JP2004023440A - 経路制御方法及び装置、並びにコンピュータプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】重複リンクや重複ノードの少ない経路を作成、選択できる経路制御方法及び装置、並びにコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】複数のノード間で一時的に形成されるネットワークにおける経路制御方法であって、宛先ノードの発見要求を放送する過程と、発見要求に対する宛先ノードからの応答(RREP)を受信する過程(ステップS1)と、応答に含まれるジョイント数を参照して登録する過程(ステップS3、S5)と、応答を送信するリンク(帰還経路)が複数ある場合に、ジョイント数に1を加算して送信する過程(ステップS9)と、宛先ノードへデータを送信するリンクが複数ある場合に、登録されたジョイント数が小さい方のリンクを経路として選択する過程とを有する。
【選択図】  図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるマルチホップネットワーク等、複数のノード間で一時的に形成されるネットワークにおける、経路制御方法及び装置、並びにコンピュータプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
いわゆるマルチホップ(またはアド・ホック)ネットワークに関する研究開発が始まっている。このマルチホップネットワークは、ルータとしての機能をもつノードの集まりにより構成するネットワークであり、例えば、近距離通信可能な複数の端末間で一時的に形成され、Bluetoothと称される無線通信により情報家電が相互接続されるホームネットワークや、カンファレンス会場での一時的ネットワーク等が想定されている。
【0003】
ところで、図11に示すように、データの送信元ノードSと、宛先ノードDまでの間の経路は、データパケットの中継を行うノードN1〜N4の集合により提供される。この場合、例えばノードN1がこのネットワーク外に移動した場合、N1とSとの間のリンクが切断されるが、S−N3−N4−D間の経路は残っているので、こちらの経路を選択して迅速に経路修復を行うことができる。
【0004】
一方、図12に示すように、S−N1間のリンクが重複している場合、このリンクが切断されると、すべての経路が切断されることになり、経路修復ができなくなる。このようなことから、前記図11に示すような経路を作成するよう、経路制御を行うことが必要である。
【0005】
このようなことから、アドホックネットワークにおける経路制御として、DSR(Dynamic Source Routing)やAODV(Ad hoc On−demand Distance Vector Protocol)と呼ばれる手法がある。さらに、後者を拡張したAOMDV(Ad hoc On−demand Multipath Distance Vector Protocol)が提唱されている(M. K. Marina and S.R. Das, In Proceedings of the International Conference for Network protocol, Nov. 2001)。
【0006】
このAOMDV法は、前記図12のような重複リンクのない経路を複数作成するプロトコルである。AOMDVでの経路作成手順を図13を参照して説明する。まず、SはDを探索するためのメッセージ(RREQ)をブロードキャストする。このメッセージには、最初に受信したノードのアドレスを登録する領域があり、Sの送信時には非登録となっている。Sからメッセージを受信したN1及びN2は、自己が最初にこのメッセージを受信したノードであることを知り、上記領域にそれぞれ自己のアドレスを登録し、ブロードキャストする。ノードIは、N1、N2からのメッセージを重複して受信するが、最初に受信した方(図ではN1)のメッセージのみを取得してブロードキャストし、他は棄却する。以後、メッセージはそれぞれN3、N4を中継してDへ到達し、転送経路が得られる。Dは、メッセージを放送したノードN3、N4へ応答メッセージ(RREP)をユニキャストし、以後、ブロードキャストしたノードに対し、各ノードが応答をユニキャストすると、転送経路と逆の帰還経路が作成されるようになっている。
【0007】
