JP2004009030A - 充填物 - Google Patents
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Abstract
【課題】プロセス装置のコストを低くすることができ、プロセス装置を運転したときの製品の品質を向上させる。
【解決手段】充填体本体52と、該充填体本体52の外周面に配設され、弾性を有し、塔本体と充填体本体52の外周面との間の隙(すき)間を一定にするスペーサ63とを有する。この場合、隙間がスペーサ63によって一定にされるので、シェルが横置き状態にされても、充填物51の重みが、カラー53、54の折り曲げられたフラップ56に加わるのを抑制することができる。その結果、フラップ56が開いた状態を維持することができるだけでなく、一時的に元の形状に戻っても、開いた状態に容易に復元させることができるので、壁流が形成されるのを防止することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】充填体本体52と、該充填体本体52の外周面に配設され、弾性を有し、塔本体と充填体本体52の外周面との間の隙(すき)間を一定にするスペーサ63とを有する。この場合、隙間がスペーサ63によって一定にされるので、シェルが横置き状態にされても、充填物51の重みが、カラー53、54の折り曲げられたフラップ56に加わるのを抑制することができる。その結果、フラップ56が開いた状態を維持することができるだけでなく、一時的に元の形状に戻っても、開いた状態に容易に復元させることができるので、壁流が形成されるのを防止することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、充填物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プロセス装置、例えば、蒸留装置においては、複数の成分を含む原液から各成分を分離させるために蒸留塔が使用される。
【0003】
該蒸留塔においては、塔本体の高さ方向におけるほぼ中央に、例えば、二つの成分を含有する原液が供給される供給口が形成され、塔本体内における供給口より上方に濃縮部が、供給口より下方に回収部が形成され、前記濃縮部及び回収部によって複数の理論段が構成される。
【0004】
そして、塔本体内において、上方ほど沸点の低い成分に富んだ蒸気が、下方ほど沸点の高い成分に富んだ液体が発生させられ、前記沸点の低い成分に富んだ蒸気は、塔頂から排出されて凝縮され、沸点の低い成分に富んだ液体になり、留出液として排出され、一方、沸点の高い成分に富んだ液体は、塔底から缶出液として排出される。
【0005】
ところで、前記濃縮部及び回収部には、塔本体内において、蒸気及び液体を分散させ、かつ、蒸気と液体との間で気液接触による熱交換を行うことができるように、充填(てん)物が充填されるようになっている。該充填物には、例えば、金属薄板、金網等を規則的に積層させて形成された規則充填体を備えた規則充填物、及び多数のリングを詰めることによって形成された不規則充填体を備えた不規則充填物があるが、蒸気及び液体を十分に分散させ、かつ、蒸気と液体との間で十分な熱交換を行う必要がある場合には、規則充填物が使用される。
【0006】
そして、充填物として規則充填物を使用する場合、塔本体の内径(以下「塔径」という。)が大きい蒸留塔においては、分割型の充填物が使用され、分割された充填物ブロックを塔本体内において順に隣接させて並べるようにしている。一方、塔径が小さい蒸留塔においては、塔本体を構成するシェルの上端を開放させ、一体型の充填物をワイヤによって吊り下げ、押し棒で押さえながら徐々に下方に移動させ、所定の位置にセットするようにしている。
【0007】
ところで、塔本体の製作寸法の許容値と充填物の製作寸法の許容値との関係から、充填物を確実に充填することができるように、一体型の充填物の場合、該充填物の径を塔径より所定量だけ小さくしている。この場合、充填後に塔本体の内周面と充填物の外周面との間に隙(すき)間が発生するが、蒸留塔を運転したときに、前記隙間を蒸気又は液体が流れて壁流が形成されると、蒸気及び液体を十分に分散させ、かつ、蒸気と液体との間で十分な熱交換を行うことができなくなってしまう。そこで、一体型の充填物において、壁流が形成されるのを防止するために、外周面に帯状のカラーが配設された充填物が提供されている。
【0008】
図2は従来の充填物の斜視図である。
【0009】
図において、41は一体型の充填物、42は複数の金属薄板、金網等を規則的に積層することによって形成された規則充填体から成る充填物本体、43、44は、前記充填物本体42の外周面の上端及び下端に、外周面に密着させて取り付けられた帯状のカラーである。該カラー43、44は、金網、薄板等によって形成され、充填物本体42を保持し、該充填物本体42がばらけるのを阻止する機能を有する。
【0010】
また、前記カラー43、44の上半部に、所定のピッチで、かつ、カラー43、44の幅のほぼ半分にわたって複数のスリット45が形成され、各スリット45間にフラップ46が形成される。したがって、前記充填物41を塔本体内に充填したときに、前記カラー43、44の各フラップ46を外方に向けて折り曲げることによって、塔本体の内周面と充填物本体42の外周面との間の隙間を塞(ふさ)ぎ、壁流が形成されるのを防止することができる。
【0011】
ところで、充填物41が充填された各シェルを輸送する際に、シェルが横置き状態にされると、各カラー43、44の強度が低いので、下側になった部分において、充填物41の重みで、折り曲げられたフラップ46が元の形状に戻ってしまう。その結果、各シェルを蒸留塔を設置する箇所(以下「設置箇所」という。)において縦置き状態にしたときに、塔本体の円周方向において、隙間が塞がれた部分と塞がれていない部分とが形成され、蒸留塔を運転したときに、部分的な壁流が形成されてしまう。
【0012】
そこで、シェルを縦置き状態にして輸送することが考えられるが、その場合、輸送上の制約があることから、塔本体を最大でも3000〔mm〕程度の長さの複数のシェルに分割し、工場において各シェルに充填物41を充填し、シェルを輸送し、設置箇所において、各シェルの上端及び下端に形成されたシェルフランジを介して各シェルを連結して塔本体を組み立てるようにしている。または、塔本体を前記シェルより長めに分割し、充填物41を充填することなく各シェルを横置き状態にして輸送し、設置箇所において各シェルに充填物41を充填して、塔本体を組み立てるようにしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、充填物41として規則充填物を使用する場合、充填物41の高さ(以下「充填高さ」という。)の最大値は理論段数(NTS)20段分とされるが、例えば、金網製の住友BXパッキング(住友重機械工業株式会社製)の場合、理論段数が20段であり、一理論段当たりの充填高さを表す値HETPが250〔mm〕であるので、充填高さの最大値は5000〔mm〕になる。同様に、金網製の住友CYパッキング(住友重機械工業株式会社製)場合、理論段数が20段であり、値HETPが150〔mm〕であるので、充填高さの最大値は3000〔mm〕になる。また、薄板製の住友メラパック250Y(住友重機械工業株式会社製)の場合、理論段数が20段であり、値HETPが450〔mm〕であるので、充填高さの最大値は9000〔mm〕になる。
