JP2004023289A - 送信アンテナインジケータ - Google Patents

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Abstract

【課題】送信装置の動作状態を正確に表示するインジケータを提供する。
【解決手段】この送信アンテナインジケータ10は、全体を保護して各部品を保持する外装カバー8と、螺旋状にコイルを旋回して、その両端がコネクタ6に接続された送信アンテナ2と、螺旋状にコイルを旋回して、その両端が同じくコネクタ6に接続された受信アンテナ3と、螺旋状にコイルを旋回して、その両端が発光ダイオード(以下、LEDと記す)5に接続された受電コイル4と、受電コイル4の両端に発生した電圧により発光するLED5から構成される。また、送信アンテナインジケータ10のコネクタ6には、ケーブル1により送信アンテナ2に搬送波を送信する送信器と受信アンテナ3で受信した信号を復調する受信機を有する送受信機7と接続されている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、送信アンテナインジケータに関し、さらに詳しくは、送信アンテナからの搬送波を検出するインジケータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、各種装置の動作状態を表示して操作者、管理者等に知らせるために、装置の適所にパイロットランプが設けられ、装置の電源を投入した時にその電源からの電圧によりパイロットランプが点灯するようになっている。この場合のパイロットランプは、あくまでも電源が動作状態であることを表示するものであり、必ずしも装置が正常に動作していることを表すものではない。従って、動作状態を確認するためには、装置を動作させてみないと判らない場合が多い。しかし、多くの装置の場合は、目視により動作状態を判断することができるので、大きな問題にはならないが、無線のように電波が正常に放射されているか否かを目では見ることができない場合、それを目で見えるようにするインジケータは大きな役割を担う。
【0003】
図6は、従来の送信装置のインジケート方法について説明するためのブロック図である。従来の送信装置100は、その内部に送信機50からの搬送波を電波として放射する送信アンテナ52と、外部からの電波を受信して受信機51に送る受信アンテナ53と、電源54からの直流電圧により発光する発光ダイオード(LED)57と、発光ダイオード(LED)57への電流を制限する制限抵抗(R)56と、を備え、外部には送信アンテナ52へ変調した搬送波を供給する送信機50と、受信アンテナ53からの電波を復調してデータを検出する受信機51と、送信装置100、送信機50、及び受信機51に電力を供給する電源54と、電源54からの電力をON/OFFするスイッチ(SW)55と、を備えている。また、送信アンテナ52から搬送波が放射されているか否かを検出するために、受電コイル59を備えた検査器58がある。また、送信装置100はコネクタ60により外部とケーブルにより接続されている。
このような構成の送信装置100を、例えば、非接触ICカードとのデータの交信に使用する場合、先ず、スイッチ(SW)55をONにして直流電力を送信機50、受信機51、及び発光ダイオード(LED)57に供給する。それにより、送信機50から搬送波が放射され、それと同時に発光ダイオード(LED)57が発光して送信装置100が動作中であることを表示する。その状態で図示しないICカードが送信アンテナ52にかざされると、ICカードからレスポンスを受信アンテナ53で受信して、受信機51により認識され従来のデータの交信が開始される。
