JP2004022246A - バックライト装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バックライト装置6の筐体1の開口部1a上に集光シート9及び光透過拡散板4を載置し、この光透過拡散板4とランプ3間に熱遮断空間部13を形成し、ランプ3の発熱を光透過拡散板4に与えないようにすると共に所定高温に達した時はランプ3の管電流を制御し低消費電力で効率よい輝度発光を行なう様にする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶ディスプレイ(LCD)に使用されるバックライト装置に係わり、特に拡散板面上の温度上昇を防止可能なバックライト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロコンピュータ、テレビジョン受像機等の電子機器の表示装置として利用されているLCDは非発光性のため、バックライト装置の様な外部照射用の光源を必要としている。
【0003】
この様なバックライト装置としては円筒光源に冷陰極管又は熱陰極管等の細径の蛍光管(以下ランプと記す)を用いるのが一般的であり、構造としては導光板の側面にランプを配設したエッジライト方式と、筐体内部に反射体(以下反射板と記す)及びランプを収納し、筐体開口に配設した光透過拡散板にランプからの直接光及びランプからの光を反射板で反射させた光を光透過拡散板で入射拡散させて均一な面状光を出光させる様にした直下方式が知られている。
【0004】
上述の直下方式或はエッジライト方式はLCDの要求性能に応じて選択されるが直下方式はランプの直接光を利用するためエッジライト方式に比較して光の利用効率が高く、モニタ用、テレビジョン受像機用等の高輝度を必要とする用途に適しているが、エッジライト方式に比べてランプが配設された筐体内の温度上昇が高く、発光面上の温度が高くなる。
【0005】
図7(A)は従来の直下方式のバックライト装置を示す平面図であり、図7(B)は図7(A)のA−A’ 断面矢視図、図7(C)は図7(A)のB−B’断面矢視図を示している。
【0006】
バックライトのランプハウスとなる筐体1は上面に開口部1aを有する断面が台形状の箱状と成され、白色高反射グレード成型樹脂で一体成型するか、金属板或は金属板と成型樹脂を組み合わせて作製する。
【0007】
筐体1内には高反射塗料を塗布するか、高反射フィルム材等を貼着させて反射面としての反射板2を形成する。
【0008】
円筒光源を構成するランプ3は筐体1の底面から1〜2mm程度離間した位置に保持されるように端部を高反射グレード樹脂の射出成型で得た円筒光源支持台5(図7(A)〜(C)では筐体1の側板と一体化されている)に固定しており、配置する本数は要求される輝度によって決定する。
【0009】
上記した各部品を組み立て、上面に乳白色アクリル樹脂等を用いた光透過拡散板4を開口部1aを覆う様に配置させることでバックライト装置6が構成され、ランプ3から放射状に発した光は直接或は筐体1内の反射板2で反射されて光透過拡散板4に到達し、光透過拡散板4で面発光に変換される。
【0010】
又、光透過拡散板4の表面には少なくとも1枚以上の集光シート9が配設されて照光面の法線方向に光を集光させている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述のバックライト装置6は筐体1の開口部1aには熱可塑性光学合成樹脂材料から成る光透過拡散板4で覆われ、筐体1内には複数(通常12本程度)のランプ3が配設されているため、筐体1内はかなりの高温となる。
【0012】
図8(A)(B)は上記した本発明に用いる直下方式と従来のエッジライト方式の光透過拡散板4上の温度測定点での周囲温度との温度差ΔTとを示すもので図8(A)は300mm×360mmの光透過拡散板4上の測定点a〜iを示すものであり、図8(B)は両方式の測定点の温度と周囲温度との温度差ΔTを示す表であり、両方式は共に30w入力した場合の温度実測値である。
