JP2004005990A - 光学的情報記録媒体の記録方法 - Google Patents

光学的情報記録媒体の記録方法 Download PDF

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Abstract

【課題】書き換え可能な相変化型光ディスクに、類似した記録情報を繰り返し記録する際の記録薄膜の劣化を抑制して、書き換え可能回数を向上させる。
【解決手段】セクター構造からなる書き換え可能な情報記録媒体に光ビームを照射することにより情報信号を記録する。セクター内において、無信号区間であるギャップ領域47と、このギャップ領域に続いてデータ復調の際の同期をとるための基準同期信号であるVFO信号42と、情報信号に基づいて変調されたデータ信号44と、このデータ信号に続くダミーデータ信号45からなり、ギャップ領域の区間を(Lg+N)とした場合に、Nの値が所定の範囲(N=0〜Nmax)内で記録の度にランダムに変化し、しかも、VFO信号の区間を(Lv+M)とした場合に、Mの値が所定の範囲(M=0〜Mmax)内で記録の度にランダムに変化する記録信号を用いて、記録媒体上に記録を行う。
【選択図】 図33

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、書き換え可能な光ディスク(光学情報記録媒体)に対してセクタ単位でデータを記録する光ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
信号を記録・再生し、かつ消去することができる光学情報記録媒体として、記録薄膜材料にカルコゲン化物を用いた相変化型の光ディスクが知られている。相変化型光ディスクの場合、記録薄膜はレーザ光線等の光ビームの照射によって結晶或いは非晶質間で相転移を生じる光感応性薄膜である。書き換え可能な相変化型光ディスクの場合、一般には、記録薄膜が結晶状態の場合を未記録状態とし、レーザ光を照射し、記録薄膜を溶融・急冷して非晶質状態とすることにより、信号を記録する。一方、信号を消去する場合には、記録時よりも低パワーのレーザ光を照射することにより、記録薄膜を昇温して結晶状態とする。
【0003】
相変化記録のメリットの1つは、記録手段として単一のレーザビームのみを用い、情報信号をオーバライトできる点にある。すなわち、レーザー出力を記録レベルと消去レベルの2つのレベル間で情報信号に応じて変調し記録済みの情報トラック上に照射すると、既存の情報信号を消去しつつ新しい信号を記録することが可能である(例えば特許文献1参照)。この特徴を生かして、相変化型光ディスクは、文書ファイル、画像ファイル、データファイルとして利用されている。
【0004】
書き換え可能な光ディスクでは、記録トラックの高密度化、離散的な部分書き込み・消去等の必要性から、基板上に光学的に検知可能な案内トラックを同心円状、或はスパイラル状に設けることが一般的である。光ディスク装置は、光ディスクの案内トラック上に形成した記録薄膜に直径1μm以下に絞ったレーザ光を照射して情報の記録或いは再生を行なう。
【0005】
また、データの長さが可変のデジタル情報は、記録効率を上げるためにトラックを複数のセクタに分割し、一定の情報単位、例えば512バイト或は1Kバイト、で扱うことが多い。各セクタはトラックアドレス及びセクタアドレス情報を含むセクタID部とデータを記録再生する記録領域とから構成されている。アドレス部はセクタの物理的な番地を表わすもので、ディスク製造時にプリフォーマットされている。
【0006】
通常、記録領域に記録するデータの記録フォーマットは、PLL(Phase Locked Loop)の同期引き込みのための同期信号部VFO、記録データの前に付加されデータの先頭を識別するための同期信号であるデータ先頭識別マークDM(データマーク)、変調された変調データ部、データのワード同期をとる再同期信号部などにより構成されている。データを記録する時は、目標セクタID部のアドレス情報を読み取り、アドレス検出のタイミングでセクタに記録するデータ群を、目標セクタの記録領域に記録する。
【0007】
また、記録方式はパルス間変調方式とパルス幅変調方式に大別できる。パルス間変調では、再生時にマークの位置を検出して信号検出するのに対し、パルス幅変調では、マークの両端を検出して信号検出する。パルス幅変調はパルス間変調と比べて記録密度を上げることができる。
【0008】
相変化型光ディスクに対する、従来の記録再生方法を図14及び図15に基づいて以下に説明する。図14は従来の記録再生装置の構成の一例である。図15は光ディスク(光学情報記録媒体)に対する記録再生動作の説明図であり、記録データ、レーザ光の強度変調、及び光ディスクへの記録状態を示している。
【0009】
図14に示すように、上位計算機と接続されたシステム制御回路4から、記録すべき記録情報5が2値化した信号として出力される。この記録情報5は、エラー訂正情報を付加された後に、変復調回路7aにて例えば(1,7)RLL変調方式の変調が施される。そして合成回路8において、各セクタに記録するデータ長ごとに同期信号発生回路2からの同期信号(VFO)等が付加されて記録データ11aとなる。この記録データ11aに対応して、レーザパワー制御回路12が光ヘッド3内のレーザを駆動制御し、レーザ光の強度を変調する。また、システム制御回路4はスピンドルモーター15を駆動して光ディスク1を回転させる。
【0010】
光ヘッド3からの変調されたレーザ光(レーザ光のパワーPp)が光ディスク1の記録薄膜に照射され、記録薄膜の温度が融点を越えて上昇すると、レーザ光が照射された部分は溶融後、急速に冷却されて非晶質(アモルファス)状態の記録マーク20になる(図15参照)。また、記録薄膜の温度を結晶化温度以上、融点以下まで上昇させる程度のレーザ光(レーザ光のパワーPb)を集束して照射すると、照射部の記録薄膜は結晶状態になる。これらの結晶と非晶質の状態の相違を利用して、情報を記憶することになる。
【0011】
次に、光ディスクからの再生は、記録薄膜の光学的特性が非晶質状態と結晶状態とで異なることを利用して行われる。弱いレーザ光(レーザ光のパワーPr)を集束して光ディスクに照射し、その反射光の変化を検出して記録データの再生RF信号14を得る。そして再生信号処理回路13において2値化等の信号処理を行ない、復調、エラー訂正を施して所要の再生情報6を得ることになる。
【0012】
また、記録時においても、光ディスクのセクタ18の間にあるアドレス情報部分であるID部16を走査するときには、レーザ光の強度を再生時と同様の弱いパワーに落として光ディスクに照射しアドレス情報を再生する。
【0013】
しかし、相変化型光ディスクを用いる光ディスク装置において光ディスクの同一セクタに情報を多数繰り返し記録すると、相変化型光ディスクに固有の劣化現象が生じ、記録した情報を正確に再生できなくなることが知られている。この種の劣化現象は繰り返し回数とともに劣化している範囲が広がっていくことが多い。主な劣化パターンは次の3通りである。
【0014】
(1)一連の記録領域の始端部(記録開始部)において、記録の繰り返しとともに、徐々に記録薄膜に欠陥が発生し、その欠陥が始端部から後方(光ディスク上での相対的なレーザ進行方向)へ広がっていく。
【0015】
(2)一連の記録領域の終端部(記録終了部)において、記録の繰り返しとともに、徐々に記録薄膜に欠陥が発生し、その欠陥が終端部から前方(光ディスク上での相対的なレーザ進行方向の逆方向)へ広がっていく。
【0016】
(3)セクタ内の同じ位置に同じパターンのマーク列が繰り返し記録されると、記録の繰り返しとともに、同じパターンが記録された場所において記録薄膜に欠陥が発生し、その欠陥が前方及び後方へ広がっていく。一般に、光ディスクの記録データを書き換える時は、セクタ単位で書き換えを行なう。従って、セクタの一部の情報が変更される場合であっても、そのセクタ全体が書き換えられることになる。ディスクの記録情報の目次に相当する情報が記録されるTOC(Table of Contents)領域やディレクトリ領域では特に類似したデータが繰り返し記録されることが多く、しかも書き換え頻度が高い。このような領域でパターン(3)の劣化が生じる。
【0017】
これら3種類の劣化は、いずれも、繰り返し記録に伴って記録薄膜を構成する材料が、レーザ進行方向、或はその逆方向へと徐々に移動するためであることがわかっている。ただし、記録薄膜材料がレーザ照射時に移動する駆動力が何であるかは、未だよくわかっていない。この駆動力として考えられるのは、レーザ照射時の記録層内の温度勾配に伴う表面張力、または、熱負荷による光ディスク構成薄膜の変形等である。いずれにしても、記録薄膜が劣化すると、未記録状態及び記録状態で、所定の光反射率が得られなくなる。すなわち再生波形の劣化が生じ、この部分の情報を光学的に再生できなくなる。これらの課題を解決して、情報の書き換え性能を向上させる記録方法の提案も種々なされている。例えば、前記劣化パターン(3)に対しては、光ディスク上での同期信号の記録開始位置を書き換える毎に変化させて劣化を低減させる光ディスク装置がある(例えば特許文献2参照)。また、劣化パターン(2)に対しては、データブロックを記録し終わった後に続けて一定の長さのダミーデータを記録することによって記録終端部から前方(記録開始点への方向)へ伝播する波形劣化が情報再生に与える影響をなくす光ディスク装置が提案されている(例えば特許文献3参照)。
