクトレンズより破れやすくなるため、この強度が必要である。
【0015】
本発明のソフトコンタクトレンズの中心厚みは、0.05mm以下であるが、好ましくは、0.02mm〜0.05mmで、より好ましくは、0.03〜0.05mmである。0.05mmを超える中心厚みであると、レンズ自体の形状保持力により、ソフトコンタクトレンズの水分が蒸発したときのレンズのベースカーブがスティープになり、レンズのエッジ周辺部が眼を刺激して、乾燥感、異物感が生じる。さらには、ソフトコンタクトレンズが眼に貼り付き、眼球上でのレンズの動きが止まってしまう等のフィッティング状態の悪化に伴い、ステイニング等の眼障害が生じやすくなる。逆に、ソフトコンタクトレンズの中心厚みが0.02mm以下であると破れやすく、商品価値が落ちてしまうとともに、眼への装用のため指にソフトコンタクトレンズを乗せた際、指にソフトコンタクトレンズが貼り付き、装着しにくい等の問題が生じやすくなる。
【0016】
通常、ソフトコンタクトレンズの中心厚みを0.05mm以下にすると、製造上でも、使用上でも、破れやすいという問題が発生しやすいが、本発明においては、疎水性モノマーと親水性モノマーとを、これらが架橋しやすい架橋剤を用いて架橋させ、形成したポリマー鎖が、互いに分子鎖網目に侵入して絡み合った構造をとるために、含水率が高く、かつ、強度を持たせることが可能になったと考えられる。
【0017】
シリコーン系ソフトコンタクトレンズ以外のソフトコンタクトレンズは含水率によって酸素透過係数(DK)が決まる。例を挙げると、含水率38%でDK18×10−11(cm2/s)[mlO2/(ml・mmHg)]、含水率60%でDK35×10−11(cm2/s)[mlO2/(ml・mmHg)]、含水率72%でDK51×10−11(cm2/s)[mlO2/(ml・mmHg)]、含水率78%でDK64×10−11(cm2/s)[mlO2/(ml・mmHg)]と、含水率の増加に伴い、DKが向上する。これは、このような材料のソフトコンタクトレンズは、材料自体は酸素を透過させる機能を保持しておらず、一旦、ソフトコンタクトレンズに含まれる水に酸素が溶け込み、次に、ソフトコンタクトレンズ中の水が酸素を放出する仕組みで、酸素を透過させるためである。実際に測定を行う時は、電極法で測定できる。また、シリコーンハイドロゲル系ソフトコンタクトレンズの場合は、材料自体が酸素を透過するので、電極法を用いて測定する必要がある。電極法とは、3種以上の厚みのレンズを準備し、各レンズに一定濃度の酸素ガスを一定圧力でかけ、各レンズを通過した酸素量を酸素測定用電極で測定する手法である。この手法で得られた酸素量と各厚みのレンズとの関係を表したものが酸素透過係数となる。酸素透過係数の測定方法は、国際基準であるISO9913−1(1996)で定められている。酸素透過係数は、レンズの素材に関する酸素透過性を表すが、実際の酸素透過性は、レンズの厚み(L)を考慮した酸素透過量(DK/L)で表す方が現実的である。本発明においては、高含水ソフトコンタクトレンズの厚みを薄くすることにより、酸素透過量(DK/L)が高くなり、安全性を向上させることができるという効果も得られる。DK/Lが、理想値である87×10−9(cm・mlO2)/(s・ml・mmHg)であれば、連続装用の実施に、何ら問題がないと言われているが、本発明の中心厚みを薄くした高含水ソフトコンタクトレンズの一例として、中心厚み0.05mmの含水率60%ソフトコンタクトレンズの場合、DK/Lが70×10−9(cm・mlO2)/(s・ml・mmHg)と、従来のソフトコンタクトレンズに比べて理想値に近づけることが可能となり、安全性が向上する。
【0018】
ソフトコンタクトレンズのサイズ(直径)は、装用に適したものであれば特に限定はしないが、11〜16mmが好ましい。11mm以下ならレンズの視力を矯正する部分の面積が小さくなり、視力矯正が困難である。また、16mm以上だと、眼に入れにくく、かつ装用感の悪化につながってしまう。
【0019】
【実施例】
次に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
(実施例1)
疎水性アクリル酸系エステルとしてメチルメタクリレート24%、メチルアクリレート24%、親水性モノマーとしてn−ビニルピロリドン50%を構成モノマに、架橋剤トリアリルイソシアネート2%と触媒アゾビスジメチルバレロニトリル0.01%を用いて、重合を行い、FDA分類:II類、含水率:60%、中心厚み:0.05mmのレンズを製造した。本レンズの装用直後、装用後10min、装用後20minでのレンズのフィッティング状態をスリットランプを用いて観察した。フィッティング評価の被験者数は、5名で、試験を開始する前に各被験者の角膜曲率を測定し、トライアル評価を実施して、最適なベースカーブのレンズを準備した。フィッティング状態の評価は、以下の評価基準で5段階評価を実施し、5名の平均を評価点とした。