【0014】
このように、充填物41を積み重ねて連続的な充填を行うことができるにもかかわらず、シェルを縦置き状態にして輸送する場合には、充填高さをシェルの長さと同じ約3000〔mm〕程度にする必要が生じるので、作業が煩わしくなり、コストが高くなってしまう。
【0015】
また、シェルを横置き状態にして輸送し、設置箇所において充填物41を充填する場合には、設置箇所の環境によっては、作業性が極めて低下してしまうだけでなく、充填物41に異物が付着したり、塔本体内に異物が進入したりして、蒸留装置を運転したときに得られる製品の品質が低下してしまう。
【0016】
本発明は、前記従来の充填物の問題点を解決して、プロセス装置のコストを低くすることができ、プロセス装置を運転したときの製品の品質を向上させることができ、塔本体を組み立てる際の作業性を向上させることができる充填物を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の充填物においては、規則充填体から成る充填体本体と、該充填体本体の外周面に配設され、弾性を有し、塔本体と充填体本体の外周面との間の隙間を一定にするスペーサとを有する。
【0018】
本発明の他の充填物においては、さらに、前記充填体本体の外周面に配設され、前記隙間を塞ぐカラーを有する。
【0019】
そして、前記スペーサは前記カラーの帯状部の外周面に配設される。
【0020】
本発明の更に他の充填物においては、さらに、前記スペーサは弾性を有する材料によって形成される。
【0021】
本発明の更に他の充填物においては、さらに、前記スペーサは蛇腹状に形成される。
【0022】
本発明の更に他の充填物においては、さらに、前記スペーサは、前記充填体本体の外周面に配設され、前記隙間を塞ぐカラーのフラップを複数回折り返すことによって形成される。
【0023】
本発明の更に他の充填物においては、さらに、前記充填体本体の外周面に配設され、前記隙間を塞ぐカラーを有する。
【0024】
そして、前記スペーサは前記カラーのフラップを上向きに折り返すことによって形成される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、プロセス装置のうちの蒸留装置について説明する。
【0026】
図3は本発明の第1の実施の形態における蒸留塔の部分断面図である。
【0027】
図において、11は蒸留塔であり、該蒸留塔11の塔本体12の高さ方向におけるほぼ中央に、例えば、二つの成分A及びBを含有する原液Mが供給される供給口13が形成される。なお、成分Aは成分Bより沸点が低いものとする。そして、前記塔本体12内における供給口13より上方に濃縮部AR11が、供給口13より下方に回収部AR12が形成され、前記濃縮部AR11及び回収部AR12によって複数の理論段が構成される。
【0028】
前記回収部AR12においては、原液Mが降下し、上方ほど成分Aに富んだ蒸気を、下方ほど成分Bに富んだ液体を発生させるとともに、該成分Bに富んだ液体が降下する。そして、成分Bに富んだ液体は、塔本体12の図示されない塔底において図示されない缶出液出口から缶出液として排出される。該缶出液の一部は、図示されない蒸発器に送られ、該蒸発器によって蒸気にされ、前記回収部AR12より下方に形成された図示されない蒸気入口を介して塔本体12内に供給される。続いて、前記蒸気は、前記回収部AR12に供給され、該回収部AR12内を上昇する間に、原液Mと気液接触によって接触させられ、該原液Mから成分Aに富んだ蒸気を発生させられる。
【0029】
そして、該成分Aに富んだ蒸気は、濃縮部AR11に供給され、該濃縮部AR11内を上昇し、塔本体12の塔頂において、図示されない蒸気出口から排出される。続いて、成分Aに富んだ蒸気は、図示されない凝縮器に送られ、該凝縮器において凝縮され、成分Aに富んだ液体になり、留出液として排出される。
【0030】
また、蒸留塔11のプロセス性能を表す分離性能を高くするために、留出液の一部が前記濃縮部AR11に還流液として還流される。そのために、前記濃縮部AR11より上方に還流液入口16が形成され、該還流液入口16を介して前記還流液が濃縮部AR11に供給される。それに伴って、濃縮部AR11内を上昇する成分Aに富んだ蒸気と成分Aに富んだ液体とが気液接触によって接触させられ、成分Aの濃度が高くされる。
【0031】
ところで、前記構成の蒸留塔11においては、前記濃縮部AR11及び回収部AR12に、充填物として規則充填物が充填される。該規則充填物が充填された規則充填塔においては、塔径の大小に関係なく、分離性能が高くなるので、一理論段当たりの充填高さを表す値HETP、及び一理論段当たりの圧力損失を表す値ΔPを小さくすることができる。そして、分離性能を高くするために、蒸留塔11内を降下する液体が塔本体12の水平方向において均一に分散させられるようになっている。
【0032】
すなわち、還流液入口16を介して供給された還流液を濃縮部AR11に向けて分散させるために、濃縮部AR11より上方にチューブラー型の液分散装置21が配設され、濃縮部AR11を降下する液体、及び供給口13を介して供給された原液Mを集めるために、濃縮部AR11より下方にラミナー型の集液装置22が配設され、該集液装置22によって集められた液体を回収部AR12に向けて分散させるために、回収部AR12より上方にチューブラー型の液分散装置23が配設される。
【0033】
前記液分散装置21は、上端が開放され、塔本体12の中心付近において垂直に延在させて配設され、前記還流液入口16に接続された排出パイプ24から排出された液体を溜(た)めて所定の水頭圧を発生させる開放静圧型のスタンドパイプ25、スタンドパイプ25の下端において水平方向に延在させられ、スタンドパイプ25内の液体を径方向に分配するメインヘッダ26、及び該メインヘッダ26と連結させて、かつ、水平方向に延在させられ、メインヘッダ26内の液体をメインヘッダ26に対して直角の方向に分配する複数のアームチューブ27を備える。そして、該アームチューブ27には液体を吐出するための複数の図示されない分散口が形成される。したがって、還流液入口16を介して還流された還流液は、スタンドパイプ25に溜められ、メインヘッダ26及びアームチューブ27を介して分散させられる。
【0034】
また、前記集液装置22は、塔本体12の内周に沿って集液溝28を形成するコレクタボックス29、及び該コレクタボックス29の対向する部分間に、所定のピッチで互いに平行に架設された複数のコレクタラミナ31を備え、各コレクタラミナ31によって集められた液体は、集液溝28に送られる。
【0035】
そして、前記液分散装置23は、集液溝28と連通させられた排出パイプ32、該排出パイプ32の下端において、上端が開放され、塔本体12の中心付近において垂直に延在させて配設され、前記排出パイプ32から排出された液体、及び供給口13を介して供給された原液Mを溜めて所定の水頭圧を発生させる開放静圧型のスタンドパイプ25、スタンドパイプ25の下端において水平方向に延在させられ、スタンドパイプ25内の液体を径方向に分配するメインヘッダ26、及び該メインヘッダ26と連結させて、かつ、水平方向に延在させられ、メインヘッダ26内の液体をメインヘッダ26に対して直角の方向に分配する複数のアームチューブ27を備える。そして、該アームチューブ27には液体を吐出するための複数の図示されない分散口が形成される。したがって、集液溝28に送られた液体は、供給口13を介して供給された原液Mと共に、排出パイプ32を介してスタンドパイプ25に溜められ、メインヘッダ26及びアームチューブ27を介して分散させられる。
