JP2004007213A - ディジタル3次元モデル撮像機器 - Google Patents

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Abstract

【目的】より高精度に3次元モデルを撮影することができるディジタル3次元モデル撮像機器を提供すること。
【構成】被写体に対し複数の撮影視点を構成する光学系、撮像素子、この撮像素子からの出力信号を処理してディジタル画像データに変換するデータ処理部、前記光学系による画像劣化を補正する画像劣化補正処理部、画像処理部、複数の撮影画像から3次元モデルデータを計算、構築する3次元モデルデータ構築処理部、処理中及び処理後の画像データ、3次元モデルデータを記憶するためのメモリ部を有する3次元モデル撮像機器であって、前記光学系の特性データと前記撮像素子から取り込まれた出力信号を元に、前記光学系による画像劣化を補正して画像劣化を抑えた劣化補正画像を作成し、各視点の劣化補正画像から被写体の3次元モデルデータを精度で取得する。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多視点入力によるディジタル3次元モデル撮影機器の技術分野に属し、多視点を構成する光学系による撮影画像の劣化が存在していても、3次元モデルデータを精度良く計算、構成することが可能なディジタル3次元モデル撮像機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、3D画像や3D映像は、映画やイベントといったエンターテイメント用途での活用、製品設計や都市開発における業務目的での活用はもとより、コンシューマ用途においてもWeb上での仮想モールや3D表示製品カタログといった高臨場感、情報のより正確な伝達といった目的で必要性が高まっている。そのようなニーズに対する3次元モデル撮影方法の1つとして、撮影した2次元画像を元に被写体と撮影位置の幾何学的な関係から被写体の3次元形状を算出する方法が応用されており、3次元モデル撮像機器は増えつつある。
【0003】
その中でもステレオ撮影による3次元モデル撮影、3次元モデル表示は、その装置の容易性から広く応用されている。図1にステレオ撮影画像と被写体の3次元形状(座標)の関係を示す。
【0004】
焦点距離が共にfで、光軸が水平方向に幅aの間隔で平行に設置された2つの光学系撮像機器により、被写体Pを撮影した場合を想定する。このとき、左側の撮像機器の光学中心をOL
、左側の撮像機器による取得画像中のOL
の写像をOL
、被写体の写像をPL
とし、同様に右側の光学中心をOR
、右側の撮像機器による取得画像中のOR
の写像をOR
、被写体の写像をPR
とする。又、座標系の原点をOL
とOR
の中心に設定し、その原点に対する被写体の座標Pを(X,Y,Z)とする。更に、被写体の写像座標PL,PRをPL(xL,yL),PR(xR,yR
)とする。このときの被写体座標P(X,Y,Z)は、
X=a(xL+xR)/2(xL−xR)
Y=a(yL+yR)/2(xL−xR)     式(1)
Z=af/(xL−xR)
と与えられる。このように左右のステレオ画像において、被写体位置の対応が得られれば、上記パラメータからその被写体位置の3次元座標が算出できる。
【0005】
その左右のステレオ画像中において、被写体位置の対応を検出するためには様々な手法が存在するが、左右画像の輝度値や色、空間周波数特性等の画像情報の類似性に着目して対応点検出を行う手法が一般的である。
【0006】
この入力視点が増えても、上記と同様にある2視点の画像同士の幾何学的関係から位置検出をしていけば良い。視点を増やすことにより、被写体の3次元モデルをより精密に、或は広角度に入力でき、全方位から被写体を撮影すれば、図2のように被写体の全方位の3次元モデルデータを得ることが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、各視点を構成する撮像機器には被写体を結像するためのレンズが必要となり、レンズの収差や周辺光量落ちは撮影画像に画像劣化を引き起こす。この画像劣化により、上記のように2画像から被写体の3次元座標を算出する精度が低下して誤った3次元座標が計算されたり、2画像の対応点を検出できないために3次元座標が算出されないといった問題が発生する。
【0008】
そのような問題を引き起こす要因として特に重要なものは、レンズの軸外色収差、歪曲収差、周辺光量落ちである。
【0009】
例えば、2画像間の対応点を検出する際に、画像の輝度値や色を元に検出する場合、撮影レンズの軸外色収差、周辺光量落ちを伴った画像を用いれば、異なる視点から撮影した2画像においては、対応点間で色や輝度値が異なってしまい、対応点検出ができなくなる恐れがある。
【0010】
又、対応点検出後の3次元座標算出において、撮影レンズの歪曲や軸外色収差を伴った画像を用いれば、異なる視点から撮影した2画像においては、位置ずれを伴う画像中の対応点の座標を用いて3次元座標を計算することとなるので、計算される3次元座標に誤差を伴うこととなる。
【0011】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、より高精度に3次元モデルを撮影することができるディジタル3次元モデル撮像機器を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、被写体に対し複数の撮影視点を構成する光学系、撮像素子、この撮像素子からの出力信号を処理してディジタル画像データに変換するデータ処理部、前記光学系による画像劣化を補正する画像劣化補正処理部、画像処理部、複数の撮影画像から3次元モデルデータを計算、構築する3次元モデルデータ構築処理部、処理中及び処理後の画像データ、3次元モデルデータを記憶するためのメモリ部を有する3次元モデル撮像機器であって、前記光学系の特性データと前記撮像素子から取り込まれた出力信号を元に、前記光学系による画像劣化を補正して画像劣化を抑えた劣化補正画像を作成し、各視点の劣化補正画像から被写体の3次元モデルデータを精度で取得することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
