JP2004016151A - 害虫駆除装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】虫の走性を利用して多数の虫を容易に捕獲、駆除することのできる軽便な害虫駆除装置を提供する。
【構成】所定の容量をもつ捕虫容器1の上部に下部開放型のカバー3を取り付け、その内側に虫の進入を許容する空洞部4を形成する。又、捕虫容器1には空洞部4で囲まれる部分に虫を進入させ得る穴2を穿設し、その穴2よりも下位には誘引成分を含む薬液8を収容する。更に、捕虫容器1には誘引成分の発散を促すべく黒色の着色を施し、その内部には薬液8を浸透せしめる吊糸12を垂らす。これによれば、穴2から漏れ出すガス状の誘引成分を空洞部4に滞留させ、その空洞部4に多数の虫を来集させ、その虫を穴2から捕虫容器1内に進入せしめて捕獲することができる。
【選択図】 図2
【構成】所定の容量をもつ捕虫容器1の上部に下部開放型のカバー3を取り付け、その内側に虫の進入を許容する空洞部4を形成する。又、捕虫容器1には空洞部4で囲まれる部分に虫を進入させ得る穴2を穿設し、その穴2よりも下位には誘引成分を含む薬液8を収容する。更に、捕虫容器1には誘引成分の発散を促すべく黒色の着色を施し、その内部には薬液8を浸透せしめる吊糸12を垂らす。これによれば、穴2から漏れ出すガス状の誘引成分を空洞部4に滞留させ、その空洞部4に多数の虫を来集させ、その虫を穴2から捕虫容器1内に進入せしめて捕獲することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として夜盗蛾やハエといった害虫を駆除するのに用いられる害虫駆除装置に係わり、特に所定の場所に設置しておくだけ多数の虫を捕獲することのできる軽便な害虫駆除装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、人畜に害を与える虫として夜盗蛾、ハエ、ゴキブリ、アブラムシ、又は蚊などが知られる。例えば、鱗翅目ヤガ科に属する夜盗蛾は、夜中に活動して野菜類を食害することで良く知られる。一方、それらの害虫を捕食したり植物の受粉を媒介する益虫として蜂やカマキリなどが知られるが、蜂などは時によって人畜を襲う害虫にもなる。
【0003】
ここに、その種の害虫を駆除するべく従来から殺虫剤が一般に広く利用されてきた。しかし、ピレスロイドやピレトリンなどを含む殺虫剤は殺虫能力が高いものの人体にも害があるため、その使用には注意を要する。特に、従来では主に殺虫剤を虫に直接噴霧する方法が採られているため、その使用量の割には捕獲量が少なく、飛翔性を有する有翅の昆虫類では殺虫剤を吹き付ける前に逃げられてしまうことも多い。
【0004】
そこで、例えばハエを主対象とした捕虫用具として、『蝿取り紙』と呼ばれる粘着性のテープが実用化されている。これは天井から吊り下げられ、これに留まった虫を粘着力によって捕獲するというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、上記のような捕虫用具によれば、吊り下げたままで捕虫できるという利便性を有するものの、これによる捕虫量は粘着テープの面積に限られ、使用中には虫のみならず、これを吊り下げた部屋の居住者までもが粘着面に誤って触れてしまうことがあり、しかも部屋の体裁を損なうなどの欠点を有した。
【0006】
本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的は虫の走性を利用して多数の虫を容易に捕獲、駆除することのできる軽便な害虫駆除装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、係る害虫駆除装置として虫を誘引するための誘引手段が収容される捕虫容器を備え、この捕虫容器の外側に虫の進入を許容する空洞部が形成されると共に、捕虫容器には前記空洞部に来集した虫を該捕虫容器内に通す穴が穿設されて成ることを特徴とする。
【0008】
又、本発明はより好適な態様として、虫を誘引する誘引成分を含んだ薬液が収容される捕虫容器を備え、この捕虫容器には其の内部に虫を進入させ得る穴が穿設されると共に、捕虫容器の外側には前記穴から漏れ出す誘引成分を滞留せしめる空洞部が形成され、その空洞部は虫を受け入れるべく一部が受入口として外部に開放されて成ることを特徴とする害虫駆除装置を提供するものである。
