JP2004011598A - クロスフロー風車における風流路形成方法、クロスフロー風車および風力発電機 - Google Patents
クロスフロー風車における風流路形成方法、クロスフロー風車および風力発電機 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】より多くの風が効率よく流入可能な流入効率向上が図れるクロスフロー風車を提供する。
【解決手段】クロスフロー風車2は回転自在に支持された風車本体4を備える。風車本体4を覆ってケーシング7が設けられ、該ケーシング7に風車本体4に対して風を流入案内する流入口8が設けられると共に、該流入口8に対向した風向きPの風のケーシング7外周に沿った流れによってケーシング7背後に発生する剥離流れにより生じる負圧発生領域付近に面して、風車本体4を通過する風を流出案内する流出口9が設けられる。
【選択図】 図2
【解決手段】クロスフロー風車2は回転自在に支持された風車本体4を備える。風車本体4を覆ってケーシング7が設けられ、該ケーシング7に風車本体4に対して風を流入案内する流入口8が設けられると共に、該流入口8に対向した風向きPの風のケーシング7外周に沿った流れによってケーシング7背後に発生する剥離流れにより生じる負圧発生領域付近に面して、風車本体4を通過する風を流出案内する流出口9が設けられる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロスフロー風車における風の流入効率向上を図った流路を形成する風流路形成方法、そのような風の流路を備えたクロスフロー風車およびクロスフロー風車を用いた風力発電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、小型のクロスフロー風車は低風速から稼働するが、回転数が低いため、その発電効率が低いという問題があった。
【0003】
そこで、ガイドベーン等により整流を行い、より多くの風を流入させることによって、風の流入効率向上を図っていた。
【0004】
例えば、特開平5−215062号公報、特開2000−161196号公報等に開示の如くである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来方式のクロスフロー風車によっても、流入する風のコントロールが難しく、期待するほどの風の流入効率を得ることができなかった。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、より多くの風が効率よく流入可能な流入効率向上が図れるクロスフロー風車における風流路形成方法、クロスフロー風車およびクロスフロー風車を用いた風力発電機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための風流路形成方法の技術的手段は、回転自在に支持された風車本体に対し、風を案内するための流路を形成するクロスフロー風車における風流路形成方法において、前記風車本体を覆うケーシングを設け、該ケーシングに風車本体に対して風を流入案内する流入口を設けると共に、該流入口に対向する風向きのケーシング外周に沿った風の流れによってケーシング背後に発生する剥離流れにより生じる負圧発生領域に面して、風車本体を通過する風を流出案内する流出口を設ける点にある。
【0008】
また、上記目的を達成するためのクロスフロー風車の技術的手段は、回転自在に支持された風車本体を備えたクロスフロー風車において、前記風車本体を覆ってケーシングが設けられ、該ケーシングに風車本体に対して風を流入案内する流入口が設けられると共に、該流入口に対向した風向きの風のケーシング外周に沿った流れによってケーシング背後に発生する剥離流れにより生じる負圧発生領域に面して、風車本体を通過する風を流出案内する流出口が設けられた点にある。
【0009】
さらに、前記ケーシングはその外形が前記風車本体の両側で対称形状とされ、その一側に前記流入口が設けられると共に他側に前記流出口が設けられ、流入口が風車本体に対する風の流入案内に適した形状に形成されると共に、流出口も風車本体に対する風の流入案内に適した形状に形成された構造としてもよい。
【0010】
また、前記ケーシング外周面と設置面との間に、風通過空間を有した状態で設置された構造としてもよい。
【0011】
さらに、前記クロスフロー風車が上下方向の軸心回りに回転自在に支持された構造としてもよい。
【0012】
