JP2004025495A - インクジェット用インクセットならびにインクジェット記録方法 - Google Patents

インクジェット用インクセットならびにインクジェット記録方法 Download PDF

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    • C09D11/40Ink-sets specially adapted for multi-colour inkjet printing

Abstract

【課題】高湿条件下でも画像のにじみを起こしにくいインクジェット用インクからなるインクセット及びインクジェット記録方法を提供すること。
【解決手段】無色インクを含む少なくとも4種のインクからなるインクセットにおいて、少なくとも1つのインクにベタイン化合物を含有することを特徴とするインクセット。前記インクセットを使用して、インクジェットプリンターにより画像記録を行うインクジェット記録方法
【選択図】  なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高湿条件下における画像の耐久性に優れたインクセットならびにインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピューターの普及に伴い、インクジェットプリンターがオフィスだけでなく家庭で紙、フィルム、布等に印字するために広く利用されている。
インクジェット記録方法には、ピエゾ素子により圧力を加えて液滴を吐出させる方式、熱によりインク中に気泡を発生させて液滴を吐出させる方式、超音波を用いた方式、あるいは静電力により液滴を吸引吐出させる方式がある。これらのインクジェット記録用インク組成物としては、水性インク、油性インク、あるいは固体(溶融型)インクが用いられる。これらのインクのうち、製造、取り扱い性・臭気・安全性等の点から水性インクが主流となっている。
【0003】
これらのインクジェット記録用インクに用いられる着色剤に対しては、溶剤に対する溶解性が高いこと、高濃度記録が可能であること、色相が良好であること、光、熱、空気、水や薬品に対する堅牢性に優れていること、受像材料に対して定着性が良く滲みにくいこと、インクとしての保存性に優れていること、毒性がないこと、純度が高いこと、さらには、安価に入手できることが要求されている。しかしながら、これらの要求を高いレベルで満たす着色剤を捜し求めることは、極めて難しい。既にインクジェット用として様々な染料や顔料が提案され、実際に使用されているが、未だに全ての要求を満足する着色剤は、発見されていないのが現状である。カラーインデックス(C.I.)番号が付与されているような、従来からよく知られている染料や顔料では、インクジェット記録用インクに要求される色相や堅牢性とを両立させることは難しい。これまで、良好な色相を有し、堅牢な染料について検討を進め、インクジェット用着色剤として優れたものの開発を進めてきた。しかしながら水溶性染料という化合物には必ず水溶性基が置換している。インクの安定性を向上させるためにこの水溶性基の数を増加させると、形成された画像が高湿条件下でにじみやすいという問題があることがわかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、高湿条件下でも画像のにじみを起こしにくいインクジェット用インクからなるインクセット及びインクジェット記録方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、下記1)〜3)のインクジェット用インクからなるインクセット及びインクジェット記録方法によって達成された。
1)無色インクを含む少なくとも4種のインクからなるインクセットにおいて、少なくとも1つのインクにベタイン化合物を含有することを特徴とするインクセット。
2)ベタイン化合物が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする上記1)記載のインクセット。
一般式(1)
【0006】
【化2】
Figure 2004025495
【0007】
式中、R〜Rはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、それぞれが互いに連結して環状構造を形成してもよい。Lは2価の連結基を表す。R〜RもしくはL中の少なくとも1つに、炭素数8以上40以下の基を含有する。
3)上記1)または2)記載のインクセットを使用して、インクジェットプリンターにより画像記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のインクジェット用インクセットは、無色インクを含む少なくとも4種のインクのうち少なくとも1つにベタイン化合物を含有するという特徴を有する。ただしベタイン化合物の中でも、前掲の一般式(1)で表される化合物を本発明では好ましく用いる。
式中、R〜Rはアルキル基(好ましくは炭素数1ないし20の基である。例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、セチル基、ステアリル基、オレイル基など)、アリール基(好ましくは炭素数6ないし20の基である。例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、クミル基、ドデシルフェニル基など)、ヘテロ環基(好ましくは炭素数2ないし20の基である。例えばピリジル基、キノリル基など)を表し、それぞれが互いに連結して環状構造を形成してもよい。この中で特に好ましくはアルキル基である。
【0009】
Lは2価の連結基を表す。この例としては、アルキレン基、アリーレン基を基本的な構成単位として含む2価の連結基が好ましい。連結主鎖部に酸素原子、硫黄原子、窒素原子などのヘテロ原子を含有してもよい。
〜RもしくはLには種々の置換基が置換可能である。例えばアルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニル等が挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニル等が挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル等が挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜12、特に好ましくは炭素数0〜6であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ等が挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、2−ナフチルオキシ等が挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイル等が挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等が挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等が挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等が挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオ等が挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオ等が挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル等が挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニル等が挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイド等が挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミド等が挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含むものであり具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニル等が挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されても良い。また置換基が二つ以上ある場合は、同一でも異なっていても良い。また、可能な場合には互いに連結して環を形成していても良い。また、R〜RもしくはLを介して、ベタイン構造が複数含まれていてもよい。
【0010】
〜RもしくはL中の少なくとも1つに、炭素数8以上40以下の基を含有する。中でも特に、R〜Rに長鎖アルキル基が含有されるものが好ましい。
【0011】
以下に、ベタイン化合物として好ましい例を列挙するが、本発明はもちろんこれによって限定されるものではない。
【0012】
【化3】
Figure 2004025495
【0013】
【化4】
Figure 2004025495
【0014】
【化5】
Figure 2004025495
【0015】
本発明に用いるベタイン化合物はインク中に0.01〜20質量パーセント、好ましくは0.1〜10質量パーセント、さらに好ましくは0.5〜5質量パーセント含有される。
【0016】
本発明はベタイン化合物を用いることにより、印字したインクの滲みを防止することができる。
【0017】
本発明のインクセットに使用する着色インクは、染料を水もしくは有機溶媒に溶解してなるインクである。中でも水溶性染料による水溶液タイプのインクであることが好ましい。またインクセット中、ベタイン化合物を有するインクは何色のものであってもよく、特に色を有さない無色インクをベタイン化合物のために用意してもよい。本発明は、インクセットの全てのインクにベタイン化合物を含むことが好ましい。
無色インクとは、インクに白乃至黒色も含む色素がないことを意味する。この無色インクは、ベタイン化合物を含まない有色インクの印字の上に重ねて印字することにより有色インクのにじみを抑制することができる。また、被記録物の素地の色の効果を有効に利用することができる。
【0018】
