JP2004016369A - 筒状体の内容物を管理する方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】商品ラベルシール以外のラベルシールの貼付場所がほとんど無いバイアルやアンプル等の内容物の管理を可能ならしめ、投薬作業時におけるバイアルやアンプルの取り違いを防止する。
【解決手段】薬液の種類や内容量などの情報が印刷された商品ラベルシールLが貼付されたバイアルB(アンプルA)を、回転手段4で回転する(副走査する)とともに、前記商品ラベルシールLに光を投射して、その反射光をCCDラインセンサ7で受け(主走査し)て前記商品ラベルシールLの画像を読み取り、この読み取り画像情報と予め蓄積されているマスタ画像情報とを比較し、前記読み取り画像情報と一致するマスタ画像情報に対応して蓄積されている内容物情報を管理データとして選択設定する。
【選択図】 図1
【解決手段】薬液の種類や内容量などの情報が印刷された商品ラベルシールLが貼付されたバイアルB(アンプルA)を、回転手段4で回転する(副走査する)とともに、前記商品ラベルシールLに光を投射して、その反射光をCCDラインセンサ7で受け(主走査し)て前記商品ラベルシールLの画像を読み取り、この読み取り画像情報と予め蓄積されているマスタ画像情報とを比較し、前記読み取り画像情報と一致するマスタ画像情報に対応して蓄積されている内容物情報を管理データとして選択設定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は筒状体の内容物を管理する方法およびその装置に関し、さらに詳細には、アンプルやバイアル等の円筒状薬瓶の内容物を管理する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療機関では、患者への薬液の投与(点滴や注射)が日常的に行われている。このような薬液の投与は、投与する薬液の種類や分量等を医師が指示し、この指示に基づいて看護師などの補助者が薬液の投与(投薬作業)を行っている。
【0003】
ここで医療機関における上記投薬作業に至る薬液の流通過程を手術時の投薬作業を例にとって説明する。まず、手術を行う医師は、手術に先立って手術に必要な薬液をリストアップした薬液リストを作成し、この薬液リストを薬液等の薬剤を保管する薬剤室に提出する。薬剤室では医師から提出された薬液リストに基づいて保管している薬剤の中から手術に必要な薬液が封入された薬瓶(アンプルやバイアル)を選別し、選別した薬瓶を仕分け作業を行なうオペ準備室に出庫する。オペ準備室では、薬剤室から搬入された薬瓶を、手術の予定表(手術を行う手術室や手術開始時間等が記載された予定表)や上記薬液リスト等に基づいて手術室毎に仕分けし、仕分け後の薬瓶を各手術室に向けて搬出する。
【0004】
しかして、手術室ではこのようにしてオペ準備室から搬入された薬瓶を用いて手術が行われる。手術中の薬瓶の使用は、手術の手順や患者の容態等に応じて適宜医師から具体的に指示され、この指示に基づいて看護師等の補助者による投薬作業が実施される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の方法では、誤った薬液(アンプル、バイアル)の使用を完全に防止することができず、その改善が望まれていた。
【0006】
すなわち、従来の方法では、オペ準備室における仕分け作業は、上記薬液リストなど手術に使用する薬液を記載した書面と、薬瓶に貼付された商品ラベルシールに記載された薬品名等との目視照合によって行われているところ、オペ準備室では一日に大量の薬瓶の仕分け作業がなされるため上記照合作業がおろそかになりがちである。また、上記照合作業は専ら目視によって行なわれていることから安易に流れやすく、ラベルの読み間違い等による仕分けミスを招き易いという問題があった。
【0007】
殊に、作業効率の向上を図るため、オペ準備室には当日分または数日分の手術に使用される薬瓶が一括して搬入される傾向にあり、このような事情が上記仕分け作業のミスを誘発する一因となっていた。
【0008】
その一方、手術室では、薬瓶の使用前(つまり投薬前)に医師等によって商品ラベルシールに記載された薬品名等の再確認が行われているが、この作業もルーチンワークとして疎かになりがちであった。特に、投薬直前に行なわれる上記商品ラベルシールの再確認の遺漏は医療ミスに直結するため、このようなミスを解消するシステムの構築が強く望まれていた。
【0009】