【0021】
5点(良好、レンズは適度な動きがある)
4点(5点と3点との中間)
3点(やや悪い、レンズの動きがにぶい)
2点(3点と1点の中間)
1点(悪い、レンズが眼球に貼り付き動かない)
その結果、表1の通り、装用直後のフィッティング状態が装用時間に伴い、変化することは無く良好のままであった。
【0022】
(実施例2)
実施例1と同じ素材の中心厚み0.03mmのレンズを設計し、製造した。実施例1と同様に、試験を行ったところ、表1の通り、装用直後のフィッティング状態が装用時間に伴い、変化することは無く良好のままであった。
【0023】
(実施例3)
疎水性アクリル酸系エステルとしてメチルメタクリレート12%、メチルアクリレート18%、親水性モノマーとしてn−ビニルピロリドン69%を構成モノマに、架橋剤トリアリルイソシアネート1%と触媒アゾビスジメチルバレロニトリル0.01%を用いて、重合を行い、FDA分類:II類、含水率:78%、中心厚み:0.05mmのレンズを製造した。含水率78%の、メチルメタクリレートを19%含有する素材を用いて、中心厚み0.05mmのレンズを設計し、製造した。実施例1と同様に、試験を行ったところ、表1の通り、装用直後のフィッティング状態が装用時間に伴い、変化することはほとんど無く良好のままであった。
【0024】
(比較例1〜4)
含水率50%以上で、中心厚みが0.05mmを超えるレンズを準備し、実施例1と同様な方法で、評価を行ったところ、表1の記載の通り、フィッティング状態の変化が見られた。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】
本発明は、含水率が50%以上で、中心厚みが0.05mm以下であり、少なくとも1種の疎水性アクリル酸系エステルを重合成分として含有することを特徴とするソフトコンタクトレンズであるから、高含水ソフトコンタクトレンズであるにもかかわらず、強度を持たせて水分蒸発による変形を抑制し、長時間装用時のフィッティング性能の低下を抑制し、装用感の良いソフトコンタクトレンズを提供できる。高含水であり、かつ、中心厚みを薄くしたソフトコンタクトレンズを実現することにより、酸素透過量(DK/L)を高くすることが可能となり、連続装用時の安全性も向上させることができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a soft contact lens, and more particularly to a soft contact lens having a high water content and an excellent feeling of wearing.
[0002]
[Prior art]
Soft contact lenses are superior to hard contact lenses in terms of good wearing feeling and good biocompatibility, and the proportion of wearers is increasing. However, the soft contact lens also has a disadvantage that the oxygen permeation amount (DK / L) is low. The oxygen permeation amount of a soft contact lens is determined by the relationship between the oxygen permeation coefficient (DK) of the lens material itself and the center thickness (L) of the lens, and is inversely proportional to the center thickness of the lens. Go down. In addition, the soft contact lenses currently on the market are closely related to the water content in the lens, and the water in the lens serves to supply oxygen.
