JP2004011851A - 水素吸蔵合金を充填した水素貯蔵容器 - Google Patents

水素吸蔵合金を充填した水素貯蔵容器 Download PDF

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Abstract

【課題】水素吸蔵合金を充填した水素貯蔵容器において水素吸蔵合金の充填率の向上を図る。
【解決手段】水素吸蔵合金インゴット、前記インゴットを収容する容器、ならびに前記インゴットと前記容器内壁との間に介在する弾性体からなる水素貯蔵容器であって、水素貯蔵容器の使用設定条件下での水素化または脱水素化により前記インゴットが膨張または収縮した場合に、前記弾性体が収縮または膨張して前記インゴットを支持することにより、前記インゴットが形状を保持できるようにした水素貯蔵容器。
【選択図】       なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素吸蔵合金を用いた水素貯蔵容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
水素ガスの吸蔵と放出が可能な水素吸蔵合金は、近年の環境問題ならびにエネルギー問題の観点から、燃料電池用の水素貯蔵・供給部としての期待が高まっている。水素吸蔵合金のなかでもV系の合金は、室温で約2.5重量%の水素を貯蔵し得る現在最も有効水素貯蔵量の多い材料として知られている。
燃料電池の広範囲にわたる普及のためには、安全で小型・コンパクトな水素貯蔵容器の開発が必要不可欠であり、このような観点から、水素吸蔵合金による水素の貯蔵方法や、合金の高容量化が図られている。
【0003】
水素吸蔵合金は、実際の使用に際しては、粉砕されて粉末状態で容器に充填され、水素貯蔵容器として用いられる。しかし、このような粉末充填の場合、充填率は低くなりがちであり、しかも合金が水素吸蔵によって膨張するため、容器内空間に占める合金の充填率は、容積比で40〜50%程度が限界である。従って、合金そのものが高容量であっても、水素貯蔵容器としての容量は低くなる傾向がある。
【0004】
水素吸蔵合金が一般に粉末状態で容器内に充填されるのは、仮に合金を塊状で充填しても、容器への水素加圧による合金の水素吸蔵および容器からの水素減圧による合金の水素放出といったサイクルの繰り返しによって、合金が膨張・収縮を繰り返し、粉体化してしまうからである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、燃料電池等に供する水素貯蔵容器として有望な水素吸蔵合金の上記のような問題点を鑑みてなされたものであり、従来以上に水素吸蔵合金の容器内への充填率を高めることにより、水素貯蔵容器としての容量を高めることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水素吸蔵合金インゴット、前記インゴットを収容する容器、ならびに前記インゴットと前記容器内壁との間に介在する弾性体からなる水素貯蔵容器であって、水素貯蔵容器の使用設定条件下での水素化または脱水素化により前記インゴットが膨張または収縮した場合に、前記弾性体が収縮または膨張して前記インゴットを支持することにより、前記インゴットが形状を保持できるようにした水素貯蔵容器に関する。
前記弾性体は、シート状であることが好ましい。この場合、前記弾性体は、前記インゴットの表面に貼り付けたり、前記容器内壁に貼り付けたりすることができる。
前記弾性体には、前記容器内壁に設けられたバネを用いることができる。
本発明は、また、水素吸蔵合金粉末と弾性体粉末との混合物からなる成形体、ならびに前記成形体を収容する容器からなる水素貯蔵容器に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
本実施の形態にかかる水素貯蔵容器は、水素吸蔵合金インゴット、前記インゴットを収容する容器、ならびに前記インゴットと前記容器内壁との間に充填された弾性体を具備する。
前記インゴットは、水素貯蔵容器の使用設定条件下での水素化による膨張後においても、前記容器内空間に収容され得る形状を有する。例えば、膨張後の水素吸蔵合金インゴットが容器内壁に接するように、インゴットおよび容器の大きさおよび形状を設計することが好ましい。この場合、容器内空間に占める水素吸蔵合金の充填率は最大となる。ただし、弾性体の収縮率が比較的小さい場合や、弾性体の真体積が大きい場合には、インゴットは、その水素化後の膨張した大きさにおいて容器内壁に接しないような形状に加工することが好ましい。この場合、インゴットの大きさの減少に応じて容器内空間に占める水素吸蔵合金の充填率も減少する。