【0036】
次に、前記充填物について説明する。
【0037】
図1は本発明の第1の実施の形態における充填物の斜視図である。
【0038】
図において、51は規則充填物から成る一体型の充填物、52は複数の金属薄板、金網等を規則的に積層することによって形成された規則充填体から成る充填物本体、53、54は、前記充填物本体52の外周面の上端及び下端に、外周面に密着させて取り付けられたリング状のカラーである。該カラー53、54は、金網、薄板等によって形成され、充填物本体52を保持し、充填物本体52がばらけるのを阻止する機能を有する。
【0039】
前記カラー53、54の、上半部又は下半部、本実施の形態においては、上半部に所定のピッチで、かつ、カラー53、54の幅のほぼ半分にわたって複数のスリット55が形成され、各スリット55間にフラップ56が形成される。したがって、前記充填物51を塔本体12(図3)内に充填したときに、前記カラー53、54の各フラップ56を外方に向けて折り曲げることによって、各フラップ56から成る拡開部61を形成することができる。その結果、蒸留装置を運転したときに、前記拡開部61によって塔本体12の内周面と充填物本体52の外周面との間の隙間を塞ぎ、壁流が形成されるのを防止することができる。そして、蒸気及び液体を十分に分散させ、かつ、蒸気と液体との間で十分な熱交換を行うことができる。なお、各カラー53、54の下半部は、主として充填物本体52を保持する機能を有し、帯状部62を構成する。
【0040】
ところで、前記蒸留塔11(図3)を製造する場合、輸送上の問題から、塔本体12を複数のシェルに分割し、工場において各シェルに充填物51を充填し、シェルを輸送し、蒸留塔11の設置箇所において、各シェルの上端及び下端に形成された図示されないシェルフランジを介して各シェルを連結し、塔本体12を組み立てるようにしている。
【0041】
ところが、各シェルに充填物51を充填する際、又は充填物51が充填された各シェルを輸送する際に、シェルが横置き状態にされるのに伴って、充填物51の重みで、折り曲げられたフラップ56が元の形状に戻ると、壁流が形成されてしまう。
【0042】
そこで、前記隙間を塔本体12における円周方向においてほぼ一定にするために、前記各帯状部62の外周面に、弾性を有するスペーサ63を配設するようにしている。該スペーサ63は、35〜50〔mm〕幅の帯状の金網を、所定のピッチで、円周方向において蛇腹状に折り曲げることによって弾性を有するように形成され、軸方向に延びる各山部64と各谷部65との間の波高さが約4〜5〔mm〕にされ、各谷部65と帯状部62とがスポット溶接によって固着させられる。なお、すべての谷部65と帯状部62とを固着する必要はなく、所定の谷部65と帯状部62とを固着することもできる。また、横置きの状態にしたときに、下側になる部分があらかじめ定められている場合には、円周方向のすべてにスペーサ63を配設することなく、下側になる部分にだけ配設することができる。
【0043】
ところで、シェルに充填物51を充填する際に、シェルの上端を開放させ、充填物51を図示されないワイヤによって吊り下げ、図示されない押し棒で押さえながら徐々に下方に移動させ、所定の位置にセットするようにしているが、前記スペーサ63は、弾性を有するように形成されるので、必要に応じてスペーサ63を変形させながら、下方に移動させることができる。したがって、作業性を向上させることができる。
【0044】
また、前記隙間がスペーサ63によって塔本体12の円周方向において一定にされるので、各シェルに充填物51を充填する際、又は充填物51が充填された各シェルを輸送する際に、シェルが横置き状態にされても、充填物51の重みが、折り曲げられたフラップ56に加わるのを抑制することができる。その結果、フラップ56が開いた状態を維持することができるだけでなく、フラップ56が一時的に元の形状に戻っても、開いた状態に容易に復元させることができるので、壁流が形成されるのを防止することができる。
【0045】
また、シェルを横置き状態にすることができるので、充填物51を工場で充填することができ、シェルの長さに制約がなくなる。したがって、充填物51を積み重ねて連続的な充填を行うことができるにもかかわらず、充填高さをシェルの長さと同じにする必要がなくなるので、作業を簡素化することができるだけでなく、蒸留装置のコストを低くすることができる。
【0046】
また、シェルの長さに制約がなくなり、シェルフランジを形成する個所を少なくすることができるので、塔本体12内の機密性を向上させることができる。したがって、蒸留塔11内に負圧を発生させるための真空発生装置の性能を高くする必要がなくなるので、蒸留装置のコストを低くすることができる。
【0047】
また、爆発性物質、毒性物質等を取り扱う蒸留装置、又は高真空下で運転する必要がある蒸留装置においては、塔本体12内に空気が流入するのを防止するために、塔本体12の気密性を保つ必要があり、シェルフランジの部分を溶接して封印する必要があるが、この作業を工場で行うことができるだけでなく、シェルフランジを形成する個所を少なくすることができるので、作業性を向上させることができ、蒸留装置のコストを低くすることができる。
【0048】
そして、設置箇所において充填物51を充填する必要がないので、設置箇所の環境の影響を受けることがなく、作業性を向上させることができるだけでなく、充填物51に異物が付着したり、塔本体内に異物が進入したりすることがなくなる。したがって、蒸留装置を運転したときに得られる製品の品質を向上させることができる。
【0049】
本実施の形態においては、カラー53、54がそれぞれ、充填物本体52の外周面において一つずつ配設されるようになっているが、それぞれ、二重、三重、…に重ねて配設することもできる。この場合、フラップ56が一時的に元の形状に戻ったときの、開いた状態に復元する際の復元力を大きくすることができるので、壁流が形成されるのを一層防止することができる。
【0050】
また、本実施の形態においては、スペーサ63は帯状部62の外周面に配設されるようになっているが、カラー53、54とは別に、充填物本体52の外周面の任意の箇所に、任意の数だけ配設することもできる。
【0051】
さらに、本実施の形態においては、スペーサ63は、充填物本体52の円周方向における全体にわたって配設されるようになっているが、短いスペーサ63を充填物本体52の円周方向における任意の箇所に、任意の数だけ配設することもできる。
【0052】
そして、本実施の形態においては、スペーサ63を蛇腹状に折り曲げることによって、スペーサ63に弾性を持たせるようにしているが、スペーサ63を、弾性を有する材料で形成することもできる。
【0053】
また、本実施の形態においては、カラー53、54及びスペーサ63が配設されるようになっているが、スペーサ63だけを配設することもできる。
【0054】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0055】
図4は本発明の第2の実施の形態における充填物の要部を示す斜視図である。
【0056】