AOMDV法の特徴は次の点にある。通常、ブロードキャストメッセージが重複受信されると、無条件で後からのメッセージが棄却されるが、AOMDV法では、受信ノード(I)がメッセージ中の上記アドレス登録領域を参照し、既に受信したメッセージ(N1)とアドレスが異なる場合は、帰還経路を更新する処理を行う(その送信元へRREPをユニキャストする)ようになっている。これにより、IはそれぞれN1、N2と別個のリンクを形成し、リンクが交差する中継ノードとなるので、結果として重複リンクのない経路が複数作成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した手法の場合、以下の問題がある。つまり、図14に示したように、ノードIに相当し、複数リンクが交差する中継ノードX,Yが複数存在すると、中継ノードX、Y間に重複リンクX−N3−Yが生じるという不具合がある。これは次の理由による。まず、ノードXは、RREQメッセージをN1とN2から受信するが、最初に受信したメッセージ(N1)のみをブロードキャストする。このメッセージはそれぞれN3、N4を介してノードYにブロードキャストされるが、Yでは、これらのアドレスが同一(N1)であることから、無条件で後からのメッセージを棄却する。その結果、棄却された方のN4を通る経路は形成されないため、上記重複リンクが生じることとなる。
【0009】
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたもので、アドホックネットワーク等、複数のノード間で一時的に形成されるネットワークにおいて、重複リンクや重複ノードの少ない経路を作成、選択可能な経路制御方法及び装置、並びにコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の経路制御方法は、複数のノード間で一時的に形成されるネットワークにおける経路制御方法であって、宛先ノードの発見要求を放送する過程と、前記発見要求に対する宛先ノードからの応答を受信する過程と、前記応答に含まれるジョイント数を参照して登録する過程と、当該応答を送信するリンクが複数ある場合に、前記ジョイント数に1を加算して送信する過程と、前記宛先ノードへデータを送信するリンクが複数ある場合に、前記登録されたジョイント数が小さい方のリンクを経路として選択する過程とを有することを特徴とする。
このようにすると、前記応答を送信するリンクが複数ある状況、つまり1つのノードに複数のリンクが繋がっている場合にジョイント数を増やすようにし、ジョイント数の少ない経路を選択するようにしたので、1つのノードに複数のリンクが繋がる経路を避け、重複リンクや重複ノードの少ない経路を作成、選択することができる。
【0011】
前記応答の受信後に別の応答を受信した場合に、当該別の応答に含まれるジョイント数が最初の応答に含まれるジョイント数より大きければ、前記登録したジョイント数を変更する過程をさらに有することが好ましい。
このようにすると、最も大きいジョイント数が応答を受信したノードに登録されるので、ネットワークの状態が正しくジョイント数に反映され、ジョイント数に基づく経路選択が正しく行える。
【0012】
リンク切断の旨を受信した場合に、前記宛先ノードへデータを送信するリンクが複数あれば、リンク切断の旨を発信しない制御を行うことが好ましい。
このようにすると、リンク切断の旨を受信したすべてのノードがさらにこれを発信し、ネットワークのトラフィック増や、各ノードでの無駄なデータ処理等を招く不具合が防止される。
【0013】
本発明の経路制御装置は、複数のノード間で一時的に形成されるネットワークにおいて経路を制御する装置であって、前記各ノードに設けられ、宛先ノードの発見要求を放送し、前記発見要求に対する宛先ノードからの応答を受信し、前記応答に含まれるジョイント数を参照して登録し、当該応答を送信するリンクが複数ある場合に、前記ジョイント数に1を加算して送信し、前記宛先ノードへデータを送信するリンクが複数ある場合に、前記登録されたジョイント数が小さい方のリンクを経路として選択することを特徴とする。
【0014】
本発明のコンピュータプログラムは、複数のノード間で一時的に形成されるネットワークにおいて経路を制御するためのものであって、宛先ノードの発見要求を放送する過程と、前記発見要求に対する宛先ノードからの応答を受信する過程と、前記応答に含まれるジョイント数を参照して登録する過程と、当該応答を送信するリンクが複数ある場合に、前記ジョイント数に1を加算して送信する過程と、前記宛先ノードへデータを送信するリンクが複数ある場合に、前記登録されたジョイント数が小さい方のリンクを経路として選択する過程とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について各図を参照して説明する。図1は、本発明が用いられる一時的ネットワークを形成するノード(端末)の構成ブロック図の一例である。なお、本発明においては、各ノードは、それぞれ送信元ノードS、宛先ノードD、(中継)ノードNになることができるものとする。