【0018】
【特許文献1】
特開昭56−145530号公報
【0019】
【特許文献2】
特開昭63−229625号公報
【0020】
【特許文献3】
特開平2−297724号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の記録方法では、相変化型光ディスクの繰り返し記録に伴う再生波形劣化を抑制して繰り返し記録特性を向上させるために、同期信号の記録開始位置を書き換える毎に変化させたり、データブロックを記録し終わった後に続けて一定の長さのダミーデータを付加するので、データブロックの記録領域以外にダミーデータの領域等が必要である。従って、これらの記録特性を向上させるための方法を採用しない場合に比べて、記録容量が実質的に減少する。
【0022】
本発明は、上記のような実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、書き換え可能な相変化型光ディスクにおいて、繰り返し記録に起因する劣化を効率よく抑制し、書き換え可能回数を向上させることができる記録方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る光学情報記録媒体の記録方法は、セクター構造からなる書き換え可能な情報記録媒体に光ビームを照射することにより情報信号を記録する方法であって、前記セクター内において、無信号区間であるギャップ領域と、このギャップ領域に続いてデータ復調の際の同期をとるための基準同期信号であるVFO信号と、情報信号に基づいて変調されたデータ信号と、このデータ信号に続くダミーデータ信号からなり、前記ギャップ領域の区間を(Lg+N)とした場合に、Nの値が所定の範囲(N=0〜Nmax)内で記録の度にランダムに変化し、しかも、前記VFO信号の区間を(Lv+M)とした場合に、Mの値が所定の範囲(M=0〜Mmax)内で記録の度にランダムに変化する記録信号を用いて、前記記録媒体上に記録を行うことを特徴とする。
【0024】
VFO信号、データ信号、およびダミーデータ信号の極性を記録の度にランダムに変化させて記録を行う前述の方法を併用することにより、波形劣化の抑制効果が一層高まる。また、前記ダミーデータ信号の区間を(Ld−M)とし、さらに、ギャップ領域区間の変化幅の最大値NmaxをVFO信号区間の変化幅Mmaxより小さくすることが好ましい。これによって、セクタ中のデータブロックの容量をほとんど低下させずに波形劣化を抑制することができる。
【0025】
上記構成において好ましくは、VFO信号、データ信号、およびダミーデータ信号の極性を記録の度にランダムに変化させて記録を行う。
【0026】
また好ましくは、前記ダミーデータ信号の区間を(Ld−M)とする。
【0027】
また好ましくは、ギャップ領域区間の変化幅の最大値NmaxをVFO信号区間の変化幅Mmaxより小さくする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1に、本発明の第1の実施形態に係る記録再生装置の構成をブロック図で示す。又、この記録再生装置が、あるセクタの記録情報を書き換えるために行う動作を図2のフローチャートに示す。まず、ステップ201において、書き換えるセクタのID情報(アドレス情報)を検出した後、上位計算機と接続されたシステム制御回路4が記録情報5を2値化信号として出力する(ステップ202)。この記録情報5は、変調回路7aにてエラー訂正情報を付加され(203)、変調される(204)。そして、合成回路8において、各セクタに記録するデータ長ごとに、同期信号発生回路2からの同期信号(VFO)等が付加されて記録データ11aとなる(205)。以上の動作は従来の構成による動作と同様であるが、次に説明する動作が従来と異なっている。
【0030】
上記の記録データ11aは、図1に示すように、二つに分岐して一方はそのまま選択回路9の一方の入力となるが、他方は反転回路10を経て反転記録データ11bとされ(図2のステップ207)、これが選択回路9の他方の入力となる。選択回路9は、書き換える必要のあるセクタのアドレス情報検出をトリガとするセレクタで構成されており、上記2つの入力のいずれかをランダムに選択し、該当セクタへの記録が終了するまでその選択位置を保持する。すなわち、この選択回路9によって該当セクタに記録する記録データの符号を反転するか否かが決定される(図2のステップ206)。
【0031】
光ディスクの各セクタをランダムにアクセスするような用途で使用する記録再生装置では、選択回路9が上記2つの入力のいずれかを書き換え動作ごとに交互に選択するようにしておけば、実質的にランダムに選択したのと同じことになる。したがって、必ずしもランダム選択のための乱数発生回路等を選択回路9が備える必要はない。選択回路9からの出力、すなわち、記録データ11aまたは反転記録データ11bは、レーザパワー制御回路12に入力され、このデータに従ってレーザパワー制御回路12が光ヘッド3内のレーザを駆動しレーザ光の強度変調を行なう(ステップ208)。これによって光ディスク1の該当セクタにデータが記録される(209)。
【0032】
図3に、本記録再生装置による記録データ、レーザ光の強度変調、光ディスクへの記録状態の一例を示す。同一の情報を記録する場合、反転の有無にかかわらず合成回路8の出力までは同じ波形である。しかし、選択回路9によって反転記録データ11bが選択されたときのレーザ光の強度(レーザパワー)は、記録データ11aが選択されたときのレーザパワーに対して、PpとPbとの関係が逆になっている。その結果、同一の情報を記録したにもかかわらず、光ディスクのセクタ18上では、ちょうど逆の位置関係で非晶質状態の記録マーク20が形成される。
【0033】
したがって、同一のセクタに同一情報を多数回繰り返し記録しても、記録マークが形成される確率はセクタ内の記録領域のいずれの位置においてもほぼ均一になる。このようにして、多数回の書き換えによって記録領域内で生じ得る局部的なダメージは解消されることになる。
【0034】
以下に、具体的な実施例について説明する。
【0035】
光ディスク1のディスク基板として、直径130mmのポリカーボネート樹脂を用いた。この樹脂基板に、アドレス情報として凸凹形状の位相ピットをプリフォーマットし、セクタ領域には記録用ガイド溝を形成した。基板上に保護膜、光感応性記録薄膜、及び反射膜をスパッリング法により成膜し、その上に保護基板を接着した。
【0036】
本実施例では、保護膜としてZnS−SiO2、光感応性記録薄膜としてTe−Sb−Ge、反射膜としてAlを用いた。そして、スピンドルモーター15(図1参照)によりこのディスクを線速度5m/sで回転させ、波長680nmのレーザ光を開口数(NA)0.6の対物レンズで集束させてを記録を行なった。
【0037】
記録再生時のレーザ光のパワーは、Pp=11mW、Pb=4mW、Pr=1mWとした。記録情報の変調方式は、1−7RLLのPWM(パルス幅変調)を用いた。また、最短マーク長および最短マーク間隔はそれぞれ0.6μmとした。
【0038】
上記の条件を用いて、類似した記録情報の最も極端な例として、同一の記録情報を同じセクタに繰り返して上書き記録し、再生信号のジッタ値を測定した。繰り返し回数は1回、10回、100回、1000回、1万回の5通りで行なった。1セクタに記録した情報は2970バイトである。
【0039】
表1に、本実施例(第1の実施例)及び後述する他の実施例のジッタ値σ/Twの測定結果を従来例の記録方式によるジッタ値σ/Twと比較して示す。ここで、σは再生信号のゼロクロス点のジッタ値の標準偏差、Twは検出系のウィンドウ幅である。
【0040】
【表1】
Figure 2004005990
【0041】
表1からわかるように、従来例では書き換え回数の増加に伴ってジッタ値が著しく増加しているが、本実施例ではジッタ値の増加はわずかである。つまり、本実施例では繰り返し記録による再生信号品質の劣化が抑制されていることがわかる。
【0042】
なお、特開平2−94113号公報に開示されているようなセクタにおける記録開始点をランダムに変化させる方法と本発明の上記実施形態による方法とを併用すれば、多数回の溶融/固化を繰り返す部分と全く溶融しない部分との境界が形成される確率が記録領域のいずれの位置においてもほぼ均一になるので、記録薄膜の劣化がさらに抑制される。具体的な回路構成としては、図1中の合成回路8の出力路に遅延量を段階的に変更し得る遅延回路を設け、セクタの書き換えごとに遅延量をランダムに変更すればよい。このようにして繰り返し記録を行ったときのジッタ値σ/Twの測定結果が表1に示した「他の実施例」の欄である。遅延量は8段階に変更し、その間隔はディスク上で最短マーク長に相当する間隔とした。表1から、ジッタ値の増加が上記第1の実施例と比べてさらに抑制されていることがわかる。
【0043】