本発明のインクセットのインク(以下、本発明のインクともいう)に用いることができる染料の例としては以下を挙げることができる。
【0019】
イエロー染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類、ピラゾロン類、ピリドン類、開鎖型活性メチレン化合物類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分として開鎖型活性メチレン化合物類を有するアゾメチン染料;例えばベンジリデン染料やモノメチンオキソノール染料等のようなメチン染料;例えばナフトキノン染料、アントラキノン染料等のようなキノン系染料などがあり、これ以外の染料種としてはキノフタロン染料、ニトロ・ニトロソ染料、アクリジン染料、アクリジノン染料等を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてイエローを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
【0020】
マゼンタ染料としては、例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカップリング成分としてピラゾロン類、ピラゾロトリアゾール類を有するアゾメチン染料;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、メロシアニン染料、オキソノール染料のようなメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料、例えばナフトキノン、アントラキノン、アントラピリドンなどのようなキノン系染料、例えばジオキサジン染料等のような縮合多環系色素等を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてマゼンタを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
【0021】
シアン染料としては、例えばインドアニリン染料、インドフェノール染料のようなアゾメチン染料;シアニン染料、オキソノール染料、メロシアニン染料のようなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料のようなカルボニウム染料;フタロシアニン染料;アントラキノン染料;例えばカップリング成分としてフェノール類、ナフトール類、アニリン類を有するアリールもしくはヘテリルアゾ染料、インジゴ・チオインジゴ染料を挙げることができる。これらの染料は、クロモフォアの一部が解離して初めてシアンを呈するものであってもよく、その場合のカウンターカチオンはアルカリ金属や、アンモニウムのような無機のカチオンであってもよいし、ピリジニウム、4級アンモニウム塩のような有機のカチオンであってもよく、さらにはそれらを部分構造に有するポリマーカチオンであってもよい。
また、ポリアゾ染料などのブラック染料も使用することができる。
【0022】
また、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料等の水溶性染料を併用することもできる。なかでも好ましいものとしては、
C.I. ダイレクトレッド2、4、9、23、26、31、39、62、63、72、75、76、79、80、81、83、84、89、92、95、111、173、184、207、211、212、214、218、21、223、224、225、226、227、232、233、240、241、242、243、247
C.I. ダイレクトバイオレット7、9、47、48、51、66、90、93、94、95、98、100、101
C.I. ダイレクトイエロー8、9、11、12、27、28、29、33、35、39、41、44、50、53、58、59、68、86、87、93、95、96、98、100、106、108、109、110、130、132、142、144、161、163
C.I. ダイレクトブルー1、10、15、22、25、55、67、68、71、76、77、78、80、84、86、87、90、98、106、108、109、151、156、158、159、160、168、189、192、193、194、199、200、201、202、203、207、211、213、214、218、225、229、236、237、244、248、249、251、252、264、270、280、288、289、291
C.I. ダイレクトブラック9、17、19、22、32、51、56、62、69、77、80、91、94、97、108、112、113、114、117、118、121、122、125、132、146、154、166、168、173、199
C.I. アシッドレッド35、42、52、57、62、80、82、111、114、118、119、127、128、131、143、151、154、158、249、254、257、261、263、266、289、299、301、305、336、337、361、396、397
C.I. アシッドバイオレット5、34、43、47、48、90、103、126
C.I. アシッドイエロー17、19、23、25、39、40、42、44、49、50、61、64、76、79、110、127、135、143、151、159、169、174、190、195、196、197、199、218、219、222、227
C.I. アシッドブルー9、25、40、41、62、72、76、78、80、82、92、106、112、113、120、127:1、129、138、143、175、181、205、207、220、221、230、232、247、258、260、264、271、277、278、279、280、288、290、326
C.I. アシッドブラック7、24、29、48、52:1、172
C.I. リアクティブレッド3、13、17、19、21、22、23、24、29、35、37、40、41、43、45、49、55
C.I. リアクティブバイオレット1、3、4、5、6、7、8、9、16、17、22、23、24、26、27、33、34
C.I. リアクティブイエロー2、3、13、14、15、17、18、23、24、25、26、27、29、35、37、41、42
C.I. リアクティブブルー2、3、5、8、10、13、14、15、17、18、19、21、25、26、27、28、29、38
C.I. リアクティブブラック4、5、8、14、21、23、26、31、32、34
C.I. ベーシックレッド12、13、14、15、18、22、23、24、25、27、29、35、36、38、39、45、46
C.I. ベーシックバイオレット1、2、3、7、10、15、16、20、21、25、27、28、35、37、39、40、48
C.I. ベーシックイエロー1、2、4、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、39、40
C.I. ベーシックブルー1、3、5、7、9、22、26、41、45、46、47、54、57、60、62、65、66、69、71
C.I. ベーシックブラック8、等が挙げられる。
【0023】
さらに、顔料を併用することもできる。
本発明のインクに用いることのできる顔料としては、市販のものの他、各種文献に記載されている公知のものが利用できる。文献に関してはカラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists編)、「改訂新版顔料便覧」日本顔料技術協会編(1989年刊)、「最新顔料応用技術」CMC出版(1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版(1984年刊)、W. Herbst, K. Hunger共著によるIndustrial Organic Pigments (VCH Verlagsgesellschaft、1993年刊)等がある。具体的には、有機顔料ではアゾ顔料(アゾレーキ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料)、多環式顔料(フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等)、染付けレーキ顔料(酸性または塩基性染料のレーキ顔料)、アジン顔料等があり、無機顔料では、黄色顔料のC. I. Pigment Yellow 34, 37, 42, 53など、赤系顔料のC. I. Pigment Red 101, 108など、青系顔料のC. I. Pigment Blue 27, 29,17:1など、黒系顔料のC. I. Pigment Black 7,マグネタイトなど、白系顔料のC. I. Pigment White 4,6,18,21などを挙げることができる。
【0024】
画像形成用に好ましい色調を持つ顔料としては、青ないしシアン顔料ではフタロシアニン顔料、アントラキノン系のインダントロン顔料(たとえばC. I. Pigment Blue 60など)、染め付けレーキ顔料系のトリアリールカルボニウム顔料が好ましく、特にフタロシアニン顔料(好ましい例としては、C. I. Pigment Blue15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:6などの銅フタロシアニン、モノクロロないし低塩素化銅フタロシアニン、アルニウムフタロシアニンでは欧州特許860475号に記載の顔料、C. I. Pigment Blue 16である無金属フタロシアニン、中心金属がZn、Ni、Tiであるフタロシアニンなど、中でも好ましいものはC. I. Pigment Blue 15:3、同15:4、アルミニウムフタロシアニン)が最も好ましい。
【0025】