【0008】
インゴットと容器内壁との間に充填された弾性体は、インゴットが水素化により徐々に膨張すると、徐々に収縮しながらインゴットを支え、インゴットが脱水素により徐々に収縮すると、徐々に膨張しながらインゴットを支える機能を果たす。そのため、インゴットは形状を保持しながら膨張・収縮を繰り返すことができ、インゴットの崩壊が防がれる。また、インゴットに成形された水素吸蔵合金を容器に収容しているため、無駄な空隙がなくなり、容器内空間に占める水素吸蔵合金の充填率は、粉末の水素吸蔵合金を充填する従来の場合と比べて高くなる。
【0009】
インゴットの形状は、特に限定されないが、直方体、円柱などの形状が好ましい。また、容器内空間の形状は、インゴット形状とほぼ同様の形状にすることが好ましい。
また、弾性体の種類によって異なるが、水素化後のインゴットの体積をV(H)とすると、容器の内容積は、V(H)〜1.2×V(H)であることが好ましい。
【0010】
弾性体としては、例えばポリウレタン、ゴムなどが好ましい。また、弾性体の伸び弾性率は、10〜10N/mであることが好ましい。
容器の材質は、特に限定されないが、ステンレス鋼、アルミニウムなどが好ましい。
水素貯蔵容器の使用設定条件は、使用温度が−50〜100℃、容器内に印加する最高水素圧が10MPa以下であることが好ましい。
【0011】
実施の形態2
本実施の形態にかかる水素貯蔵容器は、インゴットと前記容器内壁との間に弾性体を充填する代わりに、インゴットの表面に弾性体を貼り付けたこと以外、実施の形態1と同様である。この場合、弾性体は、シート状もしくはフィルム状のゴムであることが好ましい。また、弾性体とインゴットとの間は、ゴム弾性を有する接着剤で接合することが好ましい。
【0012】
本実施の形態においても、インゴットの表面に貼り付けられた弾性体は、インゴットが水素化により徐々に膨張すると、徐々に収縮しながらインゴットを支え、インゴットが脱水素により徐々に収縮すると、徐々に膨張しながらインゴットを支える機能を果たす。そのため、インゴットは形状を保持しながら膨張・収縮を繰り返すことができ、インゴットの崩壊が防がれる。また、インゴットに成形された水素吸蔵合金を容器に収容しているため、無駄な空隙がなくなり、容器内空間に占める水素吸蔵合金の充填率は、粉末の水素吸蔵合金を充填する従来の場合と比べて高くなる。
【0013】
実施の形態3
本実施の形態にかかる水素貯蔵容器は、インゴットと前記容器内壁との間に弾性体を充填する代わりに、容器内壁に弾性体を貼り付けたこと以外、実施の形態1と同様である。この場合も、弾性体は、シート状もしくはフィルム状のゴムであることが好ましい。また、弾性体と容器内壁との間は、ゴム弾性を有する接着剤で接合することが好ましい。
【0014】
本実施の形態においても、容器内壁に貼り付けられた弾性体は、インゴットが水素化により徐々に膨張すると、徐々に収縮しながらインゴットを支え、インゴットが脱水素により徐々に収縮すると、徐々に膨張しながらインゴットを支える機能を果たす。そのため、インゴットは形状を保持しながら膨張・収縮を繰り返すことができ、インゴットの崩壊が防がれる。また、インゴットに成形された水素吸蔵合金を容器に収容しているため、無駄な空隙がなくなり、容器内空間に占める水素吸蔵合金の充填率は、粉末の水素吸蔵合金を充填する従来の場合と比べて高くなる。
【0015】
実施の形態4
本実施の形態にかかる水素貯蔵容器は、インゴットと前記容器内壁との間に弾性体を充填する代わりに、容器内壁に弾性を有するバネを設けること以外、実施の形態1と同様である。バネを設ける位置およびバネの数は、特に限定されないが、インゴットを十分に支えることができるように位置および数を設計する必要がある。
【0016】
本実施の形態においても、容器内壁に設けられたバネは、インゴットが水素化により徐々に膨張すると、徐々に収縮しながらインゴットを支え、インゴットが脱水素により徐々に収縮すると、徐々に膨張しながらインゴットを支える機能を果たす。そのため、インゴットは形状を保持しながら膨張・収縮を繰り返すことができ、インゴットの崩壊が防がれる。また、インゴットに成形された水素吸蔵合金を容器に収容しているため、無駄な空隙がなくなり、容器内空間に占める水素吸蔵合金の充填率は、粉末の水素吸蔵合金を充填する従来の場合と比べて高くなる。
