JP2004007748A - 弾性表面波フィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】低損失で通過帯域外減衰量に優れた平衡型弾性表面波フィルタを実現する。
【解決手段】圧電基板41の上に、双方向性電極である入力IDT電極対44とSPUDT電極である出力IDT電極対45を所定の距離を置いて配置する。入力IDT電極対44のインパルス応答特性における中心周波数の両側の最も近傍の周波数差と、出力IDT電極対45のインパルス応答特性における中心周波数の両側の最も近傍の周波数差とを異ならせる。
【選択図】 図4
【解決手段】圧電基板41の上に、双方向性電極である入力IDT電極対44とSPUDT電極である出力IDT電極対45を所定の距離を置いて配置する。入力IDT電極対44のインパルス応答特性における中心周波数の両側の最も近傍の周波数差と、出力IDT電極対45のインパルス応答特性における中心周波数の両側の最も近傍の周波数差とを異ならせる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、無線通信機器における高周波回路などに使用される弾性表面波フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性表面波を用いたエレクトロメカニカル機構部品は、波の音速が数km/sであり、波のエネルギーが伝搬媒体の表面に集中する性質を有することから、ハードウエアの高密度化の流れの中で注目されている。また、弾性表面波を用いたエレクトロメカニカル機構部品は、インタデジタルトランスジューサ(以下『IDT』という。)電極の開発と、その変形展開を可能にした薄膜作製技術及び表面加工技術の進歩によって、レーダー用遅延線、テレビジョン受像機用帯域フィルタなどに実用化され、現在では、無線通信機器の送受信回路におけるRF、IF段のフィルタとして広く使用されている。
【0003】
近年、移動体通信機器のディジタル化に伴い、ディジタル携帯電話やディジタルコードレス電話などの開発が盛んに進められおり、1チャネル当たりの占有帯域幅は大きくなってきている。特に、近年注目を集めているCDMA方式(符号分割多重方式)に用いられるIFフィルタには、広帯域かつ非常に平坦な群遅延時間偏差及び隣接チャネルの信号と所望の信号とを区別する選択度に優れた特性が要求される。
【0004】
従来、IF段に適する弾性表面波フィルタとしては、共振器型弾性表面波フィルタとトランスバーサル型弾性表面波フィルタとがよく知られている。共振器型弾性表面波フィルタは、狭帯域かつ急峻な遮断特性を有し、挿入損失及び素子サイズも小さいが、群遅延時間偏差特性が劣る。一方、トランスバーサル型弾性表面波フィルタは、挿入損失及び素子サイズが大きいが、広帯域かつ平坦な群遅延時間偏差特性を有している。上記の特徴から、CDMA方式におけるIFフィルタとしては、トランスバーサル型弾性表面波フィルタが適している。
【0005】
以下、従来のトランスバーサル型弾性表面波フィルタについて説明する。
【0006】
図7は従来技術におけるトランスバーサル型弾性表面波フィルタの電極パターンを示す構成図である。図7において、71は単結晶圧電基板であり、この圧電基板71の上に電極パターンを形成することにより、弾性表面波を励起させることができる。圧電基板71の上には、上部電極72aと下部電極72bとからなる入力IDT電極対72と、上部電極73aと下部電極73bとからなる出力IDT電極対73とが所定の距離を置いて設けられており、これによりトランスバーサル型の弾性表面波フィルタが構成されている。
【0007】
以上のような構成を有する弾性表面波フィルタにおいては、入出力IDT電極対に種々の重み付けを施すことにより、あるいは、入出力IDT電極対の少なくとも一方を一方向性IDT電極対とすること等により、フィルタの周波数特性が決定され、広帯域で急峻なフィルタ特性が実現されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年では、IFフィルタ前後段におけるICの平衡入出力化が進み、IFフィルタにも平衡入出力型の出現が強く要望されている。また、隣接チャネルの信号と所望の信号とを区別するために、通過帯域外減衰量の改善も要望されている。
【0009】
しかし、図7に示すような構成を有する従来の弾性表面波フィルタでは、入出力IDT電極対に重み付けを施すことによってIDT電極対の上部電極と下部電極との構成が異なってしまうため、平衡度が悪くなるという問題点がある。また、入出力IDT電極対の少なくとも一方を一方向性IDT電極対とすること等により、通過帯域近傍のサイドローブレベルが悪化するという問題点が生じる。
【0010】
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、低損失で通過帯域外減衰量に優れた平衡型弾性表面波フィルタを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る弾性表面波フィルタの構成は、圧電基板と、前記圧電基板上に形成された第1のインタデジタルトランスジューサ電極対と、前記圧電基板上に形成され、前記第1のインタデジタルトランスジューサ電極対と所定の距離を置いて配置された第2のインタデジタルトランスジューサ電極対とを備え、前記第1及び第2のインタデジタルトランスジューサ電極対のいずれか一方を入力、他方を出力とする弾性表面波フィルタであって、
