JP2004014222A - 冷陰極表示装置および冷陰極表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】封止後の真空度が維持でき、輝度のばらつきを無くし、および全体の輝度を向上させることができる冷陰極表示装置と、その製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】冷陰極電子源から電子を引出すためのゲート電極を支持する、ゲート電極とは別部材の金属製のゲート電極支持部を用意し、当該ゲート電極支持部により、冷陰極電子源とゲート電極との間に所定の空間が形成されているような冷陰極表示装置を構成した。
【選択図】 図1
【解決手段】冷陰極電子源から電子を引出すためのゲート電極を支持する、ゲート電極とは別部材の金属製のゲート電極支持部を用意し、当該ゲート電極支持部により、冷陰極電子源とゲート電極との間に所定の空間が形成されているような冷陰極表示装置を構成した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷陰極表示装置に係る発明であって、特に、金属で別部材からなるゲート電極と当該ゲート電極を支持するゲート電極支持部とを有する冷陰極表示装置、および冷陰極表示装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、フラットパネル型表示装置の研究が活発になる中、平面状に配置された電界放出型冷陰極電子源(コールドカソード)を備える冷陰極表示装置は、高輝度、高コントラスト、高視野角、低消費電力等の効果により次世代表示装置として期待されている。
【0003】
また冷陰極表示装置において、カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube:以下、CNTと称す)を用いたの電子源は、印刷処理によって容易に製造できるため、製造コストが安価な電子源として特に注目されている。
【0004】
そこで、第一の従来技術として、図12に示すCNTカソード電極層を備えた冷陰極表示装置があった。図12は、当該冷陰極表示装置の一部を示す断面図である。図12に示すように、前面ガラス1、背面ガラス2、スペーサガラス3およびチップガラス管4を低融点ガラス7にて接合することにより、外容器が構成されている。
【0005】
また、前面ガラス1には、R(赤)・G(緑)・B(青)の蛍光体5がマトリックス状に形成されており、当該蛍光体5を覆うようにアルミバック膜6が陽極として形成されている。
【0006】
一方、背面ガラス2上には、カソード電極配線層11、ゲート電極配線層12および絶縁性リブ51が形成されており、カソード電極配線層11上にはCNTカソード電極層(冷陰極電子源)13が形成されており、絶縁性リブ51上にはゲート電極52が形成されている。なお、ゲート電極52にはメッシュ状の開口部52dが形成されている。
【0007】
また、カソード電極配線層11およびゲート電極配線層12への各信号は、背面ガラス2に形成されたカソード/ゲート電極用端子8を通り、外部から供給されている。
【0008】
さらに、チップガラス管4を真空排気装置に接続して行う封止工程を施した後、陽極引出し線9を外部へ出た状態とさせる。なお、チップガラス管4には複数個のゲッター10が設置されているので、外容器封止後に内部ガスの吸着が行われ、外容器内部の真空を保つことができる。
【0009】
次に、上記冷陰極表示装置の動作原理について説明する。
【0010】
アルミバック膜6の陽極に高電圧を印加し、ゲート電極52がカソード電極配線層11に対し正の電位となるように適当な電圧を印加し、電界を形成することにより、カソード電極配線層11上に形成されたCNTカソード電極層13の先端から電子が放出される。その後、当該放出された電子はアルミバック膜6の方向に加速されて蛍光体5に衝突し、当該蛍光体5は励起され発光する。
【0011】
上記動作原理を利用し、カソード電極配線層11およびゲート電極配線層12に画像データに付随したパルス信号を伝送することにより、画像表示が可能となる。
【0012】
しかし、第一の従来技術では、絶縁性リブ51の形状を安定にするために、当該リブ51の形成に際し、粒径の大きいフィラー(ガラスなどの充填物)を使用しなければならない。これによって、絶縁性リブ51の膜質は隙間の多い多孔質となり、排気工程の脱ガスが不十分になりやすい。この結果、封止後の外容器の真空度が低下し、CNTカソード電極層13からのエミッション寿命を損なう恐れがあった。
【0013】
そこで、上記問題を解決するために、図13に示す第二の従来技術の冷陰極表示装置があった。図13は、第二の従来技術の冷陰極表示装置の一部を示す断面図である。
【0014】
第二の従来技術では、絶縁性リブ51とゲート電極52の代わりに、CNTカソード電極層13との間に絶縁した空間を設けたゲート電極53が、背面ガラス2に形成されている。
【0015】
上記ゲート電極53は下記の方法によって形成される。
【0016】
図14に示すように、一枚の金属板の一方の面53bにレジストパターン60を形成し、ハーフエッチング処理を施すことにより、CNTカソード電極層13との間の絶縁した空間を形成する。
【0017】
次に図15に示すように、金属板厚Tを残した上記のハーフエッチング処理を施した後、金属板の他方の面53aにレジストパターン60を形成し、エッチング処理を施すことにより、メッシュ状の開口部53dを形成する。
【0018】
上記工程を経ることで、図16、17に示す第二の従来技術のゲート電極53を作成することができる。ここで、図16はゲート電極53の拡大断面図であり、図17は、当該ゲート電極53を他方の面53aの方向から見た平面図である。
【0019】
なお、画像表示の原理は第一の従来技術と同じ原理なので、ここでの説明は省略する。
【0020】
上記第二の従来技術により、絶縁性リブ51を必要としなくなるので、封止後の外容器の真空度が低下し、CNTカソード電極層13からのエミッション寿命を損なうことはなくなった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、第二の従来技術においても以下に示す問題があった。
【0022】
第一に、ゲート電極53における、CNTカソード電極層13との間の絶縁した空間を設けるためのハーフエッチング処理では、エッチング深さのばらつきが製作ロット毎、画素毎に発生しやすいので(100μm厚の金属板に対して、目標値としてT=50μmまでハーフエッチング処理を施そうとした場合、±10〜15μmのばらつきが生じてしまう)、CNTカソード電極層13とゲート電極53との間の電界強度が不均一になり、輝度のばらつきが生じるという問題が発生している。
【0023】
第二に、図15で説明したメッシュ状の開口部53dを形成するためのエッチング処理は、ハーフエッチング処理を施した面からのエッチング処理は困難を要するため、金属板の他方の面53aからの片面エッチング処理となる。したがって、両面からのエッチング処理に比べて片面からのエッチング処理では、メッシュを構成する各穴同士の間隔を狭く形成することができなかった。
【0024】
つまり、図18で示すように、通常エッチング処理では、縦方向の侵食だけでなく横方向の侵食も進行するが、同じ厚さの金属板をエッチングする場合、両面からエッチングした方が片面のみからエッチングするよりも金属板を貫通する速度を速めることができ、横方向の侵食をその分抑えることができる。よって、両面からのエッチングの場合に比べて片面からのみのエッチングの場合は、穴同士のピッチPを狭くできず、目の細かい(微細化した)メッシュ状の開口部53dを形成することができなかった。
【0025】
これに対して、工程を増やせば、メッシュ状の開口部53dを形成するために両面からのエッチング処理も可能となるが、上記に示したように、ハーフエッチング処理の仕上がり誤差(目標値である金属板厚Tに対するばらつき)が非常に大きいため、当該誤差を加味した穴径および穴のピッチの設計が不可欠となり、どうしても、均一な厚さTの金属板を両面からエッチングする場合に比較して、メッシュの形状は粗く形成せざるを得ない。
【0026】
このように、ハーフエッチング処理によりゲート電極53を形成した場合、メッシュ状の開口部53dの微細化ができず、これに対応して電子の透過率が下がり、結果として、輝度が下がるという問題があった。
【0027】
このように第二の従来技術においても、上記第一および第二の問題により、輝度のばらつきが少なく、輝度の高い冷陰極表示装置を製造することができなかった。
【0028】
そこで、この発明は、表示装置内の真空度を損なうことなく、冷陰極電子源とゲート電極との間の距離の不均一により生じる輝度のばらつきが少なく、かつ、高輝度の冷陰極表示装置、および当該冷陰極表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の冷陰極表示装置は、ガラス基板と、前記ガラス基板上に形成され、電子の放出源となる冷陰極電子源と、前記冷陰極電子源との間に電界を形成し、前記冷陰極電子源から電子を引出すためのゲート電極と、前記ゲート電極とは別部材であり、前記ガラス基板上において前記冷陰極電子源を避けて配置され、前記ゲート電極を支持することで前記冷陰極電子源と前記ゲート電極との間に所定の空間を作り出す金属製のゲート電極支持部とを備えている。
【0030】
また、請求項2に記載の冷陰極表示装置では、前記ガラス基板、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極の熱膨張率は、お互いに同等の値を有していてもかまわない。
【0031】
また、請求項3に記載の冷陰極表示装置では、前記ガラス基板は、白板ガラスであり、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極は、426合金または50−50合金であってもかまわない。
【0032】
また、請求項4に記載の冷陰極表示装置では、前記ゲート電極支持部には、第一の穴が形成されており、前記ゲート電極には、第二の穴が形成されており、前記ゲート電極支持部の前記第一の穴と前記ゲート電極の第二の穴とが重なるように前記ゲート電極支持部とゲート電極とを配置し、前記第一および第二の穴に固定材料を充填することにより、前記ガラス基板、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極とが固着されているものであってもかまわない。
【0033】
また、請求項5に記載の冷陰極表示装置では、前記固定材料は低融点ガラスであってもかまわない。
【0034】
