JP2004015255A - 撮像装置および撮像方法、画像処理装置および画像処理方法、並びにプログラムおよび記録媒体 - Google Patents

撮像装置および撮像方法、画像処理装置および画像処理方法、並びにプログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】多数の視点から見た被写体の画像を、容易に撮像する。
【解決手段】楕円ミラー111は、その2つの焦点fとfのうちの一方の焦点f側に位置する被写体から射出される光を反射する。この楕円ミラー111で反射された被写体からの光は、楕円ミラー111の他方の焦点fに向かって入射する。焦点fには、魚眼カメラ112が配置されており、魚眼カメラ112は、焦点fに向かって入射する光を受光し、これにより、被写体を撮像する。本発明は、例えば、多方位から被写体を撮像した画像データを生成する画像生成装置に適用できる。
【選択図】   図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置および撮像方法、画像処理装置および画像処理方法、並びにプログラムおよび記録媒体に関し、例えば、被写体を全方位から見たときの画像を、容易に取得し、表示することができるようにする撮像装置および撮像方法、画像処理装置および画像処理方法、並びにプログラムおよび記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の、例えば、CRT(Cathod Ray Tube)や、液晶パネル、プロジェクタなどを利用したディスプレイにおいては、例えば、ビデオカメラ(以下、適宜、単に、カメラともいう)で撮像された画像が表示されるが、その画像は、図1に示すように、カメラの位置を視点として見たものにすぎなかった。
【0003】
即ち、カメラでは、そのカメラの位置から見た被写体の画像が撮像されるにすぎず、従って、表示される画像も、被写体を、カメラの位置を視点として見たものにすぎなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、例えば、多数のカメラを被写体の周囲に設置して、被写体を撮像することにより、あるいは、一台のカメラを被写体の周囲の各位置に順次移動して、被写体を撮像することにより、被写体を、各方位から見た画像データを得ることができる。
【0005】
しかしながら、多数のカメラを被写体の周囲に設置する方法では、その多数のカメラが必要となる。また、カメラを被写体の周囲の各位置に順次移動する方法では、被写体を撮像するのに長時間を要することとなり、さらに、その間、被写体が静止している必要がある。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、1台のカメラであっても、多数の視点から見た被写体の画像を、容易に撮像すること等ができるようにするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の撮像装置は、被写体からの光を反射する、被写体を覆う状態に設置される凹面鏡と、凹面鏡で反射された光を受光することにより、被写体を撮像する撮像手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の撮像方法は、被写体を覆う状態に設置された凹面鏡によって、被写体からの光を反射し、凹面鏡で反射された光を受光することにより、被写体を撮像することを特徴とする。
【0009】
本発明の画像処理装置は、被写体を覆う状態に設置された凹面鏡によって、被写体からの光を反射し、凹面鏡で反射された光を受光することにより、被写体を撮像して得られる被写体の画像データの各画素の画素値に対応する光が、被写体から凹面鏡に向かうときの光線方向を求め、対応する画素の画素値と対応付けた画像情報を生成する光線方向処理手段を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の画像処理方法は、被写体を覆う状態に設置された凹面鏡によって、被写体からの光を反射し、凹面鏡で反射された光を受光することにより、被写体を撮像して得られる被写体の画像データの各画素の画素値に対応する光が、被写体から凹面鏡に向かうときの光線方向を求め、対応する画素の画素値と対応付けた画像情報を生成する光線方向処理ステップを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明のプログラムは、被写体を覆う状態に設置された凹面鏡によって、被写体からの光を反射し、凹面鏡で反射された光を受光することにより、被写体を撮像して得られる被写体の画像データの各画素の画素値に対応する光が、被写体から凹面鏡に向かうときの光線方向を求め、対応する画素の画素値と対応付けた画像情報を生成する光線方向処理ステップを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の記録媒体は、被写体を覆う状態に設置された凹面鏡によって、被写体からの光を反射し、凹面鏡で反射された光を受光することにより、被写体を撮像して得られる被写体の画像データの各画素の画素値に対応する光が、被写体から凹面鏡に向かうときの光線方向を求め、対応する画素の画素値と対応付けた画像情報を生成する光線方向処理ステップを備えるプログラムが記録されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の撮像装置および撮像方法においては、被写体を覆う状態に設置された凹面鏡によって、被写体からの光が反射され、凹面鏡で反射された光を受光することにより、被写体が撮像される。
【0014】
本発明の画像処理装置および画像処理方法、並びにプログラムおよび記録媒体においては、被写体を覆う状態に設置された凹面鏡によって、被写体からの光を反射し、凹面鏡で反射された光を受光することにより、被写体を撮像して得られる被写体の画像データの各画素の画素値に対応する光が、被写体から凹面鏡に向かうときの光線方向が求められ、対応する画素の画素値と対応付けた画像情報が生成される。
【0015】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明を適用した画像生成装置の一実施の形態の構成例を示している。この画像生成装置においては、被写体を複数の方位から見た画像データが生成されるようになっている。
【0016】
即ち、連続多視点光線取得光学系101は、被写体が周囲に射出する光線を取得し、全方位画像取得部102に供給する。具体的には、連続多視点光線取得光学系102は、凹面鏡で構成され、被写体を覆う状態に配置されており、被写体からの光を反射し、全方位画像取得部102に入射させる。
【0017】
全方位画像取得部102は、少なくとも光電変換を行う装置で構成され、連続多視点光線取得光学系101から入射する光を受光して光電変換を行うことで、被写体を、例えばフレーム(またはフィールド)周期で撮像し、その被写体の画像データを、画像記憶部103に供給する。
【0018】
画像記憶部103は、例えば、半導体メモリやハードディスクその他の記録媒体から構成され、全方位画像取得部102から供給される画像データを記憶する。
【0019】
次に、図3のフローチャートを参照して、図2の画像生成装置の処理(画像生成処理)について説明する。
【0020】
連続多視点光線取得光学系101では、被写体が周囲に射出する光が反射され、その反射光は、全方位画像取得部102に入射する。
【0021】
そして、ステップS101では、全方位画像取得部102が、連続多視点光線取得光学系101から入射する光を受光して光電変換を行うことで、被写体を撮像し、その結果得られる1フレームの画像データを、画像記憶部103に供給して、ステップS102に進む。ステップS102では、画像記憶部103が、全方位画像取得部102から供給される画像データを記憶し、ステップS103に進む。
【0022】
ステップS103では、ユーザによって、図示せぬ操作部が、画像データの撮像を終了するように操作(以下、適宜、撮像終了操作という)されたか否かが判定される。
【0023】
ステップS103において、撮像終了操作がされていないと判定された場合、ステップS101に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0024】
また、ステップS103において、撮像終了操作がされたと判定された場合、処理を終了する。
【0025】
以上のように、図2の画像生成装置では、連続多視点光線取得光学系101において、被写体が周囲に射出する光が反射され、全方位画像取得部102において、その反射光が受光されることにより、被写体の画像データが撮像される。従って、連続する全方位(複数の方位)から見た被写体の画像を、1つの全方位画像取得部102によって、容易に、リアルタイムで撮像することができる。
【0026】
次に、図4は、図2の連続多視点光線取得光学系101と全方位画像取得部102の第1実施の形態の構成例を示している。
【0027】
図4の実施の形態では、連続多視点光線取得光学系101は、楕円ミラー111で構成されている。
【0028】
楕円ミラー111は、楕円を長軸(または短軸)を中心に回転して得られる回転体を、長軸(または短軸)を通る平面で2分割したような形状を有している。また、楕円ミラー111は、その内部が中空になっており、内側に、光を反射する反射面が形成されている。そして、楕円ミラー111は、その2つの焦点fとfのうちの一方である焦点f側に、被写体が位置するように配置されている。
【0029】
全方位画像取得部102は、魚眼カメラ112で構成されている。即ち、全方位画像取得部102は、レンズとして、魚眼レンズ113が採用されたカメラ(ビデオカメラ)である魚眼カメラ112で構成されている。そして、魚眼カメラ112は、楕円ミラー111の、被写体が位置する方でない焦点fの位置に配置されている。即ち、魚眼カメラ112は、例えば、その光学中心が焦点fに一致し、魚眼レンズ113に、焦点fから射出して、楕円ミラー111の任意の点で反射され、焦点fに向かう光線すべてが入射するように配置されている。
【0030】
以上のように構成される連続多視点光線取得光学系101と全方位画像取得部102では、被写体が楕円ミラー111の内部に向かって射出する光線のうち、一方の焦点fを通るものが、楕円ミラー111で反射され、その反射光の光線は、楕円の性質によって、他方の焦点fに向かう。従って、焦点fの位置に設置されている魚眼カメラ112の魚眼レンズ113には、楕円ミラー111で反射された被写体からの光線が入射し、これにより、魚眼カメラ112では、その光線に対応する画像が撮像される。
【0031】
以上のようにして、魚眼カメラ112では、連続する全方位から見た被写体の画像が撮像される。
【0032】
次に、図5は、図2の連続多視点光線取得光学系101と全方位画像取得部102の第2実施の形態の構成例を示している。なお、図中、図4における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。
【0033】
図5の実施の形態では、連続多視点光線取得光学系101は、2つの放物面ミラー121Aと121Bで構成されている。
【0034】
放物面ミラー121Aおよび121Bは、いずれも、例えば、式y=xなどで表される放物線を、y軸を中心に回転して得られる回転体のような形状を有しており、その内側に、光を反射する反射面が形成されている。そして、放物面ミラー121Aと121Bは、それぞれの光軸が一致し、かつそれぞれの開口部分(放物線の頂点側と反対側)が対向するように配置されている。さらに、放物面ミラー121Aと121Bのうちの一方である放物面ミラー121Bは、被写体を覆う状態になるように、かつ、その焦点f’側に、被写体が位置するように配置されている。
【0035】
なお、放物面ミラー121Aと121Bとの間の距離は、任意の距離とすることができる。
【0036】
図5の実施の形態でも、全方位画像取得部102は、図4における場合と同様に、カメラ112のレンズとして魚眼レンズ113が採用された魚眼カメラで構成されている。そして、魚眼カメラ112は、その光学中心が、放物面ミラー121Aと121Bのうちの他方である放物面ミラー121Aの焦点f’の位置に一致し、放物面ミラー121Aの頂点(放物線の頂点)の方向を向くように配置されている。
【0037】
以上のように構成される連続多視点光線取得光学系101と全方位画像取得部102では、被写体が放物面ミラー121Bの内部に向かって射出する光線のうち、その焦点f’を通るものは、放物面ミラー121Bで反射され、その反射光は、放物線の性質によって、放物面ミラー121Bの光軸と平行な光線となって、放物面ミラー121Aに向かう。
【0038】
図5では、放物面ミラー121Aと121Bの光軸が一致しており、従って、放物面ミラー121Bからの光線は、放物面ミラー121Aの光軸と平行な光線として、放物面ミラー121Aの内部に入射する。
【0039】
そして、放物面ミラー121Aでは、その光軸と平行な光線が反射され、その反射光は、放物線の性質によって、放物面ミラー121Aの焦点f’に向かう光線となる。従って、この光線は、焦点fの位置に設置されている魚眼カメラ112の魚眼レンズ113に入射し、これにより、魚眼カメラ112では、その光線に対応する画像が撮像される。
【0040】
以上のようにして、図5でも、図4における場合と同様に、魚眼カメラ112において、連続する全方位から見た被写体の画像が撮像される。
【0041】
なお、放物面ミラー121Aと121Bの光軸は、実際には一致していなくても、等価的に一致していればよい。即ち、放物面ミラー121Aと121Bは、例えば、その光軸が同一平面内において直交するように配置することが可能である。但し、この場合、放物面ミラー121Aと121Bの光軸を、等価的に一致させるために、放物面ミラー121Aと121Bの光軸が存在する平面に直交し、それぞれの光軸と45度の角度をなすようにミラーを配置して、そのミラーによって、放物面ミラー121Bからの光線を、放物面ミラー121A側に反射する必要がある。
【0042】
次に、図6は、図2の画像生成装置で得られた画像データを表示する画像表示装置の一実施の形態の構成例を示している。なお、ここでは、図2画像生成装置において、連続多視点光線取得光学系101が、例えば、図4に示したように、楕円ミラー111で構成されるものとする。
【0043】
画像記憶部131には、図2の画像生成装置において、画像記憶部103に記憶された画像データが供給され、画像記憶部131は、その画像データを記憶する。再生部132は、画像記憶部131に記憶された画像データを、例えば、フレーム単位で読み出し、魚眼プロジェクタ133に供給する。
【0044】
魚眼プロジェクタ133は、プロジェクタ134と魚眼レンズ135で構成されており、プロジェクタ134は、再生部132から供給される画像データに対応する光を発し、魚眼レンズ135は、そのプロジェクタ134からの光を、周囲に放射する。ここで、魚眼レンズ135は、図4の魚眼カメラ112を構成する魚眼レンズ113と同一の光学特性を有しており、従って、魚眼プロジェクタ133では、図4の魚眼カメラ112で受光される光線が、その方向だけ逆向きにされて射出される。
【0045】
楕円ハーフミラー136は、図4の楕円ミラー111と相似の形状を有しており、魚眼プロジェクタ133が発する光を反射する。ここで、楕円ハーフミラー136は、図4の楕円ミラー111と同様に、2つの焦点fとfを有するが、その2つの焦点fとfのうちの一方である焦点fの位置に、魚眼プロジェクタ133が配置されている。即ち、魚眼プロジェクタ133は、例えば、その光学中心が焦点fの位置に一致するように配置されている。
【0046】
楕円ハーフミラー136の焦点fでない方の焦点fには、例えば、半球状のスクリーン137が配置されている。即ち、半球状のスクリーン137は、例えば、その中心が焦点fの位置に一致し、焦点fから射出して、楕円ハーフミラー136の任意の点で反射され、焦点fに向かう光線すべてが、その球面に入射するように配置されている。そして、スクリーン137は、楕円ハーフミラー136で反射されて入射する光を、その球面で受光して(拡散)反射し、これにより、スクリーン137の球面では、その光に対応する画像が表示される。
【0047】
次に、図7のフローチャートを参照して、図6の画像表示装置の動作について説明する。
【0048】
まず最初に、ステップS111において、再生部132は、画像記憶部131から1フレームの画像データを読み出し、魚眼プロジェクタ133に供給して、ステップS112に進む。ステップS112では、魚眼プロジェクタ133が、再生部132からの画像データに対応する光を発し、これにより、スクリーン137に、その光に対応する画像データを表示させ、ステップS113に進む。
【0049】
即ち、ステップS112では、魚眼プロジェクタ133が、再生部132からの画像データに対応する光を発し、この光は、楕円ハーフミラー136で反射される。ここで、魚眼プロジェクタ133が発する光は、上述したように、図4の魚眼カメラ112で受光される光を、その方向だけ逆向きにしたものになっている。従って、焦点fに配置されている魚眼プロジェクタ133から射出され、楕円ハーフミラー136で反射された光線は、図4における場合と同一の軌跡を逆向きに辿り、他方の焦点fに向かって入射する。そして、焦点fの位置に配置されているスクリーン137では、その光線が受光され、これにより、対応する画像が表示される。即ち、図4における被写体が発する光に対応する画像、つまり、被写体の画像が表示される。
【0050】
ステップS113では、ユーザによって、図示せぬ操作部が、画像データの表示を終了するように操作(以下、適宜、表示終了操作という)されたか否かが判定される。
【0051】
ステップS113において、表示終了操作がされていないと判定された場合、ステップS111に戻る。そして、ステップS111において、再生部132が、次のフレームの画像データを、画像記憶部131から読み出し、以下、同様の処理が繰り返される。
【0052】
また、ステップS113において、表示終了操作がされたと判定された場合、処理を終了する。
【0053】
以上のように、図6の画像表示装置では、魚眼プロジェクタ133において、焦点fから楕円ハーフミラー136の内部に向かって射出された光線が、図4における場合と同一の軌跡を逆向きに辿り、焦点fに向かう。そして、その光線は、焦点fの位置に設置されているスクリーン137で受光され、対応する画像が表示される。従って、半球状のスクリーン137では、図4における被写体が実際にあるかのような、いわば立体的な画像が、その球面に表示される。即ち、スクリーン137の球面には、図4における被写体の全方位の画像が表示される。
【0054】
その結果、ユーザは、スクリーン137の外側の位置から、楕円ハーフミラー136を介して、スクリーン137を見ることにより、その位置から実際の被写体を観察した場合と同様の画像を観察することができる。
【0055】
ここで、図6において、楕円ハーフミラー136は、スクリーン137で反射された光線の他、魚眼プロジェクタ133が発する光線の一部も透過させる。しかしながら、スクリーン137では光線が結像されるのに対して、魚眼プロジェクタ133が発する光線は結像していないので、ユーザが観察する画像が二重になることはない。
【0056】
なお、図2画像生成装置において、連続多視点光線取得光学系101が、例えば、図5に示したように、2つの放物面ミラー121Aおよび121Bで構成される場合には、例えば、図8の画像表示装置によって、図5における被写体の全方位の画像を表示することができる。
【0057】
即ち、図8の画像表示装置において、放物面ミラー138Aと138Bは、図5の放物面ミラー121Aと121Bとそれぞれ相似の形状を有しており、そのうちの一方である放物面ミラー138Aの焦点f’の位置には、図5で説明した魚眼プロジェクタ133が配置されている。また、他方の放物面ミラー138Bの焦点f’の位置には、例えば、球形のスクリーン139が配置されている。なお、放物面ミラー138Aと138Bの配置関係は、図5の放物面ミラー121Aと121Bの配置関係と一致している。
【0058】
ここで、図8においては、図示していないが、図8の魚眼プロジェクタ133には、図6における場合と同様に、再生部132から画像データが供給されるようになっている。
【0059】
図8の画像表示装置では、魚眼プロジェクタ133において、焦点f’から放物面ミラー138Aの内部に向かって、画像データに対応する光線が射出され、図5における場合と同一の軌跡を逆向きに辿り、放物面ミラー138Bの焦点f’に向かう。即ち、魚眼プロジェクタ133が発する光線は、放物面ミラー138Aで反射され、放物面ミラー138Aおよび138Bの光軸と平行な光線となって、放物面ミラー138Bに入射する。放物面ミラー138Bでは、放物面ミラー138Aからの光線が、焦点f’に向かって反射され、その反射光は、焦点fの位置に設置されているスクリーン139で受光される。これにより、スクリーン139では、受光された光に対応する画像が、その球面に表示される。従って、球状のスクリーン139では、図5における被写体が実際にあるかのような立体的な画像が、その球面に表示される。即ち、スクリーン139の球面には、図5における被写体の全方位の画像が表示される。
【0060】
その結果、ユーザは、スクリーン139の外側であり、かつ、放物面ミラー138Bの内側の位置から、スクリーン139を見ることにより、その位置から実際の被写体を観察した場合と同様の画像を観察することができる。
【0061】
次に、図9は、本発明を適用した画像生成装置の他の一実施の形態の構成例を示している。なお、図中、図2における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。即ち、図9の画像生成装置は、幾何処理部141が新たに設けられている他は、図2における場合と同様に構成されている。
【0062】
幾何処理部141は、全方位画像取得部102が出力する画像データを受信(取得)し、その画像データについて、所定の幾何学的処理を行うことで、画像データを構成する各画素の画素値と、その画素の画素値に対応する光の方向(光線方向)とを対応付けた画像情報を生成し、画像情報記憶部103に供給して記憶させる。
【0063】
即ち、例えば、いま、連続多視点光線取得光学系101が、図4に示したように、楕円ミラー111で構成されるものとすると、幾何処理部141は、全方位画像取得部102である魚眼カメラ112が出力する画像データを構成する各画素の画素値に対応する光線が、被写体から楕円ミラー111に向かうときの光線方向を求め、その光線に対応する画素の画素値と対応付ける。そして、幾何処理部141は、その画素値と光線方向とを対応付けた情報のセットを、画像情報として、画像記憶部103に供給する。
【0064】
次に、図10のフローチャートを参照して、図9の画像生成装置の処理(画像生成処理)について説明する。
【0065】
連続多視点光線取得光学系101である楕円ミラー111(図4)では、被写体が周囲に射出する光が反射され、その反射光は、全方位画像取得部102に入射する。
【0066】
そして、ステップS121において、全方位画像取得部102である魚眼カメラ112が、楕円ミラー111から入射する光を受光して光電変換を行うことで、被写体を撮像し、1フレームの画像データを、幾何処理部141に供給して、ステップS122に進む。ステップS122では、幾何処理部141は、魚眼カメラ112が出力する画像データを構成する各画素の画素値に対応する光線が、被写体から楕円ミラー111に向かうときの光線方向を求め、その光線に対応する画素の画素値と対応付けた画像情報を生成する。さらに、ステップS122では、幾何処理部141は、生成した画像情報を、画像記憶部103に供給し、ステップS123に進む。
【0067】
ステップS123では、画像記憶部103が、幾何処理部141から供給される画像情報を記憶し、ステップS124に進む。
【0068】
ステップS124では、ユーザによって、撮像終了操作がされたか否かが判定される。
【0069】
ステップS124において、撮像終了操作がされていないと判定された場合、ステップS121に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0070】
また、ステップS124において、撮像終了操作がされたと判定された場合、処理を終了する。
【0071】
以上のように、図9の画像生成装置においても、図2における場合と同様に、連続多視点光線取得光学系101において、被写体が周囲に射出する光が反射され、全方位画像取得部102において、その反射光が受光されることにより、被写体の画像データが撮像される。従って、連続する全方位(複数の方位)から見た被写体の画像を、1つの全方位画像取得部102によって、容易に、リアルタイムで撮像することができる。
【0072】
次に、図9の幾何処理部141の処理について詳述する。
【0073】
幾何処理部141は、連続多視点光線取得光学系101および全方位画像取得部102を、例えば、図11に示す、いわば逆魚眼センサ150と等価な光学系とするための処理を行う。
【0074】
図11の逆魚眼センサ150は、内部が空洞の半球形状の球面カバー151で構成されている。球面カバー151の内壁には、図11における拡大図に示すように、微小なスリット152と受光素子153のセットが多数が設けられている。
【0075】