【0017】
実施の形態5
本実施の形態にかかる水素貯蔵容器は、水素吸蔵合金粉末と弾性体粉末との混合物からなる成形体、ならびに前記成形体を収容する容器を具備する。成形体は、水素吸蔵合金粉末と弾性体粉末との混合物を、金型でプレス加工することにより作製すればよい。混合物には、他にバインダなどを混入させてもよい。理想的には成形体の体積が、水素吸蔵合金粉末の水素化後の体積に一致することが好ましい。この場合、成形体を容器内に隙間なく充填することができる。
【0018】
水素吸蔵合金の水素化による膨張率をX%とすると、混合物において、水素吸蔵合金粉末100体積部あたりの弾性体の量は、X〜1.2×X体積部であることが好ましい。
この場合、弾性体には、粉末のゴムを用いることが好ましい。弾性体粉末の平均粒径は10〜100μmであることが好ましく、水素吸蔵合金粉末の平均粒径は10〜100μmであることが好ましい。
【0019】
本実施の形態においては、合金粉末が水素化により徐々に膨張すると、成形体内に合金と共存する弾性体粉末が徐々に収縮しながら容器内壁に対する圧力を緩和し、合金粉末が脱水素により徐々に収縮すると、弾性体粉末が徐々に膨張する機能を果たす。
成形体は、合金粉末と、その空隙を埋める弾性体粉末とからなるため、無駄な空隙がなくなり、容器内空間に占める水素吸蔵合金の充填率は、粉末の水素吸蔵合金のみを充填する従来の場合と比べて高くなる。
【0020】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
《実施例1》
図1は、本実施例にかかる水素貯蔵容器の内部構造を示す断面図である。
図1中、容器102の中には、水素吸蔵合金インゴット101およびインゴット101を覆うように弾性体103が収容されている。容器102は、水素の供給・排出を行うための水素流通管105と連通しており、容器102内の水素圧は、水素流通管105を通過させる水素流量および水素流通管105に設けた水素弁104で調節できるようになっている。
【0022】
ここでは、bcc結晶構造を主相とするV系の水素吸蔵合金(組成:VTi0.01)のインゴット1を溶解鋳造法で作製した。インゴット101の形状と大きさは、その水素化後の大きさと形状が容器102の内空間の大きさと形状に一致するように調整した。なお、容器内空間の形状は縦2cm×横1cm×高さ5cmの直方体とした。
【0023】
水素化後のインゴットの大きさは、実験的に見出すこともできるが、水素化による水素吸蔵合金の膨張率から求めることもできる。水素吸蔵合金の膨張率は、水素化後の水素吸蔵合金の格子定数をX線回折法で測定することによって求めることができる。bcc結晶構造を主相とするV系の水素吸蔵合金は多種あるが、VTi0.01合金を用い、水素貯蔵容器の使用設計条件として、使用温度を室温、容器に印加する最高水素圧を1MPaとする場合、水素化による合金の膨張率は30%である。bcc結晶構造を主相とする他の水素吸蔵合金あるいはそれ以外の水素吸蔵合金の場合にも、同様に膨張率に応じて合金インゴットの形状と大きさを決定することができる。
【0024】
インゴット101(縦1.83cm×横0.92cm×高さ4.57cm)を、弾性体103(ゴム製)を厚さ0.4cmで底に敷いた内容積10cmの容器102に挿入した。さらに容器内壁とインゴットとの隙間に弾性体103を充填し、容器に蓋をして密封し、水素貯蔵容器を完成した。なお、ここでは弾性体としてゴム製のものを用いたが、容器の使用温度下において水素雰囲気で安定な物質であれば、いずれの弾性体を用いてもよく、これに限定されるものではない。
【0025】
次いで、室温下、完成した水素貯蔵容器に、水素流通管105から水素を導入した。容器に印加する最高水素圧を1MPaに設定し、平衡状態になるまで水素を導入した後、水素を排出するサイクルを10回繰り返した。その後、水素貯蔵容器を分解してインゴット101を観察したところ、崩壊は見られなかった。
【0026】
以上より、容器内壁とインゴットとの隙間に充填された弾性体が、インゴットの水素化による膨張時には収縮しながらインゴットを支え、脱水素化によるインゴットの収縮時には膨張しながらインゴットを同様に支えており、インゴットの崩壊を防いでいることがわかる。
【0027】
