JP2004028181A - リクライニング機構のラチェット及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】内歯が形成され、溶接により他の部材に取り付けられるリクライニング機構のラチェット及びその製造方法において、低コストで、充分な表面硬さを有し、溶接割れを起こさないリクライニング機構のラチェット及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】リクライニング機構90のラチェット130、表面のカーボン含有量が0.20%以上、0.38%以下、内部のカーボン含有量が、0.20%以上、0.33%以下とする。
【選択図】 図1
【解決手段】リクライニング機構90のラチェット130、表面のカーボン含有量が0.20%以上、0.38%以下、内部のカーボン含有量が、0.20%以上、0.33%以下とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内歯が形成され、溶接により他の部材に取り付けられるリクライニング機構のラチェット及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リクライニング機構の構成部品のうち、内歯が形成されたラチェットと呼ばれる部品がある。このラチェットは、ギア部材なので、強度及び耐摩耗性を満足するために、Hv(ビッカース硬さ)で400〜750程度の高い表面硬さが必要である。
【0003】
従って、ラチェット用の材料としては、高炭素綱(例えば、S45C)を焼き入れして、マンテルサイト化し、高い表面硬度を得るようにしている。
また、低炭素綱(例えば、S10C)の場合は、高いカーボン濃度(例えば、0.8%)の雰囲気ガス中で焼き入れすることにより(浸炭焼き入れ)、低炭素鋼の表面にカーボンを侵入させて高い表面硬度を得るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したラチェットと他の部品との取付は、ボルトやリベット等で行なわれてきた。
【0005】
しかし、コスト低減のために、溶接で行なうことが要望されている。
一方、熱処理を行なったラチェット用の鋼材は、表面にカーボンを多く含有しているので、ビード下割れ等の溶接割れ(焼き割れ)が発生する確率が高くなる。
【0006】
このような溶接割れが発生すると、溶接部分の充分な強度、耐久性が得られない問題点がある。
従って、リクライニング機構のラチェットとして、充分な表面硬度を有し、更に、溶接しても溶接割れが発生しない鋼材は現在のところないのが現状である。
【0007】
また、防炭処理、即ち、溶接部分のみを樹脂コーティングし、浸炭焼き入れを行なえば、溶接部分は低炭素となるので、溶接割れは発生しないが、コストが高くなる問題点がある。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、低コストで、充分な表面硬さを有し、溶接割れを起こさないリクライニング機構のラチェット及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の発明は、内歯が形成され、溶接により他の部材に取り付けられるリクライニング機構のラチェットにおいて、前記ラチェットは、表面のカーボン含有量が0.20%以上、0.38%以下、内部のカーボン含有量が、0.20%以上、0.33%以下であることを特徴とするリクライニング機構のラチェットである。
【0010】
前記ラチェットは、表面のカーボン含有量が0.20%以上、0.38%以下、内部のカーボン含有量が、0.20%以上、0.33%以下であることにより、充分な表面硬さを有し、他の部材と溶接しても溶接割れを起こさない。防炭処理等のコストがかかる前処理が不要であるので、低コストである。
【0011】
好ましいラチェットのカーボン濃度としては、請求項2記載の発明のように、表面のカーボン含有量が0.30%、内部のカーボン含有量が0.20%以上、0.25%以下である。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記ラチェットは、少量のボロンを含有することを特徴とする請求項1又は2記載のリクライニング機構のラチェットである。
前記ラチェットは、少量のボロンを含有するため、鋼材の焼入れ性を向上させることができ、焼入れすることで、鋼材の硬度を高めることができ、強度を持たせることができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、カーボン濃度が0.20%以上、0.33%以下の鋼材を塑性加工して内歯を形成する工程と、カーボン濃度が前記鋼材のカーボン濃度以上、0.38%以下の雰囲気ガス中で、前記内歯が形成された鋼材を焼入れする工程と、を有することを特徴とするリクライニング機構のラチェット製造方法である。
【0014】
カーボン濃度が前記鋼材のカーボン濃度以上、0.38%以下の雰囲気ガス中で、前記内歯が形成された鋼材を焼入れすることにより、ラチェットは、表面のカーボン含有量が0.20%以上、0.38%以下、内部のカーボン含有量が、0.20%以上、0.33%以下となる。
【0015】