また、本実施形態では変調方式として、記録マークのエッジ間隔に信号を対応させるパルス幅変調を用いており、記録データの符号を反転させても記録マークのエッジ間隔は変化しない。そのため符号の反転した記録データの復調も、符号の反転していない記録データと同じ方法で可能であり、復調回路の構成が容易である。記録マークの中心間隔に信号を対応させるパルス間変調方式等においても、パルス幅変調方式と同様に本発明を適用することにより、記録薄膜の劣化を抑制することができる。
【0044】
次に、本発明の別の実施形態について説明する。
【0045】
図4に、第2の実施形態に係る記録再生装置の構成をブロック図で示す。また、この装置が、あるセクタの記録情報を書き換えるために行う動作を図5のフローチャートに示す。まず、ステップ501において、書き換えるセクタのID情報(アドレス情報)16を検出した後、上位計算機と接続されたシステム制御回路4が記録すべき記録情報5を2値化信号として出力する(ステップ502)。この記録情報5は、変調回路7aによりエラー訂正情報を付加され(503)、変調される(504)。そして合成回路8において、各セクタに記録するデータ長ごとに同期信号発生回路2からの同期信号(VFO)等が付加されて記録データ11aとなる(ステップ505)。

【0046】
次に、ダミーデータ発生回路21にて、記録データ11aの前に付加するダミーデータ26が生成され、第2の合成回路22にて記録データ11aとダミーデータ26とが合成される(506)。これがレーザパワー制御回路12に入力されてレーザ光の強度が変調され(507)、光ディスク1に照射されることによりデータが記録される(508)。なお、ここでいうダミーデータ26は、同期信号等を含む本来の記録データに付加されるデータである。図6にダミーデータ発生回路21の構成の一例を示す。また、この回路の各部の信号波形を図7に示す。
【0047】
システム制御回路4からダミーデータ発生用の信号27がダミーデータ発生回路21に与えられる。ダミーデータ発生用信号27は、記録時の最短パルス幅に対応したクロック24とアドレス情報検出信号30とからなる。クロック24は分周回路28、分周比設定回路33、および信号反転検出回路29に入力され、アドレス情報検出信号30は遅延回路32に入力される。この遅延回路32の遅延時間として、記録データの前にダミーデータを付加するために必要な所定の時間が設定される。遅延回路32から分周回路28と分周比設定回路33とに信号31が入力されるとクロック24の分周がスタートする。
【0048】
分周比設定回路33は、分周回路28の分周比を漸減させるような分周比設定信号を分周回路28に与える。これにより、分周回路28は、図7に示すように周期が漸減するパルス信号25を出力する。この信号25が入力される信号反転検出回路29は、信号25の反転時に所定クロック数分のパルス幅を有するパルス信号を発生させる。このパルス信号がダミーデータ26となる。
【0049】
図8に、本記録再生装置による記録データ、レーザ光の強度変調、光ディスクへの記録状態の一例を示す。図8からわかるように、このダミーデータの記録マークを形成するパルス間隔とパルス幅(レーザ光のパワーがPpの期間)との比、したがって、光ディスクに形成される記録マーク間隔Swと記録マーク長Mwとの比はダミーデータの始端に近いほど大きくなっている。
【0050】
上記のような記録方法によれば、記録薄膜への熱的負担はダミーデータの始端に近づくに従って漸減し、記録薄膜の物質移動量もダミーデータの始端に近づくに従って漸減する。その結果、記録薄膜における記録開始点へのダメージの集中を防止でき、多数回の書き換えによる記録データの始端における記録薄膜の劣化を防ぐことができる。
【0051】
以下に、具体的な実施例について説明する。
【0052】
使用した光ディスク、変調方式、記録再生パワーは第1の実施例と同様のものである。記録情報にはランダム信号を使用し、記録データの前に図8に示したようなダミーデータを付加して、3万回、5万回、7万回、10万回の4通りで繰り返し記録を行なった。そしてダミーデータを含む記録データの始端部分で再生信号波形が歪んだ領域を再生信号劣化領域とし、始端からの劣化領域の長さを測定した。なお、ダミーデータの長さはディスク上で50μmである。図8に示したように、ダミーデータの記録マーク間隔Swと記録マーク長Mwとの比をダミーデータの始端に近いほど大きくした。
【0053】
表2に、本実施例(第2の実施例)及び後述する他の実施例における再生信号劣化領域の長さの測定結果を従来例の記録方式による再生信号劣化領域の長さと比較して示す。
【0054】
【表2】
Figure 2004005990
【0055】
表2からわかるように、本実施例における始端部分の再生信号劣化領域の長さは、従来例と比較して短くなっている。つまり、本実施例では繰り返し記録による記録薄膜の劣化が抑制されていることがわかる。
【0056】
なお、本実施例では記録薄膜の繰り返し劣化がセクタの前方で顕著に生じる場合を想定してダミーデータを記録データの前に付加したが、光学情報記録媒体の膜構造によっては、記録薄膜の繰り返し劣化がセクタの後方で顕著に生じる場合もある。この場合は図9に示すように、記録データの後にダミーデータを付加し、ダミーデータの終端に近いほど記録マーク間隔と記録マーク長との比を大きくすれば、記録データの終端における記録薄膜の劣化を防ぐ効果が得られる。
【0057】
また本実施例のダミーデータは、記録マーク長Mwを一定にして記録マーク間隔Swを変化させているが、記録マーク間隔を一定にして記録マーク長を変化させてもよい。記録開始・終了点における記録薄膜への熱的負担の急変を緩和するものであれば、ランダム信号パターンやDC信号パターンのような他のパターンを用いてもよい。
【0058】
図4に示した第2の実施形態に係る記録再生装置の構成において、ダミーデータ発生回路21および第2の合成回路22の代わりに、図10に示すように、レーザ光の強度を段階的に増加または減少させるパターン発生回路34と第2のレーザパワー制御回路35、そしてレーザパワー制御回路を第1と第2とで切り換えるためのセレクタ36を設けてもよい。そして、図11又は図12に示すように、記録データの前又は後のダミー領域において、レーザ光の強度を漸増または漸減させ、セレクタ36を切り換えることによって、ダミー領域と記録データ領域とが連結したレーザ光強度変調波形36aを得る。これを記録用の光ビームとして光ディスクに照射すれば上記実施例と同様の効果が得られる。
【0059】
また、前述のセクタにおける記録開始点をランダムに変化させる方法と、本実施形態で示した方法とを併用すれば、ダミーデータ始端での熱的負担の減少がより滑らかになり、表2の「他の実施例」の欄に示すように、記録データ始端での記録薄膜の劣化防止が一層効果的になる。
【0060】
また、必要に応じてダミーデータの長さを書き換えごとにランダムに変更してもよく、これにより記録開始点をランダムに変化させる方法と同様の効果を得ることができる。
【0061】
また、本実施例では、記録データの前に付加したダミーデータの終端の記録マーク長及び記録マーク間隔を同期信号部の記録マーク長及び記録マーク間隔に等しくした。これはダミーデータと同期信号部との境界で熱的負担が急変するのを防止し、同期信号部の始端から記録薄膜の劣化が生ずることを抑制するためである。
【0062】
さらに、本実施形態のように記録データの前にダミーデータを付加する方法と、第1の実施形態のように記録データの符号をランダムに反転する方法とを併用して、図13に示す構成の装置を用いれば、記録データの始端・終端での記録薄膜の劣化と記録データ中の局所的な記録薄膜の劣化の両方が抑制されるので、繰り返し寿命を高めるのに一層効果的である。
【0063】
次に本発明の第3の実施形態について説明する。
【0064】
図16に、第3の実施形態に係る光学情報記録再生装置の構成をブロック図で示す。また、図17に、本発明に係る光ディスクのセクタ記録フォーマットの構造を示す。図17において、41はセクタのアドレス情報が記録されているID、42はPLLの同期引き込みのための同期信号(VFO)、43は記録したデータの先頭を識別するためのデータ先頭識別マークDM、44は本来のデータを誤り検出符号化したデータブロック、45はデータブロック44に引き続いて記録されるダミーブロックDMYである。データの記録・再生・消去が行なわれるデータの記録領域46とID41の間には光ディスクの回転変動等に対処するためのGAP47、48が設けられている。繰り返し記録に対する要求が低い場合については、DMY45を省略することができる。なお、第1および第2の実施形態では、データ先頭識別マークDMを、本来の記録データに含めている。
【0065】
図16において、2001は光ディスク、2002は光ディスク2001の案内トラックに追従して記録面に半導体レーザの出力光を照射し、データの記録・再生・消去を行なう光ピックアップ、2003は光ディスク上の所望の位置にレーザ光が集光するように光ピックアップの位置を制御するサーボ制御回路、2004は符号化データを記録に適した形にデジタル変調するデータ変調回路、2005はPLLの同期引き込みのための同期信号(VFO)を発生する同期信号発生回路、2006はデータ先頭識別信号DMを発生させるDM発生回路、2007はダミーデータを発生させるダミーデータ発生回路、2008はデータを誤り検出訂正符号化する符号化回路、2009は記録のタイミングを制御する記録タイミング制御回路、2010はセクタのID21から目的アドレスを検出するアドレス検出回路、2011はマイクロプロセッサー等で構成され全体を制御するシステム制御回路である。
