JP2004014502A - Connector and release tool - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コネクタ及び解除治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ランスを有するコネクタの一例として下記特許文献1に記載されたものが知られている。このものは、図29に示すように、ハウジング1に後方から端子金具2を挿入可能なキャビティ3が設けられ、このキャビティ3内には、挿入される端子金具2によって一旦上方の撓み空間4へ撓み変形された後に、復帰して端子金具2に係止可能なランス5が設けられている。ランス5は、キャビティ3の上壁から前方へ延出する片持ち状のアーム部6と、アーム部6の前部下面からキャビティ3内に突出して端子金具2に係止可能な係止突部7と、係止突部7よりも前方へ突出する解除部8とから構成されている。
一方、ランス5に係止した状態の端子金具2を取り外す場合には、ハウジング1の前面側から解除治具を挿入するとともに、ランス5の解除部8を上方へ操作することで、ランス5を強制的に撓み変形させて端子金具2との係止状態を解除するようにしている。
【0003】
【特許文献1】特開平6−325814号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、取り外し時には、係止突部7と端子金具2との高さ方向の係止代だけランス5を撓ませればよいのだが、このときには、解除部8は、係止代よりも大きく変位するため、ハウジング1は、解除部8の変位量を許容するような撓み空間4をランス5の上方に確保する必要がある。このため、コネクタが高さ方向に大型化することが懸念される。
その対策としては、例えば解除部をランス5の側面から幅方向に沿って突出して設けることが考えられる。しかしながら、そうしたのでは、キャビティ3が幅方向に拡張されることになり、コネクタが幅方向に大型化する結果となる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、小型化に有効なコネクタ及びそれに好適な解除治具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明に係るコネクタは、コネクタハウジングには、端子金具を後方から挿入可能なキャビティが設けられ、このキャビティ内には、基端部から前方へ突出するとともに、挿入される端子金具によって一旦撓み変形された後に復帰して端子金具に対して係止可能なランスが設けられているものにおいて、ランスの前面のうち、係止した端子金具からはみ出した位置には、前方から解除治具によって操作可能な操作凹部が設けられ、且つこの操作凹部は、端子金具に対する係止面の幅領域内に配されるとともに、前記係止面よりも基端部側に引っ込むように形成されている構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記操作凹部は、幅方向に一対配されているところに特徴を有する。
【0006】
請求項3の発明に係る解除治具は、前記請求項1または前記請求項2に記載されたコネクタに使用される解除治具であって、把持部と、この把持部の先端側に配されるとともに前記把持部をてこ操作することで前記操作凹部を操作可能な解除部と、前記てこ操作を行ったときに前記コネクタハウジングの前面に当接することで、前記てこ操作の傾動範囲を規制可能な規制部とを備えられているところに特徴を有する。
【0007】
請求項4の発明に係る解除治具は、前記請求項1または前記請求項2に記載されたコネクタに使用される解除治具であって、把持部と、この把持部の先端側に配されるとともに前記操作凹部を操作可能な解除部とからなり、前記把持部には、前記コネクタハウジングの前面から突出される前記端子金具のタブを受け入れ可能な受入部が設けられ、且つこの受入部の内面には、前記把持部が操作された時に前記タブとの干渉を回避可能な逃がしが形成されているところに特徴を有する。
【0008】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
ランスに係止された状態の端子金具を取り外す場合には、解除治具により操作凹部を操作することで、ランスを強制的に撓み変形させて端子金具との係止状態を解除する。
操作凹部は、係止面よりも基端部側に引っ込んで設けてあるから、コネクタハウジング内におけるランスの撓み空間の高さ寸法を設定する上で、撓み変形時における係止面の変位量よりも、大きな寸法を確保する必要がない。その上、操作凹部は、端子金具に対する係止面の幅領域内に配されているから、キャビティの幅寸法の拡張もない。これらによって、コネクタの小型化を図ることができる。
<請求項2の発明>
操作凹部を幅方向に一対配するようにしたから、解除操作時にランスがねじれ変形するようなことが防がれる。
【0009】
<請求項3の発明>
把持部を持っててこ操作すると、規制部がコネクタハウジングの前面に当接することで、てこ操作の傾動範囲が規制される。これにより、ランスの撓み量を規制することができるから、ランスを過度に撓み変形させることが防止される。
【0010】
<請求項4の発明>
解除部を操作凹部内に進入させると、コネクタハウジングの前面から突出する端子金具のタブが受入部内に受け入れられる。この状態で把持部を操作すると、逃がしによりタブとの干渉が回避されつつ解除部によりランスが撓み変形させられる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1ないし図28によって説明する。この実施形態では、雌コネクタハウジング10(以下、単に雌ハウジング10という)内に雌端子金具30が挿入されてなる雌コネクタを示す。この雌端子金具30は、雌ハウジング10内に収容された状態で、雌ハウジング10に対して嵌合される相手の雄ハウジング内に収容された雄端子金具(雄ハウジング共々図示せず)と導通接続可能とされている。なお以下では、雌ハウジング10に対する雌端子金具30の挿入方向を前方とし、逆の抜き取り方向を後方とし、また上下方向の記載は図8などを基準として説明する。
【0012】