従って、充分な表面硬さを有し、他の部材と溶接しても溶接割れを起こさない。防炭処理等のコストがかかる前処理が不要であるので、低コストである。
ここで、好ましい鋼材の一例としては、請求項5記載の発明のように、カーボン濃度が0.20%以上、0.25%以下の鋼材であるS22Cがある。
【0016】
また、前記鋼材がS22Cの場合、好ましい雰囲気ガスのカーボン濃度としては、請求項6記載の発明のように、約0.3%である。
請求項7記載の発明は、前記鋼材は少量のボロンを含有することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のリクライニング機構のラチェット製造方法である。
【0017】
前記鋼材は少量のボロンを含有することにより、鋼材の焼入れ性を向上させることができ、焼入れすることで、鋼材の硬度を高めることができ、強度を持たせることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態例を説明する。
最初に本実施の形態例のリクライニング機構の全体説明を行なう。図1は本実施の形態例のリクライニング機構が設けられたシートの側面図である。図において、リクライニング機構90は、シートトラック機構1上に設けられシートクッション側のクッションフレーム201に対してシートバック側のバックフレーム202を前後方向に傾動可能に支持するものである。そして、クッションフレーム201とリクライニング機構90とが、また、バックフレーム202とリクライニング機構90とがそれぞれ溶接で取り付けられる。
【0019】
次に、図2〜図10を用いてリクライニング機構90の説明を行なう。
特に図4〜図7及び図10に示すように、ベースアーム100には、ヒンジピン120を回転可能に支持する嵌合穴101が中央部に形成され、さらに、この嵌合穴101の周囲には、嵌合穴101と同軸的に、ラチェット130側に突き出た二つの同一形状の断面円弧状支持部102,103が対向するように形成されている。
【0020】
ラチェット130の中央部の嵌合穴131(図8参照)には、断面円弧状支持部102,103が回転自在に嵌合しており、このため、ベースアーム100に対してラチェット130は傾動可能となっている。そして、ベースアーム100の外周部とラチェット130の外周部とは、取り付け金具205により、相対回転可能に接合されている。ラチェット130のベースアーム100との対向面には、図8に示すように、ラチェット130の傾動中心を中心とする略円形の凹部132が形成され、該凹部内周面には内歯133,134が刻設されている。
【0021】
また、ラチェット130のベースアーム100との対向面と反対側の面(外面)には、バックフレーム202に形成された穴202a(図1、図4参照)に嵌合し、溶接で取り付けられる結合用突起130aが形成されている。
【0022】
ベースアーム100上の、ラチェット130の凹部132との対向面にも、凹部104(図7参照)が形成され、該凹部104の底面上部には、ラチェット130に向けて第1のガイド手段であるガイド突起105,106が突設され、底面下部には、ラチェット130に向けて第1のガイド手段であるガイド突起107,108が突設されている。
【0023】
また、ベースアーム100のラチェット130の凹部132との対向面と反対側の面(外面)にも、ラチェット130と同様に、クッションフレーム201に形成された穴201a(図4参照)に嵌合し、溶接で取り付けられる結合用突起100cが形成されている。
【0024】
ポール140は、特に図2,図7及び図10に示すように、ガイド突起105,106のガイド面105a,106aに挟まれて、上記傾動の中心軸と直交する方向に摺動案内され、前端部の外歯141がラチェット130の内歯133に噛合できるように構成されている。ポール150についても同様に、ガイド突起107,108のガイド面107a,108aに挟まれて、上記傾動の中心軸と直交する方向に摺動案内され、前端部の外歯151がラチェット130の内歯134に噛合できるように構成されている。
【0025】
又、図2および図4に示すように、ポール140,150のベースアーム100との対向面には、ベースアーム100方向に突出する略矩形の凸部140a,150aが形成され、この凸部140a,150aはベースアーム100に形成され、ポール140,150を傾動の中心軸と直交する方向に案内する溝100a,100bに係合している。
【0026】
カム170の回転中心には、筒体301が設けられている。この筒体301は、基端部がカム170に固着され、先端側がカム170の回転中心軸上に沿ってインナ側リクライニング機構方向へ延出し、断面形状が平行な2辺を有する小判形である。そして、筒体301の先端面は開放面となり、筒体301の内筒は、カム170まで挿通する小判穴171となっている。
【0027】
ヒンジピン120の断面小判形部分123には、カム170の小判穴171が圧入され、ヒンジピン120と、カム170とは一体となって回転するようになっている。
【0028】
このカム170には、ベースアーム100の断面円弧状支持部102,103が遊嵌する円弧状長穴172,173が穿設されており、カム170はベースアーム100に対して一定範囲内で回転できるようになっている。
