JP2004015408A - スロットアレーアンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】スロットアレーアンテナに必要な周波数の帯域幅をもたせると、放射指向性の主ビームがアンテナの放射面に垂直になるようなスロットアレーアンテナ
【解決手段】スロットアレーアンテナを、スロットアレーアンテナ本体111と誘電体カバー116とから構成する。スロットアレーアンテナ本体111は、スロット板113を有し、このスロット板113の面P1に対して垂直方向114からチルト角θだけ傾いた方向の放射指向性の主ビーム115が設定される。誘電体カバー116は、外側の平面P3と内側の平面P4が傾斜角αをなし、屈折率nの誘電体材料で構成される。これにより、放射指向性の主ビーム115が誘電体カバー116を通過して屈折し、チルト角θが修正されて誘電体カバー116の外側の平面P3に対して垂直な方向になる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は複数の素子アンテナから構成され、複数のスロットを有するスロット板を有するスロットアレーアンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アレーアンテナは複数の素子アンテナを所定のパターンに配置し、単一のアンテナでは得られない特性を有するアンテナである。アレーアンテナを構成する各素子アンテナの位相を制御することによって、アレーアンテナ全体の指向性を制御することが可能である。したがって、アレーアンテナ本体を機械的に動かすことなく、アレーアンテナをビーム走査アンテナとしても利用することができる。
近年、無線通信技術の目覚ましい発展に伴って各種通信機器に割り当てられた周波数帯域が不足しがちである。これを補うために、周波数の有効利用とさらなる高域への移動に必要な技術開発が緊急課題になってきた。例えば、従来ほとんど基礎研究にしか用いられていないミリ波は、高度道路交通システム(ITS : Intelligent Transport System)に用いられるようになっている。近い将来、日本や欧米のような車社会において、ミリ波関連通信機器は家電並みに爆発的に利用されると予測されている。
【0003】
このようなミリ波通信の分野において、各種部品と装置がミリ波を用いる事が必要不可欠になると考えられる。ミリ波通信を担う最重要装置のひとつはアンテナである。ミリ波信号を送受信するためにはアンテナが必要であり、ミリ波通信には不可欠である。現在、ミリ波通信の研究開発に参加している世界中の研究機関、メーカは競って高性能なミリ波アンテナを開発している。今まで開発されたミリ波アンテナの構成はさまざまあるが、この中で特性的にかなり優れているミリ波アンテナのひとつはスロットアレーアンテナである。
スロットアレーアンテナはその名の通り、複数のスロットアンテナを素子アンテナとして、所定のパターンに配置したアレーアンテナである。各素子スロットアンテナの寸法と配置を決める事によって、所定の領域内に所望の電界分布を得ることができる。例えば、複数のスロットアンテナを二次元的に正方形領域内に配置し、一様な方向、位相と振幅の電界分布を得ることができる。このようなアンテナの放射特性は、一様な電界分布を有した開口面アンテナの放射特性と理論的にほぼ同じであるが、構成の自由度や電界分布の均一性が開口面アンテナより優れている点がある。
スロットアレーアンテナを複数並列に配置すると、広範囲で二次元的なスロットアレーアンテナを得ることができる。このような二次元的スロットアレーアンテナ(以下単にスロットアレーアンテナと称する)は各所で研究開発されており、高利得なアンテナのひとつとして下記文献にもあるように理論的にも実験的にも確認されている。
「76.5 GHz低サイドローブ一層構造導波管スロットアレーの試作特性」(2000年3月、電子情報通信学会総合大会、B−1−130)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
スロットアレーアンテナを設計するときは、通常、中心周波数にある程度の帯域幅をもたせるのが一般的である。すなわち、設定した中心周波数に対して実際に使用する周波数が中心周波数からずれても、所定の範囲内であればアンテナの放射指向性や、インピーダンス特性および反射特性等は劣化しない。中心周波数に対して所定の周波数の範囲内であれば、その周波数が使用できる。この周波数の範囲(幅)を帯域幅という。一般的に、この周波数の帯域幅は広ければ広いほどアンテナの評価が高くなるが、帯域幅は簡単に広げることはできない。
一方、スロットアレーアンテナの放射指向性の主ビームに所定の角度を持たせることによって帯域幅をある程度広げることができる。本来、スロットアレーアンテナの放射指向性の主ビームは、スロットアレーアンテナのスロット板に垂直になる。しかし、この放射指向性の主ビームをスロットの長さ方向にスロット板垂直方向から数度傾ける(この角度をチルト角という)ようにアンテナを設計すれば、帯域幅をある程度広げることができる。
【0005】
しかし、放射指向性の主ビームがチルト角を有していると、スロットアレーアンテナを送信または受信に使うときに不都合が生じる。すなわち、放射指向性の主ビームをターゲットに向けて電磁波の送受信を行うが、スロット板が送受信方向と垂直に向いていないため、送受信装置にアンテナを実装するときかなりの無駄なスペースが生じてしまう。また、アンテナの主ビームの方向を調整しなければならず、この調整に手間がかかる。
本願発明はこのような問題点を鑑み、スロットアレーアンテナに必要な周波数の帯域幅をもたせながら放射指向性の主ビームをみかけ上、アンテナの放射面に垂直になるようなスロットアレーアンテナを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、この発明のスロットアレーアンテナは、スロットアレーアンテナ本体と誘電体カバーとから構成される。