[0003]
According to the classification of FDA (Food and Drug Administration), soft contact lenses are classified into Group I (non-ionic), Group III (ionic) and 50% water content according to FDA (Food and Drug Administration) classification. The above soft contact lenses are classified into Group II (non-ionic) and Group IV (ionic). The so-called low water content soft contact lenses of Group I and Group III have a low oxygen permeability coefficient, so that even if the lenses are thinned, a significant improvement in oxygen permeability cannot be expected, and a general oxygen permeability is 20 × 10 −. The range is 9 to 30 × 10 −9 (cm · mlO 2 ) / (s · ml · mmHg). The so-called highly hydrated soft contact lenses of Group II and Group IV have high oxygen permeability coefficients themselves, but the center thickness is as large as about 0.10 mm to prevent breakage, so the oxygen permeability is 30 × 10 −9 to 50 × 10 −. Those within the range of 9 (cm · mlO 2 ) / (s · ml · mmHg) are generally used. In addition, in the case of a highly water-containing soft contact lens, the base curve of the soft contact lens tends to be tight (small radius of curvature) due to evaporation of moisture, so that when worn for a long time, the periphery of the edge of the soft contact lens hits the eyes. , And a feeling of dryness and a feeling of foreign matter were generated, leading to a deterioration in the feeling of wearing. Furthermore, as the base curve becomes tighter, the movement of the lens on the eyeball becomes slower, and in some cases, there is a problem that the eyeball sticks to the eyeball and eye disorders such as staining tend to occur, and in the contact lens industry, Solving these problems was urgently needed.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the above-mentioned problems of the prior art and to provide a soft contact lens having a good feeling of wearing by suppressing deformation due to moisture evaporation in a high water content soft contact lens and suppressing a decrease in fitting performance when worn for a long time. Is to do.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
That is, the present invention is a "soft contact lens characterized by having a water content of 50% or more, a center thickness of 0.05 mm or less, and containing at least one type of hydrophobic acrylic acid ester as a polymerization component." .
[0006]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The monomer for the soft contact lens used in the present invention may be used alone or as a mixture of two or more kinds, and contains at least one kind of hydrophobic acrylic acid ester. The hydrophobic acrylic acid ester is represented by CH 2 CC (R1) CO 2 (R2) or the like. R1 represents hydrogen or an alkyl group having 1 or more carbon atoms, and R2 represents an alkyl group having 1 or more carbon atoms or an allyl group having 6 or more carbon atoms. Examples include n-butyl acrylate, methyl methacrylate, and the like. By containing a hydrophobic acrylic ester, the strength of the soft contact lens can be increased, the shape retention of the lens is improved, and even if the center thickness of the soft contact lens having a high water content is reduced, breakage, It is possible to solve problems such as a reduction in fitting state due to tightness, a reduction in wearing feeling, and eye disorders.
[0007]
Other components include acrylamides such as dimethylacrylamide, diethylacrylamide, dimethylmethacrylamide, diacetoneacrylamide, N-vinyllactams such as n-vinylpyrrolidone, n-vinylpiperidone, N-vinylcaprolactam, acrylic acid, methacrylic acid Acrylic acid esters such as 2-hydroxyethyl methacrylate, methyl methacrylate, methyl acrylate, ethyl acrylate, ethyl methacrylate, 2,3-dihydroxypropyl methacrylate, diethylene glycol methacrylate, hydroxyethyl acrylate, etc., and tris (trimethyl Silicone compounds such as siloxy) silylpropyl methacrylate can be used.
[0008]
The soft contact lens of the present invention preferably contains the above-mentioned hydrophobic acrylic acid ester and a hydrophilic monomer such as n-vinylpyrrolidone, n-vinylpiperidone, glycerin monomethacrylate as a polymerization component, and a copolymer of these components. It preferably comprises
[0009]
The content of the hydrophobic acrylic acid ester is preferably 10 to 60% by weight of the polymerization component of the soft contact lens. If it is less than 10 wt%, the lens strength is weak, and the yield at the time of manufacturing a soft contact lens having a thickness of 0.05 mm or less may be deteriorated. On the other hand, if it exceeds 60 wt%, the flexibility of the soft contact lens may be lost, and the feeling of wearing may be lost. In order to obtain a soft contact lens having both the strength of the lens and the feeling of wearing, the content of the hydrophobic acrylic acid ester is more preferably in the range of 10 to 20% by weight.
[0010]
The amount of the ionic monomer such as methacrylic acid containing a carbonyl group is less than 1%, and it is more preferable to use a nonionic material composed of n-vinylpyrrolidone and methyl methacrylate, which are classified as II in the FDA classification. Ionic soft contact lenses are liable to be stained due to the attachment of lipids, and are likely to cause eye disorders such as allergic disorders. In addition, lipids reduce oxygen permeability and are not good for the eyes. On the other hand, non-ionic soft contact lenses do not easily adhere to lipids, so that the incidence of ocular disorders is reduced, and the decrease in oxygen permeability is small compared to when the lens is started to be used.
