JP2004006128A - 前方照明装置およびそれを備えている液晶表示装置 - Google Patents
前方照明装置およびそれを備えている液晶表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】被照明物としての液晶パネル8におけるモアレの発生を効果的に防止する。
【解決手段】フロントライトユニット1は、導光体4における平板部4aとプリズム部4bとの間に、プリズム部4bからの反射光を拡散する拡散性粘着層5を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】フロントライトユニット1は、導光体4における平板部4aとプリズム部4bとの間に、プリズム部4bからの反射光を拡散する拡散性粘着層5を備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型液晶表示装置等の表示装置に用いる前方照明装置およびそれを備えている液晶表示装置に関わるものである。特に、表示画像におけるモアレの発生を防止し得る前方照明装置およびそれを備えている液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
既存の液晶表示装置としての反射型液晶表示装置は、外部からの光を反射して表示を行う場合、暗いところでは液晶パネルでの反射光が少なくなるので、表示画像を見にくくなるという欠点がある。この欠点を解決するため、液晶パネルの前面にフロントライトユニットと呼ばれる補助光源を配置するのが一般的になってきている。
【0003】
フロントライトユニットとは、光源からの光を、プリズムを有する導光体で液晶パネルへ導くことにより、暗いところでも液晶パネルを光らせ、表示画像を視認できるようにするものである。このフロントライトユニットの構成について、図7を用いて説明する。
【0004】
図7に示すように、フロントライトユニット100は、光源200と、反射器300と、導光体400とからなる。光源200からの直接光と、光源200からの光が反射器300で反射された反射光とが、導光体400内を導光される。導光体400内を導光された光は、導光体400に設けられた複数のプリズム部400a…の斜面で反射され、基板700に設けられている液晶パネル500の方へ照射される。
【0005】
液晶パネル500の方へ照射された光は、偏光板600により偏光される。偏光された光は、液晶パネル500へ入り、液晶パネル500における各画素に配置された反射電極(図示せず)で反射され、再び偏光板600をとおり導光体400を通り出射される。この出射光により、暗いところでも液晶パネル500による表示画像を視認することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図8に示すように、導光体400における複数のプリズム部400a…は、直接視認できない程度の狭いピッチ(数10μm〜数100μm)で延設されている。これにより、光源200からの光を効率よく反射することができる。なお、同図に示すように、光源200は、ホルダ1000により保持されているとともに、ハーネス1100を介してコネクタ1200から電力が供給されるようになっている。
【0007】
しかしながら、プリズム部400a…と液晶パネル500の周縁部とが水平になるように形成されていると、液晶表示装置における各画素とプリズム部400a…のピッチとの関係によって、光の干渉がおこり“モアレ現象”が発生するという問題がある。なお、モアレ現象とは、表示画像に縞模様があるように見えてしまうことをいう。
【0008】
そこで、図8に示すように、従来のフロントライトユニット100では、モアレ現象を防止するために、プリズム部400a…を液晶パネル500に対して所定角度(チルト角)を持たせて配置している。
【0009】
しかしながら、導光体400のプリズム部400aは、プリズム部400aに対して直角に導光される光を反射する特性をもっている。すなわち、プリズム部400a…をチルト角を持たせて配置した場合には、チルト角を持たせずに配置した場合に比べて、光源200からプリズム部400aに直角に導光される光の量が少なくなってしまう。したがって、光源200からの光が十分に液晶パネル500の方へ反射していかず、液晶パネル500の照射効率が悪くなる場合がある。
【0010】
また、チルト角を持たせてプリズム部400a…を配置した場合、同図中太実線で囲む三角形状の部分においては、光源200からプリズム部400a…に直角に光が導かれることがない。したがって、液晶パネル500の一部において、三角形状に暗くなる部分(三角暗部)800が発生するという問題がある。
【0011】
また、上記したモアレ現象を解消するとともに、照射効率の低下や三角暗部の発生を防止すべく、図9に示すような構造の液晶パネルも提案されている。図9に示すように、従来のフロントライトユニット100を用いる他の液晶パネルでは、液晶パネル500と偏光板600との間に拡散性粘着層900が配置されている。
【0012】
上記構成の液晶パネルを用いると、拡散性粘着層900により、反射電極からの反射光が拡散される。すなわち、反射電極からの反射光に周期性がなくなり、モアレ現象が発生することがない。したがって、図10に示すように、プリズム部400a…を液晶パネル500に対して、チルト角を持たせず配置してもモアレ現象を防止することができる。また、導光体400のプリズム部400a…の全ての部分に、光源200から直角に光が導かれるので、三角暗部を発生させることもない。
【0013】
しかしながら、拡散性粘着層900は、偏光板600を通過してきた光を拡散してしまう。すなわち、偏光板600により偏光された光の偏光状態が拡散性粘着層900により乱されてしまい、フロントライトをオンしているかオフしているかに関わらず、液晶パネル500による表示画像のコントラストが低下してしまう。
【0014】
なお、反射型液晶表示装置で発生するモアレを防止する技術として、特開2001−108986号公報(平成13年4月20日公開)、特開平10−326515号公報(平成10年12月8日公開)、特開平10−268308号公報(平成10年10月9日公開)に開示された技術がある。しかしながら、これらの公報に開示された技術には、以下に説明するような問題点を有している。
【0015】
まず、特開2001−108986号公報に記載された技術は、液晶パネルの偏光板と、液晶パネルとの間に拡散層を配置する構成を採用している。しかしながら、偏光板と液晶との間に拡散層が配置されているために、偏光板で偏光された光が拡散されてしまう。これにより、表示画像のコントラストが低下するという問題点がある。
【0016】
また、特開平10−326515号公報に記載された技術では、導光体・散乱板・偏光板・液晶セルをこの順番で配置する構成を採用している。そして、該公報に記載された技術では、導光体からの出射光を散乱板で散乱させることにより、液晶セルへ出射する光を平均化し、光源からの輝度分布を均一化している。
【0017】
しかしながら、上記公報に記載された構成では、散乱板表面で表面反射された光が散乱板内部で拡散され、液晶セルまで到達しない場合がある。そのため、表示画像を視認した際、コントラストが低下したように見えるという問題がある。
【0018】
一方、特開平10−268308号公報に記載された技術では、導光体、散乱板、偏光板、およびガラス基板(液晶パネルの上部基板)のそれぞれの隙間に、充填材を導入する構成を採用している。さらに、導光体からガラス基板までの間に空気層を設けないことにより、表示品位の劣化等を防止できることが開示されている。そして、該公報に記載された構成では、導光体は、空気層との界面における屈折率の差を利用して、光を伝達している。
【0019】
しかしながら、該公報に記載された構成では、充填材が導入されることにより空気層が設けられていないので、空気層と導光体との界面が無く、屈折率差がほとんど無い。したがって、導光体により光が導光されなくなってしまううえに、散乱板で拡散された光が偏光板へ入り吸収されてしまうので、表示画像の輝度が低下したように見えてしまうという問題がある。
【0020】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、被照明物としての液晶表示装置におけるモアレの発生を効果的に防止することが可能な前方照明装置およびそれを備えている液晶表示装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の前方照明装置は、上記課題を解決するために、光源から光が入射される入射部と、該光源からの光を被照明物に向けて反射する反射部とを有している導光体を備え、被照明物の前方に配置されて使用される前方照明装置において、上記入射部と上記反射部との間に、上記反射部からの反射光を拡散する拡散部を備えていることを特徴としている。
【0022】
