JP2004008063A - 鶏の肉質及び鶏卵の品質を改良するためユーグレナ培養液を給餌する養鶏方法 - Google Patents
鶏の肉質及び鶏卵の品質を改良するためユーグレナ培養液を給餌する養鶏方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】鶏の肉質及び鶏卵の品質を改良する安価な方法を開発する。
【解決手段】ユーグレナ培養液を加工せずにそのまま養鶏又は産卵鶏に給餌する養鶏方法が提供される。この方法によれば、ユーグレナ培養液を給餌された鶏の肉質が改良され、例えば、肉中のタウリン含量が増加する。またユーグレナ培養液を給餌された産卵鶏が産む鶏卵の品質が改良され、例えば、得られる鶏卵の卵黄中のEPA、DHA及びトコフェロールの含量が顕著に増加する。
【選択図】 なし
【解決手段】ユーグレナ培養液を加工せずにそのまま養鶏又は産卵鶏に給餌する養鶏方法が提供される。この方法によれば、ユーグレナ培養液を給餌された鶏の肉質が改良され、例えば、肉中のタウリン含量が増加する。またユーグレナ培養液を給餌された産卵鶏が産む鶏卵の品質が改良され、例えば、得られる鶏卵の卵黄中のEPA、DHA及びトコフェロールの含量が顕著に増加する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は鶏の肉質又は鶏卵の品質を改良する方法に関する。より具体的には、本発明は養鶏又は産卵鶏にユーグレナ培養液を給餌することにより鶏の肉質又は鶏卵の品質を改良する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の飽食の時代にあって、人々は嗜好にまかせた食事を摂っているため、意外にも栄養の偏りが生じているとの指摘が少なくない。そこで、魚よりも肉を好む人々にも栄養のバランスがとれるように、肉質を改良することが望まれる。例えば、多くの生理効果が知られ健康増進物質として脚光を浴びているタウリンなどの鶏肉中の含量を増加させることが望まれる。また、鶏卵は完全食と言われる程栄養のバランスがよいが、魚の脂肪に多く含まれているエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などの栄養生化学上注目すべき多価不飽和脂肪酸は殆ど含まれておらず、魚を好む人はこれらを十分に摂取できるが、魚が嫌いで肉や鶏卵を好む人の場合、EPAやDHAの摂取量がきわめて制限されることになる。もし、鶏卵にもこれらのEPAやDHAが含まれておれば、鶏卵の栄養学的バランスが大きく改善されることは論をまたない。さらに、鶏卵を経由するサルモネラ感染症などを防止するため、産卵鶏の血中イムノグロブリン量を増加させることが望ましい。しかし、今日まで、鶏の肉質や鶏卵の品質を改良する実施可能な方法は全く開発されてこなかったのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明が解決しようとする課題は、鶏の肉質及び鶏卵の品質を改良するための実施可能な養鶏方法、さらには鶏卵経由のサルモネラ感染症を防止するための産卵鶏の血中イムノグロブリン量を増加させる実施可能な養鶏方法を開発することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため、種々検討を重ねた結果、養鶏又は産卵鶏にユーグレナ培養液を加工せずにそのまま給餌することにより、鶏の肉質及び鶏卵の栄養学的品質を改良することができること、並びに産卵鶏の血中イムノグロブリン量を増加させることができることを発見し、さらに研究を進めて本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明の骨子は、
(1) 鶏の肉質を改良するためユーグレナ培養液を給餌する養鶏方法、
(2) 鶏の肉質の改良が鶏肉中のタウリン含量の増加である前記(1)記載の方法、
(3) 鶏卵の品質を改良するため産卵鶏にユーグレナ培養液を給餌する養鶏方法、
(4) 鶏卵の品質の改良が鶏卵中のエイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸の含量の増加である前記(3)記載の方法、
