JP2004002023A - 卸売方法、仕入方法、並びに卸売支援システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】卸売業者が、集荷した荷物を自動倉庫10aに入庫するステップと、自動倉庫10aに入庫した荷物に対して、予約相対及び/又は転送による引当を行なうステップと、未引当品に対して、事前販売による引当を行なうステップと、前記未引当品に対して、競売による引当を行なうステップと、前記未引当品を後に行なわれる取引の引当に回すステップとを含んで実行すること、を特徴とする卸売方法。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、卸売市場などに関連した、卸売方法、仕入方法、及び卸売支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
魚介類、食肉類、青果物、花卉などを取り扱う卸売市場(水産物卸売市場、食肉卸売市場、青果物卸売市場、花卉卸売市場・・)が各都市に設けられている。この卸売市場での取引を、図25(非特許文献1参照)を参照して説明する。図25は、青果などの卸売市場で行なわれる取引を説明する流れ図である。図中、太い枠で囲まれた部分が卸売市場Mである。
【0003】
図25に示すように、出荷者Sから出荷されて卸売市場Mに入荷された商品(荷物)は、せり売り(競売)、入札売りや相対取引によって、卸売業者W1(第1の卸売業者)から仲卸業者W2(第2の卸売業者)や売買参加者Bに販売される。仲卸業者W2は、小売商Rや売買参加者Bに相対売りによって商品を販売する。小売商Rは仲卸業者W2から購入した商品(荷物)を最終の消費者Cに販売する。また、売買参加者Bは、卸売業者W1や仲卸業者W2から購入した商品を、自前で消費者Cに販売したり、自前で消費したりする。なお、図25の出荷者Sや市場内業者Wの内容は、次のとおりである。
【0004】
〔出荷者〕
まず、出荷者Sを説明する。出荷者Sは、生産者S1、出荷団体S2、集荷業者S3、輸入業者S4を総称したものである。ちなみに、集散市場的性格の強い大都市の卸売市場Mにあっては、出荷者Sの範囲は全国に及んでいる。
【0005】
この出荷者Sのうち、生産者S1は、農家・漁家・漁業会社・食品加工業者など自ら卸売市場Mで取り引きされる産品(商品)を生産する者をいう。生産者S1が直接卸売市場Mに出荷するものとしては、水産物では近海鮮魚類・冷凍魚・塩干加工品・貝類・淡水魚などがある。農作物では、近県で栽培される軟弱野菜が主なものである。食肉では豚が比較的多い。花卉は主に近県の切枝、鉢物などを中心に出荷される。
【0006】
出荷団体S2は、農業協同組合・漁業協同組合・園芸組合・出荷組合など、生産者S1が共同して出荷する組織体をいう。農産物や花卉は、この形態により出荷されるものが主流であるが、水産物においては少ない。
【0007】
集荷業者S3は、いわゆる産地仲買人と称する者であり、生産者から自己の計算によって生産物を買い付けて市場に出荷する者をいう。農産物においては、特定の地域における特定の商品について僅かに見受けられるに過ぎないが、水産物については産地市場の発達と相まって、鮮魚の約3分の2が、また、食肉については全体の2割が、集荷業者S3によって出荷されている。
【0008】
輸入業者S4は、広義の集荷業者S3であり、国内の需要を満たすために、水産物、青果物、食肉、花卉などの生鮮食料品などを輸入し、市場に出荷する者をいう。
【0009】
〔市場内業者〕
次に、市場内業者Wを説明する。市場内業者Wは、卸売業者W1、仲卸業者W2、売買参加者Bなどを総称したものである。
【0010】
このうち、卸売業者W1は、農林水産大臣の許可を得て、出荷者Sから販売委託された商品を仲卸業者W2や売買参加者Bに卸売する者をいう(集荷した商品を卸売する者)。卸売業者W1は、商品の特性に応じて「せり売り」、「入札売り」、「相対取引(予約相対取引を含む)」などの方法により、商品の卸売(販売)を行なう。卸売業者W1は、その卸売金額に対し一定の料率による手数料を収受する。また、図示を省略したが、卸売業者Mは、卸売市場Mに入荷した荷物の他市場への転送も行なう。
卸売業者W1の集荷方法は、出荷者Sからの販売委託による「受託集荷」が原則となっているが、特定の商品及び特定の事情がある場合は、例外的に自己の計算による「買付集荷」が認められている。卸売業者W1は、単に受託又は買い付けた商品を販売するだけではなく、集荷機能という重要な役割を担っている。なお、卸売業者W1相互の過度な集荷競争を排除して、生産者S1と消費者Cの利益を保護するために、卸売業者W1の数は、卸売市場Mの規模に応じた定数を定めて許可している。
【0011】
仲卸業者W2は、市場開設者の許可を得て、卸売業者W1が行なう売買取引に参加し、購入した(仕入れた)商品を市場内の店舗で仕分けし、又は調整して販売する者をいう。販売先は、小売商Rや売買参加者Bである。仲卸業者W2は、卸売業者W1と並んで、市場機構の中心を成すものであり、その主な役割は商品の「評価」及び「分荷」である。
【0012】
売買参加者Bは、小売商・加工業者・地方卸売市場業者・大口消費者などのうち、市場開設者の承認を受けて、卸売業者W1が行なう卸売に、仲卸業者W2と同じ立場で参加できるものをいう。売買参加者Bには、仲卸業者W2と同様の「評価機能」と「分荷機能」が求められている。また、図25に示すように、売買参加者Bは、仲卸業者W2から相対売りにより商品を仕入れることも行なう。ちなみに、売買参加者Bの数は、青果や花卉では多く、水産では少ない。なお、売買参加者Bの数が多くなると、仲卸業者W2を経ないことによる中間経費の節減が期待できる反面、取引単位の大型化と諸経費の節減・機械化など仲卸業者W2の役割による取引の合理化の要請に反するという両面の性格を持っている。
【0013】
〔その他〕
その他、市場内業者Wとは異なるが、買出人(例えば小売商R)が卸売市場Mに出入りしている。買出人は、卸売市場Mにおいて卸売業者W1から商品を直接買い受ける資格を持たずに、仲卸業者W2から購入する者である。つまり、卸売市場Mで購入した商品を再販売する小売商・地方卸売市場業者・購入した商品を原料として食料品その他を生産し販売する加工業者・購入した商品を自ら消費する大口消費者(病院・学校・職場における給食など)及び飲食業者などである。大規模な卸売市場Mの場合、買出人の数は数万人/日に達するとみられ、その地理的範囲は、相当の広範囲に及ぶ。
【0014】
【非特許文献1】
東京中央卸売市場「市場のしくみ」[平成14年12月12日検索]、インターネット<URL:http://www.shijou.metro.tokyo.jp/frame03.html>
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、卸売市場Mは膨大な量の商品(荷物)が場内を行き交うことを前提として設計されている。しかし、卸売市場Mの評価が高まって商品が多く集荷されるようになると、図26に示すように卸売場(競売場などを含む)が狭くなり、例えば、荷捌(商品を送り先別に仕分けする作業)などのためのスペースが不足するようになる。特に大都市の卸売市場は、取り扱う商品の品目や量が多く、国内や国外のあらゆる産地や出荷地などから各種商品が集められるので手狭になり易い。こうなると、他人の商品の間をぬって目的の商品の引取を行なわなければならなくなる。また、目的の商品が奥にあると手前の商品を退けてから取り出すことになる。また、商品を退けるためにフォークリフトを借りて作業せざるを得ない場合が生じる。このような状況になると、作業にいたずらに時間と手間がかかる。このため、限られた時間帯で作業を完了しようとすると、いきおい人海戦術に頼らざるを得ず、非効率的で労働負荷が高くなり、これがさらなる混雑に拍車を掛けることにもなる。ちなみに、仲卸業者W2などは、商品の引当という行為の後に卸売業者W1が商品に張り付けた帳票(卸売市場によっては「割符」ということもある)を目印にして商品の引取を行なうが、なかなか引き取られない場合があり、これが荷捌場や卸売場などのスペースを狭くする原因にもなっている。
【0016】
また、仲卸業者W2は、商品の引取を行なった後に仕向け先(出荷先)別に商品を仕分ける必要があるが、この仕分のためには少なからぬ作業スペースと少なからぬ労力を必要とする。ここで、広い作業スペースと多くの労力は、商品のコストに反映するので好ましくない。
【0017】
また、卸売市場Mでは種々の作業を行なっているが、例えば図27に示すように加工(例えば商品を小分けなどする作業)の動線と仕分などの荷捌の動線が交錯することが日常的に発生しており、これがそれぞれの作業効率を大幅に低下する原因になっている。ちなみに、この図27では、卸売市場Mに入荷された商品は冷蔵庫に入庫される。商品は途中、冷蔵庫から出庫されて流通加工(加工)がなされ、再度冷蔵庫に入庫される。そして、最後に出庫されて荷捌され、車両に積まれて卸売市場Mから出荷される。
【0018】
また、冷蔵庫の収容スペースが充分でない場合は、冷蔵庫に入りきらない商品が野ざらし(荷降しした屋外の場所に割符を貼った状態で商品を放置)になったりする。このような野ざらしは、商品を置いたり作業をしたりするスペースの面からも商品の鮮度(品質)の面からも好ましくない。また、冷蔵庫の収容スペースに空きがあっても、なかなか冷蔵庫に入れられずに、屋外などに放置される場合もある。
【0019】
さらに、卸売市場における取引形態が、卸売業者が荷物の集荷だけでなく、荷物の分荷をも行ない、仲卸業者の業務をも兼務する形態が存在する卸売市場、あるいは将来、卸売業者が、仲卸業者を介さず、集荷した荷物をそのまま、又は分荷あるいは加工して、直接、売買参加者などに販売する取引形態となることも予想される。そうした卸売市場における取引形態の変化に対応して、卸売市場として充分な機能を発揮できる卸売方法、仕入方法、並びに卸売支援システムを構築することが求められる。
【0020】
そこで、本発明は、このような課題を解決した卸売方法、仕入方法、並びに卸売支援システムを提供することを主たる課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題に鑑み、本発明は、上下方向に階を分けて作業の動線が交錯することがないようにした。また、自動倉庫又は倉庫内から荷物を庫外に出すことなく商い(取引)が行なわれるようにした。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の卸売方法、仕入方法、並びに卸売支援システムの実施形態を、集荷及び分荷用の建物(以下「建物」と省略する)のレイアウトとともに、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、卸売業者と仲卸業者が並存する卸売市場を例に採り説明するが、以下の記述中の仲卸業者を卸売業者と読み替えれば、卸売業者の一部が仲卸業者の業務を兼業している形態の卸売市場、あるいは仲卸業者が存在せず卸売業者が集荷及び分荷を行う形態の卸売市場に本発明を適用した実施形態を理解することができる。
【0023】
〔建物のレイアウトなど〕
まず、建物のレイアウトなどを、図面を参照して説明する。
図1は、建物の模式的な斜視図である。図2は、図1の建物の各階平面図であり、(a)は3階の模式的平面図を、(b)は2階の模式的平面図を、(c)は1階の模式的平面図を、それぞれ示す。図3は、自動倉庫の入出庫部の模式的な構成を示す図である。
【0024】
図1及び図2に示すように、建物10は、自動倉庫10aを備え、屋上14が駐車場14aになった3階建ての建物であり、青果物を商う図示しない卸売市場の場内、つまり「荷物の集荷と該集荷された荷物の分荷が行なわれる場所」に建設される。ちなみに、この建物10は、それ自体で、荷扱(荷受、入出庫、引当…)を自動化した青果物市場として機能するものである。
【0025】
