JP2004026679A - ジヒドロナフタレン誘導体 - Google Patents

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JP2004026679A
JP2004026679A JP2002182368A JP2002182368A JP2004026679A JP 2004026679 A JP2004026679 A JP 2004026679A JP 2002182368 A JP2002182368 A JP 2002182368A JP 2002182368 A JP2002182368 A JP 2002182368A JP 2004026679 A JP2004026679 A JP 2004026679A
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Hisao Tajima
田嶋 久男
Sachiko Kato
加藤 幸子
Yoshiyuki Yamaura
山浦 由之
Makiko Sugioka
杉岡 真紀子
Futoshi Shiraishi
白石 太
Shinya Kusuda
楠田 晋也
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

【構成】一般式(I):
Figure 2004026679

(式中、すべての記号は明細書に記載の通り)で示される化合物、またはそれらの塩、およびそれらを有効成分として含有するペルオキシソーム増殖薬活性化受容体制御剤。
【効果】一般式(I)の化合物とそれらの塩は、ペルオキシソーム増殖薬活性化受容体を制御する活性を有しており、血糖低下剤、脂質低下剤、糖尿病、肥満、シンドロームX、高コレステロール血症、高リポ蛋白血症等の代謝異常疾患、高脂血症、動脈硬化症、高血圧、循環器系疾患、過食症、虚血性心疾患等の予防および/または治療剤、HDLコレステロール上昇剤、LDLコレステロールおよび/またはVLDLコレステロールの減少剤、糖尿病やシンドロームXのリスクファクター軽減剤として有用であることが期待される。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジヒドロナフタレン誘導体に関する。
【0002】
さらに詳しく言えば、本発明は
(1)一般式(I)
【0003】
【化4】
Figure 2004026679
【0004】
(式中、すべての記号は後記と同じ意味を表わす。)で示されるジヒドロナフタレン誘導体、またはそれらの非毒性塩、
(2)それらの製造方法、および
(3)それらを有効成分として含有する薬剤に関する。
【0005】
【発明の背景】
最近、脂肪細胞分化マーカー遺伝子の発現誘導にかかわる転写因子の研究において、核内受容体であるペルオキシソーム増殖薬活性化受容体(eroxisome roliferator ctivated eceptor;以下、PPAR受容体と略記する)が注目されている。PPAR受容体は、さまざまな動物種からcDNAがクローニングされ、複数のアイソフォーム遺伝子が見い出され、哺乳類ではα、δ、γの3種類が知られている(J. Steroid Biochem. Molec. Biol., 51, 157 (1994) ; Gene Expression., , 281 (1995) ; Biochem Biophys. Res. Commun., 224, 431 (1996) ; Mol. Endocrinology., , 1634 (1992) 参照)。さらに、γ型は主に脂肪組織、免疫細胞、副腎、脾臓、小腸で、α型は主に脂肪組織、肝臓、網膜で発現し、δ型は主に組織特異性が見られず普遍的に発現していることが知られている(Endocrinology., 137, 354 (1996) 参照)。
【0006】
ところで、以下に示したチアゾリジン誘導体は、インスリン非依存型糖尿病(NIDDM)に対する治療薬として知られており、糖尿病患者の高血糖を是正するために用いられる血糖低下剤である。また、高インスリン血症の是正または改善、耐糖能の改善、また血清脂質の低下に効果を示し、インスリン抵抗性改善薬としてきわめて有望であると考えられている化合物である。
【0007】
【化5】
Figure 2004026679
【0008】
また、これらのチアゾリジン誘導体の細胞内標的蛋白質の一つがPPARγ受容体であり、PPARγの転写活性を増大させることが判明している(Endocrinology., 137, 4189 (1996) ; Cell., 83, 803 (1995) ; Cell., 83, 813 (1995); J. Biol. Chem., 270, 12953 (1995) 参照)。従って、PPARγの転写活性を増大させるPPARγ活性化剤(アゴニスト)は、血糖低下剤および/または脂質低下剤として有望であると考えられる。また、PPARγアゴニストはPPARγ蛋白自身の発現を亢進することが知られている(Genes & Development.,10, 974 (1996))ことから、PPARγを活性化するのみならずPPARγ蛋白自身の発現を増加させる薬剤も臨床的に有用と考えられる。
【0009】
核内受容体PPARγは脂肪細胞分化に関わっており(J. Biol. Chem., 272,5637 (1997) およびCell., 83, 803 (1995)参照)、これを活性化できるチアゾリジン誘導体は脂肪細胞分化を促進することが知られている。最近、ヒトにおいて、チアゾリジン誘導体が体脂肪を増生させ、体重増加、肥満を惹起するとの報告がなされた(Lancet., 349, 952 (1997)参照)。従って、PPARγ活性を抑制する拮抗剤(アンタゴニスト)やPPARγ蛋白自身の発現を減少したりできる薬剤も臨床的に有用であると考えられる。ところで、Science., 274, 2100 (1996)には、PPARγをリン酸化することによってその活性を抑制できる化合物が紹介されており、そのことからPPARγ蛋白には結合しないものの、その活性を抑制する薬剤もまた臨床的に有用であると考えられる。
【0010】
これらのことからPPARγ受容体の活性化剤(アゴニスト)、また蛋白自身の発現を増加できるPPARγ蛋白発現制御剤は血糖低下剤、脂質低下剤、糖尿病、肥満、シンドロームX、高コレステロール血症、高リポ蛋白血症等の代謝異常疾患、高脂血症、動脈硬化症、高血圧、循環器系疾患、過食症等の予防および/または治療剤として有用であることが期待される。
【0011】
一方、PPARγ受容体の転写活性を抑制するアンタゴニスト、あるいは蛋白自身の発現を抑制できるPPARγ蛋白発現制御剤は、血糖低下剤、糖尿病、肥満、シンドロームX等の代謝異常疾患、高脂血症、動脈硬化症、高血圧、過食症等の予防および/または治療剤として有用であることが期待される。
【0012】
また、以下に示すフィブレート系化合物、例えば、クロフィブレートは脂質低下剤として知られているが、
【0013】
【化6】
Figure 2004026679
【0014】
フィブレート系化合物の細胞内標的蛋白質の一つがPPARα受容体であることも判明している(Nature., 347, 645 (1990) ; J. Steroid Biochem. Molec. Biol., 51, 157 (1994) ; Biochemistry., 32, 5598 (1993)参照)。これらのことから、フィブレート系化合物が活性化しうるPPARα受容体の制御剤は、脂質低下作用を有していると考えられ、高脂血症等の予防および/または治療剤として有用であることが期待される。
【0015】
これ以外にも、PPARαが関与する生物活性として、最近、WO9736579号明細書には抗肥満作用を有していることが報告された。また、J. Lipid Res., 39, 17 (1998)にはPPARα受容体の活性化によって高密度リポ蛋白(HDL)コレステロール上昇作用、そして、低密度リポ蛋白(LDL)コレステロールや超低密度リポ蛋白(VLDL)コレステロール、さらにはトリグリセドの低下作用を有していることが報告されている。Diabetes., 46, 348 (1997)にはフィブレート系化合物の一つ、ベザフィブレートによって血中脂肪酸組成や高血圧の改善、インスリン抵抗性の改善が認められたと報告されている。従ってPPARα受容体を活性化するアゴニストやPPARα蛋白自身の発現を亢進するPPARα制御剤は脂質低下剤、高脂血症治療薬として有用であるばかりでなく、HDLコレステロール上昇作用、LDLコレステロールおよび/またはVLDLコレステロールの減少作用、そして動脈硬化進展抑制やその治療、また肥満抑制効果が期待され、血糖低下剤として糖尿病の治療や予防、高血圧の改善、シンドロームXのリスクファクター軽減や虚血性心疾患の発症予防にも有望であると考えられる。
【0016】
一方、PPARδ受容体を有意に活性化したリガンドやPPARδ受容体が関与する生物活性の報告は少ない。
【0017】
PPARδは、ときにPPARβ、あるいはヒトの場合にはNUC1とも称されている。これまでにPPARδの生物活性として、WO9601430号明細書にはhNUC1B(ヒトNUC1と1アミノ酸異なるPPARサブタイプ)がヒトPPARαや甲状腺ホルモンレセプターの転写活性を抑制できることが示されている。また、最近ではWO9728149号明細書において、PPARδ蛋白質に高い親和性を有し、PPARδを有意に活性化する化合物(アゴニスト)が見出され、さらにそれらの化合物がHDL(高密度リポ蛋白)コレステロール上昇作用を有していることが報告された。従って、PPARδを活性化できるアゴニストには、HDLコレステロール上昇作用、それによる動脈硬化進展抑制やその治療、脂質低下剤や血糖低下剤としての応用が期待され、さらには高脂血症の治療、血糖低下剤、糖尿病の治療やシンドロームXのリスクファクターの軽減や虚血性心疾患の発症予防にも有用であると考えられる。
【0018】
【従来技術】
例えば、WO9828254号明細書には、一般式(A)
【0019】
【化7】
Figure 2004026679
【0020】
(式中、AAは置換基を有していてもよいアリール基または複素環基を表わし、X1Aは結合手、酸素原子等を表わし、Y1Aは置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキレン鎖を表わし、X2Aは結合手、酸素原子等を表わし、Wは置換基を有していてもよいナフタレン環等を表わし、Bはカルボキシル基等を表わし、X3Aは酸素原子等を表わし、R3Aは置換基を有していてもよい炭素数1〜8のアルキル基等を表わし、nAは1〜4の整数を表わす。)で表わされる化合物またはその塩が血糖降下作用および資質低下作用を有することが記載されている(式中の基の説明は必要な部分を抜粋した。)。
【0021】
WO9911255号明細書には、一般式(B)
【0022】
【化8】
Figure 2004026679
【0023】
(式中、R1BはC1〜8アルキル基等を表わし、R2Bは−COOR3B基(基中、R3Bは水素原子、またはC1〜4アルキル基を表わす。)を表わし、AはC1〜8アルキレン基等を表わし、Gは炭素環基、またはヘテロ環基を表わし(前記炭素環基およびヘテロ環基はC1〜8アルキル基等で置換されてよい。)、E1BはC1〜8アルキレン基等を表わし、E2Bは−O−基等を表わし、E3Bは単結合等を表わし、Cyc1Bは飽和、一部飽和または不飽和の炭素環等を表わす。)で示される化合物、またはそれらの塩がペルオキシソーム増殖薬活性化受容体制御作用を有することが記載されている(式中の基の説明は必要な部分を抜粋した。)。
【0024】
また、該明細書の実施例3(35)には、式(B−1)で示される化合物が記載されている。
【0025】
【化9】
Figure 2004026679
【0026】
【発明の目的】
本発明者らは、PPARの制御作用を有する化合物を見出すべく鋭意研究を行なった結果、一般式(I)で示される本発明化合物が目的を達することを見出し、本発明を完成した。
【0027】
【発明の開示】
本発明は、
(1)一般式(I)
【0028】
【化10】
Figure 2004026679
【0029】
(式中、
Xは1)単結合、または2)C1〜4アルキレン基を表わし、
Yは1)−O−基、または2)−S−基を表わし、
ZはC1〜4アルキレン基を表わし、
Aは1)−O−基、または2)−S−基を表わし、
は1)COOR基、2)CONH基、3)CONHOH基、4)CHOH基、5)ホルミル基、6)1H−テトラゾール−5−イル基、または7)3,5−ジオキソイソオキサゾリジン−4−イル基を表わし、
は1)水素原子、または2)C1〜8アルキル基を表わし、
およびRはそれぞれ独立して、1)水素原子、2)C1〜8アルキル基、3)C1〜8アルコキシ基、または4)フェニル基で置換されたC1〜8アルコキシ基を表わし、
は1)水素原子、または2)C1〜8アルキル基を表わし、
DはD、またはDを表わし、

【0030】
【化11】
Figure 2004026679
【0031】
を表わし、
ring1は一部または全部が飽和されていてもよいC3〜10の単環または二環式炭素環アリールを表わし、

【0032】
【化12】
Figure 2004026679
【0033】
を表わし、
ring2は酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜10員の単環または二環式ヘテロ環アリールを表わし、
は1)水酸基、2)COOR基、3)ホルミル基、4)C2〜8アシルオキシ基、5)メルカプト基、6)1〜2個のRで置換されたC1〜8アルキル基、または7)アミノ基を表わし、
は1)水素原子、2)C1〜8アルキル基、3)ニトロ基、4)NR1011基、5)ハロゲン原子、6)C1〜8アルコキシ基、7)C1〜8アルキルチオ基、8)CF基、9)CFO基、10)一部または全部が飽和されていてもよいC3〜10の単環または二環式炭素環アリール、11)酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜10員の単環または二環式ヘテロ環アリール、12)水酸基、13)COOR基、14)ホルミル基、15)C2〜8アシルオキシ基、16)メルカプト基、または17)1〜2個のRで置換されたC1〜8アルキル基を表わし、
は1)水酸基、2)COOR基、3)ホルミル基、4)C2〜8アシルオキシ基、5)メルカプト基、6)NR1011基、または7)C1〜8アルコキシ基を表わし、
は1)水素原子、またはC1〜8アルキル基を表わし、
10およびR11はそれぞれ独立して、1)水素原子、または2)C1〜8アルキル基を表わし、
mは1〜2を表わす。)
で示されるジヒドロナフタレン誘導体、またはそれらの非毒性塩、
(2)それらの製造方法、および
(3)それらを有効成分として含有する薬剤に関する。
【0034】
本明細書中、C1〜8アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基およびそれらの異性体である。
【0035】
本明細書中、C1〜4アルキレン基とは、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン基およびこれらの異性体である。