【0013】
この表からも明らかな様にエッジライト方式に比べて直下方式では周囲温度25℃での各測定位置a〜iの平均のΔTは7.6℃に対し、10.4℃と直下方式とエッジライト方式とでの差は−2.8℃と成って、直下方式での筐体1内の温度上昇が激しいことが解る。
【0014】
例えば、夏期等でランプ3として12本の冷陰極管を用い、18.1インチの筐体1内に収納して、点灯した場合の光透過拡散板4の中央部では自然対流環境での周囲温度35℃より略16℃高い51℃に達している。このため、光透過拡散板4の発光面からの熱をLCD操作者に与えて、夏期等では不快感を感じさせる課題があった。
【0015】
また、ランプとして用いられる冷陰極管3の管壁輝度は管電流が小さい程、周囲温度を高く選定した方が最高輝度を示すので、低消費電力時には筐体1内の温度が低いと高能率でランプ3を駆動可能なバックライト装置が得られない課題を有していた。
【0016】
本発明は叙上の課題を解消するためになされたもので、発明が解決しようとする第1の課題は光透過拡散板の発光面への熱輻射を減少させ、LCD操作者に不快感を与えることのないバックライト装置を提供しようとするものである。本発明が解決しようとする第2の課題はランプ3の管電流が小さい時は温度を高くなる様にコントロールして、高輝度の光を放射可能なバックライト装置を提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明は筐体1の開口部1aを覆う様に拡散板4を配し、筐体1内にランプ3及び反射板2を配設した直下方式のバックライト装置6であって、筐体1のランプ3の配設空間部11と、開口部1aを覆う拡散板4間にランプ3からの発光熱を遮断する熱遮断空間部13を設けたことを特徴とするバックライト装置としたものである。
【0018】
第2の本発明は熱遮断空間部13を形成するために筐体1の開口部1aから所定離間した位置に透明合成樹脂板或はシート12を配設させたことを特徴とするバックライト装置としたものである。
【0019】
第3の本発明は筐体1の光源配設空間部11或は熱遮断空間部13のいづれか一方或は両方に空間部11,13を冷却する冷却手段を設けたことを特徴とするバックライト装置としたものである。
【0020】
第4の本発明は冷却手段が筐体1の側壁に穿った通気孔14であることを特徴とするバックライト装置としたものである。
【0021】
第5の本発明は透明合成樹脂板12が赤外線遮断シートであることを特徴とするバックライト装置としたものである。
【0022】
第6の本発明は筐体1内の温度が所定の高い(例えば45℃)に達した時にライト3の管電流を減少する様に制御させたことを特徴とするバックライト装置としたものである。
斯かる、本発明のバックライト装置によれば透過拡散板の発光面上での温度上昇を抑制可能で且つ管電流が少なく、低消費電力で点灯されている場合にはバックライトの発光効率を高めることが可能なバックライト装置が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のバックライト装置の1形態例を図1乃至図5によって詳記する。
図1(A)は本発明の1形態例を示すバックライト装置の平面図、図1(B)は図1(A)のA−A’ 断面矢視図、図1(C)は図1(B)のA部拡大図である。
【0024】
図1(A)乃至図1(C)に於いて、バックライト装置6のランプハウスとなる筐体1は筐体1内に貼着した反射板2を反射シート又は反射部材を塗布した光の反射体或は筐体1自体を白色高反射グレード成型樹脂で一体成型されている。この筐体1は上部に開口部1aを設けて箱型に成形される。
【0025】