図2(c)に示すように、建物10の1階11(つまり地上階)は、荷受場11a、転送場11b、競売場11c、仲卸店舗11d、第1入出庫部11e、第2入出庫部11f、などがレイアウトされている。図2(b)に示すように、建物10の2階12は、加工場12a、卸事務所12c、仲卸事務所12d、第3入出庫部12eなどがレイアウトされている。図2(a)に示すように、建物10の3階13は、荷捌場13a、出荷場13b、電算室13c、第4入出庫部13eなどがレイアウトされている。なお、符号Ptはパレタイザであり(図8参照)、商品をパレットに積む機能を有する。
【0026】
ちなみに、図2(c)に示す第1入出庫部11eは、荷受場11aで荷受(入荷)された商品の入庫、及び転送場11fで商品を転送するための出庫に主として使用される入出庫部である。第2入出庫部11fは、競売、店頭渡し(店頭売り)、その他の荷受などに使用される入出庫部である。図2(b)に示す第3入出庫部12eは、加工や仕分けのための入出庫を主として行なう入出庫部である。図2(a)の第4入出庫部13eは、荷捌や出荷のための入出庫(出庫)を主として行なう入出庫部である。なお、第4入出庫部13eは、出庫して荷捌場13aで荷捌した商品を一旦入庫して時間調整を行ない、その後出庫して出荷場13bから出荷する場合があるので、出庫ばかりが行なわれるものではない。
ここで、「集荷された荷物を前記自動倉庫に入庫する入庫場所」は、本実施形態では、荷受を行なう第1入出庫部11e(荷受場11a)を意味する。また、本実施形態では、荷受を行なう第2入出庫部11fも当該入庫場所に該当するといえる。なお、荷受場11aは、道路とのアクセスがよい場所に設けるのがよい。また、荷受場11aは大型の車両が行き来するので、建物10の構造上、重量に耐えられるような場所(本質的に重量に耐えられる場所)に設けるのがよい。本実施形態でのこのような場所は、建物10の1階(地上階)11である。ちなみに、本質的に重量に耐えられる場所である1階11に荷受場11aを設けた本実施形態のレイアウトは、建物10の建設費を安くすることができるレイアウトでもある。
【0027】
また、図1に示すように、建物10の2階12の天井までの高さは、1階11や3階13に比べて低くなっている。これは、2階12で行なう作業が大型の機器や車両によるものではないためである。このように天井を低くすることで、建物10全体としての高さを低くすることができて、建設費の削減などの観点から好ましい。また、図1に示すように、建物10には、地上から3階13にある出荷場13bへの車両入路R1が設けてある。また、建物10には、3階13にある出荷場13bから地上への車両退路R2が設けてある。さらに、3階13から屋上14への車両通路R3が設けてある(屋上14は駐車場になっている)。これにより、例えば4ton車両が3階13に上って出荷作業したり、屋上14に上って駐車場で待機したりすることができる。また、買出人が、乗り付けた車を屋上14で駐車することができる。これにより、建物10の周囲に設けるべき駐車場のスペースを削減したり、不要にしたりすることが可能になる。
【0028】
また、図2に示すように、自動倉庫10aは、この建物10の1階11から3階13に渡って配置されている。このように、自動倉庫10aが、建物10の1階11から3階13に渡って配置されることにより、各階11,12,13での自動倉庫10aから荷物(商品)の入出庫が容易になる。
【0029】
加えて、図2に示すように、自動倉庫10aは、平面視して長方形の建物10の一方に偏倚して配置されている。このように、自動倉庫10aを建物10の一方に偏倚して配置することにより、空いた広いスペースを、1階11においては競売場11c及び仲卸店舗11dに充て、2階12においては加工場12a及び仲卸事務所12dに充て、3階13においては荷捌場13aと出荷場13bに充てることができる。よって、広いスペースで、競売、小売、加工、仕分け、荷捌、出荷、事務などが行なえる。
【0030】
なお、図1及び図2から明らかなように、本実施形態の建物10は、自動倉庫10aを介して(自動倉庫10aを上下方向の搬送装置として)、建物10を立体的に使用しているので、従来のように(図27参照)、入荷(荷受)、転送、競売、加工、荷捌、出荷の動線が交錯することがなく、各作業をスムースに行なうことができる。ちなみに、2階12と3階13とを入れ換えても、具体的には、2階に荷捌場と出荷場を配置し、3階に加工場などを配置するようなレイアウトにしても、動線が交錯することがなく、円滑な作業を行なうことができる(この場合は、2階の天井の高さを高くし、3階の天井の高さを低くするとよい)。
【0031】
〔自動倉庫〕
図2に示す自動倉庫10aの内部は、多段にラック組みされて立体式になっており、大きな収納スペースを有する。また、自動倉庫10aは、商品を水平方向及び垂直方向に自動的にケース単位で搬送する自動水平垂直搬送装置、商品のラックへの載置及びラックからの取り出しをケース単位で自動的に行なう自動載置取出し装置(以上図示外)、並びにこれら装置の動作を管理する制御装置(図5(a)に示す自動倉庫コントローラ)が備わっている。このため、商品の入出庫、商品の移動(例えば1階11から2階12や3階13への移動など)を簡単な操作で行なえ、大幅に人手の作業を省くことができる。また、商品を紛失することがない。また、自動倉庫内には人間が立ち入れないようになっているので、商品を盗難されたりすることが防止される。
【0032】
また、この自動倉庫10aは、内部が隔壁により複数の空間に区画されており、かつ冷凍機による空調が各空間に行なわれ、自動倉庫10aが冷蔵倉庫及び定温倉庫として機能するようになっている。この機能を実現するため、自動倉庫10aには、図示しない冷凍機で発生した熱媒が各空間に供給され、しかも温調手段により熱媒の量を制御して温度調節できるようになっている。また、省エネルギを図るため、自動倉庫10aは気密性がよくしてある。従って、自動倉庫10aに入庫された商品を適切な温度で保持でき、入庫中(保管中)に商品の品質が変化することがない(品質の変化が抑制される)。また、消費エネルギも少なく抑えることができる。ちなみに、青果物の場合、最適な保管温度はそれぞれ種類によって異なり、例えば熱帯の果物などは低温を嫌う。このため、本実施形態の自動倉庫10aは、各空間の温度を個別に設定できるようになっている。なお、商品が自動倉庫10aに保管されている期間は短期間(長くて3日程度)である。ちなみに、出荷調整に自動倉庫10aを利用することも可能である。
【0033】
〔入出庫部〕
図2に示す各入出庫部11e,11f,12e,13eは、図3に示すようにループ式搬送台車LCが連携されており、自動倉庫10aに対する商品の入出庫が容易に行なえるようになっている。また、この図3から判るように、各入出庫部11e,11f,12e,13eは、単一の入出庫口ではなく、ループ式搬送台車LCと連携した複数のバースBから構成されている。このため、自動倉庫10aへの入出庫を迅速に行なうことができ、入庫や出庫のために順番待ちの長蛇の列ができることはない。また、各バースBには、入出庫部表示盤Pが設けてあり、入出庫が確実に行なえるようになっている。
【0034】
さらに、1階11の各入出庫部11e,11f(荷受場11a、転送場11b)には、商品をケースごとに個別管理可能にするため、図8に示すような画像認識装置と物流ラベル発行装置を備えた荷受端末130a,130b,130cが設置され、入庫される商品ごとに物流ラベルを発行し、商品のケースに貼付するようになっている。また、各入出庫部11e,11f,12e,13eには、商品をケースごとに個別管理可能にするため、図示しないラベルリーダが設置され、商品のケースに貼付された物流ラベルの情報を読み取るようになっている。また、2階12で小分け作業を行なうと商品の荷姿が新たなものになる場合がある。よって、新たな荷姿になった商品に新たな物流ラベルを貼付するため、2階12の第3入出庫部12eには、図示しないラベル発行装置が設置されている。なお、ラベルリーダが読み取った情報は、入庫情報、出庫情報としてタイムスタンプ付きで管理サーバ100(図4参照)に送信されるようになっている。また、物流ラベルの発行の際には、後述するように荷受情報がタイムスタンプ付きで管理サーバ100に送信されるようになっている。
【0035】
〔荷受場〕
1階11の荷受場11aは、例えば10ton車両(含む11ton車両)などで卸売市場に入荷された商品を荷受する場所である。荷受は、10ton車両からの商品の荷降し、商品への物流ラベルの発行・貼付、第1入出庫部11eからの自動倉庫10aへの商品の入庫の作業がこの順に行なわれる。なお、商品の荷受は、1階11の競売場11c側の第2入出庫部11fからも行なわれることがある。
【0036】
〔転送場〕
1階11の転送場11bは、入荷された商品のうち、他の市場に転送する商品を自動倉庫10aから出庫して、10ton車両などに荷積みする場所である。商品の出庫は、第1入出庫部11eから行なわれる。出庫された転送分の商品は、図2(c)に示すパレタイザPtによりパレット積みされた後、10ton車両に荷積みされる。なお、本実施形態の転送場10bは荷受作業も行なえるようになっており、逆に、荷受場10aは転送作業も行なえるようになっている。
【0037】
〔競売場・仲卸店舗〕
建物10の1階11に配置された競売場11cは、見本せり(競売)などが行なわれる場所である。この見本せりは、卸売業者と仲卸業者との間で行なわれる。仲卸店舗11dは、仲卸業者が小売業者などに卸売業者から仕入れた商品を販売する(卸す)店舗である。仲卸店舗11dは、原則として仲卸業者の数だけ存在する。なお、競売場11cは、自動倉庫10a(第2入出庫部11f)と仲卸店舗11dの間に配置されている。このように配置したのは、競売場11cでの見本せりを行ない易くするためである。なお、この実施形態では、仲卸業者に、図25に示す売買参加者Bを含めることとしてもよい。売買参加者Bは、仲卸業者と同様に、卸売業者から商品を直接仕入れることができるからである。
【0038】
〔加工場・卸事務所など〕
建物10の2階12に配置された加工場12aは、自動倉庫10aに入庫された商品を途中で取り出して加工(小分け販売仕分け)するための作業スペースとして使用されるものである。加工は、仲卸業者や売買参加者が、仕入れた商品に対して施す作業である。作業内容としては、例えば小分けやリパック、販売先用のバーコードの貼付、不可食部の除去などである。ちなみに、この実施形態では、商品は第3入出庫部12eから出庫され、加工された商品は再び第3入出庫部12eから入庫されるようになっている(荷姿が変わった場合は、新たな流通ラベルが商品のケースなどに貼付される)。なお、ここでの加工は、商品を仕分けする作業だけでなく、商品の形態・性質を変える作業を含むものとする。例えば、味つけなどのために食品を調理する作業、野菜や果物をカットしたり絞ったりする作業、あるいは細かい商品を袋などに詰める作業、盛り付けを行なう作業、(鮮魚市場であれば魚などを解体して各部位に分ける作業)、などの各種作業を含むものとする。もちろん、商品の箱詰めや小分けなどの、流通加工と呼ばれている作業のみを行なうこととしてもよい。
【0039】
建物10の2階12に配置された卸事務所12cは、卸売業者が事務を行なう場所である。また、仲卸事務所12dは、仲卸業者が事務を行なう場所である。卸事務所12c及び仲卸事務所12dは、原則としてそれぞれの数だけ存在する。なお、卸事務所12cは、荷受場11a、転送場11bの上(直上)に配置される。これは、階段やエレベータを設けることで、2階12にある卸事務所12cと1階11にある荷受場11aや転送場11bとのアクセスが容易になるからである(荷受及び転送は卸売業者が主として行なう作業であるので、このような配置は卸売業者にとって都合がよい)。一方、仲卸事務所12dは、仲卸店舗11dの上(直上)に配置される。これは、階段やエレベータを設けることで、2階12にある仲卸事務所12dと1階11にある仲卸店舗11dとのアクセスが容易になるからである(自分の店舗に行き易いので、このような配置は仲卸業者にとって都合がよい)。
なお、加工場12aは、自動倉庫10a(第3入出庫部12e)と仲卸事務所12dの間に配置されている。このように配置したのは、加工場12aでの加工(小分け販売仕分け)を行ない易くするためである。
【0040】
〔荷捌場・出荷場など〕