前記第1のインタデジタルトランスジューサ電極対のインパルス応答特性における中心周波数の両側の最も近傍の周波数差と、前記第2のインタデジタルトランスジューサ電極対のインパルス応答特性における中心周波数の両側の最も近傍の周波数差とが異なることを特徴とする。
【0012】
この弾性表面波フィルタの構成によれば、フィルタ全体としてのサイドローブレベルを抑圧することができるので、通過帯域近傍において優れた減衰量が得られる。
【0013】
また、前記本発明の弾性表面波フィルタの構成においては、前記第1及び第2のインタデジタルトランスジューサ電極対のどちらか一方が単相型一方向性変換器(SPUDT)であり、他方が双方向性変換器であるのが好ましい。この好ましい例によれば、インピーダンス整合の状態でTTE(Triple Transit Echo)レベルを抑えることが可能となるので、平坦な通過帯域内特性での挿入損失が小さく、しかも通過帯域近傍において優れた減衰量を有する弾性表面波フィルタを実現することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
【0015】
〈第1の実施の形態〉
図1は本発明の第1の実施の形態における弾性表面波フィルタの電極パターンを示す構成図である。
【0016】
図1において、11は単結晶圧電基板であり、この圧電基板11の上に周期構造のストリップライン状の電極パターンを形成することにより、弾性表面波を励起させることができる。圧電基板11の上には、第1のフィルタトラック12と第2のフィルタトラック13とが設けられており、第1のフィルタトラック12と第2のフィルタトラック13とは弾性表面波の伝搬方向を対称軸とした対称構造となっている。
【0017】
第1のフィルタトラック12は、入力IDT電極対14と出力IDT電極対15とにより構成されている。また、第2のフィルタトラック13は、入力IDT電極対16と出力IDT電極対17とにより構成されている。
【0018】
第1のフィルタトラック12の入力IDT電極対14の下部電極14bと第2のフィルタトラック13の入力IDT電極対16の上部電極16aとは接続されて端子を形成し、アースに接続されている。また、第1のフィルタトラック12の出力IDT電極対15の下部電極15bと第2のトラック13の入力IDT電極対17の上部電極17aとは接続されて端子を形成し、アースに接続されている。
【0019】
図1に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタと図7に示す従来の弾性表面波フィルタの電極パターン構成上の相違点は、図7に示す従来の弾性表面波フィルタでは、入力端子対に接続されている電極72aと電極72bの構成が異なっているのに対し、図1に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、入力端子に接続されている電極14aと電極16bの構成が同一となっている点である。また、本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、出力端子対に接続されている電極15aと電極17bの構成も同一となっている。すなわち、上記のような2トラック構成を採用することにより、入出力端子対に接続される電極の構成が同一となり、図7に示す従来の弾性表面波フィルタと比較して、平衡型として動作させた場合の端子間の平衡度が大幅に改善される。その結果、低損失で通過帯域外減衰量に優れた平衡型弾性表面波フィルタを実現することができる。通過帯域外減衰量に着目した場合、帯域幅1.3MHzのフィルタにおいて、フィルタの中心周波数をf0 として通過帯域外減衰量はf0 ±5MHzとなり、図7に示す従来の弾性表面波フィルタの場合に比べて約10dB改善される。
【0020】
また、図1に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタにおいて、第1のフィルタトラック12及び第2のフィルタトラック13の入出力IDT電極対14、15、16及び17が『間引き重み付け』を有している場合、入出力IDT電極対の一方の電極には、IDT電極を間引いた部分に弾性表面波の音速を調整するためのダミー電極が付与される。この場合、第1のフィルタトラック12の入出力IDT電極対14及び15の下部電極14b及び15bと第2のフィルタトラック13の入出力IDT電極対16及び17の上部電極16a及び17aとにダミー電極を有するような電極構成、又は、第1のフィルタトラック12の入出力IDT電極対14及び15の上部電極14a及び15aと第2のフィルタトラック13の入出力IDT電極対16及び17の上部電極16b及び17bとにダミー電極を有するような電極構成が考えられるが、前者の電極構成で、IDT電極14bとIDT電極16aとの接続部及びIDT電極15bとIDT電極17aとの接続部をアースに接続すれば、ダミー電極による浮遊容量などの影響を抑えることができる。その結果、挿入損失の改善を図ることができる。
【0021】
