JP2004012972A - レンズカバー及びこれを用いた投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】投射型表示装置を駆動させているにもかかわらず、レンズカバーの開放のし忘れ、或いは故障などによりレンズカバーが開口を閉塞した状態のままであっても、レンズカバーが熱により変形しないようにする。
【解決手段】投射型表示装置1における投射レンズ18の前玉レンズ31を外部に臨ませる開口4を有する外筐2の前面パネル3に支持され上記開口を開閉するレンズカバー60であって、透明な合成樹脂で形成され、上記前玉レンズに対向する部分及び/又はその外側の部分に半透明な塗膜62を形成する。
【選択図】 図8
【解決手段】投射型表示装置1における投射レンズ18の前玉レンズ31を外部に臨ませる開口4を有する外筐2の前面パネル3に支持され上記開口を開閉するレンズカバー60であって、透明な合成樹脂で形成され、上記前玉レンズに対向する部分及び/又はその外側の部分に半透明な塗膜62を形成する。
【選択図】 図8
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズカバー及びこれを用いた投射型表示装置に関する。詳しくは、投射型表示装置における投射レンズの前玉レンズを保護するレンズカバーの変形を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
投射型表示装置にあっては、その投射レンズの前玉レンズの保護のため、投射型表示装置の外筐又はレンズ鏡筒に着脱自在に設けられたレンズキャップがあるが、このようなレンズキャップは、投射型表示装置の使用時に、上記外筐又はレンズ鏡筒から取り外されるため、紛失してしまう虞がある。
【0003】
そこで、投射レンズの全体を外筐内に配置し、投射レンズの前玉レンズを外部に臨ませる開口を前面パネルに形成し、該前面パネルに上記開口を開閉するレンズカバーを移動自在に支持すれば、上述したレンズキャップと異なり紛失するという事故は生じない。
【0004】
そして、上記したレンズカバーには、手動でレンズカバーを開放方向へ移動させるもの(手動開閉タイプ)や投射型表示装置のメインスイッチの投入で開閉機構により自動的に開放位置へ移動されるもの(自動開閉タイプ)がある。
【0005】
また、このようなレンズカバーは、材料自体が濃色系の合成樹脂又は濃色系の色素を混入させた合成樹脂で形成されるのが一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、投射型表示装置の光源部が駆動されているときに、レンズカバーを閉塞したままでいると、投射型表示装置の光源部からの光が、投射レンズを通してレンズカバーに照射されてレンズカバーを高温にしてしまう。
【0007】
投射型表示装置を駆動させているにもかかわらず、レンズカバーが閉塞状態になっている場合とは、例えば、手動開閉タイプのレンズカバーにあっては開放し忘れた場合であり、また、自動開閉タイプのレンズカバーにあっては、開閉機構の故障の場合などが考えられる。
【0008】
そして、従来のように、レンズカバーを材料自体が濃色系の合成樹脂又は濃色系の色素を混入させた合成樹脂で形成されている場合、上記投射レンズから投射された光が熱エネルギーとなって、レンズカバーに蓄熱が為されてレンズカバーを高温にして、変形させてしまうという問題がある。
【0009】
ここで、レンズカバーを金属のような耐熱性ある材料で形成することも考えられる。しかし、金属でレンズカバーを形成した場合、投射型表示装置の駆動時に閉塞されたままの状態にされると、合成樹脂で形成されたレンズカバーより高温になるため、採用しがたい。金属の方が合成樹脂に比べ、熱伝導率が高いためである。
【0010】
そこで、本発明は、高温になりにくいが熱変形を起こし易い合成樹脂を材料としながら、開放のし忘れ、或いは故障などによりレンズカバーが開口を閉塞した状態のまま、投射型表示装置が駆動されて投射レンズから光がレンズカバーに投射されてしまっても、レンズカバーが熱により変形してしまわないようにすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明レンズカバーは、上記した課題を解決するために、合成樹脂で形成されたレンズカバーが投射レンズから投射された光の一部を透過させるようにしたものである。
【0012】
また、本発明投射型表示装置は、上記した課題を解決するために、外筐の前面部に形成された開口を開閉するレンズカバーを合成樹脂で形成すると共に投射レンズから投射された光の一部を透過させるように形成したものである。
【0013】
したがって、本発明レンズカバー及びこれを用いた投射型表示装置にあっては、レンズカバーを投射レンズから投射された光の一部を透過させるように形成したので、レンズカバーに光が照射されても、その光の一部しか熱エネルギーとはならず、よって、レンズカバーに蓄熱が為されることがない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明レンズカバー及びこれを備えた投射型表示装置の各実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0015】
図1乃至図8は本発明レンズカバー及びこれを備えた投射型表示装置の第1の実施の形態を示すものである。
【0016】
投射型表示装置1は上下方向に扁平な箱状を成す外筐2内に所要の部品及び部材が配置されて成り、外筐2の前面部である前面パネル3には後述する投射レンズの前玉レンズを外部に臨ませる開口4が形成されている(図1参照)。
【0017】
また、外筐2の左側面パネル5には後述するように投射型表示装置1のフォーカシング及びズーミングを行うための操作部が配置される(図1参照)。
【0018】
先ず、図2を参照して、本発明投射型表示装置の全体の概要を説明する。
【0019】
外筐2の一の隅部には光源部11が配置され、該光源部11は光源12とリフレクタ13を有する(図2参照)。
【0020】
リフレクタ13の反射面は回転楕円面に形成され、該反射面の第1焦点位置に光源12の発光部が位置される(図2参照)。
【0021】
リフレクタ13の前方には凹レンズ14が配置され、該凹レンズ14の焦点が反射面の第2焦点に位置するようにされる。これによって、光源12から出射しリフレクタ13の反射面で反射された光は凹レンズ14によって光軸に平行な光束として出射される。なお、リフレクタ13は硬質ガラスで形成された基体の内面にアルミ蒸着等の適宜手段によって反射膜が形成されて成る。また、光源12には放電ランプが使用されている。
【0022】
凹レンズ14から出射された光は2つのダイクロイックミラー15R、15Gによって、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色の色成分に分離された後変調手段としての液晶パネル16R、16G、16Bによって各色ごとに変調され、変調された各色の色成分がクロスプリズム17によって合成されて投射レンズ18によって外筐2の前面パネル3に設けられた上記開口4から前方の図示しないスクリーンに投射され、これによってスクリーン上に映像が表示される。
【0023】
すなわち、凹レンズ14から出射された光は先ずダイクロイックミラー15Rによって赤色成分Rが反射され、該反射された赤色成分は全反射ミラー19によって全反射されて液晶パネル16Rに入射され、該液晶パネル16Rに印加される赤色成分に関する映像信号によって変調された後クロスプリズム17に入射される(図2参照)。
【0024】
また、ダイクロイックミラー15Rを透過した光のうち緑色成分Gはダイクロイックミラー15Gによって反射されて液晶パネル16Gに入力され、該液晶パネル16Gに印加される緑色成分に関する映像信号によって変調された後クロスプリズム17に入射される(図2参照)。
【0025】