建物10の3階13に配置された荷捌場13aは、商品の出荷に際して自動倉庫10aに入庫された商品を第4入出庫部13eから取り出して荷捌するための作業スペースとして使用されるものである。荷捌は、出荷が決まっている商品を出荷先別に仕分ける作業であるが、商品は、必要に応じてカゴ車積みやパレット積みされる。パレット積みに際しては、パレタイザPtが利用される。なお、荷捌の対象になるのは、例えば仲卸業者と取引を行なっている大手量販店向けの商品が主である。荷捌された商品は、そのまま出荷場13bから出荷されるが、場合によっては、一旦自動倉庫10aに入庫され(時間調整などのための入庫)、その後に出荷される場合がある(この再度の入庫を前提とした荷捌では、カゴ車積みやパレット積みはなされない)。ちなみに、大手量販店は、品揃えの手間や加工作業の手間を省くことを考えて、仲卸業者から商品を仕入れることが多い。
【0041】
建物10の3階13に配置された出荷場13bは、荷捌された商品を車両に荷積みする場所である。出荷に使用される車両は、主として4ton車両である。ちなみに、4ton車両かそれよりも小型の車両でのみ出荷場13bから出荷する場合は、重量のある例えば10ton車両を3階13にまで上げる必要がないので、建物10の建設コストを安価にできる。なお、10ton車両で出荷する場合は、1階11の第1入出庫部11eや第2出庫部11fから商品を出庫して、10ton車両に荷積みするようにすることができる。
【0042】
〔情報システム〕
情報システム(卸売支援システム)を説明する。
図4は、情報システムの概略構成を示す図である。図5は、図4の管理サーバの構成を示すブロック図である。
【0043】
図2及び図4を参照してサーバや端末の配置を、3階13から順に説明する。図4に示すように、3階13には、管理サーバ100と管理端末101が電算室13cに配置されている。なお、管理サーバ100は情報システムの中核をなし、請求項の「コンピュータ」に相当するものである。また、3階13の第4入出庫部13eの近傍には入出庫端末140dが配置されている。
【0044】
2階12には、卸端末110が卸事務所12cに、仲卸端末120が仲卸事務所12dに、入出庫端末140cが第3入出庫部12eの近傍に、それぞれ配置されている。また、1階11には、店舗端末121が仲卸店舗11dに、荷受端末130a,130bが荷受場11aと転送場11b(第1入出庫部11eの近傍)に、荷受端末130cが第2入出庫部11fの近傍に、入出庫端末140aが第1入出庫部11eの近傍に、入出庫端末140bが第2入出庫部11fの近傍に、それぞれ配置されている。なお、卸端末110、仲卸端末120、仲卸店舗端末121は、それぞれ複数台(業者の数、店舗の数に応じた台数)存在する。また、以下の説明において、荷受端末130との記載は、荷受端末130a,130b,130cを総称したものである。同様に、出荷端末140との記載は、出荷端末140a,140b,140c,140dを総称したものである。
【0045】
各端末101,110,…は、管理サーバ100及び他の端末120,121…と、バス型(及びスター型)のLAN(Local Area Network)で接続され、相互に通信を行なえるようになっている。また、管理サーバ100の記憶装置100a(図5(a)参照)に記憶された各種ファイルにアクセスしてデータを読み出したり書き込んだり(登録したり)することができるようになっている。また、荷受時の商品の登録、入出庫の指示を行なえるようになっている。さらに、商品の売買(商い)などを行なえるようになっている。
【0046】
なお、管理サーバ100は、図5(a)に示すような構成をしている。このうち、主制御装置100aは、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)などから構成され、OS(Operating System)、卸売支援プログラム、自動倉庫管理プログラムなどが展開・起動している。卸売支援プログラムについての機能の詳細は、後に行なう説明の際に明らかにする。記憶装置100bは、ハードディスクなどから構成され、種々のデータを記憶している。なお、記憶しているデータの詳細は、後に行なう説明の際に明らかにする。入出力装置100cはキーボード、マウスなどから構成されている。通信制御装置100dは、LAN接続用のアダプタであるNIC(Network Interface Card)などから構成され、各端末101,…とのLAN接続を実現する。ちなみに、各端末101,…も、管理サーバ100と同様のハードウェア構成をしている。
【0047】
図5(a)に示す自動倉庫管理プログラムの入出庫管理機能を、図5(b)を参照して説明する。図5(b)は、入出庫管理機能を機能展開したブロック図である。
入出庫管理機能における荷受管理部は、荷受端末130(図4など参照)からの荷受情報(後記する表1参照)を入力して、これを入庫商品一覧に登録する機能を有する。一方、入出庫管理部は、入出庫端末140(図4など参照)からの入庫要求や出庫要求を受け付け、入出庫商品一覧を参照して入庫指令や出庫指令を生成し、自動倉庫10a(図2参照)を駆動制御する自動倉庫コントローラ(図4には不図示)に入出庫の指示を与える機能を有する。なお、出庫要求は、例えば「仲卸Aのみかん50箱を第3入出庫部から出庫」するというように、出庫に係る商品の所有者(出庫要求者)、品目、数量、出庫場所を指定した情報である。また、例えば「小売Aに出荷するみかん50箱を第4入出庫部から出庫」するというように、出庫に係る商品の出荷先、品目、数量、出荷場所を指定した情報である。あるいは、「小売Aの商品を出庫する」というように、出荷先だけを指示する簡略化した情報でもよい。このような出庫は、例えば出荷先と出庫に係る商品とを紐付けしておくことにより実現できる。
また、入出庫管理部は、前記したラベルリーダが商品の入出庫の際に読み取った物流ラベルの情報を、入庫情報及び出庫情報として入力し、入庫商品一覧の情報を更新する機能を有する(実際の商品の入出庫の動きを把握)。ちなみに、入庫商品一覧は、例えば入庫されている商品の商品ID、品目、保管位置、荷受時間などの必須情報と、所有者、出荷先などの付随情報から構成されている。この入庫商品一覧は、図5(a)に示す記憶装置100bに記憶されている。
【0048】
〔商品の所有者の変遷・商品の動き〕
本実施形態では、卸売業者、仲卸業者及び小売業者が、以上説明した建物10を利用して商品を商うが、この際における商品の所有者の変遷、商品の動きなどを、図6及び図7を参照して説明する。
【0049】
図6を参照して、「商品の所有者の変遷」を説明する。
図6(a)は、卸売業者(この図ではA卸)の日常の商いを所有者の変遷に着目して説明する図であるが、この図6(a)に示すように、A卸は前日迄A卸ストックを所有している。そして、この前日迄A卸ストックに産地から集荷した商品(当日入荷品)が加わる。これが、ある日にA卸が所有している商品になる(即納可能な商品)。そして、A卸がこの商品を、予約相対や事前販売で、仲卸業者(A仲卸、B仲卸、…)に卸売する。また、相対や競売で仲卸業者(A仲卸、B仲卸、…)に卸売する。また、他の市場(a市場、b市場、…)に転送する。予約相対や事前販売も、相対や競売も、転送もされなかった商品が、A卸ストック(前日迄A卸ストック)になり、翌日以降の商いに充てられる。なお、ストックは、急な注文に対して商品の即納を可能にするなど、単に売れ残った商品とは意味合いが異なる。
【0050】
図6(b)は、仲卸業者(この図ではA仲卸)の日常の商いを所有者の変遷に着目して説明する図であるが、この図6(b)に示すように、A仲卸は、前日迄A仲卸ストックに加えて、A卸、B卸から仕入れた当日仕入品が加わる。これが、ある日にA仲卸が所有している商品になる(即納可能な商品)。A仲卸は、この商品の中から注文品を販売する。この図の例では、注文品はケース販売として、A小売、B小売、C小売、…に販売される。また、注文品の一部は、小分け販売としてA小売、B小売に販売される。また、生じた余りは翌日以降の販売に回される(前日迄A仲卸ストックになる)。注文品以外は、前記説明した仲卸店舗11d(図2参照)で店頭販売される。そして、注文販売も、店頭販売もされなかった商品がA仲卸ストック(小分けに係る余りと共に前日迄A仲卸ストックになる)になる。
【0051】
図6(c)は、小売業者(この図ではA小売)向けの出荷品を、仕入先に着目して説明する図であるが、この図6(c)に示すように、A小売には、A仲卸、B仲卸、C仲卸から商品が出荷される。つまり、A小売は、A仲卸、B仲卸、C仲卸の三者から商品を仕入れている。
本実施形態では、このような所有者の変遷が、建物10の中で行なわれる。
【0052】
次に、図7を参照して、「注文から荷捌までの流れ」を説明する。
図7(a)は、小売業者の注文が仲卸業者を介して卸売業者に受け付けられるまでの一例を模式的に示す流れ図である。量販店や流通チェーン店などの大手の小売業者(A小売、B小売)は、仲卸業者に事前に商品を注文する。仲卸業者(A仲卸、B仲卸)は、各小売業者からの注文に基づいて卸売業者(A卸、B卸)と予約相対取引などを行なう。これにより、小売業者の注文が、仲卸業者を介して卸売業者に受け付けられる。
【0053】
図7(b)は、従来の荷捌の流れの一例を示す図である。各仲卸業者(A仲卸、B仲卸)は、卸売業者(A卸、B卸)から商品を引き取った上で各小売業者(A小売、B小売)向けに仕分ける(荷捌する)。小売業者との取引は、品目によって仲卸業者同士で分担することがある。仲卸業者の荷捌作業は、深夜に行なわれることもあって、仲卸業者にとっての作業負担は少なくない。また、荷捌には少なからぬスペースを必要とする。さらには、従来の流れでは待ち時間の間、商品が温度管理のなされていない場所に長時間放置されたりして、商品の品質にとって好ましくない状況があった。
【0054】
図7(c)は、新しい荷捌の流れの一例を示す図である。例えば、図7(a)に示されるような小売業者(A小売、B小売)から仲卸業者(A仲卸、B仲卸)への注文情報と仲卸業者(A仲卸、B仲卸)から卸売業者(A卸、B卸)への予約相対情報とを対比すれば、卸売業者は小売業者への仕分け情報が作成できる。そして、これに基づいて、荷受と同時に小売向けの仕分けが可能になる。つまり、自動的に仕分けが可能になる。これにより長時間放置(場合によっては野ざらし)という問題を解消できる。また、スペースの問題及び他の作業との動線の交錯の問題を解消できる。なお、予約相対取引に限らず、仲卸業者と小売業者との取引が確定すれば、事前販売なども同様に自動化できる。
ちなみに、本実施形態での自動倉庫10a(図2参照)によれば、入出庫端末140から管理サーバ100に対して出庫要求を発するだけで商品の仕分けが可能であるので、卸売業者が小売業者の注文情報を知らなくとも、仲卸業者(出庫する者)が小売業者の注文を知っていれば小売業者ごとに商品を仕分けできる。
【0055】
〔商品の入荷から出荷までの具体的な処理〕
次に、前記説明したレイアウトの建物10での「商品の荷受から出荷まで」を、図8〜図11を参照して、具体的に説明する(適宜図1などを参照)。
図8の、(a)は商品の荷受(及び入庫)を模式的に示す図、(b)は商品の引当を模式的に示す図、(c)は商品の転送を模式的に示す図である。図9の、(a)は事前販売を模式的に示す図、(b)は相対や競売の取引を模式的に示す図である。図10の、(a)は店頭渡しを模式的に示す図、(b)は注文品の出荷を模式的に示す図である。図11の、(a)は小分け作業を模式的に示す図、(b)はストック品を模式的に示す図である。
【0056】
図8(a)などを参照して、「商品の荷受」を説明する。
