JP2004020171A - コンピューターを搭載した情報通信用キャビネットにおける冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】コンピューターを搭載した情報通信用キャビネットにおいて、CPUなどの発熱量の高い回路部品の冷却効率を高めた冷却装置に関する。
【解決手段】六面が閉じられたキャビネットAの下部と上部に吸気ユニット14と排気ユニット13をそれぞれ備え、吸気ユニット14とキャビネットAに搭載したコンピューター20とをダクト16,17により連通し、このダクトの途中に、キャビネットAに設けた熱交換素子15の放熱フィン15aを収納した吸熱室8を設け、かつ、熱交換素子15の放熱フィン15bを収納してキャビネットAに設けられた放熱室9を、ダクト18を介して排気ユニット13に連通して成る。
【選択図】 図2
【解決手段】六面が閉じられたキャビネットAの下部と上部に吸気ユニット14と排気ユニット13をそれぞれ備え、吸気ユニット14とキャビネットAに搭載したコンピューター20とをダクト16,17により連通し、このダクトの途中に、キャビネットAに設けた熱交換素子15の放熱フィン15aを収納した吸熱室8を設け、かつ、熱交換素子15の放熱フィン15bを収納してキャビネットAに設けられた放熱室9を、ダクト18を介して排気ユニット13に連通して成る。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願は、データセンター等に設置されるコンピューターを搭載した情報通信用キャビネットにおける冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、データセンター等に設置されるコンピューターを搭載した情報通信用キャビネットは、六面が閉じられるト共に、耐震性を有する堅牢な縦長のボックスから成り、その内部には、コンピューターのほかに、ハードディスク、インターフェースやテープドライブなどのネットワーク用機器類が搭載され、ボックスの下面には、空気取入用の吸気孔を有し、また天井には、ボックス内の空気を換気するための排気用ファンが備えられている。
【0003】
このように構成されたキャビネットに搭載されるコンピューターは、内部に、作動エネルギーによって発熱の生じるCPUやチップセットのほかに、コンピューターとしての機能を備えるための回路部品などが備えられており、コンピューターの使用において、特に、発熱量の大きいCPUやチップセットを冷却するために、従来は以下に述べる手段がとらえている。
【0004】
すなわち、キャビネットを設置する例えばコンピュータールーム自体を低温の状態に空調すると共に、ボックスの天井に設けたファンを作動することにより、空調されたルーム内の冷却空気をボックス底面の吸気孔から取り入れ、これをボックス天井から排気することにより、キャビネット内を冷気状態とするか、或いは例えば、コンピュータールームを構成する床を、フリーアクセスフロワーに構成してフロワーと床下地との間に形成された空間部に、通気パイプを挿通して、これに、外部から冷却空気を供給することにより、キャビネット内を空冷状態としている。
【0005】
他方、キャビネット内に搭載されるコンピューターは、通常六面が閉じられたケース内に、CPUとチップセットとを備えた基板、CD−ROM装置、ハードディスクドライブ装置および電源装置などのコンピューターとしての機能を有するための回路部品が収納してあると共に、ケースの対角方向の両隅部には、吸気ファンと排気ファンとがそれぞれ設けてあり、さらに最も発熱量の高いCPUとチップセットには、多数の放熱フィンを備えたヒートシンクおよびこのヒートシンクを強制空冷するための小型ファンが、それぞれ取り付けてある。
【0006】
しかして、ケースに設けた吸気ファンと排気ファンとを作動すると、キャビネット内の冷気が、一方の隅部からケース内に導かれ、ケース内を空冷したのち、これと対向する他方の隅部から再びキャビネット内に排気される。