JP2004017632A - 造形ディスプレイシステム及び試作方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】造形ディスプレイシステム1は、造形対象物50の造形に発泡材を用い、これを実寸大で造形する。このため、従来の木材等の除去加工によりクレイモデルを作製する場合はもちろん、例えば樹脂材を用いた光造形の場合よりも素早い造形を実現することができる。特に大型製品を対象とするほど、その造形期間短縮の効果は一層大きくなる。そして、製品設計の過程で造形ディスプレイシステム1を用いて試作された造形対象物50を、実寸大にてデザイン的又は機能的に評価することで、設計者の感性に合致した製品を造りだすことができるとともに、その設計期間の短縮化が図れる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種製品の模型を成形して可視表示させる造形ディスプレイシステムに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来より、CAD・CAM等のコンピュータシステムにおいては、設計された製品の形状・寸法データに基づいて、その完成品の心証を得るために、当該製品の形状をディスプレイ上に三次元表示する所謂試作模型の作成が行われている。
【0003】
この試作模型の作成に際しては、ディスプレイ画面の表示範囲の都合や或いは細部形状の確認等の観点からスケーリング、つまり拡大や縮小が行われる。このスケーリングが製品の形状等を理解する上で、その効果を発揮することも多い。
しかし、逆に、製品そのものの大きさ、つまり実寸大での表示が意味をもつ場合もある。例えばスケーリングされた模型のデザイナの感性への影響など、特に大きさと形,模様,色との関係を考慮する必要がある場合には、実寸大模型の必要性が大きくなる。また、機械を試作してその機能を検討したい場合に、設計者が実寸大の粗い模型をダンボール等で作ってその心証を得るといった慣例もある。さらに、自動車等を設計した際には、その最終工程において木材等でクレイモデルを作成し、全体的なデザインの心証を得ることが行われている。
【0004】
しかしながら、このようなクレイモデルの作成は、木材等の切削加工(所謂除去加工)等に長時間を要し、また、複数種類の加工工具又は装置が必要となり、大きなものを対象とするほど装置も大がかりとなる。このため、例えば自動車よりも大きなものについてクレイモデルを作成することは、時間的にもコスト的にも極めて困難になる。また、工作機械等による除去加工では例えば孔形状等の加工が困難である等、形状的に加工できる限界があるといった問題がある。
【0005】
また、例えばホログラフィにより製品の実寸大形状を表示する技術も考えられるが、暗所を用意する等使用できる環境が限られており、また試作品の持ち運びは不可能である。
こうした中、近年ではかかる除去加工ではなく、所謂付加加工の技術が進展している。所謂RPシステム(Papid Prototyping System:高速造形システム)がそれである。
【0006】
このRPシステムの代表的なものとしては、例えば3次元CADデータをRPデータ用に編集し、樹脂材を用いて光造形を行うものが挙げられる。この技術は、一般的に、造形槽の中に満たされた光硬化性樹脂に対してRPデータに従ってレーザ光を露光し、光硬化樹脂の液面に集光されたレーザー光が製品断面形状通りに露光硬化させ、レーザの硬化を繰り返すことにより所望形状の光造形品を成形するものである。かかる技術により、上記除去加工では困難な形状を比較的容易に加工することができ、また、加工時に切り屑等の不要物が発生を抑制又は防止することができるようになった。
【0007】
しかしながら、樹脂材による成形品は、その成形時に硬化するための時間を要し、特に大きなものを造形する場合には、依然として長時間を要するといった問題があった。また、樹脂等の成形品は比較的重量が大きいため、その持ち運びが困難であるといった問題や、不要になった場合の処理に手間がかかるといった問題があった。
【0008】
