JP3036638B2 - 光学的情報記録媒体の記録再生方法 - Google Patents

光学的情報記録媒体の記録再生方法

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JP3036638B2
JP3036638B2 JP11320711A JP32071199A JP3036638B2 JP 3036638 B2 JP3036638 B2 JP 3036638B2 JP 11320711 A JP11320711 A JP 11320711A JP 32071199 A JP32071199 A JP 32071199A JP 3036638 B2 JP3036638 B2 JP 3036638B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に情報を記
録・再生するための光記録媒体の記録再生方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光学的に情報を記録するための媒
体として、光ディスク、光カード、光テープなどが提案
され、また実用化されている。その中でも特に、光ディ
スクは大容量かつ高密度の記録および再生ができる媒体
として注目されている。
【0003】以下に、従来の光ディスクの記録再生方法
について、図面を参照しながら説明する。まず、記録膜
として相変化記録膜を用いた光ディスクの構成例を図2
3に示す。ガラスや樹脂材料(PMMAやポリカーボネ
ートなど)からなる基板2301にはガイド溝2302
や、アドレス情報等を示す凸凹形状のピットをあらかじ
め形成する。ガイド溝は内周から外周へ渦状に形成し、
アドレス情報を示すID領域を所定間隔で配置する。I
D領域とID領域との間の各ガイド溝の領域はセクタと
呼ばれる。その基板2301上に保護膜2303、記録
膜2304、反射膜2305をスパッタリング等により
堆積し、さらに保護基板2306を接着する。
【0004】このような光学的情報記録媒体の記録再生
を図24および25に基づいて説明する。図24は従来
の記録再生装置の構成例を示す図である。また、図25
は光ディスクの記録再生動作を説明するための図であ
り、(a)は記録データ信号、(b)はレーザの駆動信
号、(c)は光ディスクへの記録状態、(d)は記録の
フォーマットをそれぞれ示している。
【0005】光ディスクからの再生は次のように行う。
システム制御回路101がスピンドルモーター114を
駆動して光ディスク113を回転させる。光ヘッド11
2は、弱いレーザ光(図25(b)のレーザパワーPr)
を集束して光ディスク113に照射し、図25(c)の
ガイド溝2302上および一連のピット2502上をト
ラッキングする。ピット2502の有無および記録マー
ク2501の有無により光ディスク113からの反射光
量が変化する。この反射光量を検出してRF信号122
を得る。そして再生信号処理回路115において2値化
等の信号処理を行ない、復調回路116で復調する。そ
してエラー訂正情報によりエラー訂正を行い、並べ替え
た記録情報を復元するディインターリーブ処理を施して
所望の再生情報が得られる。
【0006】次に、光ディスクへの記録は以下のように
行う。上位計算機と接続されたシステム制御回路101
から2値化情報である記録情報102が与えられると、
この記録情報にエラー訂正情報(パリティ)を付加し、
インターリーブ処理を行なう。インターリーブ処理は光
ディスク113の欠陥等に起因するバーストエラー(連
続的な長い誤り)をランダムエラー(短い誤り)に変換
してエラー訂正を容易にするためのものであり、記録情
報を一定の法則にしたがって分割し並べ替える処理であ
る。その後、変調回路104にて、例えば(1,7)R
LL変調方式で変調する。この結果、図25(d)のデ
ータ領域604に記録する変調データ信号105が得ら
れる。
【0007】そして合成回路109において、各セクタ
に記録するデータ長ごとに同期信号発生回路108から
のVFOおよびRESYNCや、必要に応じてダミーデ
ータ発生回路107からのダミーデータを付加して記録
データ信号118とする。VFOおよびRESYNCは
いずれも再生信号処理回路115内のPLL(同期信号
発生器)にて再生信号に同期したクロックを生成するた
めに設ける同期信号である。VFOは変調データ信号の
前に、RESYNCは変調データ信号内に一定の間隔を
おいて配置する。またダミーデータは繰り返し記録時に
セクタ中での記録終了点に発生する記録膜劣化の影響を
緩和するために設けるものである。記録データ信号11
8は図25(a)のような波形となる。
【0008】この記録データ信号118に対応して、レ
ーザ駆動回路110によりレーザ駆動信号111を発生
し、光ヘッド112内のレーザを駆動しレーザ光の強度
を変調する。レーザ駆動信号111は図25(b)のよ
うな波形となる。
【0009】図24の光ヘッド112により集束させた
強いレーザ光(図25(b)のレーザ光のパワーPp)を
光ディスク113の記録膜に照射して記録膜の温度を融
点を越えて上昇させると、溶融部分は急速に冷却されて
非晶質(アモルファス)状態の記録マーク2501(図
25(c))になる。また、記録膜の温度を融点近くま
で上昇させる程度のレーザ光(図25(b)のレーザ光
のパワーPb)を集束して照射すると、照射部の記録膜は
結晶化温度以上に昇温し、徐冷されて結晶状態になる。
【0010】このようにしてガイド溝2302のデータ
領域604上には変調データ信号105に対応した結晶
質と非晶質との記録パターンが形成される。そして結晶
質と非晶質との反射率の相違を利用して、情報の記憶、
再生が行われる。
【0011】また、図25(d)に示すように、ID領
域601とVFO領域603との間にはギャップ領域6
02を設け、ダミーデータ領域605と次のID領域6
01との間にはバッファ領域606を設ける。ギャップ
領域602はレーザパワーを制御する時間を得るための
領域であり、バッファ領域606はスピンドルモータの
回転ムラによる記録位置のズレを吸収するための領域で
ある。
【0012】また、記録時に光ディスクのセクタ607
間にあるID領域601を走査するときは、レーザ光の
強度を再生時と同様の弱いパワーに落として光ディスク