赤ないし紫色の顔料では、アゾ顔料(好ましい例としては、C. I. Pigment Red 3、同5、同11、同22、同38、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同49:1、同52:1、同53:1、同57:1、同63:2、同144、同146、同184)など、中でも好ましいものはC. I. Pigment Red 57:1、同146、同184)、キナクリドン系顔料(好ましい例としてはC. I. Pigment Red 122、同192、同202、同207、同209、C. I. Pigment Violet 19、同42、なかでも好ましいものはC. I. Pigment Red 122)、染め付けレーキ顔料系のトリアリールカルボニウム顔料(好ましい例としてはキサンテン系のC. I. Pigment Red 81:1、C. I. Pigment Violet 1、同2、同3、同27、同39)、ジオキサジン系顔料(例えばC. I. Pigment Violet 23、同37)、ジケトピロロピロール系顔料(例えばC. I. Pigment Red 254)、ペリレン顔料(例えばC. I. Pigment Violet 29)、アントラキノン系顔料(例えばC. I. Pigment Violet 5:1、同31、同33)、チオインジゴ系(例えばC. I. Pigment Red 38、同88)が好ましく用いられる。
【0026】
黄色顔料としては、アゾ顔料(好ましい例としてはモノアゾ顔料系のC. I. Pigment Yellow 1, 3, 74, 98、ジスアゾ顔料系のC. I. Pigment Yellow 12, 13, 14, 16, 17, 83、総合アゾ系のC. I. Pigment Yellow 93, 94, 95, 128, 155、ベンズイミダゾロン系のC. I. Pigment Yellow 120, 151, 154, 156, 180など、なかでも好ましいものはベンジジン系化合物を原料に使用しなもの)、イソインドリン・イソインドリノン系顔料(好ましい例としてはC. I. Pigment Yellow 109, 110, 137, 139など)、キノフタロン顔料(好ましい例としてはC. I. Pigment Yellow 138など)、フラパントロン顔料(例えばC. I. Pigment Yellow 24など)が好ましく用いられる。
【0027】
黒顔料としては、無機顔料(好ましくは例としてはカーボンブラック、マグネタイト)やアニリンブラックを好ましいものとして挙げることができる。
この他、オレンジ顔料(C. I. Pigment Orange 13, 16など)や緑顔料(C. I.Pigment Green 7など)を使用してもよい。
【0028】
本発明のインクに使用できる顔料は、上述の裸の顔料であってもよいし、表面処理を施された顔料でもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート、ジアゾニウム塩から生じるラジカルなど)を顔料表面に結合させる方法などが考えられ、次の文献や特許に記載されている。
▲1▼ 金属石鹸の性質と応用(幸書房)
▲2▼ 印刷インキ印刷(CMC出版 1984)
▲3▼ 最新顔料応用技術(CMC出版 1986)
▲4▼ 米国特許5,554,739号、同5,571,311号
▲5▼ 特開平9−151342号、同10−140065号、同10−292143号、同11−166145号
特に、上記▲4▼の米国特許に記載されたジアゾニウム塩をカーボンブラックに作用させて調製された自己分散性顔料や、上記▲5▼の日本特許に記載された方法で調製されたカプセル化顔料は、インク中に余分な分散剤を使用することなく分散安定性が得られるため特に有効である。
【0029】
本発明のインクおいては、顔料はさらに分散剤を用いて分散されていてもよい。分散剤は、用いる顔料に合わせて公知の種々のもの、例えば界面活性剤型の低分子分散剤や高分子型分散剤を用いることができる。分散剤の例としては特開平3−69949号、欧州特許549486号等に記載のものを挙げることができる。また、分散剤を使用する際に分散剤の顔料への吸着を促進するためにシナジストと呼ばれる顔料誘導体を添加してもよい。
本発明のインクに使用できる顔料の粒径は、分散後で0.01〜10μmの範囲であることが好ましく、0.05〜1μmであることが更に好ましい。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造時に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、縦型あるいは横型のアジテーターミル、アトライター、コロイドミル、ボールミル、3本ロールミル、パールミル、スーパーミル、インペラー、デスパーサー、KDミル、ダイナトロン、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986)に記載がある。
【0030】
本発明のインクは、水中に色素とベタイン化合物の少なくとも何れか一方を含む成分を溶解または分散させることによって作製することができる。本発明のインクは、色素及びベタイン化合物以外の成分を含むことができる。ここで、色素及びベタイン化合物以外の「成分」とは、水混和性有機溶剤などの溶剤、湿潤剤、安定剤、防腐剤等を意味する。
【0031】
本発明のインクを調液する際には、前記染料が水溶性の場合、まず水に溶解することが好ましい。そのあと、各種溶剤や添加物等の成分を添加し、溶解、混合して均一なインクとする。
このときの溶解方法としては、攪拌による溶解、超音波照射による溶解、振とうによる溶解等種々の方法が使用可能である。中でも特に攪拌法が好ましく使用される。攪拌を行う場合、当該分野では公知の流動攪拌や反転アジターやディゾルバを利用した剪断力を利用した攪拌など、種々の方式が利用可能である。一方では、磁気攪拌子のように、容器底面との剪断力を利用した攪拌法も好ましく利用できる。
【0032】
本発明のインクに界面活性剤を含有させ、インクの液物性を調整することで、インクの吐出安定性を向上させ、画像の耐水性の向上や印字したインクの滲みの防止などに優れた効果を持たせることができる。
界面活性剤としては、前記ベタイン化合物の他に、例えばドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルオキシスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、セチルピリジニウムクロライド、トリメチルセチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。中でも特にノニオン系界面活性剤やベタイン化合物が好ましく使用される。
【0033】
界面活性剤の含有量は本発明のインクに対して0.001〜15質量%、好ましくは0.005〜10質量%、更に好ましくは0.01〜5質量である。
【0034】
本発明において用いることができる水混和性有機溶剤の例には、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、グリコール誘導体(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングルコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングルコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレンイミン、テトラメチルプロピレンジアミン)およびその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、アセトニトリル、アセトン)が挙げられる。尚、前記水混和性有機溶剤は、2種類以上を併用してもよい。
【0035】
染料が油溶性染料の場合は、該油溶性染料を高沸点有機溶媒中に溶解させ、水性媒体中に乳化分散させることによって調製することができる。
本発明に用いられる高沸点有機溶媒の沸点は150℃以上であるが、好ましくは170℃以上である。
例えば、フタル酸エステル類(例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロへキシルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−tert−アミルフェニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプロピル)フタレート)、リン酸又はホスホンのエステル類(例えば、ジフェニルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、ジオクチルブチルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホスフェート)、安息香酸エステル酸(例えば、2−エチルヘキシルベンゾエート、2,4−ジクロロベンゾエート、ドデシルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート)、アミド類(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド)、アルコール類またはフェノール類(イソステアリルアルコール、2,4−ジ−tert−アミルフェノールなど)、脂肪族エステル類(例えば、コハク酸ジブトキシエチル、コハク酸ジ−2−エチルヘキシル、テトラデカン酸2−ヘキシルデシル、クエン酸トリブチル、ジエチルアゼレート、イソステアリルラクテート、トリオクチルシトレート)、アニリン誘導体(N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリンなど)、塩素化パラフィン類(塩素含有量10%〜80%のパラフィン類)、トリメシン酸エステル類(例えば、トリメシン酸トリブチル)、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン、フェノール類(例えば、2,4−ジ−tert−アミルフェノール、4−ドデシルオキシフェノール、4−ドデシルオキシカルボニルフェノール、4−(4−ドデシルオキシフェニルスルホニル)フェノール)、カルボン酸類(例えば、2−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ酪酸、2−エトキシオクタンデカン酸)、アルキルリン酸類(例えば、ジ−2(エチルヘキシル)リン酸、ジフェニルリン酸)などが挙げられる。高沸点有機溶媒は油溶性染料に対して質量比で0.01〜3倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用できる。