また、請求項6に記載の冷陰極表示装置の製造方法では、(a)所定の位置に冷陰極電子源が形成されているガラス基板を用意する工程と、(b)第一のタイバーに挟まれた領域内で所定の配置で配列している複数のゲート電極支持部が第一のブリッジで繋がれ一体的に成形された第一の金属フレーム部品を用意する工程と、(c)第二のタイバーに挟まれた領域内で所定の配置で配列しており、電子通過穴を有する複数のゲート電極が第二のブリッジで繋がれ一体的に成形された第二の金属フレーム部品を用意する工程と、(d)前記冷陰極電子源を避けて前記ゲート電極支持部が配置され、前記冷陰極電子源の直上に前記電子通過穴が配置されるように、前記ガラス基板、前記第一の金属フレーム部品、前記第二の金属フレーム部品の順で重ね合わせる工程とを備えている。
【0035】
また、請求項7に記載の冷陰極表示装置の製造方法では、前記工程(d)は、前記第一の金属フレーム部品と前記第二の金属フレーム部品とを予め仮止めし、その後、当該仮止めされた部品と前記ガラス基板とを重ね合わせる工程であってもかまわない。
【0036】
また、請求項8に記載の冷陰極表示装置の製造方法では、前記工程(b)は、第一の穴を有するゲート電極支持部を備える第一の金属フレーム部品を用意する工程であり、前記工程(c)は、前記工程(d)の際に前記第一の穴の直上に位置する第二の穴をさらに有するゲート電極を備える第二の金属フレーム部品を用意する工程であり、(e)前記工程(d)後に、前記第一の穴および前記第二の穴に固定材料を注入し、前記ガラス基板、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極とを固着させる工程をさらに備えていてもかまわない。
【0037】
また、請求項9に記載の冷陰極表示装置の製造方法では、前記工程(e)は、前記固定材料として低融点ガラスを用いる工程であってもかまわない。
【0038】
また、請求項10に記載の冷陰極表示装置の製造方法では、(f)前記第一の金属フレーム部品と前記第二の金属フレーム部品とを仮止めした後、前記第一のブリッジをレーザにより切断する工程をさらに備えていてもかまわない。
【0039】
また、請求項11に記載の冷陰極表示装置の製造方法では、(g)前記工程(e)の後に、前記第一および第二のブリッジをレーザにより切断する工程をさらに備えていてもかまわない。
【0040】
また、請求項12に記載の冷陰極表示装置の製造方法では、前記工程(b)は、前記第一のタイバーと前記ゲート電極支持部とを繋いでいる前記第一のブリッジに溝を形成する工程を含んでいてもかまわない。
【0041】
また、請求項13に記載の冷陰極表示装置の製造方法では、前記工程(c)は、前記第二のタイバーと前記ゲート電極とを繋いでいる前記第二のブリッジに溝を形成する工程を含んでいてもかまわない。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお、従来技術で記した符号と同一符号のものは、同一または同等の部材を示している。
【0043】
<実施の形態1>
本実施の形態における冷陰極表示装置の一部を示す断面図を図1に示す。図1に示すように、前面ガラス1、背面ガラス(ガラス基板)2、スペーサガラス3およびチップガラス管4を低融点ガラス7にて接合することにより、外容器が構成されている。
【0044】
また、前面ガラス1には、R(赤)・G(緑)・B(青)の蛍光体5がマトリックス状に形成されており、当該蛍光体5を覆うようにアルミバック膜6が陽極として形成されている。
【0045】
一方、背面ガラス2上には、カソード電極配線層11、冷陰極電子源(例えば、CNTカソード電極層等)13、ゲート電極配線層12、ゲート電極支持部14および当該支持部14上に低融点ガラス7によって固定されたゲート電極15が形成されており、カソード電極配線層11およびゲート電極15への各信号は、背面ガラス2に形成されたカソード/ゲート電極用端子8を通り、外部から供給されている。ここで、ゲート電極15にはメッシュ状の開口部(電子通過穴)15dが形成されている。以下、背面ガラス2上に形成された上記各部材の詳細な構成の説明を行う。
【0046】
まず、図2に示されているように背面ガラス2上には、カソード電極配線層11がストライプ状に形成されている。
【0047】
また、カソード電極配線層11上には、印刷法やCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法によって、冷陰極電子源13としてCNTカソード電極層が形成されており(以下、冷陰極電子源をCNTカソード電極層として説明する)、全体としてCNTカソード電極層13はマトリックス状に配置されている。なお、CNTカソード電極層13の膜厚はゲート電極15との接触を避けるために、最大膜厚を制限している。
【0048】
さらに、背面ガラス2上には、カソード電極配線層11を避けて、各(行の)ゲート電極15(図2には図示されていない)に画像データに付随したパルス信号を伝送するためのゲート電極配線層12がそれぞれ形成されている。
【0049】
また、カソード電極配線層11およびゲート電極15に対して外部から前記パルス信号を供給するために、前記カソード電極配線層11およびゲート電極配線層12と電気的に接続するようにカソード/ゲート電極用端子8がそれぞれ形成されている。
【0050】
なお、図2の背面ガラス2の中央部に穿設されている穴は、従来の技術で説明した陽極引出し線9を貫通させるための穴である。
【0051】
ところで、上記で説明した図2の背面ガラス2にゲート電極支持部14とゲート電極15とを固定するに際し、以下の第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150とを用意する。
【0052】
図3は、ゲート電極支持部14を構成する第一の金属フレーム部品140を示す拡大正面図である。
【0053】
図3に描かれているように、第一のタイバー14bに挟まれた領域内にマトリックス状に配置されている各ゲート電極支持部14の中央には、低融点ガラス7を注入するための第一の穴14cが形成されている。また、隣接するゲート電極支持部14同士を繋げるために第一のブリッジ14aが成形され、上記すべての部材は一体化されている。
【0054】
ここで、上記構成の第一の金属フレーム部品140全体としての機械的強度を上げるため、前記第一のタイバーを補強板として機能させるのが望ましい。
【0055】
この第一の補強板14bは、例えば表面積を広く設けることで、その機械的強度を上げることができる。当該面積は広ければ広いほど機械的強度は上がるが、全体の重量および後の工程での取り扱い等を考慮する必要がある。以下、第一のタイバーを第一の補強板として記述を続ける。
【0056】
このとき、それぞれのゲート電極支持部14は、前記図2に描かれた背面ガラス2と第一の金属フレーム部品140とを重ね合わせたときに、背面ガラス2に形成されたCNTカソード電極層13を避け、区画する位置に配置されている。
【0057】
このように、上記ゲート電極支持部14、第一のブリッジ14aおよび第一の補強板14bによって第一の金属フレーム部品140が形成されている。なお、図3に示す構成の第一の金属フレーム部品140は、例えば一枚の金属板を当該パターンにエッチングすることにより作製される。ここで、第一の金属フレーム部品140はその構成上特に微細化を要求されるものでないので、金属板の片面方向からでも、また両面方向からでもエッチング処理が可能である。
【0058】
また、第一の金属フレーム部品140の材料は、背面ガラス2と熱膨張率が同等な材料が好ましく、例えば、背面ガラスが、ソーダガラス板に比べて金属含有量が少なくリーク電流の発生のない白板ガラス(光学ガラス)の場合には、第一の金属フレーム部品140の材料として、426合金や50−50合金等が挙げられる。これは、以下の理由に基づく。
【0059】
第一の金属フレーム部品140と背面ガラス2との熱膨張率が異なると、後の熱処理において、両部材の間でひずみ応力により変形が生じてしまう。その結果CNTカソード電極層13とゲート電極15との間の距離が各電極毎にばらついてしまい、両電極間の電界強度の不均一が発生し、輝度がばらつく。これを防止するためである。
【0060】
ここで、第一の金属フレーム部品140の板厚によって、CNTカソード電極層13とゲート電極15と間の距離が決まってしまい、当該距離に対応して両極間での駆動電圧が決定することから、可能な限り前記両極間の距離は最小にした方が良い。
【0061】
例えば426合金や50−50合金等の金属板であれば通常、最小板厚としては30μmのものが市販されているため、これを用いて第一の金属フレーム部品140を作製することにより、CNTカソード電極層13とゲート電極15と間の距離を30μmとすることができる。
【0062】
これに対して、図4は、ゲート電極15を構成する第二の金属フレーム部品150を示す拡大正面図である。
【0063】
図4に描かれているように、複数のゲート電極15が横方向(前記ゲート電極支持部14が第一のブリッジ14aによって一体に接続されている方向に対して垂直な方向)に配置されており、当該ゲート電極15の一方端同士および他方端同士を第二のタイバー15bによって一体に接続されている。なお、ゲート電極15は、第二のタイバー15bに直接接続されるのではなく、第二のブリッジ15aを介して接続されている。
【0064】
ここで、第一の金属フレーム部品140で説明したように、第二のタイバーを補強板として機能させることにより、各ゲート電極15、第二のブリッジ15aおよび第二のタイバー15bによって一体的に形成された第二の金属フレーム部品150の機械的強度を上げることもできる。以下、第二のタイバー15bを第二の補強板15bとして記述を進める。
【0065】
ここで、第二の金属フレーム部品150の材料は、第一の金属フレーム部品140と同じ金属材料であることが好ましい。これは、上記で説明したように、熱膨張率の差が輝度のばらつきとなって悪影響を及ぼすのを防止するためである。
【0066】
また、各ゲート電極15には、低融点ガラス7を注入するための第二の穴15cと、電子を通過させるためのメッシュ状の開口部15dとがそれぞれ複数形成されている。このときゲート電極15に形成される第二の穴15cは、図2の背面ガラス2、第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150とを重ね合わせたときに、各ゲート電極支持部14に形成されている第一の穴14cの位置と一致する配置で形成されおり、さらにメッシュ状の開口部15dは、CNTカソード電極層13の直上に配置されるように形成されている。
【0067】
なお、第二の金属フレーム部品150は一枚の金属板を図4に示すパターンでエッチング処理を施すことにより成形される。このとき、厚さが均一な金属板なので、容易に両面からのエッチング処理を施すことができ、微細化したメッシュ状の開口部15dを形成することができる。
【0068】
具体的に、第二の従来技術のハーフエッチング方式のゲート電極53を片面からエッチング処理を施したときに比べて、約1/2倍ほどに穴径および穴ピッチを小さく形成することができ、また、第二の従来技術のハーフエッチング方式のゲート電極53を工程を増やして両面からエッチング処理を施したときに比べて、約3/4ほどに穴径および穴ピッチを小さく形成することができる。