[0011]
Examples of the crosslinking agent include, but are not limited to, ethylene glycol di (meth) acrylate, diethylene glycol di (meth) acrylate, triethylene glycol di (meth) acrylate, triallyl isocyanate, and the like.
[0012]
As the polymerization initiator, azobisisobutyronitrile, azobisdimethyl valeronitrile, azobismethoxydimethyl valeronitrile and the like can be used without particular limitation.
[0013]
The water content of the soft contact lens of the present invention is 50% or more. Here, the water content is defined as (saturated swelling lens weight-absolute dry lens weight) / (saturated swelling lens weight) × 100 Is the value calculated by The upper limit is not particularly limited, but if the water content is too high, the strength is reduced and the function as a soft contact lens is not achieved.
[0014]
The breaking strength is defined by JIS K7113 and is measured by applying a tensile load to a saturated swelled lens or a flat plate of the same raw material as the lens. It is preferable that the thickness of the sample to be used is constant. When a lens is used, a contact lens in which the center coordinates of the front surface curve and the rear surface curve of the lens are the same is cut into a width of 5 mm and a length of 10 mm. It is good to use as a sample. The breaking strength of the soft contact lens of the present invention is preferably 1 × 10 6 Pa or more. This has a problem that if the strength is low, it is easily broken, and the user of the soft contact lens has poor usability. Further, the soft contact lens of the present invention is characterized in that the center thickness is reduced to 0.05 mm or less, and the soft contact lens is more easily broken than a soft contact lens having a thickness of 0.10 mm or the like. .
[0015]
The center thickness of the soft contact lens of the present invention is 0.05 mm or less, preferably 0.02 mm to 0.05 mm, and more preferably 0.03 to 0.05 mm. If the center thickness exceeds 0.05 mm, the base curve of the lens when the moisture of the soft contact lens evaporates will become steep due to the shape retention force of the lens itself, and the periphery of the lens edge will stimulate the eyes, A feeling of dryness and a feeling of foreign matter occur. Furthermore, with the deterioration of the fitting state such that the soft contact lens sticks to the eye and the movement of the lens on the eyeball stops, eye trouble such as staining is likely to occur. Conversely, if the center thickness of the soft contact lens is 0.02 mm or less, the soft contact lens is apt to be torn and the product value is reduced, and when the soft contact lens is put on the finger for wearing on the eye, the soft contact lens is placed on the finger. Problems such as sticking and difficulty in mounting are likely to occur.
[0016]
Usually, if the center thickness of the soft contact lens is 0.05 mm or less, even in manufacturing, in use, the problem of easy tearing is likely to occur, but in the present invention, the hydrophobic monomer and the hydrophilic monomer are Is cross-linked using a cross-linking agent that is easy to cross-link, and the formed polymer chains have a structure in which they penetrate into each other and become entangled with each other in the molecular chain network, so that the water content is high and the strength can be increased. It is considered that
[0017]
For soft contact lenses other than silicone-based soft contact lenses, the oxygen permeability coefficient (DK) is determined by the water content. By way of example, moisture content 38% DK18 × 10 -11 (cm 2 / s) [mlO 2 / (ml · mmHg)], DK35 × 10 -11 (cm 2 / s) at a water content 60% [MLO 2 / (ml · mmHg)], DK51 × 10 −11 (cm 2 / s) at a water content of 72% [mlO 2 / (ml · mmHg)], and DK64 × 10 −11 (cm 2 / s) DK is improved with an increase in the water content, [mlO 2 / (ml · mmHg)]. This is because the soft contact lens made of such a material does not have a function of transmitting oxygen per se, and once the oxygen is dissolved in water contained in the soft contact lens, This is because water permeates oxygen through a mechanism that releases oxygen. When actually measuring, it can be measured by the electrode method. In the case of a silicone hydrogel-based soft contact lens, since the material itself transmits oxygen, it is necessary to perform measurement using an electrode method. The electrode method is a method in which three or more lenses having different thicknesses are prepared, a constant concentration of oxygen gas is applied to each lens at a constant pressure, and the amount of oxygen passing through each lens is measured by an oxygen measurement electrode. The relationship between the amount of oxygen obtained by this method and the lens of each thickness is the oxygen transmission coefficient. The measuring method of the oxygen permeability coefficient is defined in the international standard ISO9913-1 (1996). The oxygen permeability coefficient indicates the oxygen permeability of the material of the lens, and it is more realistic to represent the actual oxygen permeability by the oxygen permeability (DK / L) in consideration of the lens thickness (L). In the present invention, by reducing the thickness of the high water content soft contact lens, the effect that the oxygen permeation amount (DK / L) is increased and the safety can be improved can be obtained. If DK / L is the ideal value of 87 × 10 −9 (cm · mlO 2 ) / (s · ml · mmHg), it is said that there is no problem in the implementation of continuous wearing. As an example of the high water content soft contact lens having a reduced center thickness according to the invention, in the case of a soft contact lens having a center thickness of 0.05 mm and a water content of 60%, DK / L is 70 × 10 −9 (cm · mlO 2 ) / (s). (Ml · mmHg), which is closer to the ideal value than conventional soft contact lenses, and the safety is improved.
