JP2004029110A - 投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】台形歪みの補正可能な範囲を超えるような状態にプロジェクタ装置本体が設置された場合、自動台形歪みの補正動作が完了しても台形歪みが残っている映像が投射されるため、プロジェクタ装置本体の設置状態を調整するなどの作業を複数回にわたって行う必要があり、装置の設置作業が煩雑である。
【解決手段】補正すべき台形歪みの変形量が、予め設定された最大変形量の範囲(補正可能な範囲)を超えたことを検出したときに、情報出力手段から情報(設置調整内容を示す映像や音声)を出力させる。
【選択図】 図1
【解決手段】補正すべき台形歪みの変形量が、予め設定された最大変形量の範囲(補正可能な範囲)を超えたことを検出したときに、情報出力手段から情報(設置調整内容を示す映像や音声)を出力させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶プロジェクタなどの投射型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶パネルを用いた液晶プロジェクタ装置(以下、プロジェクタという)が実用化されている。プロジェクタからの映像をスクリーンに投影した場合、プロジェクタの設置角度によって、投影される映像が四角形ではなく台形にゆがんだ台形歪みを有する映像として投影されてしまう場合がある。これを解決する手段として、投影する映像信号を、台形歪を打ち消す方向の上下逆な台形の映像となるように画像処理手段によって補正し、その補正映像信号を投影することで台形歪みを補正する、いわゆる自動台形補正機能を備えたプロジェクタがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したプロジェクタでは、投射画像の台形歪みを自動的に補正することが可能であるが、その補正範囲には限界がある。たとえば、台形歪みの補正可能な範囲を超えるような状態にプロジェクタ装置本体が設置された場合、台形歪みの補正動作が完了していても、実際には、投射される映像に台形歪みが残っている。これにより、ユーザーは自動台形歪みの補正機能が故障していると誤認識してしまうおそれがある。また、上記のように、台形歪みの補正動作が完了しても台形歪みが残っている映像が投射されるため、ユーザーは、台形歪みが発生しない状態となるように、プロジェクタ装置本体の設置状態を調整するなどの作業を複数回にわたって行う必要があり、装置の設置作業が煩雑であるという問題がある。
【0004】
本発明は、台形歪みなどの画像歪みを補正した良好な映像を鑑賞可能な状態に、ユーザーが装置本体を簡単かつ確実に設置することのできる投射型表示装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一形態は、投射型表示装置において、光源からの照明光により照明され、入力された映像信号に応じた映像を表示する映像表示手段と、前記映像表示手段により表示された映像を投射する投射光学系と、前記投射光学系の投射角度および前記投射型表示装置の設置角度を検出する角度検出手段と、前記投射される映像における形状の変形を行う映像形状変形手段と、前記角度検出手段からの検出出力に基づいて前記映像における形状の変形量を演算算出し、算出された変形量に応じて前記映像形状変形手段を制御する制御手段と、予め設定された情報を出力する情報出力手段とを備え、前記制御手段は、前記算出された変形量が、予め設定された最大変形量の範囲を超えたことを検出したときに、前記情報出力手段から前記情報の出力させるように制御することを特徴とする投射型表示装置を提供するものである。ここで、映像形状変形手段は、投射光学系の全体あるいは一部を光軸にほぼ直交する方向にシフトあるいはチルトさせる構成、あるいは映像表示手段を構成する表示素子(表示パネル)を光軸にほぼ直交する方向にシフトあるいはチルトさせる構成とされ、手動あるいは電動で駆動される構成を用いることができる。
【0006】
また本発明の他の形態は、投射型表示装置において、光源からの照明光により照明され、入力された映像信号に応じた映像を表示する映像表示手段と、前記映像表示手段により表示された映像を前記スクリーンに投射する投射光学系と、前記投射光学系の投射角度を検出する投射角度検出手段と、前記投射型表示装置の設置角度を検出する設置角度検出手段と、前記投射される映像における形状の変形を行うよう前記映像表示手段に入力される前記映像信号を変換する映像信号変換手段と、前記投射角度検出手段により検出された投射角度と前記設置角度検出手段により検出された設置角度とに基づいて前記映像信号の変形量を演算算出し、算出された変形量に応じて前記映像信号変換手段の信号変換を制御する制御手段と、予め設定された情報を出力する情報出力手段とを備え、前記制御手段は、前記算出された変形量が、予め設定された最大変形量の範囲内であるかを検出し、その検出結果に応じて前記情報出力手段の出力を制御することを特徴とする投射型表示装置を提供するものである。
【0007】
ここで、前記情報出力手段は、予め設定された情報(指示内容)を示す設定映像信号を出力することを特徴とするものである。
【0008】
また、前記情報出力手段は、予め設定された情報(指示内容)を示す音声をたとえばスピーカから出力することを特徴とするものである。
【0009】
さらに、前記制御手段は、前記算出された変形量が、前記最大変形量の範囲を超えたことを検出したときに、前記情報出力手段からの前記設定映像信号と前記入力された映像信号とをたとえば映像信号重畳回路などにより合成してその合成した映像信号を前記映像表示手段に出力することを特徴とするものである。
【0010】
