JP2004004291A - 電子写真感光体 - Google Patents

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Hiroyuki Kobayashi
小林 廣行
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Abstract

【課題】くり返しフルカラー複写耐久試験を行っても、寄りや蛇行もなく、切断も発生しない電子写真感光体を得る。
【解決手段】該導電性支持体が、金属薄板を絞り加工及びしごき加工して、さらに所望の長さに切断することによって得られたシームレスベルトを導電性支持体とする。該導電性支持体上に感光層を形成して電子写真感光体とする。ここで、絞り加工とは、円形状の金属薄板をカップホルダースリーブと加圧プレートの間にはさみ込み、その上からピストンによって作動する円筒状のパンチの降下により、事実上、厚さの減少を受けない範囲で底の浅いカップを得ることをいう。また、しごき加工とは、カップをはめ合わしたパンチは順々に連続して複数のリングを通過することにより、徐々にカップの厚みは減少し、所望の厚み及び長さまでしごくことをいう。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシームレスベルトからなる電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真感光体は、基本的には帯電及び光を用いた露光により潜像を形成する感光層と、その感光層を設ける基体からなっている。
【0003】
一方、電子写真感光体は、適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気特性及び光学的特性を備えていることが要求される。
【0004】
更に、低温低湿から高温高湿のいずれの環境においても、その特性が十分に発揮されるような環境安定性を有していることが要求される。
【0005】
そのため従来は金属の剛体よりなる円筒体、所謂金属シリンダーが導電性支持体として多く用いられてきた。
【0006】
近年カラー複写の高まりから、フルカラー複写機、フルカラープリンターが多く市場に出回りつつあるが、この複写機、プリンター装置の中には、多色を得るために、色数に応じた感光体を有するものもある。一般にフルカラーを得るためには色の3原色である、イエロー、マゼンタ、シアン及び黒色の合計4色を必要とする。そのため電子写真装置においては、図1に示されるように、4つのステーション、すなわち、金属シリンダーを導電性支持体とした感光体、現像装置、転写装置、クリーニング装置を具備した各色ごとのステーションを有する必要がある。このため、明らかに装置構成は大型となり、それに応じて重量、専有面積も大きくなり、同時にコストもかなり高くなる。
【0007】
その点、本発明のシームレスベルトを導電性支持体とした感光体、所謂感光ベルトは帯電、現像、転写、クリーニングの各装置の配置を自由に選択することが出来るメリットがある。
【0008】
図2に示されるように、各色ごとに4つのステーションがなくても電子写真装置の配置が可能であり、又、配置に関してもかなりの自由度があるため、装置の小型化やコスト低減に大いに有利である。
【0009】
感光ベルトに関してはすでにいくつかの提案が開示されている。例えば、特開平10−142823号公報、特開平11−305474号公報では、導電性樹脂を導電性支持体として用いた感光ベルトが提案されている。導電性樹脂は一般に引き裂き強度が低くわずかな端部のキズが生じても、ベルト駆動中にそのキズからの引き裂きが拡大し、ベルトの損傷の原因となる。また折り曲げに弱く、取り扱い不注意による折り曲げキズの発生やそこからの割れが生ずることになる。
【0010】
又、通常、樹脂は絶縁性に近い電気抵抗を有する。それゆえ、導電性を付与するためには導電性添加剤を必要量添加しなければならない。その結果、樹脂中の導電性添加剤の分散性、シームレスベルト内の電気抵抗の均一性、さらにベルト表面の添加剤粒子によるブツ、凹部等十分に考慮しなければならない等、多数のクリアすべき問題を有している。
【0011】
また、一方、導電性支持体となるシートをつなぎ合わせ、ベルト形状にし導電性支持体として用いる提案も開示されている。
【0012】
