JP2004015483A - 3次元周期構造体、その製造方法、高周波素子、および高周波装置 - Google Patents
3次元周期構造体、その製造方法、高周波素子、および高周波装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】例えばマイクロ波帯における信号の伝送路や機能素子への応用が可能な、また、その小型化が可能な、3次元周期構造体とその製造方法、高周波素子および高周波装置を得る。
【解決手段】誘電率の異なる2つの物質が3次元の軸方向に周期性をもって分布する3次元周期構造部100と、その周囲に所定厚さの誘電体層1′を形成し、更にその外面に外導体8を形成する。これにより導波管の管部分に相当する導体を一体的に備えた伝送路を構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】誘電率の異なる2つの物質が3次元の軸方向に周期性をもって分布する3次元周期構造部100と、その周囲に所定厚さの誘電体層1′を形成し、更にその外面に外導体8を形成する。これにより導波管の管部分に相当する導体を一体的に備えた伝送路を構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子部品の一部などに用いることのできる3次元周期構造体、その製造方法、高周波素子、および高周波装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体結晶中において、原子核により構成される周期的なポテンシャル分布は、格子定数に見合う波長の電子波に対して干渉作用を示す。すなわち、電子波の波長が結晶のポテンシャル周期に非常に近い場合には、3次元的な回折作用(ブラッグ回折)により反射が起こる。この現象により特定のエネルギ領域に含まれる電子はその通過を禁止される。これが半導体デバイスなどに利用される電子バンドギャップの形成である。
【0003】
同様に、屈折率もしくは誘電率が周期的に変化する3次元構造は、電磁波に対する干渉作用を示し、特定周波数領域の電磁波を遮断する。この場合、禁止帯はフォトニックバンドギャップと呼ばれ、上記3次元構造体はフォトニック結晶と呼ばれる。
【0004】
フォトニック結晶のこのような作用を利用して、例えば所定周波数帯域の電磁波の透過を遮断するカットオフフィルタとして用いたり、上記周期的な構造中に周期を乱す不均一部分を導入して、その部分に光や電磁波が閉じ込める導波路や共振器として用いたりすることが考えられている。また、光の超低閾値レーザーや電磁波の高指向性アンテナ等への応用も考えられている。
【0005】
一般にフォトニック結晶中において、電磁波のブラッグ回折が起こるときには、二種類の定在波が形成される。図16はその二種類の定在波を示している。定在波Aは、波の振動が低誘電率領域で高いエネルギを有し、定在波Bは、波の振動が高誘電率領域で高いエネルギを有する。この2つの異なるモードにスプリットした定在波間のエネルギを有する波は結晶中に存在できないので、バンドギャップが生じる。バンドギャップを広げたいのであれば、2つの定常波のエネルギ差を広げてやればよい。そのためには、2つの媒質で誘電率のコントラストを強くするか、高誘電率媒質の体積比を大きくすることが効果的である。
【0006】
このフォトニック結晶には1次元、2次元、3次元の構造体があるが、完全なフォトニックバンドギャプを得るためには3次元構造が必要である。
【0007】
3次元構造を得るものとして、▲1▼特開平10−335758号「3次元周期構造体及びその作製方法並びに膜の製造方法」、▲2▼特開2000−329953「フォトニック結晶及びその作製方法」、▲3▼特開2000−341031「三次元周期構造体およびその製造方法」、▲4▼特開2001−74954「3次元フォトニック結晶構造体の作製方法」、▲5▼特開2001−215351「誘電率多重周期構造素子およびその設計方法ならびに製造方法」が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これらの3次元周期構造体は、そのフォトバンドギャップを利用した種々のデバイスに応用されることを念頭に発明されたものであるが、例えば3次元周期構造体に対する電極の構成方法が明確には示されていない。また、マイクロ波帯やミリ波帯における導波管としての具体的な構成が明確には示されていない。また、これら3次元周期構造体を用いて伝送路を構成しようとすると、全体に大型化してまう。
【0009】
この発明の目的は、例えばマイクロ波帯における信号の伝送路や機能素子への応用が可能な、また、その小型化が可能な、3次元周期構造体とその製造方法、高周波素子および高周波装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の3次元周期構造体は、所定寸法の3次元空間で、誘電率の異なる2つの物質が3次元の軸方向に周期性を持って分布し、3次元空間の外周に前記2つの物質のうち一方の物質を所定厚さの層を成すように被覆し、その被覆層の外面に導体膜を設けたことを特徴としている。この構造により、外周面に導体を有する一体化された3次元周期構造体を得る。
【0011】
また、この発明の3次元周期構造体は、前記2つの物質のうち一方の物質で満たす所定寸法の空間を前記3次元空間内に設ける。これにより、局部的に周期性を崩した3次元周期構造体を得る。
【0012】
この発明の共振器装置は、前記3次元周期構造体の導体膜で囲まれた空間内で共振する共振モードの電磁界に結合する結合部を備える。これにより、共振器やフィルタとして作用させる。
【0013】
この発明の伝送路は、前記3次元周期構造体の導体膜で囲まれた空間内を伝搬する伝搬モードの電磁界に結合する結合部を設ける。これにより例えばフィルタ機能を備えた伝送路を得る。
【0014】
この発明のアンテナは、前記3次元周期構造体の導体膜に電磁波を透過する窓部を設けて構成する。これにより、例えばフィルタ機能を備えたアンテナを得る。
【0015】
また、この発明のアンテナは、前記3次元周期構造体を、3次元の所定方向に応じて結晶周期が異なり、該結晶周期の異なる幾つかの方向に前記窓部を設けることにより構成する。これにより種々の放射特性を有するアンテナを得る。
【0016】
この発明の分波器は、前記アンテナと前記窓部に配置した伝送路とから構成する。これにより小型の分波器を得る。
【0017】
この発明のアイソレータは、前記伝送路を信号伝送路の一部に備えたことを特徴としている。これにより、例えばフィルタ機能を備えたアイソレータを得る。
【0018】
この発明のカップラは、前記伝送路を信号伝送路の一部に備えたことを特徴としている。これにより、例えばフィルタ機能を備えたカップラを得る。
【0019】
この発明の高周波装置は、前記共振器装置、伝送路、アンテナ、分波器、アイソレータまたはカップラのいずれかを備えたことを特徴としている。
【0020】
この発明の3次元周期構造体の製造方法は、形成すべき断面パターンの光照射を光硬化性樹脂に対して層毎に繰り返す光造形法により前記3次元周期構造体の2つの物質のうち一方の物質の分布による構造体を形成し、外表面の導体膜を無電解メッキ法により形成することを特徴としている。これにより外周囲に導体を一体的に備えた3次元周期構造体を容易に製造する。