雌ハウジング10は、前後方向(雌端子金具30の挿抜方向)に沿って型閉じ・型開きする前後一対の金型によって樹脂成形されている。この雌ハウジング10は、図1及び図8に示すように、内部には後方から雌端子金具30を挿入可能なキャビティ11が上下2段、幅方向に複数室並んで配設されている。キャビティ11内に挿入される雌端子金具30は、キャビティ11の下壁12から突設されたランス13により弾性的に抜け止め可能とされるとともに、雌ハウジング10の前壁14によって前止まり状態に支持されるようになっている。この雌ハウジング10の前壁14には、相手の雄端子金具のタブがキャビティ11内に前方から進入するのを許容するタブ挿通孔15が穿設されており、その前側の孔縁には、全周にわたって略擂鉢状をなす誘導面16が形成されることで、タブの進入動作が円滑に誘導されるようになっている。雌ハウジング10の前壁14のうちタブ挿通孔15よりも下方位置(タブ挿通孔15とはランス13の撓み方向にずれた位置)には、雌ハウジング10の成形時にランス13を成形する前側の金型を前方へ型抜きするために型抜き孔17が穿設されている。前壁14における型抜き孔17の孔縁上部幅方向中央には、下方へ突き出る略三角形状の突出部18が設けられ、この突出部18にも上記誘導面16が連続して形成されている。
【0013】
各キャビティ11の下壁12は、前側の約1/4部分が一段低く形成されるとともにその段差部分から片持ち状のランス13が前方へ突出して形成されている。このランス13は、全体としては前端側にかけて次第に上方、すなわちキャビティ11内に張り出すよう、前方へ向かって上り勾配をなす傾斜状に形成されており、キャビティ11内への張出部分が挿入される雌端子金具30により押圧されることで突出基端(後端)を支点として下方(雌端子金具30の挿抜方向と交差する方向)へ撓み変形可能とされている。この撓み時にランス13は、下壁12の低位部分12aとの間に確保された撓み空間内に退避するようになっている。このランス13の前方に確保された空間内には、雌端子金具30の係止突部52が進入可能とされている。ランス13の下方に対向する下壁12の低位部分12aは、ランス13がその弾性限度を超えて撓み変形する手前の段階でランス13の下面に係合することで、その過度撓み変形を規制できるようになっている。またランス13は、前壁14に連結された下壁12の低位部分12aにより、全幅にわたって下方のキャビティ11または下方外部に露出することなく覆われており、もってランス13の保護が図られている。
【0014】
キャビティ11の下壁12のうちランス13よりも後側部分には、図2及び図8に示すように、雌端子金具30の形状に合わせて溝が形成されている。すなわち、下壁12のうち幅方向略中央には、雌端子金具30の係止突部52及び突部49を挿通可能な突部挿通溝19が形成されており、この突部挿通溝19の図2に示す右側方には、雌端子金具30のスタビライザ47を挿通可能とされ、且つ突部挿通溝19よりもさらに低いスタビライザ挿通溝20が形成されている。この突部挿通溝19は、後述するようにランス13側に連続して形成されるのに対し、スタビライザ挿通溝20は、前端位置がランス13よりも少し後方に設定されている。
【0015】
キャビティ11の上面(ランス13との対向面)における前端部には、全幅にわたって内方(ランス13側)へテーパ状に張り出す張出部21が設けられており、この張出部21によってキャビティ11内に挿入される雌端子金具30の前端部をランス13側へ押し出すことで、ランス13の係止深さが増加できるようになっている。キャビティ11の後端周縁は、一部を除いてほぼ全周にわたり雌端子金具30を誘い込むことができるようテーパ状に形成されている。キャビティ11の後端周縁のうち、図2の左上位置には、雌端子金具30の挿抜方向と直交する切り立った端面をなす規制部22が設けられており、この規制部22には、雌端子金具30がキャビティ11に対して正規の挿入姿勢とは上下反転した不正な姿勢とされたときに、スタビライザ47が突き当たることで挿入動作を規制可能とされている。またキャビティ11は、図11に示すように、前半部分が後半部分よりも幅狭になるように、両側壁23が内方へテーパ状に張り出して形成されている。
【0016】
ランス13の構造を詳細に説明する。ランス13は、図3に示すように、下面が全長にわたって前方に向かって緩やかな上り勾配をなす傾斜面とされるのに対し、上面が、ランス13の後部13bにおいては下面と同様の傾斜面(但し、下面よりはやや急な勾配をなす)とされ、ランス13の前部13aにおいてはほぼ水平に形成されている。ランス13の上面は、下壁12の後部側から連続して形成された突部挿通溝19により幅方向中央が全長にわたって凹んだ形状となっている。突部挿通溝19は、ランス13の後部13bにおいては、全体として前側にかけて次第に溝幅が狭くなるよう形成されており、底面19aと、上下方向に沿って真直な一対の側面19bと、両側面19bと底面19aとを繋ぐとともに内傾した一対の斜面19cとにより構成されている。突部挿通溝19は、ランス13の前部13aにおいては、溝幅が全長にわたって一定とされるとともに、円弧面19dによって構成されている。またランス13の下面のうち幅方向中央部分は、全長にわたって突部挿通溝19の円弧面19dよりも緩やかな円弧面13cとなっており、下壁12の低位部分12aについても同様の円弧面12bが形成されている。この下壁12の低位部分12aのうち、上記円弧面12bの両側方位置には、一段せり上がる張り出し12cが形成されている。
【0017】
ランス13は、キャビティ11にほぼ匹敵する幅寸法(キャビティ11よりも僅かに小さい程度)を有し、全長にわたって一定幅に形成されている。このランス13の型抜き孔17は、雌ハウジング10の前壁14においてキャビティ11よりも大きな幅領域にわたって形成されており、従ってランス13の両側方に対向するキャビティ11の両側壁23には、所定幅ずつの切り欠き17aが形成されている。この切り欠き17aの幅寸法分だけ、ランス13を成形する金型の厚み寸法を大きく確保することができ、金型の強度が必要なだけ得られるようになっており、逆に言うとランス13の幅寸法が大きく確保され、ランス13の強度が高められている。
【0018】
ランス13の前端面両側部の下側約3/5部分には、ランス13を強制的に撓み変形させるための解除治具60によって操作可能とされる一対の操作凹部24が後方(ランス13の基端部側)へ引っ込むとともに前方に開口して形成されている。両操作凹部24は、雌端子金具30がランス13に係止した状態でも前方外部に露出するように配置されており(図17)、前方から型抜き孔17を通して挿入される解除治具60により下方へ押圧操作可能とされている。操作凹部24は、ランス13を側方から見て略三角形状に切欠して形成され、その上面がほぼ水平をなすのに対し、下面が後方へ向かって上り勾配をなすテーパ状をなしている。
【0019】
ランス13の前端部における上側約2/3部分には、さらに前方へ突出する突き出し部25が全幅にわたって設けられている。この突き出し部25は、雌端子金具30に対してランス13が係止した状態で、係止突部52の内側に進入可能とされている。突き出し部25は、下部25aがその上端側にかけて次第に突出長さが次第に大きくなるよう形成され、上部25b(両操作凹部24よりも上側部分)が一定の突出長さを有している。別言すると、突き出し部25の下部25aの前端面は、前方へ向かって上り勾配をなすテーパ状に形成されており、上部25bの前端面は、切り立った端面となっている。
