JP2004016466A - 電動ファン付き呼吸用保護具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本体ケーシング6内へ、電動ファンを内蔵したファンユニット1を収納し、ファンユニット1の吸込口2より上流側において、本体ケーシング6に濾過材3を取り付け、本体ケーシング6内のファンユニット1の吸込口2と濾過材3との間に筒状のダクト7を介在し、ダクト7の一端とファンユニット1の吸込口2、及び、ダクト7の他端と濾過材3とをそれぞれ圧着する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防塵・防毒マスク等へ装着するのに好適な電動ファン付き呼吸用保護具に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な電動ファン付き呼吸用保護具は、図9及び図10に示すように、電動ファンを内蔵したファンユニット1の吸込口2より上流側にフィルタ、吸収缶等の濾過材3が配置され、この濾過材3で濾過した空気を、電動ファンの回転により吸い込み、同様に電動ファンの回転により、濾過された空気をファンユニット1の吐出口から連結管を通してマスク内へ供給するようになっている。
そして、裏面側ケース4と表面側ケース5とに分割された本体ケーシング6内において、裏面側ケース4内へファンユニットを収納し、表面側ケース5へ濾過材3を取り付けてある。
【0003】
従来、濾過材3からファンユニット1の吸込口2に至る空気流路の密封性は、ファンユニット1の吸込口2側と本体ケーシング6とをシリコーン系の接着剤a等で接着し、濾過材3と本体ケーシング6との接合部にゴムパッキングb等を挟み込むことにより確保していた。
しかし、気密性保持のために接着剤aを用いると、塗布後、乾燥するまでに約1日程度の時間を要するため、組立時間の短縮が困難であった。
また、無理に接着剤aを剥がさない限り、ファンユニット1と本体ケーシング6とを分離できないので、電動ファンやこれを駆動するモータ8に不具合が生じた時、部品交換や修理を行うのが困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、短時間で簡単に組み立てられて高度な気密性が得られ、メインテナンスが容易な電動ファン付き呼吸用保護具を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の電動ファン付き呼吸用保護具は、本体ケーシング内へ、電動ファンを内蔵したファンユニットを収納し、ファンユニットの吸込口より上流側において、本体ケーシングに濾過材を取り付けて成り、本体ケーシング内部の、ファンユニットの吸込口と前記濾過材との間に筒状のダクトを介在し、ダクトの一端とファンユニットの吸込口、及び、ダクトの他端と濾過材とをそれぞれ圧着する。
【0006】
本体ケーシング内へファンユニットを収納し、ダクトを設置してその一端をファンユニットに圧着し、さらに、本体ケーシングに濾過材を取り付けると共に、濾過材とダクトの他端とを圧着するだけで、本体ケーシング、ファンユニット、濾過材及びダクトが組立てられる。
また、部材どうしの接合に接着剤を用いないので、接着剤を乾燥する時間が不要であり、分解も簡単なため、容易に部品交換や修理を行える。
気密性を高めるために、ダクトを弾力性材料で形成しても良い。
本体ケーシングに複数の濾過材を取り付け、ダクトに濾過材へ至る複数の分岐部を形成することもある。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の構成部材の内、図9及び図10に示す従来のものと共通する部材については、共通の符号を付す。
図1及び図2に示すように、本発明の電動ファン付き呼吸用保護具は、本体ケーシング6内へ、電動ファンを内蔵したファンユニット1を収納し、ファンユニット1の吸込口2より上流側において、本体ケーシング6に複数(図に示す例では2個)の濾過材3を取り付け、本体ケーシング6の内部の、ファンユニット1の吸込口2と濾過材3との間に、筒状のダクト7を設置して構成される。
【0008】
図5及び図6に示すように、ファンユニット1の表面側中央には、吸込口2となる隙間をあけてモータ8が設置され、モータ8の出力軸には図示しない電動ファンが接続されている。
また、ファンユニット1の表面には、吸込口2を囲むように円形のダクト係止溝9が形成され、ダクト係止溝9の底面には、先細状の突条20が周方向に沿って形成されている(図3)。
【0009】
さらに、ダクト係止溝9の外方には複数のネジ筒10が周方向に適宜間隔をおいて起立され、各ネジ筒10には、ダクト7の一端を押さえる押圧リング11がネジ12で取り付けられるようになっている(図1)。
押圧リング11は、硬質プラスチック等より成り、ダクト7の一端部の外径より僅かに大きい内径を有し、その外周には、ネジ12を挿通するための複数の取付片23が、ネジ筒10と対応する間隔で形成される。
また、ファンユニット1の吐出口13には、マスク内部とを連結する連結管を装着するための接続筒14が設けられる。
【0010】
濾過材3は、本実施形態ではアルファリングフィルタを用いてあるが、その他のフィルタ或いは吸収缶を使用することもできる。
また、濾過材3の基端面には、先細状の押圧突条21が周方向に沿って形成されている(図4)。
図1及び図2に示すように、本体ケーシング6は、裏面側ケース4と表面側ケース5とから成り、裏面側ケース4内へファンユニット1を、モータ8及び吸込口2を表面に向けて収納するようになっている。
