JP2004007876A - 回転電機の密封油供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得る。
【解決手段】水素ガスを密封した回転電機の軸封部に設けた密封器3へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、上記密封油供給回路に所定の油量を戻す戻り回路33を設けると共に、戻り回路33により戻された密封油を戻り回路33における送油圧力によって旋回させ密封油の気泡を除去処理する気泡除去機器34と、気泡除去機器34により処理された密封油を貯留することにより気泡を分離する気泡分離槽37を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】水素ガスを密封した回転電機の軸封部に設けた密封器3へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、上記密封油供給回路に所定の油量を戻す戻り回路33を設けると共に、戻り回路33により戻された密封油を戻り回路33における送油圧力によって旋回させ密封油の気泡を除去処理する気泡除去機器34と、気泡除去機器34により処理された密封油を貯留することにより気泡を分離する気泡分離槽37を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、回転電機の密封油供給装置、特に、水素ガスを封入した回転電機軸封部に密封油を供給する密封油供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来の回転電機の密封油供給装置を示す系統図である。
図において、1は水素ガスが封入された回転電機、2はこの回転電機1の回転軸、3は密封器、4はこの密封器3に密封油を供給する密封油供給管、5は水素側密封油排油管、6は空気側および軸受油(図示省略)が一体となり排出される軸受油排油管である。
7は空気側を密封油排油および軸受排油を一時停止させ、水素ガスおよび空気を排気するためのループシールタンク、8はループシールタンク7内で分離された水素ガスおよび空気を安全な外部、たとえば屋外へ導く排出管、9はループシールタンク7内の上方空間部の圧力を軸受部の圧力より低くすると共にループシールタンク7内の水素ガスおよび空気を抽出して屋外へ強制的に排出するよう設置されたベーパエクストラクタ、10は空気側密封油戻り管、11は回転電機1内の水素ガスが外部に流出するのを遮断する水素ガス遮断槽、12は水素ガス遮断槽11内の油面を一定に維持するためのフロート弁、13は水素ガス遮断槽からの戻り管である。
14は密封油ポンプ、15は安全弁、16は密封油器3部分で機内水圧より一定値だけ高くなるように調整し設置された差圧調整弁、17はバイパス弁、18は密封油供給配管、19は密封油冷却器、20は密封油フィルタ、21は密封油器3へ供給する以外の密封油を真空脱気槽23へ戻す配管、22は密封油の供給圧力を一定に保つために設けられた圧力調整弁、23は密封油中から空気を脱気する真空脱気槽、24は真空脱気槽23の油面を自動的に一定に維持するために設けたフロート弁、25は真空脱気槽23内で噴霧した密封油を徐々に脱気する脱気皿、27は戻り管10から戻ってきた密封油の脱気効果をあげるために脱気皿26に導く脱気皿導入管、28は真空脱気槽23を真空にするために設けた真空ポンプ、29は真空ポンプ28用に設けられた油タンクへの配管、30は真空ポンプ28用の油タンク、31は真空脱気槽23で密封油と分離させられた空気を屋外に放出する配管である。32は密封油供給装置である。
【0003】
次に、上記従来装置の動作について説明する。
回転電機1内の水素ガスは、密封油回路中を循環する密封油により密封されている。
密封油回路においては、密封油は正常運転時には密封油ポンプ14より押し出され、差圧調整弁16により機内水素ガス圧により一定値だけ高い圧力に保たれ、密封油3へ供給される。
そして、密封油は回転軸2に沿って空気側に押し出され、軸受油(図示省略)と一緒になりループシールタンクを通り密封器3でのやり取りにより少なくなったり多くなったりした密封油の過不足を補い、真空脱気槽23に送り込まれる。真空脱気槽23内に送り込まれた密封油は脱気皿26で脱気され、真空脱気槽23内で上方の油溜まりとなる。
真空脱気槽23内では下方の油溜まりから密封油ポンプ14へ脱気された密封油を送り出している。密封油ポンプ14から送り出された密封油の一部はより純度の高い密封油とするために真空脱気槽23に戻される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の密封油供給装置は以上のように構成されているので、密封油供給装置32は密封器3に必要な密封油量の4から5倍の密封油量(200〜250リッター/分)を真空脱気処理する必要があるため、特に真空脱気槽23が大きなものとなり、密封油供給装置32は大型で重いものとなっていた。
このため、据え付ける場所にも制限を受けるという欠点があり、これを如何に小型,軽量化するかが重要な問題となる。
また、真空脱気槽を設けた密封油供給装置は真空脱気槽の他に真空ポンプ等の機器が必要で価格も高価なものとなっていた。
また、真空脱気槽を設けたタイプは脱気の際真空ポンプより常に含油水が発生するため常時監視・排水が必要であり高価なものとなっていた。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る回転電機の密封油供給装置では、ガスを封入した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路における送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段を設けたものである。
【0007】
第2の発明に係る回転電機の密封油供給装置では、ガスを密封した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路から前記密封油供給回路における送油圧力により所定の油量を戻す戻り回路を設けると共に、前記戻り回路により戻された密封油を前記戻り回路における送油圧力によって旋回させ前記密封油の気泡を除去処理する気泡除去手段と、前記気泡除去手段により処理された密封油を貯留することにより気泡を分離する気泡分離手段とを設けたものである。
【0008】
第3の発明に係る回転電機の密封油供給装置では、ガスを密封した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路に循環用ポンプを含む戻り循環回路を設けると共に、前記戻り循環回路により戻された密封油を前記戻り循環回路における送油圧力によって旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段と、前記戻り循環回路により戻された密封油を貯留することにより気泡を分離する気泡分離手段とを設け、前記戻り循環回路において密封油を前記循環用ポンプにより前記気泡除去手段および気泡分離手段を介して循環させるようにしたものである。
【0009】
第4の発明に係る回転電機の密封油供給装置では、ガスを封入した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油ポンプによって密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油ポンプの密封油出口側に前記密封油供給回路における送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段を設けたものである。
【0010】
第5の発明に係る回転電機の密封油供給装置では、ガスを封入した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油ポンプによって密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油ポンプの密封油入口側に前記密封油供給回路における送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段を設けたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1を図1に基づいて説明する。図1は実施の形態1における回転電機の密封油供給装置の構成を示す系統図である。
【0012】
図において、1は水素ガスが封入された回転電機、2はこの回転電機1の回転軸、3は密封器、4はこの密封器3に密封油を供給する密封油供給管、5は水素側密封油排油管、6は空気側および軸受油(図示省略)が一体となり排出される軸受油排油管である。