【0021】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に係る伝送路の構成を、図1、図13〜図15を参照して説明する。
図1の(A)は伝送路の部分斜視図、(B)は信号伝送方向に垂直な面での断面図である。
【0022】
ここで、100は誘電体と空気孔が3次元の軸方向に周期性を持って分布する3次元周期構造部である。この3次元周期構造部100の周囲の1′で示す部分が所定厚さの誘電体層である。この誘電体層1′には空気孔が無く、誘電体層1′の表面(信号伝送方向を見た時の周囲の四面)に外導体8を形成している。この3次元周期構造部100、誘電体層1′、外導体8とによって3次元周期構造体101を構成している。
【0023】
3次元周期構造部100は、フォトニック結晶として作用する。フォトニック結晶が十分な電磁波の反射機能を発揮するためには、あらゆる結晶方向に対して幅の広いバンドギャップを形成する必要がある。理想的な結晶構造は3次元ダイヤモンド構造である。ダイヤモンド構造は、単位格子に8個の格子点を含み、そのうち4個ずつがそれぞれ独立の面心立方格子を作り、一方の格子が他方を立体対角線に沿ってその長さの1/4だけ平行に移動した位置を占めるものである。
【0024】
ダイヤモンド構造のフォトニック結晶は、球状の誘電体をダイヤモンド構造の格子点に配置した結晶や、誘電体柱の組み合わせでダイヤモンド構造の原子結合を模した結晶である。
【0025】
図1に示した3次元周期構造部100は、樹脂中にダイヤモンド型格子構造の空気孔を周期性をもって分布させたものである。このような構造を反転ダイヤモンド構造と称することができる。ここで格子部分を円柱状とし、その円柱部分の直径と長さの比率を2:3(アスペクト比1.5)、格子定数を10mmとしている。
【0026】
このように構成した3次元周期構造部100は、そのフォトニックバンドキャップにより、所定周波数帯域を減衰させる。したがって、遮断すべき周波数帯がフォトニックバンドキャップによる減衰帯域に一致するように、3次元周期構造部100を予め構成しておくことにより、3次元周期構造体101は、伝送すべき周波数帯域のみを伝送し、不要な周波数成分を遮断する伝送路として作用する。
【0027】
図13は図1の(A)に示した3次元周期構造体101の主要部を製造する装置を示している。ここで、15は紫外線で硬化するエポキシ系の光硬化性樹脂18を満たす容器である。16は容器15の内部で上下方向に移動するエレベータテーブル、19はエレベータテーブル16の上部に造形したオブジェクトである。17はオブジェクト19の上面に光硬化性樹脂18を所定膜厚だけ塗布するためのスキージである。
【0028】
また、10はレーザーダイオード、11はレーザーダイオード10からのレーザー光を波長変換して紫外光を発生させる調波発生素子(LBO)、12は波長選択素子としての音響光学素子(AOM)、13は走査ミラー、14はfθレンズである。これらによって光学系を構成している。
【0029】
このような光造形装置を用いたフォトニック結晶の製造手順は次のとおりである。
まず、エレベータテーブル16を光硬化性樹脂18の液面から所定深さまで降下させ、スキージ17を液面に沿った方向に移動させることによって、エレベータテーブル16の表面に厚さ約100μmの光硬化性樹脂膜を形成する。その状態で上記光学系によって波長355nmの紫外線レーザーをスポット径50μmのビームとして出力110mWでその液面に照射する。このとき走査ミラー13を制御しつつレーザーダイオード10を変調することによって、光硬化性樹脂18を硬化させるべき位置にレーザー光を照射し、その他の領域に照射しないように制御する。
【0030】
上記レーザービームの照射された光硬化性樹脂18の液面は、その重合反応により直径120μmの球状硬化相が形成される。この時、レーザービームを速度90m/sで走査すると、厚さ150μmの硬化相が形成される。
このようにレーザービームをラスタースキャンすることによって一層目の断面パターンに相当するオブジェクト19を形成する。
【0031】
次に、エレベーターテーブル16を約200μm降下させ、スキージ17の移動によって、オブジェクト19の表面に厚さ約200μmの光硬化性樹脂膜を形成する。
【0032】
その後、一層目と同様にしてレーザービームの走査および変調を行うことによって二層目の断面パターンを一層目の上に形成する。この時、上下の層は重合硬化により接合される。三層目以降は二層目と同様である。この処理を繰り返すことによってオブジェクト19を造形する。
【0033】
図14は、多数の層を形成した各段階でのオブジェクトの形状を透視斜視図として示している。但しここでは、図示を容易にするため、レーザービームが照射されずに硬化しなかった部分すなわち空気孔部分のパターンを示している。(A)は、ダイヤモンド構造の結晶軸〈111〉方向に略1ユニット分だけ造形した状態を示している。また(B)は、これを約4ユニット分造形した状態を示している。(C)は、更にこれを所定ユニット分繰り返して造形した状態を示している。
【0034】
図13に示した装置で、光硬化性樹脂18の液面に対して所定の断面パターンで光硬化性樹脂18を硬化させるために、CAD/CAMプロセスを用いる。すなわち、図14に示したようなパターンは、3次元データを扱うCADで予め設計し、その3次元構造のデータを一旦STL(Stereolithography)データに変換し、これをスライスソフトウェアによって、所定位置における2次元断面データの集合へ変換する。最後に、この2次元断面データからレーザービームをラスタースキャンさせる際にレーザーダイオードを変調するためのデータを作成する。このようにして用意したデータを基に、レーザービームの走査とともにレーザーダイオードの変調を行う。
【0035】
図15は、上述の光造形装置を用いて3次元周期構造体101を製造する手順を示している。まず、(A)に示すように所定厚さまで、誘電体層1′を光造形し、その後、(B)に示すように、対向する二側面が所定厚さの誘電体層1′、内部が3次元周期構造部100となるように光造形する。続いて、(C)に示すように、上層に誘電体層1′を光造形する。その後、誘電体層1′の表面に外導体8を無電解メッキ法により被覆形成する。このようにして、図1に示した3次元周期構造体101を得る。
【0036】
次に、第2の実施形態に係る伝送路の構成を図2、図3を基に説明する。
図2は伝送路の信号伝送方向に垂直な面での断面図である。ここで1は誘電体、2は空気孔であり、この誘電体1と空気孔2とが3次元の軸方向に周期性をもって分布した3次元周期構造部100を成している。但し、図1に示した3次元周期構造体とは異なり、所定箇所に信号伝搬方向に延びる空隙7を形成している。3次元周期構造部100の周囲には空気孔の無い所定厚さの誘電体層1′を形成していて、さらにその表面に外導体8を形成している。
【0037】
このように3次元周期構造体101内に空隙7を設けることにより、伝搬する電磁波に対する3次元周期構造体101の結晶構造が与える影響が変化する。この空隙7の形状・大きさ・位置などを適宜定めることによって、スプリアスモードの周波数を調整することができ、また遮断周波数帯域、帯域幅、減衰量などをある程度調整することができる。