すなわち、本発明の前方照明装置は、光源から光が入射される入射部と、該光源からの光を被照明物に向けて反射する反射部とを有している導光体を備え、被照明物の前方に配置されて使用されるものである。そして、前方照明装置を介して被照明物としての液晶表示装置における表示画像を見た場合、表示画像にモアレが発生する場合がある。
【0023】
従来の前方照明装置では、上記のモアレを解消するために、液晶表示装置における偏光板と液晶との間に拡散層を設けたり、導光体における反射部を光源から光が入射される角度に対して傾けたりするようにされていた。しかしながら、従来の前方照明装置は、モアレを解消することはできても、モアレを解消することにより新たな問題点が生じていた。
【0024】
そこで、本発明の前方照明装置は、特に、入射部と反射部との間に、反射部からの反射光を拡散する拡散部を備えていることを特徴としている。
【0025】
上記構成によれば、導光体の内部に拡散部を設け、該拡散部により拡散された光が被照明物に導かれる。すなわち、被照明物に導かれる光は、拡散されることにより強度に関して周期性のない光となっている。したがって、被照明物が液晶表示装置である場合、液晶表示装置の各画素のピッチと、被照明物に導かれる光の強い位置とが一致する箇所が複数あったとしても、その箇所が周期性をもって出現するというようなことはない。それゆえ、前方照明装置を介して液晶表示装置における表示画像を見た場合でも、モアレが発生することはない。
【0026】
さらに、本発明によれば、導光体における反射部を、光源から光が入射される角度に対して傾けることなく、拡散部を設けることによりモアレを防止している。したがって、従来の前方照明装置とは異なり、三角暗部を発生させることもない。
【0027】
また、本発明によれば、導光体内に拡散部を設けているので、液晶表示装置に導かれる光を、偏光板に入射する前に拡散することができる。したがって、偏光度を低下させることがなく、表示画像のコントラストを低下させることも防止されている。なお、この点において、本願発明は特開2001−108986号公報に記載された技術に対する利点を有しているといえる。
【0028】
また、本発明によれば、特開平10−326515号公報に記載された技術とは異なり、導光体と液晶パネルとの間に散乱板を設けることなく、モアレの発生を防止している。つまり、該公報に記載された技術では、表示パネルと拡散板との間に空気層が設けられているため、拡散板での表面反射が多く、表示画像のコントラストが低下する。
【0029】
これに対し、本発明における拡散部と入射部との間には空気層がなく、拡散部での表面反射が少ない。したがって、該公報に記載された技術と比較すると、表示画像のコントラストを低下させることが無い。
【0030】
さらに、本発明によれば、特開平10−268308号公報に記載された技術とは異なり、導光体と液晶パネルとの間に充填材を導入しない。したがって、本発明では導光体により効率よく液晶表示装置に光源の光を導くことができるため、表示画像の輝度が低くなるという欠点も無い。
【0031】
以上のように、本発明によれば、被照明物としての液晶表示装置におけるモアレの発生を効果的に防止することが可能な前方照明装置を提供することができる。
【0032】
また、本発明の前方照明装置は、上記課題を解決するために、上記構成の前方照明装置において、上記反射部は、上記光源からの光を上記被照明物に向けて反射する第1の面と、上記被照明物からの反射光を透過する第2の面とからなるプリズム形状として形成されたものであるとともに、上記第1の面と上記第2の面とがなす稜線は、上記光源からの入射光に対して直角を成すように形成されていることを特徴としている。
【0033】
上記構成によれば、第1の面により被照明物に効率よく光源の光を導くことができるとともに、被照明物からの反射光を第2の面により透過してユーザの目に導くことができる。
【0034】
さらに、第1の面と第2の面とがなす稜線は、光源からの入射光に対して直角を成すように形成されているので、光源からの光を効率よく導くことができる。したがって、本発明によれば、より明るく被照明物を照明することができる前方照明装置を提供することができる。
【0035】
また、本発明の前方照明装置は、上記課題を解決するために、上記構成の前方照明装置において、上記拡散部のヘイズ値は、30%〜70%であることを特徴としている。
【0036】
上記構成によれば、拡散部のヘイズ値は30%〜70%に設定されている。本発明者らは、拡散部のヘイズ値が上記範囲であれば、前方照明装置を介して被照明物としての液晶表示装置における表示画像を見た場合における、表示画像のモアレ発生が効果的に防止されることを検討した。
【0037】
したがって、本発明によれば、被照明物としての液晶表示装置におけるモアレの発生をより効果的に防止することが可能な前方照明装置を提供することができる。
【0038】
また、本発明の前方照明装置は、上記課題を解決するために、上記構成の前方照明装置において、上記入射部、上記反射部、および上記拡散部の屈折率が等しいことを特徴としている。
【0039】
上記構成によれば、入射部と拡散部との界面、あるいは反射部と拡散部との界面において、屈折率が同じであるため、反射が起こらない。すなわち、光源の光を効率よく被照明物に導くことができるとともに、被照明物における反射光を効率よく前方照明装置を介してユーザの目に導くことができる。
【0040】
したがって、より明るく被照明物を照明することができるとともに、液晶表示装置における表示画像を、表示品位の低下を伴うことなく視認することができる。
【0041】
また、本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、上記したいずれかの構成の前方照明装置を備えていることを特徴としている。
【0042】
上記構成によれば、本発明の液晶表示装置は、上記したいずれかの構成の前方照明装置を備えている。ここで、上記した前方照明装置は、いずれの構成であっても、前方照明装置を介して被照明物としての液晶表示装置における表示画像を見た場合における、表示画像のモアレ発生を効果的に防止するものである。
【0043】
したがって、本発明の液晶表示装置によれば、モアレの発生を伴うことなく、暗いところでも前方照明装置に照らされた表示画像を視認することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0045】
図1に示すように、本実施の形態のフロントライトユニット(前方照明装置)1は、光源2と、反射器3と、導光体4とを備えている。
【0046】
光源2は、冷陰極管を使用するものであり、反射器3と導光体4とに向かって光を照射する。反射器3は、光源2から照射された光を、導光体4の方へ反射する。
【0047】
導光体4は、平板部(入射部)4aと、複数のプリズム部(反射部)4b…と、平板部4aと複数のプリズム部4b…との間に挟持された拡散性粘着層(拡散部)5とからなる。
【0048】
平板部4aは、アクリル等の透明な樹脂材料で形成されている。一方、プリズム部4bも、アクリルあるいはポリカーボネイト等の透明な樹脂材料で形成されている。なお、平板部4aおよびプリズム部4bの材料は、いずれもアクリル等に限定するわけではなく、透明な樹脂であれば良い。
【0049】
また、図2に示すように、隣接するプリズム部4b…のピッチ(Pp)は、数十μm〜数百μm程度であることが好ましい。なお、本実施の形態では、Pp=約200μmとなるように複数のプリズム部4b…を構成している。
【0050】
また、プリズム部4bは、光源2からの光を反射する面4cの角度βが、光源2からの光の入射方向に対して約43゜となるように形成されている。また、プリズム部4bにおける液晶パネル8(被照明物)からの反射光を透過する面4dの角度αは、光源2からの光の入射方向に対して約2.2゜となるように形成されている。
【0051】
拡散性粘着層5は、透明な粘着材(たとえばアクリル系の粘着材)に、光をいろいろな方向に反射または透過する拡散材(ガラスビーズやプラスチックビーズ等)を練りこんだものである。拡散性粘着層5は、含有する拡散材の量を変更することにより、その拡散性をコントロールすることができる。なお、粘着材はアクリル系の材料に限定されるわけではなく、透明なものであればよい。
【0052】
上記構成により、図1に示すように、導光体4は、光源2からの直接光と、反射器3で反射された光源2からの光とを、プリズム部4bにて反射する。プリズム部4bにて反射された光は、拡散性粘着層5により拡散され、偏光板7および液晶パネル8を有する基板6へと導かれる。
【0053】
なお、本実施の形態においては、プリズム部4bにて反射された光を、フロントライトユニット1に設けられた拡散性粘着層5により拡散して液晶パネル8を有する基板6へと導くことが特徴となっている。この本実施の形態の特徴点により得られる利点については、後述する。
