JP2004014411A - アルカリ蓄電池用芯材およびその製造方法ならびにそれを用いたアルカリ蓄電池 - Google Patents

アルカリ蓄電池用芯材およびその製造方法ならびにそれを用いたアルカリ蓄電池 Download PDF

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草間 和幸
Junji Adachi
足立 淳史
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富岡 克行
Nobuyasu Morishita
森下 展安
Haruyoshi Yamashita
山下 晴義
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Abstract

【課題】従来のアルカリ蓄電池よりも信頼性が高いアルカリ蓄電池を構成できる芯材およびその製造方法、ならびにそれを用いたアルカリ蓄電池を提供する。
【解決手段】正極電位で溶解する不純物12を含む第1の芯材11をニッケルメッキする工程を含む方法で芯材を製造する。または、ニッケルを含み且つ正極電位で溶解する不純物を含む第1の芯材を、ニッケルが酸化しない雰囲気中で熱処理することによって、第1の芯材の表面に露出している不純物を合金化させる工程を含む方法で芯材を製造する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリ蓄電池用芯材の製造方法およびそれを用いたアルカリ蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ニッケルカドミウム蓄電池やニッケル水素蓄電池などのアルカリ蓄電池は、携帯電話やパソコンなどの電源として用いられている。また、近年では、ニッケル水素蓄電池は、電気自動車やハイブリッド電気自動車におけるモータの動力源として用いられている。これらのアルカリ蓄電池の正極は、焼結式の正極と非焼結式の正極とに大別される。非焼結式の正極では、導電性の基体としてニッケルまたはニッケルメッキされた鉄からなる芯材が用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの芯材は、正極電位で電解液中に溶解する不純物金属(たとえば銅、鉛、銀、錫など)を含んでいる場合がある。そして、不純物の量が多い場合には、芯材から電解液中に溶けだした不純物が析出し、正極と負極との短絡(微小短絡)を引き起こす恐れがあった。
【0004】
そこで、本発明は、従来のアルカリ蓄電池よりも信頼性が高いアルカリ蓄電池を構成できる芯材およびその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、従来のアルカリ蓄電池よりも信頼性が高いアルカリ蓄電池を提供することを他の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1のアルカリ蓄電池用芯材は、構成元素としてニッケルまたはニッケルおよび鉄を含み且つ正極電位で溶解する不純物を含む多孔体と、前記多孔体をコートするように形成されたニッケルからなるメッキ層とを備える芯材である。なお、正極電位で溶解する不純物とは、たとえば、銅、銀、鉛および錫から選ばれる少なくとも1つの金属元素であり、特に銅の影響が大きい。
【0006】
また、本発明の第2のアルカリ蓄電池用芯材は、構成元素としてニッケルまたはニッケルおよび鉄を含み且つ正極電位で溶解する不純物を含む多孔体からなり、表面に露出している前記不純物がニッケルと合金化している芯材である。
【0007】
また、本発明の第3のアルカリ蓄電池用芯材は、鉄を主成分とする金属からなる板と前記板を覆うように形成されたニッケルからなる第1のメッキ層とを備え正極電位で溶解する不純物を含む金属板と、前記金属板をコートするように形成されたニッケルからなる第2のメッキ層とを備える芯材である。
【0008】
また、本発明の第4のアルカリ蓄電池用芯材は、鉄を主成分とする金属からなる板と前記板を覆うように形成されたニッケルからなるメッキ層とを備え正極電位で溶解する不純物を含む金属板からなり、表面に露出している前記不純物が合金化している芯材である。これら第1から第4の芯材を正極の支持体として用いることによって、不純物が電解液に溶出することを防止できるため、信頼性が高いアルカリ蓄電池を製造できる。
【0009】