【0020】
さて、キャビティ11内の前端位置の角部には、図2及び図9に示すように、雌端子金具30に設けられた被支持溝部53内に嵌合することで、雌端子金具30が上下方向(ランス13の撓み方向)に傾動するのを規制可能な支持突部26が内方に突出して設けられている。この支持突部26は、略ブロック状に形成されるとともに、雌ハウジング10の前壁14(キャビティ11の前面)とキャビティ11の図2の左側の側壁23(キャビティ11の図2の右側内側面)との双方に連結されることで、強度が高められている。この支持突部26は、ランス13に対して上方(ランス13の撓み方向)にずれた位置で、且つその下面が型抜き孔17に臨むような位置に配されている。
【0021】
雌端子金具30は、金属母材を所定形状に打ち抜いたものに叩き加工や曲げ加工などを施すことで所望の形状に成形されている。この雌端子金具30は、図5及び図8に示すように、大まかには前後に開口する略箱型をなす本体部31と、電線Wの端末に圧着接続可能なバレル部32とを前後に繋げた構成となっている。このうち、バレル部32は、前後に一対ずつのかしめ片32a,32bを備え、前側の両かしめ片32aが電線Wの芯線部分Waにかしめ付けられるのに対し、後側の両かしめ片32bが電線Wの被覆部分Wbにかしめ付けられるようになっている。
【0022】
本体部31は、前後に延出する底壁33と、底壁33の両側縁から立ち上がる一対の側壁34,35と、図4の左側の側壁34の突出端から底壁33と対向するよう突出する天井壁36と、図4の右側の側壁35の突出端から突出するとともに天井壁36の外側に重ね合わせられる外壁37とから構成されている。
【0023】
底壁33は、図8に示すように、他の壁34,35,36,37と比較して前端が後方へ引っ込んだ位置に配されており、この前端から弾性接触片38が突設されている。弾性接触片38は、底壁33の前端から前方へ突出する舌片を後方へ向けて折り返すことで、底壁33及び天井壁36に対向するとともに全体として略山形をなす片持ち状に形成されている。この弾性接触片38は、略U字型をなす折返部の後側に前傾部分と後傾部分とを順次に繋げた構成とされ、その前傾部分と後傾部分とにまたがる領域には、前後に細長い略長円形状をなす膨出部39が天井壁36側へ叩き出して形成されている。この膨出部39における頂点部分が、相手の雄側端子金具のタブと接触可能な接点部40とされている。この接点部40が雄側端子金具のタブによって押圧されるのに伴って、弾性接触片38は、折返部を撓み支点として底壁33側へ接近するよう撓み変形可能とされている。撓み変形時には、弾性接触片38の後端部が底壁33の内面に当接可能とされ、この部分には弾性接触片38の撓み代を稼ぐとともに、撓んだ弾性接触片38を幅方向についてずれ止め可能な凹部41が所定長さにわたって凹み形成されている。
【0024】
また底壁33のうち接点部40に対向する位置には、過度撓み規制突部42が接点部40側へ突出するよう叩き出して設けられている。この過度撓み規制突部42に対して弾性接触片38が係合することで、弾性接触片38が弾性限度を越えて過度に撓み変形するのを規制できるようになっている。また天井壁36のうち膨出部39及び係止突部52と対向する位置には、受け部43が内側(弾性接触片38側)に張り出して設けられている。この受け部43と弾性接触片38との間で雄側端子金具のタブを狭圧状態に保持できるようになっている。
【0025】
外壁37は、図5及び図8に示すように、その長さ方向略中央部分に切欠部44が全幅にわたって形成されることで、前部37aと後部37bとに分断されている。この切欠部44内には、雌端子金具30がキャビティ11内に挿入されると、ランス13が全長にわたって進入可能とされ、切欠部44の前側の切断端面44aに対してランス13が係止可能とされている。ランス13に対する係止面である切欠部44における前側の切断端面44aは、全域にわたって内側に傾斜するテーパ状に形成されている。この切欠部44は、外壁37の半分弱の長さを有するとともに図5の奥側の側壁35の上端部にまで形成されている。この側壁35の上端面(切欠部44における側方の切断端面)には、天井壁36の突出端から突設された張出片45が当接されることで、天井壁36をほぼ水平な姿勢に支持できるようになっている。この天井壁36は、張出片45における側壁35との当接部分を除いた全域が当該当接部分よりも僅かに低く形成されており、その分だけランス13の係止深さを稼ぐことができるようになっている。また外壁37の前部37aは、前後長さが後部37bよりも少し短く設定されている。
【0026】
外壁37の後部37bにおける突出端からは、図5及び図6に示すように、底壁33側へ屈曲される後部保持片46と、その反対側(外方)へ屈曲されるスタビライザ47とが前後に設けられている。後部保持片46は、図6の紙面手前側の側壁34に切欠形成された後部保持溝48内に嵌合されることで、後部37bが前後に遊動するのを規制した状態に保持できるようになっている。スタビライザ47は、キャビティ11内のスタビライザ挿通溝20内に挿通されることで、雌端子金具30の挿入動作を案内可能となっている。また後部保持片46の前端が後部37bの前端と、スタビライザ47の後端が後部37bの後端と、それぞれ揃えられている。後部37bのうち後端部の幅方向中央には、スタビライザ47とほぼ同じ長さを有する突部49が外方へ突出するよう叩き出して形成されている。この突部49は、雌端子金具30がキャビティ11内に挿入されると、キャビティ11の下面(突部挿通溝19の上面)に当接可能とされている。
【0027】
外壁37の前部37aにおける突出端からは、底壁33側へ屈曲される前部保持片50が設けられている。前部保持片50は、図6の紙面手前側の側壁34に切欠形成された前部保持溝51内に嵌合されることで、前部37aが前後に遊動するのを規制した状態に保持できるようになっている。この前部保持片50は、外壁37の前部37aよりも後方へ突出して形成されている。そして、前部保持片50の根元部分には、上記切欠部44が拡張して形成され、その切断端面44aが既述したように内側に傾斜したテーパ状に形成されており、ここにランス13の側端部が係止可能とされている。
【0028】