スリット152は、細長い円柱の形状をしており、その内部には、ストローのように、穴が空いている。また、スリット152は、その内部に設けられた穴の方向と、球面カバー151の球面とが垂直になるように配置されており、さらに、その表面には、遮断膜が形成されている。従って、スリット152は、球面カバー151の中心から、その球面に向かう光線(球面カバー151に垂直な方向の光線)のみを、その内部の穴から通過させ、他の方向の光線を遮断する。
【0076】
受光素子153は、スリット152の2つの端部のうちの、球面カバー151側の端部に設けられており、スリット152の穴を通過してきた光線を受光して光電変換し、対応する画素値を出力する。
【0077】
以上のような逆魚眼センサ150においては、被写体が射出する光線のうち、球面カバー151の中心から、球面カバー151に向かうものが、球面カバー151の内壁に設けられたスリット152を通過する。このスリット152を通過した光線は、そのスリット152の端部に設けられた受光素子153で受光されて光電変換され、これにより、受光素子153からは、その光線の光量に対応する画素値が出力される。従って、逆魚眼センサ150によれば、被写体を、その全方位から見た画像データを撮像することができる。
【0078】
ここで、図4の魚眼カメラ112では、その光軸周りの全方位の画像データを撮像することができ、従って、全方位の被写体を感知できる魚眼センサということができる。
【0079】
一方、図11の逆魚眼センサ150では、ある被写体が、その全方位から感知される。従って、逆魚眼センサ151は、被写体が、その全方位から感知される点において、全方位の被写体を感知する図4の魚眼カメラ112と逆の機能を有することから、「魚眼センサ」である魚眼カメラ112に対して、「逆魚眼センサ」と呼ぶことができる。
【0080】
ところで、図11の逆魚眼センサ150において、ある程度の解像度の画像データを得るためには、スリット152と受光素子153のセットとして、画像データの解像度に応じた微小な大きさのものを用意する必要があり、その製造コストが膨大なものとなる。
【0081】
そこで、図9の幾何処理部141は、上述したように、連続多視点光線取得光学系101および全方位画像取得部102を、図11の逆魚眼センサ150と等価な光学系とするための処理を行う。
【0082】
即ち、図12は、図9の幾何処理部141の構成例を示している。
【0083】
幾何処理部141は、光線方向算出部161、角度変換部162、光線方向算出部163、角度変換部164、および画像情報生成部165で構成されている。
【0084】
光線方向算出部161には、全方位画像取得部102としての魚眼カメラ112(図4)が出力する被写体の画像データが供給されるようになっており、楕円ミラー111で反射された光線が魚眼カメラ112に向かうときの光線方向を算出し、角度変換部162に供給する。
【0085】
角度変換部162、光線方向算出部163、および角度変換部164は、光線方向算出部161で求められた光線方向に基づいて、被写体の画像データの各画素の画素値に対応する光線が、被写体から楕円ミラー111に向かうときの光線方向を算出し、画像情報生成部165に供給する。
【0086】
画像情報生成部165には、角度変換部162、光線方向算出部163、および角度変換部164で求められた光線方向の他、全方位画像取得部102としての魚眼カメラ112(図4)が出力する被写体の画像データが供給されるようになっており、その画像データを構成する各画素の画素値と、光線方向とを対応付けることにより、画像情報を生成し、画像記憶部103(図9)に供給する。即ち、画像情報生成部165は、魚眼カメラ112で被写体を撮像することにより得られる被写体の画像データの各画素の画素値に対応する光線が、被写体から楕円ミラー111に向かうときの光線方向と、その光線に対応する画素の画素値と対応付けた画像情報を生成し、画像記憶部103(図9)に供給する。
【0087】
次に、図13乃至図20を参照して、図12の光線方向算出部161、角度変換部162、光線方向算出部163、角度変換部164それぞれにおける処理について説明する。
【0088】
なお、ここでは説明を簡単にするために、魚眼カメラ112の魚眼レンズ113として、例えば、図13に示すような等距離射影方式の魚眼レンズ(いわゆるfθの魚眼レンズ)が採用されているものとする。但し、魚眼レンズ113としては、その他の方式、即ち、例えば、立体射影方式や、等立体角射影方式、正射影方式などの魚眼レンズを採用することが可能である。
【0089】
ここで、等距離射影方式の魚眼レンズ112によれば、その光軸に対する入射光の入射角をθとするとともに、魚眼レンズ112の焦点距離をfとすると、像高yは、fθで表される。
【0090】
従って、いま、図13に示すように、魚眼レンズ113の光軸と、魚眼カメラ112の受光面(例えば、CCD(Charge Coupled Device)などの受光面)112Aとの交点を受光面原点Pと表す場合において、入射角θの入射光Rが魚眼レンズ113に入射したときに、その入射光Rが受光面112Aで受光される点Pと、受光面原点Pとの間の距離rは、fθで表される。同様に、入射角θの入射光Rが魚眼レンズ113に入射したときに、その入射光Rが受光面112Aで受光される点Pと、受光面原点Pとの間の距離rは、fθで表される。そして、光線Rの入射角θが、光線Rの入射角θの、例えば2倍の角度である場合には、距離rも、距離rの2倍となる。
【0091】
以上のような等距離射影方式の魚眼レンズ113を有する魚眼カメラ112が出力する画像データは、一般に、例えば、図14に示すような楕円形となる。ここで、魚眼カメラ112が出力する画像データが楕円形となるのは、魚眼カメラ112の受光面112Aを構成する画素のアスペクト比が、一般には、1:1でないためである。即ち、受光面112Aを構成する画素のアスペクト比が1:1である場合には、魚眼カメラ112が出力する画像データは、円形となる。
【0092】
いま、魚眼カメラ112Aが出力する画像データについて、図14に示す2次元座標系を考え、受光面原点Pの座標を、(x,y)と表すこととする。なお、この受光面原点Pは、魚眼カメラ112が出力する画像データの楕円形状の中心となる。また、その楕円形状の長軸または短軸のうちの一方は、2次元座標系のx軸またはy軸のうちの一方と平行に、長軸または短軸のうちの他方は、2次元座標系のx軸またはy軸のうちの他方と平行に、それぞれ配置するものとする。
【0093】
この場合、魚眼カメラ112が出力する画像データの楕円形状のある点(画素)Pの座標(x,y)と、その点Pに結像する光線の光線方向との関係は、次式で表される。
【0094】
【数1】
Figure 2004015255
・・・(1)
【0095】
但し、式(1)において、rは、魚眼カメラ112が出力する画像データの楕円形状の長径または短径のうちの、x軸と平行な方の1/2の長さを表し、rは、長径または短径のうちの、y軸と平行な方の1/2の長さを表す。
【0096】
また、式(1)において、θは、図15に示すような、魚眼カメラ112(魚眼レンズ113)の光軸をz軸とするとともに、魚眼カメラ112の光学中心を原点とする3次元座標系において、魚眼レンズ113に入射する光線Rと、xy平面とがつくる角度を表す。さらに、式(1)において、φは、魚眼レンズ113に入射する光線Rをxy平面に射影した線と、x軸とがつくる角度を表す。なお、式(1)において、角度θとφの単位は、ラジアンである。
【0097】
式(1)から、tanφは、式(2)で表すことができる。
【0098】
【数2】
Figure 2004015255
・・・(2)
【0099】
式(2)から、角度φは、式(3)によって求めることができる。
【0100】
【数3】
Figure 2004015255
・・・(3)
【0101】
但し、式(3)の逆正接(arctangent)(tan−1)を計算するにあたっては、点Pが位置する象限を考慮する必要がある。後述する他の式における逆正接を計算する場合も同様である。
【0102】
式(1)と式(3)から、角度θは、式(4)によって求めることができる。
【0103】
【数4】
Figure 2004015255
・・・(4)
【0104】
光線方向算出部161(図12)は、式(3)および(4)にしたがい、魚眼カメラ112が出力する画像データを構成する各画素について、その画素で受光された光線の光線方向を表す角度θとφのセットを求め、その光線方向(θ,φ)を、後段の角度変換部162に供給する。
【0105】
角度変換部162は、光線方向算出部161から供給される光線方向(θ,φ)の表現形式を変換する。
【0106】
即ち、光線方向算出部161では、光線方向を表す角度θおよびφが求められるが、図15で説明したように、角度θは、魚眼レンズ113に入射する光線Rと、xy平面とがつくる角度を表し、角度φは、魚眼レンズ113に入射する光線Rをxy平面に射影した線と、x軸とがつくる角度を表す。
【0107】
いま、図15に示した3次元座標系のx軸を、図16に示すように、楕円ミラー111の焦点fおよびfを通るようにとり、また、角度θとφを、それぞれθとφと記述するものとする。なお、図15における3次元座標系は、魚眼カメラ112の光学中心を原点とするものであるから、図16における3次元座標系は、魚眼カメラ112の光学中心が位置する焦点fを原点とするものとなる。また、図16において、3次元座標系は、焦点fからfに向かう方向が、x軸の正の方向となるようにとられている。
【0108】
図16において、光線方向(θ,φ)の光線Rと、楕円ミラー111の交点Kの座標を、(X,Y,Z)と表すと、この座標(X,Y,Z)は、次式で表される。
【0109】
【数5】
Figure 2004015255
・・・(5)
【0110】
但し、式(5)では、説明を簡単にするため、図16において、点Kと焦点fとの間の距離が1であるとしてある。
【0111】
一方、図17に示すような、図16における場合と同一の3次元座標系において、光線Rが、焦点f周りに、x軸の負の方向とつくる角度をβと表すとともに、光線Rをyz平面に射影した線と、y軸とがつくる角度をγと表すこととすると、光線Rと、楕円ミラー111との交点K(X,Y,Z)は、次式で表すことができる。
【0112】
【数6】
Figure 2004015255
・・・(6)
【0113】
式(6)から、角度βおよびγは、式(7)で表すことができる。
【0114】
【数7】
Figure 2004015255
・・・(7)
【0115】
式(7)における点Kの座標(X,Y,Z)は、式(5)にしたがい、光線Rの光線方向を表す角度θおよびφを用いて求めることができる。そして、その点Kの座標(X,Y,Z)を用いて、式(7)を計算することにより、光線Rの光線方向を表す角度βおよびγを求めることができる。
【0116】
角度変換部162(図12)は、以上のようにして、光線方向算出部161から供給される、角度θおよびφで表される光線方向を、角度βおよびγで表される光線方向に変換し、その光線方向(β,γ)を、後段の光線方向算出部163に供給する。
【0117】
光線方向算出部163は、角度変換部162から供給される、光線Rの光線方向(β,γ)から、焦点fから点Kに向かう光線R’の光線方向を算出する。
【0118】
即ち、楕円ミラー111(図4)上の点Kから、魚眼カメラ112が配置されている焦点fに向かう光線Rは、図18に示すように、被写体が射出する光線のうちの、焦点fから点Kに向かう光線R’が、楕円ミラー111上の点Kで反射されたものであり、光線方向算出部163は、この光線R’の光線方向を算出する。
【0119】
ここで、図18に示すように、光線R’が、焦点f周りに、x軸の正方向とつくる角度をαと表す。また、焦点fおよびf、並びに光線R’が光線Rとして反射される楕円ミラー111上の点Kの3点を通る平面上において、楕円ミラー111の中心を原点とする2次元座標系を考え、その2次元座標系において、焦点fとfの座標が、それぞれ(−c,0)と(c,0)であるとする。さらに、楕円ミラー111の長径と短径は、それぞれ2aと2bであるとする。なお、図18では、x軸が長径方向に、y軸が短径方向に、それぞれ一致している。
【0120】
この場合、図18の楕円ミラー111(を表す楕円)は、次式で表すことができる。
【0121】
【数8】
Figure 2004015255
・・・(8)
【0122】
また、焦点fと楕円ミラー111上の任意の点K’とを結ぶ線分fK’、およびその任意の点K’と焦点fとを結ぶ線分K’fについては、その2つの線分fK’とK’fを加算した長さは、点K’に無関係に一定であるから、点K’として、楕円ミラー111とx軸との交点、および楕円ミラー111とy軸との交点を考えると、式(9)が成り立つ。
【0123】
【数9】
Figure 2004015255
・・・(9)
【0124】
式(9)から、焦点fおよびfの座標を表すcは、次式で表すことができる。
【0125】
【数10】
Figure 2004015255
・・・(10)
【0126】
また、図18の2次元座標系において、光線R’を表す直線は、角度αを用い、式(11)で表すことができる。
【0127】
【数11】
Figure 2004015255
・・・(11)
【0128】
光線R’が反射される点Kの座標は、式(11)を、式(8)に代入することにより求めることができる。そこで、式(11)を、式(8)に代入すると、式(12)が得られる。
【0129】
【数12】
Figure 2004015255
・・・(12)
【0130】
いま、tanαを、式(13)のようにおく。
【0131】
【数13】
Figure 2004015255
・・・(13)
【0132】
式(13)にしたがい、式(12)のtanαを、tで置き換えることにより、式(14)を得ることができる。
【0133】
【数14】
Figure 2004015255
・・・(14)
【0134】
式(14)を、xについて解くことにより、点Kのx座標を表す式(15)を得ることができる。
【0135】
【数15】
Figure 2004015255
・・・(15)
【0136】
一方、b/aを、式(16)のようにおく。
【0137】
【数16】
Figure 2004015255
・・・(16)
【0138】
式(16)を用いて、式(10)を変形すると、式(17)が得られる。
【0139】
【数17】
Figure 2004015255
・・・(17)
【0140】
いま、√(1−r)を、式(18)のようにおく。
【0141】
【数18】
Figure 2004015255
・・・(18)
【0142】
式(18)にしたがい、式(17)の√(1−r)を、r’で置き換えることにより、式(19)を得ることができる。
【0143】
【数19】
Figure 2004015255
・・・(19)
【0144】
式(19)のcを、式(15)に代入することにより、式(15)のxは、次式で表すことができる。
【0145】
【数20】
Figure 2004015255
・・・(20)
【0146】
但し、式(20)において、t’は、次式で表される。
【0147】
【数21】
Figure 2004015255
・・・(21)
【0148】
式(20)を、式(13)とともに、式(11)に代入することにより、光線R’が反射される楕円ミラー111上の点Kのy座標は、式(22)で表すことができる。
【0149】
【数22】
Figure 2004015255
・・・(22)
【0150】
ところで、光線R’が楕円ミラー111上の点Kで反射された後の光線Rを表す直線は、角度βを用い、式(23)で表される。
【0151】
【数23】
Figure 2004015255
・・・(23)
【0152】
点Kは、光線R’を表す直線上の点である他、光線Rを表す直線上の点でもあるから、式(19)のc、式(20)のx、式(22)のyを、式(23)に代入することにより、式(24)を得ることができる。
【0153】
【数24】
Figure 2004015255
・・・(24)
【0154】
ここで、tan(π−β)は、式(25)に示すように、−tanβに等しい。
【0155】
【数25】
Figure 2004015255
・・・(25)
【0156】
式(24)と(25)から、tanβは、式(26)で表すことができる。
【0157】
【数26】
Figure 2004015255
・・・(26)
【0158】
式(26)の右辺における分母と分子に、±t’+r’を乗算して整理すると、式(27)を得ることができる。
【0159】
【数27】
Figure 2004015255
・・・(27)
【0160】
式(27)に、式(13)のt、式(16)のr、式(18)のr’、式(21)のt’を代入することにより、式(28)を得ることができる。
【0161】
【数28】
Figure 2004015255
・・・(28)
【0162】
式(28)から、光線Rの光線方向を表す角度βを、その光線Rが点Kで反射される前の光線R’の光線方向を表す角度αに変換することができる。
【0163】
なお、角度αは、光線R’が、焦点f周りに、x軸の正方向とつくる角度を表す。従って、いま、例えば、図19に示すように、図16および図17に示した3次元座標系の原点を焦点fの位置に移動した3次元座標系を考えた場合、光線R’の光線方向を特定するには、角度αの他、例えば、光線R’をyz平面に射影した線と、y軸とがつくる角度が必要となる。
【0164】
ところで、光線R’と、その光線R’が楕円ミラー111上の点Kで反射されることにより得られる光線Rとは、x軸を含む同一平面上に存在する。従って、図19において、光線R’をyz平面に射影した線と、y軸とがつくる角度は、図18において、光線Rをyz平面に射影した線と、y軸とがつくる角度γに等しい。従って、光線R’をyz平面に射影した線と、y軸とがつくる角度としては、角度変換部162から光線方向算出部163に供給される光線Rの光線方向を表す角度γを、そのまま採用することができる。
【0165】
光線方向算出部163は、以上のようにして、角度変換部162から供給される光線Rの光線方向(β,γ)から、その光線Rが楕円ミラー111で反射される前の光線R’の光線方向を表す角度αおよびγを算出し、その光線方向(α,γ)を、後段の角度変換部164に供給する。
【0166】
角度変換部164は、光線方向算出部163から供給される光線方向(α,γ)の表現形式を変換する。
【0167】
即ち、光線方向算出部163では、光線方向を表す角度αおよびγが求められるが、角度αは、図18で説明したように、光線R’が、焦点f周りに、x軸の正方向とつくる角度を表し、角度γは、図19で説明したように、光線R’をyz平面に射影した線と、y軸とがつくる角度を表す。
【0168】
角度変換部164は、この光線R’の光線方向を表す角度αおよびγを、例えば、図20に示す角度θおよびφに変換する。
【0169】
即ち、図20では、図19における場合と同一の3次元座標系がとられており、角度変換部164は、光線R’の光線方向を表す角度として、光線R’とxy平面との間の角度θ、および光線R’をxy平面に射影した線とx軸との間の角度φを求める。
【0170】
ここで、z軸の正方向を北極として、図20における3次元座標系の原点付近に地球を想定すると、角度θとφは、それぞれ緯度と経度と言うことができる。
【0171】
角度変換部164は、光線方向算出部163から供給される、光線R’の光線方向を表す角度αおよびγを、例えば、次のようにして、図20に示す角度θおよびφに変換する。
【0172】
即ち、いま、図19の3次元座標系において、光線R’が反射する点Kの座標を、(X,Y,Z)と表すこととすると、この座標(X,Y,Z)は、光線方向を表す角度αとγを用い、図19から、次式で求めることができる。
【0173】
【数29】
Figure 2004015255
・・・(29)
【0174】
なお、ここでは、説明を簡単にするために、焦点fから点Kまでの長さを1としてある。
【0175】
一方、図19と同一の、図20の3次元座標系において、点Kの座標(X,Y,Z)は、光線方向を表す角度θとφを用い、図20から、次式で表すことができる。
【0176】
【数30】
Figure 2004015255
・・・(30)
【0177】
式(30)における点Kの座標(X,Y,Z)は、式(29)により、角度αおよびγから求めることができ、さらに、式(30)から、角度θとφは、式(31)によって求められることになる。
【0178】
【数31】
Figure 2004015255
・・・(31)
【0179】
角度変換部164は、以上のようにして、光線R’の光線方向を表す緯度と経度それぞれとしての角度θとφを求め、後段の画像情報生成部165に供給する。
【0180】
そして、画像情報生成部165は、角度変換部164で求められた光線方向(θ,φ)と、全方位画像取得部102としての魚眼カメラ112(図4)が出力する被写体の画像データを構成する各画素の画素値とを対応付けることにより、画像情報を生成し、画像記憶部103(図9)に供給する。
【0181】
即ち、光線方向(θ,φ)は、焦点f側にある被写体から射出された光線R’の光線方向を表す。また、光線R’は、楕円ミラー111で反射されることにより、光線R(図18)とされ、この光線Rは、魚眼カメラ112(図4)が配置されている焦点fに向かい、魚眼カメラ112の受光面112A(図13)上の画素で受光される。そして、魚眼カメラ112は、光線Rを受光した画素について、その光線Rの光量に対応する画素値を出力する。画像情報生成部165では、その画素の画素値と、光線方向(θ,φ)とが対応付けられることにより、画像情報が生成される。
【0182】
以上のようにして、幾何処理部141(図9)では、魚眼カメラ112で被写体を撮像することにより得られる被写体の画像データの各画素の画素値に対応する光線Rが、被写体から楕円ミラー111に向かうときの光線方向(光線R’の光線方向)(θ,φ)と、その光線Rに対応する画素の画素値とを対応付けた画像情報が生成される。
【0183】
なお、上述の場合には、連続多視点光線取得光学系101(図9)が、楕円ミラー111(図4)で構成されるものとして、幾何処理部141の処理を説明したが、連続多視点光線取得光学系101が、放物面ミラー121Aおよび121B(図5)で構成される場合であっても、上述の場合と同様の画像情報を生成することが可能である。
【0184】
次に、図21は、図9の画像生成装置で得られた画像データを表示する画像表示装置の一実施の形態の構成例を示している。なお、図中、図6における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。即ち、図21の画像表示装置は、画像変換部171が新たに設けられているとともに、楕円ハーフミラー136およびスクリーン137に代えて、スクリーン172が設けられている他は、基本的に、図6における場合と同様に構成されている。
【0185】
但し、図21の実施の形態では、画像記憶部131には、図9の画像生成装置における画像記憶部103に記憶された画像情報が記憶される。従って、再生部132は、画像記憶部131に記憶された画像情報を読み出し、画像変換部171に供給する。
【0186】
画像変換部171は、再生部132から供給される画像情報における画像データを変換し、魚眼プロジェクタ133に供給する。
【0187】
即ち、画像変換部171は、魚眼プロジェクタ133が画像情報における画像データを構成する各画素の画素値に対応して発する光線の光線方向が、画像情報において、その画素の画素値と対応付けられている光線方向に一致するように、画像情報における画像データを変換する。
【0188】
ここで、画像情報においては、上述したように、画素の画素値と、光線方向とが対応付けられているが、この画像情報における光線方向は、被写体から射出される光線R’の光線方向(θ,φ)であり、その光線方向(θ,φ)と対応付けられている画素の画素値は、光線R’が楕円ミラー111(図4)で反射されることにより光線Rとされ、その光線Rが魚眼カメラ112で受光されることにより得られる画素の画素値である。
【0189】
従って、画像情報における画素の画素値に対応する光量の光線を、その画素の画素値と対応付けられている光線方向(θ,φ)に射出した場合には、実際の被写体が光線を射出している状態と等価な状態を実現することができる。
【0190】
そこで、画像変換部171は、魚眼プロジェクタ133が画像情報における画像データを構成する各画素の画素値に対応して発する光線の光線方向が、画像情報において、その画素の画素値と対応付けられている光線方向(θ,φ)に一致するように、画像情報における画像データを変換し、魚眼プロジェクタ133に供給する。
【0191】
ここで、画像変換部171で変換が行われた後の、実際の被写体が射出している光線と等価な光線に対応する画像データを、等価画像データというものとすると、画像変換部171において、再生部132から供給される画像情報における画像データから等価画像データへの変換は、例えば、次のようにして行われる。
【0192】
即ち、魚眼プロジェクタ133の魚眼レンズ135は、上述したように、図4の魚眼カメラ112を構成する魚眼レンズ113と同一の光学特性を有しており、従って、等価画像データについて、図14に示した2次元座標系と同一の2次元座標系を定義すると、その2次元座標系におけるある点Pの座標(x,y)と、魚眼レンズ135から射出される光線の光線方向(θ,φ)との間には、上述した式(1)の関係が成立する。
【0193】
また、式(1)における光線方向を表す角度θとφは、画像情報において各画素の画素値と対応付けられている光線方向を表す角度θとφにそれぞれ対応するものである。
【0194】