商品の荷受(及び入庫)は、例えば10ton車両に積載された商品が到着すると、荷受場11a(あるいは転送場11b、第2入出庫部11f)に誘導され、ここで荷降しされる。10ton車両から荷降しされた商品は、図8(a)に示すように、ケース(ダンボールケースやコンテナケース)単位でコンベアに流される。このとき、荷受端末130に接続された画像認識装置でケースに貼付などされた生鮮EDIコード(EDI;Electronic Data Interchange)や商品名などを読み取る。数量も同様に読み取る。これによって荷受情報が作成される。荷受情報は、次の表1に例示するように、商品ID、商品情報(品名、等階級、数量…)、荷受時間、荷受者などを含んで構成される情報である。なお、商品IDはケースごとに割り振られるユニークな識別記号であり、ケースごとの管理を可能にするためのものである。また、荷受者は卸売業者である。この荷受情報は、管理サーバ100に送信され、管理サーバ100で管理されるようになる。ちなみに、商品IDと商品の所有者の情報は、情報として紐付けされ、商品IDをキーにして商品の所有者を検索できるようになっている。
【0057】
【表1】
【0058】
また、荷受の際には、荷受情報に基づいて、物流ラベルが物流ラベル発行装置から発行され、商品のケースに1枚ずつ貼付される(図8(a)参照)。以後の制御では、各ケースは、この物流ラベルで区別される。なお、物流ラベルの記載事項(記載情報)は、商品ID、商品情報(品名、等階級、数量…)、荷受時間などである。
【0059】
荷受されて物流ラベルが貼付された商品は、例えば第1入出庫部11eから直ちに自動倉庫10aに入庫される。入庫の際には、前記した図示しないラベルリーダが商品のケースに貼付された物流ラベルの情報を読み取るようになっている。そして、ラベルリーダは、商品IDと入庫時間を含んで構成される入庫情報を管理サーバ100に送信するようになっている。この入庫処理は、請求項の「第1のステップ」及び「ステップA」に相当する。
【0060】
図8(b)などを参照して、「引当」を説明する。
荷受が確定すると(商品が自動倉庫10aに入庫されると)、予め管理サーバ100に登録されているデータに基づいて、予約相対、転送品の引当が行なわれる(いわば自動で引当が行なわれる)。具体的には、転送品の引当は、仲卸業者からの予約相対の申込みや他市場の卸売業者からの転送の申込みに基づいて、卸売業者が予め作成して管理サーバ100に登録した引当予定表(例えばみかん100ケース…)を参照して行なわれる。引当が行なわれると商品の所有者が変更される。管理サーバ100としては、商品の所有者を商品のケースごと(商品IDごと)に書き変える処理を行なう。あるいは、商品の仕向け先(出荷先)を商品のケースごと(商品IDごと)に書き込む処理を行なう。なお、商品は、自動倉庫10aに入庫されたままであり、従来のように、仲卸業者や卸売業者(転送の場合)が引当対象の商品を、フォークリフトなどを使って引き取る作業を行なう必要はない(自動倉庫10aは所望の商品を所望の場所から所望の量だけ出庫できる)。このため、仲卸業者や卸売業者の労力が大幅に削減できる。また、作業を行なう必要がなくなることにより、動線が交錯するというような従来の問題が解消されたり、大幅に低減されたりする。また、商品の品質保持にとっても好ましい(物理的な衝撃や温度変化がない)。なお、この処理は、請求項の「第2のステップ」及び「ステップB」に相当する。
【0061】
ちなみに引当は、このように予め登録されているデータに基づいて行なう(自動的に行なう)場合のほか、その都度卸売業者が卸売端末110を操作することにより行なうこともできる。引当の状況は、卸売業者、仲卸業者共に事務所12c,12dに設置した端末110,120などで参照することができる。但し、本実施形態では、当事者のみの情報だけが参照できるものとする。なお、「引当」は、商品を、誰に割り当てるかや、誰のものにするかなどを決めること、あるいは仲卸業者や小売業者が商品を確保することであり、幾らの値段で「売る」、「買う」などの価格の情報が含まれているか否かは問わない。
【0062】
図8(c)などを参照して、「転送」を説明する。
各卸売業者は、転送引当品を転送先別に出荷を指示する(転送出荷指示)。出荷は、自動倉庫10aからの出庫、パレタイザPtによるパレット積み、車両への積載の順に行なわれる。もちろん、出庫された商品をパレット積みすることなく、ケースごとに車両に積載する場合もある。転送に係る商品を積載した車両は、転送先の他の市場に向けて出発する。なお、転送出荷指示は、卸売端末110や入出庫端末130から行なうことができる。また、転送の作業は、転送作業場11bで行なわれるが、例えば3階13の出荷場13bなどでも行なうことができる。
【0063】
図9(a)などを参照して、「事前販売」を説明する。
荷受が確定(自動倉庫10aに入庫)後、図8の予約相対や転送に引き当てられなかった商品は、未引当品ということになる。仲卸業者は、仲卸事務所12dや仲卸店舗11dに設置してある端末120,121から各卸売業者の未引当品を検索することができる。検索した結果、仲卸業者が販売開始時刻前(競売の開始時刻前)の卸売業者からの卸売(事前販売)を希望する場合は、希望する商品を選択して卸売業者に申込む(1事前販売申込み)。
【0064】
卸売業者は、卸売事務所12cや荷受場12aに設置した荷受端末130aなどから事前販売申込み一覧の参照と販売の許可を与えることができる(2事前販売許可)。卸売業者が仲卸業者からの事前販売の申込みに対して許可を与えると、その商品は仲卸に引き当てられた事前販売品となる(3該当商品引当)。管理サーバ100は、商品の所有者を商品のケースごと(商品IDごと)に書き変える処理を行なう。なお、予約相対や転送の際の引当と同様に、商品は、自動倉庫10aに入庫されたままであり、従来のように、仲卸業者が引当対象の商品を、フォークリフトなどを使って引き取る作業を行なう必要はない。このため、仲卸業者の労力が大幅に削減できる。また、作業が不要になることにより、動線が交錯するというような従来の問題が解消されたり、大幅に低減されたりする。なお、この事前販売の処理は、請求項の「第3のステップ」及び「ステップC」に相当する。
ちなみに、「事前販売」は、同じ品目の商品(Sサイズのみかん10kg)が、相対や競売で取引された後、その最高価格をもって当該事前販売の販売価格とされる。よって、事前販売に係る商品を引き当ててから(引当があってから)、その商品の販売価格(仲卸業者の買値)が決定するまで、時間を要することになる。
【0065】
図9(b)などを参照して、「相対・競売」を説明する。
商品の荷受が確定(商品を自動倉庫10aに入庫)後、図8の予約相対や転送、図9(a)の事前販売に引き当てられない商品(未引当品)の中から卸売業者が商品を選択して、自動倉庫10aから相対用・競売用の見本品を出庫する(1商品選択、見本品出庫)。そして、卸売業者は仲卸業者と相対や競売による取引を行なう(2取引)。相対や競売による取引が確定すると、物流ラベルをハンディターミナルから読込み、取引相手(売渡先)である仲卸業者の名前、取引価格、数量などを入力して管理サーバ100に登録する(3取引結果登録)。なお、相対用・競売用の見本品の出庫は、1階11の第2入出庫部11fを介して行なわれ、相対や競売による取引は競売場11cで行なわれる。この相対や競売による取引で、見本品を含めて該当する商品の売渡先が確定する。3の取引結果登録があると、管理サーバ100は、卸売業者から仲卸業者へと商品の所有者を、商品のケースごと(商品IDごと)に書き変える処理を行なう(請求項の「名義を書き換える」に相当)。なお、自動倉庫10aから出庫する必要があるのは見本品だけであるので、作業の動線が交錯するようなことはない。また、作業の負荷も小さなものである。この相対・競売の処理は、請求項の「第4のステップ」及び「ステップD」に相当する。ちなみに、この相対は、事前販売の時間帯とオーバラップして行なわれる場合がある。
ところで、仲卸業者が販売先を予定している場合は、この時点(図9(b)における3の取引結果登録の段階)で販売先の引当を行なうことも可能である。
【0066】
図10(a)などを参照して、「店頭渡し」を説明する。
仲卸業者は、予約相対、相対、競売で仕入れた商品の中から店頭渡し品を指定することができる(販売先が未確定の商品は、自動的に店頭渡し品になり得る)。店頭渡し品の指定は、仲卸事務所12d、仲卸店舗11d、あるいは第2入出庫部11fの端末120,121,140bを介して行なうことができる。店頭渡しのための出庫に際しては、仲卸業者は店頭渡し品の一覧から出庫する商品を指示する(例えばみかん20箱)。この際、特定の箱の商品を出庫するときは、商品IDを指定すればよい。仲卸業者は、第2入出庫部11fから出庫された商品をフォークリフトやターレットなどで、自己の店舗(仲卸店舗11d)に搬送し、そこで小売業者に相対で販売する。この際、出庫したい自己の商品を例えば端末140bから指示(図5(b)の出庫指示)するだけで出庫できるので作業が容易である。
【0067】
図10(b)などを参照して、「注文品の出荷」を説明する。
注文品(小売業者からの注文品)は、前記説明したように、仲卸業者が予約相対によって卸売業者から仕入れるもの、相対や競売によって卸売業者から仕入れるものがある。本実施形態においては、何れも取引の確定と同時に引当が行なわれている。商品を小売業者に納品するには、つまり商品を建物10から出荷するには、仲卸業者は、3階13の第4入出庫部13eを介して小売業者に納品する商品を自動倉庫10aから出庫する。出庫の指示は入出庫端末140dから行なうことができる。出庫された商品は、荷捌場13aでパレタイザPtを使ってパレット積みされたり、カゴ車に積まれたりする。次に、荷積場13bで4ton車両に積載される。なお、出荷は、小売業者の店舗や集配センタの単位で指定することができる。つまり、例えば集配センタごとの出荷リストが作成されており、入出庫端末140dから集配センタを指定するだけで、当該センタ向けの商品の出庫を行なえる。
【0068】
図11(a)などを参照して、「小分け」を説明する。
小売業者への販売が、1ケースに満たない場合もある。この場合、仲卸業者は2階12の第3入出庫部12eを介して小分けする商品を自動倉庫10aから出庫(1商品出庫)して、小分けし(2小分け)、改めて商品情報を登録し(3再入庫登録)、自動倉庫10aに再入庫する(4再入庫)。この際の作業は、建物10の2階12の加工場12aで行なわれる。入出庫の指示は、入出庫端末140cを利用して行なわれる。商品情報の再登録(入力)や必要に応じての物流ラベルの再発行も入出庫端末140cを利用して行なわれる。自動倉庫10aへの再入庫は第3入出庫部12eを介して行なわれる。なお、加工も小分けと同様に行なうことができる。
【0069】
図11(b)などを参照して、「ストック品」を説明する。
既に図6を参照して説明したように、産地から荷受した商品のうち、仲卸業者の引当(他市場への転送)がなかったものは、卸売業者のストックになり翌日以降の取引で引き当てられる。なお、この処理は、請求項の「第5のステップ」に相当する。同様に、仲卸業者が卸売業者から仕入れた商品のうち小売業者の引当がなかった商品(店頭渡しとならなかった商品を含む)は、仲卸業者のストックになり、翌日以降の取引で引き当てられる。本実施形態では、荷受時間を商品IDに紐付して記録しているので、何れのストックも先入れ先出しを容易に行なえる。即ち、ストックになっている商品を優先的に引き当てるようにして、先入れ先出しを行なうことができる。
【0070】
〔情報システムの動作〕
次に、管理サーバ100を中核とした情報システムの動作を、図12〜図18を参照して説明する(適宜図4及び図5などを参照)。ちなみに、この説明は、図5(a)の主制御装置に起動・展開している卸売支援プログラムの機能を説明するものでもある。
なお、ここで参照する図12は、予約相対を説明するフローチャートである。図13は、転送を説明するフローチャートである。図14は、(a)が荷受を説明するフローチャートであり、(b)が転送を説明するフローチャートである。図15は、予約相対品の引当を説明するフローチャートである。図16は、事前販売品の引当を説明するフローチャートである。図17は、相対、競売品の引当を説明するフローチャートである。図18は、小売への販売を説明するフローチャートである。
【0071】
図12のフローチャート(シーケンスチャート)を参照して、予約相対における情報システムの動作及び取引の内容を説明する。