【0054】
ところで、偏光板7により偏光され液晶パネル8に導かれた光は、液晶パネル8における各画素に配置された反射電極(図示せず)で反射され、再び偏光板7をとおり導光体4を介して出射される。この出射光により、暗いところでも液晶パネル8による表示画像を視認することができる。
【0055】
なお、図3に示すように、導光体4の複数のプリズム部4b…は、液晶パネル8に対して、チルト角を持たせずに配置されている。また、光源2は、ホルダ10により保持されているとともに、ハーネス11を介してコネクタ12から電力が供給されるようになっている。
【0056】
また、図4に、液晶パネル8のより具体的な構造を示す。図4(a)に示すように、液晶パネル8には、複数の画素13…がマトリクス状に配置されており、各画素の間には、ブラックマスク(図示せず)を備える境界領域14が形成されている。
【0057】
すなわち、図4(b)に示すように、液晶パネル8は、第1ガラス基板15と、第1ガラス基板15に対向するように配置される第2ガラス基板16とを備えている。そして、境界領域14は、第1ガラス基板15において第2ガラス基板16と対向する表面に形成されており、複数の画素13…は、第2ガラス基板16において第1ガラス基板15と対向する表面に形成されている。
【0058】
また、第1ガラス基板15と第2ガラス基板16との間には、液晶17が封入されており、該液晶17は、第1ガラス基板15および第2ガラス基板16の周縁部に設けられたシール部18により封止されている。
【0059】
ここで、境界領域14は、第1ガラス基板15において複数の画素13…と対向しない領域に形成されており、複数の画素13…は、第2ガラス基板16において境界領域14と対向しない領域に形成されている。つまり、液晶パネル8を第1ガラス基板15側からみると、図4(a)に示すように、境界領域14が格子状に形成されているとともに、複数の画素13…がマトリクス状に配置されている構成となっている。
【0060】
上記構成により、液晶パネル8は、第1ガラス基板15において境界領域14が形成されていない領域から複数の画素13…に入射される偏光板7(図1)からの光のみを反射する。一方、液晶パネル8は、第1ガラス基板15において境界領域14が形成されている領域に入射される光を、境界領域14に設けられたブラックマスク(図示せず)により吸収し、反射しないようにする。
【0061】
なお、隣接する画素13同士のピッチ(PLCD)は種々の値に設定することができる。本発明の実施例では、PLCD=255(μm)である。
【0062】
次に、プリズム部4bにて反射された光を、フロントライトユニット1に設けられた拡散性粘着層5により拡散して液晶パネル8を有する基板6へと導くことにより得られる利点について説明する。
【0063】
図1に示すように、導光体4の平板部4aを導光され、プリズム部4b…により液晶パネル8側へ反射された光は、複数のプリズム部4b…の稜線に沿うような強度の周期性がある光となっている。すなわち、複数のプリズム部4bが、略一定間隔のピッチPp(図2参照)にて配置されているために、プリズム部4bからの反射光にも強度の周期性が出現するのである。一方、プリズム部4b…と液晶パネル8とは、図3に示すように、チルト角を持たせずに配置されている。
【0064】
したがって、プリズム部4b…で反射した光が拡散されずにそのまま液晶パネル8に到達した場合には、プリズム部4bからの反射光が強い位置と、複数の画素13…における反射電極との位置が一致する箇所が周期的に現れる。一方、境界領域14に設けられたブラックマスクにより光が入射しないところでは、複数の画素13…における反射電極での反射光が無くなる。このように、液晶パネル8における反射光の強弱に周期性のあるむらが生じることにより、明暗の縞(モアレ)が表示画像に発生することとなる。
【0065】
しかしながら、本実施の形態においては、導光体4におけるプリズム部4bからの反射光は、拡散性粘着層5により拡散され、強度の周期性を失う。したがって、液晶パネル8に導かれる光は、強度の周期性のないものとなっている。
【0066】
すなわち、プリズム部4bからの反射光が強い位置と、複数の画素13…における反射電極との位置が一致する箇所が複数あったとしても、その箇所が周期性をもって出現するというようなことはない。したがって、表示画像にモアレが発生することが防止されている。
【0067】
また、プリズム部4bからの反射光は、偏光板7に入射される前に、拡散性粘着層5により拡散される。したがって、偏光度を低下させることがなく、表示画像のコントラストを低下させることも防止されている。
【0068】
なお、拡散性粘着層5は、平板部4aおよびプリズム部4bと屈折率が同等であることが望ましい。屈折率が異なっていると、拡散性粘着層5と平板部4a、あるいは拡散性粘着層5とプリズム部4bとの界面で反射が起こり、光源2からの光が十分に液晶パネル8まで導かれなかったり、液晶パネル8からの反射光が導光体4を介して十分にユーザの目まで届かないということが起きる。これにより、表示画像の品位を損なわれる場合があるからである。
【0069】
また、拡散性粘着層5の拡散性は、ヘイズ値が50%程度となるように設定されることが好ましい。しかしながら、ヘイズ値が、30%〜70%程度であってもモアレの発生を防止するという効果は、ヘイズ値が50%程度の場合とさほど変わらない。
【0070】
なお、拡散性粘着層5を、拡散性粘着層5と屈折率が略等しい導光体4とプリズム部4bとで挟持しているので、これらの部材の界面における反射や拡散は無い。つまり、拡散板を単純に導光体と液晶パネルとの間に入れる場合のような、表示画像のボケは発生しない。また、拡散性粘着層5のヘイズ値を30%〜70%にすることで、そのような表示画像のボケを最小限に抑えている。
【0071】
また、プリズム部のピッチPp(図2参照)を、液晶パネル8の画素ピッチPLCDよりも充分に小さくすれば、モアレが細かくなり目立ちにくくなる。しかしながら、ピッチPpを小さくすることには、金型加工の面から限界がある。一方で、ピッチPpを小さくし過ぎると、プリズム部4bが光源2からの光を全く反射しなくなってしまうおそれがある。すなわち、ピッチPpは、光の反射効率を担保するため、現実的には100μm程度までしか小さくできない。
【0072】
なお、光源2は、図1に示したように、冷陰極管を使用したものに限定されるわけではない。たとえば、図5に示すように、線状導光体19を反射器3内に設ける。そして、図6に示すように、LED(Light Emitting Diode)20により線状導光体19を発光させ、光源としてもよい。
【0073】
このように、本実施の形態のフロントライトユニット1は、平板部4aとプリズム部4bとの間に、プリズム部4bからの反射光を拡散する拡散性粘着層5を備えているものである。
【0074】
上記構成によれば、導光体4の内部に拡散性粘着層5を設け、拡散性粘着層5により拡散された光が液晶パネル8に導かれる。すなわち、液晶パネル8に導かれる光は、拡散されることにより強度に関して周期性のない光となっている。したがって、液晶パネル8の各画素のピッチと、液晶パネル8に導かれる光の強い位置とが一致する箇所が複数あったとしても、その箇所が周期性をもって出現するというようなことはない。それゆえ、フロントライトユニット1を介して液晶パネル8における表示画像を見た場合でも、モアレが発生することはない。
【0075】
さらに、本実施の形態のフロントライトユニット1によれば、導光体4におけるプリズム部4bを、光源2から光が入射される角度に対して傾けることなく、拡散性粘着層5を設けることによりモアレを防止している。したがって、従来のフロントライトユニットとは異なり、三角暗部を発生させることもない。
【0076】
また、本実施の形態のフロントライトユニット1によれば、導光体4内に拡散性粘着層5を設けているので、液晶パネル8に導かれる光を、偏光板7に入射する前に拡散することができる。したがって、偏光度を低下させることがなく、表示画像のコントラストを低下させることも防止されている。
【0077】
以上のように、本実施の形態のフロントライトユニット1によれば、液晶パネル8におけるモアレの発生を効果的に防止することができる。
【0078】
また、本実施の形態のフロントライトユニット1は、プリズム部4bが、光源2からの光を液晶パネル8に向けて反射する第1の面4cと、液晶パネル8からの反射光を透過する第2の面4dとからなるプリズム形状として形成されたものであるとともに、各プリズム形状における第1の面4cと第2の面4dとがなす稜線は、光源2からの入射光に対して直角を成すように形成されているものである。
【0079】
上記構成によれば、第1の面4cにより液晶パネル8に効率よく光源2の光を導くことができるとともに、液晶パネル8からの反射光を第2の面4dにより透過してユーザの目に導くことができる。
【0080】
