JP2004002490A - 高分子相溶溶液及びこれを用いて高分子複合体を製造する方法 - Google Patents

高分子相溶溶液及びこれを用いて高分子複合体を製造する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カチオン性高分子及びアニオン性高分子からなる均質な高分子複合体を効率よく得ることを目的とする。
【解決手段】カチオン性高分子及びアニオン性高分子をそれぞれの濃度が0.1〜30重量%となるように塩類を含む水性媒体に相溶させた高分子相溶溶液を製造し、次いで、この高分子相溶溶液の塩類の濃度を低下させることにより、上記のカチオン性高分子及びアニオン性高分子の複合体を形成させる。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カチオン性高分子とアニオン性高分子から得られる高分子複合体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
カチオン性高分子とアニオン性高分子とのイオン結合により生じる高分子複合体は、医学、医療、化粧品、製紙などの多種多様な分野での利用が提案されている。
【0003】
しかしながら、上記の高分子複合体は、カチオン性高分子溶液とアニオン性高分子溶液を混合することにより瞬時に得られるものであるため、混合溶液中に、複合体の一部の固まりがみられたり、溶液全体がゲル化したり、複合化していないカチオン性高分子やアニオン性高分子が残ったりし、均質的なものが得られにくかった。
また、四級化キトサンとポリアクリル酸ナトリウムとをそれぞれ別個に臭化ナトリウム水溶液に溶解し、両者を混合し、限外ろ過によって塩を除去して複合体を得る方法が知られている(Polymer Bulletin 15,101−106(1986))。
しかし、この場合、塩濃度が非常に高い(20重量%)ため、脱塩操作によって除去される塩の量が多くなる欠点があり、また、限外ろ過膜を用いて脱塩を行う方法で複合体を得るので、生成する複合体の厚さに限界がある。
【0004】
そこで、この発明は、カチオン性高分子及びアニオン性高分子からなる均質な高分子複合体を効率よく得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、カチオン性高分子及びアニオン性高分子をそれぞれの濃度が0.1〜30重量%となるように塩類を含む水系媒体に相溶させた高分子相溶溶液を製造し、次いで、この高分子相溶溶液の塩類の濃度を低下させることにより、カチオン性高分子及びアニオン性高分子の複合体を形成させることにより、上記の課題を解決したのである。
【0006】
カチオン性高分子及びアニオン性高分子の両方を相溶させた高分子相溶溶液を調製し、次いで、これから高分子複合体を沈殿させて高分子複合体を取得するので、使用する塩類の濃度を低くすることができ、また、均質な高分子複合体を効率的に製造できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下において、この発明について詳細に説明する。
この発明にかかる高分子相溶溶液は、カチオン性高分子及びアニオン性高分子を含有する液である。
【0008】
上記カチオン性高分子とは、官能基としてカチオン性を発揮する官能基を主鎖中の側鎖部に有する高分子をいう。このため、カチオン性を発揮する官能基は、上記カチオン性高分子の重合度に合わせて多数存在する。
【0009】
上記カチオン性高分子を構成するモノマー単位当たりに含まれる、上記カチオン性高分子に含有されるカチオン性を発揮する官能基の数は、0.01以上がよく、0.1以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。0.01より小さいと、水に溶解しない場合がある。一方、上記官能基の数の上限は、特に限定されないが、3程度で十分である。
【0010】
このカチオン性高分子の重合度は、10以上が好ましく、100以上がより好ましい。10より小さいと、アニオン性高分子と複合したときに、水に不溶な沈殿を生じない場合がある。重合度の上限としては、特に限定されないが、10万程度で十分である。
【0011】
上記カチオン性高分子としては、キトサン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ジエチルアミノエチルセルロース若しくはそれらの塩、又は、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル等のカチオン化セルロース、若しくはデンプン糖ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル等のカチオン化デンプン等の高分子等があげられる。上記塩としては、塩酸塩等があげられる。上記各カチオン性高分子は、単独で又は2種以上併用することができる。
【0012】