図2は、図1の弾性表面波フィルタにおいて、第1のフィルタトラック12及び第2のフィルタトラック13の入出力IDT電極対14、15、16及び17が単相型一方向性変換器(SPUDT)である場合の電極パターンを示す構成図である。SPUDTは一方向性の電極であり、IDT電極の内部に反射器電極を有する構成となっている。この場合、第1のフィルタトラック22の入出力IDT電極対24及び25の下部電極24b及び25bと第2のフィルタトラック23の入出力IDT電極対26及び27の上部電極26a及び27aとに反射器電極を有する構成、又は、第1のフィルタトラック22の入出力IDT電極対24及び25の上部電極24a及び25aと第2のフィルタトラック23の入出力IDT電極対26及び27の下部電極26b及び27bとに反射器電極を有する構成のいずれかが可能であるが、前者の構成で、IDT電極24bとIDT電極26aとの接続部及びIDT電極25bとIDT電極27aとの接続部をアースに接続すれば、後者の構成を選択する場合に比べて、ダミー電極及び反射器電極による浮遊容量などの影響を抑えることができる。その結果、挿入損失及び通過帯域外減衰量の点で優れた特性が得られる。
【0022】
〈第2の実施の形態〉
図3は本発明の第2の実施の形態における弾性表面波フィルタの電極パターンを示す構成図である。
【0023】
図3において、31は単結晶圧電基板であり、この圧電基板31の上に周期構造のストリップライン状の電極パターンを形成することにより、弾性表面波を励起させることができる。圧電基板31の上には、第1のフィルタトラック32と第2のフィルタトラック33とが設けられており、第1のフィルタトラック32と第2のフィルタトラック33は以下のような構造を有している。すなわち、第1のフィルタトラック32は、入力IDT電極対34と出力IDT電極対35とにより構成されている。また、第2のフィルタトラック33は、入力IDT電極対36と出力IDT電極対37とにより構成されている。ここで、第1のフィルタトラック32を、第2のフィルタトラック33に対して弾性表面波の伝搬方向に(n+1/2)λ(n:0以上の整数、λ:圧電基板上を伝搬する弾性表面波の波長)ずらすと、双方のトラック32、33は、弾性表面波の伝搬方向を対称軸とした対称構造をとる。逆に言えば、弾性表面波の伝搬方向を対称軸とした対称構造を有する2つのトラックを、互いに弾性表面波の伝搬方向に(n+1/2)λずらすことにより、図3に示す構造が得られる。さらに、第1のフィルタトラック32の入力IDT電極対34の下部電極34bと第2のフィルタトラック33の入力IDT電極対36の上部電極36aとは接続されて端子を形成し、アースに接続されている。また、第1のフィルタトラック32の出力IDT電極対35の下部電極35bと第2のトラック33の入力IDT電極対37の上部電極37aとは接続されて端子を形成し、アースに接続されている。
【0024】
ここで、第1のフィルタトラック32と第2のフィルタトラック33とは弾性表面波の伝搬方向に(n+1/2)λずらして配置されているので、第1のフィルタトラック32と第2のフィルタトラック33とが互いに音響的に影響を及ぼし合うことがなく、第1のフィルタトラック32と第2のフィルタトラック33との距離を十分に取る必要はないので、素子サイズの大幅な小型化を図ることができる。
【0025】
また、第1のフィルタトラック32と第2のフィルタトラック33とは、10λ以上の距離を置いて設けられるのが好ましい。この構成によれば、第1のフィルタトラック32と第2のフィルタトラック33とが互いに音響的に影響を及ぼし合うことがなく、優れたフィルタ特性が得られる。
【0026】
〈第3の実施の形態〉
図4は本発明の第3の実施の形態における弾性表面波フィルタの電極パターンを示す構成図である。
【0027】
図4において、41は単結晶圧電基板であり、この圧電基板41の上に周期構造のストリップライン状の電極パターンを形成することにより、弾性表面波を励起させることができる。圧電基板41の上には、第1のフィルタトラック42と第2のフィルタトラック43とが設けられており、第1のフィルタトラック42と第2のフィルタトラック43は以下のような構造を有している。すなわち、第1のフィルタトラック42は、双方向性電極である入力IDT電極対44とSPUDT電極である出力IDT電極対45とにより構成されている。また、第2のフィルタトラック43は、双方向性電極である入力IDT電極対46とSPUDT電極である出力IDT電極対47とにより構成されている。ここで、第1のフィルタトラック42を、第2のフィルタトラック43に対して弾性表面波の伝搬方向に(n+1/2)λ(n:0以上の整数、λ:圧電基板上を伝搬する弾性表面波の波長)ずらすと、双方のトラック42、43は、弾性表面波の伝搬方向を対称軸とした対称構造をとる。逆に言えば、弾性表面波の伝搬方向を対称軸とした対称構造を有する2つのトラックを、互いに弾性表面波の伝搬方向に(n+1/2)λずらすことにより、図4に示す構造が得られる。さらに、第1のフィルタトラック42の入力IDT電極対44の下部電極44bと第2のフィルタトラック43の入力IDT電極対46の上部電極46aとは接続されて端子を形成し、アースに接続されている。また、第1のフィルタトラック42の出力IDT電極対45の下部電極45bと第2のトラック43の入力IDT電極対47の上部電極47aとは接続されて端子を形成し、アースに接続されている。
【0028】
従来の弾性表面波フィルタにおいて入出力IDT電極対に双方向性電極を用いたトランスバーサル型フィルタでは、通過帯域近傍で大きな減衰量を得ることができるが、入出力IDT電極対が双方向性電極であるために、TTE(Triple Transit Echo)の影響によって通過帯域内に大きなリップルが生じる。
【0029】
