JP2004013561A - 呼吸用気体供給装置のレンタルシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】保守や、回収後の修理に伴う所定部品の手配が容易であり、経済性の高い呼吸用気体供給装置のレンタルシステムを提供する。
【解決手段】在宅患者10aの下に配置された呼吸用気体供給装置2−2の運転情報を通信路7経由で受信し、消耗部品の交換時期、消耗部品の種類等を特定する管理装置5と、保守や修理や部品の手配を指示する情報をこの管理装置5から受信して表示する営業所端末6a、サービスステーション端末8a、及び部品発送センター端末9aを備えるシステム1とする。
【選択図】 図1
【解決手段】在宅患者10aの下に配置された呼吸用気体供給装置2−2の運転情報を通信路7経由で受信し、消耗部品の交換時期、消耗部品の種類等を特定する管理装置5と、保守や修理や部品の手配を指示する情報をこの管理装置5から受信して表示する営業所端末6a、サービスステーション端末8a、及び部品発送センター端末9aを備えるシステム1とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、呼吸疾患等の患者に呼吸用気体を提供する呼吸用気体供給装置のレンタルシステムに係り、特に、この呼吸用気体供給装置の保守(消耗部品の交換等)や装置ごとの交換修理が容易に実行可能な構成に関し、酸素富化した(酸素を濃縮した)空気をこの呼吸用気体として提供する酸素濃縮器のレンタルシステムに最適な構成を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、呼吸器疾患の患者に対して酸素ボンベから供給する酸素療法が行われており、最近では空気中の酸素を分離濃縮して酸素濃縮気体を得るための酸素濃縮器が開発され、それを用いた酸素療法が次第に普及するようになって来ている。
【0003】
かかる酸素濃縮器としては、例えば窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を酸素濃縮機能部として用いた吸着型酸素濃縮器や、酸素選択透過性膜を酸素濃縮機能部として用いた膜型酸素濃縮器がある。
【0004】
尚、酸素療法が用いられる他の酸素供給方式として、液体酸素から適当に制御された速度で蒸発した酸素を患者に供給する方法も知られている。
【0005】
かかる酸素濃縮器は、病院において使用されるのみならず、在宅医療用に家庭においても使用される場合が次第に多くなってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これらの酸素濃縮器について、酸素濃縮器が正常な運転状態にあるか否かを把握できるようなシステムが提供されている。すなわち酸素濃縮器の内部には、この装置の運転状態を検出するためのセンサー手段が配設されており、このセンサー手段の出力信号がインターネット通信網や電話通信路等の通信路を介して、酸素濃縮器の動作を監視するための所定の監視センターへ送信され、この送信信号中に異常が発見された場合には、サービスマンや営業担当者等の保守担当者が、酸素濃縮器が配置された患者宅まで出向いて保守部品交換あるいは酸素濃縮器全体を新たな他の酸素濃縮器へ交換する等の対策を取ることが実践されている。
【0007】
しかしながら、上記に説明した従来技術構成によれば、(1)酸素濃縮器の運転状態に異常が発生して初めて、上記の監視センターは異常の発生を知り得るので、異常が発生してから保守部品交換等の対処が実行されて酸素濃縮器の正常運転が可能となるまでタイムラグが生じる可能性があり、この酸素濃縮器を用いる患者の健康に影響が生じる恐れがある、(2)異常を検知しても酸素濃縮器のどの構成部品に異常が生じたのか正確な特定が困難であるので、保守担当者は交換の可能性がある多くの交換部品を全て携行して在宅患者の下に急行しなければならない、(3)異常を来した酸素濃縮器の部品を交換して復帰を行なった後、交換部品をストックしてある例えば営業所等の拠点では、使用した交換部品の補充のために部品センター等に交換部品を発注する必要があり膨大な工数を要する、等の本質的に解決困難な問題が存在した。
【0008】
上記した各問題は、異常を来した酸素濃縮器の消耗部品(例えば吸気フィルター)を在宅患者宅又は営業所にて交換して対処する場合のみではなく、酸素濃縮器を丸ごと回収して(患者に対しては代替用の酸素濃縮器を提供する)修理を行なう場合でも、同様に発生し得るものである。
【0009】
即ち、上記の酸素濃縮器の交換の場合でも、新たな酸素濃縮器が患者宅に到着して患者が使用できるようになるまでにタイムラグが生じる可能性があり、異常発生原因の特定が困難であり、又、異常を来して回収した酸素濃縮器をサービスセンターに送って修理を実施する場合に用いる修理用部品(例えば、窒素の吸着剤)は、使用数を部品センター等から取り寄せる必要があり多大な工数を要するものであった。
【0010】
また、上記のタイムラグを解消せんとして、予め定めた点検タイミングで患者宅を巡回して酸素濃縮器を定期点検して所定の消耗部品を交換する等の方法では、安全度を見て早めに部品を交換せざるを得ず、経済的な運用が困難であった。
【0011】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであって、特に所定営業所から在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する単数又は複数の呼吸用気体供給装置と、管理装置とを備え、レンタル供給中の呼吸用気体供給装置が単数又は複数具備する所定消耗部品の交換を必要に応じて実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムであって、管理装置は、在宅患者の下で運転状態にある呼吸用気体供給装置の運転情報を通信路経由で取得し、取得したこの運転情報に応じて、下記(a)に記載の消耗部品交換指示情報と(b)に記載の消耗部品発送指示情報とを生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステムとすることによって、呼吸用気体供給装置の運転に異常が発生する以前に異常の発生を予知して対処が可能であり、異常の発生原因を遠隔にて検知可能であり、異常を来した呼吸用気体供給装置の保守(消耗部品の交換等)や装置丸ごとの修理の実行に伴う部品の補充手配が容易であり、且つ、経済性の高い呼吸用気体供給装置のレンタルシステムを提供することを目的とする。
(a)前記レンタル供給中の呼吸用気体供給装置の前記所定消耗部品の交換実行の指示を、(1)前記交換実行すべき所定消耗部品を特定する情報と、(2)当該呼吸用気体供給装置を特定する情報と共に、前記所定営業所に配置された営業所端末に表示するための消耗部品交換指示情報。
(b)前記消耗部品交換指示情報により特定された所定消耗部品を前記所定営業所に対して発送実行する指示を、前記所定消耗部品の発送元である所定の部品発送センターに配置された部品発送センター端末に表示するための消耗部品発送指示情報。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、下記1)〜7)に記載の各構成を有する呼吸用気体供給装置のレンタルシステムを提供する。
【0013】
1) 所定営業所から在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する単数又は複数の呼吸用気体供給装置と、管理装置とを備え、前記レンタル供給中の呼吸用気体供給装置が単数又は複数具備する所定消耗部品の交換を必要に応じて実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムであって、
前記管理装置は、
前記在宅患者の下で運転状態にある前記呼吸用気体供給装置の運転情報を通信路経由で取得し、取得したこの運転情報に応じて、下記(a)に記載の消耗部品交換指示情報と(b)に記載の消耗部品発送指示情報とを生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
(a)前記レンタル供給中の呼吸用気体供給装置の前記所定消耗部品の交換実行の指示を、(1)前記交換実行すべき所定消耗部品を特定する情報と、(2)当該呼吸用気体供給装置を特定する情報と共に、前記所定営業所に配置された営業所端末に表示するための消耗部品交換指示情報。
(b)前記消耗部品交換指示情報により特定された所定消耗部品を前記所定営業所に対して発送実行する指示を、前記所定消耗部品の発送元である所定の部品発送センターに配置された部品発送センター端末に表示するための消耗部品発送指示情報。
【0014】
2) 前記消耗部品交換指示情報は、前記所定消耗部品の前記交換実行をすべき時期の情報を含み、且つ、
前記消耗部品発送指示情報は、前記所定消耗部品を前記所定営業所に対して発送実行すべき時期の情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
【0015】
3) 所定営業所から在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する複数の呼吸用気体供給装置と、管理装置とを備え、前記呼吸用気体供給装置が、所定の呼吸用気体供給装置製造所で製造がなされて所定営業所へ配送された後、(1)前記在宅患者の下への前記レンタル供給の実行、(2)前記在宅患者の下からの回収、(3)所定サービスステーションにおける修理の実行、及び(4)単数又は複数設けられた前記所定営業所の内のいずれかへの再配送、が順次繰り返し実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムにおいて、
前記管理装置は、
前記在宅患者の下で運転状態にある前記呼吸用気体供給装置の運転情報を通信路経由で取得し、取得したこの運転情報に応じて、下記(a)に記載の装置交換指示情報、及び、「下記(b)に記載の装置発送指示報と、下記(c)に記載の修理用部品発送指示情報と、の内の少なくとも一方の情報」を生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
(a)当該呼吸用気体供給用装置を前記在宅患者の下から回収して他の前記呼吸用気体供給装置との交換実行することの指示を、当該所定営業所に設けられた営業所端末に表示するための装置交換指示情報。
(b)前記修理が終了したいずれかの呼吸用気体供給装置を当該所定営業所へ再配送実行して次のレンタル供給に備えることの指示を、当該所定営業所を特定するための情報と共に、前記サービスステーションに配置されたサービスステーション端末に表示するための装置発送指示情報。
(c)前記回収した呼吸用気体供給装置を前記サービスステーションにおいて修理実行する際に必要となる修理用部品を前記サービスステーションへ発送実行することの指示を、前記修理用部品の発送元である所定の部品発送センターに配置された部品発送センター端末に表示するための修理用部品発送指示情報。
【0016】
4) 前記装置交換指示情報は、当該呼吸用気体供給用装置を前記回収及び交換を実行すべき時期の情報を含み、且つ、
前記装置発送指示情報は、前記修理が終了したいずれかの呼吸用気体供給装置を前記再配送を実行すべき時期の情報を含み、且つ、
前記修理用部品発送指示情報は、前記修理用部品を前記発送実行をすべき時期の情報を含むことを特徴とする請求項3に記載の呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
【0017】
5) 在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する呼吸用気体供給装置と、管理装置とを備え、前記呼吸用気体供給用装置が、所定の呼吸用気体供給装置製造所で製造がなされて所定営業所へ配送された後、(1)前記在宅患者の下へのレンタル供給の実行、(2)前記在宅患者の下からの回収、(3)所定サービスステーションにおける修理の実行、及び(4)単数又は複数設けられた前記所定営業所の内のいずれかへの再配送、が順次繰り返し実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムにおいて、
前記管理装置は、
下記(a)、及び(b)に記載の各情報に応じて、「下記(ア)と(イ)とに記載の各情報の内少なくとも一方の情報」を生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
(a)前記各所定営業所における前記呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(b)前記所定サービスステーションにおける前記修理済みの呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(ア)前記呼吸用気体供給装置製造所から前記各所定営業所へ配送すべき前記呼吸用気体供給装置の数量の情報。
(イ)前記所定サービスステーションから前記各所定営業所へ再配送すべき前記呼吸用気体供給装置の数量の情報。
【0018】
6) 在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する呼吸用気体供給装置と、管理装置とを備え、前記呼吸用気体供給用装置が、所定の呼吸用気体供給装置製造所で製造がなされて所定営業所へ配送された後、(1)医療機関の医療従事者が作成した前記在宅患者に対する処方に基づくこの在宅患者の下へのレンタル供給の実行、(2)前記在宅患者の下からの回収、(3)所定サービスステーションにおける修理の実行、及び(4)単数又は複数設けられた前記所定営業所のいずれかへの再配送、が順次繰り返し実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムにおいて、
前記管理装置は、
下記(a)、(b)、(c)、及び(d)に記載の各情報に応じて、「下記(ア)と(イ)とに記載の各情報の内の少なくとも一方の情報」を生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
(a)前記医療従事者が作成した前記在宅患者に対する処方の情報。
(b)前記各所定営業所における前記呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(c)前記所定サービスステーションにおける前記修理済みの呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(d)前記在宅患者の下で運転状態にある前記呼吸用気体供給装置から通信路経由で取得した、この呼吸用気体供給装置の運転情報。
(ア)前記呼吸用気体供給装置製造所から前記各所定営業所へ配送すべき前記呼吸用気体供給装置の数量と前記配送の時期との情報。
(イ)前記所定サービスステーションから前記各所定営業所へ再配送すべき前記呼吸用気体供給装置の数量と前記配送の時期との情報。
【0019】
7) 前記呼吸用気体供給装置は、酸素を富化した空気を前記呼吸用気体として供給する酸素濃縮器であり、且つ、
前記運転情報は、「下記(A)乃至(E)に記載された各情報の内の少なくとも1の情報」を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
(A)前記酸素濃縮器の吸気側温度及び/又は排気側温度の情報。
(B)前記酸素濃縮器が具備する構成の内部の圧力の情報。
(C)前記酸素濃縮器が供給する前記呼吸用気体の酸素濃度の情報。
(D)前記酸素濃縮器が供給する前記呼吸用気体の供給流量を所定の設定手段で設定した設定流量の情報、及び/又は前記酸素濃縮器が実際に供給する前記呼吸用気体の実流量の情報。
(E)前記酸素濃縮器が供給する前記呼吸用気体の湿度の情報。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る好ましい実施例である酸素濃縮器レンタルシステムを、図1及び図2を参照して説明する。
【0021】
図1は本実施例の酸素濃縮器レンタルシステムの構成図、図2は図1のシステムの細部の構成を変形した変形例の構成図である。
【0022】
[本発明の構成の概要]
本実施例の構成を説明するに先立ち、本発明の構成の概要を説明する。本発明は下記の如くの各構成を含んでいる。
【0023】