一方ケース内においては、小型ファンの作動により、ヒートシンクを介してCPUとチップセットが強制的に冷却される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来の構成によれば、キャビネットを設置する大きな室自体を空冷するための空調設備やその維持管理に多大の費用を必要とすること、キャビネットの天井に設けたファンにより換気する構成であるので、キャビネット内における冷気の流動効率が悪いこと、また、キャビネットに搭載されるコンピューターにおいては、ケースの対角方向で、冷気の流れを形成する構成であるから、ケース内における冷気の流動による冷却効率が悪いこと、また、CPUおよびチップセットに使用する小型フィンとして、高速回路のものが使用される関係上、使用寿命が短く、かつ、その交換作業に、多くの時間とコストを要すること、さらにまた、多くのファンを使用するので、動作音が大きくなると共に、電力の消費量も多くなるなどの不都合があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願は、上記した従来のものの不都合を解消するために、六面が閉じられたキャビネットの、下部と上部とに、外気を吸入する吸気ユニットと、キャビネット内の空気を排気する排気ユニットをそれぞれ備え、前記吸気ユニットと、前記キャビネットに搭載したコンピューターとの間に、吸気ユニットから吸入した空気コンピューター内に導くダクトを設けると共に、このダクトの途中に、キャビネットの適所に設けた熱交換素子の吸熱フィンを収納した吸熱室を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
好ましくは、ダクトの一端に、コンピューターを構成するCPUやチップセットなど動作エネルギーによって発熱の生じる回路部品に、直接または、該回路部品に設けたヒートシンクに対してダクト内の空気を供給する導管を設けて成る。
【0010】
また、上記において、キャビネットの外面に、熱変換素子の放熱フィンを収納し、一部に排気部を有した放熱室を設けると共に、この放熱室と排気ユニットとを連通するダクトを設けて成り、また吸気ユニットの吸気孔部にフイルターを配置して成り、さらにまた、コンピューター内における吸気ユニットからの空気の吸入位置から離間した位置に、コンピューター内の空気をキャビネット内に放出する排気ファンを設けて成るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面にもとづいて、本願の実施の形態を詳述する。図1は、キャビネットAの総体斜視図を、図2は、キャビネットAを縦断した側面図をそれぞれ示しており、キャビネットAは、前面開口部を残して六面が閉じられると共に、耐震性を有する堅牢で、全体として縦長の立方体状のボックス1から成り、前面には、一部にガラス2aとロックハンドル2bを備えた開閉扉2が、また、底面には吸気孔3と宛部4とが、さらには上面には、排気孔5がそれぞれ設けてある。
【0012】
上記したボックス1の上面には、上方に膨出する密閉状の上部室6が、また、この上部室6の後面からボックス1の後面外方に沿って伸びる空室7がそれぞれ一体に設けてある。
【0013】
また、前記ボックス1の後面下方位置には、内方に膨出する密閉状の吸熱室8と、これと対向して外方に膨出する密閉上の放熱室9とが、それぞれ一体に設けてある。
【0014】
さらにまた、前記ボックス1の底面には、吸気孔3を閉じるように、フイルター10が、また、このフイルター10と下面開口部が対峙する箱状の下部室11がそれぞれ設けてある。
【0015】
前記キャビネットAに搭載されるコンピューター20は、内部にCPUなどコンピューター20を構成する回路部品を備えた立方体状のケース21から成り、このケース21は、ボックス1の左右側内面に対向して設けた縦方向に延びる取付レール12に取り出し可能に装着されている。
さらに、前記ボックス1の空間部Pには、図示しないが、ハードディスク、インターフェース、テープドライブなどを備えたネットワーク機器やこれらを載置する棚板などが取付レール12に対し装着される。
【0016】
前記ボックス1に設けた上部室6内には、排気孔5を介してボックス内の空気を吸引する排気ユニット13が、また、下部室11内には、吸気孔3を介して外気(本願キャビネットAを設置するコンピュータールーム内の空気)を吸引する吸気ユニット14がそれぞれ設けてある。
【0017】
また、前記ボックス1の後面位置には、ペルチェ素子などから成る熱変換素子15が取り付けてあると共に、その吸熱用フィン15aが、前記吸熱室8内に、またその放熱用フィン15bが、前記放熱室9内に配置されている。
【0018】
さらにまた、前記ボックス1内には、吸気ユニット14の排気口14aと吸熱室8とを連通する第1ダクト16と、吸熱室8とコンピューター20とを連通する第2ダクト17と、空室7内に納められて排気ユニット13の排気口13aと放熱室9とを連通する第3ダクト18とがそれぞれ配置してある。
【0019】