7は空気側を密封油排油および軸受排油を一時停止させ、水素ガスおよび空気を排気するためのループシールタンク、8はループシールタンク7内で分離された水素ガスおよび空気を安全な外部、たとえば屋外へ導く排出管、9はループシールタンク7内の上方空間部の圧力を軸受部の圧力より低くすると共にループシールタンク7内の水素ガスおよび空気を抽出して屋外へ強制的に排出するよう設置されたベーパエクストラクタ、10は空気側密封油戻り管、11は回転電機1内の水素ガスが外部に流出するのを遮断する水素ガス遮断槽、12水素ガス遮断槽11内の油面を一定に維持するためのフロート弁、13は水素ガス遮断槽11からの戻り管である。
14は密封油ポンプ、15は安全弁、16は密封油器3部分で機内水圧より一定値だけ高くなるように調整し設置された差圧調整弁、17はバイパス弁、18は密封油供給配管、19は密封油冷却器、20は密封油フィルタ、22は密封油の供給圧力を一定に保つために設けられた圧力調整弁、32は密封油供給装置である。
33は密封油器3へ供給する以外の密封油を気泡分離槽へ戻す配管、34はサイクロンの原理を応用し密封油内の気泡を除去する気泡除去機器、35は分離された空気のみを放出するように設けた絞り弁、36は気泡除去機器34から気泡分離槽37への配管、37は一旦油を貯めてその内部に気泡分離を促進するラビリンスプレートを設けた気泡を分離する気泡分離槽、38は気泡分離槽37で分離された気泡を放出する配管、39は気泡分離槽37の空気抜き管、40は気泡分離槽37のドレン管である。
【0013】
密封油内の気泡を除去するための気泡除去機器34は、サイクロンの原理を応用したものであって、筒状本体の垂直に配設された側壁内周に、その接線方向から水平に密封油を圧送により導入し筒状本体内部でその側壁に沿い密封油を旋回させるものである。その旋回流により比重の大きい油は側壁周面近傍に集められ、比重の小さな気泡は中心部に集められて、油と気泡とが分離され気泡が除去される。
この気泡除去機器34は、戻り配管33によって構成された戻り回路に設けられる。
【0014】
次に、上記実施の形態1の動作を図1に従って説明する。
回転電機1内の水素ガスは、密封油回路中を循環する密封油により密封されている。
密封油回路においては、密封油は正常運転時には密封油ポンプ14より押し出され、差圧調整弁16により機内水素ガス圧により一定値だけ高い圧力に保たれ、密封油3へ供給される。
そして、密封油は回転軸2に沿って空気側に押し出され、軸受油(図示省略)と一緒になりループシールタンク7を通り密封器3でのやり取りにより少なくなったり多くなったりした密封油の過不足を補い、気泡分離槽37に送られる。気泡分離槽37にはラビリンスプレートが設けてあり、気泡の多い空気側戻り密封油排油の流れを複雑にすることで少量の水素ガスおよび空気を分離させる。
【0015】
気泡分離槽37により分離された空気側の密封油戻り油は、水素側密封油排油管5から水素ガス槽11および戻り管13を介して送られる水素側の戻り油と合流し密封油ポンプ14へ送られる。
このとき、水素側密封油排油管5からの水素側密封油戻りの油は、気泡分離槽37を通らないため、油の中の水素は分離されないので、一部は水素を含んだまま密封器3まで送り出される。そのため、従来と比べると水素の消費を少なくすることができる。
【0016】
また、密封油ポンプ14から送り出された密封油の一部はより純度の高い密封油とするために、サイクロン原理を応用した気泡除去機器34に送られ気泡分離槽37へ戻される。
ここで、気泡除去機器34には、密封器3へ密封油を循環供給する密封油ポンプ14による圧力により戻り回路を構成する戻り配管33において密封油を送る送油圧力によって密封油が圧入供給される。
この気泡除去機器34の筒状本体側壁内周面に沿って密封油の旋回流が形成され、旋回流の遠心力により比重の重い油は外周部に比重の軽い気泡は中心部に集まり分離させるものである。
【0017】
気泡除去機器34から密封油が送られる気泡分離槽37に貯留される密封油の圧力はループシールタンクからの油圧のみのため大気圧に近い。
よって、気泡除去機器34は送油圧力にて圧縮された気泡が分離しやすくなる効果を得ることができる。
このように、密封油を旋回させることにより気泡を除去する気泡除去機器34においては、密封油供給回路における密封油供給側、すなわち、密封油ポンプ14の密封油出口側から所定の油量を戻す戻し配管33により構成された戻し回路に設けられていて、密封油ポンプ14の密封油出口側からの比較的高い圧力によって旋回による気泡除去が行われるものであり、しかも、大気圧に近い気泡分離槽37に気泡除去後の密封油を送って更に気泡分離を行うようにしているので、密封油ポンプ14の密封油出口側からの比較的高い圧力によって旋回による気泡除去を効果的に行えるとともに、大気圧に近い状態で気泡分離を効率的に行うことができる。
【0018】
このとき、気泡除去機器34の気泡を排出する側の配管は分離された気泡が少しでも早く排出されるように強制排出の回路に接続する。
また、この回路には分離された気泡のみでなく油も一部排出されるため、絞り弁35を設け排出量を調節することを可能とする。
以上により、回転電機の水素ガス純度低下を防ぐことができる。
【0019】
この発明による実施の形態1によれば、水素ガスを密封した回転電機1の軸封部に設けた密封器3へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路の密封油供給側、すなわち密封油ポンプ14の密封油出口側から前記密封油供給回路における送油圧力により所定の油量を戻す配管33による戻り回路を設けると共に、前記配管33による戻り回路により戻された密封油を前記配管33による戻り回路で密封油を送る送油圧力によって旋回させ前記密封油の気泡を除去処理する気泡除去機器34からなる気泡除去手段と、前記気泡除去機器34からなる気泡除去手段よりも前記配管33による戻り回路における下流側に設けられ前記気泡除去機器34からなる気泡除去手段により処理された密封油を貯留することにより気泡を分離する気泡分離槽37からなる気泡分離手段とを設けたので、戻り回路に設けられ密封油を旋回させ気泡を除去する気泡除去手段および前記気泡除去手段よりも戻り回路の下流側に設けられ密封油の貯留によって気泡を分離する気泡分離手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【0020】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2を図2に基づいて説明する。図2は実施の形態2における回転電機の密封油供給装置の構成を示す系統図である。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同様の構成内容を有し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0021】
図において、1は水素ガスが封入された回転電機、2はこの回転電機1の回転軸、3は密封器、4はこの密封器3に密封油を供給する密封油供給管、5は水素側密封油排油管、6は空気側および軸受油(図示省略)が一体となり排出される軸受油排油管である。
7は空気側を密封油排油および軸受排油を一時停止させ、水素ガスおよび空気を排気するためのループシールタンク、8はループシールタンク7内で分離された水素ガスおよび空気を安全な外部、たとえば屋外へ導く排出管、9はループシールタンク7内の上方空間部の圧力を軸受部の圧力より低くすると共にループシールタンク7内の水素ガスおよび空気を抽出して屋外へ強制的に排出するよう設置されたベーパエクストラクタ、10は空気側密封油戻り管、11は回転電機1内の水素ガスが外部に流出するのを遮断する水素ガス遮断槽、12水素ガス遮断槽11内の油面を一定に維持するためのフロート弁、13は水素ガス遮断槽11からの戻り管である。
14は密封油ポンプ、15は安全弁、16は密封油器3部分で機内水圧より一定値だけ高くなるように調整し設置された差圧調整弁、17はバイパス弁、18は密封油供給配管、19は密封油冷却器、20は密封油フィルタ、32は密封油供給装置である。
34はサイクロンの原理を応用し密封油内の気泡を除去する気泡除去機器、35は分離された空気のみを放出するように設けた絞り弁、36は気泡除去機器34から気泡分離槽37への配管、37は一旦油を貯めてその内部に気泡分離を促進するラビリンスプレートを設けた気泡を分離する気泡分離槽、38は気泡分離槽37で分離された気泡を放出する配管、39は気泡分離槽37の空気抜き管、40は気泡分離槽37のドレン管、41は循環用ポンプである。
【0022】
密封油内の気泡を除去するための気泡除去機器34は、サイクロンの原理を応用したものであって、筒状本体の垂直に配設された側壁内周に、その接線方向から水平に密封油を圧送により導入し筒状本体内部でその側壁に沿い密封油を旋回させるものである。その旋回流により比重の大きい油は側壁周面近傍に集められ、比重の小さな気泡は中心部に集められて、油と気泡とが分離され気泡が除去される。