【0069】
したがって、当該微細化に対応して電子の透過率を向上させることができ、冷陰極表示装置としての輝度をより明るくすることができる。
【0070】
さて、上記図2の背面ガラス2、第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150を形成した後、図2の背面ガラス2上に第一の金属フレーム部品140を載置し、当該第一の金属フレーム部品140上に第二の金属フレーム部品150を載置する。当該3つの部材が組み合わさった状態を図5に示す。
【0071】
このとき、第一の金属フレーム部品140は、背面ガラス2上のカソード電極配線層11の形成方向と前記ゲート電極支持部14が一体で連なっている方向とが平行となるように載置され、第二の金属フレーム部品150は、ゲート電極支持部14が一体で連なっている方向とゲート電極15とが垂直となるように載置される。
【0072】
以上のように3つの部材を組み合わせることで、上記の設計により、各ゲート電極支持部14はCNTカソード電極層13を避け区画しており、またメッシュ状の開口部15dはCNTカソード電極層13の直上に配置されており、さらにゲート電極15に形成されている第二の穴15cはゲート電極支持部14に形成されている第一の穴14cの直上に配置されている。
【0073】
ここで、各ゲート電極支持部14および各ゲート電極15は、第一および第二のブリッジ14a,15aを介した一体構造(第一の金属フレーム部品140、第二の金属フレーム部品150)であるので、一度の重ね合わせ工程により、すべての各ゲート電極支持部14等を正確に位置合わせすることができる。
【0074】
また、前述の両成形品140,150は、各第一および第二の補強板14b,15bにより成形品全体の機械的強度がかなり強くなっているので、当該重ね合わせ工程時に多少の力が加わっても、当該両成形品140,150は変形することはなく、正確で簡便な作業化を可能にしている。
【0075】
次に、図6で示すように、上記の配置位置で3つの部材を固定するために、低融点ガラス7の注入部分(第一の穴14cおよび第二の穴15cの部分)に開口を持った位置ずれ防止用の押さえ板20を第二の金属フレーム部品20の上に重ね、クリップ21で固定する。ここで、押さえ板20の材料として耐熱性があり、熱ひずみの小さいセラミック材料を使用することが望ましい。
【0076】
押さえ板20およびクリップ21により3つの部材(背面ガラス2、第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150)を定位置で固定した後、前記第一および第二の穴14c,15cに高温で結晶質となる低融点ガラス7を注入し、乾燥、焼成を行うことで、強固に当該3つの部材を同時に固着することができる。
【0077】
ここで、当該固着に結晶性の低融点ガラス7を用いることで、低融点ガラス7は一度結晶化されると熱の影響を受けにくくなるので、後工程の外容器(前面ガラス1、背面ガラス2、スペーサガラス3およびチップガラス管4で構成される)の形成で低融点ガラス7を再び用いるが、当該工程における熱影響を受けなくて済む。
【0078】
なお、上述で記載したように背面ガラス2、第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150の材料として熱膨張率が同程度の材料を用いることにより、前記低融点ガラス7による固着工程の際、熱の影響で前記3つの部材が変形し、CNTカソード電極層13とゲート電極15と間の距離が各々の電極において差が生じてしまうことを防止することができる。
【0079】
上記のように3つの部材を低融点ガラス7で固定した後、第一の金属フレーム部品140の第一のブリッジ14aおよび第二の金属フレーム部品150の第二のブリッジ15aをYAGレーザ等の金属加工用レーザによって切断し、各ゲート電極を分割する。ここで、各ゲート電極同士の電気的な接続を無くすために、すべてのブリッジ14a,15aをYAGレーザ等を用いて切断し、除去する必要がある。
【0080】
なお、同作業により同時に、両成形品140,150から各第一および第二の補強板14b,15bを切除する。ただし、各第一および第二の補強板14b,15bと直接接続されている第一および第二のブリッジ14a,15aに関しては、レーザ切断以外に、ハーフエッチング処理を施した溝25を図7のように第一および第二のブリッジ14a,15a(図7では、14aを図示している)に設けることで、折り曲げによって、一括して第一および第二の補強板14b,15bを除去すこともできる。
【0081】
以上の工程を経て、図8に示すような完全に電気的に独立なゲート電極15を形成することができ、図9のように、導電ペースト30を付けることによって、各ゲート電極配線層12と各ゲート電極15とを電気的に接続させることができる。
【0082】
後は、図9の状態の背面ガラス2、スペーサ3、チップ管4、および蛍光体5等を有する前面ガラス1とを結晶性の低融点ガラス7によって固着し、外容器を形成した後、当該外容器内部を真空引きし、チップ管4を閉塞することで冷陰極型の発光素子を製造することができる。
【0083】
さらに、当該冷陰極型の発光素子をマトリックス状に配列し、電源装置や駆動回路等を設け、カソード電極配線層11およびゲート電極配線層12に画像データに付随したパルス信号を伝送することにより、画像表示可能な大画面平面ディスプレイ装置を提供することができる。
【0084】
このように本発明では、ゲート電極15とこれを支持するゲート電極支持部14とを金属の別部材としたので以下の効果が得られる。
【0085】
まず、第一の従来技術のようにゲート電極を支持するリブが絶縁物でないので、表示装置内の真空度を損なうことない。
【0086】
また、ゲート電極15とゲート電極支持部14とを組み合わせることで冷陰極電子源13とゲート電極15との間に空間を形成しているので、ハーフエッチング処理を要せず、冷陰極電子源13とゲート電極15との間の距離をより均一にすることができ、輝度のばらつきを抑えることができる。
【0087】
さらに、本発明では厚さが均一な金属板の両面からのエッチング処理が可能なので、ゲート電極15のメッシュ状の開口部15dの微細化が可能となり、より高輝度の冷陰極表示装置を提供することができる。
【0088】
<実施の形態2>
実施の形態1では、図2の背面ガラス2、第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150を同時に重ね合わせ、正確な位置合わせも終了した時点で低融点ガラス7にて固着した。
【0089】
それに対して、本実施の形態では、第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150をスポット溶接にて仮止めした後、図2の背面ガラス2に当該スポット溶接された両成形品140,150を搭載し、低融点ガラス7にて固着する。つまり、重ね合わせ工程を2段階で行う。
【0090】
第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150がスポット溶接にて仮止めされている様子を図10に示す。図10に示されているように、スポット溶接によって凸部を有する多数の溶接痕40が発生している。
【0091】
ここで、溶接痕40の凸部が第一の金属フレーム部品140側に形成されると、当該スポット溶接された両成形品140,150と図2の背面ガラスとを重ね合わせ固着する際、各電極間毎に、CNTカソード電極層13とゲート電極15との間の距離に差が生じ、各電極間毎の電界強度が不均一になる恐れがある。したがって、溶接痕40の凸部は第二の金属フレーム部品150側に形成されることが望まれる。
【0092】
このように、前もって第一の金属フレーム部品140と第二の金属フレーム部品150とを固着仮止めさせ、その後、背面ガラス2と固着させることにより、作業の簡便性はより良くなる。つまり、実施の形態1では3つの部材(背面ガラス2、第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150)を同時に位置合わせする必要があるため、背面ガラス2に対する前記両金属フレーム140,150の自由度が4であるが、本実施の形態では工程は一つ増えるが自由度は2減るからである。
【0093】
なお、本実施の形態では、第一の金属フレーム部品140と第二の金属フレーム部品150との仮止め後、図11に示すように各ゲート電極15が分離しないように第二の補強板15bと第二のブリッジ15aだけを残し、YAGレーザ等の金属加工用レーザにて第一の金属フレーム部品140のすべての第一のブリッジ14aを切断しても良い。
【0094】
この後、実施の形態1で説明した配置で、背面ガラス2と仮止めされた両金属フレーム部品140,150とを重ね合わせる。
【0095】
その後は、実施の形態1と同様に、結晶性の低融点ガラス7を定位置へ注入し、乾燥、焼成によって背面ガラス2へ固定した後、第二の補強板15bを折り曲げもしくはレーザ加工機によって切断する。
【0096】
また、あくまでも実施の形態1同様、3つの部材を固着した後に、すべての第一および第二のブリッジ14a,15aを切断しても構わない。
【0097】
これ以降の導電ペーストによる各ゲート電極配線層12と各ゲート電極15との接続等の工程は、実施の形態1と同様なので、説明を省略する。
【0098】
以上に本発明に関する二つの実施の形態を説明したが、ゲート電極15が、ゲート電極15と別部材で金属性のゲート電極支持部14に支持されている構造を採っているなら、これらの実施の形態に限定されるわけではなく、また、冷陰極電子源においても、CNTに限らず他の陰極材料でも適用可能である。
【0099】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の冷陰極表示装置は、ガラス基板と、前記ガラス基板上に形成され、電子の放出源となる冷陰極電子源と、前記冷陰極電子源との間に電界を形成し、前記冷陰極電子源から電子を引出すためのゲート電極と、前記ゲート電極とは別部材であり、前記ガラス基板上において前記冷陰極電子源を避けて配置され、前記ゲート電極を支持することで前記冷陰極電子源と前記ゲート電極との間に所定の空間を作り出す金属製のゲート電極支持部とを備えているので、絶縁体でなく金属のゲート電極支持部が採用されていることにより封止後の冷陰極表示装置の真空度を維持することができる。また、ゲート電極とゲート電極支持部とが別部材で構成されているので、例えばゲート電極に電子通過穴を形成するとき、均一な厚さの金属板を用いての加工となるので、両面からのエッチング処理も可能となり、微細化した電子通過穴を形成することができ、これにより、高輝度の冷陰極表示装置の提供も可能となる。さらに、ゲート電極とゲート電極支持部とが別部材で構成されているので、ハーフエッチング方式のゲート電極で生じていた冷陰極電子源とゲート電極との間の空間の大きさのばらつきを無くすことができ、より均一な輝度の冷陰極表示装置を提供することもできる。