スロットアレーアンテナ本体は、スロット板を有し、このスロット板の面に対して垂直方向からチルト角θだけ傾いた方向の放射指向性の主ビームが設定されている。誘電体カバーは、外側の平面が、スロット判の面とほぼ平行に配置され、この外側の平面と内側の平面が傾斜角αをなし、屈折率nの誘電体材料で構成されている。この誘電体カバーの内側の平面が、スロットアレーアンテナ本体のスロット板と対向するように装着される。これにより、電磁波が誘電体カバーを通過して屈折し、チルト角θが修正されて誘電体カバーの外側の平面に対して垂直な方向になる。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明のスロットアレーアンテナを説明するにあたり、まずアンテナ本体の構造について説明する。
図2はスロットアレーアンテナの本体を示す斜視図である。スロットアレーアンテナ本体は、スロット板201と導波管の働きをするプレート202から構成されている。図2ではこのスロット板201とプレート202を分離した状態を示してある。一般的に、スロット板201は薄い導体板で構成されており、この導体上にスロット(切り口)203が複数設けられている。プレート202はやや厚目の導体板の上にあるひとつの給電口204からスロット板201上にあるすべてのスロット203に入力電磁波を給電できるように方形の溝205が設けられている。スロット板201とプレート202を重ねて接着すると、一列に並べられている導波管の管壁上にスロット203の列ができ、全体がスロットアレーアンテナ200となる。
スロット板201とプレート202に使われる導体の伝導率が高いほどオーミック損失が少なく、アンテナの低損失化に貢献する。また、スロット板201とプレート202の加工精度および接着精度もアンテナの放射特性に強い影響を及ぼす。
図3はスロット板201の平面図である。スロット203の形状は基本的に長方形であるが、加工の都合から両端にまるみをもたせてもよい。スロット203の長さは、導波管に入力される放射電磁波の波長λの約半分程度で、幅はその約20分の1程度である。また、同じ列の隣接しているスロットの中心間隔は導波管の管内波長λgと同じ程度である。
【0008】
図4はプレート202の平面図である。給電口204からプレート202に溝が設けられており、この溝は破線の円で囲まれている分岐432に導かれる。この分岐432は、スロット板201とプレート202を接着させた状態では、マイクロ波回路素子でいうH面分岐になる。給電口204から入力された電磁波はH面分岐432において左右に電力的に同相の電磁波に二等分される。ここでは、H面分岐432の給電口204から突き当たるところには突起433が設けられており、H面分岐432の整合棒の役割を果たしている。H面分岐432の左右につながっている溝434は、スロット板201とプレート202とを接着させた状態では導波管になる。この導波管をここでは給電導波管と呼ぶことにする。給電導波管434は給電口204の軸線に対して対称であるので、プレート202の構造の説明は片側だけで行う。
給電導波管434は、放射導波管437への給電口として機能するもので、断面寸法はほぼ給電導波管434の断面と同じ程度である。給電導波管434における放射導波管437への給電口に対応する部分438の反対側の壁面には、突起435が設けられている。この突起435は突起433と同様に、整合棒の役割を果たしている。また、給電導波管434の先端439と最終の給電口に対応する部分438までの距離は、反射波を抑制するために管内波長λgの約4分の1程度に設定されている。各給電口に対応する部分438から入力する電磁波は、中央の壁436に二等分され、2本の放射導波管437に給電される。スロット板201とプレート202を接着させた状態では、各放射導波管437に対応する管壁上に複数のスロットが配置され、アレーアンテナが得られる。このような構造のため、スロットアレーアンテナを構成する放射導波管437の数は、必ず4の倍数になる。所望の放射特性と使用周波数が決定されれば、放射導波管の数と各放射導波管管壁上のスロットの数も決まるので、アンテナ全体の寸法もほぼ決定される。
【0009】
図5は、スロット板201とプレート202を接着させた後のスロットアレーアンテナ200の斜視図である。放射導波管内の電磁波のモードは、TE10モードなので、スロットアレーアンテナ200の磁界方向51はスロットの長さ方向になり、またその電界方向52はスロットの幅方向になる。すべてのスロット203は同じ方向に配置されるので、スロットアレーアンテナ200の表面付近の電界方向は、スロットアレーアンテナ200の縁を除いてほぼ電界方向52と同じ方向になる。したがって、スロットアレーアンテナ200の電界方向52はその偏波方向とも言えるわけである。
一方、一般的にすべてのアンテナには可逆定理が成立しているため、送信特性と受信特性はまったく同じになる。したがって、以下に述べる説明は断りがない限りすべて送信の場合の説明であるが、受信の場合は同様であるためその説明は省略する。
【0010】
次に、スロットアレーアンテナの放射指向性の主ビームについて説明する。
図6は、スロットアレーアンテナの放射指向性の主ビームを説明するための図である。ここでは、一本の放射導波管60の一部分を用いて示しているが、放射指向性とは実際にはアンテナ全体の放射指向性である。図6ではチルト角をもたない、すなわちチルト角「ゼロ」の放射指向性を示している。ここで、隣接しているスロット601同士の中心間隔は放射導波管の管内波長λgの半波長に等しくなっている。図6のスロットアレーアンテナ60では、スロット板の垂直方向軸61に沿って放射指向性62が形成されている。すなわち、放射指向性の主ビームのチルト角が「ゼロ」なので、放射指向性62はスロット板に垂直になっているのである。なお、放射導波管60の給電口63は、スロット板と平行に設けられているため、入力電磁波64もスロット板と平行に入力される。