また、上記目的を達成するための風力発電機の技術的手段は、前記クロスフロー風車の回転軸からその回転力を取出して発電する発電機が備えられた点にある。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明すると、図1および図2に示される如く、風力発電機1は、クロスフロー風車2を用いた構造とされており、低層や中・高層建築物、例えば、ビルの屋上3等に設置され、自家発電システム等に利用される構造とされている。
【0014】
風力発電機1は中心部に風車本体4を備え、該風車本体4は複数の羽根板5を所定間隔を有して環状に配置された円筒状の羽根車構造とされており、風車本体4の軸心方向両端部に突設された回転軸6が、軸受等を介して水平方向の軸心回りに回転自在としてケーシング7に支持された構造とされている。
【0015】
前記ケーシング7は、風車本体4の外周を覆うと共に、風車本体4の軸心と同一方向の軸心を有する角筒形状に構成されており、図2に示される如く、その外形が風車本体4の左右両側で対称な方形状に形成されている。そして、ケーシング7の一側に、風車本体4に対して風を流入案内する流入口8が設けられている。
【0016】
この際この流入口8は、流入口8に対向する風向きPの風が流入する際に、風車本体4に対する風の流入案内が最適となる形状、例えば、外周部で広く、中心部方向に向かうに従って漸次狭くなるいわゆるガイドベーン形状に構成されている。
【0017】
また、流入口8に対向する風向きPのケーシング7外周に沿った風の流れによってケーシング7背後に発生する剥離流れにより生じる負圧発生領域に面したケーシング7の他側には、風車本体4を通過する風を流出案内する流出口9が設けられており、この流出口9も対向する風向きQの風が流入する際に、風車本体4に対する風の流入案内が最適となる形状、例えば、外周部で広く、中心部方向に向かうに従って漸次狭くなるいわゆるガイドベーン形状に構成されている。
【0018】
従って、風向きQの風に対しては、流出口9が流入口8として機能し、流入口8が流出口9として機能する構造とされている。
【0019】
そして、本実施形態においては、流入口8および流出口9が風の流出口9として機能する際には、中心部から外周部方向に向かうに従って漸次拡開するいわゆるディフューザ形状の構造となっている。
【0020】
また、風車本体4一側端の回転軸6は、ケーシング7に適宜取り付け固定された発電機11に直結された構造とされている。
【0021】
さらに、流入口8および流出口9の水平方向の左右両側を仕切るべく、方形の側板12がそれぞれ備えられており、ここに、流入口8から風車本体4を通過して流出口9に至る風の流路が形成された構造とされている。
【0022】
そして、屋上3に設置された支持台15に、上下方向の軸心周りに回転自在にターンテーブル構造の円形の回転テーブル16が支持され、その回転テーブル16上に支持脚17を介してケーシング7が設置され、設置面としての回転テーブル16とケーシング7下面との間に、所定間隔を有した風通過空間18が形成された構造とされている。
【0023】
本実施形態は以上のように構成されており、風向きPに沿って流れてきた風は流入口8からケーシング7内に流入し、風車本体4を通過して流出口9より流出する。また、ケーシング7外周の上面および下面に沿った風の流れが、その上面および下面の途絶える端縁位置を通過する際、剥離流れが発生し、この剥離流れによりケーシング7背後に負圧が発生して、ケーシング7背後に位置する流出口9付近では負圧発生領域となっているため、流入口8の入口付近と流出口9の出口付近とで圧力差が生じており、この圧力差により流入口8側において吸い込み機能が発揮され、より多くの風を効率よく流入でき、風車本体4に対する風の流入効率を大幅に向上することができ、低風速でも有効に稼働でき、稼働効率の向上が図れると共に、風車本体4の回転による出力の向上、即ち発電効率の向上が図れ、高効率な発電を行うことができる。
【0024】
また、風の流れによって発生する剥離流れにより生じる負圧を利用した構造であるため、コンパクトな構成でよく、低コスト化が図れる利点もある。
【0025】
さらに、風車本体4の外周部をケーシング7で覆った構造であり、風車本体4によって生じる風切り音等による騒音が有効に低減できる利点がある。
【0026】
また、流入口8におけるガイドベーン形状や流出口9におけるディフューザ形状によっても風の流入効率の向上が図れ、より効率のよい発電を行うことができる。
【0027】
さらに、クロスフロー風車2はケーシング7の下面に風通過空間18を有した状態で設置されているため、ケーシング7上面に沿って流れる風だけでなく、ケーシング7下面に沿って流れる風によってもケーシング7背後に剥離流れが発生し、より大きな負圧を発生させることができ、この点からも風の流入効率の向上が図れ、より効率のよい発電を行うことができる。