(5) 鶏卵の品質の改良が鶏卵中のトコフェロールの含量の増加である前記(3)又は(4)記載の方法、
(6) 産卵鶏の血中イムノグロブリン量を増加させるため産卵鶏にユーグレナ培養液を給餌する前記(1)〜(5)いずれかに記載の方法、並びに
(7) 養鶏又は産卵鶏へのユーグレナ培養液の給餌が、養鶏又は産卵鶏にユーグレナ培養液を加工せずにそのまま給餌するものである前記(1)〜(6)いずれかに記載の方法、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で使用されるユーグレナ培養液の調製及び給餌は以下のようにして行なわれる。即ち、ユーグレナ(Euglena gracilis Z)を、塩類溶液(その1例を表1に示す)にビタミンB1とビタミンB12をそれぞれ微量添加したものを培地とし、300PPM〜3×105PPMの炭酸ガスを含む空気を常時瀑気し、さらに太陽光照射の下で室温(20〜30℃)で培養を行い、定常状態(5〜20×106ユーグレナ細胞/ml)に達した培養の培養液をそのまま水の代わりに鶏又は産卵鶏に給餌する。
【0007】
上記培養槽には給餌する培養液と同量の上記培地を連続的に供給し、連続培養を行なう。培地は強い酸性(pH約3.5)であるので、この培地は滅菌せず、連続培養も非滅菌条件下で行なう。給餌の量(鶏の摂取量)がユーグレナの成長速度を上回り、培養液のユーグレナ濃度が減少したときは給餌を停止し、鶏には水道水を供給する。培養液中のユーグレナ濃度は、レーザー蛍光光度計又はクロロフィルセンサーにより、例えば株式会社理工化学研究所製のクロロフィル蛍光計により検出する。ユーグレナ濃度が回復すればユーグレナ培養液の給餌を再開する。なお、鶏は自由にユーグレナ培養液を摂取できるようにした上で、ユーグレナの増殖速度と給餌の速度とが平衡になるように調整することが好ましい。
【0008】
本発明に使用されるユーグレナ培養液の具体的調製方法は、特に制限されるものではないが、養鶏及び鶏卵生産においては費用の抑制が至上命題であることから、一定の制約は免れない。即ち、鶏の肉質を改良するため又は鶏卵の品質を改良するために、養鶏や産卵鶏に高価な餌を与えることは理論的には可能であっても実際には実施不可能である。本発明は、実施可能な方法を提供する。即ち費用の増加を極力抑えるため、ユーグレナの培養に当たっては、通常の微生物の培養に用いられる高価な恒温培養槽は使用せず、そして培地や培養槽の滅菌等の費用のかかる処理は一切行なわない。例えば、太陽光が透過しうる材料で形成された上面、上面の一部をカットしその上部に取り付けられた冷却用ファン、底部には加熱用ヒーター及び炭酸ガスを含む空気を常時噴出させるための多孔性ノズルが取り付けられた培養槽に、温度センサー、電気伝導度センサー及びクロロフィル用センサーが取り付けられたものを使用する。
【0009】
30℃を設定値とする培養液の温度制御は、例えば、温度センサーを用いて培養液の温度を検知し、その制御には冬季は培養槽に設置したヒーターにより、夏季は培養槽の上面に設置したファンを用いた強制蒸発による蒸発熱の利用により行なう。ファンにより蒸発した水の量は培養液の電気伝導度の測定により推定し、それと同量の脱塩素フィルターを通過させた水道水を補給して培養液の液量をほぼ一定に保つ。
【0010】
こうして得られたユーグレナ培養液の給餌に当たっては、ユーグレナ培養液を加工せずにそのまま養鶏又は産卵鶏に給餌するという方法を採用する。本発明の方法の一つの利点は、得られたユーグレナ細胞を分離し、乾燥するための費用の増加をも抑制できることである。その結果、鶏の肉質改良又は鶏卵の品質改良のため、通常は高価なユーグレナ細胞を給餌しても、鶏肉又は鶏卵に加わる費用の増加は十分に抑制可能となる。
【0011】
本発明の方法により3〜6か月間飼育した鶏の肉質は、そのアミノ酸組成が変化し、特に、遊離アミノ酸のタウリン含量が20〜50%増加する。タウリンは最近の研究により、多くの生理効果が知られ、健康増進物質として脚光を浴びている。
【0012】
本発明の養鶏方法により3〜6か月間飼育した産卵鶏が生産する鶏卵は、卵黄中のトコフェロール(ビタミンE)含量が20〜30%増加する。中でも、γ−トコフェロールの含量の増加が著しい。また、β−カロテン(プロビタミンA)も5〜10%増加する。