図7は、スロットアレーアンテナの放射指向性の主ビームを説明するための図で、チルト角θだけ放射導波管の給電口側に傾く場合を示している。図7の放射導波管70では、隣接しているスロット701同士の中心間隔Lが、管内波長λgの半波長である0.5λgより小さくなっている。なお、図示していないが入力電磁波等の条件は図6と同様である。このようにスロット701の中心間隔Lを0.5λgより小さくする事により、放射指向性72がスロット板の垂直方向61に対してθだけ給電口73側に傾く。
【0011】
図8は、スロットアレーアンテナの放射指向性の主ビームを説明するための図で、チルト角θだけ放射導波管の給電口の反対側に傾く場合を示している。図8の放射導波管80では、隣接しているスロット801同士の中心間隔Lが管内波長λgの半波長である0.5λgより大きくなっている。なお、図示していないが入力電磁波等の条件は図6と同様である。このようにスロット801の中心間隔Lを0.5λgより大きくする事により、放射指向性82がスロット板の垂直方向61に対してθだけ給電口83の反対側に傾く。
以上の説明において、スロット同士の間隔調整は、チルト角が生じることによって発生した各放射導波管内のインピーダンス不整合を抑制するために行われる。チルト角は所定の法則に従って決められるため、このチルト角の値で隣接しているスロット同士の中心間隔が計算できる。
【0012】
上述の説明を前提にした上で、この発明の実施例について説明する。
図1は、この発明の第1の実施例を説明する図である。なお、図1においては、説明を容易にするため、誘電体カバーを外した状態を示している。また、図9及び図10は、誘電体カバーを装着した状態での第1の実施例のスロットアレーアンテナを説明する図である。説明を容易にするため、放射導波管の軸に沿った断面図である図9と放射導波管の断面を含む断面図である図10を用いて説明する。
図1に示したこの発明の第1の実施例のスロットアレーアンテナは、放射指向性の主ビーム115が放射導波管の給電口112側に傾いている。図1においては、主ビーム115がスロットアレーアンテナ111のスロット板113の垂直方向114に対してチルト角θを有するスロットアレーアンテナ111と、この主ビーム115のチルト角θを補正する誘電体カバー(以下単に誘電体カバーと称する)116が示されている。
【0013】
第1の実施例の誘電体カバー116は、スロットアレーアンテナ111の周波数帯域において、低損失な誘電体材料でできており、電磁波をほとんど吸収せずに通過させる。言い換えれば、電磁波に対してほぼ影響を与えない材料である。また、この誘電体材料は、誘電率εを有するが、電磁波が入射されるとき、電磁波を反射させたり、屈折させたりするので、光線と透明なガラスの関係と同様である。したがって、光学で扱われている多くの法則は、そのまま電磁波と誘電体にも適用できることがよく知られている。例えば、誘電体カバーの誘電率がεで、比誘電率がεとすれば、屈折率nはほぼεの平方根に等しい。すなわち、〔数13〕のような関係式になる。
【数13】
Figure 2004015408
一方、この発明では放射指向性の主ビームのチルト角を補正するために、誘電体材料による電磁波の屈折現象を利用することが重要なポイントである。第1の実施例の誘電体カバー116は、基本的にスロットアレーアンテナのスロット板113の表面、すなわちアンテナの送受信面P1と平行な外側の平面P3および、平面P1と平行でない内側の平面P4を有する板状の誘電体で構成されている。この誘電体カバー116の内側の平面P4は、外側の平面P3に対して傾斜角αを有している。この傾斜角αは次式〔数14〕のようにして導かれる:
【数14】
Figure 2004015408
【0014】
図9は、主ビームがチルト角θを有するスロットアレーアンテナ111のスロット板側に誘電体カバー116を装着した状態を示している。この誘電体カバーの内側の表面P4で屈折して通過したスロットアレーアンテナ111の放射指向性117は、スロットアレーアンテナ111のスロット板に対して垂直方向114になっている。すなわち、主ビーム117が誘電体カバー116の外側の表面P3に垂直方向に向いているのである。したがって、スロットアレーアンテナ111が有する主ビームのチルト角は見かけ上略零度になり、前主ビームのチルト角が除去または抑制されたようになる。
図10は、放射導波管の断面を含むこの発明の第1の実施例のスロットアレーアンテナ111と誘電体カバー116の断面図を示している。放射導波管の断面118を通して給電された電磁波は、スロット板113の上に設けた図示しないスロットから放射される。また、誘電体カバー116の外側表面P3と内側表面P4は、図10においては平行のようにみえるが、実際には図9が示すように放射導波管軸に沿って、内側表面P4は外側表面P3に対して傾斜角αをなしている。
上述した第1の実施例は、放射指向性の主ビームが放射導波管の給電口側に傾いているときの実施例で、図7に示したケースに対する改善策である。
【0015】
図11はこの発明の第2の実施例のスロットアレーアンテナ121と誘電体カバー126を示す断面図である。図11に示した第2の実施例のスロットアレーアンテナ121は、放射指向性の主ビーム125が放射導波管の給電口122の反対側に傾いている。図11においては、主ビーム125がスロットアレーアンテナ121のスロット板123の垂直方向114に対してチルト角θを有するスロットアレーアンテナ121と、この主ビーム125のチルト角θを補正する誘電体カバー126が示されている。
