JP2004027292A - 高強度非調質鋼 - Google Patents

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Heisuke Ono
大野 平祐
Takayuki Katsura
桂 隆之
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Abstract

【課題】従来鋼に比べ耐面疲労特性、耐摩耗性を向上して高強度化し、かつ鋼を非調質化することにより素材の焼入れを省略することにより熱処理コストを削減した高強度非調質鋼を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.4〜0.6%、Si:0.3〜0.7%、Mn:0.5〜1.0%、Cr:0.4%以下、V:0.01〜0.20%を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼片を熱間圧延し、熱間圧延ままの鋼素材を部品形状に切削し、切削後に部品形状の一部を高周波焼入れして使用する高強度非調質鋼で、上記の熱間圧延に先立って、鋼片は1100℃〜1300℃に加熱してVを固溶させ、熱間圧延の終止温度を920℃以下の範囲に制御して、必要とする耐衝撃性を確保して熱間圧延ままの鋼素材の芯部硬さを250〜350HV、高周波焼入れ硬さを650HV〜750HVとし、図3に示す優れた耐ピッチング性を有するものである。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車に使用されるドライブシャフト、ギヤ・シャフトあるいはピニオンシャフトなどの部品のように鋼材を切削後、部品の一部を高周波焼入れして用いられる部材用の耐面疲労特性および耐摩耗性に優れる非調質鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の部品の小型化あるいは動力伝達系の高出力化により、例えば、ピニオンシャフトは加わる面圧が大幅に増加するため、主としてSCM440である従来鋼では耐面疲労特性および耐摩耗性が不足する。
【0003】
ピニオンシャフトなどの部品には、従来鋼では調質鋼を高周波焼入れして使用している。例えば、調質鋼からなる鋼片を熱間圧延した後、焼入れし、鋼部品形状に切削し、さらにその一部を高周波焼入れし、焼戻して鋼部品としているが、この調質鋼によるものではピニオンシャフトなどの部品の機能に対しては合金元素を添加することで耐面疲労特性や耐摩耗性などを解決しているが、その場合、素材コストが増加する問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来鋼に比べ耐面疲労特性、耐摩耗性を向上して高強度化し、かつ鋼を非調質化することにより素材の焼入れを省略して熱処理コストを削減することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の発明では、質量%で、C:0.4〜0.6%、Si:0.3〜0.7%、Mn:0.5〜1.0%、Cr:0.4%以下、V:0.01〜0.20%を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼片を熱間圧延し、熱間圧延ままの鋼素材を部品形状に切削し、切削後に部品形状の一部を高周波焼入れして使用することを特徴とする高強度非調質鋼である。
【0006】
請求項2の発明では、鋼片は、上記の鋼成分に、さらに、質量%で、S:0.010〜0.10%、Pb:0.010〜0.10%、Ca:0.0005〜0.0050%から選択の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の高強度非調質鋼である。
【0007】
請求項3の発明では、熱間圧延に先立って、鋼片は1100℃〜1300℃に加熱してVを固溶させ、熱間圧延の終止温度を920℃以下の範囲に制御して必要とする耐衝撃性を確保して熱間圧延ままの鋼素材の芯部硬さ:250〜350HV、高周波焼入れ硬さ:650HV〜750HVであることを特徴とする請求項1または2に記載の高強度非調質鋼である。
【0008】
本発明の鋼成分の限定理由を以下に説明する。なお、%は質量%を示す。