これらの高沸点有機溶媒は単独で使用しても、数種の混合〔例えばトリクレジルホスフェートとジブチルフタレート、トリオクチルホスフェートとジ(2−エチルヘキシル)セバケート、ジブチルフタレートとポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)〕で使用してもよい。
【0036】
本発明において用いられる高沸点有機溶媒の前記以外の化合物例及び/またはこれら高沸点有機溶媒の合成方法は例えば米国特許第2,322,027号、同第2,533,514号、同第2,772,163号、同第2,835,579号、同第3,594,171号、同第3,676,137号、同第3,689,271号、同第3,700,454号、同第3,748,141号、同第3,764,336号、同第3,765,897号、同第3,912,515号、同第3,936,303号、同第4,004,928号、同第4,080,209号、同第4,127,413号、同第4,193,802号、同第4,207,393号、同第4,220,711号、同第4,239,851号、同第4,278,757号、同第4,353,979号、同第4,363,873号、同第4,430,421号、同第4,430,422号、同第4,464,464号、同第4,483,918号、同第4,540,657号、同第4,684,606号、同第4,728,599号、同第4,745,049号、同第4,935,321号、同第5,013,639号、欧州特許第276,319A号、同第286,253A号、同第289,820A号、同第309,158A号、同第309,159A号、同第309,160A号、同第509,311A号、同第510,576A号、東独特許第147,009号、同第157,147号、同第159,573号、同第225,240A号、英国特許第2,091,124A号、特開昭48−47335号、同50−26530号、同51−25133号、同51−26036号、同51−27921号、同51−27922号、同51−149028号、同52−46816号、同53−1520号、同53−1521号、同53−15127号、同53−146622号、同54−91325号、同54−106228号、同54−118246号、同55−59464号、同56−64333号、同56−81836号、同59−204041号、同61−84641号、同62−118345号、同62−247364号、同63−167357号、同63−214744号、同63−301941号、同64−9452号、同64−9454号、同64−68745号、特開平1−101543号、同1−102454号、同2−792号、同2−4239号、同2−43541号、同4−29237号、同4−30165号、同4−232946号、同4−346338号等に記載されている。
上記高沸点有機溶媒は、油溶性染料に対し、質量比で0.01〜3.0倍量、好ましくは0.01〜1.0倍量で使用する。
【0037】
本発明では油溶性染料や高沸点有機溶媒は、水性媒体中に乳化分散して用いられることが好ましい。乳化分散の際、乳化性の観点から場合によっては低沸点有機溶媒を用いることができる。低沸点有機溶媒としては、常圧で沸点約30℃以上150℃以下の有機溶媒である。例えばエステル類(例えばエチルアセテート、ブチルアセテート、エチルプロピオネート、β−エトキシエチルアセテート、メチルセロソルブアセテート)、アルコール類(例えばイソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、セカンダリーブチルアルコール)、ケトン類(例えばメチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、アミド類(例えばジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン)等が好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。
【0038】
乳化分散は、高沸点有機溶媒と場合によっては低沸点有機溶媒の混合溶媒に染料を溶かした油相を、水を主体とした水相中に分散し、油相の微小油滴を作るために行われる。この際、水相、油相のいずれか又は両方に、後述する界面活性剤、湿潤剤、染料安定化剤、乳化安定剤、防腐剤、防黴剤等の成分を必要に応じて添加することができる。
乳化法としては水相中に油相を添加する方法が一般的であるが、油相中に水相を滴下して行く、いわゆる転相乳化法も好ましく用いることができる。なお、本発明に用いるアゾ染料が水溶性で、成分が油溶性の場合にも前記乳化法を適用し得る。
【0039】
乳化分散する際には、種々の界面活性剤を用いることができる。例えば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
【0040】
また、乳化直後の安定化を図る目的で、上記界面活性剤と併用して水溶性ポリマーを添加することもできる。水溶性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドやこれらの共重合体が好ましく用いられる。また多糖類、カゼイン、ゼラチン等の天然水溶性ポリマーを用いるのも好ましい。さらに染料分散物の安定化のためには実質的に水性媒体中に溶解しないアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニルエステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、オレフィン類、スチレン類、ビニルエーテル類、アクリロニトリル類の重合により得られるポリビニルやポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、ポリカーボネート等も併用することができる。これらのポリマーは−SO 、−COOを含有していること好ましい。これらの実質的に水性媒体中に溶解しないポリマーを併用する場合、高沸点有機溶媒の20質量%以下用いられることが好ましく、10質量%以下で用いられることがより好ましい。
【0041】
乳化分散により油溶性染料や高沸点有機溶媒を分散させて水性インクとする場合、特に重要なのはその粒子サイズのコントロールである。インクジェットにより画像を形成した際の、色純度や濃度を高めるには平均粒子サイズを小さくすることが必須である。体積平均粒径で好ましくは1μm以下、より好ましくは5〜100nmである。
前記分散粒子の体積平均粒径および粒度分布の測定方法には静的光散乱法、動的光散乱法、遠心沈降法のほか、実験化学講座第4版の417〜418ページに記載されている方法を用いるなど、公知の方法で容易に測定することができる。例えば、インク中の粒子濃度が0.1〜1質量%になるように蒸留水で希釈して、市販の体積平均粒径測定機(例えば、マイクロトラックUPA(日機装(株)製))で容易に測定できる。更に、レーザードップラー効果を利用した動的光散乱法は、小サイズまで粒径測定が可能であり特に好ましい。
体積平均粒径とは粒子体積で重み付けした平均粒径であり、粒子の集合において、個々の粒子の直径にその粒子の体積を乗じたものの総和を粒子の総体積で割ったものである。体積平均粒径については「高分子ラテックスの化学(室井 宗一著 高分子刊行会)」の119ページに記載がある。
【0042】
また、粗大粒子の存在も印刷性能に非常に大きな役割を示すことが明らかになった。即ち、粗大粒子がヘッドのノズルを詰まらせる、あるいは詰まらないまでも汚れを形成することによってインクの不吐出や吐出のヨレを生じ、印刷性能に重大な影響を与えることが分かった。これを防止するためには、インクにした時にインク1μl中で5μm以上の粒子を10個以下、1μm以上の粒子を1000個以下に抑えることが重要である。
これらの粗大粒子を除去する方法としては、公知の遠心分離法、精密濾過法等を用いることができる。これらの分離手段は乳化分散直後に行ってもよいし、乳化分散物に湿潤剤や界面活性剤等の各種成分を加えた後、インクカートリッジに充填する直前でもよい。
平均粒子サイズを小さくし、且つ粗大粒子を無くす有効な手段として、機械的な乳化装置を用いることができる。
【0043】
乳化装置としては、簡単なスターラーやインペラー撹拌方式、インライン撹拌方式、コロイドミル等のミル方式、超音波方式など公知の装置を用いることができるが、高圧ホモジナイザーの使用は特に好ましいものである。
高圧ホモジナイザーは、US−4533254号、特開平6−47264号等に詳細な機構が記載されているが、市販の装置としては、ゴーリンホモジナイザー(A.P.V GAULIN INC.)、マイクロフルイダイザー(MICROFLUIDEX INC.)、アルティマイザー(株式会社スギノマシン)等がある。
また、近年になってUS−5720551号に記載されているような、超高圧ジェット流内で微粒子化する機構を備えた高圧ホモジナイザーは本発明の乳化分散に特に有効である。この超高圧ジェット流を用いた乳化装置の例として、DeBEE2000(BEE INTERNATIONAL LTD.)があげられる。
【0044】
高圧乳化分散装置で乳化する際の圧力は50MPa以上であり、好ましくは60MPa以上、更に好ましくは180MPa以上である。
例えば、撹拌乳化機で乳化した後、高圧ホモジナイザーを通す等の方法で2種以上の乳化装置を併用するのは特に好ましい方法である。また、一度これらの乳化装置で乳化分散した後、湿潤剤や界面活性剤等の成分を添加した後、カートリッジにインクを充填する間に再度高圧ホモジナイザーを通過させる方法も好ましい方法である。
高沸点有機溶媒に加えて低沸点有機溶媒を含む場合、乳化物の安定性及び安全衛生上の観点から低沸点溶媒を除去するのが好ましい。低沸点溶媒を除去する方法は溶媒の種類に応じて各種の公知の方法を用いることができる。即ち、蒸発法、真空蒸発法、限外濾過法等である。この低沸点有機溶剤の除去工程は乳化直後、できるだけ速やかに行うのが好ましい。
【0045】