【0029】
すなわち、カム170は、ヒンジピン120とともに回転し、押圧部174,175でもって、ポール140,150の背面142,152の被押圧部142a,152aをその外歯141,151方向に押して、ポール140,150の外歯141,151をラチェット130の内歯133,134に噛合させるものである。
【0030】
又、カム170とポール140とには、カム170の押圧部174とポール140の背面142の被押圧部142aと以外に、ポール140が傾いた際に、カム170の押圧部174の一方のサイドに形成された当接部174aにポール140の当接部142bが、カム170の押圧部174の他方のサイドに形成された当接部174bにポール140の当接部142cが当接可能となっている。
【0031】
同様に、カム170とポール150とには、カム170の押圧部175とポール150の背面152の被押圧部152aと以外に、ポール150が傾いた際に、カム170の押圧部175の一方のサイドに形成された当接部175aにポール150の当接部152bが、カム170の押圧部175の他方のサイドに形成された当接部175bにポール150の当接部152cが当接可能となっている。
【0032】
このカム170には、ラチェット130側に突き出た突起176,177が形成されており、この突起176,177がレリーズプレート180の穴181,182に嵌合されている。このため、カム170とレリーズプレート180とは連動して回転することになる。
【0033】
このレリーズプレート180には、ポール140,150の板厚方向の突起143,153に嵌合する長穴状のカム穴183,184が形成されており、このカム穴183,184の形状は、操作レバーをロック解除方向に回転させたとき、カム穴183,184のカム面が突起143,153を押圧し、ポール140,150を背面側に後退させ、前端部の外歯141,151をラチェット130の内歯133、134から離脱させるように形成されている。
【0034】
スパイラルスプリング191,195は、内端がベースアーム100のフック111,112に掛止され、外端がカム170の段部178,179に掛止され、カム170がポール140,150の背面を押すようにカム170を回動付勢するものである。
【0035】
ヒンジピン120には、断面小判形部分123に連設して小径部124が形成されている。
上記構成のリクライニング機構90の作動を説明する。通常は、スパイラルスプリング191,195の付勢力により、カム170がポール140,150の背面を押し、ポール140,150の外歯141,151がラチェット130の内歯133,134に噛合し、ラチェット(シートバック)130の回転が禁止されている(ロック状態)。
【0036】
図2,図3において、スパイラルスプリング191,195の付勢力に抗して、ヒンジピン120を時計方向(矢印方向)に回転させると、カム170,レリーズプレート180が時計方向に回転する。
【0037】
すると、カム170のポール140,150の背面への押圧が解除されるとともに、レリーズプレート180のカム穴183,184のカム面がポール140,150の突起143,153を押圧し、ポール140,150を背面側に後退させる。このため、ポール140,150はガイド突起105〜108のガイド面105a〜108aに案内されて、背面側に移動し、ポール140,150の外歯141,151とラチェット130の内歯133,134との噛合が解除され、ラチェット(シートバック)130は、傾動可能となる(アンロック状態)。
【0038】
シートバックを所望の角度まで傾動させ、操作レバーへの操作力を解除すると、スパイラルスプリング191,195の付勢力により、カム170がポール140,150の背面を押し、ポール140,150の外歯141,151がラチェット130の内歯133,134に再び噛合し、ラチェット(シートバック)130の回転が禁止された状態に復帰する。
【0039】
このような構成のリクライニング機構90において、ラチェット130は、内歯133,134が形成されるので、強度及び耐摩耗性を満足するために、Hv(ビッカース硬さ)で400〜750)程度の表面硬さが必要である。しかも、ラチェット130は溶接でバックフレーム202で取り付けられる。
【0040】
そこで、本実施の形態例では、ラチェット130は以下のような方法で製造した。
(1)カーボンを少量含有したS22C、詳しくは、カーボン含有量が0.22%で、少量(0.002%)のボロン入り機械構造用炭素綱鋼材を塑性加工して、内歯133,134が形成されたラチェット130を製造する。
(2)このラチェット130をカーボン濃度0.3%の雰囲気ガスで焼き入れを行なった。本実施の形態例における焼き入れは、一般的な浸炭焼き入れと異なり、焼き入れ時に鋼材表面が脱炭を起こさないように鋼材の炭素含有量よりも若干高めのカーボン濃度の雰囲気ガスを用いている。
【0041】
この時、雰囲気ガス中のカーボンが鋼材表面に浸炭し、表面のカーボン含有量は、0.3%となり、表面硬度は、ビッカース硬さHv400〜750となった。
【0042】