に照射することによりアドレス情報を再生する。
【0013】ところで、上記のようにして光ディスクへ
の記録を繰り返すと、セクタに記録したデータの再生信
号の品質が局所的に劣化する傾向がある。特に、類似し
た記録データを同じセクタに繰り返し記録した場合、こ
の傾向が顕著になる。これはセクタ上において、多数回
の溶融/固化を繰り返す部分と全く溶融しない部分とが
生じ、両部分の境界で記録膜の膜厚が変動して熱的およ
び光学的特性が劣化するためである。その結果、データ
の再生信号の品質が劣化したり、情報が記録できなくな
る場合があった。
【0014】このような課題を解決するために、光ディ
スクのセクタにおけるデータの記録開始点を一定範囲
(これを変化幅という)内でランダムにシフトさせて情
報を記録する記録方法が提案されている(例えば特開平
2−94113号公報参照)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の記録方法では、記録媒体や記録条件にかかわらず
記録開始点の変化幅が一定であった。一方、記録膜の劣
化の度合いは、記録の繰り返し回数だけで決まるのでは
なく、記録媒体や記録条件によっても異なってくる。
【0016】そのため、従来の記録方法では、条件によ
っては記録膜の劣化が十分に改善されない場合があっ
た。例えば、光ディスクでデータ領域を書き換えるとき
には、セクタ単位で書き換えを行なっている。そのた
め、書き換えるべき情報がセクタの一部であっても、実
際には該当セクタ全体を書き換えることになる。とりわ
け、ディスク上のTOC(Table of Contents)領域(デ
ィレクトリ領域ともいう)は、ディスクに記録されてい
る情報の目次に相当する情報が記録されるので、繰り返
し記録の頻度が高く、かつ非常に類似したデータが書き
換えられる。そのため、この領域では、実際の情報が記
録されている領域(これを一般領域という)に比べて記
録膜が早期に劣化する傾向がある。
【0017】記録開始点の変化幅を大きくすれば記録膜
の劣化は改善されるが、データ領域はセクタの中に収ま
らなければならないので、セクタ内でVFOやダミーデ
ータに使用できる領域が減少することになる。つまり、
同期信号を得るためのVFOをデータ領域の前に付加
し、セクタ終端部分に生ずる記録膜劣化に対処するため
のダミーデータをデータ領域の後ろに付加したとき、デ
ータの記録開始点の変化幅を大きくするとVFO部分や
ダミーデータ部分の長さを短くせざるを得ない。このた
め、繰り返し記録を行なったときに起こるセクタの始端
部分および終端部分の記録膜劣化に対して敏感になる。
すなわち、同等の記録膜劣化に対して、情報を再生でき
なくなる可能性が高くなる。そのため、結果的に繰り返
し記録可能回数が減少することになる。
【0018】本発明は上記のような従来の問題点を解決
すべく、記録条件に応じてデータ領域の記録開始点の変
化幅を変えることによって、光ディスクの記録膜の劣化
を適切に抑制して、繰り返し記録可能回数をさらに増大
させることができる記録再生方法を提供することを目的
とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の光学的情報記録媒体の記録再生方法は、セ
クタ構造のフォーマットをもつ書き換え可能な光学的情
報記録媒体の記録再生方法であって、情報信号を記録媒
体上の記録パターンに対応した変調データ信号に変換す
る変調工程と、第1の記録タイミングまたは第2の記録
タイミングを選択する選択工程と、前記選択工程で前記
第1の記録タイミングが選択されたときは、記録媒体に
おける前記変調データ信号の記録開始点を所定の変化幅
の範囲内で変化させ、前記選択工程で前記第2の記録タ
イミングが選択されたときは、記録媒体における前記変
調データ信号の記録開始点を前記所定の変化幅より大き
い変化幅の範囲内で変化させる記録制御工程とを備え、
前記選択工程において、記録媒体に記録された識別子に
応じて前記第1の記録タイミングまたは前記第2の記録
タイミングを選択し、かつ前記選択工程で前記第1のタ
イミングが選択されたときおよび前記第2のタイミング
が選択されたとき、前記記録媒体における前記変調デー
タ信号の記録開始点の遅延時間は段階的に変化され、前
記第2のタイミングが選択された場合の遅延時間の変化
段階幅が前記第1のタイミングが選択された場合の遅延
時間の変化段階幅より大きいことを特徴とする。
【0020】このようにして、記録媒体や記録条件に合
わせて記録開始点の変化幅を設定することができる。従
って、記録膜劣化の顕著な記録方式や媒体の場合には変
化幅を大きくすることにより、繰り返し記録時の記録膜
の局所的な劣化を改善して繰り返し記録可能回数を多く
することができる。一方、繰り返し記録に対して記録膜
劣化の少ない記録方式や媒体ではVFOやダミーデータ
の長さを長くしてセクタ始終端の劣化に対処し、繰り返
し記録可能回数をより多くすることができる。記録条件
や記録媒体の情報は、識別子として媒体に記録しておく
ことができる。または、変調データ信号の種類に応じて
変化幅を変えてもよい。さらに、記録するセクタの繰り
返し記録頻度、記録するセクタがTOC領域であるか否
か、グルーブ(ガイド溝)上にあるかランド(ガイド溝
とガイド溝との間)上にあるか等の記録条件に応じて記
録開始点の変化幅を設定することが好ましい。
【0021】前記方法においては、選択部は、変調デー
タ信号の種類に応じて前記第1の遅延手段の機能または
前記第2の遅延手段の機能を選択することが好ましい。
【0022】また前記方法においては、繰り返し記録頻
度が高い領域か否かを検出する検出部を備え、繰り返し
記録頻度が高い場合、前記選択部は前記第2の遅延手段
を選択し、繰り返し記録頻度が低い場合、前記選択部は
前記第1の遅延手段を選択することが好ましい。
【0023】また前記方法においては、記録するセクタ
がTOC領域である場合、前記選択部は前記第2の遅延
手段を選択し、記録するセクタがTOC領域以外の領域
である場合、前記選択部は前記第1の遅延手段を選択す
ることが好ましい。
【0024】また前記方法においては、記録するセクタ
がグルーブ上にあるかランド上にあるかを検出する検出
部を含み、前記選択部は前記検出部の検出結果に基づい
て前記第1の遅延手段または前記第2の遅延手段を選択
することが好ましい。