また、前記情報出力手段から出力される予め設定された情報(指示内容)は、予め設定された設定映像信号や音声情報であり、前記投射型表示装置の設置状態の変更を促す内容(映像表示や音声ガイダンス)であることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、各図を参照しながら、本発明実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の投射型表示装置の実施形態を示すプロジェクタ装置の構成図である。
【0013】
図1において、200はプロジェクタであり、100は映像入力端子である。映像入力端子100には、各種映像機器からの映像信号が入力される。この入力映像信号の形式はパソコンなどのRGBアナログ信号や、ビデオカメラなどのコンポジット信号などである。映像入力端子100から入力される映像信号は、AD変換回路101でアナログ映像信号からデジタル映像信号に変換され、このデジタル映像信号がOSD(On Screen Display)回路102に送られる。OSD回路102では、入力されたデジタル映像信号に対して、制御回路(マイクロコンピュータ)114にて作成された合成データに対して、適切な合成用画像が作成され、その合成信号とAD変換された映像信号との合成が逐次行われる。このようにOSD回路102では主にプロジェクタのユーザからの操作確認情報や、入力信号の形式、プロジェクタの各種情報などの制御回路114からの設定映像信号を、入力された映像信号にスーパーインポウズ(合成)させ、この合成された映像信号を出力する。OSD回路102からの映像信号は映像信号変換回路103に送られる。
【0014】
映像信号変換回路103に置いては、制御回路114の指示により、入力されたデジタル映像信号に対して、表示映像の拡大や縮小、縦横比の変換(アスペクト比変換)、変形処理(台形補正)などの画像処理(信号変換)が行われる。映像信号変換回路103にて適切な処理をされたデジタル映像信号はDA変換回路104にてデジタル映像信号からアナログ映像信号に変換され、ドライブ回路106に送られる。ドライブ回路106は、表示素子108が液晶パネルの場合、そのパネルに対応した液晶パネルドライブ回路であり、入力されたアナログ映像信号を液晶パネルに対応したパラレル信号に変換する。このとき、液晶パネルがRGB色それぞれ分割された形で三枚用意されている場合は、ドライブ回路106にて、色成分が分割され、それぞれの色の濃淡データとして変更される。このように表示素子108に対して適切な信号処理がドライブ回路106にて行われ、その信号が表示素子108に送られ、適切な画像が表示される。このようにして表示素子108にて表示された映像は、表示素子108の背面に配置されたランプ107から発せられる投射光にて投射映像に変換される。ここで、液晶パネルがRGB色それぞれ分割された形で三枚用意されている場合は、ランプからの光をRGB色に分光され、それぞれの色に対応した液晶パネルを通り、その光が集光されることで適正な投射映像になる。このようにして得られた投射映像は投射レンズ群109で、投射面であるスクリーン300までの適切な焦点距離、画角量に調整され、スクリーン300に投影表示される。
【0015】
ここで、投射レンズ群109には、ズームセンサー111が設けられており、投射レンズ群109中のズームレンズ部分の絶対位置(ズーム位置)を計測し、その計測した信号は、制御回路114へ送られる。
【0016】
制御回路114は、ズームセンサー111から得られたズーム位置信号から投射レンズ群109の投射角度を求める。投射角度は、各ズーム位置と、各ズーム位置に対応する投射レンズ群109の投影角度との関係を表したテーブルデータを予め作成しておき、得られたズーム位置信号が示すズーム位置に対応する投影角度を、テーブルデータを参照することで得られる。
【0017】
また、112は、加速度センサーであり、加速度センサー112はプロジェクタ200を設置した面に対しての垂直方向の傾き具合により、加速度センサー112の出力値が変化する。この加速度センサー112からの信号を制御回路114に送り、制御回路114内のプログラムでプロジェクタ200の設置角度を計算する。
【0018】
たとえば、図5に示すように、プロジェクタ200が水平に設置されている場合、加速度センサー112からの出力値は、垂直方向であるy軸方向の値Ygをさす。この時センサー値は重力のすべての値Gと同じYg=Gとなる。また図6に示すように、プロジェクタ200がθだけ傾いて設置されている場合は、加速度センサー112からの出力値はYg=G×sinθとなる。よってプロジェクタ200の傾き(設置角度)θは、θ=arcsin(Yg/G)で求めることが出来る。Gの値は、予めプロジェクタ200を水平に設置した時に、Ygの値を計ることでGの値は測定できるので、上式でプロジェクタの設置角度を計算することが出来る。
【0019】
図1に戻り、図1において113は台形歪みの補正動作を起動させるための台形補正スイッチであり、台形補正スイッチ113が操作されると、制御回路114は、上述したズームセンサー111、加速度センサー112からの各信号を取り込んで、現在の台形歪み量を計算し、その歪み量を補正するための補正量を計算(演算)する。また、図1において、115はスピーカであり、スピーカ115は制御回路114から出力される音声信号に応じた音声を出力する。
【0020】
次に、制御回路114が、ズームセンサー111からの投影角度と加速度センサー112からの傾き量(設置角度)から、投影影像の台形歪みの量を表す上辺と下辺の比を求める計算について、図7、図8、図9を用いて説明する。図7、図8、図9はプロジェクタ200の投射軸aがスクリーン面300に対して直交した状態からプロジェクタ200を角度θで傾斜させて設置した状態の場合であり、図7がスクリーン300とプロジェクタ200を設置してある平面に対して側面方向から見た図であり、また図8が設置平面の上面からの図であり、図9がスクリーン300に投影される投影映像と、BCB´C´面での投影画面を重ねた図である。
