JP2004219838A - バックライト装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バックライト装置6の筐体1の開口部1a上に板状拡散手段10として透明板10上に光学シート11をラミネートし、光学シート11の曇り値を選択して、全光線透過率を自由に選択し、ピン7等の支持部材のピンムラや輝度ムラを減少させる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に装着されるバックライト装置に係わり、特に、ピンムラ及び輝度ムラを少なくしたバックライト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マイクロコンピュータ、テレビジョン受像機等の電子機器の表示装置として利用されている液晶表示装置(以下LCDと記す)は非発光性のため、バックライト装置の様な外部照射用の光源を必要としている。
【0003】
この様なバックライト装置としては円筒状光源に冷陰極管又は熱陰極管等の細径の蛍光管を用いるのが一般的であり、構造としては導光板の側面に円筒状光源を配設したエッジライト方式と、筐体内部に反射体(以下反射板と記す)及び円筒状光源を収納し、筐体開口に配設した光透過拡散板に円筒状光源からの直接光及び円筒状光源からの光を反射板で反射させた光を光透過拡散板で入射拡散させて均一な面状光を出光させる様にした直下方式が知られている。
【0004】
上述の直下方式或はエッジライト方式はLCDの要求性能に応じて選択されるが直下方式は円筒状光源の直接光を利用するためエッジライト方式に比較して光の利用効率が高く、モニタ用、テレビジョン受像機用等の高輝度を必要とする用途に適している。
【0005】
図7(A)は従来の直下方式のバックライト装置を示す平面図であり、図7(B)は図7(A)のA−A′断面矢視図、図7(C)は図7(A)のB−B′断面矢視図を示している。
【0006】
バックライトのランプハウスとなる筐体1は上面に開口部1aを有する断面が台形状の箱状と成され、合成樹脂で一体成型するか、金属板或は金属板と合成樹脂を組み合わせて作製する。
【0007】
筐体1内には高反射塗料を塗布するか、高反射フィルム材等を貼着させて反射面としての反射板2を形成する。
【0008】
光源を構成する円筒状光源3は筐体1の底面から1〜2mm程度離間した位置に保持されるように端部を射出成型で得た円筒光源支持台5(図7(A)〜(C)では筐体1の側板と一体化されている)に固定しており、配置する円筒状光源3の本数は要求される輝度によって決定する。
【0009】
上記した各部品を組み立て、上面に乳白色アクリル樹脂等を用いた乳白色光透過拡散板4を開口部1aを覆う様に配置させることでバックライト装置6が構成され、円筒状光源3から放射状に発した光は直接或は筐体1内の反射板2で反射されて乳白色光透過拡散板4に到達し、乳白色光透過拡散板4で面発光に変換される。
【0010】
又、乳白色光透過拡散板4の表面には少なくとも1枚の光学シートとしての集光シート9が配設されて照光面の法線方向に光を集光させている。
又、光透過拡散板4の中央部分での垂れ下りを防止するために筐体1の底面からピン7を立設する様に成されている。この様なバックライト装置は特許文献1に詳記されている。
【0011】
【特許文献1】
特許公開2002−116705(図10、図11)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述の様な従来のバックライト装置に用いられる乳白色アクリル樹脂を用いた乳白色光透過拡散板4は板材の製作過程に於いて、樹脂内に所定の拡散剤を添加することで予め所定の透過率を有する板材を成型するため多くの製造工程と多くの手間を要するためユーザサイドで希望の全光透過率や曇り量が選択出来ず、高価となる課題を有していた。
【0013】
又、直下方式のバックライト装置6では光透過拡散板4をコストダウン等の為に取り除いたものも提案されている。然し、この様なバックライト装置6はLCD表示装置の画面の口径寸法が10.4インチ以下のものであり、これより画面口径寸法の大きい集光シート9のみでは図7(B)の様に撓み20が生じ、円筒光源3或は反射板2と集光シート9間の距離は周辺の距離と中心部分ではT1 に示す様には厚みが薄くなることにより照光面上では視覚的に明るいところと暗いところが発生して輝度ムラやピンムラが問題となる。
【0014】