ディジタル移動体通信機器のIF段に用いられるフィルタには平坦な通過帯域内特性が要求されるので、TTE を抑圧するためにインピーダンス不整合の状態で用いなければならず、その結果、挿入損失が非常に大きくなる。一方、入出力IDT電極対にSPUDT電極を用いた場合には、インピーダンス整合の状態でTTE レベルが十分に小さくなるために、平坦な通過帯域内特性で挿入損失の小さいフィルタが得られるが、一方向性の電極であるために、通過帯域近傍の減衰量が悪化する。
【0030】
しかし、図4に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、一方の電極対が双方向性電極であり、他方の電極対がSPUDT電極であるため、インピーダンス整合の状態でTTE レベルを抑えることが可能となり、入出力IDT電極対に双方向性電極を用いたトランスバーサル型フィルタと比較して、平坦な通過帯域内特性での挿入損失が小さくなる。また、入出力IDT電極対にSPUDT電極を用いた弾性表面波フィルタと比較して、通過帯域近傍において優れた減衰量を有する弾性表面波フィルタを実現することができる。
【0031】
また、図4に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタにおいて、図5に示す入力IDT電極対のインパルス応答特性51における中心周波数f0 に最も近い高域側の極の周波数f1hと中心周波数f0 に最も近い低域側の極の周波数f1lとの差をΔf1 、出力IDT電極対のインパルス応答特性52における中心周波数f0 に最も近い高域側の極の周波数f2hと中心周波数f0 に最も近い低域側の極の周波数f2lとの差をΔf2 としたとき、Δfが小さい方のIDT電極対(ここでは、出力IDT電極対45及び47)をSPUDT電極とした場合、出力IDT電極対45及び47の特性はサイドローブレベルが上昇するが、他方の入力IDT電極対44及び46の特性のトラップと相殺されるため、フィルタ全体としてはサイドローブレベルを抑圧することができ、通過帯域近傍において優れた減衰量を得ることができる。
【0032】
以上のように、本実施の形態によれば、平衡度に優れ、しかも通過帯域外減衰量及び挿入損失を改善することのできる弾性表面波フィルタを実現することができる。
【0033】
尚、本実施の形態においては、図4に示すような2つのフィルタトラックを用いた場合を例に挙げて説明したが、図6に示すように、1つのフィルタトラックのみの構成とし、Δfが小さい方のIDT電極対(ここでは、出力IDT電極対63)をSPUDT電極としても、通過帯域近傍において優れた減衰量を得ることができる。
【0034】
また、上記1トラック構成のフィルタは、図6では平衡型フィルタとなっているが、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、不平衡型の入出力端子構成、あるいは、一方が平衡型で、他方が不平衡型の入出力端子構成であっても、同様の効果が得られる。
【0035】
また、本発明における圧電基板としては、温度特性に優れたSTカット水晶を用いるのが好ましいが、LiTaO3 、LiNbO3 、Li2 B4 O7 、La3 Ga5 SiO14等を圧電基板として用いることもできる。
【0036】
また、電極材料としては、膜厚制御の容易な比較的密度の小さいアルミニウムを用いるのが好ましいが、金電極の使用も可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、平衡度に優れ、通過帯域外減衰量が従来に比べて大きい弾性表面波フィルタを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における弾性表面波フィルタの電極パターンを示す構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における弾性表面波フィルタの電極パターンの他の例を示す構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における弾性表面波フィルタの電極パターンを示す構成図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態における弾性表面波フィルタの電極パターンを示す構成図である。
【図5】図4の弾性表面波フィルタの入出力IDT電極対のインパルス応答特性を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における弾性表面波フィルタの電極パターンの他の例を示す構成図である。
【図7】従来技術におけるトランスバーサル型弾性表面波フィルタの電極パターンを示す構成図である。
【符号の説明】
11、21、31、41、61 圧電基板
12、13、22、23、32、33、42、43 フィルタトラック
14、16、24、26、34、36、44、46、62 入力IDT電極対
15、17、25、27、35、37、45、47、63 出力IDT電極対
14a、16a、24a、26a、34a、36a、44a、46a 入力IDTの上部電極
14b、16b、24b、26b、34b、36b、44b、46b 入力IDTの下部電極
15a、17a、25a、27a、35a、37a、45a、47a 出力IDTの上部電極