【0009】
特に、請求項3に係る発明は、上記のような害虫駆除装置において、捕虫容器の内部に薬液を浸透せしめる吊糸が垂らされることを特徴とする。又、請求項4に係る発明は、捕虫容器に誘引成分の発散を促す誘引促進手段が設けられることを特徴とし、請求項5に係る発明は誘引成分の発散を促す誘引促進手段として、捕虫容器に黒色の着色が施されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の適用例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、係る害虫駆除装置の好適な態様を示した斜視概略図である。図1において、1はプラスチックや金属などから形成される縦長の捕虫容器であり、その上部側壁には虫(主に捕獲の困難な翅をもつ昆虫類)を進入させ得る穴2が穿設される。穴2は捕虫容器1内に進入した虫の退路とならぬよう可及的小さくされるが、その口径は捕獲対象によって最適な大きさに設定される。例えば、捕獲対象がハエや蚊といった小型なものでは穴2の口径は概ね5〜10mmに設定され、捕獲対象が夜盗蛾やスズメバチといった比較的大型の虫では穴2の口径は概ね10〜20mmに設定される。因に、本例では大型の虫を好適に捕獲、駆除できるよう口径約20mmの穴2を相対向する位置に2つ形成するが、これによって小型な虫が捕獲対象から除外される訳ではなく、捕虫容器1内に進入したハエなどの小型な虫の多くも逃さず死に至らしめることができる。尚、捕虫容器1としては、廃棄物の有効利用としてペットボトルを好適に用いることができる。
【0011】
一方、3は捕虫容器の上部に取り付けられる下部開放型のカバーであり、このカバー3は穴2の穿設部分を囲んで捕虫容器1との間に虫の進入を許容する空洞部4を形成する。尚、5はカバーの上面中心部に取り付けた把手であり、この把手は係る害虫駆除装置を持ち運ぶ際の一助と成す。
【0012】
次に、図2は係る害虫駆除装置の縦断面を示す。この図から明らかなように、カバー3の内側に形成される空洞部4は、その下部が虫を受け入れるための受入口6として外部に開放される。又、捕虫容器1は上端に開口部7をもち、その内部には穴2の穿設部分より下位に虫を誘引する誘引手段として適量の薬液8が収容される。捕虫容器1の上端開口部7は薬液8の注入ほか、捕獲した虫の取り出しに供する部分であり、この開口部7はカバー3によって開閉自在とされ、薬液8の交換や虫を取り出すとき以外は密閉される。特に、捕虫容器1の上部外周には雄ネジ部9が形成され、カバー3の内面中央部には雄ネジ部9に適合する雌ネジ部10が形成される。尚、カバー3に開口部7を閉鎖する蓋の機能を持たせず、開口部7を開閉する蓋とカバー3とを別体として形成してもよい。
【0013】
又、図2から明らかなように、カバー3の内面中央部分にはフック11が取り付けられ、捕虫容器1の内部にはフック11から吊糸12が垂らされる。吊糸12はウール、コットン、又は紙といった薬液8を浸透させ得る素材で成り、これは所定の長さを有してその下部が捕虫容器1内に収容した薬液8中に浸らしめられるようにしてある。特に、吊糸12は下部が薬液8に確実に浸るよう、その下端に重錘13が取り付けられる。よって、吊糸12には薬液8が浸透し、これが吊糸12によってその上部まで吸い上げられるようになる。
【0014】
ここに、薬液8は誘引成分を含んだ液体であり、これには夜盗蛾や蜂といった多くの虫に対して誘引効果のあるアルコールや糖類が用いられる。このうち、糖類としては、柿をはじめとする果物の抽出エキスほか、砂糖や蜂蜜を水又はアルコールで希釈したものが用いられる。但し、誘引成分は虫の走性(走化性)により様々であるから、薬液8は上記のようなものに限らず、捕獲すべき虫によって適当なものが選択される。例えば、捕獲対象がハエであれば、薬液8には誘引成分としてアンモニアを含むものが有効である。特に、誘引成分として性フェロモン、それも虫の死骸やその抽出液を用いることもできる。又、薬液8は誘引成分ほか、虫の神経系を麻痺させる物質や殺虫性を有する物質などを含むことが好ましい。神経系を麻痺させる物質としては、唐辛子や山椒といった辛辣性香辛料、又はリモネンを含む柑橘類の抽出エキスが挙げられ、殺虫性を有する物質としてはピレスロイド、ピレトリン、ロテノイド、カルバメート、又はディルドリンなどが挙げられる。
【0015】