図8はLCD表示装置の画面の口径寸法(画面サイズ:画面の対角線間のインチ寸法)を横軸にとり、縦軸に画面中心位置で光透過拡散板4を設けない場合の集光シート9の最大撓み量をプロットしたものである。
【0015】
この画面の口径寸法(サイズ)と集光シート9の撓み量との関係をみると、画面サイズが10.4インチ以下では撓み量は零であり、筐体1の開口部1a上に直接集光シート9を配設する様にしても、特に問題は生じないことが解る。然し、LCD装置の画面サイズ(筐体1の開口部1aの画面サイズと略同一であるので以後、筐体1の開口部1aの口径サイズとして説明する)が16インチを越えた場合の撓み20の量は図8の直線22の様に5mmにもなり、叙上の様に輝度ムラやピンムラが大幅に増大する問題が発生する。この為にピン7を設けると、このピン7が照光面上に影として写り、ピンムラを更に増大させる。
【0016】
本発明は叙上の課題を解消するために成されたもので、発明が解決しようとする課題は光透過拡散板を用いることなく、廉価な透明板を用いて、撓みを防止すると共に、支持部材のピンに依って生ずるピン部分の影(ピンムラ)や輝度ムラが生じない様にしたバックライト装置を提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明は筐体内に、円筒状光源3が配されると共に、筐体1の内面上に反射体2が形成され、筐体1の開口部1aに、板状拡散手段10が配されてなるバックライト装置において、板状拡散手段10は、筐体1の開口部1aに配された透明板12及び光学シート11とで構成させたことを特徴とするバックライト装置6としたものである。
【0018】
第2の本発明は円筒状光源3の開口部1a上に透明板12が配され、この透明板12上に光学シート11を載置して板状拡散手段10の全光線透過率を制御して成ることを特徴とするバックライト装置としたものである。
【0019】
第3の本発明は光学シート11を拡散シート11a,11c及びプリズムシート11b等の複数のシートで構成させて成ることを特徴とするバックライト装置としたものである。
【0020】
第4の本発明は板状拡散手段10を構成する透明板12を透明合成樹脂或は透明ガラスで構成させたバックライト装置としたものである。
【0021】
第5の本発明は板状拡散手段10の透明板12の厚みを0.5〜2.6mmと成したバックライト装置としたものである。
【0022】
第6の本発明は透明板12と支持部材7を兼用させたバックライト装置としたものである。
【0023】
斯かる、本発明のバックライト装置に依れば下記の効果が得られる。
(イ)支持部材と光学シート間の距離を所定距離だけ離すことで、照光面上の支持部材による輝度ムラやピンムラを減少し、支持部材の目立ちの少ないバックライト装置を得ることが出来る。
(ロ)板状拡散手段を得る為に透明板と光学シートとを組合せる場合に光学シートに高曇り値のシートを用いることで所望の希望する全光線透過率を有する板状拡散手段をユーザサイドで得ることが出来る。
(ハ)大口型の画面サイズでも支持部材によって光学シートの撓みを防止して輝度ムラやピンムラの発生を防止出来る。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の1形態例を示すバックライト装置の構成を図1乃至図5によって説明する。尚、図6乃至図8の従来構成との対応部分には同一符号を付して説明する。
図1(A),(B)は本発明のバックライト装置の筐体上の平面図及び図1(A)のA−A′断面矢視図を示すものであり、図2は本発明に用いる他の構成を示す板状拡散手段の側断面図及び支持部材の斜視図及び支持部材の斜視図である。
【0025】
図1(A),(B)及び図2に示す本発明のバックライト装置6の筐体1は平面形状が長方形(厚みt=2mmのアルミニウム板)であり、筐体1の内部には、複数本の円筒状光源(例えば、冷陰極管)3が、互に平行に配されている。筐体1の内面には図1(B)に示す様に白色の反射面から成る反射板2が配され、この反射板2の所定位置に支持部材と成るピン7が形成され、その四辺は反射効率を高めるため傾斜させた傾斜部2bとされ、断面略台形となる様に成されている。
【0026】
更に、筐体1の図1(B)の側断面図に示す様に内面に並設される複数の円筒状光源3の電極部5が配される筐体1の底部1bの裏面にはインバータ回路基板10が固定されている。
【0027】