また、アルカリ蓄電池用芯材を製造するための本発明の第1の方法は、正極電位で溶解する不純物を含む第1の芯材をニッケルメッキする工程を含む。この第1の製造方法では、メッキ層の厚さが1μm以上になるようにメッキを行うことが好ましい。
【0010】
また、アルカリ蓄電池用芯材を製造するための本発明の第2の方法は、ニッケルを含み且つ正極電位で溶解する不純物を含む第1の芯材を、ニッケルが酸化しない雰囲気中で熱処理することによって、前記第1の芯材の表面に露出している前記不純物を合金化させる工程を含む。
【0011】
上記第1および第2の製造方法では、前記第1の芯材が、ニッケルまたはニッケルおよび鉄を構成元素として含む多孔体であってもよく、あるいは、前記第1の芯材が、鉄を主成分とする金属からなる板と、前記板を覆うように形成されたニッケルからなるメッキ層とからなる金属板であってもよい。
【0012】
また、本発明のアルカリ蓄電池は、正極を含むアルカリ蓄電池であって、前記正極は芯材と前記芯材に支持された活物質とを含み、前記芯材は上記本発明の第1ないし第4のアルカリ蓄電池用芯材のいずれかである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
(実施形態1)
実施形態1では、アルカリ蓄電池の正極に用いられる本発明の芯材およびその製造方法について一例を説明する。
【0015】
実施形態1の製造方法では、正極電位で溶解する不純物を含む第1の芯材をニッケルメッキする工程を含む。ここで、第1の芯材には、ニッケルまたはニッケルおよび鉄を構成元素として含む多孔体を用いることができる。より具体的には、ニッケル製のニッケル多孔体(たとえば発泡ニッケル)や、焼結式ニッケル多孔体を用いることができる。焼結式ニッケル多孔体は、以下のようにして得られる多孔体である。まず、鉄などからなるパンチングメタルにニッケルメッキをしたのち、これに、カルボニルニッケル粉末、水および有機増粘剤を含むスラリーを塗着し乾燥する。次に、有機増粘剤を燃焼させて除去したのち、還元雰囲気中でカルボニルニッケル粉末を焼結させることによって焼結式ニッケル多孔体が得られる。また、第1の芯材として、鉄を主成分とする金属からなる板(たとえば鉄板であり、貫通孔や突起などが形成されていてもよい)と、この板を覆うように形成されたニッケルからなるメッキ層とからなる金属板(たとえばパンチングメタル)を用いてもよい。すなわち、第1の芯材には、アルカリ蓄電池の正極の芯材として一般的に用いられている芯材を適用できる。
【0016】
市販されているこれらの芯材は、正極電位で溶解する不純物(銅、銀、鉛、錫などの金属)を含んでいる。これらの不純物は、芯材の材料であるニッケルまたは鉄に含まれていたり、芯材に粉塵として付着することによって混入する。この不純物の量が過剰である場合には、時間の経過とともに不純物が溶解および析出し、正極と負極とを微小短絡させる可能性がある。実施形態1の製造方法では、これらの芯材をさらにニッケルメッキすることによって、芯材から露出している不純物金属を被覆する。その結果、不純物金属が電解液中に溶解することを防止できる。
【0017】
実施形態1の製造方法を図1に模式的に示す。なお、図1には、第1の芯材が多孔体である場合を示す。図1(a)に、第1の芯材11の一部の拡大図を示す。第1の芯材11の表面には、不純物12が存在している。第1の芯材11をニッケルメッキすることによって、図1(b)に示すように、第1の芯材11の表面に露出している不純物12をニッケルからなるメッキ層13で覆う。実施形態1の製造方法で製造された第2の芯材14は、本発明の芯材である。第1の芯材が上述した多孔体である場合、本発明の芯材は、構成元素としてニッケルまたはニッケルおよび鉄を含み且つ正極電位で溶解する不純物を含む多孔体と、この多孔体をコートするように形成されたニッケルからなるメッキ層とを備える。また、第1の芯材がパンチングメタルなどの二次元芯材である場合、本発明の芯材は、鉄を主成分とする金属からなる板とその板を覆うように形成されたニッケルからなる第1のメッキ層とを備え正極電位で溶解する不純物を含む金属板と、その金属板をコートするように形成されたニッケルからなる第2のメッキ層とを備える。
【0018】
出発材料であるニッケル製の第1の芯材11には、電池用として一般的に使用されている発泡ニッケルや焼結式ニッケル多孔体やパンチングメタルを用いることができる。ニッケルメッキは、一般的な方法で行うことができ、たとえば、電解メッキ法や無電解メッキ法を用いることができる。形成するメッキ層13の厚さは、1μm以上であることが好ましい。
【0019】
(実施形態2)
