JP2004019626A - 風力発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】風力の発生と電力負荷の発生の時間的ずれを解消するためエネルギー貯蔵におけるエネルギー損失を最少にし、高効率の発電を行う風力発電装置を実現するものである。
【解決手段】風車1の回転力を駆動源とし上部液溜タンク6と下部液溜タンク8とを接続する往管9に設けたポンプ11と、上部液溜タンク6と下部液溜タンク8とを接続する復管10に設けた水車12と、水車12の回転力で駆動する発電機2と、上部液溜タンク6の下流に設けた開閉弁13とを備えている。これによって、風車を回転してポンプで動作液体を上方に設けた上部液溜タンクに汲み上げて位置エネルギーとして保存するためエネルギーを保存する時のエネルギー損失を著しく低減することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電装置に関し、特に風力を駆動源とする風力発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の風力発電装置は図9に示す構成となっている。図9において1は風車、2は風車の回転力を駆動源とする発電機、3は発電機2の出力を蓄電池4と電力負荷5に供給制御する制御器である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の構成では、風車1の回転エネルギーを発電機2で電気エネルギーに変換し発生した電力を、制御器7を介して電力負荷5に供給するか、電力負荷が小さいか発生しない場合は蓄電池4に供給して蓄電していたが、蓄電池4からの自然放電および環境温度の変化などにより充電効率が低下するなど、システム全体の効率が低く風力エネルギーを有効に活用できないという課題を有していた。
【0004】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、エネルギー貯蔵時の損失が少ない高効率の風力発電装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記従来の課題を解決するために、本発明の風力発電装置は、風車の回転力を駆動源とするポンプで下部液溜タンクの動作液体を上部液溜タンクに汲み上げて位置エネルギーとして保存して、上部液溜タンクの動作液体を下部液溜タンクに自然落下させる際に復管に設けた水車で駆動する発電機で発電させるものである。
【0006】
これによって、風車で得られた回転エネルギーが上部液溜タンク内に蓄えられた動作液体の位置エネルギーとして蓄えられるので、蓄エネルギー時のエネルギー損失が殆ど発生しない高効率の風力発電装置が実現できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載した発明は、上部液溜タンクと、下部液溜タンクと、風車と、風車の回転力を駆動源とし上部液溜タンクと下部液溜タンクとを接続する往管に設けたポンプと、上部液溜タンクと下部液溜タンクとを接続する復管の下方に設けた水車と、水車の回転力で駆動する発電機と、上部液溜タンクの出口に設けた開閉弁と、発電器の出力を入力として電力負荷に電力を供給する制御器とから構成することにより、風車の回転力でポンプを運転して下部液溜タンクの動作液体を上部液溜タンクに汲み上げて蓄えておいて、電力負荷の発生時に、復管に設けた開閉弁を開放して上部液溜タンクの動作液体を下部液溜タンクに落とし込んで水車を回転させて発電機を運転して発生電力を制御器を介して電力負荷に供給することができ、風力の発生時と電力負荷の発生時が時間的にずれて発生した場合においても、動作液体を上部液溜タンクに位置エネルギーとして蓄えておくことができるので、エネルギー損失が少ない高効率の風力発電装置を実現できる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、特に、請求項1に記載の風力発電装置を、上部液溜タンク底部と下部液溜タンクの底部を往管で接続し、ポンプ入口に逆止弁を設けたもので、往管内部に動作液体を満たした状態で風車を回転してポンプが運転されるとポンプで動作液体を上部液溜タンクに汲み上げることができ、一方風車が停止したときはポンプ入口の逆止弁によって往管内部の動作液体が下方に流れおちるのを防ぐので、往管内部に常に動作液体を満たした状態を保つことができ、風速が脈動するような不安定な自然環境下でも安定して装置を運転することができる。