尚、薬液8に含まれる誘引成分(臭い成分)は、薬液中から僅かずつ気化、発散して穴2より外部に漏れ出し、夜盗蛾や蜂などを捕虫容器1内に誘引するよう作用するが、本例では誘引成分の気化、発散を促すべく、誘引促進手段として捕虫容器1に黒色の着色が施される。その着色は、捕虫容器1の成形材に黒色の顔料を含めたものを使用するか、又は捕虫容器1に黒色塗料を吹き付けるなどして達成される。又、着色部分は捕虫容器1の全体でもよいが、好ましくは薬液8が収容される捕虫容器1の下部領域に着色部分を限定し、それよりも上方は虫の捕獲量を視認できるよう透明にするとよい。そして、捕虫容器1の下部を黒色にしたものによれば、太陽光などを吸収して捕虫容器1内の薬液8を加温し、以て誘引成分の気化、発散量を増加させることができる。尚、誘引成分の発散を促す誘引促進手段として、捕虫容器1の内外に電気ヒータその他の発熱体を設けるなどしても良い。
【0016】
ここで、以上のように構成される害虫駆除装置の作用を説明すれば、捕虫容器1内の薬液8からは誘引成分が僅かずつ気化、発散し、これが上部の穴2から捕虫容器1の外部に漏れ出すようになる。尚、害虫駆除装置を屋外に設置した場合でも、穴2から流出したガス状の誘引成分は大気中に直ぐさま拡散せず、空洞部4内に漏れ出して滞留し、この空洞部4の下方より大気中に徐々に放出される。すると、これを嗅ぎ取った虫が捕虫容器1の回りに来集し、空洞部4の下方受入口6より空洞部4内に進入する。又、空洞部4内に進入した虫は誘引成分の発散源を求めて穴2から捕虫容器1内に進入する。尚、図2の矢印は虫の進入経路を示す。
【0017】
斯くて、捕虫容器1内に進入した虫はそのまま薬液8中に落下して溺死し、落下を免れた虫は薬液8上を飛び回るなどしてから翅を休めるべく吊糸12に留まる。しかし、吊糸12には薬液8が浸透しているため、その薬液8が虫の翅や体に付着する。このため、吊糸12に留まった虫も飛翔能力を失って薬液8中に落下し、又は気門を閉塞されて窒息し、やがては薬液8中で死に絶える。特に、虫の死骸からはフェロモンその他の誘引物質が発散され、これによって誘引効果が助長される。因に、薬液8に神経系を麻痺させる物質を混入しれおけば、虫を直ぐさま薬液8中に落下させることができ、殺虫剤入りのものでは薬液8に落下した虫を即死させることができる。尚、薬液8中に落下した虫が苦し紛れに捕虫容器1の内壁を這い上がるのを防止するため、その内壁を平滑な垂直面としたり、あるいは薬液8に界面活性剤などの潤滑剤を混入しておくとよい。
【0018】
ところで、以上のような害虫駆除装置として、1.5リットルの捕虫容器1を用い、その中に誘引成分としてアルコール及び蜂蜜などの糖類、虫の神経系を麻痺させる物質としてリモネンを含む柑橘類及び辛辣性香辛料の抽出エキスを含んで成る薬液200ccを入れ、これを野菜畑の近くに一週間設置したところ、夜盗蛾、ハエ、蜂などを捕虫容器1の半分適度の位置まで捕獲することができた。
【0019】
以上、本発明の適用例を説明したが、係る害虫駆除装置は薬液の種類を限定するものでなく、これには捕獲対象により最適な誘引成分を含むものを適宜選択することが望ましい。又、捕獲対象の虫は翅をもつものに限らず、蟻などでも捕虫容器1の外壁を伝って穴2から内部に誘引することができる。更に、誘引手段として揮発性の誘引成分を含む薬液を用いるほか、虫の走光性を利用して電球などの発光体を代用若しくは兼用してもよく、発光体を代用したものでも捕虫容器1内に誘引した虫を餓死、焼死、又は窒息死させることができる。
【0020】
一方、上記例のような捕虫容器の上部を覆う下部開放型のカバー3に代えて、図3のような筒状のカバー14を用いることもできる。特に、このカバー14は捕虫容器1の穴2に接続し、その穴2から側方に向かって漸次口径の広がるラッパ状にして、その内側に穴2の周囲を覆う空洞部4を形成する。そして、この種の害虫駆除装置でも側方に開放する受入口6より空洞部4内に虫を進入させ、これを穴2から捕虫容器1内に誘引せしめて捕獲することができる。尚、図3において、15は捕虫容器の上端開口部7を塞ぐ蓋である。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明に係る害虫駆除装置によれば、虫を誘引するための誘引手段が収容される捕虫容器を備え、この捕虫容器の外側に虫の進入を許容する空洞部が形成されると共に、捕虫容器には空洞部に来集した虫を該捕虫容器内に通す穴が穿設されて成ることから、これを所定の場所に配置しておくだけで捕虫容器内に虫を進入せしめて捕獲することができる。
