JP2004022895A - 発光素子搭載用基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セラミック基体1の上面に、発光素子4が収容される凹部1aを取り囲む枠状絶縁層6が被着されており、この枠状絶縁層6の内周と外周との間に内周側に開口する中抜き部6aが形成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は発光ダイオード等の発光素子を収容するために使用される発光素子搭載用基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、発光ダイオード等の発光素子は、その発光輝度の向上により例えば電光表示板用の光源として多用されるようになってきている。このような発光素子は、これを収容するための発光素子搭載用基板内に収められた状態で使用される。
【0003】
従来、このような発光素子を収容するための発光素子搭載用基板は、複数の絶縁層を積層して成るセラミック基体の上面に発光素子を収容するための凹部を形成して成る。そして、その凹部の内壁面に発光素子の発する光を反射させて、発光素子の発光輝度を実質的に増大させる作用をなすための金属反射膜が被着されており、この反射膜により発光素子の発する光は明るく輝き、電光表示板として表示される文字や画像を明るく極めて鮮明なものとしている。また、凹部底面から外部にかけては、発光素子に外部電気回路から供給される電力を供給して所定の発光輝度の発光をさせる作用を成す配線層が被着形成されており、凹部の底面に発光素子を導電性接着剤を介して載置固定するとともに発光素子の各電極を配線層に電気的に接続した後、凹部内にエポキシ樹脂等の透明な封止用樹脂を充填し発光素子を気密に封止することによって製品としての発光装置となり、この発光装置をマトリックス状に配列することで電光表示板が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の発光素子搭載用基板によると、その凹部内にエポキシ樹脂等の透明な封止用樹脂を充填して発光素子を気密に封止する際に、充填された封止樹脂に僅かな過多があると、この封止用樹脂はセラミック基体に濡れやすい性質を有しているためセラミック基体の上面を濡れ広がって凹部外へ多量に流れ出てしまいやすく、そのため凹部内に充填された封止用樹脂の厚みおよび表面形状が各発光装置で大きくばらついたものとなり、その結果、電光表示板を構成する各発光装置における発光素子の発する光がそれぞれの封止用樹脂で不均一に屈折してしまい、電光表示板により表示された文字や画像が不鮮明なものとなるという問題点を有していた。
【0005】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、セラミック基体の凹部内に充填された封止用樹脂の厚みおよび表面形状を各発光装置で略均一なものとして、これらの発光装置を用いた電光表示板により表示される文字や画像を極めて鮮明なものとすることが可能な発光素子搭載用基板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の発光素子搭載用基板は、セラミック基体の上面に発光素子が収容される凹部を有する発光素子搭載用基板であって、前記セラミック基体の上面に前記凹部を取り囲む枠状絶縁層が被着されており、該枠状絶縁層の内周と外周との間に前記内周側に開口する中抜き部が形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
本発明の発光素子搭載用基板によれば、セラミック基体の上面に、発光素子が収容される凹部を取り囲む枠状絶縁層が被着されており、該枠状絶縁層の内周と外周との間に前記内周側に開口する中抜き部が形成されていることから、凹部内に封止用樹脂を充填する際に封止用樹脂の充填量に多少の過多があったとしても、その過多の分の封止用樹脂は枠状絶縁層に設けた中抜き部に収容されることとなり封止用樹脂の一部がセラミック基体の上面に多量に濡れ広がることはないので凹部内の封止用樹脂を極めて精度よく一定の厚みとすることができる。したがって、これらの発光装置を用いた電光表示板により表示される文字や画像を極めて鮮明なものとすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に本発明を添付の図面に基づき詳細に説明する。図1は本発明の発光素子搭載用基板の実施の形態の一例を示す断面図であり、図中、1はセラミック基体、2は配線層、3は金属反射膜、4は発光素子、5は封止用樹脂、6は枠状絶縁層である。
【0009】
セラミック基体1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、窒化珪素質焼結体、ガラス−セラミックス等のセラミック材料から成る絶縁層を複数積層して成る略四角箱状であり、その上面中央部には発光素子4を収容するための凹部1aが設けられており、この凹部1a内に発光素子4が導電性接着剤7を介して接着固定されるとともに透明なエポキシ樹脂から成る封止用樹脂5が充填される。本発明の発光素子搭載用基板によれば、セラミック基体1の凹部1a内に発光素子4を収容するとともに封止用樹脂5を充填することによって製品としての発光装置となる。そしてその発光装置をマトリックス状に並べることにより電光表示板が形成される。