従って、式(1)における角度θとφに、画像情報における光線方向を表す角度θとφを代入して式(1)を計算することにより得られる座標(x,y)の位置の画素の画素値として、画像情報において光線方向(θ,φ)と対応付けられている画素の画素値を採用することにより、等価画像データが得られることになる。
【0195】
画像変換部171は、上述のようにして、画像情報における画像データを、等価画像データに変換して、魚眼プロジェクタ133に供給する。
【0196】
スクリーン172は、例えば、内部が空洞の半球状のスクリーンであり、光を散乱するすりガラスなどによって構成されている。スクリーン172は、魚眼プロジェクタ133が射出する光線を、その内部で受光して拡散反射(散乱)することにより、その表面に、対応する画像を表示する。即ち、スクリーン172では、いわゆるバックプロジェクションにより画像が表示される。なお、半球状のスクリーン172は、例えば、その中心が、魚眼プロジェクタ133の光学中心に一致する位置に配置されている。
【0197】
次に、図22のフローチャートを参照して、図21の画像表示装置の処理について説明する。
【0198】
まず最初に、ステップS131において、再生部132は、画像記憶部131から1フレームの画像情報を読み出し、画像変換部171に供給して、ステップS132に進む。ステップS132では、画像変換部171は、再生部132から供給される画像情報における画像データを、上述したようにして等価画像データに変換し、魚眼プロジェクタ133に供給して、ステップS133に進む。ステップS133では、魚眼プロジェクタ133が、画像変換部171からの画像情報における等価画像データに対応する光を発し、これにより、スクリーン172に、その光に対応する画像を表示させ、ステップS134に進む。
【0199】
即ち、ステップS133では、魚眼プロジェクタ133が、画像変換部171からの等価画像データを構成する各画素の画素値に対応する光線を発するが、この光線の光線方向は、画像情報において、その画素の画素値に対応付けられている光線方向(θ,φ)に一致している。そして、この光線は、スクリーン172の内部で受光され、これにより、対応する画像が表示される。即ち、図9の画像生成装置において撮像された被写体が発する光に対応する画像、つまり、被写体の画像が表示される。
【0200】
ステップS134では、ユーザによって、図示せぬ操作部が、画像データの表示を終了するように操作(表示終了操作)されたか否かが判定される。
【0201】
ステップS134において、表示終了操作がされていないと判定された場合、ステップS131に戻る。そして、ステップS131において、再生部132が、次のフレームの画像データを、画像記憶部131から読み出し、以下、同様の処理が繰り返される。
【0202】
また、ステップS134において、表示終了操作がされたと判定された場合、処理を終了する。
【0203】
以上のように、図21の画像表示装置では、画像変換部171において、画像情報における画像データが等価画像データに変換され、魚眼プロジェクタ133に供給される。そして、魚眼プロジェクタ133において、実際の被写体が発する光線と等価な光線が射出され、この光線は、すりガラスでなる半球状のスクリーン172で受光される。従って、半球状のスクリーン172では、図9の画像生成装置で撮像された被写体が実際にあるかのような画像が、その球面に表示される。即ち、スクリーン172の球面には、被写体の全方位の画像が表示される。
【0204】
その結果、ユーザは、スクリーン172の外側から、スクリーン172を見ることにより、その位置から実際の被写体を観察した場合と同様の画像を観察することができる。
【0205】
なお、図21の画像表示装置において、画像記憶部131には、図9の画像生成装置で得られた画像情報における画像データを、あらかじめ等価画像データに変換したものを記憶させておくことができる。この場合、図21の画像表示装置は、画像変換部171を設けずに構成することができる。
【0206】
次に、図23は、図2の画像生成装置で得られた画像データを表示する画像表示装置の他の一実施の形態の構成例を示している。なお、図中、図6または図21における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。即ち、図23の画像表示装置は、幾何処理部181が新たに設けられている他は、基本的に、図21における場合と同様に構成されている。
【0207】
但し、図23の実施の形態では、画像記憶部131には、図2の画像生成装置における画像記憶部103に記憶された画像データが記憶される。従って、再生部132は、画像記憶部131に記憶された画像データを読み出し、幾何処理部181に供給する。
【0208】
幾何処理部181は、図9における幾何処理部141と同様に、再生部132から供給される画像データについて、所定の幾何学的処理を行うことで、画像データを構成する各画素の画素値と、その画素の画素値に対応する光の光線方向とを対応付けた画像情報を生成し、画像変換部171に供給する。
【0209】
次に、図24のフローチャートを参照して、図23の画像表示装置の動作について説明する。
【0210】
まず最初に、ステップS141において、再生部132は、画像記憶部131から1フレームの画像データを読み出し、幾何処理部181に供給して、ステップS142に進む。ステップS142では、幾何処理部181が、再生部132から供給される画像データについて、図9における幾何処理部141と同様の処理を行うことで、再生部132から供給される画像データを構成する各画素の画素値と、光線方向(θ,φ)とを対応付けた画像情報を生成し、幾何変換部171に供給して、ステップS143に進む。
【0211】
ステップS143では、画像変換部171は、幾何変換部181から供給される画像情報における画像データを、図23で説明したようにして等価画像データに変換し、魚眼プロジェクタ133に供給して、ステップS144に進む。ステップS144では、魚眼プロジェクタ133が、画像変換部171からの画像情報における等価画像データに対応する光を発し、これにより、図22のステップS133における場合と同様に、スクリーン172に、その光に対応する画像を表示させ、ステップS145に進む。
【0212】
ステップS145では、ユーザによって、表示終了操作がされたか否かが判定され、表示終了操作がされていないと判定された場合、ステップS141に戻る。そして、ステップS141において、再生部132が、次のフレームの画像データを、画像記憶部131から読み出し、以下、同様の処理が繰り返される。
【0213】
また、ステップS145において、表示終了操作がされたと判定された場合、処理を終了する。
【0214】
図23の画像表示装置においても、図21の画像表示装置における場合と同様に、スクリーン172の球面には、被写体の全方位の画像が表示されるので、ユーザは、スクリーン172の外側から、スクリーン172を見ることにより、その位置から実際の被写体を観察した場合と同様の画像を観察することができる。
【0215】
なお、図21や図23の画像変換部171において、画像情報における画像データの、等価画像データへの変換は、画像情報における画像データを構成する画素に注目して行う第1の方法と、等価画像データを構成する画素に注目して行う第2の方法とがあるが、第2の方法を採用することが望ましい。
【0216】
即ち、画像情報における画像データを構成する画素に注目して、画像情報における画像データを等価画像データに変換する第1の方法では、画像情報におけるある光線方向(θ,φ)と対応付けられている、画素値がvの画素P(v,θ,φ)を注目画素として、図25Aに示すように、その注目画素P(v,θ,φ)が、等価画像データ上の位置(x,y)の、画素値がvの画素Q’(v,x,y)に変換される。
【0217】
ここで、注目画素P(v,θ,φ)の光線方向(θ,φ)は、式(1)にしたがい、画素Q’(v,x,y)の位置(x,y)に変換される。
【0218】
第1の方法により得られる画素Q’(v,x,y)の位置(x,y)には、等価画像データの画素(魚眼プロジェクタ133の画素)が存在しないことがあるが、この場合、例えば、図25Aに示すように、画素Q’(v,x,y)の位置(x,y)に最も近い、等価画像データを構成する画素Qの画素値に、注目画素P(v,θ,φ)の画素値vがセットされる。
【0219】
第1の方法によれば、等価画像データを構成する画素に注目していないため、等価画像データにおいて、画素値がセットされない画素が生じやすい。即ち、等価画像データにおいて、画素の欠落が生じやすい。
【0220】
一方、等価画像データを構成する画素に注目して、画像情報における画像データを等価画像データに変換する第2の方法では、等価画像データ上のある位置(x,y)にある画素Q(v,x,y)を注目画素として、図25Bに示すように、画像情報における光線方向(θ,φ)と対応付けられている画素P’(v,φ,θ)が、注目画素Q(v,x,y)に変換される。
【0221】
ここで、注目画素Q(v,x,y)の位置(x,y)は、式(1)にしたがい、画素P’(v,θ,φ)に対応付けられている光線方向(θ,φ)に変換される。
【0222】
第2の方法による場合には、注目画素Q(v,x,y)の位置(x,y)に対応する光線方向(θ,φ)が、画像情報の中に存在しないことがあるが、この場合、例えば、図25Bに示すように、画像情報において、角度θまたはφがわずかに異なる光線方向(θ(1),φ(1))に対応付けられている画素P(1)(v(1),θ(1),φ(1))の画素値v(1)が、注目画素P(v,θ,φ)の画素値vとしてセットされる。
【0223】
第2の方法によれば、等価画像データを構成する画素に注目しているため、等価画像データを構成するすべての画素に、画素値がセットされることになり、上述のような画素の欠落が生じることを防止することができる。
【0224】
次に、図2や図9の画像生成装置は、次のような「のぞけるテレビ」で用いられる画像データを生成するのに採用することができる。
【0225】
即ち、図26は、「のぞけるテレビ」としての画像表示装置の一実施の形態の構成例を示している。
【0226】
コンピュータ1は、例えば、ワークステーションであり、画像データベース2に記憶された原画像データを、後述する中間データに変換し、中間データベース3に記憶させる。また、コンピュータ1は、位置センサとしてのレシーバ4およびトランシーバ5を制御し、レシーバ4の出力に基づいて、ユーザの位置(さらには、必要に応じて姿勢)を検出する。さらに、コンピュータ1は、ユーザの位置を、ユーザの視点の位置として設定し、中間データベース3に記憶された中間データを、そのユーザの視点から見た画像データ(以下、適宜、提示用画像データという)に変換する。そして、コンピュータ1は、提示用画像データを、ディスプレイ6に供給して表示させる。
【0227】
画像データベース2は、後述するように、カメラ等の撮像装置で撮像された実写の画像データとしての原画像データを記憶している。中間データベース3は、コンピュータ1から供給される、原画像データを変換した中間データを記憶する。
【0228】
レシーバ4は、ユーザに装着されており、トランスミッタ5が発生する磁界を検知し、その磁界の強度を、コンピュータ1に供給する。トランスミッタ5は、コンピュータ1の制御にしたがい、磁界を発生する。即ち、図26の実施の形態では、レシーバ4およびトランスミッタ5は、位置センサとしての磁界センサを構成しており、レシーバ4が、トランスミッタが発生する磁界の強度を計測することにより、レシーバ4の位置、ひいては、ユーザの位置が検出されるようになっている。
【0229】
ここで、レシーバ4は、例えば、ユーザの頭部に装着される。また、ユーザが、例えば、ネクタイピンを着用していたり、または眼鏡をかけている場合には、レシーバ4は、そのネクタイピンや眼鏡のフレームに装着することができる。
【0230】
なお、位置センサである磁界センサとしては、例えば、ポヒマス(Polhemus)社の3次元位置センサなどを採用することができる。
【0231】
また、位置センサとしては、磁界センサの他、例えば、機械リンク式の位置計測手段(例えば、3次元ディジタイザなど)を採用することが可能である。さらに、位置センサとしては、例えば、ジョイスティックやトラックボールなどの、ユーザの位置の変化を入力することのできる手段を採用することも可能である。即ち、ここでは、位置センサは、実際のユーザの位置を検知する手段である必要はなく、いわば仮想的なユーザの位置を入力することができる手段であってもよい。
【0232】
ディスプレイ6は、例えば、CRTや液晶パネルなどで構成され、コンピュータ1から供給される提示用画像データを表示する。なお、ディスプレイ6としては、CRTや液晶パネル以外に、例えば、プロジェクタやHMD(Head Mount Display)、その他の画像を表示することのできる手段を採用することが可能である。
【0233】
次に、図27は、図1のコンピュータ1のハードウェア構成例を示している。
【0234】
コンピュータ1には、後述する一連の処理を実行するプログラムがインストールされている。
【0235】
プログラムは、コンピュータ1に内蔵されている記録媒体としてのハードディスク15やROM13に予め記録しておくことができる。
【0236】
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体21に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体21は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0237】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体21からコンピュータ1にインストールする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータ1に無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータ1に有線で転送し、コンピュータ1では、そのようにして転送されてくるプログラムを、通信部18で受信し、内蔵するハードディスク15にインストールすることができる。
【0238】
コンピュータ1は、CPU(Central Processing Unit)12を内蔵している。CPU12には、バス11を介して、入出力インタフェース20が接続されており、CPU12は、入出力インタフェース20を介して、ユーザによって、キーボードや、マウス、マイク等で構成される入力部17が操作等されることにより指令が入力されると、それにしたがって、ROM(Read Only Memory)13に格納されているプログラムを実行する。あるいは、また、CPU12は、ハードディスク15に格納されているプログラム、衛星若しくはネットワークから転送され、通信部18で受信されてハードディスク15にインストールされたプログラム、またはドライブ19に装着されたリムーバブル記録媒体21から読み出されてハードディスク15にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory)14にロードして実行する。これにより、CPU12は、後述するフローチャートにしたがった処理、あるいは後述するブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU12は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース20を介して、スピーカ等で構成される出力部16から出力、あるいは、通信部18から送信、さらには、ハードディスク15に記録等させる。
【0239】
なお、図27の実施の形態では、入出力インタフェース20に、画像データベース2、中間データベース3、レシーバ4、トランスミッタ5、およびディスプレイ6が接続されている。そして、CPU12は、画像データベース2に記憶された原画像データを、入出力インタフェース20を介して読み出し、中間データに変換する。さらに、CPU12は、その中間データを、入出力インタフェース20を介して、中間データベース3に記憶させる。また、CPU12は、入出力インタフェース20を介して、トランスミッタ5を制御するとともに、レシーバ4の出力を受信し、ユーザの位置を検出する。さらに、CPU12は、検出したユーザの位置を、ユーザの視点として設定し、そのユーザの視点に対応して、中間データベース3に記憶された中間データを、提示用画像データに変換する。また、CPU12は、提示用画像データを、入出力インタフェース20を介して、ディスプレイ6に供給して表示させる。
【0240】
ここで、本明細書において、コンピュータ1に各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしも後述するフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0241】
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
【0242】
以上のような図27のコンピュータ1をベースとして構成される図26の画像表示装置では、例えば、図28Aに示すように、現実世界において、ユーザが、ある被写体を観察する場合と同様の提示用画像データが表示される。
【0243】
即ち、現実世界において、ユーザが、ある被写体を観察する場合には、ユーザが、その視点を移動すると、ユーザは、その移動後の視点から見た被写体を観察することができる。具体的には、現実世界では、ユーザが、その視点を移動することによって、被写体の見える部分と見えない部分が変化する。
【0244】
図26の画像表示装置においても、図28Bに示すように、ユーザが、その視点を移動した場合、その視点に応じて、ディスプレイ6に表示される提示用画像データが、現実世界においてユーザの視覚に映る被写体が表示されたものとなるようになっている。即ち、図26の画像表示装置においては、図28Cに示すように、ユーザが視点を移動した場合に、その視点から被写体を見た場合の提示用画像データが表示されるようになっている。
【0245】
従って、図26の画像表示装置では、ユーザが視点を移動すると、例えば、移動前の視点からでは見えなかった被写体の部分が見える状態となった提示用画像データが表示される。即ち、ユーザが、ディスプレイ6における提示用画像データに表示された被写体をのぞき込むように、視点を移動すると、現実世界において、その移動後の視点から被写体を見た場合に視覚に映るのと同様の提示用画像データ、つまり、ユーザが覗き込んだ被写体の部分が見える状態となった提示用画像データが表示される。このことから、図26の画像表示装置は、いわば、「のぞけるテレビ(Television)」ということができる。
【0246】
次に、図29は、図27のコンピュータ1がプログラムを実行することにより実現される画像処理装置の機能的構成例を示している。
【0247】
コンピュータ1(のCPU12)がプログラムを実行することにより実現される画像処理装置は、データ変換部30およびセンサ制御部33で構成される。
【0248】
データ変換部30は、画像データ変換部31と中間データ変換部32から構成され、画像データベース2に記憶された原画像データを撮像したときの光線の軌跡とその光線に対応する画素値である光線情報を用いて、その原画像データを、センサ制御部33から供給されるユーザの視点から見える提示用画像データに変換し、ディスプレイ6に供給して表示させる。
【0249】
即ち、データ変換部31は、画像データベース2から原画像データを読み出し、中間データに幾何変換する。さらに、データ変換部31は、中間データを、中間データベース3に供給して記憶させる。
【0250】
中間データ変換部32は、センサ制御部33から供給されるユーザの視点に基づいて、中間データを、提示用画像データに変換し、即ち、ユーザの視点から見た画像データを再構成し、ディスプレイ6に供給して表示させる。
【0251】
センサ制御部33は、位置センサとしてのレシーバ4およびトランスミッタ5を制御することにより、ユーザの視点を検出し、中間データ変換部32に供給する。即ち、センサ制御部33は、トランスミッタ5を制御することにより、磁界を発生させる。さらに、センサ制御部33は、レシーバ4から供給される、トランスミッタ5が発生する磁界の検出結果に基づいて、ユーザの位置を検出して、その位置を、ユーザの視点として設定し、中間データ変換部32に供給する。
【0252】
次に、図30のフローチャートを参照して、図29の画像処理装置(コンピュータ)1による画像処理について説明する。
【0253】
まず最初に、ステップS1において、データ変換部31は、画像データベース2から原画像データを読み出し、中間データに変換する。さらに、ステップS1では、データ変換部31は、中間データを、中間データベース3に供給して記憶させ、ステップS2に進む。
【0254】
ステップS2では、センサ制御部33が、レシーバ4の出力から、ユーザの位置を検出し、さらに、そのユーザの位置を、ユーザの視点に設定して、中間データ変換部32に供給する。
【0255】
そして、ステップS3に進み、中間データ変換部32は、センサ制御部33から供給されるユーザの視点に基づいて、中間データを、提示用画像データに変換し、ステップS4に進む。
【0256】
ステップS4では、中間データ変換部32は、提示用画像データを、ディスプレイ6に供給して表示させ、ステップS5に進む。
【0257】
ステップS5では、例えば、ユーザが、画像処理を終了するように、入力部17(図27)を操作したかどうかを、CPU12(図27)が判定する。ステップS5において、画像処理を終了するように、入力部17が操作されていないと判定された場合、ステップS2に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0258】
また、ステップS5において、画像処理を終了するように、入力部17が操作されたと判定された場合、処理を終了する。
【0259】
なお、図30の画像処理が、過去に実行され、これにより、画像データベース2に記憶されている原画像データを変換した中間データが、中間データベース3に、既に記憶されている場合には、ステップS1の処理は、スキップすることができる。
【0260】
次に、図31は、画像データベース2に記憶させる原画像データを生成(撮像)する画像生成装置の構成例を示している。
【0261】
カメラ41は、図31の実施の形態では、例えば、いわゆる全方位カメラで構成され、被写体を含む全方位の画像データ(全方位画像データ)を、コントローラ47の制御にしたがって撮像し、バッファ42に供給する。
【0262】
バッファ42は、カメラ41から供給される全方位画像データを一時記憶する。
【0263】
全方位画像変換部43は、バッファ42に記憶された全方位画像データを読み出し、後述する緯度経度表現の原画像データに変換して、バッファ44に供給する。
【0264】
バッファ44は、全方位画像変換部43から供給される原画像データを一時記憶する。
【0265】
駆動機構45は、駆動機構制御部46の制御にしたがい、カメラ41で撮像する撮像対象となっている被写体を移動する。ここで、駆動機構45によって被写体が移動されることにより、相対的に、被写体に対するカメラ41の視点(光学中心)が、複数の位置に変えられる。
【0266】
駆動機構制御部46は、コントローラ47の制御にしたがい、駆動機構を駆動する。
【0267】
コントローラ47は、カメラ41の撮像タイミングや、駆動機構制御部46による駆動機構45の駆動速度および駆動方向などを制御する。さらに、コントローラ47は、カメラ41の撮像タイミング(撮像時刻)や、駆動機構45により移動される被写体の位置(必要に応じて、被写体の姿勢を含む)を表す情報などを、mux(マルチプレクサ)48に供給する。
【0268】
マルチプレクサ48は、バッファ44に記憶された原画像データの各フレームに、そのフレームについてコントローラ47が出力する情報を付加し、画像データベース2に供給して記憶させる。
【0269】
次に、図32のフローチャートを参照して、図31の画像生成装置による画像生成処理について説明する。
【0270】
まず最初に、コントローラ47は、被写体を所定の位置に移動させ、その撮像を行うように、カメラ41および駆動機構制御部46を制御するとともに、その所定の位置と被写体の撮像タイミングを表す情報を、mux48に供給する。
【0271】
ここで、コントローラ47は、例えば、現実世界に、3次元座標系(以下、適宜、撮像時座標系という)をあらかじめ設定し、その撮像時座標系における被写体の座標を、被写体の位置を表す情報(以下、適宜、位置情報という)として出力する。また、コントローラ47は、被写体のある姿勢(例えば、被写体の撮像開始時の姿勢)を基準姿勢として、その基準姿勢からの被写体の変化を表す角度も、位置情報に含めて出力する。さらに、コントローラ47は、撮像時座標系における、カメラ41の位置(例えば、レンズ中心の位置)を表す座標と、その光軸方向(視線の方向)を表す情報も、位置情報に含めて出力する。
【0272】
なお、後述する図33で説明するモーションベース方式や、図35で説明するターンテーブル方式によって、被写体を動かす場合には、カメラ41のレンズ中心(光学中心)の位置および光軸方向は、変化せず、固定となるが、このカメラ41のレンズ中心の位置および光軸方向は、コントローラ47にあらかじめ設定されているものとする。
【0273】