さらに、ダイクロイックミラー15Gを透過した青色成分Bは全反射ミラー20、21で順次全反射された後液晶パネル16Bに入力され、該液晶パネル16Bに印加される青色成分に関する映像信号によって変調された後クロスプリズム17に入射される(図2参照)。そして、クロスプリズム17に入力された各色成分R、G、Bはクロスプリズム17で合成された後クロスプリズム17の正面から出射され、そして、投射レンズ18によって前方へ投射される(図2参照)。
【0026】
なお、上記光源12から投射レンズ18に至るまでの経路には、強度分布を有する放電ランプから出射された光の輝度を液晶パネル16R、16G、16Bの画面全体に亘って均一にする手段、各種リレーレンズ等種々の目的を有する光学素子が配置されるが、それらは設計上の問題であり、本発明の主題ではないので、図2には主たる構成要素のみを示すに止める。
【0027】
なお、この実施の形態にあっては、光源12に放電ランプを使用したものについて説明したが、本発明はこれに限らず、種々の形態のランプ、例えば、各種の白熱ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ等を使用することができる。
【0028】
また、この実施の形態にあっては、変調手段に液晶パネルを使用したものについて説明したが、本発明はこれに限らず、種々の形態のライトバルブと称されるもの、例えば、GLV(Grating Light Valve)、DMD(Digital Micromirror
Device)等を使用することができる。
【0029】
上記投射レンズ18は、レンズ鏡筒30内に所要のレンズ(図示は省略する。)が配置されて構成され、その最も前側に前玉レンズ31が配置されている。
【0030】
そして、レンズ鏡筒30の前側部分の外周面には、フォーカスリング32と該フォーカスリング32の後方に配置されたズームリング33とが回転自在に設けられている(図3参照)。
【0031】
フォーカスリング32は、これを回転させることにより投射レンズ18のうちフォーカシングを行う所要のレンズ又はレンズ群を移動させてフォーカシングを行うためのものである(図3参照)。
【0032】
ズームリング33は、これを回転させることにより投射レンズ18のうちズーミングを行う所要のレンズ又はレンズ群を移動させてズーミングを行うためのものである(図3参照)。
【0033】
フォーカスリング32にはその外周面の正面形状で見て左側半分のうち上下方向における中心を挟んでほぼ90°の範囲に亘ってその周方向に複数の歯部34、34、・・・が形成されている(図3参照)。
【0034】
ズームリング33は上記フォーカスリング32とほぼ同じ形状に形成されており、その外周面の正面形状で見て左側半分のうち上下方向における中心を挟んでほぼ90°の範囲に亘ってその周方向に複数の歯部35、35、・・・が形成されている(図3参照)。
【0035】
上記レンズ鏡筒30の前部と外筐の左側面パネル5との間には上記フォーカスリング32及びズームリング33を操作するための各別の操作部材40f、40zが配置されている(図3参照)。
【0036】
フォーカスリング32を操作する操作部材40fをフォーカシング用操作部材といい、ズームリング33を操作する操作部材40zをズーミング用操作部材という。
【0037】
フォーカシング用操作部材40fとズーミング用操作部材40zは、ほぼ同じ形状に形成されているため、フォーカシング用操作部材40fについて主に説明する。また、フォーカシング用操作部材及びこれに関する各部の符号には数字の後に「f」を添え字として付し、ズーミング用操作部材及びこれに関する各部の符号には、フォーカシング用操作部材及びこれに関する各部に用いた符号のうち「f」を除いた数字の後に「z」を添え字として付す。これにより、ズーミング用操作部材40zについての説明は省略する。
【0038】
フォーカシング用操作部材40fはほぼ環状を為す部材からなり、その正面形状で見て左側半分41fの径が右側半分42fの径よりも大きく形成されている(図4参照)。
【0039】
フォーカシング用操作部材40fの左側半分41fの外周面にはローレット加工が施されて操作部43fとされ、また、右側半分42fの外周面には上記フォーカスリング32の歯部34、34、・・・と同じ形状の複数の歯部44f、44f、・・・が形成されている(図4、図7参照)。
【0040】
このようなフォーカシング用操作部材40fは上記レンズ鏡筒30の前部と外筐2の左側面パネル5との間に設けられた支持ベース50に回転自在に支持され、上記右側半分42fの歯部44f、44f、・・・が上記フォーカスリング32の歯部34、34、・・・と噛合されている(図4、図7参照)。
【0041】
フォーカシング用操作部材40fの中心部には円形の被支持孔45fが形成されている。この被支持孔45fは右側半分42fの半径のほぼ半分の半径で形成されており、これにより、フォーカシング用操作部材40fの全体がほぼ環状を為す部材となっている。
【0042】
支持ベース50は図示しないシャーシに取り付けられたベース部51と該ベース部51の上面から上方へ一体に突出された板状の支持部52とからなる(図5、図6参照)。
【0043】
支持部52はその面方向が上記前面パネル3と平行になるように配置され、開口53が形成されており、該開口53の開口縁部のうち左部及び右部には前方へ突出した支持片54l、54rが、また、開口53の開口縁部のうち上部及び下部には後方へ突出した支持片54u、54dがそれぞれ形成されている(図5、図6参照)。
【0044】
これら支持片54、54、・・・は、正面形状で見て上記開口53とほぼ同じ曲率の円弧状に形成され、それぞれの先端部に外方に突出する向きの係止爪55、55、・・・がそれぞれ形成されている(図5、図6参照)。
【0045】
これら支持片54、54、・・・のうち対向するもの同士の外側面を周方向に延長してできる円の曲率は、上記フォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40zの被支持孔45f、45zとほぼ同じに形成されている(図7参照)。
【0046】
そして、前方に突出した2つの支持片54l、54rをフォーカシング用操作部材40fの被支持孔45fに内嵌させることにより、フォーカシング用操作部材40fが2つの支持片54l、54rに回転自在に支持される。このとき、2つの支持片54l、54rをその係止爪55と55とを互いに近づく方向にやや撓ませることにより、フォーカシング用操作部材40fを支持片54l、54rに嵌合することができる(図7参照)。
【0047】
フォーカシング用操作部材40fの支持片54l、54rへの嵌合が終了した後、支持片54l、54rを撓ませていた力を取り除くことにより、上記係止爪55、55がフォーカシング用操作部材40fの被支持孔45fの開口縁に係止され、フォーカシング用操作部材40fの前方への抜けが防止される(図7参照)。
【0048】
また、後方に突出した2つの支持片54u、54dをズーミング用操作部材40zの被支持孔45zに内嵌させることにより、ズーミング用操作部材40zが2つの支持片54u、54dに回転自在に支持される。このとき、2つの支持片54u、54dをその係止爪55と55とを互いに近づく方向にやや撓ませることにより、ズーミング用操作部材40zを支持片54u、54dに嵌合することができる(図7参照)。
【0049】
ズーミング用操作部材40zの支持片54u、54dへの嵌合が終了した後、支持片54u、54dを撓ませていた力を取り除くことにより、上記係止爪55、55がズーミング用操作部材40zの被支持孔45zの周縁に係止され、ズーミング用操作部材40zの後方への抜けが防止される(図7参照)。
【0050】
このように2つの対向する支持片54lと54r及び54uと54dは、フォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40zを回転自在に支持する支持軸として機能する。
【0051】
そして、フォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40zの被支持孔45f、45zを可能な限り大きく形成したので、これらを支持する支持軸として機能する支持片54lと54r及び54uと54dの外径を大きくすることができ、フォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40zの回転を安定にすることができる。