【0022】
又、誘引手段として誘引成分を含んだ薬液が捕虫容器内に収容されるようにしていることから、捕虫容器内に誘引した虫を逃さず溺死させることができる。しかも、捕虫容器の穴から漏れ出す誘引成分が空洞部に滞留することから、屋外での使用でも空洞部に多数の虫を来集せしめ、これを捕虫容器内に誘引して死滅させることができる。
【0023】
特に、捕虫容器の内部に薬液を浸透せしめる吊糸が垂らされることから、これに留まった虫の翅に薬液を付着せしめて当該虫を薬液中に落下させたり、あるいは虫の気門を薬液で閉塞して窒息させることができる。
【0024】
更に、捕虫容器に黒色の着色を施していることから、太陽光などを吸収して捕虫容器内を加温し、以て誘引成分の発散を促して誘引効果を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る害虫駆除装置を部分的に破断して示した斜視概略図
【図2】同害虫駆除装置を示す縦断面図
【図3】本発明に係る害虫駆除装置の変更例を示した部分断面図
【符号の説明】
1 捕虫容器
2 穴
3 カバー
4 空洞部
6 受入口
7 開口部
8 薬液
12 吊糸
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として夜盗蛾やハエといった害虫を駆除するのに用いられる害虫駆除装置に係わり、特に所定の場所に設置しておくだけ多数の虫を捕獲することのできる軽便な害虫駆除装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、人畜に害を与える虫として夜盗蛾、ハエ、ゴキブリ、アブラムシ、又は蚊などが知られる。例えば、鱗翅目ヤガ科に属する夜盗蛾は、夜中に活動して野菜類を食害することで良く知られる。一方、それらの害虫を捕食したり植物の受粉を媒介する益虫として蜂やカマキリなどが知られるが、蜂などは時によって人畜を襲う害虫にもなる。
【0003】
ここに、その種の害虫を駆除するべく従来から殺虫剤が一般に広く利用されてきた。しかし、ピレスロイドやピレトリンなどを含む殺虫剤は殺虫能力が高いものの人体にも害があるため、その使用には注意を要する。特に、従来では主に殺虫剤を虫に直接噴霧する方法が採られているため、その使用量の割には捕獲量が少なく、飛翔性を有する有翅の昆虫類では殺虫剤を吹き付ける前に逃げられてしまうことも多い。
【0004】
そこで、例えばハエを主対象とした捕虫用具として、『蝿取り紙』と呼ばれる粘着性のテープが実用化されている。これは天井から吊り下げられ、これに留まった虫を粘着力によって捕獲するというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
然し乍ら、上記のような捕虫用具によれば、吊り下げたままで捕虫できるという利便性を有するものの、これによる捕虫量は粘着テープの面積に限られ、使用中には虫のみならず、これを吊り下げた部屋の居住者までもが粘着面に誤って触れてしまうことがあり、しかも部屋の体裁を損なうなどの欠点を有した。
【0006】
本発明は以上のような事情に鑑みて成されたものであり、その目的は虫の走性を利用して多数の虫を容易に捕獲、駆除することのできる軽便な害虫駆除装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、係る害虫駆除装置として虫を誘引するための誘引手段が収容される捕虫容器を備え、この捕虫容器の外側に虫の進入を許容する空洞部が形成されると共に、捕虫容器には前記空洞部に来集した虫を該捕虫容器内に通す穴が穿設されて成ることを特徴とする。
【0008】
又、本発明はより好適な態様として、虫を誘引する誘引成分を含んだ薬液が収容される捕虫容器を備え、この捕虫容器には其の内部に虫を進入させ得る穴が穿設されると共に、捕虫容器の外側には前記穴から漏れ出す誘引成分を滞留せしめる空洞部が形成され、その空洞部は虫を受け入れるべく一部が受入口として外部に開放されて成ることを特徴とする害虫駆除装置を提供するものである。
【0009】