そこで本発明は、各種製品の実寸大模型を簡易かつ迅速に造形して可視表示させることが可能であり、特に大型製品の造形に適した造形ディスプレイシステムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み、請求項1に記載の造形ディスプレイシステムは、硬化性発泡材料液を貯蔵したタンクと、このタンクから発泡材料液を抽出し、発泡材として噴射する噴射ノズルと、この噴射ノズルを予め設定した造形スペース内で移動させる移動手段と、入力された造形対象物の三次元形状データに基づき、造形対象物を造形スペース内に設定した三次元空間座標系に実寸大で造形するための造形制御データを演算する演算手段と、この演算手段が演算した造形制御データに基づき、移動手段を移動制御すると共に、噴射ノズルによる発泡材の噴射制御を行う制御手段とを備え、発泡材により造形対象物を三次元の実寸大にて造形し、可視表示させることを特徴とする。
【0010】
すなわち、かかる構成では、例えばCAD・CAMシステム等による造形対象物の三次元形状データを取得して、演算手段がこれを実際の三次元空間に実寸大で造形するための造形制御データを演算する。尚、ここでいう「造形制御データ」とは、発泡材の噴射により造形対象物(立体物)を造形する場合にその造形制御に用いられるデータであり、例えば造形対象物の外形状を構成する要素(点)の位置データ,噴射ノズルの移動経路(造形順序)及び移動速度,発泡材の噴射量等を意味する。尚、この造形に際して、造形対象物の形状の特定は、その上面を上、底面を下、といったように本来の使用態様に即して特定する必要はなく、迅速な造形処理を実現できる場合には、例えば底面が上、上面が下、といったように、造形順序として都合がよいように特定してもよい。
【0011】
そして、制御手段が、この造形制御データに基づき、移動手段を移動制御すると共に、噴射ノズルによる発泡材の噴射制御を行う。尚、ここでいう「移動手段」としては、後述する実施例に示したマニピュレータによるものでもよいし、特に造形対象物が大型の場合には、噴射ノズルを含む噴射装置の部分を格子状のガイド手段に沿ってアクチュエータ駆動した上で、その噴射ノズルを予め設定した3軸(ロール軸、ピッチ軸、及びヨー軸)周りに回転駆動可能とするものでもよく、その他種々の態様が考えられる。また、「噴射ノズル」は一つに限られず、造形対象物の大きさ等により複数設けることもできる。
【0012】
かかる構成によれば、自動車や家具などの自由形状をもつ大型製品を造形対象物として実寸大で造形することもできる。このため、上述のようにコンピュータシステム等のディスプレイ上にスケーリングされ表示されたモデルよりも、デザイン上、より実製品に近い心証を得ることができる。その結果、実寸大の造形物を評価するデザイナの便宜の向上及びその育成等を図ることができる。
【0013】
また、かかる構成は、付加加工を行う上記RPシステムにおける材料として発泡材を採用したものと言え、従来の木材等の除去加工によりクレイモデルを作製する場合よりも、その造形期間を大幅に短縮することができる。また、発泡材を採用したため、同じRPシステムである光造形の樹脂材よりもその硬化速度がかなり速く(発泡材料液の種類や混合の割合等にもよるが、一般には1/10〜1/100のオーダであると考えられる)、一層造形対象物を素早く造形することができる。このため、特に従来RPシステムの適用が困難とされていた大型製品を対象とするほどその効果は一層大きくなり、製品設計の最終段階にて作製される実寸大モデルを短期間に得ることができる。その結果、大型製品の設計効率の向上に大きく寄与することができる。
【0014】
逆に、発泡材による造形であるためその発泡の際に膨張し、例えば光造形と比較すると完成した造形品の寸法精度は若干劣る場合もある。このため、細かな寸法が要求される小型の造形対象物には不向きであると考えることもできる。しかし、例えば自動車や家具など人体の大きさ程度以上(例えば2m以上)の大型の製品については、そのデザインの心証を得るための造形品に対してそれ程の精度は要求されないといった実情に鑑みると、特に大型の造形対象物について素早く造形でき、製品の設計期間を短縮させるという本願発明の効果は極めて大きい。