<実施の形態1>
本発明の実施の形態は、特許請求の範囲の請求項1〜6、8記載の発明に対応する。
【0015】
図3に本発明を適用したディジタル撮像機器の一実施の形態である2視点入力の3次元モデル撮像ディジタルスチルカメラのシステムブロック図を、図4に3次元モデル撮影の処理フローのチャートを示す。
【0016】
本発明の実施の形態1に係るディジタルスチルカメラは、図3に示す撮像光学系21、撮像素子22を有する撮像部20と、AGC(オートゲインコントローラ)、A/D変換部31、画像データ変換部32、画像劣化補正処理部33、画像処理部34、3次元モデルデータ構築処理部35、圧縮処理部36を有するデータ処理部30と、CPU、内蔵メモリ部40と、ユーザーインターフェース部41と、画像表示部42と、データインターフェース部43と、出力画像メモリ44とを具備している。
【0017】
上記構成を詳細に説明する。
【0018】
3次元モデルデータ取得の処理の流れは図4のフローチャートのようになされる。CPU、内蔵メモリ部40のCPUは、ディジタルスチルカメラの全体の管理、図4のフローチャートの処理を行うための命令を行う機能を有し、図1中の点線の矢印は処理の流れを、実線の矢印は画像データの流れを、二重線矢印は3次元モデルデータの流れを示す。以下、図4のフローチャートの流れに沿って図3の各部の構成と機能を順に説明してゆく。
【0019】
撮像部20の撮像光学系21は左右対称の反射光学系21aとズーム可能な回転軸対称の集光レンズ21bから構成されており、反射光学系21aによって視点の異なる被写体のステレオ像を、集光レンズ21bに入射する。この際、ステレオ像を構成する左右の像はそれぞれ集光レンズ21bを左右対称に通過して集光され、撮像素子22に結像する。例えば、図3における被写体10を撮影した際は、撮像素子22には図5のように、垂直方向の中心線を境に、左右視差画像が結像している。
【0020】
又、集光レンズ21bには、撮影時のズームステートや絞りの大きさを検出する機構が付随しており、それらのデータはCPU、内蔵メモリ部40のCPUによって検出、認識される。撮像素子22は、受光面上に結像された像による光信号を位置対応する受光画素ごとに電気信号に変換する単一の光電変換素子である。又、撮像素子22は、その受光部の画素に図12に示す市松模様の配列で配置されたR,G,Bの各フィルタにより色分解を行う機能を有している。
【0021】
このディジタルスチルカメラのオペレーターが被写体10を撮影すべく、ユーザーインターフェース部の撮影ボタン(図示略)を押すと、撮像部20におけるズームステートや絞りの大きさが検出され、そのデータがCPU、内蔵メモリ部40のCPUに送られる。そして、撮像素子22に結像した被写体10のステレオ像は、撮像素子により電気信号に変換されて、データ処理部30に電気信号として転送される。この際、撮影時の撮像素子の露光時間や被写体像取得のタイミングは、CPU、内蔵メモリ部40のCPUによって制御され、電気信号として取得された像のデータは、CPU、内蔵メモリ部40のCPUの指示によりデータ処理部30に転送される。
【0022】
データ処理部30に転送された画像データの電気信号は、先ず、AGC、A/D変換部31に転送される。転送された画像信号は、AGCにより増幅、強度補正され、A/D変換部によりディジタルデータに変換され、画像データ変換部32に転送される。更に、転送されたディジタルデータは、画像データ変換部32によりディジタル画像(階調)データに変換される。
【0023】
画像データ変換部により変換されたディジタル画像データは、画像劣化補正処理部33による画像補正処理を経て、或は補正処理を経ないで、画像劣化処理部34に転送される。この処理の分岐は、画像表示部42をファインダとして使用するために、取得した撮影画像を画像劣化補正処理しないで画像表示部42で表示するという目的の場合と、撮影ボタンを押して正しい3次元モデルを計算、取得するために、撮影されたステレオ画像の画像劣化補正処理を行うという目的の場合の、処理目的の相違のために発生する。
【0024】
又、撮影時の撮像光学系の軸外色収差と歪曲及び周辺光量落ちの特性値から、画像劣化補正処理が必要でないとCPU、内蔵メモリ部40のCPUで判断された場合は、撮像ボタンを押して得られた撮影画像であっても、画像劣化補正処理を行なうことなく、画像処理部34に転送される。
【0025】
画像劣化補正処理部33は撮像光学系21による画像劣化を補正する部位である。CPU、内蔵メモリ部40のCPUの指示により、画像劣化補正処理部33に転送されたデータは、CPU、内蔵メモリ部40の内蔵メモリ部に格納された撮像光学系21の軸外色収差特性、歪曲特性、周辺光量特性に基づき、撮像光学系21の軸外色収差、歪曲、周辺光量落ちに起因する画像劣化が補正される。この場合、画像劣化補正処理部33による画像劣化補正処理に用いるデータは、レンズ設計値、レンズ収差データ、レンズ収差補正パラメータ、周辺光量落ちデータ、周辺光量落ち補正データ等、軸外色収差、歪曲、周辺光量落ちの補正に有効なデータであれば何でも良い。
【0026】
一般的に、静止画像、動画像の撮像機器においては、ローパスフィルタ処理、エッジ処理等の画像処理を施して画質を向上させるために、R,G,Bの3原色画像データを輝度Y、色差CR
,CB
のデータに変換する必要がある。その際の変換式は一般的に、