更に、本発明のバックライト装置6は図1(B)に示す様に筐体1の開口部1aを覆う様に、例えば、透明なアクリル樹脂、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマ樹脂等の合成樹脂又は透明な板状ガラスからなる長方形状の透明板12で構成される。例えば透明アクリル樹脂で厚み1mmのものでは全光線透過率は85%以上が選択される。
【0028】
この透明板12の上には高曇り値の光学シート11がラミネートされる。この光学シート11としては例えば厚み125μmのPET(ポリエチレンテレフタレート製)で構成されている。
【0029】
この光学シート11の全光線透過率は70%±10%程度で曇り値は80%以上のものを選択する。
【0030】
光学シート11の材質はPETに限らずアクリル、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマ等も選択可能である。
【0031】
この様な光学シート11と透明板12によって板状拡散手段10を構成する。この板状拡散手段10上には液晶パネル8を枠部材13や抑え部材14を介して固定する様に成されている。
【0032】
更に、筐体1の底部1bからは円錐状でチップ部が半球状と成された複数のピン7から成る支持部材が立設されている。
【0033】
又、光学シート11の他の構成としては図2(A)に示す様に透明板12上にPETよりなる第1の拡散シート11aを配設し、その上にPET等のプリズムシート1bを配し、更にこのプリズムシート11b上にPETから成る第2の拡散シート11c等の複数シートを配設させる様にしてもよい。
【0034】
図2(B)に示す構成は複数の円筒状光源3を筐体1の長方形状の開口部1aの短辺方向に並設して、透明板12をピン7を用いずに支持部材に兼用した場合である。図2(B)の場合は透明板12の形状は開口部1aと略同寸法の長方形状の2mm程度の板材で構成させているが図2(C)に示す様に支持部材7と兼用の透明板12を十字状等の適宜形状と成すことが出来る。
【0035】
〔実施例〕
以下、本発明の透明板12として厚さ2mmの透明アクリル板を筐体1の開口部1a上に配設し、曇り値が82.4%で全光線透過率が69.4%の(シート名,D123,ポリエチレンテレフタレート製)と、従来例として厚みが2mmの乳白色の光透過拡散板4を用いた場合の輝度と輝度比並びにその光量分布特性曲線を夫々図3及び図6に示す。
【0036】
図6(A),(B)及び図3(A),(B)は板状拡散手段10上の図6(C)で示す各ポイント(1)乃至(9)部分での輝度を測定した結果を示すもので本発明の実施例に於ける各ポイント(1)乃至(9)での輝度と従来例の光透過拡散板4での輝度は平均輝度に置いても図6(B)に示す様に従来が5790cd/m2 であるのに対し、本発明では図3(B)の様に5852cd/m2 であり、輝度比で比較しても101.1%であり、ほとんど変わらない輝度が得られ、輝度ムラに於いて1.17に対し、本発明では1.16と従来例と変らない輝度ムラを得ている。
【0037】
一方、図6(A)と図3(A)の輝度分布特性曲線をみると図6(A)では照光面の中心部近傍から周辺部に至る輝度が急激に変化する部分、即ち、輝度変化率のベクトルVLEが本発明では勾配が緩やかになっている。この様に勾配が急であると人の視覚では輝度変化率の大きいときはこの部分で輝度ムラがある様に認識してしまうことになるが、本発明の実施例では、この点が廉価な透明板を用いているにもかかわらず改善されている。
【0038】
更に、支持部材としてのピン7の先端と光学シート11間の距離を横軸にとり、縦軸にピンムラ%をとったピンムラの関係特性曲線を図4及び図5に示す。
【0039】
図4及び図5は共に照光面上のピン7上の輝度Aと、該位置から左右10mm位置での平均輝度Bを測定し、輝度B/輝度A×100−100の計算式に基づいてピンムラを計測したものである。
【0040】
図4の曲線24は空間上のピン7の頂部と測定距離である所定距離位置でのピンムラを示し、曲線25は同じくピン7の頂部と所定距離(空間)離間させた位置に光学シート11を配した光学シート11上のピンムラを示している。
【0041】
図5の曲線26は図1(A),(B)に示したと同様構成のバックライト装置6のピン7上の光学シート11のピンムラであり、透明板12の厚みを順次変化させ、光学シート11として前記したD123を1枚透明板12上に載置した場合のピンムラ測定曲線を示すものである。
【0042】