本発明者らは、かかる医療用酸素濃縮器等のマイクロコンピュータ制御呼吸用気体供給装置の保守作業を効率的に行う呼吸用気体供給装置保守システムを提供すべく鋭意検討した結果、各家庭の如く分散して配置された個々のマイクロコンピュータ制御呼吸用気体供給装置(以下単に呼吸用気体供給装置ともいう)に特定の情報収集機能を具備せしめ、それを通信回線との送受信機能を付加して、情報収集のためのセンターである管理装置と結ぶことによりマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の運転状態を継続的に監視し、保守または交換が必要な場合に管理装置より保守部品の発注または該マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の発注と保守または交換を行う営業所への納品と保守予定表示装置により保守作業指示を管理装置より行うことが実用上有効であることを見い出し、本発明に到達した。
【0024】
即ち本発明は、呼吸器疾患患者等に呼吸用気体を供給する呼吸気体供給装置と、該呼吸用気体供給装置の運転情報の収集と通信手段と送受信機能を有する情報収集送受信装置と、該情報収集送受信装置から情報の受信機能と該情報収集送受信装置への情報の送信機能を有する管理装置からなる呼吸気体供給システムであり、管理装置はマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の運転状態を継続的に監視し、保守または交換が必要な場合に管理装置より保守部品の発注または該マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の発注と保守または交換を行う営業所へ納品と保守予定表示装置により保守作業指示を行うことができることを特徴とする呼吸用気体供給装置保守システムを提供するものである。
【0025】
かかる本発明の呼吸用気体供給システムには、より好ましい態様として、該呼吸用気体供給装置が使用に供するための呼吸用気体の流量設定手段を具備するものであって、該情報が該流量設定手段における流量設定値に関するものである呼吸用気体供給システム;該呼吸用気体供給装置がその運転時間を検知する手段を有するものであって、該情報が該運転時間に関するものである呼吸用気体供給システム;該呼吸用気体供給装置が、それを使用する患者に関する緊急警報,該患者の血中酸素濃度の検知手段等の患者情報の入力手段の少なくとも1種を具備するものであって、該情報が各々該緊急警報,該血中酸素濃度等の患者情報である呼吸用気体供給システム;該呼吸用気体発生手段が、空気から酸素濃度の高められた酸素濃縮気体を分離するための酸素濃縮機能部と、該酸素濃縮機能部に空気を供給し又は該酸素濃縮機能部から酸素濃縮気体を取り出すための電動機付ポンプ手段とを具備したものであり、該呼吸用気体供給装置が空気,濃縮気体等の気体の圧力,温度,酸素濃縮気体の酸素濃度及び流量の少なくとも1種の情報を検知し、あらかじめ入力された対応する所定値と比較する手段を有し、該少なくとも1種の情報が対応する該所定値に比較して異常と認められる場合に、異常警報として検知するものである呼吸用気体供給システム;該情報が過電流、マイクロコンピュータ制御命令の作動異常及び電源電圧の異常の少なくとも1種に関するものである呼吸用気体供給システム;呼吸用気体発生手段が液面又は重量検知手段を具備した液体酸素貯留手段からなるものであって、該情報が貯留された液体酸素の液面又は重量に関するものである呼吸用気体供給システム;アナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/D信号変換手段及び通信用信号に変化するためのパラレル/シリアル変換手段を有する呼吸用気体供給システム;通信回線として電話回線を使用するものであり、送信先電話番号を記憶する手段と接続された電話器の利用時の送信を防止するための送信コントロール手段を具備したものである呼吸用気体供給システム;及び該管理装置が受信された情報の表示手段,該情報の記憶手段,該情報を用いた演算を行う演算手段の少なくとも1種を具備し、かつ該呼吸用気体供給装置の保守部品の交換あるいは酸素濃縮器の交換等の対策を取るため、管理装置より保守部品の発注または該マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の発注と保守または交換を行う営業所へ納品と保守予定表示装置により保守作業指示を表示する機能を有したものである呼吸用気体供給装置保守システムが含まれる。尚、かかる管理装置には、表示画面やプリンター等の表示手段を具備せしめることが実用上より好ましい。
【0026】
これらは各々、呼吸用気体供給装置の使用状態やその保守管理をより容易に且つ確実に行うことができる実用上優れた効果を奏する。
【0027】
さらに、管理装置はマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の吸気側温度と排気側温度を比較し、あらかじめ定められた温度差範囲を外れた場合に吸気側フィルターの発注と保守を行う営業所への納品と保守予定表示装置により保守作業指示が行えることが好ましい。これにより、呼吸気体供給装置に使用している吸気側フィルターに付着した埃で設定流量値を外れた流量で運転されている場合には設定流量値での運転に復帰することが可能となる。
【0028】
また、管理装置はマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の吸気側温度と排気側温度を継続的に監視し、取得データにより吸気側フィルターの交換が必要と判断された場合にフィルターの発注と保守を行う営業所への納品と保守予定表示装置により保守作業指示が行えること、マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の圧力値を継続的に監視し、取得データにより吸着剤の交換が必要と判断された場合に交換用吸着材の発注と保守を行うサービスセンターへの納品と保守予定表示装置によりマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の交換を行う営業所への交換作業指示を行えること、マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の酸素濃度値を継続的に監視し、継続取得データにより吸着剤の交換が必要と判断された場合に交換用吸着材の発注と保守を行うサービスセンターへの納品と保守予定表示装置によりマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の交換を行う営業所へ交換作業指示を行えること、マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の設定流量値と実流量値を継続的に監視し、継続取得データにより流量設定器の交換が必要と判断された場合に交換用流量設定器の発注と保守を行うサービスセンターへの納品と保守予定表示装置により保守作業指示を行えることおよびマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の設定流量値と実流量値を継続的に監視し、継続取得データにより流量設定器の交換が必要と判断された場合に交換用流量設定器の発注と保守を行うサービスセンターへの納品とマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の交換を行う営業所へ保守予定表示装置により交換作業指示を行えることが好ましい。
【0029】
かかる構成によって、呼吸用気体供給装置の保守作業がより効率的にできるようになる利点が得られる。
【0030】
さらに前記の本発明には、該呼吸用気体供給装置と該情報収集送受信装置を組み合わせた複数の組が、各々通信回線を介して1個の管理装置に接続されている呼吸用気体供給システム;及び該呼吸用気体供給装置と該情報収集送受信装置を組み合わせた複数の組が各々通信回線を介して1個の管理装置に接続され、さらに該管理装置に各々の通信回線を介して複数の転送情報受管理装置が接続されている呼吸用気体供給システムが含まれる。かかるシステムによって多数の呼吸用気体供給装置の管理が容易になり、特に在宅で使用される場合に有効である。
【0031】
さらに本発明には、呼吸用気体発生手段と、呼吸用気体を使用に供するための呼吸用気体供給手段と、該発生手段及び供給手段の使用に関する情報を検知又は入力により収集するための情報収集手段と、必要に応じて該情報を変換するための変換手段と、必要に応じて情報を記憶するための記憶手段とを備えた呼吸用気体供給装置を提供するものである。かかる装置は、前記した如き利点を有するシステムに容易に適合できるものである。
【0032】
[実施例の構成]
次に、本実施例の酸素濃縮器レンタルシステムの構成を、図1の構成図に従って説明する。
【0033】
図1において本実施例の酸素濃縮器レンタルシステム1は、呼吸疾患等を患う在宅患者10aがこの酸素濃縮器2−2を用いて在宅治療を行なう患者宅10、患者宅10の酸素濃縮器2−2の運転状態監視その他を行なう監視センター4、酸素濃縮器を供給する業者(以下、単に供給業者ともいう)の営業所6、酸素濃縮器2−3の修理を行なう供給業者のサービスセンター8、及び酸素濃縮器の保守や修理に必要となる部品をストックしておき要求に応じてこの部品を要求元に発想する供給業者の部品発送センター9それぞれに、下記する如くの各構成が配置されている。
【0034】
すなわち、患者宅10には、使用状態にある酸素濃縮器2−2と、この酸素濃縮器2−2に付随して配設され、この酸素濃縮器2−2の運転情報(吸気温度、排気温度、酸素濃縮器が具備する構成の内部の圧力、呼吸用気体の設定流量値、呼吸用気体の実流量値その他)等の情報をこの酸素濃縮器2−2から取得して通信路7へ送信する情報送信装置3が配置されている。尚、情報送信装置3は、酸素濃縮器2−2と別体あるいは一体として構成可能であり、通信路7はインターネット通信網、電話回線、専用回線等種々の構成が可能であり、また有線路、無線路のいずれにも限定されない。
【0035】
又、監視センター4には、上記の通信路7を介して情報送信装置3と接続する管理装置5が配置されている。この管理装置7は情報送信装置3が送信した運転情報その他の情報を受信して評価し、酸素濃縮器2−2の運転状態の監視と、異常を予知した場合の各種の情報の生成、送信その他を行なうものであり、例えば汎用のコンピュータに本システム1専用のコンピュータプログラムがインストールされることにより実現されるものである。その動作の詳細は後記する。
【0036】
更に、営業所6には、汎用のパーソナルコンピュータに本システム1専用のコンピュータプログラムがインストールされるなどして実現される営業所端末6aが配置されている。この営業所端末6aは通信路7を介して管理装置5に接続し、管理装置5との間で種々の情報の送受信を行ない、又、上記のコンピュータプログラムに従って付属の表示手段に種々の情報の表示を行なう等の機能を有する。
【0037】
更に又、サービスステーション8には、上記と同様に、汎用のパーソナルコンピュータに本システム1専用のコンピュータプログラムがインストールされるなどして実現されるサービスステーション端末8aが配置されている。このサービスステーション端末8aは通信路7を介して管理装置5に接続し、管理装置5との間で種々の情報の送受信を行ない、又、上記のコンピュータプログラムに従って付属の表示手段に種々の情報の表示を行なう等の機能を有する点も、上記と同様である。
【0038】
更に又、部品発送センター9には、上記と同様に、汎用のパーソナルコンピュータに本システム1専用のコンピュータプログラムがインストールされるなどして実現される部品発送センター端末9aが配置されている。この部品発送センター端末9aは通信路7を介して管理装置5に接続し、管理装置5との間で種々の情報の送受信を行ない、又、上記のコンピュータプログラムに従って付属の表示手段に種々の情報の表示を行なう等の機能を有する点も、上記と同様である。
【0039】
本システム1において酸素濃縮器2−1、2−2、2−3は、所定の酸素濃縮器製造所(図示しない)で製造がなされて営業所6へ配送されてレンタル供給に対しスタンバイする状態2−1、患者宅10の在宅患者の下へのレンタル供給が実行されてこの患者10aが使用する状態2−2、この在宅患者宅10から回収され、サービスステーション8において修理が実行された後、単数又は複数設けられた営業所の内のいずれかへの再配送に対しスタンバイする状態2−3、そしてこの営業所6に再配送されて次のレンタル供給に対してスタンバイする状態2−1、が順次繰り返し実行可能であり、所謂レンタルサイクルを形成している。
【0040】
尚、本システム1における患者宅10、監視センター4、営業所6、サービスセンター8、及び部品発送センター9、はいずれも単数でも複数でも構成が可能であり、図1は図示の都合上それぞれ1つを示してあるものである。また酸素濃縮器は、修理のために装置ごとの交換を実行するため、及びレンタルサイクルの運用を円滑に行なうために複数であることが望ましい。
【0041】
[酸素濃縮器、及び管理装置の構成]
上記の如く酸素濃縮器は、まず最初に営業所6に配置され(2−1)、医療従事者の処方に基づいてレンタル供給が指示されると、患者宅10に配送されて、カニューラと呼ぶ管状部材から酸素富化した呼吸用気体を患者10aの鼻腔付近に噴出せしめ、患者10aの呼吸に供する(2−2)。
【0042】
この酸素濃縮器2−2にはその運転情報(上記したように、酸素濃縮器の吸気温度、排気温度、酸素濃縮器が具備する構成の内部の圧力、呼吸用気体の設定流量値、呼吸用気体の実流量値その他である)を取得するための情報収集装置(図示しない)が内部に配設されている。また上記の管理装置5と情報の送受を行なうための情報送受信装置3を内部又は外部に備える点を先に説明した。
【0043】
上記の管理装置5は、酸素濃縮器(以下、マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置、あるいは呼吸用気体供給装置ともいう)2−2の運転状態を継続的に監視し、保守または交換が必要な場合にこの管理装置5より保守部品の発注、または代替となる新たな該マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−1の発注と保守または交換を行う営業所へ納品と保守予定表示装置により保守作業指示が行えるものであり、その動作の詳細は後記する。
【0044】
かかる呼吸用気体供給装置2−2は、その内部に、呼吸用気体の発生手段と、その気体を使用に供するための供給手段と、それらの使用に関する情報を収集するための情報収集手段と、それらの情報を必要に応じて変換するための変換手段と、それらの情報を必要に応じて記憶するための記憶手段を具備したものであり(いずれも図示しない)、これらの手段はあらかじめ上記の記憶手段により保存されたマイクロコンピュータ命令により制御される。
【0045】
尚かかる記憶手段の具体例としては、RAM(ランダムアクセスメモリー)とバッテリーとを組み合わせたものや、不揮発性メモリーがあげられる。また記憶手段は独立していてもよいが、変換手段の中に組み込んでもよい。
【0046】
呼吸用気体には、空気,呼吸の補助のために用いられる空気から分離濃縮された酸素濃縮気体(即ち濃縮酸素)や酸素の他、それに薬剤の蒸気等を混入したもの等が含まれ、医療用には通常酸素濃縮気体や酸素が用いられることが多い。
【0047】
呼吸用気体の発生手段としては、例えば所定量の酸素流出機能部を備えた酸素ボンベ,空気中から酸素濃縮気体を分離するための酸素濃縮器,所定量の酸素流出機能部を備えた液体酸素貯留タンク等があげられる。尚酸素濃縮器としては、吸着型、膜型の他、場合によっては磁気を利用したもの等がある。例えば圧力変動吸着型酸素濃縮器,膜型酸素濃縮器の場合には、各々空気から酸素濃度の高められた酸素濃縮気体を分離するための酸素濃縮機能部として、酸素又は窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した1基又は2基以上の吸着床,酸素を選択的に透過し得る膜のモジュールが用いられ、通常各々吸着床に圧縮空気を導入するためのコンプレッサ,膜モジュールの一方側の空間を減圧せしめるための真空ポンプなる電動機付のポンプ手段が用いられる。さらに必要に応じて、これらのポンプ手段を冷却するための冷却風を生じさせるためのファン手段が具備される。また酸素濃縮機能部やポンプ手段を作用的に連結せしめるための導管手段や、その導管手段に必要な自動又は手動の開閉弁が具備されている。
【0048】
呼吸用気体を使用に供する供給手段としては、導管手段,鼻カニューラ,マスク等を具備したものがあげられる。
【0049】