【0025】また前記方法においては、変調部がパルス
幅変調によって前記変調データ信号を得る場合、前記選
択部は前記第2の遅延手段を選択し、パルス位置変調に
よって前記変調データ信号を得る場合、前記選択部は前
記第1の遅延手段を選択することが好ましい。
【0026】また前記方法においては、第1の遅延手段
および第2の遅延手段は遅延時間を段階的に変化させ、
前記第2の遅延手段による遅延時間の変化段階数が前記
第1の遅延手段による遅延時間の変化段階数よりも大き
いことが好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明による学的情報記録
媒体の記録再生装置の実施形態を図面に基づいて具体的
に説明する。
【0028】(実施形態1)図1は本発明に係る記録再
生装置の構成を示す図であり、図2は本発明の実施形態
1において、あるセクタの記録情報を書き換える動作を
説明するフローチャートである。上位計算機と接続され
たシステム制御回路101にて、光ディスク113上の
書き換えるセクタのアドレス情報を検出(ステップ20
1)した後、システム制御回路101が2値化情報であ
る記録情報102を出力する(ステップ202)。
【0029】そしてこの記録情報にエラー訂正情報を付
加しインターリーブを行なって(ステップ203)、変
調回路104にて変調する(ステップ204)。以上の
動作は従来例の構成と同様である。
【0030】次に、変調回路から出力した変調データ信
号105を遅延量制御回路106に入力する。遅延量制
御回路106では、該当領域がTOC領域のような繰り
返し記録頻度が高い領域か否かの識別結果にしたがって
(ステップ205)、一般領域では記録開始点の変化幅
を小さく(ステップ207)、TOC領域では記録開始
点の変化幅を大きく設定する(ステップ206)。上記
の識別結果は識別手段119にて識別子を検出すること
により行なう。また識別子はあらかじめ各セクタのID
領域(図25の601)等に記録されている。
【0031】遅延量制御回路106では、変調したデー
タ105を設定した変化幅に相当する遅延量の範囲内で
ランダムに遅延する(ステップ208)。遅延量制御回
路の構成の詳細については後述する。
【0032】そして合成回路109において、各セクタ
に記録するデータ長ごとに同期信号発生回路108から
の同期信号(VFO)、ダミーデータ発生回路107か
らのダミーデータ等を付加して記録データ信号118と
する(ステップ209)。この記録データ信号118を
レーザ駆動回路110に入力し、レーザ駆動信号111
を発生させて光ヘッド112内のレーザを駆動する。そ
してレーザ光の強度変調を行なって(ステップ21
0)、光ディスク113に照射し該当セクタに記録する
(ステップ211)。
【0033】次に、遅延量制御回路106について説明
する。図3に遅延量制御回路106の構成の一例を示
す。遅延量制御回路は異なる2種類の記録タイミング設
定機能からなる記録制御部と、識別子に応じて前記の記
録タイミング設定機能を選択する選択部からなる。図3
の遅延量制御回路では、選択部は選択回路305からな
る。記録制御部は複数の遅延回路301、遅延回路30
1を動作させるクロックを発生する2つのクロック発生
回路302および303、変調データ信号105の遅延
回路301への入力先を決定するセレクタ304からな
る。
【0034】遅延回路301の遅延量は遅延用のクロッ
クTにしたがってそれぞれ0, T,2T, 3T,..., 1
6Tとなるように設定されている。すなわち、クロック
がTのときには遅延量の変化する各段階の間隔はTであ
り、遅延量の段階数は16である。各遅延回路はシフト
レジスタまたはディレイライン、カウンタ等によって構
成する。
【0035】そして図3の遅延量制御回路では2つのク
ロック発生回路302、303が設けられている。選択
回路305を切り換えて第1のクロック発生回路302
を選択すると、遅延回路301は0〜16Tの変化幅の
範囲内で記録のタイミングをランダムに変化させる(第
1の記録タイミング設定機能)。また、選択回路305
により第2のクロック発生回路303を選択すると、遅
延回路301は0〜160Tの変化幅の範囲内で記録の
タイミングをランダムに変化させる(第2の記録タイミ
ング設定機能)。
【0036】図3の遅延量制御回路の実際の動作は以下
のようになる。光ディスク113の一般領域に記録する
ときには、識別手段119からの信号121にしたがっ
て選択回路305を第1のクロック発生回路302の方
に切り換える。第1のクロック発生回路302はクロッ
クTを出力し、0〜16Tまでの遅延量を発生させるよ
うにする。そして、システム制御回路からのアドレス検
出信号120によりセレクタ304の行き先をランダム
に決定する。セレクタの行き先は次のアドレスを検出す
るまで保持される。
【0037】一方、TOC領域に記録するときには、識
別手段119からの信号121にしたがって選択回路3
05を第2のクロック発生回路303の方に切り換え
る。第2のクロック発生回路303はクロック10Tを
出力し、0〜160Tまでの遅延量を発生させるように
する。そして、システム制御回路からのアドレス検出信
号120によりセレクタ304の行き先をランダムに決
定する。このようにして、TOC領域とそれ以外の領域
とで遅延の各段階の間隔を異ならせることによりデータ
領域の記録開始点の変化幅を異ならせることができる。
【0038】図4は遅延量制御回路の構成の別の例を示
す図である。図4の遅延量制御回路では、選択部は選択
回路405からなる。記録制御部は複数の遅延回路40
1、遅延回路401を動作させるクロックを発生するク
ロック発生回路402、変調データ信号105の遅延回
路401への入力先を決定する2つのセレクタ403お
よび404からなる。
【0039】遅延回路401の遅延量は遅延用のクロッ
クTにしたがって0, T, 2T, 3T,..., 160Tと
なるように設定されている。すなわち、遅延量の変化す
る各段階の間隔はTであり、遅延量の変化幅は160T
である。
【0040】そして図4の遅延量制御回路は2つのセレ
クタ403、404を有する。選択回路405を切り換
えて第1のセレクタ403を選択すると、遅延回路40
1は0〜16Tの変化幅の範囲内で記録のタイミングを