Y=0.59R+0.3G+0.11B
CR=R−Y          式(2)
CB=B−Y
という変換式で与えられる。この変換は、各表色系を通して一致する画素位置においてなされる。そのため、軸外色収差や周辺光量落ちに波長依存性が大きく発生している光学系を通して得られた画像データを元に式(2)の変換を行うと、得られる輝度データ、色差データは軸外点においては、誤差の多い、或は使いものにならないデータとなってしまう。
【0027】
又、表色系変換等の処理においても、新たに変換される、或る表色における階調データを求める際に、同じ画素位置における複数の表色における階調データを用いるので、軸外色収差や周辺光量落ちの波長依存性が存在していると、軸外点における表色系変換後の階調データは、誤差の多いデータ、或は色が崩れた無意味なデータになってしまう。そのため、画像劣化補正処理が必要な場合は、画像処理部40による画像処理を行う前に、画像劣化補正処理部33による画像劣化補正処理を行う。
【0028】
CPU、内蔵メモリ部40のCPUで画像劣化補正処理が必要と判断された場合、ディジタル画像データは、画像劣化補正処理部33に転送され画像劣化補正処理がなされる。画像劣化補正処理部33は、図6に示すように、周辺光量落ち補正部33a、座標変換部33b、補間処理部33cから成る。画像データは先ず、CPU、内蔵メモリ部40のCPUで周辺光量落ち補正が行われると判断された場合、CPU、内蔵メモリ部40から送られてくる各表色系ごとの周辺光量落ち補正パラメータを用いて各表色系ごとの周辺光量落ち補正を行う。周辺光量落ち補正の手法としては、光学系の光軸を通過する軸上点(撮像素子22の受光面と撮像光学系21の光軸との交点に存在する画素位置)における透過光強度に対して、透過光強度の落ちた軸外点での透過光強度を同じ程度に保つように、画像データの階調データにその比を掛けることにより補正する。そして、この周辺光量落ち補正は各表色系に対して行う。
【0029】
一般的に、周辺光量落ちの特性は光の波長に応じて異なるが、上記の各周辺光量落ち補正のための各表色系における周辺光量落ち補正パラメータ算出は、各表色系における重心波長における周辺光量落ちデータを用いても良く、各表色系の分光特性において最大強度を与える波長の周辺光量落ちデータを用いても良いし、各表色系の分光特性を用いて各波長における周辺光量落ちデータを重み付けし、表色系ごとの重み平均による周辺光量落ちデータを算出し、それを用いても良いが、有効なパラメータを用いるのであれば、その算出手法は特に指定しない。
【0030】
上記手法によって周辺光量落ち補正部33aにおける周辺光量落ち補正がなされたディジタル画像データ、或はCPU、内蔵メモリ部40のCPUにより周辺光量落ち補正を行う必要がないと判断されたディジタル画像データは、座標変換部33bに転送される。CPU、内蔵メモリ部40のCPUにより軸外色収差、歪曲のうち、少なくとも1つの収差が画像劣化補正を行なうと判断された場合、座標変換部33bと補間処理部33cにおいては、撮像光学系21により生じた軸外色収差若しくは歪曲、若しくはその両方による画像劣化を補正する。
【0031】
ディジタル画像データの軸外色収差と歪曲収差は、CPU、内蔵メモリ部40の内蔵メモリ部に格納されている収差特性データを用いて、R,G,Bそれぞれの画像データについて座標変換部33bで座標変換を行ない、その後、補間処理部33cで補間処理を行うことで補正される。前記座標変換は、画像データの各画素において発生している軸外色収差と歪曲収差による被写体像の位置ずれを打ち消すように新たな座標系を求めることで行う。次に、正方格子座標でなくなった前記座標系を、正方格子座標系に再度変換するために、前記補間処理を行う。
【0032】
座標変換を行う際は、図7に示すように、正方格子状で展開される画像データの中心座標(Xo,Yo)と各画素の位置との距離を用いて、撮像部20の撮像光学系21の収差による画素の位置ずれを補正する。ここで、中心座標とは、撮像部20の撮像素子22の受光面における光軸位置と一致した座標とする。軸外色収差と歪曲収差は、一般に、図9に示すように、結像面における像高と収差の関数として求められる。この収差特性値を結像面の各画素に対して求めておき、軸外色収差と歪曲収差を合計して、図8に示すように、各画素位置での収差を収差特性データとして得て、CPU、内蔵メモリ部40の内蔵メモリ部に格納しておく。
【0033】
軸外色収差に関しては、R,G,Bそれぞれ特性が異なるので、前記収差特性データは、R,G,Bそれぞれに対して存在する。又、軸外色収差は、図9に示すように、任意の波長に対して求められるが、R,G,Bは有限な波長幅を持つ分光特性により特徴づけられる。このため、各表色系の軸外色収差を求めるには、各表色系の重心波長を求めてその波長における軸外色収差量を求める方法、或は分光強度の最大値の波長を用いて軸外色収差量を求める方法等が挙げられるが、特に指定はしない。又、軸外色収差は、R,G,Bにおいて異なる収差量を持つが、演算量を減らすために、予めGの軸外色収差を基準として、RとBのみの軸外色収差の収差データを求めておいても良い。
【0034】
次に、図7の正方格子座標で中心座標である(Xo,Yo)を原点(0,0)として、撮像素子22の受光面の最大像高で正規化した相対距離の座標データを作成し、R,G,Bそれぞれの収差特性データとの和をとって、座標変換された座標データを得る(図10)。R,G,Bそれぞれの図7の正方格子座標上で(Xn,Yn)にある座標は以下のように変換される。
【0035】
【数1】
Figure 2004007213
但し、
AbRXn, AbGXn, AbBXn : R,G,B各表色系における軸外色収差と歪曲収差の和のX成分
AbRXn, AbGXn, AbBXn : R,G,B各表色系における軸外色収差と歪曲収差の和のY成分