【0052】
すなわち、支持軸を大きくすることは、これに回動自在に支持される部材(この例ではフォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40z)の外周縁部における軸方向のブレを小さくすることができるからである。
【0053】
なお、本発明はこのように回転軸の径を大きくしたものに限定されるものでなく、回転軸の径を細いものにすることもでき、この場合、操作部材40f、40zは円盤状の部材で形成すれば良い。
【0054】
また、上記支持片54、54、・・・に嵌合されたフォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40zは各支持片54、54、・・・の先端に設けられた係止爪55、55によりほぼがたつきがない状態で前後方向の位置決めが為されるとともに、その抜け止めが為される。また、上記支持片54lと54r及び54uと54dの外径を上記被支持孔45f、45zの内径よりも僅かに大きく形成しておくことにより各支持片54、54、・・・と被支持孔45f、45zの内周面とを弾接させることができ、さらにフォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40zのガタツキをなくすことができる。
【0055】
そして、支持片54l、54r又は54u、54dに回転自在に支持された各フォーカシング用操作部材40f又はズーミング用操作部材40zはその右側半分42f又は42zに形成された歯部44f、44f、・・・又は44z、44z、・・・が上記フォーカスリング32又はズームリング33に形成された歯部34、34、・・・又は35、35、・・・にそれぞれ噛合されている(図7参照)。
【0056】
各フォーカシング用操作部材40f又はズーミング用操作部材40zの左側部分41f又は41zの外周面の一部が左側面パネル5に形成された縦長な矩形をした操作窓6から外側に露出されている(図1、図3、図4参照)。
【0057】
また、操作窓6の横幅は上記2つの操作部材(フォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40z)が共に露出できる大きさに形成されている(図3参照)。なお、この操作窓6は各操作部材40f、40z毎に対応するように各別に設けるようにしても良い。
【0058】
フォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40zはその左側半分41f、41zの左端が左側面パネル5の外表面とほぼ同一な面内に位置するように、上記操作窓6から露出されている(図3参照)。
【0059】
左側面パネル5に形成された操作窓6は、その各周縁6a、6a、・・・が外側に行くに従い広がるようにテーパ状にそれぞれ形成されており、これにより、フォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40zを操作し易くなっている。
【0060】
そして、フォーカシング用操作部材40f又はズーミング用操作部材40zを回転させることにより、上記各フォーカスリング32又はズームリング33を回転させて、フォーカシング又はズーミングが行われる。
【0061】
上記前面パネル3の開口4は、該開口4より一回り大きなレンズカバー60により開閉される(図1参照)。
【0062】
レンズカバー60は、透明な合成樹脂、例えば、ポリカーボネート(PC:Polycarbonate)で形成された板状部材61と該板状部材61の表面に形成された半透明な塗膜62とから成る(図8参照)。この塗膜62は、これに照射された光のうちほぼ半分の光量が透過するように形成される(図8参照)。
【0063】
また、レンズカバー60にあっては塗膜62を板状部材61の前玉レンズ31に対向する面と反対側の面、すなわち、外面に形成したが、これに限らず、塗膜62を前玉レンズ31に対向する面(内面)に形成しても良いし、或いは、上記板状部材61の両面に形成しても良い。
【0064】
レンズカバー60は、上記前面パネル3の前方から見て開口4の右斜め上方の位置に設けられた支持軸63に支持されている(図1参照)。
【0065】
支持軸63は図示しない回転機構により所定角度回動するようになっており、この回動により、上記レンズカバー60は上記開口4を閉塞した位置と開放した位置との間を回動するようになっている(図1参照)。
【0066】
そして、レンズカバー60が上記開口4を閉塞した位置にあるときは、上記前玉レンズ31を保護する。
【0067】
そして、誤って、或いは開閉機構の故障などによりレンズカバー60が開口4を閉塞した状態のまま、投射型表示装置1の光源部11からの光がレンズカバー60に投射されても、そのうちのほぼ半分の光量は塗膜62を透過して前方へ出射されるため、レンズカバー60への蓄熱の原因になる熱エネルギーを低減することができる。
【0068】
これにより、レンズカバー60に透過した光エネルギーに相当する分の蓄熱が為されることがなく、よって、不透明な材料で形成した従来のレンズカバーに比べて、高温になることはなく、熱変形することはない。
【0069】
また、レンズカバー60を単なる透明部材で形成した場合、開口4を開放した状態か閉塞した状態であるかを一見して判断しにくいが、この実施の形態にかかるレンズカバー60のように、半透明な塗膜62を形成しておくことにより、上記開口4を開放している位置にあるのか又は閉塞している位置にあるのかを一見しただけで判別することができ、例えば、レンズカバー60が開口4を閉塞している状態で投射型表示装置1の電源スイッチを投入してしまうなどの誤操作を防止することができる。
【0070】
図9は本発明レンズカバーの第2の実施の形態を示すものである。
【0071】
この第2の実施の形態にかかるレンズカバー60Aは透明な合成樹脂から成る板状部材61に塗膜62を形成したレンズカバー60と比較して、透明な合成樹脂から成る板状部材64の表面に微少な凹凸65、65、・・・を形成した点で相違する(図9参照)。
【0072】
この第2の実施の形態にかかるレンズカバー60Aにあっても、誤って、或いは開閉機構の故障などによりレンズカバー60Aが開口4を閉塞している状態のまま、投射型表示装置1の光源部11からの光がレンズカバー60Aに投射されても、その投射された光の一部は凹凸65、65、・・・から前方へ透過されるため、レンズカバー60Aへの蓄熱の原因になる熱エネルギーを低減することができる(図9参照)。
【0073】
また、このレンズカバー60Aは透明な合成樹脂の板状部材64を用いているが、微少な凹凸65、65、・・・が形成されているので、上記開口4を開放している位置にあるのか又は閉塞している位置にあるのかを一見しただけで判別することができ、例えば、レンズカバー60Aが開口4を閉塞している状態で投射型表示装置1の電源スイッチを投入してしまうなどの誤操作を防止することができる。
【0074】
さらに、この第2の実施の形態にかかるレンズカバー60Aにあっては、上記第1の実施の形態にかかるレンズカバー60のように塗装工程が不要であり、レンズカバー60Aを金型で成形するときに同時に微少な凹凸65、65、・・・を形成することができ、その分、製造コストを抑えることができる。
【0075】
なお、レンズカバー60Aにあっては凹凸65、65、・・・を板状部材64の前玉レンズ31に対向する面と反対側の面、すなわち、外面に形成したが、これに限らず、凹凸65、65、・・・を前玉レンズ31に対向する面(内面)に形成しても良いし、或いは、上記板状部材64の両面に形成しても良い。
【0076】
図10は本発明レンズカバーの第3の実施の形態を示すものである。
【0077】
この第3の実施の形態にかかるレンズカバー60Bは透明な合成樹脂から成る板状部材61に塗膜62を形成したレンズカバー60と比較して、半透明な合成樹脂でレンズカバー60Bを形成した点で相違する(図10参照)。
【0078】