ここでの取引は、仲卸業者が小売業者から注文を受けて不足する商品を、卸売業者との予約相対で仕入れるものである。補足すると、ここでの取引は、仲卸業者が商品の入荷(卸売業者の荷受)の前日に小売業者から注文を受けて、該小売業者のために、翌日に入荷(荷受)される商品を予約相対により調達するものである。なお、ここで参照する図12は、左端の欄は卸売業者が行なう動作、その右隣の欄は仲卸業者が行なう動作、その右隣の欄は小売業者が行なう動作、右端の欄は情報システム(管理サーバ100)の動作を示している。この点は、後で説明する図15〜図18において、同じである。
【0072】
図12に示すように、管理サーバ100には、仲卸業者の前日のストックが、「仲卸ストック」(在庫)として予め記憶されている(S101)。まず、小売業者が仲卸業者に電話で注文を行なう(S102)。仲卸業者は電話での注文に基づいて出荷先が特定(小売業者が特定)された「注文表」を作成し、これを仲卸端末120から管理サーバ100に登録する(S103)。
【0073】
管理サーバ100は、「注文表」に基づいて「仲卸→小売仕分情報」を作成する(S104)。さらに、管理サーバ100は、この「仲卸→小売仕分情報」とS101の「仲卸前日ストック」とを照合して、「仲卸→小売仕分情報残」、「仲卸→小売引当情報」、「仲卸ストック残」を作成する(S105)。ここで、「仲卸→小売仕分情報残」は、ストックが不足しているために引き当てることができなかった仕分情報である(不足分)。「仲卸→小売引当情報」は、引き当てられた商品である。「仲卸ストック残」は、引き当てられなかったストックである(注文よりも「仲卸前日ストック」の方が多かった場合、注文がなかった場合)。ここで、「仲卸→小売引当情報」は、仲卸業者から小売業者に商品の所有権が移ったこと、換言すると、引当に係る商品の所有者の名義が管理サーバ100により小売業者に書き換えられたことを示す情報である(請求項の「名義の書き換え」に相当)。
【0074】
仲卸業者は、仲卸端末120を操作してS105で作成された情報を参照し、注文に対する不足分を把握する。そして、不足分を調達するため、卸売業者に対して予約相対取引の申込みを行なう(S106)。
【0075】
卸売業者は、予約相対取引の申込みの電話を受け付ける(S107)。予約相対取引を受け付けると、「予約相対予定表」を作成し管理サーバ100に登録する(S108)。管理サーバ100は、「予約相対予定表」に基づいて「卸→仲卸仕分情報」を作成する(S109)。また、管理サーバ100は、卸売市場の管理者に提出する「予約相対申請書」を自動作成する。
【0076】
さらに、管理サーバ100は、この「卸→仲卸仕分情報」とS101’の「卸ストック」とを照合して、「卸→仲卸仕分情報残」、「卸→仲卸引当情報」、「卸ストック残」を作成する(S110)。ここで、「卸→仲卸仕分情報残」は、卸売業者のストックが不足しているために引き当てることができなかった仕分情報である(不足分)。「卸→仲卸引当情報」は、引き当てられた商品である。「卸ストック残」は、引き当てられなかったストックである(注文よりも「卸ストック」の方が多かった場合、注文がなかった場合)。ここで、「卸→仲卸引当情報」は、卸売業者から仲卸業者に商品の所有権が移ったこと、換言すると、引当に係る商品の所有者の名義が管理サーバ100により仲卸業者に書き換えられたことを示す情報である(請求項の「名義の書き換え」に相当)。なお、このS109では、管理サーバ100は、卸売市場の管理者に提出する「予約相対報告書」と仲卸業者に渡す「売渡票」を自動作成する。
【0077】
これらの行為及び情報処理システムの動作により、小売業者からの注文(前日に行なわれる注文)に対して、仲卸業者は、自己の在庫を踏まえつつ適切に予約相対の申込みを卸売業者に行なうことができる。一方、卸売業者は、予約相対の申込みを受け付けて「予約相対予定表」を管理サーバ100に登録すると、在庫状況(「卸ストック残」)や在庫の不足数(「卸→仲卸仕分情報残」)を把握できるようになる。つまり、卸売業者は、管理サーバ100が作成した情報を参照して産地などに発注し、過不足のない商品の集荷を行なうことができる。また、各引当は、自動倉庫10a(図2参照)の中で商品を動かすことなく行なうことができるので、引当(引取)に対する作業要員を他の作業に回すことができるようになる。また、卸売市場で行なわれる各種作業の動線の錯綜を、解消又は低減することができる。
【0078】
図13を参照して、転送における情報システムの動作及び取引の内容を説明する。
ここでの取引は、卸売業者が他市場(他市場の卸売業者)から注文を受けて、転送を行なうものである。なお、ここで参照する図13は、左端の欄は卸売業者が行なう動作、その右隣の欄は他市場が行なう動作、右端の欄は情報システム(管理サーバ100)の動作を示している。
【0079】
図13に示すように、まず、卸売業者と他市場(他市場の卸売業者)が連絡を取って、転送取引を行なう(S111)。卸売業者は、転送取引の結果に基づいて「転送予定表」を作成し、これを卸売端末110から管理サーバ100に登録する(S112)。管理サーバ100は、「転送予定表」に基づいて「転送品仕分情報」を作成し記憶する(S113)。併せて、管理サーバ100は、卸売市場の管理者に提出する「転送申請書」を自動作成する。
【0080】
卸売業者は、翌日商品が入荷されると(荷受すると)、管理サーバ100に登録してある「転送品仕分情報」を参照して、転送品の引当を確実に行なうことができる。
【0081】
図14(a)を参照して、荷受における情報システムの動作及び荷受に関連した作業の内容を説明する。
ここでの作業は、卸売業者が入荷した商品の荷受を行ない、自動倉庫に入庫するものである。
【0082】
産地から例えば10ton車両で商品が入荷すると、卸売業者は「送り状」を受け取る(S121)。併せて、卸売業者は、車両に積載された商品の荷降しを行ない、商品を第1入出庫部11eにおける入庫ラインに連続的に流す(S122)。商品を入庫ラインに流すと、画像読取装置と物流ラベル発行装置を備えた例えば荷受端末130aにより、商品情報や数量の読取りなどが行なわれ、物流ラベルが発行され、商品ごとにケースに貼付される(S123、図8(a)参照)。また、荷受端末130aは、表1に例示する「荷受情報」を作成し、これを管理サーバ100に送信する。管理サーバ100は、「荷受情報」を登録する(S124)。この動作は、請求項の「自動倉庫に入庫する荷物のデータを個別にコンピュータに登録」に相当する。また、自動倉庫10aへの入庫の際には、商品のケースごとに入庫時間が記録される(入庫情報)。また、管理サーバ100は、「荷受情報」に基づいて卸売市場の管理者に提出する「卸売予定数量報告書」を自動作成する。荷受の後、卸売業者は、卸端末110を操作して管理サーバ100に登録してある「荷受情報」を参照し、「送り状」と照合して荷受が正しく行われたか否かの確認を行なう(S125)。なお、物流ラベルが貼付された商品は、直ちに自動倉庫10aに入庫される。
【0083】
これにより、卸売業者は、荷受を円滑に行なうことができる。また、荷降し、物流ラベルの発行・貼付、自動倉庫10aへの入庫は、連続して行なわれるので、商品が野ざらしにされるようなことはない。また、自動倉庫10aへの入庫時間により、自動倉庫10aからの先入れ先出しを確実に行なうことができるようになる。
【0084】
14(b)を参照して、転送における情報システムの動作及び転送に関連した作業の内容を説明する。
ここでの作業は、入庫してある商品を出庫して車両に積載し、他市場に向けて転送(出荷)するものである。なお、この作業は、荷受の当日に行なわれるものである。
【0085】
まず、図14(b)に示すように、管理サーバ100は、「荷受情報」と「転送品仕分情報」に基づいて、「転送品引当情報」と「卸未引当品」を作成し記憶する(S131)。ちなみに、ここでの「転送品仕分情報」は図13のS113と同じものである。
【0086】
卸売業者は、例えば転送場11bに設置された入出庫端末140aを操作して、管理サーバ100が記憶している「転送品引当情報」を参照する(「A市場転送品」、S132)。そして、卸売業者は、転送すべき商品を、入出庫端末140aを操作して指示(転送出荷指示)し、自動倉庫10aから出庫する(S133)。管理サーバ100は、商品の出庫の際に「転送品引当情報」を作成する(出荷済更新、S134)。出庫された転送用の商品は、図8(c)で説明したように、パレタイザPtによるパレット積み、車両への積載が順に行なわれ、転送(出荷)される。
【0087】
これにより、卸売業者は、転送を確実に行なうことができる。また、転送の際の作業は、自動倉庫10aから出庫される商品をパレタイザPt(図8(c)参照)が自動的にパレット積みするので、転送の作業に要する労力を大幅に低減することができる。
【0088】
図15を参照して、予約相対品の引当における情報システムの動作及び引当に関連した作業の内容を説明する。
ここでの作業は、仲卸業者が管理サーバ100に記憶されている情報を参照して予約相対品の引当を確認するものである。また、小売業者が管理サーバ100に記憶されている情報を参照して、商品を出庫するものである。なお、この作業は、荷受の当日に行なわれるものである。
【0089】
図15に示すように、管理サーバ100には「卸未引当品」が記憶されている(S141)。ここでの「卸未引当品」は、図14(b)のS131で作成(更新)された「卸未引当品」と同じものである。管理サーバ100は、この「卸未引当品」と「卸→仲卸仕分情報残」とから、「卸→仲卸仕分情報残」、「卸→仲卸引当情報」及び「卸未引当品」を作成し記憶する(S142)。また、管理サーバ100は、「売渡票」及び「予約相対報告書」を作成し記憶する。「予約相対報告書」は、卸売市場の管理者に提出する報告書である。なお、S142で作成される「卸未引当品」は、S141での「卸未引当品」よりもS142で作成される「卸→仲卸引当情報」の分だけ少なくなっている。この「卸未引当品」の減少(さらにストックの減少)は、請求項の「引当があった荷物のデータを消去」に相当する。この点は、他の取引(商い)においても同じである。
【0090】
仲卸業者は、例えば仲卸端末120を操作して、管理サーバ100が記憶している「卸→仲卸引当情報」を参照し、予約相対による引当が正しく行われたか否かを確認する(S143)。ちなみに、図15に記載された「買上明細」は仲卸業者から見たものであり、卸売業者から見ると「売渡票」に該当する。
【0091】
管理サーバ100は、S142での「卸→仲卸引当情報」などの作成に続いて、「仲卸→小売仕分情報残(S105参照)」に基づき、「仲卸→小売引当情報」及び「仲卸→小売仕分情報残」を作成・更新し記憶する(S144)。これは、請求項の「出荷先への引当も合わせて実行」に相当する。このようにすることで、小売業者が商品の出庫を確実に行なうことができる(S146,S147)。なお、小売業者に引き当てられた後であっても、一旦仲卸業者に引き当てられたという属性を残し、引当の経路(履歴)がわかるようにしてある。
【0092】
小売業者(小売業者の依頼を受けた運送業者)は、例えば3階13の第4入出庫部13eの近傍に設置された入出庫端末140dを操作して、管理サーバ100が記憶している「仲卸→小売引当情報」を参照する(「A小売販売品」、S145)。そして、出庫すべき商品を、入出庫端末140dを操作して指示(出庫要求→出庫指令)し、自動倉庫10aから出庫する(S146)。管理サーバ100は、商品が出庫されると「仲卸→小売引当情報」を更新する(S147)。出庫された出荷用の商品は、荷捌場13aで荷捌され、出荷場13bで4ton車両に荷積みされ、卸売市場から小売業者の店舗などに向けて出荷される。
【0093】
これにより、仲卸業者は、予約相対品の引当(引取)を確実に行なうことができる。しかも、仲卸業者の引取(仕分)の作業はないので(図7(b)(c)参照)、仲卸業者の作業負荷が大幅に低減される。また、小売業者は自分の都合のよい時間に出庫できるので大変便利である。
【0094】
図16を参照して、事前販売品の引当における情報システムの動作及び引当に関連した作業内容を説明する。
【0095】
管理サーバ100には、「卸未引当品」が記憶されている(S151)。ここでの「卸未引当品」は、図15のS142で作成される「卸未引当品」と同じものである。