上記商品ラベルシール以外の確認手段として、薬液の種類や内容量などの所定データが印刷されたラベルシールを薬瓶の外表面に貼付して、このラベルシールにより薬瓶の管理をする方法が考えられるが、薬瓶例えばバイアルBは、図4(a)に示すように、本体部B1と密栓部B2とからなるガラス容器で、本体部B1の外表面に、商品ラベルシールL以外のラベルシールの貼付が法律で禁止されていて、貼付場所がほとんど無い。またアンプルAは、図4(b)に示すように、本体部A1と頭部A2とからなるガラス容器で、バイアルBと同様に商品ラベルシールL以外のラベルシールの貼付場所がほとんど無い。
【0010】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、薬瓶内の薬液の内容を確認する手段として商品ラベルシールを機械的に読み取り、仕分け作業時や投薬作業時における薬瓶の取り違いを抑制し、医療ミスの発生を防止することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の筒状体の内容物を管理する方法は、筒状体の外表面に貼付された商品ラベルシールを画像として読み取り、この読み取り画像情報と予め得ておいた複数種類のマスタ画像情報とを比較し、前記読み取り画像情報と一致するマスタ画像情報に対応して蓄積されている内容物情報を、管理データとして選択することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の筒状体の内容物を管理する装置は、筒状体の下部を保持して自転させるための回転手段と、前記筒状体に光を投射する投光手段と、前記筒状体に当たって反射した反射光を受光して光電変換する受光手段と、この受光手段の出力から前記ラベルシールの画像情報を得る信号処理部とを備えて構成されるスキャナと、マスタ画像情報とこれに対応する内容物情報を蓄積しておくための記憶部と、前記スキャナの信号処理部から送出される読み取り画像情報と、前記記憶部に蓄積された複数のマスタ画像情報とを比較し、前記読み取り画像情報と一致するマスタ画像情報に対応する内容物情報を、管理データとして選択設定する演算処理部とを備えてなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
本発明に係る筒状体の内容物を管理する装置を図1および図2に示す。この装置は、具体的には、図4(a)および図4(b)に示されるようなバイアルBやアンプルAの内容物を管理する装置である。
【0015】
本実施形態の筒状体の内容物を管理する装置は、バイアルBやアンプルAの外表面に貼付され、製造社名C1や薬液名C2や内容量C3等が印刷された商品ラベルシールLを画像として読み取るスキャナ(読み取り機器)1と、前記スキャナ1から送出されるデジタルデータを演算処理するコンピュータ20と、前記コンピュータ20の入力手段としての入力部(例えばキーボード)23と、前記コンピュータ20の出力手段としての表示部(例えばCRTやTFT液晶表示装置)24と、同じく前記コンピュータ20の出力手段としての印字部(プリンタ等)25とを、主要部として構成されている。
【0016】
スキャナ1は、筐体2の内部に、バイアルB(アンプルA)の下部を保持して自転させる(副走査する)ための回転手段4が支持部3により固定されるとともに、前記バイアルB(アンプルA)に貼付された商品ラベルシールLに対して光を投射する投光手段5と、この商品ラベルシールLに当たって反射した反射光を受光して光電変換する受光手段7と、前記受光手段7に前記反射光を集光させるためのレンズ6が図1に示すように配置されてなる。
【0017】
回転手段4は、バイアルB(アンプルA)の下部を狭持するチャッキングハンド4aを備えた、ロータリチャックなどが用いられる。
【0018】
投光手段5には、好適には、蛍光灯などの照明光源が用いられる。
【0019】
受光手段7は、ライン状にセンサ素子を並べたデバイスであるリニアイメージセンサ、好適にはCCDラインセンサが用いられ、バイアルB(アンプルA)上の商品ラベルシールLに当たった反射光を細いライン状に読み取る(主走査する)。
【0020】
スキャナ1には、上述した以外に、回転手段4でバイアルB(アンプルA)上の商品ラベルシールLを副走査させるとともに、それに同期して受光手段7に主走査させたり、投光手段5をコントロールする制御部8と、受光手段7で受光した商品ラベルシールの二次元情報から画像上の画素の位置情報と分光反射率に相当する情報を、デジタルデータに変換し、データ圧縮した後、コンピュータ20に出力するための信号処理部9と、上記動作をスタートさせるスタートスイッチ10等を備えている。
【0021】
コンピュータ20は、好適にはパーソナルコンピュータが用いられ、上記スキャナ1の信号処理部9から送出されるデジタルデータを演算処理する演算処理部21と、商品ラベルシールLのマスタ画像情報およびこれに対応する内容物情報を蓄積しておくための記憶部22とを主として備えている。
【0022】