【0009】
請求項3に記載した発明は、特に、請求項1と2に記載の風力発電装置に、上部液溜タンク内上部と下部液溜タンクの上部を接続するオーバーフロー管を設けたもので、発電を行わないで長期間ポンプを動作させた場合は下部液溜めタンクの動作媒体が上部液タンクに汲み上げ続けられて上部液タンクから動作媒体があふれでてしまうが、このとき上部液タンク内のオーバーフロー管の開放部からオーバーフローさせて下部液溜めタンクに動作媒体を回収させることにより動作液体の補充等のメンテナンスを行うことなく安全に安定して装置を運転することができる。
【0010】
請求項4に記載した発明は、特に、請求項1〜3に記載の風力発電装置に、風車の回転力を駆動源とし入口に逆止弁を設けたポンプを複数台直列に往管に設けたもので、第1のポンプで汲み上げた動作液体を第2のポンプで汲み上げることができるので、高い位置エネルギーを発生させることができるとともに、小型の風車設備でシステムを構成することができる。
【0011】
請求項5に記載した発明は、特に、請求項1〜4に記載の風力発電装置に、上部液溜タンク下部と下部液溜タンクの下部を接続する単一の往復管と、風車と、風車の軸と風車軸クラッチを介して接続する往復管に設けたポンプと、ポンプとポンプ軸クラッチを介して接続する発電機と、往復管に設けた開閉弁と、風車軸クラッチとポンプ軸クラッチと開閉弁を制御して発電機の出力を電力負荷に供給する制御器とを設けたもので、風力と電力負荷が同時に発生するときは風車軸クラッチとポンプ軸クラッチの両方を接続状態にして動作液体の汲み上げと発電の運転を同時行うとともに、電力負荷が発生していない状態では風車軸クラッチを接続してポンプ軸クラッチを切離して運転して動作媒体の汲み上げのみを行い、風力の発生がなく電力負荷が発生いしている時は風車軸クラッチを切離しポンプ軸クラッチを接続してポンプを水車として利用して発電を行うことができるので、上部液溜タンクと下部液溜タンクとを往復管一本で接続して構成することができ装置を単純化して製作が容易で高効率な風力発電装置を実現することができる。
【0012】
請求項6に記載した発明は、特に、請求項1〜5に記載の風力発電装置に、ポンプ出口とポンプ入口を接続するバイパス管と、上部液溜タンクの入口に設けた第2開閉弁と、バイパス管に設けた水車と、水車の回転力を駆動源とする発電機とを設けたもので、風車の回転力で駆動するポンプで動作液体を汲み上げて、バイパス配管に設けた水車で回転する駆動力で発電機を運転して発電を行うことができ、電力負荷が発生するときは第2開閉弁を閉じて上部液溜タンクに動作液体を汲み上げずにバイパス管を通して水車を回転させることにより、風車で発生するエネルギーを位置エネルギーに変換させずに発電することができるので高効率で発電することができる。
【0013】
請求項7に記載した発明は、特に、請求項1〜6に記載の風力発電装置を、上部液溜タンクと下部液溜タンクに充填された磁性流体と,復管に設けた磁性流体の流れにより発電する磁性流体発電機とを設けたもので、動作液体として磁性流体を用いることにより、位置エネルギーと磁性流体の持つ流れのエネルギーの両方を同時に電気エネルギーとして取り出すことが可能になるので、高効率の風力発電装置を実現することができる。
【0014】