C:0.4〜0.6%
Cは、焼入れ性を確保するための元素で、通常の高周波焼入れ焼戻しにより硬さ650HV以上を確保するために、C量の下限を0.4%とする。また、0.6%を超えると焼入れ時に残留オーステナイトが多く発生するようになり、硬さに対するC増量の効果が小さくなる。そこでC:0.4〜0.6%とする
【0009】
Si:0.3〜0.7%
Siは、添加により焼戻し軟化抵抗が向上し、それによって硬化部の耐ピッチング強度、耐摩耗性、疲労強度の向上に寄与する。硬化部の耐ピッチング強度、耐摩耗性に対しては0.3%以上で効果があり、0.7%を超えると効果は飽和する。そこでSi:0.3〜0.7%とする。
【0010】
Mn:0.5〜1.0%
Mn量を低下させると、高周波焼入れの短時間加熱によるオーステナイト化が不十分となり、十分な焼入れ硬さが得られない。本発明鋼の範囲では0.5%以上が最低限必要となる。また、Mnの増量は被削性を著しく低下させるため、1.0%を上限とする。そこでMn:0.5〜1.0%とする。
【0011】
Cr:0.4%以下
Crは、必須の成分ではないが、焼入れ性、鍛造硬さを調整するために添加量を調整して添加することができる。しかし、少な過ぎるとその効果は十分でなく、0.4%を超えて添加されると、セメンタイト中に濃縮し、焼入れ前の加熱の際に炭素のマトリックスへの固溶を阻害する。高周波焼入れの短時間加熱ではこれが問題となる。そこでCr:0.4%以下とする。
【0012】
V:0.01〜0.20%
Vは、疲労強度の向上に寄与する元素である。V添加により、組織中の最弱部である初析フェライトがVCの析出硬化により強化され強度が向上する。0.01%未満では効果がなく、0.20%以上ではV添加による強度向上の効果は減少する。そこでV:0.01〜0.20%とする。
【0013】
S:0.010〜0.10%、Pb:0.010〜0.10%、Ca:0.0005〜0.0050%から選択の1種または2種以上
S、Pb、Caは被削性を向上させる元素で、添加量を増やすと被削性には有利である。しかし、S、Pbが0.010%未満あるいはCaが0.0005%未満ではその効果はなく、S、Pbが0.10%あるいはCaが0.0050%より多いと非金属介在物を生成するため、耐転がり強度を低下する。従って、S、Pb、Caはそれらから選択した1種あるいは2種以上をS:0.010〜0.10%、Pb:0.010〜0.10%、Ca:0.0005〜0.0050%とする。
【0014】
本発明の作用について述べると、鋼片加熱温度を1100℃〜1300℃とすることでVを固溶させ、熱間圧延終止温度を920℃以下の範囲とすることで、所要の芯部硬さおよび耐衝撃性を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を以下に試験例を通じて説明する。表1に示す化学成分の本発明に係る実施鋼および比較鋼のJIS SCM440鋼をそれぞれ100kg真空溶解炉で溶製して鋼片とし、この鋼片を加熱炉で加熱して、表1に示す圧延加熱温度を1200℃としてVを固溶させた後、圧延終止温度を910℃として熱間圧延により鍛伸してφ65の鋼素材とした。本発明に係る実施鋼では、この熱間圧延ままの鋼素材を部品形状の図1に示す試験片1の形状に切削して、切削後に形状の一部の中央の大径部3を焼入れ深さ3mmとして高周波焼入れした。一方、表1に示す比較鋼では、上記により得られた熱間圧延により鍛伸したφ65の鋼素材を焼入れ焼戻した焼入れ材を試験片1の形状に切削して、切削後に形状の一部の中央部3を焼入れ深さ3mmとして高周波焼入れした。以上で得られた本発明に係る実施鋼の試験片と比較鋼の試験片について、上記の高周波焼入れ深さ3mmとして表面近傍をビッカースにて測定した。本発明に係る実施鋼の試験片の高周波焼入れ硬さは750HVであった。一方、比較鋼のそれは620HVであった。さらに、以上で得られた本発明に係る実施鋼の試験片と比較鋼の試験片について、それらのL面、D/4部をビッカースにて測定して芯部硬さを得た。本発明に係る実施鋼の試験片の芯部硬さは270HVであった。一方、比較鋼のそれは280HVであった。
【0016】
【表1】
Figure 2004027292
【0017】