しかして、このように構成された筒状体の内容物を管理する装置の動作は、商品ラベルシールLのマスタ画像情報を蓄積する場合には、例えば、図3(a)に示すようなフローに従って、および商品ラベルシールLを読み取って内容物を確認する場合には、例えば、図3(b)に示すようなフローに従って行われる。
【0023】
A.商品ラベルシールのマスタ画像情報とこれに対応する内容物情報の蓄積:
1)バイアルB(アンプルA)をスキャナ1の筐体2の挿入口2aに挿入し、回転手段(ロータリチャック)4の載置部4bに載せてセットした後、スタートスイッチ10を入れる。
【0024】
2)回転手段(ロータリチャック)4のチャッキングハンド4aが、バイアルB(アンプルA)の下部を狭持するとともに、投光手段(蛍光灯)5が点灯され、規定照度になるまで待機する。
【0025】
3)投光手段(蛍光灯)5の照度が規定値に達すると、受光手段(CCDラインセンサ)7が、主走査を開始し、バイアルB(アンプルA)上の商品ラベルシールLに当たった反射光をライン状に読み取るとともに、回転手段(ロータリチャック)4が回転して副走査を開始する。
【0026】
4)主走査および副走査を繰り返し(スキャニングし)て商品ラベルシールLの画像情報を読み取り、信号処理部9にて各種の信号処理をしてデジタルデータをコンピュータ20に出力する。
【0027】
5)バイアルB(アンプルA)の内容物に関する情報、例えば、薬液名、有効期限(使用期限)、内容量、ロットナンバ等を、入力部(キーボード)23より手入力し、その入力データと上記商品ラベルシールLの画像を表示部24に表示する。
【0028】
6)操作者は、表示部24上の表示を確認して、その内容が正しければ、読み取った画像をマスタ画像情報として記憶部22に記憶(蓄積)するとともに、上記入力データをマスタ画像情報に対応した内容物情報として登録(記憶)し、必要とあらば、印字部(プリンタ)25にて印字してマスタリストを作成しておく。
【0029】
B.商品ラベルシールの読み取り(内容物の確認):
1)バイアルB(アンプルA)のスキャナ1へのセットから、商品ラベルシールLのスキャニングおよび信号処理(画像処理)までは、上述した商品ラベルシールのマスタ画像情報とこれに対応する内容物情報の蓄積の説明項目1)〜4)までと全く同じである。
【0030】
2)コンピュータ20の演算処理部21では、受信した読み取り画像情報と予め記憶部22に蓄積されている複数種類のマスタ画像情報とを比較する。
3)読み取り画像情報と一致するマスタ画像情報が存在した場合には、そのマスタ画像情報に対応して記憶部22に蓄積されている前記バイアル(アンプルA)の内容物情報を管理データとして選択するとともに、表示部24に表示する。
【0031】
次に、本実施形態の筒状体の内容物を管理する装置を、実際の医療現場において利用する場合について説明を加える。
【0032】
例えば、手術室においては、患者の手首に巻き付けられたバーコードタグをバーコードリーダで読み取る一方、手術室に準備されているバイアルBやアンプルAに貼付された商品ラベルシールの画像を上述したように読み取って、上記バーコードタグのバーコードデータとバイアルB(アンプルA)の内容物を管理する管理データとを比較し、一致すれば表示画面(表示部)に正しい旨を表示して、この患者に使用すべき薬液名や投薬量などを確認することにより、投薬ミスを防止する。
【0033】
また手術室にて使用済みのバイアルB(アンプルA)を回収して、バイアルB(アンプルA)に貼付された商品ラベルシールLを再びスキャナで読み取って、その結果をフィードバックすることにより、使用されたバイアルB(アンプルA)が適正であったか否かが事後的に確認される。
【0034】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の好適な実施形態を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0035】
例えば、スキャナ1を構成する回転手段4のチャッキングハンド4aは、両方共駆動するように構成されているが、どちらか片方のチャッキングハンド4aを駆動してバイアルBやアンプルAを狭持しても良い。
【0036】
また、スキャナ1の一連の動作を、スキャナ1内の制御部8で行っているが、コンピュータ20からの指令により行うようにしても良い。
【0037】
また、本発明は、図示の実施形態のように、バイアルBやアンプルA等の薬瓶に限らず、表面に各種情報が印刷等されてなる商品ラベルシールLが貼付された筒状体の内容物を管理する技術に広く採用することが可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、薬液の種類や内容量などの情報が印刷された商品ラベルシールLを、画像として読み取ることにより、商品ラベルシールL以外のラベルシールが貼付できないバイアルBやアンプルAの内容物の管理を可能ならしめ、バイアルB(アンプルA)の仕分け作業時や投薬作業時におけるバイアルB(アンプルA)の取り違いを抑制し、医療ミスの発生を防止できる。