請求項8に記載した発明は、特に、請求項1〜7に記載の風力発電装置に、上部液溜タンクまたは下部液溜タンクに設けた液面検知手段と、クラッチを介してポンプの軸に接続される電動機と、商用電源と発電機出力を入力として液面検知手段の出力値に応じてクラッチと電動機と開閉弁を制御して電力負荷に電力を供給する制御器とを設けたもので、上部液溜タンク内に動作液体が充分に満たされていなく水車での発電が困難なときはポンプの軸に接続されるクラッチを接続状態にして商用電源で電動機を運転してポンプで上部液溜タンク内に動作液体を汲み上げることができるので、深夜電力などを利用して電力負荷の発生に合わせた経済的な発電をする事ができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
(実施例1)
図1は、本発明の実施例1における風力発電装置の構成を示す説明図である。図1において、6はエチレングリコールなどの不凍液からなる動作液体7を蓄える上部液溜タンクで、8は下部液溜タンクで、9は上部液溜タンク6と下部液溜タンク8を接続する往管で、10は復管で、11は往管9に設けた風車1で駆動するポンプで、12は復管10に設けた発電機2を駆動する水車で、13は上部液溜タンク6の下流の復管10に設けた開閉弁であり、3は発電機2の出力を電力負荷5に供給制御する制御器である。
【0017】
以上のように構成された風力発電装置について、以下にその動作、作用を説明する。まず、風が風車1に当たると風車1が回転してポンプ11を作動させることにより、下部液溜タンク8内の動作液体7を往管9を通して上部液溜タンク6に汲み上げる。電力負荷5が発生した時、開閉弁13を開放すると、上部液溜タンク6内の動作液体7は復管10を通って下方の下部液溜タンク8に流れ落ちるが、このとき動作液体7が水車12を回転させるので、発電機2が運転され発電し制御器3を介して電力を電力負荷5に供給する。
【0018】
以上のように、本実施例においては、風車1で発生した回転エネルギーで、下方に位置する下部液溜タンク8内の動作液体7を上方に移動させて上部液溜タンク6内に蓄えることにより位置エネルギーとして蓄えておくことができるので、蓄エネルギー時の損失が殆ど発生しない高効率の風力発電装置を実現できる。
【0019】
(実施例2)
図2は、本発明の実施例2の風力発電装置の構成を示す説明図である。図2において、14は往管9のポンプ11の入口に設けた逆止弁である。実施例1と異なるところは、上部液溜タンク6の底部と下部液溜タンク8の底部を往管8で接続した点と、ポンプ11の入口に逆止弁14を設けた点である。
【0020】
以上のように構成された風力発電装置について、以下にその動作、作用を説明する。まず、風車1が回転してポンプ11が、下部液溜タンク8内の動作液体7を往管9を通して上部液溜タンク6に汲み上げるが、風が脈動する場合等はポンプ11が停止したときポンプ11の上流側の動作液体7が往管9内を逆流して下方に流れ落ちるが、上部液溜タンク6の底部と下部液溜タンク8の底部を復管で接続して往管9内を動作液体で満たし、ポンプ11の入口に逆止弁14を設けているので動作液体7の逆流を防止することができる。
【0021】
以上のように、本実施例においては、風が脈動してポンプ11の運転が停止しても動作液体7の逆流を防止することができるので、風速が不安定な状態でも安定して運転することができる。
【0022】
(実施例3)
図3は、本発明の実施例3の風力発電装置の構成を示す説明図である。図3において、15はオーバーフロー管である。実施例1および実施例2と異なるところは、上部液溜タンク6内上部と下部液溜タンク8の上部とをオーバーフロー管15で接続した点である。
【0023】
以上のように構成された風力発電装置について、以下にその動作、作用を説明する。まず、電力負荷5が発生しない状況や開閉弁13が故障して閉じられた状態が長時間継続した場合は、風車1が回転してポンプ11が下部液溜タンク8内の動作液体7を上部液溜タンク6に汲み上げ続け、やがて下部液溜タンク8は空になりポンプ11は空運転状態を継続して破損に至ってしまうが、上部液溜タンク6内上部と下部液溜タンク8の上部とを接続するオーバーフロー管15を設けているので、上部液溜タンク6内の余分な動作液体7はオーバーフロー管15に流入して下部液溜タンク8に流れ落ちるので下部液溜タンク8には常に動作液体7が存在する状態となりポンプ11の空運転を防止することができる。