ランダムに変化させる(第1の記録タイミング設定機
能)。また、選択回路405により第2のセレクタ40
4を選択すると、遅延回路401は0〜160Tの変化
幅の範囲内で記録のタイミングをランダムに変化させる
(第2の記録タイミング設定機能)。
【0041】図4の遅延量制御回路の実際の動作は以下
のようになる。光ディスク113の一般領域に記録する
ときには、識別手段119からの信号121にしたがっ
てセレクタ405が第1の選択回路403を経由するよ
うに切り替わり、遅延回路1〜16の16段階の遅延量
のいずれかを選択するようにし、0〜16Tの遅延量を
発生させるようにする。そして、システム制御回路から
のアドレス検出信号120により第1の選択回路403
の行き先をランダムに決定する。セレクタの行き先は次
のアドレスを検出するまで保持する。
【0042】一方、TOC領域に記録するときには、識
別手段119からの信号121にしたがってセレクタ4
05が第2の選択回路404を経由するように切り替わ
り、遅延回路0〜160の160段階の遅延量のいずれ
かを選択するようにし、0〜160Tの遅延量を発生さ
せるようにする。そして、システム制御回路からのアド
レス検出信号120により第2の選択回路404の行き
先をランダムに決定する。このようにして、TOC領域
とそれ以外の領域とで遅延の段階数を異ならせることに
よりデータ領域の記録開始点の変化幅を異ならせること
ができる。
【0043】本実施形態の効果を確かめるために行なっ
た比較実験(実施例)について次に説明する。光ディス
ク113のディスク基板には、直径130mm、厚さ
0.6mmのポリカーボネート樹脂を用いた。この樹脂
基板には、凸凹形状の位相ピットをあらかじめアドレス
情報としてプリフォーマットし、セクタ領域には記録用
ガイド溝を形成した。ガイド溝のピッチは1.6μmで
ある。基板上に保護膜、光感応性記録膜、保護膜、反射
膜をスパッタリング法により4層成膜し、その上に保護
基板を接着した。
【0044】保護膜としてZnS-SiO2 ,光感応性記録
膜としてTe-Sb-Ge, 反射膜としてAlを用いた。そし
て、スピンドルモーター113によりこのディスクを線
速度5m/sで回転させ、波長680nmのレーザ光を
開口数(NA)0.6の対物レンズで集束させてを記録
を行なった。
【0045】記録再生時のレーザ光のパワーは、Pp=1
0mW、Pb=4mW、Pr=1mWとした。記録情報の変調
方式は(1,7)RLLパルス幅変調を用いた。最短マ
ーク長は0.6μmとした。遅延量制御回路109は図
3に示すような、クロック発生回路302、303によ
り各段階の間隔を設定して記録開始点の変化幅を決定す
る構成を採用した。
【0046】上記の条件を用い、まず、各領域における
記録開始位置の変化幅と再生情報のエラーレートとの関
係を調べた。TOC領域は、類似した記録情報が記録さ
れることを想定して2パターンの記録情報を繰り返し記
録し、変化幅を0〜160T(各段階の間隔は0〜10
T)の範囲で設定した。一般領域は30パターンの記録
情報を繰り返し記録し、変化幅を0〜64T(各段階の
間隔は0〜4T)の範囲で設定した。そして1万回繰り
返し記録後の再生情報のエラーレートを測定した。
【0047】図5(a)は一般領域の記録開始位置の変
化幅と、10万回繰り返し記録後の再生情報のエラーレ
ートとの関係をプロットしたものである。図5(b)は
TOC領域の記録開始位置の変化幅と10万回繰り返し
記録後の再生情報のエラーレートとの関係をプロットし
たものである。
【0048】図5より、記録開始位置の変化幅を大きく
するほど10万回繰り返し記録後に良好なエラーレート
が得られることがわかる。そして、良好なエラーレート
が得られる最小の変化幅は各領域(すなわち、記録情報
のランダム性)で異なることがわかった。
【0049】上記の結果から、記録開始点の変化幅は以
下のように設定した。エラーレート5×10-4以下が得
られる変化幅として、一般領域での変化幅を16T、各
段階の間隔は1Tとし、TOC領域での変化幅を160
T,各段階の間隔を10Tとしたものを変化幅可変方式
とした。そして、比較例として、双方の領域での変化幅
を16T、各段階の間隔は1Tとしたものを変化幅固定
方式1とし、双方の領域での変化幅を160T、各段階
の間隔は10Tとしたものを変化幅固定方式2とした。
【0050】次に、上記の各方式に対して設定した、記
録のフォーマットについて以下に説明する。図6は、記
録開始点の変化幅を16Tに設定したときの記録のフォ
ーマットを示す図である。ここで、データ記録用のクロ
ックは遅延用のクロックTと同一とし、1セクタに記録
できるデータ容量を1000バイト、記録開始点を変化
させないときのVFOおよびダミーデータの長さをそれ
ぞれ15バイトとした。
【0051】図6(a)は記録開始点を変化させていな
いときの記録のフォーマットである。データ領域604
は、図1の遅延量制御回路109により遅延を加えた後
にVFO603およびダミーデータ605が付加されて
おり、これをレーザ駆動回路110に入力し、レーザ駆
動信号111を発生する。
【0052】図6(b)は記録開始点を16T(1バイ
ト)だけ後ろにシフトしたときの記録のフォーマットで
ある。この場合レーザの駆動信号(図1の111)は、
図6(a)の場合よりも16Tだけ遅い時刻に発生す
る。変化幅16Tで記録する場合、遅延量制御回路によ
ってレーザの駆動信号の発生するタイミングは16Tの
範囲内で変化し、その結果、セクタ中のデータ領域の記
録位置は16T(1バイト)の範囲で変化する。
【0053】図7は、記録開始点の変化幅を160Tに
設定したときの記録のフォーマットを示す図である。図
7(a)は記録開始点を変化させていないときの記録フ
ォーマットである。図7(b)は記録開始点を80T
(5バイト)だけ前にシフトしたときの記録のフォーマ
ットである。図7(b)の場合、レーザの駆動信号(図
1の111)は、図7(a)の場合よりも80Tだけ早
い時刻に発生する。図7(c)は記録開始点を80T
(5バイト)だけ後ろにシフトしたときの記録のフォー
マットである。図7(c)の場合、レーザの駆動信号
(図1の111)は、図7(a)の場合よりも80Tだ
け遅い時刻に発生する。
【0054】変化幅160Tで記録するときには、遅延