【0039】
また、本発明によれば、商品ラベルシールLそのものを、画像として読み取ることにより、バイアルBやアンプルAの内容物を管理できるから、商品ラベルシールL以外に内容物を管理する管理データが印刷されたラベルシール(例えばバーコードラベル等)をわざわざ貼付する必要が無いので、管理システムの簡略化が計れて、ランニングコストも軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態である筒状体の内容物を管理する装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】同筒状体の内容物を管理する装置の側面図である。
【図3】同筒状体の内容物を管理する装置の動作フロー図である。
【図4】商品ラベルシールの貼付された薬瓶を示す斜視図で、図4(a)はバイアルBで図4(b)はアンプルAである。
【符号の説明】
A アンプル
A1 本体部
A2 頭部
B バイアル
B1 本体部
B2 密栓部
L 商品ラベルシール
1 スキャナ
4 回転手段
5 蛍光灯(投光手段)
6 レンズ
7 CCDラインセンサ(受光手段)
8 制御部
9 信号処理部
20 コンピュータ
21 演算処理部
22 記憶部
【発明の属する技術分野】
この発明は筒状体の内容物を管理する方法およびその装置に関し、さらに詳細には、アンプルやバイアル等の円筒状薬瓶の内容物を管理する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
医療機関では、患者への薬液の投与(点滴や注射)が日常的に行われている。このような薬液の投与は、投与する薬液の種類や分量等を医師が指示し、この指示に基づいて看護師などの補助者が薬液の投与(投薬作業)を行っている。
【0003】
ここで医療機関における上記投薬作業に至る薬液の流通過程を手術時の投薬作業を例にとって説明する。まず、手術を行う医師は、手術に先立って手術に必要な薬液をリストアップした薬液リストを作成し、この薬液リストを薬液等の薬剤を保管する薬剤室に提出する。薬剤室では医師から提出された薬液リストに基づいて保管している薬剤の中から手術に必要な薬液が封入された薬瓶(アンプルやバイアル)を選別し、選別した薬瓶を仕分け作業を行なうオペ準備室に出庫する。オペ準備室では、薬剤室から搬入された薬瓶を、手術の予定表(手術を行う手術室や手術開始時間等が記載された予定表)や上記薬液リスト等に基づいて手術室毎に仕分けし、仕分け後の薬瓶を各手術室に向けて搬出する。
【0004】
しかして、手術室ではこのようにしてオペ準備室から搬入された薬瓶を用いて手術が行われる。手術中の薬瓶の使用は、手術の手順や患者の容態等に応じて適宜医師から具体的に指示され、この指示に基づいて看護師等の補助者による投薬作業が実施される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の方法では、誤った薬液(アンプル、バイアル)の使用を完全に防止することができず、その改善が望まれていた。
【0006】
すなわち、従来の方法では、オペ準備室における仕分け作業は、上記薬液リストなど手術に使用する薬液を記載した書面と、薬瓶に貼付された商品ラベルシールに記載された薬品名等との目視照合によって行われているところ、オペ準備室では一日に大量の薬瓶の仕分け作業がなされるため上記照合作業がおろそかになりがちである。また、上記照合作業は専ら目視によって行なわれていることから安易に流れやすく、ラベルの読み間違い等による仕分けミスを招き易いという問題があった。
【0007】
殊に、作業効率の向上を図るため、オペ準備室には当日分または数日分の手術に使用される薬瓶が一括して搬入される傾向にあり、このような事情が上記仕分け作業のミスを誘発する一因となっていた。
【0008】
その一方、手術室では、薬瓶の使用前(つまり投薬前)に医師等によって商品ラベルシールに記載された薬品名等の再確認が行われているが、この作業もルーチンワークとして疎かになりがちであった。特に、投薬直前に行なわれる上記商品ラベルシールの再確認の遺漏は医療ミスに直結するため、このようなミスを解消するシステムの構築が強く望まれていた。
【0009】
上記商品ラベルシール以外の確認手段として、薬液の種類や内容量などの所定データが印刷されたラベルシールを薬瓶の外表面に貼付して、このラベルシールにより薬瓶の管理をする方法が考えられるが、薬瓶例えばバイアルBは、図4(a)に示すように、本体部B1と密栓部B2とからなるガラス容器で、本体部B1の外表面に、商品ラベルシールL以外のラベルシールの貼付が法律で禁止されていて、貼付場所がほとんど無い。またアンプルAは、図4(b)に示すように、本体部A1と頭部A2とからなるガラス容器で、バイアルBと同様に商品ラベルシールL以外のラベルシールの貼付場所がほとんど無い。
