JP2004021242A - 光スイッチ、波長可変素子、光可変減衰素子およびこれら光素子の作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化、信頼性、高速性、光学特性に優れ、多チャンネル化にも対応できる光スイッチなどの光素子とその作製方法を提供する。
【解決手段】光スイッチは可動光ファイバ1と、この可動光ファイバ1の先端に選択的に対応する2本の固定光ファイバ2を備え、固定光ファイバ2は支持プレート3のV溝内に固定されている。そして、前記可動光ファイバ1の外周面の一部には駆動層4が直接形成されている。この駆動層4は銅などの電極層4a、PZTなどの圧電体層4b、銅などの電極層4cを径方向にエアロゾルデポジション法にて順次積層されている。
【選択図】 図1
【解決手段】光スイッチは可動光ファイバ1と、この可動光ファイバ1の先端に選択的に対応する2本の固定光ファイバ2を備え、固定光ファイバ2は支持プレート3のV溝内に固定されている。そして、前記可動光ファイバ1の外周面の一部には駆動層4が直接形成されている。この駆動層4は銅などの電極層4a、PZTなどの圧電体層4b、銅などの電極層4cを径方向にエアロゾルデポジション法にて順次積層されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光スイッチ、波長可変素子、光可変減衰素子などの光素子とその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
波長分割多重(WDM)ネットワークには、光クロスコネクト(OXC)装置や光挿入・分岐・多重(OADM)装置が多数用いられている。
上記光クロスコネクト(OXC)装置や光挿入・分岐・多重(OADM)装置には光信号を電気信号に変換することなくそのまま光路を切り替える光スイッチ、波長可変素子或いは光可変減衰器などの光素子が組み込まれている。
【0003】
光素子にはミラー、レンズなどを組み合わせたバルクタイプ、これを半導体加工技術により小型一体化したMEMS、更には光ファイバ自体を動かすタイプがある。
【0004】
光ファイバ自体を曲げたり、伸張・圧縮することで光信号を処理する光素子として、特開平8−220456号公報、特開平9−90251号公報に開示されるものが知られている。
これらの公報には光スイッチが開示されており、具体的には、可動光ファイバとこの可動光ファイバに選択的に対応する複数の固定光ファイバとを備え、前記可動光ファイバに磁性体を取付け、この磁性体を取付けた可動光ファイバの周囲にソレノイドコイルを配置し、更にソレノイドコイルの外側に永久磁石を配置した構成となっている。そして、前記ソレノイドコイルに電流を流すことで可動光ファイバを曲げ、複数の固定光ファイバのうちの所定の固定光ファイバにその先端を一致せしめる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した光素子のうち光ファイバ自体を動かすタイプのものは、磁性体、ソレノイドコイル、永久磁石等の駆動部材が必要となり、これら駆動部材を配置するためのスペースが大きくなるとともに取付けるための作業が面倒で、小型化、信頼性、コスト面で問題が多い。
【0006】
特に多チャンネルの光クロスコネクト(OXC)装置等に組み込む場合には、複数の可動光ファイバを独立して動かすことが要求されるが、単純に磁性体、ソレノイドコイルおよび永久磁石を用いただけでは、複数の可動光ファイバが同一方向に動いてしまうので、特開平8−220456号公報に開示されるように、磁性体、ソレノイドコイルおよび永久磁石の組み合わせを2つ以上光ファイバの長さ方向に沿って配置しなければならず、小型化を達成できない。
【0007】
また、小型化という点では静電気によって光ファイバを駆動する光スイッチも考えられるが、このような静電気によって光ファイバを駆動に十分な駆動力を得ることは難しく、比較的大きな駆動力を発生させるには圧電素子が好適に用いられる。この場合、CVDなどの蒸着法によって光ファイバの表面に直接圧電体層などを形成することは可能であるが、1〜2μm程度の極めて薄い膜しか形成することができず、駆動部材として利用することはできない。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明に係る光素子は光ファイバ表面に、電極層、圧電対層をエアロゾルデポジション法によって直接形成した。
即ち、本発明に係る光スイッチは、可動光ファイバと、この可動光ファイバの先端に選択的に対応する複数の固定光ファイバとを備え、前記可動光ファイバの長手方向の所定領域の表面には、電極層、圧電体層、電極層を径方向に順次積層した駆動層が直接形成された、あるいは、電極層、圧電体層、電極層が長手方向に連続した駆動層が直接形成された構成とした。
【0009】
前記電極層は駆動層から離れた位置まで連続し延長することが可能である。この場合、電極への配線は光ファイバ上に一体となり形成されており、配線作業を省略することができる。特に、電極層は駆動部から離れ光ファイバーが固定されている部分まで延長されていることが望ましい。このようにすれば、繰り返し駆動による断線や接触不良をなくし、製品の信頼性を高めることができる。また正極、陰極の電極層の延長される長さは異なることが望ましい。このようにすることで、電極層に導通をとる際に短絡をおこしにくくすることができる。
【0010】
光ファイバを動かすための駆動層としては、5μm以上の厚さが必要であり、これ以下では駆動力が不足するおそれがある。このためには、後述するエアロゾルデポジション法によって少なくとも圧電体層を形成することが望ましい。この圧電体層の形成に際しては、エアロゾルデポジション法の加工時間をあまり長くしないために200μm以下、好ましくは100μm以下とする。