量制御回路によってレーザの駆動信号の発生するタイミ
ングは160Tの範囲内で変化し、その結果セクタ中の
記録位置は160T(10バイト)の範囲内で変化す
る。光ディスク上に形成されたIDピット/IDマーク
によって、セクタの長さはあらかじめ決まっている。し
たがって、ギャップ領域802およびバッファ領域80
6の長さを固定する場合には、セクタ中での記録位置の
変化範囲を大きくするほど、VFOやダミーデータの長
さは減少する。
【0055】変化幅固定方式1では、TOC領域か否か
にかかわらず変化幅は1バイトであるから、図6(a)
および(b)に示すようにVFOおよびダミーデータの
長さはそれぞれ15〜16バイト(または14〜15バ
イト)の範囲で変動し、VFOおよびダミーデータは最
も短い場合で14(または15)バイトである。また、
変化幅固定方式2では、TOC領域か否かにかかわらず
変化幅は10バイトであるから、図7(a)〜(c)に
示すようにVFOおよびダミーデータの長さはそれぞれ
10〜20バイトの範囲で変動し、VFOおよびダミー
データは最も短い場合で10バイトとなる。
【0056】一方、変化幅可変方式では、TOC領域の
場合は記録開始点の変化幅は10バイトであるから、図
7(a)〜(c)に示すようにVFOおよびダミーデー
タの長さはそれぞれ10〜20バイトの範囲で変動し、
VFOおよびダミーデータは最も短い場合で10バイト
となる。また、一般領域の場合には記録開始点の変化幅
が1バイトであるから、図6(a)および(b)に示す
ように記録開始点を変化させたときのVFOおよびダミ
ーデータの長さはそれぞれ15〜16(または14〜1
5)バイトの範囲で変動し、VFOおよびダミーデータ
は最も短い場合で14(または15)バイトとなる。
【0057】上記の条件を用い、TOC領域では2パタ
ーンの記録情報を、一般領域では30パターンの記録情
報を同じセクタに繰り返し書き換え記録し、繰り返し回
数5万回および10万回後のエラー発生状況を調べた。
【0058】表1は変化幅可変方式と変化幅固定方式
1、変化幅固定方式2との比較を示している。ここで、
「同期エラー」とはPLLがロックしなくなったことに
より情報を再生できなくなった状態を表し、「再生エラ
ー」とは完全なエラー訂正が不可能になったことにより
情報を再生できなくなった状態を表している。
【0059】
【表1】
【0060】表1に示すように、変化幅固定方式1では
一般領域のセクタは繰り返し回数10万回でも再生可能
であった。しかし、TOC領域では5万回でエラーが発
生した。TOC領域のセクタの場合には、この時点で再
生波形のエンベロープには歪みが発生していた。このこ
とから、第1の従来例ではランダム性の低い記録に対し
て記録開始点の変化幅が小さすぎたために記録膜の局所
劣化によってエラーが発生したと考えられる。
【0061】また、変化幅固定方式2では繰り返し回数
5万回ではいずれの領域でも再生可能であったが、10
万回ではいずれもエラーが発生した。いずれの領域にお
いても、10万回の繰り返し記録後の再生波形はVFO
の少なくとも5バイト以上が消滅していた。このことか
ら、第2の従来例では記録開始点の変化量が大きくVF
Oの長さが短くなる場合が生じるので、セクタ始端部の
記録膜劣化によってVFO領域中に占める劣化領域の割
合が相対的に大きくなり、PLLがロックしなくなって
エラーが発生したと考えられる。
【0062】これに対し、変化幅可変方式では繰り返し
回数5万回ではいずれの領域でも再生可能であり、10
万回でも一般領域では再生可能であった。これは、一般
領域に記録する場合には記録開始点の変化量を小さく
し、VFO領域の長さを長く設定したので、VFO領域
中に占める劣化領域の割合が相対的に小さくなったため
と考えられる。また、TOC領域では記録開始点の変化
幅を大きくしたのでデータ領域中の局所的な記録膜劣化
が顕著に発生せず、5万回までは再生可能であったと考
えられる。
【0063】以上述べたように本実施形態に係る光学的
情報記録媒体の記録再生方法によれば、記録する条件に
合わせて記録開始点の変化幅を設定することができるの
で、記録膜劣化の顕著なTOC領域の場合には変化幅を
大きくすることにより、繰り返し記録時の記録膜の局所
的な劣化を改善して繰り返し記録可能回数を多くするこ
とができる。また、繰り返し記録に対して記録膜劣化の
少ない一般領域ではVFOやダミーデータの長さを長く
してセクタ始終端の劣化に対処し、繰り返し記録可能回
数をより多くすることができる。
【0064】なお、図1に示した実施形態では、合成回
路109の前に遅延量制御回路106を設けたが、図8
に示すように合成回路109の後に遅延量制御回路10
6を設けてもよい。図8の構成で、あるセクタを書き換
える動作を示すフローチャートは図9のようになり、V
FO603およびダミーデータ605を付加して(13
08)から遅延量制御回路106にて記録データ信号の
遅延を行なう(1309)ことが図2のフローチャート
と異なる。
【0065】そして、変化幅が16Tのときの記録のフ
ォーマットは図10のようになる。図10(a)は記録
開始点を変化させていないとき、図10(b)は記録開
始点を16T遅らせたときの記録のフォーマットであ
る。
【0066】変化幅が160Tのときの記録のフォーマ
ットは図11のようになる。図11(a)は記録開始点
を変化させていないとき、図11(b)は記録開始点を
80T早めたとき、図11(c)は記録開始点を80T
遅らせたときの記録のフォーマットである。
【0067】これらの場合、VFO603、データ領域
604、ダミーデータ605すべての記録開始点を変化
させることが図6および図7と異なる。その結果、VF
Oおよびダミーデータの長さが短くなることはないの
で、セクタ始終端の劣化の影響を受けにくい利点があ
る。
【0068】スピンドルモーター114の回転ジッタが
小さいときや、レーザ駆動回路110でのレーザパワー
制御動作が十分早い場合には、図8の構成にするのがよ
り好ましい。逆に、スピンドルモーター114の回転ジ
ッタ114が大きいときや、レーザ駆動回路110のレ
ーザパワー制御動作が早くない場合には、図1の構成に
して、図6および図7のように、記録開始点の変化にか
かわらず一定のギャップ領域602およびバッファ領域
606を確保するのがより好ましい。