実施形態2では、アルカリ蓄電池の正極に用いられる芯材およびその製造方法について他の一例を説明する。
【0020】
実施形態2の製造方法では、ニッケルを含み且つ正極電位で溶解する不純物(たとえば銅、銀、鉛、錫など)を含む第1の芯材を、ニッケルが酸化しない雰囲気中で熱処理することによって、第1の芯材の表面に露出している不純物を合金化させる工程を含む。出発材料である第1の芯材11には、実施形態1で説明した第1の芯材と同様である。熱処理の雰囲気は、第1の芯材11を構成するニッケルや鉄が酸化しない雰囲気であり、たとえば、水素ガス雰囲気や不活性ガス雰囲気が挙げられる。熱処理は、第1の芯材の表面に露出している不純物が、第1の芯材中に拡散して合金化する条件で行われる。たとえば、800℃〜1200℃の範囲内の温度で10分間以上加熱する条件で熱処理を行うことができる。
【0021】
実施形態2の製造方法を図2に模式的に示す。なお、図2には、第1の芯材が多孔体である場合を示している。図2(a)に、第1の芯材11の一部の拡大図を示す。第1の芯材11の表面には、正極電位で溶解する不純物12が存在している。この第1の芯材11を熱処理することによって、図2(b)に示すように、第1の芯材11の表面に露出している不純物12を第1の芯材11中に拡散させ合金21に変化させる。第1の芯材11がニッケル製の多孔体である場合には、合金21はニッケル合金である。また、第1の芯材11がパンチングメタルである場合には、合金21は、ニッケルおよび/または鉄の合金である。これらの合金は、不純物単体と比較して電解液に溶解しにくいため、不純物の溶解および析出を抑制できる。
【0022】
実施形態2の製造方法で製造された第2の芯材22は、本発明の芯材である。第1の芯材が実施形態1で説明した多孔体である場合、本発明の芯材は、構成元素としてニッケルまたはニッケルおよび鉄を含み且つ正極電位で溶解する不純物を含む多孔体からなり、表面に露出している不純物がニッケルと合金化している芯材である。また、第1の芯材がパンチングメタルである場合、本発明の芯材は、鉄を主成分とする金属からなる板とその板を覆うように形成されたニッケルからなるメッキ層とを備え正極電位で溶解する不純物を含む金属板からなり、表面に露出している不純物が合金化している芯材である。
【0023】
(実施形態3)
実施形態3では、本発明のアルカリ蓄電池およびその製造方法について一例を説明する。
【0024】
実施形態3のアルカリ蓄電池の一例を図3に示す。なお、図3では、円筒形の電池について図示しているが、本発明の電池はこれに限定されず、角形の電池であってもよい。図3のアルカリ蓄電池30は、ケース31、正極32、負極33、セパレータ34、電解液(図示せず)および封口板35を備える。正極32、負極33およびセパレータ34はコイル状に捲回されて極板群を構成している。極板群および電解液は、封口板35で封口されたケース31内に封入されている。
【0025】
正極32を除く部分は、特に限定がなく、一般的なアルカリ蓄電池に使用される部材を用いることができる。たとえば、セパレータには、ポリオレフィン製の不織布などを用いることができる。電解液には、水酸化カリウムを主な溶質とするアルカリ水溶液を用いることができる。ニッケル・カドミウム蓄電池の場合には、負極33として水酸化カドミウムを含む負極を用いる。また、ニッケル・水素蓄電池の場合には、負極33として水素吸蔵合金を含む負極を用いる。
【0026】
正極32は、芯材と芯材に支持された活物質とを含む。芯材には、実施形態1で説明した本発明の第2の芯材14を用いる。活物質には、水酸化ニッケルを主成分とする一般的な活物質を用いることができる。
【0027】
以下、アルカリ蓄電池を製造するための実施形態3の製造方法について一例を説明する。
【0028】
正極32の第2の芯材14は、実施形態1で説明した方法で製造できる。換言すれば、アルカリ蓄電池30の製造方法は、実施形態1で説明した、第2の芯材14の製造方法を含む。第2の芯材14に、活物質を含むペーストを充填し、乾燥、圧延および切断することによって正極32を製造できる。または、第2の芯材14に活物質を塩の状態で充填し、化成、水洗および乾燥することによって正極32を製造できる。
【0029】
負極33は、パンチングメタルなどの支持体に、負極活物質を含むペーストを塗布し、乾燥、圧延および切断することによって製造できる。その後、正極32と負極33との間にセパレータ34が配置されるように、正極32と負極33とセパレータ34とをコイル状に捲回し、極板群を作製する。この極板群と電解液とをケース31内に封入し、封口板35で封口する。このようにしてアルカリ蓄電池を製造できる。