この気泡除去機器34は、配管36によって構成された循環用ポンプ41を含む戻り循環回路に設けられる。
【0023】
図2に示すこの発明による実施の形態2では、実施の形態1において図1に示す戻り回路を気泡の多い空気側密封油戻り回路のみの戻り循環回路に変更すると共に、循環用ポンプ41を設けて独自の気泡除去回路とする。
このように、循環用ポンプ41を含む配管36による戻り循環回路に気泡除去機器34を設けた独自の気泡除去回路のため、戻り循環回路における圧力および循環量を任意に設定することができ、サイクロンの原理を応用し密封油内の気泡を除去する気泡除去機器34の能力を最大限に引き出すことができる。
【0024】
このとき、気泡除去機器34の気泡を排出する側の配管は分離された気泡が少しでも早く排出されるように強制排出の回路に接続する。
また、水素側密封油排油管5からの水素側密封油戻り油が気泡除去機器34および気泡分離槽37を通らないために、油中の水素ガスが分離することがないため、水素ガスシール部での水素ガスの油への溶け込みが少なくなり、回転電機の水素の消費を少なくすることができる。
【0025】
この発明による実施の形態2によれば、水素ガスを密封した回転電機1の軸封部に設けた密封器3へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路に循環用ポンプ41を含む気泡分離槽戻り管36からなる戻り循環回路を設けると共に、前記気泡分離槽戻り管36からなる戻り循環回路により戻された密封油を前記気泡分離槽戻り管36からなる戻り循環回路で密封油を送る送油圧力によって旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去機器34からなる気泡除去手段と、前記気泡分離槽戻り管36からなる戻り循環回路により戻された密封油を貯留することにより気泡を分離する気泡分離槽37からなる気泡分離手段とを設け、前記気泡分離槽戻り管36からなる戻り循環回路において密封油を前記循環用ポンプ41により前記気泡除去機器34からなる気泡除去手段および気泡分離槽37からなる気泡分離手段を介して循環させるようにしたので、戻り循環回路に設けた気泡除去手段および気泡分離手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【0026】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3を図3に基づいて説明する。図3は実施の形態3における回転電機の密封油供給装置の構成を示す系統図である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同様の構成内容を有し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0027】
図において、1は水素ガスが封入された回転電機、2はこの回転電機1の回転軸、3は密封器、4はこの密封器3に密封油を供給する密封油供給管、5は水素側密封油排油管、6は空気側および軸受油(図示省略)が一体となり排出される軸受油排油管である。
7は空気側を密封油排油および軸受排油を一時停止させ、水素ガスおよび空気を排気するためのループシールタンク、8はループシールタンク7内で分離された水素ガスおよび空気を安全な外部、たとえば屋外へ導く排出管、9はループシールタンク7内の上方空間部の圧力を軸受部の圧力より低くすると共にループシールタンク7内の水素ガスおよび空気を抽出して屋外へ強制的に排出するよう設置されたベーパエクストラクタ、10は空気側密封油戻り管、11は回転電機1内の水素ガスが外部に流出するのを遮断する水素ガス遮断槽、12水素ガス遮断槽11内の油面を一定に維持するためのフロート弁、13は水素ガス遮断槽11からの戻り管である。
14は密封油ポンプ、15は安全弁、16は密封油器3部分で機内水圧より一定値だけ高くなるように調整し設置された差圧調整弁、17はバイパス弁、18は密封油供給配管、19は密封油冷却器、20は密封油フィルタ、32は密封油供給装置である。
34はサイクロンの原理を応用し密封油内の気泡を除去する気泡除去機器、35は分離された空気のみを放出するように設けた絞り弁である。
【0028】
密封油内の気泡を除去するための気泡除去機器34は、サイクロンの原理を応用したものであって、筒状本体の垂直に配設された側壁内周に、その接線方向から水平に密封油を圧送により導入し筒状本体内部でその側壁に沿い密封油を旋回させるものである。その旋回流により比重の大きい油は側壁周面近傍に集められ、比重の小さな気泡は中心部に集められて、油と気泡とが分離され気泡が除去される。
この気泡除去機器34は、密封油の供給回路、すなわち、密封油ポンプ14の密封油出口側に設けられる。
【0029】
上記実施の形態1では、気泡分離槽を設置する場合について述べたが、この実施の形態3では、図3に示すように、気泡分離槽を設けずに密封油の供給回路に直接サイクロンの原理を応用した気泡を除去する気泡除去機器34のみを設けることにしたので、実施の形態1の場合に比べてその機器の処理容量を小さくすることができる。
すなわち、気泡除去機器34を、密封油の供給回路、すなわち、密封油ポンプ14の密封油出口側に設け、密封油ポンプ14により密封油を密封器3に送る送油圧力によって気泡除去機器34で密封油を旋回させ密封油から気泡を除去するようにしたので、気泡除去機器34による気泡除去を密封油ポンプ14の密封油出口側の比較的大きな送油圧力により効果的に行うことができる。
【0030】
このとき、気泡除去機器34の気泡を排出する側の配管は分離された気泡が少しでも早く排出されるように強制排出の回路に接続する。
また、油量を必要最小限の油量とすることができることで、密封油ポンプおよび装置を小さくすることができる。
よって、経済的に優れた装置を得ることができる。
【0031】
この発明による実施の形態3によれば、水素ガスを封入した回転電機1の軸封部に設けた密封器3へ密封油ポンプ14によって密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油ポンプ14の密封油出口側に前記密封油供給回路で密封油を送る送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去機器34からなる気泡除去手段を設けたので、密封油ポンプの密封油出口側に設けた気泡除去手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【0032】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4を図4に基づいて説明する。図4は実施の形態4における回転電機の密封油供給装置の構成を示す系統図である。
この実施の形態4において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同様の構成内容を有し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0033】
図において、1は水素ガスが封入された回転電機、2はこの回転電機1の回転軸、3は密封器、4はこの密封器3に密封油を供給する密封油供給管、5は水素側密封油排油管、6は空気側および軸受油(図示省略)が一体となり排出される軸受油排油管である。
7は空気側を密封油排油および軸受排油を一時停止させ、水素ガスおよび空気を排気するためのループシールタンク、8はループシールタンク7内で分離された水素ガスおよび空気を安全な外部、たとえば屋外へ導く排出管、9はループシールタンク7内の上方空間部の圧力を軸受部の圧力より低くすると共にループシールタンク7内の水素ガスおよび空気を抽出して屋外へ強制的に排出するよう設置されたベーパエクストラクタ、10は空気側密封油戻り管、11は回転電機1内の水素ガスが外部に流出するのを遮断する水素ガス遮断槽、12水素ガス遮断槽11内の油面を一定に維持するためのフロート弁、13は水素ガス遮断槽11からの戻り管である。
14は密封油ポンプ、15は安全弁、16は密封油器3部分で機内水圧より一定値だけ高くなるように調整し設置された差圧調整弁、17はバイパス弁、18は密封油供給配管、19は密封油冷却器、20は密封油フィルタ、32は密封油供給装置である。
34はサイクロンの原理を応用し密封油内の気泡を除去する気泡除去機器、35は分離された空気のみを放出するように設けた絞り弁である。
【0034】
密封油内の気泡を除去するための気泡除去機器34は、サイクロンの原理を応用したものであって、筒状本体の垂直に配設された側壁内周に、その接線方向から水平に密封油を圧送により導入し筒状本体内部でその側壁に沿い密封油を旋回させるものである。その旋回流により比重の大きい油は側壁周面近傍に集められ、比重の小さな気泡は中心部に集められて、油と気泡とが分離され気泡が除去される。