【0028】
また、反対方向の風向きQに対しても流出口9が上記同様の流入口8として機能し、流入口8が上記同様の流出口9として機能するため、同様の効果が発揮でき、ケーシング7を設けることで限定される風向きに対する自由度を高めることができる。
【0029】
特に、本実施形態においては、回転テーブル16上にケーシング7が設置された構造とされているため、風向きP(Q)の変化に対しても流入口8や流出口9を通過する風の流れにより、最適な向きにケーシング7が自動的に回転して風車本体4の回転が得られ、ここに、風向きの制限を受けずに稼働でき、稼働効率の向上が図れる利点がある。
【0030】
図3および図4は第2の実施形態および第3の実施形態を示しており、第1の実施形態と同様構成部分は同一符号を付し、その説明を省略する。
【0031】
即ち、第1の実施形態においては、ケーシング7の断面における外形が方形状に形成されているのに対し、第2の実施形態では、ケーシング7の断面における外形が風車本体4の左右両側で対称な三角形状に形成されており、また、第3の実施形態では、ケーシング7の断面における外形が風車本体4の左右両側で対称な円形状に形成されている。そして、その他の構成は第1の実施形態と同様に構成されている。
【0032】
従って、第2の実施形態や第3の実施形態においても第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0033】
なお、上記各実施形態において、ケーシング7の外形形状が方形、三角形、円形の形状とされたものを示しているが、これらの形状に限られず、ケーシング7側面に沿って流れる風によってケーシング7背後に剥離流れが生じやすい形状であればよく、例えば、ケーシング7の側面に沿ってスムーズに流れる風に対し、その側面が屈曲状となっていきなり途絶える構成の形状等であればよい。
【0034】
また、各実施形態において、風力発電機1がターンテーブル構造の支持台15上に設置された構造を示しているが、支持脚17を介して屋上3に直接設置する構造であってもよく、さらには、ケーシング7自身を直接、屋上3に直接設置する構造であってもよい。
【0035】
さらに、回転軸6が発電機11に直結された構造を示しているが、回転軸6をギヤ機構等の連動機構を介して発電機11の駆動軸に連結し、回転軸6の回転力を取出す構造であってもよい。
【0036】
また、風車本体4が横方向の軸心周りに回転自在に支持された横型構造を示しているが、風車本体4を上下方向の軸心周りに回転自在に支持した縦型構造であってもよい。
【0037】
さらに、上記各実施形態において、ビルの屋上3に設置してビル風を利用する構造を示しているが、ビルの屋上3に限らず、ビルの側面や高さ方向の中途部に設置する構造であってもよく、さらには、その他の低層や中・高層の建築物等に設置して自家発電システムに利用したり、高速道路、橋梁等に設置して外灯等の屋外灯の発電システムやウインドファーム形式による発電システム等に利用する構造であってもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明のクロスフロー風車における風流路形成方法によれば、風車本体を覆うケーシングを設け、該ケーシングに風車本体に対して風を流入案内する流入口を設けると共に、該流入口に対向する風向きのケーシング外周に沿った風の流れによってケーシング背後に発生する剥離流れにより生じる負圧発生領域に面して、風車本体を通過する風を流出案内する流出口を設ける方法であり、流入口と流出口との相互間に生じる圧力差により流入口側において風の吸い込み機能が発揮され、より多くの風が効率よく流入するため、風車本体に対する風の流入効率を効果的に向上させることができ、風車本体の回転による出力の向上が図れると共に、コンパクトに構成でき、風車本体を覆うケーシングによって風切り音等の騒音低減も図れるという利点もある。
【0039】
また、本発明のクロスフロー風車によれば、風車本体を覆ってケーシングが設けられ、該ケーシングに風車本体に対して風を流入案内する流入口が設けられると共に、該流入口に対向した風向きの風のケーシング外周に沿った流れによってケーシング背後に発生する剥離流れにより生じる負圧発生領域に面して、風車本体を通過する風を流出案内する流出口が設けられた構造であり、流入口と流出口との相互間に生じる圧力差により流入口側において風の吸い込み機能が発揮され、より多くの風が効率よく流入するため、風車本体に対する風の流入効率を効果的に向上させることができ、風車本体の回転による出力の向上が図れると共に、コンパクトに構成でき、風車本体を覆うケーシングによって風切り音等の騒音低減も図れるという利点もある。