さらに、第1の面4cと第2の面4dとがなす稜線は、光源2からの入射光に対して直角を成すように形成されているので、光源2からの光を効率よく導くことができる。したがって、より明るく液晶パネル8を照明することができる。
【0081】
また、本実施の形態のフロントライトユニット1は、拡散性粘着層5のヘイズ値が、30%〜70%である。
【0082】
本発明者らは、拡散性粘着層5のヘイズ値が上記範囲であれば、フロントライトユニット1を介して液晶パネル8における表示画像を見た場合における、表示画像のモアレ発生が効果的に防止されることを検討した。したがって、液晶パネル8におけるモアレの発生をより効果的に防止することができる。
【0083】
また、本実施の形態のフロントライトユニット1は、平板部4a、プリズム部4b、および拡散性粘着層5の屈折率が等しいものである。
【0084】
上記構成によれば、平板部4aと拡散性粘着層5との界面、あるいはプリズム部4bと拡散性粘着層5との界面において、屈折率が同じであるため、反射が起こらない。すなわち、光源2の光を効率よく液晶パネル8に導くことができるとともに、液晶パネル8における反射光を効率よくフロントライトユニット1を介してユーザの目に導くことができる。
【0085】
したがって、より明るく液晶パネル8を照明することができるとともに、液晶パネル8における表示画像を、表示品位の低下を伴うことなく視認することができる。
【0086】
また、本実施の形態の液晶表示装置は、上記した構成のフロントライトユニット1を備えているものである。
【0087】
ここで、上記したフロントライトユニット1は、フロントライトユニット1を介して液晶パネル8における表示画像を見た場合における、表示画像のモアレ発生を効果的に防止するものである。
【0088】
したがって、本実施の形態の液晶表示装置によれば、モアレの発生を伴うことなく、暗いところでもフロントライトユニット1に照らされた表示画像を視認することができる。
【0089】
尚、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に係る発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を取ることができる。たとえば、光源の形状、寸法、偏光板の種類、あるいは液晶パネルの種類等、用途に対応して適宜変更することができる。
【0090】
【発明の効果】
本発明の前方照明装置は、以上のように、導光体における入射部と反射部との間に、反射部からの反射光を拡散する拡散部を備えているものである。
【0091】
上記構成によれば、導光体の内部に拡散部を設け、該拡散部により拡散された光が被照明物に導かれる。すなわち、被照明物に導かれる光は、拡散されることにより強度に関して周期性のない光となっている。したがって、被照明物が液晶表示装置である場合、液晶表示装置の各画素のピッチと、被照明物に導かれる光の強い位置とが一致する箇所が複数あったとしても、その箇所が周期性をもって出現するというようなことはない。それゆえ、前方照明装置を介して液晶表示装置における表示画像を見た場合でも、モアレが発生することはない。
【0092】
さらに、本発明によれば、導光体における反射部を、光源から光が入射される角度に対して傾けることなく、拡散部を設けることによりモアレを防止している。したがって、従来の前方照明装置とは異なり、三角暗部を発生させることもない。
【0093】
また、本発明によれば、導光体内に拡散部を設けているので、液晶表示装置に導かれる光を、偏光板に入射する前に拡散することができる。したがって、偏光度を低下させることがなく、表示画像のコントラストを低下させることも防止されている。
【0094】
以上のように、本発明によれば、被照明物としての液晶表示装置におけるモアレの発生を効果的に防止することが可能な前方照明装置を提供することができるという効果を奏する。
【0095】
また、本発明の前方照明装置は、以上のように、上記構成の前方照明装置において、上記反射部は、上記光源からの光を上記被照明物に向けて反射する第1の面と、上記被照明物からの反射光を透過する第2の面とからなるプリズム形状として形成されたものであるとともに、上記第1の面と上記第2の面とがなす稜線は、上記光源からの入射光に対して直角を成すように形成されているものである。
【0096】
上記構成によれば、第1の面により被照明物に効率よく光源の光を導くことができるとともに、被照明物からの反射光を第2の面により透過してユーザの目に導くことができる。
【0097】
さらに、第1の面と第2の面とがなす稜線は、光源からの入射光に対して直角を成すように形成されているので、光源からの光を効率よく導くことができる。したがって、本発明によれば、より明るく被照明物を照明することができる前方照明装置を提供することができるという効果を奏する。
【0098】
また、本発明の前方照明装置は、以上のように、上記構成の前方照明装置において、上記拡散部のヘイズ値は、30%〜70%であるものである。
【0099】
上記構成によれば、拡散部のヘイズ値は30%〜70%に設定されている。本発明者らは、拡散部のヘイズ値が上記範囲であれば、前方照明装置を介して被照明物としての液晶表示装置における表示画像を見た場合における、表示画像のモアレ発生が効果的に防止されることを検討した。
【0100】
したがって、本発明によれば、被照明物としての液晶表示装置におけるモアレの発生をより効果的に防止することが可能な前方照明装置を提供することができるという効果を奏する。
【0101】
また、本発明の前方照明装置は、以上のように、上記入射部、上記反射部、および上記拡散部の屈折率が等しいものである。
【0102】
上記構成によれば、入射部と拡散部との界面、あるいは反射部と拡散部との界面において、屈折率が同じであるため、反射が起こらない。すなわち、光源の光を効率よく被照明物に導くことができるとともに、被照明物における反射光を効率よく前方照明装置を介してユーザの目に導くことができる。
【0103】
したがって、より明るく被照明物を照明することができるとともに、液晶表示装置における表示画像を、表示品位の低下を伴うことなく視認することができるという効果を奏する。
【0104】
また、本発明の液晶表示装置は、以上のように、上記したいずれかの構成の前方照明装置を備えているものである。
【0105】
上記構成によれば、本発明の液晶表示装置は、上記したいずれかの構成の前方照明装置を備えている。ここで、上記した前方照明装置は、いずれの構成であっても、前方照明装置を介して被照明物としての液晶表示装置における表示画像を見た場合における、表示画像のモアレ発生を効果的に防止するものである。
【0106】
したがって、本発明の液晶表示装置によれば、モアレの発生を伴うことなく、暗いところでも前方照明装置に照らされた表示画像を視認することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における前方照明装置の実施の一形態を示す断面図である。
【図2】図1の前方照明装置における導光体を示す断面図である。
【図3】図1の前方照明装置を備えている液晶表示装置の平面図である。
【図4】(a)は、図3の液晶表示装置における液晶パネルの平面図であり、(b)は、図3の液晶表示装置における液晶パネルの断面図である。
【図5】本発明における前方照明装置の他の実施の形態を示す断面図である。
【図6】図5の前方照明装置を備えている液晶表示装置の平面図である。
【図7】従来の前方照明装置を示す断面図である。
【図8】図7の前方照明装置を備えている液晶表示装置の平面図である。
【図9】従来の他の前方照明装置を示す断面図である。
【図10】図9の前方照明装置を備えている液晶表示装置の平面図である。
【符号の説明】
1 フロントライトユニット(前方照明装置)
2 光源
4 導光体
4a 平板部(入射部)
4b プリズム部(反射部)
5 拡散性粘着層(拡散部)
8 液晶パネル(被照明物)
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射型液晶表示装置等の表示装置に用いる前方照明装置およびそれを備えている液晶表示装置に関わるものである。特に、表示画像におけるモアレの発生を防止し得る前方照明装置およびそれを備えている液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
既存の液晶表示装置としての反射型液晶表示装置は、外部からの光を反射して表示を行う場合、暗いところでは液晶パネルでの反射光が少なくなるので、表示画像を見にくくなるという欠点がある。この欠点を解決するため、液晶パネルの前面にフロントライトユニットと呼ばれる補助光源を配置するのが一般的になってきている。
【0003】
フロントライトユニットとは、光源からの光を、プリズムを有する導光体で液晶パネルへ導くことにより、暗いところでも液晶パネルを光らせ、表示画像を視認できるようにするものである。このフロントライトユニットの構成について、図7を用いて説明する。