次いで、試験片の摩耗試験を大越式摩耗試験により行った。回転リングをJIS SCM420鋼とし、相手となるプレートを本発明に係る実施鋼と比較鋼とし、摩耗距離を200mとし表2に示す摩耗速度で、最終荷重を6.3kgとして実施した。なお、回転リング材のSCM420鋼の硬さは90.5HRBであった。試験結果は、比較鋼の比摩耗量を100とした時の本発明に係る実施鋼の摩耗量を表2に示す。この結果、本発明に係る実施鋼が耐摩耗性で極めて高い耐磨耗性を有することが判る。
【0018】
【表2】
Figure 2004027292
【0019】
次いで、本発明に係る実施鋼と比較鋼の各素材を焼ならしを施し、図1に示すローラーピッチング試験片1を作成した。このローラーピッチング試験片1は、中央の大径部3の直径が26mm、長さが28mmであり、両側の小径部4の直径が22mm、長さが51mmの寸法を有するものである。各ローラーピッチング試験片1に対して高周波焼入れを行った後、各ローラーピッチング試験を行った。ローラーピッチング試験の原理は図2に示す。すなわち小ローラーであるローラーピッチング試験片1とJIS SCM420鋼よりなる相手材の大ローラー2とを333.4N/mmの面圧下で高速回転させ、ピッチングが発生するまでの寿命である回転数を求めて耐ピッチング性を評価した。なお、この場合のローラーピッチング試験片1と相手材の大ローラー2との周速の差、即ちすべり率は40%である。各条件についてそれぞれ5本のローラーピッチング試験片1を対象とした試験を行った後、図3に示すように、ワイブルプロットを行い、50%破損確率寿命(B50寿命)を求めて耐ピッチング性を評価した。この図3に見られるとおり本発明に係る実施鋼が優れた耐ピッチング性を有することが判明した。
【0020】
他の実施の形態として、上記の鋼片の化学成分にさらに、質量%で、Sを0.010〜0.030%を含有せしめることで非金属介在物MnSを生成すること無く切削性の良好な高強度非調質鋼を得た。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、Si、Vを添加し、Mn、Crを最適正化し、熱間圧延に先立って鋼片を1100℃〜1300℃に加熱してVを固溶させすることにより、従来の調質鋼に比べ面疲労特性および耐摩耗性が向上し、かつ非調質化することで素材焼入れ省略できたことにより熱処理コストを低減できるなど、ピニオンシャフトなどのステアリング部品などに適用できる鋼として、従来にない優れた特性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋼の耐ピッチング試験に用いるローラーピッチング試験片を示す図である。
【図2】ローラーピッチング試験の模式図である。
【図3】ローラーピッチング試験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 ローラーピッチング試験片
2 大ローラー
3 大径部
4 小径部

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.4〜0.6%、Si:0.3〜0.7%、Mn:0.5〜1.0%、Cr:0.4%以下、V:0.01〜0.20%を含有し、残部Feおよび不可避不純物からなる鋼片を熱間圧延し、熱間圧延ままの鋼素材を部品形状に切削し、切削後に部品形状の一部を高周波焼入れして使用することを特徴とする高強度非調質鋼。
  2. 鋼片は、上記の鋼成分に、さらに、質量%で、S:0.010〜0.10%、Pb:0.010〜0.10%、Ca:0.0005〜0.0050%から選択の1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の高強度非調質鋼。
  3. 熱間圧延に先立って、鋼片は1100℃〜1300℃に加熱してVを固溶させ、熱間圧延の終止温度を920℃以下の範囲に制御して必要とする耐衝撃性を確保して熱間圧延ままの鋼素材芯部硬さ:250〜350HV、高周波焼入れ硬さ:650HV〜750HVであることを特徴とする請求項1または2に記載の高強度非調質鋼。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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