【0038】
図3は図2とは異なった構造の伝送路について示している。(A)は信号伝搬方向に沿って切った縦断面図、(B)は信号伝搬方向に垂直な面で切った縦断面図である。図中20はプローブ、20′はその中心導体である。この例では、(B)に示すように、3次元周期構造部100の中央部に縦方向および信号伝搬方向に伸びる空隙7を形成している。そして,プローブの中心導体20′を空隙7内に挿入している。この空隙7が空洞導波路として作用し、その周囲の3次元周期構造部100は所定の不要周波数を遮断する。したがって、空隙7内に、伝送すべき周波数帯域の信号が集中して、空隙7が空洞導波路として作用する。
【0039】
図2・図3に示した例では、3次元空間内の所定寸法の空間を空隙で満たした例を示したが、同様にして、3次元空間内の所定寸法の空間を誘電体で満たしてもよい。
このような構造により、フィルタ機能を持った低損失な伝送路として用いることができる。
【0040】
次に、第3の実施形態に係るフィルタの構成を図4を参照して説明する。
(A)は斜視図、(B)はその縦断面図である。ここで、8は3次元周期構造体の外導体である。この外導体8を形成していない2つの開口部をパネル22a,22bで被っている。パネル22a,22bには、それぞれ同軸コネクタ23a,23bおよびそれらの中心導体に接続した結合ループ24a,24bを設けている。3次元周期構造体101は、第1または第2の実施形態で示した3次元周期構造体と同様である。但し、この3次元周期構造体101の対向する端面には結合ループ24a,24b部分を挿入するための空間を予め形成している。
【0041】
この3次元周期構造体101は基本的に空洞共振器または空洞導波管として作用するが、3次元周期構造部100の存在により、フォトバンドギャップに相当する周波数が減衰する。スプリアスモードの共振周波数を、その減衰周波数に合わせることによって、このフィルタは、上記減衰周波数の帯域を阻止する帯域阻止フィルタとして作用する。
【0042】
図5はこのフィルタの透過特性を示す図である。この例では、11[GHz]の帯域を減衰させる帯域阻止フィルタとして作用する。
【0043】
次に、第4の実施形態に係るフィルタの構成を図6を基に説明する。
図6の(A)はフィルタの外観斜視図、(B)はその主要部の断面図である。(C)は他の構造のフィルタの断面図である。ここで100は3次元周期構造部である。その外面には所定厚さの誘電体層1′を形成するとともに、突起部26を設けている。この突起部26は誘電体層1′から連続した誘電体である。この誘電体層1′の外面には外導体8を形成している。突起部26の根元部は外導体8を設けない窓部27としている。突起部26の表面には電極28を形成している。この電極28は窓部27を隔てて外導体8から絶縁している。
【0044】
このような構造であるため、3次元周期構造体101周囲の外導体8は空洞共振器のキャビティとして作用し、開口部27はその外部との間で結合用の窓として作用し、突起部26表面の電極28はプローブとして作用する。
【0045】
このように、光造形法により形成した3次元周期構造体に導体(電極)膜を形成するだけで、外部入出力部(プローブ)を一体的に備えたフィルタを構成することができる。
【0046】
図6の(C)は、窓部27部分を凹ませて、突起部26の根元を外導体8の上面より内部に入り込ませている。これに伴い、突起部26周囲の電極28は、その一部が外導体8による共振空間内に挿入される。このような構造によれば、プローブとしての電極28と共振器との結合を高めることができる。
【0047】
次に、第5の実施形態に係るアンテナの構成を図7を基に説明する。
図7はアンテナの部分斜視図である。ここで100は3次元周期構造部である。その周囲には所定厚さの誘電体層1′を形成している。この誘電体層1′の四側面には外導体8を形成している。また、外導体8の一部に複数の窓部27を配列形成している。この外導体8が導波管として作用し、これらの窓部27が電磁波の窓として作用し、導波管を伝搬する電磁波が、窓部27から放射される。
【0048】
これにより、3次元周期構造体101による所定周波数の減衰特性を利用して、不要な周波数成分の送信、または不要な周波数成分の受信を防止することができる。
なお、開口部27はスロット形状として、いわゆるスロットアンテナを構成してもよい。
【0049】
次に、第6の実施形態に係るアンテナの構成を図8を基に説明する。
図8は信号伝送方向に対し垂直な面での断面図である。100は3次元周期構造部であり、その周囲には所定厚さの誘電体層1′を形成し、その表面に外導体8を形成している。図7に示したアンテナと異なり、3次元周期構造部100は所定方向(この例では図8に示す縦方向)の位置に応じて結晶周期が次第に異なるように構成している。また、ha,hb,hc,hdはそれぞれ外導体8に設けた窓部である。図7に示したアンテナと異なり、四側面の全ての面に窓部ha〜hdを設けている。
【0050】
このように、3次元周期構造部100の結晶周期が所定の軸方向に沿って傾斜的に次第に変化していることによって、周波数に応じて指向性を変化させることができる。また、単一の側面だけでなく複数の側面に窓部を設けたことにより、周波数帯の異なった信号を所定方位に放射させることができる。
【0051】
なお、この3次元周期構造部100は、結晶周期が所定の軸方向に沿って傾斜的に変化しているので、電磁波の伝搬方向に応じてフォトニックバンドキャップが異なる。その結果、周波数に応じて異なった指向性を持たせることができる。
【0052】
次に、第7の実施形態に係る分波器の構成を図9を基に説明する。
図8に示した例では、外導体8に設けた窓部ha〜hdから電磁波を放射させるようにしたが、3次元周期構造部100の結晶周期と窓部の位置関係によって、各窓の放射効率の周波数特性が定まる。すなわち周波数毎に選択的に各窓から放射させることができる。したがって、図8に示した窓部から放射される電磁波を伝搬する伝送路を設けることによって、全体を分波器として用いることができる。図9はそれをブロック化して表したものである。この例では、3次元周期構造体の3つの側面に窓部を設けて、所定の窓部から入射された電磁波を他方の2箇所の窓部から分波出力する。
【0053】
次に、第7の実施形態に係るアイソレータの構成を図10を参照して説明する。
図10は、信号伝送方向に垂直な面での断面図である。このアイソレータは、3次元周期構造部100の周囲に所定厚さの誘電体層1′を設け、その表面に外導体8を被覆形成している。このようにして構成した3次元周期構造体は矩形導波管として作用する。但し、外導体8の中央に対して非対称の位置にフェライト板25を配置している。フェライト板25には、外部から直流磁界Hdcを印加する。TE10モードの矩形導波管内では、互いに90°位相の異なる振動磁界Hx,Hzが存在し、任意の一点において、その合成回転磁界はy−z平面で楕円編波している。この偏波の回転方向は、管軸を含むy−z平面の両側で反対となっている。また、正のz方向へ進む波と負のz方向へ進む波についても互いに反対となっている。したがって、直流磁界Hdcを適当に選ぶことにより、z軸の正方向に伝搬する波が正の回転磁界を生じて共鳴吸収により減衰し、負の方向に進む波が減衰しない。これにより、図10に示した素子はアイソレータとして作用する。その際、3次元周期構造部100の存在により、導波管4内を伝搬する不要周波数帯域が減衰するので、このアイソレータは、フィルタ機能を持ったアイソレータとして用いることができる。