第2の実施例の場合も、原理的には第1の実施例と同じである。すなわち、第2の実施例においても、使用周波数帯域において誘電体材料の比誘電率をεとした場合、屈折率nは〔数13〕で示されるように、ほぼ比誘電率εの平方根に等しい。
一方第2の実施例の誘電体カバー126も、外側の平面P5と内側の平面P6を有し、平面P6は平面P5に対して傾斜角αを有し、αは次式〔数15〕のように導かれる:
【数15】
Figure 2004015408
【0016】
図12は、主ビームがチルト角θを有するスロットアレーアンテナ121のスロット板123側に誘電体カバー126を装着した状態を示している。誘電体カバー126の内側の表面P6で屈折して通過したスロットアレーアンテナ121の放射指向性127は、誘電体カバー126の外側の表面P5に垂直な方向124に向いている。すなわち、主ビーム127は、スロットアレーアンテナ121のスロット板123に垂直な方向に向いているのである。したがって、スロットアレーアンテナ121が有している主ビームのチルト角が、見かけ上略零度になり、前記主ビームのチルト角が除去または抑制されたようになる。
図13は、放射導波管の断面を含む第2の実施例のスロットアレーアンテナ121と誘電体カバー126の断面図を示している。図13は図10と同様に示されている。この場合も図10と同様に、実際には図12が示すように放射導波管軸に沿って、誘電体カバー126の内側の平面P6は、外側の平面P5に対して傾斜角αをなしている。
第2の実施例は、放射指向性の主ビームが放射導波管の給電口の反対側に傾いているときの実施例で、図8に示したケースに対する改善策である。
【0017】
上述した式〔数14〕と式〔数15〕は同様な形をしているので、以下の式〔数16〕としてまとめることができる。
【数16】
Figure 2004015408
ここで、θはスロットアレーアンテナの主ビームのチルト角、αは誘電体カバーの外側の表面と内側の表面の形成する角度である。第1及び第2の実施例では、スロットアレーアンテナの主ビームのチルト角θ(=θ=θ)が2.8°で、誘電体カバーの材料としてはテフロン(登録商標)が用いられ、その比誘電率εは2.7である。式〔数13〕とによると屈折率nが比誘電率εの平方根に等しいため、n=1.64となる。したがって、式〔数16〕とを用いて計算すると、誘電体カバーの外側の表面と内側の表面のなす角度αは4.36°となる。
図14は、スロットアレーアンテナの主ビームのチルト角θと誘電体カバーの外側の表面と内側の表面の形成する角度αの関係を示した図である。図14においては、屈折率がそれぞれn=1.4、n=1.6、n=1.64、n=1.8及びn=2.0の特性が示されている。なお、n=1.64の場合における点131は第1および第2の実施例のθとαの関係を示す位置である。図14から明らかなように、屈折率nの値が大きくなるにつれて傾斜角αのちょっとした変動がチルト角に大きな影響を与えることがわかる。したがって、誘電体カバーを加工するとき、誘電体材料の比誘電率εまたは電磁波屈折率nが大きければ大きいほど傾斜角αの高い加工精度が要求されるわけである。実用的には屈折率nの値は略2以下になることが望ましい。
【0018】
第1及び第2の実施例のスロットアレーアンテナにおいては、通常のスロットアレーアンテナのスロット板から放射された電磁波が、誘電体カバーによって屈折されている。この動作を詳細に説明するため、スロットアレーアンテナ本体の動作と誘電体カバーにおける電磁波の屈折に分けて、第1及び第2の実施例のスロットアレーアンテナの動作説明を行う。
まず、スロットアレーアンテナ本体の動作を図5を用いて説明する。
スロットアレーアンテナ本体200の外観は図5に示される通りである。このスロットアレーアンテナ本体200の給電口204から電磁波を給電すると、電磁波は給電導波管を通過してそれぞれの放射導波管に給電される。さらに、放射導波管に給電された電磁波は、スロット板のスロット素子203から放射される。スロットアレーアンテナ本体200の内部の給電導波管および放射導波管を通過した過程で、各々のスロット素子に給電される電磁波の電力は、所定の分布(例えばテイラー分布や一様分布)に従うように調整されている。したがって、放射指向性の主ビームに放射電力が集中し、高い放射効率が得られる。放射効率が高ければ高いほど、放射電磁波がより遠方に届く。
【0019】
次に、誘電体カバーにおける放射電磁波の屈折について説明する。
図15は、誘電体カバーの内側の表面と外側の表面における放射電磁波の伝搬経路を示した図である。図15においては、スロットアレーアンテナの放射指向性主ビームが放射導波管給電口側(図においては左側)に傾く場合を示しており、図1の一部を拡大した図とみなすことが出来る。したがって、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図15において、点Aはスロット板113の表面の一点で、この点Aから放射指向性主ビームが放射されるものとして、その方向が図示されている。十分遠方からみれば一般的にアンテナを一点とみなすことができるので、放射指向性主ビームの出発点は点Aと考えられ、主ビーム150a、150bは一本の光線として考えることができる。主ビーム150aのチルト角はθなので、主ビーム150aとスロット板113の平面P1の垂線とがなす角度はθになる。主ビーム150aは誘電体カバー116の内側の平面P4と点Bにおいて交わる。誘電体カバー116の誘電体材料は比誘電率εを有するため、式〔数13〕とが示すように屈折率nも有する。光の場合と同じように、点Bにおいて主ビーム150aはスネルの法則に従って屈折し、方向が変わる。屈折した後の主ビーム150bは、一本の光線のように考えられるため、誘電体カバー116の外側の表面P3と点Cにおいて直交する。