【0015】
また、発泡材により造形された造形物は、樹脂等で造形されたものよりもかなり軽量であるため、持ち運びにも都合がよいといった利点もある。そして、特に大型の造形物であるほどその利点は大きくなる。
すなわち、一般に比較的小型の製品についてはその精度が要求される傾向にあるため、精度を重視する従来の光造形等のRPシステムの用途に合致するところがあった。その際、小型であるために造形にそれほどの時間を要することもなく、このRPシステムによって造形品を作製するのにそれなりの意義があった。しかし、このような小型の製品に、本発明のように発泡材によるRPシステムを適用しようとすると、その精度が十分に得られなかったため、従来そのような発想になかなか到らなかった。
【0016】
逆に、比較的大型の造形対象物に対してこの従来のRPシステムを適用すると時間がかかるため、当該RPシステムにより大型の製品の造形物を作製するといった発想にも到らなかった。
本願発明は、いわばその発想の転換を図ったものといえる。すなわち、例えば上述した自動車のクレイモデルなどの大型の製品の造形物であって、ある程度精度が制限されてもデザインの心証にそれほどの影響を受けないものがある。一方、これらの製品は、設計期間の都合上その造形品をできるだけ迅速に、その都度必要に応じて得たいという要請がある。本発明はかかる点に着目し、大型の造形物を多少粗くても短期間に作製できる方法として、RPシステムに発泡材を適用したシステムを考案したのである。このため、請求項1記載の造形ディスプレイシステムは、その造形対象物が大型であるほど、その効果を大きく発揮する。
【0017】
こうした観点から、請求項2に記載のように、上記移動手段は、造形対象物として人体の大きさ程度以上(例えば2m以上)のものが造形可能となるように、その移動範囲が設定されているのが好ましい。
また、このようにして得られた造形物は、そのデザインの検討が終了した後に不要になる。特に造形物が大きいものについてはなおさらである。
【0018】
そこで、請求項3に記載のように、消去手段が、造形対象物の造形物(結果物)を粉砕又は溶かして消去可能に構成するのが好ましい。
ここでいう「消去手段」は、採用する上記発泡材料液の種類によっても異なり、例えば発泡材料液が一液性のものであれば、再利用のために水溶性の溶解剤により溶かす手段が考えられる。また、例えば発泡材料液が二液性(或いはそれ以上)のもので、これを溶かした液材から元の各発泡材料液に分離困難な場合には、粉砕等して消去する手段が考えられる。尚、二液性(或いはそれ以上)のものでも、これを溶かした液材から元の各発泡材料液に分離できる場合には、造形物を溶かして消去してもよいことはいうまでもない。
【0019】
尚、造形物を溶かして消去する場合には、例えば外部から所定の入力を行うことにより、その造形物に対して溶解剤を噴射して溶かす手段が考えられる。尚、環境保護の観点からは、溶解剤として化学反応等を起こさないものを用いることが好ましい。またこの場合には、もちろん造形物全体を溶かして消去してもよいが、設計変更などを考慮してその一部を部分的に消去するものでもよい。具体的構成としては、例えばこれらの消去用液材を上記発泡材料液と同様に別のタンクに貯蔵し、噴射ノズルにより噴射制御する等の構成が考えられる。このように構成することで、必要なときに造形対象物を造形して空間に表示させ、不要になったらその造形物を消去するというディスプレイ装置としての機能を有効に発揮することができる。
【0020】
そして、このとき溶かされてできた液材は、そのまま廃棄することも考えられるが、請求項4に記載のように、上記再生手段が、消去手段により造形対象物を溶かして得た液材を、上記発泡材料液として再生してリサイクルするようにすると、当該造形ディスプレイシステムを低コストで運用することができる。
【0021】