15b、17b、25b、27b、35b、37b、45b、47b 出力IDTの下部電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、無線通信機器における高周波回路などに使用される弾性表面波フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
弾性表面波を用いたエレクトロメカニカル機構部品は、波の音速が数km/sであり、波のエネルギーが伝搬媒体の表面に集中する性質を有することから、ハードウエアの高密度化の流れの中で注目されている。また、弾性表面波を用いたエレクトロメカニカル機構部品は、インタデジタルトランスジューサ(以下『IDT』という。)電極の開発と、その変形展開を可能にした薄膜作製技術及び表面加工技術の進歩によって、レーダー用遅延線、テレビジョン受像機用帯域フィルタなどに実用化され、現在では、無線通信機器の送受信回路におけるRF、IF段のフィルタとして広く使用されている。
【0003】
近年、移動体通信機器のディジタル化に伴い、ディジタル携帯電話やディジタルコードレス電話などの開発が盛んに進められおり、1チャネル当たりの占有帯域幅は大きくなってきている。特に、近年注目を集めているCDMA方式(符号分割多重方式)に用いられるIFフィルタには、広帯域かつ非常に平坦な群遅延時間偏差及び隣接チャネルの信号と所望の信号とを区別する選択度に優れた特性が要求される。
【0004】
従来、IF段に適する弾性表面波フィルタとしては、共振器型弾性表面波フィルタとトランスバーサル型弾性表面波フィルタとがよく知られている。共振器型弾性表面波フィルタは、狭帯域かつ急峻な遮断特性を有し、挿入損失及び素子サイズも小さいが、群遅延時間偏差特性が劣る。一方、トランスバーサル型弾性表面波フィルタは、挿入損失及び素子サイズが大きいが、広帯域かつ平坦な群遅延時間偏差特性を有している。上記の特徴から、CDMA方式におけるIFフィルタとしては、トランスバーサル型弾性表面波フィルタが適している。
【0005】
以下、従来のトランスバーサル型弾性表面波フィルタについて説明する。
【0006】
図7は従来技術におけるトランスバーサル型弾性表面波フィルタの電極パターンを示す構成図である。図7において、71は単結晶圧電基板であり、この圧電基板71の上に電極パターンを形成することにより、弾性表面波を励起させることができる。圧電基板71の上には、上部電極72aと下部電極72bとからなる入力IDT電極対72と、上部電極73aと下部電極73bとからなる出力IDT電極対73とが所定の距離を置いて設けられており、これによりトランスバーサル型の弾性表面波フィルタが構成されている。
【0007】
以上のような構成を有する弾性表面波フィルタにおいては、入出力IDT電極対に種々の重み付けを施すことにより、あるいは、入出力IDT電極対の少なくとも一方を一方向性IDT電極対とすること等により、フィルタの周波数特性が決定され、広帯域で急峻なフィルタ特性が実現されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年では、IFフィルタ前後段におけるICの平衡入出力化が進み、IFフィルタにも平衡入出力型の出現が強く要望されている。また、隣接チャネルの信号と所望の信号とを区別するために、通過帯域外減衰量の改善も要望されている。
【0009】
しかし、図7に示すような構成を有する従来の弾性表面波フィルタでは、入出力IDT電極対に重み付けを施すことによってIDT電極対の上部電極と下部電極との構成が異なってしまうため、平衡度が悪くなるという問題点がある。また、入出力IDT電極対の少なくとも一方を一方向性IDT電極対とすること等により、通過帯域近傍のサイドローブレベルが悪化するという問題点が生じる。
【0010】
本発明は、従来技術における前記課題を解決するためになされたものであり、低損失で通過帯域外減衰量に優れた平衡型弾性表面波フィルタを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る弾性表面波フィルタの構成は、圧電基板と、前記圧電基板上に形成された第1のインタデジタルトランスジューサ電極対と、前記圧電基板上に形成され、前記第1のインタデジタルトランスジューサ電極対と所定の距離を置いて配置された第2のインタデジタルトランスジューサ電極対とを備え、前記第1及び第2のインタデジタルトランスジューサ電極対のいずれか一方を入力、他方を出力とする弾性表面波フィルタであって、
前記第1のインタデジタルトランスジューサ電極対のインパルス応答特性における中心周波数の両側の最も近傍の周波数差と、前記第2のインタデジタルトランスジューサ電極対のインパルス応答特性における中心周波数の両側の最も近傍の周波数差とが異なることを特徴とする。
【0012】
この弾性表面波フィルタの構成によれば、フィルタ全体としてのサイドローブレベルを抑圧することができるので、通過帯域近傍において優れた減衰量が得られる。
【0013】
また、前記本発明の弾性表面波フィルタの構成においては、前記第1及び第2のインタデジタルトランスジューサ電極対のどちらか一方が単相型一方向性変換器(SPUDT)であり、他方が双方向性変換器であるのが好ましい。この好ましい例によれば、インピーダンス整合の状態でTTE(Triple Transit Echo)レベルを抑えることが可能となるので、平坦な通過帯域内特性での挿入損失が小さく、しかも通過帯域近傍において優れた減衰量を有する弾性表面波フィルタを実現することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