ここで、従来は、送信アンテナ52から搬送波が正常に放射されているか否かを検査するために、検査器58の受電コイル59を送信アンテナ52にかざし、検査器58の図示しないメータあるいはランプにより確認していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6の送信装置100の発光ダイオード(LED)57は、電源54のスイッチ(SW)55がONになると無条件に発光する。そのため、送信機50或いは送信アンテナ52の何れかが故障して、送信アンテナ52から搬送波が放射されなくても、操作者は発光ダイオード(LED)57が点灯しているので、操作者等は正常に動作していると判断し、故障に気づかない事態が発生する。また、逆に送信機50或いは送信アンテナ52が正常で、発光ダイオード(LED)57が故障し場合、搬送波は放射されているにも拘わらず、操作者は装置が動作していないと判断してしまう。このように、従来の送信装置のインジケータは、必ずしも装置の動作状態を正確に表示していなかった。
本発明は、かかる課題に鑑み、送信装置の動作状態を正確に表示するインジケータを提供することを目的とする。
また、他の目的はインジケータを点灯するための電源を必要としない省エネルギータイプのインジケータを実現することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、所定の変調方式により変調された搬送波を送信する送信アンテナと、該送信アンテナの搬送波を受信する受電コイルと、該受電コイルで受信した搬送波電力により発光する発光ダイオードと、を備え、送信アンテナの動作状態を表示する送信アンテナインジケータであって、前記受電コイルは、前記送信アンテナから送信される搬送波を受信可能な位置に配置され、該受電コイルが受信した前記送信アンテナからの搬送波を駆動電力として前記発光ダイオードを発光させる構成にしたことを特徴とする。
送信アンテナから放射される搬送波をインジケータにより目に見える形にするには、電波を受信して復調し、その電圧レベルを増幅してメータを駆動するか、或いはその電圧によりランプを点灯する方法がある。しかし、何れの方法もそれらを駆動するために別の駆動源(電源)が必要であり、それにより、装置のコストが高くなり、装置が大型化する虞も出てくる。そこで、本発明では搬送波のエネルギーを有効に活用するために、送信アンテナの近傍に搬送波を受信する受電コイルを設け、しかも、受電した搬送波電力で直接発光ダイオードを点灯させ、駆動のための別電源を必要とせず、非常に簡便な回路構成で、しかも、確実に送信アンテナの動作状態を検出でき、発光ダイオードの点灯がインジケータの役目も果たすことができる送信アンテナインジケータを提供することができる。
かかる発明によれば、受電コイルにより送信アンテナからの搬送波を直接受信してその電力により発光ダイオードを点灯させるので、送信アンテナの動作状態を正確に確認でき、しかも、回路コストを安価に構成することができる。
請求項2は、前記発光ダイオードは、前記受電コイル端子の両端に少なくとも1つ以上並列に接続されることを特徴とする。
発光ダイオードは所定の順電圧(VF)を加えるとキャリアの再結合時のエネルギーにより発光するものである。従って、受電コイルの両端には搬送波による高周波電圧が発生し、その電圧が順電圧(VF)を越えることにより、前記原理により発光する。そして、光量は発光ダイオードに流れる順電流(IF)に比例して変化する。
かかる発明によれば、受電コイルの両端に直接発光ダイオードを接続するので、簡単な回路構成で発光ダイオードを点灯することができる。
【0006】
請求項3は、前記受電コイル端子の両端に接続された前記発光ダイオードと極性が同じ向きにダイオードを直列に接続することにより、前記発光ダイオードに印加される逆方向電圧の耐圧規格値を越えないようにしたことを特徴とする。
発光ダイオードには、前記請求項2に説明した特性のほかに、逆耐圧特性がある。これは、発光ダイオードのアノードとカソードに印加する電圧の極性を逆にした場合に、何ボルトまで耐えられるかという特性である。本発明の場合、受電コイルで受信する搬送波は周波数の高い交流電圧である。交流電圧は公知の通り電圧極性が一定の周期で逆転する電圧である。従って、発光ダイオードの両端には、常に一定周期毎に逆電圧が印加される。この逆電圧による弊害を防ぐには、発光ダイオードに直列に逆電圧に耐える特性をもったダイオードを接続して、逆耐圧を越えないようにして保護する必要がある。
かかる発明によれば、発光ダイオードに直列にダイオードを接続するので、発光ダイオードの逆耐圧を越えることを防止して、発光ダイオードの信頼性を高めることができる。