【0040】
さらに、ケーシングはその外形が風車本体の両側で対称形状とされ、その一側に流入口が設けられると共に他側に流出口が設けられ、流入口が風車本体に対する風の流入案内に適した形状に形成されると共に、流出口も風車本体に対する風の流入案内に適した形状に形成された構造とすれば、ケーシングを設けることで限定される風向きに対する自由度を高めることができるという利点がある。
【0041】
また、ケーシング外周面と設置面との間に、風通過空間を有した状態で設置された構造とすれば、風通過空間を流れる風によってもケーシング背後に剥離流れが発生し、より大きな負圧を発生させることができ、この点からも風の流入効率の向上が図れ、より効率のよい発電を行うことができる。
【0042】
さらに、クロスフロー風車が上下方向の軸心回りに回転自在に支持された構造とすれば、風向きの変化に対しても流入口や流出口を通過する風の流れにより、ケーシングが回転して風の流入効率に優れる最適なクロスフロー風車の向きが自動的に得られ、風向きに対する自由度が向上する利点がある。
【0043】
また、本発明の風力発電機によれば、前記クロスフロー風車の回転軸からその回転力を取出して発電する発電機が備えられた構造であり、高効率の発電を行うことができ、発電効率の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す概略正面図である。
【図2】同要部断面側面図である。
【図3】第2の実施形態を示す要部断面側面図である。
【図4】第3の実施形態を示す要部断面側面図である。
【符号の説明】
1 風力発電機
2 クロスフロー風車
3 屋上
4 風車本体
6 回転軸
7 ケーシング
8 流入口
9 流出口
11 発電機
15 支持台
16 回転テーブル
17 支持脚
18 風通過空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロスフロー風車における風の流入効率向上を図った流路を形成する風流路形成方法、そのような風の流路を備えたクロスフロー風車およびクロスフロー風車を用いた風力発電機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、小型のクロスフロー風車は低風速から稼働するが、回転数が低いため、その発電効率が低いという問題があった。
【0003】
そこで、ガイドベーン等により整流を行い、より多くの風を流入させることによって、風の流入効率向上を図っていた。
【0004】
例えば、特開平5−215062号公報、特開2000−161196号公報等に開示の如くである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来方式のクロスフロー風車によっても、流入する風のコントロールが難しく、期待するほどの風の流入効率を得ることができなかった。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、より多くの風が効率よく流入可能な流入効率向上が図れるクロスフロー風車における風流路形成方法、クロスフロー風車およびクロスフロー風車を用いた風力発電機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための風流路形成方法の技術的手段は、回転自在に支持された風車本体に対し、風を案内するための流路を形成するクロスフロー風車における風流路形成方法において、前記風車本体を覆うケーシングを設け、該ケーシングに風車本体に対して風を流入案内する流入口を設けると共に、該流入口に対向する風向きのケーシング外周に沿った風の流れによってケーシング背後に発生する剥離流れにより生じる負圧発生領域に面して、風車本体を通過する風を流出案内する流出口を設ける点にある。
【0008】
また、上記目的を達成するためのクロスフロー風車の技術的手段は、回転自在に支持された風車本体を備えたクロスフロー風車において、前記風車本体を覆ってケーシングが設けられ、該ケーシングに風車本体に対して風を流入案内する流入口が設けられると共に、該流入口に対向した風向きの風のケーシング外周に沿った流れによってケーシング背後に発生する剥離流れにより生じる負圧発生領域に面して、風車本体を通過する風を流出案内する流出口が設けられた点にある。
【0009】
さらに、前記ケーシングはその外形が前記風車本体の両側で対称形状とされ、その一側に前記流入口が設けられると共に他側に前記流出口が設けられ、流入口が風車本体に対する風の流入案内に適した形状に形成されると共に、流出口も風車本体に対する風の流入案内に適した形状に形成された構造としてもよい。