筐体1の左右及び前後側部は図1(B)に示す様に断面が台形と成され、左右側部には図示しないが高反射グレード樹脂で成型した円筒光源支持台5が固定されて、少なくとも1本以上の冷陰極管や熱陰極管等で構成されたランプ3(円筒光源)が筐体1の底部1b上の反射板2の表面から1〜2mm程度離間した位置に取り付けられて、略断面が台形状の光源配設空間部11が形成される。
【0026】
上述の筐体1の開口部1aを覆う様に、従来構成と同様に光透過拡散板4及び集光シート9を配設すると共に、光透過拡散板4の下面から所定距離だけ離間した位置に熱遮蔽板としての透明合成樹脂板或はシート12を架張し、光源配設空間部11内を上下に区切って筐体1の上側に熱遮断空間部13を形成する。
【0027】
又、上述の光源配設空間部11には図1(A)(B)の様に、ランプ3から発生する熱を自然空冷するために筐体1の前後、左右側壁に複数個の通気孔14が穿たれている。
【0028】
この通気孔14は必要に応じて熱遮蔽板としての透明合成樹脂13の上側に形成される熱遮断空間部13の筐体の前後左右側壁にも複数個、穿って熱遮断空間部13を自然空冷により冷却する様にしてもよい。
【0029】
この様に筐体1の略中間位置(少なくとも光透過拡散板4の裏側面より離間した位置)に熱遮蔽板12を配設することで、ランプ3から発せられる光を直接に或はランプ3から下側の反射板2で反射した光と共に透明合成樹脂より成る熱遮蔽板12、及び光透過拡散板4、並びに集光シート9に入射させることで集光シート9で面状の光に変換させて平面光源を構成させると共にランプ3から発する熱を透過拡散板4及び集光シート9に伝えない様に成されている。
【0030】
光透過拡散板4の表面には少なくとも1枚以上の図1(C)に示す集光シート9が配設されて照光面の法線方向に光を集光及び拡散させ輝度を高めている。
【0031】
1枚の集光シート9は図1(C)に示す様に100μm程度の、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリオレフィン樹脂等のシート9の表面に小径のビーズをコーティングしたビーズコート層9bと、裏面にアクリル樹脂等の貼り付き防止用のステッキング防止コート層9cで構成されている。
【0032】
上述の熱遮蔽板12として用いる透明合成樹脂材料としては透明なPET樹脂、PBT樹脂、PC樹脂、ポリオレフィン樹脂等のシート或は板材が選択される熱遮蔽板12は赤外線反射或は遮断シートであってもよい。
【0033】
又、光透過拡散板4の撓みを補正する為に筐体1の底面から熱遮蔽板12を貫通して光透過拡散板4の下面に対接する様に筐体1の内側の高さと略同一のピン16を筐体1の底面に立設させる。
【0034】
このピン16は撓みが生ずる部分に図1(A)に示す様に少なくとも1本以上を適宜位置に設けることが出来る。
【0035】
図2(A)は本発明の他の形態例を示す熱遮蔽板12の組立状態を示す斜視図であり、図2(A)で光透過拡散板4上にビーズコート層9bを上側にして例えば3枚の集光シート9が重ねられて、筐体1の開口部1a上に載置される。
【0036】
熱遮蔽板12を構成する透明合成樹脂板或はシート12は略長方形状に形成され、その2辺或は4辺は筐体の上下又は/及び左右側壁1c,1d又は/及び1L,1R内面の開口部1aから所定距離だけ離間した位置に設けた溝17内に挿入されて筐体1の側壁に固定される。
【0037】
熱遮蔽板12にはピン16が貫通する図2(A)では3つの透孔12aが穿たれている。
【0038】
反射板2は筐体1の開口部1aを介して底板1bに固定される。ピン16は円盤状の基部16aに立設され、ピン16の形状は略円錐形状で熱遮蔽板12の透孔12aを介して光透過拡散板4の裏面との対接点20で点接触する様に先端が1mm2 程度のチップ状と成され、高さは筐体1の高さと略同一の20mmのポリカーボネート製と成されている。