【0016】
この図において、各ノードは、全体を制御する制御部(経路制御装置)2、本発明で行う各種処理を記録したアプリケーション(コンピュータプログラム)4、所定のプロトコル制御を行うプロトコル部6、ルーティング機能を行うルーティング部8、無線通信アンテナ10aを介して他のノードと無線通信を行うための無線部10、経路制御のための各種情報を登録する経路制御テーブル12とを備える。
【0017】
図2は、宛先ノードの発見要求メッセージ(RREQ)のフォーマットを、図3はそれに対する応答メッセージ(RREP)のフォーマットを示す。図2において、RREQは、IPヘッダ、UDPヘッダ、及び本発明で用いるAODVMメッセージを含み、IPヘッダには、RREQの送信者のアドレス(Source IP アドレス)が記録されている。又、AODVMメッセージのDistination IP アドレスとOriginator IP アドレスは、それぞれ宛先(D)及び送信元(S)を特定するものである。このフォーマットは、従来のAODVで用いられるものと同一である。
【0018】
図3において、RREPは、IPヘッダ、UDPヘッダ、及びAODVMメッセージを含み、IPヘッダには、それぞれRREPの送受信者のアドレス(Source IP アドレス及びDistination IP アドレス)が記録されている。なお、AODVMメッセージにおいて、joint countフィールドを新たに設けたことが本発明の特徴であるが、これについては後述する。
【0019】
次に、上記RREQやRREPを受信したノードが行う経路制御の基本手順について、図4を参照して説明する。この図において、送信元ノードS、中継ノードNA、NB、宛先ノードDの間に経路が作成される場合を考える。まず、SはRREQを放送(ブロードキャスト)する。RREQは、NA、NBを順に径由してDへ到達する。このとき、NA、NBは、それぞれ自己の経路制御テーブル12A、12Bへ、「帰還経路」として以下の情報を登録する。この帰還経路は、Sへ戻るための経路であり、「Des(tination)」項目には「S」を、RREQをどのノードから受信したかを「Next hop」項目に登録する。RREQをどのノードから受信したかは、RREQのIPヘッダを参照する。
【0020】
一方、Dは、RREQを受信すると、RREQのIPヘッダから参照した送信元へRREPを送信(ユニキャスト)する。RREPは、NB、NAを順に径由してSへ到達する。このとき、NA、NBは、それぞれ自己の経路制御テーブル12A、12Bへ、「転送経路」として以下の情報を登録する。この転送経路は、Dへデータを送るための経路であり、「Des(tination)」項目には「D」を、RREPをどのノードから受信したかを「Next hop」項目に登録する。RREPをどのノードから受信したかは、RREPのIPヘッダを参照する。以上のようにして、帰還経路と転送経路が得られると、ノード間の経路が形成される。
【0021】
次に、実際のネットワークでの経路制御について説明する。図5は、各ノードにより形成されるネットワーク全体の構成を示す図である。この図において、ネットワークは、S、D,及び複数の中継ノードN10〜N16により形成される。各ノード間に形成されたリンク(無線通信網)を実線で示す。
【0022】
そして、このネットワークにおいて、SがRREQを放送したとすると、各ノードは受信したRREQを基にSへの経路(帰還経路)となるノードを自己の経路制御テーブルに記録する。図の矢印Sは、各ノードの帰還経路を表現したものであり、Sへの経路となるノードを矢印の方向で指している。RREQがDにまで放送されると、DはRREPを送信(ユニキャスト)する。RREPを受信した各ノードが既に作成済みの帰還経路を用いてSに向かって受信したRREPを転送することで、RREPはSにまで到着する。このとき、各ノードは受信したRREPを基にDへの経路(転送経路)となるノードを自己の経路制御テーブルに記録する。図の矢印Dは、各ノードの転送経路を表現したものであり、Dへの経路となるノードを矢印の方向で指している。このようにすると、図の例においては、各ノード間に必ず帰還経路および転送経路が作成されることになる。つまり、従来のAOMDV法のように、RREQ中のアドレス登録領域によっては後から来たRREQを破棄することがないので、ノード間に経路が作成されないため重複しない経路を作成することができなくなってしまうことがない。