【0024】
以上のように、本実施例においては、上部液溜タンク6内上部と下部液溜タンク8の上部とをオーバーフロー管15で接続しているため、ポンプ11の空運転を防止して信頼性の高い風力装置装置を実現する事ができる。
【0025】
(実施例4)
図4は、本発明の実施例4の風力発電装置の構成を示す説明図である。図4において、16は入口に第2逆止17を設け第2風車18で駆動される第2ポンプである。実施例1から3と異なるところは、往管9に設けられ入口に逆止弁14を有し風車1で駆動されるポンプ11の出口側に、入口に第2逆止17弁を設け第2風車18で駆動される第2ポンプを設けた点である。
【0026】
以上のように構成された風力発電装置について、以下にその動作、作用を説明する。まず、風車1が回転してポンプ11で汲み上げられた動作液体11は、風車18で駆動される第2ポンプ16の入口に送られさらに第2ポンプ16で加圧されて上部液溜タンク6に送りこまれる。このときポンプ11と第2ポンプ16の入口には逆止弁14と第2逆止弁17が設けられているため風車の回転が脈動してもそれぞれのポンプ11および第2ポンプ16で動作液体7を確実に汲み上げることができる。
【0027】
以上のように、本実施例においては、往管9に複数台のポンプを直列に設けているため、小型の風車とポンプで装置を構成することができるとともに動作液体7を高い位置に汲み上げることができるので、大きな位置エネルギーを得ることができる。
【0028】
(実施例5)
図5は、本発明の実施例5の風力発電装置の構成を示す説明図である。図5において、19は上部液溜タンク6の底部と下部液溜タン8の底部を接続する往復管で、20は風車1とポンプ11の回転の接続切離しを行う風車軸クラッチで、21はポンプ11と発電機2の回転の接続切離しを行うポンプ軸クラッチで、13は往復管19に設けた開閉弁である。実施例1から4と異なるところは、上部液溜タンク6と下部液溜タン8とを単一の往復管19接続した点と、風車1とポンプ11と発電機2を風車軸クラッチ20とポンプ軸クラッチ21で接続した点である。
【0029】
以上のように構成された風力発電装置について、以下にその動作、作用を説明する。まず、風力と電力負荷が同時に発生するときは風車軸クラッチ20とポンプ軸クラッチ21の両方を接続状態にして動作液体7を下部液溜タン8から上部液溜タンク6にポンプ11で汲み上げると同時に発電機2で発電して制御機3を介して電力負荷5に電力を供給する。電力負荷が発生していない状態では、風車軸クラッチ20を接続してポンプ軸クラッチ21を切離してポンプ11を運転して発電機2を停止して動作媒体7の汲み上げのみを行う。風力の発生がなく電力負荷が発生している時は、風車軸クラッチ20を切離しポンプ軸クラッチ21を接続した状態で、開閉弁13を開放して上部液溜タンク6の動作液体7を下部液溜タンク8に流れおとすことによりポンプ11を逆回転させて水車として利用して発電を行うことができる。
【0030】
以上のように、本実施例においては、風車1とポンプ21と発電機2とを風車軸クラッチ20とポンプ軸クラッチ21を介して接続するとともに単一の往復管19で接続しているので、風力と電力負荷の状況に応じて最適の運転を行うことができるとともに装置の構成を簡単化できる。
【0031】
(実施例6)
図6は、本発明の実施例6の風力発電装置の構成を示す説明図である。図6において、22はバイパス管で、23は第2開閉弁である。実施例1から5の構成と異なるところは、ポンプ11の出口と入口を接続するバイパス管22と、上部液溜タンク6の入口に第2開閉弁23と、バイパス管22に発電機2を駆動する水車12と開閉弁13を設けた点である。
【0032】
以上のように構成された風力発電装置について、以下にその動作、作用を説明する。まず、風力が発生して風車1が回転する時は、開閉弁13を閉じ第2開閉弁23を開放してポンプ11で動作液体7を上部液溜タンク6に汲み上げる。風車が回転する時に電力負荷5が発生する場合は、開閉弁13を開放して第2開閉弁23を閉じてポンプ11を運転し動作液体7をポンプ11とバイパス管22の水車12の間で循環させることにより発電機2を運転して発電して電力を制御器3を介して電力負荷5に供給する。