尚、エアロゾルデポジション法によれば、厚みのみでなく直径寸法も容易にコントロールすることができる。
【0011】
また、本発明に係る波長可変素子は、伸縮又は曲がることで反射もしくは透過波長を可変するグレーティング部を光ファイバー内に備え、前記グレーティング部に対応する光ファイバの外周には、電極層、圧電体層、電極層を径方向に順次積層した駆動層が直接形成された、あるいは、電極層、圧電体層、電極層が長手方向に連続した駆動層が直接形成された構成とした。この場合も前記駆動層の厚みは5μm以上とすることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る光可変減衰素子は、先端部が対向する一対の光ファイバの先端部をずらすことで一方の光ファイバから他方の光ファイバへの伝達光量を可変とし、前記一対の光ファイバの一方の光ファイバの長手方向の所定領域の表面には、電極層、圧電体層、電極層を径方向に順次積層した駆動層が直接形成された、あるいは、電極層、圧電体層、電極層が長手方向に連続した駆動層が直接形成された構成とした。この場合も前記駆動層の厚みは5μm以上とすることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る光素子の作製方法は、電極層、圧電体層、電極層を径方向に積層する場合、光ファイバの表面に電極層を形成し、次いで、圧電体微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを前記電極層に向けて吹き付けて、圧電体微粒子が接合してなる圧電体層を形成し、次いで、この圧電体層の表面に電極層を形成するようにした。
【0014】
ここで、上記の作製方法はセラミック微粒子をガス中に分散したエアロゾルを基板に吹き付けて、基板上にセラミックの構造物を形成する方法はエアロゾルデポジション法と呼ばれる。特許第3265481号、国際出願特許WO 01/27348 A1に開示されるものが知られている。このエアロゾルデポジション法は常温で実施する。ここで常温とは、セラミックスの焼成温度に対して十分低い室温付近の温度のことであり、実質的に200℃以下の温度を言う。
【0015】
前記圧電体材料としては強誘電性を示すチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛系材料、チタン酸ジルコン系材料、チタン酸ジルコン酸鉛系材料、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどを用いることができるがこれらに限定されるものではない。
【0016】
前記圧電体については上記のエアロゾルを用いたエアロゾルデポジション法とするが、電極層については他の方法、例えばCVDや塗布方法によって形成してもよい。エアロゾルデポジション法によれば格子欠陥の少ない圧電体層を形成でき、十分な駆動力を得ることができ、また焼成工程がないため焼成に起因する寸法誤差が生じない。
【0017】
また、別発明に係る光素子の作製方法は、電極層、圧電体層、電極層を長手方向に積層する場合であり、光ファイバの表面に圧電体微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを吹き付けて、圧電体微粒子が接合してなる圧電体層を形成し、次いで、この圧電体層の長手方向の端面に電極層を形成する、または、光ファイバの表面の長手方向に離間した位置に電極層を形成し、次いで電極層に挟まれた光ファイバの表面に圧電体微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを吹き付けて、圧電体微粒子が接合してなる圧電体層を形成した。
【0018】
上記光素子の作製において、エアロゾルの吹き付けにより、光ファイバの表面に微細な欠陥が生じ、光ファイバーの耐久性が低下する場合、光ファイバ表面に樹脂または金属の保護層を、エアロゾルデポジション法以外の方法で作製することにより、耐久性を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基いて説明する。図1は本発明に係る光スイッチを説明した図、図2は同光スイッチを構成する可動光ファイバの拡大図であり、光スイッチは可動光ファイバ1と、この可動光ファイバ1の先端に選択的に対応する2本の固定光ファイバ2を備え、固定光ファイバ2は支持プレート3のV溝内に固定されている。
【0020】
前記可動光ファイバ1の外周面の一部には駆動層4が直接形成されている。この駆動層4は銅などの電極層4a、PZTなどの圧電体層4b、銅などの電極層4cを径方向に順次積層した構成となっている。
【0021】
その作用は、電極層4a、4bを介して圧電体層4bに通電することで、圧電体層4bが伸縮し、これにより図1に示すように、一方の固定光ファイバ2の光軸とその光軸が一致していた可動光ファイバ1が曲げられ、想像線で示すように、他方の固定光ファイバ2の光軸とその光軸が一致し、光路の変更つまりスイッチングが行われる。
【0022】
図3は可動光ファイバ表面に駆動層を作製する装置の概略図、図4(a)〜(d)は可動光ファイバ表面に駆動層を作製する手順を説明した図であり、図3において、作製装置40は窒素ガスボンベ401がガス搬送管402を介して、サブミクロン粒径の誘電体セラミックス微粒子又は金属微粒子を内蔵するエアロゾル発生器403に接続し、エアロゾル搬送管404を介して形成室405内に設置された、縦0.4mm横5mmの開口を持つノズル406に接続されている。ノズル406の先にはXYステージ407に設置された光ファイバ408が配置される。形成室405は真空ポンプ409に接続されている。光ファイバ408の表面または表面から若干離れた位置には、形成する駆動層4のサイズに応じた貫通孔が空けられたマスク410が設けられている。