図3は、コンピューター20の内部構成を示す平面図であって、本例では、六面が閉じられた扁平形状の小型ケース21内に、CPU23とチップセット24と、複数の副回路基板25とをそれぞれ配置して成る主回路基板22を収納した構成部品26と、六面が閉じられ、内部に排気ファン27と電源装置28とを収納した扁平形状の構成部品29と、ブロック状に構成されたCD−ROM装置31と、ブロック上に形成されたハードディスクドライブ装置32とを配設して成る場合を示しており、本願におけるコンピューター20は、上記した構成に限定されるものではない。
【0020】
そして、このように構成された、コンピューター20において、排気ファン27がケース21の一つの隅部に設けられると共に、これと対角方向で位置する隅部に、前記第2ダクト17に連通する給気室33が設けてあり、この給気室33には、冷気を前記ハードディスクドライブ装置32に吹き付けるための導管34と、冷気を前記小型部品26内に導くための導管35とが接続してある。
【0021】
前記導管35は、その先端が2股に分かれてあり、その一方35aが、ケース21内のCPU23の位置まで伸び、また他方35bが、ケース21内のチップセット24の位置まで伸びている。
【0022】
COU23には、図4,5で示すように、多数の放熱フィン36aを有したヒートシンク36が取り付けてあり、このヒートシンク36は図示しないが、チップセット24にも同様に取り付けてあり、この各ヒートシンク36にこれを空冷するように、前記した導管35の先端部35a,35bが取り付けてある。
【0023】
なお、図中、21aはケース21の天板を、21bはケース21の周面位置に設けた多数のスリット乃至小孔から成る排気部、26aはケース26の天板を、20bはケース26の周面位置に設けた前記と同様の排気部を、29aはケース29の天板を、29bはケース29の周面位置に設けた多数のスリット乃至小孔から成る排気部を、40は電源スイッチを、41は電源コードを、42はコンセントをそれぞれ示している。
また図中43は熱変換素子15の温度制御ユニットを示している。
【0024】
しかして、吸気ユニット14および排気ユニット13を作動すると、本願キャビネットAを設置したコンピュータールーム内の空気は、ボックス1の底面の吸気孔3からフイルター10を介して下部室11内に流入し、該空気は、第1ダクト16、吸熱室8および第2ダクト17を介してコンピューター20内に導かれ、その過程において、空気は、熱変換素子の吸熱フィン15aにより冷却されるので、その冷却空気はコンピューター20内に流入する。
【0025】
そして、コンピューター20内に流入した冷気は、導管34を介して、比較的発熱量の低いハードディスクドライブ装置32に直接吹き付けられる。他方、発熱量の極めて高いCPU23とチップセット24に対しては、これに設けたヒートシンク36に冷気を吹き付けることにより冷却効果を高め、このようにして動作エネルギーにより温度上昇をきたす電子回路部品に対し積極的に冷気を供給して冷却する。
【0026】
このようにして、主としてCPU23とチップセット24を冷却した空気は、排気部26bを介してコンピューター20内に排気され、この空気は、ハードディスクドライブ装置32内に吹き付けられた冷気と共に、吸気部29bから構成部品29内に流入し、次いで排気ファン27により強制的に、ボックス1内に排気され、またコンピューター20内の空気の一部も亦ケース21に設けた排気部21bを経てボックス1内に流出する。
【0027】
吸気孔3から流入する空気の一部およびコンピューター20から排出されたボックス1内の空気は、排気ユニット13により吸引され、第3ダクト18を介して放熱室9に導かれる。
すると、熱交換作用により高温化されている熱交換素子15の放熱フィン15bは、第3ダクト18を介して放熱室9内に導かれたキャビネットA内の空気により冷却され、放熱フィン15bとの間で熱交換された空気は、多数のスリット乃至小孔から成る排気部9aから外部に放出される。
【0028】
【発明の効果】
以上詳記したように、本願によれば、キャビネット自体に熱変換素子を設け、その吸熱フィンにより、冷却した空気を、ダクトを介してキャビネットに搭載したコンピューター内に導いて、作動エネルギーにより発熱するCPUなどの回路部品を直接またはヒートシンクを介して積極的に冷却する構成であるから、冷却効率が極めて高く得られ、しかも従来必要としていたキャビネットを設置する室自体を空調するための空調設備やその維持管理費用或いはキャビネット内に冷気の供給をするための床構造や配管工事などに要する費用は全く省略でき、またキャビネットを所望の場合に任意に設置できるので、極めて経済的、かつ、実用的であるという利点を有する。