【0023】
しかしながら、作成した経路を無作為に用いる場合、単純な複数経路が作成されることとなり、その中には重複リンクを含む経路が存在する。そこで、以下の処理を設けて、重複リンクを含まない経路を選択できるようにしている。
この処理においては、図6に示す手順(フロー)を各ノードが実行する。この図において、まず、各ノードN10〜N16はRREPを受信する(ステップS1)。RREPには前記図3に示すjoint count フィールドが設けられており、各ノードはその値(ジョイント数)を参照する(ステップS3)。ここで、ジョイント数は、宛先ノードDがRREPを最初に送信した時点では0に設定されている。各ノードは、参照した値(ジョイント数)を経路制御テーブルの転送経路毎に登録する(ステップS5)。
【0024】
次に、各ノードは、このRREPを送信すべき帰還経路が複数あるか否かを、自己の経路制御テーブルを参照して判断する(ステップS7)。ここでは、帰還経路における「Next hop」項目に複数のノードが登録されているかを判断する。ステップS7で「Yes」の場合、各ノードは、RREPのjoint count フィールドの値に1を加算して送信先(Next hop)のノードへ送信する(ステップS9)。一方、ステップS7で「No」の場合、各ノードは、もとの(参照した)値のままRREPを送信先のノードへ送信する(ステップS11)。
【0025】
図7及び図8は、前記図6の処理における各ノードの経路制御テーブルのデータを示す。図7、図8は、それぞれ前記図5のノードN16、N14の経路制御テーブルのデータである。
【0026】
図7において、N16はDから直接RREPを受信するので、RREPに含まれるジョイント数は0である。従って、転送経路(Dへの送信経路)の「joint count」フィールドに「0」を登録する。一方、N16の帰還経路はN13とN15の2つある。従って、上記ステップS7の判断は「Yes」となるので、N16は、ジョイント数を1とした(0に1を加算した)RREPをN13、N15にそれぞれ送信する。
【0027】
又、図8において、N14はN13、N15からそれぞれRREPを受信する。ここで、図9に示すように、N13から送信されるRREPのジョイント数は2、N15から送信されるRREPのジョイント数は1である。従って、転送経路(Dへの送信経路)のうち「next hop」がN13の「joint count」フィールドに「2」を登録し、「next hop」がN15の「joint count」フィールドに「1」を登録する。一方、N14の帰還経路は1つであり、上記ステップS7の判断は「No」となるので、N14は、もとのジョイント数を変えないRREPをSに送信する。
【0028】
ところで、ノードN14のように、転送経路が複数ある場合、次のような問題が生じる。つまり、帰還経路であるSにRREPを送信するノードが、転送経路の数だけ重複するので、Sは各ノードから受信したRREPに含まれるジョイント数のうち、どの値を自己の経路制御テーブルに登録すればよいかが問題となる。そこで、RREPの受信ノード(S)は、RREPを受信後に別のRREPを受信した場合、後から受信したRREP中のジョイント数が、既にテーブルに登録したジョイント数より大きければ、ジョイント数を変更するようにする。このようにすると、最も大きいジョイント数がRREPの受信ノードに登録されるので、ネットワークの状態が正しくジョイント数に反映され、ジョイント数に基づく経路選択が正しく行える。
【0029】
以上の処理により、図9に示すようにして、各ノードのテーブルに転送経路毎のジョイント数が登録される。なお、この図において、例えばSの転送経路としてN10、N14があるが、図中の矢印Dが転送経路を示し、その添え字(2)がジョイント数を示す。
【0030】
次に、上記図9のジョイント数を用いて経路を選択する方法について説明する。まず、Sは自己の経路制御テーブルを参照し、N10、N14の2つの転送経路のうち、ジョイント数が少ない方を用いて、宛先Dに送信するデータ(パケット)を転送する。ここでは、いずれの転送経路のジョイント数も同一値(2)であるので、Sは、ランダムに転送経路を決定する。図9では、転送経路▲1▼が選択されたものとする。
【0031】