そして、請求項5に記載のように、種々の製品(特に人体の大きさ程度以上の大型の製品)の試作方法において、以上のような造形ディスプレイシステムにより造形対象物を観察して、実寸大でこの造形対象物のデザイン上又は機能上の評価を行うようにすると、実製品に近い心証が得られ、その設計の質の向上及び設計期間の短縮化が図れる等、極めて有用な効果が得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を一層明確にするため、本発明の好適な実施例を図面とともに説明する。
[第1実施例]
本実施例は、本発明の造形ディスプレイシステムを、1〜2メートル程度の壷の造形物の作製に適用したものであり、図1は当該造形ディスプレイシステムの概略構成を表す説明図である。
【0023】
同図に示すように、造形ディスプレイシステム1は、三次元CADシステムを備えた制御用コンピュータ10と、コンピュータ10により駆動制御されるマニピュレータ20と、造形用の二種類の発泡材料液の夫々を貯蔵したタンク31,32とから構成されている。
【0024】
コンピュータ10には、後述する造形処理を実行するための造形処理プログラムが格納されており、外部から入力された造形対象物50の三次元形状データに基づき、造形対象物50を造形するための後述する造形制御データを演算する。そして、通信線Lにて接続されたマニピュレータ20に対してこの造形制御データに基づく駆動信号を出力し、このマニピュレータ20を駆動制御する。
【0025】
マニピュレータ20は、予め定める造形スペースでの6自由度運動を実現するための複数の関節部を有するアームを有し、そのアームの内部にこの関節部を夫々回動させるための複数のアクチュエータを備える。また、アームの先端部には、上記発泡性材料液を噴射するための噴射装置21が設けられており、コンピュータ10からの駆動信号を受けて噴射装置21の噴射ノズル22を、設定位置に移動制御するようになっている。
【0026】
タンク31,32には発泡材料液が夫々貯蔵されており、本実施例においては、タンク31に貯蔵された発泡材料液Aと、タンク32に貯蔵された発泡材料液Bと、空気とを混合することにより、発泡材を生成できるようになっている。これら発泡材料液A,Bは例えばウレタン系の液材からなり、二種類混合することにより反応して硬化するものである。
【0027】
これら、発泡材料液A,Bは、夫々供給用チューブ33,34を介して噴射装置21に接続され、電源が投入されると、図示しないポンプにより所定の圧力で噴射装置21内に供給される。噴射装置21内には図示しない複数の弁機構が設けられ、その弁の開度を調節して発泡材料液A,Bの夫々の供給量(混合量)や噴射ノズル22からの噴射量を制御できるようになっている。
【0028】
次に、本実施例の造形方法について図2に基づいて説明する。
同図(a)に示すように、本実施例では、上述した二種類の発泡材料液A及びBに空気を混合して得た発泡材Mを噴射ノズル22から噴射し、同図のような棒状又はリング状等のエレメント(element)を形成する。そして同図(b)に示すように、このエレメントを造形対象物50の断面形状に沿って重ねていくことで、その三次元立体形状を造形していく。このような手法により、造形対象物50が徐々に形成されていき、最終的に図1に示すような内部空間(空洞部分)を有する壷形の造形物が完成する。
【0029】
次に、本実施例の造形処理においてコンピュータ10が実行する処理について、図3のフローチャートに基づいて説明する。
まず、外部から三次元CADシステムに入力され内部メモリに格納された造形対象物50の三次元形状データを読み込み(S110)、マニピュレータ20の動作範囲において予め設定した三次元造形スペースに造形対象物50についての三次元空間座標(X,Y,Z)を指定する(S120)。そして、この三次元空間座標系に、三次元形状データを実寸大で展開するための造形制御データを演算する(S130)。
【0030】
この造形制御データは、三次元形状データから得られる造形対象物50の外形状を構成する要素(点)の位置データ,この外形状を実現するのに好適な上記エレメントのタイプ,噴射ノズル22の移動経路(造形順序)及び移動速度、発泡材の噴射量及び噴射タイミング等を表すデータである。
【0031】