【0015】
〈第1の実施の形態〉
図1は本発明の第1の実施の形態における弾性表面波フィルタの電極パターンを示す構成図である。
【0016】
図1において、11は単結晶圧電基板であり、この圧電基板11の上に周期構造のストリップライン状の電極パターンを形成することにより、弾性表面波を励起させることができる。圧電基板11の上には、第1のフィルタトラック12と第2のフィルタトラック13とが設けられており、第1のフィルタトラック12と第2のフィルタトラック13とは弾性表面波の伝搬方向を対称軸とした対称構造となっている。
【0017】
第1のフィルタトラック12は、入力IDT電極対14と出力IDT電極対15とにより構成されている。また、第2のフィルタトラック13は、入力IDT電極対16と出力IDT電極対17とにより構成されている。
【0018】
第1のフィルタトラック12の入力IDT電極対14の下部電極14bと第2のフィルタトラック13の入力IDT電極対16の上部電極16aとは接続されて端子を形成し、アースに接続されている。また、第1のフィルタトラック12の出力IDT電極対15の下部電極15bと第2のトラック13の入力IDT電極対17の上部電極17aとは接続されて端子を形成し、アースに接続されている。
【0019】
図1に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタと図7に示す従来の弾性表面波フィルタの電極パターン構成上の相違点は、図7に示す従来の弾性表面波フィルタでは、入力端子対に接続されている電極72aと電極72bの構成が異なっているのに対し、図1に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、入力端子に接続されている電極14aと電極16bの構成が同一となっている点である。また、本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、出力端子対に接続されている電極15aと電極17bの構成も同一となっている。すなわち、上記のような2トラック構成を採用することにより、入出力端子対に接続される電極の構成が同一となり、図7に示す従来の弾性表面波フィルタと比較して、平衡型として動作させた場合の端子間の平衡度が大幅に改善される。その結果、低損失で通過帯域外減衰量に優れた平衡型弾性表面波フィルタを実現することができる。通過帯域外減衰量に着目した場合、帯域幅1.3MHzのフィルタにおいて、フィルタの中心周波数をf0 として通過帯域外減衰量はf0 ±5MHzとなり、図7に示す従来の弾性表面波フィルタの場合に比べて約10dB改善される。
【0020】
また、図1に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタにおいて、第1のフィルタトラック12及び第2のフィルタトラック13の入出力IDT電極対14、15、16及び17が『間引き重み付け』を有している場合、入出力IDT電極対の一方の電極には、IDT電極を間引いた部分に弾性表面波の音速を調整するためのダミー電極が付与される。この場合、第1のフィルタトラック12の入出力IDT電極対14及び15の下部電極14b及び15bと第2のフィルタトラック13の入出力IDT電極対16及び17の上部電極16a及び17aとにダミー電極を有するような電極構成、又は、第1のフィルタトラック12の入出力IDT電極対14及び15の上部電極14a及び15aと第2のフィルタトラック13の入出力IDT電極対16及び17の上部電極16b及び17bとにダミー電極を有するような電極構成が考えられるが、前者の電極構成で、IDT電極14bとIDT電極16aとの接続部及びIDT電極15bとIDT電極17aとの接続部をアースに接続すれば、ダミー電極による浮遊容量などの影響を抑えることができる。その結果、挿入損失の改善を図ることができる。
【0021】
図2は、図1の弾性表面波フィルタにおいて、第1のフィルタトラック12及び第2のフィルタトラック13の入出力IDT電極対14、15、16及び17が単相型一方向性変換器(SPUDT)である場合の電極パターンを示す構成図である。SPUDTは一方向性の電極であり、IDT電極の内部に反射器電極を有する構成となっている。この場合、第1のフィルタトラック22の入出力IDT電極対24及び25の下部電極24b及び25bと第2のフィルタトラック23の入出力IDT電極対26及び27の上部電極26a及び27aとに反射器電極を有する構成、又は、第1のフィルタトラック22の入出力IDT電極対24及び25の上部電極24a及び25aと第2のフィルタトラック23の入出力IDT電極対26及び27の下部電極26b及び27bとに反射器電極を有する構成のいずれかが可能であるが、前者の構成で、IDT電極24bとIDT電極26aとの接続部及びIDT電極25bとIDT電極27aとの接続部をアースに接続すれば、後者の構成を選択する場合に比べて、ダミー電極及び反射器電極による浮遊容量などの影響を抑えることができる。その結果、挿入損失及び通過帯域外減衰量の点で優れた特性が得られる。
【0022】
〈第2の実施の形態〉
図3は本発明の第2の実施の形態における弾性表面波フィルタの電極パターンを示す構成図である。
【0023】