【0039】
反射板2にはピン16の立設位置に対応して図2(A)では3本のピン16の基部16aが貫通可能な透孔2aが穿たれている。この透孔2aにピン16の基部16aを挿入し、基部16aの底面に塗布した接着剤を介して筐体1の底部1bに貼着して固定する。或は筐体1の底板1bより円錐状のピン16を一体に立設させてもよい。
【0040】
筐体1の底板1bに反射板2を固定し、上下、左右側壁1c,1d及び1L,1R内壁の溝17に熱遮蔽板12を挿入固定し、光透過拡散板4及び集光シート9を開口部1aに覆せて、バックライト装置6を構成させた状態では図1(B)で説明した様にランプ3の配設された光源配設空間部11は2分割されて熱遮蔽板12の上側に熱遮断空間部13が形成されることになる。
【0041】
この光源配設空間部11の熱遮蔽板12より下側の上下及び左右側壁1c,1d及び1L,1Rにランプ3の点灯時に熱を放散するための複数の通気孔14を穿つ様にする。又、必要に応じて熱遮断空間部13を形成する上下又は/及び左右側壁1c,1d及び1L,1Rにも通気孔14aを穿ってもよい。
【0042】
図2(B)は図2(A)の平面図を示すもので、熱遮蔽板12として厚みが0.2mm程度のPET等のシートを用いて、ピン16等を用いずに熱遮蔽板12を所定の張力を与えて架張し、溝17内或は取付部に装着或は固定する方法を説明するためのものである。
【0043】
図2(B)に於いて熱遮蔽板12の上下左右の略中央位置に所定長さの断面が図2(B)のB−B’断面図の図2(C)の様に略コ字状と成された上下左右の係止片18U,18D及び18L,18Rを嵌着させ、これら係止片を上下、左右に引張りながら溝17位置に適宜方法で固定させる。図2(C)の場合は筐体1の上下左右側壁と一体に成形した取付片1e上に右係止片18Rを接着剤等で固定させた場合である。勿論、これら係止片18U,18D及び18L,18Rは合成樹脂材料で断面コ字状に形成して熱遮蔽板12の嵌着部間で所定のスプリング力が与えられる様に成されると共に下方から照射されるライト3によって上下、左右係止片18U,18D,18L,18Rの影が光透過拡散板4上に出ても問題ない位置或は影が出ない様に選択されている。
【0044】
上述の如き本発明のバックライト装置に依ればランプ3点灯時に発生する熱は筐体1内が光源配設空間部11及び熱遮断空間部13の2層構造となることで光透過拡散板4の発光面上の温度上昇を大幅に抑制可能なバックライト装置を得ることが出来る。
【0045】
以下、本発明のバックライト装置を比較例と比較した場合の光透過拡散板4の発光面上の上昇温度、飽和時の筐体内(光源配設空間部)と光透過拡散板の発光面上の温度差、効率の変化及び輝度変化率、周囲温度と管壁輝度との関係を図3乃至図6により説明する。
【0046】
〔実施例〕
LCDの画面サイズに18.1インチを使用し、ランプ3として外径3mm、内径2.4mmの冷陰極管を12本用いて、筐体1の反射板2の上面とランプ3間の距離を2mmとし、高さ28mm位置の開口部1a上に厚さ2mmのアクリル樹脂からなる光透過拡散板4を配設すると共に2枚の集光シート9を該光透過拡散板4上に配設して50Wを供給したバックライト装置6を比較例1とし、この比較例1と同様条件の筐体1の開口部1aから6mm離間した位置に厚み0.2mmのPETから成る熱遮蔽板12としてのシートを配設したバックライト装置6を実施例1とし、更に実施例1と同様の熱シート12を設けて、筐体1の熱遮断空間部13にのみ通気孔14aを穿ったバックライト装置6を実施例2とし、実施例1と同様のシート12を設けて光源配設空間部11のシート12の下側の側壁に通気孔14を穿ったバックライト装置6を実施例3とし、光透過拡散板4上の上昇温度(℃)及び飽和時の筐体1内(光源配設空間部11内)と光透過拡散板4の温度差を図3及び図4に示す。
【0047】