【0033】
以上のように、本実施例においては、バイパス管22と上部液溜タンク6の入口に第2制御弁23を設けることにより、位置エネルギーに変換することなく風車1の回転力で駆動するポンプ11で循環される動作液体11により水車を直接回転させることができるので高効率で発電することができる。
【0034】
(実施例7)
図7は、本発明の実施例7の風力発電装置の構成を示す説明図である。図7において、6は鉄分等を含有した磁性流体の動作媒体で、24は磁性流体の動作媒体7が通過することにより電力を発生する磁性流体発電機である。実施例1から6の構成と異なるところは、動作液体6として磁性流体を用いた点と、復管10に磁性流体発電機24を設けた点である。
【0035】
以上のように構成された風力発電装置について、以下にその動作、作用を説明する。まず、下部液溜タンク8内の動作液体7は風車1が回転することによりポンプ11で上部液溜タンク6に汲み上げられる。電力負荷5が発生した場合は開閉弁13を開放して、上部液溜タンク6の動作媒体7を下部液溜タンク8に流れ落とすが、磁性流体である動作液体7が復管10を流れ落ちる時に磁性流体発電機24で発電するとともに、水車12で駆動する発電機2でも発電して制御器3を介して電力負荷5に電力を供給する。
【0036】
以上のように、本実施例においては、動作液体7として磁性流体を用いるとともに、復管10に磁性流体発電機24と水車12で駆動する発電機2を設けているので、磁性流体の流体エネルギーと位置エネルギーと両方のエネルギーを利用して発電することができるので高効率の風力発電装置を実現することができる。
【0037】
また、一般に磁性流体の比重は水より大きいので、上部液溜タンク6を高い位置に設置しなくても大きな位置エネルギーを得ることができるので装置を小型にすることができる。
【0038】
(実施例8)
図8は、本発明の実施例8の風力発電装置の構成を示す説明図である。図8において、25は液面センサーで、25はポンプ11の軸にクラッチ27を介して接続する電動機で、3は発電機2の出力と商用電源28とを入力として液面センサー25の検出値に応じてクラッチ27と電動機26とを制御して電力負荷5に電力を供給する制御器である。実施例1から実施例7の構成と異なるところは、上部液溜タンク6内に設けた液面センサー25と、ポンプ11にクラッチ27を介して設けた電動機26と、商用電源27を入力とする制御器3を有する点である。
【0039】
以上のように構成された風力発電装置について、以下にその動作、作用を説明する。まず、風車1が回転する時はクラッチ27を切り離した状態でポンプ11を運転して、下部液溜タンク8内の動作液体7を往管9を通して上部液溜タンク6に汲み上げる。電力負荷5が発生した場合は、開閉弁13を開放して上部液溜タンク6に溜めた動作媒体7を下部液溜タンク8に流し落とし水車12を回転して発電機2を運転して発生した電力を制御器3を介して電力負荷5に供給する。一方、風力が小さく風車1の回転力が小さい時に液面センサー25が所定の液面位置以下であることを検知した時は、制御器3はクラッチ27を接続状態にして商用電源27を電動機26に供給してポンプ11を運転して下部液溜タンク8内の動作液体7を往管9を通して上部液溜タンク6に汲み上げる。
【0040】
以上のように、本実施例においては、風車1で駆動するポンプ11に商用電源28で駆動する電動機26をクラッチ27を介して接続するとともに上部液面タンク6に液面センサー25を設けて制御器3で電動機26を運転制御しているため風力が小さくて動作媒体7を充分汲み上げられない時は商用電源28でポンプ11を運転して必要量を汲み上げることができるので、上部液溜タンク6に一定量以上の動作液体7を確保することができるので、常に発電することができる。