この気泡除去機器34は、密封油ポンプ14による密封油の吸入回路、すなわち、密封油ポンプ14の密封油入口側に設けられる。
【0035】
上記実施の形態3では、密封油の供給回路側に直接サイクロンの原理を応用した気泡分を除去する気泡除去機器34のみを設ける場合について述べたが、この実施の形態4では、図4に示すように、密封油ポンプ入口側に気泡除去機器34のみを設けることにしたため、気泡除去機器34にて処理をする油の圧力が大気圧に近く気泡を除去しやすく、より大きな効果を得ることができる。
すなわち、気泡除去機器34は、密封油の圧力が大気圧に近い状態で効果的に気泡を除去するものである。
【0036】
このとき、気泡除去機器34の気泡を排出する側の配管は分離された気泡が少しでも早く排出されるように強制排出の回路に接続する。
また、水素側密封油排油管5からの水素側密封油戻り油が気泡除去機器34および気泡分離槽37を通らないために、油中の水素ガスが分離することがないため、水素ガスシール部での水素ガスの油への溶け込みが少なくなり、回転電機の水素の消費を少なくすることができる。
よって、密封油供給装置の構造を簡略化でき経済的に優れた装置を得ることができる。
【0037】
この発明による実施の形態4によれば、水素ガスを封入した回転電機1の軸封部に設けた密封器3へ密封油ポンプ14によって密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油ポンプ14の密封油入口側に前記密封油供給回路で密封油を送る送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去機器34からなる気泡除去手段を設けたので、密封油ポンプの密封油入口側に設けた気泡除去手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【0038】
以上のように、この発明による実施の形態によれば、このようにして真空槽を使用しないで気泡を分離するため、槽に真空のための気層部が必要なく、気泡分離槽およびサイクロンの原理を応用した気泡分を除去する機器を設けても非常に少ないスペースで装置を構成することができる。
また、真空ポンプおよび真空ポンプ用油タンクが不要となるため、さらに小さな装置とすることができる。
【0039】
また、真空槽を使用しないため密封油ポンプへの油の供給圧力が不圧とならないことにより、ポンプと気泡分離槽の間に制約がなく自由な配置とできる。
【0040】
また、真空槽を使用しないため密封油ポンプへの油の供給圧力が不圧とならないことにより、一般的に量産されているポンプを使用することが可能であり低価格のポンプユニットで構成することができ経済的に優れている。
【0041】
また、水素側密封油の水素を分離せずに密封油として使用するため水素の消費が少なく経済的にも優れている。
【0042】
また、真空のための装置と市販の気泡分離器の価格を比べると気泡分離器の方が安価なため経済的にも優れている。
【0043】
また、市販されている気泡分離槽では保守が不要のタイプもあるため、保守を不要とすることができ経済的にも優れている。
【0044】
【発明の効果】
第1の発明によれば、ガスを封入した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路における送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段を設けたので、密封油を旋回させ気泡を除去する気泡除去手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【0045】
第2の発明によれば、ガスを密封した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路から前記密封油供給回路における送油圧力により所定の油量を戻す戻り回路を設けると共に、前記戻り回路により戻された密封油を前記戻り回路における送油圧力によって旋回させ前記密封油の気泡を除去処理する気泡除去手段と、前記気泡除去手段により処理された密封油を貯留することにより気泡を分離する気泡分離手段とを設けたので、戻り回路に設けた気泡除去手段および気泡分離手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【0046】
第3の発明によれば、ガスを密封した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路に循環用ポンプを含む戻り循環回路を設けると共に、前記戻り循環回路により戻された密封油を前記戻り循環回路における送油圧力によって旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段と、前記戻り循環回路により戻された密封油を貯留することにより気泡を分離する気泡分離手段とを設け、前記戻り循環回路において密封油を前記循環用ポンプにより前記気泡除去手段および気泡分離手段を介して循環させるようにしたので、戻り循環回路に設けた気泡除去手段および気泡分離手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【0047】
第4の発明によれば、ガスを封入した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油ポンプによって密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油ポンプの密封油出口側に前記密封油供給回路における送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段を設けたので、密封油ポンプの密封油出口側に設けた気泡除去手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【0048】
第5の発明によれば、ガスを封入した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油ポンプによって密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油ポンプの密封油入口側に前記密封油供給回路における送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段を設けたので、密封油ポンプの密封油入口側に設けた気泡除去手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による実施の形態1における回転電機の密封油供給装置の構成を示す系統図である。
【図2】この発明による実施の形態2における回転電機の密封油供給装置の構成を示す系統図である。
【図3】この発明による実施の形態3における回転電機の密封油供給装置の構成を示す系統図である。
【図4】この発明による実施の形態4における回転電機の密封油供給装置の構成を示す系統図である。
【図5】従来技術における回転電機の密封油供給装置を示す系統図である。
【符号の説明】
1 回転電機、2 回転軸、3 密封器、4 密封油供給管、5 水素側密封油排油管、6 軸受排油管、7 ループシールタンク、8 排出管、9 ベーパエクストラクタ、10 空気側密封油戻り管、11 水素ガス遮断槽、12 フロート弁、13 水素ガス遮断槽からの戻り管、14 密封油ポンプ、15 安全弁、16 密封油ポンプ、17 手動バイパス弁、18 密封油供給配管(密封油供給装置内)、19 密封油冷却器、20 密封油フィルタ、21 真空槽密封油戻り管、22 圧力調整弁、23 真空槽、24 真空槽フロート弁、25 スプレイノズル管、26 脱気皿、27 脱気皿導入管、28 真空ポンプ、29 真空ポンプ配管、30 真空ポンプ用油タンク、31 放出管、32 密封油供給装置、33 気泡分離器戻り管、34 気泡除去機器、35 絞り弁、36 気泡分離槽戻り管、37 気泡分離槽、38 放出管、39 気泡分離槽ベント管、40 気泡分離槽ドレン管、41 循環ポンプ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、回転電機の密封油供給装置、特に、水素ガスを封入した回転電機軸封部に密封油を供給する密封油供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来の回転電機の密封油供給装置を示す系統図である。
図において、1は水素ガスが封入された回転電機、2はこの回転電機1の回転軸、3は密封器、4はこの密封器3に密封油を供給する密封油供給管、5は水素側密封油排油管、6は空気側および軸受油(図示省略)が一体となり排出される軸受油排油管である。