【0036】
本明細書中、C1〜5アルキレン基とは、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン基およびそれらの異性体である。
【0037】
本明細書中、C1〜2アルキレン基とはメチレン、エチレン基およびそれらの異性体である。
【0038】
本明細書中、C1〜3アルキレン基とは、メチレン、エチレン、トリメチレン基およびそれらの異性体である。
【0039】
本明細書中、C2〜3アルキレン基とは、エチレン、トリメチレン基およびそれらの異性体である。
【0040】
本明細書中、C1〜8アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ基およびそれらの異性体である。
【0041】
本明細書中、C1〜8アルキルチオ基とは、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ基およびそれらの異性体である。
【0042】
本明細書中、ハロゲン原子とは塩素、臭素、フッ素、ヨウ素原子を意味する。
【0043】
本明細書中、C2〜8アシルオキシ基とは、エタノイルオキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ヘプタノイルオキシ、オクタノイルオキシ基およびそれらの異性体である。
【0044】
本明細書中、1H−テトラゾール−5−イル基とは、
【0045】
【化13】
Figure 2004026679
【0046】
を意味する。
【0047】
本明細書中、3,5−ジオキソイソオキサゾリジン−4−イル基とは、
【0048】
【化14】
Figure 2004026679
【0049】
を意味する。
【0050】
本明細書中、ring1およびRによって表わされる、一部または全部が飽和されていてもよいC3〜10の単環または二環式炭素環アリールとは、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロプロペン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ベンゼン、ペンタレン、アズレン、パーヒドロアズレン、パーヒドロペンタレン、インデン、パーヒドロインデン、インダン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン、パーヒドロナフタレン等が挙げられる。
【0051】
本明細書中、ring2およびRによって表わされる、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜10員の単環または二環式ヘテロ環アリールのうち、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、3〜10員の単環または二環式ヘテロ環アリールとしては、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チイン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジチアナフタレン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、クロメン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0052】
また、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、一部または全部飽和された3〜10員の単環または二環式ヘテロ環アリールとしては、アジリジン、アゼチジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、オキシラン、オキセタン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、チイラン、チエタン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチイン(ジヒドロチオピラン)、テトラヒドロチイン(テトラヒドロチオピラン)、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ベンズオキサチアン、ジヒドロベンズオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン等が挙げられる。
【0053】
本発明において、PPAR制御剤とは、PPARα型、γ型、δ型、α+γ型、α+δ型、γ+δ型およびα+γ+δ型制御剤のすべてを包含する。また、本発明の好ましい制御様式は、PPARα型制御剤、PPARγ型制御剤、PPARδ型制御剤、PPARα+γ型制御剤、PPARα+δ型制御剤であり、特に好ましくは、PPARα+γ型制御剤である。
【0054】
また、本発明のPPAR制御剤には、PPARアゴニストおよびPPARアンタゴニストも含まれる。好ましくは、PPARアゴニストであり、より好ましくはPPARα型アゴニスト、PPARγ型アゴニスト、PPARδ型アゴニスト、PPARα+γ型アゴニスト、PPARα+δ型アゴニストであり、特に好ましくは、PPARα+γ型アゴニストである。
【0055】
本発明においては、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基には直鎖のものおよび分枝鎖のものが含まれる。さらに、二重結合、環、縮合環における異性体(E、Z、シス、トランス体)、不斉炭素の存在等による異性体(R、S体、α、β配置、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d、l体)、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、これらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本発明に含まれる。
【0056】
本発明においては、特に断わらない限り、当業者にとって明らかなように記号
【0057】
【化15】
Figure 2004026679
【0058】
は紙面の向こう側(すなわちα−配置)に結合していることを表し、
【0059】
【化16】
Figure 2004026679
【0060】
は紙面の手前側(すなわちβ−配置)に結合していることを表し、
【0061】
【化17】
Figure 2004026679
【0062】
はα−配置、β−配置またはそれらの混合物であることを表し、
【0063】
【化18】
Figure 2004026679
【0064】
は、α−配置とβ−配置の混合物であることを表す。
【0065】
本発明化合物は、公知の方法で非毒性塩に変換される。
【0066】
非毒性塩は薬学的に許容され、水溶性のものが好ましい。
【0067】
本発明化合物の非毒性塩としては、例えば、アルカリ金属(カリウム、ナトリウム、リチウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩(テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等)、有機アミン(トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩、酸付加物塩(無機酸塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩等)等)が挙げられる。
【0068】
本発明化合物の非毒性塩には、溶媒和物、または上記本発明化合物のアルカリ(土類)金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、酸付加物塩の溶媒和物も含まれる。
【0069】
溶媒和物は非毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な溶媒和物としては、例えば水、アルコール系溶媒(エタノール等)等の溶媒和物が挙げられる。
【0070】
本明細書中、Xとして好ましくは、単結合、またはC1〜4アルキレン基であり、特に好ましくはC1〜4アルキレン基である。該C1〜4アルキレン基として好ましくは、メチレン(−CH−)、エチレン(−(CH−)、またはトリメチレン(−(CH−)であり、特に好ましくはメチレン(−CH−)である。
【0071】
本明細書中、Yとして好ましくは、−O−基、または−S−基であり、特に好ましくは−O−基である。
【0072】
本明細書中、Zとして好ましくは、メチレン(−CH−)、またはエチレン(−(CH−)であり、特に好ましくはエチレン(−(CH−)である。
【0073】
本明細書中、Rとして好ましくは、COOR基、CHOH基、1H−テトラゾール−5−イル基であり、特に好ましくはCOOR基である。
【0074】
本明細書中、RおよびRとして好ましくは、水素原子、C1〜8アルキル基、またはC1〜8アルコキシであり、特に好ましくは水素原子である。
【0075】
本明細書中、Rとして好ましくは、C1〜8アルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
【0076】
本明細書中、Dとして好ましくはDまたはDであり、特に好ましくはDである。
【0077】
本明細書中、Aとして好ましくは−O−基、または−S−基であり、特に好ましくは−O−基である。
【0078】
本明細書中、ring1として好ましくは、一部または全部飽和されていてもよいC3〜7単環式炭素環アリールであり、特に好ましくはC3〜7単環式炭素環アリールであり、さらに好ましくはベンゼン環である。
【0079】
本明細書中、ring2として好ましくは、酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜2個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜10員の単環または二環式ヘテロ環アリールであり、特に好ましくは酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜2個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜7員の単環式ヘテロ環アリールであり、特に好ましくは、ピリジン環、テトラヒドロピリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、チオモルホリン環、モルホリン環、ピラゾール環、ピラジン環、1,3−ジオキサインダン環である。
【0080】
本明細書中、R6として好ましくは、水酸基、アミノ基または1個のRで置換されたC1〜8アルキル基である。
【0081】
一般式(I)で示される化合物のうち、好ましい化合物としては、一般式(I−A)
【0082】
【化19】
Figure 2004026679
【0083】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物、および一般式(I−B)
【0084】
【化20】
Figure 2004026679
【0085】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物が挙げられる。
【0086】
本発明の具体的な化合物としては、表1〜表4で示される化合物、実施例の化合物およびそれらの非毒性塩が挙げられる。
【0087】
各表中、Meはメチル基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。
【0088】
【表1】
Figure 2004026679
【0089】
【表2】
Figure 2004026679
【0090】
【表3】
Figure 2004026679
【0091】
【表4】
Figure 2004026679
【0092】
【本発明化合物の製造方法】
(1) 一般式(I)で示される本発明化合物のうち、RがCOORを表わし、かつRがC1〜8アルキル基を表わす化合物、すなわち、一般式(IA)
【0093】
【化21】
Figure 2004026679
【0094】
(式中、R5−1はC1〜8アルキル基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は、以下に示す方法によって製造することができる。
【0095】
一般式(IA)で示される化合物は、一般式(II)
【0096】
【化22】
Figure 2004026679
【0097】
(式中、R12は脱離基(ハロゲン原子、メシルオキシ基、トシルオキシ基等)を表わし、DはDと同じ意味を表わすが、Dによって表わされる基に含まれるカルボキシル基、水酸基、アミノ基およびチオール基は保護が必要な場合には保護されているものとする。その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物と、一般式(III)
【0098】
【化23】
Figure 2004026679
【0099】
(式中、R13はOH基またはSH基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物を反応させ、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことにより製造することができる。
【0100】
この反応は公知であり、例えば、有機溶媒(テトロヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスファアミド(HMPA)、アセトニトリル等)中、塩基(水素化ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジン、ヨウ化ナトリウム、炭酸セシウム等)の存在下、0〜100℃で行なわれる。
【0101】
保護基の脱保護反応は以下の方法によって行うことができる。
【0102】
カルボキシル基、水酸基、アミノ基またはチオール基の保護基の脱保護反応は、よく知られており、例えば、
(1)アルカリ加水分解、
(2)酸性条件下における脱保護反応、
(3)加水素分解による脱保護反応、
(4)シリル基の脱保護反応、
(5)金属を用いた脱保護反応、
(6)金属錯体を用いた脱保護反応等が挙げられる。
【0103】
これらの方法を具体的に説明すると、
(1)アルカリ加水分解による脱保護反応は、例えば、有機溶媒(メタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)中、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化バリウム、水酸化カルシウム等)または炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)あるいはその水溶液もしくはこれらの混合物を用いて、0〜40℃の温度で行なわれる。
【0104】
(2)酸条件下での脱保護反応は、例えば、有機溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、アニソール等)中、有機酸(酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トシル酸等)、または無機酸(塩酸、硫酸等)もしくはこれらの混合物(臭化水素/酢酸等)中、0〜100℃の温度で行なわれる。