外壁37の前部37aにおける幅方向に沿った後端縁部(切欠部44の前側の切断端部)の略中央(正確には中央よりも僅かに図4の左側にずれた位置)には、ランス13が係止可能とされる係止突部52が外側へ突出するよう叩き出して形成されている。係止突部52は、図5ないし図7に示すように、全体としては前端を頂点とする略角錐状をなしており、前端側にかけて幅寸法及び高さ寸法が減少する先細り状をなすとともに3つの斜面により構成される角錐部52aと、幅寸法及び高さ寸法が一定とされるとともに3つの側面により構成される角筒部52bとを前後に繋げた構成となっている。係止突部52の角錐部52aは、先細り状とされ、且つその前端部がやや丸みを帯びた形状に形成されることで、キャビティ11内に雌端子金具30が挿入される過程において突部挿通溝19内での挿通動作を円滑にできるようになっている。係止突部52の角筒部52bは、切欠部44の前側の切断端面44aの傾斜に沿って後方へオーバーハング状に突出して形成され、外壁37の前部37aよりも後方に突出している。
【0029】
この係止突部52は、上記突部49とほぼ同じ高さ位置まで突出するよう設定され、突部49と同様にキャビティ11の突部挿通溝19内に挿通可能とされている。この係止突部52の角筒部52bにおける外側への突出先端は、ランス13のうち突き出し部25よりも下側部分に達する(ランス13の前端面におけるほぼ全高さ領域にわたる)ように設定されており、もってランス13の係止深さが十分に確保されている。係止突部52のうちランス13に対する係止面である後端面は、切欠部44の前側の切断端面44aにより構成されており、内側に傾斜したテーパ状に形成されている。外壁37の前部37aのうち係止突部52に対する両側方部分の後端面についても、図9に示すように、内側に傾斜したテーパ状をなす切欠部44の前側の切断端面44aにより構成され、ランス13が係止可能とされている。
【0030】
さて、上記のような構造の係止突部52は、次述する仮想三角錐Xよりも外側に張り出した形状となっている。ここでいう仮想三角錐Xは、図7に示すように、係止突部52の前端を頂点Aとし、この頂点Aに対して、係止突部52のうち外壁37の前部37aの後端縁からの一対の突出基端Bと、係止突部52における外側への突出先端C(図7では幅方向中央位置とする)とを結んで構成される。係止突部52の外面は、上記した仮想三角錐Xにおけるいずれの辺(頂点Aと突出基端Bとを結ぶ直線、頂点Aと突出先端Cとを結ぶ直線、突出基端Bと突出先端Cとを結ぶ直線)よりも外側に張り出すように形成されている。従って、この係止突部52の内側の空間の容積は、上記仮想三角錐X内の空間の容積よりも大きくなっている。
【0031】
外壁37の前部37aと図4の右側の側壁35とに跨る角部(弾性接触片38を設けた底壁33とは高さ方向について反対側の外壁37における角部であり、且つ前部保持片50とは幅方向について反対側の部分)には、被支持溝部53が前方へ開放するよう切り欠いて形成されている。この被支持溝部53には、雌端子金具30がキャビティ11内に挿入されるのに伴って、キャビティ11の前端位置に設けられた支持突部26が係止可能とされ、もって雌端子金具30が上下方向(雌端子金具30の挿抜方向と交差する方向、ランス13の撓み方向)に遊動不能に支持されるようになっている。
【0032】
次に、雌端子金具30を取り外す際に使用する解除治具60の構造を説明する。この解除治具60は、図19ないし図21に示すように、作業者が把持するための把持部61と、把持部61の先端に設けられ、ランス13を操作するための解除部62と、把持部61の先端面に設けられ、解除治具60の操作範囲を規制するための規制部63,64(後述する進入規制面63及び傾動規制面64)とから構成されている。把持部61は、前後方向に沿って細長い略ブロック状に形成され、その上面幅方向略中央には、詳細は後述する受入凹部65が前後方向に沿って凹設されている。
【0033】
解除部62は、把持部61よりも幅狭に形成されるとともに、先端側が二股状に分岐しており、この分岐部分が一対の操作アーム66となっている。この操作アーム66間のピッチは、雌端子金具30の係止突部52の幅寸法よりも僅かに広く、且つランス13の両操作凹部24間のピッチとほぼ等しく設定される。これにより、両操作アーム66の先端部が係止突部52との干渉を回避しつつランス13の両操作凹部24内に進入可能とされるとともに両操作凹部24を下方(ランス13の撓み方向)へ押圧可能となっている。また両操作アーム66の先端面には、操作凹部24の下面の傾斜に整合可能な勾配をもったテーパ面が形成されている。解除部62における根元の上面幅方向両端には、前後に細長い一対の姿勢矯正部67が突設されており、その前面がテーパ状に形成されている。両姿勢矯正部67間のピッチは、上記両操作アーム66間のピッチとほぼ揃えられ、ランス13の型抜き孔17に設けられた突出部18との干渉を回避できるようになっている。この姿勢矯正部67は、解除部62をランス13の型抜き孔17内に挿入したときに、型抜き孔17の孔縁上部に当接可能とされることで、解除治具60の挿入姿勢をほぼ水平に矯正できるようになっている。また姿勢矯正部67は、型抜き孔17の孔縁上部との当接部分を支点として解除治具60全体を傾動操作(てこ操作)できるようになっている。両操作アーム66を含む解除部62の下面全体には、操作アーム66の先端側に向けて上り勾配をなす逃がし傾斜面68が形成されている。この逃がし傾斜面68によって、解除部62を型抜き孔17内に挿入したときには、下壁12の低位部分12aの内面との間に所定のクリアランスが形成されるようになっており(図23)、これにより解除治具60のてこ操作を許容している。また解除治具60の下面のうち、逃がし傾斜面68の途中(操作アーム66の基端位置)からは下方へ張り出す肉盛り部69が前後方向に沿って設けられている。この肉盛り部69の幅寸法は、上記した両張り出し12c間に進入可能な大きさに設定されている(図26)。
【0034】
把持部61の先端面のうち、下側部分(姿勢矯正部67の上端位置より下方の領域)は、上下方向に沿って真直な面となっており、この真直面が解除部62における型抜き孔17への挿入深さを規制可能な進入規制面63とされている。把持部61の先端面のうち、上側部分には、上端に向かうに連れて型抜き孔17に対する挿入方向後方へ向かう勾配をもった傾動規制面64となっている。この傾動規制面64は、解除治具60をてこ操作したときに雌ハウジング10の前面に当接可能とされることで、解除治具60の傾動操作範囲を規制し、ランス13の撓み量を規制できるようになっている。ただし、このときのランス13の撓み量は、雌端子金具30との係止状態を解除するのに必要最小限であり、且つランス13の弾性限度内に設定されている。
【0035】
ところで、この解除治具60は、上記雌コネクタ以外にも、雄コネクタにおいても使用可能である。図27を参照しつつ説明すると、雄コネクタは、雄ハウジング70の前面から、その内部に収容された雄端子金具71のタブ72が突き出るため、解除治具60を操作する際には、解除治具60とタブ72との干渉が問題となる。上記した受入凹部65は、まずタブ72を受け入れ可能とされているとともに、その底面65aが型抜き孔17に対する挿入方向後方へ向かって下り勾配をなす傾斜状に形成されていることで、解除治具60をてこ操作したときにもタブ72との干渉が回避されるようになっている。またこの受入凹部65におけるタブ72の入り口縁には、タブ72の挿入動作を誘導可能な面取り65bが施されている。