7は空気側を密封油排油および軸受排油を一時停止させ、水素ガスおよび空気を排気するためのループシールタンク、8はループシールタンク7内で分離された水素ガスおよび空気を安全な外部、たとえば屋外へ導く排出管、9はループシールタンク7内の上方空間部の圧力を軸受部の圧力より低くすると共にループシールタンク7内の水素ガスおよび空気を抽出して屋外へ強制的に排出するよう設置されたベーパエクストラクタ、10は空気側密封油戻り管、11は回転電機1内の水素ガスが外部に流出するのを遮断する水素ガス遮断槽、12は水素ガス遮断槽11内の油面を一定に維持するためのフロート弁、13は水素ガス遮断槽からの戻り管である。
14は密封油ポンプ、15は安全弁、16は密封油器3部分で機内水圧より一定値だけ高くなるように調整し設置された差圧調整弁、17はバイパス弁、18は密封油供給配管、19は密封油冷却器、20は密封油フィルタ、21は密封油器3へ供給する以外の密封油を真空脱気槽23へ戻す配管、22は密封油の供給圧力を一定に保つために設けられた圧力調整弁、23は密封油中から空気を脱気する真空脱気槽、24は真空脱気槽23の油面を自動的に一定に維持するために設けたフロート弁、25は真空脱気槽23内で噴霧した密封油を徐々に脱気する脱気皿、27は戻り管10から戻ってきた密封油の脱気効果をあげるために脱気皿26に導く脱気皿導入管、28は真空脱気槽23を真空にするために設けた真空ポンプ、29は真空ポンプ28用に設けられた油タンクへの配管、30は真空ポンプ28用の油タンク、31は真空脱気槽23で密封油と分離させられた空気を屋外に放出する配管である。32は密封油供給装置である。
【0003】
次に、上記従来装置の動作について説明する。
回転電機1内の水素ガスは、密封油回路中を循環する密封油により密封されている。
密封油回路においては、密封油は正常運転時には密封油ポンプ14より押し出され、差圧調整弁16により機内水素ガス圧により一定値だけ高い圧力に保たれ、密封油3へ供給される。
そして、密封油は回転軸2に沿って空気側に押し出され、軸受油(図示省略)と一緒になりループシールタンクを通り密封器3でのやり取りにより少なくなったり多くなったりした密封油の過不足を補い、真空脱気槽23に送り込まれる。真空脱気槽23内に送り込まれた密封油は脱気皿26で脱気され、真空脱気槽23内で上方の油溜まりとなる。
真空脱気槽23内では下方の油溜まりから密封油ポンプ14へ脱気された密封油を送り出している。密封油ポンプ14から送り出された密封油の一部はより純度の高い密封油とするために真空脱気槽23に戻される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の密封油供給装置は以上のように構成されているので、密封油供給装置32は密封器3に必要な密封油量の4から5倍の密封油量(200〜250リッター/分)を真空脱気処理する必要があるため、特に真空脱気槽23が大きなものとなり、密封油供給装置32は大型で重いものとなっていた。
このため、据え付ける場所にも制限を受けるという欠点があり、これを如何に小型,軽量化するかが重要な問題となる。
また、真空脱気槽を設けた密封油供給装置は真空脱気槽の他に真空ポンプ等の機器が必要で価格も高価なものとなっていた。
また、真空脱気槽を設けたタイプは脱気の際真空ポンプより常に含油水が発生するため常時監視・排水が必要であり高価なものとなっていた。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る回転電機の密封油供給装置では、ガスを封入した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路における送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段を設けたものである。
【0007】
第2の発明に係る回転電機の密封油供給装置では、ガスを密封した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路から前記密封油供給回路における送油圧力により所定の油量を戻す戻り回路を設けると共に、前記戻り回路により戻された密封油を前記戻り回路における送油圧力によって旋回させ前記密封油の気泡を除去処理する気泡除去手段と、前記気泡除去手段により処理された密封油を貯留することにより気泡を分離する気泡分離手段とを設けたものである。
【0008】
第3の発明に係る回転電機の密封油供給装置では、ガスを密封した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路に循環用ポンプを含む戻り循環回路を設けると共に、前記戻り循環回路により戻された密封油を前記戻り循環回路における送油圧力によって旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段と、前記戻り循環回路により戻された密封油を貯留することにより気泡を分離する気泡分離手段とを設け、前記戻り循環回路において密封油を前記循環用ポンプにより前記気泡除去手段および気泡分離手段を介して循環させるようにしたものである。
【0009】
第4の発明に係る回転電機の密封油供給装置では、ガスを封入した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油ポンプによって密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油ポンプの密封油出口側に前記密封油供給回路における送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段を設けたものである。
【0010】
第5の発明に係る回転電機の密封油供給装置では、ガスを封入した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油ポンプによって密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油ポンプの密封油入口側に前記密封油供給回路における送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段を設けたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1を図1に基づいて説明する。図1は実施の形態1における回転電機の密封油供給装置の構成を示す系統図である。
【0012】
図において、1は水素ガスが封入された回転電機、2はこの回転電機1の回転軸、3は密封器、4はこの密封器3に密封油を供給する密封油供給管、5は水素側密封油排油管、6は空気側および軸受油(図示省略)が一体となり排出される軸受油排油管である。
7は空気側を密封油排油および軸受排油を一時停止させ、水素ガスおよび空気を排気するためのループシールタンク、8はループシールタンク7内で分離された水素ガスおよび空気を安全な外部、たとえば屋外へ導く排出管、9はループシールタンク7内の上方空間部の圧力を軸受部の圧力より低くすると共にループシールタンク7内の水素ガスおよび空気を抽出して屋外へ強制的に排出するよう設置されたベーパエクストラクタ、10は空気側密封油戻り管、11は回転電機1内の水素ガスが外部に流出するのを遮断する水素ガス遮断槽、12水素ガス遮断槽11内の油面を一定に維持するためのフロート弁、13は水素ガス遮断槽11からの戻り管である。
14は密封油ポンプ、15は安全弁、16は密封油器3部分で機内水圧より一定値だけ高くなるように調整し設置された差圧調整弁、17はバイパス弁、18は密封油供給配管、19は密封油冷却器、20は密封油フィルタ、22は密封油の供給圧力を一定に保つために設けられた圧力調整弁、32は密封油供給装置である。
33は密封油器3へ供給する以外の密封油を気泡分離槽へ戻す配管、34はサイクロンの原理を応用し密封油内の気泡を除去する気泡除去機器、35は分離された空気のみを放出するように設けた絞り弁、36は気泡除去機器34から気泡分離槽37への配管、37は一旦油を貯めてその内部に気泡分離を促進するラビリンスプレートを設けた気泡を分離する気泡分離槽、38は気泡分離槽37で分離された気泡を放出する配管、39は気泡分離槽37の空気抜き管、40は気泡分離槽37のドレン管である。
【0013】
密封油内の気泡を除去するための気泡除去機器34は、サイクロンの原理を応用したものであって、筒状本体の垂直に配設された側壁内周に、その接線方向から水平に密封油を圧送により導入し筒状本体内部でその側壁に沿い密封油を旋回させるものである。その旋回流により比重の大きい油は側壁周面近傍に集められ、比重の小さな気泡は中心部に集められて、油と気泡とが分離され気泡が除去される。
この気泡除去機器34は、戻り配管33によって構成された戻り回路に設けられる。
【0014】
次に、上記実施の形態1の動作を図1に従って説明する。