また、粉末を充填する従来法では、水素吸蔵合金の容器内空間に占める充填率は最大50%が限界であるのに比べて、本実施例の場合、水素吸蔵合金の充填率は、76.9%とかなり高い充填率となった。これは、インゴットの水素化・脱水素化による崩壊を防ぐ工夫を講じているため、水素化によるインゴットの膨張のみを考慮して容器に充填する合金の量を決定することができるからである。そして、合金粉末を充填する従来法と比べて無駄な空隙を無くすことができるからである。従って、本実施例の水素貯蔵容器は、水素吸蔵合金の充填率が非常に高く、コンパクトな水素貯蔵容器であると言える。
【0028】
なお、インゴットの水素化後の大きさが容器内空間とほぼ同じ場合に最大の充填率となるが、必要に応じてインゴットの大きさを減少して、充填率を減少させてもよい。
【0029】
《実施例2》
実施例1と同じ合金インゴットと、それを収容する容器を用意した。また、弾性体として、厚さ0.4cmのシート状の樹脂製スポンジを用意した。このスポンジの片面にゴム系接着剤を塗布し、前記インゴットの全表面が覆われるように、スポンジをインゴットに貼り付けた。次いで、スポンジで覆われたインゴットを容器に挿入し、容器に蓋をしてを密封し、水素貯蔵容器を完成した。
【0030】
なお、弾性体の厚さは、合金インゴットと容器内壁との隙間を埋める程度が良いが、特に大きさを限定する必要はない。また、ここでは弾性体として樹脂製のスポンジを用いたが、容器の使用温度下において水素雰囲気で安定な物質であれば、いずれの弾性体を用いてもよく、これに限定されるものではない。
【0031】
次いで、室温下、完成した水素貯蔵容器を用いて、実施例1と同様の条件で、容器内に平衡状態になるまで水素を導入した後、水素を排出するサイクルを10回繰り返した。その後、水素貯蔵容器を分解してインゴットを観察したところ、崩壊は見られなかった。以上より、本実施例においても、実施例1と同様に、インゴットの崩壊を防ぐことができ、その結果、水素吸蔵合金の充填率が非常に高く、コンパクトな水素貯蔵容器が得られることがわかる。
【0032】
《実施例3》
実施例1と同じ合金インゴットと、それを収容する容器を用意した。また、弾性体として、厚さ0.4cmのシート状の樹脂製スポンジを用意した。このスポンジの片面にゴム系接着剤を塗布し、前記容器の全内壁面が覆われるように、スポンジを内壁に貼り付けた。次いで、その容器内にインゴットを挿入し、容器に蓋をしてを密封し、水素貯蔵容器を完成した。
【0033】
なお、弾性体の厚さは、合金インゴットと容器内壁との隙間を埋める程度が良いが、特に大きさを限定する必要はない。また、ここでは弾性体として樹脂製のスポンジを用いたが、容器の使用温度下において水素雰囲気で安定な物質であれば、いずれの弾性体を用いてもよく、これに限定されるものではない。
【0034】
次いで、室温下、完成した水素貯蔵容器を用いて、実施例1と同様の条件で、容器内に平衡状態になるまで水素を導入した後、水素を排出するサイクルを10回繰り返した。その後、水素貯蔵容器を分解してインゴットを観察したところ、崩壊は見られなかった。以上より、本実施例においても、実施例1と同様に、インゴットの崩壊を防ぐことができ、その結果、水素吸蔵合金の充填率が非常に高く、コンパクトな水素貯蔵容器が得られることがわかる。
【0035】
《実施例4》
図2は、本実施例にかかる水素貯蔵容器の内部構造を示す断面図である。
サイズを縦0.86cm、横1.75cm、高さ4.0cmに変更したこと以外は実施例1と同様の合金インゴット201と、それを収容するための実施例1で用いたのと同じ容器202を用意した。また、片面に4本のコイル状のバネ203を設けた厚さ0.01cmの鋼シート206からなる弾性体を6組用意した。各鋼シート206の大きさは、それぞれ容器の6つの内壁面(一つは蓋)よりも一回り小さく切り出した。バネ203には、コイルの直径が0.05cmで、完全に縮んだ状態の長さが0.02cmのものを用いた。これらの弾性体を、容器の各内壁面および蓋の内面に固定し、次いで、その容器内にインゴットを挿入し、容器に蓋をしてを密封し、水素貯蔵容器を完成した。
【0036】
次いで、室温下、完成した水素貯蔵容器を用いて、実施例1と同様の条件で、水素流通管205から水素弁204を介して容器内に平衡状態になるまで水素を導入した後、水素を排出するサイクルを10回繰り返した。その後、水素貯蔵容器を分解してインゴットを観察したところ、崩壊は見られなかった。以上より、本実施例においても、実施例1と同様に、インゴットの崩壊を防ぐことができ、その結果、水素吸蔵合金の充填率が非常に高く、コンパクトな水素貯蔵容器が得られることがわかる。