【0066】
以上のように構成された光ディスク装置の動作を説明する。データの記録時、システム制御回路2011は記録すべき目的セクタのアドレスをサーボ制御回路2003に与える。サーボ制御回路2003はアドレス検出回路からのアドレスと目的アドレスとを比較して光ピックアップ2002のサーボ制御を行なう。システム制御回路2011は符号化回路2008に符号化命令2013を出し、記録タイミング制御回路2009に記録命令を出す。
【0067】
符号化回路2008は符号化命令2013に従ってデータ2012を誤り検出訂正符号化し、符号化したデータ2014をデータ変調回路2004に渡す。データ変調回路2004は符号化データ2014をデジタル変調する。
【0068】
記録タイミング制御回路2009はシステム制御回路2011からの記録命令によって起動され、アドレス検出回路2010が目的セクタを検出するのをまって同期信号発生回路2005、DM発生回路2006、データ変調回路2004、ダミーデータ発生回路2007に順次起動命令を与え、これによってセクタの記録領域46にデータが記録される。この際、同期信号発生回路2005は同期信号を発生し、DM発生回路2006はデータ先頭識別信号DMを発生する。ダミーデータ発生回路2007は所定のダミーデータを発生する。繰り返し記録に対する要求が低い場合については、ダミーデータ発生回路2007を省略することができる。
【0069】
次に、記録タイミング制御回路2009のうち、同期信号発生回路2005に起動命令を与える部分の構成例を図18に示し、タイミングチャートを示す図19を参照しながら本装置の動作を説明する。
【0070】
アドレス検出回路2010が再生したアドレス信号からセクタ区間を示すセクタパルス2201が取り出され、これは遅延回路2202に送られ所定の遅延時間d1を与えられてスタートパルス2203になる。スタートパルス2203は同期信号発生回路2005に送られ、ここで同期信号が発生する。この際、同一セクタに情報を記録する場合は、同じ遅延時間が与えられる。すなわち、光ディスク上の同じ場所から同期信号の記録が始まる。一方、セクタパルス2201はもう1つの遅延回路2204にも送られ、所定の遅延時間d2を与えられてスタートパルス2205になる。d2はd1より大きな値である。
【0071】
カウンタ2209は、ある周期のクロック入力2210を分周して、データ入力パルス2205と非同期の適当な周期のクロック2208を作り、このクロック2208をDタイプ−フリップフロップ(以下D−FFと呼ぶ)2206に与える。D−FF2206はデータ入力としての遅延回路2204からのパルス2205をラッチし、出力2207をストップパルスとして同期信号発生回路2005に与える。この際、データ入力パルス2205と非同期のクロック入力2208の周期によって、ランダムな遅延時間がストップパルス2207に生じる。従って同期信号発生回路2005は、同期信号の停止点をランダムに変化させる。記録タイミング制御回路2009は同期信号発生回路2006に起動命令を与えた後、ストップパルス2207に同期してDM発生回路2006に起動命令を送りデータ先頭識別マークを記録させる。
【0072】
以上のように本実施形態によれば、同期信号発生回路2005の前にD−FF2206を設けることにより、同一セクタに繰り返し記録する場合、光ディスク上での同期信号の記録開始位置は変えずに、同期信号の長さをランダムに変えることができる。
【0073】
ここで、従来の記録方法と本実施形態に係る記録方法とについて、同一セクタに繰り返し記録を行なう場合の再生波形の劣化抑制効果を比較する。図20に、同一セクタに記録する際の同期信号の記録場所を示す模式図を示す。図20の方法(1)は従来の記録方法で同期信号の記録開始位置をランダムに変化させる場合を示し、図20の方法(2)は本発明の記録方法で同期信号記録開始位置は変えずに同期信号の長さをランダムに変化させる場合を示している。それぞれの場合において、同期信号42の終了点の位置が記録開始点に近いものから遠くのものへ順に並べているが、実際にはランダムにこれらのパターンが記録される。同期信号42の終了点の最大位置ずれ量2401は、従来の記録方法と本記録方法とで同じ値をとることになる。
【0074】
図20の方法(2)に示した本記録方法の模式図において、同期信号の最短長さ2402は次のように設定する。繰り返し記録を行なった場合に、同期信号の記録開始点から再生波形劣化が生じ、繰り返し回数の増加に伴ってレーザビームの進行方向へ波形劣化が伝播・進行する。従って、同期信号の最短長さ2402は使用にあたって想定した最大繰り返し記録後にも同期信号の少なくとも後端が再生可能で、PLLの同期引き込みに支障が生じないように設定される。
【0075】
ここで、図20の方法(1)に示す従来の記録方法において同期信号の最短長さ2403を図20の方法(2)に示す本記録方法のVFO最短長さ2402と同じにすれば、同期信号42の終了点がランダムに変化する範囲については、図20をみるかぎり、従来の記録方法と本記録方法とで差異はない。しかしながら、同期信号の長さ2403が固定の従来の記録方法に比べて、同期信号の長さが上記2403の長さに等しい最短長さ2402からこれに最大位置ずれ量2401を加えた最長長さとの間でランダムに変化する本記録方法は、以下の理由により有利である。つまり、本記録方法における同期信号の平均長さは、従来の記録方法における同期信号の固定長さ2403より最大位置ずれ量の半分に相当する長さだけ長くなる。一方、繰り返し記録に伴う劣化は記録開始点、即ち同期信号の開始点を起点にして進行する。従って、本記録方法によれば、同期信号の平均長さが従来の記録方法の固定長さより長い分だけ、繰り返し記録による劣化が記録データの先頭のDMに達するまでの時間が長くなる。つまり、繰り返し記録可能な回数が多くなる(繰り返し記録の寿命が長くなる)。
【0076】
逆に、同程度の繰り返し寿命を得るためには、本実施形態の光ディスク装置は従来の装置に比べて、同期信号に割り当てる長さを短くすることができるので、同一光ディスクにおける実質上の記録容量を従来の装置より増加することができる。なお、記録領域の開始点に、同期信号に先行する何らかの記録すべきデータがある場合であっても本発明を適用することができる。例えば、同期信号の記録に先だってダミーデ−タを記録する場合等があてはまる。この場合には、ダミーデータの記録開始位置を揃え、かつ、同期信号の終了位置をランダムに変えて記録することで、本発明による効果が得られる。
【0077】
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。同一セクタに繰り返し記録する場合には、前述のように、同期信号の記録終了点がランダムに変化するように記録することにより、データブロックに同じパターンを記録しても確実にデータが再生できる。この場合、同じ容量のデータを記録してもデータの記録終了位置は光ディスク上でランダムに変化する。光ディスクの回転数の変動が充分に小さい場合には、記録毎のデータ記録終了位置は、同期信号の記録終了位置、即ちデータ先頭識別マークDMの記録位置から等距離離れた位置となるので、光ディスク上のデータの記録終了位置はデータ先頭識別マークDMの位置に連動してランダムに変化する。データの後に従来のように一定長のダミーデータを書き加えると、ダミーデータの記録終了位置もデータ先頭識別マークDMの位置に連動してランダムに変化する。そこで、同一セクタに繰り返し記録する場合、データ先頭識別マークの位置が後ろにずれているほどダミーデータの長さを短く、逆にデータ先頭識別マークの位置が前にずれているほどダミーデータの長さを長く記録するというように、ダミーデータの長さをデータ先頭識別マークの位置に連動させる手段を光ディスク装置に設ける。理想的には、同一セクタに繰り返し記録する場合に、光ディスク上でダミーデータの記録終了位置が常に同じ位置になるようにする。以下、第4の実施形態を具体的に説明する。
【0078】
図16に示した光ディスク装置の記録タイミング制御回路2009のうち、ダミーデータの記録制御部の構成例を図21に示すとともに、その動作のタイミングチャートを図22に示す。
【0079】