図において、71は規則充填物から成る一体型の充填物、73は、帯状部62の外周面に配設された、弾性を有する提灯(ちょうちん)型のスペーサであり、該スペーサ73は、35〜50〔mm〕幅の帯状の金網を、所定のピッチで軸方向において蛇腹状に折り曲げることによって弾性を有するように形成され、円周方向に延びる各山部74と各谷部75との間の波高さが約4〜5〔mm〕にされ、各谷部75と帯状部62とが、円周方向における所定の箇所でスポット溶接によって固着させられる。なお、すべての谷部75と帯状部62とを固着する必要はなく、所定の谷部75と帯状部62とを固着することもできる。
【0057】
この場合、スペーサ73が円周方向に延び、かつ、スペーサ73と塔本体12との間に形成される空間がスペーサ73によって閉鎖されるので、塔本体12の内周面と充填物本体52の外周面との間の隙間の全体をスペーサ73によって塞ぐことができる。したがって、仮に、部分的にフラップ56が元の形状に戻っても、壁流が形成されるのを確実に防止することができる。
【0058】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0059】
図5は本発明の第3の実施の形態における充填物の要部を示す斜視図である。
【0060】
図において、81は規則充填物から成る一体型の充填物、52は複数の金属薄板、金網等を規則的に積層することによって形成された規則充填体から成る充填物本体、83は、前記充填物本体52の外周面の上端及び図示されない下端に、外周面に密着させて取り付けられたリング状のカラーである。該カラー83は、金網、薄板等によって形成され、充填物本体52を保持し、充填物本体52がばらけるのを阻止する機能を有する。
【0061】
前記カラー83の、上半部又は下半部、本実施の形態においては、下半部に所定のピッチで、かつ、カラー83の幅のほぼ半分にわたって複数のスリット85が形成され、各スリット85間にフラップ86が形成される。
【0062】
したがって、前記充填物81を塔本体12内に充填したときに、前記カラー83のフラップ86を上向きに折り返し、各フラップ86の先端を折返し部より上方に位置させることによって、各フラップ86から成る拡開部91をスペーサとして形成することができる。その結果、蒸留装置を運転したときに、前記拡開部91によって塔本体12の内周面と充填物本体52の外周面との間の隙間を塞ぎ、壁流が形成されるのを防止することができる。そして、蒸気及び液体を十分に分散させ、かつ、蒸気と液体との間で十分な熱交換を行うことができる。なお、前記折返し部より上方の上半部は、主として充填物本体52を保持する機能を有し、帯状部92を構成する。
【0063】
この場合、前記各フラップ86が逆方向に折り返されるので、復元力を大きくすることができる。
【0064】
本実施の形態においては、各フラップ86を1回折り返すようにしているが、複数回折り返すこともできる。この場合、復元力を大きくすることができる。
【0065】
前記各実施の形態においては、円筒形の形状を有する塔本体12に円柱状の充填物81が充填される蒸留塔11に適用するようなっているが、中央に中仕切りが配設された円筒形の塔本体を配設し、半円柱状の充填物が充填される結合型蒸留塔に適用することもできる。
【0066】
また、前記各実施の形態においては、蒸留装置に配設される蒸留塔11について説明しているが、吸収、抽出、混合等のプロセス技術を利用した他のプロセス装置に本発明を適用することができる。例えば、吸収操作プロセス装置において、窒素酸化物、硫黄酸化物等のガスを吸収したり、廃液処理プロセス装置において、アンモニア、シアン等の廃液処理を行ったり、液液プロセス装置において、分別抽出による異性体の分離、製品中の不純物の除去、水溶液の脱水精製、溶剤中の主成分の抽出、溶剤の回収、廃水内の成分の抽出、廃水/プロセス流体からのフェノールの回収、水溶液中の酢酸の回収、処理液中の有機物質及び無機物質の除去、溶液中の金属の抽出等を行ったりすることができる。そして、混合・攪拌(かくはん)プロセス装置において各成分の混合及び攪拌を行うことができる。このように、各成分が分布する各種のプロセス装置に本発明を適用することができる。
【0067】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0068】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、充填物においては、規則充填体から成る充填体本体と、該充填体本体の外周面に配設され、弾性を有し、塔本体と充填体本体の外周面との間の隙間を一定にするスペーサとを有する。
【0069】
この場合、塔本体と充填体本体の外周面との間の隙間が、スペーサによって一定にされるので、各シェルに充填物を充填する際、又は充填物が充填された各シェルを輸送する際に、シェルが横置き状態にされても、充填物の重みが、カラーの折り曲げられたフラップに加わるのを抑制することができる。その結果、フラップが開いた状態を維持することができるだけでなく、一時的に元の形状に戻っても、開いた状態に容易に復元させることができるので、壁流が形成されるのを防止することができる。
【0070】
また、シェルを横置き状態にすることができるので、充填物を工場で充填することができ、シェルの長さに制約がなくなる。したがって、充填物を積み重ねて連続的な充填を行うことができるにもかかわらず、充填高さをシェルの長さと同じにする必要がなくなるので、作業を簡素化することができるだけでなく、プロセス装置のコストを低くすることができる。
【0071】
そして、シェルの長さに制約がなくなり、シェルフランジを形成する個所を少なくすることができるので、塔本体内の機密性を向上させることができる。したがって、蒸留塔内に負圧を発生させるための真空発生装置の性能を高くする必要がなくなるので、プロセス装置のコストを低くすることができる。
【0072】
また、爆発性物質、毒性物質等を取り扱うプロセス装置、又は高真空下で運転する必要があるプロセス装置においては、塔本体内に空気が流入するのを防止するために、塔本体の気密性を保つ必要があり、シェルフランジの部分を溶接して封印する必要があるが、この作業を工場で行うことができるだけでなく、シェルフランジを形成する個所を少なくすることができるので、作業性を向上させることができ、プロセス装置のコストを低くすることができる。
【0073】
さらに、設置箇所において充填物を充填する必要がないので、設置箇所の環境の影響を受けることがなく、作業性を向上させることができるだけでなく、充填物に異物が付着したり、塔本体内に異物が進入したりすることがなくなる。したがって、プロセス装置を運転したときに得られる製品の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における充填物の斜視図である。
【図2】従来の充填物の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における蒸留塔の部分断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における充填物の要部を示す斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における充填物の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