例えば、特開平10−63014号公報、特開平11−212400号公報、特開平01−27938号公報はシートをつなぎ合わせエンドレスベルト状とし、その上に感光層を積層し感光ベルトとするものであり、特にシートをつなぎ合わせる方法に注目した技術が多く提案されている。これらのつなぎ合わせに関する提案が多いという現状は、換言すれば、そのつなぎ部の重ね合わせ状態、接着方法、結合状態に多くの問題を有していることであり、今だ充分に実用的に満足しうるレベルに達していないのである。事実、ベルトの重ね合わせ部は、非重ね部と比較しても、構造上凸部を形成する傾向が大きく、又、引張り強度も弱い。このため、実用的には電子写真装置に組み込んだ時ベルトのクリーニング性や耐久性に不安がある。
【0013】
またさらに、特許第2913104号公報、特公平07−078639号公報、特開平05−019503号公報などにおいては導電性支持体として、金属性ベルトが提案されている。これらの金属ベルトの多くはNi電鋳により得られる。すなわち、電鋳槽に一方の電極としてNiを用い、他方の電極として、円柱状金型を用いる。そして、電極間に直流を通電し該円柱表面にNi厚肉メッキを施し、その後、Niメッキ層を金型から外し、Niベルトを得る製造方法である。このNi電鋳ベルトは、電鋳槽中の金型にNiが徐々に蓄積、積層していくため、所望の膜厚を得るためにはかなりの長時間が必要である。一般に0.5〜1.0mmの有効厚みを得るためには約1日必要である。最近開発された高速Ni電鋳浴でさえもせいぜい3〜4mm/日程度である。本発明のごとき、単純な円柱状金型から得るベルトでさえも10〜100μmの厚みを得るには最低1時間必要である。このように電鋳ベルトの製造方法は多大の電力と、加工時間を要するため、かなりコストの高いのが実状である。又、加工時間を短縮しようとするとNi電鋳面に微少の凹凸や空孔が生じ、又、膜厚も均一にならず感光層を塗布した後に不具合が発生することになる。
【0014】
又さらに上述のようにNi薄膜が無定型状態で円柱金型に形成され、ベルトとして用いられるため、Ni結晶粒を配向せしめ、強度を増したベルトに比較すると、引張り強度、及び耐久性に難点を有する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明の目的は、これらの欠点を克服した新規の導電性支持体を用いた電子写真感光体を提供することにある。
【0016】
また別の目的は低コスト、短工程で得られる電子写真感光体を提供することにある。
【0017】
また別の目的はくり返し使用に耐え、長期間の回転駆動に優れた電子感光体を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
従って、本発明は、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体であって、該導電性支持体は、金属薄板を絞り加工及びしごき加工して、さらに所望の長さに切断することによって得られたシームレスベルトである。
【0019】
即ち本発明は、従来の技術で述べたような液相系で多大な電力と長時間の加工を必要としない、簡便にかつ乾式工程で得られる導電性支持体である金属シームレスベルト(以後シームレスベルトと称す。)を用いた電子写真感光体である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施方法の一態様を述べるが、これ以外において本発明の意図が含まれる構成であれば、何らこれら例示に限定されるものではなく、本発明に包含されるものと見なすものである。
【0021】
図3〜図5に本発明のシームレスベルトの加工工程を示す。
【0022】
加工工程は少なくとも図3に示される絞り工程、図4に示されるしごき工程、図5に示される切断工程を有する。
【0023】
絞り工程とは、0.01〜5.00mmの範囲の厚みを有する円形状の金属薄板100を、図3に示されるカップホルダースリーブ201と加圧プレート202の間にはさみ込み、その上からピストンによって作動する円筒状のパンチ200の降下により、事実上、厚さの減少を受けない範囲で底の浅いカップ101を得る工程である。この絞り工程は1回又は数回所望の深さになるように必要に応じて行うことが出来る。
【0024】
次のしごき工程は図4に示される。カップ101は、しごき工程用パンチ300の先端部分にわずかの遊びを持ってはめ合わされる。この時パンチ300の前方にはカップ101の外径よりも、内径がわずかに小さいリング301,302,303が配置されている。
【0025】
このリングの口径及び数はしごき工程によって得られる膜厚、及び工程時間を考慮して適時選択される。但し、リングの口径はリング301,302,303の順に小さくなる。
【0026】