主ビーム150bは誘電体カバー116の外側の表面P3の垂線方向(すなわちスロット板113の平面P1の垂直方向)になるので、誘電体カバー116を通過して外側に出ても方向を変えることなく、このまま遠方に伝搬する。このような条件の下で、誘電体カバー116の外側の表面P3に対する内側の平面P4の傾斜角αは決定される。図15が示すように、誘電体カバー116の内側の平面P4の垂線は、主ビーム150bとなす角度がθ+αで、屈折後の主ビーム150となす角度がαである。スネルの法則によれば、〔数17〕となり、
【数17】
Figure 2004015408
この式〔数17〕を解くと式〔数14〕が得られる。
【0020】
このように、誘電体カバー116の内側の表面P4による屈折で主ビーム150bの方向が誘電体カバー116の外側の表面P3およびスロット板113の平面P1に対して垂直になる。したがって、誘電体カバー116を装着したスロットアレーアンテナとしてみると、チルト角θが実質的に零度になる。しかし、スロットアレーアンテナ本体としては主ビームチルト角θが存在し、アンテナの周波数帯域が変わることなく、広帯域を維持できる。
図16は、誘電体カバーの内側の表面と外側の表面における放射電磁波の伝搬経路を示した図である。図16においては、スロットアレーアンテナの放射指向性主ビームが放射導波管給電口と反対側(図においては右側)に傾く場合を示しており、図11の一部を拡大した図とみなすことが出来る。したがって、図11と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
図16において、点Dはスロット板123の表面の一点で、この点Dから放射指向性主ビームが放射されるものとして、その方向が図示されている。図15の場合と同様に、主ビーム160a、160bは一本の光線として考えることができる。主ビーム160aのチルト角はθなので、主ビーム160aとスロット板123の平面P1の垂線とがなす角度はθになる。主ビーム160aは誘電体カバー126の内側の平面P6と点Eにおいて交わる。誘電体カバー126の誘電体材料は比誘電率εを有するため、〔数13〕が示すように屈折率nも有する。図15の場合と同様に、点Eにおいて主ビーム160aはスネルの法則に従って屈折し、方向が変わる。屈折した後の主ビーム160bは、誘電体カバー126の外側の表面P5と点Fにおいて直交する。
主ビーム160bは誘電体カバー126の外側の表面P5の垂線方向(すなわちスロット板123の平面P1の垂直方向)になるので、誘電体カバー126を通過して外側に出ても方向を変えることはない。このような条件の下で、誘電体カバー126の外側の表面P5に対する内側の平面P6の傾斜角αは決定される。
【0021】
上述のように、スロットアレーアンテナの主ビームをアンテナの真正面(平面P1の垂直方向)に補正するため、この発明の誘電体カバーの外側表面と内側表面のなす角度αの加工精度を0.1°以下にする必要がある。しかしながら、スロットアレーアンテナを量産するときにこのような高い精度を維持することは困難である。仮に、高い加工精度を実現できたとしても低価格化は実現できない。しかし、この誘電体カバーの加工精度が劣化することにより角度αが変動したとしても、この発明の誘電体カバーを通過したスロットアレーアンテナの主ビームの角度変動をアンテナ真正面から許される角度の範囲内に抑える事が出来れば、スロットアレーアンテナとしては許容範囲であり、低価格なスロットアレーアンテナの量産も可能である。そのために、誘電体カバーの加工精度による角度αの変動とスロットアレーアンテナの主ビームのチルト角θの関係を明らかにする必要がある。
図17は、誘電体カバーの内側の表面と外側の表面の角度がαの場合における放射電磁波の伝搬経路を示した図である。図17においては、スロットアレーアンテナの放射指向性主ビームが放射導波管給電口側(図においては左側)に傾く場合を示しており、図15に示した角度αが誘電体カバーの加工精度のばらつきにより角度αになった図とみなすことが出来る。したがって、図17では、図15と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0022】
上述したように、図17における誘電体カバー136の外側の表面P8に対する内側平面P7の傾斜角はαである。この傾斜角αが前述の〔数14〕に示したようなαと等しければ、図15に示したように誘電体カバー116を通過したスロットアレーアンテナの主ビーム150bが、誘電体カバー116の外側の表面P3と垂直をなし、スロットアレーアンテナの真正面からスロットアレーアンテナの主ビーム150bが放射するように見える。しかしながら、図17における誘電体カバー136の傾斜角はαでなくαであるため、誘電体カバー136の外側の表面P8から放射する主ビームは、表面P8に垂直ではなく、この垂直方向からチルト角θを有する。
スロットアレーアンテナ111のスロット板113の点Aから、放射指向性の主ビーム170aが図15と同様に垂直方向から角度θ傾いて放射される。この放射指向性の主ビーム170aは、誘電体カバー136の内側平面P7の点Gにおいて入射する。この平面P7の点Gにおける垂線は、放射指向性の主ビーム170aとなす角度がθ+αで、屈折後の主ビーム170bとなす角度はαとなる。スネルの法則によれば、これらの角度θ、α、αの関係は、〔数18〕となる。
【数18】
Figure 2004015408
また、誘電体カバー136の内側平面P7の点Gを通って、屈折後の主ビーム170bは、誘電体カバー136の外側表面P8の点Hに到達する。この外側表面P8に垂直な線(垂線)と屈折後の主ビーム170bは角度(傾斜角)αをなし、この角度αはα‐αに等しい。すなわち、下記〔数19〕のような関係になる。