12 塔本体
51、71、81 充填物
52 充填物本体
53、54、83 カラー
62 帯状部
63、73 スペーサ
86 フラップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、充填物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プロセス装置、例えば、蒸留装置においては、複数の成分を含む原液から各成分を分離させるために蒸留塔が使用される。
【0003】
該蒸留塔においては、塔本体の高さ方向におけるほぼ中央に、例えば、二つの成分を含有する原液が供給される供給口が形成され、塔本体内における供給口より上方に濃縮部が、供給口より下方に回収部が形成され、前記濃縮部及び回収部によって複数の理論段が構成される。
【0004】
そして、塔本体内において、上方ほど沸点の低い成分に富んだ蒸気が、下方ほど沸点の高い成分に富んだ液体が発生させられ、前記沸点の低い成分に富んだ蒸気は、塔頂から排出されて凝縮され、沸点の低い成分に富んだ液体になり、留出液として排出され、一方、沸点の高い成分に富んだ液体は、塔底から缶出液として排出される。
【0005】
ところで、前記濃縮部及び回収部には、塔本体内において、蒸気及び液体を分散させ、かつ、蒸気と液体との間で気液接触による熱交換を行うことができるように、充填(てん)物が充填されるようになっている。該充填物には、例えば、金属薄板、金網等を規則的に積層させて形成された規則充填体を備えた規則充填物、及び多数のリングを詰めることによって形成された不規則充填体を備えた不規則充填物があるが、蒸気及び液体を十分に分散させ、かつ、蒸気と液体との間で十分な熱交換を行う必要がある場合には、規則充填物が使用される。
【0006】
そして、充填物として規則充填物を使用する場合、塔本体の内径(以下「塔径」という。)が大きい蒸留塔においては、分割型の充填物が使用され、分割された充填物ブロックを塔本体内において順に隣接させて並べるようにしている。一方、塔径が小さい蒸留塔においては、塔本体を構成するシェルの上端を開放させ、一体型の充填物をワイヤによって吊り下げ、押し棒で押さえながら徐々に下方に移動させ、所定の位置にセットするようにしている。
【0007】
ところで、塔本体の製作寸法の許容値と充填物の製作寸法の許容値との関係から、充填物を確実に充填することができるように、一体型の充填物の場合、該充填物の径を塔径より所定量だけ小さくしている。この場合、充填後に塔本体の内周面と充填物の外周面との間に隙(すき)間が発生するが、蒸留塔を運転したときに、前記隙間を蒸気又は液体が流れて壁流が形成されると、蒸気及び液体を十分に分散させ、かつ、蒸気と液体との間で十分な熱交換を行うことができなくなってしまう。そこで、一体型の充填物において、壁流が形成されるのを防止するために、外周面に帯状のカラーが配設された充填物が提供されている。
【0008】
図2は従来の充填物の斜視図である。
【0009】
図において、41は一体型の充填物、42は複数の金属薄板、金網等を規則的に積層することによって形成された規則充填体から成る充填物本体、43、44は、前記充填物本体42の外周面の上端及び下端に、外周面に密着させて取り付けられた帯状のカラーである。該カラー43、44は、金網、薄板等によって形成され、充填物本体42を保持し、該充填物本体42がばらけるのを阻止する機能を有する。
【0010】
また、前記カラー43、44の上半部に、所定のピッチで、かつ、カラー43、44の幅のほぼ半分にわたって複数のスリット45が形成され、各スリット45間にフラップ46が形成される。したがって、前記充填物41を塔本体内に充填したときに、前記カラー43、44の各フラップ46を外方に向けて折り曲げることによって、塔本体の内周面と充填物本体42の外周面との間の隙間を塞(ふさ)ぎ、壁流が形成されるのを防止することができる。
【0011】
ところで、充填物41が充填された各シェルを輸送する際に、シェルが横置き状態にされると、各カラー43、44の強度が低いので、下側になった部分において、充填物41の重みで、折り曲げられたフラップ46が元の形状に戻ってしまう。その結果、各シェルを蒸留塔を設置する箇所(以下「設置箇所」という。)において縦置き状態にしたときに、塔本体の円周方向において、隙間が塞がれた部分と塞がれていない部分とが形成され、蒸留塔を運転したときに、部分的な壁流が形成されてしまう。
【0012】
そこで、シェルを縦置き状態にして輸送することが考えられるが、その場合、輸送上の制約があることから、塔本体を最大でも3000〔mm〕程度の長さの複数のシェルに分割し、工場において各シェルに充填物41を充填し、シェルを輸送し、設置箇所において、各シェルの上端及び下端に形成されたシェルフランジを介して各シェルを連結して塔本体を組み立てるようにしている。または、塔本体を前記シェルより長めに分割し、充填物41を充填することなく各シェルを横置き状態にして輸送し、設置箇所において各シェルに充填物41を充填して、塔本体を組み立てるようにしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、充填物41として規則充填物を使用する場合、充填物41の高さ(以下「充填高さ」という。)の最大値は理論段数(NTS)20段分とされるが、例えば、金網製の住友BXパッキング(住友重機械工業株式会社製)の場合、理論段数が20段であり、一理論段当たりの充填高さを表す値HETPが250〔mm〕であるので、充填高さの最大値は5000〔mm〕になる。同様に、金網製の住友CYパッキング(住友重機械工業株式会社製)場合、理論段数が20段であり、値HETPが150〔mm〕であるので、充填高さの最大値は3000〔mm〕になる。また、薄板製の住友メラパック250Y(住友重機械工業株式会社製)の場合、理論段数が20段であり、値HETPが450〔mm〕であるので、充填高さの最大値は9000〔mm〕になる。
【0014】
このように、充填物41を積み重ねて連続的な充填を行うことができるにもかかわらず、シェルを縦置き状態にして輸送する場合には、充填高さをシェルの長さと同じ約3000〔mm〕程度にする必要が生じるので、作業が煩わしくなり、コストが高くなってしまう。
【0015】
また、シェルを横置き状態にして輸送し、設置箇所において充填物41を充填する場合には、設置箇所の環境によっては、作業性が極めて低下してしまうだけでなく、充填物41に異物が付着したり、塔本体内に異物が進入したりして、蒸留装置を運転したときに得られる製品の品質が低下してしまう。
【0016】
本発明は、前記従来の充填物の問題点を解決して、プロセス装置のコストを低くすることができ、プロセス装置を運転したときの製品の品質を向上させることができ、塔本体を組み立てる際の作業性を向上させることができる充填物を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の充填物においては、規則充填体から成る充填体本体と、該充填体本体の外周面に配設され、弾性を有し、塔本体と充填体本体の外周面との間の隙間を一定にするスペーサとを有する。
【0018】
本発明の他の充填物においては、さらに、前記充填体本体の外周面に配設され、前記隙間を塞ぐカラーを有する。
【0019】
そして、前記スペーサは前記カラーの帯状部の外周面に配設される。
【0020】