カップ101をはめ合わしたパンチ300は順々に連続してリング301,302,303を通過することにより、徐々にカップ101の厚みは減少し、所望の厚み及び長さまでしごかれる。この時厚みを維持しているカップ101の金属はリングを通過するごとに引き伸ばされる。この引き伸ばされる状態はカップを構成する金属材質の展性、延性により大きく異なり、又、所望する厚みや金属薄板100の厚みによっても異なる。この金属が所望の長さ及び厚みまで引き伸ばされる工程をしごき工程という。
【0027】
得られた円筒カップ102は、図5に示されるカッター401で所望の長さに切断され、本発明のシームレスベルト103となる。この後、このシームレスベルト103の表面に感光層が形成されて感光ベルトとして供される。
【0028】
この図3〜図5工程の装置能力は100〜1000本/分程度まで可能であり、大巾な工程短縮と多量生産と同時に低コストが実現出来るものである。
【0029】
これによって得られたシームレスベルトは、周長、及び膜厚に関係する寸法安定性にすぐれ、感光ベルトの導電性支持体として用いる場合非常に好適である。またさらに前述の本発明では引き伸ばしが必須であり、これは取りも直さず、金属の結晶粒界を配向させる効果も有しており、本発明の電子写真感光体である感光ベルトを少なくとも2軸に張架させ回転駆動させた時のくり返し回転における耐久性を向上させる長所も有している。
【0030】
本発明のシームレスベルトの厚みは0.02〜1.0mm、好ましくは、0.02〜0.5mmの範囲である。0.02mm以下であると、ベルトとして柔軟性はあるものの、強度的に不十分であり、短時間の回転駆動で切れやすい。また1.0mmを越えると、かなりの剛性が生じ、ベルトとしての自由な変形性や可撓性のメリットが得られない。
【0031】
本発明の感光ベルトは図2に示されるように少なくとも2本の軸に張架され回転する。この時厚みムラがあるベルトを軸上で回転すると、標準の厚みに対して厚みの薄いベルトの表面スピードは遅くなり、厚いベルトは逆に早くなる。そのため厚み変動のあるベルトではベルト表面に微妙な遅速が発生し、それが帯電時間、露光時間、現像時間及びそれらのタイミングに影響を及ぼすことになる。
【0032】
この影響は感光ベルト上の表面電位、露光電位を変化させ、ひいては現像能力に悪影響を与え、画像濃度薄やカブリ現象を引き起こすことになる。そのため本発明のシームレスベルトでは、シームレスベルト単体として厚みの最大値は最小値の2倍以内でなければならない。より良画質を得るためには1.5倍以内、とりわけカラー画像を考慮したならば1.3倍以内でなければならない。
【0033】
本発明のシームレスベルトの表面粗さRaは、ベルトの表面をブレードクリーニングするためには、0.5μm以下が好ましく、又、レーザー露光における干渉縞を防止するためには0.02μm以上の粗さが必要である。そのため、本発明におけるシームレスベルトの表面粗さRaの好ましい範囲は0.02〜0.5μmである。表面粗さRaの測定方法はJIS B 0601に準じて行う。
【0034】
接触式粗さ計の条件としてはカットオフ0.8mm、ストローク8mm、速度0.5mm/分で行う。
【0035】
本発明に用いられる金属薄板の材質は、シームレスベルトの成型性や感光ベルトの導電性支持体として機能、及び感光ベルトとしての柔軟性、強度を決定する重要な因子である。
【0036】
このため材質の慎重な選択が必要であり、本発明の金属薄板は、Fe、Ni、Al、Cu及びZnのうち少なくとも1種類を金属板にドープして得られる。もちろん、上記元素単一で構成されたシームレスベルトであっても本発明の目的を達成することは可能である。しかし、ベルトとしての高耐久を維持するためには、主たる元素以外、0.001〜10%前後の本発明の金属を1種類以上ドープした金属薄板を用いるのが好ましい。金属薄板の厚みは、本発明の成型性を考慮すると、0.02〜5.00mmの範囲が必要であり、好ましくは0.02〜3.00mmである。
【0037】
次に、感光層について説明する。
【0038】
本発明の電子写真用感光体の感光層の構成は、電荷発生物質と電荷輸送物質の双方を同一の層に含有する単層型と電荷発生層と電荷輸送層の2層を有する積層型に大別される。
【0039】
感光層が積層型の場合、電荷発生層は、セレン、セレン−テルル及びアモルファスシリコン等の無機系電荷発生物質、ピリリウム系染料、チアピリリウム系染料、アズレニウム系染料、チアシアニン系染料及びキノシアニン系染料等のカチオン染料;スクエアリウム塩系顔料;フタロシアニン系顔料;アントアントロン系顔料、ジベンズピレンキノン系顔料及びピラントロン系顔料等の多環キノン顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料及びアゾ系顔料等の有機系電荷発生物質から選ばれた材料を単独ないしは組み合わせて用いることができ、真空蒸着装置によって蒸着層として形成したり、あるいは結着樹脂に分散塗工液を塗布、乾燥することによって塗布層として形成することができる。