【0013】
本発明の養鶏方法により3〜6か月間飼育した産卵鶏が生産する鶏卵は、卵黄中に多価不飽和脂肪酸を多く含んでいる。コントロールの鶏卵では、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)は検出されなかったが、本発明の養鶏方法により生産される鶏卵はEPAが約4〜8%、DHAが約2〜5%含まれている。一方、リノール酸とリノレン酸には大きな変化は見られない。このことから、本発明の養鶏方法により生産される鶏卵には、動脈硬化やコレステロールの蓄積を防止する効果が期待できる。
【0014】
本発明の養鶏方法により3〜6か月間飼育した産卵鶏は、血中イムノグロブリン量がコントロール群よりも10〜30%高い値を示す。これは、ユーグレナ中に含まれるβ−1,3−グルカンであるパラミロンによる免疫賦活効果によるものと推定されるが、この事実から、本発明の養鶏方法による、鶏卵経由のサルモネラ等の細菌の感染防止効果が期待される。
【0015】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定されるものではない。
【0016】
実施例1
底面に炭酸ガス供給のための多孔性ノズルを具備した深さ約30cmの300L培養槽に5μg/LのビタミンB1及び1μg/LのビタミンB12を添加した表1に記載の塩類溶液を充填し、これに前培養で定常期に達したユーグレナ(Euglena gracilis Z)の培養液を10L接種し、太陽光の照射(1500〜20000ルクス)の下、300PPMの炭酸ガスを含む空気(300L/分)を常時上記多孔性ノズルを通じて噴出させつつ、培養液の温度を簡易温度制御装置により20〜30℃に保ちながら定常期(5〜20×106細胞/mL)に達するまで培養した。得られた培養物の顕微鏡写真を図1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
ついで、この培養液を導溝を経て給餌槽に導き、10羽の鶏に給餌した。鶏が水の代わりに培養液を飲み、給餌槽中の培養液が減少すると、自動的に培養槽から同量の培養液が供給された。一方、給餌槽への供給及び蒸発により減少した培養槽中の培養液は同量の5μg/LのビタミンB1及び1μg/LのビタミンB12を含む表1に記載の塩類溶液の供給により補填され、培養槽中の液量はほぼ一定に保持された。培養槽の温度制御は、冬季は培養槽の底部に設置されたヒーターにより、夏季は培養槽上部のファンにより培養液を一部強制的に蒸発させることによる蒸発熱によりほぼ20〜30℃に保持することができた。
【0019】
一方、コントロールとして、10羽の鶏にユーグレナ培養液の代わりに水道水を与え、その他の条件は同一にして飼育した。
【0020】
本発明の養鶏方法により飼育した鶏群とコントロール群の鶏とを屠殺し、それらの肉質を比較検討した。鶏肉及び鶏肝臓中の可溶性総アミノ酸量及びタウリン含有量は以下のようにして測定した。一定量の試料にその2倍量の1%トリクロロ酢酸(TCA)を加えてホモジナイズし、5000×gの遠心分離により上澄みを得た。この沈殿を同様に1%TCAで2回抽出を行なった。その上澄みを合わせてエーテルでTCAを除去した後、水溶性画分を濃縮し、pH2.2の0.1Mクエン酸緩衝液に溶解して日立アミノ酸分析計にかけた。その結果を図2〜図5に棒グラフで示す。可溶性総アミノ酸量はユーグレナ給餌群とコントロール群とで肉及び肝臓共に殆ど差がなかったが、タウリンの含有量はユーグレナ給餌群の方がコントロール群よりも高く、肉の場合約50%、肝臓の場合約20%の増加を示した。
【0021】
さらに、本発明の養鶏方法により飼育した産卵鶏とコントロール群の産卵鶏の間で生産される鶏卵の品質の比較を行なった。卵黄中の粗脂質含量はフォルチ分配法を用いて以下のように測定した。即ち、クロロホルム−メタノール(2:1,v/v)で抽出し、そのクロロホルム層を乾固して重量法により卵黄中の粗脂質含量を測定した。その結果を図6に示す。卵黄中の粗脂質含量は、コントロール群に比べ、ユーグレナ給餌群で約10%の増加を示した。
【0022】