上記構成によれば、ラチェット130の内部のカーボン含有量が0.22%、表面のカーボン含有量が0.3%であるが、溶接を行なっても溶接割れは発生しなかった。
【0043】
また、少量のボロンを含有するため、鋼材の焼入れ性を向上させることができ、焼入れすることで、鋼材の硬度を高めることができ、強度を持たせることができる。
【0044】
【実施例】
本願発明者は、含有カーボン量の異なる複数の機械構造用炭素鋼材を浸炭焼入れし、溶接割れの可否を調査した。
【0045】
その結果を図11〜図13に示す。
図11は、雰囲気ガスのカーボン濃度と、焼入れする鋼材のカーボン濃度とを同じにした場合である。図12は、雰囲気ガスのカーボン濃度を鋼材のカーボン濃度+0.05%とした場合、図13は雰囲気ガスのカーボン濃度を鋼材のカーボン濃度+0.10%とした場合である。
【0046】
これらの図において、○は充分な硬さを有し、溶接割れがない場合、×は充分な硬さを有しないか、又は、溶接割れが発生し、生産に適さない場合を示している。
【0047】
これらの実験結果により、雰囲気ガスのカーボン濃度が、鋼材のカーボン濃度以上、0.38%以下の雰囲気ガス中で浸炭焼き入れし、鋼材の表面のカーボン含有量が0.20%以上、0.38%以下、内部のカーボン含有量が、0.20%以上、0.33%以下であれば、溶接割れが発生しないことが確認された。
【0048】
特に、雰囲気ガスのカーボン濃度が0.27%〜0.32%の時のS22Cが良好な結果であった。
更に、鋼材中に、少量(0.001%〜0.003%)のボロンが含有されていると、鋼材の焼入れ性が向上し、焼入れすることで、鋼材の硬度を高めることができ、強度を持たせることができることを確認した。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1記載の発明によれば、前記ラチェットは、焼き入れ後の表面のカーボン含有量が0.20%以上、0.38%以下、内部のカーボン含有量が、0.20%以上、0.33%以下であることにより、充分な表面硬さを有し、他の部材と溶接しても溶接割れを起こさない。防炭処理等のコストがかかる前処理が不要であるので、低コストである。
【0050】
好ましいラチェットのカーボン濃度としては、請求項2記載の発明のように、表面のカーボン含有量が0.30%、内部のカーボン含有量が0.20%以上、0.25%以下である。
【0051】
請求項3記載の発明によれば、前記ラチェットは、少量のボロンを含有するため、鋼材の焼入れ性を向上させることができ、焼入れすることで、鋼材の硬度を高めることができ、強度を持たせることができる。
【0052】
請求項4記載の発明によれば、カーボン濃度が前記鋼材のカーボン濃度以上、0.38%以下の雰囲気ガス中で、前記内歯が形成された鋼材を焼入れすることにより、ラチェットは、表面のカーボン含有量が0.20%以上、0.38%以下、内部のカーボン含有量が、0.20%以上、0.33%以下となる。
【0053】
従って、充分な表面硬さを有し、他の部材と溶接しても溶接割れを起こさない。防炭処理等のコストがかかる前処理が不要であるので、低コストである。
ここで、好ましい鋼材の一例としては、請求項5記載の発明のように、カーボン濃度が0.20%以上、0.25%以下の鋼材であるS22Cがある。
【0054】
また、前記鋼材がS22Cの場合、好ましい雰囲気ガスのカーボン濃度としては、請求項6記載の発明のように、約0.3%である。
請求項7記載の発明によれば、前記鋼材は少量のボロンを含有することにより、鋼材の焼入れ性を向上させることができ、焼入れすることで、鋼材の硬度を高めることができ、強度を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態例のリクライニング機構が設けられたシートの側面図である。
【図2】図1のリクライニング機構のベースアーム側の外観を示す正面図である図3からベースアームを取り除いた正面図である。
【図3】図1のリクライニング機構のベースアーム側の外観を示す正面図である。
【図4】図2及び図3の切断線C−Cにおける断面図である。
【図5】図2及び図3の切断線D−Dにおける断面図である。
【図6】図2及び図3の切断線E−Eにおける断面図である。
【図7】図3のベースアームある。
【図8】図2のラチェットである。
【図9】図2のカムである。
【図10】図1のリクライニング機構の主要部の概略分解斜視図である。
【図11】実施例の実験の結果を示す図である。
【図12】実施例の実験の結果を示す図である。
【図13】実施例の実験の結果を示す図である。
【符号の説明】
90 リクライニング機構
130 ラチェット
【発明の属する技術分野】
本発明は、内歯が形成され、溶接により他の部材に取り付けられるリクライニング機構のラチェット及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リクライニング機構の構成部品のうち、内歯が形成されたラチェットと呼ばれる部品がある。このラチェットは、ギア部材なので、強度及び耐摩耗性を満足するために、Hv(ビッカース硬さ)で400〜750程度の高い表面硬さが必要である。
【0003】
従って、ラチェット用の材料としては、高炭素綱(例えば、S45C)を焼き入れして、マンテルサイト化し、高い表面硬度を得るようにしている。