【0100】
本発明の請求項2に記載の冷陰極表示装置では、前記ガラス基板、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極の熱膨張率は、お互いに同等の値を有するので、熱処理を伴う工程において、当該部材間で応力歪みを防止することができ、結果として、冷陰極電子源とゲート電極との間の空間の大きさのばらつきを防止すことができる。
【0101】
本発明の請求項3に記載の冷陰極表示装置では、前記ガラス基板は、白板ガラスであり、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極は、426合金または50−50合金であるので、ソーダガラス板に比べて金属の含有量が少なくリーク電流の発生のない白板ガラスをガラス基板として用いたとき、請求項2に記載の効果を最大限に得ることができる。
【0102】
本発明の請求項4に記載の冷陰極表示装置は、前記ゲート電極支持部には、第一の穴が形成されており、前記ゲート電極には、第二の穴が形成されており、前記ゲート電極支持部の前記第一の穴と前記ゲート電極の第二の穴とが重なるように前記ゲート電極支持部とゲート電極とを配置し、前記第一および第二の穴に固定材料を充填することにより、前記ガラス基板、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極とが固着されているので、ガラス基板、第一の金属フレーム部品および第二の金属フレーム部品の固着を容易に行うことができる。
【0103】
本発明の請求項5に記載の冷陰極表示装置は、前記固定材料は低融点ガラスであるので、製造過程において、熱処理を伴う工程により、固定材料が溶解することはない。
【0104】
本発明の請求項6に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、(a)所定の位置に冷陰極電子源が形成されているガラス基板を用意する工程と、(b)第一のタイバーに挟まれた領域内で、所定の配置で配列している複数のゲート電極支持部が第一のブリッジで繋がれ一体的に成形された第一の金属フレーム部品を用意する工程と、(c)第二のタイバーに挟まれた領域内で、所定の配置で配列しており、電子通過穴を有する複数のゲート電極が第二のブリッジで繋がれ一体的に成形された第二の金属フレーム部品を用意する工程と、(d)前記冷陰極電子源を避けて前記ゲート電極支持部が配置され、前記冷陰極電子源の直上に前記電子通過穴が配置されるように、前記ガラス基板、前記第一の金属フレーム部品、前記第二の金属フレーム部品の順で重ね合わせる工程とを備えているので、各成形品が一体的に成形されていることから、正確で簡便な製造作業により請求項1に記載の冷陰極表示装置を製造することができる。
【0105】
本発明の請求項7に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、前記工程(d)は、前記第一の金属フレーム部品と前記第二の金属フレーム部品とを予め仮止め、その後、当該仮止めされた部品と前記ガラス基板とを重ね合わせる工程であるので、ガラス基板、第一の金属フレーム部品および第二の金属フレーム部品を一度に重ね合わせるよりも、正確な位置合わせが容易に行える。
【0106】
本発明の請求項8に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、前記工程(b)は、第一の穴を有するゲート電極支持部を備える第一の金属フレーム部品を用意する工程であり、前記工程(c)は、前記工程(d)の際に前記第一の穴の直上に位置する第二の穴をさらに有するゲート電極を備える第二の金属フレーム部品を用意する工程であり、(e)前記工程(d)後に、前記第一の穴および前記第二の穴に固定材料を注入し、前記ガラス基板、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極とを固着させる工程をさらに備えているので、ガラス基板、第一の金属フレーム部品および第二の金属フレーム部品の固着を容易に行うことができる。
【0107】
本発明の請求項9に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、前記工程(e)は、前記固定材料として低融点ガラスを用いる工程であるので、工程(e)以降の熱処理を伴う工程により、固定材料が溶解することはない。
【0108】
本発明の請求項10に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、(f)前記第一の金属フレーム部品と前記第二の金属フレーム部品とを仮止めした後、前記第一のブリッジをレーザにより切断する工程をさらに備えているので、ブリッジの切除を容易かつ正確に行うことができる。
【0109】
本発明の請求項11に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、(g)前記工程(e)の後に、前記第一および第二のブリッジをレーザにより切断する工程をさらに備えているので、下段のガラス基板に影響を与えることなく、当該ブリッジの削除を行うことができる。
【0110】
本発明の請求項12に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、前記工程(b)は、前記第一のタイバーと前記ゲート電極支持部とを繋いでいる前記第一のブリッジに溝を形成する工程を含むので、第一の補強板の持つ機械的強度を利用して、手作業でかつ簡単に当該第一の補強板を第一の金属フレーム部品から分離することができる。
【0111】
本発明の請求項13に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、前記工程(c)は、前記第二のタイバーと前記ゲート電極とを繋いでいる前記第二のブリッジに溝を形成する工程を含むので、第二の補強板の持つ機械的強度を利用して、手作業でかつ簡単に当該第二の補強板を第二の金属フレーム部品から分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷陰極表示装置の一部を示した断面図である。
【図2】各配線・端子および冷陰極電子源が形成された背面ガラスを示す図である。
【図3】第一の金属フレーム部品の構成を示す図である。
【図4】第二の金属フレーム部品の構成を示す図である。
【図5】背面ガラス、第一の金属フレーム部品および第二の金属フレーム部品の重ね合わせの状態を示す図である。
【図6】背面ガラス、第一の金属フレーム部品および第二の金属フレーム部品の固着工程の様子を示す図である。
【図7】ハーフエッチング処理によりブリッジに形成された溝の様子を示す図である。
【図8】背面ガラス、第一の金属フレーム部品および第二の金属フレーム部品が固着された様子を示す図である。
【図9】各ゲート電極と各ゲート電極配線層とが導電性ペーストで接続されている様子を示す図である。
【図10】第一の金属フレーム部品と第二の金属フレーム部品とがスポット溶接により固着されている様子を示す図である。
【図11】第一の金属フレーム部品と第二の金属フレーム部品との固着後、不要となった第一のブリッジ14aと第一の補強板14bとが切除された様子を示す図である。
【図12】第一の従来技術の冷陰極表示装置の一部を示した断面図である。
【図13】第二の従来技術の冷陰極表示装置の一部を示した断面図である。
【図14】第二の従来技術のゲート電極形成方法のハーフエッチング処理段階を示す図である。
【図15】第二の従来技術のゲート電極形成方法のメッシュ状の開口部形成段階を示す図である。
【図16】第二の従来技術のゲート電極を示す拡大断面図である。
【図17】第二の従来技術のゲート電極を上面から見た拡大図である。
【図18】等方性エッチング処理の様子を示す図である。
【符号の説明】
2 背面ガラス(ガラス基板)、7 低融点ガラス、11 カソード電極配線層、12 ゲート電極配線層、13 冷陰極電子源(CNTカソード電極層)、14 ゲート電極支持部、15 ゲート電極、14a 第一のブリッジ、15a第二のブリッジ、14b 第一の補強板、15b 第二の補強板、14c 第一の穴、15c 第二の穴、15d メッシュ状の開口部(電子通過穴)、20押さえ板、21 クリップ、25 溝、40 溶接痕、140 第一の金属フレーム部品、150 第二の金属フレーム部品。
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷陰極表示装置に係る発明であって、特に、金属で別部材からなるゲート電極と当該ゲート電極を支持するゲート電極支持部とを有する冷陰極表示装置、および冷陰極表示装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、フラットパネル型表示装置の研究が活発になる中、平面状に配置された電界放出型冷陰極電子源(コールドカソード)を備える冷陰極表示装置は、高輝度、高コントラスト、高視野角、低消費電力等の効果により次世代表示装置として期待されている。
【0003】
また冷陰極表示装置において、カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube:以下、CNTと称す)を用いたの電子源は、印刷処理によって容易に製造できるため、製造コストが安価な電子源として特に注目されている。
【0004】
そこで、第一の従来技術として、図12に示すCNTカソード電極層を備えた冷陰極表示装置があった。図12は、当該冷陰極表示装置の一部を示す断面図である。図12に示すように、前面ガラス1、背面ガラス2、スペーサガラス3およびチップガラス管4を低融点ガラス7にて接合することにより、外容器が構成されている。
【0005】
また、前面ガラス1には、R(赤)・G(緑)・B(青)の蛍光体5がマトリックス状に形成されており、当該蛍光体5を覆うようにアルミバック膜6が陽極として形成されている。
【0006】
一方、背面ガラス2上には、カソード電極配線層11、ゲート電極配線層12および絶縁性リブ51が形成されており、カソード電極配線層11上にはCNTカソード電極層(冷陰極電子源)13が形成されており、絶縁性リブ51上にはゲート電極52が形成されている。なお、ゲート電極52にはメッシュ状の開口部52dが形成されている。
【0007】
また、カソード電極配線層11およびゲート電極配線層12への各信号は、背面ガラス2に形成されたカソード/ゲート電極用端子8を通り、外部から供給されている。
【0008】
さらに、チップガラス管4を真空排気装置に接続して行う封止工程を施した後、陽極引出し線9を外部へ出た状態とさせる。なお、チップガラス管4には複数個のゲッター10が設置されているので、外容器封止後に内部ガスの吸着が行われ、外容器内部の真空を保つことができる。
【0009】
次に、上記冷陰極表示装置の動作原理について説明する。
【0010】