また、上述の被写体の座標や姿勢は、実際には、被写体を移動させる駆動機構45の状態から把握される。ここで、駆動機構45の状態は、駆動機構45を、駆動機構制御部46を介して制御するコントローラ47によって認識される。
【0274】
ステップS11において、駆動機構制御部46は、コントローラ47の制御にしたがい、駆動機構45を制御することにより、被写体の位置を変化させ、ステップS12に進む。ステップS12では、カメラ41が、コントローラ47の制御にしたがい、被写体を撮像し、その結果得られる全方位画像データを、バッファ42に供給して記憶させる。
【0275】
そして、ステップS13に進み、全方位画像変換部43は、バッファ42に記憶された全方位画像データを読み出し、緯度経度表現の原画像データに変換して、バッファ44に供給する。その後、ステップS14に進み、mux48は、バッファ44に記憶された原画像データのフレームに、コントローラ47から供給される情報を付加し、画像データベース2に供給して記憶させる。
【0276】
ステップS14の処理後は、ステップS15に進み、コントローラ47は、被写体を、あらかじめ設定したすべての位置に移動したかどうか(さらには、必要に応じて、あらかじめ設定したすべての姿勢をとらせたかどうか)を判定し、まだ、すべての位置に移動していないと判定した場合、被写体を、まだ移動させていない位置に移動させ、その撮像を行うように、カメラ41および駆動機構制御部46を制御するとともに、被写体の移動位置と被写体の撮像タイミングを表す情報その他を、mux48に供給する。そして、ステップS11に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0277】
また、ステップS15において、被写体を、あらかじめ設定したすべての位置に移動したと判定された場合、即ち、あらかじめ設定したすべての位置において、被写体の撮像が行われた場合、処理を終了する。
【0278】
次に、図31の画像生成装置において、被写体を移動させる被写体の移動方式について説明する。
【0279】
図31の画像生成装置では、被写体を移動させながら、その撮像が行われるが、この場合、その被写体の位置を精度良く制御する必要がある。そのような被写体の移動方式としては、例えば、モーションベース方式やターンテーブル方式がある。
【0280】
モーションベース方式では、図33に示すように、駆動機構45として、モーションベースが用いられる。そして、駆動機構45としてのモーションベース上に被写体を載せ、例えば、被写体が併進運動するように、モーションベースが(カメラ41に向かって)上下左右に移動される。
【0281】
即ち、モーションベース方式では、駆動機構45としてのモーションベースを、例えば、図34Aに示すように、上下方向に移動しながら、徐々に、左から右方向に移動する。ここで、図34Bは、実際のモーションベースの軌跡を表している。なお、図34Bにおいて、モーションベースの軌跡とともに、TC:の後に続けて表示してある数字は、カメラ41で撮像された画像のタイムコードを表す。従って、図34Bでは、モーションベースの軌跡とタイムコードとが対応付けられているので、被写体の位置(姿勢)と、その位置にある被写体を撮像した画像データのフレームとの対応関係を認識することができる。
【0282】
図33のモーションベース方式によれば、被写体とカメラ41との間に想定することができる開曲面としての、例えば平面上の複数の点を視点として被写体を撮像したときの、被写体からの光線の軌跡とその光線に対応する画素値である光線情報を得ることができる。なお、被写体からの光線に対応する画素値は、カメラ41が出力する画像データから得ることができ、被写体からの光線の軌跡は、カメラ41と被写体の位置から得ることができる。
【0283】
ターンテーブル方式では、図35に示すように、駆動機構45として、ターンテーブル(台車)が用いられる。そして、駆動機構45としてのターンテーブル上に被写体を載せ、ターンテーブルを非常に低速で上または下方向に移動させながら一定の角速度で回転させる。
【0284】
図35のターンテーブル方式によれば、被写体を囲む開曲面としての、例えば円柱の側面上の複数の点を視点として被写体を撮像したときの光線情報を得ることができる。
【0285】
なお、図31の画像生成装置においては、被写体を移動させることにより、その被写体を複数の視点それぞれから見た画像データの撮像を行うようにしたが、被写体を移動させるのではなく、カメラ41を移動させることにより、被写体を複数の視点それぞれから見た画像データの撮像を行うようにすることも可能である。
【0286】
また、図31の画像生成装置においては、1台のカメラ41を用い、被写体を移動させることによって、被写体を複数の視点それぞれから見た画像データの撮像を行うようにしたが、その他、例えば、異なる位置に配置した複数台のカメラを用いて被写体を撮像することにより、被写体を複数の視点それぞれから見た画像データの撮像を行うことも可能である。
【0287】
次に、図31の画像生成装置では、カメラ41として、全方位カメラが採用されているが、この全方位カメラによる画像の撮像と、全方位画像変換部43による全方位画像データの変換について説明する。
【0288】
図36は、図31のカメラ41としての全方位カメラの光学系の構成例を示している。
【0289】
図36の実施の形態では、カメラ41は、集光部52が、撮像部53の上部に配置された支持体51によって支持されることによって構成されており、集光部52の周囲360度の方向を撮像することができるようになっている。
【0290】
支持体51は、ガラスなどの反射率の低い透明材料からなり、ガラス面での光の屈折を最小化するために、入射光がガラス面と直交するように、集光部52の後述する焦点を中心とした球面になっている。
【0291】
集光部52は、例えば、双曲面形状のミラー(双曲面ミラー)で構成され、支持体51を介して入射する周囲の光を、撮像部53の方向に反射する。
【0292】
撮像部53は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)等の光電変換素子で構成され、そこに入射する光を電気信号としての画像データに変換する。この撮像部53で得られる画像データが、カメラ41の出力として、図31のバッファ42に供給される。
【0293】
ここで、図36に示した全方位カメラの構成や集光の原理については、例えば、「移動ロボット用全方位視覚センサの開発」、自動化技術第29巻第6号(1997年)(以下、適宜、文献1という)に開示されているため、ここでは、簡単に説明する。
【0294】
図37は、図36のカメラ41によって撮像された全方位画像データの例を示している。
【0295】
全方位画像データは、中心点C1を中心とする2つの円の円周F1とF2によって区分される。なお、図37では、円周F1の方が、円周F2よりも半径が大きいものとなっている。
【0296】
即ち、全方位画像データは、大きい円周F1の内側で、かつ小さい円周F2の外側になっている領域R1、大きい円周F1の外側の領域R2、小さい円周R2に囲まれた領域(内側の領域)R3から構成される。
【0297】
以上の3つの領域R1乃至R3のうち、領域R1においては、集光部52で反射された、周囲からの光に対応する画像データが撮像されており、領域R2においては、集光部52の外側の部分が撮像されている。また、領域R3には、撮像部53自身が撮像されている。
【0298】
さらに、図37の実施の形態では、領域R1には、複数の建物が撮像されているが、円周F1に近い方向に、建物の上部が撮像され、円周F2に近い方向に、建物の下部が撮像されている。
【0299】
次に、図38を参照して、図36の集光部52を構成する双曲面について説明する。
【0300】
集光部52は、双曲面の一部により構成されており、双曲面の軸に対する垂直面により、双曲面を切断して得られた双曲面の凸型先頭部の凸状面に、鏡面を形成したものとなっている。
【0301】
集光部52には、双曲面の1つである二葉双曲面を用いることができ、二葉双曲面は、図38に示すように、双曲線を軸(図38では、Z軸)回りに回転して得られる曲面であり、Z>0の領域に存在する下に凸の双曲面H1と、Z<0の領域に存在する上に凸の双曲面H2から構成される。
【0302】
集光部52には、二葉の双曲面H1とH2のうち、Z>0の領域にある双曲面H1を利用する。なお、以下、適宜、Z軸を、双曲線の中心軸または単に軸ともいう。
【0303】
図38に示したX,Y,Zの3次元直交座標系において、二葉双曲面H1とH2は、式(32)で示される。
【0304】
【数32】
Figure 2004015255
・・・(32)
【0305】
ここで、式(32)において、定数aとbは、双曲面H1およびH2の形状を定義する定数である。即ち、定数bは、原点Oから、双曲面H1(H2)とZ軸との交点までの距離を表す。また、定数aは、その交点を通る、XY平面と平行な平面と、双曲面H1(H2)の漸近面A1との交線が描く円の半径を表す。
【0306】
さらに、式(32)において、定数cは、双曲面H1およびH2の焦点の位置を定義する定数である。即ち、Z軸上の+cの位置(0,0,+c)が、双曲面H2の焦点f1となり、Z軸上の−cの位置(0,0,−c)が、双曲面H1の焦点f2となる。
【0307】
なお、定数a,b,cは、次式で示される関係を有する。
【0308】
【数33】
Figure 2004015255
・・・(33)
【0309】
集光部52が、図38で説明したような双曲面H1で構成されるとした場合、撮像部53は、図39に示すように、そのレンズの中心軸(光軸)がZ軸に一致し、かつ、レンズ中心(カメラ41のレンズ中心)が、双曲面H1の焦点f2に一致するように配置される。
【0310】
次に、撮像部53が出力する全方位画像データは、上述の図37に示したようなものとなるが、いま、この全方位画像データについて、図40に示すように、その左上の点を原点Oとするとともに、左から右方向にx軸をとり、上から下方向にy軸をとった2次元直交座標系を定義する。
【0311】
この場合、円周F1の円および円周F2の円の中心点C1の座標を(X、Y)とするとともに、円周F1の円の半径をrF1とし、円周F2の円の半径をrF2とすると、円周F1の外側の領域R2を構成する点(x,y)は、式(34)により表され、円周F2の内側の領域R3を構成する点(x,y)は、式(35)により表される。
【0312】
【数34】
Figure 2004015255
・・・(34)
【0313】
【数35】
Figure 2004015255
・・・(35)
【0314】
図31の全方位画像変換部43は、全方位画像データを緯度経度表現の原画像データに変換する前に、式(34)で表される領域R2を構成する画素値と、式(35)で表される領域R3を構成する画素値を、画素値としては一般に取り得ない値(例えば、0)に変換する。
【0315】
ここで、この画素値の変換にあたっては、中心点C1の座標(X,Y)、並びに半径rF1およびrF2が必要となるが、これらの情報は、カメラ41からバッファ42を介して、全方位画像変換部43に供給されるようになっている。
【0316】
なお、ここでは、説明を簡単にするため、露出時間や、絞り、ズームは、固定であるとする。
【0317】
また、図37や図40に示した領域R1の画像データである全方位画像データについては、所望の被写体が表示されている部分等の、全方位画像データの一部分だけが必要な場合があり、この場合、全方位画像データから、その必要な部分を切り出す必要があるが、この切り出しは、全方位画像変換部43において行われるようになっている。即ち、全方位画像変換部43は、図41に示すように、所望の被写体を含む領域R11であって、中心点C1を通る半径方向の2つの直線Lc1とLc2に囲まれ、かつ中心点C1を中心とする2つの円の円周Fc1とFc2に囲まれる略扇形の領域R11の画像データを切り出す。
【0318】
次に、全方位画像データは、図37や図40に示したように、中心点C1に近づくほど狭まったものとなり、逆に、中心点C1から遠ざかるほど広がったものとなるような歪みを有する。このことは、全方位画像変換部43が全方位画像データから切り出す略扇形の画像データについても同様であり、このようは歪みのある画像データは、図29の画像処理装置において処理等するにあたって、歪みのないものに変換する必要がある。
【0319】
全方位カメラであるカメラ41が出力する、上述のような全方位画像データの歪みは、中心点C1を通る円の円周方向の歪みと、半径方向の歪みとに分けて考えることができる。
【0320】
そこで、まず円周方向の歪みを考えてみると、図37や図40の全方位画像データの、中心点C1を中心とするある円の円周上においては、スケールが一定であり、従って、歪みはない。
【0321】
即ち、図42は、Z軸方向から見た集光部52としての双曲面H1を示している。
【0322】
図42では、被写体上のある点P(X,Y,Z)から、Z軸に向かい、X軸(XZ平面)と角度θをつくるように、光線rが入射している。この光線rは、双曲面H1で反射され、後述する図43に図示してある撮像部53の受光面(画像面)(仮想スクリーン)A3上の点p(x,y)に到達する。そして、この場合、点p(x,y)は、X軸(XZ平面)との間で、光線rがX軸との間でつくるのと同一の角度θをつくる。
【0323】
また、Z軸に向かい、X軸と角度θ’をつくるように入射する光線r’を考えた場合、この光線r’も、双曲面H1で反射され、受光面(画像面)A3上の点p’(x’,y’)に到達する。そして、この場合も、点p’(x’,y’)は、X軸との間で、光線r’がX軸との間でつくるのと同一の角度θ’をつくる。
【0324】
また、光線rとr’の、Z軸に対する仰角(後述する)が同一であれば、光線rおよびr’は、受光面A3上の、位置は異なるが、Z軸から同一の距離rだけ離れた点で受光される。
【0325】
以上から、Z軸に対する仰角が同一の複数の光線それぞれは、受光面A3上の、Z軸から同一の距離にある点であって、X軸との間で、光線とX軸とがつくるのと同一の角度をつくる点で受光される。
【0326】
従って、Z軸に対する仰角が同一で、X軸との角度が等角度の複数の光線は、受光面A3の、Z軸を中心とする円周上に、等間隔で入射することになるから、全方位画像データにおいて、受光面A3とZ軸との交点にあたる中心点C1を中心とする円の円周方向には、歪みは生じない。
【0327】
一方、図37や図40の全方位画像データの、中心点C1を通る半径方向の直線上においては、中心点C1に近づくほど、スケールが小さくなり、中心点C1から離れるほど、スケールが大きくなることから、全方位画像データは、半径方向の歪みを有する。
【0328】
即ち、図43は、X軸方向から見た集光部52としての双曲面H1を示している。
【0329】
図43において、Z軸に対して仰角0度で、焦点f1に向かって入射する光線r1は、双曲面H1で反射され、焦点f2に向かっていき、撮像部53の受光面(画像面)A3で受光される。
【0330】
ここで、Z軸に対する仰角とは、Z軸上の焦点f1を通り、XY面に平行な面と、焦点f1に向かって入射する光線とがつくる角度を意味する。また、撮像部53の受光面A3は、カメラ41の焦点距離をfとすると、焦点f2から、Z軸に沿って、fだけ離れた原点O方向に位置する。
【0331】
Z軸に対して仰角△d度で、焦点f1に向かって入射する光線r2は、双曲面H1で反射され、焦点f2に向かっていき、受光面A3で受光される。Z軸に対して仰角2△d度で、焦点f1に向かって入射する光線r3は、双曲面H1で反射され、焦点f2に向かっていき、受光面A3で受光される。仰角が△d度ずつ大きくなる光線r4,r5,r6も、同様にして、受光面A3で受光される。
【0332】
このように、仰角が△d度ずつ異なる光線r1乃至r6それぞれが、受光面A3で受光される点どうしの間隔は、図43の拡大図に示すように、等間隔にはならず、Z軸に近い点どうしの間隔ほど狭くなる(Z軸から離れた点どうしの間隔ほど広くなる)。即ち、仰角が大きい光線どうしの間隔ほど狭くなる(仰角が小さい光線どうしの間隔ほど広くなる)。
【0333】
そして、仰角が等角度の光線について、受光面A3上で受光される点どうしの間隔が、上述のように、等間隔にならないことから、全方位画像データには、半径方向の歪みが生じる。
【0334】
従って、全方位画像データの半径方向の歪みを除去するには、仰角が等角度の光線の、受光面A3上での受光点どうしの間隔が、等間隔になるようにすれば良い。
【0335】
そこで、いま、図44に示すように、被写体上のある点P(X,Y,Z)から、焦点f1に向かって、仰角α度で入射する光線rを考える。
【0336】
この光線rは、図43で説明した場合と同様に、集光部52としての双曲面H1で反射され、焦点f2に向かっていき、受光面A3で受光される。
【0337】
この場合において、焦点f2に向かう光線rが、焦点f2を通り、XY平面に平行な平面とつくる角度をγ度とする。さらに、X軸とY軸とで定義される2次元直交座標系において、光線rが受光面A3で受光された点(受光点)pの座標を(x,y)で表し、その点p(x,y)とZ軸との距離をRと表す。
【0338】
図44における角度αは、式(32)で表される双曲面H1において、光線rが反射される点の座標を求めることにより、次式で表すことができる。
【0339】
【数36】
Figure 2004015255
・・・(36)
【0340】
式(36)から、tanαは、次式で求めることができる。
【0341】
【数37】
Figure 2004015255
・・・(37)
【0342】
ここで、cosγを、次式のようにおく。
【0343】
【数38】
Figure 2004015255
・・・(38)
【0344】
式(37)に、式(38)を代入すると、次式が求められる。
【0345】
【数39】
Figure 2004015255
・・・(39)
【0346】
式(39)を変形して、式(40)が得られる。
【0347】
【数40】
Figure 2004015255
・・・(40)
【0348】
一方、AとBを、それぞれ式(41)と(42)に示すように定義する。
【0349】
【数41】
Figure 2004015255
・・・(41)
【0350】
【数42】
Figure 2004015255
・・・(42)
【0351】
式(40)に、式(41)および(42)を代入することにより、式(43)が求められる。
【0352】
【数43】
Figure 2004015255
・・・(43)
【0353】
式(43)は、次のような、Xについての2次方程式とすることができる。
【0354】
【数44】
Figure 2004015255
・・・(44)
【0355】
式(44)の2次方程式を解くと、次式が得られる。
【0356】
【数45】
Figure 2004015255
・・・(45)
【0357】
従って、式(38)より、角度γは、次式によって求めることができる。
【0358】
【数46】
Figure 2004015255
・・・(46)
【0359】
但し、式(46)において、Xは、式(45)で定義されるものであり、また、式(45)中のAとBは、それぞれ、式(41)と(42)で定義されるものである。
【0360】
また、図44の点pの座標から、角度γは、次式で求めることができる。
【0361】
【数47】
Figure 2004015255
・・・(47)
【0362】
一方、図44におけるZ軸と点p(x,y)との距離Rは、√(x+y)で表されるから、式(47)は、次式のように変形することができる。
【0363】
【数48】
Figure 2004015255
・・・(48)
【0364】
以上から、式(46)によって、角度γを求め、その角度γを用いて、式(48)を計算することにより、Z軸に対して仰角α度で、焦点f1に向かって入射する光線rが、受光面A3において受光される点p(x,y)のZ軸からの距離Rを算出することができる。
【0365】
従って、Z軸に対する仰角の所定の範囲(例えば、0度乃至80度など)を等角度△dに分割し、各仰角△d,2△d,3△d,・・・で入射する光線が、受光面A3上で受光される各点p1,p2,p3・・・について、Z軸からの距離Rp1,Rp2,Pp3・・・を求めておき、隣接する点どうしの距離の差|Rp1−Rp2|,|Rp2−Pp3|,・・・が、一定値になるように、カメラ41が出力する全方位画像データを変換することにより、その半径方向の歪みを除去した全方位画像データを得ることができることになる。
【0366】
なお、この歪み除去のための全方位画像データの変換は、図31の全方位画像変換部43が行う。
【0367】
即ち、全方位画像変換部43は、図45に示すように、カメラ41から、バッファ42を介して、上述した半径方向の歪みがある全方位画像データとともに、中心点C1、円周F1の円の半径rF1、および円周F2の円の半径rF2を受信する。
【0368】
そして、全方位画像変換部43は、中心点C1を中心とする半径rF1の円の円周F1と、中心点C1を中心とする半径rF2の円の円周F2とで囲まれる領域R1内において、中心点C1を中心とする、上述のRp1,Rp2,Pp3・・・を半径とする複数の同心円を描く。さらに、全方位画像変換部43は、その複数の同心円の円周を等分する、中心点C1を通る複数の直線を描く。これにより、全方位画像変換部43は、領域R1において、複数の同心円と、複数の直線とで形成される多数の交点を得る。
【0369】
ここで、上述の複数の同心円と、複数の直線とで形成される多数の交点を、以下、適宜、変換対象点という。
【0370】
上述したことから、変換対象点を、その隣接するものどうしが等間隔になるように配置することで、歪みのある全方位画像データを、その歪みを除去した画像データに変換することができる。
【0371】
そこで、いま、図45における、図41に示したのと同一の略扇形の領域R11の画像データを、歪みのないものに変換することを考える。
【0372】
この領域R11内には、図46Aに示すように、中心点C1を中心とする複数の同心円の円弧F11,F12,F13,F14,F15,F16それぞれと、中心点C1を通る複数の直線L1,L2,L3,L4,L5,L6それぞれとの交点である多数の変換対象点が存在する。
【0373】
全方位画像変換部43は、領域R11内に存在する多数の変換対象点を、図46Bに示すように、隣接するものどうしが等間隔になるように配置する。
【0374】
即ち、全方位画像変換部43は、図46Aの円弧F11,F12,F13,F14,F15,F16それぞれに対応する、等間隔に配置された横方向の直線L21,L22,L23,L24,L25,L26と、図46Aの直線L1,L2,L3,L4,L5,L6それぞれに対応する、等間隔に配置された縦方向の直線L11,L12,L13,L14,L15,L16を想定し、その横方向の直線L21乃至L26それぞれと、縦方向の直線L11乃至L16それぞれとの交点上に、対応する変換対象点を変換する(割り当てる)。
【0375】
これにより、例えば、図46Aにおいて、円弧F14と、直線L5との交点である変換対象点p11は、図46Bの、円弧F14に対応する直線L24と、直線L5に対応する直線L15との交点p12に変換される。
【0376】
なお、カメラ41を囲む、表面が鏡の球を考えると、全方位画像データには、その球面上に映る、球の外側の景色が表示される。従って、例えば、いま、そのカメラ41を囲む球を地球に見立てると、全方位画像変換部43において得られる画像データは、その縦軸と横軸が、それぞれ地球の緯度と経度に対応するものとなっている。そこで、本実施の形態では、全方位画像変換部43が出力する、歪みが除去された全方位画像データを、緯度経度表現の画像データと呼んでいる。
【0377】
ところで、全方位画像変換部43は、上述のように、変換対象点の位置を変換(変更)することによって、半径方向の歪みを有する画像データ(全方位画像データ)を、その歪みを除去した画像データ(緯度経度表現の画像データ)に変換するが、変換対象点は、上述したように、中心点C1を中心とする円と、中心点C1を通る直線との交点である。従って、変換対象点は、撮像部53(図36)の受光面A3(図43、図44)を構成する画素の画素中心に一致するとは限らず、むしろ、一般には、一致しないことが多い。
【0378】
このように、変換対象点は、画素中心からずれているのが一般的であるから、全方位画像変換部43において、変換対象点の位置を変換する前に、その変換対象点における画素値を求める必要がある。
【0379】
そこで、全方位画像変換部43は、変換対象点における画素値を、例えば、次のようにして求めるようになっている。
【0380】
即ち、いま、図46の変換対象点p11が、図47に示すように、受光面A3上の隣接する2×2の4画素P1,P2,P3,P4それぞれの画素中心CP1,CP2,CP3,CP4を頂点とする長方形(正方形)の範囲内にあるとする。なお、図47の実施の形態においては、上下、または左右方向に隣接する画素中心どうしの距離が1であるとしてある。
【0381】
そして、変換対象点p11が、画素中心CP1よりも距離αだけ右方向の、距離βだけ下方向の点である場合、全方位画像変換部43は、例えば、次式で求められる画素値Sを、変換対象点p11の画素値とする。
【0382】
【数49】
Figure 2004015255
・・・(49)
【0383】
但し、式(49)において、S,S,S,Sは、画素P1,P2,P3,P4それぞれの画素値を表す。また、式(49)において、αおよびβは、0以上1以下の範囲の値で、変換対象点p11の位置に対応するものである。
【0384】
なお、図36の実施の形態では、集光部52を双曲面ミラーで構成するようにしたが、集光部52には、その他、例えば、球面ミラーなどを採用することも可能である。