図3において、31は単結晶圧電基板であり、この圧電基板31の上に周期構造のストリップライン状の電極パターンを形成することにより、弾性表面波を励起させることができる。圧電基板31の上には、第1のフィルタトラック32と第2のフィルタトラック33とが設けられており、第1のフィルタトラック32と第2のフィルタトラック33は以下のような構造を有している。すなわち、第1のフィルタトラック32は、入力IDT電極対34と出力IDT電極対35とにより構成されている。また、第2のフィルタトラック33は、入力IDT電極対36と出力IDT電極対37とにより構成されている。ここで、第1のフィルタトラック32を、第2のフィルタトラック33に対して弾性表面波の伝搬方向に(n+1/2)λ(n:0以上の整数、λ:圧電基板上を伝搬する弾性表面波の波長)ずらすと、双方のトラック32、33は、弾性表面波の伝搬方向を対称軸とした対称構造をとる。逆に言えば、弾性表面波の伝搬方向を対称軸とした対称構造を有する2つのトラックを、互いに弾性表面波の伝搬方向に(n+1/2)λずらすことにより、図3に示す構造が得られる。さらに、第1のフィルタトラック32の入力IDT電極対34の下部電極34bと第2のフィルタトラック33の入力IDT電極対36の上部電極36aとは接続されて端子を形成し、アースに接続されている。また、第1のフィルタトラック32の出力IDT電極対35の下部電極35bと第2のトラック33の入力IDT電極対37の上部電極37aとは接続されて端子を形成し、アースに接続されている。
【0024】
ここで、第1のフィルタトラック32と第2のフィルタトラック33とは弾性表面波の伝搬方向に(n+1/2)λずらして配置されているので、第1のフィルタトラック32と第2のフィルタトラック33とが互いに音響的に影響を及ぼし合うことがなく、第1のフィルタトラック32と第2のフィルタトラック33との距離を十分に取る必要はないので、素子サイズの大幅な小型化を図ることができる。
【0025】
また、第1のフィルタトラック32と第2のフィルタトラック33とは、10λ以上の距離を置いて設けられるのが好ましい。この構成によれば、第1のフィルタトラック32と第2のフィルタトラック33とが互いに音響的に影響を及ぼし合うことがなく、優れたフィルタ特性が得られる。
【0026】
〈第3の実施の形態〉
図4は本発明の第3の実施の形態における弾性表面波フィルタの電極パターンを示す構成図である。
【0027】
図4において、41は単結晶圧電基板であり、この圧電基板41の上に周期構造のストリップライン状の電極パターンを形成することにより、弾性表面波を励起させることができる。圧電基板41の上には、第1のフィルタトラック42と第2のフィルタトラック43とが設けられており、第1のフィルタトラック42と第2のフィルタトラック43は以下のような構造を有している。すなわち、第1のフィルタトラック42は、双方向性電極である入力IDT電極対44とSPUDT電極である出力IDT電極対45とにより構成されている。また、第2のフィルタトラック43は、双方向性電極である入力IDT電極対46とSPUDT電極である出力IDT電極対47とにより構成されている。ここで、第1のフィルタトラック42を、第2のフィルタトラック43に対して弾性表面波の伝搬方向に(n+1/2)λ(n:0以上の整数、λ:圧電基板上を伝搬する弾性表面波の波長)ずらすと、双方のトラック42、43は、弾性表面波の伝搬方向を対称軸とした対称構造をとる。逆に言えば、弾性表面波の伝搬方向を対称軸とした対称構造を有する2つのトラックを、互いに弾性表面波の伝搬方向に(n+1/2)λずらすことにより、図4に示す構造が得られる。さらに、第1のフィルタトラック42の入力IDT電極対44の下部電極44bと第2のフィルタトラック43の入力IDT電極対46の上部電極46aとは接続されて端子を形成し、アースに接続されている。また、第1のフィルタトラック42の出力IDT電極対45の下部電極45bと第2のトラック43の入力IDT電極対47の上部電極47aとは接続されて端子を形成し、アースに接続されている。
【0028】
従来の弾性表面波フィルタにおいて入出力IDT電極対に双方向性電極を用いたトランスバーサル型フィルタでは、通過帯域近傍で大きな減衰量を得ることができるが、入出力IDT電極対が双方向性電極であるために、TTE(Triple Transit Echo)の影響によって通過帯域内に大きなリップルが生じる。
【0029】
ディジタル移動体通信機器のIF段に用いられるフィルタには平坦な通過帯域内特性が要求されるので、TTE を抑圧するためにインピーダンス不整合の状態で用いなければならず、その結果、挿入損失が非常に大きくなる。一方、入出力IDT電極対にSPUDT電極を用いた場合には、インピーダンス整合の状態でTTE レベルが十分に小さくなるために、平坦な通過帯域内特性で挿入損失の小さいフィルタが得られるが、一方向性の電極であるために、通過帯域近傍の減衰量が悪化する。
【0030】
しかし、図4に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタでは、一方の電極対が双方向性電極であり、他方の電極対がSPUDT電極であるため、インピーダンス整合の状態でTTE レベルを抑えることが可能となり、入出力IDT電極対に双方向性電極を用いたトランスバーサル型フィルタと比較して、平坦な通過帯域内特性での挿入損失が小さくなる。また、入出力IDT電極対にSPUDT電極を用いた弾性表面波フィルタと比較して、通過帯域近傍において優れた減衰量を有する弾性表面波フィルタを実現することができる。