また、商用電源28として深夜電力を利用すると利便性に優れた経済的な発電装置を実現することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、請求項1〜8に記載の発明によれば、風車の回転力で駆動するポンプで下方に設けた下部液溜タンク内の動作液体を上方に設けた上部液溜タンクに汲み上げて保持しておいて、電力負荷が発生した時に上部液溜タンク内の動作液体を下部液溜タンクに落とし込む際に水車を回転させて発電して用いる事により、位置エネルギーとしてエネルギーを貯蔵するので貯蔵時のエネルギー損失が少なく、風力と電力負荷の発生の時間的ずれを補う高効率な風力発電装置を実現する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における風力発電装置の構成図
【図2】本発明の実施例2における風力発電装置の構成図
【図3】本発明の実施例3における風力発電装置の構成図
【図4】本発明の実施例4における風力発電装置の構成図
【図5】本発明の実施例5における風力発電装置の構成図
【図6】本発明の実施例6における風力発電装置の構成図
【図7】本発明の実施例7における風力発電装置の構成図
【図8】本発明の実施例8における風力発電装置の構成図
【図9】従来の風力発電装置の構成図
【符号の説明】
1 風車
2 発電機
6 上部液溜タンク
7 動作液体
8 下部液溜タンク
9 往管
10 復管
11 ポンプ
12 水車
13 開閉弁
14 逆止弁
19 往復管
20 風車軸クラッチ
21 ポンプ軸クラッチ
22 バイパス管
23 第2開閉弁
24 磁性流体発電機
25 液面センサー
26 電動機
27 クラッチ
28 商用電源

Claims (8)

  1. 上部液溜タンクと、下部液溜タンクと、風車と、前記上部液溜タンクと前記下部液溜タンクとを接続する往管に設けられた前記風車の回転力を駆動源とするポンプと、前記上部液溜タンクと前記下部液溜タンクとを接続する復管に設けた水車と、前記水車の回転力で駆動する発電機と、前記上部液溜タンクの出口に設けた開閉弁とを有する風力発電装置。
  2. ポンプの入口に逆止弁とを設けた請求項1に記載の風力発電装置。
  3. 上部液溜タンクの上部と下部液溜タンクの上部とを接続するオーバーフロー管を設けた請求項1又は2に記載の風力発電装置。
  4. ポンプと逆止弁とを複数台直列に設けた請求項2又は3に記載の風力発電装置。
  5. 上部液溜タンク底部と下部液溜タンクの底部を接続する単一の往復管と、風車と、前記風車と風車軸クラッチを介して接続して前記往復管に設けたポンプと、前記ポンプとポンプ軸クラッチを介して接続する発電機と、前記往復管に設けた開閉弁と、前記風車軸クラッチと前記ポンプ軸クラッチと開閉弁を制御して発電機の出力を電力負荷に供給する制御器とを設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の風力発電装置。
  6. ポンプの出口と入口を接続するバイパス管と、上部液溜タンクの入口に設けた第2開閉弁と、前記バイパス管に設けた水車と、前記水車の回転力を駆動源とする発電機と、前記バイパス管に設けた開閉弁とを有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の風力発電装置。
  7. 上部液溜タンク下部と下部液溜タンクに充填された磁性流体と,復管に設けた前記磁性流体の流れにより発電する磁性流体発電機とを有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の風力発電装置。
  8. 上部液溜タンクまたは下部液溜タンクに設けた液面検知手段と、クラッチを介してポンプの軸に接続される電動機と、商用電源と発電機出力を入力として前記液面検知手段の出力値に応じて前記クラッチと前記電動機と開閉弁を制御して電力負荷に電力を供給する制御器とを有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の風力発電装置。
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