本発明の更に他の充填物においては、さらに、前記スペーサは弾性を有する材料によって形成される。
【0021】
本発明の更に他の充填物においては、さらに、前記スペーサは蛇腹状に形成される。
【0022】
本発明の更に他の充填物においては、さらに、前記スペーサは、前記充填体本体の外周面に配設され、前記隙間を塞ぐカラーのフラップを複数回折り返すことによって形成される。
【0023】
本発明の更に他の充填物においては、さらに、前記充填体本体の外周面に配設され、前記隙間を塞ぐカラーを有する。
【0024】
そして、前記スペーサは前記カラーのフラップを上向きに折り返すことによって形成される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、プロセス装置のうちの蒸留装置について説明する。
【0026】
図3は本発明の第1の実施の形態における蒸留塔の部分断面図である。
【0027】
図において、11は蒸留塔であり、該蒸留塔11の塔本体12の高さ方向におけるほぼ中央に、例えば、二つの成分A及びBを含有する原液Mが供給される供給口13が形成される。なお、成分Aは成分Bより沸点が低いものとする。そして、前記塔本体12内における供給口13より上方に濃縮部AR11が、供給口13より下方に回収部AR12が形成され、前記濃縮部AR11及び回収部AR12によって複数の理論段が構成される。
【0028】
前記回収部AR12においては、原液Mが降下し、上方ほど成分Aに富んだ蒸気を、下方ほど成分Bに富んだ液体を発生させるとともに、該成分Bに富んだ液体が降下する。そして、成分Bに富んだ液体は、塔本体12の図示されない塔底において図示されない缶出液出口から缶出液として排出される。該缶出液の一部は、図示されない蒸発器に送られ、該蒸発器によって蒸気にされ、前記回収部AR12より下方に形成された図示されない蒸気入口を介して塔本体12内に供給される。続いて、前記蒸気は、前記回収部AR12に供給され、該回収部AR12内を上昇する間に、原液Mと気液接触によって接触させられ、該原液Mから成分Aに富んだ蒸気を発生させられる。
【0029】
そして、該成分Aに富んだ蒸気は、濃縮部AR11に供給され、該濃縮部AR11内を上昇し、塔本体12の塔頂において、図示されない蒸気出口から排出される。続いて、成分Aに富んだ蒸気は、図示されない凝縮器に送られ、該凝縮器において凝縮され、成分Aに富んだ液体になり、留出液として排出される。
【0030】
また、蒸留塔11のプロセス性能を表す分離性能を高くするために、留出液の一部が前記濃縮部AR11に還流液として還流される。そのために、前記濃縮部AR11より上方に還流液入口16が形成され、該還流液入口16を介して前記還流液が濃縮部AR11に供給される。それに伴って、濃縮部AR11内を上昇する成分Aに富んだ蒸気と成分Aに富んだ液体とが気液接触によって接触させられ、成分Aの濃度が高くされる。
【0031】
ところで、前記構成の蒸留塔11においては、前記濃縮部AR11及び回収部AR12に、充填物として規則充填物が充填される。該規則充填物が充填された規則充填塔においては、塔径の大小に関係なく、分離性能が高くなるので、一理論段当たりの充填高さを表す値HETP、及び一理論段当たりの圧力損失を表す値ΔPを小さくすることができる。そして、分離性能を高くするために、蒸留塔11内を降下する液体が塔本体12の水平方向において均一に分散させられるようになっている。
【0032】
すなわち、還流液入口16を介して供給された還流液を濃縮部AR11に向けて分散させるために、濃縮部AR11より上方にチューブラー型の液分散装置21が配設され、濃縮部AR11を降下する液体、及び供給口13を介して供給された原液Mを集めるために、濃縮部AR11より下方にラミナー型の集液装置22が配設され、該集液装置22によって集められた液体を回収部AR12に向けて分散させるために、回収部AR12より上方にチューブラー型の液分散装置23が配設される。
【0033】
前記液分散装置21は、上端が開放され、塔本体12の中心付近において垂直に延在させて配設され、前記還流液入口16に接続された排出パイプ24から排出された液体を溜(た)めて所定の水頭圧を発生させる開放静圧型のスタンドパイプ25、スタンドパイプ25の下端において水平方向に延在させられ、スタンドパイプ25内の液体を径方向に分配するメインヘッダ26、及び該メインヘッダ26と連結させて、かつ、水平方向に延在させられ、メインヘッダ26内の液体をメインヘッダ26に対して直角の方向に分配する複数のアームチューブ27を備える。そして、該アームチューブ27には液体を吐出するための複数の図示されない分散口が形成される。したがって、還流液入口16を介して還流された還流液は、スタンドパイプ25に溜められ、メインヘッダ26及びアームチューブ27を介して分散させられる。
【0034】
また、前記集液装置22は、塔本体12の内周に沿って集液溝28を形成するコレクタボックス29、及び該コレクタボックス29の対向する部分間に、所定のピッチで互いに平行に架設された複数のコレクタラミナ31を備え、各コレクタラミナ31によって集められた液体は、集液溝28に送られる。
【0035】
そして、前記液分散装置23は、集液溝28と連通させられた排出パイプ32、該排出パイプ32の下端において、上端が開放され、塔本体12の中心付近において垂直に延在させて配設され、前記排出パイプ32から排出された液体、及び供給口13を介して供給された原液Mを溜めて所定の水頭圧を発生させる開放静圧型のスタンドパイプ25、スタンドパイプ25の下端において水平方向に延在させられ、スタンドパイプ25内の液体を径方向に分配するメインヘッダ26、及び該メインヘッダ26と連結させて、かつ、水平方向に延在させられ、メインヘッダ26内の液体をメインヘッダ26に対して直角の方向に分配する複数のアームチューブ27を備える。そして、該アームチューブ27には液体を吐出するための複数の図示されない分散口が形成される。したがって、集液溝28に送られた液体は、供給口13を介して供給された原液Mと共に、排出パイプ32を介してスタンドパイプ25に溜められ、メインヘッダ26及びアームチューブ27を介して分散させられる。
【0036】
次に、前記充填物について説明する。
【0037】
図1は本発明の第1の実施の形態における充填物の斜視図である。
【0038】
図において、51は規則充填物から成る一体型の充填物、52は複数の金属薄板、金網等を規則的に積層することによって形成された規則充填体から成る充填物本体、53、54は、前記充填物本体52の外周面の上端及び下端に、外周面に密着させて取り付けられたリング状のカラーである。該カラー53、54は、金網、薄板等によって形成され、充填物本体52を保持し、充填物本体52がばらけるのを阻止する機能を有する。
【0039】
前記カラー53、54の、上半部又は下半部、本実施の形態においては、上半部に所定のピッチで、かつ、カラー53、54の幅のほぼ半分にわたって複数のスリット55が形成され、各スリット55間にフラップ56が形成される。したがって、前記充填物51を塔本体12(図3)内に充填したときに、前記カラー53、54の各フラップ56を外方に向けて折り曲げることによって、各フラップ56から成る拡開部61を形成することができる。その結果、蒸留装置を運転したときに、前記拡開部61によって塔本体12の内周面と充填物本体52の外周面との間の隙間を塞ぎ、壁流が形成されるのを防止することができる。そして、蒸気及び液体を十分に分散させ、かつ、蒸気と液体との間で十分な熱交換を行うことができる。なお、各カラー53、54の下半部は、主として充填物本体52を保持する機能を有し、帯状部62を構成する。