なお、インクジェット用インクの調製方法については、特開平5−148436号、同5−295312号、同7−97541号、同7−82515号、同7−118584号の各公報に詳細が記載されていて、本発明のインクの調製にも利用できる。
【0046】
本発明のインクには、インクに種々の機能を付与するための機能性成分を含有させることができる。例えば、機能性成分としては、インクの噴射口での乾操による目詰まりを防止するための乾燥防止剤、インクを紙によりよく浸透させるための浸透促進剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、分散剤、分散安定剤、防黴剤、防錆剤、pH調整剤、消泡剤、キレート剤等が挙げられ、本発明のインクは、これらを適宜選択して適量使用することができる。これら機能性成分は一種の化合物で一つ又は二つ以上の機能を発揮し得るものも含む。従って、以下の機能性成分の配合割合において、機能が重複する場合の機能性成分の取り扱いは、その化合物を各機能性成分に独立に算入させるものとする。これら機能性成分は本発明のインクに必須に含まれるベタイン化合物であってもよいし、油溶性染料等を含む場合は、有機溶媒であってもよい。
【0047】
本発明に使用される乾燥防止剤としては水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。具体的な例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体が挙げられる。これらのうちグリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールがより好ましい。また上記の乾燥防止剤は単独で用いてもよいし2種以上併用してもよい。これらの乾燥防止剤は本発明のインク中に10〜50質量%含有することが好ましい。
【0048】
本発明に使用される浸透促進剤としてはエタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジ(トリ)エチレングリコールモノブチルエーテル、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等を用いることができる。これらは本発明のインク中に10〜30質量%含有すれば充分な効果があり、印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさない添加量の範囲で使用するのが好ましい。
【0049】
本発明で画像の保存性を向上させるために使用される紫外線吸収剤としては特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンゾオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤も用いることができる。
【0050】
本発明では、画像の保存性を向上させるために使用される酸化防止剤として、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、複素環類などがあり、金属錯体としてはニッケル錯体、亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのIないしJ項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
【0051】
本発明に使用される防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンおよびその塩等が挙げられる。これらは本発明のインク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
尚、これらの詳細については「防菌防黴剤事典」(日本防菌防黴学会事典編集委員会編)等に記載されている。
また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらは、本発明のインク中に0.02〜5.00質量%使用するのが好ましい。
【0052】
本発明に使用されるpH調整剤はpH調節、分散安定性付与などの点で好適に使用することができ、25℃でのインクのpHが8〜11に調整されていることが好ましい。pHが8未満である場合は染料の溶解性が低下してノズルが詰まりやすく、11を超えると耐水性が劣化する傾向がある。pH調製剤としては、塩基性のものとして有機塩基、無機アルカリ等が、酸性のものとして有機酸、無機酸等が挙げられる。
塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水素ナトリウムなどの無機化合物やアンモニア水、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ピペリジン、ジアザビシクロオクタン、ジアザビシクロウンデセン、ピリジン、キノリン、ピコリン、ルチジン、コリジン等の有機塩基を使用することも可能である。
酸性化合物としては、塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、リン酸2水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム等の無機化合物や、酢酸、酒石酸、安息香酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サッカリン酸、フタル酸、ピコリン酸、キノリン酸等の有機化合物を使用することもできる。
【0053】
本発明のインクの伝導度は0.01〜10S/mの範囲である。中でも好ましい範囲は伝導度が0.05〜5S/mの範囲である。
伝導度の測定方法は、市販の飽和塩化カリウムを用いた電極法により測定可能である。
伝導度は主に水系溶液中のイオン濃度によってコントロール可能である。塩濃度が高い場合、限外濾過膜などを用いて脱塩することができる。また、塩等を加えて伝導度調節する場合、種々の有機物塩や無機物塩を添加することにより調節することができる。
無機物塩としては、ハロゲン化物カリウム、ハロゲン化物ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸1水素ナトリウム、ホウ酸、リン酸2水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム等の無機化合物や、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酒石酸カリウム、酒石酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、p−トルエンスルホン酸ナトリウム、サッカリン酸カリウム、フタル酸カリウム、ピコリン酸ナトリウム等の有機化合物を使用することもできる。
また、後述される水性媒体の成分を選定することによっても伝導度を調整し得る。
【0054】
本発明のインクの粘度は、25℃において1〜20mPa・sであることが好ましい。更に好ましくは2〜15mPa・sであり、特に好ましくは2〜10mPa・sである。30mPa・sを超えると記録画像の定着速度が遅くなり、吐出性能も低下する。1mPa・s未満では、記録画像がにじむために品位が低下する。
粘度の調製はインク溶剤の添加量で任意に調製可能である。インク溶剤として例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエタノールアミン、2−ピロリドン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルなどがある。
また、粘度調整剤を使用してもよい。粘度調整剤としては、例えば、セルロース類、ポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーやノニオン系界面活性剤等が挙げられる。更に詳しくは、「粘度調製技術」(技術情報協会、1999年)第9章、及び「インクジェットプリンター用ケミカルズ(98増補)−材料の開発動向・展望調査−」(シーエムシー、1997年)162〜174頁に記載されている。
【0055】
液体の粘度測定法はJISのZ8803に詳細に記載されているが、市販品の粘度計にて簡便に測定することができる。例えば、回転式では東京計器のB型粘度計、E型粘度計がある。本発明では山一電機の振動式VM−100A−L型により25℃にて測定した。粘度の単位はパスカル秒(Pa・s)であるが、通常はミリパスカル秒(mPa・s)を用いる。
【0056】
本発明で用いるインクの表面張力は動的・静的表面張力のいずれも、25℃において20〜50mN/mであることが好ましく、20〜40mN/mであることが更に好ましい。表面張力が50mN/mを超えると吐出安定性、混色時のにじみ、ひげ等印字品質が著しく低下する。また、インクの表面張力を20mN/m以下にすると吐出時、ハード表面へのインクの付着等により印字不良となる場合がある。
表面張力を調整する目的で、前記カチオン、アニオン、ノニオン系並びにベタイン化合物の各種界面活性剤を添加することができる。また、界面活性剤は2種以上を併用することができる。
【0057】
静的表面張力測定法としては、毛細管上昇法、滴下法、吊環法等が知られているが、本発明においては、静的表面張力測定法として、垂直板法を用いている。ガラスまたは白金の薄い板を液体中に一部分浸して垂直に吊るすと、液体と板との接する長さに沿って液体の表面張力が下向きに働く。この力を上向きの力で釣り合わせて表面張力を測定することが出来る。
【0058】
また、動的表面張力測定法としては、例えば、「新実験化学講座、第18巻、界面とコロイド」[(株)丸善、p.69〜90(1977)]に記載されるように、振動ジェット法、メニスカス落下法、最大泡圧法などが知られており、さらに、特開平3−2064号公報に記載されるような液膜破壊法が知られているが、本発明においては、動的表面張力測定法として、バブルプレッシャー差圧法を用いている。以下、その測定原理と方法について説明する。
【0059】