次に、卵黄中の脂肪酸組成をユーグレナ給餌群とコントロール群の間で比較した。脂肪酸組成の分析は、フォルチ分配法により抽出した脂質を加水分解しメチル化した後、ガスクロマトグラフィーを用い昇温条件下で一般的脂肪酸分析法に従って行なった。その結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】
表2から明らかなように、多価不飽和脂肪酸の量がコントロール群の卵黄では殆ど検出されなかったのに対し、本発明の方法により飼育された鶏の卵黄では顕著に増加した。即ち、エイコサペンタエン酸(20:5)は総脂肪酸中の5.6%、ドコサヘキサエン酸(20:6)は2.8%を占めるに至った。エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)は動脈硬化症や高脂血症の予防薬としての効果が認められており、このような多価不飽和脂肪酸の含量の増加は鶏卵の栄養価を一層高めるものである。
【0025】
さらに、卵黄中のトコフェロール(ビタミンE)含量をユーグレナ給餌群とコントロール群の間で比較した。トコフェロール(Toc)の定量、及びα−Toc、β−、γ−及びδ−の定量は、高速液体クロマトグラフィーを用い、シゲオカ,オニシ,ナカノ及びキタオカ(1986),Agric.Biol.Chem.,50,1063−1065に記載の方法に従って行なった。その結果を図7及び図8に示す。コントロール群の卵黄に比べ、ユーグレナ給餌群の卵黄のToc含量は約30%増加した(図7)。Tocの各成分について比較すると、コントロール群に比べ、ユーグレナ給餌群の卵黄ではγ−Tocの増加が顕著であることが分かった(図8)。
【0026】
また、卵黄中のβ−カロテンの含量をユーグレナ給餌群とコントロール群の間で比較した。β−カロテンの定量は、高速液体クロマトグラフィーを用い、ホソタニ及びキタオカ(1984),日本栄養食糧学会誌,37,519−524に記載の方法に従って行なった。その結果を図9に示す。図9から明らかなように、ユーグレナ給餌群の卵黄中のβ−カロテン(プロビタミンA)含有量はコントロール群のそれよりも僅かに高い値を示した。
しかし、コントロール群の卵黄に比べ、ユーグレナ給餌群の卵黄中にはビタミンEが顕著に多く含まれ、且つ、プロビタミンAであるβ−カロテンもより多く含まれていることから、両ビタミンの摂取増加に繋がり、本発明方法により生産された鶏卵の摂取は健康増進に寄与できるものと考えられる。
【0027】
本発明の養鶏方法により飼育した鶏の平均体重は、コントロール群の鶏の平均体重と比べて、約10%の増加を示した。また、本発明の養鶏方法により飼育した産卵鶏の平均産卵数及び卵の平均重量とコントロール群の産卵鶏の平均産卵数及び卵の平均重量の間には有意の差が認められなかった。
【発明の効果】
本発明方法の使用により、肉質の改良された鶏肉及び品質の改良された鶏卵を安価に供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はユーグレナ培養物の顕微鏡写真を示す図である。
【図2】図2はユーグレナ培養液を給餌した鶏とコントロールとして水道水を与えた鶏の間で鶏肉中の可溶性総アミノ酸の量を比較した棒グラフを示す図である。
【図3】図3はユーグレナ培養液を給餌した鶏とコントロールとして水道水を与えた鶏の間で鶏肉中のタウリン含有量を比較した棒グラフを示す図である。
【図4】図4はユーグレナ培養液を給餌した鶏とコントロールとして水道水を与えた鶏の間で肝臓中の可溶性総アミノ酸の量を比較した棒グラフを示す図である。
【図5】図5はユーグレナ培養液を給餌した鶏とコントロールとして水道水を与えた鶏の間で肝臓中のタウリン含有量を比較した棒グラフを示す図である。
【図6】図6はユーグレナ培養液を給餌した鶏とコントロールとして水道水を与えた鶏の間で卵黄中の粗脂質含量を比較した棒グラフを示す図である。
【図7】図7はユーグレナ培養液を給餌した鶏とコントロールとして水道水を与えた鶏の間で卵黄中のトコフェロール含量を比較した棒グラフを示す図である。
【図8】図8はユーグレナ培養液を給餌した鶏とコントロールとして水道水を与えた鶏の間で卵黄中のトコフェロール(Toc)含量につきα−Toc、β−Toc、γ−Toc及びδ−Tocそれぞれについて比較した棒グラフを示す図である。