【0069】また、情報を高密度に記録する別の手法と
して、ガイド溝(グルーブ)とガイド溝の間のランドに
も情報を記録する方法が提案されている。この場合、グ
ルーブとランドとでは、記録マーク周辺の基板断面形状
が異なることから、記録マーク周辺部分への熱的負担が
異なる。そのため、同等の回数だけ繰り返し記録して
も、グルーブとランドとでは記録膜の劣化の度合いが異
なる現象が生ずる。
【0070】このような課題を解決するために、記録再
生装置を図12のように構成してもよい。図12ではラ
ンド/グルーブ識別手段1201の識別結果により遅延
量制御回路で記録開始点の変化幅を設定する点が図1と
異なる。この場合には、ランドに記録するときとグルー
ブに記録するときとで変化幅を異ならせることになる。
そして、繰り返し記録可能回数をより増大させるとい
う、図1の構成と同様の効果が得られる。
【0071】また、情報を高密度に記録するために、記
録マークの両端のエッジに情報を持たせるパルス幅変調
(Pulse Width Modulation)を用いることが提案されて
いる。しかし、パルス幅変調は、記録マークの位置(間
隔)に情報を持たせるパルス位置変調(Pulse Position
Modulation)に比べて、長い記録マークを形成すること
が多いため、記録膜の劣化が早い傾向にある。さらに、
パルス幅変調では記録マークのエッジを精密に検出でき
ないと情報の再生ができないため、情報の再生能力は記
録膜の劣化に対してより敏感になる。すなわち、同等の
記録膜劣化でも、パルス幅変調の方が情報を正確に再生
しにくい。
【0072】このような課題を解決するために、記録再
生装置を図13のように構成してもよい。図13では変
調方式識別手段1301の識別結果により遅延量制御回
路106で記録開始点の変化幅を設定する点が図1と異
なる。この場合には、パルス幅変調で記録するときと、
パルス位置変調で記録するときとで記録開始点の変化幅
を異ならせることになる。そして、繰り返し記録可能回
数をより増大させるという、図1の構成と同様の効果が
得られる。
【0073】また、記録開始点の変化幅、段階数、間隔
や記録のフォーマット等は本実施形態で示したものに限
るわけではなく、記録条件や媒体に応じて適切な値を設
定することが可能である。さらに、必要に応じて変調方
式、繰り返し記録の頻度、ランド/グルーブ等を組み合
わせて、記録開始点の変化幅を3種類以上に異ならせて
もよいことは言うまでもない。
【0074】(実施形態2)次に、本発明の別の実施形
態に係る光学的情報記録媒体の記録再生方法について説
明する。図14は本実施形態に係る記録再生装置の構成
を示す図であり、図15は本実施形態において、あるセ
クタの記録情報を書き換える動作を説明するフローチャ
ートである。
【0075】図14および図15で従来の構成・動作と
異なるのは、エラー訂正情報を付加する前に、並べ替え
方法決定手段1401により、情報信号102として発
せられる記録情報の並べ替え方法(変換パターン)をラ
ンダムに決定し(ステップ1503)、並べ替え手段1
402において一連の記録情報の分割・並べ替え(変
換)を行なって記録信号1405を得て(ステップ15
04)、並べ替えた記録情報を復元するための並べ替え
情報を識別信号として新たに付加する(ステップ150
5)点である。
【0076】図16は本実施形態において、あるセクタ
に記録した記録情報を再生する動作を説明するフローチ
ャートである。図14および図16で従来の構成・動作
と異なるのは、エラー訂正およびディインターリーブを
行なった(ステップ1604)後、並べ替え情報検出手
段1403により記録情報の復元のための情報を識別信
号として検出し(ステップ1605)、その検出結果に
基づいて決定した復元パターンにより復元手段1404
において記録情報を復元する(ステップ1606)点で
ある。
【0077】並べ替え手段1402および復元手段14
04はバッファメモリを併用して、記録情報の分割およ
び並べ替えを以下のようにして行なうものである。図1
7および図18は記録情報の並べ替えの状態の一例を示
す図である。
【0078】図17(a)に示すような一連の記録情報
に対し、分割する位置をランダムに決定する。そして記
録情報の分割を行ない、入れ換え、分割した位置を示す
並べ替え情報を記録情報の後に付加して図17(b)に
示す状態にする。例えば記録情報の20バイト目で分割
した場合には、その「20バイト目」を示す情報を記録
情報に付加する。なお、並べ替え情報は必ずしも各セク
タに記録する必要はなく、TOC領域(ディレクトリ領
域)に記録するものでもよい。また、一度の書き換えに
対する並べ替え方式は必ずしもセクタごとに異ならせる
必要はなく、複数セクタに対する一連の書き換えに対し
ては並べ替え方式は同じであってもよい。そして、エラ
ー訂正情報付加およびインターリーブ処理を行なう。
【0079】再生のときには、図18(a)に示すよう
にエラー訂正およびディインターリーブ処理を行なった
のちに記録情報の最後に付加されている並べ替え情報を
検出する。例えば並べ替え情報が「20バイト目」を示
す情報であった場合には記録情報の並べ替え情報を除く
記録情報の後端20バイトを分割して先頭に付加するこ
とにより、図18(b)に示すように元の記録情報を得
ることになる。
【0080】何バイト目で分割するかは該当セクタに記
録するごとに図14の並べ替え手段1402においてラ
ンダムに決定するので、たとえ同一の記録情報を同一の
セクタに繰り返し記録する場合でも、常に異なる変調デ
ータ信号を用いて記録を行なうことになる。その結果、
VFO領域およびRESYNC領域以外は常に異なる記
録データ信号を用いて光ディスク113に記録すること
になり、光ディスク113のガイド溝2302において
記録マーク2501が形成される確率はセクタ内の記録
領域のいずれの位置においてもほぼ等しくなる。それゆ
え、多数回の書き換えによって記録領域内で生じていた
局部的なダメージは解消されることになる。
【0081】以下に具体的な実施例をあげて本実施形態
の効果を説明する。光ディスクへの記録条件は先の実施
例と同様とした。光ディスク113のディスク基板に
は、直径130mmのポリカーボネート樹脂を用いた。
この樹脂基板には、凸凹形状の位相ピットをあらかじめ