撹拌して均一となった溶液中で気泡を生成すると、新たな気−液界面が生成され、溶液中の界面活性剤分子が水の表面に一定速度で集まってくる。バブルレート(気泡の生成速度)を変化させたとき、生成速度が遅くなれば、より多くの界面活性剤分子が泡の表面に集まってくるため、泡がはじける直前の最大泡圧が小さくなり、バブルレートに対する最大泡圧(表面張力)が検出出来る。好ましい動的表面張力測定としては、大小二本のプローブを用いて溶液中で気泡を生成させ、二本のプローブの最大泡圧状態での差圧を測定し、動的表面張力を算出する方法を挙げることができる。
【0060】
本発明のインク中における不揮発性成分は、インクの全量の10〜70質量%であることがインクの吐出安定性やプリント画質、画像の各種堅牢性や印字後の画像の滲みと印字面のべたつき低減の点で好ましく、20〜60質量%であることがインクの吐出安定性や印字後の画像の滲みの低減の点でさらに好ましい。
ここで、不揮発性成分とは、1気圧のもとでの沸点が150℃以上の液体や固体成分、高分子量成分を意味する。インクジェット用インクの不揮発性成分は、染料、高沸点溶媒、必要により添加されるポリマーラテックス、界面活性剤、染料安定化剤、防黴剤、緩衝剤などであり、これら不揮発性成分の多くは、染料安定化剤以外ではインクの分散安定性を低下させ、また印字後にもインクジェット受像紙上に存在するため、受像紙での染料の会合による安定化を阻害し、画像部の各種堅牢性や高湿度条件下での画像の滲みを悪化させる性質を有している。
【0061】
本発明においては高分子量化合物を含有することも可能である。ここで高分子量化合物とは、インク中に含まれている数平均分子量が5000以上のすべての高分子化合物を指す。これらの高分子化合物としては水性媒体中に実質的に溶解する水溶性高分子化合物や、ポリマーラテックス、ポリマーエマルジョンなどの水分散性高分子化合物、さらには補助溶剤として使用する多価アルコールに溶解するアルコール可溶性高分子化合物などが挙げられるが、実質的にインク液中に均一に溶解又は分散するものであれば、いずれも本発明における高分子量化合物に含まれる。
【0062】
水溶性高分子化合物の具体例としては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、多糖類、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチンなどの天然水溶性高分子、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドやこれらの共重合体などの水性アクリル樹脂、水性アルキッド樹脂,分子内に−SO 、−COO基を有し、実質的に水性媒体中に溶解する水溶性高分子化合物が挙げられる。また、ポリマーラテックスとしては、スチレン−ブタジエンラテックス、スチレン−アクリルラテックスやポリウレタンラテックスなどが挙げられる。さらに、ポリマーエマルジョンとしては、アクリルエマルジョンなどが挙げられる。
これらの水溶性高分子化合物は単独でも2種以上併用して用いることもできる。
【0063】
水溶性高分子化合物は、すでに述べたように粘度調整剤として、吐出特性の良好な粘度領域にインクの粘度を調節するために使用されるが,その添加量が多いとインクの粘度が高くなってインク液の吐出安定性が低下し、インクが経時したときに沈殿物によってノズルがつまり易くなる。
粘度調整剤の高分子化合物の添加量は、添加する化合物の分子量にもよるが(高分子量のものほど添加量は少なくて済む)、本発明のインク全量に対して添加量を通常、0〜5質量%、好ましくは0〜3質量%、より好ましくは0〜1質量%とする。
【0064】
また本発明では分散剤、分散安定剤として上述のカチオン、アニオン、ノニオン系並びにベタイン化合物の各種界面活性剤、消泡剤としてフッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も必要に応じて使用することができる。
【0065】
本発明のインクに用いられる記録紙及び記録フィルムについて説明する。記録紙及び記録フィルムにおける支持体はLBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等からなり、必要に応じて従来の公知の顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造されたもの等が使用可能である。支持体としては、これらの支持体の他に合成紙、プラスチックフィルムシートのいずれであってもよく、支持体の厚みは10〜250μm、坪量は10〜250g/mが望ましい。
支持体にそのまま受像層及びバックコート層を設けて本発明のインクの受像材料としてもよいし、デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズプレスやアンカーコート層を設けた後、受像層及びバックコート層を設けて受像材料としてもよい。さらに支持体には、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置により平坦化処理を行ってもよい。
支持体としては、両面をポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブテンおよびそれらのコポリマー)やポリエチレンテレフタレートでラミネートした紙およびプラスチックフイルムがより好ましく用いられる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例、酸化チタン、酸化亜鉛)または色味付け染料(例、コバルトブルー、群青、酸化ネオジウム)を添加することが好ましい。
【0066】
支持体上に設けられる受像層には、多孔質材料や水性バインダーが含有される。また、受像層には顔料を含むのが好ましく、顔料としては、白色顔料が好ましい。白色顔料としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等の無機白色顔料、スチレン系ピグメント、アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。特に好ましくは、多孔性の白色無機顔料がよく、特に細孔面積が大きい合成非晶質シリカ等が好適である。合成非晶質シリカは、乾式製造法(気相法)によって得られる無水珪酸及び湿式製造法によって得られる含水珪酸のいずれも使用可能である。
【0067】
上記顔料を受像層に含有する記録紙としては、具体的には、特開平10−81064号、同10−119423、同10−157277、同10−217601、同11−348409、特開2001−138621、同2000−43401、同2000−211235、同2000−309157、同2001−96897、同2001−138627、特開平11−91242、同8−2087、同8−2090、同8−2091、同8−2093、同8−174992、同11−192777、特開2001−301314などに開示されたものを用いることができる。
【0068】
受像層に含有される水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド誘導体等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。これらの水性バインダーは単独または2種以上併用して用いることができる。これらの中でも特にポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールが顔料に対する付着性、インク受容層の耐剥離性の点で好適である。
【0069】
受像層は、顔料及び水性バインダーの他に媒染剤、耐水化剤、耐光性向上剤、耐ガス性向上剤、界面活性剤、硬膜剤その他の添加剤を含有することができる。
【0070】
受像層中に添加する媒染剤は、不動化されていることが好ましい。そのためには、ポリマー媒染剤が好ましく用いられる。
ポリマー媒染剤については、特開昭48−28325号、同54−74430号、同54−124726号、同55−22766号、同55−142339号、同60−23850号、同60−23851号、同60−23852号、同60−23853号、同60−57836号、同60−60643号、同60−118834号、同60−122940号、同60−122941号、同60−122942号、同60−235134号、特開平1−161236号の各公報、米国特許2484430号、同2548564号、同3148061号、同3309690号、同4115124号、同4124386号、同4193800号、同4273853号、同4282305号、同4450224号の各明細書に記載がある。特開平1−161236号公報の212〜215頁に記載のポリマー媒染剤を含有する受像材料が特に好ましい。同公報記載のポリマー媒染剤を用いると、優れた画質の画像が得られ、かつ画像の耐光性が改善される。
【0071】
耐水化剤は、画像の耐水化に有効であり、これらの耐水化剤としては、特にカチオン樹脂が望ましい。このようなカチオン樹脂としては、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、ポリエチレンイミン、ポリアミンスルホン、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物、カチオンポリアクリルアミド等が挙げられる。これらのカチオン樹脂の含有量は、インク受容層の全固形分に対して1〜15質量%が好ましく、特に3〜10質量%であることが好ましい。
【0072】
耐光性向上剤、耐ガス性向上剤としては、フェノール化合物、ヒンダードフェノール化合物、チオエーテル化合物、チオ尿素化合物、チオシアン酸化合物、アミン化合物、ヒンダードアミン化合物、TEMPO化合物、ヒドラジン化合物、ヒドラジド化合物、アミジン化合物、ビニル基含有化合物、エステル化合物、アミド化合物、エーテル化合物、アルコール化合物、スルフィン酸化合物、糖類、水溶性還元性化合物、有機酸、無機酸、ヒドロキシ基含有有機酸、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアジン化合物、ヘテロ環化合物、水溶性金属塩、有機金属化合物、金属錯体等があげられる。
これらの具体的な化合物例としては、特開平10−182621号、特開2001−260519号、特開2000−260519号、特公平4−34953号、特公平4−34513号、特公平4−34512号、特開平11−170686号、特開昭60−67190号、特開平7−276808号、特開2000−94829号、特表平8−512258号、特開平11−321090号等に記載のものがあげられる。