【図9】図9はユーグレナ培養液を給餌した鶏とコントロールとして水道水を与えた鶏の間で卵黄中のβ−カロテン含量を比較した棒グラフを示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は鶏の肉質又は鶏卵の品質を改良する方法に関する。より具体的には、本発明は養鶏又は産卵鶏にユーグレナ培養液を給餌することにより鶏の肉質又は鶏卵の品質を改良する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の飽食の時代にあって、人々は嗜好にまかせた食事を摂っているため、意外にも栄養の偏りが生じているとの指摘が少なくない。そこで、魚よりも肉を好む人々にも栄養のバランスがとれるように、肉質を改良することが望まれる。例えば、多くの生理効果が知られ健康増進物質として脚光を浴びているタウリンなどの鶏肉中の含量を増加させることが望まれる。また、鶏卵は完全食と言われる程栄養のバランスがよいが、魚の脂肪に多く含まれているエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などの栄養生化学上注目すべき多価不飽和脂肪酸は殆ど含まれておらず、魚を好む人はこれらを十分に摂取できるが、魚が嫌いで肉や鶏卵を好む人の場合、EPAやDHAの摂取量がきわめて制限されることになる。もし、鶏卵にもこれらのEPAやDHAが含まれておれば、鶏卵の栄養学的バランスが大きく改善されることは論をまたない。さらに、鶏卵を経由するサルモネラ感染症などを防止するため、産卵鶏の血中イムノグロブリン量を増加させることが望ましい。しかし、今日まで、鶏の肉質や鶏卵の品質を改良する実施可能な方法は全く開発されてこなかったのが実状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明が解決しようとする課題は、鶏の肉質及び鶏卵の品質を改良するための実施可能な養鶏方法、さらには鶏卵経由のサルモネラ感染症を防止するための産卵鶏の血中イムノグロブリン量を増加させる実施可能な養鶏方法を開発することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため、種々検討を重ねた結果、養鶏又は産卵鶏にユーグレナ培養液を加工せずにそのまま給餌することにより、鶏の肉質及び鶏卵の栄養学的品質を改良することができること、並びに産卵鶏の血中イムノグロブリン量を増加させることができることを発見し、さらに研究を進めて本発明を完成するに至った。
【0005】
即ち、本発明の骨子は、
(1) 鶏の肉質を改良するためユーグレナ培養液を給餌する養鶏方法、
(2) 鶏の肉質の改良が鶏肉中のタウリン含量の増加である前記(1)記載の方法、
(3) 鶏卵の品質を改良するため産卵鶏にユーグレナ培養液を給餌する養鶏方法、
(4) 鶏卵の品質の改良が鶏卵中のエイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸の含量の増加である前記(3)記載の方法、
(5) 鶏卵の品質の改良が鶏卵中のトコフェロールの含量の増加である前記(3)又は(4)記載の方法、
(6) 産卵鶏の血中イムノグロブリン量を増加させるため産卵鶏にユーグレナ培養液を給餌する前記(1)〜(5)いずれかに記載の方法、並びに
(7) 養鶏又は産卵鶏へのユーグレナ培養液の給餌が、養鶏又は産卵鶏にユーグレナ培養液を加工せずにそのまま給餌するものである前記(1)〜(6)いずれかに記載の方法、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で使用されるユーグレナ培養液の調製及び給餌は以下のようにして行なわれる。即ち、ユーグレナ(Euglena gracilis Z)を、塩類溶液(その1例を表1に示す)にビタミンB1とビタミンB12をそれぞれ微量添加したものを培地とし、300PPM〜3×105PPMの炭酸ガスを含む空気を常時瀑気し、さらに太陽光照射の下で室温(20〜30℃)で培養を行い、定常状態(5〜20×106ユーグレナ細胞/ml)に達した培養の培養液をそのまま水の代わりに鶏又は産卵鶏に給餌する。
【0007】