請求項4は、前記受電コイル端子の両端に接続された前記発光ダイオードと極性が異なる向きにダイオードを並列に接続することにより、前記発光ダイオードに印加される逆方向電圧の耐圧規格値を越えないようにしたことを特徴とする。請求項3では、逆耐圧を越えないように発光ダイオードに直列にダイオードを接続したが、発光ダイオードの極性とは逆にダイオードを並列に接続してダイオードの順電圧にクランプすることにより、発光ダイオードに規格値以上の逆電圧が印加しないようにしても同じ効果を得ることができる。
かかる発明によれば、発光ダイオードに並列にダイオードを接続するので、逆耐圧を越えることを防止して、発光ダイオードの信頼性を高めることができる。また、ダイオードが1つで同じ効果を有するので、コストダウンとなる。
【0007】
請求項5は、所定の変調方式により変調された搬送波を送信する送信アンテナと、該送信アンテナの搬送波を受信する受電コイルと、該受電コイルで受信した搬送波電力により発光する複数の発光ダイオードと、を備え、送信アンテナの動作状態を表示する送信アンテナインジケータであって、前記受電コイルは、前記送信アンテナから送信される搬送波を受信可能な距離に配置され、該受電コイルにより受信した前記送信アンテナからの搬送波の駆動電力の強弱に応じて前記複数の発光ダイオードを順次発光させる構成にしたことを特徴とする。
送信アンテナから送信される搬送波は、アンテナの共振周波数を調整することで最大のパワーが発生する。そのパワー(駆動電力)の大きさを発光ダイオードの点灯する数で表示できれば、発光ダイオードを見ながら容易にアンテナの調整が可能となる。それには、スレッシュレベルが異なる発光ダイオードを複数用意することにより、駆動電力に応じて順次点灯する回路を構成することができる。かかる発明によれば、スレッシュレベルが異なる発光ダイオードを複数用意することにより、送信アンテナの共振周波数調整を容易に行うことができる。
請求項6は、前記複数の発光ダイオードは、夫々異なる値の抵抗器と直列接続され、該接続状態で前記受電コイル端子の両端に夫々並列に接続されることを特徴とする。
前記請求項5のスレッシュレベルが異なる発光ダイオードを構成する方法は、発光ダイオードを複数用意し、夫々に異なる抵抗値を持った抵抗器を直列接続したものを並列に接続し、その抵抗値を順次大きな値にすることにより、パワーの大きさにより順次点灯する回路を構成することができる。
かかる発明によれば、夫々に異なる抵抗値を持った抵抗器を直列接続した発光ダイオードを複数用意するので、パワーの大きさにより順次点灯する回路を構成することができる。
請求項7は、前記複数の発光ダイオードは、同じ順電圧特性を有することを特徴とする。
請求項6では抵抗器により電圧を分圧して発光ダイオードに掛かる電圧を調整したが、そのとき、発光ダイオードが持つ順電圧特性が不揃いであると、予め抵抗値を決定することができず、個々に調整が必要となり生産性が低下する。そこで、発光ダイオードの順電圧特性を同じにすることは重要なことである。
かかる発明によれば、複数の発光ダイオードの順電圧特性を同じにすることにより、調整を必要とせず、生産性を高めることができる。
【0008】
請求項8は、前記受電コイル端子の両端に接続された前記複数の発光ダイオードと極性が同じ向きに夫々ダイオードを直列に接続することにより、前記夫々の発光ダイオードに印加される逆方向電圧の耐圧規格値を越えないようにしたことを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項3と同様な作用効果を奏する。
請求項9は、前記受電コイル端子の両端に接続された前記複数の発光ダイオードと極性が異なる向きにダイオードを並列に接続することにより、前記複数の発光ダイオードに印加される逆方向電圧の耐圧規格値を越えないようにしたことを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項4と同様な作用効果を奏する。
請求項10は、前記受電コイルは、前記送信アンテナがループアンテナの場合、該ループアンテナのループ外に配置することを特徴とする。