上述の図4及び図5の曲線24及び25と曲線26とを比較すると略同様の特性曲線を示し、ピンムラが限りなく0に近づくためには光学シート11と支持部材であるピン7の頂部との距離を2.6mm以上離間させる必要があるが、ピンムラ3%以下に抑えるためには空間距離即ち、透明板12の厚みを夫々0.5mm以上で2.6mm以内に選択すればよいことが解る。
【0043】
これら、測定結果を基に図3(A),(B)に示す様に透明板12にアクリル合成樹脂として2mm厚で全光透過率80%を選択し、光学シート11として高い曇り率(81.4%)を有し全光透過率69.4%を選択した場合の輝度特性曲線では従来の高価な乳白色の光透過拡散板4を用いることなく、廉価な透明アクリル樹脂等の透明板11或は全く透明板11を配設しない空間だけでも所定の距離、ピン7の先端から離間した位置に光学シート11を配設すればよいことが解る。
【0044】
従って、ピン7の代りに所定厚みの透明板12を支持部材としてのピン7の代りに図2(B),(C)の様に兼用させることが可能と成る。
【0045】
勿論、透明板12が1mm程度で開口部サイズが20〜40インチに成る様なバックライト装置ではピン7を撓みを生ずる所定位置に立設することが好ましい。
【0046】
【発明の効果】
本発明のバックライト装置に依れば高価な乳白色の光透過板拡散を用いることなく、光学シートと透明板によって所望の曇り値を有する板状拡散手段がユーザサイドで選択可能で、全光線透過率を自由に制御することが可能なものが得られると共にピンムラを減少可能なバックライト装置を得ることが出来る効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のバックライト装置の1形態例を示す平面図及び側断面図である。
【図2】本発明のバックライト装置の他の形態例を示す要部側断面図及び支持部材の斜視図である。
【図3】本発明のバックライト装置の照光面上の輝度特性曲線図及び輝度測定表である。
【図4】本発明のバックライト装置に適用可能なピン及び光学シート間とピンムラの関係を示す曲線図である。
【図5】本発明のバックライト装置に用いるシート及び光学シート間とピンムラの関係を示す曲線図である。
【図6】従来のバックライト装置の照光面上の輝度特性曲線及び輝度測定表並びに測定方法を説明する説明図である。
【図7】従来のバックライト装置の平面図及び7AのA−A′及びB−B′断面矢視図である。
【図8】従来の画面サイズと撓みの関係を示す曲線図である。
【符号の説明】
1‥‥筐体、1a‥‥開口部、1b‥‥底部、2‥‥反射板、2b‥‥傾斜部、3‥‥円筒状光源、4‥‥光透過拡散板、6‥‥バックライト装置、7‥‥ピン(支持装置)、10‥‥板状拡散手段、11‥‥光学シート、12‥‥透明板
Claims (6)
- 筐体内に、円筒状光源が配されると共に、上記筐体の内面上に反射体が形成され、上記筐体の開口部に、板状拡散手段が配されてなるバックライト装置において、
上記板状拡散手段は、上記筐体の開口部に配された透明板及び光学シートとで構成させたことを特徴とするバックライト装置。 - 前記筐体の前記開口部上に前記透明板が配され、該透明板上に光学シートを載置して、前記板状拡散手段の全光線透過率を制御して成ることを特徴とする請求項1記載のバックライト装置。
- 前記光学シートを拡散シート及びプリズムシート等の複数のシートで構成させて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のバックライト装置。
- 前記板状拡散手段の前記透明板を透明合成樹脂或は透明ガラスで構成させて成ることを特徴とする請求項1記載乃至請求項3記載のいずれか1項記載のバックライト装置。
- 前記板状拡散手段の前記透明板の厚みを0.5〜2.6mmと成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載のいずれか1項記載のバックライト装置。
- 前記透明板を支持部材に兼用していることを特徴とする請求項1乃至請求項5記載のいずれか1項記載のバックライト装置。
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2003
- 2003-01-16 JP JP2003008678A patent/JP2004219838A/ja active Pending
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