【0105】
(3)加水素分解による脱保護反応は、例えば、溶媒(エーテル系(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル等)、アルコール系(メタノール、エタノール等)、ベンゼン系(ベンゼン、トルエン等)、ケトン系(アセトン、メチルエチルケトン等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、アミド系(ジメチルホルムアミド等)、水、酢酸エチル、酢酸またはそれらの2以上の混合溶媒等)中、触媒(パラジウム−炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム、酸化白金、ラネーニッケル等)の存在下、常圧または加圧下の水素雰囲気下またはギ酸アンモニウム存在下、0〜200℃の温度で行なわれる。
【0106】
(4)シリル基の脱保護反応は、例えば、水と混和しうる有機溶媒(テトラヒドロフラン、アセトニトリル等)中、テトラブチルアンモニウムフルオライドを用いて、0〜40℃の温度で行なわれる。
【0107】
(5)金属を用いた脱保護反応は、例えば、酸性溶媒(酢酸、pH4.2〜7.2の緩衝液またはそれらの溶液とテトラヒドロフラン等の有機溶媒との混合液)中、粉末亜鉛の存在下、必要であれば超音波をかけながら、0〜40℃の温度で行なわれる。
【0108】
(6)金属錯体を用いる脱保護反応は、例えば、有機溶媒(ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリル、ジオキサン、エタノール等)、水またはそれらの混合溶媒中、トラップ試薬(水素化トリブチルスズ、トリエチルシラン、ジメドン、モルホリン、ジエチルアミン、ピロリジン等)、有機酸(酢酸、ギ酸、2−エチルヘキサン酸等)および/または有機酸塩(2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等)の存在下、ホスフィン系試薬(トリフェニルホスフィン等)の存在下または非存在下、金属錯体(テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)等)を用いて、0〜40℃の温度で行なわれる。
【0109】
また、上記以外にも、例えば、T. W. Greene, Protective Groups in OrganicSynthesis, Wiley, New York, 1999に記載された方法によって、脱保護反応を行なうことができる。
【0110】
当業者には容易に理解できることではあるが、これらの脱保護反応を使い分けることにより、目的とする本発明化合物が容易に製造することができる。
【0111】
カルボキシル基の保護基としては、例えばメチル基、エチル基、アリル基、t−ブチル基、トリクロロエチル基、ベンジル(Bn)基、フェナシル基等が挙げられる。
【0112】
水酸基の保護基としては、例えば、メチル基、トリチル基、メトキシメチル(MOM)基、1−エトキシエチル(EE)基、メトキシエトキシメチル(MEM)基、2−テトラヒドロピラニル(THP)基、トリメチルシリル(TMS)基、トリエチルシリル(TES)基、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)基、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)基、アセチル(Ac)基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ベンジル(Bn)基、p−メトキシベンジル基、アリルオキシカルボニル(Alloc)基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)基等が挙げられる。
【0113】
アミノ基の保護基としては、例えばベンジルオキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル(Alloc)基、1−メチル−1−(4−ビフェニル)エトキシカルボニル(Bpoc)基、トリフルオロアセチル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、ベンジル(Bn)基、p−メトキシベンジル基、ベンジルオキシメチル(BOM)基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)基等が挙げられる。
【0114】
チオール基の保護基としては、例えばベンジル基、メトキシベンジル基、メトキシメチル(MOM)基、2−テトラヒドロピラニル(THP)基、ジフェニルメチル基、アセチル(Ac)基が挙げられる。
【0115】
カルボキシル基、水酸基、アミノ基またはチオール基の保護基としては、上記した以外にも容易にかつ選択的に脱離できる基であれば特に限定されない。例えば、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, Wiley, New York, 1999に記載されたものが用いられる。
【0116】
また、一般式(IA)で示される化合物のうち、Yが−O−基を表わす化合物、すなわち、一般式(IA−1)
【0117】
【化24】
Figure 2004026679
【0118】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は、一般式(IV)
【0119】
【化25】
Figure 2004026679
【0120】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物と、一般式(III−1)
【0121】
【化26】
Figure 2004026679
【0122】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物を反応させ、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことにより製造することもできる。
【0123】
この反応は公知であり、例えば、有機溶媒(ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン等)中、アゾ化合物(アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル、1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン、1,1’−アゾビス(N,N−ジメチルホルムアミド)等)およびホスフィン化合物(トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリメチルホスフィン等)の存在下、相当するアルコール化合物と0〜60℃で反応させることにより行なわれる。
【0124】
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法により行うことができる。
(2) 一般式(I)で示される本発明化合物のうち、RがCOOHを表わす化合物、すなわち、一般式(IB)
【0125】
【化27】
Figure 2004026679
【0126】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は、以下に示す方法によって製造することができる。
【0127】
一般式(IB)で示される化合物は、前記一般式(IA)で示される化合物を加水分解反応に付すことにより製造することができる。
【0128】
前記の加水分解反応は公知であり、例えば、
(1)水と混和しうる有機溶媒(THF、ジオキサン、エタノール、メタノール等)またはそれらの混合溶媒中、アルカリ(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等)の水溶液を用いるか、
(2)アルカノール(メタノール、エタノール等)中、上記のアルカリを用いて無水条件で行なわれる。これらの反応は通常、0〜100℃の温度で行なわれる。
【0129】
また、一般式(IB)で示される化合物のうち、Rが水素原子を表わし、かつRがC1〜8アルコキシ基を表わす化合物、すなわち、一般式(IB−1)
【0130】
【化28】
Figure 2004026679
【0131】
(式中、R3−1はC1〜8アルコキシ基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は、一般式(V)
【0132】
【化29】
Figure 2004026679
【0133】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物を加水分解反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことにより製造することもできる。
【0134】
この加水分解反応は公知であり、例えば、水と混和しうる有機溶媒((含水)メタノール、(含水)エタノール、ジオキサン、テトラヒドロフラン等)またはそれらの混合溶媒中、アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)の水溶液存在下、室温〜還流温度で反応させることにより行なわれる。
【0135】
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法により行うことができる。
(3) 一般式(I)で示される化合物のうち、RがCHOH基を表わす化合物、すなわち、一般式(IC)
【0136】
【化30】
Figure 2004026679
【0137】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は以下に示す方法によって製造することができる。
【0138】
一般式(IC)で示される化合物は、一般式(VI)
【0139】
【化31】
Figure 2004026679
【0140】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物を還元反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことにより製造することができる。
【0141】
この還元反応は公知であり、例えば、有機溶媒(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、塩化メチレン等)中、還元剤(水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ホウ素リチウム等)を用いて−78〜80℃で反応させることにより行なわれる。
【0142】
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法により行うことができる。
(4) 一般式(I)で示される化合物のうち、RがCHO基を表わす化合物、すなわち、一般式(ID)
【0143】
【化32】
Figure 2004026679
【0144】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は以下に示す方法によって製造することができる。
【0145】
一般式(ID)で示される化合物は、一般式(VII)
【0146】
【化33】
Figure 2004026679
【0147】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物を酸化反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことにより製造することができる。
【0148】
この酸化反応は公知であり、例えば
(1)スワン酸化(Swern oxidation)を用いる方法、
(2)デス−マーチン試薬(Dess−Martin Reagent)を用いる方法,
(3)テンポ(TEMPO)試薬を用いる方法
等が挙げられる。
【0149】
これらの方法を具体的に説明すると、
(1)スワン酸化を用いる方法は、例えば、有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン等)中、オキザリルクロライドとジメチルスルホキシドを−78℃で反応させ、得られた溶液にアルコール化合物を反応させ、さらに三級アミン(トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルピペリジン、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン等)と−78〜20℃で反応させることにより行なわれる。
【0150】
(2)デス−マーチン試薬を用いる方法は、例えば、有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、t−ブチルアルコール等)中、デス−マーチン試薬(1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3−(1H)−オン)の存在下、塩基(ピリジン等)の存在下または非存在下、0〜40℃で反応させることにより行なわれる。
【0151】
(3)TEMPO試薬を用いる方法は、例えば、有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、トルエン、アセトニトリル、酢酸エチル、水等)中またはそれらの混合溶媒中、テンポ試薬(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシ,フリーラジカル)および再酸化剤(過酸化水素水、次亜塩素酸ナトリウム、3−クロロ過安息香酸、ヨードベンゼンジアセテート、ポタシウムパーオキシモノスルフェート(オキソン;商品名)等)を用いて、四級アンモニウム塩(テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロミド等)の存在下または非存在下、無機塩(臭化ナトリウム、臭化カリウム等)の存在下または非存在下、無機塩基(炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム等)の存在下または非存在下、20〜60℃で反応させることにより行なわれる。
【0152】
酸化反応としては、上記した以外にも容易にかつ選択的にアルコールをケトンへ酸化できるものであれば特に限定されない。例えば、ジョーンズ酸化、PCCによる酸化、三酸化イオウ・ピリジン錯体を用いる酸化または「Comprehensive Organic Transformations」(Richard C. Larock, VCH Publishers, Inc., (1989) page 604−614)に記載されたものが用いられる。
(5) 一般式(I)で示される化合物のうち、RがCONHOH基を表わす化合物、すなわち、一般式(IE)
【0153】
【化34】
Figure 2004026679
【0154】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は以下に示す方法によって製造することができる。