【0029】
また、従来、発熱量の極めて高いCPUやチップセットに対しては、ヒートシンクを一体に取り付けると共に、このヒートシンクに小型で高速回転可能を有する小型ファンを取り付け、これによって冷却を行っているが、小型ファンは使用寿命が短く、そのためその交換作業を多く行われ、しかも、キャビネットに搭載したコンピューターからCPUやチップセットを取り出して小型ファンを交換する作業は極めて面倒であるばかりでなく、コンピューターの稼働効率も低下し、また小型ファンの作動騒動が生じるという不都合を有するが、本願においては、このような不都合を全く解消することができるという実用上の利点を有する。
【0030】
特に、請求項3記載の発明によれば、高温状態に置かれる熱交換素子の放熱フィンを、キャビネットから排出する空気によって空冷する構成であるので、熱交換素子の熱交換効率を高めることができる。
【0031】
また、請求項4記載の発明によれば、例えばコンピュータールーム内の空気が浄化された状態で、キャビネット内に流入するので、塵埃による回路部品の障害を防止することができる。
【0032】
さらにまた、請求項5記載の発明によれば、コンピューター内の空気の流通を促進することができるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャビネットの総体斜視図
【図2】キャビネットを縦断して示した側面図
【図3】コンピューターの内部を示す平面図
【図4】ヒートシンクを備えたCPUの平面図
【図5】ヒートシンクを備えたCPUの側面図
【符号の説明】
A キャビネット
1 ボックス
3 吸気孔
5 排気孔
8 吸熱室
9 放熱室
10 フイルター
13 排気ユニット
14 吸気ユニット
15 熱変換素子
15a 吸熱フィン
15b 放熱フィン
16,17,18 ダクト
20 コンビューター
21 ケース
23 CPU
24 チップセット
27 排気ファン
28 電源装置
34,35 導管
36 ヒートシンク
【発明の属する技術分野】
本願は、データセンター等に設置されるコンピューターを搭載した情報通信用キャビネットにおける冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、データセンター等に設置されるコンピューターを搭載した情報通信用キャビネットは、六面が閉じられるト共に、耐震性を有する堅牢な縦長のボックスから成り、その内部には、コンピューターのほかに、ハードディスク、インターフェースやテープドライブなどのネットワーク用機器類が搭載され、ボックスの下面には、空気取入用の吸気孔を有し、また天井には、ボックス内の空気を換気するための排気用ファンが備えられている。
【0003】
このように構成されたキャビネットに搭載されるコンピューターは、内部に、作動エネルギーによって発熱の生じるCPUやチップセットのほかに、コンピューターとしての機能を備えるための回路部品などが備えられており、コンピューターの使用において、特に、発熱量の大きいCPUやチップセットを冷却するために、従来は以下に述べる手段がとらえている。
【0004】
すなわち、キャビネットを設置する例えばコンピュータールーム自体を低温の状態に空調すると共に、ボックスの天井に設けたファンを作動することにより、空調されたルーム内の冷却空気をボックス底面の吸気孔から取り入れ、これをボックス天井から排気することにより、キャビネット内を冷気状態とするか、或いは例えば、コンピュータールームを構成する床を、フリーアクセスフロワーに構成してフロワーと床下地との間に形成された空間部に、通気パイプを挿通して、これに、外部から冷却空気を供給することにより、キャビネット内を空冷状態としている。
【0005】
他方、キャビネット内に搭載されるコンピューターは、通常六面が閉じられたケース内に、CPUとチップセットとを備えた基板、CD−ROM装置、ハードディスクドライブ装置および電源装置などのコンピューターとしての機能を有するための回路部品が収納してあると共に、ケースの対角方向の両隅部には、吸気ファンと排気ファンとがそれぞれ設けてあり、さらに最も発熱量の高いCPUとチップセットには、多数の放熱フィンを備えたヒートシンクおよびこのヒートシンクを強制空冷するための小型ファンが、それぞれ取り付けてある。
【0006】