【0010】
また、前記ケーシング外周面と設置面との間に、風通過空間を有した状態で設置された構造としてもよい。
【0011】
さらに、前記クロスフロー風車が上下方向の軸心回りに回転自在に支持された構造としてもよい。
【0012】
また、上記目的を達成するための風力発電機の技術的手段は、前記クロスフロー風車の回転軸からその回転力を取出して発電する発電機が備えられた点にある。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明すると、図1および図2に示される如く、風力発電機1は、クロスフロー風車2を用いた構造とされており、低層や中・高層建築物、例えば、ビルの屋上3等に設置され、自家発電システム等に利用される構造とされている。
【0014】
風力発電機1は中心部に風車本体4を備え、該風車本体4は複数の羽根板5を所定間隔を有して環状に配置された円筒状の羽根車構造とされており、風車本体4の軸心方向両端部に突設された回転軸6が、軸受等を介して水平方向の軸心回りに回転自在としてケーシング7に支持された構造とされている。
【0015】
前記ケーシング7は、風車本体4の外周を覆うと共に、風車本体4の軸心と同一方向の軸心を有する角筒形状に構成されており、図2に示される如く、その外形が風車本体4の左右両側で対称な方形状に形成されている。そして、ケーシング7の一側に、風車本体4に対して風を流入案内する流入口8が設けられている。
【0016】
この際この流入口8は、流入口8に対向する風向きPの風が流入する際に、風車本体4に対する風の流入案内が最適となる形状、例えば、外周部で広く、中心部方向に向かうに従って漸次狭くなるいわゆるガイドベーン形状に構成されている。
【0017】
また、流入口8に対向する風向きPのケーシング7外周に沿った風の流れによってケーシング7背後に発生する剥離流れにより生じる負圧発生領域に面したケーシング7の他側には、風車本体4を通過する風を流出案内する流出口9が設けられており、この流出口9も対向する風向きQの風が流入する際に、風車本体4に対する風の流入案内が最適となる形状、例えば、外周部で広く、中心部方向に向かうに従って漸次狭くなるいわゆるガイドベーン形状に構成されている。
【0018】
従って、風向きQの風に対しては、流出口9が流入口8として機能し、流入口8が流出口9として機能する構造とされている。
【0019】
そして、本実施形態においては、流入口8および流出口9が風の流出口9として機能する際には、中心部から外周部方向に向かうに従って漸次拡開するいわゆるディフューザ形状の構造となっている。
【0020】
また、風車本体4一側端の回転軸6は、ケーシング7に適宜取り付け固定された発電機11に直結された構造とされている。
【0021】
さらに、流入口8および流出口9の水平方向の左右両側を仕切るべく、方形の側板12がそれぞれ備えられており、ここに、流入口8から風車本体4を通過して流出口9に至る風の流路が形成された構造とされている。
【0022】
そして、屋上3に設置された支持台15に、上下方向の軸心周りに回転自在にターンテーブル構造の円形の回転テーブル16が支持され、その回転テーブル16上に支持脚17を介してケーシング7が設置され、設置面としての回転テーブル16とケーシング7下面との間に、所定間隔を有した風通過空間18が形成された構造とされている。
【0023】
本実施形態は以上のように構成されており、風向きPに沿って流れてきた風は流入口8からケーシング7内に流入し、風車本体4を通過して流出口9より流出する。また、ケーシング7外周の上面および下面に沿った風の流れが、その上面および下面の途絶える端縁位置を通過する際、剥離流れが発生し、この剥離流れによりケーシング7背後に負圧が発生して、ケーシング7背後に位置する流出口9付近では負圧発生領域となっているため、流入口8の入口付近と流出口9の出口付近とで圧力差が生じており、この圧力差により流入口8側において吸い込み機能が発揮され、より多くの風を効率よく流入でき、風車本体4に対する風の流入効率を大幅に向上することができ、低風速でも有効に稼働でき、稼働効率の向上が図れると共に、風車本体4の回転による出力の向上、即ち発電効率の向上が図れ、高効率な発電を行うことができる。
【0024】
また、風の流れによって発生する剥離流れにより生じる負圧を利用した構造であるため、コンパクトな構成でよく、低コスト化が図れる利点もある。
【0025】
さらに、風車本体4の外周部をケーシング7で覆った構造であり、風車本体4によって生じる風切り音等による騒音が有効に低減できる利点がある。