上記培養槽には給餌する培養液と同量の上記培地を連続的に供給し、連続培養を行なう。培地は強い酸性(pH約3.5)であるので、この培地は滅菌せず、連続培養も非滅菌条件下で行なう。給餌の量(鶏の摂取量)がユーグレナの成長速度を上回り、培養液のユーグレナ濃度が減少したときは給餌を停止し、鶏には水道水を供給する。培養液中のユーグレナ濃度は、レーザー蛍光光度計又はクロロフィルセンサーにより、例えば株式会社理工化学研究所製のクロロフィル蛍光計により検出する。ユーグレナ濃度が回復すればユーグレナ培養液の給餌を再開する。なお、鶏は自由にユーグレナ培養液を摂取できるようにした上で、ユーグレナの増殖速度と給餌の速度とが平衡になるように調整することが好ましい。
【0008】
本発明に使用されるユーグレナ培養液の具体的調製方法は、特に制限されるものではないが、養鶏及び鶏卵生産においては費用の抑制が至上命題であることから、一定の制約は免れない。即ち、鶏の肉質を改良するため又は鶏卵の品質を改良するために、養鶏や産卵鶏に高価な餌を与えることは理論的には可能であっても実際には実施不可能である。本発明は、実施可能な方法を提供する。即ち費用の増加を極力抑えるため、ユーグレナの培養に当たっては、通常の微生物の培養に用いられる高価な恒温培養槽は使用せず、そして培地や培養槽の滅菌等の費用のかかる処理は一切行なわない。例えば、太陽光が透過しうる材料で形成された上面、上面の一部をカットしその上部に取り付けられた冷却用ファン、底部には加熱用ヒーター及び炭酸ガスを含む空気を常時噴出させるための多孔性ノズルが取り付けられた培養槽に、温度センサー、電気伝導度センサー及びクロロフィル用センサーが取り付けられたものを使用する。
【0009】
30℃を設定値とする培養液の温度制御は、例えば、温度センサーを用いて培養液の温度を検知し、その制御には冬季は培養槽に設置したヒーターにより、夏季は培養槽の上面に設置したファンを用いた強制蒸発による蒸発熱の利用により行なう。ファンにより蒸発した水の量は培養液の電気伝導度の測定により推定し、それと同量の脱塩素フィルターを通過させた水道水を補給して培養液の液量をほぼ一定に保つ。
【0010】
こうして得られたユーグレナ培養液の給餌に当たっては、ユーグレナ培養液を加工せずにそのまま養鶏又は産卵鶏に給餌するという方法を採用する。本発明の方法の一つの利点は、得られたユーグレナ細胞を分離し、乾燥するための費用の増加をも抑制できることである。その結果、鶏の肉質改良又は鶏卵の品質改良のため、通常は高価なユーグレナ細胞を給餌しても、鶏肉又は鶏卵に加わる費用の増加は十分に抑制可能となる。
【0011】
本発明の方法により3〜6か月間飼育した鶏の肉質は、そのアミノ酸組成が変化し、特に、遊離アミノ酸のタウリン含量が20〜50%増加する。タウリンは最近の研究により、多くの生理効果が知られ、健康増進物質として脚光を浴びている。
【0012】
本発明の養鶏方法により3〜6か月間飼育した産卵鶏が生産する鶏卵は、卵黄中のトコフェロール(ビタミンE)含量が20〜30%増加する。中でも、γ−トコフェロールの含量の増加が著しい。また、β−カロテン(プロビタミンA)も5〜10%増加する。
【0013】
本発明の養鶏方法により3〜6か月間飼育した産卵鶏が生産する鶏卵は、卵黄中に多価不飽和脂肪酸を多く含んでいる。コントロールの鶏卵では、エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)は検出されなかったが、本発明の養鶏方法により生産される鶏卵はEPAが約4〜8%、DHAが約2〜5%含まれている。一方、リノール酸とリノレン酸には大きな変化は見られない。このことから、本発明の養鶏方法により生産される鶏卵には、動脈硬化やコレステロールの蓄積を防止する効果が期待できる。
【0014】
本発明の養鶏方法により3〜6か月間飼育した産卵鶏は、血中イムノグロブリン量がコントロール群よりも10〜30%高い値を示す。これは、ユーグレナ中に含まれるβ−1,3−グルカンであるパラミロンによる免疫賦活効果によるものと推定されるが、この事実から、本発明の養鶏方法による、鶏卵経由のサルモネラ等の細菌の感染防止効果が期待される。
【0015】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定されるものではない。