情報収集手段は、これらの発生手段や供給手段の使用に関する情報を収集するためのものであって、その収集のために必要に応じて検知手段や外部入力手段を具備していることが望ましい。かかる情報としては、発生手段に応じて適宜選択されるが、例えば膜型,吸着型等の酸素濃縮器の場合には、圧力,酸素濃度,流量,濃縮器内の温度,電流,電源電圧や内蔵コンピュータ制御命令等についての異常に関するもの、必要に応じて測定される酸素濃度や流量,圧力,温度(酸素濃縮器2−2の吸気側温度及び/又は排気側温度)、濃縮器の運転時間,使用流量設定値,濃縮器の器台番号,患者の氏名や血中酸素濃度等の患者に関する情報等があげられる。
【0050】
また液体酸素貯留器の場合の特有の情報としては、液面,全体の重量等があげられる。尚これらの情報は、その装置に具備される検知手段によって検知されて収集されるものであってもよく、その他の例えば、酸素濃度検出器や流量計等を具備した検出器(即ちテスター)を必要に応じて酸素濃縮器に接続せしめることによって検知されて入力手段により入力されて収集されるものであってもよい。
【0051】
異常に関する情報については、例えば呼吸用気体発生手段が酸素濃縮器の場合には、それに具備された又は必要に応じて外部から接続された検知手段によって検知された気体の圧力,温度,酸素濃度,流量等に関する情報を、あらかじめ入力されて記憶された各々の所定値と比較手段により比較し、それらの比較の結果から少なくとも一種の情報について異常と判断される場合に異常警報として検知するようにすることが望ましい。
【0052】
尚、ここで気体の圧力とは、例えば圧力変動吸着型酸素濃縮器の場合に通常チェックされる吸着床や酸素濃縮気体の貯留タンク内の圧力や、膜型酸素濃縮器の場合の真空ポンプにより減圧された領域内の圧力等であり、すなわち酸素濃縮器2−2が具備する構成の内部の圧力である。
【0053】
また温度は、例えば吸着型,膜型の酸素濃縮器の場合の器のコンプレッサ室や真空ポンプ室の内部空間の温度、あるいは吸気温度、排気温度等をいう。
【0054】
流量としては、この酸素濃縮器2−2が供給する呼吸用気体の供給流量を所定の設定手段(例えば酸素濃縮器2−2に付属する回転ダイアル式流量切換手段)で設定した設定流量の情報、及び/又はこの酸素濃縮器2−2が実際に供給する呼吸用気体流量の実測値の情報等をいう。
【0055】
本実施例の呼吸用気体供給装置2−2に具備される変換手段としては、例えばこれらの運転情報等がアナログ信号の場合に、アナログ/デジタル(A/D)変換手段や、送信の為のパラレル/シリアル信号変換手段があげられる。尚、情報が接点信号,運転信号によるものの場合にはかかる変換手段を経ることなくそのまま使用されることが望ましい。
【0056】
また異常に関する情報として過電流,電源電圧の異常等の少なくとも一種を用いることが望ましい。
【0057】
さらに異常に関する情報としてコンピュータ制御命令の異常を検知できるよう、制御命令を保存したメモリのチェックサムを用いることが望ましい。
【0058】
本実施例の酸素濃縮器レンタルシステム1において、上記の酸素濃縮器2−2の運転情報等を送信するための送信手段の好ましい具体例としてはネットワーク制御手段があげられ、通信手段(情報送受信装置3)の好ましい具体例としては電話回線を使用するものがあげられる。特に送信手段が送信先の電話番号や送信スケジュール等を記憶する記憶手段を具備し、更に電話回線との接続手段を備え、それに接続された電話器が利用されていない時においてのみ送信できるようにするための送信コントロール手段を具備したネットワーク制御手段が実用上有利に用いられる。尚通信手段である電話回線としては、送信手段と電話局間に通信電話回線を、電話局と管理装置間に専用回線を用いることが望ましい。
【0059】
また本システム1における管理装置5には、情報の種類につき必要に応じて、呼吸用気体供給装置2−2の変換手段で変換された情報を例えばシリアル/パラレル変換の如く逆変換するための手段を備えることが実用上好ましい。さらにかかる管理装置5には、受信された情報を出力して表示するための表示画面やプリンターの如き表示手段を具備することが好ましい。
【0060】
また、管理装置5には、受信された情報を用いて各種の演算を行うための演算手段を具備しており、マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の運転状態を継続的に監視し、保守または交換が必要な場合に管理装置より保守部品の発注または該マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の発注と保守または交換を行う営業所へ納品と保守予定表示装置(部品発送センター端末9a)により保守作業指示をする機能を具備する。
【0061】
さらに、本システム1における管理装置5は、マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の吸気側温度と排気側温度とを比較し、あらかじめ定められた温度差範囲を外れた場合に吸気側フィルターの発注と保守を行う営業所への納品と保守予定表示装置により保守作業指示が行える機能と、マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の吸気側温度と排気側温度とを継続的に監視し、取得データにより吸気側フィルターの交換が必要と判断された場合にフィルターの発注と保守を行う営業所への納品と保守予定表示装置(営業所端末6a)により保守作業指示を行う機能;マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の圧力値を継続的に監視し、取得データにより吸着剤の交換が必要と判断された場合に交換用吸着材の発注と保守を行うサービスセンターへの納品と保守予定表示装置(営業所端末6a)によりマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の交換を行う営業所6への交換作業指示を行う機能;マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の酸素濃度値を継続的に監視し、継続取得データにより吸着剤の交換が必要と判断された場合に交換用吸着材の発注と保守を行うサービスセンター8への納品と保守予定表示装置によりマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の交換を行う営業所へ交換作業指示を行う機能;マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の設定流量値と実流量値を継続的に監視し、継続取得データにより流量設定器の交換が必要と判断された場合に交換用流量設定器2−2の発注と保守を行うサービスセンター8への納品と保守予定表示装置により保守作業指示を行う機能;マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の設定流量値と実流量値を継続的に監視し、継続取得データにより流量設定器の交換が必要と判断された場合に交換用流量設定器の発注と保守を行うサービスセンターへの納品とマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の交換を行う営業所へ保守予定表示装置により交換作業指示を行う機能等を具備する。
【0062】
本システム1における管理装置5には、さらに本システム1が有する他の管理装置5(図示しない)に転送するための機能部を、自動転送機能部に具備せしめることが好ましい。かかる自動転送機能部には、通信手段が接続され、その先に転送情報受信手段が具備されている必要がある。尚かかる転送情報として緊急対策を必要とする警報を採用して、その情報を発した呼吸用気体供給装置のアフターケアを担当する営業所6に配置された又は担当者が携帯している転送情報受信手段に転送せしめるようにすることが実用上好ましい。かかる転送情報受信手段は、常時作動するものであってもよく、あるいは夜間,休日にのみ作動するようにしたものであってもよい。
【0063】
また本システム1の構成として、呼吸用気体供給装置2−2と送信手段(情報送受信装置3)とを組み合わせた複数の組が、各々通信手段を介して1個の管理装置5に接続されたものがあげられる。かくして多数の呼吸用気体供給装置を、コンピュータ手段を組み込んだセンター機能を有する1台の管理装置5に、送信手段を介して接続せしめることができ、個々の装置の運転状態,使用の履歴,場合によっては使用している患者の状態等をも集中的に把握することが容易にできる。尚、複数の呼吸用気体供給装置を1個の送信手段と組み合わせて1組の組としてもよい。
【0064】
呼吸用気体供給装置と送信手段を組み合わせた複数の組を通信手段を介して1個の管理装置に接続せしめ、さらにその管理装置から複数の転送情報管理装置と別々の通信手段により接続せしめたシステムが実用上より有効である。また呼吸用気体供給装置と送信手段を組み合わせた複数の組を通信手段を介して1個の管理装置を接続せしめたものをサブシステムとし、かかるサブシステムの複数組を通信手段を介してさらにセンター機器としての1個の管理装置に接続せしめたシステムとしてもよい。
【0065】
[消耗部品交換のための動作]
次に、上記に説明した構成を有する本実施例の酸素濃縮器レンタルシステム1の動作を、各動作局面毎に説明する。
【0066】
最初に、患者宅10に配置されて使用されている酸素濃縮器2−2の消耗部品を交換する保守作業の実行に伴う本システム1の動作を説明する。
【0067】
尚、以下の説明では、酸素濃縮器2−2から取得可能な様々な運転情報の内、吸気温度と排気温度とを用いて、吸気フィルターの交換を行なう保守作業の実行を一例として説明を行なう。吸気温度及び排気温度以外の運転情報を用いる場合、及び吸気フィルター以外の交換を行なう場合もまた同様の所定動作を本システム1は実行するものであり、その動作の詳細は上記した本システム1構成の記載、及び以下の説明から容易に類推可能であるので説明の重複を避けることとする。
【0068】
さて、患者宅10にある酸素濃縮器2−2からは様々な運転情報が取得され、常時あるいは適宜、情報送受信装置3及び通信路7を介して管理装置5に送信がなされることは先に説明した通りである。
【0069】
管理装置5は、上記の運転情報を受信して酸素濃縮器2−2の運転状況を監視しており、例えば運転情報中の吸気温度と、排気温度との差の値が、予め定めた所定値を越えた場合には、この酸素濃縮器2−2が具備する吸気フィルターの交換が必要であることを知得する。
【0070】
ここで、管理装置5は、上記の吸気温度及び排気温度の差の値、あるいは各温度の変化履歴等の情報を用いて、上記の吸気フィルターの交換を実行すべき時期を検出することも出来る。
【0071】
次に、管理装置5は、上記の知得の結果に基いて、(a)患者宅10にレンタル供給中の酸素濃縮器2−2の所定消耗部品である吸気フィルターの交換実行の指示を、(1)交換実行すべき所定消耗部品を特定する情報と、(2)この呼吸用気体供給装置を特定する情報と共に、営業所6に配置された営業所端末6aに表示するための消耗部品交換指示情報を生成して、通信路7で営業所端末6aへ送信し、この営業所端末6aが有する表示手段の表示画面上に表示させる。
【0072】
更に管理装置5は、(b)上記した消耗部品交換指示情報により特定された所定消耗部品である吸気フィルターをこの営業所6に対して発送実行する指示を、この所定消耗部品である吸気フィルターの発送元である部品発送センター9に配置された部品発送センター端末9aに表示するための消耗部品発送指示情報を生成して、通信路7経由で送信し、部品発送センター端末9aが有する所定表示手段の表示画面上に表示させる。
【0073】
尚、上記の消耗部品交換支持情報は、所定消耗部品である吸気フィルター交換実行をすべき時期の情報を含んでもよいし、又、上記の消耗部品発送指示情報は、所定消耗部品であるこの吸気フィルターをこの営業所6に対して発送実行すべき時期の情報を含むようにしてもよい。
【0074】
営業所端末6aに表示された上記の消耗部品交換指示情報を見た保守担当者(営業担当者、サービスマン等)は、この酸素濃縮器2−2が消耗部品の交換を必要としていること、交換が必要な消耗部品は吸気フィルターであることを知得でき、更に交換実施時期の情報が含まれている場合には、いつまでに、例えば一ヶ月以内に交換を実施すべきことを知ることが可能となり、タイムラグの無い消耗部品の交換、消耗部品を予め特定した効率的な交換作業、及び消耗部品の実寿命付近で交換実施することによる経済的なレンタルシステムの運用が可能となる。
【0075】
また、部品発送センター端末9aに表示された上記の消耗部品発送指示情報を見た部品発送担当者は、吸気フィルターの発送が必要であることを知得でき、更に発送時期の情報が含まれている場合には、いつまでに、例えば一ヶ月以内に発送を実施すべきことを知ることが可能となり、タイムラグの無い消耗部品の発送、消耗部品の発送に関わる手続工数の削減、及び消耗部品の在庫数極限による経済的なレンタルシステムの運用が可能となる。
【0076】
[酸素濃縮器の回収と修理のための動作]
次に、患者宅10に配置されて使用されている酸素濃縮器2−2を回収して、新たな酸素濃縮器に交換する作業の実行に伴う本システム1の動作を説明する。
【0077】
尚、以下の説明では、酸素濃縮器2−2から取得可能な様々な運転情報の内、酸素濃縮器が具備する構成の内部圧力値(以下、単に圧力値ともいう)を用いて回収及び修理の必要性を知得し、又、上記の修理では酸素濃縮器が具備する吸着剤の交換を含めた作業を行なう場合を一例として説明を行なう。圧力値以外の運転情報を用いる場合、及び吸着剤の交換以外の修理を行なう場合もまた同様の所定動作を本システム1は実行するものであり、その動作の詳細は上記した本システム1構成の記載、及び以下の説明から容易に類推可能であるので説明の重複を避けることとする。
【0078】
患者宅10にある酸素濃縮器2−2からは様々な運転情報が取得され、常時あるいは適宜、情報送受信装置3及び通信路7を介して管理装置5に送信がなされることは先に説明した通りである。
【0079】
管理装置5は、上記の運転情報を受信して酸素濃縮器2−2の運転状況を監視しており、例えば運転情報中の上記圧力値が予め定めた所定値を越えた場合には、この酸素濃縮器2−2が具備する吸着剤の交換が必要であることを知得する。本システム1の酸素濃縮器2−2が、内部に有する吸着剤の交換を実行するためには、この酸素濃縮器2−2をサービスステーション8に送り分解修理を含む作業を経る必要が有る。また在宅の患者10aが引き続き在宅治療を受けるためには回収した酸素濃縮器2−2の代替となる新たな酸素濃縮器を営業所6から患者宅10へ配送する必要がある。
【0080】
ここで、管理装置5は、上記の圧力値の変化履歴等の情報を用いて、上記の吸着剤の交換を実行すべき時期を検出することも出来る。
【0081】
次に、管理装置5は、上記の知得の結果に基いて、(a)この呼吸用気体供給用装置(酸素濃縮器2−2)を在宅患者の下から回収して他の呼吸用気体供給装置へ交換実行することの指示を、この営業所6に設けられた営業所端末6aに表示するための装置交換指示情報、及び「(b)修理が終了したいずれかの呼吸用気体供給装置をこの所定営業所6へ再配送実行して次のレンタル供給に備えることの指示を、上記所定営業所6を特定するための情報と共に、サービスステーション8に配置されたサービスステーション端末8aに表示するための装置発送指示情報と、(c)上記の回収した呼吸用気体供給装置をサービスステーション8において修理実行する際に必要となる修理用部品をサービスステーション8へ発送実行することの指示を、修理用部品の発送元である所定の部品発送センター9に配置された部品発送センター端末9aに表示するための修理用部品発送指示情報と、の内の少なくとも一方の情報」を生成し、生成した(a)装置交換指示情報を営業所端末6aに、(b)装置発送指示情報をサービスステーション端末8aに、(c)修理用部品発送指示情報を部品発送センター端末9aにそれぞれ送信して、それぞれの端末が有する表示手段の表示画面上に表示させる。
【0082】
尚、上記の(a)装置交換指示情報は、当該呼吸用気体供給用装置2−2を回収及び交換実行すべき時期の情報を含み、且つ、(b)装置発送指示情報は、修理が終了したいずれかの呼吸用気体供給装置を再配送実行すべき時期の情報を含み、且つ、(c)修理用部品発送指示情報は、この修理用部品を配送実行をすべき時期の情報を含むように構成してもよい。
【0083】