【0054】
なお、フェライト25の左右の3次元周期構造部100は別体で構成してもよいが、3次元周期構造部100内にフェライト25を埋設するようにして両者を一体化し、その全体を3次元周期構造体として構成してもよい。
【0055】
次に、第9の実施形態に係るカプラの構成を図11を参照して説明する。
このカプラは、2つの伝送路を並べるとともに、その管壁に、両方の伝送路内の波を結合させるための結合要素を設けたものである。この例では結合要素として窓部ha,hbを管内波長の1/4波長分隔てて設けている。この構造により、ポート#1からポート#2の方向へ伝送される信号はポート#4方向へ同相で加わり出力されるが、ポート#3方向へは逆相で加わるため打ち消され出力されない。
【0056】
この2つの伝送路は第1または第2の実施形態で示した構造からなる。したがって、このカプラは、伝送すべき周波数帯域のみ伝送し、不要な周波数帯域を遮断するフィルタ機能を備えたカプラとして作用する。
【0057】
次に第10の実施形態に係るレーダの構成を図12を基に説明する。
図12において、31は発振器、32はその発振信号を増幅する増幅器、33は増幅器32への戻り信号を阻止するアイソレータ、34は送信信号の一部をローカル信号として取り出すカプラである。36はアンテナ、37はミキサである。35は送信信号をアンテナ36へ出力し、アンテナ36からの受信信号をミキサ37側へ出力するサーキュレータである。ミキサ37は受信信号とローカル信号とをミキシングして、そのビート信号を生成する。フィルタ38はそのビート信号のうち、必要な周波数成分を取り出して、受信中間周波信号IFとして出力する。
【0058】
上記アイソレータ33として、図10に示した構造のアイソレータを用い、上記カプラ34として、図11に示した構造のカプラを用い、上記アンテナ36として、図7または図8に示した構造のアンテナを用いる。また、各伝送路部分には、図1〜図3のいずれかに示した伝送路を用いる。
【0059】
このようにして、フィルタ機能を備えた高周波素子を用いることにより、小型、高感度、低スプリアス特性を備えたレーダを構成する。
【0060】
【発明の効果】
この発明によれば、所定寸法の3次元空間で、誘電率の異なる2つの物質が3次元の軸方向に周期性を持って分布し、3次元空間の外周に前記2つの物質のうち一方の物質を所定厚さの層を成すように被覆し、その被覆層の外面に導体膜を設けて3次元周期構造体を構成したことにより、外周部に必要な導体が一体化され、必要な部品点数が大幅に削減され、全体に小型化が図れる。 また、この発明によれば、前記2つの物質のうち一方の物質で満たす所定寸法の空間を前記3次元空間内に設けて3次元周期構造体を構成したことにより、局部的に周期性を崩した3次元周期構造体が容易に得られる。また、その空間の形状・大きさ・位置などを適宜定めることによって、スプリアスモードの周波数調整、遮断周波数帯域、帯域幅、減衰量などの調整が可能となる。
【0061】
また、この発明によれば、前記3次元周期構造体の導体膜で囲まれた空間内で共振する共振モードの電磁界に結合する結合部を備える共振器装置を構成したことにより、小型・軽量の共振器やフィルタが容易に得られる。
【0062】
また、この発明によれば、前記3次元周期構造体の導体膜で囲まれた空間内を伝搬する伝搬モードの電磁界に結合する結合部を設けたことにより、例えばフィルタ機能を備えた伝送路が得られる。
【0063】
また、この発明によれば、前記3次元周期構造体の導体膜に電磁波を透過する窓部を設けたことにより、フィルタ機能を備えたアンテナが得られる。
【0064】
また、この発明によれば、前記3次元周期構造体を、3次元の所定方向に応じて結晶周期が異なり、該結晶周期の異なる幾つかの方向に前記窓部を設けたことにより、単一のアンテナでありながら、種々の放射特性を有するアンテナが得られる。
【0065】
この発明によれば、前記アンテナの窓部に伝送路を配置したことにより、小型の分波器が得られる。
【0066】
この発明によれば、前記伝送路を信号伝送路の一部に備えてアイソレータを構成したことにより、特別な素子を設けることなくフィルタ機能を備えたアイソレータが得られる。
【0067】
この発明によれば、前記伝送路を信号伝送路の一部に備えてアイソレータを構成したことにより、特別な素子を設けることなくフィルタ機能を備えたカプラが得られる。
【0068】
この発明によれば、形成すべき断面パターンの光照射を光硬化性樹脂に対して層毎に繰り返す光造形法により前記3次元周期構造体の2つの物質のうち一方の物質の分布による構造体を形成し、外表面の導体膜を無電解メッキ法により形成するようにしたので、外周囲に導体を一体的に備えた3次元周期構造体を容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る伝送路の部分斜視図および断面図
【図2】第2の実施形態に係る伝送路の断面図
【図3】第2の実施形態に係る別の伝送路の断面図
【図4】第3の実施形態に係るフィルタの斜視図および断面図
【図5】同フィルタの特性図
【図6】第4の実施形態に係るフィルタの斜視図および断面図
【図7】第5の実施形態に係るアンテナの部分斜視図
【図8】第6の実施形態に係るアンテナの断面図
【図9】第7の実施形態に係る分波器のブロック図
【図10】第8の実施形態に係るアイソレータの構成を示す図
【図11】第9の実施形態に係るカップラの構成を示す図
【図12】第10の実施形態に係るレーダの構成を示す図
【図13】光造形装置の構成を示す図
【図14】同光造形装置によるオブジェクトの造形途中の状態を示す図
【図15】光造形法による3次元周期構造体の製造工程を示す図
【図16】誘電率の異なる物質が周期性をもって分布している時の2つの定在波を示す図
【符号の説明】
1−誘電体
1′−誘電体層
2−空気孔
7−空隙
8−外導体
10−レーザダイオード
11−調波発生素子(LBO)
12−音響光学素子(AOM)
13−走査ミラー
14−fθレンズ
15−容器
16−エレベータテーブル
17−スキージ
18−光硬化性樹脂
19−オブジェクト
20−プローブ
20′−中心導体
22−パネル
23−同軸コネクタ
24−結合ループ
25−フェライト
26−突起部
27,h−窓部
28−電極
31−発振器
32−増幅器
33−アイソレータ
35−サーキュレータ
36−アンテナ
37−ミキサ
100−3次元周期構造部
101−3次元周期構造体
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子部品の一部などに用いることのできる3次元周期構造体、その製造方法、高周波素子、および高周波装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体結晶中において、原子核により構成される周期的なポテンシャル分布は、格子定数に見合う波長の電子波に対して干渉作用を示す。すなわち、電子波の波長が結晶のポテンシャル周期に非常に近い場合には、3次元的な回折作用(ブラッグ回折)により反射が起こる。この現象により特定のエネルギ領域に含まれる電子はその通過を禁止される。これが半導体デバイスなどに利用される電子バンドギャップの形成である。