特に、請求項3に係る発明は、上記のような害虫駆除装置において、捕虫容器の内部に薬液を浸透せしめる吊糸が垂らされることを特徴とする。又、請求項4に係る発明は、捕虫容器に誘引成分の発散を促す誘引促進手段が設けられることを特徴とし、請求項5に係る発明は誘引成分の発散を促す誘引促進手段として、捕虫容器に黒色の着色が施されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の適用例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、係る害虫駆除装置の好適な態様を示した斜視概略図である。図1において、1はプラスチックや金属などから形成される縦長の捕虫容器であり、その上部側壁には虫(主に捕獲の困難な翅をもつ昆虫類)を進入させ得る穴2が穿設される。穴2は捕虫容器1内に進入した虫の退路とならぬよう可及的小さくされるが、その口径は捕獲対象によって最適な大きさに設定される。例えば、捕獲対象がハエや蚊といった小型なものでは穴2の口径は概ね5〜10mmに設定され、捕獲対象が夜盗蛾やスズメバチといった比較的大型の虫では穴2の口径は概ね10〜20mmに設定される。因に、本例では大型の虫を好適に捕獲、駆除できるよう口径約20mmの穴2を相対向する位置に2つ形成するが、これによって小型な虫が捕獲対象から除外される訳ではなく、捕虫容器1内に進入したハエなどの小型な虫の多くも逃さず死に至らしめることができる。尚、捕虫容器1としては、廃棄物の有効利用としてペットボトルを好適に用いることができる。
【0011】
一方、3は捕虫容器の上部に取り付けられる下部開放型のカバーであり、このカバー3は穴2の穿設部分を囲んで捕虫容器1との間に虫の進入を許容する空洞部4を形成する。尚、5はカバーの上面中心部に取り付けた把手であり、この把手は係る害虫駆除装置を持ち運ぶ際の一助と成す。
【0012】
次に、図2は係る害虫駆除装置の縦断面を示す。この図から明らかなように、カバー3の内側に形成される空洞部4は、その下部が虫を受け入れるための受入口6として外部に開放される。又、捕虫容器1は上端に開口部7をもち、その内部には穴2の穿設部分より下位に虫を誘引する誘引手段として適量の薬液8が収容される。捕虫容器1の上端開口部7は薬液8の注入ほか、捕獲した虫の取り出しに供する部分であり、この開口部7はカバー3によって開閉自在とされ、薬液8の交換や虫を取り出すとき以外は密閉される。特に、捕虫容器1の上部外周には雄ネジ部9が形成され、カバー3の内面中央部には雄ネジ部9に適合する雌ネジ部10が形成される。尚、カバー3に開口部7を閉鎖する蓋の機能を持たせず、開口部7を開閉する蓋とカバー3とを別体として形成してもよい。
【0013】
又、図2から明らかなように、カバー3の内面中央部分にはフック11が取り付けられ、捕虫容器1の内部にはフック11から吊糸12が垂らされる。吊糸12はウール、コットン、又は紙といった薬液8を浸透させ得る素材で成り、これは所定の長さを有してその下部が捕虫容器1内に収容した薬液8中に浸らしめられるようにしてある。特に、吊糸12は下部が薬液8に確実に浸るよう、その下端に重錘13が取り付けられる。よって、吊糸12には薬液8が浸透し、これが吊糸12によってその上部まで吸い上げられるようになる。
【0014】
ここに、薬液8は誘引成分を含んだ液体であり、これには夜盗蛾や蜂といった多くの虫に対して誘引効果のあるアルコールや糖類が用いられる。このうち、糖類としては、柿をはじめとする果物の抽出エキスほか、砂糖や蜂蜜を水又はアルコールで希釈したものが用いられる。但し、誘引成分は虫の走性(走化性)により様々であるから、薬液8は上記のようなものに限らず、捕獲すべき虫によって適当なものが選択される。例えば、捕獲対象がハエであれば、薬液8には誘引成分としてアンモニアを含むものが有効である。特に、誘引成分として性フェロモン、それも虫の死骸やその抽出液を用いることもできる。又、薬液8は誘引成分ほか、虫の神経系を麻痺させる物質や殺虫性を有する物質などを含むことが好ましい。神経系を麻痺させる物質としては、唐辛子や山椒といった辛辣性香辛料、又はリモネンを含む柑橘類の抽出エキスが挙げられ、殺虫性を有する物質としてはピレスロイド、ピレトリン、ロテノイド、カルバメート、又はディルドリンなどが挙げられる。
【0015】