アドレス情報としてプリフォーマットし、セクタ領域に
は記録用ガイド溝を形成した。基板上に保護膜、光感応
性記録膜、保護膜、反射膜をスパッタリング法により4
層成膜し、その上に保護基板を接着した。
【0082】本実施例では、保護膜としてZnS-SiO2
,光感応性記録膜としてTe-Sb-Ge, 反射膜としてAl
を用いた。そして、スピンドルモーター113によりこ
のディスクを線速度5m/sで回転させ、波長680n
mのレーザ光を開口数(NA)0.6の対物レンズで集
束させてを記録を行なった。記録再生時のレーザ光のパ
ワーは、Pp=10mW、Pb=4mW、Pr=1mWとした。
記録情報の変調方式は(1,7)RLLのパルス幅変調
を用いた。また、最短マーク長は0.6μmである。
【0083】上記の条件を用いて、同一の記録情報を同
一のセクタに10万回繰り返し記録した。そして、繰り
返し記録ごとに記録情報をランダムな位置で2分割し並
べ替えた記録情報並べ替え方式と、並べ替えを用いない
従来方式とで再生信号のエラーレートを測定したものを
比較した。いずれの方式でも、1セクタに記録する記録
情報は500バイトとし、記録情報並べ替え方式では、
分割位置を1バイト単位でランダムに決定した。その比
較結果を表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】表2から明らかなように、記録情報並べ替
え方式の方が10万回繰り返し記録後のエラーレートが
低く、繰り返し記録可能回数を増大させることができる
という点で優れた効果が得られる。
【0086】以上述べたように本実施形態に係る光学的
情報記録媒体の記録再生方法によれば、同一の記録情報
をディスク上の同じ位置で繰り返し書き換える場合で
も、複数の異なるパターンへの変換により記録データ信
号は異なるパターンとなるので、記録膜の特定位置への
ダメージが分散され、多数回の書き換えによる記録膜の
劣化を抑制することができる。
【0087】なお、記録情報の分割数等は本実施形態に
て示したものに限られるものではなく、記録条件や媒体
に応じて適切な値を設定することが可能である。
【0088】また、一連の記録情報の変換の方法は本実
施形態に記載のものに限られるものではなく、同一の記
録情報を2種類以上の異なるパターンのいずれかに変換
する方法であればどのようなものでもよい。
【0089】例えば、図19のようにインターリーブ回
路にてインターリーブ方式を複数設けておく構成にして
もよい。この構成では、記録時には各インターリーブ方
式のいずれか(103、1903)を第1の選択回路1
902でランダムに選択してインターリーブ処理を行な
い、インターリーブの方式を示す情報を記録情報に付加
する点が図14と異なる。また、再生時には、インター
リーブ方法検出手段1906で検出したインターリーブ
の方式を示す情報に基づいて各ディインターリーブ方式
のいずれか(117、1904)を第2の選択回路19
05でランダムに選択してディインターリーブ処理を行
なう点が図14と異なる。
【0090】図20(a)はインターリーブ処理をする
前の記録情報の状態の一例を示している。図20(b)
はインターリーブ処理をした後にインターリーブの方法
を表す情報を付加した状態を示す。図20(c)はディ
インターリーブ処理をする前の記録情報の状態の一例を
示す。そして、図20(d)はインターリーブの方法を
示す情報に基づきディインターリーブ処理をした後の状
態を示している。この場合、記録情報の分割および並べ
替え処理をインターリーブ処理と兼用することができる
ので、記録再生装置の構成をより簡便なものとすること
ができる。
【0091】また、同一の記録情報を2種類以上の異な
るパターンに変換する方法として、以下のようなもので
あってもよい。
【0092】図21は記録情報単位ごとにビットシフト
を行なう構成である。この構成では、記録時にはビット
シフト方法決定手段2101にてシフトするビット数を
ランダムに決定し、ビットシフト回路2102である特
定の記録情報単位(例えば記録情報の1バイト)ごとに
一定ビットずつのビットシフト処理を施して記録信号1
405を得、各記録情報単位のビットシフト量を示す情
報を識別信号として付加する点が図14と異なる。ま
た、再生時には、ビットシフト情報検出手段2103で
検出したビットシフト数を示す情報に基づいて、逆ビッ
トシフト回路2104で逆ビットシフト処理を行なう点
が図14と異なる。
【0093】図22(a)はビットシフト処理をする前
の記録情報の状態の一例を示す。図22(b)はビット
シフト処理をした後にビットシフトの方法を表す情報を
付加した状態を示す。図22(c)は逆ビットシフト処
理をする前の記録情報の状態の一例を示す。そして、図
22(d)はビットシフトの方法を示す情報に基づき逆
ビットシフト処理をした後の状態を示している。この場
合、並べ替えのために多くのバッファメモリを確保する
必要がなく、記録再生装置の構成をより簡便なものとす
ることができる。
【0094】さらに、セクタ中のデータ領域の記録開始
点をランダムに変化させて記録をすれば、データ領域中
のRESYNC領域も異なる位置に記録されることにな
るので繰り返し記録可能回数を一層増大させることがで
きる。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の記録再生
方法によれば、光学的情報記録媒体のセクタ中のデータ
の記録開始点をランダムに変化させて情報を記録し、前
記記録開始点の変化幅を少なくとも2種類以上に異なら
せることにより、記録膜劣化の顕著な媒体や記録方式の
場合にはVFOやダミーデータの長さを犠牲にし変化幅
を大きくして、繰り返し記録時の記録膜の局所的な劣化
を改善して繰り返し記録可能回数を多くすることができ
る。一方、繰り返し記録に対して記録膜劣化の少ない媒
体や記録方式はVFOやダミーデータの長さを長くして
セクタ始終端の劣化に対処し、繰り返し記録可能回数を
より多くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る記録再生装置の
構成を説明する図。
【図2】図1の記録再生装置において、あるセクタの記
録情報を書き換える動作を説明するフローチャート。
【図3】図1の記録再生装置における遅延量制御回路の
構成を説明する図。