また、低炭素綱(例えば、S10C)の場合は、高いカーボン濃度(例えば、0.8%)の雰囲気ガス中で焼き入れすることにより(浸炭焼き入れ)、低炭素鋼の表面にカーボンを侵入させて高い表面硬度を得るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したラチェットと他の部品との取付は、ボルトやリベット等で行なわれてきた。
【0005】
しかし、コスト低減のために、溶接で行なうことが要望されている。
一方、熱処理を行なったラチェット用の鋼材は、表面にカーボンを多く含有しているので、ビード下割れ等の溶接割れ(焼き割れ)が発生する確率が高くなる。
【0006】
このような溶接割れが発生すると、溶接部分の充分な強度、耐久性が得られない問題点がある。
従って、リクライニング機構のラチェットとして、充分な表面硬度を有し、更に、溶接しても溶接割れが発生しない鋼材は現在のところないのが現状である。
【0007】
また、防炭処理、即ち、溶接部分のみを樹脂コーティングし、浸炭焼き入れを行なえば、溶接部分は低炭素となるので、溶接割れは発生しないが、コストが高くなる問題点がある。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、低コストで、充分な表面硬さを有し、溶接割れを起こさないリクライニング機構のラチェット及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する請求項1記載の発明は、内歯が形成され、溶接により他の部材に取り付けられるリクライニング機構のラチェットにおいて、前記ラチェットは、表面のカーボン含有量が0.20%以上、0.38%以下、内部のカーボン含有量が、0.20%以上、0.33%以下であることを特徴とするリクライニング機構のラチェットである。
【0010】
前記ラチェットは、表面のカーボン含有量が0.20%以上、0.38%以下、内部のカーボン含有量が、0.20%以上、0.33%以下であることにより、充分な表面硬さを有し、他の部材と溶接しても溶接割れを起こさない。防炭処理等のコストがかかる前処理が不要であるので、低コストである。
【0011】
好ましいラチェットのカーボン濃度としては、請求項2記載の発明のように、表面のカーボン含有量が0.30%、内部のカーボン含有量が0.20%以上、0.25%以下である。
【0012】
請求項3記載の発明は、前記ラチェットは、少量のボロンを含有することを特徴とする請求項1又は2記載のリクライニング機構のラチェットである。
前記ラチェットは、少量のボロンを含有するため、鋼材の焼入れ性を向上させることができ、焼入れすることで、鋼材の硬度を高めることができ、強度を持たせることができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、カーボン濃度が0.20%以上、0.33%以下の鋼材を塑性加工して内歯を形成する工程と、カーボン濃度が前記鋼材のカーボン濃度以上、0.38%以下の雰囲気ガス中で、前記内歯が形成された鋼材を焼入れする工程と、を有することを特徴とするリクライニング機構のラチェット製造方法である。
【0014】
カーボン濃度が前記鋼材のカーボン濃度以上、0.38%以下の雰囲気ガス中で、前記内歯が形成された鋼材を焼入れすることにより、ラチェットは、表面のカーボン含有量が0.20%以上、0.38%以下、内部のカーボン含有量が、0.20%以上、0.33%以下となる。
【0015】
従って、充分な表面硬さを有し、他の部材と溶接しても溶接割れを起こさない。防炭処理等のコストがかかる前処理が不要であるので、低コストである。
ここで、好ましい鋼材の一例としては、請求項5記載の発明のように、カーボン濃度が0.20%以上、0.25%以下の鋼材であるS22Cがある。
【0016】
また、前記鋼材がS22Cの場合、好ましい雰囲気ガスのカーボン濃度としては、請求項6記載の発明のように、約0.3%である。
請求項7記載の発明は、前記鋼材は少量のボロンを含有することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のリクライニング機構のラチェット製造方法である。
【0017】
前記鋼材は少量のボロンを含有することにより、鋼材の焼入れ性を向上させることができ、焼入れすることで、鋼材の硬度を高めることができ、強度を持たせることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に図面を用いて本発明の実施の形態例を説明する。
最初に本実施の形態例のリクライニング機構の全体説明を行なう。図1は本実施の形態例のリクライニング機構が設けられたシートの側面図である。図において、リクライニング機構90は、シートトラック機構1上に設けられシートクッション側のクッションフレーム201に対してシートバック側のバックフレーム202を前後方向に傾動可能に支持するものである。そして、クッションフレーム201とリクライニング機構90とが、また、バックフレーム202とリクライニング機構90とがそれぞれ溶接で取り付けられる。
【0019】