アルミバック膜6の陽極に高電圧を印加し、ゲート電極52がカソード電極配線層11に対し正の電位となるように適当な電圧を印加し、電界を形成することにより、カソード電極配線層11上に形成されたCNTカソード電極層13の先端から電子が放出される。その後、当該放出された電子はアルミバック膜6の方向に加速されて蛍光体5に衝突し、当該蛍光体5は励起され発光する。
【0011】
上記動作原理を利用し、カソード電極配線層11およびゲート電極配線層12に画像データに付随したパルス信号を伝送することにより、画像表示が可能となる。
【0012】
しかし、第一の従来技術では、絶縁性リブ51の形状を安定にするために、当該リブ51の形成に際し、粒径の大きいフィラー(ガラスなどの充填物)を使用しなければならない。これによって、絶縁性リブ51の膜質は隙間の多い多孔質となり、排気工程の脱ガスが不十分になりやすい。この結果、封止後の外容器の真空度が低下し、CNTカソード電極層13からのエミッション寿命を損なう恐れがあった。
【0013】
そこで、上記問題を解決するために、図13に示す第二の従来技術の冷陰極表示装置があった。図13は、第二の従来技術の冷陰極表示装置の一部を示す断面図である。
【0014】
第二の従来技術では、絶縁性リブ51とゲート電極52の代わりに、CNTカソード電極層13との間に絶縁した空間を設けたゲート電極53が、背面ガラス2に形成されている。
【0015】
上記ゲート電極53は下記の方法によって形成される。
【0016】
図14に示すように、一枚の金属板の一方の面53bにレジストパターン60を形成し、ハーフエッチング処理を施すことにより、CNTカソード電極層13との間の絶縁した空間を形成する。
【0017】
次に図15に示すように、金属板厚Tを残した上記のハーフエッチング処理を施した後、金属板の他方の面53aにレジストパターン60を形成し、エッチング処理を施すことにより、メッシュ状の開口部53dを形成する。
【0018】
上記工程を経ることで、図16、17に示す第二の従来技術のゲート電極53を作成することができる。ここで、図16はゲート電極53の拡大断面図であり、図17は、当該ゲート電極53を他方の面53aの方向から見た平面図である。
【0019】
なお、画像表示の原理は第一の従来技術と同じ原理なので、ここでの説明は省略する。
【0020】
上記第二の従来技術により、絶縁性リブ51を必要としなくなるので、封止後の外容器の真空度が低下し、CNTカソード電極層13からのエミッション寿命を損なうことはなくなった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、第二の従来技術においても以下に示す問題があった。
【0022】
第一に、ゲート電極53における、CNTカソード電極層13との間の絶縁した空間を設けるためのハーフエッチング処理では、エッチング深さのばらつきが製作ロット毎、画素毎に発生しやすいので(100μm厚の金属板に対して、目標値としてT=50μmまでハーフエッチング処理を施そうとした場合、±10〜15μmのばらつきが生じてしまう)、CNTカソード電極層13とゲート電極53との間の電界強度が不均一になり、輝度のばらつきが生じるという問題が発生している。
【0023】
第二に、図15で説明したメッシュ状の開口部53dを形成するためのエッチング処理は、ハーフエッチング処理を施した面からのエッチング処理は困難を要するため、金属板の他方の面53aからの片面エッチング処理となる。したがって、両面からのエッチング処理に比べて片面からのエッチング処理では、メッシュを構成する各穴同士の間隔を狭く形成することができなかった。
【0024】
つまり、図18で示すように、通常エッチング処理では、縦方向の侵食だけでなく横方向の侵食も進行するが、同じ厚さの金属板をエッチングする場合、両面からエッチングした方が片面のみからエッチングするよりも金属板を貫通する速度を速めることができ、横方向の侵食をその分抑えることができる。よって、両面からのエッチングの場合に比べて片面からのみのエッチングの場合は、穴同士のピッチPを狭くできず、目の細かい(微細化した)メッシュ状の開口部53dを形成することができなかった。
【0025】
これに対して、工程を増やせば、メッシュ状の開口部53dを形成するために両面からのエッチング処理も可能となるが、上記に示したように、ハーフエッチング処理の仕上がり誤差(目標値である金属板厚Tに対するばらつき)が非常に大きいため、当該誤差を加味した穴径および穴のピッチの設計が不可欠となり、どうしても、均一な厚さTの金属板を両面からエッチングする場合に比較して、メッシュの形状は粗く形成せざるを得ない。
【0026】
このように、ハーフエッチング処理によりゲート電極53を形成した場合、メッシュ状の開口部53dの微細化ができず、これに対応して電子の透過率が下がり、結果として、輝度が下がるという問題があった。
【0027】
このように第二の従来技術においても、上記第一および第二の問題により、輝度のばらつきが少なく、輝度の高い冷陰極表示装置を製造することができなかった。
【0028】
そこで、この発明は、表示装置内の真空度を損なうことなく、冷陰極電子源とゲート電極との間の距離の不均一により生じる輝度のばらつきが少なく、かつ、高輝度の冷陰極表示装置、および当該冷陰極表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の冷陰極表示装置は、ガラス基板と、前記ガラス基板上に形成され、電子の放出源となる冷陰極電子源と、前記冷陰極電子源との間に電界を形成し、前記冷陰極電子源から電子を引出すためのゲート電極と、前記ゲート電極とは別部材であり、前記ガラス基板上において前記冷陰極電子源を避けて配置され、前記ゲート電極を支持することで前記冷陰極電子源と前記ゲート電極との間に所定の空間を作り出す金属製のゲート電極支持部とを備えている。
【0030】
また、請求項2に記載の冷陰極表示装置では、前記ガラス基板、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極の熱膨張率は、お互いに同等の値を有していてもかまわない。
【0031】
また、請求項3に記載の冷陰極表示装置では、前記ガラス基板は、白板ガラスであり、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極は、426合金または50−50合金であってもかまわない。
【0032】
また、請求項4に記載の冷陰極表示装置では、前記ゲート電極支持部には、第一の穴が形成されており、前記ゲート電極には、第二の穴が形成されており、前記ゲート電極支持部の前記第一の穴と前記ゲート電極の第二の穴とが重なるように前記ゲート電極支持部とゲート電極とを配置し、前記第一および第二の穴に固定材料を充填することにより、前記ガラス基板、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極とが固着されているものであってもかまわない。
【0033】
また、請求項5に記載の冷陰極表示装置では、前記固定材料は低融点ガラスであってもかまわない。
【0034】
また、請求項6に記載の冷陰極表示装置の製造方法では、(a)所定の位置に冷陰極電子源が形成されているガラス基板を用意する工程と、(b)第一のタイバーに挟まれた領域内で所定の配置で配列している複数のゲート電極支持部が第一のブリッジで繋がれ一体的に成形された第一の金属フレーム部品を用意する工程と、(c)第二のタイバーに挟まれた領域内で所定の配置で配列しており、電子通過穴を有する複数のゲート電極が第二のブリッジで繋がれ一体的に成形された第二の金属フレーム部品を用意する工程と、(d)前記冷陰極電子源を避けて前記ゲート電極支持部が配置され、前記冷陰極電子源の直上に前記電子通過穴が配置されるように、前記ガラス基板、前記第一の金属フレーム部品、前記第二の金属フレーム部品の順で重ね合わせる工程とを備えている。
【0035】
また、請求項7に記載の冷陰極表示装置の製造方法では、前記工程(d)は、前記第一の金属フレーム部品と前記第二の金属フレーム部品とを予め仮止めし、その後、当該仮止めされた部品と前記ガラス基板とを重ね合わせる工程であってもかまわない。
【0036】
また、請求項8に記載の冷陰極表示装置の製造方法では、前記工程(b)は、第一の穴を有するゲート電極支持部を備える第一の金属フレーム部品を用意する工程であり、前記工程(c)は、前記工程(d)の際に前記第一の穴の直上に位置する第二の穴をさらに有するゲート電極を備える第二の金属フレーム部品を用意する工程であり、(e)前記工程(d)後に、前記第一の穴および前記第二の穴に固定材料を注入し、前記ガラス基板、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極とを固着させる工程をさらに備えていてもかまわない。
【0037】
また、請求項9に記載の冷陰極表示装置の製造方法では、前記工程(e)は、前記固定材料として低融点ガラスを用いる工程であってもかまわない。
【0038】
また、請求項10に記載の冷陰極表示装置の製造方法では、(f)前記第一の金属フレーム部品と前記第二の金属フレーム部品とを仮止めした後、前記第一のブリッジをレーザにより切断する工程をさらに備えていてもかまわない。
【0039】
また、請求項11に記載の冷陰極表示装置の製造方法では、(g)前記工程(e)の後に、前記第一および第二のブリッジをレーザにより切断する工程をさらに備えていてもかまわない。
【0040】
また、請求項12に記載の冷陰極表示装置の製造方法では、前記工程(b)は、前記第一のタイバーと前記ゲート電極支持部とを繋いでいる前記第一のブリッジに溝を形成する工程を含んでいてもかまわない。
【0041】
また、請求項13に記載の冷陰極表示装置の製造方法では、前記工程(c)は、前記第二のタイバーと前記ゲート電極とを繋いでいる前記第二のブリッジに溝を形成する工程を含んでいてもかまわない。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。なお、従来技術で記した符号と同一符号のものは、同一または同等の部材を示している。
【0043】
<実施の形態1>
本実施の形態における冷陰極表示装置の一部を示す断面図を図1に示す。図1に示すように、前面ガラス1、背面ガラス(ガラス基板)2、スペーサガラス3およびチップガラス管4を低融点ガラス7にて接合することにより、外容器が構成されている。
【0044】
また、前面ガラス1には、R(赤)・G(緑)・B(青)の蛍光体5がマトリックス状に形成されており、当該蛍光体5を覆うようにアルミバック膜6が陽極として形成されている。
【0045】
一方、背面ガラス2上には、カソード電極配線層11、冷陰極電子源(例えば、CNTカソード電極層等)13、ゲート電極配線層12、ゲート電極支持部14および当該支持部14上に低融点ガラス7によって固定されたゲート電極15が形成されており、カソード電極配線層11およびゲート電極15への各信号は、背面ガラス2に形成されたカソード/ゲート電極用端子8を通り、外部から供給されている。ここで、ゲート電極15にはメッシュ状の開口部(電子通過穴)15dが形成されている。以下、背面ガラス2上に形成された上記各部材の詳細な構成の説明を行う。