図3に於いて、横軸は比較例1と本発明の実施例1乃至実施例3を示し、縦軸は透過拡散板4上の照光面上の上昇温度(℃)を示す。この例から解る様に比較例1ではA=16℃、本発明の実施例1乃至実施例3では夫々B=14.0℃、C=13.8℃、D=12.5℃となり、比較例1に比べて温度上昇が低下していることが解る。
【0048】
図4は横軸に比較例1と本発明の実施例1乃至実施例3を示し、縦軸はランプ3を点灯し、所定の輝度に達した飽和時の筐体1内と透過拡散板4上との温度差、即ち、ランプ3近傍の光源配設空間部11内の温度(℃)と光透過拡散板4上の温度差を示すものであり、比較例1では温度差A’ =5.7℃、本発明の実施例1乃至実施例3では夫々の温度差B’=9℃、C’=9.5℃、D’=11.7℃と本発明のバックライト装置6では温度差を大きくすることが可能となっていることが解る。
【0049】
上述の様に本発明では周囲温度とランプ3の消費電力の差異による光透過拡散板4上の温度差を考察すると、比較例1と実施例1での光透過拡散板4の温度差は電力50W入力時で周囲温度35℃、自然空冷では図3の拡散板上昇温度で示す様に比較例1が16℃に対し、実施例1では14℃に抑えられている。同様に周囲温度35℃、自然空冷で電力35W入力時の比較例1及び実施例1との光透過拡散板4上の温度は13.2℃に対し11.7℃に抑えられているので光透過拡散板4上での温度上昇の低下は実施例1〜実施例3のいづれの形態に於いても図られることが解る。
【0050】
次に、図5乃至図6によって、光透過拡散板4上での輝度の効率について考察してみる。
【0051】
図5(A)は上述の各比較例1と本発明の実施例1乃至実施例3に於ける効率の変化を比較したグラフを示すもので縦軸に効率の変化をとっている。この効率はピーク時の輝度/飽和時の輝度で表される。一般的にはバックライト装置6内のランプ3の電源投入直後のピーク時の輝度から1時間経過後のランプ3の輝度は飽和状態に達するので飽和時の輝度はこの時の輝度cd/m2 をとっている。
【0052】
図5(A)をみると、単に熱遮蔽板としての透明合成シートを光源配設空間部11に介在しただけでは比較例1に比べて実施例1及び実施例2では1〜2%の輝度の効率の低下がみられる程度で比較例とほとんど変化のない傾向をしめしているが、実施例3の場合は略99.6%と効率を高めることが可能となった。実施例2及び実施例3での構造的な差異は光源配設空間部11の熱遮蔽板12の下側或は上側に冷却用の通気孔14を設けたか否かだけであるのになぜ実施例3に示す様な輝度効率の上昇がみられないのかを以下に推考してみる。
【0053】
図5(B)は横軸にランプ3のピーク時から飽和時までの時間を縦軸に輝度変化率をとったグラフであるが輝度変化率に於いても図5(A)と同じ傾向を示していて実施例3曲線D’’’ のみが飽和時までの輝度変化率の低下が少ない(直線が緩やか)ことが解る。
【0054】
この様に実施例2に於いて輝度の効率及び輝度変化率が比較例と変わらない原因は熱遮蔽板12の下側のランプ3によって熱せられた光源配設空間部11内の熱が通気孔14aを介して熱遮断空間部13内に流入し、周囲温度が急激に上昇するために光源配設空間部11と熱遮断空間部13間は温度差が生ぜず構造上、光源配設空間部11側の熱は殆ど逃げずに保持されるため実施例1よりわずかに上回る程度でしかない。それに対し実施例3は冷陰極管3が直接冷やされるため効率が上がり、発熱源そのものの温度が低下するため、熱拡散板12の温度も必然的に下がる。筐体1の内部の光源配設空間部11と熱拡散板12との温度差も通気孔14を穿つことにより側面からの伝熱が減った為、温度差が大きくなったと推測される。
【0055】
又、一般にランプ3の管壁輝度(cd/m 2)と周囲温度(℃)との関係は図6に示す様になり、管壁輝度のピーク値の周囲温度は管電流、即ち、電力に大きく依存している。
【0056】