しかして、ケースに設けた吸気ファンと排気ファンとを作動すると、キャビネット内の冷気が、一方の隅部からケース内に導かれ、ケース内を空冷したのち、これと対向する他方の隅部から再びキャビネット内に排気される。一方ケース内においては、小型ファンの作動により、ヒートシンクを介してCPUとチップセットが強制的に冷却される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した従来の構成によれば、キャビネットを設置する大きな室自体を空冷するための空調設備やその維持管理に多大の費用を必要とすること、キャビネットの天井に設けたファンにより換気する構成であるので、キャビネット内における冷気の流動効率が悪いこと、また、キャビネットに搭載されるコンピューターにおいては、ケースの対角方向で、冷気の流れを形成する構成であるから、ケース内における冷気の流動による冷却効率が悪いこと、また、CPUおよびチップセットに使用する小型フィンとして、高速回路のものが使用される関係上、使用寿命が短く、かつ、その交換作業に、多くの時間とコストを要すること、さらにまた、多くのファンを使用するので、動作音が大きくなると共に、電力の消費量も多くなるなどの不都合があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願は、上記した従来のものの不都合を解消するために、六面が閉じられたキャビネットの、下部と上部とに、外気を吸入する吸気ユニットと、キャビネット内の空気を排気する排気ユニットをそれぞれ備え、前記吸気ユニットと、前記キャビネットに搭載したコンピューターとの間に、吸気ユニットから吸入した空気コンピューター内に導くダクトを設けると共に、このダクトの途中に、キャビネットの適所に設けた熱交換素子の吸熱フィンを収納した吸熱室を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
好ましくは、ダクトの一端に、コンピューターを構成するCPUやチップセットなど動作エネルギーによって発熱の生じる回路部品に、直接または、該回路部品に設けたヒートシンクに対してダクト内の空気を供給する導管を設けて成る。
【0010】
また、上記において、キャビネットの外面に、熱変換素子の放熱フィンを収納し、一部に排気部を有した放熱室を設けると共に、この放熱室と排気ユニットとを連通するダクトを設けて成り、また吸気ユニットの吸気孔部にフイルターを配置して成り、さらにまた、コンピューター内における吸気ユニットからの空気の吸入位置から離間した位置に、コンピューター内の空気をキャビネット内に放出する排気ファンを設けて成るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面にもとづいて、本願の実施の形態を詳述する。図1は、キャビネットAの総体斜視図を、図2は、キャビネットAを縦断した側面図をそれぞれ示しており、キャビネットAは、前面開口部を残して六面が閉じられると共に、耐震性を有する堅牢で、全体として縦長の立方体状のボックス1から成り、前面には、一部にガラス2aとロックハンドル2bを備えた開閉扉2が、また、底面には吸気孔3と宛部4とが、さらには上面には、排気孔5がそれぞれ設けてある。
【0012】
上記したボックス1の上面には、上方に膨出する密閉状の上部室6が、また、この上部室6の後面からボックス1の後面外方に沿って伸びる空室7がそれぞれ一体に設けてある。
【0013】
また、前記ボックス1の後面下方位置には、内方に膨出する密閉状の吸熱室8と、これと対向して外方に膨出する密閉上の放熱室9とが、それぞれ一体に設けてある。
【0014】
さらにまた、前記ボックス1の底面には、吸気孔3を閉じるように、フイルター10が、また、このフイルター10と下面開口部が対峙する箱状の下部室11がそれぞれ設けてある。
【0015】
前記キャビネットAに搭載されるコンピューター20は、内部にCPUなどコンピューター20を構成する回路部品を備えた立方体状のケース21から成り、このケース21は、ボックス1の左右側内面に対向して設けた縦方向に延びる取付レール12に取り出し可能に装着されている。
さらに、前記ボックス1の空間部Pには、図示しないが、ハードディスク、インターフェース、テープドライブなどを備えたネットワーク機器やこれらを載置する棚板などが取付レール12に対し装着される。
【0016】
前記ボックス1に設けた上部室6内には、排気孔5を介してボックス内の空気を吸引する排気ユニット13が、また、下部室11内には、吸気孔3を介して外気(本願キャビネットAを設置するコンピュータールーム内の空気)を吸引する吸気ユニット14がそれぞれ設けてある。
【0017】
また、前記ボックス1の後面位置には、ペルチェ素子などから成る熱変換素子15が取り付けてあると共に、その吸熱用フィン15aが、前記吸熱室8内に、またその放熱用フィン15bが、前記放熱室9内に配置されている。