営業所端末6aに表示された上記の装置交換指示情報を見た保守担当者(営業担当者、サービスマン等)は、この酸素濃縮器2−2が回収と他の酸素濃縮器への交換を必要としていることを知得でき、更に回収及び交換実施時期の情報が含まれている場合には、いつまでに、例えば一ヶ月以内に回収及び交換を実施すべきことを知ることが可能となり、タイムラグの無い酸素濃縮器の回収及び交換が可能となる。
【0084】
また、サービスステーション端末8aに表示された上記の装置発送指示情報を見た酸素濃縮器発送担当者は、この営業所6に対する新たな酸素濃縮器の発送が必要であることを知得でき、更に発送時期の情報が含まれている場合には、いつまでに、例えば一ヶ月以内に発送を実施すべきことを知ることが可能となり、タイムラグの無い酸素濃縮器の発送、酸素濃縮器の発送に関わる手続工数の削減、及びサービスステーション8や営業所6における酸素濃縮木の在庫数極限による経済的なレンタルシステムの運用が可能となる。
【0085】
更にまた、部品発送センター端末9aに表示された上記の修理部品発送指示情報を見た部品発送担当者は、サービスステーション8に対する新たな修理用部品の発送が必要であること、及びこの修理用部品は吸着剤であることを知得でき、更に発送時期の情報が含まれている場合には、いつまでに、例えば一ヶ月以内に発送を実施すべきことを知ることが可能となり、タイムラグの無い修理用部品の発送、修理用部品の発送に関わる手続工数の削減、及びサービスステーション8や部品発送センター9における修理用部品の在庫数極限による経済的なレンタルシステムの運用が可能となる。
【0086】
[本実施例の変形例]
次に、上記に説明した本発明に関わる実施例の詳細な構成を異なるものとした変形例である酸素濃縮器レンタルシステム11を、図2の構成図を用いて説明する。
【0087】
即ち本変形例では、図1を用いて説明した酸素濃縮器レンタルシステム1の各構成は、特に断りの無い限りそのまま用い、また下記新たな構成を追加している。
【0088】
本変形例では、まず、在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する呼吸用気体供給装置(酸素濃縮器)と、管理装置5とを備え、呼吸用気体供給用装置は、所定の呼吸用気体供給装置製造所13で製造がなされて所定営業所6へ配送された後、(1)在宅患者10aの下へのレンタル供給の実行、(2)在宅患者10aの下からの回収、(3)所定サービスステーション8における修理の実行、及び(4)単数又は複数設けられた上記の所定営業所の内のいずれかへの再配送、が順次繰り返し実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムにおいて、この管理装置5は、下記(a)、及び(b)に記載の各情報に応じて、「下記(ア)と(イ)とに記載の各情報の内少なくとも一方の情報」を生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステムとすることが出来る。
(a)各所定営業所における呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(b)所定サービスステーション8における修理済みの呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(ア)呼吸用気体供給装置製造所13から各所定営業所へ配送すべき呼吸用気体供給装置の数量の情報。
(イ)所定サービスステーション8から各所定営業所へ再配送すべき呼吸用気体供給装置の数量の情報。
【0089】
ここで、上記の(a)各所定営業所における呼吸用気体供給装置の在庫数の情報及び、(b)所定サービスステーション8における修理済みの呼吸用気体供給装置の在庫数の情報は、例えば管理装置5の内部に設けられたメモリ手段に記憶し、且つ、酸素濃縮器の移動に合わせて自動及び手動にて更新するよう構成することが可能である。更新に際しては、上記に説明した実施例に見る如く営業所端末6a及びサービスステーション端末8aに表示された各指示を利用して、在庫数の情報の一部を自動更新するようにしてもよい。
【0090】
そして管理装置5は、上記の各在庫数の情報に応じて、所定のルール例えば、各営業所における酸素濃縮器2−1の在庫数を所定の数値以下にする、あるいは営業所に対して移動配送すべき酸素濃縮器が必要となった場合、酸素濃縮器製造所13にある出荷待ちの酸素濃縮器13aよりもサービスステーション8において修理が終了し出荷待ちの状態に有る酸素濃縮器2−3を優先する、等のルールに従って(ア)呼吸用気体供給装置製造所13から各所定営業所へ配送すべき呼吸用気体供給装置の数量、(イ)所定サービスステーション8から各所定営業所へ再配送すべき呼吸用気体供給装置の数量をそれぞれ決定し、サービスステーション端末8a、酸素濃縮器製造所端末13a等に表示せしめる。
【0091】
上記の構成によれば、複雑なレンタルサイクル過程における、酸素濃縮器の移動手続工数の大幅な削減、各過程における酸素濃縮器の在庫数を極限して経済性の高い酸素濃縮器レンタルシステム11を実現する、等の効果がある。
【0092】
また、本変形のシステム11は以下のように構成することも可能である。
すなわち、在宅患者10aの下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する呼吸用気体供給装置(酸素濃縮器)と、管理装置5とを備え、呼吸用気体供給用装置は、所定の呼吸用気体供給装置製造所13で製造がなされて所定営業所6へ配送された後、(1)医療機関12の医療従事者が作成した在宅患者10aに対する処方に基づくこの在宅患者10aの下へのレンタル供給の実行、(2)この在宅患者10aの下からの回収、(3)所定サービスステーション8における修理の実行、及び(4)単数又は複数設けられた所定営業所のいずれかへの再配送、が順次繰り返し実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムにおいて、管理装置5は、下記(a)、(b)、(c)、及び(d)に記載の各情報に応じて、「下記(ア)と(イ)とに記載の各情報の内の少なくとも一方の情報」を生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステムである。
(a)医療従事者が作成した在宅患者10aに対する処方の情報。
(b)各所定営業所における呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(c)所定サービスステーション8における修理済みの呼吸用気体供給装置2−3の在庫数の情報。
(d)在宅患者10aの下で運転状態にある呼吸用気体供給装置2−2から通信路7経由で取得した、この呼吸用気体供給装置の運転情報。
(ア)呼吸用気体供給装置製造所13から各所定営業所へ配送すべき呼吸用気体供給装置の数量と配送の時期との情報。
(イ)所定サービスステーション8から各所定営業所へ再配送すべき呼吸用気体供給装置の数量と配送の時期との情報。
【0093】
ここで、営業所6から、新たに患者宅10へ酸素濃縮器がレンタル供給されて在宅医療が開始されるためには医師の処方に基く指示が必要であり、この処方が電子データが許容される場合には、例えば医療機関に配置された医療機関端末12aから通信路7、営業所端末6aを経由して管理装置5へ送信することが可能であり、あるいは、紙の処方箋に基いて営業担当者が営業所端末6a等を用いて情報を入力しても良い。
【0094】
上記の処方のデータを用いれば管理装置5は酸素濃縮器を用いた新たな在宅治療の開始を確実に知得できるので、営業所6における酸素濃縮器の在庫数を人手に拠らず自動で更新することも可能となる。
【0095】
又、上記の実施例において説明したように酸素濃縮器の運転情報を用いれば、酸素濃縮器の保守(消耗部品の交換)や装置ごとの回収及び修理の必要時期が知得可能であるので、酸素濃縮器製造所13から営業所6への酸素濃縮器の移動の必要時期や数量、及びサービスステーション8から営業所6への酸素濃縮器の移動の必要時期や数量が、管理装置5は知得可能であるので、適切な時期に酸素濃縮器を移動させて在庫数を極言でき、また人手によるデータ入力を極限することが出来ることから、極めて経済性の高い酸素濃縮器レンタルシステム11を提供することができるのである。
【0096】
[その他の変形例]
更に又、上記した本発明の実施形態に係る実施例、各変形例は、下記する如くの各構成を備えるようにしてもよい。
(1) 酸素濃縮器レンタルシステムが有する酸素濃縮器は、患者に関する緊急警報や、付属のSPO2(血中酸素飽和濃度)検知装置が出力するSPO2検知結果を、所定の医療機関に送信するようにした構成。
(2) 酸素濃縮器レンタルシステムが有する酸素濃縮器は、例えば本出願人に係る特開平10−15068号公報に記載された、ジルコニウム主成分のセラミック膜である固体電解質膜を用いて酸素濃縮を行なう構成、あるいはその他の固体電解質を用いて酸素濃縮を行なう固体電解質式酸素濃縮器とした構成。
(3) 酸素濃縮器レンタルシステムが有する酸素濃縮器が具備する、患者の呼吸用気体を加湿するための加湿器は、例えば本出願人に係る特開2000−237317号公報に記載された、水蒸気分圧差を利用して水分を透過する非多孔質のフッ素樹脂系溶解拡散膜を備えて、大気圧の外気空気によって加湿することによって別途水分補給を不要とした無給水加湿器、あるいはその他の構成の無給水加湿器であり、且つ、管理装置は、先に説明を行なった酸素濃縮器の運転情報の他に、この酸素濃縮器が送出する呼吸用気体の湿度(加湿度)の情報を運転情報として用いることによって、この無給水加湿器が備えるフッ素樹脂系溶解拡散膜その他の消耗部品の適切なタイミングによる交換、補充を実行可能とした構成。
(4) 酸素濃縮器レンタルシステムが有する酸素濃縮器は、患者のコンプライアンス情報(酸素濃縮器の使用時間、使用時の設定流量など)を検知する検知装置からの検知結果の情報を、管理装置、あるいはその他の構成に対して送信する送信手段を有する構成。
【0097】
【発明の効果】
上記に詳述した如く、本発明は、所定営業所から在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する単数又は複数の呼吸用気体供給装置と、管理装置とを備え、レンタル供給中の呼吸用気体供給装置が単数又は複数具備する所定消耗部品の交換を必要に応じて実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムであって、管理装置は、在宅患者の下で運転状態にある呼吸用気体供給装置の運転情報を通信路経由で取得し、取得したこの運転情報に応じて、下記(a)に記載の消耗部品交換指示情報と(b)に記載の消耗部品発送指示情報とを生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステムとすることによって、呼吸用気体供給装置の運転に異常が発生する以前に異常の発生を予知して対処が可能であり、異常の発生原因を遠隔にて検知可能であり、異常を来した呼吸用気体供給装置の保守(消耗部品の交換等)や装置丸ごとの修理の実行に伴う部品の補充手配が容易であり、且つ、経済性の高い呼吸用気体供給装置のレンタルシステムを提供することが出来る。
(a)前記レンタル供給中の呼吸用気体供給装置の前記所定消耗部品の交換実行の指示を、(1)前記交換実行すべき所定消耗部品を特定する情報と、(2)当該呼吸用気体供給装置を特定する情報と共に、前記所定営業所に配置された営業所端末に表示するための消耗部品交換指示情報。
(b)前記消耗部品交換指示情報により特定された所定消耗部品を前記所定営業所に対して発送実行する指示を、前記所定消耗部品の発送元である所定の部品発送センターに配置された部品発送センター端末に表示するための消耗部品発送指示情報。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態の好ましい実施例である酸素濃縮器レンタルシステムの構成図である。
【図2】図1のシステムの詳細な構成を異なるものとした変形例である酸素濃縮器レンタルシステムの構成図である。
【符号の説明】
1 酸素濃縮器レンタルシステム(呼吸用気体供給装置のレンタルシステム)
2−0 酸素濃縮器(呼吸用気体供給装置)
2−1 酸素濃縮器(呼吸用気体供給装置)
2−2 酸素濃縮器(呼吸用気体供給装置)
2−3 酸素濃縮器(呼吸用気体供給装置)
5 管理装置
6a 営業所端末
7 通信路
8a サービスステーション端末
9a 部品発送センター端末
10a 在宅患者
【発明の属する技術分野】
本発明は、呼吸疾患等の患者に呼吸用気体を提供する呼吸用気体供給装置のレンタルシステムに係り、特に、この呼吸用気体供給装置の保守(消耗部品の交換等)や装置ごとの交換修理が容易に実行可能な構成に関し、酸素富化した(酸素を濃縮した)空気をこの呼吸用気体として提供する酸素濃縮器のレンタルシステムに最適な構成を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、呼吸器疾患の患者に対して酸素ボンベから供給する酸素療法が行われており、最近では空気中の酸素を分離濃縮して酸素濃縮気体を得るための酸素濃縮器が開発され、それを用いた酸素療法が次第に普及するようになって来ている。
【0003】
かかる酸素濃縮器としては、例えば窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を酸素濃縮機能部として用いた吸着型酸素濃縮器や、酸素選択透過性膜を酸素濃縮機能部として用いた膜型酸素濃縮器がある。
【0004】
尚、酸素療法が用いられる他の酸素供給方式として、液体酸素から適当に制御された速度で蒸発した酸素を患者に供給する方法も知られている。
【0005】
かかる酸素濃縮器は、病院において使用されるのみならず、在宅医療用に家庭においても使用される場合が次第に多くなってきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
これらの酸素濃縮器について、酸素濃縮器が正常な運転状態にあるか否かを把握できるようなシステムが提供されている。すなわち酸素濃縮器の内部には、この装置の運転状態を検出するためのセンサー手段が配設されており、このセンサー手段の出力信号がインターネット通信網や電話通信路等の通信路を介して、酸素濃縮器の動作を監視するための所定の監視センターへ送信され、この送信信号中に異常が発見された場合には、サービスマンや営業担当者等の保守担当者が、酸素濃縮器が配置された患者宅まで出向いて保守部品交換あるいは酸素濃縮器全体を新たな他の酸素濃縮器へ交換する等の対策を取ることが実践されている。
【0007】
しかしながら、上記に説明した従来技術構成によれば、(1)酸素濃縮器の運転状態に異常が発生して初めて、上記の監視センターは異常の発生を知り得るので、異常が発生してから保守部品交換等の対処が実行されて酸素濃縮器の正常運転が可能となるまでタイムラグが生じる可能性があり、この酸素濃縮器を用いる患者の健康に影響が生じる恐れがある、(2)異常を検知しても酸素濃縮器のどの構成部品に異常が生じたのか正確な特定が困難であるので、保守担当者は交換の可能性がある多くの交換部品を全て携行して在宅患者の下に急行しなければならない、(3)異常を来した酸素濃縮器の部品を交換して復帰を行なった後、交換部品をストックしてある例えば営業所等の拠点では、使用した交換部品の補充のために部品センター等に交換部品を発注する必要があり膨大な工数を要する、等の本質的に解決困難な問題が存在した。
【0008】
上記した各問題は、異常を来した酸素濃縮器の消耗部品(例えば吸気フィルター)を在宅患者宅又は営業所にて交換して対処する場合のみではなく、酸素濃縮器を丸ごと回収して(患者に対しては代替用の酸素濃縮器を提供する)修理を行なう場合でも、同様に発生し得るものである。
【0009】
即ち、上記の酸素濃縮器の交換の場合でも、新たな酸素濃縮器が患者宅に到着して患者が使用できるようになるまでにタイムラグが生じる可能性があり、異常発生原因の特定が困難であり、又、異常を来して回収した酸素濃縮器をサービスセンターに送って修理を実施する場合に用いる修理用部品(例えば、窒素の吸着剤)は、使用数を部品センター等から取り寄せる必要があり多大な工数を要するものであった。
【0010】
また、上記のタイムラグを解消せんとして、予め定めた点検タイミングで患者宅を巡回して酸素濃縮器を定期点検して所定の消耗部品を交換する等の方法では、安全度を見て早めに部品を交換せざるを得ず、経済的な運用が困難であった。