【0031】
また、図4に示す本実施の形態の弾性表面波フィルタにおいて、図5に示す入力IDT電極対のインパルス応答特性51における中心周波数f0 に最も近い高域側の極の周波数f1hと中心周波数f0 に最も近い低域側の極の周波数f1lとの差をΔf1 、出力IDT電極対のインパルス応答特性52における中心周波数f0 に最も近い高域側の極の周波数f2hと中心周波数f0 に最も近い低域側の極の周波数f2lとの差をΔf2 としたとき、Δfが小さい方のIDT電極対(ここでは、出力IDT電極対45及び47)をSPUDT電極とした場合、出力IDT電極対45及び47の特性はサイドローブレベルが上昇するが、他方の入力IDT電極対44及び46の特性のトラップと相殺されるため、フィルタ全体としてはサイドローブレベルを抑圧することができ、通過帯域近傍において優れた減衰量を得ることができる。
【0032】
以上のように、本実施の形態によれば、平衡度に優れ、しかも通過帯域外減衰量及び挿入損失を改善することのできる弾性表面波フィルタを実現することができる。
【0033】
尚、本実施の形態においては、図4に示すような2つのフィルタトラックを用いた場合を例に挙げて説明したが、図6に示すように、1つのフィルタトラックのみの構成とし、Δfが小さい方のIDT電極対(ここでは、出力IDT電極対63)をSPUDT電極としても、通過帯域近傍において優れた減衰量を得ることができる。
【0034】
また、上記1トラック構成のフィルタは、図6では平衡型フィルタとなっているが、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、不平衡型の入出力端子構成、あるいは、一方が平衡型で、他方が不平衡型の入出力端子構成であっても、同様の効果が得られる。
【0035】
また、本発明における圧電基板としては、温度特性に優れたSTカット水晶を用いるのが好ましいが、LiTaO3 、LiNbO3 、Li2 B4 O7 、La3 Ga5 SiO14等を圧電基板として用いることもできる。
【0036】
また、電極材料としては、膜厚制御の容易な比較的密度の小さいアルミニウムを用いるのが好ましいが、金電極の使用も可能である。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、平衡度に優れ、通過帯域外減衰量が従来に比べて大きい弾性表面波フィルタを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における弾性表面波フィルタの電極パターンを示す構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における弾性表面波フィルタの電極パターンの他の例を示す構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における弾性表面波フィルタの電極パターンを示す構成図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態における弾性表面波フィルタの電極パターンを示す構成図である。
【図5】図4の弾性表面波フィルタの入出力IDT電極対のインパルス応答特性を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における弾性表面波フィルタの電極パターンの他の例を示す構成図である。
【図7】従来技術におけるトランスバーサル型弾性表面波フィルタの電極パターンを示す構成図である。
【符号の説明】
11、21、31、41、61 圧電基板
12、13、22、23、32、33、42、43 フィルタトラック
14、16、24、26、34、36、44、46、62 入力IDT電極対
15、17、25、27、35、37、45、47、63 出力IDT電極対
14a、16a、24a、26a、34a、36a、44a、46a 入力IDTの上部電極
14b、16b、24b、26b、34b、36b、44b、46b 入力IDTの下部電極
15a、17a、25a、27a、35a、37a、45a、47a 出力IDTの上部電極
15b、17b、25b、27b、35b、37b、45b、47b 出力IDTの下部電極
Claims (2)
- 圧電基板と、前記圧電基板上に形成された第1のインタデジタルトランスジューサ電極対と、前記圧電基板上に形成され、前記第1のインタデジタルトランスジューサ電極対と所定の距離を置いて配置された第2のインタデジタルトランスジューサ電極対とを備え、前記第1及び第2のインタデジタルトランスジューサ電極対のいずれか一方を入力、他方を出力とする弾性表面波フィルタであって、
前記第1のインタデジタルトランスジューサ電極対のインパルス応答特性における中心周波数の両側の最も近傍の周波数差と、前記第2のインタデジタルトランスジューサ電極対のインパルス応答特性における中心周波数の両側の最も近傍の周波数差とが異なることを特徴とする弾性表面波フィルタ。 - 前記第1及び第2のインタデジタルトランスジューサ電極対のどちらか一方が単相型一方向性変換器(SPUDT)であり、他方が双方向性変換器である請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
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