JP2004012093A - 蓄熱装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄熱し熱量をある期間に亘って徐々に利用する。
【解決手段】熱を蓄える複数の蓄熱ブロックA1〜Anと、該蓄熱ブロックA1〜Anが浸漬される流動形熱媒を貯留する流動槽1と、熱需要部Xとの間で流動形熱媒を循環させる放熱用循環手段2と、熱需要部Xの熱需要量に応じて蓄熱ブロックA1〜Anから蓄熱を個別に取り出す放熱制御手段3とを具備する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蓄熱材に熱エネルギーを蓄える蓄熱装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
例えば特開昭61−261388号公報には、過冷却状態で潜熱を蓄える蓄熱媒体に熱伝導手段を用いて熱を伝導し、蓄熱媒体を結晶相からゲル相に相転移させて蓄熱し、熱利用時には蓄熱媒体に刺激を加えることによりゲル相から結晶相に相転移させて熱回収する蓄熱装置が開示されている。
【0003】
しかし、上記蓄熱装置では、蓄熱媒体に刺激を加えることにより蓄熱媒体の全体がゲル相から結晶相に相転移し、蓄熱媒体に蓄熱された全熱量が一度に取り出されるので、蓄熱し熱量を部分的に取り出してある期間に亘って徐々に利用することができない。
【0004】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、蓄熱した熱をある期間に亘って徐々に利用することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、蓄熱装置に係わる第1の手段として、熱を蓄える複数の蓄熱ブロック(A1〜An)と、該蓄熱ブロック(A1〜An)が浸漬される流動形熱媒を貯留する流動槽(1)と、熱需要部(X)との間で流動形熱媒を循環させる放熱用循環手段(2)と、熱需要部(X)の熱需要量に応じて蓄熱ブロック(A1〜An)から蓄熱を個別に取り出す放熱制御手段(3)とを具備する構成を採用する。
【0006】
蓄熱装置に係わる第2の手段として、上記第1の手段において、流動形熱媒を熱供給源(Y)との間で循環させる吸熱用循環手段(4)をさらに備えるという構成を採用する。
【0007】
蓄熱装置に係わる第3の手段として、上記第1の手段において、放熱制御手段(3)は、蓄熱ブロック(A1〜An)に機械的あるいは電気的な刺激を加えることにより流動形熱媒への供給熱量を制御するという構成を採用する。
【0008】
蓄熱装置に係わる第4の手段として、上記第1の手段において、蓄熱ブロック(A1〜An)は、蓄熱材として潜熱型蓄熱材を用いるという構成を採用する。
【0009】
蓄熱装置に係わる第5の手段として、上記第1の手段において、流動形熱媒は流動型蓄熱材であるという構成を採用する。
【0010】
一方、本発明では、蓄熱方法に係わる第1の手段として、熱材(H)を複数の蓄熱ブロック(A1〜An)として流動形熱媒(LH)中に配置し、各蓄熱ブロック(A1〜An)に個別に刺激を与えることにより蓄熱材(H)の熱を小出しに回収するという構成を採用する。
【0011】
また、蓄熱方法に係わる第2の手段として、上記第1の手段において、流動形熱媒(LH)を介して各蓄熱ブロック(A1〜An)の蓄熱材(H)に熱を蓄積させるという構成を採用する。
【0012】
蓄熱方法に係わる第3の手段として、上記第1または第2の手段において、蓄熱ブロック(A1〜An)の蓄熱材(H)に機械的あるいは電気的な刺激を加えることにより熱を回収するという構成を採用する。
【0013】
蓄熱方法に係わる第4の手段として、上記第1〜第3いずれかの手段において、蓄熱材(H)として潜熱型蓄熱材を用いるという構成を採用する。
【0014】
蓄熱方法に係わる第5の手段として、上記第1〜第3いずれかの手段において、流動形熱媒(LH)は流動型蓄熱材であるという構成を採用する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係わる蓄熱装置及び方法の一実施形態について説明する。
【0016】
図1は、本実施形態における蓄熱装置のシステム構成図である。この図において、符号1は流動槽、A1〜Anは蓄熱ブロック、Hは潜熱形蓄熱材、b1〜bnは圧電素子、LHは流動形蓄熱材(流動形熱媒)、2は放熱用ポンプ(放熱用循環手段)、3は制御装置(放熱制御手段)、4は吸熱用ポンプ(吸熱用循環手段)、5は温度センサである。これら各構成要素から構成された本蓄熱装置は、熱供給源Yから供給された熱を蓄熱すると共に、当該蓄熱した熱を熱需要部Xに提供する。