【0385】
また、図31の実施の形態では、カメラ41として、全方位画像データを撮像することができる全方位カメラを採用したが、カメラ41としては、その他、例えば、魚眼レンズを装着したビデオカメラや、一般的な(通常の)レンズのビデオカメラなどを採用することも可能である。
【0386】
ここで、一般的なレンズのビデオカメラでは、そのビデオカメラの光軸と直交し、その重心が光軸上にある長方形の平面であって、かつビデオカメラのレンズ中心と被写体との間にある平面を、仮想的なスクリーンである仮想スクリーンとすれば、被写体上の各点からレンズ中心に入射する光線が仮想スクリーン上に形成する画像データが撮像される。そして、その際、仮想スクリーンに入射する光線は、理想的には、何らの変換もされないから、2次元平面である仮想スクリーンには、3次元空間である現実世界の状況が、いわば忠実に映し出される。
【0387】
しかしながら、全方位カメラや魚眼レンズを装着したビデオカメラでは、全方位や広角の撮像が可能であるが、仮想スクリーンに入射する光線が、いわば非線形な変換を受けるため、即ち、例えば、全方位カメラについて言えば、図43に示したように、光線が、双曲面ミラー(を表す双曲面H1)で反射されるため、仮想スクリーンには、現実世界の状況が歪んだ形で映し出された全方位画像データが形成される。
【0388】
そのため、図31の全方位画像変換部43では、そのような歪んだ全方位画像データが、一般的なレンズのカメラで撮像した場合と同様の緯度経度表現の画像データに変換されるが、いま、この緯度経度表現の画像データを、一般的なレンズのカメラで撮像したものとすると、この緯度経度表現の画像データには、全方位カメラの光軸を中心とするすべての経度方向が表示されているから、一般的なレンズのカメラについての仮想スクリーンは、左右方向(経度方向)に無限の長さを有するものとなる。
【0389】
また、全方位カメラでは、緯度方向については、理想的には、0度から−90度の方向(図43において、XY平面から下側の任意の点から原点に向かう方向)が撮像されるから、緯度経度表現の画像データを、一般的なレンズのカメラで撮像したものとした場合には、その仮想スクリーンは、下方向(マイナスの緯度方向)に無限の長さを有するものとなる。
【0390】
ところで、全方位カメラにおいて撮像された全方位画像データを変換した緯度経度表現の画像データは、図26の画像表示装置において画像を表示するにあたって、そのすべてを必要としない。即ち、図26の画像表示装置において画像を表示するにあたっては、緯度経度表現の画像データのうち、注目している被写体が映っている部分を含むある程度の範囲の画像データがあれば、基本的には、十分である。
【0391】
そこで、以下においては、一般的なレンズのカメラで被写体を撮像した場合に、その仮想スクリーンに映る範囲の画像データを、緯度経度表現の画像データから切り出し、その切り出された画像データを対象に処理が行われるものとする。ここで、この切り出しは、例えば、図31の全方位画像変換部43に行わせることが可能である。
【0392】
さらに、以下においては、カメラ41の光軸やレンズ中心というときには、カメラ41が一般的なレンズのカメラであるとして、その一般的なレンズのカメラの光軸やレンズ中心を意味するものとする。従って、上述したように、緯度経度表現の画像データから切り出された画像データについては、その画像データを、一般的なレンズのカメラで撮像したと仮定した場合の、そのカメラの光軸やレンズ中心が、カメラ41の光軸やレンズ中心となる。
【0393】
次に、図29の画像処理装置によれば、データ変換部30において、画像データベース2に記憶された画像データが変換されることにより、図28で説明したように、ユーザの視点から見た画像データ、即ち、現実世界においてユーザが見ることのできる被写体が表示された画像データが、ディスプレイ6に表示される。
【0394】
このように、データ変換部30において、現実世界においてユーザが見ることのできる被写体が表示された画像データが得られるのは、次の原理による。
【0395】
即ち、画像データベース2には、図31の画像生成装置が出力する、複数の視点(カメラ41の視点)から撮像された緯度経度表現の原画像データが記憶されている。このことは、図48に示すように、ある曲面Ω上の複数の点を視点として、被写体を撮像した画像データが、画像データベース2に記憶されていると見ることができる。
【0396】
いま、曲面Ωの、被写体と反対側のある位置に視点Pを設定し、その視点Pから被写体を見た場合の視覚に映る画像を考えてみる。
【0397】
なお、視点Pは、その視点Pと、被写体上の任意の点とを結ぶ直線が、曲面Ωと交わる位置にとるものとする。
【0398】
また、ここでは、説明を簡単にするために、曲面Ω上の任意の点を視点として、被写体を撮像した画像データが、画像データベース2に記憶されているものとするとともに、ユーザが被写体を観測しようとする空間(媒質)内において、光線は直進し、減衰しないものとする。
【0399】
視点Pから被写体を見たときの光線の軌跡(被写体から視点Pに入射する光線の軌跡)は、視点Pと被写体上の各点とを結ぶ直線によって表現することができる。この光線は、必ず、曲面Ωと交わるから、その光線と一致する軌跡の光線に対応する画素値(被写体Pから被写体を見た場合の光線情報と同一の光線情報)が、画像データベース2には、必ず存在する。
【0400】
即ち、いま、視点Pと被写体上のある点Rとを結ぶ直線Lに注目し、その直線Lと曲面Ωとの交点をQと表す。いまの場合、曲面Ω上の任意の点を視点として、被写体を撮像した画像データが、画像データベース2に記憶されているから、点Qを視点として被写体を撮像した画像データは、画像データベース2に記憶されている。さらに、いまの場合、光線は直進し、かつ減衰しないから、被写体上の点Rから、曲面Ω上の点Qに入射する光線と、視点Pに入射する光線とは、同一である。従って、視点Pから被写体を見た場合、その被写体上の点Rから視点Pに向かう光線に対応する画素値は、被写体上の点Rから曲面Ω上の点Qに向かう光線に対応する画素値に一致し、この点Rから点Qに向かう光線に対応する画素値は、画像データベース2に記憶されている。
【0401】
以上から、視点Pから、被写体上の点Rを見たときの画素値は、曲面Ω上の点Qを視点として撮像された画像データから得ることができる。
【0402】
視点Pから、被写体上の他の点を見たときの画素値も、同様に、曲面Ω上の点を視点として撮像された画像データから得ることができるから、結果として、曲面Ω上の任意の点を視点として撮像された画像データが存在すれば、その画像データを構成する画素の画素値から、視点Pと被写体とを結ぶ光線情報と同一の光線情報の光線に対応する画素値を選択することにより、視点Pから被写体を見た画像データが得られることになる。
【0403】
ここで、図48に示した曲面Ωの形状は、特に限定されるものではなく、任意の形状のものを採用することができる。従って、曲面Ωは、図49に示すように、平面であってもかまわない。
【0404】
また、曲面Ωは、開曲面であっても、閉曲面であってもかまわない。但し、曲面Ωが開曲面である場合には、視点Pは、上述したように、その視点Pと、被写体上の任意の点とを結ぶ直線が、曲面Ωと交わる位置にとる必要がある。
【0405】
さらに、曲面Ωが、被写体を囲む閉曲面である場合には、上述した原理から、次のことが言える。
【0406】
即ち、被写体を囲む閉曲面上のすべての点において、すべての方向の光線の光線情報(光線の軌跡とその光線に対応する画素値)が得られている場合には、その閉曲面の外側の任意の位置から見た画像を再構成することができる。
【0407】
なお、上述の場合には、曲面Ω上の任意の点を視点として、被写体を撮像した画像データが得られているものとしたが、被写体を撮像するときの視点は、曲面Ω上にない点であってもかまわない。即ち、例えば、曲面Ωが、被写体を囲む閉曲面であるとした場合、その閉曲面の外側の任意の位置から見た画像を再構成するには、原理的には、閉曲面上の任意の点において、すべての方向の光線情報が存在すればよく、その光線情報は、閉曲面上の点を視点として撮像された画像のものであっても、また、閉曲面上の点以外の点を視点として撮像された画像のものであっても良い。このことは、曲面Ωが開曲面であっても同様である。
【0408】
図29のデータ変換部30は、以上のように、画像データベース2に記憶された原画像データを撮像したときの、所定の曲面Ωを通る光線情報のうち、ユーザの視点に向かう光線情報を用いて、提示用画像データ(ユーザの視点から見た画像データ)を再構成することにより、原画像データを提示用画像データに変換する。
【0409】
即ち、図29のデータ変換部30は、ユーザの視点から見た画像が表示される仮想的なスクリーン(仮想スクリーン)を、ユーザの視点と被写体との間に設定し、ユーザの視点と、仮想スクリーンの画素とを結ぶ直線と同一軌跡の光線を検出する。さらに、データ変換部30は、検出した光線に対応する画素値を、仮想スクリーンの画素の画素値とし、以上の処理を、仮想スクリーン上のすべての画素値について行うことにより、仮想スクリーン上に、ユーザの視点から見た画像データ(提示用画像データ)を再構成する。
【0410】
従って、例えば、いま、被写体を囲む閉曲面の外側の任意の位置を視点とした提示用画像データを再構成するとした場合には、その閉曲面上のすべての点における、すべての方向の光線情報があれば良い。なお、理論上は、閉曲面上の点も、その点における方向も無限に存在するから、実際には、閉曲面上の点も、その点における方向も有限個に制限されることになる。
【0411】
ところで、閉曲面上のすべての点における、すべての方向の光線情報を用いて、その閉曲面の外側の任意の位置を視点とした提示用画像データを再構成する場合、視点が閉曲面上にある場合には、その視点と一致する閉曲面上の点を通る光線の光線情報を、そのまま用いて、提示用画像データを再構成することができる。
【0412】
しかしながら、視点が閉曲面上にない場合には、その視点と、その視点について設定された仮想スクリーン上の画素とを結ぶ直線が、閉曲面と交わる点を、仮想スクリーン上のすべての画素について求める必要があり、この場合、例えば、画像処理装置としてのコンピュータ1(図27)を構成するCPU12の性能等によっては、提示用画像データを実時間で表示するのが困難となることがある。
【0413】
そこで、データ変換部30は、画像データ変換部31において、画像データベース2に記憶された原画像データを、その画素に入射した光線に対応する画素値からなる所定のフォーマットの画像データである中間データに変換しておき、中間データ変換部32において、その中間データを、ユーザの視点から見た提示用画像データに変換するようにすることで、提示用画像データを実時間で表示することを可能としている。
【0414】
即ち、画像データ変換部31は、原画像データを構成する所定の画素に入射した光線と、その光線と垂直な、所定の点を通る平面との交点における画素値を、原画像データの所定の画素の画素値とした画像データを、中間データとして生成する。
【0415】
従って、曲面Ωとして、例えば、図50に示すように、閉曲面としての球面を考え、その球面上のある点Qにおける、ある方向の光線に注目した場合、画像データ変換部31では、その注目光線ついて、所定の点としての、例えば、原点を通り、注目光線と直交する平面α上において、注目光線が通る点Pが画素とされ、さらに、その画素値が、注目光線に対応する画素値に設定される。画像データ変換部31では、球面上の点Q以外の点における、同一方向の光線についても同様にして、平面α上に画素とその画素値が設定され、これにより、平面α上には、同一方向の光線に対応する画素値からなる画像データが形成される。
【0416】
ここで、いま、図50において、球面の中心を原点とする3次元座標系を考えるとともに、球面上の点Qにおける、ある方向の光線と同一方向の、原点を通るベクトルを、ベクトルvと表す。さらに、ベクトルvを、3次元座標系におけるxy平面に射影して得られるベクトルを、ベクトルv’と表すとともに、ベクトルvとv’がつくる角度θを緯度と、x軸とベクトルv’がつくる角度φを経度と、それぞれいうものとする。ベクトルvの向きは、この緯度θと経度φで規定される。
【0417】
上述した平面αには、ベクトルvと同一方向の光線に対応する画素値からなる画像データが形成されるが、この平面α上に形成される画像データは、ベクトルvの方向の無限遠を視点として見た場合の画像データとなる。
【0418】
データ変換部31は、各値の緯度θと経度φによって規定される向きのベクトルvと直交し、原点を通る平面について、同様の画像データを構成し、中間データとして出力する。
【0419】
次に、図51のフローチャートと、図52を参照して、図29の画像データ変換部31が、図30のステップS1で行う画像データ変換処理、即ち、原画像データを中間データに変換する処理について説明する。
【0420】
まず最初に、ステップS21において、画像データ変換部31は、画像データベース2に記憶された原画像データを撮像したときのカメラ41の視点(以下、適宜、撮像ポイントともいう)から、注目撮像ポイントPとするものを選択する。
【0421】
即ち、図31で説明した画像生成装置においては、カメラ41を固定し、被写体を移動しながら、原画像データの撮像が行われるが、これは、相対的には、被写体を固定し、カメラ41を移動しながら、原画像データの撮像が行われていることと等価である。即ち、原画像データは、カメラ41の視点(撮像ポイント)を変えながら、被写体の撮像を行ったものであり、多数の撮像ポイントが存在する。ステップS21では、その多数の撮像ポイントの中から、まだ注目撮像ポイントとしていない任意の撮像ポイントが、注目撮像ポイントPとして選択される。
【0422】
ここで、画像データベース2には、上述したように、原画像データの各フレームとともに、その原画像データを撮像したときの、被写体の位置、並びにカメラ41の位置および光軸方向を表す情報も記憶される。データ変換部31は、これらの情報に基づき、各フレームの原画像データについて、例えば、撮像時座標系における、被写体の位置(姿勢を含む)を固定した場合のカメラ41の位置としての撮像ポイントを求め、その中から、まだ注目撮像ポイントとしていない撮像ポイントを、注目撮像ポイントPとして選択する。
【0423】
その後、ステップS22に進み、画像データ変換部31は、注目撮像ポイントPについて、仮想スクリーンを設定し、仮想スクリーン上の画素のうち、まだ注目画素として選択していない画素を、注目画素Pとして選択する。
【0424】
即ち、画像データ変換部31は、図52に示すように、注目撮像ポイントPについて、その注目撮像ポイントから、カメラ41の光軸方向に向かって、所定の距離Lだけ離れた位置に、カメラ41の光軸と直交する長方形状の平面を、仮想スクリーンとして設定する。そして、画像データ変換部31は、仮想スクリーン上の画素のうち、例えば、ラスタスキャン順で、まだ注目画素としていない画素を、注目画素Pとして選択する。
【0425】
ここで、画像データ変換部31では、注目撮像ポイントにおけるカメラ41の光軸方向は、画像データベース2に記憶されている情報から認識される。
【0426】
また、仮想スクリーンの横と縦の画素数は、注目撮像ポイントPから撮像された原画像データのフレームの横と縦の画素数にそれぞれ一致し、仮想スクリーン上には、注目撮像ポイントPから撮像された原画像データが表示されているものと考える。
【0427】
ステップS22の処理後は、ステップS23に進み、画像データ変換部31は、注目画素Pを始点とし、注目撮像ポイントPを終点とするベクトルvを求め、ステップS24に進む。
【0428】
ここで、図52の実施の形態では、ベクトルvは、撮像時座標系において、xz平面内のベクトルであって、xy平面からz軸方向に角度θの方向を有するものとなっている。即ち、図52の実施の形態では、ベクトルvは、緯度がθで、経度が0度の方向のベクトルになっている。
【0429】
また、図52の実施の形態では、注目撮像ポイントPにおけるカメラ41の光軸が、撮像時座標系の原点を通るものとなっているが、カメラ41の光軸は、必ずしも、撮像時座標系の原点を通る必要はない。
【0430】
さらに、図52では、被写体を囲む曲面Ωとして、閉曲面である、原点を中心とする球面を示してある。
【0431】
ステップS24では、画像データ変換部31は、ベクトルvと直交し、撮像時座標系上の所定の点としての、例えば原点を通る平面αを求め、ステップS25に進む。
【0432】
ここで、平面αは、必ずしも、原点を通るものである必要はない。
【0433】
ステップS25では、画像データ変換部31は、ステップS23で求めたベクトルvの緯度θおよび経度φを求め、即ち、ベクトルvとxy平面とがつくる角度である緯度θ、およびベクトルvとxz平面とがつくる角度である経度φを求め、ステップS26に進む。
【0434】
ここで、ベクトルvの緯度θおよび経度φは、ステップS24で求められた平面αの法線方向の緯度θおよび経度φということもできる。従って、所定の点としての原点を通る平面αは、その緯度θと経度φによって特定することができるので、この緯度θと経度φによって特定される平面αを、以下、適宜、平面I(θ,φ)とも記述する。
【0435】
なお、緯度θの符号については、z軸の正側と負側を、それぞれ正または負とする。また、経度φの符号についても、y軸の正側と負側を、それぞれ正または負とする。
【0436】
ステップS26では、画像データ変換部31は、図52に示すように、注目撮像ポイントPと注目画素Pとを結ぶ直線Lを求める。さらに、ステップS26では、画像データ変換部31は、直線Lと、ステップS24で求めた平面α(I(θ,φ))との交点Pを求め、ステップS27に進み、その点Pの、平面α上における座標(xα,yα)を求める。
【0437】
ここで、平面α上における点Pの座標(xα,yα)は、次のようにして求めることができる。
【0438】
即ち、いま、平面α上に、2次元座標系を考え、そのx軸方向とy軸方向の、撮像時座標系における単位ベクトルを、それぞれvとvと表す。
【0439】
この場合、点Pのx座標xαとy座標yαは、それぞれ、v・OP(またはv・OP)と、v・OP(またはv・OP)を計算することによって求めることができる。但し、・は、内積を表し、OP(OP)は、撮像時座標系の原点を始点とし、注目画素P(注目撮像ポイントP)を終点とするベクトルを表す。
【0440】
なお、単位ベクトルvは、例えば、式v・v=0を満たし、かつ式v・Z=0を満たす、長さが1のベクトルである。また、単位ベクトルvは、例えば、式v・v=0を満たし、かつ式v・v=0を満たす、長さが1のベクトルである。但し、ベクトルZは、撮像時座標系におけるz軸方向の単位ベクトル(=(0,0,1))を表す。
【0441】
ここで、注目撮像ポイントPからのカメラ41の光軸が、撮像時座標系の原点を通らない場合は、例えば、その光軸と平面αとの交点の、平面α上の2次元座標系の座標の分だけ、点Pの座標(xα,yα)をオフセットする必要がある。
【0442】
即ち、上述のようにして、平面α上における点Pの座標(xα,yα)を求めた場合、その点Pの座標(xα,yα)は、注目撮像ポイントPからのカメラ41の光軸と平面αとの交点を原点とするものであり、このため、光軸が平面αと交わる点が異なる撮像ポイントを通る同一方向の光線については、同一平面α上に、原点が異なる位置にある2次元座標系が定義されてしまうことになる。
【0443】
そこで、ここでは、同一平面α上に定義される2次元座標系の原点を、所定の点としての、例えば、撮像時座標系の原点に固定するため、注目撮像ポイントPからのカメラ41の光軸が、撮像時座標系の原点を通らない場合は、画像データ変換部31は、ステップS27において、その光軸と平面αとの交点の、平面α上の2次元座標系の座標の分だけ、点Pの座標をオフセットする。
【0444】
具体的には、画像データ変換部31は、上述したようにして求められた点Pの座標を、(xα’,yα’)と表すとともに、注目撮像ポイントPからのカメラ41の光軸と平面αとの交点の、平面α上の2次元座標系の座標を、(xα ,yα )と表すと、座標(xα’,yα’)と(xα ,yα )とを加算した座標(xα’+xα ,yα’+yα )を、平面α上における点Pの座標(xα,yα)として、最終的に求める。
【0445】
その後、ステップS28に進み、画像データ変換部31は、仮想スクリーン上の原画像データを構成する画素のうちの注目画素Pの画素値を、平面α上の点Pの位置の画素の画素値とする。即ち、いま、平面α上の点Pの位置の画素の画素値を、平面αを表すI(θ,φ)と、平面α上の点Pの座標を表す(xα,yα)とによって、I(θ,φ)(xα,yα)と表すこととすると、ステップS28において、画像データ変換部31は、平面α上の点Pの位置の画素の画素値I(θ,φ)(xα,yα)に、注目画素Pの画素値を設定する。これにより、注目画素Pは、ベクトルvと直交する平面I(θ,φ)に正射影され、その正射影された平面I(θ,φ)の点P(=(xα,yα))の位置の画素の画素値I(θ,φ)(xα,yα)として、注目画素Pの画素値が設定される。ここで、この注目画素Pを平面I(θ,φ)に正射影した画素Pの画素値I(θ,φ)(xα,yα)が、中間データである。
【0446】
そして、ステップS29に進み、画像データ変換部31は、注目撮像ポイントPに対して設定された仮想スクリーン上の(原画像データを構成する)すべての画素を注目画素としたかどうかを判定し、まだ、注目画素としていないものがあると判定した場合、ステップS22に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0447】
また、ステップS29において、仮想スクリーン上のすべての画素を注目画素としたと判定された場合、ステップS30に進み、画像データ変換部31は、画像データベース2に記憶された原画像データのすべてのフレームの撮像ポイントを、注目撮像ポイントとしたかどうかを判定する。
【0448】
ステップS30において、画像データベース2に記憶された原画像データの各のフレームの撮像ポイントのうち、まだ、注目撮像ポイントとしていないものがあると判定された場合、ステップS21に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0449】
また、ステップS30において、画像データベース2に記憶された原画像データの各のフレームの撮像ポイントすべてを、注目撮像ポイントとしたと判定された場合、処理を終了する。
【0450】
以上の画像データ変換処理により、理想的には、各値の緯度θと経度φで定義される平面I(θ,φ)上に、その緯度θと経度φで規定される方向の無限遠から被写体を見た場合の画像データが生成され、この画像データが、中間データとして、中間データベース3に供給されて記憶される。
【0451】
図53は、図51の画像データ変換処理により生成される中間データのフォーマットを模式的に表している。
【0452】
図51の画像データ変換処理によって生成される中間データは、平面I(θ,φ)上に、その緯度θと経度φで規定される方向の無限遠から見た被写体を映した画像データとなっており、従って、各値の緯度θおよび経度φごとに存在するので、図53Aに示すような、緯度θと経度φの値で区切られるテーブル(以下、適宜、緯度経度テーブルという)で表現することができる。
【0453】
ここで、図53Aの実施の形態では、緯度θが−90度から90度の範囲の1度刻みで、経度φが−180乃至179度の範囲の1度刻みで、それぞれ変化する平面I(θ,φ)ごとに、各緯度θと各経度φで規定される方向の無限遠から被写体を見た場合の画像データが、緯度経度テーブルの各マス目に登録されている。なお、緯度θや経度φを、何度刻みとするかは、特に限定されるものではない。また、緯度θや経度φの刻み幅は、一定であっても良いし、可変であっても良い。さらに、上述のように、緯度θと経度φが整数値のみを取り得る場合には、図51の画像データ変換処理において緯度θと経度φを求める演算を行うにあたり、小数点以下は、例えば、切り上げ、切り捨て、または四捨五入される。
【0454】
図53Aの緯度経度テーブルの各マス目には、そのマス目に対応する緯度θと経度φで規定される方向の無限遠から被写体を見た場合の画像データ、即ち、平面I(θ,φ)上に正射影された原画像データの画素の画素値が、その平面I(θ,φ)上に定義された2次元座標系の各x座標xαと各y座標yαごとに登録されている。即ち、図53Aの緯度経度テーブルの各マス目には、例えば、図53Bに示すように、平面I(θ,φ)上に定義された2次元座標系のx座標xαとy座標yαの値で区切られたテーブル(以下、適宜、画素値テーブルという)が登録されており、その画素値テーブルのマス目には、そのマス目に対応するx座標xαとy座標yαで規定される点に正射影された原画像データの画素の画素値p(xα,yα)が登録されている。
【0455】
なお、図53Bにおいて、xとyは、原画像データの画素を平面I(θ,φ)上に正射影した点の、最小のx座標とy座標を、それぞれ表す。また、xとyは、原画像データの画素を平面I(θ,φ)上に正射影した点の、最大のx座標とy座標を、それぞれ表す。さらに、図53Bでは、x座標およびy座標が1刻みになっているが、この刻み幅も、緯度θおよび経度φの刻み幅と同様に、特に限定されるものではない。
【0456】
ここで、図54に、図53Aの緯度経度テーブルの各マス目に登録されている、無限遠から被写体を見た場合の画像データの模式図を示す。なお、図54の実施の形態においては、被写体が、果物が入っている籠になっている。
【0457】