【0021】
まず、プロジェクタ200の設置角度をθ、投影角度をαとし、プロジェクタ投影口からスクリーン300に光が当たる下辺までの距離をmとする。また、投影画面のアスペクト比をx:yとする。
【0022】
このように定義すると、図7より、辺CDは( 2m・sin(α/2)sinθ)/cos(θ+α/2)、辺BCは2m・sin(α/2)と計算される。また、辺BDも2m×sin(α/2)・cosθ+( 2m・sin(α/2)・sinθ)/cos(θ+α/2)・sin(θ+α/2)と計算される。これによって、図9で示される2つの四角形BB’CC’とBB’DD’の縦方向の辺の長さの比が、四角形BB’CC’を1とすると、四角形BB’DD’は1+sinθ・sin(θ+α/2)/cos(θ+α/2)と計算され、m、x、yに依らない倍率となる。
【0023】
また、図8で示す四角形BB’CC’および、図7で示す辺BCで囲まれる四角形BB’CC’のアスペクト比は保持されているため定義されたアスペクト比から、辺CC’はx/y・2m・sin(α/2)と計算される。よって、辺DD’は比の関係より、
m:m+(2m・sin(α/2) ・sinθ)/cos(θ+α/2)=x/y・2m・sin(α/2):辺DD’
よって台形の上辺DD´と下辺B´Bはそれぞれ、
辺BB´=x/y・2m・sin(α/2)
辺DD´=(1+(2・sin(α/2) ・sinθ)/cos(θ+α/2))・x/y・2m・sin(α/2)
となるので、DD´はBB’の
(1+(2・sin(α/2) ・sinθ)/cos(θ+α/2))倍の大きさになり、m、x、yに依らない倍率となる。
【0024】
つまり、得られた設置角度と投影角度により台形歪み量がわかるので、これを打ち消すために、上辺を下辺に比べ(1+(2・sin(α/2) ・sinθ)/cos(θ+α/2))で割った長さにすれば、歪みを補正することができる。
【0025】
ここで、表示する総横ライン数をA、補正すべきライン番号をnとし、その補正すべきラインの補正横幅Xnとし、元の横幅をXmとすると、
補正量を一般化した式は、
Xn=Xm/((1+(2・sin(α/2) ・sinθ)/cos(θ+α/2))・(n/A))
となり、この式を用いて補正量(映像信号の変換量)を求め、その補正量に基づいて台形補正を行うことで台形歪みのない投影表示が得られる。
【0026】
上記のような構成において、本実施形態の台形補正の限界表示を行う手順について図2のフローチャートおよび図1の構成図を用いて説明する。
【0027】
まず、図1の台形補正スイッチ113が押されるまで、スタートからスタートまでを繰り返すことで待機状態となる。台形補正スイッチ113が押される(S1)と、制御回路114がスイッチ113がオンされたことを検知してズームセンサー111からの信号を取り込み、現在のズームレンズ群のズーム位置の検出を行う(S2)。次に制御回路114が加速度センサー112からの信号を取り込み、それを基にしてプロジェクタ200の傾き情報を計算して現在のプロジェクタ200の設置角度を検出する処理を行う(S3)。この処理が終った後、計算されたズーム情報と傾き情報により実際の台形歪み量を計算して、その台形歪みを補正するための補正量を上述した計算式に基づいて計算する(S4)。ここでは、画面の上辺側に行くにしたがって短くなっていく台形画面の映像信号にするか、画面の底辺側に行くにしたがって短くなる台形画面の映像信号にするかの2つの補正方向がある。そして、それぞれの補正方向とも最大変形量である補正限界値がある。この補正限界値は台形補正画像処理を実際に行う映像信号変換回路103の回路的限界量と、観客が投影映像を見て台形補正画像処理映像を液晶パネルのような固定画素の表示素子108で表示すると、余り補正しすぎると1ラインの情報量を表現するための画素密度が荒くなってしまい、荒が目立って鑑賞に堪えないという画像解像度的限界値がある。
【0028】
本実施形態では回路的限界量を用いて説明する(ただしどちらを参考にして限界量を定めても良い)。
【0029】
図2のフローチャートに戻り、制御回路114が映像信号変換回路103から最大変形量を示す限界量信号を受け取り、S4で計算された台形歪み補正量が、受け取った補正限界量以内かどうか判断する(S5)。補正限界量以内の場合は、S6の処理に移り、適正な台形補正処理が行われる。ここでは適正な台形補正量が制御回路114から、映像信号変換回路103へ送られて、入力映像信号では四角形となる映像を、補正量に基づいた台形となる映像信号に変換する。この台形となる映像信号が投影されると、プロジェクタ200の設置角度によって発生していた台形歪みの映像が補正されて、適切な四角形な映像として表示される。
【0030】
また、S5の処理で、補正すべき補正量が、補正限界以上であった場合は、予め、映像信号変換回路103から得られた台形補正量の最大限の補正データ(最大変形量)を映像信号変換回路103に送り、台形歪みが最大の補正量(最大変形量)で補正する(S7)。そして制御回路114から、OSD回路102に図3、図4に示すような投射映像となる、予め設定された指示内容を示す情報としての設定映像信号であるOSDデータを送り、入力された映像信号と設定映像信号とを合成処理し合成された映像信号を出力する。そして合成された映像信号の映像が表示される(S8)。上述の予め設定された指示内容を示す設定映像信号(図3、図4に示す映像となる設定映像信号)は、制御回路114のメモリ(図示せず)に予め記憶されている。
【0031】
図3の表示は上辺が下辺より長い台形の表示映像が投影されている場合のパターンとして補正限界警告、指示表示をする。また、図4の表示は下辺が上辺より長い台形の表示映像が投影されている場合のパターンとして補正限界警告、指示表示をする。