Xo,Yo :画像中心点と最大像高位置の相対X座標と相対Y座標、
h :受光素子面における最大像高
である。
【0036】
これにより、周辺光量落ち補正部33aから転送された画像データは、軸外色収差、歪曲色収差が無い場合の被写体像座標データとして、図10の座標変換された座標データと対応を取ることができる。又、左右の視差画像を合成する反射光学系21aのミラーの角度によって決まる輻輳角の値によっては、撮像素子22の受光面に結像する左右の視点画像が台形歪みを生じている場合があり、この台形歪みは、アフィン変換等の線形座標変換により補正可能であることは公知である。本実施の形態に係る撮像機器においても、上記台形歪みが生じている場合には、座標変換部33bにおいて、軸外色収差、歪曲等の集光レンズによる収差と同時に反射光学系による台形歪みを座標変換して補正しても良い。
【0037】
上記のように得られた2次元座標位置データと、周辺光量落ち補正部33aから転送された画像の階調データは、収差補正がなされた2次元座標位置と階調データとして対応している。収差補正のために座標変換された座標データは、正方格子座標系ではないので、これを正方格子座標に変換する。この際、収差補正された画像が、図11に示すように矩形では無くなっているので、これをR,G,B各表色系全てにおいて画欠けしないように所望のアスペクト比の矩形で抽出できる最大領域を判定し、必要とするスペックの画素数に応じて正方格子座標系を決め、その正方格子座標系の各座標に対応する画像の階調データは、補間処理することにより求める。
【0038】
この補間処理の方法は特に指定しないが、4点線形補間、3次畳み込み内挿法等の方法で補間処理を行う。又、最終的に必要となる画像領域を確保するために、収差補正による画欠けを予め想定して、より広い画像範囲を撮像素子で撮影しておいても良い。
【0039】
又、本実施の形態のディジタルスチルカメラは、撮像素子12として、図8に示すような市松模様のカラーフィルタ配列を有する単板撮像素子を用いているので、R,G,Bの画像の階調データは、各表色系において図13に示すように階調データの存在する画素としない画素を有する。このため、上記の補間処理において、データの存在しない画素の階調データも同時に補間して、1画素に全表色系の階調データを有するように処理される。
【0040】
上記の処理により撮像光学系21による画像劣化を取り除いた、或は十分に低減された画像データは、画像処理部34に転送され、輝度色分離処理、ホワイトバランス調整、グレイバランス調整、濃度調整、カラーバランス調整、エッジ強調等の各種の画像処理が施される。又、CPU、内蔵メモリ部40のCPUにより画像劣化処理を行わないと判断された画像データは、画像データ変換部32から直接、画像処理部34へ転送される。最初に画像データには、図13に示すように各表色系においてデータが存在しない画素の階調データの補間処理が施され、その後に輝度色分離処理、ホワイトバランス調整、グレイバランス調整、濃度調整、カラーバランス調整、エッジ強調等の各種の画像処理が施される。
【0041】
画像データは、図5のように左部と右部で異なる視点の画像が得られている。この画像データは画像処理部34の処理を経た後3次元モデルデータ構築処理部35に転送されて、この左右視点画像の対応点検出を行い、被写体の3次元座標を算出してゆく。又は、画像処理部34の処理を経た後、画像サイズが大きいとき等必要に応じてCPU、内蔵メモリ部40の内蔵メモリ部に画像データを一時的に仮記憶しておいて、処理のタイミングが訪れた際、3次元モデルデータ構築処理部35に転送される仕様をとっても良い。
【0042】
先ず、画像データは、光学中心(撮像光学系21の光軸と撮像素子22の交わる画素位置)を原点に、左右画像の画素位置座標が設定される。対応点検出処理は、右側画像若しくは左側画像の一部領域を基準に、他方の同じ大きさの領域における階調データの相互相関を求め、最も大きな相関値を返す領域を対応領域として左右画像を対応付ける。そして、対応付けられた画素位置の座標データを用いて、式(1)に代入することにより、被写体の3次元座標データを算出する。この際、座標原点は光学中心とし、左右視差画像の座標は、[光軸中心画素位置からの画素数]×[画素ピッチ]という撮像素子受光面における実寸に変換して用いる。
【0043】
そして、この処理を画像全領域に対して行い、被写体の3次元座標と、その座標に対する各表色系の階調データを得る。これを3次元モデルデータとする。得られた3次元モデルデータに対し、不必要に密に3次元モデルデータが存在していればデータの間引く間引き処理や、規定の3次元座標系のデータに変換するために、求めた3次元モデルデータにおける各表色系の階調データを補間したり、うまく3次元座標の階調データが算出できなかったと判定される領域の3次元座標に対する階調データを補間により求めるといった補間処理を行なう。このような処理を経て3次元モデルデータ構築がなされる。
【0044】
最終的に構築する3次元モデルデータの仕様は、例えば立方格子上の3次元座標系に対し、その座標系に3次元モデルデータが存在する位置の最近傍の格子点に対して各表色系の階調データを補間して求めてゆき、3次元モデルデータを計算し、それを決まった座標系の順番に従って、各表色系の階調値のデータ配列形式で与える仕様でも良いし、単純に3次元座標位置と各表色系の階調値のデータ配列形式で与える仕様でも良い。
【0045】
上記においては、被写体の3次元座標を求めるための一般的手法を示したが、上に示した手法を用いなくとも、最終的に被写体の3次元モデルデータが構築できるのであれば、どのような手法をとっても良い。
【0046】
3次元モデルデータ構築処理部35により構築された3次元モデルデータは、圧縮処理部36によるデータ圧縮処理を受けて出力データメモリ44に格納される。この際のデータ圧縮は、3次元モデルデータのデータ圧縮に有用な圧縮処理技術を用いていれば、どのような仕様をとっても構わない。