次に、データを受信したN10は自己の経路制御テーブルを参照し、N11、N13の2つの転送経路のうち、ジョイント数が少ない方を用いてデータを転送する。ここでは、N11を中継する転送経路の方がジョイント数が少ないので、転送経路▲2▼が選択される。以下、N11、N12の場合、転送経路は1つであるので、その転送経路▲3▼、▲4▼が選択される。このようにして、▲1▼〜▲4▼の経路が選択されるが、この経路は重複リンクや重複する中継ノードが存在しないので、経路切断等のトラブルが最も少ない経路となっている。同様に、S−N14−N15−N16−Dの経路も重複リンクや重複する中継ノードが存在しない。
【0032】
ところで、経路切断が生じた場合、切断されたリンクに位置するノードは帰還経路を用いて切断の旨を知らせるエラーメッセージを放送する。しかしながら、このメッセージを受信したすべてのノードがさらにメッセージを放送すると、ネットワークのトラフィック増や、各ノードでの無駄なデータ処理等を招く可能性がある。そこで、本実施形態においては、図10に示すようにしてエラーメッセージの送信制御を行う。
【0033】
図10において、N12−D間のリンクが切断されたとする(経路1)。切断リンクに位置するN12は、切断を検知してエラーメッセージ(図の矢印E)を放送する。ここでは、1HOPの放送を考える。メッセージを受信したN11は、自己の経路制御テーブルを参照し、転送経路が1つ(N11からN12)であることを知る。各ノードは転送経路が1つ、つまり、切断リンクを回避する代替経路がない場合、エラーメッセージを放送するようになっており、N11はエラーメッセージを放送する。N11は又、経路制御テーブルの転送経路に対し、経路切断された旨のフラグを立てる。
【0034】
一方、N12からのエラーメッセージを受信したN13は、自己の経路制御テーブルを参照し、転送経路が2つ(N13からN12、N13からN16)あることを知る。各ノードは転送経路が2つある場合、エラーメッセージを放送せずに、切断リンクを経由しない他の代替経路を選択するようになっているので、N13はエラーメッセージを放送しない。同様に、N11からのエラーメッセージを受信したN10も、転送経路が2つ(N10からN11、N10からN13)あるので、エラーメッセージを放送しない。このようにして、エラーメッセージの放送数を最小限に低減できる。なお、N13、N10は、自己の経路制御テーブルの転送経路のうち、経路切断されたものに対しその旨のフラグを立てる。
【0035】
次に、上記したエラーメッセージに基づく代替経路の選択方法について説明する。まず、Sは、前記図9において説明したのと同様にして、ジョイント数が同一であるN10、N14の2つの転送経路からいずれかをランダムに経路選択し、宛先Dに送信するデータを転送する。ここで、経路N14を選択すると、S−N14−N15−N16−Dという重複リンクや重複する中継ノードが存在しない経路3が選択されることは既に述べたとおりである。一方、経路N10を選択した場合、N10は経路制御テーブルの転送経路のフラグを参照して、N11へ向かう経路が切断されていることを知る。そこで、N10は、フラグのない転送経路(N13へ向かう経路)を選択してデータを転送する。データを受信したN13も同様にして、経路制御テーブルを参照し、フラグのない転送経路(N16へ向かう経路)を選択してデータを転送する。そして、N16はDへデータを転送する。このようにして、経路2が選択される。
【0036】
なお、本発明の経路制御方法は、コンピューターと、通信装置等の各種周辺機器と、そのコンピューターによって実行されるソフトウェアプログラムとによって実現することができ、上記システム内で実行されるソフトウェアプログラムは、コンピューター読み取り可能な記憶媒体あるいは通信回線を介して配布することが可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の本発明によれば、前記応答を送信するリンクが複数ある状況、つまり1つのノードに複数のリンクが繋がっている場合にジョイント数を増やすようにし、ジョイント数の少ない経路を選択するようにしたので、1つのノードに複数のリンクが繋がる経路を避け、重複リンクや重複ノードの少ない経路を作成、選択することができる。また、所定の経路が切断された場合も、ジョイント数を参照して代替経路を迅速に選択することができる。
【0038】
又、請求項2記載の本発明によれば、最も大きいジョイント数が応答を受信したノードに登録されるので、ネットワークの状態が正しくジョイント数に反映され、ジョイント数に基づく経路選択が正しく行える。
【0039】
