JP2004011326A

JP2004011326A - マンホール

Info

Publication number: JP2004011326A
Application number: JP2002168407A
Authority: JP
Inventors: Masato Ikeuchi; 池内　正人; Norio Kishi; 岸　則男; Kosaku Oshima; 大島　幸作
Original assignee: Furukawa Electric Co Ltd
Current assignee: Furukawa Electric Co Ltd
Priority date: 2002-06-10
Filing date: 2002-06-10
Publication date: 2004-01-15
Anticipated expiration: 2022-06-10
Also published as: JP4070091B2

Abstract

【目的】マンホールの外部周囲で火災が発生した際，マンホール蓋（４）を介して内部に伝わる火災熱が下方のマンホール内部に伝わることを長時間に抑制し，内部に収納されたケーブルとケーブル接続部材及び管路（６）などを保護するマンホールを提供する。
【構成】下部壁面の地中に管路（６）を埋設したマンホール本体（３）とそのマンホール本体の上面開口部に取りつけられたマンホール蓋（４）からなる従来のマンホールにおいて，マンホール蓋（４）より下方で，マンホール蓋（４）に近い地中に埋設した管路（６）より上方に，不燃性と耐高温性を有する素材からなる受板（１）と該受板（１）の上面に設置した熱膨張性断熱材（２）から構成される断熱中蓋（８）を設置する。
【選択図】　　図１