【0046】
まず、図2に示されているように背面ガラス2上には、カソード電極配線層11がストライプ状に形成されている。
【0047】
また、カソード電極配線層11上には、印刷法やCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)法によって、冷陰極電子源13としてCNTカソード電極層が形成されており(以下、冷陰極電子源をCNTカソード電極層として説明する)、全体としてCNTカソード電極層13はマトリックス状に配置されている。なお、CNTカソード電極層13の膜厚はゲート電極15との接触を避けるために、最大膜厚を制限している。
【0048】
さらに、背面ガラス2上には、カソード電極配線層11を避けて、各(行の)ゲート電極15(図2には図示されていない)に画像データに付随したパルス信号を伝送するためのゲート電極配線層12がそれぞれ形成されている。
【0049】
また、カソード電極配線層11およびゲート電極15に対して外部から前記パルス信号を供給するために、前記カソード電極配線層11およびゲート電極配線層12と電気的に接続するようにカソード/ゲート電極用端子8がそれぞれ形成されている。
【0050】
なお、図2の背面ガラス2の中央部に穿設されている穴は、従来の技術で説明した陽極引出し線9を貫通させるための穴である。
【0051】
ところで、上記で説明した図2の背面ガラス2にゲート電極支持部14とゲート電極15とを固定するに際し、以下の第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150とを用意する。
【0052】
図3は、ゲート電極支持部14を構成する第一の金属フレーム部品140を示す拡大正面図である。
【0053】
図3に描かれているように、第一のタイバー14bに挟まれた領域内にマトリックス状に配置されている各ゲート電極支持部14の中央には、低融点ガラス7を注入するための第一の穴14cが形成されている。また、隣接するゲート電極支持部14同士を繋げるために第一のブリッジ14aが成形され、上記すべての部材は一体化されている。
【0054】
ここで、上記構成の第一の金属フレーム部品140全体としての機械的強度を上げるため、前記第一のタイバーを補強板として機能させるのが望ましい。
【0055】
この第一の補強板14bは、例えば表面積を広く設けることで、その機械的強度を上げることができる。当該面積は広ければ広いほど機械的強度は上がるが、全体の重量および後の工程での取り扱い等を考慮する必要がある。以下、第一のタイバーを第一の補強板として記述を続ける。
【0056】
このとき、それぞれのゲート電極支持部14は、前記図2に描かれた背面ガラス2と第一の金属フレーム部品140とを重ね合わせたときに、背面ガラス2に形成されたCNTカソード電極層13を避け、区画する位置に配置されている。
【0057】
このように、上記ゲート電極支持部14、第一のブリッジ14aおよび第一の補強板14bによって第一の金属フレーム部品140が形成されている。なお、図3に示す構成の第一の金属フレーム部品140は、例えば一枚の金属板を当該パターンにエッチングすることにより作製される。ここで、第一の金属フレーム部品140はその構成上特に微細化を要求されるものでないので、金属板の片面方向からでも、また両面方向からでもエッチング処理が可能である。
【0058】
また、第一の金属フレーム部品140の材料は、背面ガラス2と熱膨張率が同等な材料が好ましく、例えば、背面ガラスが、ソーダガラス板に比べて金属含有量が少なくリーク電流の発生のない白板ガラス(光学ガラス)の場合には、第一の金属フレーム部品140の材料として、426合金や50−50合金等が挙げられる。これは、以下の理由に基づく。
【0059】
第一の金属フレーム部品140と背面ガラス2との熱膨張率が異なると、後の熱処理において、両部材の間でひずみ応力により変形が生じてしまう。その結果CNTカソード電極層13とゲート電極15との間の距離が各電極毎にばらついてしまい、両電極間の電界強度の不均一が発生し、輝度がばらつく。これを防止するためである。
【0060】
ここで、第一の金属フレーム部品140の板厚によって、CNTカソード電極層13とゲート電極15と間の距離が決まってしまい、当該距離に対応して両極間での駆動電圧が決定することから、可能な限り前記両極間の距離は最小にした方が良い。
【0061】
例えば426合金や50−50合金等の金属板であれば通常、最小板厚としては30μmのものが市販されているため、これを用いて第一の金属フレーム部品140を作製することにより、CNTカソード電極層13とゲート電極15と間の距離を30μmとすることができる。
【0062】
これに対して、図4は、ゲート電極15を構成する第二の金属フレーム部品150を示す拡大正面図である。
【0063】
図4に描かれているように、複数のゲート電極15が横方向(前記ゲート電極支持部14が第一のブリッジ14aによって一体に接続されている方向に対して垂直な方向)に配置されており、当該ゲート電極15の一方端同士および他方端同士を第二のタイバー15bによって一体に接続されている。なお、ゲート電極15は、第二のタイバー15bに直接接続されるのではなく、第二のブリッジ15aを介して接続されている。
【0064】
ここで、第一の金属フレーム部品140で説明したように、第二のタイバーを補強板として機能させることにより、各ゲート電極15、第二のブリッジ15aおよび第二のタイバー15bによって一体的に形成された第二の金属フレーム部品150の機械的強度を上げることもできる。以下、第二のタイバー15bを第二の補強板15bとして記述を進める。
【0065】
ここで、第二の金属フレーム部品150の材料は、第一の金属フレーム部品140と同じ金属材料であることが好ましい。これは、上記で説明したように、熱膨張率の差が輝度のばらつきとなって悪影響を及ぼすのを防止するためである。
【0066】
また、各ゲート電極15には、低融点ガラス7を注入するための第二の穴15cと、電子を通過させるためのメッシュ状の開口部15dとがそれぞれ複数形成されている。このときゲート電極15に形成される第二の穴15cは、図2の背面ガラス2、第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150とを重ね合わせたときに、各ゲート電極支持部14に形成されている第一の穴14cの位置と一致する配置で形成されおり、さらにメッシュ状の開口部15dは、CNTカソード電極層13の直上に配置されるように形成されている。
【0067】
なお、第二の金属フレーム部品150は一枚の金属板を図4に示すパターンでエッチング処理を施すことにより成形される。このとき、厚さが均一な金属板なので、容易に両面からのエッチング処理を施すことができ、微細化したメッシュ状の開口部15dを形成することができる。
【0068】
具体的に、第二の従来技術のハーフエッチング方式のゲート電極53を片面からエッチング処理を施したときに比べて、約1/2倍ほどに穴径および穴ピッチを小さく形成することができ、また、第二の従来技術のハーフエッチング方式のゲート電極53を工程を増やして両面からエッチング処理を施したときに比べて、約3/4ほどに穴径および穴ピッチを小さく形成することができる。
【0069】
したがって、当該微細化に対応して電子の透過率を向上させることができ、冷陰極表示装置としての輝度をより明るくすることができる。
【0070】
さて、上記図2の背面ガラス2、第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150を形成した後、図2の背面ガラス2上に第一の金属フレーム部品140を載置し、当該第一の金属フレーム部品140上に第二の金属フレーム部品150を載置する。当該3つの部材が組み合わさった状態を図5に示す。
【0071】
このとき、第一の金属フレーム部品140は、背面ガラス2上のカソード電極配線層11の形成方向と前記ゲート電極支持部14が一体で連なっている方向とが平行となるように載置され、第二の金属フレーム部品150は、ゲート電極支持部14が一体で連なっている方向とゲート電極15とが垂直となるように載置される。
【0072】
以上のように3つの部材を組み合わせることで、上記の設計により、各ゲート電極支持部14はCNTカソード電極層13を避け区画しており、またメッシュ状の開口部15dはCNTカソード電極層13の直上に配置されており、さらにゲート電極15に形成されている第二の穴15cはゲート電極支持部14に形成されている第一の穴14cの直上に配置されている。
【0073】
ここで、各ゲート電極支持部14および各ゲート電極15は、第一および第二のブリッジ14a,15aを介した一体構造(第一の金属フレーム部品140、第二の金属フレーム部品150)であるので、一度の重ね合わせ工程により、すべての各ゲート電極支持部14等を正確に位置合わせすることができる。
【0074】
また、前述の両成形品140,150は、各第一および第二の補強板14b,15bにより成形品全体の機械的強度がかなり強くなっているので、当該重ね合わせ工程時に多少の力が加わっても、当該両成形品140,150は変形することはなく、正確で簡便な作業化を可能にしている。
【0075】
次に、図6で示すように、上記の配置位置で3つの部材を固定するために、低融点ガラス7の注入部分(第一の穴14cおよび第二の穴15cの部分)に開口を持った位置ずれ防止用の押さえ板20を第二の金属フレーム部品20の上に重ね、クリップ21で固定する。ここで、押さえ板20の材料として耐熱性があり、熱ひずみの小さいセラミック材料を使用することが望ましい。
【0076】
押さえ板20およびクリップ21により3つの部材(背面ガラス2、第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150)を定位置で固定した後、前記第一および第二の穴14c,15cに高温で結晶質となる低融点ガラス7を注入し、乾燥、焼成を行うことで、強固に当該3つの部材を同時に固着することができる。
【0077】
ここで、当該固着に結晶性の低融点ガラス7を用いることで、低融点ガラス7は一度結晶化されると熱の影響を受けにくくなるので、後工程の外容器(前面ガラス1、背面ガラス2、スペーサガラス3およびチップガラス管4で構成される)の形成で低融点ガラス7を再び用いるが、当該工程における熱影響を受けなくて済む。
【0078】
なお、上述で記載したように背面ガラス2、第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150の材料として熱膨張率が同程度の材料を用いることにより、前記低融点ガラス7による固着工程の際、熱の影響で前記3つの部材が変形し、CNTカソード電極層13とゲート電極15と間の距離が各々の電極において差が生じてしまうことを防止することができる。