【0036】
本実施形態は以上のような構造であり、続いてその作用について説明する。図8ないし図11に示すように、雌端子金具30のバレル部32に電線Wを圧着接続した後に、雌端子金具30をキャビティ11内に後方から挿入する。このとき、スタビライザ47を下方へ向けた正規の挿入姿勢とは上下反転した不正な姿勢で雌端子金具30を挿入しようとした場合には、上方を向いたスタビライザ47の前端面がキャビティ11の後端周縁に形成された規制部22に突き当たることで挿入動作が規制される。これにより、雌端子金具30の逆挿入が確実に防止される。
【0037】
正規の挿入姿勢としつつ雌端子金具30をキャビティ11内に挿入すると、先に係止突部52が突部挿通溝19内に挿通され、その後、突部49が突部挿通溝19内に、スタビライザ47がスタビライザ挿通溝20内にそれぞれ挿通されることで、雌端子金具30が上下左右にがたつくのが抑制されつつ円滑に挿入される。そして、雌端子金具30が所定深さまで挿入されると、図12に示すように、係止突部52によってランス13が押圧されて下方へ撓み変形される。このとき、ランス13は、前部13aが係止突部52により押圧されるときに最も大きく撓まされる。この過程では、係止突部52が前端を頂点とする略角錐状に形成されていることで、突部挿通溝19内での挿通動作が円滑になり、且つランス13をスムーズに押圧できるようになっている。
【0038】
雌端子金具30がキャビティ11内に正規深さまで挿入されるのに伴って、係止突部52がランス13を乗り越えるとともにランス13が弾性復帰して、図13ないし図16に示すように、切欠部44内に進入しつつ雌端子金具30に対して弾性的に係止される。このとき、ランス13のうち、切断端面44aの傾斜に沿って突出する突き出し部25が係止突部52の内側に進入可能とされる。この過程では、本体部31の前端部がキャビティ11の上面の張出部21により押し下げられてランス13側に接近するよう変位するから、ランス13の雌端子金具30に対する係止深さが大きくなっている。しかも、このとき雌端子金具30は、図15に示すように、被支持溝部53内に支持突部26が嵌合して係止されることで、上下方向(ランス13の撓み方向)に傾動するのが規制される。また係止突部52は、図17に示すように、ランス13の両操作凹部24とは幅方向にずれた位置に配されており、両操作凹部24と共に前方外部に露出している。
【0039】
ここで、ランス13に対する係止面である切欠部44の前側の切断端面44aは、図13ないし図16に示すように、係止突部52を含めた外壁37の前部37a及び前部保持片50に至るまで、すなわち雌端子金具30のほぼ全幅領域にわたって形成されているので、雌端子金具30は、強固な抜け止め力でもってキャビティ11内から抜け止め状態に保持される。しかも、切欠部44の前側の切断端面44aは、内側に傾斜したテーパ状に形成されているので、抜け止め力がより強固なものとなっている。
【0040】
上記のような係止状態から、電線Wを介して雌端子金具30に対して後方へ引っ張るような力が作用した場合には、雌端子金具30におけるランス13の前端面との当接部分である係止突部52などがランス13に対して食い込む可能性がある。そうなると、ランス13の肉が削られて係止突部52の内側の空間に進入することになる。
【0041】
ところが、本実施形態における係止突部52の内側の空間の容積は、既述した通り図7に示す仮想三角錐Xの内側の容積と比較すると大きくなっている。従って、食い込み時に係止突部52の内側に進入するのが許容されるランス13の肉の量が多くなっている。これにより、ランス13を係止突部52に食い込ませながら雌端子金具30を後方へ引っ張るのに必要な力、すなわち雌端子金具30の抜け止め力が大きくなっており、雌端子金具30を強固に保持できるようになっている。
【0042】
既述した通りに雌端子金具30を雌ハウジング10のキャビティ11内に収容した後、雌端子金具30の導通検査を行う場合がある。その場合には、雌ハウジング10の前方から型抜き孔17内に導通プローブPを挿入して行う。図18に示すように、導通プローブPを真っ直ぐな姿勢としつつ型抜き孔17内に挿入すると、導通プローブPの先端部が型抜き孔17に露出している係止突部52の前部52aに当接される。もって、雌端子金具30の導通検査を行うことができる。
【0043】
一方、メンテナンスなどの事情により、雌ハウジング10内から雌端子金具30を取り外す場合がある。その場合は、図22に示すように、解除治具60の把持部61を持って両操作アーム66の先端を型抜き孔17に対向させつつ押し込む。押し込み過程では、両操作アーム66に続いて両姿勢矯正部67が型抜き孔17の孔縁上部に摺接することで、解除治具60全体の挿入姿勢をほぼ水平に保つことができる(図26)。そして、図23に示すように、進入規制面63が雌ハウジング10の前面に当接すると、それ以上の解除治具60の押し込み動作が規制される。このとき、両操作アーム66の先端部が対応する両操作凹部24内に進入して、双方のテーパ面同士が整合状態で当接し合う。このとき、逃がし傾斜面68と下壁12の低位部分12aとの間、及び傾動規制面64と雌ハウジング10の前端面との間には、それぞれクリアランスが確保されている。
【0044】
この状態で、姿勢矯正部67の根元部分と型抜き孔17の孔縁上部との当接部分を支点として把持部61を持ち上げつつ解除治具60をてこ操作して、図24に示すように、傾動規制面64が雌ハウジング10の前端面に当接するまで傾動させる(図26)。このとき、逃がし傾斜面68が下壁12の低位部分12aに当接または近接している。すると両操作アーム66が両操作凹部24を押し下げて、ランス13を下方へ撓み変形させる。これにより、ランス13は、雌端子金具30との係止状態を解除するのに必要な最小限の撓み動作を行うため、図25に示すように、この間に雌端子金具30を後方へ引っ張ると、雌端子金具30を抜き取ることができる。
【0045】
ところで、この解除治具60を用いて雄コネクタから雄端子金具71を取り外すこともできる(図27及び図28参照)。すなわち、受入凹部65内に雄ハウジング70の前端面から突出する雄端子金具71のタブ72が受け入れられるよう、既述した要領で解除部62を型抜き孔17A内に挿入する。この状態では、受入凹部65の底面65aは、後方へ向かって下り勾配をなす傾斜状に形成されているから、タブ72の先端部との間には所定のクリアランスが確保されている。従ってその後、解除治具60をてこ操作してランス13Aを撓み変形させる場合に、上記したクリアランスによりタブ72との干渉を回避できる。かくして、本実施形態の解除治具60は、雌雄いずれのコネクタにも使用することができる。