回転電機1内の水素ガスは、密封油回路中を循環する密封油により密封されている。
密封油回路においては、密封油は正常運転時には密封油ポンプ14より押し出され、差圧調整弁16により機内水素ガス圧により一定値だけ高い圧力に保たれ、密封油3へ供給される。
そして、密封油は回転軸2に沿って空気側に押し出され、軸受油(図示省略)と一緒になりループシールタンク7を通り密封器3でのやり取りにより少なくなったり多くなったりした密封油の過不足を補い、気泡分離槽37に送られる。気泡分離槽37にはラビリンスプレートが設けてあり、気泡の多い空気側戻り密封油排油の流れを複雑にすることで少量の水素ガスおよび空気を分離させる。
【0015】
気泡分離槽37により分離された空気側の密封油戻り油は、水素側密封油排油管5から水素ガス槽11および戻り管13を介して送られる水素側の戻り油と合流し密封油ポンプ14へ送られる。
このとき、水素側密封油排油管5からの水素側密封油戻りの油は、気泡分離槽37を通らないため、油の中の水素は分離されないので、一部は水素を含んだまま密封器3まで送り出される。そのため、従来と比べると水素の消費を少なくすることができる。
【0016】
また、密封油ポンプ14から送り出された密封油の一部はより純度の高い密封油とするために、サイクロン原理を応用した気泡除去機器34に送られ気泡分離槽37へ戻される。
ここで、気泡除去機器34には、密封器3へ密封油を循環供給する密封油ポンプ14による圧力により戻り回路を構成する戻り配管33において密封油を送る送油圧力によって密封油が圧入供給される。
この気泡除去機器34の筒状本体側壁内周面に沿って密封油の旋回流が形成され、旋回流の遠心力により比重の重い油は外周部に比重の軽い気泡は中心部に集まり分離させるものである。
【0017】
気泡除去機器34から密封油が送られる気泡分離槽37に貯留される密封油の圧力はループシールタンクからの油圧のみのため大気圧に近い。
よって、気泡除去機器34は送油圧力にて圧縮された気泡が分離しやすくなる効果を得ることができる。
このように、密封油を旋回させることにより気泡を除去する気泡除去機器34においては、密封油供給回路における密封油供給側、すなわち、密封油ポンプ14の密封油出口側から所定の油量を戻す戻し配管33により構成された戻し回路に設けられていて、密封油ポンプ14の密封油出口側からの比較的高い圧力によって旋回による気泡除去が行われるものであり、しかも、大気圧に近い気泡分離槽37に気泡除去後の密封油を送って更に気泡分離を行うようにしているので、密封油ポンプ14の密封油出口側からの比較的高い圧力によって旋回による気泡除去を効果的に行えるとともに、大気圧に近い状態で気泡分離を効率的に行うことができる。
【0018】
このとき、気泡除去機器34の気泡を排出する側の配管は分離された気泡が少しでも早く排出されるように強制排出の回路に接続する。
また、この回路には分離された気泡のみでなく油も一部排出されるため、絞り弁35を設け排出量を調節することを可能とする。
以上により、回転電機の水素ガス純度低下を防ぐことができる。
【0019】
この発明による実施の形態1によれば、水素ガスを密封した回転電機1の軸封部に設けた密封器3へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路の密封油供給側、すなわち密封油ポンプ14の密封油出口側から前記密封油供給回路における送油圧力により所定の油量を戻す配管33による戻り回路を設けると共に、前記配管33による戻り回路により戻された密封油を前記配管33による戻り回路で密封油を送る送油圧力によって旋回させ前記密封油の気泡を除去処理する気泡除去機器34からなる気泡除去手段と、前記気泡除去機器34からなる気泡除去手段よりも前記配管33による戻り回路における下流側に設けられ前記気泡除去機器34からなる気泡除去手段により処理された密封油を貯留することにより気泡を分離する気泡分離槽37からなる気泡分離手段とを設けたので、戻り回路に設けられ密封油を旋回させ気泡を除去する気泡除去手段および前記気泡除去手段よりも戻り回路の下流側に設けられ密封油の貯留によって気泡を分離する気泡分離手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【0020】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2を図2に基づいて説明する。図2は実施の形態2における回転電機の密封油供給装置の構成を示す系統図である。
この実施の形態2において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同様の構成内容を有し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0021】
図において、1は水素ガスが封入された回転電機、2はこの回転電機1の回転軸、3は密封器、4はこの密封器3に密封油を供給する密封油供給管、5は水素側密封油排油管、6は空気側および軸受油(図示省略)が一体となり排出される軸受油排油管である。
7は空気側を密封油排油および軸受排油を一時停止させ、水素ガスおよび空気を排気するためのループシールタンク、8はループシールタンク7内で分離された水素ガスおよび空気を安全な外部、たとえば屋外へ導く排出管、9はループシールタンク7内の上方空間部の圧力を軸受部の圧力より低くすると共にループシールタンク7内の水素ガスおよび空気を抽出して屋外へ強制的に排出するよう設置されたベーパエクストラクタ、10は空気側密封油戻り管、11は回転電機1内の水素ガスが外部に流出するのを遮断する水素ガス遮断槽、12水素ガス遮断槽11内の油面を一定に維持するためのフロート弁、13は水素ガス遮断槽11からの戻り管である。
14は密封油ポンプ、15は安全弁、16は密封油器3部分で機内水圧より一定値だけ高くなるように調整し設置された差圧調整弁、17はバイパス弁、18は密封油供給配管、19は密封油冷却器、20は密封油フィルタ、32は密封油供給装置である。
34はサイクロンの原理を応用し密封油内の気泡を除去する気泡除去機器、35は分離された空気のみを放出するように設けた絞り弁、36は気泡除去機器34から気泡分離槽37への配管、37は一旦油を貯めてその内部に気泡分離を促進するラビリンスプレートを設けた気泡を分離する気泡分離槽、38は気泡分離槽37で分離された気泡を放出する配管、39は気泡分離槽37の空気抜き管、40は気泡分離槽37のドレン管、41は循環用ポンプである。
【0022】
密封油内の気泡を除去するための気泡除去機器34は、サイクロンの原理を応用したものであって、筒状本体の垂直に配設された側壁内周に、その接線方向から水平に密封油を圧送により導入し筒状本体内部でその側壁に沿い密封油を旋回させるものである。その旋回流により比重の大きい油は側壁周面近傍に集められ、比重の小さな気泡は中心部に集められて、油と気泡とが分離され気泡が除去される。
この気泡除去機器34は、配管36によって構成された循環用ポンプ41を含む戻り循環回路に設けられる。
【0023】
図2に示すこの発明による実施の形態2では、実施の形態1において図1に示す戻り回路を気泡の多い空気側密封油戻り回路のみの戻り循環回路に変更すると共に、循環用ポンプ41を設けて独自の気泡除去回路とする。
このように、循環用ポンプ41を含む配管36による戻り循環回路に気泡除去機器34を設けた独自の気泡除去回路のため、戻り循環回路における圧力および循環量を任意に設定することができ、サイクロンの原理を応用し密封油内の気泡を除去する気泡除去機器34の能力を最大限に引き出すことができる。
【0024】
このとき、気泡除去機器34の気泡を排出する側の配管は分離された気泡が少しでも早く排出されるように強制排出の回路に接続する。
また、水素側密封油排油管5からの水素側密封油戻り油が気泡除去機器34および気泡分離槽37を通らないために、油中の水素ガスが分離することがないため、水素ガスシール部での水素ガスの油への溶け込みが少なくなり、回転電機の水素の消費を少なくすることができる。
【0025】
この発明による実施の形態2によれば、水素ガスを密封した回転電機1の軸封部に設けた密封器3へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路に循環用ポンプ41を含む気泡分離槽戻り管36からなる戻り循環回路を設けると共に、前記気泡分離槽戻り管36からなる戻り循環回路により戻された密封油を前記気泡分離槽戻り管36からなる戻り循環回路で密封油を送る送油圧力によって旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去機器34からなる気泡除去手段と、前記気泡分離槽戻り管36からなる戻り循環回路により戻された密封油を貯留することにより気泡を分離する気泡分離槽37からなる気泡分離手段とを設け、前記気泡分離槽戻り管36からなる戻り循環回路において密封油を前記循環用ポンプ41により前記気泡除去機器34からなる気泡除去手段および気泡分離槽37からなる気泡分離手段を介して循環させるようにしたので、戻り循環回路に設けた気泡除去手段および気泡分離手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【0026】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3を図3に基づいて説明する。図3は実施の形態3における回転電機の密封油供給装置の構成を示す系統図である。