【0155】
一般式(IE)で示される化合物は、一般式(VIII)
【0156】
【化35】
Figure 2004026679
【0157】
(式中、R14はフェニル基またはC1〜8アルコキシ基で置換されたC1〜8アルキル基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物を、R14基の脱保護反応に付し、さらに必要に応じてD基中の保護基の脱保護反応に付すことにより製造することができる。
【0158】
14基の脱保護反応(酸性条件下での脱保護反応または加水素分解による脱保護反応)は公知であり、例えば以下に示す方法によって行なうことができる。
【0159】
酸性条件下での脱保護反応は公知であり、例えば有機溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、アニソール等)中、有機酸(酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ヨウ化トリメチルシリル等)、または無機酸(塩酸、硫酸等)もしくはこれらの混合物(臭化水素酢酸等)中、0〜100℃の温度で行なわれる。
【0160】
加水素分解による脱保護反応は公知であり、例えば不活性溶媒[エーテル系(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエメトキシエタン、ジエチルエーテル等)、アルコール系(例えば、メタノール、エタノール等)、ベンゼン系(例えば、ベンゼン、トルエン等)、ケトン系(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等)、ニトリル系(例えば、アセトニトリル等)、アミド系(例えば、ジメチルホルムアミド等)、水、酢酸エチル、酢酸またはそれらの2以上の混合溶媒等]中、水素化触媒(例えば、パラジウム−炭素、パラジウム黒、パラジウム、水酸化パラジウム、二酸化白金、ニッケル、ラネーニッケル等)の存在下、無機酸(例えば、塩酸、硫酸、次亜塩素酸、ホウ酸、テトラフルオロホウ酸等)または有機酸(例えば、酢酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸等)の存在下または非存在下、常圧または加圧下の水素雰囲気下またはギ酸アンモニウム存在下、0〜200℃の温度で行なわれる。酸を用いる場合には、その塩を用いてもよい。
【0161】
基中の保護基の脱保護反応は前記と同様の方法により行うことができる。(6) 一般式(I)で示される本発明化合物のうち、Rが1H−テトラゾール−5−イル基を表わす化合物、すなわち、一般式(IF)
【0162】
【化36】
Figure 2004026679
【0163】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は以下に示す方法によって製造することができる。
【0164】
一般式(IF)で示される化合物は、一般式(IX)
【0165】
【化37】
Figure 2004026679
【0166】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物と、アジド試薬を反応させ、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことにより製造することができる。
【0167】
この反応は公知であり、例えば、有機溶媒(トルエン、ベンゼン等)中、アジド試薬(トリメチルチンアジド、トリメチルシリルアジド、ナトリウムアジド等)を50℃〜還流温度で反応させることにより行なわれる。
【0168】
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法により行うことができる。
(7) 一般式(I)で示される本発明化合物のうち、Rが3,5−ジオキソイソオキサゾリジン−4−イル基を表わす化合物、すなわち、一般式(IG)
【0169】
【化38】
Figure 2004026679
【0170】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は以下に示す方法によって製造することができる。
【0171】
一般式(IG)で示される化合物は、一般式(X)
【0172】
【化39】
Figure 2004026679
【0173】
(式中、R15はC1〜8アルキル基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物と、ヒドロキシルアミンを反応させ、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことにより、製造することができる。
【0174】
この反応は公知であり、例えば、有機溶媒(メタノール、エタノール等)中、塩基(ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等)存在下、0℃〜50℃でヒドロキシルアミンを反応させることにより行なわれる。
【0175】
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法により行うことができる。
(8) 一般式(I)で示される本発明化合物のうち、RがCONH基を表わす化合物、すなわち、一般式(IH)
【0176】
【化40】
Figure 2004026679
【0177】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は以下に示す方法によって製造することができる。
【0178】
一般式(IH)で示される化合物は、一般式(XI)
【0179】
【化41】
Figure 2004026679
【0180】
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物と
アンモニアをアミド化反応に付し、さらに必要に応じて保護基の脱保護反応に付すことにより製造することができる。
【0181】
アミド化反応は公知であり、例えば、
(1)酸ハライドを用いる方法、
(2)混合酸無水物を用いる方法、
(3)縮合剤を用いる方法等が挙げられる。
【0182】
これらの方法を具体的に説明すると、
(1)酸ハライドを用いる方法は、例えば、カルボン酸を有機溶媒(クロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中または無溶媒で、酸ハライド化剤(オキザリルクロライド、チオニルクロライド等)と−20℃〜還流温度で反応させ、得られた酸ハライドを三級アミン(ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン等)の存在下、アミンと不活性有機溶媒(クロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、0〜40℃で反応させることにより行なわれる。また、有機溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)中、アルカリ水溶液(重曹水または水酸化ナトリウム溶液等)を用いて、酸ハライドと0〜40℃の温度で反応させることにより行なうこともできる。
【0183】
(2)混合酸無水物を用いる方法は、例えば、カルボン酸を有機溶媒(クロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中または無溶媒で、三級アミン(ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン等)の存在下、酸ハライド(ピバロイルクロライド、トシルクロライド、メシルクロライド等)、または酸誘導体(クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチル等)と、0〜40℃で反応させ、得られた混合酸無水物を有機溶媒(クロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中、アミンと0〜40℃で反応させることにより行なわれる。
【0184】
(3)縮合剤を用いる方法は、例えば、カルボン酸とアミンを、有機溶媒(クロロホルム、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)中またはそれらの混合溶媒中、または無溶媒で、三級アミン(ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン等)の存在下または非存在下、縮合剤(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(EDC)、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨウ素、メチル 3−メチル−2−フルオロピリジニウム トシレート、メタンスルホニルオキシベンゾトリアゾール、1−プロピルホスホン酸環状無水物(1−propanephosphonic acidcyclic anhydride、PPA)等)を用い、1−ヒドロキシベンズトリアゾール(HOBt)を用いるか用いないで、0〜40℃で反応させることにより行なわれる。
【0185】
これら(1)、(2)および(3)の反応は、いずれも不活性ガス(アルゴン、窒素等)雰囲気下、無水条件で行なうことが望ましい。
【0186】
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法により行うことができる。
【0187】
一般式(II)および(IV)で示される化合物は、公知化合物であるか、または公知の方法、または実施例記載の方法に準じて製造することができる。
【0188】
例えば、一般式(IV)で示される化合物のうち、2−(5−メチル−2−フェニルオキサゾール−4−イル)エタノールは、J. Med. Chem., 35, 1853−1864
(1992)記載の方法に従って製造することができる。
【0189】
例えば、一般式(IV)で示される化合物のうち、2−(5−メチル−2−(モルホリン−4−イル)オキサゾール−4−イル)エタノールは、J. Med. Chem., 41, 5037−5054 (1998)記載の方法に従って製造することができる。
【0190】
一般式(II)、(III)、(III−1)、(IV)、(V)、(VIII)、(IX)および(X)で示される化合物は、公知化合物であるか、または公知の方法、または実施例記載の方法に準じて製造することができる。
【0191】
例えば、一般式(II)、(III)、(III−1)、(IV)、(V)、(VIII)、(IX)および(X)で示される化合物は反応工程式10で示される方法によって製造することができる。
【0192】
反応工程式中、R16は水酸基の保護基(メトキシメチル基、2−テトラヒドロピラニル基、t−ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、アセチル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、ピバロイル基等)を表わし、R17はハロゲン原子を表わし、XはC1〜5アルキレン基を表わし、XはC1〜4アルキレン基を表わし、Meはメチル基を表わし、i−Prはイソプロピル基を表わし、(CHO)はパラホルムアルデヒドを表わし、n−BuLiはノルマルブチルリチウムを表わし、Phはフェニル基を表わし、R2−1はC1〜8アルキル基を表わし、R3−2はC1〜8アルキル基を表わし、LDAはリチウムジイソプロピルアミドを表わし、R2−2はフェニル基で置換されたC1〜8アルコキシを表わし、p−TsOHはパラトシル酸を表わし、Etはエチル基を表わし、Zは単結合、またはC1〜3アルキレン基を表わし、ZはC1〜2アルキレン基を表わし、R4−1はC1〜8アルキレン基を表わし、ZはC2〜3アルキレン基を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。
【0193】
【化42】
Figure 2004026679
【0194】
【化43】
Figure 2004026679
【0195】
【化44】
Figure 2004026679
【0196】
【化45】
Figure 2004026679
【0197】
【化46】
Figure 2004026679
【0198】
【化47】
Figure 2004026679
【0199】
【化48】
Figure 2004026679
【0200】
【化49】
Figure 2004026679
【0201】
【化50】
Figure 2004026679
【0202】
【化51】
Figure 2004026679
【0203】
反応工程式中、出発原料として用いた一般式(XII)、(XIV)、(XVII)、(XIX)、(XX)、(XXVIII)、(XXXV)、(XXXVII)、(XXXVIII)、(XXXIX)、(XXXX)、(XXXXIII)、(XXXXIV)、(XXXXVI)、(XXXXVII)、(XXXXIX)、(XXXXX)、(XXXXXII)、(XXXXXIX)、(XXXXXXI)、(XXXXXXII)および(XXXXXXIV)で示される化合物は公知であるか、あるいは公知の方法により容易に製造することができる。
【0204】
本明細書中の各反応において、反応生成物は通常の精製手段、例えば、常圧下または減圧下における蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、あるいはカラムクロマトグラフィーまたは洗浄、再結晶等の方法により精製することができる。精製は各反応ごとに行なってもよいし、いくつかの反応終了後に行なってもよい。
【0205】
【薬理活性】
一般式(I)で示される本発明化合物が、PPAR制御活性を有することは以下の実験で証明された。
PPARαアゴニスト活性およびPPARγアゴニスト活性の測定
(1)ヒトPPARαまたはγ受容体を用いたルシフェラーゼアッセイの材料の調製
全体の操作は、基本的な遺伝子工学的手法に基づき、また酵母One−ハイブリッド、またはTwo−ハイブリッドシステムで常法となっている手法を活用した。
【0206】
チミジンキナーゼ(TK)プロモーター支配下のルシフェラーゼ遺伝子発現ベクターとして、PicaGene Basic Vector 2(商品名、東洋インキ社、カタログNo.309−04821)からルシフェラーゼ構造遺伝子を切り出し、TKプロモーターをもつpTKβ(クロンテック社、カタログNo. 6179−1)から、必要最小のプロモーター活性として、TKプロモーター(−105/+51)支配下のルシフェラーゼ遺伝子発現ベクターpTK−Luc.を作成した。TKプロモーター上流に、酵母の基本転写因子であるGal4蛋白の応答配列、UASを4回繰り返したエンハンサー配列を挿入し、4xUAS−TK−Luc.を構築し、レポーター遺伝子とした。以下に用いたエンハンサー配列(配列番号1)を示す。
Figure 2004026679