【0004】
図7に示すように、フロントライトユニット100は、光源200と、反射器300と、導光体400とからなる。光源200からの直接光と、光源200からの光が反射器300で反射された反射光とが、導光体400内を導光される。導光体400内を導光された光は、導光体400に設けられた複数のプリズム部400a…の斜面で反射され、基板700に設けられている液晶パネル500の方へ照射される。
【0005】
液晶パネル500の方へ照射された光は、偏光板600により偏光される。偏光された光は、液晶パネル500へ入り、液晶パネル500における各画素に配置された反射電極(図示せず)で反射され、再び偏光板600をとおり導光体400を通り出射される。この出射光により、暗いところでも液晶パネル500による表示画像を視認することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図8に示すように、導光体400における複数のプリズム部400a…は、直接視認できない程度の狭いピッチ(数10μm〜数100μm)で延設されている。これにより、光源200からの光を効率よく反射することができる。なお、同図に示すように、光源200は、ホルダ1000により保持されているとともに、ハーネス1100を介してコネクタ1200から電力が供給されるようになっている。
【0007】
しかしながら、プリズム部400a…と液晶パネル500の周縁部とが水平になるように形成されていると、液晶表示装置における各画素とプリズム部400a…のピッチとの関係によって、光の干渉がおこり“モアレ現象”が発生するという問題がある。なお、モアレ現象とは、表示画像に縞模様があるように見えてしまうことをいう。
【0008】
そこで、図8に示すように、従来のフロントライトユニット100では、モアレ現象を防止するために、プリズム部400a…を液晶パネル500に対して所定角度(チルト角)を持たせて配置している。
【0009】
しかしながら、導光体400のプリズム部400aは、プリズム部400aに対して直角に導光される光を反射する特性をもっている。すなわち、プリズム部400a…をチルト角を持たせて配置した場合には、チルト角を持たせずに配置した場合に比べて、光源200からプリズム部400aに直角に導光される光の量が少なくなってしまう。したがって、光源200からの光が十分に液晶パネル500の方へ反射していかず、液晶パネル500の照射効率が悪くなる場合がある。
【0010】
また、チルト角を持たせてプリズム部400a…を配置した場合、同図中太実線で囲む三角形状の部分においては、光源200からプリズム部400a…に直角に光が導かれることがない。したがって、液晶パネル500の一部において、三角形状に暗くなる部分(三角暗部)800が発生するという問題がある。
【0011】
また、上記したモアレ現象を解消するとともに、照射効率の低下や三角暗部の発生を防止すべく、図9に示すような構造の液晶パネルも提案されている。図9に示すように、従来のフロントライトユニット100を用いる他の液晶パネルでは、液晶パネル500と偏光板600との間に拡散性粘着層900が配置されている。
【0012】
上記構成の液晶パネルを用いると、拡散性粘着層900により、反射電極からの反射光が拡散される。すなわち、反射電極からの反射光に周期性がなくなり、モアレ現象が発生することがない。したがって、図10に示すように、プリズム部400a…を液晶パネル500に対して、チルト角を持たせず配置してもモアレ現象を防止することができる。また、導光体400のプリズム部400a…の全ての部分に、光源200から直角に光が導かれるので、三角暗部を発生させることもない。
【0013】
しかしながら、拡散性粘着層900は、偏光板600を通過してきた光を拡散してしまう。すなわち、偏光板600により偏光された光の偏光状態が拡散性粘着層900により乱されてしまい、フロントライトをオンしているかオフしているかに関わらず、液晶パネル500による表示画像のコントラストが低下してしまう。
【0014】
なお、反射型液晶表示装置で発生するモアレを防止する技術として、特開2001−108986号公報(平成13年4月20日公開)、特開平10−326515号公報(平成10年12月8日公開)、特開平10−268308号公報(平成10年10月9日公開)に開示された技術がある。しかしながら、これらの公報に開示された技術には、以下に説明するような問題点を有している。
【0015】
まず、特開2001−108986号公報に記載された技術は、液晶パネルの偏光板と、液晶パネルとの間に拡散層を配置する構成を採用している。しかしながら、偏光板と液晶との間に拡散層が配置されているために、偏光板で偏光された光が拡散されてしまう。これにより、表示画像のコントラストが低下するという問題点がある。
【0016】
また、特開平10−326515号公報に記載された技術では、導光体・散乱板・偏光板・液晶セルをこの順番で配置する構成を採用している。そして、該公報に記載された技術では、導光体からの出射光を散乱板で散乱させることにより、液晶セルへ出射する光を平均化し、光源からの輝度分布を均一化している。
【0017】
しかしながら、上記公報に記載された構成では、散乱板表面で表面反射された光が散乱板内部で拡散され、液晶セルまで到達しない場合がある。そのため、表示画像を視認した際、コントラストが低下したように見えるという問題がある。
【0018】
一方、特開平10−268308号公報に記載された技術では、導光体、散乱板、偏光板、およびガラス基板(液晶パネルの上部基板)のそれぞれの隙間に、充填材を導入する構成を採用している。さらに、導光体からガラス基板までの間に空気層を設けないことにより、表示品位の劣化等を防止できることが開示されている。そして、該公報に記載された構成では、導光体は、空気層との界面における屈折率の差を利用して、光を伝達している。
【0019】
しかしながら、該公報に記載された構成では、充填材が導入されることにより空気層が設けられていないので、空気層と導光体との界面が無く、屈折率差がほとんど無い。したがって、導光体により光が導光されなくなってしまううえに、散乱板で拡散された光が偏光板へ入り吸収されてしまうので、表示画像の輝度が低下したように見えてしまうという問題がある。
【0020】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、被照明物としての液晶表示装置におけるモアレの発生を効果的に防止することが可能な前方照明装置およびそれを備えている液晶表示装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の前方照明装置は、上記課題を解決するために、光源から光が入射される入射部と、該光源からの光を被照明物に向けて反射する反射部とを有している導光体を備え、被照明物の前方に配置されて使用される前方照明装置において、上記入射部と上記反射部との間に、上記反射部からの反射光を拡散する拡散部を備えていることを特徴としている。
【0022】
すなわち、本発明の前方照明装置は、光源から光が入射される入射部と、該光源からの光を被照明物に向けて反射する反射部とを有している導光体を備え、被照明物の前方に配置されて使用されるものである。そして、前方照明装置を介して被照明物としての液晶表示装置における表示画像を見た場合、表示画像にモアレが発生する場合がある。
【0023】
従来の前方照明装置では、上記のモアレを解消するために、液晶表示装置における偏光板と液晶との間に拡散層を設けたり、導光体における反射部を光源から光が入射される角度に対して傾けたりするようにされていた。しかしながら、従来の前方照明装置は、モアレを解消することはできても、モアレを解消することにより新たな問題点が生じていた。
【0024】
そこで、本発明の前方照明装置は、特に、入射部と反射部との間に、反射部からの反射光を拡散する拡散部を備えていることを特徴としている。
【0025】
上記構成によれば、導光体の内部に拡散部を設け、該拡散部により拡散された光が被照明物に導かれる。すなわち、被照明物に導かれる光は、拡散されることにより強度に関して周期性のない光となっている。したがって、被照明物が液晶表示装置である場合、液晶表示装置の各画素のピッチと、被照明物に導かれる光の強い位置とが一致する箇所が複数あったとしても、その箇所が周期性をもって出現するというようなことはない。それゆえ、前方照明装置を介して液晶表示装置における表示画像を見た場合でも、モアレが発生することはない。
【0026】
さらに、本発明によれば、導光体における反射部を、光源から光が入射される角度に対して傾けることなく、拡散部を設けることによりモアレを防止している。したがって、従来の前方照明装置とは異なり、三角暗部を発生させることもない。
【0027】