【0032】
この投射映像の指示によって、ユーザーが自動台形補正を行ったにも関わらず、台形歪が起こっていることの不信感を解消できる。そして、ユーザーは、まだ補正しきれていない台形補正を修正するためにプロジェクタ200をどのような設置にすれば良いかが分かる。
【0033】
そして、S8の処理が終了後、待機処理にもどり、ユーザーがプロジェクタを表示されている指示内容に従って設置しなおし、再びSW1のスイッチが押されることで、もう一度一連の処理を通り、台形歪みのない良好な映像を鑑賞することが出来る。
【0034】
このように上述した実施形態では、台形歪みを補正する補正量が、補正限界である最大変形量を超えた場合に、装置の設置状態の調整指示内容を示す映像を表示することにより、ユーザーは台形歪みなどの画像歪みを補正した良好な映像を鑑賞可能な状態に、装置本体を簡単かつ確実に設置することができる。
【0035】
なお、上述した実施形態では、台形歪みを補正する補正量が、補正限界である最大変形量を超えた場合に、装置の設置状態の調整指示内容を示す映像を表示する構成について説明したが、装置の設置状態の調整指示内容を示す音声情報としての音声信号を予め制御回路114のメモリ(図示せず)に記憶させておき、この音声信号を、台形歪みを補正する補正量が、補正限界である最大変形量を超えた場合に、出力して、その音声をスピーカ115から音声ガイダンスとして出力する構成としてもよい。ここで、音声信号が示す内容は「台形補正量を超えています。装置の前足を短くして、補正ボタンを再度押してください」などの図3、図4に示す内容と同様のものである。
【0036】
また、スピーカ115から出力する、装置の設置状態の調整指示内容を示す音声は、上述した図3、図4で示した、装置の設置状態の調整指示内容を示す映像の表示とともに、同時に出力させるようにしてもよい。これにより、映像表示および音声の両方から、台形歪みを補正する補正量が、補正限界である最大変形量を超えている状態であること、また、装置の設置状態の調整指示内容を、ユーザーに確実に伝えることができ、ユーザーは調整指示内容に従って、装置の設置状態の調整を簡単かつ確実に行うことができ、台形歪みなどの画像歪みを補正した良好な映像を鑑賞可能な状態に設置することができる。
【0037】
なお、上述した各実施形態では、台形歪みを補正する構成として、表示素子108に入力される映像信号を、映像信号変換回路103により変形処理(台形補正)などの画像処理(信号変換)を行うものとしたが、投射光学系の全体あるいは一部を光軸にほぼ直交する方向にシフトあるいはチルトさせる構成、あるいは映像表示手段を構成する表示素子(表示パネル)を光軸にほぼ直交する方向にシフトあるいはチルトさせる構成とし、投射光学系あるいは表示素子を、手動あるいは電動で駆動する構成の映像形状変形手段を用いる構成としてもよい。そしてこの実施形態でも、映像形状変形手段による台形歪みの最大補正量を超える場合に、上述した実施形態と同様にして、装置の設置状態の調整指示内容を示す映像を表示すること、あるいは音声を出力すること、さらには映像と音声とを出力することにより、ユーザーは台形歪みなどの画像歪みを補正した良好な映像を鑑賞可能な状態に、装置本体を簡単かつ確実に設置することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、台形歪みなどの画像歪みを補正した良好な映像を鑑賞可能な状態に、ユーザーが投射型表示装置本体を簡単かつ確実に設置することのできる投射型表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である投射型表示装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態である投射型表示装置の動作を示すフローチャート。
【図3】本発明の実施形態である投射型表示装置における指示内容の表示を説明するための図。
【図4】本発明の実施形態である投射型表示装置における指示内容の表示を説明するための図。
【図5】本発明の実施形態である投射型表示装置における設置角度の検出方法を説明するための図。
【図6】本発明の実施形態である投射型表示装置における設置角度の検出方法を説明するための図。
【図7】本発明の実施形態である投射型表示装置における台形歪み量の計算方法を説明するための図。
【図8】本発明の実施形態である投射型表示装置における台形歪み量の計算方法を説明するための図。
【図9】本発明の実施形態である投射型表示装置における台形歪み量の計算方法を説明するための図。
【符号の説明】
102 OSD回路
103 映像信号変換回路
108 表示素子
109 投射レンズ群
111 ズームセンサー
112 加速度センサー
113 台形補正スイッチ
114 制御回路
115 スピーカ
200 プロジェクタ
300 スクリーン
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶プロジェクタなどの投射型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶パネルを用いた液晶プロジェクタ装置(以下、プロジェクタという)が実用化されている。プロジェクタからの映像をスクリーンに投影した場合、プロジェクタの設置角度によって、投影される映像が四角形ではなく台形にゆがんだ台形歪みを有する映像として投影されてしまう場合がある。これを解決する手段として、投影する映像信号を、台形歪を打ち消す方向の上下逆な台形の映像となるように画像処理手段によって補正し、その補正映像信号を投影することで台形歪みを補正する、いわゆる自動台形補正機能を備えたプロジェクタがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したプロジェクタでは、投射画像の台形歪みを自動的に補正することが可能であるが、その補正範囲には限界がある。たとえば、台形歪みの補正可能な範囲を超えるような状態にプロジェクタ装置本体が設置された場合、台形歪みの補正動作が完了していても、実際には、投射される映像に台形歪みが残っている。これにより、ユーザーは自動台形歪みの補正機能が故障していると誤認識してしまうおそれがある。また、上記のように、台形歪みの補正動作が完了しても台形歪みが残っている映像が投射されるため、ユーザーは、台形歪みが発生しない状態となるように、プロジェクタ装置本体の設置状態を調整するなどの作業を複数回にわたって行う必要があり、装置の設置作業が煩雑であるという問題がある。