【0023】
以上の構成からなる作製装置40による駆動層4の作製手順を述べる。窒素ガスボンベ401を開栓し、窒素ガスを搬送管402を通じてエアロゾル発生器403に導入させ、金属微粒子を含むエアロゾルを発生させる。エアロゾルは搬送管404を通じてノズル406へと送られ、ノズル406の開口より高速で光ファイバ408の表面に噴出される。このとき真空ポンプの作動により、形成室405内は数kPaの減圧環境下におかれている。その結果、図4(a)に示すように、光ファイバ408表面に電極層4aが形成される。
【0024】
次いで、前記同様にしてPZTなどの圧電材料微粒子を含むエアロゾルを発生させ、ノズル406の開口より高速で光ファイバ408の表面に既に形成した電極層4aの上に噴出する。すると、圧電材料微粒子が電極層4aに高速で衝突し、破砕・変形などを起こして粒子や断片がお互いに接合し、図4(b)に示すように電極層4aの上に圧電体層4bが形成される。
【0025】
この後、前記と同様にして圧電体層4bの上に電極層4cを形成することで、厚みが5μm以上の駆動層4が形成される。尚、以上の操作は常温環境下で行われる。
なお、駆動層4の別の作製手順として、光ファイバ408の表面に圧電体層4bを上記と同様にエアロゾルデポジション法により作製し、その長手方向の両端面に電極層4a,4cを形成しすることもできる。この場合、電極層4a,4cを形成するのは、圧電体層4bの作製の前後何れでも可能である。
【0026】
また、エアロゾルデポジション法により作製される構造物(圧電体層)は多結晶であり、前記構造物を構成する結晶は実質的に結晶配向性がなく、また前記結晶同士の界面にはガラス層からなる粒界層が実質的に存在しないものとすることができ、硬さ、耐摩耗性、耐食性などの機械的・化学的特性に優れた圧電素子となる。また、エアロゾルデポジション法による直接接合部はアンカー部を形成し、接着剤を用いることなく強固な接合が達成される。
【0027】
なお、本明細書では上記多結晶等については以下のように定義する。
(多結晶)
本件では結晶子が接合・集積してなる構造体を指す。結晶子は実質的にそれひとつで結晶を構成しその径は通常5nm以上である。ただし、微粒子が破砕されずに構造物中に取り込まれるなどの場合がまれに生じるが、実質的には多結晶である。
(結晶配向性)
本件では多結晶である構造物中での結晶軸の配向具合を指し、配向性があるかないかは、一般には実質的に配向性のないと考えられる原料粉体微粒子を測定したデータあるいは粉末X線回折などによって標準データとされたJCPDS(ASTM)データ、を指標として判断する。
構造物中の脆性材料結晶を構成する物質を挙げたこの指標における主要な回折3ピークのピーク強度を100%として、構造物の同物質測定データ中、最も主要なピークのピーク強度をこれに揃えた場合に、他の2つのピークのピーク強度が指標の値と比較して30%以内にそのずれが収まっている状態を,本件では実質的に配向性がないと称する。
(界面)
本件では結晶子同士の境界を構成する領域を指す。
(粒界層)
界面あるいは焼結体でいう粒界に位置するある厚み(通常数nm〜数μm)を持つ層で、通常結晶粒内の結晶構造とは異なるアモルファス構造をとり、また場合によっては不純物の偏析を伴う。
(アンカー部)
本件においてアンカー部とは、基材と構造物の界面に形成された凹凸を指し、特に、予め基材に凹凸を形成させるのではなく、構造物形成時に、元の基材の表面精度を変化させて形成される凹凸のことを指す。
【0028】
図5は別実施例に係る光スイッチを説明した図、図6は同光スイッチを構成する可動光ファイバの拡大図であり、この実施例にあっては可動光ファイバ1の外周面の光ファイバー駆動面において対面に駆動層4を形成している。このように光ファイバー駆動面において対面に駆動層4を形成することで、可動光ファイバ1の可動範囲を大きくすることができる。
【0029】
図7は別実施例に係る光スイッチ(2×2)を説明した図、図8は図7のA方向拡大矢視図であり、この実施例にあっては2本の可動光ファイバ1の外周面にそれぞれ駆動層4を形成し、各可動光ファイバ1が図8の想像線で示すように、独立した動きができるようにしている。
【0030】
図9は別実施例に係る光スイッチ(多チャンネル)を説明した図、図10(a)は図9のB−B方向の拡大断面図、(b)は図9のC方向矢視図であり、この実施例にあっては、可動光ファイバ1の外周面に周方向に離間して複数の駆動層4を形成し、また固定光ファイバ2の数も複数の駆動層4と同数だけ可動光ファイバ1の周囲に配置し、所定の駆動層4に通電することで、この駆動層4に対応する固定光ファイバ2と光軸が一致するように可動光ファイバ1が曲がる。
【0031】
図11は本発明に係る波長可変素子を説明した図であり、この波長可変素子は光ファイバ11のコアの部分にファイバーブラッググレーティング12が形成され、このファイバーブラッググレーティング部12に対応する光ファイバの外周に、電極層13a、圧電体層13b、電極層13cが長手方向に連続した駆動層13が形成されている。この形成方法も前記したエアロゾルデポジション法とする。
【0032】
図11に示した波長可変素子は、通電を行なわない状態では、λ1、λ2・・・λnまでの波長が入射し、ブラッグの反射条件に相当するλ1が反射され、λ2・・・λnの波長は透過することができるよう設計されている。電極層13a、13cに通電することで駆動層13が伸縮し、これにつれて光ファイバ11及びグレーティング12も伸縮することにより、グレーティングピッチが変化しブラッグの反射条件が変わるため、反射及び、透過波長が可変せしめられる。
【0033】