【0018】
さらにまた、前記ボックス1内には、吸気ユニット14の排気口14aと吸熱室8とを連通する第1ダクト16と、吸熱室8とコンピューター20とを連通する第2ダクト17と、空室7内に納められて排気ユニット13の排気口13aと放熱室9とを連通する第3ダクト18とがそれぞれ配置してある。
【0019】
図3は、コンピューター20の内部構成を示す平面図であって、本例では、六面が閉じられた扁平形状の小型ケース21内に、CPU23とチップセット24と、複数の副回路基板25とをそれぞれ配置して成る主回路基板22を収納した構成部品26と、六面が閉じられ、内部に排気ファン27と電源装置28とを収納した扁平形状の構成部品29と、ブロック状に構成されたCD−ROM装置31と、ブロック上に形成されたハードディスクドライブ装置32とを配設して成る場合を示しており、本願におけるコンピューター20は、上記した構成に限定されるものではない。
【0020】
そして、このように構成された、コンピューター20において、排気ファン27がケース21の一つの隅部に設けられると共に、これと対角方向で位置する隅部に、前記第2ダクト17に連通する給気室33が設けてあり、この給気室33には、冷気を前記ハードディスクドライブ装置32に吹き付けるための導管34と、冷気を前記小型部品26内に導くための導管35とが接続してある。
【0021】
前記導管35は、その先端が2股に分かれてあり、その一方35aが、ケース21内のCPU23の位置まで伸び、また他方35bが、ケース21内のチップセット24の位置まで伸びている。
【0022】
COU23には、図4,5で示すように、多数の放熱フィン36aを有したヒートシンク36が取り付けてあり、このヒートシンク36は図示しないが、チップセット24にも同様に取り付けてあり、この各ヒートシンク36にこれを空冷するように、前記した導管35の先端部35a,35bが取り付けてある。
【0023】
なお、図中、21aはケース21の天板を、21bはケース21の周面位置に設けた多数のスリット乃至小孔から成る排気部、26aはケース26の天板を、20bはケース26の周面位置に設けた前記と同様の排気部を、29aはケース29の天板を、29bはケース29の周面位置に設けた多数のスリット乃至小孔から成る排気部を、40は電源スイッチを、41は電源コードを、42はコンセントをそれぞれ示している。
また図中43は熱変換素子15の温度制御ユニットを示している。
【0024】
しかして、吸気ユニット14および排気ユニット13を作動すると、本願キャビネットAを設置したコンピュータールーム内の空気は、ボックス1の底面の吸気孔3からフイルター10を介して下部室11内に流入し、該空気は、第1ダクト16、吸熱室8および第2ダクト17を介してコンピューター20内に導かれ、その過程において、空気は、熱変換素子の吸熱フィン15aにより冷却されるので、その冷却空気はコンピューター20内に流入する。
【0025】
そして、コンピューター20内に流入した冷気は、導管34を介して、比較的発熱量の低いハードディスクドライブ装置32に直接吹き付けられる。他方、発熱量の極めて高いCPU23とチップセット24に対しては、これに設けたヒートシンク36に冷気を吹き付けることにより冷却効果を高め、このようにして動作エネルギーにより温度上昇をきたす電子回路部品に対し積極的に冷気を供給して冷却する。
【0026】
このようにして、主としてCPU23とチップセット24を冷却した空気は、排気部26bを介してコンピューター20内に排気され、この空気は、ハードディスクドライブ装置32内に吹き付けられた冷気と共に、吸気部29bから構成部品29内に流入し、次いで排気ファン27により強制的に、ボックス1内に排気され、またコンピューター20内の空気の一部も亦ケース21に設けた排気部21bを経てボックス1内に流出する。
【0027】
吸気孔3から流入する空気の一部およびコンピューター20から排出されたボックス1内の空気は、排気ユニット13により吸引され、第3ダクト18を介して放熱室9に導かれる。
すると、熱交換作用により高温化されている熱交換素子15の放熱フィン15bは、第3ダクト18を介して放熱室9内に導かれたキャビネットA内の空気により冷却され、放熱フィン15bとの間で熱交換された空気は、多数のスリット乃至小孔から成る排気部9aから外部に放出される。
【0028】
【発明の効果】