次に、図2〜図10を用いてリクライニング機構90の説明を行なう。
特に図4〜図7及び図10に示すように、ベースアーム100には、ヒンジピン120を回転可能に支持する嵌合穴101が中央部に形成され、さらに、この嵌合穴101の周囲には、嵌合穴101と同軸的に、ラチェット130側に突き出た二つの同一形状の断面円弧状支持部102,103が対向するように形成されている。
【0020】
ラチェット130の中央部の嵌合穴131(図8参照)には、断面円弧状支持部102,103が回転自在に嵌合しており、このため、ベースアーム100に対してラチェット130は傾動可能となっている。そして、ベースアーム100の外周部とラチェット130の外周部とは、取り付け金具205により、相対回転可能に接合されている。ラチェット130のベースアーム100との対向面には、図8に示すように、ラチェット130の傾動中心を中心とする略円形の凹部132が形成され、該凹部内周面には内歯133,134が刻設されている。
【0021】
また、ラチェット130のベースアーム100との対向面と反対側の面(外面)には、バックフレーム202に形成された穴202a(図1、図4参照)に嵌合し、溶接で取り付けられる結合用突起130aが形成されている。
【0022】
ベースアーム100上の、ラチェット130の凹部132との対向面にも、凹部104(図7参照)が形成され、該凹部104の底面上部には、ラチェット130に向けて第1のガイド手段であるガイド突起105,106が突設され、底面下部には、ラチェット130に向けて第1のガイド手段であるガイド突起107,108が突設されている。
【0023】
また、ベースアーム100のラチェット130の凹部132との対向面と反対側の面(外面)にも、ラチェット130と同様に、クッションフレーム201に形成された穴201a(図4参照)に嵌合し、溶接で取り付けられる結合用突起100cが形成されている。
【0024】
ポール140は、特に図2,図7及び図10に示すように、ガイド突起105,106のガイド面105a,106aに挟まれて、上記傾動の中心軸と直交する方向に摺動案内され、前端部の外歯141がラチェット130の内歯133に噛合できるように構成されている。ポール150についても同様に、ガイド突起107,108のガイド面107a,108aに挟まれて、上記傾動の中心軸と直交する方向に摺動案内され、前端部の外歯151がラチェット130の内歯134に噛合できるように構成されている。
【0025】
又、図2および図4に示すように、ポール140,150のベースアーム100との対向面には、ベースアーム100方向に突出する略矩形の凸部140a,150aが形成され、この凸部140a,150aはベースアーム100に形成され、ポール140,150を傾動の中心軸と直交する方向に案内する溝100a,100bに係合している。
【0026】
カム170の回転中心には、筒体301が設けられている。この筒体301は、基端部がカム170に固着され、先端側がカム170の回転中心軸上に沿ってインナ側リクライニング機構方向へ延出し、断面形状が平行な2辺を有する小判形である。そして、筒体301の先端面は開放面となり、筒体301の内筒は、カム170まで挿通する小判穴171となっている。
【0027】
ヒンジピン120の断面小判形部分123には、カム170の小判穴171が圧入され、ヒンジピン120と、カム170とは一体となって回転するようになっている。
【0028】
このカム170には、ベースアーム100の断面円弧状支持部102,103が遊嵌する円弧状長穴172,173が穿設されており、カム170はベースアーム100に対して一定範囲内で回転できるようになっている。
【0029】
すなわち、カム170は、ヒンジピン120とともに回転し、押圧部174,175でもって、ポール140,150の背面142,152の被押圧部142a,152aをその外歯141,151方向に押して、ポール140,150の外歯141,151をラチェット130の内歯133,134に噛合させるものである。
【0030】
又、カム170とポール140とには、カム170の押圧部174とポール140の背面142の被押圧部142aと以外に、ポール140が傾いた際に、カム170の押圧部174の一方のサイドに形成された当接部174aにポール140の当接部142bが、カム170の押圧部174の他方のサイドに形成された当接部174bにポール140の当接部142cが当接可能となっている。
【0031】
同様に、カム170とポール150とには、カム170の押圧部175とポール150の背面152の被押圧部152aと以外に、ポール150が傾いた際に、カム170の押圧部175の一方のサイドに形成された当接部175aにポール150の当接部152bが、カム170の押圧部175の他方のサイドに形成された当接部175bにポール150の当接部152cが当接可能となっている。
【0032】
このカム170には、ラチェット130側に突き出た突起176,177が形成されており、この突起176,177がレリーズプレート180の穴181,182に嵌合されている。このため、カム170とレリーズプレート180とは連動して回転することになる。
【0033】