酵母Gal4蛋白のDNA結合領域のカルボキシル末端に、核内受容体ヒトPPARαまたはγ受容体のリガンド結合領域を融合させた、キメラ受容体蛋白を発現するベクターを以下のように作成した。すなわち、PicaGene Basic Vector 2(商品名、東洋インキ社、カタログNo. 309−04821)を基本発現ベクターとして、プロモーター・エンハンサー領域はそのままに、構造遺伝子をキメラ受容体蛋白のそれに交換した。
【0207】
Gal4蛋白のDNA結合領域、1番目から147番目までのアミノ酸配列をコードするDNA下流に、ヒトPPARαまたはγ受容体のリガンド結合領域をコードするDNAが、フレームが合うように融合して、PicaGene Basic Vector 2のプロモーター・エンハンサー領域下流に挿入した。この際、発現したキメラ蛋白が核内に局在すべく、ヒトPPARαまたはγ受容体のリガンド結合領域のアミノ末端には、SV40 T−antigen由来の核移行シグナル、Ala Pro Lys Lys Lys Arg Lys Val Glyを配し、一方、カルボキシ末端には発現蛋白質の検出用にエピトープタグシークエンスとして、インフルエンザのヘマグルチニンエピトープ、Tyr Pro Tyr Asp Val Pro Asp Tyr Alaと翻訳停止コドンを順に配するようなDNA配列とした。
【0208】
ヒトPPARαまたはγ受容体のリガンド結合領域として用いた構造遺伝子部分は、R. Mukherjeeら(J. Steroid Biochem. Molec. Biol., 51, 157 (1994)参照)、M. E. Greenら(Gene Expression., , 281 (1995)参照)、A. Elbrechtら(Biochem Biophys. Res. Commun., 224, 431 (1996)参照またはA. Schmidtら(Mol. Endocrinology., , 1634 (1992)参照)に記載された、ヒトPPARの構造比較から、
ヒトPPARαリガンド結合領域:Ser167−Tyr468
ヒトPPARγリガンド結合領域:Ser176−Tyr478
(ヒトPPARγ1受容体、ヒトPPARγ2受容体ではSer204−Tyr506に相当し、全く同じ塩基配列である。)をコードするDNAを使用した。また、基本転写に対する影響をモニターすべく、PPARリガンド結合領域を欠失したGal4蛋白のDNA結合領域、1番目から147番目までのアミノ酸配列のみをコードするDNAを有する発現ベクターも併せて調整した。
(2)ヒトPPARαまたはγ受容体を用いたルシフェラーゼアッセイ
宿主細胞として用いたCV−1細胞は常法に従って培養した。すなわち、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に牛胎児血清(GIBCO BRL社、カタログNo. 26140−061)を終濃度10%になるように添加し、さらに終濃度50U/mlのペニシリンGと50μg/mlの硫酸ストレプトマイシンを加えた培地にて、5%炭酸ガス中、37℃で培養した。
【0209】
レポーター遺伝子、Gal4−PPAR発現ベクターの両DNAを、宿主細胞内へ導入するトランスフェクションに際し、細胞を予め10 cm dishに2 x 10 cells播種しておき、血清を含まない培地で一回洗浄操作を施した後、同培地10mlを加えた。レポーター遺伝子10μg、Gal4−PPAR発現ベクター0.5μgとLipofectAMINE(商品名、GIBCO BRL社、カタログNo. 18324−012)50μlをよく混和し、上記培養dishに添加した。37℃で培養を5〜6時間続け、10mlの透析牛胎児血清(GIBCO BRL社、カタログNo. 26300−061)20%を含む培地を加えた。37℃で一晩培養した後、細胞をトリプシン処理によって分散させ、8000 cells/100 ml DMEM−10%透析血清/wellの細胞密度で96穴プレートに再播種し、数時間培養し細胞が付着したとき、検定濃度の2倍濃度を含む本発明化合物のDMEM−10%透析血清溶液100μlを添加した。37℃で42時間培養し、細胞を溶解させ、常法に従ってルシフェラーゼ活性を測定した。
【0210】
なお、本実験で、PPARαに対して有意にルシフェラーゼ遺伝子の転写を活性化できる陽性対照化合物カルバサイクリン(Eur. J. Biochem., 233, 242 (1996) ; Genes & Development., 10, 974 (1996)参照)10μM添加時のルシフェラーゼ活性を1.0としたときの、本発明化合物10μM添加時の相対活性を表5に示した。
【0211】
また、PPARγに対して有意にルシフェラーゼ遺伝子の転写を活性化できる、すでに血糖降下剤として上市されている、陽性対照化合物トログリタゾン(Cell., 83, 863 (1995)、Endocrinology., 137, 4189 (1996)およびJ. Med. Chem., 39, 665 (1996)参照)10μM添加時のルシフェラーゼ活性を1.0としたときの、本発明化合物10μM添加時の相対活性を表6に示した。
【0212】
さらに、有望化合物に対しては、3回行なって再現性を検討し、また、用量依存性の有無を確認した。
【0213】
また、比較化合物として、以下に示すWO9911255号明細書、実施例3(35)記載の化合物を使用した。
【0214】
【化52】
Figure 2004026679
【0215】
【表5】
Figure 2004026679
【0216】
【表6】
Figure 2004026679
【0217】
本発明化合物の血糖および血中脂質の低下作用は、例えば以下の方法によって測定することができる。
血糖および血中脂質の低下作用(1):
雄性KKAy/Ta Jclマウス(1群5匹)を8週齢で入荷後、個別ケージにて約1週間の予備飼育を行う。予備飼育期間中は、固形飼料及び上水道水を給水瓶から自由摂取させる。次に3日間、粉末飼料に切り替えて馴化飼育を行ない、実験を開始する。実験開始当日(0日)、体重を測定し、尾静脈からマイクロキャピラリーを用いて採血後、血糖値を測定する。血糖値を指標に層別無作為化法による群分けを行ない、1群5匹を割り付ける。翌日、午前に体重を測定し、以降6日間、本発明化合物を0.03%(w/w)或いは0.01%(w/w)、0.003%(w/w)含む飼料、もしくは粉末飼料を与えて飼育する。投与開始4日目、及び7日目午前に体重と摂餌量を測定し、平均摂餌量から投与用量を換算する。投与開始後6日目に尾静脈採血を行ない、血糖値、血漿中トリグリセリド(TG)値を測定する(飽食時血糖、TG値)。投与開始7日目の体重測定後、エーテル麻酔下で腹部大静脈から採血し、血中インスリン・遊離脂肪酸(NEFA)、及びGOT、GPTを市販のキットを用いて測定する。また、肝臓を摘出し、湿重量を測定する。外側左葉の一部から総RNAを抽出し、Northern Blot法によって二頭酵素の遺伝子発現レベルを測定する。なお、摂餌量はコントロール群(粉末飼料のみ)、本発明化合物群(化合物を0.03%或いは0.01%、0.003%含む粉末飼料)両者で有意な違いは認めず、平均摂時量から換算した投与量は0.03%含有飼料投与群で約40 mg/kg/dayとなる。
【0218】
KKAy/Taマウスにおける飽食時の血糖、血中インスリン、NEFA値あるいは血漿中TG値の低下作用は糖尿病、高脂血症、動脈硬化症等の予防および/または治療剤としての可能性を示唆するものである。また、この作用はPPARγの生体における活性化に由来している。一方、肝重量増加や肝の二頭酵素の発現量の増大はPPARαの生体における活性化を反映していることが示唆される。
血糖および血中脂質の低下作用(2):
雄性Zucker fa/faラット(系統名Crj−[ZUC]−fa/fa)、及び正常対照動物leanラット(系統名Crj−[ZUC]−lean)を8週齢で購入後、個別ケージにて約2週間の予備飼育を行う。予備飼育期間中は、固形飼料及び上水道水を自動給水装置から自由摂取させる。また、投与開始5日前より経口ゾンデを用いて擬似投与を行い、実験を開始する。この間、一般状態観察を実施し、特に異常の認められなかった10週齢の動物を試験に供する。実験開始日の午前中に体重測定を行い、尾静脈からマイクロキャピラリーを用いて採血後、血糖・遊離脂肪酸(NEFA)・TG、並びにHbA1c濃度を測定する。この中でHbA1c値及び体重を指標にして層別無作為化法により1群5匹を割り付ける。加えて、他のパラメーターの平均値に偏りが生じないように任意に入れ替える。群分け翌日以降、午前中に体重を測定した後、この体重基にいて本発明化合物を13日間連続で経口ゾンデを用いて強制経口投与する。なお、対照群及び正常対照群(leanラット)については媒体である0.5% MCを投与する。
【0219】
投与開始1、4、7、10及び13日目の午前中に摂餌量を測定し、平均摂餌量を算出する。投与開始7日目に尾静脈からマイクロキャピラリーを用いて採血後、血糖・NEFA・TG、並びにHbA1c濃度を測定する。また、投与開始14日目に経口糖負荷試験(OGTT)を実施し、耐糖能改善作用を評価する。OGTTは、その前日(投与開始後13日目)より絶食とし、翌日(投与開始後14日目)より採血を実施した後、40%グルコース液を2 g/5 mL/kg用量で経口投与する。糖負荷後、60分及び120分後に尾静脈からマイクロキャピラリーを用いて採血後、血糖値を測定する。
【0220】
OGTT終了後、給餌を再開し、投与開始15日目にも本発明化合物を投与する。投与開始16日目の午前中に体重を測定し、ラットをエーテル麻酔下で腹部大静脈から採血し、血糖・血中インスリン・NEFA・TG、及びGOT、GPTを市販のキットを用いて測定する。また、肝臓を摘出し、湿重量を測定する。
【0221】
Zucker fa/faラットにおける飽食時の血糖、血中インスリン、NEFA、HbA1c値あるいは血漿中TG値の低下作用は糖尿病や高脂血症や動脈硬化症等の予防および/または治療剤としての可能性を示唆するものである。また、OGTTにおける空腹時血糖値の低下や耐糖能改善作用は糖尿病の予防および/または治療剤としての可能性を示唆する。これらの作用はPPARγの生体における活性化に由来している。一方、肝重量増加はPPARαの生体における活性化を反映していることが示唆される。
血糖および血中脂質の低下作用(3):
入荷時年齢3〜4歳、平均体重約3 kgの雄性カニクイザルを購入し、法定検疫を実施した全ての動物を試験実施施設にてさらに約1ヶ月以上の期間、施設検疫及び馴化する。動物は、サルケージに個別収容し、市販固形飼料約100 gを1日1回給餌する。馴化が進むと動物は毎日ほぼ1時間以内に飼料を食べ終わるようになる。また、上水道水を自動給水装置から自由摂取させる。次に、14日間の予備飼育を行い、試験開始前2週、及び1週に体重測定を実施後、後肢伏在静脈から採血し、血液学的検査(赤血球数・ヘマトクリット・血色素量・血小板数・白血球数の測定)及び血液化学的検査(GOT・GPT・アルカリフォスファターゼ・総蛋白質・尿中窒素・クレアチニン・クレアチニンキナーゼ・総ビリルビン・血糖・総コレステロール・HDL・LDL・TGの測定)を実施する。加えて、一般状態を観察し、馴化及び予備飼育期間中順調に発育した個体を選別して使用する。また、予備飼育期間を含めて全動物の摂時量を毎日測定する。
【0222】
各動物を順化期間終了日の体重に基いて層別無作為化法による群分けを行ない、1群3頭を割り付ける。投与開始1、3、7、10、14日目午前に体重を測定し、最も新しい体重に基いて本発明化合物を投与する。希釈液或いは本発明化合物3〜100 mg/kg/dayを含む薬液を栄養カテーテル及び注射筒を用いて1日1回、14日間反復経鼻胃内投与する。投与開始後、1、7、14日目の本発明化合物投与前に採血し、上述の血液学的検査及び血液化学的検査を実施し、本発明化合物は随時血糖値には影響しないことを確かめる。また、投与開始前3週、及び投与後14日目の投与後、1、2、4時間及び給餌(1時間の摂取時間)後1、2、3時間に後肢伏在静脈或いは前腕皮静脈から採血し、血糖・TG値を測定する。
【0223】
正常カニクイザルにおける空腹時血漿TG値の低下作用は高脂血症や動脈硬化症等の予防および/または治療剤としての可能性を示唆するものである。この作用はPPARαの生体における活性化を反映していることが想定される。同様に、食餌負荷後のTG上昇を抑制する点においてもこれは確認される。加えて、他の血液生化学的なパラメーターから毒性変化の有無が併せて評価できる。
【0224】
【毒性】
一般式(I)で示される本発明化合物の毒性は非常に低いものであり、医薬として使用するために十分安全であると考えられる。
【0225】
【医薬品への適用】
一般式(I)で示される本発明化合物、およびそれらの非毒性塩は、PPAR受容体を制御する作用を有しており、血糖低下剤、脂質低下剤、糖尿病、肥満、シンドロームX、高コレステロール血症、高リポ蛋白血症等の代謝異常疾患、高脂血症、動脈硬化症、高血圧、循環器系疾患、過食症、虚血性心疾患等の予防および/または治療剤、HDLコレステロール上昇剤、LDLコレステロールおよび/またはVLDLコレステロールの減少剤、糖尿病やシンドロームXのリスクファクター軽減剤としての応用が期待される。
【0226】
また、一般式(I)で示される本発明化合物、およびそれらの非毒性塩は特にPPARαアゴニスト作用および/またはPPARγアゴニスト作用を有しているため、血糖低下剤、脂質低下剤、糖尿病、肥満、シンドロームX、高コレステロール血症、高リポ蛋白血症等の代謝異常疾患、高脂血症、動脈硬化症、高血圧、循環器系疾患、過食症等の予防および/または治療剤、HDLコレステロール上昇剤、LDLコレステロールおよび/またはVLDLコレステロールの減少剤、そして動脈硬化進展抑制やその治療、また肥満抑制効果が期待され、血糖低下剤として糖尿病の治療や予防、高血圧の改善、シンドロームXのリスクファクター軽減や虚血性心疾患の発症予防剤としての応用が期待される。
【0227】
一般式(I)で示される化合物またはそれらの非毒性塩は、
1)該化合物の予防および/または治療効果の補完および/または増強、
2)該化合物の動態・吸収改善、投与量の低減、
および/または
3)該化合物の副作用の軽減
のために他の薬剤と組み合わせて、併用剤として投与してもよい。
【0228】
一般式(I)で示される化合物と他の薬剤の併用剤は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、一般式(I)で示される化合物を先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与し、一般式(I)で示される化合物を後に投与してもかまわず、それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
【0229】
上記併用剤により、予防および/または治療効果を奏する疾患は特に限定されず、一般式(I)で示される化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する疾患であればよい。
【0230】