また、図12に示す波長可変素子は光ファイバ11の一側に駆動層13を形成することで、光ファイバ11を湾曲させることで波長を可変せしめるようにしている。
【0034】
図13は本発明に係る光可変減衰素子を説明した図であり、この実施例にあっては、可動光ファイバ21と固定光ファイバ22とがニュートラル状態では光軸が一致するように配置され、また可動光ファイバ21の外周面には前記同様のエアロゾルデポジション法にて駆動層23が形成され、これに通電すると、可動光ファイバ21が湾曲して可動光ファイバ21と固定光ファイバ22の光軸がずれ、伝達光量が変化する構成になっている。
【0035】
図14及び図15は駆動層の構成の別実施例を示す図であり、図14に示す実施例は、径方向に電極層、圧電層、電極層が形成された場合の電極層のパターンの一例である。上層電極層E1、下層電極層E2は短絡することがないように駆動部から取り出され駆動部から離れた位置まで延長されている。また、上層電極層E1、下層電極層E2の延長長さは異なり、双方ともファイバ固定部に達している。
【0036】
図15に示す実施例は、長手方向に電極層、圧電層、電極層が形成された場合の電極層のパターンの一例である。上部電極層E3、下部電極層E4は短絡することがないように駆動部から取り出され駆動部から離れた位置まで延長されている。また、上部電極層E3、下部電極層E4の延長長さは異なり、双方ともファイバ固定部に達している。
【0037】
【本発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、エアロゾルデポジション法によって光ファイバの外側面に直接、電極層、圧電体層及び電極層を積層した駆動層を形成したので、小型化、信頼性、高速性、光学特性に優れ、多チャンネル化にも対応できる光スイッチなどの光素子を得ることができる。
また本発明によれば、焼成などの加熱工程を経ることなく圧電素子を形成できるので、光素子の特性に影響を与えることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光スイッチを説明した図
【図2】同光スイッチを構成する可動光ファイバの拡大図
【図3】可動光ファイバ表面に駆動層を作製する装置の概略図
【図4】(a)〜(c)は、可動光ファイバ表面に駆動層を作製する手順を説明した図
【図5】別実施例に係る光スイッチを説明した図
【図6】同光スイッチを構成する可動光ファイバの拡大図
【図7】別実施例に係る光スイッチ(2×2)を説明した図
【図8】図7のA方向矢視図
【図9】別実施例に係る光スイッチ(多チャンネル)を説明した図
【図10】(a)は図9のA−A方向の拡大断面図、(b)は図7のB方向矢視図
【図11】本発明に係る波長可変素子を説明した図
【図12】波長可変素子の別実施例を示す図
【図13】本発明に係る光可変減衰素子を説明した図
【図14】駆動層の構成の別実施例を示す図
【図15】駆動層の構成の別実施例を示す図
【符号の説明】
1,11,21…可動光ファイバ、2,12,22…固定光ファイバ、3…支持プレート、4, 13,23…駆動層、4a,4c, 13a, 13c…電極、4b,14b…圧電体層、12…グレーティング、40…作製装置、401…窒素ガスボンベ,402…ガス搬送管,403…エアロゾル発生器、404…エアロゾル搬送管、405…形成室、406…ノズル、407…XYステージ、408…光ファイバ、409…真空ポンプ、410…マスク。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光スイッチ、波長可変素子、光可変減衰素子などの光素子とその作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
波長分割多重(WDM)ネットワークには、光クロスコネクト(OXC)装置や光挿入・分岐・多重(OADM)装置が多数用いられている。
上記光クロスコネクト(OXC)装置や光挿入・分岐・多重(OADM)装置には光信号を電気信号に変換することなくそのまま光路を切り替える光スイッチ、波長可変素子或いは光可変減衰器などの光素子が組み込まれている。
【0003】
光素子にはミラー、レンズなどを組み合わせたバルクタイプ、これを半導体加工技術により小型一体化したMEMS、更には光ファイバ自体を動かすタイプがある。
【0004】
光ファイバ自体を曲げたり、伸張・圧縮することで光信号を処理する光素子として、特開平8−220456号公報、特開平9−90251号公報に開示されるものが知られている。
これらの公報には光スイッチが開示されており、具体的には、可動光ファイバとこの可動光ファイバに選択的に対応する複数の固定光ファイバとを備え、前記可動光ファイバに磁性体を取付け、この磁性体を取付けた可動光ファイバの周囲にソレノイドコイルを配置し、更にソレノイドコイルの外側に永久磁石を配置した構成となっている。そして、前記ソレノイドコイルに電流を流すことで可動光ファイバを曲げ、複数の固定光ファイバのうちの所定の固定光ファイバにその先端を一致せしめる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した光素子のうち光ファイバ自体を動かすタイプのものは、磁性体、ソレノイドコイル、永久磁石等の駆動部材が必要となり、これら駆動部材を配置するためのスペースが大きくなるとともに取付けるための作業が面倒で、小型化、信頼性、コスト面で問題が多い。
【0006】
特に多チャンネルの光クロスコネクト(OXC)装置等に組み込む場合には、複数の可動光ファイバを独立して動かすことが要求されるが、単純に磁性体、ソレノイドコイルおよび永久磁石を用いただけでは、複数の可動光ファイバが同一方向に動いてしまうので、特開平8−220456号公報に開示されるように、磁性体、ソレノイドコイルおよび永久磁石の組み合わせを2つ以上光ファイバの長さ方向に沿って配置しなければならず、小型化を達成できない。