請求項3記載の本発明によれば、リンク切断の旨を受信したすべてのノードがさらにこれを発信し、ネットワークのトラフィック増や、各ノードでの無駄なデータ処理等を招く不具合が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】一時的ネットワークを形成するノード(端末)の構成ブロックを示す図である。
【図2】宛先ノードの発見要求メッセージ(RREQ)のフォーマットを示す図である。
【図3】RREQに対する応答メッセージ(RREP)のフォーマットを示す図である。
【図4】ノードが行う経路制御の基本手順を示す図である。
【図5】各ノードにより形成されるネットワーク全体の構成を示す図である。
【図6】RREPを受信した各ノードが実行するフローを示す図である。
【図7】図6のフローに従って経路制御テーブルに登録されたデータを示す図である。
【図8】図6のフローに従って経路制御テーブルに登録されたデータを示す別の図である。
【図9】各リンクに設定されたジョイント数を示す図である。
【図10】経路切断された場合に、代替経路を選択する手順を示す図である。
【図11】従来のマルチホップネットワークの経路選択を示す図である。
【図12】従来のマルチホップネットワークの経路選択を示す別の図である。
【図13】従来のマルチホップネットワークの経路選択を示すさらに別の図である。
【図14】従来のマルチホップネットワークの経路選択を示す他の図である。
【符号の説明】
S1       宛先ノードの発見要求に対する宛先ノードからの応答(RREP)を受信する過程
S3、S5    応答に含まれるジョイント数を参照して登録する過程
S9       応答を送信するリンク(帰還経路)が複数ある場合に、ジョイント数に1を加算して送信する過程

Claims (5)

  1. 複数のノード間で一時的に形成されるネットワークにおける経路制御方法であって、
    宛先ノードの発見要求を放送する過程と、
    前記発見要求に対する宛先ノードからの応答を受信する過程と、
    前記応答に含まれるジョイント数を参照して登録する過程と、
    当該応答を送信するリンクが複数ある場合に、前記ジョイント数に1を加算して送信する過程と、
    前記宛先ノードへデータを送信するリンクが複数ある場合に、前記登録されたジョイント数が小さい方のリンクを経路として選択する過程と
    を有することを特徴とする経路制御方法。
  2. 前記応答の受信後に別の応答を受信した場合に、当該別の応答に含まれるジョイント数が最初の応答に含まれるジョイント数より大きければ、前記登録したジョイント数を変更する過程
    をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の経路制御方法。
  3. リンク切断の旨を受信した場合に、前記宛先ノードへデータを送信するリンクが複数あれば、リンク切断の旨を発信しない制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の経路制御方法。
  4. 複数のノード間で一時的に形成されるネットワークにおいて経路を制御する装置であって、
    前記各ノードに設けられ、
    宛先ノードの発見要求を放送し、
    前記発見要求に対する宛先ノードからの応答を受信し、
    前記応答に含まれるジョイント数を参照して登録し、
    当該応答を送信するリンクが複数ある場合に、前記ジョイント数に1を加算して送信し、
    前記宛先ノードへデータを送信するリンクが複数ある場合に、前記登録されたジョイント数が小さい方のリンクを経路として選択することを特徴とする経路制御装置。
  5. 複数のノード間で一時的に形成されるネットワークにおいて経路を制御するためのコンピュータプログラムであって、
    宛先ノードの発見要求を放送する過程と、
    前記発見要求に対する宛先ノードからの応答を受信する過程と、
    前記応答に含まれるジョイント数を参照して登録する過程と、
    当該応答を送信するリンクが複数ある場合に、前記ジョイント数に1を加算して送信する過程と、
    前記宛先ノードへデータを送信するリンクが複数ある場合に、前記登録されたジョイント数が小さい方のリンクを経路として選択する過程と
    をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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