この第3の実施の形態にかかるレンズカバー60Bにあっても、誤って、或いは開閉機構の故障などによりレンズカバー60Bが開口4を閉塞した状態のまま、投射型表示装置1の光源部11からの光がレンズカバー60Bに照射されても、その照射された光の一部は半透明な合成樹脂内を透過して前方へ透過されるため、レンズカバー60Bへの蓄熱の原因になる熱エネルギーを低減することができる(図10参照)。
【0079】
また、このレンズカバー60Bは半透明な合成樹脂で形成されているので、上記開口4を開放している位置にあるのか又は閉塞している位置にあるのかを一見しただけで判別することができ、例えば、レンズカバー60Bが開口4を閉塞している状態で投射型表示装置1の電源スイッチを投入してしまうなどの誤操作を防止することができる。
【0080】
さらに、この第3の実施の形態にかかるレンズカバー60Bにあっては、半透明な合成樹脂を金型で成形するだけで形成することができ、上記第1の実施の形態にかかるレンズカバー60のような塗装工程が不要であり、その分、製造コストを抑えることができる。
【0081】
なお、上記各実施の形態においては、レンズカバー60を前面パネル3に対して回動自在に支持したものについて説明したが、本発明はこれに限らず、図11に示すレンズカバー60Cのように、前面パネル3に対してスライド自在に支持するようにしても良い。もちろん、この場合でも、レンズカバー60Cの開閉機構は、手動開閉タイプのものであっても良いし、また、自動開閉タイプのものであっても良い。
【0082】
また、上記各実施の形態において、レンズカバーに投射された光の一部を透過させるようにするため、半透明な塗膜を形成したり、微少な凹凸を形成したり、半透明な合成樹脂で形成したりしたものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、透明な合成樹脂で形成した基材に熱線である赤外線のみを透過する膜を形成したようなものであっても良い。
【0083】
さらに、上記各実施の形態において示した各部の具体的な形状乃至構造は、何れも本発明を実施するに当たって行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0084】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明レンズカバーは、投射型表示装置における投射レンズの前玉レンズを外部に臨ませる開口を有する外筐の前面部に支持され上記開口を開閉するレンズカバーであって、投射レンズから投射された光の一部を透過させるようにしたことを特徴とする。
【0085】
また、本発明投射型表示装置は、光源部と、該光源部から照射された光を画像信号によって変調する変調手段と、該変調手段によって変調された光を投射する投射レンズと、これらを覆うと共に上記投射レンズの前玉レンズを外部に臨ませる開口が形成された前面部を有する外筐とを備えた投射型表示装置であって、上記外筐の前面部には上記開口を開閉するレンズカバーが支持されており、上記レンズカバーを投射レンズから投射された光の一部を透過させるように形成したことを特徴とする。
【0086】
したがって、本発明レンズカバー及びこれを用いた投射型表示装置にあっては、レンズカバーを投射レンズから投射された光の一部を透過させるように形成したので、レンズカバーに光が照射されても、その光の一部しか熱エネルギーとはならず、よって、レンズカバーへの蓄熱が低減され、レンズカバーが熱で変形されることはない。
【0087】
請求項2及び請求項6に記載した発明にあっては、レンズカバーを透明な合成樹脂で形成すると共に、上記前玉レンズに対向する部分及び/又はその外側の部分に半透明な塗膜を形成したので、レンズカバーに光が照射されても、その光の一部は半透明な塗膜を透過して前方へ照射されるため、レンズカバーへの蓄熱が低減され、レンズカバーが熱で変形されることはない。
【0088】
また、レンズカバーに半透明な塗膜が形成されているので、透明なものと異なり、レンズカバーが開口を開放している位置にあるのか又は閉塞している位置にあるのかを一見しただけで判別することができ、例えば、レンズカバーが開口を閉塞している状態で投射型表示装置の電源スイッチを投入してしまうなどの誤操作を防止することができる。
【0089】
請求項3及び請求項7に記載した発明にあっては、レンズカバーを透明な合成樹脂で形成すると共に、上記前玉レンズに対向する部分及び/又はその外側の部分に微少な凹凸を形成したので、レンズカバーに光が照射されても、その光の一部又は全部はレンズカバーを透過して前方へ照射されるため、レンズカバーへの蓄熱が低減され、レンズカバーが熱で変形されることはない。
【0090】
また、レンズカバーに微少な凹凸が形成されているので、単なる透明で且つ平板状のものと異なり、レンズカバーが開口を開放している位置にあるのか又は閉塞している位置にあるのかを一見しただけで判別することができ、例えば、レンズカバーが開口を閉塞している状態で投射型表示装置の電源スイッチを投入してしまうなどの誤操作を防止することができる。
【0091】
さらに、レンズカバーに微少な凹凸を形成しただけであるので、レンズカバーを金型で成形するときに同時に微少な凹凸を形成することができ、塗装工程などの別工程が不要であり、その分、製造コストを抑えることができる。
【0092】
請求項4及び請求項8に記載した発明にあっては、レンズカバーを半透明な合成樹脂で形成したので、レンズカバーに光が照射されても、その光の一部は半透明なレンズカバーを透過して前方へ照射されるため、レンズカバーへの蓄熱が低減され、レンズカバーが熱で変形されることはない。
【0093】
また、レンズカバーは半透明な合成樹脂で形成されているので、透明なものと異なり、レンズカバーが開口を開放している位置にあるのか又は閉塞している位置にあるのかを一見しただけで判別することができ、例えば、レンズカバーが開口を閉塞している状態で投射型表示装置の電源スイッチを投入してしまうなどの誤操作を防止することができる。
【0094】
さらに、レンズカバーを半透明な合成樹脂で形成したので、塗装工程などの別工程が不要であり、その分、製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図8と共に本発明レンズカバー及びこれを用いた投射型表示装置の第1の実施の形態を示すものであり、本図は全体の斜視図である。
【図2】投射型表示装置の概要を説明するための全体構成図である。
【図3】レンズ鏡筒の周辺を拡大して示す平面図である。
【図4】レンズ鏡筒の周辺の正面図である。
【図5】支持ベースの前方から見た斜視図である。
【図6】支持ベースの後方から見た斜視図である。
【図7】支持ベースと操作部材とを分離して示す斜視図である。
【図8】レンズカバーの拡大断面図である。
【図9】本発明レンズカバーの第2の実施の形態を示すものであり、レンズカバーの拡大断面図である。
【図10】本発明レンズカバーの第3の実施の形態を示すものであり、レンズカバーの拡大断面図である。
【図11】レンズカバーの別の例を概略的に示す正面図である。
【符号の説明】
1…投射型表示装置、2…外筐、3…前面パネル(前面部)、4…開口、11…光源部、16R…液晶パネル(変調手段)、16G…液晶パネル(変調手段)、16B…液晶パネル(変調手段)、18…投射レンズ、31…前玉レンズ、60…レンズカバー、62…塗膜、60A…レンズカバー、65…凹凸、60B…レンズカバー、60C…レンズカバー
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズカバー及びこれを用いた投射型表示装置に関する。詳しくは、投射型表示装置における投射レンズの前玉レンズを保護するレンズカバーの変形を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
投射型表示装置にあっては、その投射レンズの前玉レンズの保護のため、投射型表示装置の外筐又はレンズ鏡筒に着脱自在に設けられたレンズキャップがあるが、このようなレンズキャップは、投射型表示装置の使用時に、上記外筐又はレンズ鏡筒から取り外されるため、紛失してしまう虞がある。