【0003】
同様に、屈折率もしくは誘電率が周期的に変化する3次元構造は、電磁波に対する干渉作用を示し、特定周波数領域の電磁波を遮断する。この場合、禁止帯はフォトニックバンドギャップと呼ばれ、上記3次元構造体はフォトニック結晶と呼ばれる。
【0004】
フォトニック結晶のこのような作用を利用して、例えば所定周波数帯域の電磁波の透過を遮断するカットオフフィルタとして用いたり、上記周期的な構造中に周期を乱す不均一部分を導入して、その部分に光や電磁波が閉じ込める導波路や共振器として用いたりすることが考えられている。また、光の超低閾値レーザーや電磁波の高指向性アンテナ等への応用も考えられている。
【0005】
一般にフォトニック結晶中において、電磁波のブラッグ回折が起こるときには、二種類の定在波が形成される。図16はその二種類の定在波を示している。定在波Aは、波の振動が低誘電率領域で高いエネルギを有し、定在波Bは、波の振動が高誘電率領域で高いエネルギを有する。この2つの異なるモードにスプリットした定在波間のエネルギを有する波は結晶中に存在できないので、バンドギャップが生じる。バンドギャップを広げたいのであれば、2つの定常波のエネルギ差を広げてやればよい。そのためには、2つの媒質で誘電率のコントラストを強くするか、高誘電率媒質の体積比を大きくすることが効果的である。
【0006】
このフォトニック結晶には1次元、2次元、3次元の構造体があるが、完全なフォトニックバンドギャプを得るためには3次元構造が必要である。
【0007】
3次元構造を得るものとして、▲1▼特開平10−335758号「3次元周期構造体及びその作製方法並びに膜の製造方法」、▲2▼特開2000−329953「フォトニック結晶及びその作製方法」、▲3▼特開2000−341031「三次元周期構造体およびその製造方法」、▲4▼特開2001−74954「3次元フォトニック結晶構造体の作製方法」、▲5▼特開2001−215351「誘電率多重周期構造素子およびその設計方法ならびに製造方法」が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これらの3次元周期構造体は、そのフォトバンドギャップを利用した種々のデバイスに応用されることを念頭に発明されたものであるが、例えば3次元周期構造体に対する電極の構成方法が明確には示されていない。また、マイクロ波帯やミリ波帯における導波管としての具体的な構成が明確には示されていない。また、これら3次元周期構造体を用いて伝送路を構成しようとすると、全体に大型化してまう。
【0009】
この発明の目的は、例えばマイクロ波帯における信号の伝送路や機能素子への応用が可能な、また、その小型化が可能な、3次元周期構造体とその製造方法、高周波素子および高周波装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明の3次元周期構造体は、所定寸法の3次元空間で、誘電率の異なる2つの物質が3次元の軸方向に周期性を持って分布し、3次元空間の外周に前記2つの物質のうち一方の物質を所定厚さの層を成すように被覆し、その被覆層の外面に導体膜を設けたことを特徴としている。この構造により、外周面に導体を有する一体化された3次元周期構造体を得る。
【0011】
また、この発明の3次元周期構造体は、前記2つの物質のうち一方の物質で満たす所定寸法の空間を前記3次元空間内に設ける。これにより、局部的に周期性を崩した3次元周期構造体を得る。
【0012】
この発明の共振器装置は、前記3次元周期構造体の導体膜で囲まれた空間内で共振する共振モードの電磁界に結合する結合部を備える。これにより、共振器やフィルタとして作用させる。
【0013】
この発明の伝送路は、前記3次元周期構造体の導体膜で囲まれた空間内を伝搬する伝搬モードの電磁界に結合する結合部を設ける。これにより例えばフィルタ機能を備えた伝送路を得る。
【0014】
この発明のアンテナは、前記3次元周期構造体の導体膜に電磁波を透過する窓部を設けて構成する。これにより、例えばフィルタ機能を備えたアンテナを得る。
【0015】
また、この発明のアンテナは、前記3次元周期構造体を、3次元の所定方向に応じて結晶周期が異なり、該結晶周期の異なる幾つかの方向に前記窓部を設けることにより構成する。これにより種々の放射特性を有するアンテナを得る。
【0016】
この発明の分波器は、前記アンテナと前記窓部に配置した伝送路とから構成する。これにより小型の分波器を得る。
【0017】
この発明のアイソレータは、前記伝送路を信号伝送路の一部に備えたことを特徴としている。これにより、例えばフィルタ機能を備えたアイソレータを得る。
【0018】
この発明のカップラは、前記伝送路を信号伝送路の一部に備えたことを特徴としている。これにより、例えばフィルタ機能を備えたカップラを得る。
【0019】
この発明の高周波装置は、前記共振器装置、伝送路、アンテナ、分波器、アイソレータまたはカップラのいずれかを備えたことを特徴としている。
【0020】
この発明の3次元周期構造体の製造方法は、形成すべき断面パターンの光照射を光硬化性樹脂に対して層毎に繰り返す光造形法により前記3次元周期構造体の2つの物質のうち一方の物質の分布による構造体を形成し、外表面の導体膜を無電解メッキ法により形成することを特徴としている。これにより外周囲に導体を一体的に備えた3次元周期構造体を容易に製造する。
【0021】
【発明の実施の形態】
第1の実施形態に係る伝送路の構成を、図1、図13〜図15を参照して説明する。
図1の(A)は伝送路の部分斜視図、(B)は信号伝送方向に垂直な面での断面図である。
【0022】
ここで、100は誘電体と空気孔が3次元の軸方向に周期性を持って分布する3次元周期構造部である。この3次元周期構造部100の周囲の1′で示す部分が所定厚さの誘電体層である。この誘電体層1′には空気孔が無く、誘電体層1′の表面(信号伝送方向を見た時の周囲の四面)に外導体8を形成している。この3次元周期構造部100、誘電体層1′、外導体8とによって3次元周期構造体101を構成している。
【0023】
3次元周期構造部100は、フォトニック結晶として作用する。フォトニック結晶が十分な電磁波の反射機能を発揮するためには、あらゆる結晶方向に対して幅の広いバンドギャップを形成する必要がある。理想的な結晶構造は3次元ダイヤモンド構造である。ダイヤモンド構造は、単位格子に8個の格子点を含み、そのうち4個ずつがそれぞれ独立の面心立方格子を作り、一方の格子が他方を立体対角線に沿ってその長さの1/4だけ平行に移動した位置を占めるものである。
【0024】
ダイヤモンド構造のフォトニック結晶は、球状の誘電体をダイヤモンド構造の格子点に配置した結晶や、誘電体柱の組み合わせでダイヤモンド構造の原子結合を模した結晶である。
【0025】