【0046】
以上説明したように本実施形態によれば、解除治具60によって操作可能な操作凹部24は、ランス13の前面のうち、係止面よりもランス13における基端部側へ引っ込むように形成されているから、雌ハウジング10内におけるランス13の撓み空間の高さ寸法を設定する上で、撓み変形時におけるランス13の係止面の変位量よりも、大きな寸法を確保する必要がない。その上、操作凹部24は、ランス13の前面のうち、雌端子金具30に対する係止面の幅領域内に配されているから、キャビティ11の幅寸法の拡張もない。これらによって、コネクタを高さ方向及び幅方向について小型化することができる。
【0047】
しかも、ランス13において操作凹部24を幅方向に一対配するようにしたから、解除操作時にランス13がねじれ変形することなく、ランス13を真っ直ぐな姿勢のまま撓ませることができる。
【0048】
また、解除治具60のうち把持部61の先端面には、てこ操作を行う際に雌ハウジング30の前面に当接することで、てこ操作の傾動範囲を規制可能な傾動規制面64を設けるようにしたから、ランス13の撓み量を規制することができ、もってランス13を過度に撓み変形させる事態を防ぐことができる。
【0049】
また、解除治具60を雄コネクタに使用する場合、解除治具60のうち把持部61には、受入凹部65が設けられているから、解除部62を型抜き孔17A内に進入させたときに雄ハウジング70の前面から突出される雄端子金具71のタブ72を受け入れ可能となっている。しかも受入凹部65の底面65aが型抜き孔17Aに対する挿入方向後方へ向かって下り勾配をなす傾斜状に形成されているから、把持部61を操作した時に受入凹部65内に受け入れられたタブ72との干渉を回避できるような逃がしが確保されている。従って、当該解除治具60は、雄雌のコネクタのいずれにおいても使用することができる。
【0050】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記した実施形態では、操作凹部を幅方向に一対設けたものを示したが、1つ或いは3つ以上の操作凹部を設けたものも本発明に含まれる。
(2)上記した実施形態では、雌コネクタにおいてランスに操作凹部を設けたものを示したが、雄コネクタについても本発明は同様に適用可能である。また、上記した実施形態では、片持ち状のランスを例示したが、前後両端に撓み支点を有する両持ち状のランスについても本発明は適用可能である。
(3)上記した実施形態では、てこ操作を行ってランスを撓み変形させる解除治具を示したが、例えば把持部及び解除部を水平に保ちつつランスの撓み方向に沿って操作するようなものも本発明に含まれる。
(4)上記した実施形態では、てこ操作の傾動範囲を規制するための傾動規制面と、雄端子金具のタブを受け入れるための受入凹部とを共に有する解除治具を示したが、傾動規制面と受入凹部とのうちいずれか一方のみを有するものも本発明に含まれる。
(5)上記した実施形態では、解除部の先端が二股状に形成されたものを示したが、解除部の形態はその他にも自由に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る雌ハウジングの正面図
【図2】雌ハウジングの背面図
【図3】雌ハウジングの部分切欠斜視図
【図4】雌端子金具の正面図
【図5】雌端子金具の底面図
【図6】雌端子金具の左側面図
【図7】係止突部と仮想三角錐とを示す拡大斜視図
【図8】雌ハウジング内に雌端子金具を挿入する前の状態を示す側断面図(雌ハウジングが図1のA−A線断面図、雌端子金具が図4のE−E線断面図)
【図9】雌ハウジング内に雌端子金具を挿入する前の状態を示す側断面図(雌ハウジングが図1のB−B線断面図、雌端子金具が図4のF−F線断面図)
【図10】雌ハウジング内に雌端子金具を挿入する前の状態を示す側断面図(雌ハウジングが図1のC−C線断面図、雌端子金具が右側面図)
【図11】雌ハウジング内に雌端子金具を挿入する前の状態を示す側断面図(雌ハウジングが図1のD−D線断面図、雌端子金具が平面図)
【図12】雌ハウジング内に雌端子金具を挿入する途中の状態を示す側断面図(雌ハウジングが図1のA−A線断面図、雌端子金具が図4のE−E線断面図)
【図13】雌ハウジング内に雌端子金具を挿入した状態を示す側断面図(雌ハウジングが図1のA−A線断面図、雌端子金具が図4のE−E線断面図)
【図14】雌ハウジング内に雌端子金具を挿入した状態を示す側断面図(雌ハウジングが図1のB−B線断面図、雌端子金具が図4のF−F線断面図)
【図15】雌ハウジング内に雌端子金具を挿入した状態を示す側断面図(雌ハウジングが図1のC−C線断面図、雌端子金具が右側面図)
【図16】雌ハウジング内に雌端子金具を挿入した状態を示す側断面図(雌ハウジングが図1のD−D線断面図、雌端子金具が平面図)
【図17】雌ハウジング内に雌端子金具を挿入した状態を示す正面図
【図18】導通プローブにより導通検査を行った状態を示す側断面図(雌ハウジングが図1のC−C線断面図、雌端子金具が右側面図)
【図19】解除治具の平面図
【図20】解除治具の正面図
【図21】図20のG−G線断面図
【図22】解除治具を型抜き孔内に挿入する前の状態を示す側断面図(雌ハウジングが図1のA−A線断面図、雌端子金具が右側面図、解除治具が図20のG−G線断面図)
【図23】操作アームが操作凹部内に進入した状態を示す側断面図(雌ハウジングが図1のA−A線断面図、雌端子金具が右側面図、解除治具が図20のG−G線断面図)
【図24】てこ操作を行ってランスが撓み変形された状態を示す側断面図(雌ハウジングが図1のA−A線断面図、雌端子金具が右側面図、解除治具が図20のG−G線断面図)
【図25】雌端子金具を引き抜く途中の状態を示す側断面図(雌ハウジングが図1のA−A線断面図、雌端子金具が右側面図、解除治具が図20のG−G線断面図)
【図26】図23のH−H線断面図
【図27】解除治具を雄コネクタに使用した場合において、解除部を型抜き孔内に挿入した状態を示す側断面図
【図28】解除治具を雄コネクタに使用した場合において、てこ操作を行った状態を示す側断面図
【図29】従来例の断面図
【符号の説明】
10…雌ハウジング(コネクタハウジング)
11…キャビティ
13…ランス
24…操作凹部
30…雌端子金具(端子金具)
60…解除治具
61…把持部
62…解除部
64…傾動規制面(規制部)
65…受入凹部(受入部)
65a…底面(内面)
70…雄ハウジング(コネクタハウジング)
71…雄端子金具(端子金具)
72…タブ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a connector and a release jig.