【数19】
Figure 2004015408
さらに、屈折後の主ビーム170bが、誘電体カバー136の外側表面P8と点Hにおいて交わり、点Hを通った、誘電体カバー136の外側表面P8の垂線となす角度はαになる。さらに、屈折後の主ビーム170bが点Hを通過して屈折し、誘電体カバー136の外側に出ると主ビーム170cとなる。この主ビーム170cと点Hにおける垂線とがなす角度(チルト角)はθになる。スネルの法則によれば、〔数20〕となる。
【数20】
Figure 2004015408
式〔数18〕、式〔数19〕と式〔数20〕を用いてチルト角θを導出すると、次式〔数21〕が得られる。
【数21】
Figure 2004015408
【0023】
図18は式〔数21〕をグラフ化した特性図である。図14と同様に、誘電体カバー136の屈折率nをパラメータとして用いている。チルト角θが0になるときは、主ビーム170cが誘電体カバー136の外側表面P8と垂直になり、アンテナの真正面から放射することになる。また、傾斜角αが0のときはθ=θになり、アンテナの主ビームのチルト角の補正が行われない。
図18において、例えば屈折率nが 1.64のときに、傾斜角αが 4.36°になると、チルト角θは0になる。点201の座標は、上述の場合の位置を示している。もし点201におけるX座標である傾斜角αが約20%の範囲内で変動すれば、そのY座標であるチルト角θの値が約 0.5°の範囲内で変動する。チルト角θの変動は、屈折率nによって多少異なるが、実用的な屈折率nの値である、例えば2以下の範囲内であれば、傾斜角αは、チルト角θが0になる値から約20%の範囲内で変動すると、チルト角θは約 0.5°の範囲内に変動する。チルト角θの変動範囲は、実際のチルト角θの値からみれば約 20%以内で、アンテナを設置するときの誤差と同じ程度である。したがって、通常の使用目的においては許容範囲内である。
【0024】
図19においては、スロットアレーアンテナの主ビームが給電口側(図において左側)に傾く場合における主ビームの屈折過程およびその変動の説明を行った。しかしながら、主ビームが給電口と反対側に傾く場合においても、主ビームの屈折過程およびその変動は類似しており、図16を使った説明を用いれば同様に説明できるため、それらの説明は省略する。いずれの場合においても、誘電体カバー136の外側の表面P8に対する内側平面P7の傾斜角αの加工精度が20%の範囲内であれば、誘電体カバー136を通過後のスロットアレーアンテナの主ビーム170cがアンテナの真正面方向から略 0.5°以内の範囲で変動する。このような範囲内で収めるためには、実際のチルト角の値においては約 20%の範囲内で変動を抑える必要がある。
したがって、このような主ビームのチルト角θの変動を考慮して、誘電体カバー136を量産するときに、その外側の表面P8に対する内側平面P7の傾斜角はαの加工精度は、20%の範囲内に設定すればよい。すなわち、上述の〔数16〕から計算した値を中心にして、傾斜角αの変動範囲をその値の0.8倍から1.2倍の間にすればよい。
【0025】
図19は、この発明の第3の実施例を示す図である。図19においては、スロットアレーアンテナ111のスロット板側に誘電体カバー146を装着した状態を示している。この誘電体カバー146は、その内側の角に設けられた柱状または壁状の突起151を有している。誘電体カバー146をスロットアレーアンテナ111の上に実装するときに、この突起151がスロットアレーアンテナ111のスロット板113と直接接触するので、常に誘電体カバー146の外側の表面P9に対する内側の平面P10の傾斜角の値を安定させることができる。
図20は、放射導波管の断面を含むこの発明の第3の実施例のスロットアレーアンテナ111と誘電体カバー156の断面図である。誘電体カバー156の外側表面P11と内側表面P12は、図20においては平行のようにみえるが、実際には図16が示すように放射導波管軸に沿って、内側表面P12は外側表面P11に対して所定の傾斜角をなしている。なお、傾斜角の決定方法は、第1及び第2の実施例と同様であるため、その説明は省略する。
以上第1〜第3の実施例においては、誘電体カバーが放射指向性主ビームのチルト角を抑制するような傾斜角を有するものとしていた。しかしながら、誘電体カバーは、その傾斜角をスロットアレーアンテナ本体の放射指向性主ビームのチルト角や誘電体カバーの材料の屈折率等から計算せず、あらかじめ0.5度刻みぐらいで0度から20度ぐらいまでの傾斜角を有するものを作成しておくことも考えられる。このようにする事で、スロットアレーアンテナ本体を設置後に、誘電体カバーを選択する事によって、放射指向性主ビームの角度調整を行うことも可能である。
【0026】
この発明のスロットアレーアンテナは、ミリ波通信用に適したもので、ETCやITSのアンテナとして使われる。また、スロットアレーアンテナのスロット素子の数を増やせば放射利得がさらに高くなり、主ビーム幅も鋭くなる。したがって、パラボラアンテナのような高利得アンテナを必要とするシステムにも利用できる。応用例としては、例えば、電話通信基地局中継用アンテナ、テレビ基地局中継用アンテナ、衛星通信用アンテナ、電波天文学の電波望遠鏡用アンテナ等が挙げられる。