上記アニオン性高分子とは、官能基としてアニオン性を発揮する官能基を主鎖中の側鎖部に有する高分子をいう。このため、アニオン性を発揮する官能基は、上記アニオン性高分子の重合度に合わせて多数存在する。
【0013】
上記アニオン性高分子を構成するモノマー単位当たりに含まれる、上記アニオン性高分子に含有されるアニオン性を発揮する官能基の数は、0.01以上がよく、0.1以上が好ましく、0.5以上がより好ましい。0.01より小さいと、水に溶解しない場合がある。一方、上記官能基の数の上限は、特に限定されないが、3程度で十分である。
【0014】
このアニオン性高分子の重合度は、10以上が好ましく、100以上がより好ましい。10より小さいと、カチオン性高分子と複合したときに、水に不溶な沈殿を生じない場合がある。重合度の上限としては、特に限定されないが、10万程度で十分である。
上記アニオン性高分子としては、カルボキシメチルセルロース、硫酸セルロース、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸等や、これらの塩があげられる。上記塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等があげられる。上記各アニオン性高分子は、単独で又は2種以上併用することができる。
【0015】
上記のカチオン性高分子とアニオン性高分子の混合比は、カチオン性高分子に含有されるカチオン性を発揮する官能基数(以下、「カチオン当量」と称する。)とアニオン性高分子に含有されるアニオン性を発揮する官能基数(以下、「アニオン当量」と称する。)との比が、カチオン当量/アニオン当量=0.1〜10がよく、0.9〜1.1が好ましい。上記範囲を逸脱すると、複合体の水への不溶性が小さくなる。
【0016】
上記水系媒体とは、主として水をいい、これに水溶性有機溶媒を含有させることができる。これは、上記のカチオン性高分子やアニオン性高分子によっては、水溶性有機溶媒を含有する方がより溶解する場合があるからである。
【0017】
上記水溶性有機溶媒の例としては、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等があげられる。
また、上記水系媒体に含有される水溶性有機溶媒の添加量は、0〜90重量%がよく、0〜50重量%が好ましい。90重量%より多いと、相溶しない場合がある。一方、水溶性有機溶媒を必ずしも添加しなくてもよいので、0重量%でもよい。
【0018】
また、上記の高分子相溶溶液には、塩類が含有されるが、この塩類の濃度は、0.1〜20重量%がよく、1〜10重量%が好ましい。0.1重量%より少ないと、上記カチオン性高分子とアニオン性高分子が相溶しない場合がある。一方、20重量%より大きいと、塩類が飽和状態に達する場合がある。
【0019】
上記塩類の種類の例としては、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、塩化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、硫酸カリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸リチウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウム等があげられる。
上記高分子相溶溶液に溶解される上記の塩類は、1種類であってもよく、2種類以上であってもよい。
【0020】
上記の高分子相溶溶液は、次の方法で製造することができる。
まず、上記のカチオン性高分子及びアニオン性高分子を所定の水系媒体に溶解させてそれぞれ高分子溶液を製造する。そして、いずれか一方又は両方の高分子溶液に、上記の塩類を溶解させる。次に、両方の高分子溶液を混合させる。これにより、両高分子が相溶している上記高分子相溶溶液は得られる。
また、上記の方法以外に、上記の一方の高分子溶液を製造し、塩類を溶解させ、次いで、他方の高分子を相溶させることにより、上記高分子相溶溶液を製造してもよい。このときの上記各高分子及び塩類の溶解順序は、特に限定されない。
【0021】
また、上記の「相溶している」とは、系中のすべての高分子鎖の殆どの部分が互いに会合せずに、局所的に分散している状態で、高分子相溶溶液中の溶質(すなわち、各高分子)の単位長さあたりの分子量の測定値が、高分子鎖の単位長さあたりの平均分子量の理論値の±50%の範囲内にある状態をいう。具体的には、小角X線散乱実験に於ける絶対強度測定から得られる溶質の単位長さ当りの分子量ML,obsd.の値が、分子構造式から単一鎖に対して計算される値ML,calcd.(±50%)に等しくなる状態をいう。
【0022】