そして、この造形制御データに基づいてマニピュレータ20に駆動信号を出力し、噴射ノズル22を所定の噴射開始位置に移動させる(S140)。
そして、マニピュレータ20との通信により噴射ノズルが噴射開始位置にセットされたと判断すると(S150:YES)、続いて、ノズル駆動信号,発泡材噴射信号,及びマニピュレータ移動信号等を出力し、造形対象物50の外形状のデータに従ってエレメントを追加していき、造形対象物50の造形物を形成していく。
【0032】
そして、S130〜S160の処理を繰り返し、マニピュレータ20との通信により造形が完了したと判断すると(S170:YES)、ノズルの駆動を停止して噴射装置21を初期の設定位置に移動させ、一連の処理を終了する。
以上に説明したように、本実施例の造形ディスプレイシステム1によれば、造形対象物50を実寸大で製作できる。このため、コンピュータシステム等のディスプレイ上にスケーリングされ表示されたモデルよりも、デザイン上、より実製品に近い心証を得ることができる。その結果、この造形対象物50を観察して設計の評価等を行うようにすると、実寸大の造形物を評価するデザイナの便宜の向上及びその育成等を図ることができる。
【0033】
また、造形ディスプレイシステム1は、付加加工を行うRPシステムにおいて発泡材を採用しており、従来の木材等の除去加工によりクレイモデルを作製する場合はもちろん、同じRPシステムである樹脂材を用いた光造形の場合よりも素早い造形を実現することができる。特に大型製品を対象とするほどその造形期間短縮の効果は大きくなる。このため、製品設計の過程で造形ディスプレイシステム1を用いて得られた造形対象物50を評価することで、設計の質の向上及び設計期間の短縮化が図れる等極めて有用な効果が得られる。
【0034】
また、発泡材により造形された造形対象物50の造形物は、樹脂等で造形されたものよりもかなり軽量であるため、持ち運びにも都合がよいといった利点もある。そして、特に大型の造形物であるほどその利点は大きくなる。
尚、本実施例において、マニピュレータ20が移動手段に該当し、コンピュータ10が演算手段及び制御手段に該当する。
[第2実施例]
次に、本発明の第2実施例について説明する。本実施例は、本発明の造形ディスプレイシステムを、2メートルを超える自動車の造形物の作製に適用したものであり、図4は当該造形ディスプレイシステムの概略構成を表す説明図である。尚、本実施例の造形ディスプレイシステムは特に大型の製品の造形を対象とし、そのために噴射装置の移動手段が第1実施例とは異なる。しかし、それ以外は上記第1実施例とほぼ同様の構成を有するため、同様の構成部分については同じ符号を付してその説明を省略する。
【0035】
同図に示すように、造形ディスプレイシステム201においては、噴射装置221の移動手段として、造形スペースの上方に複数の長尺状のガイドレール223が水平かつ互いに直角方向に交差するように配設され、格子状のガイド領域を形成している。
【0036】
一方、噴射装置221には、このガイドレール223に沿って走行するための図示しない複数のローラと、各ローラを駆動するための複数のアクチュエータが設けられている。また、噴射ノズル222は、噴射装置221の本体の下方に延出し、その上端部に噴射装置221の本体に対して上下に伸縮可能な伸縮機構が設けられている。このため、噴射ノズル222は、ガイドレール223に沿って水平方向(X方向及びY方向)に移動可能であると共に、鉛直方向(Z方向)にも移動可能となっている。
【0037】
そして、上記第1実施例と同様に、コンピュータ10からのノズル駆動信号,発泡材噴射信号,及び噴射装置221の移動信号等を受けて、噴射ノズル222を移動すると共に、造形対象物250の断面データに従ったエレメントを追加していき、造形対象物250の造形物を形成していく。
【0038】
以上に説明したように、本実施例の造形ディスプレイシステム201によれば、造形対象物50を製品の実寸大で製作できる。このため、上記第1実施例と同様の効果を得ることができる。そして、造形ディスプレイシステム201によれば、特に大型の造形対象物250の作製が可能となり、従来技術と比較してその造形期間の短縮及び持ち運びの便宜への効果が一層大きくなる。