図53Aの緯度経度テーブルの各マス目に登録されている、無限遠から見た場合の画像データは、カメラで撮影された画像データそのものと同様の性質を有しており、従って、カメラで撮影された画像データに対して、その性質(例えば、相関性など)を利用して施される画像処理(例えば、エッジ強調やノイズ除去など)と同一の画像処理を施すことができる。
【0458】
ところで、図53Aの緯度経度テーブルの各マス目に登録されている画素値テーブル(図53B)における画素値からなる画像データは、そのマス目に対応する緯度θと経度φで規定される平面I(θ,φ)上に正射影された原画像データの画素の画素値から構成されるため、画像データベース2に記憶される原画像データによっては、画素値が存在しない場合がある。
【0459】
即ち、平面I(θ,φ)上に原画像データの画素が正射影される範囲(以下、適宜、有効範囲という)は、図53Bに示したように、x座標がx乃至xで、y座標がy乃至yで規定される範囲であり、この範囲における画素値が、画素値テーブルに登録されている。しかしながら、平面I(θ,φ)のすべての点(例えば、x座標がx乃至xの範囲の整数値で、y座標がy乃至yの範囲の整数値で、それぞれ表されるすべての点)に、原画像データの画素が正射影されるとは限らず、正射影される原画像データの画素が存在しない場合があり得る。
【0460】
従って、平面I(θ,φ)の有効範囲内の画素において、画素値が存在しない場合があり、この場合、その有効範囲の画像データ、即ち、平面I(θ,φ)に対応する画素値テーブル(図53B)における画素値からなる画像データは、例えば、図55Aに示すように、その一部の画素の画素値が欠落したものとなる。
【0461】
ここで、図55Aの実施の形態においては、黒色で示す縞模様状に、画素値が欠落している。
【0462】
このように、平面I(θ,φ)の有効範囲、つまり画素値テーブルに、画素値の欠落が生じている場合には、その画素値を補間する画素値補間処理を行い、これにより、図55Aに示した画素値が欠落している画素値テーブル(に登録された画素値で構成される画像)を、図55Bに示すような、画素値の欠落のない画素値テーブルに変換することができる。
【0463】
画素値テーブルについての画素値補間処理は、例えば、次のようにして行うことが可能である。
【0464】
即ち、例えば、いま、平面I(θ,φ)の有効範囲のある点(xα,yα)における画素値I(θ,φ)(xα,yα)が欠落している場合において、緯度または経度が僅かにずれた平面I(θ’,φ’)の有効範囲の、点(xα,yα)と同一座標の点における画素値I(θ’,φ’)(xα,yα)が存在するときには、欠落している画素値I(θ,φ)(xα,yα)は、平面I(θ’,φ’)上の画素値I(θ’,φ’)(xα,yα)で補間することができる。
【0465】
なお、θ’は、例えば、経度が整数値のみをとる場合には、θ±1やθ±2などとする。
【0466】
以上のような画素値補間処理は、図51の画像データ変換処理が終了した後、例えば、画像データ変換部31に行わせることができる。
【0467】
そこで、図56のフローチャートを参照して、画像データ変換部31が行う画素値補間処理について説明する。なお、ここでは、説明を簡単にするために、緯度θ、経度φ、平面I(θ,φ)の有効範囲のx座標xα、y座標yαは、いずれも整数値のみをとるものとする。
【0468】
画素値補間処理では、まず最初に、ステップS41において、画像データ変換部31が、緯度を表す変数θと、経度を表す変数φに、初期値としての、例えば、その最小値である−90度と−180度をそれぞれセットするとともに、平面I(θ,φ)のx座標を表す変数xαと、y座標を表す変数yαに、初期値としての、例えば、その最小値であるxとyをそれぞれセットする。
【0469】
そして、ステップS42に進み、画像データ変換部31は、中間データI(θ,φ)(xα,yα)に、画素値がセットされているかどうかを判定する。
【0470】
ここで、中間データI(θ,φ)(xα,yα)に、画素値がセットされているかどうかの判定は、例えば、図51の画像データ変換処理を行う前に、中間データとしての配列変数I(θ,φ)(xα,yα)に、画素値としては取り得ない値を、初期値として設定しておき、その値が、I(θ,φ)(xα,yα)にセットされているかどうかによって行う方法がある。
【0471】
ステップS42において、中間データI(θ,φ)(xα,yα)に、画素値がセットされていると判定された場合、即ち、画素値が欠落していない場合、ステップS43およびS44をスキップして、ステップS45に進む。
【0472】
また、ステップS42において、中間データI(θ,φ)(xα,yα)に、画素値がセットされていないと判定された場合、即ち、画素値が欠落している場合、ステップS43に進み、画像データ変換部31は、θ−△θ<θ’<θ+△θの範囲の緯度θ’と、φ−△φ<φ’<φ+△φの範囲の経度φ’で規定される平面I(θ’,φ’)上の点(xα,yα)の中で、画素値がセットされているものを探索(検索)する。
【0473】
ここで、△θと△φとしては、例えば、いずれも、小さい正の整数値が採用される。
【0474】
その後、ステップS44に進み、画像データ変換部31は、ステップS43で探索された画素値がセットされている中間データI(θ’,φ’)(xα,yα)の値(画素値)を、欠落している画素値である中間データI(θ,φ)(xα,yα)にセットして、ステップS45に進む。
【0475】
ここで、ステップS43において、θ−△θ<θ’<θ+△θの範囲の緯度θ’と、φ−△φ<φ’<φ+△φの範囲の経度φ’で規定される平面I(θ’,φ’)上の点(xα,yα)の中で、画素値がセットされているものが複数見つかった場合には、ステップS44では、画像データ変換部31は、その中から、例えば、緯度の差の絶対値|θ−θ’|と、経度の差の絶対値|φ−φ’|の自乗和が最も小さいものを選択し、その選択したI(θ’,φ’)(xα,yα)の値を、中間データI(θ,φ)(xα,yα)にセットする。
【0476】
また、ステップS43において、θ−△θ<θ’<θ+△θの範囲の緯度θ’と、φ−△φ<φ’<φ+△φの範囲の経度φ’で規定される平面I(θ’,φ’)上の点(xα,yα)の中で、画素値がセットされているものが見つからなかった場合には、ステップS44では、画像データ変換部31は、I(θ,φ)上の画素値がセットされている点の中から、点(xα,yα)と最も近い点を検索し、その点にセットされている画素値を、点(xα,yα)にセットする。
【0477】
なお、画素値補間処理では、平面I(θ,φ)上の、画素値がセットされていない点(xα,yα)に、画素値が補間されるから、その処理が進行していくと、画素値が補間された点における画素値によって、さらに、他の点における画素値が補間されることが生じうる。これを防止するためには、画素値の補間がされた点に、例えば、補間がされたことを表す補間フラグを付加するようにし、補間フラグが付加されている点における画素値は、補間に用いないようにする(ステップS43における探索の対象外とする)必要がある。
【0478】
ステップS45では、画像データ変換部31が、平面I(θ,φ)上のy座標を表す変数yαが、その最大値であるyに等しいかどうかを判定する。ステップS45において、y座標yαが、最大値yに等しくないと判定された場合、ステップS46に進み、画像データ変換部31は、y座標yαを1だけインクリメントして、ステップS42に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0479】
また、ステップS45において、y座標yαが、最大値yに等しいと判定された場合、ステップS47に進み、画像データ変換部31は、y座標yαを、その最小値であるyにリセットして、ステップS48に進む。
【0480】
ステップS48では、画像データ変換部31が、平面I(θ,φ)上のx座標を表す変数xαが、その最大値であるxに等しいかどうかを判定する。ステップS48において、x座標xαが、最大値xに等しくないと判定された場合、ステップS49に進み、画像データ変換部31は、x座標xαを1だけインクリメントして、ステップS42に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0481】
また、ステップS48において、x座標xαが、最大値xに等しいと判定された場合、ステップS50に進み、画像データ変換部31は、x座標xαを、その最小値であるxにリセットして、ステップS51に進む。
【0482】
ステップS51では、画像データ変換部31は、経度を表す変数φが、その最大値である179度に等しいかどうかを判定する。ステップS51において、経度φが、最大値である179度に等しくないと判定された場合、ステップS52に進み、画像データ変換部31は、経度φを1だけインクリメントして、ステップS42に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0483】
また、ステップS51において、経度φが、最大値である179度に等しいと判定された場合、ステップS53に進み、画像データ変換部31は、経度φを、その最小値である−180度にリセットし、ステップS54に進む。
【0484】
ステップS54では、画像データ変換部31は、緯度を表す変数θが、その最大値である90度に等しいかどうかを判定する。ステップS54において、緯度θが、最大値である90度に等しくないと判定された場合、ステップS55に進み、画像データ変換部31は、緯度θを1だけインクリメントして、ステップS42に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0485】
また、ステップS54において、緯度θが、最大値である90度に等しいと判定された場合、処理を終了する。
【0486】
なお、ここでは、画素値補間処理を、画像データ変換部31に行わせるようにしたが、画素値補間処理は、その他、例えば、図51の画像データ変換処理が終了した後に、中間データ変換部32(図29)に行わせるようにすることも可能である。
【0487】
ところで、図56の画素値補間処理では、他の点にセットされている画素値を、画素値がセットされていない点の画素値として、そのまま用いて補間が行われることから、平面I(θ,φ)上に形成される画像データの真値が存在すると仮定すると、画素値補間処理によって得られる画像データは、基本的に、真値に一致しない。
【0488】
しかしながら、真値に一致しないまでも、真値に、より近い画像データが得られるのが望ましい。
【0489】
そこで、図56の画素補間処理によって得られる画像データを、真値に、より近い画像データに変換する方法として、例えば、本件出願人が先に提案しているクラス分類適応処理がある。
【0490】
クラス分類適応処理は、クラス分類処理と適応処理とからなり、クラス分類処理によって、データが、その性質に基づいてクラス分けされ、各クラスごとに適応処理が施される。
【0491】
ここで、適応処理について、低画質の画像(以下、適宜、低画質画像という)を、高画質の画像(以下、適宜、高画質画像という)に変換する場合を例に説明する。
【0492】
なお、図56の画素補間処理によって得られる画像データは、真値と比較して低画質な低画質画像と考えることができ、真値は、図56の画素補間処理によって得られる画像データと比較して高画質な高画質画像と考えることができる。
【0493】
適応処理では、低画質画像を構成する画素(以下、適宜、低画質画素という)と、所定のタップ係数との線形結合により、その低画質画像の画質を向上させた高画質画像の画素の予測値を求めることで、その低画質画像の画質を高くした画像が得られる。
【0494】
具体的には、例えば、いま、ある高画質画像を教師データとするとともに、その高画質画像の画質を劣化させた低画質画像を生徒データとして、高画質画像を構成する画素(以下、適宜、高画質画素という)の画素値yの予測値E[y]を、幾つかの低画質画素の画素値x,x,・・・の集合と、所定のタップ係数w,w,・・・の線形結合により規定される線形1次結合モデルにより求めることを考える。この場合、予測値E[y]は、次式で表すことができる。
【0495】
【数50】
Figure 2004015255
・・・(50)
【0496】
式(50)を一般化するために、タップ係数wの集合でなる行列W、生徒データxijの集合でなる行列X、および予測値E[y]の集合でなる行列Y’を、次式のように定義する。
【0497】
【数51】
Figure 2004015255
・・・(51)
【0498】
この場合、次のような観測方程式が成立する。
【0499】
【数52】
Figure 2004015255
・・・(52)
【0500】
ここで、行列Xの成分xijは、i件目の生徒データの集合(i件目の教師データyの予測に用いる生徒データの集合)の中のj番目の生徒データを意味し、行列Wの成分wは、生徒データの集合の中のj番目の生徒データとの積が演算されるタップ係数を表す。また、yは、i件目の教師データを表し、従って、E[y]は、i件目の教師データの予測値を表す。なお、式(50)の左辺におけるyは、行列Yの成分yのサフィックスiを省略したものであり、また、式(50)の右辺におけるx,x,・・・も、行列Xの成分xijのサフィックスiを省略したものである。
【0501】
式(52)の観測方程式に最小自乗法を適用して、高画質画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めることを考える。そこで、まず、教師データとなる高画質画素の真の画素値yの集合でなる行列Y、および高画質画素の画素値yに対する予測値E[y]の残差eの集合でなる行列Eを、次式で定義する。
【0502】
【数53】
Figure 2004015255
・・・(53)
【0503】
この場合、式(52)から、次のような残差方程式が成立する。
【0504】
【数54】
Figure 2004015255
・・・(54)
【0505】
最小自乗法では、高画質画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めるためのタップ係数wを評価する尺度として、例えば、次式で表される自乗誤差が採用される。
【0506】
【数55】
Figure 2004015255
・・・(55)
【0507】
高画質画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めるためのタップ係数wは、式(55)の自乗誤差を最小にすることで求めることができる。
【0508】
従って、式(55)の自乗誤差をタップ係数wで微分したものが0になる場合、即ち、次式を満たすタップ係数wが、高画質画素の画素値yに近い予測値E[y]を求めるため最適値ということになる。
【0509】
【数56】
Figure 2004015255
・・・(56)
【0510】
そこで、まず、式(54)を、タップ係数wで微分することにより、次式が成立する。
【0511】
【数57】
Figure 2004015255
・・・(57)
【0512】
式(56)および(57)より、式(58)が得られる。
【0513】
【数58】
Figure 2004015255
・・・(58)
【0514】
さらに、式(54)の残差方程式における生徒データxij、タップ係数w、教師データy、および残差(誤差)eの関係を考慮すると、式(58)から、次のような正規方程式を得ることができる。
【0515】
【数59】
Figure 2004015255
・・・(59)
【0516】
なお、いま、ベクトルWを、式(51)で示したように定義するとともに、行列(共分散行列)Aおよびベクトルvを、次式で定義する。
【0517】
【数60】
Figure 2004015255
・・・(60)
【0518】
この場合、式(59)に示した正規方程式は、次式で表される。
【0519】
【数61】
Figure 2004015255
・・・(61)
【0520】
式(61)と等価な式(59)における各正規方程式は、生徒データxijおよび教師データyのセットを、ある程度の数だけ用意することで、求めるべきタップ係数wの数Jと同じ数だけたてることができ、従って、式(61)を、ベクトルWについて解くことで(但し、式(61)を解くには、式(61)における行列Aが正則である必要がある)、最適なタップ係数wを求めることができる。なお、式(61)を解くにあたっては、例えば、掃き出し法(Gauss−Jordanの消去法)などを用いることが可能である。
【0521】
以上のように、生徒データと教師データを用いて、最適なタップ係数wを求める学習をしておき、さらに、そのタップ係数wを用い、式(50)により、教師データyに近い予測値E[y]を求めるのが適応処理である。
【0522】
なお、適応処理は、低画質画像には含まれていないが、高画質画像に含まれる成分が再現される点で、単なる補間とは異なる。即ち、適応処理では、式(50)だけを見る限りは、例えば、いわゆる補間フィルタを用いての単なる補間と同一に見えるが、その補間フィルタのタップ係数に相当するタップ係数wが、教師データyを用いての、いわば学習により求められるため、高画質画像に含まれる成分を再現することができる。このことから、適応処理は、いわば画像の創造作用がある処理ということができる。
【0523】
次に、図57は、上述のようなクラス分類適応処理を行うクラス分類適応処理装置の構成例を示している。
【0524】
なお、クラス分類適応処理装置は、例えば、図29の画像データ変換部31または中間データ変換部32に内蔵させ、図56の画素値補間処理が施された中間データを対象に、クラス分類適応処理を行わせるようにすることができる。また、クラス分類適応処理装置は、図29の画像データ変換部31および中間データ変換部32とは別に設け、中間データベース3に記憶された、図56の画素値補間処理が施された中間データを対象に、クラス分類適応処理を行わせるようにすることができる。
【0525】
バッファ61には、低画質画像データとしての、画素値補間処理が施された中間データ(以下、適宜、補間中間データという)が供給され、バッファ61は、そこに供給される低画質画像データを一時記憶する。
【0526】
予測タップ抽出部62は、後述する積和演算部66において求めようとする、中間データの真値としての高画質画像データの画素(高画質画素)を、順次、注目画素とし、さらに、その注目画素を予測するのに用いる低画質画像データの画素(低画質画素)を、バッファ61から抽出し、予測タップとする。
【0527】
即ち、予測タップ抽出部62は、例えば、注目画素に対応する位置に対して近い位置にある低画質画素の幾つかを、予測タップとして、バッファ61から読み出す。
【0528】
そして、予測タップ抽出部62は、注目画素について、予測タップを得ると、その注目画素についての予測タップを、積和演算部66に供給する。
【0529】
ここで、予測タップ抽出部62では、例えば、注目画素の平面に対応する低画質画像データとしての中間データの平面I(θ,φ)において、注目画素に対応する位置から近い位置にある低画質画素の幾つかを、予測タップとして抽出することができる。さらに、予測タップ抽出部62では、平面I(θ,φ)から緯度θまたは経度φが僅かにずれた平面I(θ’,φ’)において、注目画素に対応する位置から近い位置にある低画質画素の幾つかも、予測タップとして抽出することが可能である。
【0530】
一方、クラスタップ抽出部63は、注目画素を、幾つかのクラスのうちのいずれかに分類するためのクラス分類に用いる低画質画素を、バッファ61から抽出し、クラスタップとする。
【0531】
なお、ここでは、説明を簡単にするために、例えば、予測タップ抽出部62で得られる予測タップと、クラスタップ抽出部63で得られるクラスタップとは、同一のタップ構造を有するものとする。但し、予測タップとクラスタップとは、独立(別)のタップ構造を有するものとすることが可能である。
【0532】
クラスタップ抽出部63において得られる、注目画素についてのクラスタップは、クラス分類部64に供給される。クラス分類部64は、クラスタップ抽出部63からのクラスタップに基づき、注目画素をクラス分類し、その結果得られるクラスに対応するクラスコードを出力する。
【0533】
ここで、クラス分類を行う方法としては、例えば、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)等を採用することができる。
【0534】
ADRCを用いる方法では、クラスタップを構成する画素の画素値が、ADRC処理され、その結果得られるADRCコードにしたがって、注目画素のクラスが決定される。
【0535】
なお、KビットADRCにおいては、例えば、クラスタップを構成する画素値の最大値MAXと最小値MINが検出され、DR=MAX−MINを、集合の局所的なダイナミックレンジとし、このダイナミックレンジDRに基づいて、クラスタップを構成する画素がKビットに再量子化される。即ち、クラスタップを構成する各画素の画素値から、最小値MINが減算され、その減算値がDR/2で除算(量子化)される。そして、以上のようにして得られる、クラスタップを構成するKビットの各画素の画素値を、所定の順番で並べたビット列が、ADRCコードとして出力される。従って、クラスタップが、例えば、1ビットADRC処理された場合には、そのクラスタップを構成する各画素の画素値は、最小値MINが減算された後に、最大値MAXと最小値MINとの差分値で除算され、これにより、各画素の画素値が1ビットとされる(2値化される)。そして、その1ビットの画素値を所定の順番で並べたビット列が、ADRCコードとして出力される。
【0536】
なお、クラス分類部64には、例えば、クラスタップを構成する画素のレベル分布(画素値分布)のパターンを、そのままクラスコードとして出力させることも可能であるが、この場合、クラスタップが、N個の画素で構成され、各画素に、Kビットが割り当てられているとすると、クラス分類部64が出力するクラスコードの場合の数は、(2通りとなり、画素のビット数Kに指数的に比例した膨大な数となる。
【0537】
従って、クラス分類部64においては、クラスタップの情報量を、上述のADRC処理や、あるいはベクトル量子化等によって圧縮してから、クラス分類を行うのが好ましい。
【0538】
クラス分類部64が出力するクラスコードは、係数記憶部65に、アドレスとして与えられる。
【0539】
係数記憶部65は、後述する学習装置において学習処理が行われることにより得られるタップ係数を記憶しており、クラス分類部64が出力するクラスコードに対応するアドレスに記憶されているタップ係数を、積和演算部66に出力する。
【0540】
積和演算部66は、予測タップ抽出部62が出力する予測タップと、係数記憶部65が出力するタップ係数とを取得し、その予測タップとタップ係数とを用いて、式(50)に示した線形予測演算(積和演算)を行い、その演算結果を、注目画素となっている高画質画素の画素値として出力する。
【0541】
次に、図58は、図57の係数記憶部65に記憶させるタップ係数の学習処理を行う学習装置の一実施の形態の構成例を示している。
【0542】
教師データメモリ71には、学習に用いられる学習用データが供給される。ここで、学習用データとしては、中間データの真値としての高画質画像データが用いられる。即ち、例えば、多数の視点から撮像した画像データを対象に、図51の画像データ変換処理を行うことで、画素値の欠落のない中間データを生成し、これが、学習用データとして用いられる。
【0543】
教師データメモリ71は、そこに供給される、学習用データとしての高画質画像データを、学習の教師となる教師データとして記憶する。そして、生徒データ生成部72は、教師データメモリ71に記憶された教師データから、学習の生徒となる生徒データを生成する。
【0544】
即ち、生徒データ生成部72は、教師データメモリ71に記憶された教師データとしての画像データの画素値を欠落させ、その画素値を欠落させた画像データに、図56の画素値補間処理を施す。そして、生徒データ生成部72は、その画素値補間処理によって得られる低画質の画像データを、生徒データとして、生徒データメモリ73に供給して記憶させる。
【0545】
教師データメモリ71に記憶された教師データについて、生徒データが求められ、生徒データメモリ73に記憶されると、予測タップ抽出部74は、教師データメモリ71に記憶された教師データを、順次、注目画素とし、さらに、その注目画素を予測するのに用いる生徒データを、生徒データメモリ73から抽出し、これにより、図57の予測タップ抽出部62が構成する予測タップと同一のタップ構造の予測タップを構成する。
【0546】
以上のようにして、予測タップ抽出部74で得られた予測タップは、正規方程式加算部77に供給される。
【0547】
一方、クラスタップ抽出部75は、注目画素のクラス分類に用いる生徒データを、生徒データメモリ73から抽出し、これにより、図57のクラスタップ抽出部63における場合と同一構造のクラスタップを構成して、クラス分類部76に供給する。
【0548】
クラス分類部76は、クラスタップ抽出部75から、注目画素についてのクラスタップが供給されると、そのクラスタップを用い、図57のクラス分類部64と同一のクラス分類を行い、注目画素のクラスを表すクラスコードを、正規方程式加算部77に供給する。
【0549】
正規方程式加算部77は、教師データメモリ71から、注目画素となっている教師データを読み出し、予測タップ抽出部74からの予測タップを構成する生徒データ、および注目画素としての教師データを対象とした足し込みを、クラス分類部76から供給されるクラスごとに行う。