図16に示すように、記録タイミング制御回路2009はアドレス検出回路2010によって目的セクタが検出されると、同期信号発生回路2005、DM発生回路2006、データ変調回路2004、ダミーデータ発生回路2007に順次起動命令を与える。この際、同期信号発生回路2005に与えるスタートパルス2203かストップパルス2207のどちらかにランダムな遅延時間を与える。図22は、ストップパルス2207にランダムな遅延時間を与えた場合を示している。一方、図21の記録タイミング制御回路2009に設けた遅延回路2501は、セクタ区間を示すセクタパルス2201をアドレス検出回路2010から受け取ってから、所定の遅延時間d3後にストップパルス2502をダミーデータ発生回路2007に出力する。ストップパルス2502を受け取ったダミーデータ発生回路2007はダミーデータの発生を停止する。遅延回路2501によって与えられる遅延時間d3は、ある想定した繰り返し回数を記録した後に生じる記録終端部での再生波形劣化をダミーデータで吸収して、データブロック44の再生に影響を与えないような長さのダミーデータが記録できる時間に設定すればよい。以上のように本実施形態によれば、遅延回路2501を設けることにより、光ディスク上でのダミーデータの記録終了位置を同じにすることができる。ただし、実際には光ディスクを回転させるモータにある程度の回転むらが生じるので、記録終了位置を完全に同じ位置にできるとは限らない。
【0080】
ここで、従来の記録方法と本実施形態による記録方法とについて、同一セクタに繰り返し記録を行なう場合の記録領域終端部での再生波形の劣化抑制効果を比較する。図23に、同一セクタに記録する際のダミーデータの記録場所を示す模式図を示す。図23の方法(1)は従来の記録方法であって、ダミーデータ45の長さが一定である場合を示し、図23の方法(2)は本実施形態による記録方法であって、ダミーデータ45の記録終了位置をディスク上の同じ場所とする場合を示している。それぞれの場合において、データ先頭識別マークの位置が記録開始点から遠いものから近くなる順に並べているが、実際にはランダムにこれらのパターンが記録される。
【0081】
図23の方法(2)に示す本実施形態による記録方法でのダミーデータ45の最短長さを図23の方法(1)に示す従来方法でのダミーデータ45の一定の長さと等しく設定した場合、本記録方法のダミーデータ45の平均長さは従来方法でのダミーデータ45の一定長さより長くなるので、その分だけ本記録方法は有利になる。つまり、この場合の繰り返し記録に伴う劣化は記録終了点を起点にして進行するので、その劣化がデータブロック44の終端に達するまでの時間、つまり繰り返し記録寿命は、本記録方法の方が長くなる。
【0082】
逆に、同程度の繰り返し寿命を得るためには、本実施形態の光ディスク装置は従来の装置に比べて、ダミーデータに割り当てる長さを短くすることができるので、同一光ディスクにおける実質上の記録容量を従来の装置より増加することができる。
【0083】
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態は、光ディスク上で異なる半径のセクタに記録する場合に、レーザ光の照射位置における光ディスクの移動速度(以下線速度と呼ぶ)を記録半径に連動して変化させる光ディスク装置に適用される。例えば、記録するセクタの半径によらず光ディスクを一定回転数で回転させて記録する場合はこれに該当する。
【0084】
まず、記録時の線速度によって繰り返し記録に伴う劣化がどのように生じるかを実験で調べた。その結果、ディスク構造、すなわち各層の膜厚、材料組成、或は記録時の線速度、レーザ光照射パワー、記録密度等をわずかに変化させると、繰り返し記録に伴う種々の劣化現象が大きく変化することがわかった。このことは、以下の点を考慮すれば定性的に理解できる。
【0085】
(1)記録のためのレーザ光照射部分における温度プロファイル(例えば到達温度、昇温後の冷却速度等)は記録線速度の影響を強く受ける。
【0086】
(2)記録の繰り返しに伴う再生波形劣化は、レーザ光照射部分の温度プロファイルの非対称性を1つの駆動力として生じる。
【0087】
記録時の線速度に応じて記録パワーやレーザ光照射時間を変えたり、ディスク構造をディスク半径に応じて変化させる等の手段を用いても、繰り返し記録に伴う種々の劣化現象の記録線速度依存性を解消することはできなかった。
【0088】
光ディスクシステムでは、記録容量の確保の観点から、同一セクタに情報を繰り返し多数回記録した場合の一連の記録領域の始端部(記録開始部)と終端部(記録終了部)における再生信号の劣化長の和が、記録時の使用想定線速度いずれに対してもできるだけ短くなるように、レーザ光照射プロファイル、またはディスク構造が調整されていることが望ましい。このような観点で実験を行なった結果、ある程度の成果が得られ、かつ記録領域の始端部における繰り返し記録に伴う再生波形劣化長と終端部における再生波形劣化長の比が、通常、記録線速度に応じて変化することがわかった。また、両劣化長の比と記録線速度との関係は1次関数で表わすことができなかった。繰り返し記録に伴って生じる再生波形劣化がデータブロックの再生に影響を与えないような同期信号の長さ、及びダミーデータの長さは、各光ディスクシステムに固有の、記録線速度に応じた最適値を有することがわかった。
【0089】
また、同一セクタ内に同じパターンの信号が多数回記録されても再生波形劣化が生じないようにデータ先頭識別マークの記録位置をランダムに変化させる記録方法を実施する場合、記録開始位置の最大位置ずれ量(IDに最も近く記録されたデータ先頭識別マークと、最も遠く記録されたデータ先頭識別マークとの距離)にも、記録線速度に応じた最適の長さがあることがわかった。データ先頭識別マークの最適の最大位置ずれ量と記録線速度との関係も1次関数で表わすことができなかった。データ先頭識別マークの位置をランダムに変化させるには、前述のように、同期信号の記録開始点を一定にしてその長さをランダムに変化させたり、或は同期信号の長さを一定にして同期信号の記録開始点をランダムに変化させる方法等が考えられる。
【0090】
以上の実験結果から、繰り返し記録可能な相変化型光ディスク装置において、繰り返し記録に伴う再生波形劣化を抑制するには以下の3つの記録方法が有効であることがわかる。
【0091】
(1)記録領域に同期信号(VFO)、データ先頭識別マーク(DM)、変調データ、必要ならばダミーデータの順に続けて記録し、かつデータ先頭識別マークの位置をランダムに変化させる。
【0092】
(2)同一セクタにおけるデータ先頭識別マークの最大位置ずれ量、及び/または同期信号の平均長さを記録時の線速度に応じた最適な値に選んで記録する。
【0093】
(3)同一セクタにおけるダミーデータの平均長さを記録時の線速度に応じた最適な値に選んで記録する。
【0094】
実際の光ディスク装置では通常、記録時の線速度と記録半径が1:1に対応するので、上述の(2)または(3)の方法を実施するには、光ディスク装置が、記録半径毎に最適のデータ先頭識別マークの最大位置ずれ量、及び/または同期信号の平均長さ、ダミーデータの平均長さの換算表を備え、その換算表に従って所望の記録領域に記録するように構成すればよい。以下、具体的に実施形態を説明する。
【0095】
図24に、第5の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図を示す。この光ディスク装置も図17に示した記録フォーマットでデータを記録することができる。図24に示す光ディスク装置は図16に示した光ディスク装置に対して、アドレス−(同期信号,ダミーデータ記録方法)変換メモリ(以下、単に変換メモリという)2801が付加されている。変換メモリ2801には、記録アドレス毎に最適のデータ先頭識別マークの最大位置ずれ量、同期信号の長さ、ダミーデータの長さ、またはダミーデータ記録終了位置等のデータが記憶されている。
【0096】
以上のように構成された光ディスク装置について、以下その動作を説明する。データの記録時、システム制御回路2011は記録すべき目的セクタのアドレスをサーボ制御回路2003と変換メモリ2801に与える。サーボ制御回路2003はアドレス検出回路からのアドレスと目的アドレスとを比較して光ピックアップ2002のサーボ制御を行なう。変換メモリ2801は、記録すべき目的セクタのアドレスに対応する記録フォーマットデータを記録タイミング制御回路2009に与える。システム制御回路2011は符号化回路2008に符号化命令2013を出すと共に、記録タイミング制御回路2009に記録命令を出す。符号化回路2008はデータ2012を誤り検出訂正符号化し、データ変調回路2004に出力する。データ変調回路2004は符号化されたデータ2014をデジタル変調する。繰り返し記録に対する要求が低い場合については、ダミーデータ発生回路2007を省略することができる。
【0097】
記録タイミング制御回路2009はアドレス検出回路2010によって目的セクタが検出されると、変換メモリ2801から送られるデータに従って同期信号発生回路2005、DM発生回路2006、データ変調回路2004、ダミーデータ発生回路2007に順次起動命令を与え、セクタの記録領域46に最適のデータ先頭識別マークの最大位置ずれ量を与える同期信号,データ先頭識別マーク,変調データ,適当の長さのダミーデータを順次記録する。また、変換メモリ2801に記録すべきアドレスを与えるのがはシステム制御回路2011である必要はなく、記録直前にアドレス検出回路2010が、検出したアドレス信号を変換メモリ2801に送ってもよい。また、変換メモリ2801を光ディスク装置内に持つ変わりに、光ディスク2001に予めアドレス−(同期信号,ダミーデータ記録方法)を記録しておき、その情報に従って記録を行なうようにしてもよい。