【0047】
出力画像を格納する出力画像メモリ44は、本ディジタルスチルカメラに着脱可能なメモリで、この記録媒体を介して他の情報端末機器への出力画像の直接的な転送が可能となる。出力画像メモリ44は書き換え可能なメモリであり、例えばフラッシュメモリ、PCカード、ATAカード等のカード状メモリ、MOディスク、フロッピーディスク、ZIP、CD−RW等の汎用メモリ等、どのような形態をとるものでも良い。又、データインターフェース部43を介して出力画像メモリに蓄えられた画像を有線伝送若しくは無線伝送により、他の情報端末に転送可能である。
【0048】
画像表示部42は、例えば液晶ディスプレイから構成されており、ファインダーとして被写体像を表示可能である。ファインダーとして表示する画像は画像劣化補正処理を行っていない画像データを用いて表示する。画像表示部42の画像表示機能は、ユーザーインターフェース部41を介して、ON,OFF可能である。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態のディジタルスチルカメラを用いれば、撮像光学系21、撮像素子22から成る撮像部20により撮像された画像信号と、撮像時の撮像光学系21のズ−ムステート、絞り形状を検知し、内蔵メモリに蓄えられている、対応するズームステートと絞り形状での光学系の周辺光量落ちデータ、軸外色収差、歪曲収差の和の収差データを用いることにより、光学系の周辺光量落ち、軸外色収差、歪曲収差に起因する画像劣化を補正することが可能となる。これにより、周辺光量落ちや軸外色収差、歪曲収差が存在しない光学系を用いて得たことを前提にした、視差画像から被写体の3次元形状を計測する処理を不都合なく適応できることにより、精度の高い3次元モデルデータ構築処理を可能とするディジタルスチルカメラを提供できる。
【0050】
又、比較的周辺光量落ち、軸外色収差、歪曲の大きい安価な光学系を用いても、実用上十分な精度の3次元モデルデータが構築できるので、光学系のコストの低減を図りつつ、良好な精度を持つ3次元モデルデータの構築が可能となる。
【0051】
尚、説明した実施形態のディジタルスチルカメラは、上述したような実施の形態に限定されるものではなく、例えば撮像素子が単板式でも3板式でも良く、或はシャッターを用いて左右それぞれの視点からの画像を時系列で、撮像素子22の全面を用いて取得する仕様でも良いし、その他の仕様でも良い。又、実施の形態としてディジタルスチルカメラではなく、ディジタルビデオカメラであって、3次元モデルデータを時系列で取得する仕様でも良い。又、階調データとして取り扱う表色系は原色系でも、補色系でも、モノクロでも良い。その他、本実施の形態の要旨を踏襲した実施の形態であれば、どのような仕様をとっても良い。
【0052】
<実施の形態2>
本発明の実施の形態2は、特許請求の範囲の請求項1,3,4,5,8記載の発明に対応する。
【0053】
本実施の形態に係る3次元モデルディジタル撮像機器は、図14に示すように、3次元モデルデータを取得したい被写体に対し、全方位から撮影したディジタル画像を元に3次元モデルデータを取得する仕様の3次元モデルディジタル撮像機器である。
【0054】
3次元モデルディジタル撮像機器の処理フローのチャートは実施の形態1と同じく図4に示す通りである。本発明の実施の形態1に係るディジタルスチルカメラは、図15に示す撮像光学系21、撮像素子22をn対(nは自然数)有する撮像部20と、AGC、A/D変換部31、画像データ変換部32、画像劣化補正処理部33、画像処理部34、3次元モデルデータ構築処理部35、圧縮処理部36を有するデータ処理部30と、CPU、内蔵メモリ部40と、ユーザーインターフェース部41と、画像表示部42と、データインターフェース部43と、出力画像メモリ44と被写体照明系50とを具備している。各部の構成は前記実施の形態1で詳述したので説明を省略する。
【0055】
本実施の形態においては、被写体の全方位からの撮影画像を得るために、複数(n個)の撮像部20から構成されている。又、被写体を全方位から均等に照らせられるように、被写体照明系50を具備している。本実施の形態に係る3次元モデルディジタル撮像機器が機能上で上記実施の形態1によるディジタルスチルカメラと大きく異なる点は、2視点ではなく全方位から多視点で画像を撮像し、その画像を用いて被写体の3次元モデルデータを構築することにより、被写体の全方位3次元モデルが得られる点である。
【0056】
ユーザーインターフェース部41の撮像ボタンを押すことにより、各方位における撮像部から出力され、各視点における画像信号はCPU、内蔵メモリ部40のCPUにより決まったタイミングでデータ処理部30に時系列で転送される。又、この際の各視点における被写体撮影の色分解は、実施の形態1と同様、図12に示す各撮像素子表面の原色系カラーフィルタ配列によるものや、図18に示す各撮像素子表面の補色系カラーフィルタ配列によっても良いし、被写体照明系50の光源に、R,G,Bといった各原色系分光特性や、Y,M,C,Gといった各補色形分光特性を持たせ、各表色系で照明した際の被写体像を得ることにより色分解しても良い。
【0057】
各視点における撮像部から転送されてくる画像信号は、AGC、A/D変換部31、画像データ変換部32を経て画像劣化補正処理部33に転送される。撮像光学系21を構成するレンズ群は、どの視点のレンズも同じ設計値のレンズを用いて設計している。又、そのレンズの数の多さから、軸外色収差、歪曲、周辺光量落ちが比較的大きい安価なレンズを用いている。これらのレンズによる軸外色収差、歪曲、周辺光量落ちを画像劣化補正処理部33により補正する。上記補正のためのデータは、CPU、内蔵メモリ部40の内蔵メモリ部に格納されており、補正するためのデータは、レンズ設計値、レンズ収差データ、レンズ収差補正パラメータ、周辺光量特性データ、周辺光量特性補正パラメータ等、収差や周辺光量落ちの補正に有効なものであれば何でも良い。