【0550】
即ち、正規方程式加算部77は、クラス分類部76から供給されるクラスコードに対応するクラスごとに、予測タップ(生徒データ)を用い、式(60)の行列Aにおける各コンポーネントとなっている、生徒データどうしの乗算(xinim)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0551】
さらに、正規方程式加算部77は、やはり、クラス分類部76から供給されるクラスコードに対応するクラスごとに、予測タップ(生徒データ)および注目画素(教師データ)を用い、式(60)のベクトルvにおける各コンポーネントとなっている、生徒データと教師データの乗算(xin)と、サメーション(Σ)に相当する演算を行う。
【0552】
正規方程式加算部77は、以上の足し込みを、教師データメモリ71に記憶された教師データすべてを注目画素として行い、これにより、各クラスについて、式(61)に示した正規方程式をたてる。
【0553】
その後、タップ係数決定部78は、正規方程式加算部77においてクラスごとに生成された正規方程式を解くことにより、クラスごとに、タップ係数を求め、係数メモリ79の、各クラスに対応するアドレスに供給する。これにより、係数メモリ79では、タップ係数決定部78から供給されるクラスごとのタップ係数が記憶される。
【0554】
なお、図53の中間データのフォーマットは、原画像データを構成する画素に入射した光線の各方向(緯度θと経度φによって特定される各方向)について、その方向に垂直な平面の各点ごとに、その点に入射する、平面と垂直な方向の光線に対応する画素値を表したものであるが、中間データは、その他、例えば、図59に示すフォーマットとすることも可能である。
【0555】
即ち、図53のフォーマットでは、中間データが、緯度θと経度φの値で区切られる緯度経度テーブル(図53A)で表現され、さらに、その緯度経度テーブルの各マス目には、そのマス目に対応する緯度θと経度φで規定される平面I(θ,φ)上に正射影された原画像データの画素の画素値が、その平面I(θ,φ)上に定義された2次元座標系の各x座標xαと各y座標yαごとに配置された画素値テーブルが登録されている。
【0556】
これに対して、図59の中間データのフォーマットは、原画像データを構成する画素に入射した光線の方向と垂直な平面の各点について、その平面と垂直な方向ごとに、その方向の光線に対応する画素値を表したものとなっている。
【0557】
即ち、図59のフォーマットでは、中間データが、図59Aに示すように、原画像データの画素の画素値が正射影される平面I(θ,φ)上に定義された2次元座標系のx座標xαとy座標yαの値で区切られたテーブル(以下、適宜、座標テーブルという)で表現され、さらに、その座標テーブルの各マス目には、図59Bに示すように、そのマス目に対応するx座標xαとy座標yαで規定される点に正射影された原画像データの画素値が、画素値が正射影される平面I(θ,φ)を規定する各緯度θと各経度φごとに配置されたテーブル(このテーブルも、以下、適宜、画素値テーブルという)が登録される。
【0558】
図59のフォーマットでは、座標テーブルの1つのマス目に、緯度θと経度φが各値の平面における、同一座標の点に正射影された原画像データの画素値が配置されるため、図56の画素値補間処理を行う場合に、図53のフォーマットよりも有利である。
【0559】
即ち、図56の画素値補間処理では、平面I(θ,φ)上のある点(xα,yα)における画素値I(θ,φ)(xα,yα)が欠落している場合には、緯度または経度が僅かにずれた平面I(θ’,φ’)上の、点(xα,yα)と同一座標の点における画素値I(θ’,φ’)(xα,yα)によって、欠落している画素値I(θ,φ)(xα,yα)が補間される。
【0560】
従って、図53のフォーマットの中間データでは、画素値補間処理を行うのに、緯度経度テーブル(図53A)において、画素値の欠落がある平面I(θ,φ)に対応するマス目とは別のマス目である、平面I(θ’,φ’)に対応するマス目から、画素値I(θ’,φ’)(xα,yα)を読み出す必要がある。
【0561】
これに対して、図59のフォーマットの中間データでは、座標テーブル(図59A)において、各緯度θと各経度φの平面I(θ,φ)上における同一座標(xα,yα)の点における画素値が、1つのマス目に登録されているから、画素値補間処理を行うにあたっては、画素値の欠落がある平面I(θ,φ)上の点(xα,yα)に対応するマス目と同一のマス目から、画素値I(θ’,φ’)(xα,yα)を読み出すことができる。即ち、この場合、座標テーブル(図59A)において、画素値の欠落がある平面I(θ,φ)上の点(xα,yα)に対応するマス目と別のマス目にアクセスする必要がない。
【0562】
次に、図60のフローチャートと、図61を参照して、図29の中間データ変換部32が、図30のステップS3で行う中間データ変換処理、即ち、中間データを、ユーザの視点から見た画像データ(提示用画像データ)に変換する処理について説明する。
【0563】
まず最初に、ステップS61において、中間データ変換部32は、図30のステップS2で設定されたユーザの視点Pについて、図61に示すように、そのユーザの視点Pから、その視線方向に向かって、所定の距離Lだけ離れた位置に、ユーザの視線と直交する長方形状の平面を、仮想スクリーンとして設定する。
【0564】
ここで、本実施の形態では、説明を簡単にするため、図51で説明した画像データ変換処理では、被写体のある点(例えば、重心など)を原点とする撮像時座標系を用いて処理が行われるものとする。
【0565】
さらに、中間データ変換処理では、ディスプレイ6(図26)に、ユーザの視点に応じた画像を表示するための3次元座標系が想定される。いま、この3次元座標系を、表示時座標系というものとし、その原点は、例えば、ディスプレイ6の表示画面の中心点(表示画面の対角線の交点)にとられるものとする。そして、ユーザの視線は、視点Pから、例えば、表示時座標系の原点に向かうものであるとする。
【0566】
その後、ステップS62に進み、中間データ変換部32は、ユーザの視点Pについて設定した仮想スクリーン上の画素のうち、まだ注目画素として選択していない画素を、注目画素Pとして選択する。
【0567】
ステップS62の処理後は、ステップS63に進み、中間データ変換部32は、注目画素Pを始点とし、ユーザの視点Pを終点とするベクトルvを求め、ステップS64に進む。
【0568】
ここで、図61の実施の形態では、ベクトルvは、表示時座標系において、xz平面内のベクトルであって、xy平面からz軸方向に角度θの方向を有するものとなっている。即ち、図61の実施の形態では、ベクトルvは、緯度がθで、経度が0度の方向のベクトルになっている。
【0569】
また、図61の実施の形態では、ユーザの視線方向が、上述したように、ユーザの視点Pから表示時座標系の原点を通るものとなっているが、ユーザの視線方向は、必ずしも、表示時座標系の原点を通る必要はない。即ち、ユーザの視線方向は、何らかの方法で検出するようにすることができる。
【0570】
さらに、図61では、図52における場合と同様に、被写体を囲む曲面Ωとして、閉曲面である球面を示してある。
【0571】
ステップS64では、中間データ変換部32は、ベクトルvと直交し、表示時座標系上の所定の点としての原点を通る平面αを求め、ステップS65に進む。
【0572】
ここで、平面αは、必ずしも、原点を通るものである必要はない。
【0573】
ステップS65では、中間データ変換部32は、ステップS63で求めたベクトルvの緯度θおよび経度φを求め、即ち、ベクトルvとxy平面とがつくる角度である緯度θ、およびベクトルvとxz平面とがつくる角度である経度φを求め、ステップS66に進む。
【0574】
ここで、ベクトルvの緯度θおよび経度φは、ステップS64で求められた平面αの法線方向の緯度θおよび経度φでもある。従って、所定の点としての原点を通る平面αは、その緯度θと経度φによって特定することができるので、この緯度θと経度φによって特定される平面αを、画像データ変換処理における場合と同様に、以下、適宜、平面I(θ,φ)とも記述する。
【0575】
ステップS66では、中間データ変換部32は、図61に示すように、ユーザの視点Pと注目画素Pとを結ぶ直線Lを求める。さらに、ステップS66では、中間データ変換部32は、直線Lと、ステップS64で求めた平面α(I(θ,φ))との交点Pを求め、ステップS67に進み、その点Pの、平面α上の2次元座標系における座標(xα,yα)を求める。
【0576】
ここで、平面α上における点Pの座標(xα,yα)は、図51のステップS27における場合と同様にして求めることができる。
【0577】
なお、ユーザの視点Pからの視線方向が、表示時座標系の原点を通らない場合は、例えば、図51のステップS27で説明した場合と同様に、その視線方向の直線と平面αとの交点の、平面α上の2次元座標系の座標の分だけ、点Pの座標(xα,yα)をオフセットする必要がある。
【0578】
その後、ステップS68に進み、中間データ変換部32は、仮想スクリーン上の注目画素Pの画素値として、平面α上の点Pの位置の画素の画素値をセットする。即ち、平面αが、緯度θと経度φで特定される平面I(θ,φ)であり、平面α上の点Pの座標が、(xα,yα)である場合、中間データ変換部32は、中間データベースから、画素値I(θ,φ)(xα,yα)を読み出し、その画素値(θ,φ)(xα,yα)を、注目画素Pの画素値としてセットする。
【0579】
そして、ステップS69に進み、中間データ変換部32は、ユーザの視点Pに対して設定された仮想スクリーン上のすべての画素を注目画素としたかどうかを判定し、まだ、注目画素としていないものがあると判定した場合、ステップS62に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0580】
また、ステップS69において、仮想スクリーン上のすべての画素を注目画素としたと判定された場合、即ち、仮想スクリーン上に、ユーザの視点から見た画像データ(提示用画像データ)が形成された場合、処理を終了する。
【0581】
以上のようにして得られた提示用画像データは、上述した図30のステップS4において、ディスプレイ6に表示される。
【0582】
従って、ディスプレイ6には、ユーザの視点から被写体を見た場合の画像データが表示されることになる。
【0583】
以上のように、原画像データを撮像したときの光線の軌跡とその光線に対応する画素値である光線情報を用いて、原画像データを、ユーザの視点から見える提示用画像データに変換するようにしたので、実写の画像であっても、容易に、ユーザの視点に応じて変化させることができる。即ち、ユーザが、その視点を動かすことにより、ディスプレイ6には、ユーザが現実世界において被写体を観察している場合にユーザの視覚に映るのと同様の画像が表示される。
【0584】
具体的には、例えば、ユーザが、ディスプレイ6に向かって、左または右方向に視点を移動した場合には、ディスプレイ6には、ユーザが視点を動かす前に表示されていた被写体の左側面側または右側面側が見える画像が表示される。また、例えば、ユーザが、ディスプレイ6に対して近づく方向または遠ざかる方向に視点を移動した場合には、ディスプレイ6には、ユーザが視点を動かす前に表示されていた被写体が大きくまたは小さくなった画像が表示される。
【0585】
その結果、ユーザは、被写体としての物体が、実際に、その場にあるかのような感覚を享受することができる。
【0586】
また、図29の画像処理装置1によれば、例えば、宇宙空間の画像データや、分子などのミクロの構造の画像データなどを、原画像データとして、図30の画像処理を行うようにすることにより、通常は視認することができない構造を、ユーザが直感的に把握することができるインタフェースの提供が可能となる。
【0587】
さらに、図29の画像処理装置1では、原画像データを、被写体を無限遠の各方向から観察した中間データに変換しておくようにしたので、その中間データから、ユーザの視点に応じた提示用画像データを、容易に生成することができる。
【0588】
なお、中間データは、別の被写体について、独立に生成しておき、図60の中間データ変換処理において、提示用画像データを生成する過程で、その別々の被写体の画像を合成するようにすることも可能である。
【0589】
また、中間データについては、図60の中間データ変換処理の対象とする前に、その一部を削除したり、その一部に、他の中間データ等の画像データを追加する等の編集を行うことが可能である。
【0590】
さらに、図29の画像処理装置1において処理の対象とする画像は、実写の画像に限定されるものではない。
【0591】
また、上述の場合には、ユーザの位置を検出し、その位置に、ユーザの視点を設定して(ユーザの視点があるものとして)、図60の中間データ変換処理を行うようにしたが、ユーザの視点は、図29の画像処理装置1において、任意の位置に設定することが可能である。
【0592】
即ち、ユーザの視点は、例えば、表示時座標系の原点を中心とする、所定の平面上に描かれる所定の半径の円の円周上を、順次移動するように設定することが可能である。この場合、ディスプレイ6には、被写体の周囲をパン(pan)しながら撮像を行ったかのような画像が表示されることになる。
【0593】
また、ユーザの視点は、例えば、表示時座標系の原点を通る直線上を、一方向に移動するように設定することが可能である。この場合、ディスプレイ6には、被写体に近づきながら、または被写体から遠ざかりながら撮像を行ったかのような画像が表示されることになる。
【0594】
さらに、上述の場合には、静止している被写体を、その被写体をモーションベース方式やターンテーブル方式で動かしながら、カメラ41で撮像することにより、多数の視点から撮像した被写体の原画像データを得るようにしたが、図29の画像処理装置1では、動きのある被写体の画像を対象に処理を行うことも可能である。但し、その場合、基本的には、例えば、複数のカメラによって、複数の視点から、動いている被写体の画像データを同時に撮像するとともに、その複数のカメラそれぞれによって撮像された各フレームの画像データについて、フレームごとに、中間データを生成し、さらに、表示時にも、フレームごとに、そのフレームの中間データを用いて、提示用画像データを生成する必要がある。
【0595】
上述した図2や図9の画像生成装置は、画像データベース2に記憶させる原画像データを生成(撮像)するのに利用することができる。
【0596】
即ち、図62は、本発明を適用した画像生成装置のさらに他の一実施の形態の構成例を示している。なお、図中、図2、図9、または図31における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。即ち、図62の画像生成装置は、図2における連続多視点光線取得光学系101および全方位画像取得部102、図9における幾何処理部141、並びに図31における駆動機構45、駆動機構制御部46、およびコントローラ47に、撮像ポイント演算部142を新たに加えて構成されている。
【0597】
ここで、図62の実施の形態では、連続多視点光線取得光学系101として、例えば、図4に示した楕円ミラー111が採用されているものとする。但し、図62においては、連続多視点光線取得光学系101として、図5に示した放物面ミラー121Aおよび121Bを採用することも可能である。
【0598】
また、図62の実施の形態では、駆動機構45として、例えば、図33および図34で説明したようなモーションベースを採用することができる。駆動機構45として、モーションベースが採用される場合には、例えば、図63に示すように、駆動機構45としてのモーションベースは、連続多視点光線取得光学系101としての楕円ミラー111の焦点f側に設置される。そして、駆動機構45としてのモーションベース上に被写体を載せた状態で、その被写体が、例えば併進運動するように、モーションベースが上下左右前後に移動される。但し、図62では、駆動機構45として、図35で説明したターンテーブルを採用することも可能である。
【0599】
撮像ポイント演算部142は、コントローラ47から供給される情報に基づいて、幾何処理部141が出力する画像情報における画像データを撮像した撮像ポイントを演算する。
【0600】
ここで、図62の実施の形態では、コントローラ47は、図31で説明したように、駆動機構制御部46による駆動機構45の駆動速度および駆動方向などを制御するとともに、全方位画像取得部102としての魚眼カメラ112(図4)の撮像タイミングを制御する。
【0601】
コントローラ47は、上述のように、魚眼カメラ112と駆動機構制御部46を制御することで、駆動機構45としてのモーションベースを移動させ、これにより、被写体の位置を移動させて、その移動後の位置における被写体の画像データを、魚眼カメラ112に撮像させる。このとき、コントローラ47は、所定の位置(例えば、被写体の撮像開始時の被写体の位置)を基準位置として、その基準位置から、撮像時の被写体の位置までの移動量(基準位置に対する、撮像時の被写体の位置)(以下、適宜、被写体移動量という)を、撮像ポイント演算部142に供給する。
【0602】
撮像ポイント演算部142は、上述したようにしてコントローラ47から供給される、撮像時の被写体移動量に基づいて、幾何処理部141が出力する画像情報における画像データを撮像した撮像ポイントを演算する。
【0603】
即ち、撮像ポイント演算部142は、例えば、図64に示すように、楕円ミラー111と同一形状の曲面Ωを想定し、画像情報における光線方向の光線が、曲面Ωと交わる点を、その光線方向に対応付けられている画素の撮像ポイントとして求める。
【0604】
具体的には、図64では、曲面Ω上の点Pが、被写体が射出する光線Lとの交点となっているが、この場合、撮像ポイント演算部142では、画像情報において光線Lの光線方向と対応付けられている画素については、その撮像ポイントとして、点Pが求められる。また、図64では、曲面Ω上の点Pが、被写体が射出する光線Lとの交点となっているが、この場合、撮像ポイント演算部142では、画像情報において光線Lの光線方向と対応付けられている画素については、その撮像ポイントとして、点Pが求められる。
【0605】
撮像ポイント演算部142は、被写体が、例えば、基準位置にあるときは、上述したようにして、画像情報における画像データを構成する各画素について、撮像ポイントを求めるが、被写体が基準位置以外の位置にあるときは、次のようにして撮像ポイントを求める。
【0606】
即ち、例えば、被写体が、図64に示した基準位置から、下方向に、距離Dだけ移動された状態において、図65に示すように、曲面Ω上の点Pと交わる光線Lの光線方向を含む画像情報が、幾何処理部141から撮像ポイント演算部142に供給されたとする。
【0607】
この場合、コントローラ47は、基準位置からの被写体の移動量を表す被写体移動量(ここでは、下方向に距離Dだけの移動量)を、撮像ポイント演算部142に供給する。撮像ポイント演算部142は、画像情報における光線方向の光線Lを、コントローラ47から供給される被写体移動量が表す移動方向とは逆向きに、その被写体移動量が表す大きさの移動量だけ移動する。即ち、例えば、いま、被写体移動量を、その左右、前後、上下それぞれの移動量△x,△y,△zによって、(△x,△y,△z)と表すこととすると、撮像ポイント演算部142は、光線Lを、(−△x,−△y,−△z)だけ移動する。
【0608】
従って、例えば、図65における光線Lは、図66に示すように、上方向に、距離Dだけ移動される。
【0609】
そして、いま、光線Lを被写体移動量に対応して移動した後の光線を、光線L’と記述することとすると、撮像ポイント演算部142は、光線L’が、曲面Ωと交わる点を、画像情報において光線Lの光線方向と対応付けられている画素の撮像ポイントとして求める。
【0610】
ここで、図66においては、光線L’は、点Pにおいて、曲面Ωと交わっており、従って、図67に示すように、画像情報において光線Lの光線方向と対応付けられている画素と、光線Lの光線方向と対応付けられている画素のいずれについても、点Pが、その撮像ポイントとして求められる。
【0611】
撮像ポイント演算部142は、以上のようにして、幾何処理部141から供給される画像情報における画像データを構成する各画素について、撮像ポイントを求めると、画像情報における各画素(の画素値)に、その撮像ポイントを対応付けて出力する。
【0612】
従って、図62の実施の形態では、全方位画像取得部102としての魚眼カメラ112(図4)で撮像された画像データを構成する各画素(の画素値)に、その画素に対応する光線の光線方向と、撮像ポイントとが対応付けられた画像情報が出力される。
【0613】
次に、図68のフローチャートを参照して、図62の画像生成装置の処理(画像生成処理)について説明する。
【0614】
まず最初に、コントローラ47は、被写体を所定の位置に移動させ、その撮像を行うように、全方位画像取得部102としての魚眼カメラ112と、駆動機構制御部46を制御するとともに、その所定の位置への、基準位置からの移動量である被写体移動量を、撮像ポイント演算部142に供給する。
【0615】
そして、ステップS151において、駆動機構制御部46は、コントローラ47の制御にしたがい、駆動機構45を制御することにより、被写体の位置を変化させ、ステップS152に進む。ステップS152では、全方位画像取得部102としての魚眼カメラ112が、コントローラ47の制御にしたがい、被写体を撮像し、その結果得られる1フレームの画像データを、幾何処理部141に供給する。
【0616】
そして、ステップS153に進み、幾何処理部141は、全方位画像取得部102としての魚眼カメラ112からの画像データを、その画像データを構成する画素の画素値と、対応する光線の光線方向とを対応付けた画像情報に変換し、撮像ポイント演算部142に供給して、ステップS154に進む。
【0617】
ステップS154では、撮像ポイント演算部142が、コントローラ47から供給される被写体移動量に基づいて、幾何処理部141から供給される画像情報における画像データを構成する各画素の撮像ポイントを求める。さらに、ステップS154では、撮像ポイント演算部142は、画像情報における各画素に、その画素について求められた撮像ポイントを対応付け、画像データベース2に供給して記憶させる。
【0618】
ステップS154の処理後は、ステップS155に進み、コントローラ47は、図32のステップS15における場合と同様に、被写体を、あらかじめ設定したすべての位置に移動したかどうかを判定し、まだ、すべての位置に移動していないと判定した場合、被写体を、まだ移動させていない位置に移動させ、その撮像を行うように、全方位画像取得部102としての魚眼カメラ112と、駆動機構制御部46を制御するとともに、被写体の移動位置に対応する被写体移動量を、撮像ポイント演算部142に供給する。そして、ステップS151に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0619】
また、ステップS155において、被写体を、あらかじめ設定したすべての位置に移動したと判定された場合、即ち、あらかじめ設定したすべての位置において、被写体の撮像が行われた場合、処理を終了する。
【0620】
ところで、図62の画像生成装置では、全方位画像取得部102としての魚眼カメラ112で撮像される画像データを構成する各画素(の画素値)に、その画素に対応する光線の光線方向(θ,φ)と、その画素の撮像ポイントが対応付けられた画像情報が得られるが、この画像情報は、図31の画像生成装置が出力する情報と異なる。このため、図29の画像データ変換部31では、図62の画像生成装置が出力する画像情報が、画像データベース2に記憶されている場合には、図51で説明した画像データ変換処理と異なる画像データ変換処理が行われることにより、中間データが求められる。
【0621】
そこで、図69のフローチャートを参照して、画像データベース2に、画像情報が記憶されている場合の、図29の画像データ変換部31による画像データ変換処理について説明する。
【0622】
まず最初に、ステップS161において、画像データ変換部31は、画像データベース2に記憶された画像情報における撮像ポイントの中から、注目撮像ポイントPとするものを選択する。
【0623】
その後、ステップS162に進み、画像データ変換部31は、画像情報における撮像ポイントの中から、注目撮像ポイントと一致するものを検索し、さらに、その検索した撮像ポイントに対応付けられている光線方向の中から、注目光線方向とするものを選択して、ステップS163に進む。
【0624】
ステップS163では、画像データ変換部31は、注目光線方向を表す角度θおよびφを認識して、ステップS164に進む。ステップS164では、画像データ変換部31は、注目光線方向と直交し、撮像時座標系上の所定の点としての、例えば原点を通る平面αを求め、ステップS165に進む。なお、ここでは、撮像時座標系の原点は、例えば、図62の画像生成装置における連続多視点光線取得光学系101としての楕円ミラー111(図63)の焦点fに一致するものとする。
【0625】
ここで、図62の画像生成装置において得られる画像情報における各画素に対応付けられている光線方向(θ,φ)は、図20で説明したように、被写体が射出する光線R’とxy平面との間の角度θ、および光線R’をxy平面に射影した線とx軸との間の角度φを表すが、いま、光線R’の光線方向を表すベクトルをベクトルvと表すと、角度θは、図51のステップS165で求められるベクトルvの緯度θと等価であり、角度φは、図51のステップS165で求められるベクトルvの経度φと等価である。