【0040】
結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択でき、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール及びポリビニルピレン等の有機光導電性ポリマーから選択できる。好ましくは、ポリビニルブチラール、ポリアレート、(ビスフェノールAとフタル酸の縮重合体等)、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、ポリアミド、セルロース系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリビニルアルコール等の樹脂を挙げることができる。電荷発生層中に含有される樹脂は、80質量%以下であることが好ましく、特には40質量%以下であることが好ましい。
【0041】
電荷発生層の膜厚は5μm以下が好ましく、特には、0.01〜1μmが好ましい。
【0042】
電荷輸送層は、主鎖または側鎖にビフェニレン、アントラセン、ピレン及びフェナントレン等の構造を有する多環芳香族化合物、インドール、カルバゾール、オキサジアゾール及びピラゾリン等の含窒素環化合物、ヒドラゾン化合物及びスチリル化合物等の電荷輸送物質を結着樹脂に溶解した塗工液を塗布、乾燥することにより形成される。
【0043】
結着樹脂としては、例えば、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリアミド、アクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタンあるいは共重合体、例えば、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマーまたはスチレン−マレイン酸コポリマー等を挙げることができる。また、このような絶縁性樹脂の他にポリビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセンやポリビニルピレン等の有機光導電性樹脂も使用することができる。結着樹脂と電荷輸送物質との配合割合は、結着樹脂100質量部当たり電荷輸送物質を10〜500質量部とすることが好ましい。
【0044】
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであり、特には10〜30μmであることが好ましい。
【0045】
感光層が単層型の場合、前記の電荷発生物質及び電荷輸送物質を前記の結着樹脂に分散及び溶解した塗工液を塗布、乾燥することにより形成される。
【0046】
その膜厚は5〜40μmであり、特には10〜30μmであることが好ましい。
【0047】
本発明においては、感光層と導電性支持体との間に中間層を設けることもできる。このような中間層は感光層と導電性支持体との接着性を高め、あるいは電荷のバリアー層として機能する。中間層としては例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂及びシリコーン樹脂等の樹脂材料が使用可能である。
【0048】
また、本発明においては、さらに導電性支持体と中間層の間に支持体のムラや欠陥の被覆、及び画像入力レーザー光の場合には散乱による干渉縞防止を目的とした被覆層を設けることができる。被覆層としては、隠蔽性を付与するため、或いは膜表面に適度な粗さを付与するため、さらには抵抗を調節する等の目的のため、金属酸化物、金属粒子、カーボンブラック等を結着樹脂中に分散して形成する。
【0049】
この膜厚は5〜40μm、特には10〜30μmが好ましい。
【0050】
上述した各種層の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、ビームコーティング法、スピンナーコーティング法、ローラーコーティング法、ワイヤーバーコーティング法及びブレードコーティング法等が挙げられる。
【0051】
一方、本発明の感光体が適用される電子写真装置における帯電手段が有する帯電部材は、電子写真感光体の表面層に接触し、該帯電部材に印加された電圧により感光体表面を帯電するものである。
【0052】
構成としては、帯電ローラー、帯電ブレード、帯電磁気ブラシ及び帯電繊維ブラシ等が挙げられる。
【0053】