【0010】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、薬瓶内の薬液の内容を確認する手段として商品ラベルシールを機械的に読み取り、仕分け作業時や投薬作業時における薬瓶の取り違いを抑制し、医療ミスの発生を防止することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の筒状体の内容物を管理する方法は、筒状体の外表面に貼付された商品ラベルシールを画像として読み取り、この読み取り画像情報と予め得ておいた複数種類のマスタ画像情報とを比較し、前記読み取り画像情報と一致するマスタ画像情報に対応して蓄積されている内容物情報を、管理データとして選択することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の筒状体の内容物を管理する装置は、筒状体の下部を保持して自転させるための回転手段と、前記筒状体に光を投射する投光手段と、前記筒状体に当たって反射した反射光を受光して光電変換する受光手段と、この受光手段の出力から前記ラベルシールの画像情報を得る信号処理部とを備えて構成されるスキャナと、マスタ画像情報とこれに対応する内容物情報を蓄積しておくための記憶部と、前記スキャナの信号処理部から送出される読み取り画像情報と、前記記憶部に蓄積された複数のマスタ画像情報とを比較し、前記読み取り画像情報と一致するマスタ画像情報に対応する内容物情報を、管理データとして選択設定する演算処理部とを備えてなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0014】
本発明に係る筒状体の内容物を管理する装置を図1および図2に示す。この装置は、具体的には、図4(a)および図4(b)に示されるようなバイアルBやアンプルAの内容物を管理する装置である。
【0015】
本実施形態の筒状体の内容物を管理する装置は、バイアルBやアンプルAの外表面に貼付され、製造社名C1や薬液名C2や内容量C3等が印刷された商品ラベルシールLを画像として読み取るスキャナ(読み取り機器)1と、前記スキャナ1から送出されるデジタルデータを演算処理するコンピュータ20と、前記コンピュータ20の入力手段としての入力部(例えばキーボード)23と、前記コンピュータ20の出力手段としての表示部(例えばCRTやTFT液晶表示装置)24と、同じく前記コンピュータ20の出力手段としての印字部(プリンタ等)25とを、主要部として構成されている。
【0016】
スキャナ1は、筐体2の内部に、バイアルB(アンプルA)の下部を保持して自転させる(副走査する)ための回転手段4が支持部3により固定されるとともに、前記バイアルB(アンプルA)に貼付された商品ラベルシールLに対して光を投射する投光手段5と、この商品ラベルシールLに当たって反射した反射光を受光して光電変換する受光手段7と、前記受光手段7に前記反射光を集光させるためのレンズ6が図1に示すように配置されてなる。
【0017】
回転手段4は、バイアルB(アンプルA)の下部を狭持するチャッキングハンド4aを備えた、ロータリチャックなどが用いられる。
【0018】
投光手段5には、好適には、蛍光灯などの照明光源が用いられる。
【0019】
受光手段7は、ライン状にセンサ素子を並べたデバイスであるリニアイメージセンサ、好適にはCCDラインセンサが用いられ、バイアルB(アンプルA)上の商品ラベルシールLに当たった反射光を細いライン状に読み取る(主走査する)。
【0020】
スキャナ1には、上述した以外に、回転手段4でバイアルB(アンプルA)上の商品ラベルシールLを副走査させるとともに、それに同期して受光手段7に主走査させたり、投光手段5をコントロールする制御部8と、受光手段7で受光した商品ラベルシールの二次元情報から画像上の画素の位置情報と分光反射率に相当する情報を、デジタルデータに変換し、データ圧縮した後、コンピュータ20に出力するための信号処理部9と、上記動作をスタートさせるスタートスイッチ10等を備えている。
【0021】
コンピュータ20は、好適にはパーソナルコンピュータが用いられ、上記スキャナ1の信号処理部9から送出されるデジタルデータを演算処理する演算処理部21と、商品ラベルシールLのマスタ画像情報およびこれに対応する内容物情報を蓄積しておくための記憶部22とを主として備えている。
【0022】