このレリーズプレート180には、ポール140,150の板厚方向の突起143,153に嵌合する長穴状のカム穴183,184が形成されており、このカム穴183,184の形状は、操作レバーをロック解除方向に回転させたとき、カム穴183,184のカム面が突起143,153を押圧し、ポール140,150を背面側に後退させ、前端部の外歯141,151をラチェット130の内歯133、134から離脱させるように形成されている。
【0034】
スパイラルスプリング191,195は、内端がベースアーム100のフック111,112に掛止され、外端がカム170の段部178,179に掛止され、カム170がポール140,150の背面を押すようにカム170を回動付勢するものである。
【0035】
ヒンジピン120には、断面小判形部分123に連設して小径部124が形成されている。
上記構成のリクライニング機構90の作動を説明する。通常は、スパイラルスプリング191,195の付勢力により、カム170がポール140,150の背面を押し、ポール140,150の外歯141,151がラチェット130の内歯133,134に噛合し、ラチェット(シートバック)130の回転が禁止されている(ロック状態)。
【0036】
図2,図3において、スパイラルスプリング191,195の付勢力に抗して、ヒンジピン120を時計方向(矢印方向)に回転させると、カム170,レリーズプレート180が時計方向に回転する。
【0037】
すると、カム170のポール140,150の背面への押圧が解除されるとともに、レリーズプレート180のカム穴183,184のカム面がポール140,150の突起143,153を押圧し、ポール140,150を背面側に後退させる。このため、ポール140,150はガイド突起105〜108のガイド面105a〜108aに案内されて、背面側に移動し、ポール140,150の外歯141,151とラチェット130の内歯133,134との噛合が解除され、ラチェット(シートバック)130は、傾動可能となる(アンロック状態)。
【0038】
シートバックを所望の角度まで傾動させ、操作レバーへの操作力を解除すると、スパイラルスプリング191,195の付勢力により、カム170がポール140,150の背面を押し、ポール140,150の外歯141,151がラチェット130の内歯133,134に再び噛合し、ラチェット(シートバック)130の回転が禁止された状態に復帰する。
【0039】
このような構成のリクライニング機構90において、ラチェット130は、内歯133,134が形成されるので、強度及び耐摩耗性を満足するために、Hv(ビッカース硬さ)で400〜750)程度の表面硬さが必要である。しかも、ラチェット130は溶接でバックフレーム202で取り付けられる。
【0040】
そこで、本実施の形態例では、ラチェット130は以下のような方法で製造した。
(1)カーボンを少量含有したS22C、詳しくは、カーボン含有量が0.22%で、少量(0.002%)のボロン入り機械構造用炭素綱鋼材を塑性加工して、内歯133,134が形成されたラチェット130を製造する。
(2)このラチェット130をカーボン濃度0.3%の雰囲気ガスで焼き入れを行なった。本実施の形態例における焼き入れは、一般的な浸炭焼き入れと異なり、焼き入れ時に鋼材表面が脱炭を起こさないように鋼材の炭素含有量よりも若干高めのカーボン濃度の雰囲気ガスを用いている。
【0041】
この時、雰囲気ガス中のカーボンが鋼材表面に浸炭し、表面のカーボン含有量は、0.3%となり、表面硬度は、ビッカース硬さHv400〜750となった。
【0042】
上記構成によれば、ラチェット130の内部のカーボン含有量が0.22%、表面のカーボン含有量が0.3%であるが、溶接を行なっても溶接割れは発生しなかった。
【0043】
また、少量のボロンを含有するため、鋼材の焼入れ性を向上させることができ、焼入れすることで、鋼材の硬度を高めることができ、強度を持たせることができる。
【0044】
【実施例】
本願発明者は、含有カーボン量の異なる複数の機械構造用炭素鋼材を浸炭焼入れし、溶接割れの可否を調査した。
【0045】
その結果を図11〜図13に示す。
図11は、雰囲気ガスのカーボン濃度と、焼入れする鋼材のカーボン濃度とを同じにした場合である。図12は、雰囲気ガスのカーボン濃度を鋼材のカーボン濃度+0.05%とした場合、図13は雰囲気ガスのカーボン濃度を鋼材のカーボン濃度+0.10%とした場合である。
【0046】
これらの図において、○は充分な硬さを有し、溶接割れがない場合、×は充分な硬さを有しないか、又は、溶接割れが発生し、生産に適さない場合を示している。
【0047】
これらの実験結果により、雰囲気ガスのカーボン濃度が、鋼材のカーボン濃度以上、0.38%以下の雰囲気ガス中で浸炭焼き入れし、鋼材の表面のカーボン含有量が0.20%以上、0.38%以下、内部のカーボン含有量が、0.20%以上、0.33%以下であれば、溶接割れが発生しないことが確認された。
【0048】
特に、雰囲気ガスのカーボン濃度が0.27%〜0.32%の時のS22Cが良好な結果であった。