【0058】
又、被写体10は被写体照明系50によって全方位から極力均等に照明されるように設計されているが、それでも残存する照明ムラは、撮像部20と照明との相対的な関係により特性を割り出して、その照明ムラを打ち消せるように周辺光量落ち補正データに掛け合わせて、画像劣化補正処理部33による画象劣化補正処理を行っても良い。画像劣化補正処理部33による補正処理は、実施の形態1における手法と同様で良い。
【0059】
又、本実施の形態における3次元モデルディジタル撮像機器においては、図14に示すように各視点における撮像素子が他の撮像素子と角度をなしているので、2つの視点における撮影画像から3次元座標算出を行うために式(1)を適応するためには、適応する2視点の画像の座標系が一致するように両画像、或は片方の画像にアフィン変換等の線形座標変換を施す必要がある。この公知な技術である2視点画像の座標系の統一を、33bの座標変換部において、集光レンズ21bによる収差補正のための座標変換と同時に線形座標変換することにより行っても良い。
【0060】
上記の処理により撮像光学系21による画像劣化を取り除いた、或は十分に低減された画像データは、画像処理部34に転送され、輝度色分離処理、ホワイトバランス調整、グレイバランス調整、濃度調整、カラーバランス調整、エッジ強調等の各種の画像処理が施される。又、CPU、内蔵メモリ部40のCPUにより画像劣化処理を行なわないと判断された画像データは、画像データ変換部32から直接、画像処理部34へ転送される。そして、画像処理部による画像処理を経た各視点における画像データは、一度CPU、内蔵メモリ部40に仮記憶され、必要な画像データごとに3次元モデルデータ構築処理部35に転送される。
【0061】
3次元モデルデータ構築処理部35による3次元モデルデータ構築処理に際しても、実施の形態1と同様の手順で行う。この際、任意の2視点の幾何学的位置関係と、その視点における画像データを用いて被写体の3次元モデルデータを構築するが、任意の2視点は隣接する2視点を選んで演算しても良いし、隣接する2視点よりも視差が大きくなる2視点を選んでも良いし、ユーザーがユーザーインターフェース部41を介して任意の2の視点を選択しても良いし、被写体の表面形状に応じてCPU、内蔵メモリ部40が自動判別しても良い。
【0062】
又、或る視点に対し、他の複数の視点との3次モデルデータ構築処理を行って、算出座標値や階調数の平均値をとることで3次モデルデータを取得する仕様でも良い。
【0063】
算出した3次元モデルデータは、圧縮処理部36による圧縮処理を受けた後、出力データメモリに格納される。又、必要に応じてデータインターフェース部から他の情報端末に転送可能な仕様となっている。
【0064】
又、被写体撮像待機時は、必要に応じてユーザーインターフェース部41を介した指示により、任意の視点における被写体画像を撮像表示部42に表示することが可能な仕様である。この際、任意視点の撮像部21及びそれに対応する撮像素子222のみが動作し、それによる出力信号がAGC、A/D変換部31、画像データ変換部32による処理を経て、画像劣化補正処理部33による画像劣化補正処理を経て、或は経ないで画像処理部34に転送され、画層処理を経た後に画像表示部42に指定した視点による画像が表示される。この際の画像劣化補正処理部33による画象劣化補正処理の有無もユーザーインターフェース部41により指定できる仕様である。
【0065】
以上説明したように、本発明の実施の形態2に係る3次元モデルディジタル撮像機器によれば、多視点を形成する撮像系によって得られる複数の画像とその幾何学的関係及び撮像光学系の特性データを元に、被写体の、誤差の小さい3次元モデルデータを取得することが可能となる。又、本3次元モデルディジタル撮像機器によって補正可能な軸外色収差、歪曲、周辺光量落ちの性能を余り気にすることなく廉価な光学系を用いて撮像光学系を実現することにより、実用上充分な精度の3次元モデルディジタル撮像機器を安価に提供することが可能となる。
【0066】
<実施の形態3>
本発明の実施の形態3は、特許請求の範囲の請求項1〜6及び8記載の発明に対応する。
【0067】
本実施の形態に係る3次元モデルディジタル撮像機器は、図16に示すように、建物の通路や入口に複数個並べて設置された広角レンズを用いた撮像系を具備し、撮像している場所付近を人や物が通過した際、全撮像系で、その人や物を撮像し、3次元形状を撮像する防犯用3次元モデル撮影システムである。
【0068】
本3次元モデル撮影システムの処理フローのチャート図17に示す通りで、実施の形態2と異なる点は、各視点を構成する撮像系のうち、メインカメラ1台とその他サブカメラが存在し、メインカメラは常に動画撮影を行なっている。そして、撮像領域中に動きのある物体が入り込んだ際、全視点のサブカメラで撮影を開始し、物体の3次元モデルデータを取得する処理を行う。又、システムブロック図は図15で示される。
【0069】
本実施の形態に係る3次元モデル撮影システムは、図15に示す撮像光学系21、撮像素子22をn対(nは自然数)有する撮像部20と、AGC、A/D変換部31、画像データ変換部32、画像劣化補正処理部33、画像処理部34、3次元モデルデータ構築処理部35、圧縮処理部36を有するデータ処理部30と、CPU、内蔵メモリ部40と、ユーザーインターフェース部41と、画像表示部42と、データインターフェース部43と、出力画像メモリ44と被写体照明系50とを具備している。
【0070】