[0002]
[Prior art]
DESCRIPTION OF RELATED ART Conventionally, what was described in the following
On the other hand, when removing the terminal fitting 2 locked to the
[0003]
[Patent Document 1] JP-A-6-325814
[Problems to be solved by the invention]
By the way, at the time of removal, the
As a countermeasure, for example, it is conceivable to provide a release portion protruding from the side surface of the
The present invention has been completed based on the above circumstances, and an object of the present invention is to provide a connector effective for downsizing and a release jig suitable for the connector.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a means for achieving the above object, the connector according to the first aspect of the present invention provides a connector housing in which a cavity into which a terminal fitting can be inserted from the rear is provided, and a cavity is provided in the cavity from a base end to a front. And a lance that is returned after being bent and deformed once by the inserted terminal fitting, and that can be locked to the terminal fitting. At the protruding position, there is provided an operation recess operable by a release jig from the front, and this operation recess is disposed within the width region of the locking surface for the terminal fitting and is more basic than the locking surface. It is characterized in that it is formed to be retracted toward the end.
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect, the operation concave portions are arranged in a pair in the width direction.
[0006]
A release jig according to a third aspect of the present invention is a release jig used for the connector according to the first or second aspect, wherein the release jig is provided on a grip portion and a distal end side of the grip portion. And a release portion capable of operating the operation concave portion by leveraging the grip portion, and by contacting the front surface of the connector housing when the lever operation is performed, the tilting range of the lever operation can be regulated. It is characterized in that it is provided with a simple restricting portion.
[0007]
A release jig according to a fourth aspect of the present invention is a release jig used for the connector according to the first or second aspect, wherein the release jig is disposed on a grip portion and a tip side of the grip portion. And a release portion operable to operate the operation concave portion, and the grip portion is provided with a receiving portion capable of receiving a tab of the terminal fitting protruding from the front surface of the connector housing. The inner surface is characterized in that a relief is formed to avoid interference with the tab when the grip is operated.
[0008]
Function and effect of the present invention
<Invention of
When the terminal fitting locked by the lance is to be removed, the operating jig is operated by the release jig to forcibly bend and deform the lance to release the locked state with the terminal fitting.
Since the operation concave portion is provided so as to be retracted closer to the base end side than the locking surface, in setting the height dimension of the bending space of the lance in the connector housing, the amount of displacement of the locking surface during bending deformation is determined. Also, there is no need to secure large dimensions. In addition, since the operation concave portion is disposed within the width region of the locking surface for the terminal fitting, there is no expansion of the width dimension of the cavity. Thus, the size of the connector can be reduced.
<Invention of
Since the operation concave portions are arranged in a pair in the width direction, the lance is prevented from being twisted and deformed at the time of the releasing operation.
[0009]
<Invention of
When the lever operation is performed by holding the grip portion, the tilting range of the lever operation is restricted by the restricting portion coming into contact with the front surface of the connector housing. Thus, the amount of deflection of the lance can be regulated, so that excessive deformation of the lance is prevented.
[0010]
<Invention of Claim 4>
When the release portion is inserted into the operation concave portion, the tab of the terminal fitting protruding from the front surface of the connector housing is received in the receiving portion. When the grip is operated in this state, the release lance flexes and deforms the release lance while avoiding interference with the tab due to escape.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
One embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. In this embodiment, a female connector in which a female terminal fitting 30 is inserted into a female connector housing 10 (hereinafter, simply referred to as a female housing 10) is shown. When the female terminal fitting 30 is housed in the
[0012]
The
[0013]
The
[0014]
As shown in FIGS. 2 and 8, a groove is formed in a portion of the
[0015]
At the front end of the upper surface of the cavity 11 (the surface facing the lance 13), there is provided an
[0016]
The structure of the
[0017]
The
[0018]
A pair of operation recesses 24 operable by a
[0019]
A projecting
[0020]
Now, as shown in FIGS. 2 and 9, the female terminal fitting 30 is vertically inserted into a supported
[0021]
The female terminal fitting 30 is formed into a desired shape by punching or bending a metal base material into a predetermined shape. As shown in FIGS. 5 and 8, the female terminal fitting 30 includes a substantially box-shaped
[0022]
The
[0023]
As shown in FIG. 8, the
[0024]
Further, at a position of the
[0025]
As shown in FIGS. 5 and 8, the
[0026]
As shown in FIGS. 5 and 6, a
[0027]
From the protruding end of the
[0028]
At the approximate center (accurately, the position slightly shifted to the left in FIG. 4 from the center) of the rear end edge (the front cut end of the cutout 44) along the width direction of the
[0029]
The locking
[0030]
Now, the locking
[0031]
A corner portion extending between the
[0032]
Next, the structure of the
[0033]
The
[0034]
A lower portion (a region below the upper end position of the posture correcting unit 67) of the distal end surface of the
[0035]
The
[0036]
The present embodiment has the above structure, and its operation will be described below. As shown in FIGS. 8 to 11, after the electric wire W is crimp-connected to the
[0037]
When the female terminal fitting 30 is inserted into the
[0038]
As the female terminal fitting 30 is inserted into the
[0039]
Here, as shown in FIG. 13 to FIG. 16, the
[0040]
When a force that pulls the female terminal fitting 30 backward from the above-described locked state acts on the female terminal fitting 30 via the electric wire W, the female terminal fitting 30 contacts the front end face of the
[0041]
However, the volume of the space inside the locking
[0042]
As described above, after the female terminal fitting 30 is accommodated in the
[0043]
On the other hand, the female terminal fitting 30 may be removed from the
[0044]
In this state, the
[0045]
By the way, the
[0046]
As described above, according to the present embodiment, the operation
[0047]
Moreover, since the pair of operation recesses 24 are arranged in the
[0048]
Also, the tip end surface of the
[0049]
Further, when the
[0050]
<Other embodiments>
The present invention is not limited to the embodiments described with reference to the above description and drawings. For example, the following embodiments are also included in the technical scope of the present invention, and furthermore, besides the following, within the scope not departing from the gist. Can be implemented with various modifications.
(1) In the above-described embodiment, a case where a pair of operation concave portions is provided in the width direction is shown, but a case where one or three or more operation concave portions are provided is also included in the present invention.
(2) In the above-described embodiment, the female lance is provided with the operation concave portion in the lance. However, the present invention is similarly applicable to a male connector. Further, in the above-described embodiment, the cantilever lance is exemplified, but the present invention is also applicable to a cantilever lance having bending fulcrums at both front and rear ends.
(3) In the above-described embodiment, the release jig for bending and deforming the lance by performing the lever operation has been described. However, for example, the release jig is operated along the bending direction of the lance while keeping the grip portion and the release portion horizontal. Are also included in the present invention.
(4) In the above-described embodiment, the release jig having both the tilt restriction surface for restricting the tilt range of the lever operation and the receiving recess for receiving the tab of the male terminal fitting is shown. The present invention also includes a device having only one of the recess and the receiving recess.
(5) In the above embodiment, the tip of the release portion is formed in a forked shape, but the release portion can be freely set in any other form.