【0010】
このようなセラミック基体1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダ、溶剤、可塑剤、分散剤等を添加混合して得たセラミックスラリーを従来周知のドクターブレード法を採用してシート状に成形して複数枚のセラミックグリーンシートを得、しかる後、それらのセラミックグリーンシートに発光素子4を収容するための凹部1aを形成するため等の打ち抜き加工を施すとともにそれらのセラミックグリーンシートを積層し、最後にその積層体を高温(1500〜1800℃)で焼成することによって製作される。
【0011】
また、セラミック基体1には、その凹部1aの底面から外部にかけて導出する複数の配線層2が被着形成されている。この配線層2は、外部電気回路から供給される電力を発光素子4に供給するための導電路として機能し、発光素子4の各電極が導電性接着剤7を介して電気的に接続される。
【0012】
このような配線層2はタングステンやモリブデン、マンガン、銅、銀等の金属粉末メタライズから成り、例えばタングステン等の金属粉末に適当な有機バインダ、溶剤を添加混合して得た金属ペーストをセラミック基体1用のセラミックグリーンシートに従来周知のスクリーン印刷法を採用して印刷塗布しておき、それをセラミック基体1用のセラミックグリーンシートの積層体とともに焼成することにセラミック基体1の凹部1a底面から外部にかけて被着形成される。
【0013】
また配線層2はその露出する外表面にニッケル、金等の耐蝕性に優れ、且つ良導電性である金属をめっきにより1〜20μmの厚みに被着させておくと、配線層2の酸化腐食が有効に防止されるとともに配線層2に発光素子4を導電性接着剤7を介して接続する際、その接続を良好なものとすることができる。したがって、配線層4はその露出外表面にニッケル、金等をめっきにより1〜20μmの厚みに被着させておくことが好ましい。
【0014】
さらに、セラミック基体1には、その凹部1aの内壁面に金属反射膜3が被着されている。この金属反射膜3は凹部1a内に収容された発光素子4の発する光を凹部1a内で反射させ、発光素子4による発光輝度を実質的に増大させる作用を為す。それによって発光素子4を例えば電光表示板用の光源として用いた場合に、発光素子4の発する光は明るく輝き、電光表示板として表示する文字や画像を明るいものとなすことができる。
【0015】
このような、金属反射膜3は金や銀、ニッケル等が好適に使用され、例えばセラミック基体1の凹部1aの内壁面に予め金属粉末メタライズ層を被着させておき、そのメタライズ層上に金や銀、ニッケル等をめっきにより被着させたり、あるいはセラミック基体1の凹部1aの内壁面に蒸着やめっき等により金や銀、ニッケル等を被着させたりすることによって形成される。
【0016】
なお、金属反射膜3はセラミック基体1の凹部1aの内壁面の全面に設けるのではなく、凹部1aの底面から例えば0.01〜0.3mm程度離間して被着させている。このように、金属反射膜3を凹部1aの底面から0.01〜0.3mm程度離間して被着させていることから、発光素子4の発する光を金属反射膜3により効率良く反射させることができるとともに、金属反射膜3と凹部1aの底面の配線層2との電気的短絡を有効に防止することができる。
【0017】
さらに、本発明の発光素子搭載用基板においては、セラミック基体1の上面に発光素子4が収容される凹部1aを取り囲む枠状絶縁層6が形成されている。枠状絶縁層6は、例えば酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、窒化珪素質焼結体、ガラス−セラミックス等のセラミック材料から成り、図2に上面図で示すように、枠状絶縁層6はその内周と外周との間にその内周側に開口する中抜き部6aが形成されている。このように、セラミック基体1の上面に発光素子4が収容される凹部1aを取り囲む枠状絶縁層6を設けるとともにその内周と外周との間にその内周側に開口する中抜き部6aを形成させていることから、凹部1a内に封止用樹脂5を充填する際に、充填された封止用樹脂材5の量に多少の過多があっても、その過多の分の封止用樹脂5は枠状絶縁層6に設けた中抜き部6aに収容されることとなり封止用樹脂5の一部がセラミック基体1の上面に多量に濡れ広がることはなく、凹部1a内の封止用樹脂5は略一定に保たれるので、凹部1a内の封止用樹脂5の厚みや表面形状を極めて精度よく一定とすることができる。したがって、本発明の発光素子搭載用基板によれば、封止用樹脂5の厚みや表面形状が各発光装置で大きくばらつくことがなく、発光素子4の発する光が封止用樹脂層5で全ての発光装置で均一に屈折して外部に放射されるので、これらの発光装置を用いた電光表示板により表示される文字や画像を極めて鮮明なものとすることが可能となる。
【0018】