例えば、一般式(I)で示される化合物の脂質低下作用の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば、MTP(Microsomal Triglyceride Transfer Protein)阻害剤、HMG−CoA還元酵素阻害剤、スクアレンシンセターゼ阻害剤、フィブラート系製剤(フィブリン酸誘導体)、ACAT(アシルCoA:コレステロール O−アシルトランスフェラーゼ)阻害剤、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、胆汁酸吸収阻害剤、回腸Na/胆汁酸共輸送体(ileal Na/bile acid transporter; IBAT)阻害剤、LDL受容体活性化剤/発現増強剤、リパーゼ阻害剤、プロブコール製剤、ニコチン酸製剤、その他の抗高コレステロール血症治療剤等が挙げられる。
【0231】
MTP阻害剤としては、BMS−201038、BMS−212122、BMS−200150、GW−328713、R−103757等が挙げられる。
【0232】
HMG−CoA還元酵素阻害剤としては、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、ピタバスタチン、プラバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン等が挙げられる。
【0233】
ACAT阻害剤としては、F−12511、F−1394、CI−1011、メリナミド等が挙げられる。
【0234】
スクアレンシンセターゼ阻害剤としては、TAK−475等が挙げられる。
【0235】
フィブラート系製剤としては、gemfibrozil、clofibaret、bezafibrate、fenofibrate等が挙げられる。
【0236】
ACAT阻害剤としては、Cl−1011、FCE27677、RP73163等が挙げられる。
【0237】
コレステロール吸収阻害剤としては、SCH48461等が挙げられる。
【0238】
胆汁酸吸収阻害剤として、cholestyramine、cholestagel等が挙げられる。
【0239】
LDL受容体活性化剤/発現増強剤としては、MD−700、LY295427等が挙げられる。
【0240】
リパーゼ阻害剤としては、orlistat等が挙げられる。
【0241】
フィブラート系製剤とHMG−CoA還元酵素阻害剤を併用した場合に、時折、横紋筋融解症が伴うことが知られており、腎不全患者や腎機能の低下した患者には禁忌となっている。上述の併用の中には、横紋筋融解症が発生することなく脂質代謝異常を是正できる可能性がある。
【0242】
一般式(I)で示される化合物の血糖低下作用の補完および/または増強、そして糖尿病合併症治療の効果増強の為の他の薬剤としては、例えば、スルフォニル尿素系血糖低下剤、ビグアナイド系製剤、α―グルコシダーゼ阻害薬、速効型インスリン分泌促進剤、インスリン製剤、DP(ジペプチジルペプチダーゼ)4阻害剤、β3アドレナリン受容体作動薬、糖尿病合併症治療剤等と併用することが考えられる。
【0243】
スルフォニル尿素系血糖低下剤としては、アセトヘキサミド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリクロピラミド、クロルプロパミド、トラザミド、トルブタミド、グリメピリド等が挙げられる。
【0244】
ビグアナイド系製剤としては、塩酸ブフォルミン、塩酸メトフォルミン等が挙げられる。
【0245】
α―グルコシダーゼ阻害薬としては、アカルボース、ボグリボース等が挙げられる。
【0246】
速効型インスリン分泌促進剤としては、ナテグリニド、レパグリニド等が挙げられる。
【0247】
DP4阻害剤としては、NVP−DPP728A等が挙げられる。
【0248】
β3アドレナリン受容体作動薬としては、AJ9677、L750355、CP331648等が挙げられる。
【0249】
糖尿病合併症治療剤としては、エパルレスタット等が挙げられる。
【0250】
一般式(I)で示される化合物と他の薬剤の重量比は特に限定されない。
【0251】
他の薬剤は、任意の2種以上を組み合わせて投与してもよい。
【0252】
また、一般式(I)で示される化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する他の薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。
【0253】
一般式(I)で示される本発明化合物、または一般式(I)で示される化合物と他の薬剤の併用剤を上記の目的で用いるには、通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。
【0254】
投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人一人当たり、一回につき、1mgから1000mgの範囲で一日一回から数回経口投与されるか、または成人一人当たり、一回につき、1mgから100mgの範囲で一日一回から数回非経口投与されるか、または一日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与される。
【0255】
もちろん前記したように、投与量は種々の条件により変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて投与の必要な場合もある。
【0256】
一般式(I)で示される本発明化合物、または一般式(I)で示される化合物と他の薬剤の併用剤を投与する際には、経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤および、非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤、点眼剤、吸入剤等として用いられる。
【0257】
経口投与のための内服用固形剤には、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。カプセル剤には、ハードカプセルおよびソフトカプセルが含まれる。
【0258】
このような内服用固形剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質はそのままか、または賦形剤(ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
【0259】
経口投与のための内服用液剤は、薬剤的に許容される水剤、懸濁剤・乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含む。このような液剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤(精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
【0260】
非経口投与の中で、外用剤の剤形には、例えば、軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤、点眼剤、および点鼻剤等が含まれる。これらはひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、公知の方法または通常使用されている処方により製造、調製される。
【0261】
軟膏剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に研和、または溶融させて製造、調製される。軟膏基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、
高級脂肪酸または高級脂肪酸エステル(アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0262】
ゲル剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させて製造、調製される。ゲル基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、低級アルコール(エタノール、イソプロピルアルコール等)、ゲル化剤(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等)、中和剤(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)、界面活性剤(モノステアリン酸ポリエチレングリコール等)、ガム類、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0263】
クリーム剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融または乳化させて製造、調製される。クリーム基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸エステル、低級アルコール、炭化水素類、多価アルコール(プロピレングリコール、、1,3−ブチレングリコール等)、高級アルコール(2−ヘキシルデカノール、セタノール等)、乳化剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、脂肪酸エステル類等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0264】
湿布剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、練合物とし支持体上に展延塗布して製造される。湿布基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、増粘剤(ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース等)、湿潤剤(尿素、グリセリン、プロピレングリコール等)、充填剤(カオリン、酸化亜鉛、タルク、カルシウム、マグネシウム等)、水、溶解補助剤、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0265】
貼付剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、支持体上に展延塗布して製造される。貼付剤用基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高分子基剤、油脂、高級脂肪酸、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0266】
リニメント剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物を水、アルコール(エタノール、ポリエチレングリコール等)、高級脂肪酸、グリセリン、セッケン、乳化剤、懸濁化剤等から選ばれるもの単独または2種以上に溶解、懸濁または乳化させて製造、調製される。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
【0267】
噴霧剤、吸入剤、およびスプレー剤は、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の製造方法は、例えば米国特許第 2,868,691 号および同第3,095,355 号に詳しく記載されている。また、エアゾル剤としても構わない。
【0268】
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって製造、調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
【0269】
非経口投与のための吸入剤としては、エアロゾル剤、吸入用粉末剤又は吸入用液剤が含まれ、当該吸入用液剤は用時に水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁させて使用する形態であってもよい。
【0270】
これらの吸入剤は公知の方法に準じて製造される。
【0271】
例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化剤(塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(カリボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
【0272】
吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤(ステアリン酸およびその塩等)、結合剤(デンプン、デキストリン等)、賦形剤(乳糖、セルロース等)、着色剤、防腐剤(塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
【0273】
吸入用液剤を投与する際には通常噴霧器(アトマイザー、ネブライザー)が使用され、吸入用粉末剤を投与する際には通常粉末薬剤用吸入投与器が使用される。
【0274】
非経口投与のためその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される直腸内投与のための坐剤および腟内投与のためのペッサリー等が含まれる。
【参考例および実施例】
以下、参考例および実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0275】
クロマトグラフィーによる分離の箇所、TLCに示されているカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表わす。NMRの箇所に示されているカッコ内の溶媒は、測定に使用した溶媒を示している。
なお、Acはアセチル基を表わし、TBSはt−ブチルジメチルシリルオキシ基を表わし、Tsはトシル基を表わす。
参考例1
4−[(アセチルオキシ)メチル]安息香酸
【0276】
【化53】
Figure 2004026679
【0277】
4−(ヒドロキシメチル)安息香酸(10.21 g)のジクロロメタン(100 mL)懸濁液にピリジン(43 mL)および無水酢酸(25 mL)を順次加え、室温で3.5時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈後、6N塩酸で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物を得た。得られた化合物は精製することなく、次の反応に用いた。
TLC : Rf 0.41 (ヘキサン:酢酸エチル=2:1)。
参考例2
4−[(アセチルオキシ)メチル]ベンズアミド
【0278】
【化54】
Figure 2004026679
【0279】
参考例1で製造した化合物のジクロロメタン(100 mL)懸濁液に塩化オキサリル(12 mL)を加え、さらにジメチルホルムアミド(3滴)を加え、室温で14時間撹拌した。反応混合物を濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン(50 mL)および濃アンモニア水(20 mL)の混合液へ滴下した。反応混合物を酢酸エチルで希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(12.13 g)を得た。
TLC : Rf 0.66 (酢酸エチル);