特に、パッチアレーアンテナ(Patch Array Antenna)やラジアルラインスロットアンテナ(Radial Line Slot Antenna)等のような平面アンテナ、またはパラボラアンテナ(Parabola Antenna)やホーンアンテナ(Horn Antenna)等のような開口面アンテナは他のアンテナと比べて比較的に高放射利得で、数百メガヘルツ帯から数十ギガヘルツ帯までの周波数帯域の使用に適している。これらのアンテナは鋭い放射指向性の主ローブまたは主ビームを有するので、実際に送受信アンテナとして使用するときに、主ビームの方向を所望の方向に合わせることはなかなか困難である。主ビームがアンテナの放射面の平面または開口面に完全に垂直であるならばアンテナの送受信方向を合わせることは幾分か簡単になるが、アンテナの設計の都合、およびアンテナの固定および設置の都合によって、主ビームが必ずしもアンテナの放射面の平面または開口面に垂直になるとは限らない。すなわち、上述の都合によって必然的に主ビームのチルト角が生じてしまう場合がある。
この発明に用いた誘電体カバーは、スロットアレーアンテナの主ビームのチルト角を補正するために説明してきたが、主ビームにチルト角を有する平面アンテナおよび開口面アンテナにも適用でき、同様な効果を発揮できることは言うまでもない。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のスロットアレーアンテナにおいては、スロット板の上に放射指向性主ビームのチルト角補正のために誘電体カバーを設けた。周波数バンド幅を広げるためには、スロットアレーアンテナの放射指向性主ビームにチルト角を持たせなければならない。しかしながら、この発明によれば、スロットアレーアンテナの放射指向性主ビームにチルト角を持たせたままで、アンテナの送受信方向がスロット板に垂直となるように補正できる。したがって、この発明のスロットアレーアンテナは、送受信装置に実装するとき、無駄なスペースがなくなるばかりでなく、アンテナの主ビーム方向の調整も不要で、通信装置の大きさと低コスト化に大きく貢献できる。
また、誘電体カバーの材料として、テフロン(登録商標)のような低損失で化学的に安定な材料を使用すれば、アンテナのスロット板はほこり、汚れ、衝撃、化学物質からの汚染が保護される。したがって、アンテナのスロット板を保護するために設けるレドームは不要になるため、さらに低コスト化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を説明する図である。
【図2】スロットアレーアンテナの本体を示す斜視図である。
【図3】スロット板の平面図である。
【図4】プレートの平面図である。
【図5】スロット板とプレートを接着させた後のスロットアレーアンテナの斜視図である。
【図6】スロットアレーアンテナの放射指向性の主ビーム(チルト角0°)を説明するための図である。
【図7】スロットアレーアンテナの放射指向性の主ビーム(チルト角が給電口側に傾いた場合)を説明するための図である。
【図8】スロットアレーアンテナの放射指向性の主ビーム(チルト角が給電口と反対側に傾いた場合)を説明するための図である。
【図9】主ビームがチルト角を有するスロットアレーアンテナのスロット板側に誘電体カバーを装着した状態を示す図である。
【図10】放射導波管の断面を含むこの発明の第1の実施例のスロットアレーアンテナと誘電体カバーの断面図である。
【図11】この発明の第2の実施例のスロットアレーアンテナと誘電体カバーを示す断面図である。
【図12】この発明の第2の実施例のスロットアレーアンテナのスロット板側に誘電体カバーを装着した状態を示した図である。
【図13】放射導波管の断面を含む第2の実施例のスロットアレーアンテナと誘電体カバーの断面図である。
【図14】スロットアレーアンテナの主ビームのチルト角と誘電体カバーの外側の表面と内側の表面の形成する角度の関係を示した図である。
【図15】誘電体カバーの内側の表面と外側の表面における放射電磁波の伝搬経路(スロットアレーアンテナの放射指向性主ビームが放射導波管給電口側に傾く場合)を示した図である。
【図16】誘電体カバーの内側の表面と外側の表面における放射電磁波の伝搬経路(スロットアレーアンテナの放射指向性主ビームが放射導波管給電口と反対側に傾く場合)を示した図である。
【図17】誘電体カバーの内側の表面と外側の表面における放射電磁波の伝搬経路(スロットアレーアンテナの放射指向性主ビームが誘電体カバーの外側の表面から傾いて放射される場合)を示した図である。
【図18】スロットアレーアンテナの主ビームのチルト角と誘電体カバーの外側の表面と内側の表面の形成する角度の関係を示した図である。
【図19】この発明の第3の実施例を示す図である。
【図20】放射導波管の断面を含むこの発明の第3の実施例のスロットアレーアンテナと誘電体カバーの断面図である。
【符号の説明】
111  スロットアレーアンテナ
112  給電口
113  スロット板
114  スロット板に対して垂直な方向
115  放射指向性の主ビーム
116  誘電体カバー

Claims (21)

  1. スロット板の面に対して垂直方向からチルト角θだけ傾いた方向の放射指向性の主ビームが設定されているスロットアレーアンテナ本体と、
    外側の平面が、前記スロット板の面とほぼ平行に配置され、この外側の平面と内側の平面が傾斜角αをなし、屈折率nの誘電体材料で構成された誘電体カバーとを有し、
    この誘電体カバーの内側の平面が前記スロットアレーアンテナ本体のスロット板と対向するように装着することにより、前記放射指向性の主ビームが前記誘電体カバーを通過して屈折し、前記チルト角θが修正されて前記誘電体カバーの外側の平面に対して垂直な方向になることを特徴とするスロットアレーアンテナ。
  2. 前記傾斜角αは下記計算式〔数1〕で計算される値にほぼ等しい請求項1記載のスロットアレーアンテナ。
    Figure 2004015408
  3. 前記傾斜角αは、〔数2〕から〔数3〕の範囲内で計算される値にほぼ等しい請求項1記載のスロットアレーアンテナ。
    Figure 2004015408
    Figure 2004015408