【0040】
ところで、前記蒸留塔11(図3)を製造する場合、輸送上の問題から、塔本体12を複数のシェルに分割し、工場において各シェルに充填物51を充填し、シェルを輸送し、蒸留塔11の設置箇所において、各シェルの上端及び下端に形成された図示されないシェルフランジを介して各シェルを連結し、塔本体12を組み立てるようにしている。
【0041】
ところが、各シェルに充填物51を充填する際、又は充填物51が充填された各シェルを輸送する際に、シェルが横置き状態にされるのに伴って、充填物51の重みで、折り曲げられたフラップ56が元の形状に戻ると、壁流が形成されてしまう。
【0042】
そこで、前記隙間を塔本体12における円周方向においてほぼ一定にするために、前記各帯状部62の外周面に、弾性を有するスペーサ63を配設するようにしている。該スペーサ63は、35〜50〔mm〕幅の帯状の金網を、所定のピッチで、円周方向において蛇腹状に折り曲げることによって弾性を有するように形成され、軸方向に延びる各山部64と各谷部65との間の波高さが約4〜5〔mm〕にされ、各谷部65と帯状部62とがスポット溶接によって固着させられる。なお、すべての谷部65と帯状部62とを固着する必要はなく、所定の谷部65と帯状部62とを固着することもできる。また、横置きの状態にしたときに、下側になる部分があらかじめ定められている場合には、円周方向のすべてにスペーサ63を配設することなく、下側になる部分にだけ配設することができる。
【0043】
ところで、シェルに充填物51を充填する際に、シェルの上端を開放させ、充填物51を図示されないワイヤによって吊り下げ、図示されない押し棒で押さえながら徐々に下方に移動させ、所定の位置にセットするようにしているが、前記スペーサ63は、弾性を有するように形成されるので、必要に応じてスペーサ63を変形させながら、下方に移動させることができる。したがって、作業性を向上させることができる。
【0044】
また、前記隙間がスペーサ63によって塔本体12の円周方向において一定にされるので、各シェルに充填物51を充填する際、又は充填物51が充填された各シェルを輸送する際に、シェルが横置き状態にされても、充填物51の重みが、折り曲げられたフラップ56に加わるのを抑制することができる。その結果、フラップ56が開いた状態を維持することができるだけでなく、フラップ56が一時的に元の形状に戻っても、開いた状態に容易に復元させることができるので、壁流が形成されるのを防止することができる。
【0045】
また、シェルを横置き状態にすることができるので、充填物51を工場で充填することができ、シェルの長さに制約がなくなる。したがって、充填物51を積み重ねて連続的な充填を行うことができるにもかかわらず、充填高さをシェルの長さと同じにする必要がなくなるので、作業を簡素化することができるだけでなく、蒸留装置のコストを低くすることができる。
【0046】
また、シェルの長さに制約がなくなり、シェルフランジを形成する個所を少なくすることができるので、塔本体12内の機密性を向上させることができる。したがって、蒸留塔11内に負圧を発生させるための真空発生装置の性能を高くする必要がなくなるので、蒸留装置のコストを低くすることができる。
【0047】
また、爆発性物質、毒性物質等を取り扱う蒸留装置、又は高真空下で運転する必要がある蒸留装置においては、塔本体12内に空気が流入するのを防止するために、塔本体12の気密性を保つ必要があり、シェルフランジの部分を溶接して封印する必要があるが、この作業を工場で行うことができるだけでなく、シェルフランジを形成する個所を少なくすることができるので、作業性を向上させることができ、蒸留装置のコストを低くすることができる。
【0048】
そして、設置箇所において充填物51を充填する必要がないので、設置箇所の環境の影響を受けることがなく、作業性を向上させることができるだけでなく、充填物51に異物が付着したり、塔本体内に異物が進入したりすることがなくなる。したがって、蒸留装置を運転したときに得られる製品の品質を向上させることができる。
【0049】
本実施の形態においては、カラー53、54がそれぞれ、充填物本体52の外周面において一つずつ配設されるようになっているが、それぞれ、二重、三重、…に重ねて配設することもできる。この場合、フラップ56が一時的に元の形状に戻ったときの、開いた状態に復元する際の復元力を大きくすることができるので、壁流が形成されるのを一層防止することができる。
【0050】
また、本実施の形態においては、スペーサ63は帯状部62の外周面に配設されるようになっているが、カラー53、54とは別に、充填物本体52の外周面の任意の箇所に、任意の数だけ配設することもできる。
【0051】
さらに、本実施の形態においては、スペーサ63は、充填物本体52の円周方向における全体にわたって配設されるようになっているが、短いスペーサ63を充填物本体52の円周方向における任意の箇所に、任意の数だけ配設することもできる。
【0052】
そして、本実施の形態においては、スペーサ63を蛇腹状に折り曲げることによって、スペーサ63に弾性を持たせるようにしているが、スペーサ63を、弾性を有する材料で形成することもできる。
【0053】
また、本実施の形態においては、カラー53、54及びスペーサ63が配設されるようになっているが、スペーサ63だけを配設することもできる。
【0054】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0055】
図4は本発明の第2の実施の形態における充填物の要部を示す斜視図である。
【0056】
図において、71は規則充填物から成る一体型の充填物、73は、帯状部62の外周面に配設された、弾性を有する提灯(ちょうちん)型のスペーサであり、該スペーサ73は、35〜50〔mm〕幅の帯状の金網を、所定のピッチで軸方向において蛇腹状に折り曲げることによって弾性を有するように形成され、円周方向に延びる各山部74と各谷部75との間の波高さが約4〜5〔mm〕にされ、各谷部75と帯状部62とが、円周方向における所定の箇所でスポット溶接によって固着させられる。なお、すべての谷部75と帯状部62とを固着する必要はなく、所定の谷部75と帯状部62とを固着することもできる。
【0057】
この場合、スペーサ73が円周方向に延び、かつ、スペーサ73と塔本体12との間に形成される空間がスペーサ73によって閉鎖されるので、塔本体12の内周面と充填物本体52の外周面との間の隙間の全体をスペーサ73によって塞ぐことができる。したがって、仮に、部分的にフラップ56が元の形状に戻っても、壁流が形成されるのを確実に防止することができる。
【0058】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
【0059】
図5は本発明の第3の実施の形態における充填物の要部を示す斜視図である。
【0060】
図において、81は規則充填物から成る一体型の充填物、52は複数の金属薄板、金網等を規則的に積層することによって形成された規則充填体から成る充填物本体、83は、前記充填物本体52の外周面の上端及び図示されない下端に、外周面に密着させて取り付けられたリング状のカラーである。該カラー83は、金網、薄板等によって形成され、充填物本体52を保持し、充填物本体52がばらけるのを阻止する機能を有する。