尚、薬液8に含まれる誘引成分(臭い成分)は、薬液中から僅かずつ気化、発散して穴2より外部に漏れ出し、夜盗蛾や蜂などを捕虫容器1内に誘引するよう作用するが、本例では誘引成分の気化、発散を促すべく、誘引促進手段として捕虫容器1に黒色の着色が施される。その着色は、捕虫容器1の成形材に黒色の顔料を含めたものを使用するか、又は捕虫容器1に黒色塗料を吹き付けるなどして達成される。又、着色部分は捕虫容器1の全体でもよいが、好ましくは薬液8が収容される捕虫容器1の下部領域に着色部分を限定し、それよりも上方は虫の捕獲量を視認できるよう透明にするとよい。そして、捕虫容器1の下部を黒色にしたものによれば、太陽光などを吸収して捕虫容器1内の薬液8を加温し、以て誘引成分の気化、発散量を増加させることができる。尚、誘引成分の発散を促す誘引促進手段として、捕虫容器1の内外に電気ヒータその他の発熱体を設けるなどしても良い。
【0016】
ここで、以上のように構成される害虫駆除装置の作用を説明すれば、捕虫容器1内の薬液8からは誘引成分が僅かずつ気化、発散し、これが上部の穴2から捕虫容器1の外部に漏れ出すようになる。尚、害虫駆除装置を屋外に設置した場合でも、穴2から流出したガス状の誘引成分は大気中に直ぐさま拡散せず、空洞部4内に漏れ出して滞留し、この空洞部4の下方より大気中に徐々に放出される。すると、これを嗅ぎ取った虫が捕虫容器1の回りに来集し、空洞部4の下方受入口6より空洞部4内に進入する。又、空洞部4内に進入した虫は誘引成分の発散源を求めて穴2から捕虫容器1内に進入する。尚、図2の矢印は虫の進入経路を示す。
【0017】
斯くて、捕虫容器1内に進入した虫はそのまま薬液8中に落下して溺死し、落下を免れた虫は薬液8上を飛び回るなどしてから翅を休めるべく吊糸12に留まる。しかし、吊糸12には薬液8が浸透しているため、その薬液8が虫の翅や体に付着する。このため、吊糸12に留まった虫も飛翔能力を失って薬液8中に落下し、又は気門を閉塞されて窒息し、やがては薬液8中で死に絶える。特に、虫の死骸からはフェロモンその他の誘引物質が発散され、これによって誘引効果が助長される。因に、薬液8に神経系を麻痺させる物質を混入しれおけば、虫を直ぐさま薬液8中に落下させることができ、殺虫剤入りのものでは薬液8に落下した虫を即死させることができる。尚、薬液8中に落下した虫が苦し紛れに捕虫容器1の内壁を這い上がるのを防止するため、その内壁を平滑な垂直面としたり、あるいは薬液8に界面活性剤などの潤滑剤を混入しておくとよい。
【0018】
ところで、以上のような害虫駆除装置として、1.5リットルの捕虫容器1を用い、その中に誘引成分としてアルコール及び蜂蜜などの糖類、虫の神経系を麻痺させる物質としてリモネンを含む柑橘類及び辛辣性香辛料の抽出エキスを含んで成る薬液200ccを入れ、これを野菜畑の近くに一週間設置したところ、夜盗蛾、ハエ、蜂などを捕虫容器1の半分適度の位置まで捕獲することができた。
【0019】
以上、本発明の適用例を説明したが、係る害虫駆除装置は薬液の種類を限定するものでなく、これには捕獲対象により最適な誘引成分を含むものを適宜選択することが望ましい。又、捕獲対象の虫は翅をもつものに限らず、蟻などでも捕虫容器1の外壁を伝って穴2から内部に誘引することができる。更に、誘引手段として揮発性の誘引成分を含む薬液を用いるほか、虫の走光性を利用して電球などの発光体を代用若しくは兼用してもよく、発光体を代用したものでも捕虫容器1内に誘引した虫を餓死、焼死、又は窒息死させることができる。
【0020】
一方、上記例のような捕虫容器の上部を覆う下部開放型のカバー3に代えて、図3のような筒状のカバー14を用いることもできる。特に、このカバー14は捕虫容器1の穴2に接続し、その穴2から側方に向かって漸次口径の広がるラッパ状にして、その内側に穴2の周囲を覆う空洞部4を形成する。そして、この種の害虫駆除装置でも側方に開放する受入口6より空洞部4内に虫を進入させ、これを穴2から捕虫容器1内に誘引せしめて捕獲することができる。尚、図3において、15は捕虫容器の上端開口部7を塞ぐ蓋である。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明に係る害虫駆除装置によれば、虫を誘引するための誘引手段が収容される捕虫容器を備え、この捕虫容器の外側に虫の進入を許容する空洞部が形成されると共に、捕虫容器には空洞部に来集した虫を該捕虫容器内に通す穴が穿設されて成ることから、これを所定の場所に配置しておくだけで捕虫容器内に虫を進入せしめて捕獲することができる。
【0022】