  4. 前記誘電体カバーは、前記スロット板と接触し、前記誘電体カバーを安定に固定させる突起を有する請求項1記載のスロットアレーアンテナ。
  5. 前記スロットアレーアンテナ本体は、前記スロット板と垂直な面に入出力電磁波の給電口を有し、前記放射指向性の主ビームは前記給電口側に前記チルト角θだけ傾いている請求項1記載のスロットアレーアンテナ。
  6. 前記スロットアレーアンテナ本体は、前記スロット板と垂直な面に入出力電磁波の給電口を有し、前記放射指向性の主ビームは前記給電口と反対側に前記チルト角θだけ傾いている請求項1記載のスロットアレーアンテナ。
  7. 前記スロットアレーアンテナ本体は、前記給電口から入力された電磁波が導かれる放射導波管を有し、前記誘電体カバーの内側の平面は前記放射導波管の長手方向に沿って傾斜している請求項1記載のスロットアレーアンテナ。
  8. スロット板の面に対して垂直方向からチルト角θだけ傾いたと、方向の放射指向性の主ビームが設定されているスロットアレーアンテナ本体を準備する工程
    屈折率nの誘電体材料で構成され、外側の平面が、前記スロット板の面とほぼ平行に配置され、この外側の平面と内側の平面がなす傾斜角を所定の角度だけ異ならせた複数の誘電体カバーを準備する工程と、
    前記スロットアレー本体を固定設置する工程と、
    前記複数の誘電体カバーのうち選択した一つの誘電体カバーの内側の平面が前記スロットアレーアンテナ本体のスロット板と対向するように装着することにより、前記放射指向性の主ビームが前記誘電体カバーを通過して屈折し、前記チルト角θが修正されて前記誘電体カバーの外側の平面に対して任意の方向に調整する工程とを有するスロットアレーアンテナの放射指向性の主ビームの方向調整方法。
  9. 記傾斜角をαとすると、この傾斜角αは下記計算式〔数4〕で計算される値にほぼ等しい請求項8記載のスロットアレーアンテナの放射指向性の主ビームの方向調整方法。
    Figure 2004015408
  10. 前記傾斜角をαとすると、この傾斜角αは〔数5〕から〔数6〕の範囲内で計算される値にほぼ等しい請求項8記載のスロットアレーアンテナの放射指向性の主ビームの方向調整方法。
    Figure 2004015408
    Figure 2004015408
  11. 前記誘電体カバーは、前記スロット板と接触し、前記誘電体カバーを安定に固定させる突起を有する請求項8記載のスロットアレーアンテナの放射指向性の主ビームの方向調整方法。
  12. 前記スロットアレーアンテナ本体は、前記スロット板と垂直な面に入出力電磁波の給電口を有し、前記放射指向性の主ビームは前記給電口側に前記チルト角θだけ傾いている請求項8記載のスロットアレーアンテナの放射指向性の主ビームの方向調整方法。
  13. 前記スロットアレーアンテナ本体は、前記スロット板と垂直な面に入出力電磁波の給電口を有し、前記放射指向性の主ビームは前記給電口と反対側に前記チルト角θだけ傾いている請求項8記載のスロットアレーアンテナの放射指向性の主ビームの方向調整方法。
  14. 前記スロットアレーアンテナ本体は、前記給電口から入力された電磁波が導かれる放射導波管を有し、前記誘電体カバーの内側の平面は前記放射導波管の長手方向に沿って傾斜している請求項12または13記載のスロットアレーアンテナの放射指向性の主ビームの方向調整方法。
  15. アンテナ面に対して垂直方向からチルト角θだけ傾いた方向の放射指向性の主ビームが設定されている平面アンテナ本体と、
    外側の平面が、前記アンテナ面とほぼ平行に配置され、この外側の平面と内側の平面が傾斜角αをなし、屈折率nの誘電体材料で構成された誘電体カバーとを有し、
    この誘電体カバーの内側の平面が前記平面アンテナのアンテナ面と対向するように装着することにより、前記放射指向性の主ビームが前記誘電体カバーを通過して屈折し、前記チルト角θが修正されて前記誘電体カバーの外側の平面に対して垂直な方向になることを特徴とする平面アンテナ。
  16. 前記傾斜角αは下記計算式〔数7〕で計算される値にほぼ等しい請求項15記載の平面アンテナ。
    Figure 2004015408
  17. 前記傾斜角αは、〔数8〕から〔数9〕の範囲内で計算される値にほぼ等しい請求項15記載の平面アンテナ。
    Figure 2004015408
    Figure 2004015408
  18. 前記誘電体カバーは、前記アンテナ面と接触し、前記誘電体カバーを安定に固定させる突起を有する請求項15記載の平面アンテナ。
  19. 開口面または開口面に相当する表面を有し、この開口面または表面に対して垂直方向からチルト角θだけ傾いた方向の放射指向性の主ビームが設定されている開口面アンテナ本体と、
    外側の平面が、前記開口面または表面とほぼ平行に配置され、この外側の平面と内側の平面が傾斜角αをなし、屈折率nの誘電体材料で構成された誘電体カバーとを有し、
    この誘電体カバーの内側の平面が前記開口面アンテナ本体の開口面または表面と対向するように装着することにより、前記放射指向性の主ビームが前記誘電体カバーを通過して屈折し、前記チルト角θが修正されて前記誘電体カバーの外側の平面に対して垂直な方向になることを特徴とする開口面アンテナ。
  20. 前記傾斜角αは下記計算式〔数10〕で計算される値にほぼ等しい請求項19記載の開口面アンテナ。
    Figure 2004015408
  21. 前記傾斜角αは、〔数11〕から〔数12〕の範囲内で計算される値にほぼ等しい請求項19記載の開口面アンテナ。
    Figure 2004015408
    Figure 2004015408
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