【図4】図1の記録再生装置における遅延量制御回路の
別の構成を説明する図。
【図5】(a)は一般領域の場合の記録開始点の変化幅
とエラーレートとの関係を示す図。(b)はTOC領域
の場合の記録開始点の変化幅とエラーレートとの関係を
示す図。
【図6】図1の記録再生装置において変化幅16Tのと
きの記録のフォーマットを示す図。
【図7】図1の記録再生装置において変化幅160Tの
ときの記録のフォーマットを示す図。
【図8】図1の記録再生装置の変形例を示す図。
【図9】図8の記録再生装置において、あるセクタの記
録情報を書き換える動作を示すフローチャート。
【図10】図8の記録再生装置における変化幅16Tの
ときの記録のフォーマットを示す図。
【図11】図8の記録再生装置における変化幅160T
のときの記録のフォーマットを示す図。
【図12】図1の記録再生装置の別の変形例を示す図。
【図13】図1の記録再生装置の別の変形例を示す図。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る記録再生装置
の構成を示す図。
【図15】図14の記録再生装置において、あるセクタ
の記録情報を書き換える動作を示すフローチャート。
【図16】図14の記録再生装置において、あるセクタ
の記録情報を再生する動作を示すフローチャート。
【図17】(a)は図14の記録再生装置において記録
情報を並べ替える前の状態を示す図。(b)は図14の
記録再生装置において記録情報を並べ替えた後の状態を
示す図。
【図18】(a)は図14の記録再生装置において記録
情報を復元する前の状態を示す図。(b)は図14の記
録再生装置において記録情報を復元した後の状態を示す
図。
【図19】図14の記録再生装置の変形例を示す図。
【図20】(a)は図19の記録再生装置において記録
情報を並べ替える前の状態を示す図。(b)は図19の
記録再生装置において記録情報を並べ替えた後の状態を
示す図。(c)は図19の記録再生装置において記録情
報を復元する前の状態を示す図。(d)は図19の記録
再生装置において記録情報を復元した後の状態を示す
図。
【図21】図14の記録再生装置の別の変形例を示す
図。
【図22】(a)は図21の記録再生装置において記録
情報を変換する前の状態を示す図。(b)は図21の記
録再生装置において記録情報を変換した後の状態を示す
図。(c)は図21の記録再生装置において記録情報を
復元する前の状態を示す図。(d)は図21の記録再生
装置において記録情報を復元した後の状態を示す図。
【図23】従来の光学的情報記録媒体の断面の一例を示
す図。
【図24】従来の記録再生装置の構成を示す図。
【図25】(a)は従来の記録再生方法における記録デ
ータ信号の状態を示す図。(b)は従来の記録再生方法
におけるレーザ光の強度変調の状態を示す図。(c)は
従来の記録再生方法における光ディスクへの記録状態を
示す図。(d)は従来の記録再生方法における記録のフ
ォーマットを示す図。
【符号の説明】
101 システム制御回路 102 情報信号 103 エラー訂正・インターリーブ回路 104 変調回路 105 変調データ信号 106 遅延量制御回路 107 ダミーデータ発生回路 108 同期信号発生回路 109 合成回路 110 レーザ駆動回路 111 レーザ駆動信号 112 光ヘッド 113 光ディスク 114 スピンドルモーター 115 再生信号処理回路 116 復調回路 117 エラー訂正・ディインターリーブ回路 118 記録データ信号 119 記録頻度識別手段 120 ID検出信号 121 記録頻度識別信号 122 RF信号 301 遅延回路 302 第1のクロック発生回路 303 第2のクロック発生回路 304 セレクタ 305 選択回路 306 記録制御部 307 選択部 401 遅延回路 402 クロック発生回路 403 第1のセレクタ 404 第2のセレクタ 405 選択回路 406 記録制御部 407 選択部 601 ID領域 602 ギャップ領域 603 VFO領域 604 データ領域 605 ダミーデータ領域 606 バッファ領域 607 セクタ 1401 並べ替え情報決定手段 1402 並べ替え手段 1403 並べ替え情報検出手段 1404 復元手段 1405 記録信号
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−35275(JP,A) 特開 平8−129757(JP,A) 特開 平9−219022(JP,A) 特開 平4−153919(JP,A) 米国特許5216657(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/00 - 7/006 G11B 20/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セクタ構造のフォーマットをもつ書き換
    え可能な光学的情報記録媒体の記録再生方法であって、 情報信号を記録媒体上の記録パターンに対応した変調デ
    ータ信号に変換する変調工程と、 第1の記録タイミングまたは第2の記録タイミングを選
    択する選択工程と、 前記選択工程で前記第1の記録タイミングが選択された
    ときは、記録媒体における前記変調データ信号の記録開
    始点を所定の変化幅の範囲内で変化させ、前記選択工程
    で前記第2の記録タイミングが選択されたときは、記録
    媒体における前記変調データ信号の記録開始点を前記所
    定の変化幅より大きい変化幅の範囲内で変化させる記録
    制御工程とを備え、 前記選択工程において、記録媒体に記録された識別子に
    応じて前記第1の記録タイミングまたは前記第2の記録
    タイミングを選択し、 かつ前記選択工程で前記第1のタイミングが選択された
    ときおよび前記第2のタイミングが選択されたとき、前
    記記録媒体における前記変調データ信号の記録開始点の
    遅延時間は段階的に変化され、 前記第2のタイミングが選択された場合の遅延時間の変
    化段階幅が前記第1のタイミングが選択された場合の遅
    延時間の変化段階幅より大きいことを特徴とする光学的
    情報記録媒体の記録再生方法。
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