【0004】
本発明は、台形歪みなどの画像歪みを補正した良好な映像を鑑賞可能な状態に、ユーザーが装置本体を簡単かつ確実に設置することのできる投射型表示装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の一形態は、投射型表示装置において、光源からの照明光により照明され、入力された映像信号に応じた映像を表示する映像表示手段と、前記映像表示手段により表示された映像を投射する投射光学系と、前記投射光学系の投射角度および前記投射型表示装置の設置角度を検出する角度検出手段と、前記投射される映像における形状の変形を行う映像形状変形手段と、前記角度検出手段からの検出出力に基づいて前記映像における形状の変形量を演算算出し、算出された変形量に応じて前記映像形状変形手段を制御する制御手段と、予め設定された情報を出力する情報出力手段とを備え、前記制御手段は、前記算出された変形量が、予め設定された最大変形量の範囲を超えたことを検出したときに、前記情報出力手段から前記情報の出力させるように制御することを特徴とする投射型表示装置を提供するものである。ここで、映像形状変形手段は、投射光学系の全体あるいは一部を光軸にほぼ直交する方向にシフトあるいはチルトさせる構成、あるいは映像表示手段を構成する表示素子(表示パネル)を光軸にほぼ直交する方向にシフトあるいはチルトさせる構成とされ、手動あるいは電動で駆動される構成を用いることができる。
【0006】
また本発明の他の形態は、投射型表示装置において、光源からの照明光により照明され、入力された映像信号に応じた映像を表示する映像表示手段と、前記映像表示手段により表示された映像を前記スクリーンに投射する投射光学系と、前記投射光学系の投射角度を検出する投射角度検出手段と、前記投射型表示装置の設置角度を検出する設置角度検出手段と、前記投射される映像における形状の変形を行うよう前記映像表示手段に入力される前記映像信号を変換する映像信号変換手段と、前記投射角度検出手段により検出された投射角度と前記設置角度検出手段により検出された設置角度とに基づいて前記映像信号の変形量を演算算出し、算出された変形量に応じて前記映像信号変換手段の信号変換を制御する制御手段と、予め設定された情報を出力する情報出力手段とを備え、前記制御手段は、前記算出された変形量が、予め設定された最大変形量の範囲内であるかを検出し、その検出結果に応じて前記情報出力手段の出力を制御することを特徴とする投射型表示装置を提供するものである。
【0007】
ここで、前記情報出力手段は、予め設定された情報(指示内容)を示す設定映像信号を出力することを特徴とするものである。
【0008】
また、前記情報出力手段は、予め設定された情報(指示内容)を示す音声をたとえばスピーカから出力することを特徴とするものである。
【0009】
さらに、前記制御手段は、前記算出された変形量が、前記最大変形量の範囲を超えたことを検出したときに、前記情報出力手段からの前記設定映像信号と前記入力された映像信号とをたとえば映像信号重畳回路などにより合成してその合成した映像信号を前記映像表示手段に出力することを特徴とするものである。
【0010】
また、前記情報出力手段から出力される予め設定された情報(指示内容)は、予め設定された設定映像信号や音声情報であり、前記投射型表示装置の設置状態の変更を促す内容(映像表示や音声ガイダンス)であることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、各図を参照しながら、本発明実施形態について説明する。
【0012】
図1は、本発明の投射型表示装置の実施形態を示すプロジェクタ装置の構成図である。
【0013】
図1において、200はプロジェクタであり、100は映像入力端子である。映像入力端子100には、各種映像機器からの映像信号が入力される。この入力映像信号の形式はパソコンなどのRGBアナログ信号や、ビデオカメラなどのコンポジット信号などである。映像入力端子100から入力される映像信号は、AD変換回路101でアナログ映像信号からデジタル映像信号に変換され、このデジタル映像信号がOSD(On Screen Display)回路102に送られる。OSD回路102では、入力されたデジタル映像信号に対して、制御回路(マイクロコンピュータ)114にて作成された合成データに対して、適切な合成用画像が作成され、その合成信号とAD変換された映像信号との合成が逐次行われる。このようにOSD回路102では主にプロジェクタのユーザからの操作確認情報や、入力信号の形式、プロジェクタの各種情報などの制御回路114からの設定映像信号を、入力された映像信号にスーパーインポウズ(合成)させ、この合成された映像信号を出力する。OSD回路102からの映像信号は映像信号変換回路103に送られる。
【0014】