この実施の形態3において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同様の構成内容を有し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0027】
図において、1は水素ガスが封入された回転電機、2はこの回転電機1の回転軸、3は密封器、4はこの密封器3に密封油を供給する密封油供給管、5は水素側密封油排油管、6は空気側および軸受油(図示省略)が一体となり排出される軸受油排油管である。
7は空気側を密封油排油および軸受排油を一時停止させ、水素ガスおよび空気を排気するためのループシールタンク、8はループシールタンク7内で分離された水素ガスおよび空気を安全な外部、たとえば屋外へ導く排出管、9はループシールタンク7内の上方空間部の圧力を軸受部の圧力より低くすると共にループシールタンク7内の水素ガスおよび空気を抽出して屋外へ強制的に排出するよう設置されたベーパエクストラクタ、10は空気側密封油戻り管、11は回転電機1内の水素ガスが外部に流出するのを遮断する水素ガス遮断槽、12水素ガス遮断槽11内の油面を一定に維持するためのフロート弁、13は水素ガス遮断槽11からの戻り管である。
14は密封油ポンプ、15は安全弁、16は密封油器3部分で機内水圧より一定値だけ高くなるように調整し設置された差圧調整弁、17はバイパス弁、18は密封油供給配管、19は密封油冷却器、20は密封油フィルタ、32は密封油供給装置である。
34はサイクロンの原理を応用し密封油内の気泡を除去する気泡除去機器、35は分離された空気のみを放出するように設けた絞り弁である。
【0028】
密封油内の気泡を除去するための気泡除去機器34は、サイクロンの原理を応用したものであって、筒状本体の垂直に配設された側壁内周に、その接線方向から水平に密封油を圧送により導入し筒状本体内部でその側壁に沿い密封油を旋回させるものである。その旋回流により比重の大きい油は側壁周面近傍に集められ、比重の小さな気泡は中心部に集められて、油と気泡とが分離され気泡が除去される。
この気泡除去機器34は、密封油の供給回路、すなわち、密封油ポンプ14の密封油出口側に設けられる。
【0029】
上記実施の形態1では、気泡分離槽を設置する場合について述べたが、この実施の形態3では、図3に示すように、気泡分離槽を設けずに密封油の供給回路に直接サイクロンの原理を応用した気泡を除去する気泡除去機器34のみを設けることにしたので、実施の形態1の場合に比べてその機器の処理容量を小さくすることができる。
すなわち、気泡除去機器34を、密封油の供給回路、すなわち、密封油ポンプ14の密封油出口側に設け、密封油ポンプ14により密封油を密封器3に送る送油圧力によって気泡除去機器34で密封油を旋回させ密封油から気泡を除去するようにしたので、気泡除去機器34による気泡除去を密封油ポンプ14の密封油出口側の比較的大きな送油圧力により効果的に行うことができる。
【0030】
このとき、気泡除去機器34の気泡を排出する側の配管は分離された気泡が少しでも早く排出されるように強制排出の回路に接続する。
また、油量を必要最小限の油量とすることができることで、密封油ポンプおよび装置を小さくすることができる。
よって、経済的に優れた装置を得ることができる。
【0031】
この発明による実施の形態3によれば、水素ガスを封入した回転電機1の軸封部に設けた密封器3へ密封油ポンプ14によって密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油ポンプ14の密封油出口側に前記密封油供給回路で密封油を送る送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去機器34からなる気泡除去手段を設けたので、密封油ポンプの密封油出口側に設けた気泡除去手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【0032】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4を図4に基づいて説明する。図4は実施の形態4における回転電機の密封油供給装置の構成を示す系統図である。
この実施の形態4において、ここで説明する特有の構成以外の構成については、先に説明した実施の形態1における構成と同様の構成内容を有し、同様の作用を奏するものである。図中、同一符号は同一または相当部分を示す。
【0033】
図において、1は水素ガスが封入された回転電機、2はこの回転電機1の回転軸、3は密封器、4はこの密封器3に密封油を供給する密封油供給管、5は水素側密封油排油管、6は空気側および軸受油(図示省略)が一体となり排出される軸受油排油管である。
7は空気側を密封油排油および軸受排油を一時停止させ、水素ガスおよび空気を排気するためのループシールタンク、8はループシールタンク7内で分離された水素ガスおよび空気を安全な外部、たとえば屋外へ導く排出管、9はループシールタンク7内の上方空間部の圧力を軸受部の圧力より低くすると共にループシールタンク7内の水素ガスおよび空気を抽出して屋外へ強制的に排出するよう設置されたベーパエクストラクタ、10は空気側密封油戻り管、11は回転電機1内の水素ガスが外部に流出するのを遮断する水素ガス遮断槽、12水素ガス遮断槽11内の油面を一定に維持するためのフロート弁、13は水素ガス遮断槽11からの戻り管である。
14は密封油ポンプ、15は安全弁、16は密封油器3部分で機内水圧より一定値だけ高くなるように調整し設置された差圧調整弁、17はバイパス弁、18は密封油供給配管、19は密封油冷却器、20は密封油フィルタ、32は密封油供給装置である。
34はサイクロンの原理を応用し密封油内の気泡を除去する気泡除去機器、35は分離された空気のみを放出するように設けた絞り弁である。
【0034】
密封油内の気泡を除去するための気泡除去機器34は、サイクロンの原理を応用したものであって、筒状本体の垂直に配設された側壁内周に、その接線方向から水平に密封油を圧送により導入し筒状本体内部でその側壁に沿い密封油を旋回させるものである。その旋回流により比重の大きい油は側壁周面近傍に集められ、比重の小さな気泡は中心部に集められて、油と気泡とが分離され気泡が除去される。
この気泡除去機器34は、密封油ポンプ14による密封油の吸入回路、すなわち、密封油ポンプ14の密封油入口側に設けられる。
【0035】
上記実施の形態3では、密封油の供給回路側に直接サイクロンの原理を応用した気泡分を除去する気泡除去機器34のみを設ける場合について述べたが、この実施の形態4では、図4に示すように、密封油ポンプ入口側に気泡除去機器34のみを設けることにしたため、気泡除去機器34にて処理をする油の圧力が大気圧に近く気泡を除去しやすく、より大きな効果を得ることができる。
すなわち、気泡除去機器34は、密封油の圧力が大気圧に近い状態で効果的に気泡を除去するものである。
【0036】
このとき、気泡除去機器34の気泡を排出する側の配管は分離された気泡が少しでも早く排出されるように強制排出の回路に接続する。
また、水素側密封油排油管5からの水素側密封油戻り油が気泡除去機器34および気泡分離槽37を通らないために、油中の水素ガスが分離することがないため、水素ガスシール部での水素ガスの油への溶け込みが少なくなり、回転電機の水素の消費を少なくすることができる。
よって、密封油供給装置の構造を簡略化でき経済的に優れた装置を得ることができる。
【0037】
この発明による実施の形態4によれば、水素ガスを封入した回転電機1の軸封部に設けた密封器3へ密封油ポンプ14によって密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油ポンプ14の密封油入口側に前記密封油供給回路で密封油を送る送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去機器34からなる気泡除去手段を設けたので、密封油ポンプの密封油入口側に設けた気泡除去手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【0038】