【0011】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであって、特に所定営業所から在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する単数又は複数の呼吸用気体供給装置と、管理装置とを備え、レンタル供給中の呼吸用気体供給装置が単数又は複数具備する所定消耗部品の交換を必要に応じて実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムであって、管理装置は、在宅患者の下で運転状態にある呼吸用気体供給装置の運転情報を通信路経由で取得し、取得したこの運転情報に応じて、下記(a)に記載の消耗部品交換指示情報と(b)に記載の消耗部品発送指示情報とを生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステムとすることによって、呼吸用気体供給装置の運転に異常が発生する以前に異常の発生を予知して対処が可能であり、異常の発生原因を遠隔にて検知可能であり、異常を来した呼吸用気体供給装置の保守(消耗部品の交換等)や装置丸ごとの修理の実行に伴う部品の補充手配が容易であり、且つ、経済性の高い呼吸用気体供給装置のレンタルシステムを提供することを目的とする。
(a)前記レンタル供給中の呼吸用気体供給装置の前記所定消耗部品の交換実行の指示を、(1)前記交換実行すべき所定消耗部品を特定する情報と、(2)当該呼吸用気体供給装置を特定する情報と共に、前記所定営業所に配置された営業所端末に表示するための消耗部品交換指示情報。
(b)前記消耗部品交換指示情報により特定された所定消耗部品を前記所定営業所に対して発送実行する指示を、前記所定消耗部品の発送元である所定の部品発送センターに配置された部品発送センター端末に表示するための消耗部品発送指示情報。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、下記1)〜7)に記載の各構成を有する呼吸用気体供給装置のレンタルシステムを提供する。
【0013】
1) 所定営業所から在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する単数又は複数の呼吸用気体供給装置と、管理装置とを備え、前記レンタル供給中の呼吸用気体供給装置が単数又は複数具備する所定消耗部品の交換を必要に応じて実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムであって、
前記管理装置は、
前記在宅患者の下で運転状態にある前記呼吸用気体供給装置の運転情報を通信路経由で取得し、取得したこの運転情報に応じて、下記(a)に記載の消耗部品交換指示情報と(b)に記載の消耗部品発送指示情報とを生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
(a)前記レンタル供給中の呼吸用気体供給装置の前記所定消耗部品の交換実行の指示を、(1)前記交換実行すべき所定消耗部品を特定する情報と、(2)当該呼吸用気体供給装置を特定する情報と共に、前記所定営業所に配置された営業所端末に表示するための消耗部品交換指示情報。
(b)前記消耗部品交換指示情報により特定された所定消耗部品を前記所定営業所に対して発送実行する指示を、前記所定消耗部品の発送元である所定の部品発送センターに配置された部品発送センター端末に表示するための消耗部品発送指示情報。
【0014】
2) 前記消耗部品交換指示情報は、前記所定消耗部品の前記交換実行をすべき時期の情報を含み、且つ、
前記消耗部品発送指示情報は、前記所定消耗部品を前記所定営業所に対して発送実行すべき時期の情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
【0015】
3) 所定営業所から在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する複数の呼吸用気体供給装置と、管理装置とを備え、前記呼吸用気体供給装置が、所定の呼吸用気体供給装置製造所で製造がなされて所定営業所へ配送された後、(1)前記在宅患者の下への前記レンタル供給の実行、(2)前記在宅患者の下からの回収、(3)所定サービスステーションにおける修理の実行、及び(4)単数又は複数設けられた前記所定営業所の内のいずれかへの再配送、が順次繰り返し実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムにおいて、
前記管理装置は、
前記在宅患者の下で運転状態にある前記呼吸用気体供給装置の運転情報を通信路経由で取得し、取得したこの運転情報に応じて、下記(a)に記載の装置交換指示情報、及び、「下記(b)に記載の装置発送指示報と、下記(c)に記載の修理用部品発送指示情報と、の内の少なくとも一方の情報」を生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
(a)当該呼吸用気体供給用装置を前記在宅患者の下から回収して他の前記呼吸用気体供給装置との交換実行することの指示を、当該所定営業所に設けられた営業所端末に表示するための装置交換指示情報。
(b)前記修理が終了したいずれかの呼吸用気体供給装置を当該所定営業所へ再配送実行して次のレンタル供給に備えることの指示を、当該所定営業所を特定するための情報と共に、前記サービスステーションに配置されたサービスステーション端末に表示するための装置発送指示情報。
(c)前記回収した呼吸用気体供給装置を前記サービスステーションにおいて修理実行する際に必要となる修理用部品を前記サービスステーションへ発送実行することの指示を、前記修理用部品の発送元である所定の部品発送センターに配置された部品発送センター端末に表示するための修理用部品発送指示情報。
【0016】
4) 前記装置交換指示情報は、当該呼吸用気体供給用装置を前記回収及び交換を実行すべき時期の情報を含み、且つ、
前記装置発送指示情報は、前記修理が終了したいずれかの呼吸用気体供給装置を前記再配送を実行すべき時期の情報を含み、且つ、
前記修理用部品発送指示情報は、前記修理用部品を前記発送実行をすべき時期の情報を含むことを特徴とする請求項3に記載の呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
【0017】
5) 在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する呼吸用気体供給装置と、管理装置とを備え、前記呼吸用気体供給用装置が、所定の呼吸用気体供給装置製造所で製造がなされて所定営業所へ配送された後、(1)前記在宅患者の下へのレンタル供給の実行、(2)前記在宅患者の下からの回収、(3)所定サービスステーションにおける修理の実行、及び(4)単数又は複数設けられた前記所定営業所の内のいずれかへの再配送、が順次繰り返し実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムにおいて、
前記管理装置は、
下記(a)、及び(b)に記載の各情報に応じて、「下記(ア)と(イ)とに記載の各情報の内少なくとも一方の情報」を生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
(a)前記各所定営業所における前記呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(b)前記所定サービスステーションにおける前記修理済みの呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(ア)前記呼吸用気体供給装置製造所から前記各所定営業所へ配送すべき前記呼吸用気体供給装置の数量の情報。
(イ)前記所定サービスステーションから前記各所定営業所へ再配送すべき前記呼吸用気体供給装置の数量の情報。
【0018】
6) 在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する呼吸用気体供給装置と、管理装置とを備え、前記呼吸用気体供給用装置が、所定の呼吸用気体供給装置製造所で製造がなされて所定営業所へ配送された後、(1)医療機関の医療従事者が作成した前記在宅患者に対する処方に基づくこの在宅患者の下へのレンタル供給の実行、(2)前記在宅患者の下からの回収、(3)所定サービスステーションにおける修理の実行、及び(4)単数又は複数設けられた前記所定営業所のいずれかへの再配送、が順次繰り返し実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムにおいて、
前記管理装置は、
下記(a)、(b)、(c)、及び(d)に記載の各情報に応じて、「下記(ア)と(イ)とに記載の各情報の内の少なくとも一方の情報」を生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
(a)前記医療従事者が作成した前記在宅患者に対する処方の情報。
(b)前記各所定営業所における前記呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(c)前記所定サービスステーションにおける前記修理済みの呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(d)前記在宅患者の下で運転状態にある前記呼吸用気体供給装置から通信路経由で取得した、この呼吸用気体供給装置の運転情報。
(ア)前記呼吸用気体供給装置製造所から前記各所定営業所へ配送すべき前記呼吸用気体供給装置の数量と前記配送の時期との情報。
(イ)前記所定サービスステーションから前記各所定営業所へ再配送すべき前記呼吸用気体供給装置の数量と前記配送の時期との情報。
【0019】
7) 前記呼吸用気体供給装置は、酸素を富化した空気を前記呼吸用気体として供給する酸素濃縮器であり、且つ、
前記運転情報は、「下記(A)乃至(E)に記載された各情報の内の少なくとも1の情報」を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
(A)前記酸素濃縮器の吸気側温度及び/又は排気側温度の情報。
(B)前記酸素濃縮器が具備する構成の内部の圧力の情報。
(C)前記酸素濃縮器が供給する前記呼吸用気体の酸素濃度の情報。
(D)前記酸素濃縮器が供給する前記呼吸用気体の供給流量を所定の設定手段で設定した設定流量の情報、及び/又は前記酸素濃縮器が実際に供給する前記呼吸用気体の実流量の情報。
(E)前記酸素濃縮器が供給する前記呼吸用気体の湿度の情報。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る好ましい実施例である酸素濃縮器レンタルシステムを、図1及び図2を参照して説明する。
【0021】
図1は本実施例の酸素濃縮器レンタルシステムの構成図、図2は図1のシステムの細部の構成を変形した変形例の構成図である。
【0022】
[本発明の構成の概要]
本実施例の構成を説明するに先立ち、本発明の構成の概要を説明する。本発明は下記の如くの各構成を含んでいる。
【0023】
本発明者らは、かかる医療用酸素濃縮器等のマイクロコンピュータ制御呼吸用気体供給装置の保守作業を効率的に行う呼吸用気体供給装置保守システムを提供すべく鋭意検討した結果、各家庭の如く分散して配置された個々のマイクロコンピュータ制御呼吸用気体供給装置(以下単に呼吸用気体供給装置ともいう)に特定の情報収集機能を具備せしめ、それを通信回線との送受信機能を付加して、情報収集のためのセンターである管理装置と結ぶことによりマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の運転状態を継続的に監視し、保守または交換が必要な場合に管理装置より保守部品の発注または該マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の発注と保守または交換を行う営業所への納品と保守予定表示装置により保守作業指示を管理装置より行うことが実用上有効であることを見い出し、本発明に到達した。
【0024】
即ち本発明は、呼吸器疾患患者等に呼吸用気体を供給する呼吸気体供給装置と、該呼吸用気体供給装置の運転情報の収集と通信手段と送受信機能を有する情報収集送受信装置と、該情報収集送受信装置から情報の受信機能と該情報収集送受信装置への情報の送信機能を有する管理装置からなる呼吸気体供給システムであり、管理装置はマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の運転状態を継続的に監視し、保守または交換が必要な場合に管理装置より保守部品の発注または該マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の発注と保守または交換を行う営業所へ納品と保守予定表示装置により保守作業指示を行うことができることを特徴とする呼吸用気体供給装置保守システムを提供するものである。
【0025】
かかる本発明の呼吸用気体供給システムには、より好ましい態様として、該呼吸用気体供給装置が使用に供するための呼吸用気体の流量設定手段を具備するものであって、該情報が該流量設定手段における流量設定値に関するものである呼吸用気体供給システム;該呼吸用気体供給装置がその運転時間を検知する手段を有するものであって、該情報が該運転時間に関するものである呼吸用気体供給システム;該呼吸用気体供給装置が、それを使用する患者に関する緊急警報,該患者の血中酸素濃度の検知手段等の患者情報の入力手段の少なくとも1種を具備するものであって、該情報が各々該緊急警報,該血中酸素濃度等の患者情報である呼吸用気体供給システム;該呼吸用気体発生手段が、空気から酸素濃度の高められた酸素濃縮気体を分離するための酸素濃縮機能部と、該酸素濃縮機能部に空気を供給し又は該酸素濃縮機能部から酸素濃縮気体を取り出すための電動機付ポンプ手段とを具備したものであり、該呼吸用気体供給装置が空気,濃縮気体等の気体の圧力,温度,酸素濃縮気体の酸素濃度及び流量の少なくとも1種の情報を検知し、あらかじめ入力された対応する所定値と比較する手段を有し、該少なくとも1種の情報が対応する該所定値に比較して異常と認められる場合に、異常警報として検知するものである呼吸用気体供給システム;該情報が過電流、マイクロコンピュータ制御命令の作動異常及び電源電圧の異常の少なくとも1種に関するものである呼吸用気体供給システム;呼吸用気体発生手段が液面又は重量検知手段を具備した液体酸素貯留手段からなるものであって、該情報が貯留された液体酸素の液面又は重量に関するものである呼吸用気体供給システム;アナログ信号をデジタル信号に変換するためのA/D信号変換手段及び通信用信号に変化するためのパラレル/シリアル変換手段を有する呼吸用気体供給システム;通信回線として電話回線を使用するものであり、送信先電話番号を記憶する手段と接続された電話器の利用時の送信を防止するための送信コントロール手段を具備したものである呼吸用気体供給システム;及び該管理装置が受信された情報の表示手段,該情報の記憶手段,該情報を用いた演算を行う演算手段の少なくとも1種を具備し、かつ該呼吸用気体供給装置の保守部品の交換あるいは酸素濃縮器の交換等の対策を取るため、管理装置より保守部品の発注または該マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の発注と保守または交換を行う営業所へ納品と保守予定表示装置により保守作業指示を表示する機能を有したものである呼吸用気体供給装置保守システムが含まれる。尚、かかる管理装置には、表示画面やプリンター等の表示手段を具備せしめることが実用上より好ましい。
【0026】
これらは各々、呼吸用気体供給装置の使用状態やその保守管理をより容易に且つ確実に行うことができる実用上優れた効果を奏する。
【0027】
さらに、管理装置はマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の吸気側温度と排気側温度を比較し、あらかじめ定められた温度差範囲を外れた場合に吸気側フィルターの発注と保守を行う営業所への納品と保守予定表示装置により保守作業指示が行えることが好ましい。これにより、呼吸気体供給装置に使用している吸気側フィルターに付着した埃で設定流量値を外れた流量で運転されている場合には設定流量値での運転に復帰することが可能となる。
【0028】