【0026】
また、流入口8におけるガイドベーン形状や流出口9におけるディフューザ形状によっても風の流入効率の向上が図れ、より効率のよい発電を行うことができる。
【0027】
さらに、クロスフロー風車2はケーシング7の下面に風通過空間18を有した状態で設置されているため、ケーシング7上面に沿って流れる風だけでなく、ケーシング7下面に沿って流れる風によってもケーシング7背後に剥離流れが発生し、より大きな負圧を発生させることができ、この点からも風の流入効率の向上が図れ、より効率のよい発電を行うことができる。
【0028】
また、反対方向の風向きQに対しても流出口9が上記同様の流入口8として機能し、流入口8が上記同様の流出口9として機能するため、同様の効果が発揮でき、ケーシング7を設けることで限定される風向きに対する自由度を高めることができる。
【0029】
特に、本実施形態においては、回転テーブル16上にケーシング7が設置された構造とされているため、風向きP(Q)の変化に対しても流入口8や流出口9を通過する風の流れにより、最適な向きにケーシング7が自動的に回転して風車本体4の回転が得られ、ここに、風向きの制限を受けずに稼働でき、稼働効率の向上が図れる利点がある。
【0030】
図3および図4は第2の実施形態および第3の実施形態を示しており、第1の実施形態と同様構成部分は同一符号を付し、その説明を省略する。
【0031】
即ち、第1の実施形態においては、ケーシング7の断面における外形が方形状に形成されているのに対し、第2の実施形態では、ケーシング7の断面における外形が風車本体4の左右両側で対称な三角形状に形成されており、また、第3の実施形態では、ケーシング7の断面における外形が風車本体4の左右両側で対称な円形状に形成されている。そして、その他の構成は第1の実施形態と同様に構成されている。
【0032】
従って、第2の実施形態や第3の実施形態においても第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0033】
なお、上記各実施形態において、ケーシング7の外形形状が方形、三角形、円形の形状とされたものを示しているが、これらの形状に限られず、ケーシング7側面に沿って流れる風によってケーシング7背後に剥離流れが生じやすい形状であればよく、例えば、ケーシング7の側面に沿ってスムーズに流れる風に対し、その側面が屈曲状となっていきなり途絶える構成の形状等であればよい。
【0034】
また、各実施形態において、風力発電機1がターンテーブル構造の支持台15上に設置された構造を示しているが、支持脚17を介して屋上3に直接設置する構造であってもよく、さらには、ケーシング7自身を直接、屋上3に直接設置する構造であってもよい。
【0035】
さらに、回転軸6が発電機11に直結された構造を示しているが、回転軸6をギヤ機構等の連動機構を介して発電機11の駆動軸に連結し、回転軸6の回転力を取出す構造であってもよい。
【0036】
また、風車本体4が横方向の軸心周りに回転自在に支持された横型構造を示しているが、風車本体4を上下方向の軸心周りに回転自在に支持した縦型構造であってもよい。
【0037】
さらに、上記各実施形態において、ビルの屋上3に設置してビル風を利用する構造を示しているが、ビルの屋上3に限らず、ビルの側面や高さ方向の中途部に設置する構造であってもよく、さらには、その他の低層や中・高層の建築物等に設置して自家発電システムに利用したり、高速道路、橋梁等に設置して外灯等の屋外灯の発電システムやウインドファーム形式による発電システム等に利用する構造であってもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上のように、本発明のクロスフロー風車における風流路形成方法によれば、風車本体を覆うケーシングを設け、該ケーシングに風車本体に対して風を流入案内する流入口を設けると共に、該流入口に対向する風向きのケーシング外周に沿った風の流れによってケーシング背後に発生する剥離流れにより生じる負圧発生領域に面して、風車本体を通過する風を流出案内する流出口を設ける方法であり、流入口と流出口との相互間に生じる圧力差により流入口側において風の吸い込み機能が発揮され、より多くの風が効率よく流入するため、風車本体に対する風の流入効率を効果的に向上させることができ、風車本体の回転による出力の向上が図れると共に、コンパクトに構成でき、風車本体を覆うケーシングによって風切り音等の騒音低減も図れるという利点もある。
【0039】