送信アンテナがループアンテナの場合、そのループアンテナの中心付近には例えば、非接触ICカードからのレスポンス信号を受信するための受信アンテナが配置されている。従って、同じような位置に受電コイルを配置すると、受信アンテナで受信するレスポンス信号が受電コイル側に流れ、受信アンテナへの信号が減衰する可能性がある。そのために、受電コイルをループアンテナの外側近傍に配置し、送信アンテナからの搬送波を主に受信するようにすることが好ましい。かかる発明によれば、受電コイルを送信アンテナの外側に配置するので、受信アンテナへの影響を最小限にすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る送信アンテナインジケータの外観構成図であり、一部を透視した図である。この送信アンテナインジケータ10は、全体を保護して各部品を保持する外装カバー8と、そのほぼ中心に配置され外装カバーの平面の大部分を占める範囲にコイルをループ状に形成して、その始端と終端がコネクタ6に接続された送信アンテナ2と、その送信アンテナ2の略中心に、送信アンテナより小さな径でコイルをループ状に形成して、その始端と終端が同じくコネクタ6に接続された受信アンテナ3と、前記送信アンテナ2のコイルの外周近傍に配置され、コイルをループ状に形成して、その始端と終端が発光ダイオード(以下、LEDと記す)5の図示しないアノードとカソードに夫々接続された受電コイル4と、受電コイル4の両端に発生した電圧により発光するLED5から構成され、また、送信アンテナインジケータ10のコネクタ6は、ケーブル1により送信アンテナ2に搬送波を供給する送信機と受信アンテナ3で受信した信号を復調する受信機を有する送受信機7と接続されている。尚、外装カバー8は、電波に影響を与えない樹脂製の部材で構成され、各コイルは、その樹脂製の外装カバー内に接着或いは他の方法により固定されている。従って、外装カバー8の外からはLED5以外は見ることができない。また、受電コイル4の位置は、送信アンテナ2のコイル外周であれば何処でも構わないが、相互インダクタンスを大きくするためには、可能な限り両者の距離は近いほうが好ましい。ここで、LED5が配置されている外装カバー面を表面とする。
図2は、図1の送信アンテナインジケータ10と送受信機7の回路構成を示すブロック図である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。外装カバー8内には、送信アンテナ(T)2の両端がコネクタ6に接続され、コネクタ6からケーブル1により送受信機7内にある送信機20と接続されている。そして、送信アンテナ(T)2は相互インダクタンスMにより受電コイル(r)4と電磁結合されている。また、受電コイル(r)4の両端はLED5のアノード(A)とカソード(K)に接続されている。このとき、受電コイル(r)4と接続するLED5の極性はどちらでも構わない。この他に、受信コイル(R)3の両端がコネクタ6に接続され、コネクタ6からケーブル1により送受信機7内にある受信機21と接続されている。
【0010】
次に、この構成による送信アンテナインジケータ10の動作について、非接触ICカードとの関係で説明する。図1の外観を有する送信アンテナインジケータ10は、図示しないが表面を上に向けて設置し、その表面に非接触ICカードをかざしてデータの交信を行うか、或いは、立てた状態で表面を横に向けた形で使用される。動作時は常に図示しない電源が送受信機7に供給され、常に送信機20からケーブル1、コネクタ6を介して送信アンテナ2に所定の周波数の搬送波が供給される。送信アンテナ6のコイルは外装カバー8のほぼ全面にわたって配置されているので、その外周近傍にある受電コイル(r)4と相互インダクタンスMにより電磁結合されていて、その受電コイル(r)4両端に搬送波の高周波電圧が発生する。受電コイル(r)4の両端には、負荷としてLED5が接続されており、受電コイル(r)4の一方の端子4a側がプラス電圧になった場合、LED5のアノード(A)が順電圧となるので、順電流IFが流れてLED5が発光する。次の周期には電圧が逆転して受電コイル(r)4の他方の端子4b側がプラス電圧となり、LED5のアノード(A)が逆電圧となるので、電流は流れなくなり発光が停止する。これを繰り返し行い厳密にいうと周波数の周期毎に発光と消灯を繰り返している。しかし、その周期は非常に短いので、人間の目には連続して発光しているように見える。また、発光の光量は順電流IFにほぼ比例するので、搬送波電圧に比例して光量が変化することになる。ここで、本実施形態ではLEDが1つの場合について説明したが、受電コイル(r)4で受信する高周波電力の容量が多ければ、複数点灯することも可能である。