【0007】
また、小型化という点では静電気によって光ファイバを駆動する光スイッチも考えられるが、このような静電気によって光ファイバを駆動に十分な駆動力を得ることは難しく、比較的大きな駆動力を発生させるには圧電素子が好適に用いられる。この場合、CVDなどの蒸着法によって光ファイバの表面に直接圧電体層などを形成することは可能であるが、1〜2μm程度の極めて薄い膜しか形成することができず、駆動部材として利用することはできない。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明に係る光素子は光ファイバ表面に、電極層、圧電対層をエアロゾルデポジション法によって直接形成した。
即ち、本発明に係る光スイッチは、可動光ファイバと、この可動光ファイバの先端に選択的に対応する複数の固定光ファイバとを備え、前記可動光ファイバの長手方向の所定領域の表面には、電極層、圧電体層、電極層を径方向に順次積層した駆動層が直接形成された、あるいは、電極層、圧電体層、電極層が長手方向に連続した駆動層が直接形成された構成とした。
【0009】
前記電極層は駆動層から離れた位置まで連続し延長することが可能である。この場合、電極への配線は光ファイバ上に一体となり形成されており、配線作業を省略することができる。特に、電極層は駆動部から離れ光ファイバーが固定されている部分まで延長されていることが望ましい。このようにすれば、繰り返し駆動による断線や接触不良をなくし、製品の信頼性を高めることができる。また正極、陰極の電極層の延長される長さは異なることが望ましい。このようにすることで、電極層に導通をとる際に短絡をおこしにくくすることができる。
【0010】
光ファイバを動かすための駆動層としては、5μm以上の厚さが必要であり、これ以下では駆動力が不足するおそれがある。このためには、後述するエアロゾルデポジション法によって少なくとも圧電体層を形成することが望ましい。この圧電体層の形成に際しては、エアロゾルデポジション法の加工時間をあまり長くしないために200μm以下、好ましくは100μm以下とする。
尚、エアロゾルデポジション法によれば、厚みのみでなく直径寸法も容易にコントロールすることができる。
【0011】
また、本発明に係る波長可変素子は、伸縮又は曲がることで反射もしくは透過波長を可変するグレーティング部を光ファイバー内に備え、前記グレーティング部に対応する光ファイバの外周には、電極層、圧電体層、電極層を径方向に順次積層した駆動層が直接形成された、あるいは、電極層、圧電体層、電極層が長手方向に連続した駆動層が直接形成された構成とした。この場合も前記駆動層の厚みは5μm以上とすることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る光可変減衰素子は、先端部が対向する一対の光ファイバの先端部をずらすことで一方の光ファイバから他方の光ファイバへの伝達光量を可変とし、前記一対の光ファイバの一方の光ファイバの長手方向の所定領域の表面には、電極層、圧電体層、電極層を径方向に順次積層した駆動層が直接形成された、あるいは、電極層、圧電体層、電極層が長手方向に連続した駆動層が直接形成された構成とした。この場合も前記駆動層の厚みは5μm以上とすることが好ましい。
【0013】
また、本発明に係る光素子の作製方法は、電極層、圧電体層、電極層を径方向に積層する場合、光ファイバの表面に電極層を形成し、次いで、圧電体微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを前記電極層に向けて吹き付けて、圧電体微粒子が接合してなる圧電体層を形成し、次いで、この圧電体層の表面に電極層を形成するようにした。
【0014】
ここで、上記の作製方法はセラミック微粒子をガス中に分散したエアロゾルを基板に吹き付けて、基板上にセラミックの構造物を形成する方法はエアロゾルデポジション法と呼ばれる。特許第3265481号、国際出願特許WO 01/27348 A1に開示されるものが知られている。このエアロゾルデポジション法は常温で実施する。ここで常温とは、セラミックスの焼成温度に対して十分低い室温付近の温度のことであり、実質的に200℃以下の温度を言う。
【0015】
前記圧電体材料としては強誘電性を示すチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛系材料、チタン酸ジルコン系材料、チタン酸ジルコン酸鉛系材料、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムなどを用いることができるがこれらに限定されるものではない。
【0016】
前記圧電体については上記のエアロゾルを用いたエアロゾルデポジション法とするが、電極層については他の方法、例えばCVDや塗布方法によって形成してもよい。エアロゾルデポジション法によれば格子欠陥の少ない圧電体層を形成でき、十分な駆動力を得ることができ、また焼成工程がないため焼成に起因する寸法誤差が生じない。
【0017】
また、別発明に係る光素子の作製方法は、電極層、圧電体層、電極層を長手方向に積層する場合であり、光ファイバの表面に圧電体微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを吹き付けて、圧電体微粒子が接合してなる圧電体層を形成し、次いで、この圧電体層の長手方向の端面に電極層を形成する、または、光ファイバの表面の長手方向に離間した位置に電極層を形成し、次いで電極層に挟まれた光ファイバの表面に圧電体微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを吹き付けて、圧電体微粒子が接合してなる圧電体層を形成した。