また、管理装置はマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の吸気側温度と排気側温度を継続的に監視し、取得データにより吸気側フィルターの交換が必要と判断された場合にフィルターの発注と保守を行う営業所への納品と保守予定表示装置により保守作業指示が行えること、マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の圧力値を継続的に監視し、取得データにより吸着剤の交換が必要と判断された場合に交換用吸着材の発注と保守を行うサービスセンターへの納品と保守予定表示装置によりマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の交換を行う営業所への交換作業指示を行えること、マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の酸素濃度値を継続的に監視し、継続取得データにより吸着剤の交換が必要と判断された場合に交換用吸着材の発注と保守を行うサービスセンターへの納品と保守予定表示装置によりマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の交換を行う営業所へ交換作業指示を行えること、マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の設定流量値と実流量値を継続的に監視し、継続取得データにより流量設定器の交換が必要と判断された場合に交換用流量設定器の発注と保守を行うサービスセンターへの納品と保守予定表示装置により保守作業指示を行えることおよびマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の設定流量値と実流量値を継続的に監視し、継続取得データにより流量設定器の交換が必要と判断された場合に交換用流量設定器の発注と保守を行うサービスセンターへの納品とマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置の交換を行う営業所へ保守予定表示装置により交換作業指示を行えることが好ましい。
【0029】
かかる構成によって、呼吸用気体供給装置の保守作業がより効率的にできるようになる利点が得られる。
【0030】
さらに前記の本発明には、該呼吸用気体供給装置と該情報収集送受信装置を組み合わせた複数の組が、各々通信回線を介して1個の管理装置に接続されている呼吸用気体供給システム;及び該呼吸用気体供給装置と該情報収集送受信装置を組み合わせた複数の組が各々通信回線を介して1個の管理装置に接続され、さらに該管理装置に各々の通信回線を介して複数の転送情報受管理装置が接続されている呼吸用気体供給システムが含まれる。かかるシステムによって多数の呼吸用気体供給装置の管理が容易になり、特に在宅で使用される場合に有効である。
【0031】
さらに本発明には、呼吸用気体発生手段と、呼吸用気体を使用に供するための呼吸用気体供給手段と、該発生手段及び供給手段の使用に関する情報を検知又は入力により収集するための情報収集手段と、必要に応じて該情報を変換するための変換手段と、必要に応じて情報を記憶するための記憶手段とを備えた呼吸用気体供給装置を提供するものである。かかる装置は、前記した如き利点を有するシステムに容易に適合できるものである。
【0032】
[実施例の構成]
次に、本実施例の酸素濃縮器レンタルシステムの構成を、図1の構成図に従って説明する。
【0033】
図1において本実施例の酸素濃縮器レンタルシステム1は、呼吸疾患等を患う在宅患者10aがこの酸素濃縮器2−2を用いて在宅治療を行なう患者宅10、患者宅10の酸素濃縮器2−2の運転状態監視その他を行なう監視センター4、酸素濃縮器を供給する業者(以下、単に供給業者ともいう)の営業所6、酸素濃縮器2−3の修理を行なう供給業者のサービスセンター8、及び酸素濃縮器の保守や修理に必要となる部品をストックしておき要求に応じてこの部品を要求元に発想する供給業者の部品発送センター9それぞれに、下記する如くの各構成が配置されている。
【0034】
すなわち、患者宅10には、使用状態にある酸素濃縮器2−2と、この酸素濃縮器2−2に付随して配設され、この酸素濃縮器2−2の運転情報(吸気温度、排気温度、酸素濃縮器が具備する構成の内部の圧力、呼吸用気体の設定流量値、呼吸用気体の実流量値その他)等の情報をこの酸素濃縮器2−2から取得して通信路7へ送信する情報送信装置3が配置されている。尚、情報送信装置3は、酸素濃縮器2−2と別体あるいは一体として構成可能であり、通信路7はインターネット通信網、電話回線、専用回線等種々の構成が可能であり、また有線路、無線路のいずれにも限定されない。
【0035】
又、監視センター4には、上記の通信路7を介して情報送信装置3と接続する管理装置5が配置されている。この管理装置7は情報送信装置3が送信した運転情報その他の情報を受信して評価し、酸素濃縮器2−2の運転状態の監視と、異常を予知した場合の各種の情報の生成、送信その他を行なうものであり、例えば汎用のコンピュータに本システム1専用のコンピュータプログラムがインストールされることにより実現されるものである。その動作の詳細は後記する。
【0036】
更に、営業所6には、汎用のパーソナルコンピュータに本システム1専用のコンピュータプログラムがインストールされるなどして実現される営業所端末6aが配置されている。この営業所端末6aは通信路7を介して管理装置5に接続し、管理装置5との間で種々の情報の送受信を行ない、又、上記のコンピュータプログラムに従って付属の表示手段に種々の情報の表示を行なう等の機能を有する。
【0037】
更に又、サービスステーション8には、上記と同様に、汎用のパーソナルコンピュータに本システム1専用のコンピュータプログラムがインストールされるなどして実現されるサービスステーション端末8aが配置されている。このサービスステーション端末8aは通信路7を介して管理装置5に接続し、管理装置5との間で種々の情報の送受信を行ない、又、上記のコンピュータプログラムに従って付属の表示手段に種々の情報の表示を行なう等の機能を有する点も、上記と同様である。
【0038】
更に又、部品発送センター9には、上記と同様に、汎用のパーソナルコンピュータに本システム1専用のコンピュータプログラムがインストールされるなどして実現される部品発送センター端末9aが配置されている。この部品発送センター端末9aは通信路7を介して管理装置5に接続し、管理装置5との間で種々の情報の送受信を行ない、又、上記のコンピュータプログラムに従って付属の表示手段に種々の情報の表示を行なう等の機能を有する点も、上記と同様である。
【0039】
本システム1において酸素濃縮器2−1、2−2、2−3は、所定の酸素濃縮器製造所(図示しない)で製造がなされて営業所6へ配送されてレンタル供給に対しスタンバイする状態2−1、患者宅10の在宅患者の下へのレンタル供給が実行されてこの患者10aが使用する状態2−2、この在宅患者宅10から回収され、サービスステーション8において修理が実行された後、単数又は複数設けられた営業所の内のいずれかへの再配送に対しスタンバイする状態2−3、そしてこの営業所6に再配送されて次のレンタル供給に対してスタンバイする状態2−1、が順次繰り返し実行可能であり、所謂レンタルサイクルを形成している。
【0040】
尚、本システム1における患者宅10、監視センター4、営業所6、サービスセンター8、及び部品発送センター9、はいずれも単数でも複数でも構成が可能であり、図1は図示の都合上それぞれ1つを示してあるものである。また酸素濃縮器は、修理のために装置ごとの交換を実行するため、及びレンタルサイクルの運用を円滑に行なうために複数であることが望ましい。
【0041】
[酸素濃縮器、及び管理装置の構成]
上記の如く酸素濃縮器は、まず最初に営業所6に配置され(2−1)、医療従事者の処方に基づいてレンタル供給が指示されると、患者宅10に配送されて、カニューラと呼ぶ管状部材から酸素富化した呼吸用気体を患者10aの鼻腔付近に噴出せしめ、患者10aの呼吸に供する(2−2)。
【0042】
この酸素濃縮器2−2にはその運転情報(上記したように、酸素濃縮器の吸気温度、排気温度、酸素濃縮器が具備する構成の内部の圧力、呼吸用気体の設定流量値、呼吸用気体の実流量値その他である)を取得するための情報収集装置(図示しない)が内部に配設されている。また上記の管理装置5と情報の送受を行なうための情報送受信装置3を内部又は外部に備える点を先に説明した。
【0043】
上記の管理装置5は、酸素濃縮器(以下、マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置、あるいは呼吸用気体供給装置ともいう)2−2の運転状態を継続的に監視し、保守または交換が必要な場合にこの管理装置5より保守部品の発注、または代替となる新たな該マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−1の発注と保守または交換を行う営業所へ納品と保守予定表示装置により保守作業指示が行えるものであり、その動作の詳細は後記する。
【0044】
かかる呼吸用気体供給装置2−2は、その内部に、呼吸用気体の発生手段と、その気体を使用に供するための供給手段と、それらの使用に関する情報を収集するための情報収集手段と、それらの情報を必要に応じて変換するための変換手段と、それらの情報を必要に応じて記憶するための記憶手段を具備したものであり(いずれも図示しない)、これらの手段はあらかじめ上記の記憶手段により保存されたマイクロコンピュータ命令により制御される。
【0045】
尚かかる記憶手段の具体例としては、RAM(ランダムアクセスメモリー)とバッテリーとを組み合わせたものや、不揮発性メモリーがあげられる。また記憶手段は独立していてもよいが、変換手段の中に組み込んでもよい。
【0046】
呼吸用気体には、空気,呼吸の補助のために用いられる空気から分離濃縮された酸素濃縮気体(即ち濃縮酸素)や酸素の他、それに薬剤の蒸気等を混入したもの等が含まれ、医療用には通常酸素濃縮気体や酸素が用いられることが多い。
【0047】
呼吸用気体の発生手段としては、例えば所定量の酸素流出機能部を備えた酸素ボンベ,空気中から酸素濃縮気体を分離するための酸素濃縮器,所定量の酸素流出機能部を備えた液体酸素貯留タンク等があげられる。尚酸素濃縮器としては、吸着型、膜型の他、場合によっては磁気を利用したもの等がある。例えば圧力変動吸着型酸素濃縮器,膜型酸素濃縮器の場合には、各々空気から酸素濃度の高められた酸素濃縮気体を分離するための酸素濃縮機能部として、酸素又は窒素を選択的に吸着し得る吸着剤を充填した1基又は2基以上の吸着床,酸素を選択的に透過し得る膜のモジュールが用いられ、通常各々吸着床に圧縮空気を導入するためのコンプレッサ,膜モジュールの一方側の空間を減圧せしめるための真空ポンプなる電動機付のポンプ手段が用いられる。さらに必要に応じて、これらのポンプ手段を冷却するための冷却風を生じさせるためのファン手段が具備される。また酸素濃縮機能部やポンプ手段を作用的に連結せしめるための導管手段や、その導管手段に必要な自動又は手動の開閉弁が具備されている。
【0048】
呼吸用気体を使用に供する供給手段としては、導管手段,鼻カニューラ,マスク等を具備したものがあげられる。
【0049】
情報収集手段は、これらの発生手段や供給手段の使用に関する情報を収集するためのものであって、その収集のために必要に応じて検知手段や外部入力手段を具備していることが望ましい。かかる情報としては、発生手段に応じて適宜選択されるが、例えば膜型,吸着型等の酸素濃縮器の場合には、圧力,酸素濃度,流量,濃縮器内の温度,電流,電源電圧や内蔵コンピュータ制御命令等についての異常に関するもの、必要に応じて測定される酸素濃度や流量,圧力,温度(酸素濃縮器2−2の吸気側温度及び/又は排気側温度)、濃縮器の運転時間,使用流量設定値,濃縮器の器台番号,患者の氏名や血中酸素濃度等の患者に関する情報等があげられる。
【0050】
また液体酸素貯留器の場合の特有の情報としては、液面,全体の重量等があげられる。尚これらの情報は、その装置に具備される検知手段によって検知されて収集されるものであってもよく、その他の例えば、酸素濃度検出器や流量計等を具備した検出器(即ちテスター)を必要に応じて酸素濃縮器に接続せしめることによって検知されて入力手段により入力されて収集されるものであってもよい。
【0051】
異常に関する情報については、例えば呼吸用気体発生手段が酸素濃縮器の場合には、それに具備された又は必要に応じて外部から接続された検知手段によって検知された気体の圧力,温度,酸素濃度,流量等に関する情報を、あらかじめ入力されて記憶された各々の所定値と比較手段により比較し、それらの比較の結果から少なくとも一種の情報について異常と判断される場合に異常警報として検知するようにすることが望ましい。
【0052】
尚、ここで気体の圧力とは、例えば圧力変動吸着型酸素濃縮器の場合に通常チェックされる吸着床や酸素濃縮気体の貯留タンク内の圧力や、膜型酸素濃縮器の場合の真空ポンプにより減圧された領域内の圧力等であり、すなわち酸素濃縮器2−2が具備する構成の内部の圧力である。
【0053】
また温度は、例えば吸着型,膜型の酸素濃縮器の場合の器のコンプレッサ室や真空ポンプ室の内部空間の温度、あるいは吸気温度、排気温度等をいう。
【0054】
流量としては、この酸素濃縮器2−2が供給する呼吸用気体の供給流量を所定の設定手段(例えば酸素濃縮器2−2に付属する回転ダイアル式流量切換手段)で設定した設定流量の情報、及び/又はこの酸素濃縮器2−2が実際に供給する呼吸用気体流量の実測値の情報等をいう。
【0055】
本実施例の呼吸用気体供給装置2−2に具備される変換手段としては、例えばこれらの運転情報等がアナログ信号の場合に、アナログ/デジタル(A/D)変換手段や、送信の為のパラレル/シリアル信号変換手段があげられる。尚、情報が接点信号,運転信号によるものの場合にはかかる変換手段を経ることなくそのまま使用されることが望ましい。
【0056】
また異常に関する情報として過電流,電源電圧の異常等の少なくとも一種を用いることが望ましい。
【0057】
さらに異常に関する情報としてコンピュータ制御命令の異常を検知できるよう、制御命令を保存したメモリのチェックサムを用いることが望ましい。
【0058】
本実施例の酸素濃縮器レンタルシステム1において、上記の酸素濃縮器2−2の運転情報等を送信するための送信手段の好ましい具体例としてはネットワーク制御手段があげられ、通信手段(情報送受信装置3)の好ましい具体例としては電話回線を使用するものがあげられる。特に送信手段が送信先の電話番号や送信スケジュール等を記憶する記憶手段を具備し、更に電話回線との接続手段を備え、それに接続された電話器が利用されていない時においてのみ送信できるようにするための送信コントロール手段を具備したネットワーク制御手段が実用上有利に用いられる。尚通信手段である電話回線としては、送信手段と電話局間に通信電話回線を、電話局と管理装置間に専用回線を用いることが望ましい。
【0059】
また本システム1における管理装置5には、情報の種類につき必要に応じて、呼吸用気体供給装置2−2の変換手段で変換された情報を例えばシリアル/パラレル変換の如く逆変換するための手段を備えることが実用上好ましい。さらにかかる管理装置5には、受信された情報を出力して表示するための表示画面やプリンターの如き表示手段を具備することが好ましい。
【0060】
また、管理装置5には、受信された情報を用いて各種の演算を行うための演算手段を具備しており、マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の運転状態を継続的に監視し、保守または交換が必要な場合に管理装置より保守部品の発注または該マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の発注と保守または交換を行う営業所へ納品と保守予定表示装置(部品発送センター端末9a)により保守作業指示をする機能を具備する。
【0061】