また、受信アンテナ(R)3は、図示しない非接触ICカードがかざされたときに、非接触ICカードからのレスポンスを受信して受信機21に伝えるものであり、本発明とは直接関係ないので、詳細な説明は省略する。
【0011】
図3は、本発明の第2の実施形態に係るLED部分の変形実施例である。この実施例は受電コイルに接続されるLEDを複数にして、夫々に抵抗器を直列に接続して発光するスレッシュレベルを異ならせたものである。この実施例の目的は、送信アンテナには図示しないが、夫々共振周波数が決められており、その共振周波数に合致するように送信コイルのリアクタンスが調整できるように可変コンデンサにより調整される。その調整時にリアクタンスが共振したときに最も搬送電力が大きくなり、その電力を受電コイルで受信して電力の大きさに応じてLEDの点灯する数を変えることにより、目視で調整を可能とすることである。具体的には、例えば、LEDを3つ使用した場合、夫々のLEDの順電圧VFが同じ特性のものを使用することを前提とすると、順電流IFが同じとすれば、抵抗器Ra26、Rb27、Rc28の抵抗値はra<rb<rcの関係になり、例えば、3段階のレベルを設定して各レベルでLEDに流れる順電流IFが同じになるように抵抗値を設定すればよい。これにより、LEDa29から順次LEDb30、LEDc31と点灯するようになる。当然LEDc31が点灯するときは全てのLEDが点灯することになる。尚、本実施例ではLEDが3つの場合について説明したが、それ以外の数でも構わない。
図4は、図1、図2の送信アンテナインジケータ10の動作を説明するためのタイミングチャートである。(a)は図示しない制御装置からのコマンドであり、(b)は送信機20から送信される搬送波であり、(c)は受信機21で受信した信号であり、(d)はLEDのON/OFF状態を表す図である。これによると、送信機20から搬送波41が送信されると、その電力を受電コイル4が受信してLED5がONとなる。そして、搬送波が供給されている間は常にLED5がON状態45のままである。その状態でICカードからのレスポンスを受信すると、制御装置からコマンド40を出力し、このコマンド40により搬送波42の部分が変調されてICカードに送信する。そのコマンドを受信したICカードは、時間t後にレスポンス44を返送して、その信号を受信機21が受信する。その後、動作終了により送信機20の搬送波を切ると、LED5がOFF(消灯)する。このように、LED5は搬送波が送信されている間は常に点灯しており、搬送波の送信が停止すると消灯する。従って、搬送波の送信状態が目視により明確に確認することができる。
【0012】
図5は、本発明の第3の実施形態に係るLEDの逆電圧を抑制する回路例である。(a)、(b)はLEDが1つの場合の例であり、(c)、(d)はLEDが複数の場合の例である。LEDには、順電圧、順電流特性のほかに、重要な特性として逆耐圧特性がある。LEDにはアノードとカソードがあり、アノードにプラス電圧、カソードにマイナス電圧を印加したときを順電圧といい、その逆を逆電圧という。逆耐圧とは、LEDのアノードとカソードに印加する電圧の極性を逆にした場合(逆電圧を印加した場合)に、LEDが何ボルトまで耐えられるかの特性である。一般には逆耐圧は3V前後である。本発明の場合、受電コイルで受信する搬送波は周波数の高い交流電圧であり、交流電圧は公知の通り電圧極性が一定の周期で逆転する交番電圧である。従って、発光ダイオードの両端には、常に一定周期毎に逆電圧が印加されるため、受電コイルの巻き数を調整して逆耐圧を超えない電圧以下に調整するか、或いは、逆電圧が発生してもその電圧が逆耐圧の規格値を越えないように回路的に処理する2つの方法がある。本発明では、後者の回路的に処理する方法として、発光ダイオードに直列に逆電圧に耐える特性をもったダイオードを接続して、逆耐圧を越えないようにして保護する方法について説明する。