【0037】
なお、粉末を充填する従来法では、水素吸蔵合金の容器内空間に占める充填率は最大50%が限界であるのに比べて、本実施例の場合、水素吸蔵合金の充填率は、60%とかなり高い充填率となった。これは、インゴットの水素化・脱水素化による崩壊を防ぐ工夫を講じているため、水素化によるインゴットの膨張と、バネおよび鋼シートのデッドスペースとだけを考慮して容器に充填する合金の量を決定することができるからである。そして、合金粉末を充填する従来法と比べて無駄な空隙を無くすことができるからである。従って、本実施例の水素貯蔵容器は、水素吸蔵合金の充填率が非常に高く、コンパクトな水素貯蔵容器であると言える。
【0038】
《実施例5》
図3は、本実施例にかかる水素貯蔵容器の内部構造を示す断面図である。
実施例1と同じ合金インゴットと、実施例1でインゴットを収容するために用いたのと同じ容器302を用意した。また、弾性体として、平均粒径50μmのポリウレタン樹脂粉末を用意した。
前記インゴットは、水素化粉砕により平均粒径50μmに粉砕した。得られた合金粉末100体積部に対し、30体積部の前記樹脂粉末を混合し、得られた混合物をプレス加工して、前記容器内空間と同じ形状・大きさに成形した。得られた成形体301を容器302内に挿入し、容器に蓋をしてを密封し、水素貯蔵容器を完成した。
【0039】
次いで、室温下、完成した水素貯蔵容器を用いて、実施例1と同様の条件で、水素流通管305から水素弁304を介して容器内に平衡状態になるまで水素を導入した後、水素を排出するサイクルを10回繰り返した。その結果、容器が破損することなく、サイクルを安定して繰り返すことができた。以上より、本実施例においても、実施例1と同様に、水素吸蔵合金の充填率が非常に高く、コンパクトな水素貯蔵容器が得られることがわかる。すなわち、粉末を充填する従来法では、水素吸蔵合金の容器内空間に占める充填率は最大50%が限界であるのに比べて、本実施例の場合、水素吸蔵合金の充填率は、76.9%とかなり高い充填率となった。以上より、成形体301中に含まれている弾性体が、合金粉末間の空隙を埋めるとともに、合金粉末の水素化による膨張時には収縮することによって、容器内壁に及ぼす圧力を緩和しており、容器の破損を防いでいることがわかる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高容量かつコンパクトな水素貯蔵容器を提供することができる。従って、燃料電池のような水素発生装置を備えた水素利用装置の小型化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1にかかる水素貯蔵容器の断面図である。
【図2】本発明の実施例4にかかる水素貯蔵容器の断面図である。
【図3】本発明の実施例5にかかる水素貯蔵容器の断面図である。
【符号の説明】
101 水素吸蔵合金インゴット
102  容器
103  弾性体
104 水素弁
105 水素流通管
201 水素吸蔵合金インゴット
202 容器
203 バネ
204 水素弁
205 水素流通管
206 鋼シート
301 成形体
302 容器
304 水素弁
305 水素流通管

Claims (5)

  1. 水素吸蔵合金インゴット、前記インゴットを収容する容器、ならびに前記インゴットと前記容器内壁との間に介在する弾性体からなる水素貯蔵容器であって、水素貯蔵容器の使用設定条件下での水素化または脱水素化により前記インゴットが膨張または収縮した場合に、前記弾性体が収縮または膨張して前記インゴットを支持することにより、前記インゴットが形状を保持できるようにした水素貯蔵容器。
  2. 前記弾性体が、シート状であり、前記インゴットの表面に貼り付けられている請求項1記載の水素貯蔵容器。
  3. 前記弾性体が、シート状であり、前記容器内壁に貼り付けられている請求項1記載の水素貯蔵容器。
  4. 前記弾性体が、前記容器内壁に設けられたバネからなる請求項1記載の水素貯蔵容器。
  5. 水素吸蔵合金粉末と弾性体粉末との混合物からなる成形体、ならびに前記成形体を収容する容器からなる水素貯蔵容器。
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