映像信号変換回路103に置いては、制御回路114の指示により、入力されたデジタル映像信号に対して、表示映像の拡大や縮小、縦横比の変換(アスペクト比変換)、変形処理(台形補正)などの画像処理(信号変換)が行われる。映像信号変換回路103にて適切な処理をされたデジタル映像信号はDA変換回路104にてデジタル映像信号からアナログ映像信号に変換され、ドライブ回路106に送られる。ドライブ回路106は、表示素子108が液晶パネルの場合、そのパネルに対応した液晶パネルドライブ回路であり、入力されたアナログ映像信号を液晶パネルに対応したパラレル信号に変換する。このとき、液晶パネルがRGB色それぞれ分割された形で三枚用意されている場合は、ドライブ回路106にて、色成分が分割され、それぞれの色の濃淡データとして変更される。このように表示素子108に対して適切な信号処理がドライブ回路106にて行われ、その信号が表示素子108に送られ、適切な画像が表示される。このようにして表示素子108にて表示された映像は、表示素子108の背面に配置されたランプ107から発せられる投射光にて投射映像に変換される。ここで、液晶パネルがRGB色それぞれ分割された形で三枚用意されている場合は、ランプからの光をRGB色に分光され、それぞれの色に対応した液晶パネルを通り、その光が集光されることで適正な投射映像になる。このようにして得られた投射映像は投射レンズ群109で、投射面であるスクリーン300までの適切な焦点距離、画角量に調整され、スクリーン300に投影表示される。
【0015】
ここで、投射レンズ群109には、ズームセンサー111が設けられており、投射レンズ群109中のズームレンズ部分の絶対位置(ズーム位置)を計測し、その計測した信号は、制御回路114へ送られる。
【0016】
制御回路114は、ズームセンサー111から得られたズーム位置信号から投射レンズ群109の投射角度を求める。投射角度は、各ズーム位置と、各ズーム位置に対応する投射レンズ群109の投影角度との関係を表したテーブルデータを予め作成しておき、得られたズーム位置信号が示すズーム位置に対応する投影角度を、テーブルデータを参照することで得られる。
【0017】
また、112は、加速度センサーであり、加速度センサー112はプロジェクタ200を設置した面に対しての垂直方向の傾き具合により、加速度センサー112の出力値が変化する。この加速度センサー112からの信号を制御回路114に送り、制御回路114内のプログラムでプロジェクタ200の設置角度を計算する。
【0018】
たとえば、図5に示すように、プロジェクタ200が水平に設置されている場合、加速度センサー112からの出力値は、垂直方向であるy軸方向の値Ygをさす。この時センサー値は重力のすべての値Gと同じYg=Gとなる。また図6に示すように、プロジェクタ200がθだけ傾いて設置されている場合は、加速度センサー112からの出力値はYg=G×sinθとなる。よってプロジェクタ200の傾き(設置角度)θは、θ=arcsin(Yg/G)で求めることが出来る。Gの値は、予めプロジェクタ200を水平に設置した時に、Ygの値を計ることでGの値は測定できるので、上式でプロジェクタの設置角度を計算することが出来る。
【0019】
図1に戻り、図1において113は台形歪みの補正動作を起動させるための台形補正スイッチであり、台形補正スイッチ113が操作されると、制御回路114は、上述したズームセンサー111、加速度センサー112からの各信号を取り込んで、現在の台形歪み量を計算し、その歪み量を補正するための補正量を計算(演算)する。また、図1において、115はスピーカであり、スピーカ115は制御回路114から出力される音声信号に応じた音声を出力する。
【0020】
次に、制御回路114が、ズームセンサー111からの投影角度と加速度センサー112からの傾き量(設置角度)から、投影影像の台形歪みの量を表す上辺と下辺の比を求める計算について、図7、図8、図9を用いて説明する。図7、図8、図9はプロジェクタ200の投射軸aがスクリーン面300に対して直交した状態からプロジェクタ200を角度θで傾斜させて設置した状態の場合であり、図7がスクリーン300とプロジェクタ200を設置してある平面に対して側面方向から見た図であり、また図8が設置平面の上面からの図であり、図9がスクリーン300に投影される投影映像と、BCB´C´面での投影画面を重ねた図である。
【0021】
まず、プロジェクタ200の設置角度をθ、投影角度をαとし、プロジェクタ投影口からスクリーン300に光が当たる下辺までの距離をmとする。また、投影画面のアスペクト比をx:yとする。
【0022】
このように定義すると、図7より、辺CDは( 2m・sin(α/2)sinθ)/cos(θ+α/2)、辺BCは2m・sin(α/2)と計算される。また、辺BDも2m×sin(α/2)・cosθ+( 2m・sin(α/2)・sinθ)/cos(θ+α/2)・sin(θ+α/2)と計算される。これによって、図9で示される2つの四角形BB’CC’とBB’DD’の縦方向の辺の長さの比が、四角形BB’CC’を1とすると、四角形BB’DD’は1+sinθ・sin(θ+α/2)/cos(θ+α/2)と計算され、m、x、yに依らない倍率となる。
【0023】
また、図8で示す四角形BB’CC’および、図7で示す辺BCで囲まれる四角形BB’CC’のアスペクト比は保持されているため定義されたアスペクト比から、辺CC’はx/y・2m・sin(α/2)と計算される。よって、辺DD’は比の関係より、
m:m+(2m・sin(α/2) ・sinθ)/cos(θ+α/2)=x/y・2m・sin(α/2):辺DD’
よって台形の上辺DD´と下辺B´Bはそれぞれ、
辺BB´=x/y・2m・sin(α/2)
辺DD´=(1+(2・sin(α/2) ・sinθ)/cos(θ+α/2))・x/y・2m・sin(α/2)
となるので、DD´はBB’の
(1+(2・sin(α/2) ・sinθ)/cos(θ+α/2))倍の大きさになり、m、x、yに依らない倍率となる。
【0024】