【0013】
先ず、図5(a)を参照すると、例えば、受電コイル(r)4の両端に図のように逆電圧VRが発生したとする。LED5にはダイオード(D)7が同一極性で直列に接続されているので、受電コイル(r)4の両端にはLED5とダイオード(D)7の逆耐圧電圧の合計のダイオードが接続されたのと等価となる。一般にシリコンダイオードの場合、逆耐圧電圧は60〜70Vと比較的高い。従って、例えば、逆電圧VRが10V発生したとすると、ダイオード(D)7とLED5の合計の逆耐圧電圧は70V以上であるので、LED5が逆耐圧電圧により破壊することを防ぐことができる。これに対して、(b)はLED5と並列にダイオード(D)8を極性を逆にして接続し場合で、同じように受電コイル4の両端に図のように逆電圧VRが発生したとする。ダイオード8はそのとき順電圧であるので順方向電流が流れ、ダイオード両端は一定の電圧(約1.7V)にクランプされる。従って、LED5の逆耐圧を越えることはなくなる。
図5(c)は図3の各LEDと抵抗器に更に直列にダイオードa32、b33、c34を接続して、各LEDa29、b30、c31の逆耐圧電圧を見掛け上高める構成である。例えば、受電コイル25の両端に図のように逆電圧VRが発生したとする。LEDa29、b30、c31には夫々ダイオードa32、b33、c34が同一極性で直列に接続されているので、受電コイル25の両端には逆耐圧電圧が高いダイオードが接続されたのと等価となり、LEDa29、b30、c31を逆電圧VRの破壊から保護することができる。
また、図5(d)はLEDa29、b30、c31と並列にダイオード35を極性を逆にして接続し場合で、同じように受電コイル25の両端に図のように逆電圧VRが発生したとする。ダイオード25はそのとき順電圧であるので順方向電流が流れ、ダイオード両端は一定の電圧(約1.7V)にクランプされる。従って、各LEDa29、b30、c31の両端は逆耐圧を越えることはなくなる。
【0014】
【発明の効果】
以上記載のごとく請求項1の発明によれば、受電コイルにより送信アンテナからの搬送波を直接受信してその電力により発光ダイオードを点灯させるので、送信アンテナの動作状態を正確に確認でき、しかも、駆動のための電源を必要としないため回路コストを安価に構成することができる。
また請求項2では、受電コイルの両端に直接発光ダイオードを接続するので、負荷容量が小さいので高周波の交流電圧でも充分点灯することが可能となる。
また請求項3では、発光ダイオードと極性を同じにして直列にダイオードを接続するので、逆電圧が分圧されて発光ダイオードの両端に掛かる電圧が逆耐圧を越えることを防止して、発光ダイオードの信頼性を高めることができる。
また請求項4では、発光ダイオードと極性を逆にして並列にダイオードを接続するので、ダイオードの順電圧にクランプされて、発光ダイオードの両端に掛かる電圧が逆耐圧を越えることを防止して、発光ダイオードの信頼性を高めることができる。
【0015】
また請求項5では、スレッシュレベルが異なるように構成された発光ダイオードを複数用意することにより、駆動電力に応じて発光ダイオードが点灯する数が変化して送信アンテナの共振周波数調整を容易に行うことができる。
また請求項6では、夫々に異なる抵抗値を持った抵抗器を直列接続した発光ダイオードを複数用意するので、簡単な回路構成でコストを安く、パワーの大きさにより順次点灯する回路を構成することができる。
また請求項7では、複数の発光ダイオードの順電圧特性を同じにすることにより、予め抵抗値を決定することができるので、個々に調整を必要とせず、生産性を高めることができる。
また請求項8では、請求項3と同様な作用効果を奏する。
また請求項9では、請求項4と同様な作用効果を奏する。
また請求項10では、受電コイルを送信アンテナの外側に配置するので、受信アンテナへの影響を最小限にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る送信アンテナインジケータの外観構成図であり、一部を透視した図。