【0003】
そこで、投射レンズの全体を外筐内に配置し、投射レンズの前玉レンズを外部に臨ませる開口を前面パネルに形成し、該前面パネルに上記開口を開閉するレンズカバーを移動自在に支持すれば、上述したレンズキャップと異なり紛失するという事故は生じない。
【0004】
そして、上記したレンズカバーには、手動でレンズカバーを開放方向へ移動させるもの(手動開閉タイプ)や投射型表示装置のメインスイッチの投入で開閉機構により自動的に開放位置へ移動されるもの(自動開閉タイプ)がある。
【0005】
また、このようなレンズカバーは、材料自体が濃色系の合成樹脂又は濃色系の色素を混入させた合成樹脂で形成されるのが一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、投射型表示装置の光源部が駆動されているときに、レンズカバーを閉塞したままでいると、投射型表示装置の光源部からの光が、投射レンズを通してレンズカバーに照射されてレンズカバーを高温にしてしまう。
【0007】
投射型表示装置を駆動させているにもかかわらず、レンズカバーが閉塞状態になっている場合とは、例えば、手動開閉タイプのレンズカバーにあっては開放し忘れた場合であり、また、自動開閉タイプのレンズカバーにあっては、開閉機構の故障の場合などが考えられる。
【0008】
そして、従来のように、レンズカバーを材料自体が濃色系の合成樹脂又は濃色系の色素を混入させた合成樹脂で形成されている場合、上記投射レンズから投射された光が熱エネルギーとなって、レンズカバーに蓄熱が為されてレンズカバーを高温にして、変形させてしまうという問題がある。
【0009】
ここで、レンズカバーを金属のような耐熱性ある材料で形成することも考えられる。しかし、金属でレンズカバーを形成した場合、投射型表示装置の駆動時に閉塞されたままの状態にされると、合成樹脂で形成されたレンズカバーより高温になるため、採用しがたい。金属の方が合成樹脂に比べ、熱伝導率が高いためである。
【0010】
そこで、本発明は、高温になりにくいが熱変形を起こし易い合成樹脂を材料としながら、開放のし忘れ、或いは故障などによりレンズカバーが開口を閉塞した状態のまま、投射型表示装置が駆動されて投射レンズから光がレンズカバーに投射されてしまっても、レンズカバーが熱により変形してしまわないようにすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明レンズカバーは、上記した課題を解決するために、合成樹脂で形成されたレンズカバーが投射レンズから投射された光の一部を透過させるようにしたものである。
【0012】
また、本発明投射型表示装置は、上記した課題を解決するために、外筐の前面部に形成された開口を開閉するレンズカバーを合成樹脂で形成すると共に投射レンズから投射された光の一部を透過させるように形成したものである。
【0013】
したがって、本発明レンズカバー及びこれを用いた投射型表示装置にあっては、レンズカバーを投射レンズから投射された光の一部を透過させるように形成したので、レンズカバーに光が照射されても、その光の一部しか熱エネルギーとはならず、よって、レンズカバーに蓄熱が為されることがない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明レンズカバー及びこれを備えた投射型表示装置の各実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0015】
図1乃至図8は本発明レンズカバー及びこれを備えた投射型表示装置の第1の実施の形態を示すものである。
【0016】
投射型表示装置1は上下方向に扁平な箱状を成す外筐2内に所要の部品及び部材が配置されて成り、外筐2の前面部である前面パネル3には後述する投射レンズの前玉レンズを外部に臨ませる開口4が形成されている(図1参照)。
【0017】
また、外筐2の左側面パネル5には後述するように投射型表示装置1のフォーカシング及びズーミングを行うための操作部が配置される(図1参照)。
【0018】
先ず、図2を参照して、本発明投射型表示装置の全体の概要を説明する。
【0019】
外筐2の一の隅部には光源部11が配置され、該光源部11は光源12とリフレクタ13を有する(図2参照)。
【0020】
リフレクタ13の反射面は回転楕円面に形成され、該反射面の第1焦点位置に光源12の発光部が位置される(図2参照)。
【0021】
リフレクタ13の前方には凹レンズ14が配置され、該凹レンズ14の焦点が反射面の第2焦点に位置するようにされる。これによって、光源12から出射しリフレクタ13の反射面で反射された光は凹レンズ14によって光軸に平行な光束として出射される。なお、リフレクタ13は硬質ガラスで形成された基体の内面にアルミ蒸着等の適宜手段によって反射膜が形成されて成る。また、光源12には放電ランプが使用されている。
【0022】
凹レンズ14から出射された光は2つのダイクロイックミラー15R、15Gによって、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色の色成分に分離された後変調手段としての液晶パネル16R、16G、16Bによって各色ごとに変調され、変調された各色の色成分がクロスプリズム17によって合成されて投射レンズ18によって外筐2の前面パネル3に設けられた上記開口4から前方の図示しないスクリーンに投射され、これによってスクリーン上に映像が表示される。
【0023】
すなわち、凹レンズ14から出射された光は先ずダイクロイックミラー15Rによって赤色成分Rが反射され、該反射された赤色成分は全反射ミラー19によって全反射されて液晶パネル16Rに入射され、該液晶パネル16Rに印加される赤色成分に関する映像信号によって変調された後クロスプリズム17に入射される(図2参照)。
【0024】
また、ダイクロイックミラー15Rを透過した光のうち緑色成分Gはダイクロイックミラー15Gによって反射されて液晶パネル16Gに入力され、該液晶パネル16Gに印加される緑色成分に関する映像信号によって変調された後クロスプリズム17に入射される(図2参照)。
【0025】
さらに、ダイクロイックミラー15Gを透過した青色成分Bは全反射ミラー20、21で順次全反射された後液晶パネル16Bに入力され、該液晶パネル16Bに印加される青色成分に関する映像信号によって変調された後クロスプリズム17に入射される(図2参照)。そして、クロスプリズム17に入力された各色成分R、G、Bはクロスプリズム17で合成された後クロスプリズム17の正面から出射され、そして、投射レンズ18によって前方へ投射される(図2参照)。
【0026】
なお、上記光源12から投射レンズ18に至るまでの経路には、強度分布を有する放電ランプから出射された光の輝度を液晶パネル16R、16G、16Bの画面全体に亘って均一にする手段、各種リレーレンズ等種々の目的を有する光学素子が配置されるが、それらは設計上の問題であり、本発明の主題ではないので、図2には主たる構成要素のみを示すに止める。
【0027】
なお、この実施の形態にあっては、光源12に放電ランプを使用したものについて説明したが、本発明はこれに限らず、種々の形態のランプ、例えば、各種の白熱ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ等を使用することができる。
【0028】
また、この実施の形態にあっては、変調手段に液晶パネルを使用したものについて説明したが、本発明はこれに限らず、種々の形態のライトバルブと称されるもの、例えば、GLV(Grating Light Valve)、DMD(Digital Micromirror
Device)等を使用することができる。
【0029】
上記投射レンズ18は、レンズ鏡筒30内に所要のレンズ(図示は省略する。)が配置されて構成され、その最も前側に前玉レンズ31が配置されている。
【0030】
そして、レンズ鏡筒30の前側部分の外周面には、フォーカスリング32と該フォーカスリング32の後方に配置されたズームリング33とが回転自在に設けられている(図3参照)。