つまり、得られた設置角度と投影角度により台形歪み量がわかるので、これを打ち消すために、上辺を下辺に比べ(1+(2・sin(α/2) ・sinθ)/cos(θ+α/2))で割った長さにすれば、歪みを補正することができる。
【0025】
ここで、表示する総横ライン数をA、補正すべきライン番号をnとし、その補正すべきラインの補正横幅Xnとし、元の横幅をXmとすると、
補正量を一般化した式は、
Xn=Xm/((1+(2・sin(α/2) ・sinθ)/cos(θ+α/2))・(n/A))
となり、この式を用いて補正量(映像信号の変換量)を求め、その補正量に基づいて台形補正を行うことで台形歪みのない投影表示が得られる。
【0026】
上記のような構成において、本実施形態の台形補正の限界表示を行う手順について図2のフローチャートおよび図1の構成図を用いて説明する。
【0027】
まず、図1の台形補正スイッチ113が押されるまで、スタートからスタートまでを繰り返すことで待機状態となる。台形補正スイッチ113が押される(S1)と、制御回路114がスイッチ113がオンされたことを検知してズームセンサー111からの信号を取り込み、現在のズームレンズ群のズーム位置の検出を行う(S2)。次に制御回路114が加速度センサー112からの信号を取り込み、それを基にしてプロジェクタ200の傾き情報を計算して現在のプロジェクタ200の設置角度を検出する処理を行う(S3)。この処理が終った後、計算されたズーム情報と傾き情報により実際の台形歪み量を計算して、その台形歪みを補正するための補正量を上述した計算式に基づいて計算する(S4)。ここでは、画面の上辺側に行くにしたがって短くなっていく台形画面の映像信号にするか、画面の底辺側に行くにしたがって短くなる台形画面の映像信号にするかの2つの補正方向がある。そして、それぞれの補正方向とも最大変形量である補正限界値がある。この補正限界値は台形補正画像処理を実際に行う映像信号変換回路103の回路的限界量と、観客が投影映像を見て台形補正画像処理映像を液晶パネルのような固定画素の表示素子108で表示すると、余り補正しすぎると1ラインの情報量を表現するための画素密度が荒くなってしまい、荒が目立って鑑賞に堪えないという画像解像度的限界値がある。
【0028】
本実施形態では回路的限界量を用いて説明する(ただしどちらを参考にして限界量を定めても良い)。
【0029】
図2のフローチャートに戻り、制御回路114が映像信号変換回路103から最大変形量を示す限界量信号を受け取り、S4で計算された台形歪み補正量が、受け取った補正限界量以内かどうか判断する(S5)。補正限界量以内の場合は、S6の処理に移り、適正な台形補正処理が行われる。ここでは適正な台形補正量が制御回路114から、映像信号変換回路103へ送られて、入力映像信号では四角形となる映像を、補正量に基づいた台形となる映像信号に変換する。この台形となる映像信号が投影されると、プロジェクタ200の設置角度によって発生していた台形歪みの映像が補正されて、適切な四角形な映像として表示される。
【0030】
また、S5の処理で、補正すべき補正量が、補正限界以上であった場合は、予め、映像信号変換回路103から得られた台形補正量の最大限の補正データ(最大変形量)を映像信号変換回路103に送り、台形歪みが最大の補正量(最大変形量)で補正する(S7)。そして制御回路114から、OSD回路102に図3、図4に示すような投射映像となる、予め設定された指示内容を示す情報としての設定映像信号であるOSDデータを送り、入力された映像信号と設定映像信号とを合成処理し合成された映像信号を出力する。そして合成された映像信号の映像が表示される(S8)。上述の予め設定された指示内容を示す設定映像信号(図3、図4に示す映像となる設定映像信号)は、制御回路114のメモリ(図示せず)に予め記憶されている。
【0031】
図3の表示は上辺が下辺より長い台形の表示映像が投影されている場合のパターンとして補正限界警告、指示表示をする。また、図4の表示は下辺が上辺より長い台形の表示映像が投影されている場合のパターンとして補正限界警告、指示表示をする。
【0032】
この投射映像の指示によって、ユーザーが自動台形補正を行ったにも関わらず、台形歪が起こっていることの不信感を解消できる。そして、ユーザーは、まだ補正しきれていない台形補正を修正するためにプロジェクタ200をどのような設置にすれば良いかが分かる。
【0033】
そして、S8の処理が終了後、待機処理にもどり、ユーザーがプロジェクタを表示されている指示内容に従って設置しなおし、再びSW1のスイッチが押されることで、もう一度一連の処理を通り、台形歪みのない良好な映像を鑑賞することが出来る。
【0034】
このように上述した実施形態では、台形歪みを補正する補正量が、補正限界である最大変形量を超えた場合に、装置の設置状態の調整指示内容を示す映像を表示することにより、ユーザーは台形歪みなどの画像歪みを補正した良好な映像を鑑賞可能な状態に、装置本体を簡単かつ確実に設置することができる。
【0035】
なお、上述した実施形態では、台形歪みを補正する補正量が、補正限界である最大変形量を超えた場合に、装置の設置状態の調整指示内容を示す映像を表示する構成について説明したが、装置の設置状態の調整指示内容を示す音声情報としての音声信号を予め制御回路114のメモリ(図示せず)に記憶させておき、この音声信号を、台形歪みを補正する補正量が、補正限界である最大変形量を超えた場合に、出力して、その音声をスピーカ115から音声ガイダンスとして出力する構成としてもよい。ここで、音声信号が示す内容は「台形補正量を超えています。装置の前足を短くして、補正ボタンを再度押してください」などの図3、図4に示す内容と同様のものである。
【0036】