【0098】
以上のように本実施形態によれば、アドレス−(同期信号,ダミーデータ記録方法)変換メモリを設けることによって、記録半径に応じて最適のデータ先頭識別マークの最大位置ずれ量、及び/または同期信号の平均長さ、ダミーデータの平均長さを選択して記録することができる。この結果、記録線速度によらずに、繰り返し記録に伴って生じる記録再生波形劣化の影響を受けないようにしながら、従来に比べて光ディスクの実質上の記録容量を向上させることができる。
【0099】
次に本発明の第6の実施形態について説明する。
【0100】
図25に、第6の実施形態に係る記録再生装置の構成をブロック図で示す。この記録再生装置が、あるセクタの記録情報を書き換えるために行なう動作を図26のフローチャートに示す。また、記録動作のタイミングチャートを図27に示す。図26のステップ3001において、書き換えるセクタのID情報41(アドレス情報)を検出した後、上記計算機と接続されたシステム制御回路4が記録情報5を2値化した信号として出力する(3002)。この記録情報は変調回路7aにてエラー訂正情報を付加され(3003)、変調される(3004)。そして、合成回路8において、各セクタに記録するデータ長ごとに、同期信号発生回路2からの同期信号42やダミーデータ発生回路21からのダミーデータ45等が付加されて記録データ11cとなり(3005)、このデータに従ってレーザ制御回路12が光ヘッド3内のレーザを駆動してレーザ光の強度変調を行なう(3006)。これによって光ディスク1の該当セクタにデータが記録される(3007)。以上の動作は従来の構成と同様であるが、次に説明する動作が従来と異なっている。
【0101】
上記の記録を行いながら、記録のために照射した光ビームが光ディスク1から反射してくる再生信号をストップパルス検出回路49で検出する(3008)。ストップパルス検出回路49が、ダミーゲート発生回路50で発生したダミーゲートで定めた検出時間内に光ディスク1の局部的な反射率変化として検知されるストップパルス53を検出すれば、遅延回路51で定めた所定の遅延時間d4後に(3009)ダミーデータの記録を停止する(3011)。一方、ストップパルス検出回路49がダミーゲート発生回路50で発生したダミーゲート54で定めた検出時間内にストップパルスを検出しなければ、別の遅延回路52で定めた所定遅延時間d5後に(3010)ダミーデータの記録を停止する(3011)。上記ストップパルスは、光ディスク1上の各セクタの記録領域の終端近くで、ガイド溝の溝幅変化や溝深さを変化させたり、或はプリピットを設けて発生させる。
【0102】
本発明によると、光ディスクを回転させるモータに回転ジッタが生じても、各セクタにおける記録終了位置を正確に揃えることができる。これは、ストップパルスが記録セクタの終了位置近くにあるため、ストップパルスを検出してから目的の記録終了位置に達するまでの時間が、セクタの記録開始点から記録終了点に達するまでの時間に比べて短くなることによる。すなわち、従来の記録方法だと、記録開始から所定の時間後に記録動作を停止するが、実際にはモータの回転むら等の影響があって、記録毎に記録終了位置は変化し得る。一方、本発明のようにストップパルスを検出してから、所定時間後に記録を終了する方法だと、従来例よりも、はるかに記録終了位置が揃う。別の言い方をすると、本記録方法を採用すると、モータの回転ジッタ等の影響を考慮せずに、使用できる記録領域の最後まで使いきることができる。すなわち、例えば、ダミーデータの領域を従来の記録方法よりも長くとることができる。
【0103】
何等かの理由でストップパルスの検出に失敗した場合には、後続のID領域に入る前に記録を停止しなければならない。そこで、ストップパルスが検出されるべき時間を過ぎてもストップパルスが検出されなければ、モータの回転ジッタを考慮して、記録を停止する必要がある。また、ストップパルスの検出動作をはやい段階から開始すると、ストップパルスでない信号変化をストップパルスと誤って検出した場合に、本来の記録の途中で記録動作を停止することになる。このような理由で、ストップパルスの検出動作は、ストップパルス検出予定時間にモータの回転ジッタ等、考えられる時間ずれをつけ加えた時間範囲で内で行なえばよい。ダミーゲート発生回路50が生成するダミーゲートは、ストップパルスを検出すべき時間内でストップパルスの検出を行なうようにするものである。
【0104】
図27のタイミングチャートに示されるように、光ディスク上の案内溝17が途切れた部分でストップパルスを検出する場合、ストップパルスを検出してから遅延時間d4後にダミーデータの記録が停止される。所定の検出時間内にストップパルスが検出されなかった場合は、その後、遅延時間d5が経過するに伴ってダミーデータの記録が停止される。ストップパルスの検出に失敗した場合に遅延回路52によって与えられる遅延時間d5は、モータの回転ジッタ等を考慮に入れた記録終了位置が記録ストップパルスの検出に成功した場合の記録終了位置よりも後にならにように設定される。
【0105】
次に具体的な実施例を示す。実施例1に示した構成の光ディスク及び、記録条件で信号を繰り返し記録し、1回記録する毎に、記録終了位置(次のIDまでの距離)を測定した。ストップパルスの発生位置は、各セクタを20:1に内分する位置(セクタの後部)とした。図28,33に、本実施例による、光ディスクの一例を示す。図28は、案内溝がある場合で、ストップパルスは、案内溝がとぎれた部分で反射率が高くなって検出される。図28のような光ディスクを用いた場合、記録動作中にストップパルスを検出することができ、従来の記録方法と比べて、同一セクタにおける記録終端位置のばらつきが20分の1となることを確認した。
【0106】
案内溝を有する光ディスクでは、溝幅を局所的に細くしたり、或は溝深さを浅くしたりすることによっても、ストップパルスの検出が可能である。
【0107】
また、図29に示したように、いわゆるサンプルサーボ方式の光ディスクでは、プリピットの大きさが他のプリピットよりも大きなプリピットを記録領域の終端近くに設け、この大きなプリピットからの信号をストップパルスとして検出することも可能である。
【0108】
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。先に述べた第3の実施形態では、セクター内に情報を記録する際に、同期信号であるVFO信号の記録を一定の位置から開始し、かつ、記録の度にVFO信号の長さをランダムに変化させることにより、記録始端の劣化を補償しながらデータ部の波形歪みを解消することを実現する。しかし、この場合、VFO信号が光ディスクに対して常に一定のタイミングで記録されるので、回転精度および信号の時間精度が高い記録装置で記録した場合に、VFO領域で固定パターン特有の波形歪みが生じる場合がある。
【0109】
そこで本実施形態では、この波形歪みを抑制するために、上記の方法に加えて、繰り返し記録の度に信号極性を反転し、または記録始端をシフトする方法を組み合わせることにより、繰り返し記録の性能をさらに向上させる。この記録方法について、図30のブロック図と図31のタイミングチャートを用いて説明する。
【0110】
光ディスク1からの再生信号14が、再生信号処理回路13、アドレス検出回路2010を経て復調され、ID信号60がシステム制御回路4に入力される。上位計算機からの指示に従ってシステム制御回路4は、記録すべきセクターの範囲を示すセクター信号61を記録タイミング制御回路2009に出力する。記録タイミング制御回路2009は、はじめに、再生信号からデータ信号を復調する際の同期信号であるVF0信号を出力するためのゲート信号62を、セクター信号61から一定の時間Lgだけ遅れたタイミングで同期信号発生回路2005に出力する。なおゲート信号62の区間は、必要とするVFO信号の区間Lvよりも十分長い値に設定される。同期信号発生回路2005は、ゲート信号区間に対応したVFO信号65を合成回路8に出力する。
【0111】
また、記録タイミング制御回路2009は、データの終端部の劣化を補償するためのダミー信号を得るためのダミーゲート信号63をダミーデータ発生回路に出力する。ダミーゲート信号63は、最終的に必要とするダミーデータ長よりも長い区間出力される。また、その終端位置がセクター信号61の後端よりも前になるように、セクター開始点から一定時間Lds経過後に停止される。ダミーデータ発生回路2007は、ダミーゲート信号63に従って、ダミーデータ信号67を合成回路17に出力する。
【0112】
一方、システム制御回路4は、記録する情報信号に基づいて2値化された情報信号5を変調回路7aに出力する。変調回路7aは、記録信号5にエラー訂正符号を付加し、さらに光ディスクの記録に適した変調コード、例えばEFMコード、(1,7)コード、または(8,16)コードに従って変調を行う。変調された信号はデータ信号19bとなり、この信号にはデータマーク、データ中の同期信号、パリティ等が含まれる。
【0113】