【0017】
流動槽1は、一定量の流動形蓄熱材LHを貯留するものであり、当該流動形蓄熱材LHには多数(n個)の蓄熱ブロックA1〜Anが浸漬されている。蓄熱ブロックA1〜Anは、流動形蓄熱材LHから供給された熱を潜熱として蓄える潜熱形蓄熱材H、及び当該潜熱形蓄熱材Hから潜熱を取り出すために機械的な刺激を潜熱形蓄熱材Hに与える圧電素子b1〜bnを各々備えている。このような各蓄熱ブロックA1〜Anは、熱導電性に優れた容器内に潜熱形蓄熱材Hと圧電素子b1〜bnとを封入したものであり、流動槽1内に分散配置されると共に流動形蓄熱材LHとの熱交換が良好に行われるように流動形蓄熱材LH内に浸漬されている。
【0018】
上記潜熱形蓄熱材Hは、例えば過冷却状態で結晶相からゲル相に相転移して潜熱形蓄熱材Hの熱を潜熱として蓄えると共に、外部から加えられる機械的あるいは電気的な刺激によってゲル相から結晶相に相転移して上記潜熱を潜熱形蓄熱材Hに放出する熱酢酸ナトリウム(NaCHCOO)である。
【0019】
放熱用ポンプ2は、流動槽1内の流動形蓄熱材LHを熱需要部Xとの間で循環させるためのものであり、流動槽1と熱需要部Xとの間に設けられている。温度センサ5は、熱需要部Xに流入する流動形蓄熱材LHの温度(供給温度)を測定して制御装置3に出力する。
【0020】
吸熱用ポンプ4は、流動槽1内の流動形蓄熱材LHを熱供給源Yとの間で循環させるためのものであり、流動槽1と熱供給源Yとの間に設けられている。制御装置3は、熱需要部Xの熱需要量に応じて蓄熱ブロックA1〜Anから流動形蓄熱材LHへの供給熱量を制御するものであり、より具体的には上記供給温度が一定となるように圧電素子b1〜bnの動作を制御する。
【0021】
次に、このように構成された本蓄熱装置の動作について詳しく説明する。
【0022】
まず最初に本蓄熱装置の蓄熱課程について説明する。この蓄熱課程では吸熱用ポンプ4が作動して所定流量の流動形蓄熱材LHが流動槽1と熱供給源Yとの間を循環する。流動形蓄熱材LHは、この循環中に熱供給源Yから熱供給を受けると共に、当該熱供給源Yから供給された熱を各蓄熱ブロックA1〜An内の潜熱形蓄熱材Hに提供する。すなわち、流動形蓄熱材LHは、熱供給源Yの熱を熱媒として各蓄熱ブロックA1〜Anの潜熱形蓄熱材Hに伝達する。各潜熱形蓄熱材Hは流動形蓄熱材LHから提供される熱を潜熱として徐々に蓄えるので、吸熱用ポンプ4が作動を停止するまでの間に、各蓄熱ブロックA1〜Anには所定容量の熱が蓄積される。
【0023】
次に本蓄熱装置の放熱課程について説明する。上記蓄熱課程によって各蓄熱ブロックA1〜Anに蓄積された熱は、以下のように熱需要部Xに提供される。すなわち、放熱課程では放熱用ポンプ2が作動することにより所定流量の流動形蓄熱材LHが流動槽1と熱需要部Xとの間を循環する。この場合、温度センサ5によって測定される流動形蓄熱材LHの供給温度は、熱需要部Xにおける熱需要量に応じて当然に変化することになる。制御装置3は、放熱課程の間、温度センサ5から入力される供給温度を常時モニタしており、供給温度が所定の目標値を維持するように各蓄熱ブロックA1〜Anの放熱を制御する。
【0024】
例えば、制御装置3が蓄熱ブロックA1の圧電素子b1を駆動して蓄熱ブロックA1の潜熱形蓄熱材Hのみから潜熱を取り出したときに供給温度が目標値に達した場合、熱需要部Xの熱消費によって供給温度は徐々に低下する。これに対して、制御装置3は、蓄熱ブロックA2の圧電素子b2を駆動して蓄熱ブロックA2の潜熱形蓄熱材Hから潜熱を取り出すことにより供給温度を目標値に維持させる。すなわち、制御装置3は、供給温度を目標値を維持するように、蓄熱ブロックA1の圧電素子b1→蓄熱ブロックA2の圧電素子b2→……→蓄熱ブロックAnの圧電素子bnの順で順次駆動することにより、熱需要部Xが熱を必要とする期間に亘って供給温度を目標値に維持し続ける。
【0025】
本実施形態によれば、複数設けた蓄熱ブロックA1〜Anから個別に熱を取り出すので、熱需要部Xが熱を必要とする期間に亘って所定熱量の熱エネルギーを熱需要部Xに提供することができる。また、流動形蓄熱材LHを蓄熱ブロックA1〜Anへの蓄熱と蓄熱ブロックA1〜Anからの熱回収とに時分割的に共用するので、装置構成を単純化できる。また、電気的に駆動される圧電素子b1〜bnを用いて潜熱形蓄熱材Hに機械的な刺激を加えるので、潜熱形蓄熱材Hの潜熱を容易に回収することができる。さらには、各蓄熱ブロックA1〜Anに潜熱形蓄熱材Hを用いているので、放熱時に供給温度を目標値に維持することが容易である。仮に顕熱型の蓄熱材を用いた場合には、流動槽1における流動形蓄熱材LHの温度変動が大きくなるので、供給温度を目標値に維持することにおいて不利である。