【図2】本発明の図1の送信アンテナインジケータと送受信機の回路構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るLED部分の変形実施例を示す図。
【図4】本発明の図1、図2の送信アンテナインジケータ10の動作を説明するためのタイミングチャート。
【図5】本発明の第3の実施形態に係るLEDの逆電圧抑制する回路例を示す図。
【図6】従来の送信装置のインジケート方法について説明するためのブロック図。
【符号の説明】
1 ケーブル、2 送信アンテナ、3 受信アンテナ、4 受電コイル、5 LED、6 コネクタ、7 送受信機、8 外装カバー、10 送信アンテナインジケータ

Claims (10)

  1. 所定の変調方式により変調された搬送波を送信する送信アンテナと、該送信アンテナの搬送波を受信する受電コイルと、該受電コイルで受信した搬送波電力により発光する発光ダイオードと、を備え、送信アンテナの動作状態を表示する送信アンテナインジケータであって、
    前記受電コイルは、前記送信アンテナから送信される搬送波を受信可能な位置に配置され、該受電コイルが受信した前記送信アンテナからの搬送波を駆動電力として前記発光ダイオードを発光させる構成としたことを特徴とする送信アンテナインジケータ。
  2. 前記発光ダイオードは、前記受電コイル端子の両端に少なくとも1つ以上並列に接続されることを特徴とする請求項1に記載の送信アンテナインジケータ。
  3. 前記受電コイル端子の両端に接続された前記発光ダイオードと極性が同じ向きにダイオードを直列に接続することにより、前記発光ダイオードに印加される逆方向電圧の耐圧規格値を越えないようにしたことを特徴とする請求項2に記載の送信アンテナインジケータ。
  4. 前記受電コイル端子の両端に接続された前記発光ダイオードと極性が異なる向きにダイオードを並列に接続することにより、前記発光ダイオードに印加される逆方向電圧の耐圧規格値を越えないようにしたことを特徴とする請求項2に記載の送信アンテナインジケータ。
  5. 所定の変調方式により変調された搬送波を送信する送信アンテナと、該送信アンテナの搬送波を受信する受電コイルと、該受電コイルで受信した搬送波電力により発光する複数の発光ダイオードと、を備え、送信アンテナの動作状態を表示する送信アンテナインジケータであって、
    前記受電コイルは、前記送信アンテナから送信される搬送波を受信可能な距離に配置され、該受電コイルにより受信した前記送信アンテナからの搬送波の駆動電力の強弱に応じて前記複数の発光ダイオードを順次発光させる構成にしたことを特徴とする送信アンテナインジケータ。
  6. 前記複数の発光ダイオードは、夫々異なる値の抵抗器と直列接続され、該接続状態で前記受電コイル端子の両端に夫々並列に接続されることを特徴とする請求項5に記載の送信アンテナインジケータ。
  7. 前記複数の発光ダイオードは、同じ順電圧特性を有することを特徴とする請求項5又は6に記載の送信アンテナインジケータ。
  8. 前記受電コイル端子の両端に接続された前記複数の発光ダイオードと極性が同じ向きに夫々ダイオードを直列に接続することにより、前記夫々の発光ダイオードに印加される逆方向電圧の耐圧規格値を越えないようにしたことを特徴とする請求項6に記載の送信アンテナインジケータ。
  9. 前記受電コイル端子の両端に接続された前記複数の発光ダイオードと極性が異なる向きにダイオードを並列に接続することにより、前記複数の発光ダイオードに印加される逆方向電圧の耐圧規格値を越えないようにしたことを特徴とする請求項6に記載の送信アンテナインジケータ。
  10. 前記受電コイルは、前記送信アンテナがループアンテナの場合、該ループアンテナのループ外に配置することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の送信アンテナインジケータ。
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