図1に示した3次元周期構造部100は、樹脂中にダイヤモンド型格子構造の空気孔を周期性をもって分布させたものである。このような構造を反転ダイヤモンド構造と称することができる。ここで格子部分を円柱状とし、その円柱部分の直径と長さの比率を2:3(アスペクト比1.5)、格子定数を10mmとしている。
【0026】
このように構成した3次元周期構造部100は、そのフォトニックバンドキャップにより、所定周波数帯域を減衰させる。したがって、遮断すべき周波数帯がフォトニックバンドキャップによる減衰帯域に一致するように、3次元周期構造部100を予め構成しておくことにより、3次元周期構造体101は、伝送すべき周波数帯域のみを伝送し、不要な周波数成分を遮断する伝送路として作用する。
【0027】
図13は図1の(A)に示した3次元周期構造体101の主要部を製造する装置を示している。ここで、15は紫外線で硬化するエポキシ系の光硬化性樹脂18を満たす容器である。16は容器15の内部で上下方向に移動するエレベータテーブル、19はエレベータテーブル16の上部に造形したオブジェクトである。17はオブジェクト19の上面に光硬化性樹脂18を所定膜厚だけ塗布するためのスキージである。
【0028】
また、10はレーザーダイオード、11はレーザーダイオード10からのレーザー光を波長変換して紫外光を発生させる調波発生素子(LBO)、12は波長選択素子としての音響光学素子(AOM)、13は走査ミラー、14はfθレンズである。これらによって光学系を構成している。
【0029】
このような光造形装置を用いたフォトニック結晶の製造手順は次のとおりである。
まず、エレベータテーブル16を光硬化性樹脂18の液面から所定深さまで降下させ、スキージ17を液面に沿った方向に移動させることによって、エレベータテーブル16の表面に厚さ約100μmの光硬化性樹脂膜を形成する。その状態で上記光学系によって波長355nmの紫外線レーザーをスポット径50μmのビームとして出力110mWでその液面に照射する。このとき走査ミラー13を制御しつつレーザーダイオード10を変調することによって、光硬化性樹脂18を硬化させるべき位置にレーザー光を照射し、その他の領域に照射しないように制御する。
【0030】
上記レーザービームの照射された光硬化性樹脂18の液面は、その重合反応により直径120μmの球状硬化相が形成される。この時、レーザービームを速度90m/sで走査すると、厚さ150μmの硬化相が形成される。
このようにレーザービームをラスタースキャンすることによって一層目の断面パターンに相当するオブジェクト19を形成する。
【0031】
次に、エレベーターテーブル16を約200μm降下させ、スキージ17の移動によって、オブジェクト19の表面に厚さ約200μmの光硬化性樹脂膜を形成する。
【0032】
その後、一層目と同様にしてレーザービームの走査および変調を行うことによって二層目の断面パターンを一層目の上に形成する。この時、上下の層は重合硬化により接合される。三層目以降は二層目と同様である。この処理を繰り返すことによってオブジェクト19を造形する。
【0033】
図14は、多数の層を形成した各段階でのオブジェクトの形状を透視斜視図として示している。但しここでは、図示を容易にするため、レーザービームが照射されずに硬化しなかった部分すなわち空気孔部分のパターンを示している。(A)は、ダイヤモンド構造の結晶軸〈111〉方向に略1ユニット分だけ造形した状態を示している。また(B)は、これを約4ユニット分造形した状態を示している。(C)は、更にこれを所定ユニット分繰り返して造形した状態を示している。
【0034】
図13に示した装置で、光硬化性樹脂18の液面に対して所定の断面パターンで光硬化性樹脂18を硬化させるために、CAD/CAMプロセスを用いる。すなわち、図14に示したようなパターンは、3次元データを扱うCADで予め設計し、その3次元構造のデータを一旦STL(Stereolithography)データに変換し、これをスライスソフトウェアによって、所定位置における2次元断面データの集合へ変換する。最後に、この2次元断面データからレーザービームをラスタースキャンさせる際にレーザーダイオードを変調するためのデータを作成する。このようにして用意したデータを基に、レーザービームの走査とともにレーザーダイオードの変調を行う。
【0035】
図15は、上述の光造形装置を用いて3次元周期構造体101を製造する手順を示している。まず、(A)に示すように所定厚さまで、誘電体層1′を光造形し、その後、(B)に示すように、対向する二側面が所定厚さの誘電体層1′、内部が3次元周期構造部100となるように光造形する。続いて、(C)に示すように、上層に誘電体層1′を光造形する。その後、誘電体層1′の表面に外導体8を無電解メッキ法により被覆形成する。このようにして、図1に示した3次元周期構造体101を得る。
【0036】
次に、第2の実施形態に係る伝送路の構成を図2、図3を基に説明する。
図2は伝送路の信号伝送方向に垂直な面での断面図である。ここで1は誘電体、2は空気孔であり、この誘電体1と空気孔2とが3次元の軸方向に周期性をもって分布した3次元周期構造部100を成している。但し、図1に示した3次元周期構造体とは異なり、所定箇所に信号伝搬方向に延びる空隙7を形成している。3次元周期構造部100の周囲には空気孔の無い所定厚さの誘電体層1′を形成していて、さらにその表面に外導体8を形成している。
【0037】
このように3次元周期構造体101内に空隙7を設けることにより、伝搬する電磁波に対する3次元周期構造体101の結晶構造が与える影響が変化する。この空隙7の形状・大きさ・位置などを適宜定めることによって、スプリアスモードの周波数を調整することができ、また遮断周波数帯域、帯域幅、減衰量などをある程度調整することができる。
【0038】
図3は図2とは異なった構造の伝送路について示している。(A)は信号伝搬方向に沿って切った縦断面図、(B)は信号伝搬方向に垂直な面で切った縦断面図である。図中20はプローブ、20′はその中心導体である。この例では、(B)に示すように、3次元周期構造部100の中央部に縦方向および信号伝搬方向に伸びる空隙7を形成している。そして,プローブの中心導体20′を空隙7内に挿入している。この空隙7が空洞導波路として作用し、その周囲の3次元周期構造部100は所定の不要周波数を遮断する。したがって、空隙7内に、伝送すべき周波数帯域の信号が集中して、空隙7が空洞導波路として作用する。
【0039】
図2・図3に示した例では、3次元空間内の所定寸法の空間を空隙で満たした例を示したが、同様にして、3次元空間内の所定寸法の空間を誘電体で満たしてもよい。
このような構造により、フィルタ機能を持った低損失な伝送路として用いることができる。
【0040】
次に、第3の実施形態に係るフィルタの構成を図4を参照して説明する。
(A)は斜視図、(B)はその縦断面図である。ここで、8は3次元周期構造体の外導体である。この外導体8を形成していない2つの開口部をパネル22a,22bで被っている。パネル22a,22bには、それぞれ同軸コネクタ23a,23bおよびそれらの中心導体に接続した結合ループ24a,24bを設けている。3次元周期構造体101は、第1または第2の実施形態で示した3次元周期構造体と同様である。但し、この3次元周期構造体101の対向する端面には結合ループ24a,24b部分を挿入するための空間を予め形成している。