更に、鋼材中に、少量(0.001%〜0.003%)のボロンが含有されていると、鋼材の焼入れ性が向上し、焼入れすることで、鋼材の硬度を高めることができ、強度を持たせることができることを確認した。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように請求項1記載の発明によれば、前記ラチェットは、焼き入れ後の表面のカーボン含有量が0.20%以上、0.38%以下、内部のカーボン含有量が、0.20%以上、0.33%以下であることにより、充分な表面硬さを有し、他の部材と溶接しても溶接割れを起こさない。防炭処理等のコストがかかる前処理が不要であるので、低コストである。
【0050】
好ましいラチェットのカーボン濃度としては、請求項2記載の発明のように、表面のカーボン含有量が0.30%、内部のカーボン含有量が0.20%以上、0.25%以下である。
【0051】
請求項3記載の発明によれば、前記ラチェットは、少量のボロンを含有するため、鋼材の焼入れ性を向上させることができ、焼入れすることで、鋼材の硬度を高めることができ、強度を持たせることができる。
【0052】
請求項4記載の発明によれば、カーボン濃度が前記鋼材のカーボン濃度以上、0.38%以下の雰囲気ガス中で、前記内歯が形成された鋼材を焼入れすることにより、ラチェットは、表面のカーボン含有量が0.20%以上、0.38%以下、内部のカーボン含有量が、0.20%以上、0.33%以下となる。
【0053】
従って、充分な表面硬さを有し、他の部材と溶接しても溶接割れを起こさない。防炭処理等のコストがかかる前処理が不要であるので、低コストである。
ここで、好ましい鋼材の一例としては、請求項5記載の発明のように、カーボン濃度が0.20%以上、0.25%以下の鋼材であるS22Cがある。
【0054】
また、前記鋼材がS22Cの場合、好ましい雰囲気ガスのカーボン濃度としては、請求項6記載の発明のように、約0.3%である。
請求項7記載の発明によれば、前記鋼材は少量のボロンを含有することにより、鋼材の焼入れ性を向上させることができ、焼入れすることで、鋼材の硬度を高めることができ、強度を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態例のリクライニング機構が設けられたシートの側面図である。
【図2】図1のリクライニング機構のベースアーム側の外観を示す正面図である図3からベースアームを取り除いた正面図である。
【図3】図1のリクライニング機構のベースアーム側の外観を示す正面図である。
【図4】図2及び図3の切断線C−Cにおける断面図である。
【図5】図2及び図3の切断線D−Dにおける断面図である。
【図6】図2及び図3の切断線E−Eにおける断面図である。
【図7】図3のベースアームある。
【図8】図2のラチェットである。
【図9】図2のカムである。
【図10】図1のリクライニング機構の主要部の概略分解斜視図である。
【図11】実施例の実験の結果を示す図である。
【図12】実施例の実験の結果を示す図である。
【図13】実施例の実験の結果を示す図である。
【符号の説明】
90 リクライニング機構
130 ラチェット
Claims (7)
- 内歯が形成され、溶接により他の部材に取り付けられるリクライニング機構のラチェットにおいて、
前記ラチェットは、
表面のカーボン含有量が0.20%以上、0.38%以下、
内部のカーボン含有量が、0.20%以上、0.33%以下、
であることを特徴とするリクライニング機構のラチェット。 - 前記ラチェットは、
表面のカーボン含有量が0.30%、
内部のカーボン含有量が0.20%以上、0.25%以下
であることを特徴とする請求項1記載のリクライニング機構のラチェット。 - 前記ラチェットは、
少量のボロンを含有することを特徴とする請求項1又は2記載のリクライニング機構のラチェット。 - カーボン濃度が0.20%以上、0.33%以下の鋼材を塑性加工して内歯を形成する工程と、
カーボン濃度が前記鋼材のカーボン濃度以上、0.38%以下の雰囲気ガス中で、前記内歯が形成された鋼材を焼入れする工程と、
を有することを特徴とするリクライニング機構のラチェット製造方法。 - 前記鋼材は、S22Cであることを特徴とする請求項4記載のリクライニング機構のラチェット製造方法。
- 前記鋼材がS22Cの場合、
前記雰囲気ガスのカーボン濃度は、約0.3%であることを特徴とする請求項4又は5記載のリクライニング機構のラチェット製造方法。 - 前記鋼材は少量のボロンを含有することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載のリクライニング機構のラチェット製造方法。
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WO2020203955A1 (ja) * | 2019-04-02 | 2020-10-08 | デルタ工業株式会社 | リクライニング装置及びシート |
-
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- 2002-06-25 JP JP2002184149A patent/JP2004028181A/ja active Pending
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