【0031】
フォーカスリング32は、これを回転させることにより投射レンズ18のうちフォーカシングを行う所要のレンズ又はレンズ群を移動させてフォーカシングを行うためのものである(図3参照)。
【0032】
ズームリング33は、これを回転させることにより投射レンズ18のうちズーミングを行う所要のレンズ又はレンズ群を移動させてズーミングを行うためのものである(図3参照)。
【0033】
フォーカスリング32にはその外周面の正面形状で見て左側半分のうち上下方向における中心を挟んでほぼ90°の範囲に亘ってその周方向に複数の歯部34、34、・・・が形成されている(図3参照)。
【0034】
ズームリング33は上記フォーカスリング32とほぼ同じ形状に形成されており、その外周面の正面形状で見て左側半分のうち上下方向における中心を挟んでほぼ90°の範囲に亘ってその周方向に複数の歯部35、35、・・・が形成されている(図3参照)。
【0035】
上記レンズ鏡筒30の前部と外筐の左側面パネル5との間には上記フォーカスリング32及びズームリング33を操作するための各別の操作部材40f、40zが配置されている(図3参照)。
【0036】
フォーカスリング32を操作する操作部材40fをフォーカシング用操作部材といい、ズームリング33を操作する操作部材40zをズーミング用操作部材という。
【0037】
フォーカシング用操作部材40fとズーミング用操作部材40zは、ほぼ同じ形状に形成されているため、フォーカシング用操作部材40fについて主に説明する。また、フォーカシング用操作部材及びこれに関する各部の符号には数字の後に「f」を添え字として付し、ズーミング用操作部材及びこれに関する各部の符号には、フォーカシング用操作部材及びこれに関する各部に用いた符号のうち「f」を除いた数字の後に「z」を添え字として付す。これにより、ズーミング用操作部材40zについての説明は省略する。
【0038】
フォーカシング用操作部材40fはほぼ環状を為す部材からなり、その正面形状で見て左側半分41fの径が右側半分42fの径よりも大きく形成されている(図4参照)。
【0039】
フォーカシング用操作部材40fの左側半分41fの外周面にはローレット加工が施されて操作部43fとされ、また、右側半分42fの外周面には上記フォーカスリング32の歯部34、34、・・・と同じ形状の複数の歯部44f、44f、・・・が形成されている(図4、図7参照)。
【0040】
このようなフォーカシング用操作部材40fは上記レンズ鏡筒30の前部と外筐2の左側面パネル5との間に設けられた支持ベース50に回転自在に支持され、上記右側半分42fの歯部44f、44f、・・・が上記フォーカスリング32の歯部34、34、・・・と噛合されている(図4、図7参照)。
【0041】
フォーカシング用操作部材40fの中心部には円形の被支持孔45fが形成されている。この被支持孔45fは右側半分42fの半径のほぼ半分の半径で形成されており、これにより、フォーカシング用操作部材40fの全体がほぼ環状を為す部材となっている。
【0042】
支持ベース50は図示しないシャーシに取り付けられたベース部51と該ベース部51の上面から上方へ一体に突出された板状の支持部52とからなる(図5、図6参照)。
【0043】
支持部52はその面方向が上記前面パネル3と平行になるように配置され、開口53が形成されており、該開口53の開口縁部のうち左部及び右部には前方へ突出した支持片54l、54rが、また、開口53の開口縁部のうち上部及び下部には後方へ突出した支持片54u、54dがそれぞれ形成されている(図5、図6参照)。
【0044】
これら支持片54、54、・・・は、正面形状で見て上記開口53とほぼ同じ曲率の円弧状に形成され、それぞれの先端部に外方に突出する向きの係止爪55、55、・・・がそれぞれ形成されている(図5、図6参照)。
【0045】
これら支持片54、54、・・・のうち対向するもの同士の外側面を周方向に延長してできる円の曲率は、上記フォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40zの被支持孔45f、45zとほぼ同じに形成されている(図7参照)。
【0046】
そして、前方に突出した2つの支持片54l、54rをフォーカシング用操作部材40fの被支持孔45fに内嵌させることにより、フォーカシング用操作部材40fが2つの支持片54l、54rに回転自在に支持される。このとき、2つの支持片54l、54rをその係止爪55と55とを互いに近づく方向にやや撓ませることにより、フォーカシング用操作部材40fを支持片54l、54rに嵌合することができる(図7参照)。
【0047】
フォーカシング用操作部材40fの支持片54l、54rへの嵌合が終了した後、支持片54l、54rを撓ませていた力を取り除くことにより、上記係止爪55、55がフォーカシング用操作部材40fの被支持孔45fの開口縁に係止され、フォーカシング用操作部材40fの前方への抜けが防止される(図7参照)。
【0048】
また、後方に突出した2つの支持片54u、54dをズーミング用操作部材40zの被支持孔45zに内嵌させることにより、ズーミング用操作部材40zが2つの支持片54u、54dに回転自在に支持される。このとき、2つの支持片54u、54dをその係止爪55と55とを互いに近づく方向にやや撓ませることにより、ズーミング用操作部材40zを支持片54u、54dに嵌合することができる(図7参照)。
【0049】
ズーミング用操作部材40zの支持片54u、54dへの嵌合が終了した後、支持片54u、54dを撓ませていた力を取り除くことにより、上記係止爪55、55がズーミング用操作部材40zの被支持孔45zの周縁に係止され、ズーミング用操作部材40zの後方への抜けが防止される(図7参照)。
【0050】
このように2つの対向する支持片54lと54r及び54uと54dは、フォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40zを回転自在に支持する支持軸として機能する。
【0051】
そして、フォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40zの被支持孔45f、45zを可能な限り大きく形成したので、これらを支持する支持軸として機能する支持片54lと54r及び54uと54dの外径を大きくすることができ、フォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40zの回転を安定にすることができる。
【0052】
すなわち、支持軸を大きくすることは、これに回動自在に支持される部材(この例ではフォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40z)の外周縁部における軸方向のブレを小さくすることができるからである。
【0053】
なお、本発明はこのように回転軸の径を大きくしたものに限定されるものでなく、回転軸の径を細いものにすることもでき、この場合、操作部材40f、40zは円盤状の部材で形成すれば良い。
【0054】
また、上記支持片54、54、・・・に嵌合されたフォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40zは各支持片54、54、・・・の先端に設けられた係止爪55、55によりほぼがたつきがない状態で前後方向の位置決めが為されるとともに、その抜け止めが為される。また、上記支持片54lと54r及び54uと54dの外径を上記被支持孔45f、45zの内径よりも僅かに大きく形成しておくことにより各支持片54、54、・・・と被支持孔45f、45zの内周面とを弾接させることができ、さらにフォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40zのガタツキをなくすことができる。
【0055】
そして、支持片54l、54r又は54u、54dに回転自在に支持された各フォーカシング用操作部材40f又はズーミング用操作部材40zはその右側半分42f又は42zに形成された歯部44f、44f、・・・又は44z、44z、・・・が上記フォーカスリング32又はズームリング33に形成された歯部34、34、・・・又は35、35、・・・にそれぞれ噛合されている(図7参照)。