【0041】
この3次元周期構造体101は基本的に空洞共振器または空洞導波管として作用するが、3次元周期構造部100の存在により、フォトバンドギャップに相当する周波数が減衰する。スプリアスモードの共振周波数を、その減衰周波数に合わせることによって、このフィルタは、上記減衰周波数の帯域を阻止する帯域阻止フィルタとして作用する。
【0042】
図5はこのフィルタの透過特性を示す図である。この例では、11[GHz]の帯域を減衰させる帯域阻止フィルタとして作用する。
【0043】
次に、第4の実施形態に係るフィルタの構成を図6を基に説明する。
図6の(A)はフィルタの外観斜視図、(B)はその主要部の断面図である。(C)は他の構造のフィルタの断面図である。ここで100は3次元周期構造部である。その外面には所定厚さの誘電体層1′を形成するとともに、突起部26を設けている。この突起部26は誘電体層1′から連続した誘電体である。この誘電体層1′の外面には外導体8を形成している。突起部26の根元部は外導体8を設けない窓部27としている。突起部26の表面には電極28を形成している。この電極28は窓部27を隔てて外導体8から絶縁している。
【0044】
このような構造であるため、3次元周期構造体101周囲の外導体8は空洞共振器のキャビティとして作用し、開口部27はその外部との間で結合用の窓として作用し、突起部26表面の電極28はプローブとして作用する。
【0045】
このように、光造形法により形成した3次元周期構造体に導体(電極)膜を形成するだけで、外部入出力部(プローブ)を一体的に備えたフィルタを構成することができる。
【0046】
図6の(C)は、窓部27部分を凹ませて、突起部26の根元を外導体8の上面より内部に入り込ませている。これに伴い、突起部26周囲の電極28は、その一部が外導体8による共振空間内に挿入される。このような構造によれば、プローブとしての電極28と共振器との結合を高めることができる。
【0047】
次に、第5の実施形態に係るアンテナの構成を図7を基に説明する。
図7はアンテナの部分斜視図である。ここで100は3次元周期構造部である。その周囲には所定厚さの誘電体層1′を形成している。この誘電体層1′の四側面には外導体8を形成している。また、外導体8の一部に複数の窓部27を配列形成している。この外導体8が導波管として作用し、これらの窓部27が電磁波の窓として作用し、導波管を伝搬する電磁波が、窓部27から放射される。
【0048】
これにより、3次元周期構造体101による所定周波数の減衰特性を利用して、不要な周波数成分の送信、または不要な周波数成分の受信を防止することができる。
なお、開口部27はスロット形状として、いわゆるスロットアンテナを構成してもよい。
【0049】
次に、第6の実施形態に係るアンテナの構成を図8を基に説明する。
図8は信号伝送方向に対し垂直な面での断面図である。100は3次元周期構造部であり、その周囲には所定厚さの誘電体層1′を形成し、その表面に外導体8を形成している。図7に示したアンテナと異なり、3次元周期構造部100は所定方向(この例では図8に示す縦方向)の位置に応じて結晶周期が次第に異なるように構成している。また、ha,hb,hc,hdはそれぞれ外導体8に設けた窓部である。図7に示したアンテナと異なり、四側面の全ての面に窓部ha〜hdを設けている。
【0050】
このように、3次元周期構造部100の結晶周期が所定の軸方向に沿って傾斜的に次第に変化していることによって、周波数に応じて指向性を変化させることができる。また、単一の側面だけでなく複数の側面に窓部を設けたことにより、周波数帯の異なった信号を所定方位に放射させることができる。
【0051】
なお、この3次元周期構造部100は、結晶周期が所定の軸方向に沿って傾斜的に変化しているので、電磁波の伝搬方向に応じてフォトニックバンドキャップが異なる。その結果、周波数に応じて異なった指向性を持たせることができる。
【0052】
次に、第7の実施形態に係る分波器の構成を図9を基に説明する。
図8に示した例では、外導体8に設けた窓部ha〜hdから電磁波を放射させるようにしたが、3次元周期構造部100の結晶周期と窓部の位置関係によって、各窓の放射効率の周波数特性が定まる。すなわち周波数毎に選択的に各窓から放射させることができる。したがって、図8に示した窓部から放射される電磁波を伝搬する伝送路を設けることによって、全体を分波器として用いることができる。図9はそれをブロック化して表したものである。この例では、3次元周期構造体の3つの側面に窓部を設けて、所定の窓部から入射された電磁波を他方の2箇所の窓部から分波出力する。
【0053】
次に、第7の実施形態に係るアイソレータの構成を図10を参照して説明する。
図10は、信号伝送方向に垂直な面での断面図である。このアイソレータは、3次元周期構造部100の周囲に所定厚さの誘電体層1′を設け、その表面に外導体8を被覆形成している。このようにして構成した3次元周期構造体は矩形導波管として作用する。但し、外導体8の中央に対して非対称の位置にフェライト板25を配置している。フェライト板25には、外部から直流磁界Hdcを印加する。TE10モードの矩形導波管内では、互いに90°位相の異なる振動磁界Hx,Hzが存在し、任意の一点において、その合成回転磁界はy−z平面で楕円編波している。この偏波の回転方向は、管軸を含むy−z平面の両側で反対となっている。また、正のz方向へ進む波と負のz方向へ進む波についても互いに反対となっている。したがって、直流磁界Hdcを適当に選ぶことにより、z軸の正方向に伝搬する波が正の回転磁界を生じて共鳴吸収により減衰し、負の方向に進む波が減衰しない。これにより、図10に示した素子はアイソレータとして作用する。その際、3次元周期構造部100の存在により、導波管4内を伝搬する不要周波数帯域が減衰するので、このアイソレータは、フィルタ機能を持ったアイソレータとして用いることができる。
【0054】
なお、フェライト25の左右の3次元周期構造部100は別体で構成してもよいが、3次元周期構造部100内にフェライト25を埋設するようにして両者を一体化し、その全体を3次元周期構造体として構成してもよい。
【0055】
次に、第9の実施形態に係るカプラの構成を図11を参照して説明する。
このカプラは、2つの伝送路を並べるとともに、その管壁に、両方の伝送路内の波を結合させるための結合要素を設けたものである。この例では結合要素として窓部ha,hbを管内波長の1/4波長分隔てて設けている。この構造により、ポート#1からポート#2の方向へ伝送される信号はポート#4方向へ同相で加わり出力されるが、ポート#3方向へは逆相で加わるため打ち消され出力されない。
【0056】
この2つの伝送路は第1または第2の実施形態で示した構造からなる。したがって、このカプラは、伝送すべき周波数帯域のみ伝送し、不要な周波数帯域を遮断するフィルタ機能を備えたカプラとして作用する。
【0057】
次に第10の実施形態に係るレーダの構成を図12を基に説明する。