【0079】
上記のように3つの部材を低融点ガラス7で固定した後、第一の金属フレーム部品140の第一のブリッジ14aおよび第二の金属フレーム部品150の第二のブリッジ15aをYAGレーザ等の金属加工用レーザによって切断し、各ゲート電極を分割する。ここで、各ゲート電極同士の電気的な接続を無くすために、すべてのブリッジ14a,15aをYAGレーザ等を用いて切断し、除去する必要がある。
【0080】
なお、同作業により同時に、両成形品140,150から各第一および第二の補強板14b,15bを切除する。ただし、各第一および第二の補強板14b,15bと直接接続されている第一および第二のブリッジ14a,15aに関しては、レーザ切断以外に、ハーフエッチング処理を施した溝25を図7のように第一および第二のブリッジ14a,15a(図7では、14aを図示している)に設けることで、折り曲げによって、一括して第一および第二の補強板14b,15bを除去すこともできる。
【0081】
以上の工程を経て、図8に示すような完全に電気的に独立なゲート電極15を形成することができ、図9のように、導電ペースト30を付けることによって、各ゲート電極配線層12と各ゲート電極15とを電気的に接続させることができる。
【0082】
後は、図9の状態の背面ガラス2、スペーサ3、チップ管4、および蛍光体5等を有する前面ガラス1とを結晶性の低融点ガラス7によって固着し、外容器を形成した後、当該外容器内部を真空引きし、チップ管4を閉塞することで冷陰極型の発光素子を製造することができる。
【0083】
さらに、当該冷陰極型の発光素子をマトリックス状に配列し、電源装置や駆動回路等を設け、カソード電極配線層11およびゲート電極配線層12に画像データに付随したパルス信号を伝送することにより、画像表示可能な大画面平面ディスプレイ装置を提供することができる。
【0084】
このように本発明では、ゲート電極15とこれを支持するゲート電極支持部14とを金属の別部材としたので以下の効果が得られる。
【0085】
まず、第一の従来技術のようにゲート電極を支持するリブが絶縁物でないので、表示装置内の真空度を損なうことない。
【0086】
また、ゲート電極15とゲート電極支持部14とを組み合わせることで冷陰極電子源13とゲート電極15との間に空間を形成しているので、ハーフエッチング処理を要せず、冷陰極電子源13とゲート電極15との間の距離をより均一にすることができ、輝度のばらつきを抑えることができる。
【0087】
さらに、本発明では厚さが均一な金属板の両面からのエッチング処理が可能なので、ゲート電極15のメッシュ状の開口部15dの微細化が可能となり、より高輝度の冷陰極表示装置を提供することができる。
【0088】
<実施の形態2>
実施の形態1では、図2の背面ガラス2、第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150を同時に重ね合わせ、正確な位置合わせも終了した時点で低融点ガラス7にて固着した。
【0089】
それに対して、本実施の形態では、第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150をスポット溶接にて仮止めした後、図2の背面ガラス2に当該スポット溶接された両成形品140,150を搭載し、低融点ガラス7にて固着する。つまり、重ね合わせ工程を2段階で行う。
【0090】
第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150がスポット溶接にて仮止めされている様子を図10に示す。図10に示されているように、スポット溶接によって凸部を有する多数の溶接痕40が発生している。
【0091】
ここで、溶接痕40の凸部が第一の金属フレーム部品140側に形成されると、当該スポット溶接された両成形品140,150と図2の背面ガラスとを重ね合わせ固着する際、各電極間毎に、CNTカソード電極層13とゲート電極15との間の距離に差が生じ、各電極間毎の電界強度が不均一になる恐れがある。したがって、溶接痕40の凸部は第二の金属フレーム部品150側に形成されることが望まれる。
【0092】
このように、前もって第一の金属フレーム部品140と第二の金属フレーム部品150とを固着仮止めさせ、その後、背面ガラス2と固着させることにより、作業の簡便性はより良くなる。つまり、実施の形態1では3つの部材(背面ガラス2、第一の金属フレーム部品140および第二の金属フレーム部品150)を同時に位置合わせする必要があるため、背面ガラス2に対する前記両金属フレーム140,150の自由度が4であるが、本実施の形態では工程は一つ増えるが自由度は2減るからである。
【0093】
なお、本実施の形態では、第一の金属フレーム部品140と第二の金属フレーム部品150との仮止め後、図11に示すように各ゲート電極15が分離しないように第二の補強板15bと第二のブリッジ15aだけを残し、YAGレーザ等の金属加工用レーザにて第一の金属フレーム部品140のすべての第一のブリッジ14aを切断しても良い。
【0094】
この後、実施の形態1で説明した配置で、背面ガラス2と仮止めされた両金属フレーム部品140,150とを重ね合わせる。
【0095】
その後は、実施の形態1と同様に、結晶性の低融点ガラス7を定位置へ注入し、乾燥、焼成によって背面ガラス2へ固定した後、第二の補強板15bを折り曲げもしくはレーザ加工機によって切断する。
【0096】
また、あくまでも実施の形態1同様、3つの部材を固着した後に、すべての第一および第二のブリッジ14a,15aを切断しても構わない。
【0097】
これ以降の導電ペーストによる各ゲート電極配線層12と各ゲート電極15との接続等の工程は、実施の形態1と同様なので、説明を省略する。
【0098】
以上に本発明に関する二つの実施の形態を説明したが、ゲート電極15が、ゲート電極15と別部材で金属性のゲート電極支持部14に支持されている構造を採っているなら、これらの実施の形態に限定されるわけではなく、また、冷陰極電子源においても、CNTに限らず他の陰極材料でも適用可能である。
【0099】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の冷陰極表示装置は、ガラス基板と、前記ガラス基板上に形成され、電子の放出源となる冷陰極電子源と、前記冷陰極電子源との間に電界を形成し、前記冷陰極電子源から電子を引出すためのゲート電極と、前記ゲート電極とは別部材であり、前記ガラス基板上において前記冷陰極電子源を避けて配置され、前記ゲート電極を支持することで前記冷陰極電子源と前記ゲート電極との間に所定の空間を作り出す金属製のゲート電極支持部とを備えているので、絶縁体でなく金属のゲート電極支持部が採用されていることにより封止後の冷陰極表示装置の真空度を維持することができる。また、ゲート電極とゲート電極支持部とが別部材で構成されているので、例えばゲート電極に電子通過穴を形成するとき、均一な厚さの金属板を用いての加工となるので、両面からのエッチング処理も可能となり、微細化した電子通過穴を形成することができ、これにより、高輝度の冷陰極表示装置の提供も可能となる。さらに、ゲート電極とゲート電極支持部とが別部材で構成されているので、ハーフエッチング方式のゲート電極で生じていた冷陰極電子源とゲート電極との間の空間の大きさのばらつきを無くすことができ、より均一な輝度の冷陰極表示装置を提供することもできる。
【0100】
本発明の請求項2に記載の冷陰極表示装置では、前記ガラス基板、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極の熱膨張率は、お互いに同等の値を有するので、熱処理を伴う工程において、当該部材間で応力歪みを防止することができ、結果として、冷陰極電子源とゲート電極との間の空間の大きさのばらつきを防止すことができる。
【0101】
本発明の請求項3に記載の冷陰極表示装置では、前記ガラス基板は、白板ガラスであり、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極は、426合金または50−50合金であるので、ソーダガラス板に比べて金属の含有量が少なくリーク電流の発生のない白板ガラスをガラス基板として用いたとき、請求項2に記載の効果を最大限に得ることができる。
【0102】
本発明の請求項4に記載の冷陰極表示装置は、前記ゲート電極支持部には、第一の穴が形成されており、前記ゲート電極には、第二の穴が形成されており、前記ゲート電極支持部の前記第一の穴と前記ゲート電極の第二の穴とが重なるように前記ゲート電極支持部とゲート電極とを配置し、前記第一および第二の穴に固定材料を充填することにより、前記ガラス基板、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極とが固着されているので、ガラス基板、第一の金属フレーム部品および第二の金属フレーム部品の固着を容易に行うことができる。
【0103】
本発明の請求項5に記載の冷陰極表示装置は、前記固定材料は低融点ガラスであるので、製造過程において、熱処理を伴う工程により、固定材料が溶解することはない。
【0104】
本発明の請求項6に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、(a)所定の位置に冷陰極電子源が形成されているガラス基板を用意する工程と、(b)第一のタイバーに挟まれた領域内で、所定の配置で配列している複数のゲート電極支持部が第一のブリッジで繋がれ一体的に成形された第一の金属フレーム部品を用意する工程と、(c)第二のタイバーに挟まれた領域内で、所定の配置で配列しており、電子通過穴を有する複数のゲート電極が第二のブリッジで繋がれ一体的に成形された第二の金属フレーム部品を用意する工程と、(d)前記冷陰極電子源を避けて前記ゲート電極支持部が配置され、前記冷陰極電子源の直上に前記電子通過穴が配置されるように、前記ガラス基板、前記第一の金属フレーム部品、前記第二の金属フレーム部品の順で重ね合わせる工程とを備えているので、各成形品が一体的に成形されていることから、正確で簡便な製造作業により請求項1に記載の冷陰極表示装置を製造することができる。
【0105】
本発明の請求項7に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、前記工程(d)は、前記第一の金属フレーム部品と前記第二の金属フレーム部品とを予め仮止め、その後、当該仮止めされた部品と前記ガラス基板とを重ね合わせる工程であるので、ガラス基板、第一の金属フレーム部品および第二の金属フレーム部品を一度に重ね合わせるよりも、正確な位置合わせが容易に行える。
【0106】