しかして、このように構成された筒状体の内容物を管理する装置の動作は、商品ラベルシールLのマスタ画像情報を蓄積する場合には、例えば、図3(a)に示すようなフローに従って、および商品ラベルシールLを読み取って内容物を確認する場合には、例えば、図3(b)に示すようなフローに従って行われる。
【0023】
A.商品ラベルシールのマスタ画像情報とこれに対応する内容物情報の蓄積:
1)バイアルB(アンプルA)をスキャナ1の筐体2の挿入口2aに挿入し、回転手段(ロータリチャック)4の載置部4bに載せてセットした後、スタートスイッチ10を入れる。
【0024】
2)回転手段(ロータリチャック)4のチャッキングハンド4aが、バイアルB(アンプルA)の下部を狭持するとともに、投光手段(蛍光灯)5が点灯され、規定照度になるまで待機する。
【0025】
3)投光手段(蛍光灯)5の照度が規定値に達すると、受光手段(CCDラインセンサ)7が、主走査を開始し、バイアルB(アンプルA)上の商品ラベルシールLに当たった反射光をライン状に読み取るとともに、回転手段(ロータリチャック)4が回転して副走査を開始する。
【0026】
4)主走査および副走査を繰り返し(スキャニングし)て商品ラベルシールLの画像情報を読み取り、信号処理部9にて各種の信号処理をしてデジタルデータをコンピュータ20に出力する。
【0027】
5)バイアルB(アンプルA)の内容物に関する情報、例えば、薬液名、有効期限(使用期限)、内容量、ロットナンバ等を、入力部(キーボード)23より手入力し、その入力データと上記商品ラベルシールLの画像を表示部24に表示する。
【0028】
6)操作者は、表示部24上の表示を確認して、その内容が正しければ、読み取った画像をマスタ画像情報として記憶部22に記憶(蓄積)するとともに、上記入力データをマスタ画像情報に対応した内容物情報として登録(記憶)し、必要とあらば、印字部(プリンタ)25にて印字してマスタリストを作成しておく。
【0029】
B.商品ラベルシールの読み取り(内容物の確認):
1)バイアルB(アンプルA)のスキャナ1へのセットから、商品ラベルシールLのスキャニングおよび信号処理(画像処理)までは、上述した商品ラベルシールのマスタ画像情報とこれに対応する内容物情報の蓄積の説明項目1)〜4)までと全く同じである。
【0030】
2)コンピュータ20の演算処理部21では、受信した読み取り画像情報と予め記憶部22に蓄積されている複数種類のマスタ画像情報とを比較する。
3)読み取り画像情報と一致するマスタ画像情報が存在した場合には、そのマスタ画像情報に対応して記憶部22に蓄積されている前記バイアル(アンプルA)の内容物情報を管理データとして選択するとともに、表示部24に表示する。
【0031】
次に、本実施形態の筒状体の内容物を管理する装置を、実際の医療現場において利用する場合について説明を加える。
【0032】
例えば、手術室においては、患者の手首に巻き付けられたバーコードタグをバーコードリーダで読み取る一方、手術室に準備されているバイアルBやアンプルAに貼付された商品ラベルシールの画像を上述したように読み取って、上記バーコードタグのバーコードデータとバイアルB(アンプルA)の内容物を管理する管理データとを比較し、一致すれば表示画面(表示部)に正しい旨を表示して、この患者に使用すべき薬液名や投薬量などを確認することにより、投薬ミスを防止する。
【0033】
また手術室にて使用済みのバイアルB(アンプルA)を回収して、バイアルB(アンプルA)に貼付された商品ラベルシールLを再びスキャナで読み取って、その結果をフィードバックすることにより、使用されたバイアルB(アンプルA)が適正であったか否かが事後的に確認される。
【0034】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の好適な実施形態を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0035】
例えば、スキャナ1を構成する回転手段4のチャッキングハンド4aは、両方共駆動するように構成されているが、どちらか片方のチャッキングハンド4aを駆動してバイアルBやアンプルAを狭持しても良い。
【0036】
また、スキャナ1の一連の動作を、スキャナ1内の制御部8で行っているが、コンピュータ20からの指令により行うようにしても良い。
【0037】
また、本発明は、図示の実施形態のように、バイアルBやアンプルA等の薬瓶に限らず、表面に各種情報が印刷等されてなる商品ラベルシールLが貼付された筒状体の内容物を管理する技術に広く採用することが可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、薬液の種類や内容量などの情報が印刷された商品ラベルシールLを、画像として読み取ることにより、商品ラベルシールL以外のラベルシールが貼付できないバイアルBやアンプルAの内容物の管理を可能ならしめ、バイアルB(アンプルA)の仕分け作業時や投薬作業時におけるバイアルB(アンプルA)の取り違いを抑制し、医療ミスの発生を防止できる。