また、表面側ケース5の両側に濾過材3を取り付けるための透孔15が穿設され、透孔15の奥端には、内方へ張り出すダクト係止鍔16が周方向に沿って形成されている。
【0011】
ダクト7は、硬度50°のシリコーンゴムより成る弾力性材料を素材とし、図7及び図8に示すように、その一端外周にはフィン17が張り出される。
そして、このフィン17をファンユニット1のダクト係止溝9に嵌め込んで、ネジ筒10に取り付けた押圧リング11でフィン17を押さえつけることにより、ダクト7の一端がファンユニット1の吸込口2に密封状態で接続されるようになっている(図1)。
【0012】
ダクト7の他端部には、それぞれ濾過材3に至る2本の分岐部18が、左右両側に延びるよう形成される。分岐部18の先端部分は肉厚に形成され、その外面には、表面側ケース5のダクト係止鍔16が嵌合される係合溝19が周方向に沿って形成される。
また、左右の分岐部18の間には、ファンユニット1のモータ8と干渉し合わないように、表面側に突出する隆起部22が形成されている。
【0013】
この電動ファン付き呼吸用保護具は、次のように組み立てられる。
本体ケーシング6の裏面側ケース4内にファンユニット1を、そのモータ8を表面側に向けて設置する。
次いで、ファンユニット1の表面にダクト7を被せ、ダクト7の一端に形成されたフィン17をファンユニット1のダクト係止溝9へ係合する。ダクト7の一端部外周には予め押圧リング11を嵌合し、押圧リング11の取付片23にネジ12を挿通してある。
さらに、ネジ12をファンユニット1のネジ筒10にねじ込んで、押圧リング11でフィン17を押さえると、ダクト係止溝9の底面に形成された突条20がフィン17の端面にくい込んで、ダクト7の一端とファンユニット1の吸込口2とが密封状態で圧着される。
【0014】
次に、裏面側ケース4及びダクト7の表面に表面側ケース5を被せ、表面側ケース5の透孔15の奥端部に形成されたダクト係止鍔16と、ダクト7の分岐部18の先端に形成された係合溝19とをそれぞれ係合する。
その後、表面側ケース5の透孔15にそれぞれ濾過材3の基部を挿入すると、ダクト7の分岐部18の先端(係合溝19より先の部分)が濾過材3の端面と表面側ケース5のダクト係止鍔16とで挟み付けられて、濾過材3と本体ケーシング6との接合部におけるパッキングとなり、また、濾過材3の押圧突条21がダクト7の分岐部18の先端面にくい込んで、濾過材3と本体ケーシング6とが密封状態で圧着され、濾過材3とファンユニット1の吸込口2が筒状のダクト7で連結される。
【0015】
なお、ダクト7の他端部に3本以上の分岐部18を形成して、分岐部18に接続される濾過材3の数を増加することも可能である。
また、ダクト7の素材としては、硬度30°〜70°程度の弾力を有するものであれば、アクリルゴム、ニトリルゴム等のシリコーンゴム以外のものを用いることもできる。
【0016】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、本体ケーシング内へファンユニットを収納し、ダクトを設置してその一端をファンユニットに圧着し、さらに、本体ケーシングに濾過材を取り付けると共に、濾過材とダクトの分岐部先端とを圧着するだけで、簡単に組立ることができる。
また、ダクトとファンユニットとの接合、ダクトと濾過材との接合、これら構成部材と本体ケーシングとの接合に接着剤を用いないので、接着剤を乾燥させる時間が不要で、組立に要する時間が短縮され、分解も簡単なため、電動ファンやモータが故障したときに容易に修理や部品交換を行うことができる。
請求項2に係る発明によれば、濾過材とダクト及びファンユニットとダクトとの密着性が高まって、高度な気密性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す電動ファン付き呼吸用保護具の断面図
【図2】同上の分解断面図
【図3】図1のA部拡大図
【図4】図1のB部拡大図
【図5】ファンユニットの表面図
【図6】ファンユニットの断面図
【図7】ダクトの表面図
【図8】ダクトの断面図
【図9】従来の電動ファン付き呼吸用保護具の断面図
【図10】従来の電動ファン付き呼吸用保護具の分解断面図
【符号の説明】
1 ファンユニット
2 吸込口
3 濾過材
4 裏面側ケース
5 表面側ケース
6 本体ケーシング
7 ダクト
8 モータ
9 ダクト係止溝
10 ネジ筒
11 押圧リング
12 ネジ
13 吐出口
14 接続筒
15 透孔
16 ダクト係止鍔
17 フィン
18 分岐部
19 係合溝
20 突条
21 押圧突条
22 隆起部
23 取付片
Claims (3)
- 本体ケーシング内へ、電動ファンを内蔵したファンユニットを収納し、該ファンユニットの吸込口より上流側において、前記本体ケーシングに濾過材を取り付けた電動ファン付き呼吸用保護具において、前記本体ケーシング内部の、前記ファンユニットの吸込口と前記濾過材との間に筒状のダクトを介在し、該ダクトの一端と前記ファンユニットの吸込口、及び、前記ダクトの他端と前記濾過材とをそれぞれ圧着したことを特徴とする電動ファン付き呼吸用保護具。
- 前記ダクトが弾力性材料から成る請求項1に記載の電動ファン付き呼吸用保護具。
- 前記本体ケーシングに複数の濾過材が取り付けられ、前記ダクトに前記濾過材へ至る複数の分岐部が形成された請求項1又は2に記載の電動ファン付き呼吸用保護具。
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