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は，マンホール（ハンドホールも含む）の構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般に，マンホールは下部壁面に管路を埋設したマンホール本体とそのマンホール本体の上面開口部に取りつけられる一枚の鉄製マンホール蓋から構成されることが多い。その鉄製マンホール蓋は耐荷重性が主に要求されており，耐火性は有するものの，断熱を行う性能は無い。このために，マンホールの外部周囲で火災が発生する際，マンホール蓋を介して火災熱がマンホールの内部に伝わり，この伝わった火災熱がマンホール内部に収納されているケーブルとケーブル接続部材及び管路等にダメージを与えるという問題が生じる。
【０００３】
従来，実用新案登録第３０３２９０８号及び実用新案登録第３０４３０６０号に記載されている如く，マンホール蓋の下に断熱中蓋を設けてマンホール蓋による熱交換を遮断するように構成したマンホールが知られている。しかし，上記した従来のマンホールの構造において，マンホール本体の壁面と断熱中蓋との間に隙間があるため，マンホールの外部周囲で火災が発生した際，火災熱がマンホールの壁面と断熱中蓋との隙間を通ってマンホール全体に伝わり，マンホールに収納されるケーブル等に損傷を与えるという問題があった。
【０００４】
【問題を解決するための手段】
上記問題を解決するために，本発明にかかわるマンホール（７）は，下部壁面の地中に管路（６）を埋設したマンホール本体（３）とそのマンホール本体の上面開口部に取りつけられたマンホール蓋（４）からなる従来のマンホールにおいて，マンホール蓋（４）より下方で，マンホール蓋（４）に近い地中に埋設した管路（６）より上方に，断熱中蓋（８）を設置し，該断熱中蓋（８）は不燃性と耐高温性を有する素材からなる受板（１）と該受板（１）の上面に設置した熱膨張性断熱材（２）から構成される特徴とするものである。これにより，マンホールの外部周囲で火災が発生した際，マンホール蓋（４）を介して内部に伝わる火災熱により熱膨張性断熱材（２）が膨張し，膨張した熱膨張性断熱材（２）は受板（１）によりその形を保持しつつ，受板（１）とマンホール壁面との隙間を塞ぐことによって更なる断熱効果を発揮し，断熱中蓋（８）より下方のマンホール内部に熱が伝わることを長時間に抑制することができ，内部に収納されたケーブルとケーブル接続部材及び管路などを保護することができる。
【０００５】
【発明の実施の形態】
以下，本発明の実施形態を図１ないし図３によって説明する。
図１は本発明にかかわるマンホールの構造を示す。この図に示すように，本発明にかかわるマンホール（７）は下部壁面の地中に管路（６）を埋設したマンホール本体（３）と，そのマンホール本体（３）の上面開口部に取り付けられたマンホール蓋（４）を備えた点は従来と同じであるが，マンホール蓋（４）より下方で，マンホール蓋（４）に最も近い管路（６）より上方の壁面に架台（５）を設けており，その架台（５）の上に断熱中蓋（８）を設置した点に特徴がある。
【０００６】
マンホール本体（３）はコンクリート製の円型，角型などに形成され，そのマンホール本体（３）の上面開口部に設置されるマンホール蓋（４）もマンホール本体（３）と同様な形のものにより形成される。地下におけるマンホールの下部壁面に埋設した管路（６）はヒューム管，金属管，樹脂管などが使用される。
【０００７】
架台（５）の位置はマンホール蓋（４）とそのマンホール蓋（４）に最も近い管路（６）の間であれば特に指定はしないが、マンホール蓋（４）に近い方が，保守点検時の開閉がしやすく，熱膨張性断熱材（２）の膨張反応も速いため，好ましい。
【０００８】
断熱中蓋（８）は図２の正面図および図３の側面図に示すように，不燃性かつ耐高温性を有する素材からなる受板（１）と該受板（１）の上面に設置した熱膨張性断熱材（２）とから構成される。図２に示した断熱中蓋（８）の正面形状は角型であるが，その形状はマンホールの形状に合わせて円型などに形成しても良く，マンホールの上面開口部から納まるものであれば特に限定されるものではない。また，この断熱中蓋（８）は，保守点検などの開閉に支障のないようにマンホールの内周囲より１０ｍｍ〜２５ｍｍ程度やや小さいものが好ましい。更に，受板（１）と熱膨張性断熱材（２）は同一形状及び寸法のものが好ましい。
【０００９】
受板（１）は耐火性を有する不燃性素材を用いており，金属板など熱により変形しにくいものが良く，アルミ板のような軽量なものが好ましい。熱膨張性断熱材（２）は難燃性ゴム，無機充填材，無機膨張材，有機膨張材などから構成されるシート状の耐炎材料であり，２００℃近くで体積膨張率５倍以上に膨張し，断熱性を有する炭化物に変化するものを用いる。このような熱膨張性耐熱材は，例えば，商品名「ダンシールＦＢシート」として（株）古河テクノマテリアルより市販されているものを用いることができる。また，市販される熱膨張性断熱材の厚みについては，３ｍｍ〜２０ｍｍ程度の製品が多いが，上述の通り，断熱中蓋（８）を所定の場所に設置した時にマンホール壁面との隙間が１０ｍｍ〜２５ｍｍ程度生じる場合は，この隙間を火災初期から閉塞するために，この熱膨張性断熱材（２）の厚みは５ｍｍ以上のものを用いることが好ましい。