上記高分子相溶溶液に含有する上記カチオン性高分子の濃度は、0.01〜30重量%がよく、0.1〜5重量%が好ましい。0.01重量%より少ないと、最終的に得られる高分子複合体に対して使用する上記水溶液の量が多く、効率的でない。一方、30重量%より多いと、得られる相溶溶液の粘度が非常に高くなり、取扱いが困難となる場合があり、また、相溶溶液が得られにくくなり、均質でない高分子複合体が得られる場合がある。
【0023】
上記高分子相溶溶液に含有する上記アニオン性高分子の濃度は、0.01〜30重量%がよく、0.1〜5重量%が好ましい。0.01重量%より少ないと、最終的に得られる高分子複合体に対して使用する上記水溶液の量が多く、効率的でない。一方、30重量%より多いと、得られる相溶溶液の粘度が非常に高くなり、取扱いが困難となる場合がある。また、相溶溶液が得られにくくなり、均質でない高分子複合体が得られる場合がある。
【0024】
上記の高分子相溶溶液は、塩類の濃度を低下させることにより、この高分子相溶溶液に含有される上記のカチオン性高分子及びアニオン性高分子が複合体を形成して沈殿する。この沈殿を回収して、高分子複合体が得られる。
【0025】
上記の塩類の濃度を低下させる方法としては、特に限定しないが、上記高分子相溶溶液を水系媒体に添加する方法等があげられる。水系媒体に添加するため、塩類の濃度が大幅に低下する。このため、塩類の濃度が減少し、この両高分子による会合体の形成抑制が解除されるからである。
【0026】
上記水系媒体としては、上記の両高分子を溶解させる水系媒体と同様のものを用いることができる。
【0027】
この発明にかかる高分子複合体は、各種の形状に成形して、膜、フィルム等に使用することができる。
上記成形方法としては、次のようなものがあげられる。まず、得られた高分子複合体を粉砕し、微粉末とする。次いで、これを水等の上記の水系媒体に分散させ、シャーレに注いで乾燥する。これにより均一で透明なフィルムが得られる。
【0028】
【実施例】
以下に実施例及び比較例をあげてこの発明をさらに具体的に説明するが、この発明は実施例の範囲に制限されるものではない。なお、この実施例及び比較例における評価法は次に示す通りである。
【0029】
[溶質の単位長さ当たりの分子量]
溶液あるいは分散液中の溶質の、単位長さあたりの分子量ML,obsd.は、小角X線散乱実験により測定される絶対散乱強度(Δi(q)、q:散乱ベクトルの大きさ)から決定した。Δi(q)の定義及び測定方法の詳細は、文献(H.Ando and T.Konishi,Phys. Rev. E,62,727−733(2000))に記載されている。なお、単一高分子鎖の単位長さ当たりの分子量の理論値ML,calcd.は、モノマー単位当たりの分子量を、高分子鎖に沿った方向でのモノマー単位当たりの長さで割って得られる。キトサン、CMCについては、いずれも40gmol−1−1と計算される。
【0030】
(実施例1)
市販のキチン(和光純薬製)3gから、所定の方法(文献:キチン・キトサン実験マニュアル、キチン・キトサン研究会編、技報堂出版、p13)で、キチン濃度1wt%、水酸化ナトリウム濃度10wt%のアルカリキチン水溶液を300g調製した。さらに所定の方法により脱アセチル化を行い、アルカリキチン水溶液を25℃で77時間放置後、5℃に冷やし、210gの純水で作った氷を加えた後、濃塩酸および希塩酸を用いてpHを8.9に調整(『文献:同報p20』。)、水溶性キチン濃度約0.52wt%の水溶性キチン水溶液約600gを調製した。
【0031】
この溶液にカルボキシメチルセルロース−ナトリウム塩(CMC−Na、東京化成製、重合度約500、置換度0.74)粉末を2g加え撹拌し、相溶させた。次に2N塩酸により、高分子含有溶液のpHを5に調節した。この相溶溶液中の塩濃度は15wt%である。これを撹拌しながら4500mlの純水中に注入し、高分子複合体を析出させた。5〜10分後、撹拌を止めると、程なく析出物は沈殿した。次にこの沈殿物を分取し、水とアセトンで洗浄後、デシケーター内で真空乾燥すると、白色繊維状の高分子複合体約4.0g(収率85%)が得られた。
また、純水に注入前の混合水溶液のpHを6および7に調節した溶液からも高分子複合体を生成した。(他の処方はpH5の場合と同じである。)
【0032】
これらの高分子複合体を電動ミルおよび乳鉢で粉砕し、その微粉末(0.25mmメッシュパス)を用いて、赤外吸収スペクトル測定を行ったところ(KBrペレット法)、いずれのpHで調製した複合体においても、キチン由来のアミドI吸収(〜1655cm−1)、およびアミドII吸収(〜1560cm−1)が観測され、また1610cm−1にはCMC由来のカルボン酸イオン(COO)による吸収が見られた。さらにこの微粉末を水に入れても溶解しないことから、得られた微粉末は、単なるキチンとCMCの混合粉末ではなく、分子レベルで双方が結合した複合体であることがわかった。
【0033】
上記の微粉末0.5gに少量の純水を加えて乳鉢で練り、真空脱泡した後にガラスシャーレ(φ10cm)に移して110℃で数時間加熱乾燥したところ、透明なフィルムが生成された。このフィルムは水に不溶であった。