【0073】
界面活性剤は、塗布助剤、剥離性改良剤、スベリ性改良剤あるいは帯電防止剤として機能する。界面活性剤については、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載がある。
界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物の例には、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)および固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれる。有機フルオロ化合物については、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭61−20994号、同62−135826号の各公報に記載がある。
【0074】
硬膜剤としては特開平1−161236号公報の222頁、特開平9−263036号、特開平10−119423号、特開2001−310547号に記載されている材料などを用いることができる。
【0075】
その他の受像層に添加される添加剤としては、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、pH調整剤、マット剤、硬膜剤等が挙げられる。尚、インク受容層は1層でも2層でもよい。
【0076】
記録紙及び記録フィルムには、バックコート層を設けることもでき、この層に添加可能な成分としては、白色顔料、水性バインダー、その他の成分が挙げられる。
バックコート層に含有される白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料等が挙げられる。
【0077】
バックコート層に含有される水性バインダーとしては、スチレン/マレイン酸塩共重合体、スチレン/アクリル酸塩共重合体、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、デンプン、カチオン化デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、スチレンブタジエンラテックス、アクリルエマルジョン等の水分散性高分子等が挙げられる。バックコート層に含有されるその他の成分としては、消泡剤、抑泡剤、染料、蛍光増白剤、防腐剤、耐水化剤等が挙げられる。
【0078】
インクジェット記録紙及び記録フィルムの構成層(バック層を含む)には、ポリマー微粒子分散物を添加してもよい。ポリマー微粒子分散物は、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のひび割れ防止のような膜物性改良の目的で使用される。ポリマー微粒子分散物については、特開昭62−245258号、同62−136648号、同62−110066号の各公報に記載がある。ガラス転移温度が低い(40℃以下の)ポリマー微粒子分散物を媒染剤を含む層に添加すると、層のひび割れやカールを防止することができる。また、ガラス転移温度が高いポリマー微粒子分散物をバック層に添加しても、カールを防止できる。
【0079】
本発明のインクに適用されるインクジェットの記録方式に制限はなく、公知の方式例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット)方式等に用いられる。
インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
【0080】
本発明のインクは、インクジェット記録以外の用途に使用することもできる。例えば、ディスプレイ画像用材料、室内装飾材料の画像形成材料および屋外装飾材料の画像形成材料などに使用が可能である。
【0081】
ディスプレイ画像用材料としては、ポスター、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、商業宣伝用チラシ、包装紙、ラッピング材料、紙袋、ビニール袋、パッケージ材料、看板、交通機関(自動車、バス、電車など)の側面に描画や添付した画像、ロゴ入りの洋服、等各種の物を指す。本発明のインクをディスプレイ画像の形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
【0082】
室内装飾材料としては、壁紙、装飾小物(置物や人形など)、照明器具の部材、家具の部材、床や天井のデザイン部材等各種の物を指す。本発明のインクを画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像の他、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
【0083】
屋外装飾材料としては、壁材、ルーフィング材、看板、ガーデニング材料屋外装飾小物(置物や人形など)、屋外照明器具の部材等各種の物を指す。本発明のインクを画像形成材料とする場合、その画像とは狭義の画像ののみならず、抽象的なデザイン、文字、幾何学的なパターンなど、人間が認知可能な染料によるパターンをすべて含む。
【0084】
以上のような用途において、パターンが形成されるメディアとしては、紙、繊維、布(不織布も含む)、プラスチック、金属、セラミックス等種々の物を挙げることができる。染色形態としては、媒染、捺染、もしくは反応性基を導入した反応性染料の形で色素を固定化することもできる。この中で、好ましくは媒染形態で染色されることが好ましい。
【0085】
本発明のインクの製造において、染料などの添加物の溶解工程等に音波振動を加えることもできる。
音波振動とは、本発明のインクが記録ヘッドで加えられる圧力によって気泡を発生することを防止するため、記録ヘッドで受けるエネルギーと同等かそれ以上の音波エネルギーを予め本発明のインクの製造工程中に加えて気泡を除去しておくものである。
音波振動は、通常、振動数20kHz以上、好ましくは40kHz以上、より好ましくは50kHzの超音波である。また音波振動により液に加えられるエネルギーは、通常、2×10J/m以上、好ましくは5×10J/m以上、より好ましくは1×10J/m以上である。また、音波振動の付与時間としては、通常、10分〜1時間程度である。
音波振動を加える工程は、染料を媒体に投入以降であれば何時行っても効果を示す。完成後の本発明のインクを一旦保存した後に音波振動を加えても効果を示す。しかし、染料を媒体中に溶解及び/又は分散する際に音波振動を付加することが、気泡除去の効果がより大きく、尚且つ音波振動により色素の媒体への溶解及び/又は分散が促進されるので好ましい。
即ち、上記少なくとも音波振動を加える工程は、染料を媒体中に溶解及び/又は分散する工程中でもその工程後であってもいずれの場合にも行うことができる。換言すれば、上記少なくとも音波振動を加える工程は、インク調製後に製品となるまでの間に任意に1回以上行うことができる。
実施の形態としては媒体中に溶解及び/又は分散する工程は、前記染料を全媒体の一部分の媒体に溶解する工程と、残余の媒体を混合する工程とを有することが好ましく、上記少なくともいずれかの工程に音波振動を加えることが好ましく、染料を全媒体の一部分の媒体に溶解する工程に少なくとも音波振動を加えることが更に好ましい。
上記残余の溶媒を混合する工程は、単独工程でも複数工程でもよい。
また、本発明のインクの製造に加熱脱気あるいは減圧脱気を併用することは、インク中の気泡除去の効果を上げるので好ましい。加熱脱気工程あるいは減圧脱気工程は、残余の媒体を混合する工程と同時またはその後に実施することが好ましい。
音波振動を加える工程における、音波振動発生手段としては、超音波分散機等の公知の装置が挙げられる。
【0086】
本発明のインクを作製する際には、さらに調液した後に行われる、濾過により固形分であるゴミを除く工程が重要である。この作業には濾過フィルターを使用するが、このときの濾過フィルターとは、有効径が1μm以下、好ましくは0.3μm以下0.05μm以上、特に好ましくは0.3μm以下0.25μm以上のフィルターを用いる。フィルターの材質としては種々のものが使用できるが、特に水溶性染料のインクの場合には、水系の溶媒用に作製されたフィルターを用いるのが好ましい。中でも特にゴミの出にくい、ポリマー材料で作製されたフィルターを用いるのが好ましい。濾過法としては送液によりフィルターを通過させてもよいし、加圧濾過、減圧濾過のいずれの方法も利用可能である。
この濾過後には溶液中に空気を取り込むことが多い。この空気に起因する泡もインクジェット記録において画像の乱れの原因となることが多いため、前述の脱泡工程を別途設けることが好ましい。脱泡の方法としては、濾過後の溶液を静置してもよいし、市販の装置などを用いた超音波脱泡や減圧脱泡等種々の方法が利用可能である。
これらの作業は、作業時におけるゴミの混入を防ぐため、クリーンルームもしくはクリーンベンチなどのスペースを利用して行うことが好ましい。本発明では特にクリーン度としてクラス1000以下のスペースにおいてこの作業を行うことが好ましい。ここで「クリーン度」とは、ダストカウンターにより測定される値を指す。
【0087】
本発明のインクの記録材料上への打滴体積は通常、0.1pl以上100pl以下である。打滴体積の好ましい範囲は0.5pl以上50pl以下であり、特に好ましい範囲は2pl以上50pl以下である。
【0088】
本発明のインクは、インクジェットプリンターにより画像記録を行うことができる。
本発明のインクを用いるインクジェットの記録方法に制限はなく、公知の方法、例えば静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット方式、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット)方式等に用いられる。
インクジェット記録方法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。インクの打滴体積の制御は主にプリントヘッドにより行われる。
【0089】