【0039】
また、本発明によれば、商品ラベルシールLそのものを、画像として読み取ることにより、バイアルBやアンプルAの内容物を管理できるから、商品ラベルシールL以外に内容物を管理する管理データが印刷されたラベルシール(例えばバーコードラベル等)をわざわざ貼付する必要が無いので、管理システムの簡略化が計れて、ランニングコストも軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態である筒状体の内容物を管理する装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】同筒状体の内容物を管理する装置の側面図である。
【図3】同筒状体の内容物を管理する装置の動作フロー図である。
【図4】商品ラベルシールの貼付された薬瓶を示す斜視図で、図4(a)はバイアルBで図4(b)はアンプルAである。
【符号の説明】
A アンプル
A1 本体部
A2 頭部
B バイアル
B1 本体部
B2 密栓部
L 商品ラベルシール
1 スキャナ
4 回転手段
5 蛍光灯(投光手段)
6 レンズ
7 CCDラインセンサ(受光手段)
8 制御部
9 信号処理部
20 コンピュータ
21 演算処理部
22 記憶部
Claims (2)
- 表面に各種情報が印刷等されてなるラベルシールが外表面に貼付された筒状体の内容物を管理する方法であって、
前記ラベルシールを画像として読み取り、この読み取り画像情報と予め得ておいた複数種類のマスタ画像情報とを比較し、
前記読み取り画像情報と一致するマスタ画像情報に対応して蓄積されている内容物情報を、管理データとして選択する
ことを特徴とする筒状体の内容物を管理する方法。 - 表面に各種情報が印刷等されてなるラベルシールが外表面に貼付された筒状体の内容物を管理する装置であって、
前記筒状体の下部を保持して自転させるための回転手段と、前記筒状体に光を投射する投光手段と、前記筒状体に当たって反射した反射光を受光して光電変換する受光手段と、この受光手段の出力から前記ラベルシールの画像情報を得る信号処理部とを備えて構成されるスキャナと、
マスタ画像情報とこれに対応する内容物情報を蓄積しておくための記憶部と、前記スキャナの信号処理部から送出される読み取り画像情報と、前記記憶部に蓄積された複数のマスタ画像情報とを比較し、前記読み取り画像情報と一致するマスタ画像情報に対応する内容物情報を管理データとして選択設定する演算処理部とを備えてなる
ことを特徴とする筒状体の内容物を管理する装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002173375A JP2004016369A (ja) | 2002-06-13 | 2002-06-13 | 筒状体の内容物を管理する方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004016369A true JP2004016369A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=31172660
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002173375A Withdrawn JP2004016369A (ja) | 2002-06-13 | 2002-06-13 | 筒状体の内容物を管理する方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004016369A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009131485A (ja) * | 2007-11-30 | 2009-06-18 | Solve Co Ltd | 使用済み薬品の自動認識システム |
JP2013215344A (ja) * | 2012-04-06 | 2013-10-24 | Central Uni Co Ltd | 薬品ラベル自動読取装置 |
JP2020181482A (ja) * | 2019-04-26 | 2020-11-05 | マルハニチロ株式会社 | 識別情報管理システムおよび識別情報管理方法 |
-
2002
- 2002-06-13 JP JP2002173375A patent/JP2004016369A/ja not_active Withdrawn
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