また、微粉末に少量の純水を加える代わりに、水およびメタノールを1:1で混合した溶媒を加えて乳鉢で練り、フィルム化した場合も均一・透明なフィルムが得られた。
【0034】
(実施例2)
実施例1と同様の処方にて、3gの市販キチン(和光純薬製)から、キチン濃度約0.52wt%の水溶性キチン水溶液約600gを調製した。ただし脱アセチル化の放置時間を24時間に短縮した。この場合、コロイド滴定によると、脱アセチル化度は15%であった。
【0035】
この溶液に、やはり実施例1と同じ処方にてCMC−Na粉末(東京化成製、重合度約500、置換度0.74)を2g加え撹拌し、相溶させた。次に2N塩酸により、高分子含有溶液のpHを4に調整した。この相溶溶液中の塩濃度は15wt%である。これを撹拌しながら4500mlの純水中に注入すると、高分子複合体が析出した。5−10分後、撹拌を止めると、程なく析出物は沈殿した。次にこの沈殿物を分取し、アセトンと水で洗浄後、デシケーター内で真空乾燥すると、白色繊維状の高分子複合体約3.2g(収率68%)が得られた。
【0036】
この高分子複合体を微粉末化して水に入れても溶解しないことから、得られた微粉末は単なるキチンとCMCの混合粉末ではなく、分子レベルで双方が結合した複合体であることがわかった。ただし赤外吸収スペクトル測定を行ったところ、実施例1と同様にアミドI、IIの吸収(キチン由来)とカルボン酸イオンによる吸収(CMC由来)は見られた。
実施例1と同様の処方を用いて成膜を行ったところ、水に不溶の半透明フィルムが成形された。
【0037】
(実施例3)
CMC−Naを、1M塩化ナトリウムを含む水溶液(pH=5)に溶解した(CMC−Naの濃度:1wt%)。また、脱アセチル化度53%のキトサン(商品名 DAC−50 甲陽ケミカル(株)社製、含水率2.9%、以下、「DAC−50」と略する。)を、1M塩化ナトリウムを含む水溶液(pH=5)に溶解した(DAC−50の濃度:1wt%)。次にCMC−Na溶液4mlとDAC−50溶液5mlを混合したところ、複合化は起こらず、両高分子が相溶した高分子相溶溶液を得た。この高分子相溶溶液について、小角X線散乱実験から求めたML,obsd.の値は、37g・mol−1・A−1であり、両高分子が分子レベルで分散した相溶溶液であることを確認した。
この相溶溶液に水を加え、塩濃度を0.1Mまで下げることにより、水に不溶の高分子複合体の沈殿が生成した。この高分子複合体は、CMC−Na及びDAC−50が一旦均一に相溶した高分子相溶溶液から生成したものであるから、分子レベルで緻密に複合化した、均一な複合体である。複合体の沈殿を水で洗浄し、塩類を除去した後、50℃で乾燥したところ、透明のフィルムが得られた。高分子複合体の収率は90%であった。
【0038】
【発明の効果】
この発明にかかる高分子複合体は、カチオン性高分子及びアニオン性高分子の両方を相溶させた高分子相溶溶液を調製し、次いで、塩類の濃度を低下させるだけで、これから高分子複合体を沈殿させて高分子複合体を取得するので、均質な高分子複合体を効率的に製造できる。

Claims (7)

  1. カチオン性高分子及びアニオン性高分子をそれぞれの濃度が0.1〜30重量%となるように塩類を含む水系媒体に相溶させた高分子相溶溶液。
  2. 上記水系媒体には、水溶性有機溶媒を含有する請求項1に記載の高分子相溶溶液。
  3. 上記カチオン性高分子がキトサン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン及びそれらの塩、並びに、ヒドロキシエチルセルロースヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテル、及びデンプン糖ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドエーテルの中から選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2に記載の高分子相溶溶液。
  4. 上記アニオン性高分子がカルボキシメチルセルロース、硫酸セルロース、ポリアクリル酸及びポリスチレンスルホン酸並びにそれらの塩の中から選ばれる1種又は2種以上である請求項1乃至3に記載の高分子相溶溶液。
  5. 上記塩類の濃度が0.1〜20重量%である請求項1乃至4のいずれかに記載の高分子相溶溶液。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の高分子相溶溶液の塩類の濃度を低下させることにより、上記のカチオン性高分子及びアニオン性高分子の複合体を形成させる高分子複合体の製造方法。
  7. 上記の塩類の濃度を低下させる方法は、上記高分子相溶溶液を水系媒体に添加する方法である請求項6に記載の高分子複合体の製造方法。
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