以上詳記したように、本願によれば、キャビネット自体に熱変換素子を設け、その吸熱フィンにより、冷却した空気を、ダクトを介してキャビネットに搭載したコンピューター内に導いて、作動エネルギーにより発熱するCPUなどの回路部品を直接またはヒートシンクを介して積極的に冷却する構成であるから、冷却効率が極めて高く得られ、しかも従来必要としていたキャビネットを設置する室自体を空調するための空調設備やその維持管理費用或いはキャビネット内に冷気の供給をするための床構造や配管工事などに要する費用は全く省略でき、またキャビネットを所望の場合に任意に設置できるので、極めて経済的、かつ、実用的であるという利点を有する。
【0029】
また、従来、発熱量の極めて高いCPUやチップセットに対しては、ヒートシンクを一体に取り付けると共に、このヒートシンクに小型で高速回転可能を有する小型ファンを取り付け、これによって冷却を行っているが、小型ファンは使用寿命が短く、そのためその交換作業を多く行われ、しかも、キャビネットに搭載したコンピューターからCPUやチップセットを取り出して小型ファンを交換する作業は極めて面倒であるばかりでなく、コンピューターの稼働効率も低下し、また小型ファンの作動騒動が生じるという不都合を有するが、本願においては、このような不都合を全く解消することができるという実用上の利点を有する。
【0030】
特に、請求項3記載の発明によれば、高温状態に置かれる熱交換素子の放熱フィンを、キャビネットから排出する空気によって空冷する構成であるので、熱交換素子の熱交換効率を高めることができる。
【0031】
また、請求項4記載の発明によれば、例えばコンピュータールーム内の空気が浄化された状態で、キャビネット内に流入するので、塵埃による回路部品の障害を防止することができる。
【0032】
さらにまた、請求項5記載の発明によれば、コンピューター内の空気の流通を促進することができるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】キャビネットの総体斜視図
【図2】キャビネットを縦断して示した側面図
【図3】コンピューターの内部を示す平面図
【図4】ヒートシンクを備えたCPUの平面図
【図5】ヒートシンクを備えたCPUの側面図
【符号の説明】
A キャビネット
1 ボックス
3 吸気孔
5 排気孔
8 吸熱室
9 放熱室
10 フイルター
13 排気ユニット
14 吸気ユニット
15 熱変換素子
15a 吸熱フィン
15b 放熱フィン
16,17,18 ダクト
20 コンビューター
21 ケース
23 CPU
24 チップセット
27 排気ファン
28 電源装置
34,35 導管
36 ヒートシンク
Claims (5)
- 六面が閉じられたキャビネットの下部と上部とに、外気を吸入する吸気ユニットと、キャビネット内の空気を排気する排気ユニットをそれぞれ備え、前記吸気ユニットと、前記キャビネットに搭載したコンピューターとの間に、吸気ユニットから吸入した空気をコンピューター内に導くダクトを設けると共に、このダクトの途中に、キャビネットの適所に設けた熱変換素子の吸熱フインを収納した吸熱室を設けたことを特徴するコンピューターを搭載した情報通信用キャビネットにおける冷却装置。
- ダクトの一端に、コンピューターを構成するCPUやチップセットなど動作エネルギーによって発熱の生じる回路部品に、直接または、該回路部品に設けたヒートシンクに対してダクト内の空気を供給する導管を設けて成る請求項1記載のコンピューターを搭載した情報通信用キャビネットにおける冷却装置。
- キャピネットの外面に、熱変換素子の放熱フインを収納し、一部に排気部を有した放熱室を設けると共に、この放熱室と排気ユニットとを連通するダクトを設けて成る請求項1または2記載のコンピューターを搭載した情報通信用キャビネットにおける冷却装置。
- 吸気ユニットの吸気孔部にフイルターを配置して成る請求項1,2または3記載のコンピューターを搭載した情報通信用キャビネットにおける冷却装置。
- コンピューター内における吸気ユニットからの空気の吸入位置から離間した位置に、コンピューター内の空気をキャビネット内放出する排気ファンを設けて成る請求項1,2,3または4記載のコンピューターを搭載した情報通信用キャビネットにおける冷却装置。
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- 2002-06-12 JP JP2002206230A patent/JP2004020171A/ja active Pending
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