NMR (CDCl) : δ 7.81 (d, J=8.1Hz, 2H), 7.43 (d, J=8.1Hz, 2H), 6.40−5.70 (br, 2H), 5.15 (s, 2H), 2.12 (s, 3H)。参考例3
(2−{4−[(アセチルオキシ)メチル]フェニル}−5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル)酢酸・メチルエステル
【0280】
【化55】
Figure 2004026679
【0281】
4−ブロモ−3−オキソペンタン酸・メチルエステル(6.0 g)および参考例2で製造した化合物(11.05 g)を100℃で5時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物をジオキサンで希釈した。希釈液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1→2:1)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(2.18 g)を得た。
TLC : Rf 0.62 (ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
NMR (CDCl) : δ 7.98 (d, J=8.6Hz, 2H), 7.40 (d, J=8.6Hz, 2H), 5.13 (s,2H), 3.73 (s, 3H), 3.57 ( s, 2H), 2.36 (s, 3H), 2.12 (s, 3H)。参考例4
{2−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル}酢酸・メチルエステル
【0282】
【化56】
Figure 2004026679
【0283】
参考例3で製造した化合物(1.00 g)にメタノール(40 mL)を加えた後、炭酸カリウム(455 mg)を加え、1時間撹拌した。反応混合物に1N塩酸を加えて酸性にした後、濃縮した。残渣を酢酸エチルで希釈した。希釈液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(769 mg)を得た。
TLC : Rf 0.27 (ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
NMR (CDCl) : δ 7.97 (d, J=8.1Hz, 2H), 7.41 (d, J=8.1Hz, 2H), 4.73 (s,2H), 3.73 (s, 3H), 3.58 (s, 2H), 2.36 (s, 3H)。参考例5
{2−[4−({[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル}酢酸・メチルエステル
【0284】
【化57】
Figure 2004026679
【0285】
参考例4で製造した化合物(757 mg)のジメチルホルムアミド(3 mL)溶液に、室温でt−ブチルジメチルシリルクロライド(660 mg)およびイミダゾール(600 mg)を加え、1時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(958 mg)を得た。
TLC : Rf 0.82 (ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
NMR (CDCl) : δ 7.95 (d, J=8.1Hz, 2H), 7.37 (d, J=8.1Hz, 2H), 4.77 (s,2H), 3.73 (s, 3H), 3.57 (s, 2H), 2.36 (s, 3H), 0.94 (s, 9H), 0.10 (s, 6H)。
参考例6
2−{2−[4−({[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル}エタノール
【0286】
【化58】
Figure 2004026679
【0287】
氷冷下、水素化リチウムアルミニウム(195 mg)のテトラヒドロフラン(10 mL)懸濁液に参考例5で製造した化合物(954.3 mg)のテトラヒドロフラン(10 mL)溶液を滴下し、室温で30分間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルを加えた後、メタノールを加え、15分間撹拌した。酒石酸水素ナトリウム(2.0 g)の水溶液(30 mL)に、上記反応液を注いだ後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(879 mg)を得た。
TLC : Rf 0.35 (ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
NMR (CDCl) : δ 7.94 (d, J=8.4Hz, 2H), 7.38 (d, J=8.4Hz, 2H), 4.77 (s,2H), 3.92 (t, J=5.6Hz, 2H), 2.72 (t, J=5.6Hz, 2H), 2.33 (s, 3H), 0.94 (s, 9H), 0.10 (s, 6H)。
参考例7
2−{2−[4−({[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル}エチルトシラート
【0288】
【化59】
Figure 2004026679
【0289】
参考例6で製造した化合物(870 mg)のアセトニトリル(6 mL)溶液に、トリエチルアミン(0.6 mL)およびトシルクロライド(550 mg)を加え、室温で19時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した。希釈液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(1.22 g)を得た。
TLC : Rf 0.40 (ヘキサン:酢酸エチル=4:1);
NMR (CDCl) : δ 7.83 (d, J=8.4Hz, 2H), 7.66 (d, J=8.1Hz, 2H), 7.37 (d,J=8.4Hz, 2H), 7.17 (d, J=8.1Hz, 2H), 4.77 (s, 2H), 4.30 (t, J=6.4Hz, 2H), 2.81 (t, J=6.4Hz, 2H), 2.29 (s, 3H), 2.21 (s, 3H), 0.94 (s, 9H), 0.10
(s, 6H)。
参考例8
3−(5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸
【0290】
【化60】
Figure 2004026679
【0291】
3−(5−メトキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸(195.4 g;公知化合物(J. Chem. Soc. Perkin Trans. I., 1739−1742 (1987))参照)およびピリジン・塩酸塩(777 g)の混合物を180℃で6時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を氷水および2N塩酸で希釈した。水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を1N塩酸および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物を得た。得られた化合物はさらに精製することなく、次の反応に用いた。
TLC : Rf 0.40 (クロロホルム:メタノール=10:1)。
参考例9
3−(5−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸・エチルエステル
【0292】
【化61】
Figure 2004026679
【0293】
参考例8で製造した化合物のエタノール(1.5 L)溶液に濃硫酸(4.3 mL)を加え、1.5時間還流した。室温まで冷却後、反応混合物を濃縮した。残渣を氷水で希釈した。水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1→4:1)で精製した。得られた粗製物を混合溶媒(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で再結晶し、下記物性値を有する標題化合物(105 g)を得た。
TLC Rf 0.40 (ヘキサン:酢酸エチル=4:1);
NMR (CDCl) : δ 7.07 (dd, J = 7.8, 7.8 Hz, 1H), 6.89 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.69 (m, 1H), 5.89 (tt, J = 4.5, 1.5 Hz, 1H), 4.85 (s, 1H), 4.14 (q,J = 7.2 Hz, 2H), 2.77 (m, 2H), 2.70 (t, J = 8.1 Hz, 2H), 2.56−2.49 (m, 2H), 2.30−2.20 (m, 2H), 1.26 (t, J = 7.2 Hz, 3H)。
参考例10
3−[5−(2−{2−[4−({[t−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}メチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル}エトキシ)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル]プロパン酸・エチルエステル
【0294】
【化62】
Figure 2004026679
【0295】
参考例7で製造した化合物(1.20 g)のアセトニトリル(10 mL)溶液に参考例9で製造した化合物(602 mg)を加えた後、リン酸カリウム(940 mg;無水物)を加え、80℃で6時間撹拌した。室温まで冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→3:1)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(639 mg)を得た。
TLC : Rf 0.42 (ヘキサン:酢酸エチル=4:1);
NMR (CDCl) : δ 7.94 (d, J=8.4Hz, 2H), 7.37 (d, J=8.4Hz, 2H), 7.13 (t,J=7.8Hz, 1H), 6.89 (d, J=7.8Hz, 1H), 6.80 (d, J=7.8Hz, 1H), 5.86 (t, J=4.6Hz, 1H), 4.77 (s, 2H), 4.25 (t, J=6.5Hz, 2H), 4.12 (q, J=7.0Hz, 2H), 2.99 (t, J=6.5Hz, 2H), 2.84−2.62 (m, 4H), 2.58−2.44 (m, 2H), 2.36 (s, 3H), 2.26−2.10 (m, 2H), 1.24 (t, J=7.0Hz, 3H), 0.94 (s, 9H), 0.10 (s, 6H)。
実施例1
3−[5−(2−{2−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル}エトキシ)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル]プロパン酸・エチルエステル
【0296】
【化63】
Figure 2004026679
【0297】
参考例10で製造した化合物(905 mg)にテトラヒドロフラン(4 mL)、酢酸(12 mL)および水(4 mL)を加え、室温で23時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで希釈した。希釈液を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)で精製し、下記物性値を有する本発明化合物(563 mg)を得た。
TLC : Rf 0.38 (ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
NMR (CDCl) : δ 7.96 (d, J=8.1Hz, 2H), 7.42 (d, J=8.1Hz, 2H), 7.13 (t,J=7.8Hz, 1H), 6.89 (d, J=7.8Hz, 1H), 6.80 (d, J=7.8Hz, 1H), 5.86 (t, J=4.6Hz, 1H), 4.73 (s, 2H), 4.25 (t, J=6.6Hz, 2H), 4.12 (q, J=7.0Hz, 2H), 2.99 (t, J=6.6Hz, 2H), 2.84−2.60 (m, 4H), 2.57−2.40 (m, 2H), 2.37 (s, 3H), 2.26−2.10 (m, 2H), 1.24 (t, J=7.0Hz, 3H)。
実施例2
3−[5−(2−{2−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル}エトキシ)−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル]プロパン酸
【0298】
【化64】
Figure 2004026679
【0299】
実施例1で製造した化合物(556 mg)にエタノール(5 mL)およびテトラヒドロフラン(5 mL)を加えた後、2N水酸化ナトリウム水溶液(1.8 mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物に1N塩酸を加えた後、水を加えた。析出した結晶をろ別した。結晶を水で洗浄した後、40℃で18時間減圧乾燥することにより、下記物性値を有する本発明化合物(470 mg)を得た。
TLC : Rf 0.64 (酢酸エチル);
NMR (DMSO−d) : δ 12.20−11.95 (br, 1H), 7.86 (d, J=7.4Hz, 2H), 7.42 (d, J=7.4Hz, 2H), 7.14 (t, J=8.4Hz, 1H), 6.90 (d, J=8.4Hz, 1H), 6.86 (d, J=8.4Hz, 1H), 5.90−5.80 (m, 1H), 5.40−5.20 (br, 1H), 4.53 (s, 2H), 4.20 (t, J=6.2Hz, 2H), 2.92 (t, J=6.2Hz, 2H), 2.68−2.50 (m, 4H), 2.44−2.35 (m,2H), 2.34 (s, 3H), 2.18−2.00 (m, 2H)。
参考例11
2−{2−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル}エタノール
【0300】
【化65】
Figure 2004026679
【0301】
参考例6で製造した化合物(370 mg)のテトラヒドロフラン(5 mL)溶液に、1.0Mフッ化テトラブチルアンモニウム/テトラヒドロフラン溶液(2.0 mL)を加え、室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:3→酢酸エチル:メタノール=10:1)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(242 mg)を得た。