ここで、撮像部20の第1視野における撮像光学系がメインカメラである。又、撮像部20の撮像光学系21は全て広角レンズで構成されている。又、画像処理部34は、動画像の撮影フレーム間における画像の変化を検知することにより、撮像領域に動きのある物体の存在、画像中のその領域の検出及びそれをCPU、内蔵メモリ部40のCPUに認識させる機能を搭載している。又、被写体照明系50は、消灯時に撮像領域中に動きのある物体が入り込んだ際にのみ点灯する。又、点灯方向は、被写体の3次元形状が充分に確認できるのであれば全方位でなくとも構わない。その他各部の構成は前記実施の形態1で詳述したので説明を省略する。
【0071】
本3次元モデル撮影システムは、撮像部20のメインカメラにより常に撮像領域を撮影している。そして、メインカメラによって撮像された画像信号のみがAGC、A/D変換部31、画像データ変換部32に転送されて画像データに変換され、画像劣化補正処理部33による画象劣化補正処理を経ずに画像処理部34に転送される。画像処理部34による処理によって、撮像画像中に経時的な変化があるかないかを常に調べ、変化が無ければ、警備員の詰め所等に設置している画像表示部42にその撮影画像を表示するだけで、画像データは先に転送せずに破棄する。動画像において経時変化が生じれば、CPU、内蔵メモリ部40のCPUを経て、撮像系20の全視点における撮像が開始される。全視点において撮影された画像出力信号は、CPU、内蔵メモリ部40のCPUにより決まったタイミングでデータ処理部30に時系列で転送される。
【0072】
又、この際の各視点における被写体撮影の色分解は、実施の形態1と同様、図12に示す各撮像素子表面の原色系カラーフィルタ配列によるものや、図18に示す各撮像素子表面の補色系カラーフィルタ配列によってなされる。
【0073】
各視点における撮像部から転送されてくる画像信号は、AGC、A/D変換部31、画像データ変換部32を経て画像劣化補正処理部33に転送される。撮像光学系21を構成するレンズ群は、どの視点のレンズも同じ設計値のレンズを用いて設計している。これらのレンズによる軸外色収差、歪曲、周辺光量落ちを画像劣化補正処理部33により補正する。上記補正のためのデータは、CPU、内蔵メモリ部40の内蔵メモリ部に格納されており、補正するためのデータは、レンズ設計値、レンズ収差データ、レンズ収差補正パラメータ、周辺光量特性データ、周辺光量特性補正パラメータ等、収差や周辺光量落ちの補正に有効なものであれば何でも良い。画像劣化補正処理部33による補正処理は、実施の形態1における手法と同様で良い。
【0074】
又、実施の形態3における3次元モデルディジタル撮像機器においては、図16に示すように各視点における撮像素子が他の撮像素子と角度をなしているので、2つの視点における撮影画像から3次元座標算出を行なうために式(1)を適応するためには、適応する2視点の画像の座標系が一致するように両画像、或は片方の画像にアフィン変換等の線形座標変換を施す必要がある。この公知な技術である2視点画像の座標系の統一を、33bの座標変換部において、集光レンズ21bによる収差補正のための座標変換と同時に線形座標変換することにより行なっても良い。
【0075】
上記の処理により撮像光学系21による画像劣化を取り除いた、或は十分に低減された画像データは、画像処理部34に転送され、輝度色分離処理、ホワイトバランス調整、グレイバランス調整、濃度調整、カラーバランス調整、エッジ強調等の各種の画像処理が施される。そして、画像処理部による画像処理を経た各視点における画像データは、一度CPU、内蔵メモリ部40に仮記憶され、必要な画像データごとに3次元モデルデータ構築処理部35に転送される。
【0076】
3次元モデルデータ構築処理部35による3次元モデルデータ構築処理に際しても、実施の形態1と同様の手順で行う。但し、演算量の低減のため、メインカメラによって検知された、動画中の経時変化が存在する領域でのみ3次元モデルデータを構築する。具体的には、メインカメラで経時変化が確認された領域を元に、他の視点との対応点検出を行い、それによって検出された領域のみ、3次元モデルデータを計算する。
【0077】
算出した3次元モデルデータは、圧縮処理部36による圧縮処理を受けた後、出力データメモリに格納される。又、必要に応じてデータインターフェース部から他の情報端末に転送可能な仕様となっている。
【0078】
以上説明したように、本実施の形態に係る3次元モデルディジタル撮像機器によれば、メインカメラによる動画撮影により撮像領域における侵入者を検知し、それを元に複数の視点を形成する広角レンズを搭載した撮像系によって得られる複数の画像とその幾何学的関係及び撮像光学系の特性データを元に、侵入者の誤差の小さい3次元モデルデータを取得する防犯用3次元モデル撮影システムが可能となる。
【0079】
又、本3次元モデルディジタル撮像機器によって補正可能な軸外色収差、歪曲、周辺光量落ちの性能を余り気にすることなく廉価な光学系を用いて撮像光学系を実現することにより、実用上充分な精度の3次元モデル撮影システムを安価に提供することが可能となる。
【0080】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、光学系による画像劣化を補正する処理がなされることにより、良好な精度の3次元モデル撮像機器を得ることが可能となる。
【0081】
又、本発明によれば、ディジタル撮像機器の光学系がズーム可能な場合や交換可能な場合であっても、光学系のズームステートの検知機構、交換レンズの種類の識別機構と、予めディジタル撮像機器の内蔵メモリに内蔵された光学系の収差、周辺光量落ち補正のためのデータを用いて、光学系による画像劣化を補正し、精度の高い3次元モデルデータ構築を行うことが可能である。
【0082】