[Brief description of the drawings]
1 is a front view of a female housing according to an embodiment of the present invention; FIG. 2 is a rear view of the female housing; FIG. 3 is a partially cutaway perspective view of the female housing; FIG. 4 is a front view of a female terminal fitting; FIG. 6 is a left side view of the female terminal fitting. FIG. 7 is an enlarged perspective view showing the locking projection and the virtual triangular pyramid. FIG. 8 is a diagram showing the female terminal fitting inserted into the female housing. Side sectional view showing the previous state (the female housing is a sectional view taken along line AA in FIG. 1, and the female terminal fitting is a sectional view taken along line EE in FIG. 4).
9 is a side sectional view showing a state before the female terminal fitting is inserted into the female housing (the female housing is a sectional view taken along line BB in FIG. 1, and the female terminal fitting is a sectional view taken along line FF in FIG. 4).
10 is a side sectional view showing a state before the female terminal fitting is inserted into the female housing (the female housing is a sectional view taken along line CC in FIG. 1, and the female terminal fitting is a right side view).
11 is a side sectional view showing a state before the female terminal fitting is inserted into the female housing (the female housing is a sectional view taken along line DD in FIG. 1, and the female terminal fitting is a plan view).
12 is a side sectional view showing a state in which the female terminal fitting is being inserted into the female housing (the female housing is a sectional view taken along line AA in FIG. 1, and the female terminal fitting is a sectional view taken along line EE in FIG. 4).
13 is a side sectional view showing a state where the female terminal fitting is inserted into the female housing (the female housing is a sectional view taken along line AA of FIG. 1, and the female terminal fitting is a sectional view taken along line EE of FIG. 4).
14 is a side sectional view showing a state where the female terminal fitting is inserted into the female housing (the female housing is a sectional view taken along line BB of FIG. 1; the female terminal fitting is a sectional view taken along line FF of FIG. 4);
FIG. 15 is a side sectional view showing a state where the female terminal fitting is inserted into the female housing (the female housing is a sectional view taken along line CC in FIG. 1, and the female terminal fitting is a right side view).
16 is a side sectional view showing a state where the female terminal fitting is inserted into the female housing (the female housing is a sectional view taken along line DD of FIG. 1 and the female terminal fitting is a plan view).
FIG. 17 is a front view showing a state in which the female terminal fitting is inserted into the female housing; FIG. 18 is a side sectional view showing a state in which a continuity test is performed by a continuity probe (the female housing is a cross-sectional view taken along line CC in FIG. 1); , Female terminal fitting is right side view)
FIG. 19 is a plan view of the release jig. FIG. 20 is a front view of the release jig. FIG. 21 is a cross-sectional view taken along the line GG of FIG. 20. FIG. Side sectional view showing the state (the female housing is a sectional view taken along line AA in FIG. 1, the female terminal fitting is a right side view, and the release jig is a sectional view taken along line GG in FIG. 20).
23 is a side sectional view showing a state in which the operation arm has entered the operation concave portion (the female housing is a cross-sectional view taken along line AA in FIG. 1, the female terminal fitting is a right side view, and the release jig is G- in FIG. 20). G line sectional view)
24 is a side sectional view showing a state in which the lance is bent and deformed by performing a lever operation (the female housing is a sectional view taken along line AA in FIG. 1, the female terminal fitting is a right side view, and the release jig is a fitting jig in FIG. 20). (GG line sectional view)
25 is a side sectional view showing a state in which the female terminal fitting is being pulled out (the female housing is a sectional view taken along line AA of FIG. 1, the female terminal fitting is a right side view, and the release jig is a line GG of FIG. 20). Cross section)
FIG. 26 is a cross-sectional view taken along the line HH of FIG. 23. FIG. 27 is a side cross-sectional view showing a state in which a release portion is inserted into a mold release hole when a release jig is used for a male connector. FIG. 29 is a sectional side view showing a state where a lever operation is performed when a jig is used for a male connector. FIG. 29 is a sectional view of a conventional example.
10. Female housing (connector housing)
11
Reference numeral 60: release jig 61: gripping part 62: release part 64: tilting regulation surface (regulation part)
65 ... receiving concave part (receiving part)
65a ... Bottom (inner)
70 ... male housing (connector housing)
71 ... Male terminal fitting (terminal fitting)
72 ... tab
Claims (4)
ランスの前面のうち、係止した端子金具からはみ出した位置には、前方から解除治具によって操作可能な操作凹部が設けられ、且つこの操作凹部は、端子金具に対する係止面の幅領域内に配されるとともに、前記係止面よりも基端部側に引っ込むように形成されていることを特徴とするコネクタ。The connector housing is provided with a cavity into which terminal fittings can be inserted from the rear. Inside the cavity, the terminal protrudes forward from the base end and returns after being bent and deformed once by the inserted terminal fitting. In those provided with a lance that can be locked to the bracket,
On the front surface of the lance, at a position protruding from the locked terminal fitting, an operation recess operable by a release jig from the front is provided, and the operation recess is provided within a width region of a locking surface for the terminal fitting. A connector, wherein the connector is arranged so as to be retracted toward the base end side from the locking surface.
把持部と、この把持部の先端側に配されるとともに前記把持部をてこ操作することで前記操作凹部を操作可能な解除部と、前記てこ操作を行ったときに前記コネクタハウジングの前面に当接することで、前記てこ操作の傾動範囲を規制可能な規制部とを備えられていることを特徴とする解除治具。A release jig used for the connector according to claim 1 or 2,
A gripping portion, a release portion arranged on the distal end side of the gripping portion and capable of operating the operation concave portion by leveraging the gripping portion, and a release portion which is in contact with a front surface of the connector housing when the leverage operation is performed. A release jig provided with a restricting portion that can restrict the tilting range of the lever operation by being in contact with the release jig.
把持部と、この把持部の先端側に配されるとともに前記操作凹部を操作可能な解除部とからなり、前記把持部には、前記コネクタハウジングの前面から突出される前記端子金具のタブを受け入れ可能な受入部が設けられ、且つこの受入部の内面には、前記把持部が操作された時に前記タブとの干渉を回避可能な逃がしが形成されていることを特徴とする解除治具。A release jig used for the connector according to claim 1 or 2,
A grip portion, and a release portion disposed on the distal end side of the grip portion and capable of operating the operation concave portion. The grip portion receives a tab of the terminal fitting protruding from the front surface of the connector housing. A release jig provided with a possible receiving portion, and a relief capable of avoiding interference with the tab when the grip portion is operated is formed on an inner surface of the receiving portion.
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2003
- 2003-02-03 JP JP2003026465A patent/JP2004014502A/en not_active Withdrawn
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