TLC : Rf 0.38 (酢酸エチル);
NMR (CDCl) : δ 1.82 (t, J=5.8 Hz, 2 H), 2.32 (s, 3 H), 2.70 (m, 2 H),3.19 (t, J=5.8 Hz, 1 H), 3.91 (q, J=5.8 Hz, 1 H), 4.73 (d, J=5.5 Hz, 2 H), 7.41 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 7.94 (d, J=8.4 Hz, 2 H)。
参考例12
2−[2−(4−ホルミルフェニル)−5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル]エタノール
【0302】
【化66】
Figure 2004026679
【0303】
参考例11で製造した化合物(232 mg)の塩化メチレン(10 mL)およびアセトン(5 mL)混合溶液に二酸化マンガン(0.87 g)を加えて、室温で3時間撹拌した。反応混合物をセライトでろ過した。ろ液を濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(183 mg)を得た。
TLC : Rf 0.55 (酢酸エチル)
NMR (CDCl) : δ 2.37 (s, 3 H), 2.75 (t, J=5.8 Hz, 2 H), 2.95 (t, J=5.8Hz, 1 H), 3.94 (q, J=5.8 Hz, 2 H), 7.94 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 8.13 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 10.05 (s, 1 H)。
参考例13
2−[2−(4−メトキシカルボニルフェニル)−5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル]エタノール
【0304】
【化67】
Figure 2004026679
【0305】
参考例12で製造した化合物(330 mg)のメタノール(23 mL)溶液にシアン化カリウム(0.52 g)および二酸化マンガン(1.25 mg)を加えて、室温で3時間撹拌した。反応混合物をセライトでろ過した。ろ液を水(150 mL)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(293 mg)を得た。
TLC : Rf 0.52 (ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
NMR (CDCl) : δ 2.35 (s, 3 H), 2.73 (t, J=5.5 Hz, 2 H), 3.03 (t, J=6.0Hz, 1 H), 3.93 (m, 5 H), 8.03 (d, J=8.8 Hz, 2 H), 8.09 (d, J=8.8 Hz, 2 H)。
実施例3
3−(5−{2−[2−(4−ホルミルフェニル)−5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸・エチルエステル
【0306】
【化68】
Figure 2004026679
【0307】
アルゴンガス雰囲気下、参考例9で製造した化合物(160 mg)の塩化メチレン(3.5 mL)溶液に、参考例12で製造した化合物(182 mg)、トリフェニルホスフィン(255 mg)および1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(245 mg)を加えて、室温で84時間撹拌した。反応混合物にメチル t−ブチル エーテル(5 mL)を加えて不溶物をろ過した。ろ液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1→2:1)で精製し、下記物性値をを有する本発明化合物(183 mg)を得た。
TLC : Rf 0.49 (ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
NMR (CDCl) : δ 1.24 (t, J=7.0 Hz, 3 H), 2.18 (m, 2 H), 2.40 (s, 3 H),2.50 (m, 2 H), 2.72 (m, 4 H), 3.01 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 4.13 (q, J=7.0 Hz, 2 H), 4.27 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 5.87 (t, J=4.6 Hz, 1 H), 6.80 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 6.90 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 7.13 (t, J=8.0 Hz, 1 H), 7.94 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 8.14 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 10.04 (s, 1 H)。
実施例3(1)
3−(5−{2−[2−(4−メトキシカルボニルフェニル)−5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸・エチルエステル
【0308】
【化69】
Figure 2004026679
【0309】
参考例12で製造した化合物の代わりに参考例13で製造した化合物を用いて、実施例3と同様の操作に付すことにより、下記物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC : Rf 0.51 (ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
NMR (CDCl) : δ 1.17 (t, J=7.3 Hz, 3 H), 2.11 (m, 2 H), 2.32 (s, 3 H),2.43 (m, 2 H), 2.65 (m, 4 H), 2.93 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 3.87 (s, 3 H), 4.06 (q, J=7.3 Hz, 2 H), 4.19 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 5.80 (t, J=4.4 Hz, 1 H), 6.73 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 6.83 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 7.06 (t, J=8.1 Hz, 1H), 7.97 (d, J=8.8 Hz, 2 H), 8.03 (d, J=8.8 Hz, 2 H)。
実施例4
3−(5−{2−[2−(4−ホルミルフェニル)−5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸
【0310】
【化70】
Figure 2004026679
【0311】
実施例3で製造した化合物(180 mg)のテトラヒドロフラン(1 mL)およびメタノール(1 mL)混合溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(1 mL)を加えて、室温で1時間撹拌した。反応混合物に2N塩酸(1 mL)を加えた。析出した結晶をろ別した。析出物を水で洗浄後、減圧下乾燥し、下記物性値を有する本発明化合物(149 mg)を得た。
TLC : Rf 0.51 (クロロホルム:メタノール=10:1);
NMR (DMSO−d) : δ 2.08 (m, 2 H), 2.35 (m, 5 H), 2.58 (m, 4 H), 2.96 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 4.22 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 5.84 (t, J=4.6 Hz, 1 H), 6.86(d, J=8.1 Hz, 1 H), 6.91 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 7.14 (t, J=8.1 Hz, 1 H), 8.01 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 8.10 (d, J=8.4 Hz, 2 H), 10.04 (s, 1 H), 12.07 (brs, 1 H)。
実施例4(1)
3−(5−{2−[2−(4−カルボキシフェニル)−5−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル]エトキシ}−3,4−ジヒドロナフタレン−1−イル)プロパン酸
【0312】
【化71】
Figure 2004026679
【0313】
実施例3(1)で製造した化合物(395 mg)のテトラヒドロフラン(7.5 mL)およびメタノール(2.5 mL)混合溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液(2.5 mL)を加えて、室温で1時間撹拌した。反応混合物に2N塩酸(3 mL)を加えた。析出した結晶をろ別した。析出物を水で洗浄後、減圧下乾燥し、下記物性値を有する本発明化合物(291 mg)を得た。
TLC : Rf 0.58 (クロロホルム:メタノール=4:1);
NMR (DMSO−d) : δ 2.08 (m, 2 H), 2.36 (m, 5 H), 2.58 (m, 4 H), 2.94 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 4.21 (t, J=6.4 Hz, 2 H), 5.84 (t, J=4.6 Hz, 1 H), 6.86(d, J=8.0 Hz, 1 H), 6.90 (d, J=8.0 Hz, 1 H), 7.13 (t, J=8.0 Hz, 1 H), 7.99 (d, J=8.8 Hz, 2 H), 8.04 (d, J=8.8 Hz, 2 H), 12.59 (brs, 2 H)。
【製剤例】
製剤例1
以下の各成分を常法により混合した後打錠して、一錠中に50mgの活性成分を含有する錠剤100錠を得た。
・3−[5−(2−{2−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5−メチル
−1,3−オキサゾール−4−イル}エトキシ)−3,4−ジヒドロナフタレン
−1−イル]プロパン酸                 ・・・・・5.0g
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤)      ・・・・・0.2g
・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤)            ・・・・・0.1g
・微結晶セルロース                     ・・・・・4.7g
製剤例2
以下の各成分を常法により混合した後、溶液を常法により滅菌し、5mlずつアンプルに充填し、常法により凍結乾燥し、1アンプル中20mgの活性成分を含有するアンプル100本を得た。
・3−[5−(2−{2−[4−(ヒドロキシメチル)フェニル]−5−メチル
−1,3−オキサゾール−4−イル}エトキシ)−3,4−ジヒドロナフタレン
−1−イル]プロパン酸                ・・・・・2.0g
・マンニトール                      ・・・・・20g
・蒸留水                         ・・・・1000ml
【0314】
【配列表】
Figure 2004026679
Figure 2004026679

Claims (1)

  1. 一般式(I)
    Figure 2004026679
    (式中、
    Xは1)単結合、または2)C1〜4アルキレン基を表わし、
    Yは1)−O−基、または2)−S−基を表わし、
    ZはC1〜4アルキレン基を表わし、
    Aは1)−O−基、または2)−S−基を表わし、
    は1)COOR基、2)CONH基、3)CONHOH基、4)CHOH基、5)ホルミル基、6)1H−テトラゾール−5−イル基、または7)3,5−ジオキソイソオキサゾリジン−4−イル基を表わし、
    は1)水素原子、または2)C1〜8アルキル基を表わし、
    およびRはそれぞれ独立して、1)水素原子、2)C1〜8アルキル基、3)C1〜8アルコキシ基、または4)フェニル基で置換されたC1〜8アルコキシ基を表わし、
    は1)水素原子、または2)C1〜8アルキル基を表わし、
    DはD、またはDを表わし、

    Figure 2004026679
    を表わし、
    ring1は一部または全部が飽和されていてもよいC3〜10の単環または二環式炭素環アリールを表わし、

    Figure 2004026679
    を表わし、
    ring2は酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜10員の単環または二環式ヘテロ環アリールを表わし、
    は1)水酸基、2)COOR基、3)ホルミル基、4)C2〜8アシルオキシ基、5)メルカプト基、6)1〜2個のRで置換されたC1〜8アルキル基、または7)アミノ基を表わし、
    は1)水素原子、2)C1〜8アルキル基、3)ニトロ基、4)NR1011基、5)ハロゲン原子、6)C1〜8アルコキシ基、7)C1〜8アルキルチオ基、8)CF基、9)CFO基、10)一部または全部が飽和されていてもよいC3〜10の単環または二環式炭素環アリール、11)酸素原子、窒素原子または硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜10員の単環または二環式ヘテロ環アリール、12)水酸基、13)COOR基、14)ホルミル基、15)C2〜8アシルオキシ基、16)メルカプト基、または17)1〜2個のRで置換されたC1〜8アルキル基を表わし、
    は1)水酸基、2)COOR基、3)ホルミル基、4)C2〜8アシルオキシ基、5)メルカプト基、6)NR1011基、または7)C1〜8アルコキシ基を表わし、
    は1)水素原子、またはC1〜8アルキル基を表わし、
    10およびR11はそれぞれ独立して、1)水素原子、または2)C1〜8アルキル基を表わし、
    mは1〜2を表わす。)
    で示されるジヒドロナフタレン誘導体、またはそれらの非毒性塩。
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