また、本発明によれば、導光体内に拡散部を設けているので、液晶表示装置に導かれる光を、偏光板に入射する前に拡散することができる。したがって、偏光度を低下させることがなく、表示画像のコントラストを低下させることも防止されている。なお、この点において、本願発明は特開2001−108986号公報に記載された技術に対する利点を有しているといえる。
【0028】
また、本発明によれば、特開平10−326515号公報に記載された技術とは異なり、導光体と液晶パネルとの間に散乱板を設けることなく、モアレの発生を防止している。つまり、該公報に記載された技術では、表示パネルと拡散板との間に空気層が設けられているため、拡散板での表面反射が多く、表示画像のコントラストが低下する。
【0029】
これに対し、本発明における拡散部と入射部との間には空気層がなく、拡散部での表面反射が少ない。したがって、該公報に記載された技術と比較すると、表示画像のコントラストを低下させることが無い。
【0030】
さらに、本発明によれば、特開平10−268308号公報に記載された技術とは異なり、導光体と液晶パネルとの間に充填材を導入しない。したがって、本発明では導光体により効率よく液晶表示装置に光源の光を導くことができるため、表示画像の輝度が低くなるという欠点も無い。
【0031】
以上のように、本発明によれば、被照明物としての液晶表示装置におけるモアレの発生を効果的に防止することが可能な前方照明装置を提供することができる。
【0032】
また、本発明の前方照明装置は、上記課題を解決するために、上記構成の前方照明装置において、上記反射部は、上記光源からの光を上記被照明物に向けて反射する第1の面と、上記被照明物からの反射光を透過する第2の面とからなるプリズム形状として形成されたものであるとともに、上記第1の面と上記第2の面とがなす稜線は、上記光源からの入射光に対して直角を成すように形成されていることを特徴としている。
【0033】
上記構成によれば、第1の面により被照明物に効率よく光源の光を導くことができるとともに、被照明物からの反射光を第2の面により透過してユーザの目に導くことができる。
【0034】
さらに、第1の面と第2の面とがなす稜線は、光源からの入射光に対して直角を成すように形成されているので、光源からの光を効率よく導くことができる。したがって、本発明によれば、より明るく被照明物を照明することができる前方照明装置を提供することができる。
【0035】
また、本発明の前方照明装置は、上記課題を解決するために、上記構成の前方照明装置において、上記拡散部のヘイズ値は、30%〜70%であることを特徴としている。
【0036】
上記構成によれば、拡散部のヘイズ値は30%〜70%に設定されている。本発明者らは、拡散部のヘイズ値が上記範囲であれば、前方照明装置を介して被照明物としての液晶表示装置における表示画像を見た場合における、表示画像のモアレ発生が効果的に防止されることを検討した。
【0037】
したがって、本発明によれば、被照明物としての液晶表示装置におけるモアレの発生をより効果的に防止することが可能な前方照明装置を提供することができる。
【0038】
また、本発明の前方照明装置は、上記課題を解決するために、上記構成の前方照明装置において、上記入射部、上記反射部、および上記拡散部の屈折率が等しいことを特徴としている。
【0039】
上記構成によれば、入射部と拡散部との界面、あるいは反射部と拡散部との界面において、屈折率が同じであるため、反射が起こらない。すなわち、光源の光を効率よく被照明物に導くことができるとともに、被照明物における反射光を効率よく前方照明装置を介してユーザの目に導くことができる。
【0040】
したがって、より明るく被照明物を照明することができるとともに、液晶表示装置における表示画像を、表示品位の低下を伴うことなく視認することができる。
【0041】
また、本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決するために、上記したいずれかの構成の前方照明装置を備えていることを特徴としている。
【0042】
上記構成によれば、本発明の液晶表示装置は、上記したいずれかの構成の前方照明装置を備えている。ここで、上記した前方照明装置は、いずれの構成であっても、前方照明装置を介して被照明物としての液晶表示装置における表示画像を見た場合における、表示画像のモアレ発生を効果的に防止するものである。
【0043】
したがって、本発明の液晶表示装置によれば、モアレの発生を伴うことなく、暗いところでも前方照明装置に照らされた表示画像を視認することができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について、図1ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0045】
図1に示すように、本実施の形態のフロントライトユニット(前方照明装置)1は、光源2と、反射器3と、導光体4とを備えている。
【0046】
光源2は、冷陰極管を使用するものであり、反射器3と導光体4とに向かって光を照射する。反射器3は、光源2から照射された光を、導光体4の方へ反射する。
【0047】
導光体4は、平板部(入射部)4aと、複数のプリズム部(反射部)4b…と、平板部4aと複数のプリズム部4b…との間に挟持された拡散性粘着層(拡散部)5とからなる。
【0048】
平板部4aは、アクリル等の透明な樹脂材料で形成されている。一方、プリズム部4bも、アクリルあるいはポリカーボネイト等の透明な樹脂材料で形成されている。なお、平板部4aおよびプリズム部4bの材料は、いずれもアクリル等に限定するわけではなく、透明な樹脂であれば良い。
【0049】
また、図2に示すように、隣接するプリズム部4b…のピッチ(Pp)は、数十μm〜数百μm程度であることが好ましい。なお、本実施の形態では、Pp=約200μmとなるように複数のプリズム部4b…を構成している。
【0050】
また、プリズム部4bは、光源2からの光を反射する面4cの角度βが、光源2からの光の入射方向に対して約43゜となるように形成されている。また、プリズム部4bにおける液晶パネル8(被照明物)からの反射光を透過する面4dの角度αは、光源2からの光の入射方向に対して約2.2゜となるように形成されている。
【0051】
拡散性粘着層5は、透明な粘着材(たとえばアクリル系の粘着材)に、光をいろいろな方向に反射または透過する拡散材(ガラスビーズやプラスチックビーズ等)を練りこんだものである。拡散性粘着層5は、含有する拡散材の量を変更することにより、その拡散性をコントロールすることができる。なお、粘着材はアクリル系の材料に限定されるわけではなく、透明なものであればよい。
【0052】
上記構成により、図1に示すように、導光体4は、光源2からの直接光と、反射器3で反射された光源2からの光とを、プリズム部4bにて反射する。プリズム部4bにて反射された光は、拡散性粘着層5により拡散され、偏光板7および液晶パネル8を有する基板6へと導かれる。
【0053】
なお、本実施の形態においては、プリズム部4bにて反射された光を、フロントライトユニット1に設けられた拡散性粘着層5により拡散して液晶パネル8を有する基板6へと導くことが特徴となっている。この本実施の形態の特徴点により得られる利点については、後述する。
【0054】
ところで、偏光板7により偏光され液晶パネル8に導かれた光は、液晶パネル8における各画素に配置された反射電極(図示せず)で反射され、再び偏光板7をとおり導光体4を介して出射される。この出射光により、暗いところでも液晶パネル8による表示画像を視認することができる。
【0055】
なお、図3に示すように、導光体4の複数のプリズム部4b…は、液晶パネル8に対して、チルト角を持たせずに配置されている。また、光源2は、ホルダ10により保持されているとともに、ハーネス11を介してコネクタ12から電力が供給されるようになっている。
【0056】
また、図4に、液晶パネル8のより具体的な構造を示す。図4(a)に示すように、液晶パネル8には、複数の画素13…がマトリクス状に配置されており、各画素の間には、ブラックマスク(図示せず)を備える境界領域14が形成されている。
【0057】
すなわち、図4(b)に示すように、液晶パネル8は、第1ガラス基板15と、第1ガラス基板15に対向するように配置される第2ガラス基板16とを備えている。そして、境界領域14は、第1ガラス基板15において第2ガラス基板16と対向する表面に形成されており、複数の画素13…は、第2ガラス基板16において第1ガラス基板15と対向する表面に形成されている。
【0058】
また、第1ガラス基板15と第2ガラス基板16との間には、液晶17が封入されており、該液晶17は、第1ガラス基板15および第2ガラス基板16の周縁部に設けられたシール部18により封止されている。
【0059】