図6で曲線E,Fは夫々管経3mm、管長364mmのランプ3に夫々管電流を7.7mA及び7mAを流した場合の輝度変化を表し、曲線Gは同様のライト3の管電流を5mAにした時の輝度変化を表している。これら曲線E及びFと曲線Gでのピーク管壁輝度での周囲温度差は25℃に対し42℃であり17℃程度の差を生じている。
【0057】
従って、実施例1及び実施例2並びに実施例3に於いてランプ3への管電流即ち消費電力を小さくする様に、周囲温度が20℃乃至60℃の範囲で制御する。例えば、周囲温度が40℃に達した時に管電流を小さくする様に制御すればランプ3はピーク輝度を示すので周囲温度が上昇しても実効率でランプ3の点灯を効率よく行うことが可能となる。
【0058】
又、自然冷却でなく、ブロワやペルチェ効果を用いた冷却素子等で強制空冷することで周囲温度を制御することで輝度の効率を制御することも可能となる。
【0059】
【発明の効果】
本発明のバックライト装置によれば光透過拡散板4の上下面から所定離間した位置に熱遮断板或はシートを配設することで熱遮断空間部13によってランプ3側の空間に熱を集中させ、光透過拡散板4上の温度上昇を抑制すると共に筐体1内温度が所定以上に上昇した場合には管電流を下げて、効率よくピーク輝度が得られる様に消費電力を制御させることが可能なバックライト装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバックライト装置の1形態例を示す平面図、図1(A)のA−A′断面矢視図及び図1(B)のA部拡大図である。
【図2】本発明のバックライト装置の他の形態例を示す組立斜視図と平面図及び図2(B)のB−B’断面矢視図である。
【図3】比較例と本発明の実施例のバックライト装置の拡散板の上昇温度を示すグラフである。
【図4】比較例と本発明の実施例のバックライト装置の飽和時の筐体内と拡散板の温度差の関係を示すグラフである。
【図5】比較例と本発明の実施例のバックライト装置の効率の変化とピーク時から飽和時の輝度変化率を示すグラフである。
【図6】本発明に用いるランプの管壁輝度と周囲温度を示す曲線図である。
【図7】従来のバックライト装置の平面図及び7(B)のA−A’及びB−B’断面矢視図である。
【図8】従来の直下方式とエッジライト方式の光透過拡散板上の温度比較図である。
【符号の説明】
1‥‥筐体、2‥‥反射板、3‥‥円筒光源(ランプ)、6‥‥バックライト装置、9‥‥集光シート、11‥‥光源配設空間部、12‥‥熱遮蔽板(透明合成樹脂板)或はシート、13‥‥熱遮断空間部、14,14a‥‥通気孔、15‥‥撓み
Claims (6)
- 筐体の開口部を覆う様に拡散板を配し、該筐体内に光源及び反射板を配設した直下方式のバックライト装置であって、
上記筐体の上記光源の配設空間部と、上記開口部を覆う拡散板間に該光源からの発光熱を遮断する熱遮断空間部を設けたことを特徴とするバックライト装置。 - 前記熱遮断空間部を形成するために前記筐体の前記開口部から所定離間した位置に透明合成樹脂板或はシートを配設させたことを特徴とする請求項1記載のバックライト装置。
- 前記筐体の前記光源の配設空間部或は前記熱遮断空間部のいづれか一方或は両方に該空間部を冷却する冷却手段を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のバックライト装置。
- 前記冷却手段が前記筐体の側壁に穿った通気孔であることを特徴とする請求項3記載のバックライト装置。
- 前記透明合成樹脂が赤外線遮断シートであることを特徴とする請求項2記載のバックライト装置。
- 前記筐体内の温度が所定の高い温度に達した時に上記光源の管電流を減少する様に制御させて成ることを特徴とする請求項1記載のバックライト装置。
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