なお、この枠状絶縁層6の内周と外周との間に形成された中抜き部6aの開口の幅Wが0.5mm未満であると、凹部1aに封止用樹脂5を充填する際に、余分な封止用樹脂5が中抜き部6aに流れにくくなる傾向にあり、他方2.0mmを超えると多量の封止用樹脂5が中抜き部5に容易に流れ出て凹部1a内の封止用樹脂5が不足してしまう危険性がある。したがって、中抜き部6aの開口の幅Wは0.5〜2.0mmの範囲が好ましい。また、中抜き部6aの幅Dが0.05mm未満では、凹部1aに封止用樹脂5を充填する際に、余分な封止用樹脂5を中抜き部6aに十分に収容することができなくなる危険性があり、他方1.0mmを超えると、そのような幅の中抜き部6aを設けるためにセラミック基体1の上面の面積を大きなものとする必要があり、セラミック基体1が大きくなってしまう。したがって中抜き部6aの幅Dは0.05〜1.0mmの範囲が好ましい。また、中抜き部6aの長さLが0.3mm未満では、凹部1aに封止用樹脂5を充填する際に、余分な封止用樹脂5を中抜き部6aに十分に収容することができなくなる危険性がある。したがって中抜き部6aの長さは0.3mm以上あることが好ましい。
【0019】
このような、枠状絶縁層6は、セラミック基体1用のセラミックグリーンシートに含有される原料粉末と実質的に同一の原料粉末に適当な有機バインダ、溶剤を添加混合して得たセラミックペーストをセラミック基体1用のセラミックグリーンシート上に従来周知のスクリーン印刷法を採用して所定のパターンに印刷塗布しておき、それをセラミック基体1用のセラミックグリーンシートとともに焼成することでセラミック基体1の上面に凹部1aを取り囲むように被着形成される。
【0020】
かくして、本発明の発光素子搭載用基板によれば、セラミック基体1の凹部1a底面に発光素子4を、その電極が配線層2に電気的に接続されるようにして導電性接着材7を介して取着固定し、しかる後、凹部1a内にエポキシ樹脂等の透明な封止用樹脂材5をその表面が平坦になるように充填し、発光素子4を気密に封入することによって製品としての発光装置となる。
【0021】
なお、本発明は上述の実施の形態例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。例えば、本発明の実施の形態例では中抜き部7をセラミック基体1の上面に一箇所形成したものであったが、2箇所以上形成することでセラミック基体1上面に対する封止用樹脂材5の平行度および平坦度を管理しやすくするようにしても構わない。
【0022】
【発明の効果】
本発明の発光素子搭載用基板によれば、セラミック基体の上面に、発光素子が収容される凹部を取り囲む枠状絶縁層が被着されており、かつ該枠状絶縁層の内周と外周との間に前記内周側に開口する中抜き部が形成されていることから、凹部内に封止用樹脂を充填する際に封止用樹脂の充填量に多少の過多があったとしても、その過多の分の封止用樹脂は枠状絶縁層に設けた中抜き部に収容されることとなり封止用樹脂の一部がセラミック基体の上面に多量に濡れ広がることはなく、それにより凹部内に充填された封止用樹脂の厚みおよび表面形状を各発光装置で均一として、それらの発光装置を用いた電光表示板において表示される文字や画像を極めて鮮明なものとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発光素子搭載用基板の実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】図1に示す発光素子搭載用基板の上面図である
【符号の説明】
1・・・セラミック基体
1a・・・凹部
4・・・発光素子
6・・・枠状絶縁層
6a・・・中抜き部
Claims (1)
- セラミック基体の上面に発光素子が収容される凹部を有する発光素子搭載用基板であって、前記セラミック基体の上面に前記凹部を取り囲む枠状絶縁層が被着されており、該枠状絶縁層の内周と外周との間に前記内周側に開口する中抜き部が形成されていることを特徴とする発光素子搭載用基板。
Priority Applications (1)
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JP2002177393A JP2004022895A (ja) | 2002-06-18 | 2002-06-18 | 発光素子搭載用基板 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002177393A JP2004022895A (ja) | 2002-06-18 | 2002-06-18 | 発光素子搭載用基板 |
Publications (1)
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JP2004022895A true JP2004022895A (ja) | 2004-01-22 |
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Country Status (1)
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Cited By (3)
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JP2006100688A (ja) * | 2004-09-30 | 2006-04-13 | Tokuyama Corp | 発光素子収納用パッケージの製造方法 |
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-
2002
- 2002-06-18 JP JP2002177393A patent/JP2004022895A/ja active Pending
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