【0016】
実施例1
底面に炭酸ガス供給のための多孔性ノズルを具備した深さ約30cmの300L培養槽に5μg/LのビタミンB1及び1μg/LのビタミンB12を添加した表1に記載の塩類溶液を充填し、これに前培養で定常期に達したユーグレナ(Euglena gracilis Z)の培養液を10L接種し、太陽光の照射(1500〜20000ルクス)の下、300PPMの炭酸ガスを含む空気(300L/分)を常時上記多孔性ノズルを通じて噴出させつつ、培養液の温度を簡易温度制御装置により20〜30℃に保ちながら定常期(5〜20×106細胞/mL)に達するまで培養した。得られた培養物の顕微鏡写真を図1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】
ついで、この培養液を導溝を経て給餌槽に導き、10羽の鶏に給餌した。鶏が水の代わりに培養液を飲み、給餌槽中の培養液が減少すると、自動的に培養槽から同量の培養液が供給された。一方、給餌槽への供給及び蒸発により減少した培養槽中の培養液は同量の5μg/LのビタミンB1及び1μg/LのビタミンB12を含む表1に記載の塩類溶液の供給により補填され、培養槽中の液量はほぼ一定に保持された。培養槽の温度制御は、冬季は培養槽の底部に設置されたヒーターにより、夏季は培養槽上部のファンにより培養液を一部強制的に蒸発させることによる蒸発熱によりほぼ20〜30℃に保持することができた。
【0019】
一方、コントロールとして、10羽の鶏にユーグレナ培養液の代わりに水道水を与え、その他の条件は同一にして飼育した。
【0020】
本発明の養鶏方法により飼育した鶏群とコントロール群の鶏とを屠殺し、それらの肉質を比較検討した。鶏肉及び鶏肝臓中の可溶性総アミノ酸量及びタウリン含有量は以下のようにして測定した。一定量の試料にその2倍量の1%トリクロロ酢酸(TCA)を加えてホモジナイズし、5000×gの遠心分離により上澄みを得た。この沈殿を同様に1%TCAで2回抽出を行なった。その上澄みを合わせてエーテルでTCAを除去した後、水溶性画分を濃縮し、pH2.2の0.1Mクエン酸緩衝液に溶解して日立アミノ酸分析計にかけた。その結果を図2〜図5に棒グラフで示す。可溶性総アミノ酸量はユーグレナ給餌群とコントロール群とで肉及び肝臓共に殆ど差がなかったが、タウリンの含有量はユーグレナ給餌群の方がコントロール群よりも高く、肉の場合約50%、肝臓の場合約20%の増加を示した。
【0021】
さらに、本発明の養鶏方法により飼育した産卵鶏とコントロール群の産卵鶏の間で生産される鶏卵の品質の比較を行なった。卵黄中の粗脂質含量はフォルチ分配法を用いて以下のように測定した。即ち、クロロホルム−メタノール(2:1,v/v)で抽出し、そのクロロホルム層を乾固して重量法により卵黄中の粗脂質含量を測定した。その結果を図6に示す。卵黄中の粗脂質含量は、コントロール群に比べ、ユーグレナ給餌群で約10%の増加を示した。
【0022】
次に、卵黄中の脂肪酸組成をユーグレナ給餌群とコントロール群の間で比較した。脂肪酸組成の分析は、フォルチ分配法により抽出した脂質を加水分解しメチル化した後、ガスクロマトグラフィーを用い昇温条件下で一般的脂肪酸分析法に従って行なった。その結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】
表2から明らかなように、多価不飽和脂肪酸の量がコントロール群の卵黄では殆ど検出されなかったのに対し、本発明の方法により飼育された鶏の卵黄では顕著に増加した。即ち、エイコサペンタエン酸(20:5)は総脂肪酸中の5.6%、ドコサヘキサエン酸(20:6)は2.8%を占めるに至った。エイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA)は動脈硬化症や高脂血症の予防薬としての効果が認められており、このような多価不飽和脂肪酸の含量の増加は鶏卵の栄養価を一層高めるものである。
【0025】