【0026】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形が考えられる。
(1)蓄熱ブロックA1〜Anの個数や流動槽1の規模は熱需要部Xや熱供給源Yの規模に応じて適宜設定される設計事項である。
(2)蓄熱ブロックA1〜Anの蓄熱材としては潜熱型蓄熱材Hに限定されることなく、特に供給温度の温度変動を許容できる場合においては顕熱型蓄熱材を用いても良い。
(3)流動形熱媒としては流動形蓄熱材LHに限定されることなく、他の熱媒であっても良い。
(4)潜熱を潜熱形蓄熱材Hから回収するための手段としては、圧電素子b1〜bnに限定されることなく、他の手段でも良い。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、熱を蓄える複数の蓄熱ブロックA1〜Anと、該蓄熱ブロックが浸漬される流動形熱媒を貯留する流動槽と、熱需要部との間で流動形熱媒を循環させる放熱用循環手段と、熱需要部の熱需要量に応じて蓄熱ブロックから蓄熱を個別に取り出す放熱制御手段とを具備するので、蓄熱した熱をある期間に亘って徐々に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わるシステム構成図である。
【符号の説明】
A1〜An……蓄熱ブロック
H……潜熱形蓄熱材
b1〜bn……圧電素子
LH……流動形蓄熱材(流動形熱媒)
1……流動槽
2……放熱用ポンプ(放熱用循環手段)
3……制御装置(放熱制御手段)
4……吸熱用ポンプ(吸熱用循環手段)
5……温度センサ
X……熱需要部
Y……熱供給源

Claims (10)

  1. 熱を蓄える複数の蓄熱ブロック(A1〜An)と、
    該蓄熱ブロック(A1〜An)が浸漬される流動形熱媒(LH)を貯留する流動槽(1)と、
    熱需要部(X)との間で流動形熱媒(LH)を循環させる放熱用循環手段(2)と、
    前記熱需要部(X)の熱需要量に応じて蓄熱ブロック(A1〜An)から蓄熱を個別に取り出す放熱制御手段(3)と
    を具備することを特徴とする蓄熱装置。
  2. 流動形熱媒(LH)を熱供給源(Y)との間で循環させる吸熱用循環手段(4)をさらに備えることを特徴とする請求項1記載の蓄熱装置。
  3. 放熱制御手段(3)は、蓄熱ブロック(A1〜An)に機械的あるいは電気的な刺激を加えることにより流動形熱媒(LH)への供給熱量を制御することを特徴とする請求項1または2記載の蓄熱装置。
  4. 蓄熱ブロック(A1〜An)は、蓄熱材として潜熱型蓄熱材を用いることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の蓄熱装置。
  5. 流動形熱媒(LH)は流動型蓄熱材であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の蓄熱装置。
  6. 蓄熱材(H)を複数の蓄熱ブロック(A1〜An)として流動形熱媒(LH)中に配置し、各蓄熱ブロック(A1〜An)に個別に刺激を与えることにより蓄熱材(H)の熱を小出しに回収することを特徴とする蓄熱方法。
  7. 流動形熱媒(LH)を介して各蓄熱ブロック(A1〜An)の蓄熱材(H)に熱を蓄積させることを特徴とする請求項6記載の蓄熱方法。
  8. 蓄熱ブロック(A1〜An)の蓄熱材(H)に機械的あるいは電気的な刺激を加えることにより熱を回収することを特徴とする請求項6または7記載の蓄熱方法。
  9. 蓄熱材(H)として潜熱型蓄熱材を用いることを特徴とする請求項6〜8いずれかに記載の蓄熱方法。
  10. 流動形熱媒(LH)は流動型蓄熱材であることを特徴とする請求項6〜9いずれかに記載の蓄熱方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010042985A1 (en) * 2008-10-15 2010-04-22 Solar Flare International Limited Thermal storage device
JP2014503973A (ja) * 2011-01-12 2014-02-13 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 凝集状態変化材料によるバッテリの温度調整

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