【0056】
各フォーカシング用操作部材40f又はズーミング用操作部材40zの左側部分41f又は41zの外周面の一部が左側面パネル5に形成された縦長な矩形をした操作窓6から外側に露出されている(図1、図3、図4参照)。
【0057】
また、操作窓6の横幅は上記2つの操作部材(フォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40z)が共に露出できる大きさに形成されている(図3参照)。なお、この操作窓6は各操作部材40f、40z毎に対応するように各別に設けるようにしても良い。
【0058】
フォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40zはその左側半分41f、41zの左端が左側面パネル5の外表面とほぼ同一な面内に位置するように、上記操作窓6から露出されている(図3参照)。
【0059】
左側面パネル5に形成された操作窓6は、その各周縁6a、6a、・・・が外側に行くに従い広がるようにテーパ状にそれぞれ形成されており、これにより、フォーカシング用操作部材40f及びズーミング用操作部材40zを操作し易くなっている。
【0060】
そして、フォーカシング用操作部材40f又はズーミング用操作部材40zを回転させることにより、上記各フォーカスリング32又はズームリング33を回転させて、フォーカシング又はズーミングが行われる。
【0061】
上記前面パネル3の開口4は、該開口4より一回り大きなレンズカバー60により開閉される(図1参照)。
【0062】
レンズカバー60は、透明な合成樹脂、例えば、ポリカーボネート(PC:Polycarbonate)で形成された板状部材61と該板状部材61の表面に形成された半透明な塗膜62とから成る(図8参照)。この塗膜62は、これに照射された光のうちほぼ半分の光量が透過するように形成される(図8参照)。
【0063】
また、レンズカバー60にあっては塗膜62を板状部材61の前玉レンズ31に対向する面と反対側の面、すなわち、外面に形成したが、これに限らず、塗膜62を前玉レンズ31に対向する面(内面)に形成しても良いし、或いは、上記板状部材61の両面に形成しても良い。
【0064】
レンズカバー60は、上記前面パネル3の前方から見て開口4の右斜め上方の位置に設けられた支持軸63に支持されている(図1参照)。
【0065】
支持軸63は図示しない回転機構により所定角度回動するようになっており、この回動により、上記レンズカバー60は上記開口4を閉塞した位置と開放した位置との間を回動するようになっている(図1参照)。
【0066】
そして、レンズカバー60が上記開口4を閉塞した位置にあるときは、上記前玉レンズ31を保護する。
【0067】
そして、誤って、或いは開閉機構の故障などによりレンズカバー60が開口4を閉塞した状態のまま、投射型表示装置1の光源部11からの光がレンズカバー60に投射されても、そのうちのほぼ半分の光量は塗膜62を透過して前方へ出射されるため、レンズカバー60への蓄熱の原因になる熱エネルギーを低減することができる。
【0068】
これにより、レンズカバー60に透過した光エネルギーに相当する分の蓄熱が為されることがなく、よって、不透明な材料で形成した従来のレンズカバーに比べて、高温になることはなく、熱変形することはない。
【0069】
また、レンズカバー60を単なる透明部材で形成した場合、開口4を開放した状態か閉塞した状態であるかを一見して判断しにくいが、この実施の形態にかかるレンズカバー60のように、半透明な塗膜62を形成しておくことにより、上記開口4を開放している位置にあるのか又は閉塞している位置にあるのかを一見しただけで判別することができ、例えば、レンズカバー60が開口4を閉塞している状態で投射型表示装置1の電源スイッチを投入してしまうなどの誤操作を防止することができる。
【0070】
図9は本発明レンズカバーの第2の実施の形態を示すものである。
【0071】
この第2の実施の形態にかかるレンズカバー60Aは透明な合成樹脂から成る板状部材61に塗膜62を形成したレンズカバー60と比較して、透明な合成樹脂から成る板状部材64の表面に微少な凹凸65、65、・・・を形成した点で相違する(図9参照)。
【0072】
この第2の実施の形態にかかるレンズカバー60Aにあっても、誤って、或いは開閉機構の故障などによりレンズカバー60Aが開口4を閉塞している状態のまま、投射型表示装置1の光源部11からの光がレンズカバー60Aに投射されても、その投射された光の一部は凹凸65、65、・・・から前方へ透過されるため、レンズカバー60Aへの蓄熱の原因になる熱エネルギーを低減することができる(図9参照)。
【0073】
また、このレンズカバー60Aは透明な合成樹脂の板状部材64を用いているが、微少な凹凸65、65、・・・が形成されているので、上記開口4を開放している位置にあるのか又は閉塞している位置にあるのかを一見しただけで判別することができ、例えば、レンズカバー60Aが開口4を閉塞している状態で投射型表示装置1の電源スイッチを投入してしまうなどの誤操作を防止することができる。
【0074】
さらに、この第2の実施の形態にかかるレンズカバー60Aにあっては、上記第1の実施の形態にかかるレンズカバー60のように塗装工程が不要であり、レンズカバー60Aを金型で成形するときに同時に微少な凹凸65、65、・・・を形成することができ、その分、製造コストを抑えることができる。
【0075】
なお、レンズカバー60Aにあっては凹凸65、65、・・・を板状部材64の前玉レンズ31に対向する面と反対側の面、すなわち、外面に形成したが、これに限らず、凹凸65、65、・・・を前玉レンズ31に対向する面(内面)に形成しても良いし、或いは、上記板状部材64の両面に形成しても良い。
【0076】
図10は本発明レンズカバーの第3の実施の形態を示すものである。
【0077】
この第3の実施の形態にかかるレンズカバー60Bは透明な合成樹脂から成る板状部材61に塗膜62を形成したレンズカバー60と比較して、半透明な合成樹脂でレンズカバー60Bを形成した点で相違する(図10参照)。
【0078】
この第3の実施の形態にかかるレンズカバー60Bにあっても、誤って、或いは開閉機構の故障などによりレンズカバー60Bが開口4を閉塞した状態のまま、投射型表示装置1の光源部11からの光がレンズカバー60Bに照射されても、その照射された光の一部は半透明な合成樹脂内を透過して前方へ透過されるため、レンズカバー60Bへの蓄熱の原因になる熱エネルギーを低減することができる(図10参照)。
【0079】
また、このレンズカバー60Bは半透明な合成樹脂で形成されているので、上記開口4を開放している位置にあるのか又は閉塞している位置にあるのかを一見しただけで判別することができ、例えば、レンズカバー60Bが開口4を閉塞している状態で投射型表示装置1の電源スイッチを投入してしまうなどの誤操作を防止することができる。
【0080】
さらに、この第3の実施の形態にかかるレンズカバー60Bにあっては、半透明な合成樹脂を金型で成形するだけで形成することができ、上記第1の実施の形態にかかるレンズカバー60のような塗装工程が不要であり、その分、製造コストを抑えることができる。
【0081】
なお、上記各実施の形態においては、レンズカバー60を前面パネル3に対して回動自在に支持したものについて説明したが、本発明はこれに限らず、図11に示すレンズカバー60Cのように、前面パネル3に対してスライド自在に支持するようにしても良い。もちろん、この場合でも、レンズカバー60Cの開閉機構は、手動開閉タイプのものであっても良いし、また、自動開閉タイプのものであっても良い。
【0082】
また、上記各実施の形態において、レンズカバーに投射された光の一部を透過させるようにするため、半透明な塗膜を形成したり、微少な凹凸を形成したり、半透明な合成樹脂で形成したりしたものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば、透明な合成樹脂で形成した基材に熱線である赤外線のみを透過する膜を形成したようなものであっても良い。