例えばサーマルインクジェット方式の場合、プリントヘッドの構造で打滴体積を制御することが可能である。すなわち、インク室、加熱部、ノズルの大きさを変えることにより、所望のサイズで打滴することができる。またサーマルインクジェット方式であっても、加熱部やノズルの大きさが異なる複数のプリントヘッドを持たせることで、複数サイズの打滴を実現することも可能である。
ピエゾ素子を用いたドロップオンデマンド方式の場合、サーマルインクジェット方式と同様にプリントヘッドの構造上打滴体積を変えることも可能であるが、後述するようにピエゾ素子を駆動する駆動信号の波形を制御することにより、同じ構造のプリントヘッドで複数のサイズの打滴を行うことができる。
【0090】
本発明のインクを、記録材料へ打滴するときの吐出周波数は1kHz以上であることが好ましい。
写真のように、高画質の画像を記録するためには、小さいインク滴で鮮鋭度の高い画像を再現するため、打滴密度を600dpi(1インチあたりのドット数)以上とする必要がある。
一方、本発明のインクを複数のノズルを有するヘッドで打滴するにあたり、記録紙とヘッドが互いに直交する方向に移動して記録するタイプでは同時に駆動できるヘッドの数は数十から200程度であり、ラインヘッドと呼ばれるヘッドが固定されたタイプでも数百であるという制約がある。これは駆動電力に制約があることや、ヘッドでの発熱が画像に影響を及ぼすため、多数のヘッドノズルを同時に駆動できないためである。
ここで駆動周波数を高くすることにより、記録速度を上げることが可能である。
打滴周波数を制御するには、サーマルインクジェット方式の場合、ヘッドを加熱するヘッド駆動信号の周波数を制御することで可能である。
ピエゾ方式の場合、ピエゾを駆動する信号の周波数を制御することで可能である。
ピエゾヘッドの駆動に関して説明する。プリントすべき画像信号はプリンター制御部により、打滴サイズ、打滴速度、打滴周波数が決定され、プリントヘッドを駆動する信号が作成される。駆動信号はプリントヘッドに供給される。ピエゾを駆動する信号により打滴サイズ、打滴速度、打滴周波数が制御される。ここで打滴サイズと打滴速度は駆動波形の形状と振幅で決定され、周波数は信号の繰返し周期で決定される。
この打滴周波数を10kHzに設定すると、100マイクロ秒ごとにヘッドは駆動され、400マイクロ秒で1ラインの記録が終了する。記録紙の移動速度を400マイクロ秒に1/600インチすなわち約42ミクロン移動するように設定することにより、1.2秒に1枚の速度でプリントすることが出来る。
【0091】
本発明のインクが用いられる印刷装置の構成、プリンターの構成に関しては、たとえば特開平11−170527に開示されるような様態が好適である。また、インクカートリッジに関しては、たとえば特開平5−229133に開示されるものが好適である。吸引およびその際に印字ヘッドを覆うキャップ等の構成に関しては、たとえば特開平7−276671に開示されるものが好適である。また、ヘッド近傍には特開平9−277552に開示されるような気泡を排除するためのフィルタを備えることが好適である。
また、ノズルの表面は特願2001−016738に記載されるような撥水処理を施すことが好適である。用途としては、コンピューターと接続されるプリンターであってもよいし、写真をプリントすることに特化した装置であってもよい。
本発明のインクを用いたインクジェット記録方法は、本発明のインクを、記録材料へ打滴するときの平均打滴速度が通常、2m/sec以上、好ましくは5m/sec以上である。
打滴速度を制御するには、ヘッドを駆動する波形の形状と振幅を制御することにより行う。
また複数の駆動波形を使い分けることにより、同じヘッドで複数のサイズの打滴を行うことができる。
【0092】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
下記の成分に脱イオン水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してライトマゼンタ用インク液 LM−101を調製した。
Figure 2004025495
【0093】
【化6】
Figure 2004025495
【0094】
さらに上記処方でマゼンタ色素(MD−1)を23gに増量したマゼンタ用インク液 M−101を調製した。
Figure 2004025495
【0095】
LM−101とM−101に対して、下記の通りに添加物を加えた以外は全く同じ組成のインクLM−102〜108、M−102〜108をそれぞれ作製した。
【0096】
【表1】
Figure 2004025495
【0097】
POEP−1:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(PEO鎖:平均30)
POEN−1:ポリオキシエチレンナフチルエーテル(PEO鎖:平均50)
PEO鎖:エチレンオキシド重合数
【0098】
これらのインクをEPSON社製インクジェットプリンターPM−950Cのマゼンタインク・ライトマゼンタインクのカートリッジに装填し、その他の色のインクはPM−950Cのインクを用いて、マゼンタの単色画像を印字させた。受像シートは富士写真フイルム(株)製インクジェットペーパーフォト光沢紙EXに画像を印刷し、高湿条件下における画像堅牢性の評価を行った。
【0099】
(評価実験)
高湿条件下での画像のにじみについては、マゼンタ(M)の3cm×3cmの正方形パターンが4つそれぞれ1mmの白地隙間を形成するように「田」の字型に並んだ印字パターンを作製し、この画像サンプルを25℃90%RHの条件下、72時間保存後に白地隙間におけるマゼンタ染料のにじみを観察し、印字直後に対する白地のマゼンタ濃度増加がステータスAのマゼンタフィルターにおいて、0.01以下の場合をA、0.01〜0.05の場合をB、0.05以上の場合をCとした。
得られた結果を表2に示す。
【0100】
【表2】
Figure 2004025495
【0101】
表2の結果から、本発明のインクセットを使用した系ではMにじみの面で、すべての比較例に対して勝っていることがわかった。
【0102】
(実施例2)
下記の成分に脱イオン水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過してライトシアン用インク液(LC−101)を調製した。
Figure 2004025495
【0103】
さらに上記処方でシアン色素(CD−1)を68gに増量したシアン用インク液 C−101を調製した。
Figure 2004025495
【0104】
LC−101とC−101に対して、下記の通りに添加物を加えた以外は全く同じ組成のインクLC−102〜108、C−102〜108をそれぞれ作製し、表3に示した。
【0105】
【表3】
Figure 2004025495
【0106】
POEP−1:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(PEO鎖:平均30)
POEN−1:ポリオキシエチレンナフチルエーテル(PEO鎖:平均50)
【0107】
これらのインクをEPSON社製インクジェットプリンターPM−950Cのシアンインク・ライトシアンインクのカートリッジに装填し、実施例1と同様の評価を行った。
得られた結果を表4に示す。
【0108】
【表4】
Figure 2004025495
【0109】
表4の結果から、本発明のインクセットを使用した系ではシアン(C)のにじみの面ですべての比較例に対して勝っていることがわかった。
【0110】
(実施例3)
下記の成分に脱イオン水を加え1リッターとした後、30〜40℃で加熱しながら1時間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミクロフィルターで減圧濾過して色素を含まない無色インクを調製し、表5に示した。
【0111】
【表5】
Figure 2004025495
【0112】
これらのインクB−1〜5をEPSON社製インクジェットプリンターPM−950Cの黒インクのカートリッジに装填した。
実施例1におけるM−1,LM−1をマゼンタインクとして用いて、他のカラーインクはPM−950Cの純正インクを用いたインクセットを作製した。マゼンタインクにより実施例1と同様に「田」の字形の印字を行った後に、B−1〜5のインクを用いて、その部分にベタ印字を行った。
この画像サンプルを25℃90%RHの条件下、72時間保存後に白地隙間におけるマゼンタ染料のにじみを観察し、印字直後に対する白地のマゼンタ濃度増加がステータスAのマゼンタフィルターにおいて、0.01以下の場合をA、0.01〜0.05の場合をB、0.05以上の場合をCとした。
得られた結果を表6に示す。
【0113】
【表6】
Figure 2004025495
【0114】
表6の結果から、本発明のインクセットを使用した系ではマゼンタのにじみの面ですべての比較例に対して勝っていることがわかった。
【0115】
【発明の効果】
本発明のインクジェット用インクセットは、ベタイン化合物を含むことにより、インクのにじみを効果的に防止することができる。

Claims (3)

  1. 無色インクを含む少なくとも4種のインクからなるインクセットにおいて、少なくとも1つのインクにベタイン化合物を含有することを特徴とするインクセット。
  2. ベタイン化合物が下記一般式(1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1記載のインクセット。
    一般式(1)
    Figure 2004025495
    式中、R〜Rはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、それぞれが互いに連結して環状構造を形成してもよい。Lは2価の連結基を表す。R〜RもしくはL中の少なくとも1つに、炭素数8以上40以下の基を含有する。
  3. 請求項1または2記載のインクセットを使用して、インクジェットプリンターにより画像記録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
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