また、本発明のクロスフロー風車によれば、風車本体を覆ってケーシングが設けられ、該ケーシングに風車本体に対して風を流入案内する流入口が設けられると共に、該流入口に対向した風向きの風のケーシング外周に沿った流れによってケーシング背後に発生する剥離流れにより生じる負圧発生領域に面して、風車本体を通過する風を流出案内する流出口が設けられた構造であり、流入口と流出口との相互間に生じる圧力差により流入口側において風の吸い込み機能が発揮され、より多くの風が効率よく流入するため、風車本体に対する風の流入効率を効果的に向上させることができ、風車本体の回転による出力の向上が図れると共に、コンパクトに構成でき、風車本体を覆うケーシングによって風切り音等の騒音低減も図れるという利点もある。
【0040】
さらに、ケーシングはその外形が風車本体の両側で対称形状とされ、その一側に流入口が設けられると共に他側に流出口が設けられ、流入口が風車本体に対する風の流入案内に適した形状に形成されると共に、流出口も風車本体に対する風の流入案内に適した形状に形成された構造とすれば、ケーシングを設けることで限定される風向きに対する自由度を高めることができるという利点がある。
【0041】
また、ケーシング外周面と設置面との間に、風通過空間を有した状態で設置された構造とすれば、風通過空間を流れる風によってもケーシング背後に剥離流れが発生し、より大きな負圧を発生させることができ、この点からも風の流入効率の向上が図れ、より効率のよい発電を行うことができる。
【0042】
さらに、クロスフロー風車が上下方向の軸心回りに回転自在に支持された構造とすれば、風向きの変化に対しても流入口や流出口を通過する風の流れにより、ケーシングが回転して風の流入効率に優れる最適なクロスフロー風車の向きが自動的に得られ、風向きに対する自由度が向上する利点がある。
【0043】
また、本発明の風力発電機によれば、前記クロスフロー風車の回転軸からその回転力を取出して発電する発電機が備えられた構造であり、高効率の発電を行うことができ、発電効率の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す概略正面図である。
【図2】同要部断面側面図である。
【図3】第2の実施形態を示す要部断面側面図である。
【図4】第3の実施形態を示す要部断面側面図である。
【符号の説明】
1 風力発電機
2 クロスフロー風車
3 屋上
4 風車本体
6 回転軸
7 ケーシング
8 流入口
9 流出口
11 発電機
15 支持台
16 回転テーブル
17 支持脚
18 風通過空間
Claims (6)
- 回転自在に支持された風車本体に対し、風を案内するための流路を形成するクロスフロー風車における風流路形成方法において、
前記風車本体を覆うケーシングを設け、該ケーシングに風車本体に対して風を流入案内する流入口を設けると共に、該流入口に対向する風向きのケーシング外周に沿った風の流れによってケーシング背後に発生する剥離流れにより生じる負圧発生領域に面して、風車本体を通過する風を流出案内する流出口を設けることを特徴とするクロスフロー風車における風流路形成方法。 - 回転自在に支持された風車本体を備えたクロスフロー風車において、
前記風車本体を覆ってケーシングが設けられ、該ケーシングに風車本体に対して風を流入案内する流入口が設けられると共に、該流入口に対向した風向きの風のケーシング外周に沿った流れによってケーシング背後に発生する剥離流れにより生じる負圧発生領域に面して、風車本体を通過する風を流出案内する流出口が設けられたことを特徴とするクロスフロー風車。 - 前記ケーシングはその外形が前記風車本体の両側で対称形状とされ、その一側に前記流入口が設けられると共に他側に前記流出口が設けられ、流入口が風車本体に対する風の流入案内に適した形状に形成されると共に、流出口も風車本体に対する風の流入案内に適した形状に形成されたことを特徴とする請求項2に記載のクロスフロー風車。
- 前記ケーシング外周面と設置面との間に、風通過空間を有した状態で設置されたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のクロスフロー風車。
- 前記クロスフロー風車が上下方向の軸心回りに回転自在に支持されたことを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のクロスフロー風車。
- 請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の前記クロスフロー風車の回転軸からその回転力を取出して発電する発電機が備えられたことを特徴とする風力発電機。
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