帯電ローラー及び帯電ブレードとしては、導電性を有するローラー状あるいはブレード状の弾性層上に導電性微粒子を分散したコーティング層を抵抗層として配置した構成をとってもよい。これらの帯電部材の抵抗値としては1×104 Ω〜1×107 Ωの範囲であることが好ましい。抵抗値が1×104 Ωより低い場合にはピンホールリークを防止できないことがあり、1×107 Ωより高い場合には帯電に必要な電流を流すことができないことがある。
【0054】
弾性層に用いられる樹脂材料としては、例えば、EPDM、EPT、EPM、NBR、BR及びCR等の合成ゴム、天然ゴム等の熱硬化性エラストマー、また塩化ビニル、酢酸ビニルポリエステル、PVA等の熱可塑性エラストマー等が用いられる。
【0055】
また弾性層に導電性を付与するために添加される導電性粒子としては、カーボンブラック、酸化亜鉛、酸化チタン及び金属粉等の導電性粒子が用いられる。
【0056】
弾性層としては、JIS K 6301のA型硬度計により規定される硬度において20〜80゜の硬度であることが好ましい。
【0057】
また、帯電部材表面に配置される抵抗層に用いられる樹脂材料としては、ポリアミド、ポリイミド、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、PVA及びポリエステル等の常温において柔軟性を有する材料が用いられる。
【0058】
さらに本発明の感光体は、接触された帯電部材から直接電荷の注入を行う帯電方式に好適である。このような帯電方式に用いる帯電部材としては、帯電ローラー、帯電ブレード、帯電磁気ブラシ及び帯電繊維ブラシ等が挙げられる。これらの中では耐久性の点で帯電磁気ブラシ及び帯電ローラーが好ましく、さらには均一帯電性の点で帯電磁気ブラシが好ましい。
【0059】
帯電磁気ブラシ方式は、磁気力によりフェライト等の磁性粉体の穂を形成し、この穂立ちした磁性粉体を高密度に集めたブラシ状にし、電圧を印加することで帯電部材の役割を担わせたものである。この穂は、かなり高密度化させることができ、より微細化された均一帯電を達成することができる。
【0060】
構成としては非磁性の導電スリーブ、これに内包されるマグネットロール、スリーブ上の磁性導電性粒子からなり、マグネットロールは固定、スリーブ表面が感光体と周速差を持って移動するように回転される。
【0061】
磁性導電性粒子としては、
・樹脂とマグネタイト等の磁性粉体を混練して粒子に成型したもの、もしくはこれに抵抗値調節のための導電カーボン等を混ぜたもの、
・焼結したマグネタイト、フェライト、もしくはこれらを還元処理して抵抗値を調節したもの、
・またはこれらの磁性粒子をメッキ処理して抵抗値を適当な値にしたもの、
などが使用可能である。
【0062】
本発明の電子写真感光体は、複写機、レーザープリンター、LEDプリンター、液晶シャッター式プリンター等の電子写真装置一般に適用し得るだけではなく、電子写真技術を応用した記録、軽印刷、製版およびファクシミリ等の装置にも幅広く適用し得るものである。
【0063】
【実施例】
以下実施例により本発明を説明する。
【0064】
[実施例1]
図3のシームレスベルトの製造方法において、直径210mm、厚み0.3mmの寸法を有し、Feを0.3%ドープしたAlよりなる円形の金属薄板を用いた。
【0065】
この金属薄板を使用して、図3の絞り工程を2回行い、図4のしごき工程を1回行い、さらに図5の切断工程を経て、厚さ平均40μm、最大厚み49.0μm、最小厚み37.5μm、直径190mm、巾330mmのAlよりなる金属シームレスベルト1を得た。
【0066】
この時の表面粗さRaは、0.09μmであった。
【0067】
金属シームレスベルトを、このベルトの内径とほぼ同寸法の厚み2mmを有する金属金型に装着し、以下の材料より構成される塗料を浸漬法で塗布し、140℃で30分間熱乾燥することにより、干渉縞防止とシームレスベルト面の均一性を得るための導電性被覆層を形成した。
【0068】
Figure 2004004291
次に、オキシチタニウムフタロシアニン顔料4質量部、ポリビニルブチラール樹脂2質量部及びシクロヘキサノン34質量部をサンドミルで8時間分散した後、テトラヒドロフラン60質量部を加えて電荷発生層用の分散液を調合した。
【0069】
この分散液を先に導電性被覆層を塗布した表面に浸漬塗布し、95℃で10分間加熱乾燥して膜厚0.2μmの電荷発生層を形成した。
【0070】
次に、下記式で示されるトリアリールアミン化合物50質量部及びビスフェノールZ型ポリカーボネート樹脂50質量部をモノクロルベンゼン400質量部に溶解した溶液を前記電荷発生層上に浸漬塗布し、110℃で1時間加熱乾燥して膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
【0071】
【化1】
Figure 2004004291