【0030】
第2の芯材14において、メッキ層13は、第1の芯材11の表面を完全に覆うことが好ましい。しかし、メッキ層13が第1の芯材11の表面を完全に覆わない場合でも、第2の芯材14の表面に露出している不純物の量が微量である場合には、高い信頼性を維持できる。
【0031】
(実施形態4)
実施形態4では、本発明のアルカリ蓄電池およびその製造方法について他の一例を説明する。
【0032】
実施形態4のアルカリ蓄電池は、正極中の芯材を除いて実施形態3のアルカリ蓄電池と同様であるため、重複する説明は省略する。
【0033】
実施形態4のアルカリ蓄電池では、第2の芯材14の代わりに、実施形態2で説明した第2の芯材22を用いる。そして、アルカリ蓄電池を製造するための実施形態4の製造方法は、実施形態2で説明した、第2の芯材22の製造方法を含む。
【0034】
第2の芯材22において、第1の芯材11の表面に露出している不純物12がすべて合金化されていることが好ましい。しかし、不純物12のすべてが合金化されない場合でも、第2の芯材22の表面に露出している不純物の量が微量である場合には、高い信頼性を維持できる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
【0036】
(実施例1)
実施例1では、実施形態1の製造方法で芯材を製造した一例について説明する。
【0037】
出発材料となるニッケル多孔体には、発泡ニッケル(多孔度95%、面密度600g/m)を用いた。ニッケルメッキは、図4に示す装置を用いて行った。
【0038】
図4の装置は、ロール51および52と、メッキ浴53とを備える。ロール51からは発泡ニッケル54が送り出される。ニッケルメッキされた発泡ニッケル54aは、ロール52によって巻き取られる。
【0039】
メッキ浴53には、硫酸ニッケルを主成分とするメッキ浴を用いた。そして、ニッケルを供給するためのニッケルインゴット(図示せず)をメッキ浴53内に浸漬した。そして、発泡ニッケル54とニッケルインゴットとの間に電圧を印加し、発泡ニッケル54の表面にニッケルをメッキした。なお、発泡ニッケル54の進行路から容器55に漏れだしたメッキ浴53は、ポンプによって循環させた。メッキ層の厚さは、発泡ニッケル54の移動速度および電流値で調整し、約5μmとした。このようにして、実施形態1の芯材を製造した。
【0040】
(実施例2)
実施例2では、実施形態2の製造方法でニッケル多孔体を製造した一例について説明する。
【0041】
出発材料となる芯材には、発泡ニッケル(多孔度95%、面密度600g/m)を用いた。熱処理は、図5に示す装置を用いて行った。
【0042】
図5の装置は、ロール61および62と、熱処理炉63とを備える。熱処理炉63は、加熱部63aと冷却部63bとを備える。ロール61からは発泡ニッケル64が送り出される。熱処理炉63で熱処理された発泡ニッケル64aは、ロール62によって巻き取られる。熱処理は、水素雰囲気中、1000℃で15分間行った。熱処理後は、発泡ニッケルが35℃〜45℃の温度になるまで冷却部63bで冷却した。このようにして、実施形態2の芯材を製造した。
【0043】
(実施例3)
実施例3では、芯材である発泡ニッケル(多孔度95%、面密度600g/m)に対して、実施例1で説明した方法で、メッキ層の厚さを変化させてニッケルメッキを行い芯材を作製した。このとき、本発明の効果を調べるため、発泡ニッケルには500μgの銅を故意に添加した。また、メッキ層の厚さは、0μm、1μm、5μmまたは10μmとした。
【0044】
次に、作製した芯材を用いて、実施形態3で説明したように定格容量6.5Ahの角形ニッケル・水素蓄電池を作製した。作製した電池は、定格容量の30%だけ充電したのち(SOC=30%)、45℃で放置し、電池電圧の変化を測定した。
【0045】
この実験によって、電池の短絡に対するニッケルメッキの効果を評価した。評価結果を図6に示す。なお、ニッケルメッキ層の厚さが5μmまたは10μmの場合は、メッキ層の厚さが1μmの場合と同じ経過を示したので、図示は省略する。
【0046】
図6に示すように、ニッケルメッキを行わなかった電池(0μm)では、短絡が発生した。これに対し、ニッケルメッキ層の厚さが1μm以上の場合には短絡が生じなかった。
【0047】
以上、本発明の実施の形態について例を挙げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用することができる。