【0096】
仲卸業者は、例えば仲卸端末120を操作して、管理サーバ100が記憶している「卸未引当品」を参照する(S152)。併せて、管理サーバ100が記憶している「仲卸→小売仕分情報」を参照する(S153)。仲卸業者は、これら情報を参照して事前販売の申込みを行なう。具体的には、仲卸業者は、「事前販売申込書」を作成して、管理サーバ100に登録する(S154)。管理サーバ100は、「事前販売申込情報」を記憶する(S155)。
【0097】
卸売業者は、例えば卸売端末110を操作して、管理サーバ100が記憶している「事前販売申込情報」を参照する(S156)。卸売業者は、仲卸業者の事前販売の申込みに対して事前販売の許可を行なう(S157、事前販売許可の作成)。すると、管理サーバ100は、S155の「事前販売申込み情報」とS151の「卸未引当品情報」を照合し、「卸→仲卸引当情報」及び「卸未引当品」を作成し記憶する(S159)。また、管理サーバ100は、卸売業者が卸売市場の管理者に提出(申請)する「事前販売申請書」を自動作成する。
【0098】
なお、「卸→仲卸引当情報」は、卸売業者から仲卸業者に商品の所有権が移ったこと、換言すると、引当に係る商品の所有者の名義が管理サーバ100により仲卸業者に書き換えられたことを示す情報である(請求項の「名義の書き換え」に相当)。また、管理サーバ100は、「売渡票」及び「事前販売報告書」を自動作成する。「事前販売報告書」は、卸売業者が卸売市場の管理者に提出(報告)する書類である。
【0099】
仲卸業者は、例えば仲卸端末120を操作して、管理サーバ100が記憶している「卸→仲卸引当情報」を参照し、事前販売引当が正しく行われたか否かを確認する(S160)。ちなみに、図16に記載された「買上明細」は仲卸業者から見たものであり、卸売業者から見ると「売渡票」に該当する。これは、図15の予約相対の場合と同じである。
【0100】
これにより、仲卸業者は、事前販売品の引当(引取)を確実に行なうことができる。しかも、仲卸業者の引取(仕分)の作業はないので(図7(b)(c)参照)、仲卸業者の作業負荷が大幅に低減される。
【0101】
図17を参照して、相対品、競売品の引当における情報システムの動作及び引当に関連した作業の内容を説明する。なお、この引当は、荷受の当日に行なわれるものである。
【0102】
図17に示すように、管理サーバ100には「卸未引当品」が記憶されている(S171)。ちなみに、ここでの「卸未引当品」は、図16のS159における「卸未引当品」と同じものである(事前販売と相対がオーバラップして行なわれると、S159とS171の「未引当品」は異なることもある)。
【0103】
卸売業者は、例えば1階11の第2入出庫部11e(図2参照)の近傍に設置された入出庫端末140bを操作して、管理サーバ100が記憶している「卸未引当品」を参照する(S172)。そして、相対や競売の見本品の出庫を指示する(出庫要求→出庫指令、S173)。卸売業者が出庫した見本品は、1階11の競売場11cに運ばれ、この見本品を見ながら卸売業者と仲卸業者の間で相対や競売による取引が行なわれる(S174)。相対や競売による取引が確定すると、物流ラベルをハンディターミナルから読込み、取引相手(売渡先)である仲卸業者の名前、取引価格、数量などを入力して「売渡票」を作成し、管理サーバ100に登録する(S175)。「売渡票」は、卸売業者が仲卸業者に商品を売り渡したことを明らかにするものである。管理サーバ100は、「卸→仲卸仕分情報」を作成し記憶する(S176)。そして、管理サーバ100は、「卸→仲卸引当情報」及び「卸ストック」を作成する(S177)。「卸ストック」に係る商品は、卸売業者の在庫になり、翌日の取引に充てられる。あるいは、急な注文があると出荷される。なお、管理サーバ100は、卸売業者が卸売市場の管理者に提出する「卸売報告書」を自動作成する。
【0104】
仲卸業者は、例えば仲卸端末120を操作して、管理サーバ100が記憶している「卸→仲卸引当情報」を参照して、引当が正しく行なわれたことを確認する(S178)。ちなみに、図17に記載された「買上明細」は仲卸業者から見たものである。なお、「卸→仲卸引当情報」は、卸売業者から仲卸業者に商品の所有権が移ったこと、換言すると、引当に係る商品の所有者の名義が管理サーバ100により仲卸業者に書き換えられたことを示す情報である(請求項の「名義の書き換え」に相当)。
【0105】
ところで、相対や競売による取引では、産地、品種、等階級などの組合せで区分される複数のケースを対象とする。つまり、複数のケースのうち1ケースを見本品として出庫する。このとき、管理サーバ100は、見本品以外のケースが引き当てられないようにロックをかける。S175の「売渡票」の登録のステップでは、それらの複数のケースの一部又は全部に対して名義変更を行なう(S177)。なお、一部とは、取引が成立したものだけ、という意味である。通常は全部が競り落とされることが多い。
【0106】
このように、見本品を容易に自動倉庫10aから出庫できるので、卸売業者の相対や競売による取引の作業負荷を低減することができる。しかも、相対や競売による取引が行なわれる競売場11cの直近の第2入出庫部11eから見本品を出庫でき、かつ、競売場11cは加工場12aや荷捌場13aなどとフロアが異なるので動線が交錯することがない。また、仲卸業者は、相対や競売による取引の引当(引取)の作業を行なわなくとも済むという大きなメリットが得られる。
【0107】
図18を参照して、小売への販売における情報システムの動作及び販売に関連した作業の内容を説明する。なお、この小売向け出庫は、荷受の当日に行なわれるものである。
【0108】
図18に示すように、管理サーバ100には「卸→仲卸引当情報」が記憶されている(S181)。ちなみに、ここでの「卸→仲卸引当情報」は、図17のS177(S159)における「卸→仲卸引当情報」と同じものである。
【0109】
仲卸業者は、例えば1階11の第2入出庫部11fの近傍に設置された入出庫端末140bを操作して、「卸→仲卸引当情報」を参照する(S182)。そして、店頭渡しのための商品の出庫を指示する(S183)。出庫された商品は、第2入出庫部11fと同じフロアにある仲卸業者の店舗(仲卸店舗11d)にフォークリフトやターレットで横持ちされ、店頭販売用(店頭渡し用)の商品となる。
【0110】
また、管理サーバ100は、「仲卸→小売仕分情報残」から「仲卸→小売引当情報」及び「仲卸ストック残」を作成し記憶する(S184)。
小売業者は、例えば3階13の第4入出庫部13eの近傍に設置された入出庫端末140dを操作して、管理サーバ100に記憶されている「仲卸→小売引当情報」を参照し(S185)、出庫の指示を行なう(出庫要求→出庫指令、S186)。これにより、A小売の販売品(A小売販売品)が出庫される(出荷のための出庫)。また、管理サーバ100は、「仲卸→小売引当情報」及び「仲卸ストック残」を更新する(S187)。なお、「仲卸ストック残」に係る商品は、仲卸の翌日に向けての在庫になる。一方、出庫された出荷用の商品は、例えば荷捌場13aで荷捌され、出荷場13bで4ton車両に荷積みされ、卸売市場から小売業者の店舗などに向けて出荷される。
【0111】
即ち、本実施形態の情報システムによれば、荷受、転送、予約相対、相対、競売、出荷、入出庫、引当…を管理サーバ100の管理のもとに確実に行なうことができる。しかも、引当などは、荷物を動かすことなく管理サーバ100内でのデータの書き換えにより行なわれるので、卸売業者、仲卸業者、小売業者が行なう作業の負荷は大幅に軽減される。また、作業も、図1及び図2に示すように建物10は、動線を考慮して階層分けしたレイアウトになっているので、作業の動線が交錯することがない。また、建物10における上下方向の商品の移動は、自動倉庫10aの内部で行なわれるので、この点からも動線の交錯がない。また、荷物の入出庫も、入出庫端末140を操作して、管理サーバ100に入出庫の指示を出すだけで行なわれるので、入出庫の作業の負荷も大幅に軽減される。つまり、卸売市場の建物と自動倉庫を連携させ、さらに情報システムを組み合わせることで、荷扱の自動化を達成できた。
【0112】
〔帳票類〕
なお、管理サーバ100には、図19(a)に示すような「卸売業者の取扱い品目一覧表」が閲覧可能に記憶されており、予約相対における図12のステップS106で仲卸業者が参照できるようになっている。また、予約相対における小売からの注文は、図19(b)(c)に示すような「仲卸業者別の小売業者からの注文受付一覧表」として、管理サーバ100で管理されるようになっている。なお、この図19(b)(c)は、仲卸業者の仕分表に該当するものである(小売業者ごとにさらに店舗、センタの区分けがある場合もある)。
【0113】
次に、図19(d)は、仲卸Aと卸Aとの予約相対の取引をまとめた表である。図19(e)は、仲卸Aと卸Bとの予約相対の取引をまとめた表である。仲卸業者(仲卸A)は、この図19(d)(e)の予約相対の取引により、図19(b)に示す小売業者からの注文に対して商品を仕入れることができる。
【0114】
一方、図19(f)は、仲卸Bと卸Aとの予約相対の取引をまとめた表である。図19(g)は、仲卸Bと卸Bとの予約相対の取引をまとめた表である。仲卸業者(仲卸B)は、この図19(f)(g)の予約相対の取引により、図19(c)に示す小売業者からの注文に対して商品を仕入れることができる。
【0115】
図19(h)は、卸売業者(卸A)からみた仲卸業者(仲卸A、仲卸B)との予約相対の関係を示す表である。この表は、卸Aの分荷表になる。図19(i)は、卸売業者(卸B)からみた仲卸業者(仲卸A、仲卸B)との予約相対の関係を示す表である。
【0116】
図20(a)は、図19の予約相対の取引を全てまとめて、小売業者Vs商品の品目の関係表(全品目管理表)にしたものである。この表は、どの卸売業者にも仲卸業者にも開示されない情報である。
【0117】
図20(b)は、卸売業者(卸A)の品目別荷受状況を一覧にした表である。図19(a)の取扱い品目一覧表から判るように、品目Aを扱っている卸売業者は卸Aだけなので、卸Aが品目Aの荷受を行なうと、卸売市場全体として品目Aの荷受が確定する。一方、図19(a)の取扱い品目一覧表から判るように、品目Fを扱っている卸売業者は卸Aと卸Bの双方であるので、卸Aが品目Aの荷受を行なっても、卸売市場全体として品目Fの荷受は確定しない。
【0118】
図20(c)は各小売理業者(小売店)の出荷予定一覧を示す表である。この表において、品目A、品目C、品目Fの荷受(卸Aの分の荷受)が確定すれば、小売B(小売業者)の出荷が可能になる。小売業者(小売B)は、さらに自己の店舗(大阪店、京都店…)、センタの区分で商品を出庫し、カゴ車積み又はパレット積みし、出荷用の車両に積載する。店舗やセンタの区分は、仲卸業者の仕分表に基づく。
【0119】
〔競売の変形例〕
図21を参照して、競売の変形例を説明する。
競売は、図21(a)に示すような競売(機械競売)にしてもよい。この競売は、例えば図1及び図2に示す建物10の内部(競売場11cなど)で、スクリーンに商品の映像表示、商品情報表示を見ながら行なうものである。また、図21(b)に示すようないわゆるネットオークション(リモート販売)の形態にしてもよい。この図21(b)では、WWWサーバが、バイヤに競売対象の商品の画像を含む情報を閲覧させ、競売の申込みを受け付け、落札判定を行ない、結果を登録する。なお、バイヤは、WWW閲覧用のブラウザがインストールされたインターネット接続可能なパソコンを操作する。
【0120】
〔取引の精算〕
図22を参照して、取引の精算を説明する。
管理サーバ100は、物量の情報に加えて、精算情報も管理している(精算情報管理機能、図5(a)参照)。具体的には、図22に示すように、卸売業者(卸A、卸B)から精算情報としての売渡情報(売渡票)が管理サーバ100に集計され、管理サーバ100から仲卸業者(仲卸A〜仲卸D)に対して集計された情報が配布されるようになっている。売渡情報は、売渡先(A仲卸、B仲卸、…)、品名(みかん、イチゴ、…)、等階級(S、M、秀、…)、数量(10ケース、24ケース、…)、販売価格(XXXX円、…)などの情報で構成されている。なお、事前販売については、商品の引当を行なった時点では販売価格は未定になっている。販売価格は、その品種(品目)の競売が終了した後に、競売での最高値が設定される(競売での最高値→事前販売での販売価格)。