また、スピーカ115から出力する、装置の設置状態の調整指示内容を示す音声は、上述した図3、図4で示した、装置の設置状態の調整指示内容を示す映像の表示とともに、同時に出力させるようにしてもよい。これにより、映像表示および音声の両方から、台形歪みを補正する補正量が、補正限界である最大変形量を超えている状態であること、また、装置の設置状態の調整指示内容を、ユーザーに確実に伝えることができ、ユーザーは調整指示内容に従って、装置の設置状態の調整を簡単かつ確実に行うことができ、台形歪みなどの画像歪みを補正した良好な映像を鑑賞可能な状態に設置することができる。
【0037】
なお、上述した各実施形態では、台形歪みを補正する構成として、表示素子108に入力される映像信号を、映像信号変換回路103により変形処理(台形補正)などの画像処理(信号変換)を行うものとしたが、投射光学系の全体あるいは一部を光軸にほぼ直交する方向にシフトあるいはチルトさせる構成、あるいは映像表示手段を構成する表示素子(表示パネル)を光軸にほぼ直交する方向にシフトあるいはチルトさせる構成とし、投射光学系あるいは表示素子を、手動あるいは電動で駆動する構成の映像形状変形手段を用いる構成としてもよい。そしてこの実施形態でも、映像形状変形手段による台形歪みの最大補正量を超える場合に、上述した実施形態と同様にして、装置の設置状態の調整指示内容を示す映像を表示すること、あるいは音声を出力すること、さらには映像と音声とを出力することにより、ユーザーは台形歪みなどの画像歪みを補正した良好な映像を鑑賞可能な状態に、装置本体を簡単かつ確実に設置することができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、台形歪みなどの画像歪みを補正した良好な映像を鑑賞可能な状態に、ユーザーが投射型表示装置本体を簡単かつ確実に設置することのできる投射型表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である投射型表示装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施形態である投射型表示装置の動作を示すフローチャート。
【図3】本発明の実施形態である投射型表示装置における指示内容の表示を説明するための図。
【図4】本発明の実施形態である投射型表示装置における指示内容の表示を説明するための図。
【図5】本発明の実施形態である投射型表示装置における設置角度の検出方法を説明するための図。
【図6】本発明の実施形態である投射型表示装置における設置角度の検出方法を説明するための図。
【図7】本発明の実施形態である投射型表示装置における台形歪み量の計算方法を説明するための図。
【図8】本発明の実施形態である投射型表示装置における台形歪み量の計算方法を説明するための図。
【図9】本発明の実施形態である投射型表示装置における台形歪み量の計算方法を説明するための図。
【符号の説明】
102 OSD回路
103 映像信号変換回路
108 表示素子
109 投射レンズ群
111 ズームセンサー
112 加速度センサー
113 台形補正スイッチ
114 制御回路
115 スピーカ
200 プロジェクタ
300 スクリーン
Claims (6)
- 投射型表示装置において、
光源からの照明光により照明され、入力された映像信号に応じた映像を表示する映像表示手段と、
前記映像表示手段により表示された映像を投射する投射光学系と、
前記投射光学系の投射角度および前記投射型表示装置の設置角度を検出する角度検出手段と、
前記投射される映像における形状の変形を行う映像形状変形手段と、
前記角度検出手段からの検出出力に基づいて前記映像における形状の変形量を演算算出し、算出された変形量に応じて前記映像形状変形手段を制御する制御手段と、
予め設定された情報を出力する情報出力手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記算出された変形量が、予め設定された最大変形量の範囲を超えたことを検出したときに、前記情報出力手段から前記情報の出力させるように制御する
ことを特徴とする投射型表示装置。 - 投射型表示装置において、
光源からの照明光により照明され、入力された映像信号に応じた映像を表示する映像表示手段と、
前記映像表示手段により表示された映像を投射する投射光学系と、
前記投射光学系の投射角度および前記投射型表示装置の設置角度を検出する角度検出手段と、
前記投射される映像における形状の変形を行うよう前記映像表示手段に入力される前記映像信号を変換する映像信号変換手段と、
前記角度検出手段からの検出出力に基づいて前記映像信号の変形量を演算算出し、算出された変形量に応じて前記映像信号変換手段の信号変換を制御する制御手段と、
予め設定された情報を出力する情報出力手段と
を備え、
前記制御手段は、
前記算出された変形量が、予め設定された最大変形量の範囲を超えたことを検出したときに、前記情報出力手段から前記情報の出力させるように制御する
ことを特徴とする投射型表示装置。 - 前記情報出力手段は、予め設定された情報を示す設定映像信号を出力することを特徴とする請求項1または2記載の投射型表示装置。
- 前記情報出力手段は、予め設定された情報を示す音声を出力することを特徴とする請求項1または2記載の投射型表示装置。
- 前記制御手段は、前記算出された変形量が、前記最大変形量の範囲を超えたことを検出したときに、前記情報出力手段からの前記設定映像信号と前記入力された映像信号とを合成して前記映像表示手段に出力することを特徴とする請求項3記載の投射型表示装置。
- 前記情報出力手段から出力される予め設定された情報は、前記投射型表示装置の設置状態の変更を促す指示内容の情報であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の投射型表示装置。
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