更に、多視点3次元モデル撮像機器において、比較的光学性能の良くない廉価な光学系を用いてコストを抑えた撮像機器でも、光学系による画像劣化補正機能により、充分な精度を有した3次元モデル撮像機器を実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ステレオ撮影画像と被写体の3次元形状(座標)の関係図である。
【図2】被写体の全方位3次元モデルデータを求めるための撮影系である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るディジタル撮像機器の2視点入力の3次元モデル撮像ディジタルスチルカメラのシステムブロック図である。
【図4】図3における撮像機器の3次元モデル撮影の処理フローのチャートである。
【図5】図3における撮像機器において被写体を撮影した際の撮影画像である。
【図6】図3における画像劣化補正処理部の処理構成図である。
【図7】図3における画像データ変換部により変換された画像データのフォーマットの概略図である。
【図8】図3における画像劣化補正処理部のR,G,B表色系それぞれの座標変換処理で用いられる収差特性データの概略図である。
【図9】歪曲収差と軸外色収差の像高との関係を示すグラフデータである。
【図10】図3における画像劣化補正処理部による座標変換のなされた表色系R,G,Bそれぞれの2次元座標データの概略図である。
【図11】図3における画像劣化補正処理部により収差補正のために座標変換したR,G,B各表色系の座標と画像として抽出すべき領域の概略図である。
【図12】撮像素子の受光面に市松模様状に配列されたR,G,Bの各フィルタの配列例である。
【図13】図12のカラーフィルタによりデータ取得可能な各表色系の座標の概略図である。
【図14】本発明の実施の形態2に係る被写体に対し全方位からディジタル画像を撮影し、3次元モデルデータを取得する仕様の3次元モデルディジタル撮像機器の撮像素子の概略図である。
【図15】本発明の実施の形態2に係るディジタル撮像機器の多視点全方位入力の3次元モデル撮像ディジタルスチルカメラのシステムブロック図である。
【図16】本発明の実施の形態3に係るディジタル撮像機器の防犯用3次元モデル撮影システムの概略図である。
【図17】本発明の実施の形態3に係る防犯用3次元モデル撮影システムの処理フローのチャートである。
【図18】撮像素子の受光面に市松模様状に配列されたY,M,C,Gの各フィルタの配列例である。
【符号の説明】
10  被写体
20  撮像部
21  撮像光学系
21a 反射光学系
21b 集光レンズ
22  撮像素子
30  データ処理部
31  AGC、A/D変換部
32  画像データ変換部
33  画像劣化補正処理部
33a 周辺光量落ち補正部
33b 座標変換部
33c 補間処理部
34  画像処理部
35  3次元モデルデータ構築処理部
36  圧縮処理部
40  CPU、内蔵メモリ部
41  ユーザーインターフェース部
42  画像表示部
43  データインターフェース部
44  出力データメモリ
50  被写体照明系

Claims (8)

  1. 被写体に対し複数の撮影視点を構成する光学系、撮像素子、この撮像素子からの出力信号を処理してディジタル画像データに変換するデータ処理部、前記光学系による画像劣化を補正する画像劣化補正処理部、画像処理部、複数の撮影画像から3次元モデルデータを計算、構築する3次元モデルデータ構築処理部、処理中及び処理後の画像データ、3次元モデルデータを記憶するためのメモリ部を有する3次元モデル撮像機器であって、前記光学系の特性データと前記撮像素子から取り込まれた出力信号を元に、前記光学系による画像劣化を補正して画像劣化を抑えた劣化補正画像を作成し、各視点の劣化補正画像から被写体の3次元モデルデータを精度で取得することを特徴とするディジタル3次元モデル撮像機器。
  2. 前記光学系の特性データの特性値、或は取得する3次元モデルデータのタイプに応じて、前記画像劣化補正処理部による補正処理の実行、不実行の判断を行う画像劣化補正処理判断部を有することを特徴とする請求項1記載のディジタル3次元モデル撮像機器。
  3. 前記画像劣化補正処理部によって補正される前記画質劣化は、軸外色収差、歪曲収差、周辺光量落ちのうち、少なくとも何れか1つを含むことを特徴とする請求項1又は2記載のディジタル3次元モデル撮像機器。
  4. 前記画像劣化補正処理部による画像劣化補正処理が、前記画像処理部による画像処理よりも先に行われることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のディジタル3次元モデル撮像機器。
  5. 前記画像処理部による画像処理は、輝度/色分離処理、表色系変換処理のうち少なくとも何れか1つを含む請求項4記載のディジタル3次元モデル撮像機器。
  6. 前記撮像光学系がズーム可能で、且つ、ズームステートを検出可能な機構を有し、前記機構により前記撮像光学系のズームステートにおける特性データを得ることが可能な請求項1〜5の何れかに記載のディジタル3次元モデル撮像機器。
  7. 前記撮像光学系部分が交換可能で、且つ、撮像光学系の種類を識別可能な機構を有し、前記機構により前記撮像光学系における特性データを得ることが可能な請求項1〜6の何れに記載のディジタル3次元モデル撮像機器。
  8. 前記撮影光学系の特性データが前記ディジタル撮像機器に内蔵の記録媒体に保存されている、若しくは前記ディジタル撮像機器に着脱可能な記録媒体を介して内蔵の記録媒体に保存可能である、若しくは前記ディジタル撮像機器の記録媒体にアクセス可能なインターフェースを介してディジタル撮像機器内部の記録媒体に保存可能である請求項1〜7の何れかに記載のディジタル3次元モデル撮像機器。
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