ここで、境界領域14は、第1ガラス基板15において複数の画素13…と対向しない領域に形成されており、複数の画素13…は、第2ガラス基板16において境界領域14と対向しない領域に形成されている。つまり、液晶パネル8を第1ガラス基板15側からみると、図4(a)に示すように、境界領域14が格子状に形成されているとともに、複数の画素13…がマトリクス状に配置されている構成となっている。
【0060】
上記構成により、液晶パネル8は、第1ガラス基板15において境界領域14が形成されていない領域から複数の画素13…に入射される偏光板7(図1)からの光のみを反射する。一方、液晶パネル8は、第1ガラス基板15において境界領域14が形成されている領域に入射される光を、境界領域14に設けられたブラックマスク(図示せず)により吸収し、反射しないようにする。
【0061】
なお、隣接する画素13同士のピッチ(PLCD)は種々の値に設定することができる。本発明の実施例では、PLCD=255(μm)である。
【0062】
次に、プリズム部4bにて反射された光を、フロントライトユニット1に設けられた拡散性粘着層5により拡散して液晶パネル8を有する基板6へと導くことにより得られる利点について説明する。
【0063】
図1に示すように、導光体4の平板部4aを導光され、プリズム部4b…により液晶パネル8側へ反射された光は、複数のプリズム部4b…の稜線に沿うような強度の周期性がある光となっている。すなわち、複数のプリズム部4bが、略一定間隔のピッチPp(図2参照)にて配置されているために、プリズム部4bからの反射光にも強度の周期性が出現するのである。一方、プリズム部4b…と液晶パネル8とは、図3に示すように、チルト角を持たせずに配置されている。
【0064】
したがって、プリズム部4b…で反射した光が拡散されずにそのまま液晶パネル8に到達した場合には、プリズム部4bからの反射光が強い位置と、複数の画素13…における反射電極との位置が一致する箇所が周期的に現れる。一方、境界領域14に設けられたブラックマスクにより光が入射しないところでは、複数の画素13…における反射電極での反射光が無くなる。このように、液晶パネル8における反射光の強弱に周期性のあるむらが生じることにより、明暗の縞(モアレ)が表示画像に発生することとなる。
【0065】
しかしながら、本実施の形態においては、導光体4におけるプリズム部4bからの反射光は、拡散性粘着層5により拡散され、強度の周期性を失う。したがって、液晶パネル8に導かれる光は、強度の周期性のないものとなっている。
【0066】
すなわち、プリズム部4bからの反射光が強い位置と、複数の画素13…における反射電極との位置が一致する箇所が複数あったとしても、その箇所が周期性をもって出現するというようなことはない。したがって、表示画像にモアレが発生することが防止されている。
【0067】
また、プリズム部4bからの反射光は、偏光板7に入射される前に、拡散性粘着層5により拡散される。したがって、偏光度を低下させることがなく、表示画像のコントラストを低下させることも防止されている。
【0068】
なお、拡散性粘着層5は、平板部4aおよびプリズム部4bと屈折率が同等であることが望ましい。屈折率が異なっていると、拡散性粘着層5と平板部4a、あるいは拡散性粘着層5とプリズム部4bとの界面で反射が起こり、光源2からの光が十分に液晶パネル8まで導かれなかったり、液晶パネル8からの反射光が導光体4を介して十分にユーザの目まで届かないということが起きる。これにより、表示画像の品位を損なわれる場合があるからである。
【0069】
また、拡散性粘着層5の拡散性は、ヘイズ値が50%程度となるように設定されることが好ましい。しかしながら、ヘイズ値が、30%〜70%程度であってもモアレの発生を防止するという効果は、ヘイズ値が50%程度の場合とさほど変わらない。
【0070】
なお、拡散性粘着層5を、拡散性粘着層5と屈折率が略等しい導光体4とプリズム部4bとで挟持しているので、これらの部材の界面における反射や拡散は無い。つまり、拡散板を単純に導光体と液晶パネルとの間に入れる場合のような、表示画像のボケは発生しない。また、拡散性粘着層5のヘイズ値を30%〜70%にすることで、そのような表示画像のボケを最小限に抑えている。
【0071】
また、プリズム部のピッチPp(図2参照)を、液晶パネル8の画素ピッチPLCDよりも充分に小さくすれば、モアレが細かくなり目立ちにくくなる。しかしながら、ピッチPpを小さくすることには、金型加工の面から限界がある。一方で、ピッチPpを小さくし過ぎると、プリズム部4bが光源2からの光を全く反射しなくなってしまうおそれがある。すなわち、ピッチPpは、光の反射効率を担保するため、現実的には100μm程度までしか小さくできない。
【0072】
なお、光源2は、図1に示したように、冷陰極管を使用したものに限定されるわけではない。たとえば、図5に示すように、線状導光体19を反射器3内に設ける。そして、図6に示すように、LED(Light Emitting Diode)20により線状導光体19を発光させ、光源としてもよい。
【0073】
このように、本実施の形態のフロントライトユニット1は、平板部4aとプリズム部4bとの間に、プリズム部4bからの反射光を拡散する拡散性粘着層5を備えているものである。
【0074】
上記構成によれば、導光体4の内部に拡散性粘着層5を設け、拡散性粘着層5により拡散された光が液晶パネル8に導かれる。すなわち、液晶パネル8に導かれる光は、拡散されることにより強度に関して周期性のない光となっている。したがって、液晶パネル8の各画素のピッチと、液晶パネル8に導かれる光の強い位置とが一致する箇所が複数あったとしても、その箇所が周期性をもって出現するというようなことはない。それゆえ、フロントライトユニット1を介して液晶パネル8における表示画像を見た場合でも、モアレが発生することはない。
【0075】
さらに、本実施の形態のフロントライトユニット1によれば、導光体4におけるプリズム部4bを、光源2から光が入射される角度に対して傾けることなく、拡散性粘着層5を設けることによりモアレを防止している。したがって、従来のフロントライトユニットとは異なり、三角暗部を発生させることもない。
【0076】
また、本実施の形態のフロントライトユニット1によれば、導光体4内に拡散性粘着層5を設けているので、液晶パネル8に導かれる光を、偏光板7に入射する前に拡散することができる。したがって、偏光度を低下させることがなく、表示画像のコントラストを低下させることも防止されている。
【0077】
以上のように、本実施の形態のフロントライトユニット1によれば、液晶パネル8におけるモアレの発生を効果的に防止することができる。
【0078】
また、本実施の形態のフロントライトユニット1は、プリズム部4bが、光源2からの光を液晶パネル8に向けて反射する第1の面4cと、液晶パネル8からの反射光を透過する第2の面4dとからなるプリズム形状として形成されたものであるとともに、各プリズム形状における第1の面4cと第2の面4dとがなす稜線は、光源2からの入射光に対して直角を成すように形成されているものである。
【0079】
上記構成によれば、第1の面4cにより液晶パネル8に効率よく光源2の光を導くことができるとともに、液晶パネル8からの反射光を第2の面4dにより透過してユーザの目に導くことができる。
【0080】
さらに、第1の面4cと第2の面4dとがなす稜線は、光源2からの入射光に対して直角を成すように形成されているので、光源2からの光を効率よく導くことができる。したがって、より明るく液晶パネル8を照明することができる。
【0081】
また、本実施の形態のフロントライトユニット1は、拡散性粘着層5のヘイズ値が、30%〜70%である。
【0082】
本発明者らは、拡散性粘着層5のヘイズ値が上記範囲であれば、フロントライトユニット1を介して液晶パネル8における表示画像を見た場合における、表示画像のモアレ発生が効果的に防止されることを検討した。したがって、液晶パネル8におけるモアレの発生をより効果的に防止することができる。
【0083】
また、本実施の形態のフロントライトユニット1は、平板部4a、プリズム部4b、および拡散性粘着層5の屈折率が等しいものである。
【0084】
上記構成によれば、平板部4aと拡散性粘着層5との界面、あるいはプリズム部4bと拡散性粘着層5との界面において、屈折率が同じであるため、反射が起こらない。すなわち、光源2の光を効率よく液晶パネル8に導くことができるとともに、液晶パネル8における反射光を効率よくフロントライトユニット1を介してユーザの目に導くことができる。
【0085】
したがって、より明るく液晶パネル8を照明することができるとともに、液晶パネル8における表示画像を、表示品位の低下を伴うことなく視認することができる。
【0086】
また、本実施の形態の液晶表示装置は、上記した構成のフロントライトユニット1を備えているものである。
【0087】
ここで、上記したフロントライトユニット1は、フロントライトユニット1を介して液晶パネル8における表示画像を見た場合における、表示画像のモアレ発生を効果的に防止するものである。