さらに、本システム1における管理装置5は、マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の吸気側温度と排気側温度とを比較し、あらかじめ定められた温度差範囲を外れた場合に吸気側フィルターの発注と保守を行う営業所への納品と保守予定表示装置により保守作業指示が行える機能と、マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の吸気側温度と排気側温度とを継続的に監視し、取得データにより吸気側フィルターの交換が必要と判断された場合にフィルターの発注と保守を行う営業所への納品と保守予定表示装置(営業所端末6a)により保守作業指示を行う機能;マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の圧力値を継続的に監視し、取得データにより吸着剤の交換が必要と判断された場合に交換用吸着材の発注と保守を行うサービスセンターへの納品と保守予定表示装置(営業所端末6a)によりマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の交換を行う営業所6への交換作業指示を行う機能;マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の酸素濃度値を継続的に監視し、継続取得データにより吸着剤の交換が必要と判断された場合に交換用吸着材の発注と保守を行うサービスセンター8への納品と保守予定表示装置によりマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の交換を行う営業所へ交換作業指示を行う機能;マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の設定流量値と実流量値を継続的に監視し、継続取得データにより流量設定器の交換が必要と判断された場合に交換用流量設定器2−2の発注と保守を行うサービスセンター8への納品と保守予定表示装置により保守作業指示を行う機能;マイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の設定流量値と実流量値を継続的に監視し、継続取得データにより流量設定器の交換が必要と判断された場合に交換用流量設定器の発注と保守を行うサービスセンターへの納品とマイクロコンピュータ制御呼吸気体供給装置2−2の交換を行う営業所へ保守予定表示装置により交換作業指示を行う機能等を具備する。
【0062】
本システム1における管理装置5には、さらに本システム1が有する他の管理装置5(図示しない)に転送するための機能部を、自動転送機能部に具備せしめることが好ましい。かかる自動転送機能部には、通信手段が接続され、その先に転送情報受信手段が具備されている必要がある。尚かかる転送情報として緊急対策を必要とする警報を採用して、その情報を発した呼吸用気体供給装置のアフターケアを担当する営業所6に配置された又は担当者が携帯している転送情報受信手段に転送せしめるようにすることが実用上好ましい。かかる転送情報受信手段は、常時作動するものであってもよく、あるいは夜間,休日にのみ作動するようにしたものであってもよい。
【0063】
また本システム1の構成として、呼吸用気体供給装置2−2と送信手段(情報送受信装置3)とを組み合わせた複数の組が、各々通信手段を介して1個の管理装置5に接続されたものがあげられる。かくして多数の呼吸用気体供給装置を、コンピュータ手段を組み込んだセンター機能を有する1台の管理装置5に、送信手段を介して接続せしめることができ、個々の装置の運転状態,使用の履歴,場合によっては使用している患者の状態等をも集中的に把握することが容易にできる。尚、複数の呼吸用気体供給装置を1個の送信手段と組み合わせて1組の組としてもよい。
【0064】
呼吸用気体供給装置と送信手段を組み合わせた複数の組を通信手段を介して1個の管理装置に接続せしめ、さらにその管理装置から複数の転送情報管理装置と別々の通信手段により接続せしめたシステムが実用上より有効である。また呼吸用気体供給装置と送信手段を組み合わせた複数の組を通信手段を介して1個の管理装置を接続せしめたものをサブシステムとし、かかるサブシステムの複数組を通信手段を介してさらにセンター機器としての1個の管理装置に接続せしめたシステムとしてもよい。
【0065】
[消耗部品交換のための動作]
次に、上記に説明した構成を有する本実施例の酸素濃縮器レンタルシステム1の動作を、各動作局面毎に説明する。
【0066】
最初に、患者宅10に配置されて使用されている酸素濃縮器2−2の消耗部品を交換する保守作業の実行に伴う本システム1の動作を説明する。
【0067】
尚、以下の説明では、酸素濃縮器2−2から取得可能な様々な運転情報の内、吸気温度と排気温度とを用いて、吸気フィルターの交換を行なう保守作業の実行を一例として説明を行なう。吸気温度及び排気温度以外の運転情報を用いる場合、及び吸気フィルター以外の交換を行なう場合もまた同様の所定動作を本システム1は実行するものであり、その動作の詳細は上記した本システム1構成の記載、及び以下の説明から容易に類推可能であるので説明の重複を避けることとする。
【0068】
さて、患者宅10にある酸素濃縮器2−2からは様々な運転情報が取得され、常時あるいは適宜、情報送受信装置3及び通信路7を介して管理装置5に送信がなされることは先に説明した通りである。
【0069】
管理装置5は、上記の運転情報を受信して酸素濃縮器2−2の運転状況を監視しており、例えば運転情報中の吸気温度と、排気温度との差の値が、予め定めた所定値を越えた場合には、この酸素濃縮器2−2が具備する吸気フィルターの交換が必要であることを知得する。
【0070】
ここで、管理装置5は、上記の吸気温度及び排気温度の差の値、あるいは各温度の変化履歴等の情報を用いて、上記の吸気フィルターの交換を実行すべき時期を検出することも出来る。
【0071】
次に、管理装置5は、上記の知得の結果に基いて、(a)患者宅10にレンタル供給中の酸素濃縮器2−2の所定消耗部品である吸気フィルターの交換実行の指示を、(1)交換実行すべき所定消耗部品を特定する情報と、(2)この呼吸用気体供給装置を特定する情報と共に、営業所6に配置された営業所端末6aに表示するための消耗部品交換指示情報を生成して、通信路7で営業所端末6aへ送信し、この営業所端末6aが有する表示手段の表示画面上に表示させる。
【0072】
更に管理装置5は、(b)上記した消耗部品交換指示情報により特定された所定消耗部品である吸気フィルターをこの営業所6に対して発送実行する指示を、この所定消耗部品である吸気フィルターの発送元である部品発送センター9に配置された部品発送センター端末9aに表示するための消耗部品発送指示情報を生成して、通信路7経由で送信し、部品発送センター端末9aが有する所定表示手段の表示画面上に表示させる。
【0073】
尚、上記の消耗部品交換支持情報は、所定消耗部品である吸気フィルター交換実行をすべき時期の情報を含んでもよいし、又、上記の消耗部品発送指示情報は、所定消耗部品であるこの吸気フィルターをこの営業所6に対して発送実行すべき時期の情報を含むようにしてもよい。
【0074】
営業所端末6aに表示された上記の消耗部品交換指示情報を見た保守担当者(営業担当者、サービスマン等)は、この酸素濃縮器2−2が消耗部品の交換を必要としていること、交換が必要な消耗部品は吸気フィルターであることを知得でき、更に交換実施時期の情報が含まれている場合には、いつまでに、例えば一ヶ月以内に交換を実施すべきことを知ることが可能となり、タイムラグの無い消耗部品の交換、消耗部品を予め特定した効率的な交換作業、及び消耗部品の実寿命付近で交換実施することによる経済的なレンタルシステムの運用が可能となる。
【0075】
また、部品発送センター端末9aに表示された上記の消耗部品発送指示情報を見た部品発送担当者は、吸気フィルターの発送が必要であることを知得でき、更に発送時期の情報が含まれている場合には、いつまでに、例えば一ヶ月以内に発送を実施すべきことを知ることが可能となり、タイムラグの無い消耗部品の発送、消耗部品の発送に関わる手続工数の削減、及び消耗部品の在庫数極限による経済的なレンタルシステムの運用が可能となる。
【0076】
[酸素濃縮器の回収と修理のための動作]
次に、患者宅10に配置されて使用されている酸素濃縮器2−2を回収して、新たな酸素濃縮器に交換する作業の実行に伴う本システム1の動作を説明する。
【0077】
尚、以下の説明では、酸素濃縮器2−2から取得可能な様々な運転情報の内、酸素濃縮器が具備する構成の内部圧力値(以下、単に圧力値ともいう)を用いて回収及び修理の必要性を知得し、又、上記の修理では酸素濃縮器が具備する吸着剤の交換を含めた作業を行なう場合を一例として説明を行なう。圧力値以外の運転情報を用いる場合、及び吸着剤の交換以外の修理を行なう場合もまた同様の所定動作を本システム1は実行するものであり、その動作の詳細は上記した本システム1構成の記載、及び以下の説明から容易に類推可能であるので説明の重複を避けることとする。
【0078】
患者宅10にある酸素濃縮器2−2からは様々な運転情報が取得され、常時あるいは適宜、情報送受信装置3及び通信路7を介して管理装置5に送信がなされることは先に説明した通りである。
【0079】
管理装置5は、上記の運転情報を受信して酸素濃縮器2−2の運転状況を監視しており、例えば運転情報中の上記圧力値が予め定めた所定値を越えた場合には、この酸素濃縮器2−2が具備する吸着剤の交換が必要であることを知得する。本システム1の酸素濃縮器2−2が、内部に有する吸着剤の交換を実行するためには、この酸素濃縮器2−2をサービスステーション8に送り分解修理を含む作業を経る必要が有る。また在宅の患者10aが引き続き在宅治療を受けるためには回収した酸素濃縮器2−2の代替となる新たな酸素濃縮器を営業所6から患者宅10へ配送する必要がある。
【0080】
ここで、管理装置5は、上記の圧力値の変化履歴等の情報を用いて、上記の吸着剤の交換を実行すべき時期を検出することも出来る。
【0081】
次に、管理装置5は、上記の知得の結果に基いて、(a)この呼吸用気体供給用装置(酸素濃縮器2−2)を在宅患者の下から回収して他の呼吸用気体供給装置へ交換実行することの指示を、この営業所6に設けられた営業所端末6aに表示するための装置交換指示情報、及び「(b)修理が終了したいずれかの呼吸用気体供給装置をこの所定営業所6へ再配送実行して次のレンタル供給に備えることの指示を、上記所定営業所6を特定するための情報と共に、サービスステーション8に配置されたサービスステーション端末8aに表示するための装置発送指示情報と、(c)上記の回収した呼吸用気体供給装置をサービスステーション8において修理実行する際に必要となる修理用部品をサービスステーション8へ発送実行することの指示を、修理用部品の発送元である所定の部品発送センター9に配置された部品発送センター端末9aに表示するための修理用部品発送指示情報と、の内の少なくとも一方の情報」を生成し、生成した(a)装置交換指示情報を営業所端末6aに、(b)装置発送指示情報をサービスステーション端末8aに、(c)修理用部品発送指示情報を部品発送センター端末9aにそれぞれ送信して、それぞれの端末が有する表示手段の表示画面上に表示させる。
【0082】
尚、上記の(a)装置交換指示情報は、当該呼吸用気体供給用装置2−2を回収及び交換実行すべき時期の情報を含み、且つ、(b)装置発送指示情報は、修理が終了したいずれかの呼吸用気体供給装置を再配送実行すべき時期の情報を含み、且つ、(c)修理用部品発送指示情報は、この修理用部品を配送実行をすべき時期の情報を含むように構成してもよい。
【0083】
営業所端末6aに表示された上記の装置交換指示情報を見た保守担当者(営業担当者、サービスマン等)は、この酸素濃縮器2−2が回収と他の酸素濃縮器への交換を必要としていることを知得でき、更に回収及び交換実施時期の情報が含まれている場合には、いつまでに、例えば一ヶ月以内に回収及び交換を実施すべきことを知ることが可能となり、タイムラグの無い酸素濃縮器の回収及び交換が可能となる。
【0084】
また、サービスステーション端末8aに表示された上記の装置発送指示情報を見た酸素濃縮器発送担当者は、この営業所6に対する新たな酸素濃縮器の発送が必要であることを知得でき、更に発送時期の情報が含まれている場合には、いつまでに、例えば一ヶ月以内に発送を実施すべきことを知ることが可能となり、タイムラグの無い酸素濃縮器の発送、酸素濃縮器の発送に関わる手続工数の削減、及びサービスステーション8や営業所6における酸素濃縮木の在庫数極限による経済的なレンタルシステムの運用が可能となる。
【0085】
更にまた、部品発送センター端末9aに表示された上記の修理部品発送指示情報を見た部品発送担当者は、サービスステーション8に対する新たな修理用部品の発送が必要であること、及びこの修理用部品は吸着剤であることを知得でき、更に発送時期の情報が含まれている場合には、いつまでに、例えば一ヶ月以内に発送を実施すべきことを知ることが可能となり、タイムラグの無い修理用部品の発送、修理用部品の発送に関わる手続工数の削減、及びサービスステーション8や部品発送センター9における修理用部品の在庫数極限による経済的なレンタルシステムの運用が可能となる。
【0086】
[本実施例の変形例]
次に、上記に説明した本発明に関わる実施例の詳細な構成を異なるものとした変形例である酸素濃縮器レンタルシステム11を、図2の構成図を用いて説明する。
【0087】
即ち本変形例では、図1を用いて説明した酸素濃縮器レンタルシステム1の各構成は、特に断りの無い限りそのまま用い、また下記新たな構成を追加している。
【0088】
本変形例では、まず、在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する呼吸用気体供給装置(酸素濃縮器)と、管理装置5とを備え、呼吸用気体供給用装置は、所定の呼吸用気体供給装置製造所13で製造がなされて所定営業所6へ配送された後、(1)在宅患者10aの下へのレンタル供給の実行、(2)在宅患者10aの下からの回収、(3)所定サービスステーション8における修理の実行、及び(4)単数又は複数設けられた上記の所定営業所の内のいずれかへの再配送、が順次繰り返し実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムにおいて、この管理装置5は、下記(a)、及び(b)に記載の各情報に応じて、「下記(ア)と(イ)とに記載の各情報の内少なくとも一方の情報」を生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステムとすることが出来る。
(a)各所定営業所における呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(b)所定サービスステーション8における修理済みの呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(ア)呼吸用気体供給装置製造所13から各所定営業所へ配送すべき呼吸用気体供給装置の数量の情報。
(イ)所定サービスステーション8から各所定営業所へ再配送すべき呼吸用気体供給装置の数量の情報。
【0089】
ここで、上記の(a)各所定営業所における呼吸用気体供給装置の在庫数の情報及び、(b)所定サービスステーション8における修理済みの呼吸用気体供給装置の在庫数の情報は、例えば管理装置5の内部に設けられたメモリ手段に記憶し、且つ、酸素濃縮器の移動に合わせて自動及び手動にて更新するよう構成することが可能である。更新に際しては、上記に説明した実施例に見る如く営業所端末6a及びサービスステーション端末8aに表示された各指示を利用して、在庫数の情報の一部を自動更新するようにしてもよい。
【0090】
そして管理装置5は、上記の各在庫数の情報に応じて、所定のルール例えば、各営業所における酸素濃縮器2−1の在庫数を所定の数値以下にする、あるいは営業所に対して移動配送すべき酸素濃縮器が必要となった場合、酸素濃縮器製造所13にある出荷待ちの酸素濃縮器13aよりもサービスステーション8において修理が終了し出荷待ちの状態に有る酸素濃縮器2−3を優先する、等のルールに従って(ア)呼吸用気体供給装置製造所13から各所定営業所へ配送すべき呼吸用気体供給装置の数量、(イ)所定サービスステーション8から各所定営業所へ再配送すべき呼吸用気体供給装置の数量をそれぞれ決定し、サービスステーション端末8a、酸素濃縮器製造所端末13a等に表示せしめる。
【0091】
上記の構成によれば、複雑なレンタルサイクル過程における、酸素濃縮器の移動手続工数の大幅な削減、各過程における酸素濃縮器の在庫数を極限して経済性の高い酸素濃縮器レンタルシステム11を実現する、等の効果がある。
【0092】
また、本変形のシステム11は以下のように構成することも可能である。