これによって得られた電子写真感光体を感光ベルト1とする。
【0072】
図2に示されるフルカラープリンターに感光ベルト1を搭載し、くり返しカラー複写による耐久試験を行った。その結果5万枚まで感光ベルトに起因する不具合がなく、安定した良好なフルカラー画像が得られた。さらにシームレスベルトの耐久性を評価するため、カラー複写はせず、空回転を図2のプリンターを用いて継続して行ったが、ベルトの寄りや蛇行もなく、ベルトの切断も発生せず安定的に10万枚まで回転駆動することが出来た。
【0073】
[実施例2]
金属薄板としてNiを0.3%、Znを0.1%ドープしたFe板を用い、厚さを0.25mmに変更した以外実施例1と同様にして金属シームレスベルトを得た。この時の厚み平均は35μm、最大厚み50μm、最小厚み31μmであり、直径190mm巾330mm、表面粗さRaは0.18μmであった。
【0074】
実施例1と同様にこの金属シームレスベルトに、導電性被覆層、電荷発生層、電荷移動層をこの順に積層して感光ベルト2を得た。
【0075】
図2のフルカラープリンターを用いて、5万枚のくり返しフルカラー複写耐久試験を行ったが、良好なフルカラー画像が得られた。
【0076】
[比較例1]
電鋳法より得られた厚み25μmのNi電鋳ベルトを用いた以外実施例1と同様に該電鋳ベルトに感光層を塗布し、感光ベルト3を得た。これを用いてフルカラー複写耐久試験を行ったが、初期は画質上は何ら問題はなかったが、約1万枚後から感光ベルトの表面にかすかなヘアークラックが発生し、2万枚前後より、ベルト端部を起点として1〜3mm程度割れが生じ、2.4万枚で切断してしまった。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、5万〜10万枚のくり返しフルカラー複写耐久試験を行っても、寄りや蛇行もなく、切断も発生しない電子写真感光体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各色ごとに4つのステーション(金属シリンダーを導電性支持体とした感光体、現像装置、転写装置、及びクリーニング装置)を具備した電子写真装置の概要を示す図である。
【図2】各色ごとに4つのステーション(金属シリンダーを導電性支持体とした感光体、現像装置、転写装置、及びクリーニング装置)を有しない電子写真装置の概要を示す図である。
【図3】絞り工程を示す図である。
【図4】しごき工程を示す図である。
【図5】切断工程を示す図である。
【符号の説明】
100  金属薄板
101  カップ
102  円筒カップ
103  シームレスベルト
200  パンチ
201  カップホルダースリーブ
202  加圧プレート
300  しごき工程用パンチ
301  リング
302  リング
303  リング
401  カッター
501  感光体
502  現像装置
503  帯電ローラー
504  ドラムクリーナー
505  転写ベルト
506  定着装置
507  紙カセット
508  転写ブレード
509  駆動ローラー
510  テンションローラー
600  感光ベルト
601  感光ベルトクリーナー
602Y  イエロー現像器
602M  マゼンタ現像器
602C  シアン現像器
602Bk  ブラック現像器
603  感光ベルト駆動ローラー
604  中間転写ベルト駆動ローラー
605  中間転写ベルト
606  転写ローラー
607  紙パス方向

Claims (7)

  1. 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該導電性支持体が、金属薄板を絞り加工及びしごき加工して、さらに所望の長さに切断することによって得られたシームレスベルトであることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記シームレスベルトの厚みが0.02〜1.00mmの範囲にある請求項1の電子写真感光体。
  3. 前記シームレスベルトの厚みの最大値が最小値の2倍以内である請求項1の電子写真感光体。
  4. 前記シームレスベルトの厚みの最大値が最小値の1.5倍以内である請求項1の電子写真感光体。
  5. 前記シームレスベルトの表面粗さRaが0.02〜0.50μmの範囲にある請求項1の電子写真感光体。
  6. 前記金属薄板の厚みが0.02〜5.00mmの範囲にある請求項1の電子写真感光体。
  7. 前記金属薄板はFe、Ni、Al、Cu及びZnのうち少なくとも1種類を金属板にドープして得られたものである請求項1の電子写真感光体。
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