【0018】
上記光素子の作製において、エアロゾルの吹き付けにより、光ファイバの表面に微細な欠陥が生じ、光ファイバーの耐久性が低下する場合、光ファイバ表面に樹脂または金属の保護層を、エアロゾルデポジション法以外の方法で作製することにより、耐久性を向上させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基いて説明する。図1は本発明に係る光スイッチを説明した図、図2は同光スイッチを構成する可動光ファイバの拡大図であり、光スイッチは可動光ファイバ1と、この可動光ファイバ1の先端に選択的に対応する2本の固定光ファイバ2を備え、固定光ファイバ2は支持プレート3のV溝内に固定されている。
【0020】
前記可動光ファイバ1の外周面の一部には駆動層4が直接形成されている。この駆動層4は銅などの電極層4a、PZTなどの圧電体層4b、銅などの電極層4cを径方向に順次積層した構成となっている。
【0021】
その作用は、電極層4a、4bを介して圧電体層4bに通電することで、圧電体層4bが伸縮し、これにより図1に示すように、一方の固定光ファイバ2の光軸とその光軸が一致していた可動光ファイバ1が曲げられ、想像線で示すように、他方の固定光ファイバ2の光軸とその光軸が一致し、光路の変更つまりスイッチングが行われる。
【0022】
図3は可動光ファイバ表面に駆動層を作製する装置の概略図、図4(a)〜(d)は可動光ファイバ表面に駆動層を作製する手順を説明した図であり、図3において、作製装置40は窒素ガスボンベ401がガス搬送管402を介して、サブミクロン粒径の誘電体セラミックス微粒子又は金属微粒子を内蔵するエアロゾル発生器403に接続し、エアロゾル搬送管404を介して形成室405内に設置された、縦0.4mm横5mmの開口を持つノズル406に接続されている。ノズル406の先にはXYステージ407に設置された光ファイバ408が配置される。形成室405は真空ポンプ409に接続されている。光ファイバ408の表面または表面から若干離れた位置には、形成する駆動層4のサイズに応じた貫通孔が空けられたマスク410が設けられている。
【0023】
以上の構成からなる作製装置40による駆動層4の作製手順を述べる。窒素ガスボンベ401を開栓し、窒素ガスを搬送管402を通じてエアロゾル発生器403に導入させ、金属微粒子を含むエアロゾルを発生させる。エアロゾルは搬送管404を通じてノズル406へと送られ、ノズル406の開口より高速で光ファイバ408の表面に噴出される。このとき真空ポンプの作動により、形成室405内は数kPaの減圧環境下におかれている。その結果、図4(a)に示すように、光ファイバ408表面に電極層4aが形成される。
【0024】
次いで、前記同様にしてPZTなどの圧電材料微粒子を含むエアロゾルを発生させ、ノズル406の開口より高速で光ファイバ408の表面に既に形成した電極層4aの上に噴出する。すると、圧電材料微粒子が電極層4aに高速で衝突し、破砕・変形などを起こして粒子や断片がお互いに接合し、図4(b)に示すように電極層4aの上に圧電体層4bが形成される。
【0025】
この後、前記と同様にして圧電体層4bの上に電極層4cを形成することで、厚みが5μm以上の駆動層4が形成される。尚、以上の操作は常温環境下で行われる。
なお、駆動層4の別の作製手順として、光ファイバ408の表面に圧電体層4bを上記と同様にエアロゾルデポジション法により作製し、その長手方向の両端面に電極層4a,4cを形成しすることもできる。この場合、電極層4a,4cを形成するのは、圧電体層4bの作製の前後何れでも可能である。
【0026】
また、エアロゾルデポジション法により作製される構造物(圧電体層)は多結晶であり、前記構造物を構成する結晶は実質的に結晶配向性がなく、また前記結晶同士の界面にはガラス層からなる粒界層が実質的に存在しないものとすることができ、硬さ、耐摩耗性、耐食性などの機械的・化学的特性に優れた圧電素子となる。また、エアロゾルデポジション法による直接接合部はアンカー部を形成し、接着剤を用いることなく強固な接合が達成される。
【0027】
なお、本明細書では上記多結晶等については以下のように定義する。
(多結晶)
本件では結晶子が接合・集積してなる構造体を指す。結晶子は実質的にそれひとつで結晶を構成しその径は通常5nm以上である。ただし、微粒子が破砕されずに構造物中に取り込まれるなどの場合がまれに生じるが、実質的には多結晶である。
(結晶配向性)
本件では多結晶である構造物中での結晶軸の配向具合を指し、配向性があるかないかは、一般には実質的に配向性のないと考えられる原料粉体微粒子を測定したデータあるいは粉末X線回折などによって標準データとされたJCPDS(ASTM)データ、を指標として判断する。
構造物中の脆性材料結晶を構成する物質を挙げたこの指標における主要な回折3ピークのピーク強度を100%として、構造物の同物質測定データ中、最も主要なピークのピーク強度をこれに揃えた場合に、他の2つのピークのピーク強度が指標の値と比較して30%以内にそのずれが収まっている状態を,本件では実質的に配向性がないと称する。
(界面)
本件では結晶子同士の境界を構成する領域を指す。
(粒界層)
界面あるいは焼結体でいう粒界に位置するある厚み(通常数nm〜数μm)を持つ層で、通常結晶粒内の結晶構造とは異なるアモルファス構造をとり、また場合によっては不純物の偏析を伴う。
(アンカー部)
本件においてアンカー部とは、基材と構造物の界面に形成された凹凸を指し、特に、予め基材に凹凸を形成させるのではなく、構造物形成時に、元の基材の表面精度を変化させて形成される凹凸のことを指す。
【0028】