本発明の請求項8に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、前記工程(b)は、第一の穴を有するゲート電極支持部を備える第一の金属フレーム部品を用意する工程であり、前記工程(c)は、前記工程(d)の際に前記第一の穴の直上に位置する第二の穴をさらに有するゲート電極を備える第二の金属フレーム部品を用意する工程であり、(e)前記工程(d)後に、前記第一の穴および前記第二の穴に固定材料を注入し、前記ガラス基板、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極とを固着させる工程をさらに備えているので、ガラス基板、第一の金属フレーム部品および第二の金属フレーム部品の固着を容易に行うことができる。
【0107】
本発明の請求項9に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、前記工程(e)は、前記固定材料として低融点ガラスを用いる工程であるので、工程(e)以降の熱処理を伴う工程により、固定材料が溶解することはない。
【0108】
本発明の請求項10に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、(f)前記第一の金属フレーム部品と前記第二の金属フレーム部品とを仮止めした後、前記第一のブリッジをレーザにより切断する工程をさらに備えているので、ブリッジの切除を容易かつ正確に行うことができる。
【0109】
本発明の請求項11に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、(g)前記工程(e)の後に、前記第一および第二のブリッジをレーザにより切断する工程をさらに備えているので、下段のガラス基板に影響を与えることなく、当該ブリッジの削除を行うことができる。
【0110】
本発明の請求項12に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、前記工程(b)は、前記第一のタイバーと前記ゲート電極支持部とを繋いでいる前記第一のブリッジに溝を形成する工程を含むので、第一の補強板の持つ機械的強度を利用して、手作業でかつ簡単に当該第一の補強板を第一の金属フレーム部品から分離することができる。
【0111】
本発明の請求項13に記載の冷陰極表示装置の製造方法は、前記工程(c)は、前記第二のタイバーと前記ゲート電極とを繋いでいる前記第二のブリッジに溝を形成する工程を含むので、第二の補強板の持つ機械的強度を利用して、手作業でかつ簡単に当該第二の補強板を第二の金属フレーム部品から分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷陰極表示装置の一部を示した断面図である。
【図2】各配線・端子および冷陰極電子源が形成された背面ガラスを示す図である。
【図3】第一の金属フレーム部品の構成を示す図である。
【図4】第二の金属フレーム部品の構成を示す図である。
【図5】背面ガラス、第一の金属フレーム部品および第二の金属フレーム部品の重ね合わせの状態を示す図である。
【図6】背面ガラス、第一の金属フレーム部品および第二の金属フレーム部品の固着工程の様子を示す図である。
【図7】ハーフエッチング処理によりブリッジに形成された溝の様子を示す図である。
【図8】背面ガラス、第一の金属フレーム部品および第二の金属フレーム部品が固着された様子を示す図である。
【図9】各ゲート電極と各ゲート電極配線層とが導電性ペーストで接続されている様子を示す図である。
【図10】第一の金属フレーム部品と第二の金属フレーム部品とがスポット溶接により固着されている様子を示す図である。
【図11】第一の金属フレーム部品と第二の金属フレーム部品との固着後、不要となった第一のブリッジ14aと第一の補強板14bとが切除された様子を示す図である。
【図12】第一の従来技術の冷陰極表示装置の一部を示した断面図である。
【図13】第二の従来技術の冷陰極表示装置の一部を示した断面図である。
【図14】第二の従来技術のゲート電極形成方法のハーフエッチング処理段階を示す図である。
【図15】第二の従来技術のゲート電極形成方法のメッシュ状の開口部形成段階を示す図である。
【図16】第二の従来技術のゲート電極を示す拡大断面図である。
【図17】第二の従来技術のゲート電極を上面から見た拡大図である。
【図18】等方性エッチング処理の様子を示す図である。
【符号の説明】
2 背面ガラス(ガラス基板)、7 低融点ガラス、11 カソード電極配線層、12 ゲート電極配線層、13 冷陰極電子源(CNTカソード電極層)、14 ゲート電極支持部、15 ゲート電極、14a 第一のブリッジ、15a第二のブリッジ、14b 第一の補強板、15b 第二の補強板、14c 第一の穴、15c 第二の穴、15d メッシュ状の開口部(電子通過穴)、20押さえ板、21 クリップ、25 溝、40 溶接痕、140 第一の金属フレーム部品、150 第二の金属フレーム部品。
Claims (13)
- ガラス基板と、
前記ガラス基板上に形成され、電子の放出源となる冷陰極電子源と、
前記冷陰極電子源との間に電界を形成し、前記冷陰極電子源から電子を引出すためのゲート電極と、
前記ゲート電極とは別部材であり、前記ガラス基板上において前記冷陰極電子源を避けて配置され、前記ゲート電極を支持することで前記冷陰極電子源と前記ゲート電極との間に所定の空間を作り出す金属製のゲート電極支持部とを、
備えることを特徴とする冷陰極表示装置。 - 前記ガラス基板、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極の熱膨張率は、お互いに同等の値を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の冷陰極表示装置。 - 前記ガラス基板は、白板ガラスであり、
前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極は、426合金または50−50合金である、
ことを特徴とする請求項2に記載の冷陰極表示装置。 - 前記ゲート電極支持部には、第一の穴が形成されており、
前記ゲート電極には、第二の穴が形成されており、
前記ゲート電極支持部の前記第一の穴と前記ゲート電極の第二の穴とが重なるように前記ゲート電極支持部とゲート電極とを配置し、前記第一および第二の穴に固定材料を充填することにより、前記ガラス基板、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極とが固着されている、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の冷陰極表示装置。 - 前記固定材料は低融点ガラスである、
ことを特徴とする請求項4に記載の冷陰極表示装置。 - (a)所定の位置に冷陰極電子源が形成されているガラス基板を用意する工程と、
(b)第一のタイバーに挟まれた領域内で所定の配置で配列している複数のゲート電極支持部が第一のブリッジで繋がれ一体的に成形された第一の金属フレーム部品を用意する工程と、
(c)第二のタイバーに挟まれた領域内で所定の配置で配列しており、電子通過穴を有する複数のゲート電極が第二のブリッジで繋がれ一体的に成形された第二の金属フレーム部品を用意する工程と、
(d)前記冷陰極電子源を避けて前記ゲート電極支持部が配置され、前記冷陰極電子源の直上に前記電子通過穴が配置されるように、前記ガラス基板、前記第一の金属フレーム部品、前記第二の金属フレーム部品の順で重ね合わせる工程とを、
備えることを特徴とする冷陰極表示装置の製造方法。 - 前記工程(d)は、前記第一の金属フレーム部品と前記第二の金属フレーム部品とを予め仮止めし、その後、当該仮止めされた部品と前記ガラス基板とを重ね合わせる工程である、
ことを特徴とする請求項6に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - 前記工程(b)は、第一の穴を有するゲート電極支持部を備える第一の金属フレーム部品を用意する工程であり、
前記工程(c)は、前記工程(d)の際に前記第一の穴の直上に位置する第二の穴をさらに有するゲート電極を備える第二の金属フレーム部品を用意する工程であり、
(e)前記工程(d)後に、前記第一の穴および前記第二の穴に固定材料を注入し、前記ガラス基板、前記ゲート電極支持部および前記ゲート電極とを固着させる工程をさらに備える、
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - 前記工程(e)は、前記固定材料として低融点ガラスを用いる工程である、
ことを特徴とする請求項8に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - (f)前記第一の金属フレーム部品と前記第二の金属フレーム部品とを仮止めした後、前記第一のブリッジをレーザにより切断する工程をさらに備えている、
ことを特徴とする請求項7に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - (g)前記工程(e)の後に、前記第一および第二のブリッジをレーザにより切断する工程をさらに備えている、
ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - 前記工程(b)は、前記第一のタイバーと前記ゲート電極支持部とを繋いでいる前記第一のブリッジに溝を形成する工程を含む、
ことを特徴とする請求項6ないし請求項11のいずれかに記載の冷陰極表示装置の製造方法。 - 前記工程(c)は、前記第二のタイバーと前記ゲート電極とを繋いでいる前記第二のブリッジに溝を形成する工程を含む、
ことを特徴とする請求項6ないし請求項12のいずれかに記載の冷陰極表示装置の製造方法。
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2002
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KR20140006638A (ko) * | 2012-07-06 | 2014-01-16 | 삼성전자주식회사 | 메쉬 전극 접합 구조체, 전자 방출 소자, 및 전자 방출 소자를 포함하는 전자 장치 |
CN103531422A (zh) * | 2012-07-06 | 2014-01-22 | 三星电子株式会社 | 网状电极附接结构、电子发射器件和电子装置 |
EP2682977A3 (en) * | 2012-07-06 | 2015-11-11 | Samsung Electronics Co., Ltd | Mesh electrode adhesion structure, electron emission device and electronic apparatus including the electron emission device |
KR101917742B1 (ko) * | 2012-07-06 | 2018-11-12 | 삼성전자주식회사 | 메쉬 전극 접합 구조체, 전자 방출 소자, 및 전자 방출 소자를 포함하는 전자 장치 |
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