【0121】
こうして各卸売業者の精算情報(売渡情報)が管理サーバ100に集計されて揃って、これを各仲卸業者から見ると、買上明細書(S143,S160,S178参照)が揃っている状況になる。買上げ明細は、売渡価格(販売価格)が確定すると請求書になるため、代払い/精算会社の情報としても使える。よって、精算を確実に行なうことが可能になる。
【0122】
〔建物使用の課金〕
図23を参照して、建物10(図1、図2参照)の使用に対する課金を説明する。
例えば、自動倉庫10aを使用する卸売業者や仲卸業者に対して、「入出庫回数」や「保管時間」という量目に対して、従量制で課金することができる。さらに、各作業場の使用料を使用面積に従って、固定制で課金することができる。
【0123】
即ち、図23(a)の入荷から出荷までの取引(商い)別の課金先変遷タイムチャートにおける、(1)の「転送」では、荷受情報作成(表1、図5(b)参照)の時点から転送出庫の時点までの商品の全保管時間及び入出庫回数(入庫1回・出庫1回)を、転送の引当の有無にかかわらず卸売業者に対して課金する。転送先は他市場(他市場の卸売業者)だからこのようにする。(2)の「予約相対」では、荷受情報作成の時点から予約相対引当(図15のS142参照)の時点までの保管時間及び入出庫回数(入庫1回)を卸売業者に課金し、予約相対引当の時点から出庫の時点までの保管時間及び入出庫回数(出庫1回)を仲卸業者に課金する。(3)の「事前販売」では、荷受情報作成の時点から事前販売引当(図16のS159参照)の時点までの保管時間及び入出庫回数(入庫1回)を卸売業者に課金し、事前販売引当の時点から出庫の時点までの保管時間及び入出庫回数(出庫1回)を仲卸業者に課金する。(4)の「相対、競売」では、荷受情報作成の時点から相対/競売登録(図17のS175やS177)の時点までの保管時間及び入出庫回数(入庫1回)を卸売業者に課金し、相対/競売登録の時点から出庫の時点までの保管時間及び入出庫回数(出庫1回)を仲卸業者に課金する。つまり、所有者が書き換わった(移り変わった)時点で課金先を変更する。これは、請求項の「前記荷物の引当があったときは、当該引当前の所有者に対してはその時点での保管時間に対する課金額を算出し、当該引当後の新たな所有者に対しては引当から出庫までの保管時間に対する課金額を算出する」に相当する。なお、(2)の「予約相対」や(3)の「事前販売」の場合は、荷受の時点や入庫の時点で引当が行なわれる場合もある(仲卸業者への引当、さらには小売業者への引当)。また、見本品を取り出して取引を行なうような場合は、見本品の出入庫(出庫と必要に応じて行なわれる入庫)に対して課金を行なうようにしてもよい。なお、見本品の出庫は例えば卸売業者に課金し、取引成立後の入庫は例えば仲卸業者に課金する。
【0124】
ちなみに、図23(a)における荷受情報作成の時点は、荷受に引き続いて行なわれる商品の自動倉庫10aへの入庫時間(ラベルリーダが物流ラベルの情報を読み取った時間→入庫情報の作成時)などでもよい。また、転送出庫の時点は、例えば転送のための出庫要求(図5(b)参照)があり、これに応じて商品が自動倉庫10aから出庫された時間(出庫情報における出庫時間)とすることができる。また、出庫の時点は、例えば出荷のために出庫要求(図5(b)参照)があり、これに応じて商品が自動倉庫10aから出庫された時間(出庫情報における出庫時間)とすることができる。保管時間に対する課金は、何れの場合も、時間的基準が明確であればよい。なお、加工や仕分の際の入出庫に対しても、入出庫回数としてカウントして課金するようにしてもよい。この場合は、仲卸業者が行なう作業であるので仲卸業者に課金するのが妥当である。
【0125】
ところで、このような課金(従量制)を行なうため、管理サーバ100は、「卸→仲卸引当情報」の作成・更新の時間、ラベルリーダが送信する入庫情報及び出庫情報(タイムスタンプ付き)、そして荷受端末130(図4参照)が送信する荷受情報(タイムスタンプ付き)を、商品のケースごと(荷物ごと)に、商品の所有者(卸売業者・仲卸業者)と対応付けて記憶する。また、商品のケースごとの入出庫回数を、商品の所有者(卸売業者及び仲卸業者)と対応付けて記憶する。また、管理サーバ100は、入庫・出庫1回あたりの金額(XX円/ケース)、商品の保管時間ごとの保管料(例えば0.5時間ごとにXX円/ケース〔重量や容積などを加味してもよい〕)を設定してある課金テーブルを記憶する。ちなみに、このような課金は、新たなハードウェア的な構成を付加することなく行なえる。なお、課金の明細は、例えば「仲卸A殿、保管料XXX円(商品50ケース、24.5時間保管、単価XX円/ケース/0.5時間)、出庫料1回XX円/ケース」というようなものになる。
【0126】
ここで、商品の入庫の時点で既に小売業者が引き当てられている場合がある。即ち、商品の入庫の時点で所有者が小売業者になっている場合がある。このような場合は、例えば小売業者を被課金者として課金するようにしてもよい。あるいは、仲卸業者が小売業者から商品を預かって入庫しているとして、仲卸業者を被課金者として課金するようにしてもよい。つまり、商品の所有者と課金先(被課金者)とが一致しない場合もある。ちなみに、図23(a)は、商品の所有者と被課金者とが一致している例を示しているものである。
【0127】
なお、図23(b)に示すように、各作業場に対して固定制で課金してもよい。このような課金(固定制)を行なうため、管理サーバ100は、各利用者(卸売業者・仲卸業者)の各作業場の使用面積を記憶すると共に、月あたり(所定期間あたり)の使用量を記憶した課金テーブルを記憶している。ちなみに、屋上駐車場は、時間貸しの部分も設けてある。
【0128】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、幅広く変形実施することができる。
例えば(図1及び図2参照)、建物10が自動倉庫10aを建屋内に備えることとしたが、図24(a)に示すように、建物とは別体に自動倉庫が建てられていてもよい。この場合、つまり「建物が自動倉庫に接して建てられ」に該当する場合は、図24(a)に示すように、建物のそれぞれの階から自動倉庫に商品を入出庫(出庫)できるようにしてあるのが動線の交錯を排除する点から妥当である(自動倉庫を上下方向の搬送手段とする)。
【0129】
また、競売などの取引が他の場所(例えばオフィス街)で行なわれ、建物10では、例えば物流(入荷及び出荷、必要に応じて加工)が行なわれるようにしてあってもよい。この場合は、例えば管理サーバが建物に設置され、卸端末や仲卸端末がオフィス街に設置され、管理サーバと卸端末・仲卸端末がWANやイントラネットで接続される形態になる(さらに管理サーバも建物とは別の場所に設置し専用線で入出庫端末などと接続するようにしてもよい)。
【0130】
また、請求項の「少なくとも前記加工場を前記入庫場所及び/又は前記出荷場とは異なる階に配置」について、前記した実施形態(図1及び図2参照)では、加工場12aを2階12に、荷受場11a(入出庫部11e、入庫場所)を1階11に、出荷場13bを3階13に配置したが、これに限定されることなく、例えば次のように配置してもよい。
即ち、建物を例えば2階建てとして、建物の1階に荷受場及び出荷場を配置し、建物の2階に加工場を配置するようにしてもよい。この場合の1階のレイアウトは、自動倉庫を挟んで荷受場と出荷場を配置するのが、動線の交錯を排除するという面から妥当である(荷受場→自動倉庫→出荷場)。また、この場合は、前記した実施形態のように、自動倉庫を搬送手段として使用して、1階から2階に、2階から1階に商品を移動するようにする。また、建物の2階と1階を入れ換えるようにしてもよい。また、建物を3階建てとして、1階に加工場、2階に荷受場、3階に出荷場を設けるようにして、異なる階層への商品の移動を、自動倉庫を介して行なうようにしてもよい。このようにしても動線の交錯を排除することができ、本発明の目的が達成されるからである。
【0131】
さらに、自動倉庫に接して建物が建てられる態様における請求項の「少なくとも前記加工場を前記出荷場とは異なる階に配置」として、図24(b)のようなレイアウト、つまり、建物の1階に出荷場及び荷捌場を配置し、建物の2階に加工場を配置してもよい(動線の交錯が排除できる)。このようなレイアウトにしても、本発明の技術的範囲に入るのはいうまでもない。なお、集荷された荷物を自動倉庫に入庫する入出場所としての荷受場は、建物の荷捌場と干渉しない位置(動線が交錯しない位置)、一例として図24(b)に示すような位置に配置するのが好ましい。
【0132】
また、各入出庫部11e,…(図2、図3参照)は、ループ式搬送台車LCではなく、コンベアと連携するようにしてもよい。また、情報システム(管理サーバ100(図4など参照))を、卸売支援を行なうサーバと、自動倉庫10aの管理を行なうサーバとに分けてもよい。また、引当や課金をケース単位で行なうこととしたが、パレットに積まれた複数の商品を一纏まりの一つの荷物として引当や課金、入出庫を行なうようにしてもよい。この場合は、例えばパレット単位で物流ラベルが貼付される。また、課金を時間従量制で行なうこととしたが、これに限定されることがないのはいうまでもない。
【0133】
また、予め商品の重量(ケースごとの重量)を管理サーバ100に登録しておき、出荷のための出庫を行なう際にこの重量を参照して、重量が重い商品(ケース)から先に出庫されるようにソートしてもよい(倉庫10aがソートして出庫)。なお、カゴ車やパレットを一つの出庫単位として、重い商品→軽い商品になるようにサイクルを組んでソートしつつ出庫するようにしてもよい。つまり、どのカゴ車(パレット)も、その下部には重い商品が積まれ、その上部には軽い商品が積まれるようにサイクルを組んでソートして出庫するようにしてもよい。このようにすると、カゴ車などに積み易く、また、下に積まれた商品の重量に対する負担が軽減する。ちなみに、このような積み込みを可能とするためには、カゴ車やパレットへの積み込み可能な商品の数を設定しておくのが妥当である。
【0134】
なお、「取引」及び「商い」は、前記した実施形態でいえば「青果物の売買という経済行為を行なうこと」である。また、「引当」は、既に説明したように、商品を、誰に割り当てるかや、誰のものにするかなどを決めること、あるいは仲卸業者や小売業者が商品を確保することである。ちなみに、図25に示す売買参加者Bが、卸売業者から前記した仕入方法により商品を仕入れる場合も、本発明の技術的範囲に属するのはいうまでもない。また、卸売業者が売買参加者Bに、前記した卸売方法により商品を卸売りする場合も、本発明の技術的範囲に属するのはいうまでもない。さらに、卸売業者が、前記した卸売支援システムにより売買参加者Bに商品を卸売りする場合も、本発明の技術的範囲に属するのはいうまでもない。また、「荷物」の一例として青果物で本発明を説明したが、鮮魚、花卉、食肉などや、その他の荷物(商品)に本発明を適用してもよい。
【0135】
また、前記の実施形態は、卸売業者と仲卸業者が並存する卸売市場を例にとり説明したものであるが、本発明は、この実施形態に限定されず、卸売業者の一部が仲卸業者の業務を兼業している形態の卸売市場、あるいは仲卸業者が存在せず卸売業者が集荷及び分荷を行なう形態の卸売市場における卸売方法、仕入方法、並びに卸売支援システムをも含むものである。その場合、前記実施形態における仲卸業者を卸売業者と読み替えれば、あるいは前記実施形態における仲卸業者に関する記載を卸売業者に関するものとして適宜解釈すれば、卸売業者の一部が仲卸業者の業務を兼業している形態の卸売市場、あるいは仲卸業者が存在せず卸売業者が集荷及び分荷を行なう形態の卸売市場における卸売方法、仕入方法、並びに卸売支援システムに関する実施形態を理解することができる。
【0136】
【発明の効果】