データ信号19bの出力開始タイミングは、記録タイミング制御回路2009からのVFOゲート信号62の立ち上がりからLvだけ遅れた記録開始パルス64によって決まる。データ信号19bは、第1のランダム遅延回路70によって時間幅Mだけ遅延されて遅延データ信号71となり、これが合成回路8に入力される。第1のランダム遅延回路70は、入力された信号をM=0〜Mmaxの範囲内のいずれかの遅延時間で遅延させる。
【0114】
第1の合成回路8は、遅延データ信号71とVFO信号65とを合成し、続く第2の合成回路17がさらにダミーデータ信号67を合成し、合成データ信号72が生成される。このとき、データ信号71とダミーデータ信号67との重なり部分ではデータ信号71が優先され、その後にダミーデータ信号67が続くように合成される。VFO、データ信号、およびダミー信号からなる合成データ信号72は、第2のランダム遅延回路73によって全体が遅延時間Nだけ遅れた遅延合成信号74となる。なお、第2のランダム遅延回路73は、入力された信号を、N=0〜Nmaxの範囲内のいずれかの遅延時間で遅延させる。
【0115】
ランダム反転回路75は、遅延合成信号74の極性をランダムに反転して記録データ信号76を生成する。この記録データ信号76に従って、レーザパワー制御回路12が光ヘッド3内のレーザを駆動し、レーザ光の強度を変調することにより光ディスク1上に信号の記録が行われる。なお、ランダム反転回路75は、図1で示したように反転回路10と選択回路9とを用い、記録データ信号または極性反転した記録データ信号をランダムに選択するように構成することができる。
【0116】
図32に、記録するセクター内で信号の記録位置をランダムに変化させるために用いるランダム遅延回路70の一例を示す。このランダム遅延回路70は、シフトレジスタ80、選択器81、およびカウンタ82から構成される。記録データ19bとデータの基準クロック信号83がシフトレジスタ80に入力されると、シフトレジスタ80はクロックの周期に対応する時間遅れをもつ8種類の信号(c)〜(j)を選択回路81に出力する。カウンタ82は、一連のデータ信号列、例えば1つのセクター内に記録するデータ列が入力される度にカウントアップし、その結果を選択回路81に出力する。選択回路81は、カウンタ82の2進カウント信号(k)〜(m)の出力を、シフトレジスタ80からの出力信号を選択するための信号として用い、選択した遅延データ信号71を得る。
【0117】
以上の構成により、データ信号にランダムな遅延時間を与えることができる。また、遅延時間をさらに大きくとる場合は、シフトレジスタ80のビット数を増やし、またはクロック83を分周したものをシフトレジスタ80に入力すればよい。また、第2の遅延回路73についても同様の構成とすることができる。
【0118】
図33は上記の方法により得られる光記録媒体の記録フォーマットを示す。記録媒体のセクター上には、ID信号41に続いて、第1のギャップ領域47、VFO領域42、データブロック44、ダミーデータ42、および第2のギャップ領域48が配置される。
【0119】
第1および第2のギャップ領域47、48は、光ディスクの回転変動、記録ゲートのタイミングの変動等による誤記録が生じないようにするために設けられる。また、第1のギャップ領域47の長さは、記録に先立って半導体レーザ等の光源のパワー設定を行うのに必要な時間を含むように設定することが望ましい。第2のギャップ領域48は、主に回転変動によるID信号上への誤記録を防止するためのものであり、スピンドルモータおよびサーボ回路の性能に応じてその長さが決定される。
【0120】
VFO信号42については、繰り返し記録を行った後の記録始端での信号の劣化を考慮に入れた長さLvを設定する。記録媒体の補償する繰り返し記録回数、あるいは記録媒体を構成する材料に応じて、信号劣化を吸収できるような長さとする。即ち、VFO信号42は復調回路7bがデータ信号を復調する際に同期クロックのタイミングを得るための信号であるので、記録始端劣化が生じた後においても復調回路のPLL引き込みに必要な長さを越えるVFO信号の長さが確保されるようにする必要がある。
【0121】
データブロック44に続くダミーデータ45は、繰り返し記録を行った場合の記録終端部の劣化がデータブロックに及ばないように、この最大劣化長さを越える長さに設定する必要がある。
【0122】
次に、二つのランダム遅延回路70、73により、繰り返し記録の度に設定されるセクターフォーマットのパターンについて説明する。図33の(a−1)は第1のランダム遅延回路70による遅延量M、および、第2のランダム遅延回路73による遅延量Nが共に0である場合であり、データブロックが最も前方、即ちID信号41aに最も近い位置にある。(a−2)はN=N1の場合であり、遅延量N1分だけセクターの後方へVFO、データブロック、およびダミーデータの全体が移動する。(a−3)は、遅延量Nが最大値Nmaxの場合であり、VFOの先頭部が最も遅れた状態となる。このとき、ダミーデータ45の後端部も(a−1)に比べて遅延量Nmaxだけ遅れ、その分、第2のギャップ領域が短くなる。
【0123】
図33の(b−1)は第1のランダム遅延回路70による遅延量がM=M1の場合であり、遅延量M1だけVFO領域の長さが伸びてLv+M1となる。従って、データブロックは(a−1)に比べてM1だけ遅れた位置から開始する。データブロックの後端部、即ちダミーデータ45の始端部もM1だけ遅れるが、ダミーデータ45の後端部は(a−1)と同位置である。つまり、ダミーデータの長さがLd−M1に短縮される。以下、同様にして、VFOの長さと始端位置とが変化する。
【0124】
図33の(c−3)は、M=Mmax、N=Nmaxの場合であり、データブロックの遅延量が最も大きくなる(Mmax+Nmax)。実際の記録動作においては、これらの遅延状態がランダムに選択される。したがってデータブロック44の位置は、遅延量がゼロからMmax+Nmaxの範囲内でランダムに変化する。また、記録の始端は遅延量がゼロからNmaxの範囲内でランダムに変化する。
【0125】
次に、本実施形態の効果を確かめるために行なった比較実験(実施例)について説明する。第1の実施例と同様に、光ディスク1のディスク基板には、直径130mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂を用いた。この樹脂基板には、凸凹形状の位相ピットをあらかじめアドレス情報としてプリフォーマットし、セクタ領域には記録用ガイド溝を形成した。ガイド溝のピッチは1.6μmである。基板上に保護膜、光感応性記録膜、保護膜、反射膜をスパッタリング法により4層成膜し、その上に保護基板を接着した。
【0126】
保護膜としてZnS−SiO2、光感応性記録薄膜としてTe−Sb−Ge、反射膜としてAlを用いた。そして、スピンドルモーター15によりこのディスクを線速度6m/sで回転させ、波長680nmのレーザ光を開口数(NA)0.6の対物レンズで集束させて記録を行なった。
【0127】
記録再生時のレーザ光のパワーは、Pp=11mW、Pb=4mW、Pr=1mWとした。記録情報の変調方式は(8,16)コードを用い、パルス幅変調で記録を行った。クロックの周期Tは34ns、ビット長0.4μm、最短マーク長は0.6μmとした。変調方式は、1個のマークに対して複数のパルス列からなる光照射を行うマルチパルス変調を適用した。セクター上に記録するデータのフォーマットとして、最短のギャップ長Lgが32バイト、VFO長Lvが65バイト、データブロック長が2418バイト、ダミーデータ長Ldが82バイトのフォーマットを用い、VFOの変化量(遅延量)Mとギャップ長の変化量(遅延量)Nを変えながら記録実験を行った。なお、VFO信号とダミー信号のパターンは、共に連続した4T信号を用いた。また、それぞれの変化量に対して、ランダム反転回路75を用いた信号反転の有無による再生信号の劣化比較をも行った。
【0128】
図34(a)および(b)に実験結果を示す。これらのグラフにおいて、縦軸のジッターσ/Tw(%)は、再生信号のジッター値をウィンドウ幅に対する標準偏差の総和で表したものである。上記の光ディスクのセクター上に、同一のデータ信号を10万回繰り返し記録した後のジッター値である。なお、復調の際のエラー発生確率が1万分の1程度以下である条件を目安として、ジッター値が13%以下である条件をデータ再生の基準とした。
【0129】
図34(a)はギャップ長を固定し、VFO長の最大変化量Mmaxを段階的に変化させながら、その範囲内でVFO長をクロック周期T単位でランダムに変化させて記録動作を行った場合のジッターを測定したものである。曲線84は信号極性のランダム反転をしなかった場合であり、曲線85はランダム反転をした場合である。VFO長の最大変化量Mmaxの増大に伴ってジッターの改善がみられる。曲線84では80T(5バイト)程度以上でジッターが13%以下になり、曲線85では40T(2.5バイト)程度以上でジッターが13%以下になっている。ランダム反転記録を加えることにより、ジッターが大きく改善されデータのシフト量を小さく設定できることがわかる。
【0130】