又、誘引手段として誘引成分を含んだ薬液が捕虫容器内に収容されるようにしていることから、捕虫容器内に誘引した虫を逃さず溺死させることができる。しかも、捕虫容器の穴から漏れ出す誘引成分が空洞部に滞留することから、屋外での使用でも空洞部に多数の虫を来集せしめ、これを捕虫容器内に誘引して死滅させることができる。
【0023】
特に、捕虫容器の内部に薬液を浸透せしめる吊糸が垂らされることから、これに留まった虫の翅に薬液を付着せしめて当該虫を薬液中に落下させたり、あるいは虫の気門を薬液で閉塞して窒息させることができる。
【0024】
更に、捕虫容器に黒色の着色を施していることから、太陽光などを吸収して捕虫容器内を加温し、以て誘引成分の発散を促して誘引効果を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る害虫駆除装置を部分的に破断して示した斜視概略図
【図2】同害虫駆除装置を示す縦断面図
【図3】本発明に係る害虫駆除装置の変更例を示した部分断面図
【符号の説明】
1 捕虫容器
2 穴
3 カバー
4 空洞部
6 受入口
7 開口部
8 薬液
12 吊糸
Claims (5)
- 虫を誘引するための誘引手段が収容される捕虫容器を備え、この捕虫容器の外側に虫の進入を許容する空洞部が形成されると共に、捕虫容器には前記空洞部に来集した虫を該捕虫容器内に通す穴が穿設されて成ることを特徴とする害虫駆除装置。
- 虫を誘引する誘引成分を含んだ薬液が収容される捕虫容器を備え、この捕虫容器には其の内部に虫を進入させ得る穴が穿設されると共に、捕虫容器の外側には前記穴から漏れ出す誘引成分を滞留せしめる空洞部が形成され、その空洞部は虫を受け入れるべく一部が受入口として外部に開放されて成ることを特徴とする害虫駆除装置。
- 捕虫容器の内部に薬液を浸透せしめる吊糸が垂らされる請求項2記載の害虫駆除装置
- 捕虫容器には誘引成分の発散を促す誘引促進手段が設けられる請求項2記載の害虫駆除装置。
- 誘引成分の発散を促す誘引促進手段として、捕虫容器に黒色の着色が施されている請求項4記載の害虫駆除装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002177892A JP2004016151A (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | 害虫駆除装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002177892A JP2004016151A (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | 害虫駆除装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2004016151A true JP2004016151A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=31175764
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002177892A Pending JP2004016151A (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | 害虫駆除装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004016151A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103999835A (zh) * | 2014-05-14 | 2014-08-27 | 广东省昆虫研究所 | 一种害虫监测诱杀器 |
CN110786299A (zh) * | 2018-07-31 | 2020-02-14 | 贵港市恒艺商务咨询有限公司(微型企业) | 一种柑橘大实蝇成虫诱杀器 |
CN114190349A (zh) * | 2021-12-16 | 2022-03-18 | 桂林师范高等专科学校 | 一种捕虫装置 |
-
2002
- 2002-06-19 JP JP2002177892A patent/JP2004016151A/ja active Pending
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