【0061】
前記カラー83の、上半部又は下半部、本実施の形態においては、下半部に所定のピッチで、かつ、カラー83の幅のほぼ半分にわたって複数のスリット85が形成され、各スリット85間にフラップ86が形成される。
【0062】
したがって、前記充填物81を塔本体12内に充填したときに、前記カラー83のフラップ86を上向きに折り返し、各フラップ86の先端を折返し部より上方に位置させることによって、各フラップ86から成る拡開部91をスペーサとして形成することができる。その結果、蒸留装置を運転したときに、前記拡開部91によって塔本体12の内周面と充填物本体52の外周面との間の隙間を塞ぎ、壁流が形成されるのを防止することができる。そして、蒸気及び液体を十分に分散させ、かつ、蒸気と液体との間で十分な熱交換を行うことができる。なお、前記折返し部より上方の上半部は、主として充填物本体52を保持する機能を有し、帯状部92を構成する。
【0063】
この場合、前記各フラップ86が逆方向に折り返されるので、復元力を大きくすることができる。
【0064】
本実施の形態においては、各フラップ86を1回折り返すようにしているが、複数回折り返すこともできる。この場合、復元力を大きくすることができる。
【0065】
前記各実施の形態においては、円筒形の形状を有する塔本体12に円柱状の充填物81が充填される蒸留塔11に適用するようなっているが、中央に中仕切りが配設された円筒形の塔本体を配設し、半円柱状の充填物が充填される結合型蒸留塔に適用することもできる。
【0066】
また、前記各実施の形態においては、蒸留装置に配設される蒸留塔11について説明しているが、吸収、抽出、混合等のプロセス技術を利用した他のプロセス装置に本発明を適用することができる。例えば、吸収操作プロセス装置において、窒素酸化物、硫黄酸化物等のガスを吸収したり、廃液処理プロセス装置において、アンモニア、シアン等の廃液処理を行ったり、液液プロセス装置において、分別抽出による異性体の分離、製品中の不純物の除去、水溶液の脱水精製、溶剤中の主成分の抽出、溶剤の回収、廃水内の成分の抽出、廃水/プロセス流体からのフェノールの回収、水溶液中の酢酸の回収、処理液中の有機物質及び無機物質の除去、溶液中の金属の抽出等を行ったりすることができる。そして、混合・攪拌(かくはん)プロセス装置において各成分の混合及び攪拌を行うことができる。このように、各成分が分布する各種のプロセス装置に本発明を適用することができる。
【0067】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0068】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、充填物においては、規則充填体から成る充填体本体と、該充填体本体の外周面に配設され、弾性を有し、塔本体と充填体本体の外周面との間の隙間を一定にするスペーサとを有する。
【0069】
この場合、塔本体と充填体本体の外周面との間の隙間が、スペーサによって一定にされるので、各シェルに充填物を充填する際、又は充填物が充填された各シェルを輸送する際に、シェルが横置き状態にされても、充填物の重みが、カラーの折り曲げられたフラップに加わるのを抑制することができる。その結果、フラップが開いた状態を維持することができるだけでなく、一時的に元の形状に戻っても、開いた状態に容易に復元させることができるので、壁流が形成されるのを防止することができる。
【0070】
また、シェルを横置き状態にすることができるので、充填物を工場で充填することができ、シェルの長さに制約がなくなる。したがって、充填物を積み重ねて連続的な充填を行うことができるにもかかわらず、充填高さをシェルの長さと同じにする必要がなくなるので、作業を簡素化することができるだけでなく、プロセス装置のコストを低くすることができる。
【0071】
そして、シェルの長さに制約がなくなり、シェルフランジを形成する個所を少なくすることができるので、塔本体内の機密性を向上させることができる。したがって、蒸留塔内に負圧を発生させるための真空発生装置の性能を高くする必要がなくなるので、プロセス装置のコストを低くすることができる。
【0072】
また、爆発性物質、毒性物質等を取り扱うプロセス装置、又は高真空下で運転する必要があるプロセス装置においては、塔本体内に空気が流入するのを防止するために、塔本体の気密性を保つ必要があり、シェルフランジの部分を溶接して封印する必要があるが、この作業を工場で行うことができるだけでなく、シェルフランジを形成する個所を少なくすることができるので、作業性を向上させることができ、プロセス装置のコストを低くすることができる。
【0073】
さらに、設置箇所において充填物を充填する必要がないので、設置箇所の環境の影響を受けることがなく、作業性を向上させることができるだけでなく、充填物に異物が付着したり、塔本体内に異物が進入したりすることがなくなる。したがって、プロセス装置を運転したときに得られる製品の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における充填物の斜視図である。
【図2】従来の充填物の斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における蒸留塔の部分断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における充填物の要部を示す斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態における充填物の要部を示す斜視図である。
【符号の説明】
12 塔本体
51、71、81 充填物
52 充填物本体
53、54、83 カラー
62 帯状部
63、73 スペーサ
86 フラップ
Claims (6)
- (a)規則充填体から成る充填体本体と、
(b)該充填体本体の外周面に配設され、弾性を有し、塔本体と充填体本体の外周面との間の隙間を一定にするスペーサとを有することを特徴とする充填物。 - (a)前記充填体本体の外周面に配設され、前記隙間を塞ぐカラーを有するとともに、
(b)前記スペーサは前記カラーの帯状部の外周面に配設される請求項1に記載の充填物。 - 前記スペーサは弾性を有する材料によって形成される請求項1に記載の充填物。
- 前記スペーサは蛇腹状に形成される請求項1に記載の充填物。
- 前記スペーサは、前記充填体本体の外周面に配設され、前記隙間を塞ぐカラーのフラップを複数回折り返すことによって形成される請求項1に記載の充填物。
- (a)前記充填体本体の外周面に配設され、前記隙間を塞ぐカラーを有するとともに、
(b)前記スペーサは前記カラーのフラップを上向きに折り返すことによって形成される請求項1に記載の充填物。
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-
2002
- 2002-06-11 JP JP2002170366A patent/JP2004009030A/ja active Pending
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