以上説明した本発明は、作業の負担を大幅に低減することができる。また、取引(商い)の自動化に貢献する。また、省スペース化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態における建物の模式的な斜視図である。
【図2】図1の建物の各階平面図であり、(a)は3階の模式的平面図を、(b)は2階の模式的平面図を、(c)は1階の模式的平面図を、それぞれ示す。
【図3】図2の自動倉庫の入出庫部の模式的な構成を示す図である。
【図4】本実施形態に係る情報システムの概略構成を示す図である。
【図5】(a)は図4の管理サーバの構成を示すブロック図であり、(b)は管理サーバの入出庫管理機能を機能展開したブロック図である。
【図6】商品の所有者の変遷を示す図であり、(a)は卸売業者から仲卸業者への所有者の変遷を示す図であり、(b)は仲卸業者から小売業者への所有者の変遷を示す図であり、(c)は小売業者向けの出荷品を仕入先に着目して示す図である。
【図7】(a)は小売業者の注文が仲卸業者を介して卸売業者に受け付けられるまでの一例を模式的に示す流れ図、(b)は従来の荷捌の流れの一例を示す図、(c)は新しい荷捌の流れの一例を示す図である。
【図8】(a)は商品の荷受(及び入庫)を模式的に示す図、(b)は商品の引当を模式的に示す図、(c)は商品の転送を模式的に示す図である。
【図9】(a)は事前販売を模式的に示す図、(b)は相対・競売による取引を模式的に示す図である。
【図10】(a)は店頭渡しを模式的に示す図、(b)は注文品の出荷を模式的に示す図である。
【図11】(a)は小分け作業を模式的に示す図、(b)はストック品を模式的に示す図である。
【図12】予約相対を説明するフローチャートである。
【図13】転送を説明するフローチャートである。
【図14】(a)が荷受を説明するフローチャートであり、(b)が転送を説明するフローチャートである。
【図15】予約相対品の引当を説明するフローチャートである。
【図16】事前販売品の引当を説明するフローチャートである。
【図17】相対、競売品の引当を説明するフローチャートである。
【図18】小売向け出庫を説明するフローチャートである。
【図19】帳票類を説明する図である。
【図20】帳票類を説明する図である。
【図21】競売の変形例を説明する図である。
【図22】本実施形態での取引の精算を説明する図である。
【図23】本実施形態での課金を説明する図であり、(a)は入荷から出荷までの取引別の課金先変遷タイムチャートであり、(b)は課金の対象となる場所をリストした表である。
【図24】建物が自動倉庫に接して建てられている場合の建物のレイアウトを示す図であり、(a)は建物が3階建ての場合、(b)は建物が2階建ての場合を示す。
【図25】青果などの卸売市場で行なわれる取引を説明する流れ図である。
【図26】従来の問題点を説明する図である。
【図27】従来の問題点を説明する図である。
【符号の説明】
10 … 建物(集荷及び分荷用の建物)
10a… 自動倉庫(倉庫)
11 … 1階(地上階)
11a… 荷受場(入庫場所)
11e… 入出庫部(入庫場所)
12 … 2階(上層階)
12a… 加工場
13 … 3階(上層階)
13b… 出荷場
100… 管理サーバ(コンピュータ)
Claims (19)
- 荷物の集荷を行なう第1の卸売業者が、
前記集荷した荷物の全部又は一部を、当該荷物の入出庫を自動で行なう自動倉庫に入庫する第1のステップと、
前記第1のステップで自動倉庫に入庫した荷物に対して、予約相対及び/又は転送による引当を行なう第2のステップと、
前記第2のステップの未引当品に対して、事前販売による引当を行なう第3のステップと、
前記第3のステップの未引当品に対して、競売による引当を行なう第4のステップと、
前記第4のステップの未引当品を後に行なわれる取引の引当に回す第5のステップと、
を含んで実行すること、
を特徴とする卸売方法。 - 前記各ステップを実行するため、前記第1のステップにおいて、前記自動倉庫に入庫する荷物のデータを個別にコンピュータに登録し、前記各ステップをコンピュータの管理の下に行なうこと、を特徴とする請求項1に記載の卸売方法。
- 前記第2〜第4のそれぞれのステップにおいて、前記引当があった荷物の所有者の名義を書き換えること、又は前記引当があった荷物のデータを消去すること、を特徴とする請求項2に記載の卸売方法。
- 前記第1の卸売業者が、自己が受け付けた転送取引の申込みを転送予定として予め前記コンピュータに登録し、この転送予定に基づいて前記第1のステップで入庫した荷物及び/又は前記第5のステップで回した荷物に対して前記コンピュータが前記転送予定に基づいて引き当てたデータを参照して、前記自動倉庫に入庫されている荷物を出庫すること、を特徴とする請求項2又は請求項3に記載の卸売方法。
- 前記第4のステップで前記競売による商いを行なう場合に、前記コンピュータに登録してあるデータを参照して、前記自動倉庫に入庫されている荷物の一部を見本品として出庫すること、を特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の卸売方法。
- 荷物の集荷を行なう第1の卸売業者が、前記集荷した荷物の全部又は一部を倉庫に入庫し、該入庫した荷物に対して、予約相対、転送、事前販売、相対、競売による商いの少なくとも一つ以上の商いを行なうため、
前記倉庫に入庫する荷物のデータを個別にコンピュータに登録し、前記商いをコンピュータの管理の下に行なうこと、
を特徴とする卸売方法。 - 前記各商いが成立した場合に、前記成立した商いの対象になった荷物の所有者の名義を書き換えて前記コンピュータに登録すること、又は前記成立した商いの対象になった荷物のデータを前記コンピュータから消去すること、を特徴とする請求項6に記載の卸売方法。
- 前記倉庫が前記荷物の入出庫を自動で行なう自動倉庫であり、相対又は競売による商いを行なう場合に、前記コンピュータに登録してあるデータを参照して、前記自動倉庫に入庫されている荷物の一部を見本品として出庫すること、を特徴とする請求項6又は請求項7に記載の卸売方法。
- 荷物の集荷を行なう第1の卸売業者とこの第1の卸売業者から前記荷物を仕入れる第2の卸売業者との間の商いをコンピュータが支援する卸売方法であって、
前記コンピュータが、
前記集荷された荷物のデータをケースごとに記憶するステップAと、
前記データを記憶した荷物に対して、予約相対及び/又は転送による引当を行なうステップBと、
前記ステップBの未引当品に対して、事前販売による引当を行なうステップCと、
前記ステップCの未引当品に対して、競売による引当を行なうステップDと、
前記ステップDの未引当品を後に行なわれる取引の引当に回すステップEと、を含んで実行すると共に、
前記コンピュータが、
前記引当の際に、前記荷物の出荷先が特定されているときは、当該出荷先への引当も併せて実行すること、
を特徴とする卸売方法。 - 前記ステップB〜ステップDまでの各ステップが、前記荷物の入出庫を自動で行なう自動倉庫に入庫された状態で行なわれること、を特徴とする請求項9に記載の卸売方法。
- 荷物の集荷を行なう第1の卸売業者が集荷した荷物の全部又は一部を倉庫に入庫し、該入庫した荷物に対して、第2の卸売業者との間で行なわれる予約相対、事前販売、相対、競売による商いの少なくとも一つ以上をコンピュータが支援する卸売方法であって、
前記コンピュータは、
前記倉庫に入庫される荷物のデータを個別に記憶すると共に、前記商いごとに前記荷物単位で引当を実行できるように構成されており、
さらに、前記引当の際に当該商いにおける出荷先が特定されていると、当該出荷先への引当も併せて実行すること、
を特徴とする卸売方法。 - 前記コンピュータは、前記荷物が入庫された入庫時間を個別に記憶すると共に、保管時間従量制の課金テーブルを記憶し、前記荷物の出庫があったときは、前記荷物の入庫から出庫までの保管時間に対する課金額を前記課金テーブルを参照して算出するように構成されており、
さらに、前記荷物の引当があったときは、当該引当前の所有者に対しては当該引当時点までの保管時間に対する課金額を算出し、当該引当後の新たな所有者に対しては当該引当から出庫までの保管時間に対する課金額を算出すること、
を特徴とする請求項10又は請求項11に記載の卸売方法。 - 第2の卸売業者が、第1の卸売業者が集荷した荷物を仕入れて商いを行なうための仕入方法であって、
この仕入方法は、前記荷物の入出庫を自動で行なう自動倉庫と、この自動倉庫に入庫してある荷物のデータを個別に管理するコンピュータを介して行なわれ、
前記第2の卸売業者が、
小売業者から受け付けた注文を前記コンピュータに登録するステップと、
前記コンピュータに登録してある自身の在庫と前記注文を参照して、前記第1の卸売業者から予約相対で仕入れる荷物の種類及び量を設定し、前記第1の卸売業者に対して予約相対の申込みをするステップと、
前記コンピュータに登録してある前記第1の卸売業者の未引当品の種類及び量を参照して、前記第1の卸売業者から事前販売で仕入れる荷物の種類及び量を設定し、前記第1の卸売業者に対して前記事前販売の申込みをするステップと、を含んで実行すること、
を特徴とする仕入方法。 - 前記卸売業者が、
前記予約相対及び/又は事前販売で仕入れた荷物の全部又は一部を前記自動倉庫から一旦出庫して小分けし、このように小分けした荷物のデータを前記コンピュータに登録し、再度入庫すること、を特徴とする請求項13に記載の仕入方法。 - 前記仕入方法が、荷物の集荷と該集荷された荷物の分荷が行なわれる場所に建てられ、前記荷物を商う第1の卸売業者と第2の卸売業者の少なくとも一方が業務を行なう建物であって、前記第1の卸売業者と第2の卸売業者の少なくとも一方が商う荷物を入庫する自動倉庫と、前記集荷された荷物を前記自動倉庫に入庫する入庫場所と、前記自動倉庫から前記荷物を出庫して加工する加工場と、前記自動倉庫から前記荷物を出庫して出荷する出荷場と、を備え、少なくとも前記加工場を前記入庫場所及び/又は前記出荷場とは異なる階に配置した集荷及び分荷用の建物で行なわれること、を特徴とする請求項13又は請求項14に記載の仕入方法。
- 荷物の集荷を行なう第1の卸売業者とこの第1の卸売業者から前記荷物を仕入れる第2の卸売業者が、荷物の入出庫を自動で行なう自動倉庫を介して行なう卸売をコンピュータで支援する卸売支援システムであって、
前記自動倉庫に入庫する荷物のデータを個別に前記コンピュータに登録する手段と、
小売業者からの前記第2の卸売業者に対する注文を前記コンピュータに登録する手段と、
前記第2の卸売業者からの前記第1の卸売業者に対する予約相対の注文を前記コンピュータに登録する手段と、
前記第2の卸売業者からの前記第1の卸売業者に対する事前販売の注文を前記コンピュータに登録する手段と、
前記第1の卸売業者と前記第2の卸売業者の間で行なわれる予約相対及び/又は競売のための見本品の出庫を前記コンピュータに指示する手段と、
前記荷物の出荷のための出庫を前記コンピュータに指示する手段と、
を備えることを特徴とする卸売支援システム。 - 他市場からの前記第1の卸売業者に対する転送の注文を前記コンピュータに登録する手段と、
前記転送のための出庫を前記コンピュータに指示する手段と、
を備えることを特徴とする請求項16に記載の卸売支援システム。 - 前記荷物の小分けのための出庫を前記コンピュータに指示する手段を備えること、を特徴とする請求項16又は請求項17に記載の卸売支援システム。
- 前記卸売が、荷物の集荷と該集荷された荷物の分荷が行なわれる場所に建てられ、前記荷物を商う第1の卸売業者と第2の卸売業者の少なくとも一方が業務を行なう建物であって、前記第1の卸売業者と第2の卸売業者の少なくとも一方が商う荷物を入庫する自動倉庫と、前記集荷された荷物を前記自動倉庫に入庫する入庫場所と、前記自動倉庫から前記荷物を出庫して加工する加工場と、前記自動倉庫から前記荷物を出庫して出荷する出荷場と、を備え、少なくとも前記加工場を前記入庫場所及び/又は前記出荷場とは異なる階に配置した集荷及び分荷用の建物で行なわれること、を特徴とする請求項16ないし請求項18のいずれか1項に記載の卸売支援システム。
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