【0083】
さらに、上記各実施の形態において示した各部の具体的な形状乃至構造は、何れも本発明を実施するに当たって行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0084】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明レンズカバーは、投射型表示装置における投射レンズの前玉レンズを外部に臨ませる開口を有する外筐の前面部に支持され上記開口を開閉するレンズカバーであって、投射レンズから投射された光の一部を透過させるようにしたことを特徴とする。
【0085】
また、本発明投射型表示装置は、光源部と、該光源部から照射された光を画像信号によって変調する変調手段と、該変調手段によって変調された光を投射する投射レンズと、これらを覆うと共に上記投射レンズの前玉レンズを外部に臨ませる開口が形成された前面部を有する外筐とを備えた投射型表示装置であって、上記外筐の前面部には上記開口を開閉するレンズカバーが支持されており、上記レンズカバーを投射レンズから投射された光の一部を透過させるように形成したことを特徴とする。
【0086】
したがって、本発明レンズカバー及びこれを用いた投射型表示装置にあっては、レンズカバーを投射レンズから投射された光の一部を透過させるように形成したので、レンズカバーに光が照射されても、その光の一部しか熱エネルギーとはならず、よって、レンズカバーへの蓄熱が低減され、レンズカバーが熱で変形されることはない。
【0087】
請求項2及び請求項6に記載した発明にあっては、レンズカバーを透明な合成樹脂で形成すると共に、上記前玉レンズに対向する部分及び/又はその外側の部分に半透明な塗膜を形成したので、レンズカバーに光が照射されても、その光の一部は半透明な塗膜を透過して前方へ照射されるため、レンズカバーへの蓄熱が低減され、レンズカバーが熱で変形されることはない。
【0088】
また、レンズカバーに半透明な塗膜が形成されているので、透明なものと異なり、レンズカバーが開口を開放している位置にあるのか又は閉塞している位置にあるのかを一見しただけで判別することができ、例えば、レンズカバーが開口を閉塞している状態で投射型表示装置の電源スイッチを投入してしまうなどの誤操作を防止することができる。
【0089】
請求項3及び請求項7に記載した発明にあっては、レンズカバーを透明な合成樹脂で形成すると共に、上記前玉レンズに対向する部分及び/又はその外側の部分に微少な凹凸を形成したので、レンズカバーに光が照射されても、その光の一部又は全部はレンズカバーを透過して前方へ照射されるため、レンズカバーへの蓄熱が低減され、レンズカバーが熱で変形されることはない。
【0090】
また、レンズカバーに微少な凹凸が形成されているので、単なる透明で且つ平板状のものと異なり、レンズカバーが開口を開放している位置にあるのか又は閉塞している位置にあるのかを一見しただけで判別することができ、例えば、レンズカバーが開口を閉塞している状態で投射型表示装置の電源スイッチを投入してしまうなどの誤操作を防止することができる。
【0091】
さらに、レンズカバーに微少な凹凸を形成しただけであるので、レンズカバーを金型で成形するときに同時に微少な凹凸を形成することができ、塗装工程などの別工程が不要であり、その分、製造コストを抑えることができる。
【0092】
請求項4及び請求項8に記載した発明にあっては、レンズカバーを半透明な合成樹脂で形成したので、レンズカバーに光が照射されても、その光の一部は半透明なレンズカバーを透過して前方へ照射されるため、レンズカバーへの蓄熱が低減され、レンズカバーが熱で変形されることはない。
【0093】
また、レンズカバーは半透明な合成樹脂で形成されているので、透明なものと異なり、レンズカバーが開口を開放している位置にあるのか又は閉塞している位置にあるのかを一見しただけで判別することができ、例えば、レンズカバーが開口を閉塞している状態で投射型表示装置の電源スイッチを投入してしまうなどの誤操作を防止することができる。
【0094】
さらに、レンズカバーを半透明な合成樹脂で形成したので、塗装工程などの別工程が不要であり、その分、製造コストを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2乃至図8と共に本発明レンズカバー及びこれを用いた投射型表示装置の第1の実施の形態を示すものであり、本図は全体の斜視図である。
【図2】投射型表示装置の概要を説明するための全体構成図である。
【図3】レンズ鏡筒の周辺を拡大して示す平面図である。
【図4】レンズ鏡筒の周辺の正面図である。
【図5】支持ベースの前方から見た斜視図である。
【図6】支持ベースの後方から見た斜視図である。
【図7】支持ベースと操作部材とを分離して示す斜視図である。
【図8】レンズカバーの拡大断面図である。
【図9】本発明レンズカバーの第2の実施の形態を示すものであり、レンズカバーの拡大断面図である。
【図10】本発明レンズカバーの第3の実施の形態を示すものであり、レンズカバーの拡大断面図である。
【図11】レンズカバーの別の例を概略的に示す正面図である。
【符号の説明】
1…投射型表示装置、2…外筐、3…前面パネル(前面部)、4…開口、11…光源部、16R…液晶パネル(変調手段)、16G…液晶パネル(変調手段)、16B…液晶パネル(変調手段)、18…投射レンズ、31…前玉レンズ、60…レンズカバー、62…塗膜、60A…レンズカバー、65…凹凸、60B…レンズカバー、60C…レンズカバー
Claims (8)
- 投射型表示装置における投射レンズの前玉レンズを外部に臨ませる開口を有する外筐の前面部に支持され上記開口を開閉するレンズカバーであって、
投射レンズから投射された光の一部を透過させるようにした
ことを特徴とするレンズカバー。 - 透明な合成樹脂で形成され、
上記前玉レンズに対向する部分及び/又はその外側の部分に半透明な塗膜が形成された
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズカバー。 - 透明な合成樹脂で形成され、
上記前玉レンズに対向する部分及び/又はその外側の部分に微少な凹凸が形成された
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズカバー。 - 半透明な合成樹脂で形成された
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズカバー。 - 光源部と、該光源部から照射された光を画像信号によって変調する変調手段と、該変調手段によって変調された光を投射する投射レンズと、これらを覆うと共に上記投射レンズの前玉レンズを外部に臨ませる開口が形成された前面部を有する外筐とを備えた投射型表示装置であって、
上記外筐の前面部には上記開口を開閉するレンズカバーが支持されており、
上記レンズカバーを投射レンズから投射された光の一部を透過させるように形成した
ことを特徴とする投射型表示装置。 - 上記レンズカバーを透明な合成樹脂で形成すると共に、
上記前玉レンズに対向する部分及び/又はその外側の部分に半透明な塗膜を形成した
ことを特徴とする請求項5に記載の投射型表示装置。 - 上記レンズカバーを透明な合成樹脂で形成すると共に、
上記前玉レンズに対向する部分及び/又はその外側の部分に微少な凹凸を形成した
ことを特徴とする請求項5に記載の投射型表示装置。 - 上記レンズカバーを半透明な合成樹脂で形成した
ことを特徴とする請求項5に記載の投射型表示装置。
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- 2002-06-10 JP JP2002168526A patent/JP2004012972A/ja active Pending
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