図5は別実施例に係る光スイッチを説明した図、図6は同光スイッチを構成する可動光ファイバの拡大図であり、この実施例にあっては可動光ファイバ1の外周面の光ファイバー駆動面において対面に駆動層4を形成している。このように光ファイバー駆動面において対面に駆動層4を形成することで、可動光ファイバ1の可動範囲を大きくすることができる。
【0029】
図7は別実施例に係る光スイッチ(2×2)を説明した図、図8は図7のA方向拡大矢視図であり、この実施例にあっては2本の可動光ファイバ1の外周面にそれぞれ駆動層4を形成し、各可動光ファイバ1が図8の想像線で示すように、独立した動きができるようにしている。
【0030】
図9は別実施例に係る光スイッチ(多チャンネル)を説明した図、図10(a)は図9のB−B方向の拡大断面図、(b)は図9のC方向矢視図であり、この実施例にあっては、可動光ファイバ1の外周面に周方向に離間して複数の駆動層4を形成し、また固定光ファイバ2の数も複数の駆動層4と同数だけ可動光ファイバ1の周囲に配置し、所定の駆動層4に通電することで、この駆動層4に対応する固定光ファイバ2と光軸が一致するように可動光ファイバ1が曲がる。
【0031】
図11は本発明に係る波長可変素子を説明した図であり、この波長可変素子は光ファイバ11のコアの部分にファイバーブラッググレーティング12が形成され、このファイバーブラッググレーティング部12に対応する光ファイバの外周に、電極層13a、圧電体層13b、電極層13cが長手方向に連続した駆動層13が形成されている。この形成方法も前記したエアロゾルデポジション法とする。
【0032】
図11に示した波長可変素子は、通電を行なわない状態では、λ1、λ2・・・λnまでの波長が入射し、ブラッグの反射条件に相当するλ1が反射され、λ2・・・λnの波長は透過することができるよう設計されている。電極層13a、13cに通電することで駆動層13が伸縮し、これにつれて光ファイバ11及びグレーティング12も伸縮することにより、グレーティングピッチが変化しブラッグの反射条件が変わるため、反射及び、透過波長が可変せしめられる。
【0033】
また、図12に示す波長可変素子は光ファイバ11の一側に駆動層13を形成することで、光ファイバ11を湾曲させることで波長を可変せしめるようにしている。
【0034】
図13は本発明に係る光可変減衰素子を説明した図であり、この実施例にあっては、可動光ファイバ21と固定光ファイバ22とがニュートラル状態では光軸が一致するように配置され、また可動光ファイバ21の外周面には前記同様のエアロゾルデポジション法にて駆動層23が形成され、これに通電すると、可動光ファイバ21が湾曲して可動光ファイバ21と固定光ファイバ22の光軸がずれ、伝達光量が変化する構成になっている。
【0035】
図14及び図15は駆動層の構成の別実施例を示す図であり、図14に示す実施例は、径方向に電極層、圧電層、電極層が形成された場合の電極層のパターンの一例である。上層電極層E1、下層電極層E2は短絡することがないように駆動部から取り出され駆動部から離れた位置まで延長されている。また、上層電極層E1、下層電極層E2の延長長さは異なり、双方ともファイバ固定部に達している。
【0036】
図15に示す実施例は、長手方向に電極層、圧電層、電極層が形成された場合の電極層のパターンの一例である。上部電極層E3、下部電極層E4は短絡することがないように駆動部から取り出され駆動部から離れた位置まで延長されている。また、上部電極層E3、下部電極層E4の延長長さは異なり、双方ともファイバ固定部に達している。
【0037】
【本発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、エアロゾルデポジション法によって光ファイバの外側面に直接、電極層、圧電体層及び電極層を積層した駆動層を形成したので、小型化、信頼性、高速性、光学特性に優れ、多チャンネル化にも対応できる光スイッチなどの光素子を得ることができる。
また本発明によれば、焼成などの加熱工程を経ることなく圧電素子を形成できるので、光素子の特性に影響を与えることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光スイッチを説明した図
【図2】同光スイッチを構成する可動光ファイバの拡大図
【図3】可動光ファイバ表面に駆動層を作製する装置の概略図
【図4】(a)〜(c)は、可動光ファイバ表面に駆動層を作製する手順を説明した図
【図5】別実施例に係る光スイッチを説明した図
【図6】同光スイッチを構成する可動光ファイバの拡大図
【図7】別実施例に係る光スイッチ(2×2)を説明した図
【図8】図7のA方向矢視図
【図9】別実施例に係る光スイッチ(多チャンネル)を説明した図
【図10】(a)は図9のA−A方向の拡大断面図、(b)は図7のB方向矢視図
【図11】本発明に係る波長可変素子を説明した図
【図12】波長可変素子の別実施例を示す図
【図13】本発明に係る光可変減衰素子を説明した図
【図14】駆動層の構成の別実施例を示す図
【図15】駆動層の構成の別実施例を示す図
【符号の説明】
1,11,21…可動光ファイバ、2,12,22…固定光ファイバ、3…支持プレート、4, 13,23…駆動層、4a,4c, 13a, 13c…電極、4b,14b…圧電体層、12…グレーティング、40…作製装置、401…窒素ガスボンベ,402…ガス搬送管,403…エアロゾル発生器、404…エアロゾル搬送管、405…形成室、406…ノズル、407…XYステージ、408…光ファイバ、409…真空ポンプ、410…マスク。
Claims (20)
- 可動光ファイバと、この可動光ファイバの先端に選択的に対応する複数の固定光ファイバとを備えた光スイッチにおいて、前記可動光ファイバの長手方向の所定領域の表面には、電極層、圧電体層、電極層を径方向に順次積層した駆動層が直接形成されていることを特徴とする光スイッチ。