図12において、31は発振器、32はその発振信号を増幅する増幅器、33は増幅器32への戻り信号を阻止するアイソレータ、34は送信信号の一部をローカル信号として取り出すカプラである。36はアンテナ、37はミキサである。35は送信信号をアンテナ36へ出力し、アンテナ36からの受信信号をミキサ37側へ出力するサーキュレータである。ミキサ37は受信信号とローカル信号とをミキシングして、そのビート信号を生成する。フィルタ38はそのビート信号のうち、必要な周波数成分を取り出して、受信中間周波信号IFとして出力する。
【0058】
上記アイソレータ33として、図10に示した構造のアイソレータを用い、上記カプラ34として、図11に示した構造のカプラを用い、上記アンテナ36として、図7または図8に示した構造のアンテナを用いる。また、各伝送路部分には、図1〜図3のいずれかに示した伝送路を用いる。
【0059】
このようにして、フィルタ機能を備えた高周波素子を用いることにより、小型、高感度、低スプリアス特性を備えたレーダを構成する。
【0060】
【発明の効果】
この発明によれば、所定寸法の3次元空間で、誘電率の異なる2つの物質が3次元の軸方向に周期性を持って分布し、3次元空間の外周に前記2つの物質のうち一方の物質を所定厚さの層を成すように被覆し、その被覆層の外面に導体膜を設けて3次元周期構造体を構成したことにより、外周部に必要な導体が一体化され、必要な部品点数が大幅に削減され、全体に小型化が図れる。 また、この発明によれば、前記2つの物質のうち一方の物質で満たす所定寸法の空間を前記3次元空間内に設けて3次元周期構造体を構成したことにより、局部的に周期性を崩した3次元周期構造体が容易に得られる。また、その空間の形状・大きさ・位置などを適宜定めることによって、スプリアスモードの周波数調整、遮断周波数帯域、帯域幅、減衰量などの調整が可能となる。
【0061】
また、この発明によれば、前記3次元周期構造体の導体膜で囲まれた空間内で共振する共振モードの電磁界に結合する結合部を備える共振器装置を構成したことにより、小型・軽量の共振器やフィルタが容易に得られる。
【0062】
また、この発明によれば、前記3次元周期構造体の導体膜で囲まれた空間内を伝搬する伝搬モードの電磁界に結合する結合部を設けたことにより、例えばフィルタ機能を備えた伝送路が得られる。
【0063】
また、この発明によれば、前記3次元周期構造体の導体膜に電磁波を透過する窓部を設けたことにより、フィルタ機能を備えたアンテナが得られる。
【0064】
また、この発明によれば、前記3次元周期構造体を、3次元の所定方向に応じて結晶周期が異なり、該結晶周期の異なる幾つかの方向に前記窓部を設けたことにより、単一のアンテナでありながら、種々の放射特性を有するアンテナが得られる。
【0065】
この発明によれば、前記アンテナの窓部に伝送路を配置したことにより、小型の分波器が得られる。
【0066】
この発明によれば、前記伝送路を信号伝送路の一部に備えてアイソレータを構成したことにより、特別な素子を設けることなくフィルタ機能を備えたアイソレータが得られる。
【0067】
この発明によれば、前記伝送路を信号伝送路の一部に備えてアイソレータを構成したことにより、特別な素子を設けることなくフィルタ機能を備えたカプラが得られる。
【0068】
この発明によれば、形成すべき断面パターンの光照射を光硬化性樹脂に対して層毎に繰り返す光造形法により前記3次元周期構造体の2つの物質のうち一方の物質の分布による構造体を形成し、外表面の導体膜を無電解メッキ法により形成するようにしたので、外周囲に導体を一体的に備えた3次元周期構造体を容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る伝送路の部分斜視図および断面図
【図2】第2の実施形態に係る伝送路の断面図
【図3】第2の実施形態に係る別の伝送路の断面図
【図4】第3の実施形態に係るフィルタの斜視図および断面図
【図5】同フィルタの特性図
【図6】第4の実施形態に係るフィルタの斜視図および断面図
【図7】第5の実施形態に係るアンテナの部分斜視図
【図8】第6の実施形態に係るアンテナの断面図
【図9】第7の実施形態に係る分波器のブロック図
【図10】第8の実施形態に係るアイソレータの構成を示す図
【図11】第9の実施形態に係るカップラの構成を示す図
【図12】第10の実施形態に係るレーダの構成を示す図
【図13】光造形装置の構成を示す図
【図14】同光造形装置によるオブジェクトの造形途中の状態を示す図
【図15】光造形法による3次元周期構造体の製造工程を示す図
【図16】誘電率の異なる物質が周期性をもって分布している時の2つの定在波を示す図
【符号の説明】
1−誘電体
1′−誘電体層
2−空気孔
7−空隙
8−外導体
10−レーザダイオード
11−調波発生素子(LBO)
12−音響光学素子(AOM)
13−走査ミラー
14−fθレンズ
15−容器
16−エレベータテーブル
17−スキージ
18−光硬化性樹脂
19−オブジェクト
20−プローブ
20′−中心導体
22−パネル
23−同軸コネクタ
24−結合ループ
25−フェライト
26−突起部
27,h−窓部
28−電極
31−発振器
32−増幅器
33−アイソレータ
35−サーキュレータ
36−アンテナ
37−ミキサ
100−3次元周期構造部
101−3次元周期構造体
Claims (11)
- 所定寸法の3次元空間で、誘電率の異なる2つの物質が3次元の軸方向に周期性をもって分布する3次元周期構造体であって、
前記3次元空間の外周に前記2つの物質のうち一方の物質を所定厚さの層を成すように被覆し、該被覆層の外面に導体膜を設けたことを特徴とする3次元周期構造体。 - 前記3次元空間内に前記2つの物質のうち一方の物質で満たす所定寸法の空間を設けたことを特徴とする請求項1に記載の3次元周期構造体。
- 請求項1または2に記載の3次元周期構造体と、該3次元周期構造体の導体膜で囲まれた空間内で共振する共振モードの電磁界に結合する結合部とを備えた共振器装置。
- 請求項1または2に記載の3次元周期構造体と、該3次元周期構造体の導体膜で囲まれた空間内を伝搬する伝搬モードの電磁界に結合する結合部とを備えた伝送路。
- 請求項1または2に記載の3次元周期構造体を備え、該3次元周期構造体の導体膜に、電磁波を透過する窓部を設けてなるアンテナ。
- 前記3次元周期構造体は、前記3次元の所定方向に応じて、結晶周期が異なり、該結晶周期の異なる幾つかの方向に前記窓部を設けた請求項5に記載のアンテナ。
- 請求項5または6に記載のアンテナと、該アンテナの窓部に配置した伝送路とから成る分波器。
- 請求項4に記載の伝送路を信号伝送路の一部に備えたアイソレータ。
- 請求項4に記載の伝送路を信号伝送路の一部に備えたカプラ。
- 請求項3に記載の共振器装置、請求項4に記載の伝送路、請求項5または6に記載のアンテナ、請求項7に記載の分波器、請求項8に記載のアイソレータ、または請求項9に記載のカプラのいずれかを備えた高周波装置。
- 形成すべき断面パターンの光照射を光硬化性樹脂に対して層毎に繰り返す光造形法により、請求項1または2に記載の3次元周期構造体の2つの物質のうち一方の物質の分布による構造体を形成し、請求項1に記載の導体膜を無電解メッキ法で形成することにより請求項1または2に記載の3次元周期構造体を製造する3次元周期構造体の製造方法。
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