【0039】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、本発明の造形対象物は上記各実施例にて挙げたものに限られず、種々のものが造形対象物になり得る。例えば第2実施例と同様のシステムにより、邸宅、家具,イベント用のセットその他の各種大型の対象物を造形することができることはもちろんである。
【0040】
また、上記各実施例にて得られた造形物は、そのデザインの検討が終了した後に不要になる場合がある。
そこで、発泡材からなる造形物を溶かして消去する水溶性の溶解剤等を、上記発泡材料液と同様に別のタンクに貯蔵し、外部入力により噴射装置の噴射ノズルを介して噴射制御するようにしてもよい。このように構成することで、必要なときに造形対象物を造形して空間に表示させ、不要になったら消去するというディスプレイ装置としての機能を有効に発揮することができる。この場合、コンピュータ10及び噴射装置が消去手段に該当する。
【0041】
またその際、溶かされてできた液材から上記発泡材料液を分離し、タンク31,32の戻してリサイクルする再生装置を設けると、システムの運用コストが下がり好ましい。この場合、再生装置が再生手段に該当する。
また、上記実施例では、発泡材料液A,Bとして二液性のものを使用したが、一液性のものを使用してもよいことはもちろんである。
【0042】
さらに、発泡材料液として着色したものを用いることにより、造形対象物に色を付すことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る造形ディスプレイシステムの概略構成を表す説明図である。
【図2】第1実施例に係る造形方法を表す説明図である。
【図3】第1実施例に係る造形処理を表すフローチャートである。
【図4】本発明の第2実施例に係る造形ディスプレイシステムの概略構成を表す説明図である。
【符号の説明】
1,201・・・造形ディスプレイシステム、 10・・・制御用コンピュータ、
20・・・マニピュレータ、 21,221・・・噴射装置、
22,222・・・噴射ノズル、 31,32・・・タンク、
50,250・・・造形対象物、 223・・・ガイドレール、
A,B・・・発泡材料液、 M・・・発泡材
Claims (5)
- 硬化性発泡材料液を貯蔵したタンクと、
該タンクから前記発泡材料液を抽出し発泡材として噴射する噴射ノズルと、
該噴射ノズルを予め設定した造形スペース内で移動させる移動手段と、
入力された造形対象物の三次元形状データに基づき、該造形対象物を前記造形スペース内に設定した三次元空間座標系に、実寸大で造形するための造形制御データを演算する演算手段と、
該演算手段が演算した造形制御データに基づき、前記移動手段を移動制御すると共に、前記噴射ノズルによる前記発泡材の噴射制御を行う制御手段と、
を備え、
前記発泡材により前記造形対象物を三次元の実寸大にて造形し、可視表示させることを特徴とする造形ディスプレイシステム。 - 前記移動手段は、当該造形ディスプレイシステムにより前記造形対象物として人体の大きさ程度以上の大きさのものが造形可能となるように、その移動範囲が設定されていることを特徴とする請求項1記載の造形ディスプレイシステム。
- 請求項1又は請求項2に記載の造形ディスプレイシステムにおいて、さらに、
前記造形対象物の造形物を、粉砕又は溶かして消去可能な消去手段を備えたことを特徴とする造形ディスプレイシステム。 - 請求項3記載の造形ディスプレイシステムにおいて、さらに、前記消去手段により前記造形物を溶かして得た液材を、前記発泡材料液として再生してリサイクルする再生手段を備えたことを特徴とする造形ディスプレイシステム。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の造形ディスプレイシステムにより実寸大にて可視表示された造形物を観察して、前記造形対象物のデザイン上又は機能上の評価を行うことを特徴とする試作方法。
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