- 可動光ファイバと、この可動光ファイバの先端に選択的に対応する複数の固定光ファイバとを備えた光スイッチにおいて、前記可動光ファイバの長手方向の所定領域の表面には、電極層、圧電体層、電極層が長手方向に連続した駆動層が直接形成されていることを特徴とする光スイッチ。
- 請求項1または請求項2に記載の光スイッチにおいて、前記電極層は駆動層に連続した状態で駆動層から離間した位置まで延長されていることを特徴とする光スイッチ。
- 請求項1または請求項2に記載の光スイッチにおいて、前記電極層は多結晶であり、前記圧電体層を構成する結晶は実質的に結晶配向性がなく、また前記結晶同士の界面にはガラス層からなる粒界層が実質的に存在しないことを特徴とする光スイッチ。
- 請求項1乃至請求項4に記載の光スイッチにおいて、前記駆動層の厚みは5μm以上であることを特徴とする光スイッチ。
- 伸縮又は曲がることで反射もしくは透過波長を可変するグレーティング部を光ファイバー内に備えた波長可変素子において、前記グレーティング部に対応する光ファイバの外周には、電極層、圧電体層、電極層を径方向に順次積層した駆動層が直接形成されていることを特徴とする波長可変素子。
- 伸縮又は曲がることで反射もしくは透過波長を可変するグレーティング部を光ファイバー内に備えた波長可変素子において、前記グレーティング部に対応する光ファイバの外周には、電極層、圧電体層、電極層が長手方向に連続した駆動層が直接形成されていることを特徴とする波長可変素子。
- 請求項6または請求項7に記載の波長可変素子において、前記圧電体層は多結晶であり、前記圧電体層を構成する結晶は実質的に結晶配向性がなく、また前記結晶同士の界面にはガラス層からなる粒界層が実質的に存在しないことを特徴とする波長可変素子。
- 請求項6または請求項7に記載の波長可変素子において、前記電極層は駆動層に連続した状態で駆動層から離間した位置まで延長されていることを特徴とする波長可変素子。
- 請求項6乃至請求項9に記載の波長可変素子において、前記駆動層の厚みは5μm以上であることを特徴とする波長可変素子。
- 先端部が対向する一対の光ファイバの先端部をずらすことで一方の光ファイバから他方の光ファイバへの伝達光量を可変とした光可変減衰素子において、前記一対の光ファイバの一方の光ファイバの長手方向の所定領域の表面には、電極層、圧電体層、電極層を径方向に順次積層した駆動層が直接形成されていることを特徴とする光可変減衰素子。
- 先端部が対向する一対の光ファイバの先端部をずらすことで一方の光ファイバから他方の光ファイバへの伝達光量を可変とした光可変減衰素子において、前記一対の光ファイバの一方の光ファイバの長手方向の所定領域の表面には、電極層、圧電体層、電極層が長手方向に連続した駆動層が直接形成されていることを特徴とする光可変減衰素子。
- 請求項11または請求項12に記載の光可変減衰素子において、前記圧電体層は多結晶であり、前記圧電体層を構成する結晶は実質的に結晶配向性がなく、また前記結晶同士の界面にはガラス層からなる粒界層が実質的に存在しないことを特徴とする光可変減衰素子。
- 請求項11または請求項12に記載の光可変減衰素子において、前記電極層は駆動層に連続した状態で駆動層から離間した位置まで延長されていることを特徴とする光可変減衰素子。
- 請求項11乃至請求項14に記載の光可変減衰素子において、前記駆動層の厚みは5μm以上であることを特徴とする光可変減衰素子。
- 光ファイバの表面に電極層を形成し、次いで、圧電体微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを前記電極層に向けて吹き付けて、圧電体微粒子が接合してなる圧電体層を形成し、次いで、この圧電体層の表面に電極層を形成することを特徴とする光素子の作製方法。
- 光ファイバの表面に圧電体微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを吹き付けて、圧電体微粒子が接合してなる圧電体層を形成し、次いで、この圧電体層の長手方向の端面に電極層を形成することを特徴とする光素子の作製方法。
- 光ファイバの表面の長手方向に離間した位置に電極層を形成し、次いで電極層に挟まれた光ファイバの表面に圧電体微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを吹き付けて、圧電体微粒子が接合してなる圧電体層を形成することを特徴とする光素子の作製方法。
- 請求項16乃至請求項18に記載の光素子の作製方法において、前記電極層の形成は、金属微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを光ファイバの表面に向けて吹き付けて金属微粒子材料を接合する方法、蒸着による方法または塗布による方法の何れかとしたことを特徴とする光素子の作製方法。
- 請求項16乃至請求項19に記載の光素子の作製方法において、前記圧電体層または電極層を形成する工程が、常温環境下で行われることを特徴とする光素子の作製方法
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CN101846815A (zh) * | 2010-04-30 | 2010-09-29 | 天津大学 | 可同时提取双波长的带宽可调的光波长滤波器 |
-
2002
- 2002-06-20 JP JP2002180612A patent/JP2004021242A/ja active Pending
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