【0088】
したがって、本実施の形態の液晶表示装置によれば、モアレの発生を伴うことなく、暗いところでもフロントライトユニット1に照らされた表示画像を視認することができる。
【0089】
尚、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に係る発明の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を取ることができる。たとえば、光源の形状、寸法、偏光板の種類、あるいは液晶パネルの種類等、用途に対応して適宜変更することができる。
【0090】
【発明の効果】
本発明の前方照明装置は、以上のように、導光体における入射部と反射部との間に、反射部からの反射光を拡散する拡散部を備えているものである。
【0091】
上記構成によれば、導光体の内部に拡散部を設け、該拡散部により拡散された光が被照明物に導かれる。すなわち、被照明物に導かれる光は、拡散されることにより強度に関して周期性のない光となっている。したがって、被照明物が液晶表示装置である場合、液晶表示装置の各画素のピッチと、被照明物に導かれる光の強い位置とが一致する箇所が複数あったとしても、その箇所が周期性をもって出現するというようなことはない。それゆえ、前方照明装置を介して液晶表示装置における表示画像を見た場合でも、モアレが発生することはない。
【0092】
さらに、本発明によれば、導光体における反射部を、光源から光が入射される角度に対して傾けることなく、拡散部を設けることによりモアレを防止している。したがって、従来の前方照明装置とは異なり、三角暗部を発生させることもない。
【0093】
また、本発明によれば、導光体内に拡散部を設けているので、液晶表示装置に導かれる光を、偏光板に入射する前に拡散することができる。したがって、偏光度を低下させることがなく、表示画像のコントラストを低下させることも防止されている。
【0094】
以上のように、本発明によれば、被照明物としての液晶表示装置におけるモアレの発生を効果的に防止することが可能な前方照明装置を提供することができるという効果を奏する。
【0095】
また、本発明の前方照明装置は、以上のように、上記構成の前方照明装置において、上記反射部は、上記光源からの光を上記被照明物に向けて反射する第1の面と、上記被照明物からの反射光を透過する第2の面とからなるプリズム形状として形成されたものであるとともに、上記第1の面と上記第2の面とがなす稜線は、上記光源からの入射光に対して直角を成すように形成されているものである。
【0096】
上記構成によれば、第1の面により被照明物に効率よく光源の光を導くことができるとともに、被照明物からの反射光を第2の面により透過してユーザの目に導くことができる。
【0097】
さらに、第1の面と第2の面とがなす稜線は、光源からの入射光に対して直角を成すように形成されているので、光源からの光を効率よく導くことができる。したがって、本発明によれば、より明るく被照明物を照明することができる前方照明装置を提供することができるという効果を奏する。
【0098】
また、本発明の前方照明装置は、以上のように、上記構成の前方照明装置において、上記拡散部のヘイズ値は、30%〜70%であるものである。
【0099】
上記構成によれば、拡散部のヘイズ値は30%〜70%に設定されている。本発明者らは、拡散部のヘイズ値が上記範囲であれば、前方照明装置を介して被照明物としての液晶表示装置における表示画像を見た場合における、表示画像のモアレ発生が効果的に防止されることを検討した。
【0100】
したがって、本発明によれば、被照明物としての液晶表示装置におけるモアレの発生をより効果的に防止することが可能な前方照明装置を提供することができるという効果を奏する。
【0101】
また、本発明の前方照明装置は、以上のように、上記入射部、上記反射部、および上記拡散部の屈折率が等しいものである。
【0102】
上記構成によれば、入射部と拡散部との界面、あるいは反射部と拡散部との界面において、屈折率が同じであるため、反射が起こらない。すなわち、光源の光を効率よく被照明物に導くことができるとともに、被照明物における反射光を効率よく前方照明装置を介してユーザの目に導くことができる。
【0103】
したがって、より明るく被照明物を照明することができるとともに、液晶表示装置における表示画像を、表示品位の低下を伴うことなく視認することができるという効果を奏する。
【0104】
また、本発明の液晶表示装置は、以上のように、上記したいずれかの構成の前方照明装置を備えているものである。
【0105】
上記構成によれば、本発明の液晶表示装置は、上記したいずれかの構成の前方照明装置を備えている。ここで、上記した前方照明装置は、いずれの構成であっても、前方照明装置を介して被照明物としての液晶表示装置における表示画像を見た場合における、表示画像のモアレ発生を効果的に防止するものである。
【0106】
したがって、本発明の液晶表示装置によれば、モアレの発生を伴うことなく、暗いところでも前方照明装置に照らされた表示画像を視認することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における前方照明装置の実施の一形態を示す断面図である。
【図2】図1の前方照明装置における導光体を示す断面図である。
【図3】図1の前方照明装置を備えている液晶表示装置の平面図である。
【図4】(a)は、図3の液晶表示装置における液晶パネルの平面図であり、(b)は、図3の液晶表示装置における液晶パネルの断面図である。
【図5】本発明における前方照明装置の他の実施の形態を示す断面図である。
【図6】図5の前方照明装置を備えている液晶表示装置の平面図である。
【図7】従来の前方照明装置を示す断面図である。
【図8】図7の前方照明装置を備えている液晶表示装置の平面図である。
【図9】従来の他の前方照明装置を示す断面図である。
【図10】図9の前方照明装置を備えている液晶表示装置の平面図である。
【符号の説明】
1 フロントライトユニット(前方照明装置)
2 光源
4 導光体
4a 平板部(入射部)
4b プリズム部(反射部)
5 拡散性粘着層(拡散部)
8 液晶パネル(被照明物)
Claims (5)
- 光源から光が入射される入射部と、該光源からの光を被照明物に向けて反射する反射部とを有している導光体を備え、被照明物の前方に配置されて使用される前方照明装置において、
上記入射部と上記反射部との間に、上記反射部からの反射光を拡散する拡散部を備えていることを特徴とする前方照明装置。 - 上記反射部は、上記光源からの光を上記被照明物に向けて反射する第1の面と、上記被照明物からの反射光を透過する第2の面とからなるプリズム形状として形成されたものであるとともに、
上記第1の面と上記第2の面とがなす稜線は、上記光源からの入射光に対して直角を成すように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の前方照明装置。 - 上記拡散部のヘイズ値は、30%〜70%であることを特徴とする請求項1または2に記載の前方照明装置。
- 上記入射部、上記反射部、および上記拡散部の屈折率が等しいことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の前方照明装置。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の前方照明装置を備えていることを特徴とする液晶表示装置。
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US7545460B2 (en) | 2005-05-31 | 2009-06-09 | Sony Corporation | Liquid crystal display, optical sheet manufacturing method, and optical sheet |
US9645443B2 (en) | 2013-03-27 | 2017-05-09 | Japan Display Inc. | Reflective liquid-crystal display device and electronic apparatus |
-
2002
- 2002-05-31 JP JP2002160117A patent/JP2004006128A/ja active Pending
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JP5309993B2 (ja) * | 2006-05-31 | 2013-10-09 | コニカミノルタ株式会社 | 面発光体及び表示装置 |
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