【００１０】
【実施例】
本実施例で，図１に示しているように，マンホール本体（３）はコンクリート製の深さ８００ｍｍ，断面６００ｍｍ×６００ｍｍの角型のものを使用しており，マンホール蓋（４）は鉄製でマンホール本体（３）と同様な形のものを用いた。このマンホール（７）において，マンホール本体（３）の下部壁面に，マンホール蓋（４）より下方４００ｍｍ，６００ｍｍ，７００ｍｍ計３ヶ所に管路（６）が埋設されている。マンホール本体（３）の壁面上，マンホール蓋（４）より下方１２０ｍｍの位置に断熱中蓋（８）を受け止める金属製の架台（５）を設置し，その架台（５）の上に断熱中蓋（８）を配置した。
断熱中蓋（８）について，形状は図２に示したように，マンホール本体（３）と同様な角型であり，寸法はマンホール本体（３）の内周囲より２０ｍｍ程小さい。また，この断熱中蓋（８）は図３に示したように，受板（１）とその受板（１）の上面に配置した熱膨張性断熱材（２）から構成されており，受板（１）は厚み３ｍｍのアルミ板を用い，熱膨張性断熱材（２）は２００℃で膨張し始める膨張率６倍の厚み１５ｍｍのシート状熱膨張性断熱材（（株）古河テクノマテリアル製，商品名はダンシールＦＢシート）を使用した。この熱膨張性断熱材（２）を市販の両面テープで前記アルミ製受板（１）の上に固定した。
【００１１】
上記実施例に記載のマンホールに対して，次のように断熱効果を確認した。
即ち，２時間程度の火災を想定し，マンホール蓋（４）上に一様に炭を敷詰めて加熱した。熱電対は図４に示すように，マンホール蓋（４）より下方５０ｍｍのマンホール蓋（４）と断熱中蓋（８）の間に（９），マンホール蓋（４）より下方１２０ｍｍの受板（１）の底に（１０），マンホール蓋（４）より下方４００ｍｍ，６００ｍｍ，７００ｍｍの想定される管路埋設位置に３ヶ所（１１），（１２），（１３），計５ヶ所に設置し温度を測定した。この熱電対は１２００℃に耐えられるものを使用した。
【００１２】
図５はその測定結果のグラフを示す。図５において，曲線の（１４）ないし（１８）は図４に示した熱電対の位置（９）ないし（１３）で測定した時間の変化に伴う温度の変化である。図５に示すように，マンホール蓋（４）と断熱中蓋（８）との間の空間温度（１４）は約１０００℃まで加熱されても，受板の底の温度（１５）は約４００℃，想定される管路位置付近の温度（１６）〜（１８）は約１６℃であった。これによって，管路位置付近の温度はケーブルとケーブル接続部材及び管路などへの損傷を与える程上昇しなかったため，本実施例の優れた断熱効果が確認できた。
【００１３】
【発明の効果】
本発明によるマンホール（７）は，下部壁面の地中に管路（６）を埋設したマンホール本体（３）と，そのマンホール本体（３）の上面開口部に取り付けられたマンホール蓋（４）から構成される従来のマンホールにおいて，マンホール蓋（４）より下方で，マンホール蓋（４）に近い管路（６）より上方に，断熱中蓋（８）を設置し，該断熱中蓋（８）は不燃性かつ耐高温性を有する素材からなる受板（１）と該受板（１）の上面に設置した熱膨張性断熱材（２）とからなるように構成したので，マンホールの外部周囲で火災が発生した際に，マンホール蓋（４）より内部に伝わる熱が断熱中蓋（８）の受板（１）の上に設置した熱膨張性断熱材（２）を膨張させ，膨張する熱膨張性断熱材（２）は受板（１）によりその形を保持しつつ，受板（１）とマンホール壁面との隙間を塞ぐことによって断熱中蓋（８）より下方に熱が伝わることを抑制し，マンホール内部に収納されるケーブル，ケーブル接続部材及び管路などを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明によるマンホールを示す説明図である。
【図２】本発明で使用する断熱中蓋の正面図である。
【図３】本発明で使用する断熱中蓋の側面図である。
【図４】本発明によるマンホールに熱電対を設置した状態の説明図である。
【図５】上記実施例の効果を確認するための温度測定結果を示すグラフである。
【符号の説明】
１．受板
２．熱膨張性断熱材
３．マンホール本体
４．マンホール蓋
５．架台
６．管路
７．マンホール
８．断熱中蓋
９．熱電対設置位置
１０．熱電対設置位置
１１．熱電対設置位置
１２．熱電対設置位置
１３．熱電対設置位置
１４．熱電対設置位置９で測定した温度
１５．熱電対設置位置１０で測定した温度
１６．熱電対設置位置１１で測定した温度
１７．熱電対設置位置１２で測定した温度
１８．熱電対設置位置１３で測定した温度

Claims

下部壁面の地中に管路（６）を埋設したマンホール本体（３）と，そのマンホール本体（３）の上面開口部に取り付けられたマンホール蓋（４）から構成されるマンホールにおいて，マンホール蓋（４）より下方で，マンホール蓋（４）に近い管路（６）より上方に，断熱中蓋（８）を設置し，該断熱中蓋（８）は不燃性かつ耐高温性を有する素材からなる受板（１）と該受板（１）の上面に設置した熱膨張性断熱材（２）とからなり，高温時に，熱膨張性断熱材（２）を熱膨張させ，マンホール本体（３）と受板（１）との隙間を塞ぐことを特徴とするマンホール。