[0018]
The size (diameter) of the soft contact lens is not particularly limited as long as it is suitable for wearing, but is preferably 11 to 16 mm. If it is 11 mm or less, the area of the portion for correcting the visual acuity of the lens becomes small, and it is difficult to correct the visual acuity. On the other hand, if it is 16 mm or more, it is difficult to put it into the eyes and leads to deterioration of the wearing feeling.
[0019]
【Example】
Next, examples of the present invention will be described, but the present invention is not limited thereto.
[0020]
(Example 1)
24% methyl methacrylate, 24% methyl acrylate as a hydrophobic acrylic ester, 50% n-vinylpyrrolidone as a hydrophilic monomer, 2% of a cross-linking agent triallyl isocyanate and 0.01% of a catalyst azobisdimethyl valeronitrile Was used to produce a lens having an FDA classification: II, a water content of 60%, and a center thickness of 0.05 mm. Immediately after wearing this lens, 10 minutes after wearing, and 20 minutes after wearing, the fitting state of the lens was observed using a slit lamp. The number of subjects for the fitting evaluation was five. Before starting the test, the corneal curvature of each subject was measured, a trial evaluation was performed, and a lens having an optimal base curve was prepared. The evaluation of the fitting state was carried out on a five-point scale based on the following evaluation criteria, and the average of five persons was used as the evaluation point.
[0021]
5 points (good, lens has moderate movement)
4 points (between 5 points and 3 points)
3 points (somewhat bad, lens movement is slow)
2 points (between 3 points and 1 point)
1 point (bad, lens sticks to eyeball and does not move)
As a result, as shown in Table 1, the fitting state immediately after the wearing did not change with the wearing time and remained good.
[0022]
(Example 2)
A lens having a center thickness of 0.03 mm made of the same material as in Example 1 was designed and manufactured. When the test was performed in the same manner as in Example 1, as shown in Table 1, the fitting state immediately after wearing did not change with the wearing time and remained good.
[0023]
(Example 3)
12% methyl methacrylate, 18% methyl acrylate as hydrophobic acrylic ester, 69% n-vinylpyrrolidone as hydrophilic monomer, 1% cross-linking agent triallyl isocyanate and 0.01% azobisdimethylvaleronitrile catalyst Was used to produce a lens having an FDA classification: II, a water content of 78%, and a center thickness of 0.05 mm. Using a material having a water content of 78% and containing 19% of methyl methacrylate, a lens having a center thickness of 0.05 mm was designed and manufactured. When a test was performed in the same manner as in Example 1, as shown in Table 1, the fitting state immediately after wearing hardly changed with the wearing time, and remained good.
[0024]
(Comparative Examples 1-4)
A lens having a water content of 50% or more and a center thickness exceeding 0.05 mm was prepared and evaluated in the same manner as in Example 1. As shown in Table 1, a change in the fitting state was observed. .
[0025]
[Table 1]
[0026]
【The invention's effect】
The present invention is a soft contact lens characterized by having a water content of 50% or more, a center thickness of 0.05 mm or less, and containing at least one kind of hydrophobic acrylic acid ester as a polymerization component. Despite being a high water content soft contact lens, it is possible to provide a soft contact lens having good wearing feeling by imparting strength and suppressing deformation due to moisture evaporation, suppressing a decrease in fitting performance when worn for a long time. By realizing a soft contact lens having a high water content and a reduced center thickness, the oxygen permeation amount (DK / L) can be increased, and the safety during continuous wearing can be improved.