すなわち、在宅患者10aの下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する呼吸用気体供給装置(酸素濃縮器)と、管理装置5とを備え、呼吸用気体供給用装置は、所定の呼吸用気体供給装置製造所13で製造がなされて所定営業所6へ配送された後、(1)医療機関12の医療従事者が作成した在宅患者10aに対する処方に基づくこの在宅患者10aの下へのレンタル供給の実行、(2)この在宅患者10aの下からの回収、(3)所定サービスステーション8における修理の実行、及び(4)単数又は複数設けられた所定営業所のいずれかへの再配送、が順次繰り返し実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムにおいて、管理装置5は、下記(a)、(b)、(c)、及び(d)に記載の各情報に応じて、「下記(ア)と(イ)とに記載の各情報の内の少なくとも一方の情報」を生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステムである。
(a)医療従事者が作成した在宅患者10aに対する処方の情報。
(b)各所定営業所における呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(c)所定サービスステーション8における修理済みの呼吸用気体供給装置2−3の在庫数の情報。
(d)在宅患者10aの下で運転状態にある呼吸用気体供給装置2−2から通信路7経由で取得した、この呼吸用気体供給装置の運転情報。
(ア)呼吸用気体供給装置製造所13から各所定営業所へ配送すべき呼吸用気体供給装置の数量と配送の時期との情報。
(イ)所定サービスステーション8から各所定営業所へ再配送すべき呼吸用気体供給装置の数量と配送の時期との情報。
【0093】
ここで、営業所6から、新たに患者宅10へ酸素濃縮器がレンタル供給されて在宅医療が開始されるためには医師の処方に基く指示が必要であり、この処方が電子データが許容される場合には、例えば医療機関に配置された医療機関端末12aから通信路7、営業所端末6aを経由して管理装置5へ送信することが可能であり、あるいは、紙の処方箋に基いて営業担当者が営業所端末6a等を用いて情報を入力しても良い。
【0094】
上記の処方のデータを用いれば管理装置5は酸素濃縮器を用いた新たな在宅治療の開始を確実に知得できるので、営業所6における酸素濃縮器の在庫数を人手に拠らず自動で更新することも可能となる。
【0095】
又、上記の実施例において説明したように酸素濃縮器の運転情報を用いれば、酸素濃縮器の保守(消耗部品の交換)や装置ごとの回収及び修理の必要時期が知得可能であるので、酸素濃縮器製造所13から営業所6への酸素濃縮器の移動の必要時期や数量、及びサービスステーション8から営業所6への酸素濃縮器の移動の必要時期や数量が、管理装置5は知得可能であるので、適切な時期に酸素濃縮器を移動させて在庫数を極言でき、また人手によるデータ入力を極限することが出来ることから、極めて経済性の高い酸素濃縮器レンタルシステム11を提供することができるのである。
【0096】
[その他の変形例]
更に又、上記した本発明の実施形態に係る実施例、各変形例は、下記する如くの各構成を備えるようにしてもよい。
(1) 酸素濃縮器レンタルシステムが有する酸素濃縮器は、患者に関する緊急警報や、付属のSPO2(血中酸素飽和濃度)検知装置が出力するSPO2検知結果を、所定の医療機関に送信するようにした構成。
(2) 酸素濃縮器レンタルシステムが有する酸素濃縮器は、例えば本出願人に係る特開平10−15068号公報に記載された、ジルコニウム主成分のセラミック膜である固体電解質膜を用いて酸素濃縮を行なう構成、あるいはその他の固体電解質を用いて酸素濃縮を行なう固体電解質式酸素濃縮器とした構成。
(3) 酸素濃縮器レンタルシステムが有する酸素濃縮器が具備する、患者の呼吸用気体を加湿するための加湿器は、例えば本出願人に係る特開2000−237317号公報に記載された、水蒸気分圧差を利用して水分を透過する非多孔質のフッ素樹脂系溶解拡散膜を備えて、大気圧の外気空気によって加湿することによって別途水分補給を不要とした無給水加湿器、あるいはその他の構成の無給水加湿器であり、且つ、管理装置は、先に説明を行なった酸素濃縮器の運転情報の他に、この酸素濃縮器が送出する呼吸用気体の湿度(加湿度)の情報を運転情報として用いることによって、この無給水加湿器が備えるフッ素樹脂系溶解拡散膜その他の消耗部品の適切なタイミングによる交換、補充を実行可能とした構成。
(4) 酸素濃縮器レンタルシステムが有する酸素濃縮器は、患者のコンプライアンス情報(酸素濃縮器の使用時間、使用時の設定流量など)を検知する検知装置からの検知結果の情報を、管理装置、あるいはその他の構成に対して送信する送信手段を有する構成。
【0097】
【発明の効果】
上記に詳述した如く、本発明は、所定営業所から在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する単数又は複数の呼吸用気体供給装置と、管理装置とを備え、レンタル供給中の呼吸用気体供給装置が単数又は複数具備する所定消耗部品の交換を必要に応じて実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムであって、管理装置は、在宅患者の下で運転状態にある呼吸用気体供給装置の運転情報を通信路経由で取得し、取得したこの運転情報に応じて、下記(a)に記載の消耗部品交換指示情報と(b)に記載の消耗部品発送指示情報とを生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステムとすることによって、呼吸用気体供給装置の運転に異常が発生する以前に異常の発生を予知して対処が可能であり、異常の発生原因を遠隔にて検知可能であり、異常を来した呼吸用気体供給装置の保守(消耗部品の交換等)や装置丸ごとの修理の実行に伴う部品の補充手配が容易であり、且つ、経済性の高い呼吸用気体供給装置のレンタルシステムを提供することが出来る。
(a)前記レンタル供給中の呼吸用気体供給装置の前記所定消耗部品の交換実行の指示を、(1)前記交換実行すべき所定消耗部品を特定する情報と、(2)当該呼吸用気体供給装置を特定する情報と共に、前記所定営業所に配置された営業所端末に表示するための消耗部品交換指示情報。
(b)前記消耗部品交換指示情報により特定された所定消耗部品を前記所定営業所に対して発送実行する指示を、前記所定消耗部品の発送元である所定の部品発送センターに配置された部品発送センター端末に表示するための消耗部品発送指示情報。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態の好ましい実施例である酸素濃縮器レンタルシステムの構成図である。
【図2】図1のシステムの詳細な構成を異なるものとした変形例である酸素濃縮器レンタルシステムの構成図である。
【符号の説明】
1 酸素濃縮器レンタルシステム(呼吸用気体供給装置のレンタルシステム)
2−0 酸素濃縮器(呼吸用気体供給装置)
2−1 酸素濃縮器(呼吸用気体供給装置)
2−2 酸素濃縮器(呼吸用気体供給装置)
2−3 酸素濃縮器(呼吸用気体供給装置)
5 管理装置
6a 営業所端末
7 通信路
8a サービスステーション端末
9a 部品発送センター端末
10a 在宅患者
Claims (7)
- 所定営業所から在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する単数又は複数の呼吸用気体供給装置と、管理装置とを備え、前記レンタル供給中の呼吸用気体供給装置が単数又は複数具備する所定消耗部品の交換を必要に応じて実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムであって、前記管理装置は、前記在宅患者の下で運転状態にある前記呼吸用気体供給装置の運転情報を通信路経由で取得し、取得したこの運転情報に応じて、下記(a)に記載の消耗部品交換指示情報と、下記(b)に記載の消耗部品発送指示情報とを生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
(a)前記レンタル供給中の呼吸用気体供給装置の前記所定消耗部品の交換実行の指示を、(1)前記交換実行すべき所定消耗部品を特定する情報と、(2)当該呼吸用気体供給装置を特定する情報と共に、前記所定営業所に配置された営業所端末に表示するための消耗部品交換指示情報。
(b)前記消耗部品交換指示情報により特定された所定消耗部品を前記所定営業所に対して発送実行する指示を、前記所定消耗部品の発送元である所定の部品発送センターに配置された部品発送センター端末に表示するための消耗部品発送指示情報。 - 前記消耗部品交換指示情報は、前記所定消耗部品の前記交換実行をすべき時期の情報を含み、且つ、前記消耗部品発送指示情報は、前記所定消耗部品を前記所定営業所に対して発送実行すべき時期の情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
- 所定営業所から在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する複数の呼吸用気体供給装置と、管理装置とを備え、前記呼吸用気体供給装置が、所定の呼吸用気体供給装置製造所で製造がなされて所定営業所へ配送された後、(1)前記在宅患者の下への前記レンタル供給の実行、(2)前記在宅患者の下からの回収、(3)所定サービスステーションにおける修理の実行、及び(4)単数又は複数設けられた前記所定営業所の内のいずれかへの再配送、が順次繰り返し実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムにおいて、
前記管理装置は、前記在宅患者の下で運転状態にある前記呼吸用気体供給装置の運転情報を通信路経由で取得し、取得したこの運転情報に応じて、下記(a)に記載の装置交換指示情報、及び、下記(b)に記載の装置発送指示報と下記(c)に記載の修理用部品発送指示情報との内の少なくとも一方の情報、を生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
(a)当該呼吸用気体供給用装置を前記在宅患者の下から回収して他の前記呼吸用気体供給装置との交換実行することの指示を、当該所定営業所に設けられた営業所端末に表示するための装置交換指示情報。
(b)前記修理が終了したいずれかの呼吸用気体供給装置を当該所定営業所へ再配送実行して次のレンタル供給に備えることの指示を、当該所定営業所を特定するための情報と共に、前記サービスステーションに配置されたサービスステーション端末に表示するための装置発送指示情報。
(c)前記回収した呼吸用気体供給装置を前記サービスステーションにおいて修理実行する際に必要となる修理用部品を前記サービスステーションへ発送実行することの指示を、前記修理用部品の発送元である所定の部品発送センターに配置された部品発送センター端末に表示するための修理用部品発送指示情報。 - 前記装置交換指示情報は、当該呼吸用気体供給用装置を前記回収及び交換を実行すべき時期の情報を含み、且つ、前記装置発送指示情報は、前記修理が終了したいずれかの呼吸用気体供給装置を前記再配送を実行すべき時期の情報を含み、且つ、前記修理用部品発送指示情報は、前記修理用部品を前記発送を実行すべき時期の情報を含むことを特徴とする請求項3に記載の呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
- 在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する呼吸用気体供給装置と、管理装置とを備え、前記呼吸用気体供給用装置が、所定の呼吸用気体供給装置製造所で製造がなされて所定営業所へ配送された後、(1)前記在宅患者の下へのレンタル供給の実行、(2)前記在宅患者の下からの回収、(3)所定サービスステーションにおける修理の実行、及び(4)単数又は複数設けられた前記所定営業所の内のいずれかへの再配送、が順次繰り返し実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムにおいて、
前記管理装置は、下記(a)及び(b)に記載の各情報に応じて、下記(ア)と(イ)とに記載の各情報の内少なくとも一方の情報を生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
(a)前記各所定営業所における前記呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(b)前記所定サービスステーションにおける前記修理済みの呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(ア)前記呼吸用気体供給装置製造所から前記各所定営業所へ配送すべき前記呼吸用気体供給装置の数量の情報。
(イ)前記所定サービスステーションから前記各所定営業所へ再配送すべき前記呼吸用気体供給装置の数量の情報。 - 在宅患者の下にレンタル供給されてこの患者用の呼吸用気体を供給する呼吸用気体供給装置と、管理装置とを備え、前記呼吸用気体供給用装置が、所定の呼吸用気体供給装置製造所で製造がなされて所定営業所へ配送された後、(1)医療機関の医療従事者が作成した前記在宅患者に対する処方に基づくこの在宅患者の下へのレンタル供給の実行、(2)前記在宅患者の下からの回収、(3)所定サービスステーションにおける修理の実行、及び(4)単数又は複数設けられた前記所定営業所のいずれかへの再配送、が順次繰り返し実行可能なように構成した呼吸用気体供給装置のレンタルシステムにおいて、
前記管理装置は、下記(a)、(b)、(c)、及び(d)に記載の各情報に応じて、下記(ア)と(イ)とに記載の各情報の内の少なくとも一方の情報を生成するよう構成したことを特徴とする呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
(a)前記医療従事者が作成した前記在宅患者に対する処方の情報。
(b)前記各所定営業所における前記呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(c)前記所定サービスステーションにおける前記修理済みの呼吸用気体供給装置の在庫数の情報。
(d)前記在宅患者の下で運転状態にある前記呼吸用気体供給装置から通信路経由で取得した、この呼吸用気体供給装置の運転情報。
(ア)前記呼吸用気体供給装置製造所から前記各所定営業所へ配送すべき前記呼吸用気体供給装置の数量と前記配送の時期との情報。
(イ)前記所定サービスステーションから前記各所定営業所へ再配送すべき前記呼吸用気体供給装置の数量と前記配送の時期との情報。 - 前記呼吸用気体供給装置は、酸素を富化した空気を前記呼吸用気体として供給する酸素濃縮器であり、且つ、
前記運転情報は、「下記(A)乃至(E)に記載された各情報の内の少なくとも1の情報」を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の呼吸用気体供給装置のレンタルシステム。
(A)前記酸素濃縮器の吸気側温度及び/又は排気側温度の情報。
(B)前記酸素濃縮器が具備する構成の内部の圧力の情報。
(C)前記酸素濃縮器が供給する前記呼吸用気体の酸素濃度の情報。
(D)前記酸素濃縮器が供給する前記呼吸用気体の供給流量を所定の設定手段で設定した設定流量の情報、及び/又は前記酸素濃縮器が実際に供給する前記呼吸用気体の実流量の情報。
(E)前記酸素濃縮器が供給する前記呼吸用気体の湿度の情報。
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JP2005352656A (ja) * | 2004-06-09 | 2005-12-22 | Toshiba Corp | 管理装置および管理装置プログラム |
JP2015217211A (ja) * | 2014-05-20 | 2015-12-07 | 帝人ファーマ株式会社 | 酸素濃縮装置のメンテナンス管理システム |
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2002
- 2002-06-07 JP JP2002166671A patent/JP2004013561A/ja active Pending
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JP4594655B2 (ja) * | 2004-06-09 | 2010-12-08 | 株式会社東芝 | 管理装置および管理装置プログラム |
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