【0048】
なお、上記実施例では、芯材中の銅について説明したが、本発明は、銅に限らず、芯材中に不純物として含まれ正極電位で溶解する他の金属(たとえば銀や鉛や錫)についても効果があることはいうまでもない。また、上記実施例では芯材として発泡ニッケルを用いたが、パンチングメタル等の二次元芯材や、焼結式ニッケル多孔体などの芯材でも同様の効果が得られる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明の芯材およびその製造方法によれば、従来のアルカリ蓄電池よりも信頼性が高いアルカリ蓄電池を構成できる芯材が得られる。また、本発明のアルカリ蓄電池およびその製造方法によれば、従来のアルカリ蓄電池よりも信頼性が高いアルカリ蓄電池が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の芯材の製造方法について一例を模式的に示す工程図である。
【図2】本発明の芯材の製造方法について他の一例を模式的に示す工程図である。
【図3】本発明のアルカリ蓄電池について一例を模式的に示す一部分解斜視図である。
【図4】本発明の芯材の製造方法について装置の一例を模式的に示す図である。
【図5】本発明の芯材の製造方法について装置の他の一例を模式的に示す図である。
【図6】芯材のニッケルメッキ層の厚さと放置時の電池電圧の変化との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11 第1の芯材
12 不純物
13 メッキ層
14、22 第2の芯材
21 合金
30 アルカリ蓄電池
31 ケース
32 正極
33 負極
34 セパレータ
35 封口板
51、52、61、62 ロール
53 メッキ浴
54、54a、64、64a 発泡ニッケル
55 容器
63 熱処理炉
63a 加熱部
63b 冷却部

Claims (10)

  1. 構成元素としてニッケルまたはニッケルおよび鉄を含み且つ正極電位で溶解する不純物を含む多孔体と、前記多孔体をコートするように形成されたニッケルからなるメッキ層とを備えるアルカリ蓄電池用芯材。
  2. 構成元素としてニッケルまたはニッケルおよび鉄を含み且つ正極電位で溶解する不純物を含む多孔体からなり、表面に露出している前記不純物がニッケルと合金化しているアルカリ蓄電池用芯材。
  3. 鉄を主成分とする金属からなる板と前記板を覆うように形成されたニッケルからなる第1のメッキ層とを備え正極電位で溶解する不純物を含む金属板と、
    前記金属板をコートするように形成されたニッケルからなる第2のメッキ層とを備えるアルカリ蓄電池用芯材。
  4. 鉄を主成分とする金属からなる板と前記板を覆うように形成されたニッケルからなるメッキ層とを備え正極電位で溶解する不純物を含む金属板からなり、表面に露出している前記不純物が合金化しているアルカリ蓄電池用芯材。
  5. 正極電位で溶解する不純物を含む第1の芯材をニッケルメッキする工程を含むアルカリ蓄電池用芯材の製造方法。
  6. メッキ層の厚さが1μm以上になるようにメッキを行う請求項5に記載のアルカリ蓄電池用芯材の製造方法。
  7. ニッケルを含み且つ正極電位で溶解する不純物を含む第1の芯材を、ニッケルが酸化しない雰囲気中で熱処理することによって、前記第1の芯材の表面に露出している前記不純物を合金化させる工程を含むアルカリ蓄電池用芯材の製造方法。
  8. 前記第1の芯材が、ニッケルまたはニッケルおよび鉄を構成元素として含む多孔体である請求項5ないし7のいずれかに記載のアルカリ蓄電池用芯材の製造方法。
  9. 前記第1の芯材が、鉄を主成分とする金属からなる板と、前記板を覆うように形成されたニッケルからなるメッキ層とからなる金属板である請求項5ないし7のいずれかに記載のアルカリ蓄電池用芯材の製造方法。
  10. 正極を含むアルカリ蓄電池であって、
    前記正極は芯材と前記芯材に支持された活物質とを含み、
    前記芯材が請求項1ないし4のいずれかに記載されたアルカリ蓄電池用芯材であるアルカリ蓄電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007265960A (ja) * 2006-02-28 2007-10-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ蓄電池

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