【0626】
従って、注目光線方向を表す角度θとφは、図51における場合と同様に、ステップS164で求められた平面αの法線方向の緯度θと経度φということができる。そして、所定の点としての原点を通る平面αは、その緯度θと経度φによって特定することができるので、この緯度θと経度φによって特定される平面は、やはり、図51における場合と同様に、平面I(θ,φ)と記述することができる。
【0627】
ステップS165では、画像データ変換部31は、注目撮像ポイントPを通り、注目光線方向に延びる直線、即ち、図52に示した直線Lと等価な直線を求める。さらに、ステップS165では、画像データ変換部31は、その直線Lに等価な直線と、ステップS164で求めた平面α(I(θ,φ))との交点Pを求め、ステップS166に進み、その点Pの、平面α上における座標(xα,yα)を、図51のステップS27における場合と同様にして求める。
【0628】
その後、ステップS167に進み、画像データ変換部31は、画像情報において、注目光線方向に対応付けられている画素の画素値を、平面α上の点Pの位置の画素の画素値とする。即ち、いま、図51における場合と同様に、平面α上の点Pの位置の画素の画素値を、平面αを表すI(θ,φ)と、平面α上の点Pの座標を表す(xα,yα)とによって、I(θ,φ)(xα,yα)と表すこととすると、ステップS167において、画像データ変換部31は、平面α上の点Pの位置の画素の画素値I(θ,φ)(xα,yα)に、画像情報において、注目光線方向に対応付けられている画素の画素値を設定する。
【0629】
これにより、注目光線方向の光線に対応する画素は、その注目光線方向と直交する平面I(θ,φ)に正射影され、その正射影された平面I(θ,φ)の点P(=(xα,yα))の位置の画素の画素値としての中間データI(θ,φ)(xα,yα)として、注目光線方向の光線に対応する画素の画素値が設定される。
【0630】
そして、ステップS168に進み、画像データ変換部31は、画像情報において、注目撮像ポイントPに対応付けられているすべての光線方向を、注目光線方向としたかどうかを判定し、まだ、注目光線方向としていないものがあると判定した場合、ステップS162に戻り、画像データ変換部31は、注目撮像ポイントPに対応付けられている光線方向のうち、まだ注目光線方向としていないものの1つを、新たな注目光線方向として選択して、以下、同様の処理を繰り返す。
【0631】
また、ステップS168において、注目撮像ポイントPに対応付けられているすべての光線方向を、注目光線方向としたと判定された場合、ステップS169に進み、画像データ変換部31は、画像データベース2に記憶された画像情報におけるすべての撮像ポイントを、注目撮像ポイントとしたかどうかを判定する。
【0632】
ステップS169において、画像データベース2に記憶された画像情報における撮像ポイントのうち、まだ注目撮像ポイントとしていないものがあると判定された場合、ステップS161に戻り、画像データ変換部31は、画像情報における撮像ポイントのうち、まだ注目撮像ポイントとしていないものの1つを、新たな注目撮像ポイントとして選択して、以下、同様の処理を繰り返す。
【0633】
また、ステップS169において、画像データベース2に記憶された画像情報における撮像ポイントすべてを、注目撮像ポイントとしたと判定された場合、処理を終了する。
【0634】
以上の画像データ変換処理によれば、画像データベース2に記憶された画像情報における光線方向を表す各値の緯度θと経度φで定義される平面I(θ,φ)上に、その緯度θと経度φで規定される方向の無限遠から被写体を見た場合の画像データ、即ち、図53に示したフォーマットの画像データが生成され、この画像データが、中間データとして、中間データベース3に供給されて記憶される。
【0635】
なお、画像データベース2に記憶された画像情報は、図59に示したフォーマットの中間データに変換することも可能である。
【0636】
次に、幾何処理部141や画像変換部171その他のブロックにおける、上述した一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータ等にインストールされる。
【0637】
そこで、図70は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
【0638】
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスク205やROM203に予め記録しておくことができる。
【0639】
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto Optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体211に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体211は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0640】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体211からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを、通信部208で受信し、内蔵するハードディスク205にインストールすることができる。
【0641】
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)202を内蔵している。CPU202には、バス201を介して、入出力インタフェース210が接続されており、CPU202は、入出力インタフェース210を介して、ユーザによって、キーボードや、マウス、マイク等で構成される入力部207が操作等されることにより指令が入力されると、それにしたがって、ROM(Read Only Memory)203に格納されているプログラムを実行する。あるいは、また、CPU202は、ハードディスク205に格納されているプログラム、衛星若しくはネットワークから転送され、通信部208で受信されてハードディスク205にインストールされたプログラム、またはドライブ209に装着されたリムーバブル記録媒体211から読み出されてハードディスク205にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory)204にロードして実行する。これにより、CPU202は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU202は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース210を介して、LCD(Liquid Crystal Display)やスピーカ等で構成される出力部206から出力、あるいは、通信部208から送信、さらには、ハードディスク205に記録等させる。
【0642】
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0643】
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
【0644】
なお、本実施の形態では、連続多視点光線取得光学系101として、楕円ミラー111や、2つの放物面ミラー121Aおよび121Aを採用することとしたが、連続多視点光線取得光学系101としては、その他、例えば、2つの焦点を有し、一方の焦点から射出した光線を、他方の焦点に集める凹面鏡を採用することが可能である。
【0645】
さらに、本実施の形態では、全方位画像取得部102として、魚眼カメラ112を採用することとしたが、全方位画像取得部102としては、その他、例えば、多方位から入射する光をカメラの受光面に集光することのできる広角レンズを用いたカメラ(全方位カメラを含む)などを採用することが可能である。
【0646】
また、図2の画像生成装置と図6または図23の画像表示装置、あるいは、図9の画像生成装置と図21の画像表示装置は、一体的に構成することが可能である。
【0647】
【発明の効果】
以上の如く、本発明によれば、多数の視点から見た被写体の画像を、容易に撮像し、また表示することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の画像の撮像と表示方法を説明する図である。
【図2】本発明を適用した画像生成装置の第1実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図3】画像生成装置の処理を説明するフローチャートである。
【図4】連続多視点光線取得部101と全方位画像取得部102の第1の構成例を示す図である。
【図5】連続多視点光線取得部101と全方位画像取得部102の第2の構成例を示す図である。
【図6】本発明を適用した画像表示装置の第1実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図7】画像表示装置の処理を説明するフローチャートである。
【図8】本発明を適用した画像表示装置の第2実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図9】本発明を適用した画像生成装置の第2実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図10】画像生成装置の処理を説明するフローチャートである。
【図11】逆魚眼センサ150を示す図である。
【図12】幾何処理部141の構成例を示すブロック図である。
【図13】等距離射影方式の魚眼レンズを示す図である。
【図14】魚眼レンズ113を有する魚眼カメラ112が出力する画像データを示す図である。
【図15】光線Rの光線方向を表す角度θとφを示す図である。
【図16】角度変換部162の処理を説明する図である。
【図17】角度変換部162の処理を説明する図である。
【図18】光線方向算出部163の処理を説明する図である。
【図19】光線方向算出部163の処理を説明する図である。
【図20】角度変換部164の処理を説明する図である。
【図21】本発明を適用した画像表示装置の第3実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図22】画像表示装置の処理を説明するフローチャートである。
【図23】本発明を適用した画像表示装置の第4実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図24】画像表示装置の処理を説明するフローチャートである。
【図25】画像情報における画像データを等価画像データに変換する方法を説明する図である。
【図26】のぞけるテレビとしての画像表示装置の構成例を示す図である。
【図27】コンピュータ1のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図28】画像表示装置による画像の表示方法を説明する図である。
【図29】画像処理装置としてのコンピュータの機能的構成例を示すブロック図である。
【図30】画像処理装置による画像処理を説明するフローチャートである。
【図31】画像データベース2に記憶される画像データを撮像(生成)する画像生成装置の構成例を示すブロック図である。
【図32】画像生成装置による画像生成処理を説明するフローチャートである。
【図33】モーションベース方式を説明する図である。
【図34】モーションベースの移動例を示す図である。
【図35】ターンテーブル方式を説明する図である。
【図36】カメラ41の構成例を示す斜視図である。
【図37】全方位画像データを示す図である。
【図38】集光部52を構成する双曲面を説明する図である。
【図39】集光部52と撮像部53との位置関係を説明するための図である。
【図40】全方位画像データを示す図である。
【図41】全方位画像データからの切り出しを説明するための図である。
【図42】円周方向の歪みを説明するための図である。
【図43】半径方向の歪みを説明するための図である。
【図44】半径方向の歪みを除去する方法を説明するための図である。
【図45】半径方向の歪みを除去する方法を説明するための図である。
【図46】半径方向の歪みを除去する全方位画像データの変換を説明するための図である。
【図47】変換対象点における画素値の求め方を説明するための図である。
【図48】原画像データを、ユーザから見た提示用画像データに変換する変換原理を説明する図である。
【図49】原画像データを、ユーザから見た提示用画像データに変換する変換原理を説明する図である。
【図50】原画像データを中間データに変換する方法を説明する図である。
【図51】原画像データを中間データに変換する画像データ変換処理を説明するフローチャートである。
【図52】原画像データを中間データに変換する画像データ変換処理を説明する図である。
【図53】中間データのフォーマットを示す図である。
【図54】中間データとしての画像データを示す図である。
【図55】中間データとしての画像データの補間を説明する図である。
【図56】中間データとしての画像データを補間する画素値補間処理を説明するフローチャートである。
【図57】クラス分類適応処理を行うクラス分類適応処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図58】クラス分類適応処理に用いられるタップ係数を学習する学習装置の構成例を示すブロック図である。
【図59】中間データの他のフォーマットを示す図である。
【図60】中間データを提示用画像データに変換する中間データ変換処理を説明するフローチャートである。
【図61】中間データを提示用画像データに変換する中間データ変換処理を説明する図である。
【図62】本発明を適用した画像生成装置の第3実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図63】駆動機構45としてのモーションベースの配置位置を説明する図である。
【図64】撮像ポイント演算部142の処理を説明するための図である。
【図65】撮像ポイント演算部142の処理を説明するための図である。
【図66】撮像ポイント演算部142の処理を説明するための図である。
【図67】撮像ポイント演算部142の処理を説明するための図である。
【図68】画像生成装置の処理を説明するフローチャートである。
【図69】画像データ変換部31の処理を説明するフローチャートである。
【図70】本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 コンピュータ(画像処理装置), 2 画像データベース, 3 中間データベース3, 4 レシーバ(位置センサ), 5 トランスミッタ(位置センサ), 6 ディスプレイ, 11 バス, 12 CPU, 13 ROM, 14 RAM, 15 ハードディスク, 16 出力部, 17 入力部, 18通信部, 19 ドライブ, 20 入出力インタフェース, 21 リムーバブル記録媒体, 30 データ変換部, 31 画像データ変換部, 32 中間データ変換部, 33 センサ制御部, 41 カメラ, 42 バッファ, 43 全方位画像変換部, 44 バッファ, 45 駆動機構, 46 駆動機構制御部, 47 コントローラ, 48 mux, 51 支持体, 52 集光部, 53 撮像部, 61 バッファ, 62 予測タップ抽出部, 63 クラスタップ抽出部, 64 クラス分類部, 65 係数記憶部,66 積和演算部, 71 教師データメモリ, 72 生徒データ生成部,73 生徒データメモリ, 74 予測タップ抽出部, 75 クラスタップ抽出部, 76 クラス分類部, 77 正規方程式加算部, 78 タップ係数決定部, 79 係数メモリ, 101 連続多視点光線取得光学系, 102 全方位画像取得部, 103 画像記憶部, 111 楕円ミラー, 112 魚眼カメラ, 113 魚眼レンズ, 121A,121B 放物面ミラー, 131 画像記憶部, 132 再生部, 133 魚眼プロジェクタ, 134 プロジェクタ, 135 魚眼レンズ, 136 楕円ハーフミラー,137 スクリーン, 138A,138B 放物面ミラー, 139 スクリーン, 141 幾何処理部, 142 撮像ポイント演算部, 150 逆魚眼センサ, 151 球面カバー, 152 スリット, 153 受光素子, 161 光線方向算出部, 162 角度変換部, 163 光線方向算出部, 164 角度変換部, 165 画像情報生成部, 171 画像変換部, 172 スクリーン, 181 幾何処理部, 201 バス, 202 CPU, 203 ROM, 204 RAM, 205 ハードディスク, 206 出力部, 207 入力部, 208 通信部, 209 ドライブ, 210
入出力インタフェース, 211 リムーバブル記録媒体

Claims (19)

  1. 被写体からの光を反射する、前記被写体を覆う状態に設置される凹面鏡と、
    前記凹面鏡で反射された光を受光することにより、前記被写体を撮像する撮像手段と
    を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記凹面鏡は、第1と第2の放物面ミラーであり、
    前記第1と第2の放物面ミラーは、それぞれの光軸が一致し、かつそれぞれの開口部分が対向するように配置され、
    前記第1の放物面ミラーは、前記被写体を覆う状態に配置され、
    前記撮像手段は、
    前記第2の放物面ミラーの焦点の位置に配置され、
    前記第1の放物面ミラーで反射された光が前記第2の放物面ミラーで反射されることにより入射する光を受光する
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記凹面鏡は、楕円ミラーであり、
    前記楕円ミラーは、その2つの焦点のうちの一方側に、前記被写体が位置するように配置され、
    前記撮像手段は、
    前記楕円ミラーの2つの焦点のうちの他方の焦点の位置に配置され、
    前記楕円ミラーの一方の焦点から前記楕円ミラーに向かう光が前記楕円ミラーで反射されることにより前記他方の焦点に向かう光を受光する
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  4. 前記撮像手段が前記被写体を撮像することにより得られる前記被写体の画像データを表示する表示手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  5. 前記凹面鏡は、楕円ミラーであり、
    前記楕円ミラーは、その2つの焦点のうちの一方側に、前記被写体が位置するように配置され、
    前記撮像手段は、
    前記楕円ミラーの2つの焦点のうちの他方の焦点の位置に配置され、
    前記楕円ミラーの一方の焦点から前記楕円ミラーに向かう光が前記楕円ミラーで反射されることにより前記他方の焦点に向かう光を受光する
    場合において、
    前記表示手段は、
    前記楕円ミラーと相似の他の楕円ミラーと、
    前記他の楕円ミラーの2つの焦点のうちの一方の位置に配置され、前記被写体の画像データに対応する光を発光する発光手段と、
    前記他の楕円ミラーの2つの焦点のうちの他方の位置に配置され、前記発光手段が発光した光が前記他の楕円ミラーで反射されることにより入射する光を受光するスクリーンと
    を有する
    ことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記撮像手段が前記被写体を撮像することにより得られる前記被写体の画像データの各画素の画素値に対応する光が、前記被写体から前記凹面鏡に向かうときの光線方向を求め、対応する画素の画素値と対応付けた画像情報を生成する光線方向処理手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  7. 前記光線方向処理手段は、
    前記凹面鏡で反射された光が前記撮像手段に向かうときの光線方向を算出する第1の算出手段と、
    前記第1の算出手段において求められた光線方向に基づいて、前記被写体の画像データの各画素の画素値に対応する光が、前記被写体から前記凹面鏡に向かうときの光線方向を算出する第2の算出手段と
    を有する
    ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  8. 前記画像情報に基づいて、前記被写体の画像データを表示する表示手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
  9. 前記表示手段は、
    前記画像情報における各画素値に対応する光を発光する発光手段と、
    前記発光手段が発光する光を受光するスクリーンと
    を有する
    ことを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
  10. 前記発光手段が発光する、各画素の画素値に対応する光の光線方向が、前記画像情報における、対応する画素の光線方向に一致するように、前記画像情報における各画素の画素値で構成される画像データを変換する変換手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項9に記載の撮像装置。
  11. 被写体を覆う状態に設置された凹面鏡によって、前記被写体からの光を反射し、
    前記凹面鏡で反射された光を受光することにより、前記被写体を撮像する
    ことを特徴とする撮像方法。
  12. 被写体を覆う状態に設置された凹面鏡によって、前記被写体からの光を反射し、
    前記凹面鏡で反射された光を受光することにより、前記被写体を撮像する
    ことにより得られる前記被写体の画像データを取得する取得手段と、
    前記被写体の画像データの各画素の画素値に対応する光が、前記被写体から前記凹面鏡に向かうときの光線方向を求め、対応する画素の画素値と対応付けた画像情報を生成する光線方向処理手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  13. 前記光線方向処理手段は、
    前記凹面鏡で反射された光の光線方向を算出する第1の算出手段と、
    前記第1の算出手段において求められた光線方向に基づいて、前記被写体の画像データの各画素の画素値に対応する光が、前記被写体から前記凹面鏡に向かうときの光線方向を算出する第2の算出手段と
    を有する
    ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記画像情報に基づいて、前記被写体の画像を表示する表示手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項12に記載の画像処理装置。
  15. 前記表示手段は、
    前記画像情報における各画素値に対応する光を発光する発光手段と、
    前記発光手段が発光する光を受光するスクリーンと
    を有する
    ことを特徴とする請求項14に記載の画像処理装置。
  16. 前記発光手段が発光する、各画素の画素値に対応する光の光線方向が、前記画像情報における、対応する画素の光線方向に一致するように、前記画像情報における各画素の画素値で構成される画像データを変換する変換手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。
  17. 被写体を覆う状態に設置された凹面鏡によって、前記被写体からの光を反射し、
    前記凹面鏡で反射された光を受光することにより、前記被写体を撮像する
    ことにより得られる前記被写体の画像データを取得する取得ステップと、
    前記被写体の画像データの各画素の画素値に対応する光が、前記被写体から前記凹面鏡に向かうときの光線方向を求め、対応する画素の画素値と対応付けた画像情報を生成する光線方向処理ステップと
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  18. コンピュータに実行させるプログラムであって、
    被写体を覆う状態に設置された凹面鏡によって、前記被写体からの光を反射し、
    前記凹面鏡で反射された光を受光することにより、前記被写体を撮像する
    ことにより得られる前記被写体の画像データを取得する取得ステップと、
    前記被写体の画像データの各画素の画素値に対応する光が、前記被写体から前記凹面鏡に向かうときの光線方向を求め、対応する画素の画素値と対応付けた画像情報を生成する光線方向処理ステップと
    を備えることを特徴とするプログラム。
  19. コンピュータに実行させるプログラムが記録されている記録媒体であって、
    被写体を覆う状態に設置された凹面鏡によって、前記被写体からの光を反射し、
    前記凹面鏡で反射された光を受光することにより、前記被写体を撮像する
    ことにより得られる前記被写体の画像データを取得する取得ステップと、
    前記被写体の画像データの各画素の画素値に対応する光が、前記被写体から前記凹面鏡に向かうときの光線方向を求め、対応する画素の画素値と対応付けた画像情報を生成する光線方向処理ステップと
    を備えるプログラムが記録されている
    ことを特徴とする記録媒体。
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