さらに、卵黄中のトコフェロール(ビタミンE)含量をユーグレナ給餌群とコントロール群の間で比較した。トコフェロール(Toc)の定量、及びα−Toc、β−、γ−及びδ−の定量は、高速液体クロマトグラフィーを用い、シゲオカ,オニシ,ナカノ及びキタオカ(1986),Agric.Biol.Chem.,50,1063−1065に記載の方法に従って行なった。その結果を図7及び図8に示す。コントロール群の卵黄に比べ、ユーグレナ給餌群の卵黄のToc含量は約30%増加した(図7)。Tocの各成分について比較すると、コントロール群に比べ、ユーグレナ給餌群の卵黄ではγ−Tocの増加が顕著であることが分かった(図8)。
【0026】
また、卵黄中のβ−カロテンの含量をユーグレナ給餌群とコントロール群の間で比較した。β−カロテンの定量は、高速液体クロマトグラフィーを用い、ホソタニ及びキタオカ(1984),日本栄養食糧学会誌,37,519−524に記載の方法に従って行なった。その結果を図9に示す。図9から明らかなように、ユーグレナ給餌群の卵黄中のβ−カロテン(プロビタミンA)含有量はコントロール群のそれよりも僅かに高い値を示した。
しかし、コントロール群の卵黄に比べ、ユーグレナ給餌群の卵黄中にはビタミンEが顕著に多く含まれ、且つ、プロビタミンAであるβ−カロテンもより多く含まれていることから、両ビタミンの摂取増加に繋がり、本発明方法により生産された鶏卵の摂取は健康増進に寄与できるものと考えられる。
【0027】
本発明の養鶏方法により飼育した鶏の平均体重は、コントロール群の鶏の平均体重と比べて、約10%の増加を示した。また、本発明の養鶏方法により飼育した産卵鶏の平均産卵数及び卵の平均重量とコントロール群の産卵鶏の平均産卵数及び卵の平均重量の間には有意の差が認められなかった。
【発明の効果】
本発明方法の使用により、肉質の改良された鶏肉及び品質の改良された鶏卵を安価に供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はユーグレナ培養物の顕微鏡写真を示す図である。
【図2】図2はユーグレナ培養液を給餌した鶏とコントロールとして水道水を与えた鶏の間で鶏肉中の可溶性総アミノ酸の量を比較した棒グラフを示す図である。
【図3】図3はユーグレナ培養液を給餌した鶏とコントロールとして水道水を与えた鶏の間で鶏肉中のタウリン含有量を比較した棒グラフを示す図である。
【図4】図4はユーグレナ培養液を給餌した鶏とコントロールとして水道水を与えた鶏の間で肝臓中の可溶性総アミノ酸の量を比較した棒グラフを示す図である。
【図5】図5はユーグレナ培養液を給餌した鶏とコントロールとして水道水を与えた鶏の間で肝臓中のタウリン含有量を比較した棒グラフを示す図である。
【図6】図6はユーグレナ培養液を給餌した鶏とコントロールとして水道水を与えた鶏の間で卵黄中の粗脂質含量を比較した棒グラフを示す図である。
【図7】図7はユーグレナ培養液を給餌した鶏とコントロールとして水道水を与えた鶏の間で卵黄中のトコフェロール含量を比較した棒グラフを示す図である。
【図8】図8はユーグレナ培養液を給餌した鶏とコントロールとして水道水を与えた鶏の間で卵黄中のトコフェロール(Toc)含量につきα−Toc、β−Toc、γ−Toc及びδ−Tocそれぞれについて比較した棒グラフを示す図である。
【図9】図9はユーグレナ培養液を給餌した鶏とコントロールとして水道水を与えた鶏の間で卵黄中のβ−カロテン含量を比較した棒グラフを示す図である。
Claims (7)
- 鶏の肉質を改良するためユーグレナ培養液を給餌する養鶏方法。
- 鶏の肉質の改良が鶏肉中のタウリン含量の増加である請求項1記載の方法。
- 鶏卵の品質を改良するため産卵鶏にユーグレナ培養液を給餌する養鶏方法。
- 鶏卵の品質の改良が鶏卵中のエイコサペンタエン酸及びドコサヘキサエン酸の含量の増加である請求項3記載の方法。
- 鶏卵の品質の改良が鶏卵中のトコフェロールの含量の増加である請求項3又は請求項4記載の方法。
- 産卵鶏の血中イムノグロブリン量を増加させるため産卵鶏にユーグレナ培養液を給餌する請求項3〜請求項5いずれか1項に記載の養鶏方法。
- 養鶏又は産卵鶏へのユーグレナ培養液の給餌が、養鶏又は産卵鶏にユーグレナ培養液を加工せずにそのまま給餌するものである請求項1〜請求項6いずれか1項に記載の方法。
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