以上のように、この発明による実施の形態によれば、このようにして真空槽を使用しないで気泡を分離するため、槽に真空のための気層部が必要なく、気泡分離槽およびサイクロンの原理を応用した気泡分を除去する機器を設けても非常に少ないスペースで装置を構成することができる。
また、真空ポンプおよび真空ポンプ用油タンクが不要となるため、さらに小さな装置とすることができる。
【0039】
また、真空槽を使用しないため密封油ポンプへの油の供給圧力が不圧とならないことにより、ポンプと気泡分離槽の間に制約がなく自由な配置とできる。
【0040】
また、真空槽を使用しないため密封油ポンプへの油の供給圧力が不圧とならないことにより、一般的に量産されているポンプを使用することが可能であり低価格のポンプユニットで構成することができ経済的に優れている。
【0041】
また、水素側密封油の水素を分離せずに密封油として使用するため水素の消費が少なく経済的にも優れている。
【0042】
また、真空のための装置と市販の気泡分離器の価格を比べると気泡分離器の方が安価なため経済的にも優れている。
【0043】
また、市販されている気泡分離槽では保守が不要のタイプもあるため、保守を不要とすることができ経済的にも優れている。
【0044】
【発明の効果】
第1の発明によれば、ガスを封入した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路における送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段を設けたので、密封油を旋回させ気泡を除去する気泡除去手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【0045】
第2の発明によれば、ガスを密封した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路から前記密封油供給回路における送油圧力により所定の油量を戻す戻り回路を設けると共に、前記戻り回路により戻された密封油を前記戻り回路における送油圧力によって旋回させ前記密封油の気泡を除去処理する気泡除去手段と、前記気泡除去手段により処理された密封油を貯留することにより気泡を分離する気泡分離手段とを設けたので、戻り回路に設けた気泡除去手段および気泡分離手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【0046】
第3の発明によれば、ガスを密封した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路に循環用ポンプを含む戻り循環回路を設けると共に、前記戻り循環回路により戻された密封油を前記戻り循環回路における送油圧力によって旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段と、前記戻り循環回路により戻された密封油を貯留することにより気泡を分離する気泡分離手段とを設け、前記戻り循環回路において密封油を前記循環用ポンプにより前記気泡除去手段および気泡分離手段を介して循環させるようにしたので、戻り循環回路に設けた気泡除去手段および気泡分離手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【0047】
第4の発明によれば、ガスを封入した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油ポンプによって密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油ポンプの密封油出口側に前記密封油供給回路における送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段を設けたので、密封油ポンプの密封油出口側に設けた気泡除去手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【0048】
第5の発明によれば、ガスを封入した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油ポンプによって密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油ポンプの密封油入口側に前記密封油供給回路における送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段を設けたので、密封油ポンプの密封油入口側に設けた気泡除去手段により、小型かつ軽量で据付けや保守を支障なく行えるとともに、所定機能を適切に遂行できる密封油供給装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による実施の形態1における回転電機の密封油供給装置の構成を示す系統図である。
【図2】この発明による実施の形態2における回転電機の密封油供給装置の構成を示す系統図である。
【図3】この発明による実施の形態3における回転電機の密封油供給装置の構成を示す系統図である。
【図4】この発明による実施の形態4における回転電機の密封油供給装置の構成を示す系統図である。
【図5】従来技術における回転電機の密封油供給装置を示す系統図である。
【符号の説明】
1 回転電機、2 回転軸、3 密封器、4 密封油供給管、5 水素側密封油排油管、6 軸受排油管、7 ループシールタンク、8 排出管、9 ベーパエクストラクタ、10 空気側密封油戻り管、11 水素ガス遮断槽、12 フロート弁、13 水素ガス遮断槽からの戻り管、14 密封油ポンプ、15 安全弁、16 密封油ポンプ、17 手動バイパス弁、18 密封油供給配管(密封油供給装置内)、19 密封油冷却器、20 密封油フィルタ、21 真空槽密封油戻り管、22 圧力調整弁、23 真空槽、24 真空槽フロート弁、25 スプレイノズル管、26 脱気皿、27 脱気皿導入管、28 真空ポンプ、29 真空ポンプ配管、30 真空ポンプ用油タンク、31 放出管、32 密封油供給装置、33 気泡分離器戻り管、34 気泡除去機器、35 絞り弁、36 気泡分離槽戻り管、37 気泡分離槽、38 放出管、39 気泡分離槽ベント管、40 気泡分離槽ドレン管、41 循環ポンプ。
Claims (5)
- ガスを封入した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路における送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段を設けたことを特徴とする回転電機の密封油供給装置。
- ガスを密封した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路から前記密封油供給回路の送油圧力により所定の油量を戻す戻り回路を設けると共に、前記戻り回路により戻された密封油を前記戻り回路における送油圧力によって旋回させ前記密封油の気泡を除去処理する気泡除去手段と、前記気泡除去手段により処理された密封油を貯留することにより気泡を分離する気泡分離手段とを設けたことを特徴とする回転電機の密封油供給装置。
- ガスを密封した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油供給回路に循環用ポンプを含む戻り循環回路を設けると共に、前記戻り循環回路により戻された密封油を前記戻り循環回路における送油圧力によって旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段と、前記戻り循環回路により戻された密封油を貯留することにより気泡を分離する気泡分離手段とを設け、前記戻り循環回路において密封油を前記循環用ポンプにより前記気泡除去手段および気泡分離手段を介して循環させるようにしたことを特徴とする回転電機の密封油供給装置。
- ガスを封入した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油ポンプによって密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油ポンプの密封油出口側に前記密封油供給回路における送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段を設けたことを特徴とする回転電機の密封油供給装置。
- ガスを封入した回転電機の軸封部に設けた密封器へ密封油ポンプによって密封油を供給する密封油供給回路を備えた回転電機の密封油供給装置において、前記密封油ポンプの密封油入口側に前記密封油供給回路における送油圧力によって前記密封油を旋回させ前記密封油の気泡を除去する気泡除去手段を設けたことを特徴とする回転電機の密封油供給装置。
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