図34(b)はVFO長を固定し、ギャップ長の最大変化量Nmaxを段階的に変化させながら、記録動作を行った場合のジッターを測定したものである。ジッターの測定は、VFO信号のPLLに必要な長さが確保されるか否かチェックする観点からデータブロック側の35バイトの領域で測定した。曲線86は信号極性のランダム反転をしなかった場合であり、曲線87はランダム反転をした場合である。図34(a)と同様に、ギャップ長の最大変化量Nmaxの増大に伴ってジッターの改善がみられる。曲線86では6T程度以上でジッターが13%以下になり、曲線87では2T程度以上でジッターが13%以下になっている。この場合も、ランダム反転記録を加えることにより、ジッターが大きく改善されることがわかる。
【0131】
また、図34の(a)と(b)とを比較してわかるように、ジッター値が13%以下である条件を満足するために必要なギャップ長の最大変化量Nmaxは、同じく必要なVFO長の最大変化量Mmaxに比べて小さい値でよい。セクター上に記録するフォーマット信号のパターンとして、VFO長の最大変化量Mmaxに対して、ギャップ長の最大変化量Nmaxを小さく設定することにより、セクター中のデータブロックの容量をほとんど低下することなく波形劣化を効果的に抑制することができる。
【0132】
記録フォーマットの一例として、図34(a),(b)の結果に基づいて、2つの変化量の実用的な値を見積もる。これらの値は、上記の実験結果に加えて記録装置の特性変動、装置間の誤差、記録媒体の特性ばらつき等によるジッターの悪化要素を補償できるように設定しなければならない。ここでは、これらの要素を考慮して、ジッターが13%以下となる量の3倍を実用上必要な変化量と見積もってみる。
【0133】
この結果、ランダム反転を行う場合はギャップ長の最大変化量Nmaxは6Tとなる。バイト数で表すと0.38バイト、端数を切り上げて1バイトとなる。同じく、VFO長の最大変化量Mmaxは7.5バイト、端数を切り上げて8バイトとなる。
【0134】
これに対してランダム反転しない場合は、ギャップ長の最大変化量Nmaxは18Tとなる。バイト数で表すと1.13バイト、端数を切り上げて2バイトとなる。同じく、VFO長の最大変化量Mmaxは15バイトとなる。これらの値を用いた記録フォーマットを適用することにより、10万回の繰り返し後において、VFO部、データブロック部を含めて再生信号に波形歪みが無く、始端劣化および終端劣化が補償された記録を行うことができる。
【0135】
記録再生装置の構成を簡素化する観点からは、ランダム反転回路75を省略することも可能である。この場合は、ランダム反転記録を併用する場合に比べて繰り返し記録時のジッターが大きくなるが、これを補償するためにVFO長の最大変化量Mmaxを増大させ、その分、データ容量を削減することで対応することができる。
【0136】
なお、本実施形態ではダミーデータ長がLd−Mであり、Mのランダム変化に応じてダミーデータ長が変化するが、終端劣化の小さい媒体を用いる場合には、データブロック44の終端に固定長のダミーデータを付加するようにしてもよい。
【0137】
以上のように、フォーマット記録の際のギャップ長とVFO長をランダムに変化させることにより、同じデータを繰り返し記録した場合において、セクター上のトラックの同じ位置への記録を回避し、かつ、始端終端の劣化量を補償した記録を行うことができる。
【0138】
【発明の効果】
本発明によれば、書き換え可能な相変化型光ディスクにおいて、繰り返し記録に起因する劣化を効率よく抑制し、書き換え可能回数を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る記録再生装置の構成を示すブロック図
【図2】図1の記録再生装置が、あるセクタの記録情報を書き換えるために行う動作を示すフローチャート
【図3】図1の記録再生装置における記録データ、反転記録データ、レーザ光の強度変調、及び光ディスクへの記録状態を示すタイミングチャート
【図4】本発明の第2の実施形態に係る記録再生装置の構成を示すブロック図
【図5】図4の記録再生装置においてセクタの記録情報を書き換えるためにシステム制御回路が行う処理を示すフローチャート
【図6】図4の記録再生装置におけるダミーデータ発生回路の構成を示すブロック図
【図7】図4の記録再生装置におけるダミーデータ発生回路の各部の信号を示すタイミングチャート
【図8】図4の記録再生装置における記録データ、レーザ光の強度変調、及び光ディスクへの記録状態を示すタイミングチャート
【図9】図4の記録再生装置の変形例における記録データ、レーザ光の強度変調、及び光ディスクへの記録状態を示すタイミングチャート
【図10】図4の記録再生装置の変形例の構成を示すブロック図
【図11】図10の記録再生装置における記録データ及びレーザ光の強度変調を示すタイミングチャート
【図12】図10の記録再生装置における記録データ及びレーザ光の強度変調の変形例を示すタイミングチャート
【図13】図4の記録再生装置の他の変形例の構成を示すブロック図
【図14】従来の記録再生装置の構成を示すブロック図
【図15】図14の記録再生装置による記録データ、レーザ光の強度変調、及び光ディスクへの記録状態を示すタイミングチャート
【図16】本発明の第3の実施形態に係る記録再生装置の構成を示すブロック図
【図17】光ディスクにおけるセクタの記録フォーマットの構成を示す図
【図18】図16の記録再生装置における記録タイミンング制御回路の構成を示すブロック図
【図19】図18の回路部分の動作を示すタイミングチャート
【図20】図16の記録再生装置によって記録される同期信号のパターン例を示す図
【図21】本発明の第4の実施形態に係る記録再生装置の記録タイミング制御回路の構成を示すブロック図
【図22】図21の記録再生装置の構成部分の動作を示すタイミングチャート
【図23】図21の構成部分を備える記録再生装置によって記録されるダミーデータのパターン例を示す図
【図24】本発明の第5の実施形態に係る記録再生装置の構成を示すブロック図
【図25】本発明の第6の実施形態に係る記録再生装置の構成を示すブロック図
【図26】図25の記録再生装置が、あるセクタの記録情報を書き換えるために行う動作を示すフローチャート
【図27】図25の記録再生装置におけるストップパルス位置、及び記録状態を示すタイミングチャート
【図28】本発明の第6の実施形態に係る光学情報記録媒体のガイド溝の形状の一例を示す平面図
【図29】本発明の第6の実施形態に係る光学情報記録媒体のプリピットの形状の一例を示す平面図
【図30】本発明の第7の実施形態に係る記録再生装置の構成を示すブロック図
【図31】図30の記録再生装置における各部信号のタイミングチャート
【図32】図30の記録再生装置におけるランダム遅延回路を例示する回路図
【図33】図30の記録再生装置による光記録媒体の記録フォーマットを示す図
【図34】図30の記録再生装置による繰り返し記録後の再生信号のジッター値を比較して示すグラフ
【符号の説明】
1 光ディスク
3 光ヘッド
4 システム制御回路
5 情報信号
6 再生情報
7a 変調回路
8 合成回路
12 レーザパワー制御回路
13 再生信号処理回路
14 再生信号
17 第2の合成回路
19b データ信号
41ID信号
42 VFO領域
44 データブロック
45 ダミーデータ
47 第1のギャップ領域
48 第2のギャップ領域
60 ID信号
61 セクター信号
62 VFOゲート信号
63 ダミーゲート信号
64 記録開始パルス
65 VFO信号
67 ダミーデータ信号
70 第1のランダム遅延回路
71 データ信号
72 合成データ信号
73 第2のランダム遅延回路
74 遅延合成信号
75 ランダム反転回路
76 記録データ信号
80 シフトレジスタ
81 選択回路
82 カウンタ
83 基準クロック信号
2005 同期信号発生回路
2007 ダミーデータ発生回路
2009 記録タイミング制御回路
2010 アドレス検出回路

Claims (4)

  1. セクター構造からなる書き換え可能な情報記録媒体に光ビームを照射することにより情報信号を記録する方法であって、
    前記セクター内において、無信号区間であるギャップ領域と、このギャップ領域に続いてデータ復調の際の同期をとるための基準同期信号であるVFO信号と、情報信号に基づいて変調されたデータ信号と、このデータ信号に続くダミーデータ信号からなり、前記ギャップ領域の区間を(Lg+N)とした場合に、Nの値が所定の範囲(N=0〜Nmax)内で記録の度にランダムに変化し、しかも、前記VFO信号の区間を(Lv+M)とした場合に、Mの値が所定の範囲(M=0〜Mmax)内で記録の度にランダムに変化する記録信号を用いて、前記記録媒体上に記録を行うことを特徴とする光学情報記録媒体の記録方法。
  2. VFO信号、データ信号、およびダミーデータ信号の極性を記録の度にランダムに変化させて記録を行う請求項1記載の光学情報記録媒体の記録方法。
  3. 前記ダミーデータ信号の区間を(Ld−M)とすることを特徴とする請求項1または2記載の光学情報記録媒体の記録方法。
  4. ギャップ領域区間の変化幅の最大値NmaxをVFO信号区間の変化幅Mmaxより小さくする請求項1記載の光学情報記録媒体の記録方法。
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